説明

アミノアルキルグルコサミンフォスフェート化合物ならびにアジュバントおよびイムノエフェクターとしてのそれらの用途

【課題】アジュバントおよびイムノエフェクターである新規アミノアルキルグルコサミンフォスフェート化合物を提供する。
【解決手段】2-デオキシ-2-アミノグルコースがアミノアルキル(アグリコン)基とグリコシド結合しており、グルコサミン環の4位または6位の炭素がリン酸化されており、3つの3-アルカノイルオキシアルカノイル残基を含む化合物。該化合物は、サイトカイン産生を刺激し、マクロファージを活性化するだけでなく、免疫化動物における抗体の産生を増大する。該化合物はアジュバントおよびイムノエフェクターとして使用ことができる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
発明の背景
液性免疫および細胞性免疫は哺乳動物免疫応答の2つの主要な枝である。液性免疫は、外来抗原に対する抗体の生成に関係する。抗体はBリンパ球によって産生される。細胞性免疫は、外来抗原を有する感染細胞に対して作用する、または他の細胞を刺激して感染細胞に作用するTリンパ球の活性化に関係する。哺乳動物の免疫系の両枝とも、疾患と闘う際に重要である。液性免疫は細菌の病原体に対する主要な系統の防衛となる。ウイルス性疾患の場合は、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)の誘導が防御免疫にとって重大であると思われる。効果的なワクチンは両枝の免疫系を刺激して疾患を予防する。
【0002】
ワクチンは、宿主が防御免疫応答を確立することができるように、疾患の起因物由来の外来抗原を宿主に与える。しばしば、ワクチン抗原は、疾患の原因となる微生物の死菌型または弱毒型である。これらの死菌または弱毒ワクチン中に非必須成分および抗原が存在することは、化学的技法および組換え技法を使用して明確に限定された合成抗原を開発することを含む、ワクチン成分を純化するためのかなりの努力を奨励する。しかし、微生物ワクチンの純化および単純化により、同時に効力の損失に至っている。低分子量合成抗原は、有害であると思われる不純物を含まないが、それら自体があまり免疫原性ではない。このような観察により、研究者は純化したワクチン成分の活性を増大するために、ワクチン組成物にアジュバントを添加するようになった。
【0003】
現在では、米国でヒトへの使用が許可されている唯一のアジュバントはアルミニウム塩(例えば、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム)の1群であるミョウバンであり、ワクチン抗原がこの中に製剤化される。ミョウバンのような微粒子の担体は、マクロファージによる可溶性抗原の取り込み、加工および提示を促進する働きをする。しかし、ミョウバンは副作用があり、液性(抗体)免疫だけを増大させる。
【0004】
効果的なアジュバントはワクチン化動物の液性免疫および細胞性免疫応答を共に増大する。さらに、アジュバントは宿主の天然の免疫応答を増大しなければならないが、宿主系を悪化させてはいけない。外来の物体を含まず、安定で、製造が容易である明確に限定された合成アジュバントは、このような品質を提供すると思われる。しかし、調製され、アジュバント性能について試験されている化合物(シミズ(Shimizu)ら、1985年、 ブルス(Bulusu)ら、1992年、イケダ(Ikeda)ら、1993年、シミズ(Shimizu)ら、1994年、シミズ(Shimizu)ら、1995年、ミヤジマ(Miyajima)ら、1996年)は、しばしば毒性を示し、安定でなく、および/または免疫刺激効果をあまり示さない。
【0005】
効果的なアジュバントの発見および開発は現行のワクチンの有効性と安全性を改善するために必須である。アジュバントは十分な免疫原性を有する合成ペプチドおよび炭水化物抗原を与え、合成ワクチン法の成功を保証している。強力な免疫調節効果を有する新規な化合物の必要性が残っている。
【発明の概要】
【0006】
本発明の化合物は、アジュバントでありイムノエフェクターであるアミノアルキルグルコサミンホスフェート化合物(AGP)である。アミノアルキル(アグリコン)基は、2-デオキシ-2-アミノ-α-D-グルコピラノース(グルコサミン)にグリコシド結合して、請求の範囲が主張されている分子の基礎構造を形成する。化合物はグルコサミン環の4位または6位の炭素がリン酸化されている。さらにこの化合物は3つの3-アルカノイルオキシアルカノイル残基を含む。
【0007】
本発明の化合物は、免疫化動物における抗体の産生を増大し、サイトカイン産生を刺激し、マクロファージを活性化するイムノエフェクター分子である。本発明によると、アジュバントおよびイムノエフェクターとしてこれらの化合物を使用するための方法が開示される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
発明の詳細な説明
本発明の化合物は、アミノアルキルグルコサミンホスフェート(AGP)である、アジュバントでありイムノエフェクターである分子である。この化合物は、アミノアルキル(アグリコン)基にグリコシド結合した2-デオキシ-2-アミノ-α-D-グルコピラノース(グルコサミン)を含む。化合物はグルコサミン環の4位または6位の炭素がリン酸化され、3つのアルカノイルオキシアルカノイル残基を含む。本発明の化合物は一般に下記の式Iによって記載される構造を持つ。
【化1】

