説明

アミドアセトニトリル誘導体

本発明は、一般式(I)の化合物(式中、R、X、X、mおよびnは、請求項1に示される意味を有する)、および、場合により、このエナンチオマーに関連する。本発明の活性な成分は好都合な殺虫剤特性を有する。本発明の活性な成分は、温血動物における寄生虫を駆除するために特に好適である。


【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
本発明は、それぞれ遊離形態または塩形態の式Iの新規なアミドアセトニトリル化合物、場合により、ジアステレオ異性体および/または互変異性体、これらの調製、ならびに、温血動物(特に、生産用家畜および飼育動物)における内部寄生虫および外部寄生虫(特に、蠕虫)の駆除、同様に、植物における寄生虫の駆除におけるこれらの使用、さらには、これらの化合物の少なくとも1つを含有する殺虫剤に関連する。
【0002】
【化5】

式中、
Rは、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキルまたはハロ−C−C−アルコキシ−ハロ−C−C−アルキルを表し、
は、単結合、O、S、S(O)またはS(O)を表す;
または、
Rはハロゲンを表し、
は単結合を表す;
は、CN、ハロゲン、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルキルスルホニルアミノ、ハロ−C−C−アルキルスルホニルアミノ、OH、NH、COOH、CONH、C−C−アルキルアミノカルボニルまたはC−C−アルキルカルボキサミドを表し、nが2以上である場合、Xは互いに異なり得る;
mは、1、2、3または4を表す;および
nは、1、2、3、4または5である。
【0003】
殺虫剤活性を有する置換されたアミドアセトニトリル化合物が、例えば、欧州特許EP−0.953.565A2に記載されている。しかしながら、これに具体的に開示された有効成分は、効力および活性スペクトルに関して要求を必ずしも満たしていない。従って、改善された殺虫剤特性を有する有効成分が求められている。今回、式Iのアミドアセトニトリル化合物が優れた殺虫剤特性(特に、温血動物および植物における内部寄生虫および外部寄生虫に対する殺虫剤特性)を有することが見出されている。
【0004】
アルキルは、基自体として、また、他の基および化合物(例えば、ハロアルキルおよびアルコキシ)の構造的要素として、問題としている基または化合物における炭素原子の具体的な数の十分な考慮とともにそれぞれの場合において、直鎖(すなわち、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシル)または分枝状(例えば、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル、ネオペンチルまたはイソヘキシル)のいずれかである。
【0005】
ハロゲンは、基自体として、また、他の基および化合物(例えば、ハロアルキルまたはハロアルコキシなど)の構造的要素として、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素であり、特に、フッ素、塩素または臭素であり、具体的にはフッ素または塩素である。
【0006】
ハロゲン置換された炭素含有基および炭素含有化合物(例えば、ハロアルキルまたはハロアルコキシなど)は部分的なハロゲン化またはペルハロゲン化が可能であり、多重ハロゲン化の場合、ハロゲン置換基は同一または異なり得る。ハロゲン−アルキルの例には、基自体として、また、他の基および化合物(例えば、ハロアルコキシまたはハロアルキルチオなど)の構造的要素として、フッ素、塩素および/または臭素によって一置換から三置換されるメチル、例えば、CHFまたはCFなど;フッ素、塩素および/または臭素によって一置換から五置換されるエチル、例えば、CHCF、CFCF、CFCCl、CFCHCl、CFCHF、CFCFCl、CFCHBr、CFCHClF、CFCHBrFまたはCClFCHClFなど;フッ素、塩素および/または臭素によって一置換から七置換されるプロピルまたはイソプロピル、例えば、CHCHBrCHBr、CFCHFCF、CHCFCFまたはCH(CFなど;フッ素、塩素および/または臭素によって一置換から九置換されるブチルまたはこの異性体の1つ、例えば、CF(CF)CHFCFまたはCH(CFCFなど;フッ素、塩素および/または臭素の1個から11個により置換されるペンチルまたはこの異性体の1つ、例えば、CF(CF)(CHF)CFまたはCH(CFCFなど;ならびに、フッ素、塩素および/または臭素の1個から13個により置換されるヘキシルまたはこの異性体の1つ、例えば、(CHCHBrCHBr、CF(CHF)CF、CH(CFCFまたはC(CF(CHF)CFなどがある。
【0007】
アルコキシ基は、好ましくは、1個から6個の炭素原子の鎖長を有する。アルコキシは、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシおよびtert−ブトキシ、ならびに、ペンチルオキシおよびヘキシルオキシの各異性体であり、好ましくは、メトキシおよびエトキシである。ハロアルコキシ基は、好ましくは、1個から6個の炭素原子の鎖長を有する。ハロアルコキシは、例えば、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ、2−フルオロエトキシ、2−クロロエトキシ、2,2−ジフルオロエトキシおよび2,2,2−トリクロロエトキシであり、好ましくは、ジフルオロメトキシ、2−クロロエトキシおよびトリフルオロメトキシである。
【0008】
本発明の範囲に含まれる好ましい実施態様は下記の通りである:
(1)下記のように定義される式Iの化合物:
RがC−Cアルキルまたはハロ−C−Cアルキルであり、
特に、ハロ−C−Cアルキルであり、
最も具体的には、ハロ−C−Cアルキルである;
(2)下記のように定義される式Iの化合物:
が、単結合、OまたはSであり、
特に、XがOまたはSであり、
最も具体的には、Oである;
(3)下記のように定義される式Iの化合物:
が、ハロゲン、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルキルスルホニルアミノまたはハロ−C−C−アルキルスルホニルアミノであり、nが2以上である場合、Xは互いに異なり得る;
特に、ハロゲン、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシまたはハロ−C−C−アルコキシであり、これにより、nが2以上である場合、Xは互いに異なり得る;
より具体的には、塩素またはフッ素であり、nが2以上である場合、Xは互いに異なり得る;
最も具体的には、塩素である;
(4)下記のように定義される式Iの化合物:
mが、1、2または3であり、
特に、1または2であり、
具体的には、1である;
(5)下記のように定義される式Iの化合物:
nが、1、2または3であり、
特に、1または2であり、
具体的には、2である;
(6)下記のように定義される式Iの化合物:
RがC−C−アルキルまたはハロ−C−C−アルキルである;
が、単結合、OまたはSである;
が、ハロゲン、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルキルスルホニルアミノまたはハロ−C−C−アルキルスルホニルアミノであり、nが2以上である場合、Xは互いに異なり得る;
mが、1、2または3である;および
nが、1、2または3である;
(7)下記のように定義される式Iの化合物:
Rがハロ−C−C−アルキルである;
がOまたはSである;
が、ハロゲン、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシまたはハロ−C−C−アルコキシであり、nが2以上である場合、Xは互いに異なり得る;
mが1または2である;および
nが1または2である;
(8)下記のように定義される式Iの化合物:
Rがハロ−C−C−アルキルである;
がOである;
が塩素またはフッ素であり、nが2以上である場合、Xは互いに異なり得る;
mが1である;および
nが2である;
(9)下記のように定義される式Iの化合物:
Rがハロ−C−C−アルキルである;
がOである;
が塩素である;
mが1である;および
nが2である。
【0009】
本発明に関連して、表1に列挙される式Iの化合物は特に好ましく、最も具体的には、合成例において示される化合物が特に好ましい。
【0010】
本発明のさらなる目的は、それぞれ遊離形態または塩形態の式Iの化合物を調製するための方法であり、この方法は、例えば、
下記式の化合物:
【0011】
【化6】

(これは知られているか、または、対応する知られている化合物と同様に作製することができ、また、式中、X、mおよびnは、式Iについて示される通りに定義される。)
を、下記式の化合物:
【0012】
【化7】

(これは知られているか、または、対応する知られている化合物と同様に作製することができ、また、式中、XおよびRは、式Iについて示される通りに定義され、Qは脱離基である。)
と、場合により塩基性触媒の存在下で反応させ、次いで、所望する場合には、該方法または別の方法に従って得ることができる、それぞれ遊離形態または塩形態の式Iの化合物を、式Iの別の化合物に転換し、該方法に従って得ることができる異性体の混合物を分離し、該方法に従って得ることができる式Iの所望する単離された化合物および/または遊離化合物を塩に転換するか、または、該方法に従って得ることができる式Iの化合物の塩を式Iの遊離化合物に転換するか、もしくは別の塩に転換することを特徴とする。
【0013】
化合物Iの塩について上記で言及されていることはまた、本明細書中上記および本明細書中下記において示される出発物質の塩に対しても同様に適用される。
【0014】
反応パートナーは、このままで、すなわち、溶媒または希釈剤を加えることなく、互いに反応させることができ、例えば、溶融物において互いに反応させることができる。しかしながら、ほとんどの場合において、不活性な溶媒または希釈剤またはこれらの混合物を添加することが好都合である。このような溶媒または希釈剤の例には、芳香族、脂肪族および脂環族の炭化水素およびハロゲン化炭化水素、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン、石油エーテル、ヘキサン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエテンまたはテトラクロロエテンなど;エーテル、例えば、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジメトキシジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたはジオキサンなど;ケトン、例えば、アセトン、メチルエチルケトンまたはメチルイソブチルケトンなど;アミド、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンまたはヘキサメチルリン酸トリアミドなど;ニトリル、例えば、アセトニトリルまたはプロピオニトリルなど;およびスルホキシド、例えば、ジメチルスルホキシドなどがある。
【0015】
好ましい脱離基Qは、ハロゲン、トシラート、メシラートおよびトリフラートであり、最も好ましくはハロゲンであり、特に塩素である。
【0016】
反応を容易にするための好適な塩基には、例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、水素化物、アミド、アルカノラート、酢酸塩、炭酸塩、ジアルキルアミドまたはアルキルシリルアミド;アルキルアミン、アルキレンジアミン(場合によりN−アルキル化体、場合により不飽和)、シクロアルキルアミン、塩基性複素環、アンモニウム水酸化、ならびに炭素環アミンがある。例として挙げることができる塩基は、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、ナトリウムメタノラート、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、カリウムtert−ブタノラート、水酸化カリウム、炭酸カリウム、水素化カリウム、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、水素化カルシウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチレンジアミン、シクロヘキシルアミン、N−シクロヘキシル−N,N−ジメチルアミン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、キヌクリジン、N−メチルモルホリン、ベンジルトリメチルアンモニウム水酸化物、ならびに、1,5−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−5−エン(DBU)である。ジイソプロピルエチルアミンおよび4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジンが好ましい。
【0017】
反応は、好都合には、約0℃から約100℃の温度範囲で行われ、好ましくは、約10℃から約40℃の温度範囲で行われる。
【0018】
本発明のさらなる目的は、それぞれ遊離形態または塩形態の式IIの化合物を調製するための方法であり、この方法は、例えば、下記式の化合物:
【0019】
【化8】

