説明

アミノアルカノール誘導体

記載されているのは、式I
【化1】


〔式中、R、R、RおよびRは請求の範囲で定義の通りである。〕の化合物である;このような化合物は興味深い薬理学的特性を有する。


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、アミノアルカノール誘導体および医薬としてのそれらの使用、このような化合物の製造法およびこのような方法に有用な中間体化合物に関する。
【0002】
より特に、本発明は、遊離形または塩形の、式I
【化1】

〔式中、RはC2−8−アルキレンであり;
は所望によりハロゲンで置換されているC1−20−アルキルであり;
はHまたはC1−20−アルキルであり;そして
はC1−20アルキルまたは式a)
【化2】

(式中、RはC2−8−アルキレンであり、そしてRはHまたは所望によりハロゲンで置換されているC1−20アルキルである)
のラジカルである。〕
の化合物に関する。
【0003】
アルキルは直鎖または分枝鎖アルキルを意味する。
本発明の一つの態様において、RはC1−20アルキルである。他の態様において、Rは式a)のラジカルである。RまたはRがC1−20アルキルであるとき、好ましくは14個までの炭素原子のアルキルであるのが好ましいであろう。
【0004】
好ましい式Iの化合物は、式a)のラジカル中のRおよび/またはRがC1−4アルキレン、例えばエチレンであるものである。式a)のラジカルはオルト、メタまたはパラにあってよく、好ましくはメタまたはオルトである。
【0005】
は好ましくは所望によりハロゲンで置換されているC6−14−アルキル、例えばオクチルである。Rはオルト、メタまたはパラにあってよく、好ましくはパラである。
【0006】
は好ましくは式a)のラジカルである。Rは好ましくはHまたは所望によりハロゲンで置換されているC6−14−アルキル、例えばオクチルである。Rはオルト、メタまたはパラにあってよく、好ましくはパラである。
【0007】
特に好ましい化合物は、遊離形または塩形の、式II
【化3】

〔式中、
nは、1〜4の整数、例えば2であり;
mは、2〜4の整数、例えば2であり;
R'はC6−14−アルキル、例えばオクチルであり;そして
R'はHまたはC6−14−アルキル、例えばHまたはオクチルである。〕
の化合物である。
【0008】
本発明の化合物は遊離形または塩形で、例えば有機または無機酸、例えばトリフルオロ酢酸または塩酸酸との、例えば付加塩で存在し得る。
【0009】
本発明の式Iの化合物および塩は、水和物および溶媒和物形を包含する。
【0010】
式Iの化合物は、式III:
【化4】

〔式中、R、R、RおよびRは式Iで定義の通りであり、およびR、R'およびR”の各々は保護基である。〕
の化合物を脱保護し、得られた式Iの化合物を遊離形または塩形で回収することを含む、方法により製造し得る。
【0011】
該方法は当分野で既知の方法に従い、例えば実施例に記載の通りの、例えば塩基−または酸−触媒加水分解に従い行い得る。
【0012】
保護基、それらの挿入および除去は、例えば、“Protective Groups in Organic Synthesis”, T. W. Greene et al., John Wiley & Sons Inc., Second Edition 1991に記載されている。好ましくは各保護基、例えばアミノ保護基Rおよび/またはヒドロキシ保護基R'およびR”の一方または両方がアシル、例えば残基R−CO−(ここで、RはC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、フェニルまたはフェニル−C1−4アルキル、例えばアセチルである)である。
【0013】
必要であれば、遊離形で得た式Iの化合物を所望の塩形に変換し得、または逆も可能である。
【0014】
出発物質として使用し、かつRが式a)のラジカルである式IIIの化合物は、式IV
【化5】

〔式中、
R、R'、R”、R、RおよびRは上記の通りであり;
R”はRの意味を有するか、または−CO−C1−19アルキルであり;そして
qは、0〜6の整数である。〕
の化合物の既知方法を使用した還元、例えば水素およびパラジウム触媒での還元により製造し得る。式IVの化合物はcisまたはtrans形態であり得る。
【0015】
式IVの化合物は、式V
【化6】