式中、Xは酸素または硫黄原子であり、Yは酸素原子またはNH基であり、「n」、「m」、「p」および「q」は0〜6の整数であり、R1、R2およびR3は炭素原子数7〜16の直鎖状脂肪族アシル残基であり、R4およびR5は水素およびメチルであり、R6およびR7は水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ホスホノ、ホスホノオキシ、スルホ、スルホオキシ、アミノ、メルカプト、シアノ、ニトロ、ホルミルまたはカルボキシならびにそれらのエステルおよびアミドであり、R8およびR9はホスホノおよび水素である。直鎖状脂肪族アシル残基が結合する3'ステレオジェン中心の立体配置は、RまたはSであるが、好ましくはRである。R4またはR5が結合する炭素原子の立体化学はRまたはSであってもよい。全ての立体異性体、鏡像異性体およびジアステレオマーならびにこれらの混合物も本発明の範囲内であると考える。
【0009】
本発明の化合物のヘテロ原子Xは酸素または硫黄であってもよい。好ましい態様において、Xは酸素である。分子の安定性はXの位置を置換することによって得られると思われるが、これらの置換を有する分子の免疫調節活性は変化するとは予想されない。
【0010】
ヘテロ原子Xとアグリコン窒素原子との間の炭素原子の数は、変数「n」および「m」によって決定される。変数「n」および「m」は、0〜6の整数である。好ましい態様において、ヘテロ原子Xとアグリコン窒素原子との間の炭素原子の総数は、約2〜約6であり、最も好ましくは約2〜約4である。
【0011】
本発明の化合物は、リン酸化されたアミノアルキルグルコサミン化合物である。化合物はグルコサミン環の4位または6位(R8またはR9)がリン酸化されてもよく、これらの位置の少なくとも一方がリン酸化されると最も効果的である。好ましい態様では、R8はホスホノであり、R9は水素である。
【0012】
本発明の化合物はヘキサアシル化されており、すなわち本発明の化合物は合計6つの脂肪酸残基を有する。アミノアルキルグルコサミン部分はグルコサミン単位の2-アミノおよび3-ヒドロキシル基で、ならびにアグリコン単位のアミノ基は3-ヒドロキシアルカノイル残基でアシル化されている。式Iでは、これらの3つの位置は3-ヒドロキシテトラデカノイル部分でアシル化されている。3-ヒドロキシテトラデカノイル残基は直鎖状脂肪酸(R1〜R3)で置換され、3つの3-n-アルカノイルオキシテトラデカノイル残基すなわち合計6つの脂肪酸基を提供する。
【0013】
直鎖状脂肪酸(R1〜R3)の鎖長は、炭素原子数約7〜約16であってもよい。好ましくは、R1〜R3は炭素原子数約9〜約14である。これらの直鎖状脂肪酸の鎖長は同じでも、異なってもよい。直鎖状脂肪酸だけを記載しているが、本発明の化合物のR1〜R3が不飽和脂肪酸(すなわち、二重結合または三重結合を有する脂肪酸部分)で置換されたものは生物学的に活性な分子を産生すると思われることが予想される。さらに、3-ヒドロキシアルカノイル残基の鎖長がわずかに変化しても生物活性に劇的に影響するとは予想されない。
【0014】
本発明の化合物は、免疫動物の抗体の生成を増大し、サイトカインの産生を刺激し、細胞傷害性Tリンパ球応答を含む細胞性免疫応答を刺激するアジュバントでありイムノエフェクターである。個体の免疫応答に影響を与えるための方法において、本発明の化合物を、注射または摂取のための薬学的に許容できる担体とともに製剤化することができる。本明細書で用いられる「薬学的に許容される担体」は、有効成分の免疫調節活性を妨げず、それが投与される患者に有毒でない媒体を意味する。薬学的に許容される担体には、水中油型または油中水型の乳濁液、水性組成物、リポソーム、マイクロビーズ、およびミクロソームが含まれる。
【0015】
非経口的、すなわち腹腔内、皮下、または筋肉内に投与できる本発明の化合物の製剤は、以下の好ましい担体を含む。皮下使用のために好ましい担体の例には、米国薬局方(USP)の注射水であるリン酸緩衝生理食塩水(PBS)および0.01〜0.1%トリエタノールアミンが含まれる。筋肉内注射に適した担体には、10%USPエタノール、40%プロピレングリコール、および5%デキストロースなどの許容される等張液の平衡液が含まれる。静脈内使用のために好ましい担体の例には、10%USPエタノール、40%USPプロピレングリコール、および平衡化USP注射水が含まれる。他の許容できる担体には、10%USPエタノールおよびUSP注射水が含まれ、また、他の許容できる担体には、0.01〜0.1%トリエタノールアミンを含むUSP注射水が含まれる。溶液または分散物を提供するような、薬学的に許容できる非経口溶媒は、有効成分を除くことなく5ミクロンの濾紙で濾過してもよい。
【0016】
粘膜表面を介した投与のための担体の例は、特定の経路に依る。経口的に投与される場合には、医薬品級(pharmaceutical grade)のマンニトール、デンプン、ラクトース、ステアリン酸マグネシウム、サッカライドナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどを用いることができ、中でもマンニトールが好ましい。鼻腔内に投与する場合には、ポリエチレングリコールもしくはグリコール類、ショ糖および/またはメチルセルロース、ならびに塩化ベンザルコニウム、EDTAなどの防腐剤を用いることができるが、ポリエチレングリコールが好ましく、吸入によって投与する場合には、適した担体はポリエチレングリコールまたはグリコール類、メチルセルロース、調剤用薬剤(dispensing agent)および防腐剤であるが、ポリエチレングリコール類が好ましい。
【0017】
個体の免疫応答を生じるまたは増大するのに「有効な量」の本発明の化合物を個体に投与する。本明細書において使用する「有効な量」は、基材すなわち陰性対照よりも上回る応答を示す量である。患者に投与する本明細書の化合物の正確な用量は、使用する個々のAGP、投与経路、薬学的組成および患者に依存する。例えば、抗体応答を増大するために皮下投与する場合、使用するAGPの量は、70kgの典型的な成人患者に対する投与に基づいて、1〜約250マイクログラムで、好ましくは約25〜約50マイクログラムである。