(これは知られているか、または、対応する知られている化合物と同様に作製することができる、また、式中、X、mおよびnは、式Iについて示される通りに定義される。)
を、無機シアニドまたは有機シアニドおよびNHと反応させ、次いで、所望する場合には、該方法または別の方法に従って得ることができる、それぞれ遊離形態または塩形態の式IIの化合物を、式IIの別の化合物に転換し、該方法に従って得ることができる異性体の混合物を分離し、該方法に従って得ることができる式IIの所望する単離された化合物および/または遊離化合物を塩に転換するか、または、該方法に従って得ることができる式IIの化合物の塩を式IIの遊離化合物に転換するか、もしくは別の塩に転換することを特徴とする。
【0020】
好適なシアニドは、シアン化ナトリウム、シアン化カリウム、トリメチルシリルシアニドおよびアセトンシアノヒドリンである。
【0021】
カルボニル化合物(例えば、式IVのカルボニル化合物)をシアニドおよびアミン(例えば、式R−NHのアミン)と反応させるための一般的な方法は、例えば、Organic Synthesis Coll.第3巻、88(1973)におけるようなストレッカー反応である。
【0022】
化合物Iの塩は、知られている様式で作製することができる。例えば、化合物Iの酸付加塩を好適な酸または好適なイオン交換試薬による処理によって得ることができ、塩基との塩を好適な塩基または好適なイオン交換試薬による処理によって得ることができる。
【0023】
化合物Iの塩は、通常の手段によって遊離化合物Iに転換することができる。化合物Iの塩は、例えば、好適な塩基性組成物または好適なイオン交換試薬により処理することによって酸付加塩に転換することができ、また、例えば、好適な酸または好適なイオン交換試薬により処理することによって塩基との塩に転換することができる。
【0024】
化合物Iの塩は、知られている様式で化合物Iの他の塩に転換することができる。例えば、酸付加塩を、例えば、好適な溶媒中において、無機酸の塩(塩酸塩など)を、酸の好適な金属塩(ナトリウム塩、バリウム塩または銀塩など)により、例えば、酢酸銀により処理することによって他の酸付加塩に変換することができ、この場合、生じる無機塩(例えば、塩化銀)は不溶性であり、従って、反応混合物から沈殿する。
【0025】
方法および/または反応条件に依存して、塩形成特性を有する化合物Iを遊離形態または塩の形態で得ることができる。
【0026】
化合物Iはこの水和物の形態でも得ることができ、および/または、例えば、固体形態で存在する化合物の結晶化のために必要な場合には使用される他の溶媒もまた含むことができる。
【0027】
化合物Iは、場合により、光学異性体および/または幾何異性体として、またはこの混合物として存在する場合がある。本発明は、純粋な異性体およびすべての可能な異性体混合物の両方に関連し、また、本明細書上記および本明細書下記では、立体化学的詳細が、どの場合においても、具体的に述べられていないとしても、純粋な異性体およびすべての可能な異性体混合物の両方に関連するとして理解される。
【0028】
化合物Iのジアステレオ異性体混合物(これは上記プロセスまたは別の方法で得ることができる。)は、この成分における物理化学的な差に基づいて、知られている様式で、純粋なジアステレオ異性体に分離することができ、例えば、分別結晶化、蒸留および/またはクロマトグラフィーによって分離することができる。
【0029】
エナンチオマーの混合物(これはこれに応じて得ることができる)を純粋な異性体に分割することを、知られている方法によって達成することができ、例えば、光学活性な溶媒からの再結晶によって、キラルな吸着剤でのクロマトグラフィー、例えば、酢酸セルロースでの高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)によって、適切な微生物の助けを用いて、特異的な固定化酵素による切断によって、包接化合物を、例えば、キラルなクラウンエーテルを使用して形成させ、これにより一方のエナンチオマーのみを複合体化させることによって、達成することができる。
【0030】
本発明によれば、対応する異性体混合物の分離とは別に、ジアステレオ選択的またはエナンチオ選択的な合成の一般に知られている方法もまた、例えば、対応して好適な立体化学を有する反応物を使用して本発明の方法を行うことによって純粋なジアステレオ異性体またはエナンチオマーを得るために適用することができる。
【0031】
個々の成分が異なる生物学的効力を有するならば、生物学的活性がより大きい異性体(例えば、エナンチオマー)を単離または合成することが好都合である。
【0032】
本発明の方法においては、使用される出発物質および中間体は、好ましくは、特に有用であるとして冒頭で記載された化合物Iをもたらすものである。
【0033】
本発明は、特に、実施例に記載される調製方法に関連する。
【0034】
出発物質および中間体(これらは新規であり、化合物Iの調製のために本発明に従って使用される)、ならびに、これらの使用およびこの調製方法は、同様に、本発明の目的を形成する。
【0035】
本発明による化合物Iはこの幅広い活性スペクトルのために注目されており、特に、温血動物(特に、家畜および飼育動物)における内部寄生虫および外部寄生虫(特に、蠕虫)の駆除、同様に、植物における寄生虫の駆除を含む害虫駆除において使用され、その一方で、温血動物、魚類および植物によって十分に許容される有益な有効成分である。
【0036】
本発明に関連して、外部寄生虫は、具体的には、昆虫およびダニ類(mite(マダニ類を除くダニ類)およびtick(マダニ類))であることが理解される。これらには、チョウ目(Lepidoptera)、コウチュウ目(Coleoptera)、ヨコバイ目(Homoptera)、カメムシ目(Heteroptera)、ハエ目(Diptera)、アザミウマ目(Thysanoptera)、バッタ目(Orthoptera)、シラミ目(Anoplura)、ノミ目(Siphonaptera)、ハジラミ目(Mallophaga)、シミ目(Thysanura)、シロアリ目(Isoptera)、チャタテムシ目(Psocoptera)およびハチ目(Hymenoptera)の昆虫が含まれる。しかしながら、具体的に挙げることができる外部寄生虫は、ヒトまたは動物を苦しめ、また、病原体を運搬する外部寄生虫であり、例えば、ハエ類、例えば、イエバエ[Musca domestica]、ムスカ・ベツスチスシマ[Musca vetustissima]、ムスカ・オーツムナリス[Musca autumnalis]、ヒメイエバエ[Fannia canicularis]、サルコファーガ・カルナリア[Sarcophaga carnaria]、ヒツジキンバエ[Lucilia cuprina]、ウシバエ[Hypoderma bovis]、キスジウシバエ[Hypoderma lineatum]、クリソミイア・クロロピガ[Chrysomyia chloropyga]、ヒトヒフバエ[Dermatobia hominis]、アメリカオビキンバエ[Cochliomyia hominivorax]、ウマバエ[Gasterophilus intestinalis]、ヒツジバエ[Oestrus ovis]、サシバエ[Stomoxys calcitrans]、ノサシバエ[Haematobia irritans]など、および、小昆虫(糸角類(Nematocera))、例えば、カ科(Culicidae)、ブユ科(Simuliidae)、チョウバエ科(Psychodidae)など、同様に、吸血性の寄生虫、例えば、ノミ類、例えば、ネコノミ[Ctenocephalides felis]およびイヌノミ[Ctenocephalides canis](ネコおよびイヌのノミ)、インドネズミノミ[Xenopsylla cheopis]、ヒトノミ[Pulex irritans]、スナノミ[Dermatophilus penetrans]など、シラミ類、例えば、ウシハジラミ[Damalina ovis]、ヒトジラミ[Pediculus humanis]、刺咬性のハエおよびアブ(アブ科(Tabanidae))、ヘマトポタ・エスピーピー[Haematopota spp.](例えば、ゴマフアブ[Haematopota pluvialis]など)、タバニデア・エスピーピー[Tabanidea spp.](例えば、タバヌス・ニグロビタツス[Tabanus nigrovittatus]など)、クリソプシナエ・エスピーピー[Chrysopsinae spp.](例えば、クリプソプス・カエクチエンス[Chrypsops caecutiens]など)、ツェツェバエ(例えば、ツェツェバエ属(Glossinia)の種など)、刺咬性の昆虫、具体的には、ゴキブリ、例えば、チャバネゴキブリ[Blatella germanica]、トウヨウゴキブリ[Blatta orientalis]、ワモンゴキブリ[Periplaneta americana]など、ダニ類(mite)、例えば、ワクモ[Dermanyssus gallinea]、ヒゼンダニ[Sarcoptes scabiei]、ヒツジキュウセンヒゼンダニ[Psoroptes ovis]およびプソレルガテス・エスピーピー(Psorergates spp.)など、および最後に、特に、マダニ類である。後者はダニ目(Acarina)に属する。マダニ類の知られている代表的なものは、例えば、ウシマダニ属(Boophilus)、キララマダニ属(Amblyomma)、アノセントル(Anocentor)属、カクマダニ属(Dermacentor)、チマダニ属(Haemaphysalis)、イボマダニ属(Hyalomma)、マダニ属(Ixodes)、リピセントル(Rhipicentor)属、マルガロプス(Margaropus)属、コイタマダニ属(Rhipicephalus)、ヒメダニ属(Argas)、オトビウス(Otobius)属およびカズキダニ属(Ornithodoros)などであり、これらは、むしろ、ウシ、ブタ、ヒツジおよびヤギなどの農場動物、ニワトリ、七面鳥およびガチョウなどの家禽、ミンク、キツネ、チンチラおよびウサギなどの毛皮動物、ならびにネコおよびイヌなどの飼育動物を含む温血動物に寄生し、しかし、ヒトにもまた寄生するものである。
【0037】
本発明による化合物Iはまた、通常の感受性を示す動物害虫、ならびに、抵抗性を示す動物害虫(例えば、昆虫およびダニ目(Acrina)のメンバーなど)のすべての発達段階または個々の発達段階に対して活性である。本発明の活性な化合物の殺虫剤作用、殺卵子剤作用および/または殺ダニ剤作用は直接的に現れ、すなわち、即時的またはいくらかの時間が経過した後のいずれかで、例えば、脱皮が生じたとき、または、これらの卵を殺すことによって害虫を殺し、または、間接的に現れ、例えば、産卵された卵の数および/または孵化率を低下させる。この場合、良好な効力は、少なくとも50%から60%の殺虫率(死亡数)に対応する。
【0038】
化合物Iはまた、衛生害虫に対して、特に、ニクバエ科(Sarcophagidae)、ハマダラカ亜科(Anophilidae)およびカ科(Culicidae)のハエ目(Diptera);バッタ目(Orthoptera)、網翅類(Dictyoptera)(例えば、ゴキブリ科(Blattidae))およびハチ目(Hymenoptera)(例えば、アリ科(Formicidae))の衛生害虫に対して使用することができる。
【0039】
化合物Iはまた、植物の寄生性のダニ類(mite)および昆虫に対する持続可能な効力を有する。ダニ目のハダニの場合、化合物Iは、ハダニ科(Tetranychidae)(テトラニクス・エスピーピー[Tetranychus spp.]およびパノニクス・エスピーピー[Panonychus spp.])の卵、若虫および成虫に対して有効である。
【0040】
化合物Iは、ヨコバイ目(Homoptera)の吸汁性昆虫に対して、特に、アリマキ科(Aphididae)、ウンカ科(Delphacidae)、オオヨコバイ科(Cicadellidae)、キジラミ科(Psyllidae)、ロクシダエ(Loccidae)科、ジアスピジダエ(Diaspididae)科およびフシダニ科(Eryophydidae)(例えば、柑橘類果樹に対するサビダニ)の害虫に対して;カメムシ目(Hemiptera)、カメムシ亜目(Heteroptera)およびアザミウマ目(Thysanoptera)に対して、また、チョウ目(Lepidoptera)、コウチュウ目(Coleoptera)、ハエ目(Diptera)およびバッタ目(Orthoptera)の植物摂食昆虫について大きい活性を有する。
【0041】
化合物Iは、土壌内の害虫に対する土壌殺昆虫剤として同様に好適である。
【0042】
従って、式Iの化合物は、穀類、ワタ、イネ、トウモロコシ、ダイズ、ジャガイモ、野菜、果樹、タバコ、ホップ、柑橘類、アボカドおよび他の作物などの作物に対する吸汁性昆虫および摂食性昆虫の発達段階のすべてに対して有効である。
【0043】
式Iの化合物はまた、キタネコブセンチュウ属(Meloidogyne)、ダイズシストセンチュウ属(Heterodera)、ネグサレセンチュウ属(Pratylenchus)、クキセンチュウ属(Ditylenchus)、ネモグリセンチュウ属(Radopholus)、リゾグリフス(Rizoglyphus)属などの植物線虫に対しても有効である。