〔式中、R、R'、R”、R、RおよびRは上記の通りであり;そして
Xはハロゲノ、例えばブロモである。〕
の化合物と、式VI:
【化7】

〔式中、qおよびR”は上記での通りである。〕
の化合物を、例えば既知の方法を使用して、例えばHeckカップリング、例えばPd(P(C))またはPd(II)−アセテート/P(t−Bu)との反応により反応させることにより製造できる。
【0016】
式VおよびVIの好ましい化合物は、式IIの化合物の製造に使用できるもの、すなわちRがC1−4アルキレンであり、そしてRがパラ位にあり、かつ式IIで定義のR'と等しい式Vの化合物、およびRがパラ位にあり、かつ式IIで定義のR'と等しく、式(a)のラジカルは好ましくはメタ位またはオルト位にある式VIの化合物である。
【0017】
式Vの化合物は、式VII:
【化8】

〔式中、R、R'、R”、R、RおよびRは上記の通りである。〕
の化合物をハロゲン化、例えば臭素化剤、例えばHBr、BrまたはN−ブロモスクシンイミドで臭素化することにより製造できる。この工程で形成される、ハロゲン原子がベンゼン環の別の位置に結合している式Vの化合物の異性体を、標準法、例えばカラムクロマトグラフィーにより分離し得る。好ましくはN−ブロモスクシンイミドでの臭素化を室温で行う。
【0018】
式IIIからVの化合物は、式IおよびIIの化合物の製造に有用な中間体であり、また本発明の一部を構成する。式VIおよびVIIの化合物は既知であるか、または既知の方法に従い製造できる。
下記非限定的実施例は本発明を説明する。
【0019】
実施例:2−アミノ−2−(2−{4−オクチル−3−[2−(4−オクチル−フェニル)−エチル]−フェニル}−エチル)−プロパン−1,3−ジオール(1)および2−アミノ−2−(2−{4−オクチル−2−[2−(4−オクチル−フェニル)−エチル]−フェニル}−エチル)−プロパン−1,3−ジオール(2)
【化9】

a)400ml 酢酸を30g 酢酸2−アセトキシメチル−2−アセチルアミノ−4−(4−オクチル−フェニル)−ブチルエステルに添加する。この無色溶液に、室温で24.6g N−ブロモスクシンイミドを添加し、得られた混合物を室温かつ暗所で1ヶ月撹拌する。その後1l 塩化メチレンを添加し、混合物を水で洗浄する。有機相を蒸発乾固し、Brがオルトまたはパラにある、2個のブロモ−異性体の混合物を含む褐色結晶性残渣を産生する:
【化10】