【0018】
ワクチン組成物では、本明細書のAGPを抗原とともにヒトを含む温血動物に投与する。望ましい応答を誘発するために投与される抗原の量は当業者によって容易に決定され、投与する抗原の種類、投与経路および免疫化スケジュールによって変わる。例えば、0.2μg破傷風トキソイドを請求の範囲を主張している化合物と共に21日間隔をおいて2回マウスに皮下投与すると、その抗原に対する液性免疫応答が誘発された。
【0019】
本発明の化合物は、N-アシルオキシアクリル化またはN-保護アミノアルカノールもしくはアミノアルカンチオール(アグリコン単位)に、好適な保護化および/または3-O-アシルオキシアクリル化グルコサミン単位をカップリングすることによって合成される。本発明の化合物を調製するための1つの好ましい方法において(スキーム1)、N-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル)(Troc)-保護グリコシルハライド1(Z=F、Cl、Br)にN-[(R)-3-n-アルカノイルオキシテトラデカノイル]アミノアルカノールまたはチオール2(好適に保護基を導入された形態のR6およびR7を有する)を水銀塩または銀塩の存在下においてケーニッヒ-クノール(Koenigs-Knorr)型の反応を介してカップリングし、グリコシド中間体3を生じる。好ましくは、グルコサミン単位1はアノマー性塩素原子(Z=Cl)を有し、カップリング触媒はトリフルオロメタンスルホン酸銀である。中間体3は、三フッ化ホウ素エーテラートなどのルイス酸の存在下で、アグリコン単位2をN-Troc-保護グリコシルアセテート(Z=OAc)または関連する活性化された誘導体にカップリングすることによっても調製される。「活性化された」は、グルコサミン単位のアノマー中心に適当な置換可能な脱離基「Z」が結合されていることを意味する。グルコサミン単位1は3位に(R)-3-n-アルカノイルオキシテトラデカノイル残基を有し、6-ヒドロキシル基および4-リン酸塩部分に好適な保護基を有する。リン酸塩基のための典型的な保護基には、フェニル、ベンジル、およびo-キシリルを含むがこれらに限定されない。リン酸塩基は好ましくは2つのフェニル基で保護される。6-位は、シリル、ベンジルまたはベンジルオキシメチルエーテルまたはアルキルカルボネートなどの糖化学において普通に使用されているブロック基によって一時的に保護することができる。6-ヒドロキシル基は、好ましくは、1,1-ジメチル-2,2,2-トリクロロエチルカルボネート(TCBOC)として保護される。
【0020】
ケーニッヒ-クノール(Koenigs-Knorr)カップリング生成物3のトリクロロエチル系保護基を亜鉛で脱離し、グルコサミン窒素を好適なカップリング試薬の存在下において(R)-3-n-アルカノイルオキシテトラデカン酸4で選択的にアシル化して、ヘキサアシル化誘導体5を得る。次いで、5の残りの保護基をパラジウムもしくは白金触媒の存在下で触媒水素化し、または他の適当な手段によって切断して、式(I)の化合物を得る。
【0021】
グリコシルドナー1を合成するために好適な出発材料は、報告されている手順を使用して市販のD-塩酸グルコサミンから調製することができる2-(トリメチルシリル)エチル2-アミノ-2-デオキシ-4,6-O-イソプロピリデン-β-D-グルコピラノシドである。2-(トリメチルシリル)エチルグリコシド出発材料のグリコシルドナー1への変換は、当業者に周知の方法または本明細書に記載されている方法の改良法によって実施することができる。アグリコン単位2は、市販の出発材料を適当な(R)-3-n-アルカノイルオキシテトラデカン酸4でN-アシルオキシアシル化することによって、または化学的文献の公知な方法で入手することができる出発材料のN-アシルオキシアシル化によって調製することができる。または、2のN-アシルオキシアシル残基を、以下の第2の好ましい態様に記載されているような、カップリング反応に続いて脱離される適当なアミン保護基で置換することができる。
【0022】
本発明の化合物を調製するための第2の好ましい方法において(スキーム2)、(R)-3-n-アルカノイルオキシテトラデカノイルおよびリン酸基の、グルコサミンおよびアグリコン単位への導入は、存在するアミノ基およびヒドロキシル基の化学的差別化に好適なN-およびO-保護基を使用したグリコシル化(カップリング)反応に続いて実施される。好ましくは、N-Troc-保護グリコシルドナー6にN-アリルオキシカルボニル(AOC)保護アミノアルカノールまたはチオール7を、適当な触媒の存在下でカップリングしてアミノアルキルβ-グリコシド8を得る。最も好ましくは、グリコシルドナー6はアノマー性アセトキシ基(Z=OAc)を有し、カップリング触媒は三フッ化ホウ素エーテラートである。アグリコンアミノ基のための他のN-保護基には、t-ブチル(t-BOC)、ベンジル(Cbz)、2,2,2-トリクロロエチル(Troc)および9-フルオレニルメチル(Fmoc)などの当業者に明らかで、普通に使用されているカルバメートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】
カップリング産物8のアセテート基の塩基誘導性切断および当技術上周知の標準的な条件下における4,6-アセトニド形成により中間体9を得る。(R)-3-n-アルカノイルオキシテトラデカン酸4による9の3-O-アシル化、次にアグリコンN-AOC基のパラジウム(0)媒介した除去、および(R)-3-n-アルカノイルオキシテトラデカン酸4による9のN-アシル化により中間体10を得る。グリコシルドナー1の調製について本明細書に記載されている4-および6-位のアセトニド加水分解および機能化により中間体3(Y=O)を得、次いで、スキーム1のように処理し、一般式(I)の化合物を得る。
【0024】
本発明は、例示的な目的だけのために示される、以下の非限定な実施例および試験実施例によってさらに記載される。(R)-3-n-アルカノイルオキシテトラデカノイル基およびリン酸基の、グルコサミンおよびアグリコン単位への導入は、スキーム1および2または以下の実施例に記載する順序で必ずしも実施しなくてもよい事を覚えておくことは重要である。
【化2】