【0044】
特に、本発明の化合物は、内部寄生性の線虫および吸虫が哺乳動物および家禽(例えば、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウシ、ウマ、ロバ、イヌ、ネコ、モルモットおよび外来鳥類)の重篤な疾患の原因であり得る蠕虫に対して有効である。この適応の典型的な線虫は、捻転胃虫属(Haemonchus)、毛様線虫属(Trichostrongylus)、オステルタギア属(Ostertagia)、ネマトディルス属(Nematodirus)、クーペリア属(Cooperia)、回虫属(Ascaris)、ブノストヌム属(Bunostonum)、腸結節虫属(Oesophagostonum)、チャルベルチア属(Charbertia)、鞭虫属(Trichuris)、円虫属(Strongylus)、トリコネマ(Trichonema)属、ディクチオカウルス属(Dictyocaulus)、カピラリア属(Capillaria)、ヘテラキス属(Heterakis)、トキソカラ属(Toxocara)、アスカリディア属(Ascaridia)、蟯虫属(Oxyuris)、鉤虫属(Ancylostoma)、ウンシナリア属(Uncinaria)、トキサスカリス属(Toxascaris)およびパラアスカリス属(Parascaris)である。吸虫には、具体的には、ヒル状吸虫科(Fasciolidae)(特に、肝蛭[Fasciola hepatica])が含まれる。
【0045】
驚くべきことに、また、予想外にも、式Iの化合物は、多くの活性な物質に対して抵抗性である線虫に対する非常に大きい効力を有することもまた示され得る。これは、LDA試験によってインビトロで明らかにすることができ、また、例えば、スナネズミおよびヒツジにおいてインビボで明らかにすることができる。捻転胃虫[Haemonchus contortus]および毛様線虫[Trichostrongylus colubriformis]の感受性系統を殺す活性な物質の量はまた、ベンゾイミダゾール系(レバミソール)およびマクロ環ラクトン(例えば、イベルメクチン)に対して抵抗性である対応する系統を駆除することにおいて十分に有効であることが示されていた。
【0046】
ネマトディルス属、クーペリア属および腸結節虫属の種のある種の害虫は宿主動物の腸管に寄生し、一方、捻転胃虫属およびオステルタギア属の種の害虫は胃に寄生し、ディクチオカウルス属の種の害虫は肺組織に寄生する。糸状虫科(Filariidae)およびセタリア科(Setariidae)の寄生虫が内部細胞組織および臓器(例えば、心臓、血管、リンパ管および皮下組織)に見出されることがある。特に注目される寄生虫はイヌのイヌ糸状虫[Dirofilaria immitis]である。式Iの化合物はこれらの寄生虫に対して非常に有効である。
【0047】
式Iの化合物によって駆除することができる害虫にはまた、条虫綱(Cestoda)に由来する害虫(条虫)、例えば、中擬条虫科(Mesocestoidae)に由来する害虫、特に、中擬条虫属(Mesocestoides)の害虫、具体的には、有線条虫[M.lineatus];ジレピジデ(Dilepidide)属、特に、瓜実条虫[Dipyridium caninum]、ジョヨイクシエラ・エスピーピー[Joyeuxiella spp.]、具体的には、ジョヨイクシエラ・パスクアリ[Joyeuxiella pasquali]、およびジプロピリジウム・エスピーピー[Diplopyridium spp.]、ならびに、条虫科(Taenidae)、特に、豆状条虫[Taenia pisiformis]、テニア・セルビ[Taenia cervi]、ヒツジ条虫[Taenia ovis]、胞状条虫[Taenia hydatigena]、多頭条虫[Taenia multiceps]、ネコ条虫[Taenia taeniaeformis]、連節条虫[Taenia serialis]、およびエキノコックス・エスピーピー[Echinocuccus spp.]、最も好ましくは、胞状条虫[Taenia hydatigena]、ヒツジ条虫[Taenia ovis]、多頭条虫[Taenia multiceps]、連節条虫[Taenia serialis];単包条虫[Echinocuccus granulosus]および単包条虫および多包条虫[Echinocuccus multilocularis]、ならびに、多頭条虫[Multiceps multiceps]が含まれる。
【0048】
式Iの化合物はまた、特に子ブタおよびニワトリにおいて出現し得る球虫類亜綱(Coccdidiose)を駆除するためにも好適である。腸内細菌およびクロストリジウム属(Clostridium)は別として、球虫類(Coccidiae)は、離乳していない子ブタの下痢の最も重要な原因の1つである。子ブタの場合における最も重要なタイプはイソスポラ・スイス[Isospora suis]である。子ブタは、口を介してイソスポラ・スイスのオーシスト(胞子)に感染する。オーシストは小腸に移動し、小腸において小腸粘膜の中に侵入する。そこで、オーシストは発達の様々な段階を過ごす。感染後5日目および9日目および11日目から14日目の間で、球虫類は腸粘膜から現れ、次いで、便において再び検出可能になる。この突然の発生は腸粘膜に大きな損傷を引き起こす。子ブタは、部分的に黄色みのある粥状から水様性の下痢を示すことによって反応する。この下痢は悪臭を有する。時々ではあるが、個々の子ブタが嘔吐する。下痢が生後8日から15日の間で発生することが通例である。
【0049】
最も具体的には、胞状条虫、豆状条虫、ヒツジ条虫、ネコ条虫、多頭条虫[Multiceps multiceps]、ジョヨイクシエラ・パスクアリ、瓜実条虫、メソセストイデス・エスピーピー[Mesocestoides spp.]、単包条虫および多包条虫が、イヌ糸状虫、アンシロストマ・エスエスピー[Ancylostoma ssp.]、トクソカラ・エスエスピー[Toxocara ssp.]および/またはイヌ鞭虫[Trichuris vulpis]と同時にイヌおよびネコにおいて駆除される。等しく好ましくは、ネコノミ[Ctenocephalides felis]および/またはイヌノミ[C.canis]が上記の線虫および条虫と同時に駆除される。
【0050】
さらに、式Iの化合物は、ヒトの病原性寄生虫を駆除するために好適である。これらの中で、消化管に現れる典型的な代表例は、鉤虫属(Ancylostoma)、アメリカ鉤虫属(Necator)、回虫属(Ascaris)、ストロンギロイデス属(Strongyloides)、旋毛虫属(Trichinella)、カピラリア属(Capillaria)、鞭虫属(Trichuris)および蟯虫属(Enterobius)の種の寄生虫である。本発明の化合物はまた、血液中、組織中および様々な臓器に現れる糸状虫科に由来するブケレリア(Wuchereria)属、ブルギア属(Brugia)、オンコセルカ属(Onchocerca)およびロア属(Loa)の種の寄生虫に対して、同様に、特に胃腸管に寄生するドラクンクルス属(Dracunculus)に対して、また、ストロンギロイデス属(Strongyloides)および旋毛虫属(Trichinella)の種の害虫に対して有効である。
【0051】
加えて、式Iの化合物は、ヒトおよび動物における菌類だけでなく、植物における有害な菌類および病原性菌類に対しても有効である。
【0052】
本発明による式Iの化合物の良好な殺虫剤活性は、述べられた害虫の少なくとも50%から60%の死亡率に対応する。特に、式Iの化合物は、効力の持続期間が非常に長いために注目される。
【0053】
式Iの化合物は、好ましくは、非修飾の形態で用いられるか、または、好ましくは、配合の分野で従来から使用されている補助剤と一緒に用いられ、従って、例えば、乳化可能な高濃度物、直接希釈可能な溶液剤、希釈乳剤、溶解性粉末剤、顆粒剤、またはポリマー物質におけるマイクロカプセル化物を得るために知られている方法で加工することができる。組成物の場合と同様に、適用方法は、意図された目的および一般的な状況に従って選択される。
【0054】
配合物、すなわち、式Iの有効成分を含有する薬剤、調製物もしくは組成物、または、これらの有効成分と他の有効成分および場合により固体もしくは液体の補助剤との組合せ物が、それ自体は知られている方法で製造され、例えば、有効成分を、展延用組成物と、例えば、溶媒、固体キャリアおよび場合により表面活性な化合物(界面活性剤)とともに十分に混合および/または粉砕することによって製造される。
【0055】
問題とする溶媒には、アルコール(例えば、エタノール、プロパノールまたはブタノールなど)およびグリコールならびにこれらのエーテルおよびエステル(例えば、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールエーテル、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテルまたはエチレングリコールモノエチルエーテルなど)、ケトン(例えば、シクロヘキサノン、イソホロンまたはジアセタノールアルコールなど)、強極性の溶媒(例えば、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドまたはジメチルホルムアミドなど)、または、水、植物油(ナタネ油、ヒマシ油、ココナッツ油またはダイズ油など)、同様に、適する場合にはシリコーンオイルを挙げることができる。
【0056】
蠕虫を駆除することにおける温血動物に対する使用のための好ましい適用形態物には、溶液剤、乳剤、懸濁物(水剤)、食物添加物、粉末剤、錠剤(発泡性錠剤を含む)、ボーラス剤、カプセル、マイクロカプセルおよびポア・オン(pour−on)配合物が含まれ、従って、配合賦形剤の生理学的適合性を考慮に入れなければならない。
【0057】
錠剤およびボーラス剤のための結合剤は、水またはアルコールにおいて可溶性である化学修飾されたポリマー状天然物質、例えば、デンプン、セルロースまたはタンパク質の誘導体(例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ゼインおよびゼラチンなどのタンパク質など)など、ならびに合成ポリマー、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどあり得る。錠剤はまた、充填剤(例えば、デンプン、微結晶セルロース、糖、ラクトースなど)、滑剤および崩壊剤を含有する。
【0058】
駆虫薬が飼料高濃度物の形態で存在する場合、使用されるキャリアは、例えば、機能性飼料、飼料穀粒またはタンパク質高濃度物である。このような飼料高濃度物または組成物はまた、有効成分のほかに、添加剤、ビタミン、抗生物質、化学治療剤または他の殺虫剤(主に、静菌剤、抗真菌剤、抗コクシジウム剤)、または、食肉解体処理用の動物の肉質に影響を及ぼすか、または、別の意味で生物にとって有益であるホルモン調製物、または同化作用を有する物質、または成長を促進させる物質さえも含有することができる。組成物、または、これに含有される式Iの有効成分が飼料または飲料水に直接に添加される場合、配合された飼料または飲料水は有効成分を好ましくは約0.0005重量%から0.02重量%(5ppmから200ppm)の濃度で含有する。
【0059】
本発明による式Iの化合物は、単独で、または他の殺生物剤との組合せで使用することができる。式Iの化合物は、例えば、活性を増大させるために同じ活性領域を有する殺虫剤と組み合わせることができ、または、例えば、活性範囲を広げるために別の活性領域を有する物質と組み合わせることができる。いわゆる忌避薬を加えることもまた理解され得る。活性範囲を内部寄生虫に拡大しようとする場合(例えば、鳥獣用駆虫薬)、式Iの化合物は、好適には、内部寄生虫性の特性を有する物質と組み合わせられる。当然のことではあるが、式Iの化合物はまた、抗菌性組成物との組合わせで使用することができる。式Iの化合物は殺成虫剤であるので、すなわち、式Iの化合物は特に標的寄生虫の成虫段階に対して有効であるので、むしろ寄生虫の幼虫段階を攻撃する殺虫剤の添加が非常に好都合である場合がある。このようにして、大きな経済的損害をもたらすこのような寄生虫の大部分が対象として含まれる。さらに、この作用は、抵抗性の形成を避けることに実質的に寄与する。多くの組合せ物はまた相乗効果をもたらし得る。すなわち、有効成分の総量を減らすことができ、このことは生態学的観点から望ましい。組合せ相手の好ましい群および特に好ましい組合せ相手が下記に示され、これにより、組合せ物は、式Iの化合物に加えて、これらの相手の1つまたは複数を含むことができる。
【0060】
混合物における好適な相手には、下記に示される、長年にわたって当業者に知られている様々な殺生物剤(例えば、様々な活性機構を有する殺昆虫剤および殺ダニ剤)を挙げることができ、これらは、例えば、キチン合成阻害剤、成長調節剤、幼若ホルモンとして作用する有効成分、殺成虫剤として作用する有効成分、広域性の殺昆虫剤、広域性の殺ダニ剤および殺線虫剤、同様に、よく知られている駆虫薬、ならびに昆虫抑止物質および/またはダニ抑止物質、前記の忌避薬または剥離剤である。
【0061】
好適な殺昆虫剤および殺ダニ剤の非限定的な例が下記に示される:
【0062】
【表1】