得られた2個の異性体をchiralpak-ADでカラムクロマトグラフィーで、100:5V/Vのn−ヘキサン/プロパノールの混合物を溶離剤として使用して分離する。
【0020】
b1)6g 酢酸2−アセトキシメチル−2−アセチルアミノ−4−(3−ブロモ−4−オクチル−フェニル)−ブチルエステル、0.87g 酢酸ナトリウム、3.08g 4−オクタノイル−1−ビニル−ベンゼンおよび2.06g テトラキス−(トリフェニルホスフィン)−Pdを120ml ジメチルホルムアミドに溶解し、混合物を150℃で2時間加熱する。さらに、0.52g テトラキス−(トリフェニルホスフィン)−Pdを添加し、混合物をさらに150℃で2時間加熱する。黒色混合物を濃縮乾固する。10ml アセトニトリルを添加し、混合物をCellflokで濾過し、再び濃縮する。得られた褐色油状物を50ml アセトニトリルに溶解し、アセトニトリルで溶出するカラムクロマトグラフィーで精製して、酢酸2−アセトキシメチル−2−アセチルアミノ−4−{4−オクチル−2−[3−(4−オクチル−フェニル)−ビニル]−フェニル}−ブチルエステルを得る。
【0021】
b2)22.5g 酢酸2−アセトキシメチル−2−アセチルアミノ−4−(2−ブロモ−4−オクチル−フェニル)−ブチルエステル、1.21g 酢酸ナトリウム、4.25g 4−オクタノイル−1−ビニル−ベンゼンおよび277mg 酢酸Pdを200ml ジメチルホルムアミドに溶解し、混合物を150℃に加熱する。1.2ml トリ−t.−ブチル−ホスフィンの添加後、混合物を2時間、150℃で撹拌する。反応が終了したとき、5ml 水を添加する。黒色残渣を濃縮乾固し、上記b1)に記載の通り処理する。酢酸2−アセトキシメチル−2−アセチルアミノ−4−{4−オクチル−2−[2−(4−オクチル−フェニル)−ビニル]−フェニル}−ブチルエステルをカラムクロマトグラフィーでアセトニトリルを溶離剤として使用して精製する。
【0022】
c1)2.01gのb1)の化合物を200ml エタノールに溶解し、5×400mg Pd/Cを添加し、混合物をHで完了するまで水素化する。混合物を次いで濾過し、濃縮乾固する。
【0023】
c2)2.28gのb2)の化合物を200ml エタノールに溶解し、4×285mg Pd/Cを添加し、混合物をHで完了するまで水素化する。混合物を次いで濾過し、濃縮乾固する。
【0024】
d1)1.68gのc2)の化合物を15ml メタノールに溶解し、50℃に加熱する。4.25ml 水および1.0ml NaOHの混合物を添加する。得られた混合物を2時間、70℃で撹拌する。混合物を3.1l 塩化メチレンおよび2.1l 水で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発乾固し、表題化合物1を得て、それをカラムクロマトグラフィーでヘキサン/イソプロパノール70/30を溶離剤として使用して精製する。
【0025】
d2)2.35gのc1)の化合物を20ml メタノールに溶解し、50℃に加熱する。6ml 水および1.46ml NaOHの混合物を添加する。得られた混合物を2時間、70℃で撹拌する。混合物を3.1l 塩化メチレンおよび2.1l 水で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、表題化合物2を得て、それをカラムクロマトグラフィーでヘキサン/エタノール(70/30→80/20)を溶離剤として使用して精製する。
NMRデータは、2個の表題化合物と調和する。
【0026】
遊離形または薬学的に許容される塩形の式Iの化合物は、例えば、インビトロおよびインビボ試験で示される通り、価値のある薬理学的特性、例えばS1P受容体のアゴニズムを示し、故に治療に適応される。
【0027】
A. 個々のヒトS1P受容体に対するS1P受容体アゴニストの結合親和性
ヒトS1P受容体のHEK293細胞への一過性トランスフェクション
S1P受容体およびGタンパク質をクローン化し、等量の4種のEDG受容体のcDNA、G−α、G−βおよびG−γを混合し、HEK293細胞の単層をリン酸カルシウム沈殿法を使用してトランスフェクトするのに使用する(M. Wigler et al., Cell. 1977; 11; 223およびDS. Im et al., Mol. Pharmacol. 2000; 57; 753)。簡単に言うと、25μgのDNAおよび0.25M CaClを含むDNA混合物をHEPES緩衝化2mM NaHPOに添加する。HEK293細胞のサブコンフルエントな単層を25mM クロロキンで中毒させ、DNA沈殿を次いで細胞に適用する。4時間後、単層をリン酸緩衝化食塩水で洗浄し、培地(90%1:1 ダルベッコ改変必須培地(DMEM):F−12+10%胎児ウシ血清)を再添加した。細胞をDNAの添加48−72時間後に、氷上の10%スクロース含有HME緩衝液(mMで:20 HEPES、5 MgCl、1 EDTA、pH7.4)にかき取ることにより回収し、Dounceホモジナイザーを使用して破壊する。800×gで遠心分離後、上清をスクロース無しのHMEで希釈し、100,000×gで1時間遠心分離する。得られたペレットを、再均質化し、100,000×gで第2回目の1時間遠心分離を行う。この粗膜ペレットをスクロース含有HMEに再懸濁し、等分し、液体窒素への浸漬により急速凍結(snap-frozen)する。膜を70℃で貯蔵する。タンパク質含量をBradfordタンパク質アッセイにより分光学的に測定する。
【0028】
S1P受容体/HEK293膜調製物を使用したGTPγS結合アッセイ
GTPγS結合実験を、DS. Im et al., Mol. Pharmacol. 2000; 57: 753に記載の通りに行う。G−タンパク質へのリガンド介在GTPγS結合をGTP結合緩衝液(mMで:50 HEPES、100 NaCl、10 MgCl、pH7.5)中、一過性にトランスフェクトしたHEK293細胞からの膜調製物25μgを使用して測定する。リガンドを10μM GDPおよび0.1nM [35S]GTPγS(1200Ci/mmol)の存在下膜に添加し、30℃で30分インキュベートする。結合したGTPγSをBrandel harvester(Gaithersburg, MD)を使用して非結合物から分離し、液体シンチレーションカウンターで計数する。
【0029】
B. インビボ:血液リンパ球枯渇
式Iの化合物または媒体を、ラットに胃管栄養法により経口で投与する。血液学的モニタリングのための尾血液を、個々の基線値を得るために−1日目に、ならびに投与後2、6、24、48および72時間に得る。このアッセイにおいて、式Iの化合物は、0.03から3mg/kgの投与量でとよしたとき、末梢血リンパ球を枯渇させる。
【0030】
式Iの化合物は、故にスフィンゴシン−1ホスフェート(S1P)受容体アゴニストまたはアンタゴニストとして下記のために有用である:
a)臓器または組織移植拒絶反応の処置および予防、例えば心臓、肺、複合心臓−肺、肝臓、腎臓、膵臓、皮膚または角膜移植のレシピエントの処置、および骨髄移植後に時々起こる移植片対宿主病の予防のために;特に急性または慢性同種および異種移植片移植拒絶反応の処置または、インスリン産生細胞、例えば膵臓島細胞の移植において;
b)自己免疫疾患または炎症状態、例えばリウマチ性関節炎、全身性エリテマトーデス、橋本甲状腺炎、多発性硬化症、重症筋無力症、I型またはII型糖尿病およびそれらの合併症、脈管炎、悪性貧血、シェーグレン症候群、ブドウ膜炎、乾癬、グレーブス眼病、円形脱毛症およびその他、アレルギー性疾患、例えばアレルギー性喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎/結膜炎、アレルギー性接触性皮膚炎、所望により根底の異常反応を伴う炎症疾患、例えば炎症性腸疾患、クローン病または潰瘍性大腸炎、内因性喘息、炎症性肺傷害、炎症性肝臓傷害、炎症性糸球体傷害、アテローム性動脈硬化症、骨関節症、刺激性接触性皮膚炎およびさらなる湿疹性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、免疫介在疾患の皮膚発現、炎症性眼病、角結膜炎、心筋炎または肝炎の処置および予防。
【0031】
上記の使用のために必要な投与量はもちろん投与の形態、処置すべき特定の状態および所望の効果に依存して変わるであろう。一般に、十分な結果が、約0.1から約100mg/体重kgの1日投与量で得られることが示される。大型哺乳類、例えばヒトにおける指示される一日量は、約0.5mgから2000mgの範囲であり、簡便には例えば1日4回までの分割量で、または遅延形で投与する。
【0032】
式Iの化合物は、任意の適当な経路で、例えば経口で、例えば錠剤またはカプセルの形で、局所的または非経腸的に、例えば静脈内に投与し得る。遊離形または薬学的に許容される塩形の式Iの化合物を、少なくとも1個の薬学的に許容される担体または希釈剤と共に含む医薬組成物は、薬学的に許容される担体または希釈剤との混合による慣用法で製造できる。経口投与用の単位投与形は、例えば、約0.1mgから約500mgの活性物質を含む。
【0033】
式Iの化合物は、例えば、上記の通り、遊離形または薬学的に許容される塩形で投与し得る。このような塩は慣用法で製造でき、遊離化合物と同程度の活性を示す。
【0034】
式Iの化合物は、唯一の活性成分として、または、免疫調節レジメンの他の薬剤もしくは他の抗炎症剤と、例えば同種移植片急性または慢性拒絶反応または炎症性または自己免疫障害の処置のために投与し得る。例えば、それらはカルシニューリン阻害剤、例えばシクロスポリンA、シクロスポリンG、FK−506、ABT−281、ASM981;mTOR阻害剤、例えばラパマイシン、40−O−(2−ヒドロキシ)エチル−ラパマイシン、CCI779、ABT578またはAP23573など;コルチコステロイド;シクロホスファミド;アザチオプレン;メトトレキサート;他のS1P受容体アゴニスト、例えばFTY720またはその類似体;レフルノミドまたはその類似体;ミゾルビン;ミコフェノール酸;ミコフェノール酸モフェチル;15−デオキシスペルグアリンまたはその類似体;免疫抑制性モノクローナル抗体、例えば、白血球受容体、例えば、MHC、CD2、CD3、CD4、CD11a/CD18、CD7、CD25、CD27、B7、CD40、CD45、CD58、CD137、ICOS、CD150(SLAM)、OX40、4−1BBまたはそれらのリガンドに対するモノクローナル抗体、例えばCD154;または他の免疫調節性化合物、例えば、少なくともCTLA4またはその変異体の細胞外ドメイン、例えば非CTLA4タンパク質配列と結合した少なくともCTLA4またはその変異体の細胞外ドメインを有する、組み換え結合分子、例えばCTLA4Ig(例えばATCC68629と命名)またはその変異体、例えばLEA29Y、または他の接着分子阻害剤、例えばmAbまたはLFA−1アンタゴニスト、セレクチンアンタゴニストおよびVLA−4アンタゴニストを含む低分子量阻害剤と組み合わせて使用できる。
【0035】
式Iの化合物は、他の免疫調節剤または抗炎症剤と投与でき、併用する免疫調節剤または抗炎症剤の投与量は、もちろん、用いる併用剤、処置すべき状態などに依存して変化するであろう。
【0036】
本発明は、故に下記を提供する:
1. 対象に有効量の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、臓器または組織移植拒絶反応を処置または予防する方法。
【0037】
2. 対象に有効量の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、自己免疫疾患または炎症状態を処置または予防する方法。
【0038】
3. 医薬として使用するための式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0039】
4. 式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される希釈剤または担体を含む、医薬組成物。
【0040】
5. 例えば、上記の方法のための医薬の製造のための、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の使用。
【0041】
6. (a)式Iの化合物および(b)第二医薬物質(該第二医薬物質は、上記の状態の予防または処置に適している)を含む、医薬的組み合わせ。
【0042】
7. (a)式Iの化合物および(b)第二医薬物質(該第二医薬物質は、上記の状態の予防または処置に適している)を、例えば同時にまたは連続して併用投与することを含む、上記の方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊離形または塩形である、式I
【化1】