【0063】
好適な駆虫薬の非限定的な例が下記に示されるが、少数の代表的なものは、駆虫薬活性に加えて、殺昆虫剤活性および殺ダニ剤活性を有しており、一部が上記の一覧に既に示されている。
(A1)プラジカンテル=2−シクロヘキシルカルボニル−4−オキソ−1,2,3,6,7,11b−ヘキサヒドロ−4H−ピラジノ[2,1−α]イソキノリン
(A2)クロサンテル=3,5−ジヨード−N−[5−クロロ−2−メチル−4−(a−シアノ−4−クロロベンジル)フェニル]サリチルアミド
(A3)トリクラベンダゾール=5−クロロ−6−(2,3−ジクロロフェノキシ)−2−メチルチオ−1H−ベンゾイミダゾール
(A4)レバミソール=L−(−)−2,3,5,6−テトラヒドロ−6−フェニルイミダゾ[2,1b]チアゾール
(A5)メベンダゾール=(5−ベンゾイル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)カルバミン酸メチルエステル
(A6)オムファロチン=国際特許出願公開WO97/20857に記載される菌類Omphalotus oleariusのマクロ環状発酵産物
(A7)アバメクチン=アベルメクチンB1
(A8)イベルメクチン=22,23−ジヒドロアベルメクチンB1
(A9)モキシデクチン=5−O−デメチル−28−デオキシ−25−(1,3−ジメチル−1−ブテニル)−6,28−エポキシ−23−(メトキシイミノ)ミルベマイシンB
(A10)ドラメクチン=25−シクロヘキシル−5−O−デメチル−25−デ(1−メチルプロピル)アベルメクチンA1a
(A11)ミルベメクチン=ミルベマイシンA3およびミルベマイシンA4の混合物
(A12)ミルベミシノキシム=ミルベメクチンの5−オキシム。
【0064】
好適な忌避薬および剥離剤の非限定的な例が下記に示される:
(R1)DEET (N,N−ジエチル−m−トルアミド)
(R2)KBR3023 N−ブチル−2−オキシカルボニル−(2−ヒドロキシ)ピペリジン
(R3)シミアゾール=N−2,3−ジヒドロ−3−メチル−1,3−チアゾール−2−イリデン−2,4−キシリデン。
【0065】
混合物における前記組合せ相手はこの分野での専門家には非常に周知である。ほとんどが、Pesticide Manual(The British Crop Protection Council、London)の様々な版に記載され、他のものが、The Merck Index(Merck&Co.,Inc.、Rahway、New Jersey、米国)の様々な版または特許文献に記載される。従って、下記の列挙は、これらが例として見出され得る少数の頁に限定される。
(I)2−メチル−2−(メチルチオ)プロピオンアルデヒド−O−メチルカルバモイルオキシム(アルジカルブ)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、26頁)から;
(II)S−(3,4−ジヒドロ−4−オキソベンゾ[d]−[1,2,3]−トリアジン−3−イルメチル)O,O−ジメチル−ホスホロジチオアート(アジンホス−メチル)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、67頁)から;
(III)エチル−N−[2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−7−イルオキシカルボニル−(メチル)アミノチオ]−N−イソプロピル−β−アラニナート(ベンフラカルブ)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、96頁)から;
(IV)2−メチルビフェニル−3−イルメチル−(Z)−(1RS)−cis−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロパ−1−エニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(ビフェントリン)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、118頁)から;
(V)2−tert−ブチルイミノ−3−イソプロピル−5−フェニル−1,3,5−チアジアジアン−4−オン(ブプロフェジン)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、157頁)から;
(VI)2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−7−イル−メチルカルバマート(カルボフラン)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、186頁)から;
(VII)2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−7−イル−(ジブチルアミノチオ)メチルカルバマート(カルボスルファン)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、188頁)から;
(VIII)S,S’−(2−ジメチルアミノトリメチレン)−ビス(チオカルバマート)(カルタップ)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、193頁)から;
(IX)1−[3,5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)フェニル]−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア(クロルフルアズロン)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、213頁)から;
(X)O,O−ジエチル−O−3,5,6−トリクロロ−2−ピリジル−ホスホロチオアート(クロルピリホス)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、235頁)から;
(XI)(RS)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フェノキシベンジル−(1RS,3RS;1RS,3RS)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(シフルトリン)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、293頁)から;
(XII)(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル−(Z)−(1R,3R)−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートおよび(R)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル−(Z)−(1R,3R)−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートの混合物(λ−シハロトリン)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、300頁)から;
(XIII)(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル−(Z)−(1R,3R)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートおよび(R)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル−(1S,3S)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートからなるラセミ体(α−シペルメトリン)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、308頁)から;
(XIV)(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル−(1RS,3RS、1RS,3RS)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートの立体異性体の混合物(ζ−シペルメトリン)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、314頁)から;
(XV)(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル−(1R,3R)−3−(2,2−ジブロモビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(デルタメトリン)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、344頁)から;
(XVI)(4−クロロフェニル)−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア(ジフルベンズロン)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、395頁)から;
(XVII)(1,4,5,6,7,7−ヘキサクロロ−8,9,10−トリノルボルン−5−エン−2,3−イレンビスメチレン)スルフィト(エンドスルファン)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、459頁)から;
(XVIII)α−エチルチオ−o−トリル−メチルカルバマート(エチオフェンカルブ)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、479頁)から;
(XIX)O,O−ジメチル−O−4−ニトロ−m−トリル−ホスホロチオアート(フェニトロチオン)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、514頁)から;
(XX)2−sec−ブチルフェニル−メチルカルバマート(フェノブカルブ)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、516頁)から;
(XXI)(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル−(RS)−2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチラート(フェンバレラート)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、539頁)から;
(XXII)S−[ホルミル(メチル)カルバモイルメチル]−O,O−ジメチル−ホスホロジチオアート(ホルモチオン)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、625頁)から;
(XXIII)4−メチルチオ−3,5−キシリル−メチルカルバマート(メチオカルブ)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、813頁)から;
(XXIV)7−クロロビシクロ[3.2.0]ヘプタ−2,6−ジエン−6−イル−ジメチルホスファート(ヘプテノホス)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、670頁)から;
(XXV)1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−ニトロイミダゾリジン−2−イリデンアミン(イミダクロプリド)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、706頁)から;
(XXVI)2−イソプロピルフェニル−メチルカルバマート(イソプロカルブ)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、729頁)から;
(XXVII)O,S−ジメチル−ホスホルアミドチオアート(メタミドホス)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、808頁)から;
(XXVIII)S−メチル−N−(メチルカルバモイルオキシ)チオアセトイミダート(メソミル)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、815頁)から;
(XXIX)メチル−3−(ジメトキシホスフィノイルオキシ)ブタ−2−エノアート(メビンホス)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、844頁)から;
(XXX)O,O−ジエチル−O−4−ニトロフェニル−ホスホロチオアート(パラチオン)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、926頁)から;
(XXXI)O,O−ジメチル−O−4−ニトロフェニル−ホスホロチオアート(パラチオン−メチル)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、928頁)から;
(XXXII)S−6−クロロ−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1,3−ベンゾオキサゾール−3−イルメチル−O,O−ジエチル−ホスホロジチオアート(ホサロン)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、963頁)から;
(XXXIII)2−ジメチルアミノ−5,6−ジメチルピリミジン−4−イル−ジメチルカルバマート(ピリミカルブ)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、985頁)から;
(XXXIV)2−イソプロポキシフェニル−メチルカルバマート(プロポクスル)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、1036頁)から;
(XXXV)1−(3,5−ジクロロ−2,4−ジフルオロフェニル)−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア(テフルベンズロン)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、1158頁)から;
(XXXVI)S−tert−ブチルチオメチル−O,O−ジメチル−ホスホロジチオアート(テルブホス)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、1165頁)から;
(XXXVII)エチル−(3−tert−ブチル−1−ジメチルカルバモイル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル−チオ)アセタート(トリアザマート)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、1224頁)から;
(XXXVIII)アバメクチン、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、3頁)から;
(XXXIX)2−sec−ブチルフェニル−メチルカルバマート(フェノブカルブ)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、516頁)から;
(XL)N−tert−ブチル−N−(4−エチルベンゾイル)−3,5−ジメチルベンゾヒドラジド(テブフェノジド)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、1147頁)から;
(XLI)(±)−5−アミノ−1−(2,6−ジクロロ−α,α,α−トリフルオロ−p−トリル)−4−トリフルオロメチル−スルフィニルピラゾール−3−カルボニトリル(フィプロニル)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、545頁)から;
(XLII)(RS)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フェノキシベンジル(1RS,3RS;1RS,3RS)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(β−シフルトリン)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、295頁)から;
(XLIII)(4−エトキシフェニル)−[3−(4−フルオロ−3−フェノキシフェニル)プロピル](ジメチル)シラン(シラフルオフェン)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、1105頁)から;
(XLIV)(E)−α−(1,3−ジメチル−5−フェノキシピラゾール−4−イル−メチレンアミノ−オキシ)−p−トルイル酸tert−ブチル(フェンピロキシマート)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、530頁)から;
(XLV)2−tert−ブチル−5−(4−tert−ブチルベンジルチオ)−4−クロロピリダジン−3(2H)−オン(ピリダベン)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、1161頁)から;
(XLVI)4−[[4−(1,1−ジメチルフェニル)フェニル]エトキシ]キナゾリン(フェナザキン)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、507頁)から;
(XLVII)4−フェノキシフェニル−(RS)−2−(ピリジルオキシ)プロピル−エーテル(ピリプロキシフェン)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、1073頁)から;
(XLVIII)5−クロロ−N−{2−[4−(2−エトキシエチル)−2,3−ジメチルフェノキシ]エチル}−6−エチルピリミジン−4−アミン(ピリミジフェン)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、1070頁)から;
(XLIX)(E)−N−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−エチル−N’−メチル−2−ニトロビニリデンジアミン(ニテンピラム)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、880頁)から;
(L)(E)−N−[(6−クロロ−3−ピリジル)メチル]−N−シアノ−N−メチルアセトアミジン(NI−25、アセタミプリド)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、9頁)から;
(LI)アベルメクチンB1、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、3頁)から;
(LII)植物由来の昆虫活性な抽出物、特に、(2R,6aS,12aS)−1,2,6,6a,12,12a−ヘキサヒドロ−2−イソプロペニル−8,9−ジメトキシ−クロメノ[3,4−b]フロ[2,3−h]クロメン−6−オン(ロテノン)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、1097頁)から;および、Azadirachta indica由来の抽出物、特に、アザジラクチン、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、59頁)から;ならびに
(LIII)昆虫活性な線虫を含有する調製物、好ましくは、Heterorhabditis bacteriophoraおよびHeterorhabditis megidisを含有する調製物、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、671頁)から;Steinernema feltiaeを含有する調製物、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、1115頁)から;および、Steinernema scapterisciを含有する調製物、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、1116頁)から;
(LIV)枯草菌[Bacillus subtilis]から得ることができる調製物、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、72頁)から;または、GC91もしくはNCTC11821から単離される化合物を除く、バチルス・チューリンギエンシス[Bacillus thuringiensis]の菌株から得ることができる調製物、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、73頁)から;
(LV)昆虫活性な菌類を含有する調製物、好ましくは、Verticillium lecaniiを含有する調製物、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、1266頁)から;Beauveria brogniartiiを含有する調製物、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、85頁)から;および、Beauveria bassianaを含有する調製物、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、83頁)から;
(LVI)昆虫活性なウイルスを含有する調製物、好ましくは、Neodipridon Sertifer NPVを含有する調製物、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、1342頁)から;Mamestra brassicae NPVを含有する調製物、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、759頁)から;および、Cydia pomonella granulosisウイルスを含有する調製物、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、291頁)から;
(CLXXXI)7−クロロ−2,3,4a,5−テトラヒドロ−2−[メトキシカルボニル(4−トリフルオロメトキシフェニル)カルバモイル]インドル[1.2e]オキサゾリン−4a−カルボキシラート(DPX−MP062、インドキシカルブ)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、453頁)から;
(CLXXXII)N−tert−ブチル−N’−(3,5−ジメチルベンゾイル)−3−メトキシ−2−メチルベンゾヒドラジド(RH−2485、メトキシフェノジド)、The Pesticide Manual(第11版(1997年)、The British Crop Protection Council、London、1094頁)から;ならびに
(CLXXXIII)(N’−[4−メトキシビフェニル−3−イル]−ヒドラジンカルボン酸イソプロピルエステル(D2341)、Brighton Crop Protection Conference(1996年)、487頁から493頁)から;
(R2)アブストラクト集、212回ACS全国会議(Orlando、FL、1996年8月25日から29日、AGRO−020、発行者:アメリカ化学会(Washinghton,D.C.)、CONEN:63BFAF。
【0066】
上記詳細の結果として、本発明のさらなる本質的な局面は、式Iの化合物に加えて、同じ活性領域または異なる活性領域を有する少なくとも1つのさらなる有効成分と、少なくとも1つの生理学的に許容され得るキャリアとを含有することを特徴とする、温血動物における寄生虫を駆除するための組合せ調製物に関連する。本発明は二成分の組合せに限定されない。
【0067】
本発明の式Iの化合物のための特に好ましい組合せ相手は、遊離形態または生理学的に許容され得る塩の形態であっても、より現代的な天然型または化学修飾されたマクロ環ラクトン(マクロリド)であり、例えば、アベルメクチン類、ミルベマイシン類およびこれらの誘導体などであり、これらには、イベルメクチン、ドラメクチン、モキシデクチン、セラメクチン、エマメクチン、エプリノメクチン、ミルベメクチン、アバメクチオン、ミルベマイシンオキシム、ネマデクチンおよびこれらの誘導体などの顕著な代表例が含まれる。
【0068】
これら2つの異なる種類の化合物の組合せはいくつかの好都合な効果をもたらす。第1の場合において、内部寄生虫に関して活性スペクトルの拡大が認められる。組合せ製造物は、商業的に重要な蠕虫のすべての種類に対して非常に活性であり、また、実際に驚くべきことではあるが、代謝活性な幼虫段階に対しても非常に活性である。停止させた幼虫段階に関する研究が依然として進行中ではあるが、組合せ製造物はまたこれらの段階に対しても有効であることが十分に判明し得る。
【0069】
組合せ製造物のさらなる利点は害虫抵抗性の管理であり、これは、式Iの化合物に対する抵抗性の発生を、式Iの化合物のみを適用することの代わりに、組合せ製造物の投与によって大幅に遅らせることができることを意味する。別の利点は、蠕虫集団がマクロ環ラクトンに対する抵抗性を既に発達させているこのような場合でさえ、組合せ製造物が、問題なく使用できることである。
【0070】
これを超えて、式Iの化合物の大きな利点は、式Iの化合物が、一般に使用されている製造物(例えば、マクロ環ラクトンの代表的なもの(例えば、イベルメクチンまたはモキシデクチン)など)に対して、また、レバミソール、または、ベンゾイミダゾール系の駆虫薬の代表的なものに対して抵抗性の蠕虫に対して完全な効力を示すことである。
【0071】
マクロ環ラクトンは、広い活性スペクトルを示すので最も好ましい。これらのほとんどが外部寄生虫殺虫活性および同時に内部寄生虫殺虫活性を示す。従って、これらはまたエンドエクトシド(endectocide)とも呼ばれる。マクロ環ラクトンはグルタミン酸化塩素チャネルに結合し、これにより、最初に寄生虫の麻痺を生じさせ、この死を生じさせる。
【0072】
本発明に関連して、マクロ環ラクトンの好ましい一群が、遊離形態または生理学的に許容され得る塩の形態であっても、下記式の化合物によって表される。
【0073】
【化9】