〔式中、
はC2−8−アルキレンであり;
は所望によりハロゲンで置換されているC1−20−アルキルであり;
はHまたはC1−20−アルキルであり;そして
はC1−20アルキルまたは式a)
【化2】

(式中、RはC2−8−アルキレンおよびRは、Hまたは所望によりハロゲンで置換されているC1−20アルキルである)
のラジカルである。〕
の化合物。
【請求項2】
化合物が、遊離形または塩形である、式II
【化3】

〔式中、
nは、1〜4の整数であり;
mは、2〜4の整数であり;
R'はC6−14−アルキルであり;そして
R'はHまたはC6−14−アルキルである。〕
の化合物である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
式III
【化4】

〔式中、R、R、RおよびRは請求項1で定義の通りであり、そしてR、R'およびR”の各々は保護基である。〕
の化合物を脱保護し、得られた式Iの化合物を遊離形または塩形で回収することを含む、請求項1記載の化合物の製造法。
【請求項4】
遊離形または塩形の、式III
【化5】

〔式中、R、R、RおよびRは請求項1で定義の通りであり、そしてR、R'およびR”の各々は保護基である。〕
の化合物。
【請求項5】
遊離形または塩形の、式IV
【化6】

〔式中、R、R'、R”、R、R、R”およびRは請求項1および4に定義の通りであり、そしてqは0〜6の整数である。〕
の化合物。
【請求項6】
遊離形または薬学的に許容される塩形の請求項1または2記載の化合物と、薬学的に許容される希釈剤または担体を含む、医薬組成物。
【請求項7】
医薬としての遊離形または薬学的に許容される塩形の請求項1または2記載の化合物の使用。
【請求項8】
臓器または組織移植拒絶反応、または自己免疫疾患または炎症状態の予防用または処置用医薬の製造のための、遊離形または薬学的に許容される塩形の請求項1または2記載の化合物の使用。
【請求項9】
(a)遊離形または薬学的に許容される塩形の請求項1または2記載の化合物、および(b)第二医薬物質(該第二医薬物質は臓器または組織移植拒絶反応、または自己免疫疾患または炎症状態の予防または処置に適している)を含む、医薬的組み合わせ。
【請求項10】
対象に治療的有効量の遊離形または薬学的に許容される塩形の請求項1または2記載の化合物を投与することを含む、臓器または組織移植拒絶反応、または自己免疫疾患または炎症状態の予防または処置法。


【公表番号】特表2007−509046(P2007−509046A)
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534686(P2006−534686)
【出願日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【国際出願番号】PCT/EP2004/011567
【国際公開番号】WO2005/040091
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】