式中、Xは−C(H)(OH)−;−C(O)−;または−C(=N−OH)−であり;Yは−C(H)−;=C(H)−;−C(H)(OH);または−C(=N−OCH)であり;
は水素または下記の基のいずれかである:
【0074】
【化10】

【0075】
は、ヒドロキシル、−NH−CHまたは−NH−OHCであり;Rは水素、−CH、−C、−CH(CH)−CH、−CH(CH)−C、−C(CH)=CH−CH(CHまたはシクロヘキシルであり、原子22および原子23の間の結合が二重結合であるならば、23位の炭素原子は非置換であり、この結果、Yは=C(H)−であり、または、原子22および原子23の間の結合が単結合であるならば、23位の炭素原子は非置換であるか、または、ヒドロキシもしくは基=N−O−CHによって置換され、この結果、Yは−C(H)−;C(H)(OH)−;または−C(=N−OCH)−である。
【0076】
式Aの化合物の典型的および特に好ましい代表的なものは下記の化合物である:
1)イベルメクチンは22,23−ジヒドロアバメクチン;22,23−ジヒドロアベルメクチンB1;または22,23−ジヒドロ−C−076B1であり、この場合、Xは−C(H)(OH)−であり、Yは−C(H)−であり、Rは下記の基:
【0077】
【化11】

であり、Rは−CH(CH)−CHまたは−CH(CH)−Cのいずれかであり、原子22および原子23の間の結合は単結合である。イベルメクチンは米国特許第4,199,569号から知られている。
【0078】
2)ドラメクチンは25−シクロヘキシル−5−O−デメチル−25−デ(1−メチルプロピル)アベルメクチンA1aであり、この場合、Xは−C(H)(OH)−であり、Yは=C(H)−であり、Rは下記の基:
【0079】
【化12】

であり、Rはシクロヘキシルであり、原子22および原子23の間の結合は二重結合である。ドラメクチンは米国特許第5,089,480号から知られている。
【0080】
3)モキシデクチンは[6R,23E,25S(E)]−5−O−デメチル−28−デオキシ−25−(1,3−ジメチル−1−ブテニル)−6,28−エポキシ−23−(メトキシイミノ)ミルベマイシンBであり、この場合、Xは−C(H)(OH)−であり、Yは−C(=N−OCH)−であり、Rは水素であり、Rは−C(CH)=CH−CH(CHであり、原子22および原子23の間の結合は単結合である。モキシデクチンは欧州特許EP−0,237,339および米国特許第4,916,154号から知られている。
【0081】
4)セラメクチンは、25−シクロヘキシル−25−デ(1−メチルプロピル)−5−デオキシ−22,23−ジヒドロ−5−(ヒドロキシイミノ)アベルメクチンB1モノサッカリド、従って、式Aの化合物であり、この場合、Xは−C(=N−OH)−であり、Yは−C(H)−であり、Rは下記の基:
【0082】
【化13】

であり、Rはシクロヘキシルであり、原子22および原子23の間の結合は単結合である。セラメクチンは、例えば、セラメクチンの外部寄生虫活性:イヌおよびネコのための新規なエンドエクトシド(第17回世界獣医寄生虫学会議に併せて開催されたPfizer Symposium(1999年8月19日、コペンハーゲン、デンマーク))から知られている。
【0083】
5)エマメクチンは(4”−R)−5−O−デメチル−4”−デオキシ−4”−(メチルアミノ)アベルメクチンA1aおよび(4”−R)−5−O−デメチル−25−デ(1−メチルプロピル)−4”−デオキシ−4”−(メチルアミノ)−25−(1−メチルエチル)アベルメクチンA1a(9:1)であり、この場合、Xは−C(H)(OH)−であり、Yは=C(H)−であり、R
【0084】
【化14】

であり、Rは−CH(CH)−CH、または−CH(CH)−Cであり、原子22および原子23の間の結合は二重結合である。エマメクチンは米国特許第4,874,749号から知られている。
【0085】
6)エプリノメクチンは(4”−R)−4”−エピ−(アセチルアミノ)−4”−デオキシアベルメクチンB1であり、この場合、Xは−C(H)(OH)−であり、Yは=C(H)−であり、Rは下記の基:
【0086】
【化15】

であり、Rは−CH(CH)−CH、または−CH(CH)−Cであり、原子22および原子23の間の結合は二重結合である。エプリノメクチンは米国特許第4,427,663号から知られている。
【0087】
7)ミルベメクチンは(6R,25R)−5−O−デメチル−28−デオキシ−6,28−エポキシ−25−メチルミルベマイシンであり、この場合、Xは−C(H)(OH)−であり、Yは−C(H)−であり、Rは水素であり、Rは−CHまたは−Cであり、原子22および原子23の間の結合は単結合である。ミルベメクチンは米国特許第3,950,360号から知られている。
【0088】
8)アバメクチンはアベルメクチンB1であり、これはまた、5−O−デメチルアベルメクチンA1aおよび5−O−デメチル−25−デ(1−メチルプロピル)−25−(1−メチルエチル)アベルメクチンA1a(4:1)と呼ばれ、この場合、Xは−C(H)(OH)−であり、Yは=C(H)−であり、Rは下記の基:
【0089】
【化16】

であり、Rは−CH(CH)−CH、または−CH(CH)−Cであり、原子22および原子23の間の結合は二重結合である。アバメクチンは米国特許第4,310,519号から知られている。
【0090】
9)ミルベマイシンオキシムはミルベマイシンA4 5−オキシム;ミルベマイシンA3 5−オキシムであり、この場合、Xは−C(H)(OH)−であり、Yは−C(H)−であり、Rは水素であり、Rは−CH(CH)−CH、または−CH(CH)−Cであり、原子22および原子23の間の結合は単結合である。ミルベマイシンオキシムは米国特許第4,547,520号から知られている。
【0091】
10)Xが−C(H)(OH)−であり、Yが−C(H)−であり、Rが下記の基:
【0092】
【化17】

であり、Rが−CHまたは−Cであり、原子22および原子23の間の結合は単結合である式Aの化合物。この化合物は国際特許出願公開WO01/83500から知られている。
【0093】
11)ネマデクチンは抗生物質S−541Sであり、これはまた、[6R,23S,25S,(E)]−5−O−デメチル−28−デオキシ−25−(1,3−ジメチル−1−ブテニル)−6,28−エポキシ−23−ヒドロキシミルベマイシンBと呼ばれ、この場合、Xは=CH−OHであり、Yは−C(H)−であり、Rは水素であり、Rは−C(CH)=CH−CH(CHであり、原子22および原子23の間の結合は単結合である。ネマデクチンは米国特許第4,869,901号から知られている。
【0094】
本明細書中上記の1から11の項目で具体的に述べられた化合物は、本発明の好ましい実施態様であり、単独で、または、別の内部寄生虫殺虫剤、外部寄生虫殺虫剤またはエンドエクトシドとの組合せで使用することができる。
【0095】
特に好ましい組合せ相手は、イベルメクチン、アバメクチンおよびモキシデクチンである。
【0096】
一般に、本発明による駆虫薬組成物は、0.1重量%から99重量%(特に0.1重量%から95重量%)の式Iもしくは式Iaの有効成分またはこの混合物と、0重量%から25重量%(特に0.1重量%から25重量%)の界面活性剤を含む99.9重量%から1重量%(特に99.8重量%から5重量%)の固体または液体の混合物とを含有する。
【0097】
処置される動物への本発明による組成物の適用は、局所的、経口的、非経口的または皮下に行うことができ、この場合、組成物は、溶液剤、乳剤、懸濁物(水剤)、粉末剤、錠剤、ボーラス剤、カプセルおよびポア・オン配合物の形態で存在する。
【0098】
ポア・オン法またはスポット・オン法は、皮膚または外皮の特定の場所に、好都合には動物の首または背中に式Iの化合物を適用することにある。これは、例えば、ポア・オン配合物またはスポット・オン配合物の綿球またはスプレーを外皮の比較的小さい領域に適用することによって行われ、この場合、この場所から、活性な物質が、配合物中の成分の展延性のために、また、動物が動くことによって助けられ、毛の広い領域全体にほとんど自動的に分散する。
【0099】
ポア・オン配合物またはスポット・オン配合物は、宿主動物の皮膚表面全体または外皮における迅速な分散を促進し、一般には展延オイルと見なされるキャリアを好適には含有する。好適なキャリアは、例えば、油性溶液;アルコール性溶液およびイソプロパノール性溶液、例えば、2−オクチルドデカノールまたはオレイルアルコールの溶液など;モノカルボン酸のエステル(例えば、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ラウリン酸オキサラート、オレイン酸オレイルエステル、オレイン酸デシルエステル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸デシル、鎖長がC12−C18の飽和脂肪アルコールのカプリン酸エステルなど)における溶液;ジカルボン酸のエステル(例えば、フタル酸ジブチル、イソフタル酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソプロピルエステル、アジピン酸ジn−ブチルなど)の溶液、または同様に、脂肪族酸と、例えばグリコールとのエステルの溶液である。製薬分野または化粧品分野から知られている分散化剤などの分散化剤をさらに存在させることが好都合である場合がある。例には、2−ピロリドン、2−(N−アルキル)ピロリドン、アセトン、ポリエチレングリコールならびにこのエーテルおよびエステル、プロピレングリコールまたは合成トリグリセリドがある。
【0100】
油性溶液は、例えば、オリーブ油、ピーナッツ油、ゴマ油、パイン油、アマニ油またはヒマシ油などの植物油を含む。植物油はまた、エポキシ化された形態で存在してもよい。パラフィンおよびシリコーンオイルもまた使用することができる。
【0101】
ポア・オン配合物またはスポット・オン配合物は、一般に、1重量%から20重量%の式Iの化合物と、0.1重量%から50重量%の分散化剤と、45重量%から98.9重量%の溶媒とを含有する。
【0102】
ポア・オン法またはスポット・オン法は、すべての動物を経口的に、または注射によって処置することが困難であるか、または時間がかかる群れ動物(例えば、ウシ、ウマ、ヒツジまたはブタなど)に対する使用には特に好都合である。この簡便性のために、この方法は、当然のことではあるが、個々の飼育動物またはペットを含めて、すべての他の動物についてもまた使用することができ、また、この方法は、多くの場合には獣医の専門家の存在を必要とすることなく実施することができるので、動物の飼育者によって非常に好まれる。
【0103】
市販の製造物を高濃度物として配合することが好ましいが、最終使用者は、通常、希釈された配合物を使用する。
【0104】
このような組成物はまた、特別な効果を達成するために、安定化剤、消泡剤、粘度調節剤、結合剤または粘着付与剤、ならびに他の有効成分などのさらなる添加剤を含有することができる。
【0105】
このタイプの駆虫薬組成物は、最終使用者によって使用されるものであり、同様に本発明の構成要素の1つを形成する。
【0106】
害虫駆除のための本発明によるプロセスのそれぞれにおいて、または、本発明による害虫駆除組成物のそれぞれにおいて、式Iの有効成分は、この様々な立体的配置体のすべてで、またはこの混合物で使用することができる。
【0107】
本発明はまた、温血動物(特に、生産用家畜、飼育動物およびペット)を寄生性の蠕虫から予防的に保護する方法を包含し、この場合、この方法は、上記式の有効成分またはこれから調製される有効成分配合物を、飼料もしくは飲料水への添加物として、または、固体もしくは液体の形態でもまた、経口的に、または、注射によって、すなわち、非経口的に、動物に投与することを特徴とする。本発明はまた、前記プロセスのいずれかにおいて使用される本発明による式Iの化合物を包含する。
【実施例】
【0108】
下記の実施例は、本発明を限定することなく、本発明を単に例示するために役立つ。この場合、有効成分の用語は、表1に列挙された物質を表す。
【0109】
具体的には、好ましい配合物は下記のように作製される:
(%=重量パーセント)
(配合例)
1.顆粒 a) b)
有効成分 5% 10%
カオリン 94% −
高分散ケイ酸 1% −
アタパルジャイト − 90%
有効成分を塩化メチレンに溶解して、キャリアに噴霧し、続いて溶媒を真空下でのエバポレーションによって濃縮する。この種類の顆粒は動物飼料と混合することができる。
【0110】
2.顆粒
有効成分 3%
ポリエチレングリコール(mw200) 3%
カオリン 94%
(nw=分子量)
微粉砕した有効成分を、ポリエチレングリコールにより湿らしたカオリンに、ミキサーにおいて均一に加える。このようにして、無塵の被覆顆粒が得られる。
【0111】
3.錠剤またはボーラス剤
I 有効成分 33.00%
メチルセルロース 0.80%
ケイ酸(高分散型) 0.80%
トウモロコシデンプン 8.40%
II ラクトース(結晶) 22.50%
トウモロコシデンプン 17.00%
微結晶セルロース 16.50%
ステアリン酸マグネシウム 1.00%
I メチルセルロースを水に加えて撹拌する。メチルセルロースを膨潤させた後、撹拌しながらケイ酸を加え、混合物を均質に懸濁させる。有効成分およびトウモロコシデンプンを混合する。水性懸濁物をこの混合物に混ぜ、柔らかい塊に混錬する。得られた塊を12Mのふるいに通して造粒し、乾燥する。
【0112】
II 4つの賦形剤のすべてを十分に混合する。
【0113】
III IおよびIIに従って得られた予備混合物を混合し、錠剤またはボーラス剤に圧縮成形する。
【0114】
4.注射剤
A.油性ビヒクル(徐放性)
1.有効成分 0.1から1.0g
ピーナッツ油 100mlまで添加
2.有効成分 0.1から1.0g
ゴマ油 100mlまで添加
調製:撹拌しながら、また、必要な場合には穏やかな加熱とともに、有効成分を油の一部に溶解し、次いで、冷却後、所望の体積にし、0.22μmの細孔サイズを有する好適なメンブランフィルターでろ過滅菌する。
【0115】
B.水混和性溶媒(平均的な放出速度)
有効成分 0.1から1.0g
4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン 40g
(グリセロールホルマール)
1,2−プロパンジオール 100mlまで添加
有効成分 0.1から1.0g
グリセロールジメチルケタール 40g
1,2−プロパンジオール 100mlまで添加
調製:撹拌しながら有効成分を溶媒の一部に溶解し、所望の体積にして、0.22μmの細孔サイズを有する好適なメンブランフィルターでろ過滅菌する。
【0116】
C.水性可溶化物(迅速な放出)
1.有効成分 0.1から1.0g
ポリエトキシル化ヒマシ油 10g
(40個のエチレンオキシドユニット)
1,2−プロパンジオール 20g
ベンジルアルコール 1g
注射用水 100mlまで添加
2.有効成分 0.1から1.0g
ポリエトキシル化ソルビタンモノオレアート 8g
(20個のエチレンオキシドユニット)
4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン 20g
(グリセロールホルマール)
ベンジルアルコール 1
注射用水 100mlまで添加
調製:有効成分を溶媒および界面活性剤に溶解し、水で所望の体積にする。細孔サイズが0.22μmである好適なメンブランフィルターによるろ過滅菌。
【0117】
5.ポア・オン
A.
有効成分 5g
ミリスチン酸イソプロピル 10g
イソプロパノール 100mlまで添加
B.
有効成分 2g
ラウリン酸ヘキシル 5g
中鎖トリグリセリド 15g
エタノール 100mlまで添加
C.
有効成分 2g
オレイン酸オレイル 5g
N−メチルピロリドン 40g
イソプロパノール 100mlまで添加
水性系もまた、好ましくは、経口適用および/または第1胃内適用のために使用することができる。
【0118】
組成物はまた、特別な効果を達成するために、さらなる添加剤、例えば、安定化剤、例えば、適する場合にはエポキシ化植物油(エポキシ化されたピーナツ油またはナタネ油またはダイズ油);消泡剤(例えば、シリコーンオイル)、保存剤、粘度調節剤、結合剤、粘着付与剤、ならびに肥料または他の有効成分などを含有することができる。
【0119】
さらなる生物学的に活性な物質または添加剤(これらは、式Iの化合物に対して中性であり処置される宿主動物に対して有害な作用を有しない)、ならびに無機塩またはビタミンもまた、記載された組成物に加えることができる。
【0120】
下記の実施例は、本発明を例示するために役立つ。下記の実施例は本発明を限定しない。文字「h」は時間を表す。
【0121】
(調製例)
例1:N−[1−シアノ−1−メチル−2−(5−シアノ−2−{2,4−ジクロロフェノキシ}フェノキシ)エチル]−4−トリフルオロメトキシベンズアミド
【0122】
【化18】

【0123】
a)30.8gの4−フルオロ−3−メトキシベンゾニトリル、39.1gの2,4−ジクロロフェノールおよび78.2gの炭酸セシウムを180mlのジメチルホルムアミドに溶解し、120℃で22h撹拌する。冷却後、溶液をジエチルエーテルにより希釈し、水、1Nの水酸化ナトリウム水溶液、1Nの塩化水素水溶液、および最後にブラインにより洗浄する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、エバポレーションして、4−(2,4−ジクロロフェノキシ)−3−メトキシベンゾニトリルを得る。
【0124】
b)56gの4−(2,4−ジクロロフェノキシ)−3−メトキシベンゾニトリルを120mlのジクロロメタンに溶解する。0℃で、三臭化ホウ素のジクロロメタンにおける1M溶液をそれぞれ6mlで4回に分けてゆっくり加える。次に、反応混合物を室温で2日間撹拌する。再び0℃に冷却した後、反応がもはや認められなくなるまで、水を注意深く加える。次に、反応混合物を、水、重炭酸ナトリウムの飽和水溶液、および最後にブラインにより洗浄する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、真空下でエバポレーションする。残渣をエーテル/ヘキサンから再結晶して、4−(2,4−ジクロロフェノキシ)−3−ヒドロキシベンゾニトリルを得る。
【0125】
c)21.56gの4−(2,4−ジクロロフェノキシ)−3−ヒドロキシベンゾニトリル、14.2gのクロロアセトン、12.8gの炭酸カリウムおよび170mgのヨウ化カリウムを300mlのアセトンに溶解し、5hにわたって還流下で沸騰させる。冷却後、沈殿物をろ過し、エバポレーションによって濃縮し、酢酸エチルに再び溶解し、1Nの水酸化ナトリウム水溶液、水、1Nの塩化水素水溶液、および最後にブラインにより洗浄する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、エバポレーションする。残渣を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶して、4−(2,4−ジクロロフェノキシ)−3−(2−オキソプロポキシ)ベンゾニトリルを得る。
【0126】
d)20.2g4−(2,4−ジクロロフェノキシ)−3−(2−オキソプロポキシ)ベンゾニトリルおよび4.4gのシアン化ナトリウムをエタノールにおけるアンモニアの2M溶液の300mlに懸濁し、室温で一晩撹拌し、次いで、ろ過し、真空下で濃縮する。残渣を酢酸エチルに溶解し、水およびブラインにより洗浄する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、真空下でエバポレーションし、残渣をエーテルから再結晶して、3−(2−アミノ−2−シアノ−1−プロポキシ)−4−(2,4−ジクロロフェノキシ)ベンゾニトリルを得る。
【0127】
e)13.04gの3−(2−アミノ−2−シアノ−1−プロポキシ)−4−(2,4−ジクロロフェノキシ)ベンゾニトリルおよび6.1gのエチルジイソプロピルアミンを120mlのジクロロメタンに溶解する。混合物を0℃に冷却した後、9.9gの4−トリフルオロメトキシベンゾイルクロリドを加え、反応混合物を室温で6h撹拌し、次いで、真空下で濃縮する。残渣を酢酸エチルに溶解し、1Nの水酸化ナトリウム水溶液、水、1Nの塩化水素水溶液、再び水、および最後にブラインにより洗浄する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、エバポレーションする。次に、粗残渣をジエチルエーテル/ヘキサンから再結晶する。このようにして、融点が151から2℃である表題化合物を得る。
【0128】
下記の表に示される物質もまた、上記の方法と同様に調製することができる。融点の値は℃で示される。
【0129】
【表2】



【0130】
(生物学的実施例)
1.経口適用を使用するスナネズミ[Meriones unguiculatus]における毛様線虫[Trichostrongylus colubriformis]および捻転胃虫[Haemonchus contortus]に対するインビボ試験
6週齢から8週齢のスナネズミに毛様線虫および捻転胃虫のそれぞれ約2000匹の第3齢幼虫を胃チューブにより感染させる。感染後6日目に、スナネズミを、2部のDMSOおよび1部のポリエチレングリコール(PEG400)の混合物に溶解した試験化合物を用いて、100mg/kg、32mg/kgおよび10mg/kgから0.1mg/kgの量で経口適用により処置する。9日目(処置後3日目)に、このとき、依然として存在する捻転胃虫のほとんどは第4齢後期の幼虫であり、また、毛様線虫のほとんどは未成熟の成虫であるが、蠕虫を計数するために、スナネズミを屠殺する。効力を、6匹の感染させた非処置のスナネズミから得られる蠕虫数の相乗平均と比較して、各スナネズミにおける蠕虫数の減少%として計算する。
【0131】
この試験において、線虫感染の非常に大きな減少が式Iの化合物により達成される。特に、表1に由来する化合物1.11、1.19、1.47、1.58、1.59、1.60、1.61、1.62、1.63、1.64、1.65、1.66、1.96、1.105、1.106、1.107、1.109の各化合物は16mg/kgの用量で線虫感染の完全な排除をもたらしている。
【0132】
動物および植物に対する式Iの化合物の殺昆虫剤活性および/または殺ダニ剤活性を調べるために、下記の試験方法を使用することができる。
【0133】
2.ヒロズキンバエ[Lucilia sericata]のL幼虫に対する活性
1mlの試験される活性物質の水性懸濁物を3mlの特別な幼虫生育培地と約50℃で混合して、有効成分の含有量が250ppmまたは125ppmのいずれかであるホモジネートが得られるようにする。約30匹のヒロズキンバエ幼虫(L)をそれぞれの試験管サンプルにおいて使用する。4日後、死亡数を求める。
【0134】
3.オウシマダニ[Boophilus microplus](Biarra系統)に対する殺ダニ剤活性
一片の粘着性テープをPVCシートに水平に取り付けて、10匹の完全に吸血したメスのオウシマダニ(Biarra系統)を一列に並べてこの背中によりテープに接着することができるようにする。注射針を使用して、1μlの液体をそれぞれのマダニに注射する。この液体はポリエチレングリコールおよびアセトンの1:1混合物であり、マダニ1匹あたり1μg、0.1μgまたは0.01μgから選ばれた一定量の有効成分を、これに溶解されて含有する。対照動物には、有効成分を含まない注射が与えられる。処置後、動物は、産卵が行われ、幼虫が対照動物の卵から孵化するまで、約28℃および80%の相対湿度で昆虫飼育室において通常の条件のもとで保たれる。試験された物質の活性をIR90によって求める。すなわち、評価を、10匹のメスのマダニのうちの9匹(=90%)が、30日後でさえも孵化していない卵を産卵する有効成分の投与量から行う。
【0135】
4.吸血したメスのオウシマダニ(BIARRA)に対するインビトロ効力
OP耐性BIARRA系統の4x10匹の吸血したメスのマダニを粘着性テープに接着し、500ppm、125ppm、31ppmおよび8ppmの濃度での試験化合物の乳化物または懸濁物にそれぞれ浸した脱脂綿ボールにより1時間覆う。評価を、死亡数、産卵および孵化した幼虫に基づいて、28日後に行う。
【0136】
試験化合物の活性の目安が、
・産卵前に直ちに死亡するメスの数、
・産卵することなくしばらく生存するメスの数、
・胚が形成されない卵を産むメスの数、
・胚が形成されるが、幼虫が孵化しない卵を産むメスの数、および
・胚が形成され、幼虫が26日から27日で正常に孵化する卵を産む雌の数
によって示される。
【0137】
5.ヘブライキララマダニ[Amblyomma hebraeum]の若虫に対するインビトロ効力
約5匹の絶食中の若虫を、2mlの試験化合物を溶液または懸濁物または乳化物で含有するポリスチレン試験管に入れる。
【0138】
10分間漬け、ボルテックスミクサーで10秒間、2回振とうした後、試験管を脱脂綿の固い綿栓で塞ぎ、回転させる。液体のすべてが脱脂綿ボールによって吸収されたら直ちに、脱脂綿ボールを、依然として回転させられている試験管の中に半分押し込み、この結果、液体の大部分が脱脂綿ボールから絞り出され、下に置かれたペトリ皿の中に流れるようにする。
【0139】
次に、試験管は、評価が行われるまで、自然光の部屋において室温で保たれる。14日後、試験管を沸騰水の入ったビーカーに漬ける。マダニが、熱に反応して動き始めるならば、試験物質はこの試験された濃度において不活性であり、そうでない場合は、マダニは死んでいると見なされ、試験物質はこの試験された濃度において活性であると見なされる。すべての物質を0.1ppmから100ppmの濃度範囲で試験する。
【0140】
6.ワクモ[Dermanyssus gallinae]に対する活性
10ppmの有効成分と、発達段階が異なる約200匹のマダニ(ワクモ)とを含有する2mlから3mlの溶液を、上部が開いているガラス容器に加える。次に、容器を脱脂綿の綿栓により閉じ、マダニが完全に湿るまで10分間振とうし、次いで、しばらくひっくり返して、残っている試験溶液が脱脂綿によって吸収され得るようにする。3日後、マダニの死亡数を、死亡個体を計数することによって求め、百分率として示す。
【0141】
7.イエバエ[Musca domestica]に対する活性
角砂糖を、角砂糖内の試験物質の濃度が一晩の乾燥の後で250ppmであるような方法で試験物質の溶液で処理する。このように処理された角砂糖を、湿った脱脂綿およびOP耐性系統の10匹の成体のイエバエとともにアルミニウム皿に置き、ビーカーで覆い、25℃でインキュベーションする。死亡数を24時間後に求める。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物:
【化1】

式中、
Rは、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキルまたはハロ−C−C−アルコキシ−ハロ−C−C−アルキルを表し、
は、単結合、O、S、S(O)またはS(O)を表す;
または、
Rはハロゲンを表し、
は単結合を表す;
は、CN、ハロゲン、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルキルスルホニルアミノ、ハロ−C−C−アルキルスルホニルアミノ、OH、NH、COOH、CONH、C−C−アルキルアミノカルボニルまたはC−C−アルキルカルボキサミドを表し、nが2以上である場合、Xは互いに異なり得る;
mは、1、2、3または4を表す;および
nは、1、2、3、4または5である。
【請求項2】
Rが、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキルまたはハロ−C−C−アルコキシ−ハロ−C−C−アルキルを表す;
が、単結合、O、S、S(O)またはS(O)を表す;
が、ハロゲン、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルキルスルホニルアミノ、ハロ−C−C−アルキルスルホニルアミノ、OH、NH、COOH、CONH、C−C−アルキルアミノカルボニルまたはC−C−アルキルカルボキサミドを表し、nが2以上である場合、Xは互いに異なり得る;
mが、1、2、3または4を表す;および
nが、1、2、3、4または5である、
請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項3】
RがC−C−アルキルまたはハロ−C−C−アルキルである、請求項1または2のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項4】
Rがハロ−C−C−アルキルである、請求項1または2のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項5】
Rがハロ−C−C−アルキルである、請求項1または2のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項6】
が、単結合、OまたはSである、請求項1または2のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項7】
がOまたはSである、請求項1または2のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項8】
がOである、請求項1または2のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項9】
が、ハロゲン、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルキルスルホニルアミノまたはハロ−C−C−アルキルスルホニルアミノであり、nが2以上である場合、Xは互いに異なり得る、請求項1または2のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項10】
が、ハロゲン、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシまたはハロ−C−C−アルコキシであり、nが2以上である場合、Xは互いに異なり得る、請求項1または2のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項11】
が塩素またはフッ素であり、nが2以上である場合、Xは互いに異なり得る、請求項1または2のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項12】
が塩素である、請求項1または2のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項13】
mが、1、2または3である、請求項1または2のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項14】
mが1または2である、請求項1または2のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項15】
mが1である、請求項1または2のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項16】
nが、1、2または3である、請求項1または2のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項17】
nが1または2である、請求項1または2のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項18】
nが2である、請求項1または2のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項19】
RがC−C−アルキルまたはハロ−C−C−アルキルである;
が、単結合、OまたはSである;
が、ハロゲン、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルキルスルホニルアミノまたはハロ−C−C−アルキルスルホニルアミノであり、nが2以上である場合、Xは互いに異なり得る;
mが、1、2または3である;および
nが、1、2または3である、
請求項1または2のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項20】
Rがハロ−C−C−アルキルである;
がOまたはSである;
が、ハロゲン、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシまたはハロ−C−C−アルコキシであり、nが2以上である場合、Xは互いに異なり得る;
mが1または2である;および
nが1または2である、
請求項1または2のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項21】
Rがハロ−C−C−アルキルである;
がOである;
が塩素またはフッ素であり、nが2以上である場合、Xは互いに異なり得る;
mが1である;および
nが2である、
請求項1または2のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項22】
Rがハロ−C−C−アルキルである;
がOである;
が塩素である;
mが1である;および
nが2である、
請求項1または2のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項23】
N−[1−シアノ−1−メチル−2−(5−シアノ−2−{2,4−ジクロロフェノキシ}フェノキシ)エチル]−4−トリフルオロメトキシベンズアミドの名称の有する請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項24】
それぞれ遊離形態または塩形態の、請求項1または2のいずれか一項に記載の式Iの化合物を調製するための方法であって、下記式の化合物:
【化2】

(これは知られているか、または、対応する知られている化合物と同様に作製することができ、また、式中、X、mおよびnは、式Iについて示される通りに定義される。)
を、下記式の化合物:
【化3】

(これは知られているか、または、対応する知られている化合物と同様に作製することができ、また、式中、XおよびRは、式Iについて示される通りに定義され、Qは脱離基である。)
と、場合により塩基性触媒の存在下で反応させ、次いで、所望する場合には、上記方法または別の方法に従って得ることができる、それぞれ遊離形態または塩形態の式Iの化合物を式Iの別の化合物に転換し、上記方法に従って得ることができる異性体の混合物を分離し、上記方法に従って得ることができる式Iの所望する単離された化合物および/または遊離化合物を塩に転換するか、または、上記方法に従って得ることができる式Iの化合物の塩を式Iの遊離化合物に転換するか、もしくは別の塩に転換する、上記方法。
【請求項25】
それぞれ遊離形態または塩形態の式IIの化合物を調製するための方法であって、例えば、式IVの化合物:
【化4】

(これは知られているか、または、対応する知られている化合物と同様に作製することができる、また、式中、X、mおよびnは、式Iについて示される通りに定義される。)
を、無機シアニドまたは有機シアニドおよびNHと反応させ、次いで、所望する場合には、上記方法または別の方法に従って得ることができる、それぞれ遊離形態または塩形態の式IIの化合物を、式IIの別の化合物に転換し、上記方法に従って得ることができる異性体の混合物を分離し、上記方法に従って得ることができる式IIの所望する単離された化合物および/または遊離化合物を塩に転換するか、または、上記方法に従って得ることができる式IIの化合物の塩を式IIの遊離化合物に転換するか、もしくは別の塩に転換することを特徴とする、上記方法。
【請求項26】
キャリアおよび/または分散化剤に加えて、請求項1または2のいずれか一項に記載の少なくとも1つの式Iの化合物を有効成分として含有する、寄生虫を駆除するための組成物。
【請求項27】
寄生虫を駆除することにおける、請求項1または2のいずれか一項に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項28】
請求項1または2のいずれか一項に記載の少なくとも1つの式Iの化合物の効果的な量を寄生虫に対して使用する、寄生虫を駆除する方法。
【請求項29】
温血動物における寄生虫を駆除するための方法における、請求項1または2のいずれか一項に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項30】
温血動物における寄生虫に対する医薬組成物の調製における、請求項1または2のいずれか一項に記載の式Iの化合物の使用。

【公表番号】特表2007−513911(P2007−513911A)
【公表日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−543481(P2006−543481)
【出願日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【国際出願番号】PCT/EP2004/014046
【国際公開番号】WO2005/058802
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】