【化3】

【0025】
実施例1〜29は、本発明のAGP化合物を製造する方法を記載する。試験例1〜7は、これらの化合物の免疫原性を判定するために実施したアッセイを記載する。表1は、これらの実施例の各化合物の化学的組成および実験参照番号を示す。
【0026】
【表1】


【実施例】
【0027】
実施例1
(R)-3-n-アルカノイルオキシテトラデカン酸(4)の調製
(1)3-オキソテトラデカン酸メチル(19g、0.074 mol)のMeOH(100 mL)溶液に、アルゴンを通気することによって(15分)脱気した。[(R)-Ru(Binap)Cl]2-・NEt3触媒(0.187g、0.111 mmol)および2N HCl水溶液(0.5 mL)を添加し、得られた混合物を60psig、40〜50℃で、18時間水素化した。反応液をヘキサン(250 mL)で希釈し、短いシリカゲルカラムでろ過し、濃縮した。粗生成物をテトラヒドロフラン(THF; 200 mL)に溶解し、2.4N LiOH水溶液(83 mL、0.2 mol)で処理し、室温で4時間強く撹拌した。得られたスラリーをエーテル(200 mL)と1N HCl水溶液(200 mL)に分配し、層を分離した。水層をエーテル(100 mL)で抽出し、エーテル抽出液を合わせて乾燥し(Na2SO4)、濃縮した。粗ヒドロキシ酸を高温のアセトニトリル(250 mL)に溶解し、ジシクロヘキシルアミン(DCHA; 17 mL、0.085 mol)で処理して、60℃で1時間撹拌した。冷却時に結晶化した生成物を回収し、アセトニトリル(650 mL)で再結晶して28.6g(91%)のジシクロヘキシルアンモニウム(R)-3-ヒドロキシテトラデカノエートを無色の固体として得た:

【0028】
(2)上記の(1)で調製した化合物(50g、0.117 mol)と2,4'-ジブロモアセトフェノン(39g、0.14 mol)の混合物のEtOAc(2.3 L)溶液にトリエチルアミン(19.6 mL、0.14 mol)を添加し、得られた溶液を室温において18時間撹拌した。形成された嵩の高い沈殿を回収し、暖めたEtOAc(3×400 mL)で粉末化した。粉末とろ過物を合わせて1 M HCl水溶液、飽和NaCl水溶液で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。減圧下で揮発性物質を除去し、得られた粗生成物をEtOAc-ヘキサンで再結晶して47.2g(91%)の(R)-3-ヒドロキシテトラデカン酸p-ブロモフェナシルエステルを無色の固体として得た:

【0029】
(3)上記の(2)で調製した化合物(4.6g、10.4mmol)の、4-ジメチルアミノピリジン(0.12g、1.0mmol)およびピリジン(5mL、62mmol)を含有するCH2Cl2(50mL)溶液を室温で塩化ミリストイル(3.1mL、11.4mmol)で処理した。室温において5時間撹拌した後、MeOH(0.5mL)を添加し、反応混合物を濃縮した。残渣をEt2O(150mL)と冷却した10%HCl水溶液(50mL)に分配し、層を分離した。エーテル層を乾燥し(Na2SO4)、濃縮し、得られた残渣を短いシリカゲルパッドで5%EtOAc-ヘキサンで精製した。ジエステルをAcOH(42mL)に溶解し、60℃で、同量ずつ3回に分けて1時間かけて亜鉛末(〜6g、90mmol)で処理した。60℃でさらに1時間後、冷却した反応混合物を超音波処理し(5分)、登録商標セライト(Celite)でろ過して、濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーで10%EtOAc-ヘキサンで精製し、4.17g(82%)の(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカン酸を無色の固体として得た:

【0030】
(4)実施例1-(3)に記載するものと同じ方法で、実施例1-(2)において調製した化合物(2.5g、5.68mmol)をピリジン(0.57mL、7.0mmol)のCH2Cl2(60mL)溶液の存在下で塩化ラウロイル(1.45mL、6.25mmol)でアシル化し、次いで亜鉛(9.3g、142mmol)のAcOH(40mL)液で脱保護し、(R)-3-ドデカノイルオキシテトラデカン酸を無色の油状物質として得た:

【0031】
(5)実施例1-(2)で調製した化合物(2.5g、5.68mmol)の溶液をアンデカン酸(11.6g、6.25mmol)とEDCMel(2.08g、7.0mmol)のCH2Cl2(60mL)溶液で処理し、次いで実施例1-(3)に記載するように亜鉛(9.3g、142mmol)のAcOH(40mL)液で脱保護し、(R)-3-アンデカノイルオキシテトラデカン酸を無色の油状物質として得た:

【0032】
(6)実施例1-(3)に記載するものと同じ方法で、実施例1-(2)で調製した化合物(4.4g、10mmol)をピリジン(1.2mL、15.0mmol)のCH2Cl2(100mL)溶液の存在下で塩化デカノイル(2.3mL、11mmol)でアシル化し、次いで亜鉛(16.4g、250mmol)のAcOH(60mL)液で脱保護し、(R)-3-デカノイルオキシテトラデカン酸を無色の油状物質として得た:

【0033】
(7)実施例1-(3)に記載するものと同じ方法で、実施例1-(2)で調製した化合物(2.5g、5.68mmol)をピリジン(0.57mL、7.0mmol)のCH2Cl2(60mL)溶液の存在下で塩化ノナノイル(1.13mL、6.25mmol)でアシル化し、次いで亜鉛(9.3g、142mmol)のAcOH(40mL)液で脱保護し、(R)-3-ノナノイルオキシテトラデカン酸を無色の油状物質として得た:

【0034】
(8)実施例1-(3)に記載するものと同じ方法で、実施例1-(2)で調製した化合物(2.5g、5.68mmol)をピリジン(0.57mL、7.0mmol)のCH2Cl2(60mL)溶液の存在下で塩化オクタノイル(1.07mL、6.25mmol)でアシル化し、次いで亜鉛(9.3g、142mmol)のAcOH(40mL)液で脱保護し、(R)-3-オクタノイルオキシテトラデカン酸を無色の油状物質として得た:

【0035】
(9)実施例1-(3)に記載するものと同じ方法で、実施例1-(2)で調製した化合物(2.5g、5.68mmol)をピリジン(0.57mL、7.0mmol)のCH2Cl2(60mL)溶液の存在下で塩化ヘプタノイル(0.97mL、6.25mmol)でアシル化し、次いで亜鉛(9.3g、142mmol)のAcOH(40mL)液で脱保護し、(R)-3-ヘプタノイルオキシテトラデカン酸を無色の油状物質として得た:

【0036】
実施例2(B1)
3-ヒドロキシ-(S)-2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロピル2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシドトリエチルアンモニウム塩(化合物(I)、R1=R2=R3=n-C13H27CO、X=Y=O、n=m=q=0、R4=R5=R7=R9=H、R6=OH、p=1、R8=PO3H2)の調製
(1)2-(トリメチルシリル)エチル 2-アミノ-2-デオキシ-4,6-O-イソプロピリデン-β-D-グルコピラノシド(6.46g、20.2mmol)のCHCl3(300mL)溶液に1N NaHCO3水溶液(300mL)と2,2,2-トリクロロエチルクロロホルメート(8.5g、40mmol)を添加した。得られた混合物を室温で3時間強く撹拌した。有機層を分離して、乾燥し(Na2SO4)、濃縮して無色のシロップ状物質を得た。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(濃度勾配溶出、30〜40% EtOAc-ヘキサン)により、9.6g(96%)の2-(トリメチルシリル)エチル 2-デオキシ-4,6-O-イソプロピリジン-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを無色の固体として得た:

【0037】
(2)上記の(1)で調製した化合物(7.5g、15.2mmol)、(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカン酸(7.58g、16.7mmol)および4-ピロリジノピリジン(0.25g、1.7mmol)のCH2Cl2(95mL)溶液を1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミドメチオジド(EDC Mel; 4.94g、16.7mmol)で処理し、室温で16時間撹拌した。反応混合物を登録商標セライト(Celite)の短いパッドでろ過し、濃縮し、得られた残渣を90%AcOH水溶液(100mL)に溶解して60℃で1時間加熱した。混合物を濃縮して、残ったAcOHと水をトルエン(2×150mL)と共沸して除去した。粗ジオールをシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(濃度勾配溶出、30〜40% EtOAc-ヘキサン)によって精製し、11.8g(83%)の2-(トリメチルシリル)エチル 2-デオキシ-3-O-[(R)-3テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを非晶質の固体して得た:

【0038】
(3)上記の(2)で調製した化合物(10.9g、12mmol)とピリジン(2mL、25mmol)の0℃のCH2Cl2溶液(125mL)に2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエチルクロロホルメート(3.17g、13.2mmol)のCH2Cl2溶液(25mL)を15分間かけて滴下した。反応混合物を3.5時間かけて徐々に周囲温度まで加温した。4-ピロリジノピリジン(0.89g、6.0mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(10.5mL、60mmol)およびジフェニルクロロホスフェート(3.7mL、18mmol)を順に添加し、得られた混合物を室温で5時間撹拌した。反応混合物をCH2Cl2溶液(500mL)で希釈し、冷却した7.5%HCl水溶液(2×250mL)、水(250mL)、飽和NaHCO3水溶液(250mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、次いで濃縮した。得られた残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーで12.5%EtOAc-ヘキサンで溶出して精製し、15.1g(95%)の2-(トリメチルシリル)エチル 2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを粘性の油状物質として得た。

【0039】
(4)上記の(3)で調製した化合物(1.87g、1.41mmol)の0℃のCH2Cl2溶液(3mL)にトリフルオロ酢酸(TFA;6mL)を10分間かけて滴下し、次いで0℃で4時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残ったTFAをトルエン(2×5mL)と共沸して除去した。ラクトールとジメチルホルムアミド(2.2mL、28.2mmol)の0℃のCH2Cl2溶液(14mL)に臭化オキサリル(2.0MのCH2Cl2溶液; 2.1mL、4.2mmol)を15分かけて滴下し、得られた懸濁液を0℃で24時間撹拌した。反応混合物を、冷却した飽和NaHCO3水溶液(25mL)とエーテル(50mL)に分配し、層を分離した。エーテル層を飽和NaCl水溶液)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、次いで濃縮して、1.85g(〜100%)の2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシド臭化物を無色のガラス状物質として得た。
【0040】
(5)(R)-2-アミノ-3-ベンジルオキシ-1-プロパノール(0.46g、2.33mmol)と(R)-3-テトラデカノイルオキシデカン酸(1.29g、2.83mmol)のCH2Cl2溶液(20mL)をEDC・MeI(0.78g、2.79mmol)で処理し、室温において16時間撹拌した。反応混合物を登録商標セライト(Celite)の短いパッドでろ過し、濃縮した。45%EtOAc-ヘキサンを用いたシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより、1.1g(69%)の3-ベンジルオキシ-(R)-2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロパノールを無色の固体として得た:

【0041】
(6)上記の(4)で調製した化合物(1.00g、0.776mmol)と上記の(5)で調製した化合物(0.35g、0.57mmol)のジクロロエタン(4.5mL)溶液に粉末状の4Å分子ふるい(1.25g)と硫酸カルシウム(2.7g、20mmol)を添加した。室温で10分間撹拌した後、混合物をシアン化水銀(1.0g、4.0mmol)で処理し、次いで遮光下で、12時間加熱還流した。反応混合物をCH2Cl2(25mL)で希釈し、登録商標セライト(Celite)パッドでろ過した。ろ液を1N KI水溶液(25mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濃縮した。残渣をシリカゲルでEtOAc-ヘキサン-NeOH(80:20:0→70:30:1、濃度勾配溶出)を用いてクロマトグラフィーし、0.66g(63%)の3-ベンジルオキシ-(S)-2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロピル2-デオキシ-4-O-ホスホノ-3-O-[(R)-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを非晶質の固体として得た:

【0042】
(7)上記の(6)で調製した化合物(0.60g、0.328mmol)のAcOH(9mL)溶液を55℃で撹拌し、亜鉛末(1.1g、16mmol)を同量ずつ3回に分けて1時間かけて添加した。冷却した反応混合物を超音波処理し、登録商標セライト(Celite)パッドでろ過し、濃縮した。得られた残渣をCH2Cl2(60mL)と冷却した1N HCl水溶液(35mL)に分配し、層分離した。有機層を5%NaHCO3水溶液で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濃縮した。得られた残渣と(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカン酸(0.18g、0.39mmol)の混合物のCH2Cl2(3.5mL)溶液を粉末状の4Å分子ふるい(0.1g)と共に室温で30分撹拌し、次いで2-エトキシ-1-エトキシカルボニル-1,2-ジヒドロキノリン(EEDQ; 0.12g、0.49mmol)で処理した。得られた混合物を室温で6時間撹拌し、登録商標セライト(Celite)でろ過し、次いで濃縮した。シリカゲルのクロマトグラフィー(濃度勾配溶出、0.5→1%MeOH-CHCl3)により、0.31(50%)の3-ベンジルオキシ-(S)-2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロピル2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシドを非晶質の固体として得た:

【0043】
(8)上記の(7)で調製した化合物(0.26g、0.138mmol)のTHF(25mL)溶液を5%パラジウム-炭素(50mg)の存在下で室温、大気圧下で、16時間水素化した。ろ過によって触媒を除去後、AcOH(3ml)と酸化白金(0.14g)を添加し、室温、75psigで、24時間水素化を継続した。得られた乳白色の反応混合物を2:1 CHCl3-MeOH(20mL)で希釈し、短時間超音波処理して透明な溶液を得た。触媒を回収し、2:1 CHCl3-MeOH(2×5mL)で洗浄し、ろ液と洗浄液を合わせて濃縮した。残渣を35℃で5分間超音波処理することによって1%トリエチルアミン水溶液(10mL)に溶解し、得られた溶液を凍結乾燥した。クロロホルム-メタノール-水-トリエチルアミン(94:6:0.5:0.5→88:12:1.0:1.0、濃度勾配溶出)によるシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより、0.20g(84%)の生成物を無色の粉末として得た。クロマトグラフィー産物の一部(0.166g)を冷却したCHCl3-MeOH(33mL)に溶解し、冷却した0.1N HCl水溶液(14mL)で洗浄した。下層の有機層をろ過し、濃縮し、得られた遊離酸を1%トリエチルアミン水溶液(発熱物質を含有しない、15mL)で凍結乾燥して、0.160gの3-ヒドロキシ-(S)-2-[(R)-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロピル-2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシドトリエチルアンモニウム塩を無色の固体として得た:

【0044】
実施例3(B2)
3-ヒドロキシ-(R)-2-[(R)-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロピル-2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシドトリエチルアンモニウム塩(化合物(I)、R1=R2=R3=n-C13H27CO、X=Y=O、n=m=q=0、R4=R5=R7=R9=H、R6=OH、p=1、R8=PO3H2)の調製
(1)実施例2-(5)で調製した化合物(0.63g、1.02mmol)のCH2Cl2(7mL)溶液をピリジン(0.4mL、5mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(cat.)および2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエチルクロロホルメート(0.307g、1.23mmol)で順に処理し、室温で16時間撹拌した。反応混合物をCH2Cl2(25mL)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(25mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。揮発性物質を真空下で除去し、残渣をTHF-AcOH(10mL、9:1)に溶解し、5%パラジウム-炭素(150mg)の存在下で室温、大気圧下で24時間水素化した。ろ過により触媒を除去後、ろ液を濃縮し、残渣を35%EtOAc-ヘキサンを用いたシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより、0.536g(72%)の3-(2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエトキシカルボニルオキシ)-(S)-2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロパノールを非晶質の固体として得た:

【0045】
(2)実施例2-(6)に記載するものと同じ方法で、上記(1)で調製した化合物(0.310g、0.426mmol)と実施例2-(4)で調製した化合物(0.961g、0.745mmol)をシアン化水銀(0.43g、1.7mmol)の存在下でカップリングさせ、0.644g(78%)の3-(2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエチルオキシカルボニルオキシ)-(S)-2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロピル2-デオキシ-4-O-ホスホノ-3-O-[(R)-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを非晶質の体として得た:

【0046】
(3)実施例2-(7)に記載したものと同じ方法で、上記の(2)で調製した化合物(0.602g、0.310mmol)を亜鉛(1.5g、23mmol)で脱保護し、FEDQ(0.115g、0.467mmol)の存在下で(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカン酸(0.17g、23mmol)でアシル化し、0.365g(66%)の3-ヒドロキシ-(R)-2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロピル2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシドを非晶質の固体として得た:

【0047】
(4)実施例2-(8)に記載するものと同じ方法で、上記の(3)で調製した化合物(0.355g、0.196mmol)を酸化白金(175mg)の存在下で水素化して、0.265g(77%)の3-ヒドロキシ-(R)-2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロピル2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシドトリエチルアンモニウム塩を無色の固体として得た:

【0048】
実施例4(B3)
3-ヒドロキシ-(S)-2-[(R)-3-ドデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロピル2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-ドデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-ドデカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシドトリエチルアンモニウム塩(化合物(I)、R1=R2=R3=n-C13H27CO、X=Y=O、n=m=q=0、R4=R5=R7=R9=H、R6=OH、p=1、R8=PO3H2)の調製
(1)塩酸D-グルコサミン(20g、92.8mmol)のH2O(250mL)溶液を飽和NaHCO3水溶液(250mL)と2,2,2-トリクロロエチルクロロホルメート(14.05mL、102mmol)で処理し、18時間強く撹拌した。形成した白色の固体をフリット漏斗に回収し、真空下で24時間乾燥した。この固体のピリジン(100mL)溶液を0℃に冷却し、漏斗を介して無水酢酸(100mL)で処理した。この溶液を室温で18時間撹拌し、1LのH2Oに注ぎ、CHCl3(3×500mL)で抽出した。真空下で溶媒を除去し、45g(quant.)のN-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-1,3,4,6-テトラ-O-アセチル-2-デオキシ-α-D-グルコピラノシドを得、さらに精製しないで使用した:

【0049】
(2)(R)-2-アミノ-3-ベンジルオキシ-1-プロパノール(5g、27.6mmol)のCH2Cl2(250mL)溶液をアリルクロロホルメート(3.2mL、30mmol)と飽和NaHCO3水溶液(250mL)で18時間処理した。有機層を分離し、真空下で濃縮した。30%EtOAc/ヘキサンで溶出するクロマトグラフィーによる精製によって、6.9g(94%)の(R)-2-(アリルオキシカルボニルアミノ)-3-ベンジルオキシ-1-プロパノールを非晶質の固体として得た:

【0050】
(3)上記の(1)および(2)で調製した化合物(それぞれ、8.9g、17mmolおよび3.6 g、10mmol)のCHCl3溶液を三フッ化ホウ素エーテラート(4.3 ml、34mmol)で室温で16時間処理した。反応混合物を飽和NaHCO3水溶液(100mL)で中和し、EtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物を乾燥して(Na2SO4)濃縮した。残渣を20%EtOAc/ヘキサンを用いてクロマトグラフし、6.03g(83%)の3-ベンジルオキシ-(S)-2-(アリルオキシカルボニルアミノ)プロピル2-デオキシ-3,4,6-トリ-O-アセチル-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを非晶質の固体として得た:

【0051】
(4)上記の(3)で調製した化合物(6.0g、8.3mmol)のメタノール(83mL)溶液を水酸化アンモニウム(8.3mL)で室温で2時間処理した。真空下で溶媒を除去し、2,2-ジメトキシプロパン(50mL)と交換し、樟脳スルホン酸(100mg)を添加した。反応物を18時間撹拌し、固体のNaHCO3(1g)で中和し、ろ過し、真空下で濃縮した。50%EtOAc/ヘキサンを用いたクロマトグラフィーによる精製によって、4.58g(86%)の3-ベンジルオキシ-(S)-2-(アリルオキシカルボニルアミノ)プロピル2-デオキシ-4,6-O-イソプロピリジン-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを得た:

【0052】
(5)上記の(4)で調製した化合物(1.0g、1.56mmol)のCH2Cl2(20mL)溶液を(R)-3-ドデカノイルオキシテトラデカン酸(730mg、1.71mmol)でEDC・MeI(560mg、1.87mmol)と4-ピロリジノピリジン(50mg)の存在下で処理した。反応物を室温で18時間撹拌し、20%EtOAc/ヘキサンを溶出液として使用したシリカゲルの6×8cmプラグでろ過し、1.33g(82%)の3-ベンジルオキシ-(S)-2-(アリルオキシカルボニルアミノ)プロピル2-デオキシ-4,6-O-イソプロピリデン-3-O-[(R)-3-ドデカノイルオキシテトラデカノイル]-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを非晶質の固体として得た:

【0053】
(6)上記の(5)で調製した化合物(1.31g、1.25mmol)のTHF(20mL)溶液にマロン酸ジメチル(1.0mL、0.88mmol)を添加し、この溶液をアルゴン気流で30分脱気した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(200mg)を添加し、反応物を室温で2時間撹拌し、次いで真空下で濃縮した。得られた残渣を5〜10%EtOAc/CHCl3で溶出するシリカゲルでクロマトグラフィーした。得られた遊離のアミンをEEDQ(370mg、1.5mmol)のCH2Cl2(15mL)溶液の存在下で(R)-3-ドデカノイルオキシデカン酸(560mg、1.38mmol)でアシル化した。室温で18時間撹拌後、真空下で溶媒を除去し、得られた油状物質を20%EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカゲルでクロマトグラフィーすることによって、1.02g(63%)の3-ベンジルオキシ-(S)-2-[(R)-3-ドデカノイルテトラデカノイルアミノ]プロピル2-デオキシ-4,6-O-イソプロピリデン-3-O-[(R)-3-ドデカノイルオキシテトラデカノイル]-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを非晶質の固体として得た:

【0054】
(7)上記の(6)で調製した化合物(1.0g、0.78mmol)を90%AcOH水溶液(20mL)で60℃で1時間処理した。この溶液を真空下で濃縮し、残ったAcOHとH2Oをトルエン(10mL)と共沸することによって除去した。残渣をCH2Cl2に溶解し、0℃に冷却し、ピリジン(0.076mL、0.94mmol)と2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエチルクロロホルメート(205mg、0.86mmol)のCH2Cl2(5mL)溶液で処理した。次いで、反応混合物を室温まで加温し、室温で18時間撹拌した。得られた淡黄色の溶液をジフェニルクロロホスフェート(0.24mL、1.17mmol)、トリエチルアミン(0.22mL、1.56mmol)および触媒の4-ピロリジノピリジン(50mg)で処理し、次いで室温でさらに24時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(100mL)で希釈し、10%HCl水溶液(50mL)で洗浄した。有機層を分離し、Na2SO4で乾燥し、真空下で濃縮した。10%EtOAc/ヘキサンを使用したシリカゲルのクロマトグラフィーによって、1.13g(85%)の3-ベンジルオキシ-(S)-2-[(R)-3-ドデカノイルテトラデカノイルアミノ]プロピル2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-ドデカノイルオキシテトラデカノイル]6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1,-ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを無色の非晶質の固体として得た:

【0055】
(8)実施例2-(7)に記載するものと同じ方法で、上記の(7)で調製した化合物(1.1g、0.65mmol)を亜鉛(2.1g、32mmol)で脱保護し、EEDQ(230mg、0.94mmol)の存在下で、(R)-3-ドデカノイルオキシテトラデカン酸(330g、0.78mmol)でアシル化し、399mg(37%)の3-ベンジルオキシ-(S)-2-[(R)-3-ドデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロピル2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-2-[(R)-3-ドデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-ドデカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシドを無色の非晶質の固体として得た。
【0056】
(9)実施例2-(8)に記載するものと同じ方法で、上記の(8)で調製した化合物(399mg、0.24mmol)を、炭素に吸着させた水酸化パラジウム(150mg)のEtOH(10mL)液と酸化白金(300mg)のEtOH/AcOH(10:1)液の存在下で水素化し、65mg(16%)の3-ヒドロキシ-(S)-2-[(R)-3-ドデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロピル2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-ドデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-ドデカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシド トリエチルアンモニウム塩を白色の粉末として得た:

【0057】
実施例5(B4)
3-ヒドロキシ-(S)-2-[(R)-3-アンデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロピル2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-アンデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-アンデカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシドトリエチルアンモニウム塩(化合物(I)、R1=R2=R3=n-C10H21CO、X=Y=O、n=m=q=0、R4=R5=R7=R9=H、R6=OH、p=1、R8=PO3H2)の調製
(1)実施例4-(5)に記載するものと同じ方法で、実施例4-(4)で調製した化合物(1.0g、1.56mmol)をEDC・MeI(560mg、1.87mmol)および4-ピロリジン(50mg)のCH2Cl2(20mL)溶液の存在下で(R)-3-アンデカノイルオキシテトラデカン酸(705mg、1.71mmol)でアシル化し、1.23g(77%)の3-ベンジルオキシ-(S)-2-(アリルオキシカルボニルアミノ)プロピル2-デオキシ-4,6-O-イソプロピリデン-3-O-[(R)-3-アンデカノイルオキシテトラデカノイル]-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを非晶質の固体として得た:

【0058】
(2)実施例4-(6)に記載するものと同じ方法で、上記(1)で調製した化合物(1.21g、1.17mmol)を、マロン酸ジメチル(1.0mL、0.88mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(200mg)の存在下で、THF(20mL)中で脱保護し、EEDQ(370mg、1.5mmol)の存在下で(R)-3-アンデカノイルオキシテトラデカン酸(540mg、1.30mmol)でアシル化し、921mg(61%)の3-ベンジルオキシ-(S)-3-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロピル2-デオキシ-4,6-O-イソプロピリデン-3-O-[(R)-3-アンデカノイルオキシテトラデカノイル]-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを無色の非晶質の固体として得た:

【0059】
(3)実施例4-(7)に記載するものと同じ方法で、上記(2)で調製した化合物(910mg、0.71mmol)を90%AcOH水溶液(20mL)中で脱保護し、ピリジン(0.071mL、0.88mmol)および2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエチルクロロホルメート(195mg、0.80mmol)のCH2Cl2溶液で処理し、次にジフェニルクロロホスフェート(0.23mL、1.10mmol)、トリエチルアミン(0.20mL、1.46mmol)および触媒の4-ピロリジノピリジン(50mg)で処理して、1.10g(89%)の3-ベンジルオキシ-(S)-2-[(R)-3-アンデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロピル2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-アンデカノイルオキシテトラデカノイル]-6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを無色の非晶質の固体として得た:

【0060】
(4)実施例2-(7)に記載するものと同じ方法で、上記(3)で調製した化合物(1.0g、0.59mmol)を亜鉛(2.0g、30mmol)で脱保護し、EEDQ(210mg、0.85mmol)の存在下で(R)-3-アンデカノイルオキシテトラデカン酸(292mg、0.71mmol)でアシル化し、388mg(40%)の3-ベンジルオキシ-(S)-2-[(R)-3-アンデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロピル2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-2-[(R)-3-アンデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-アンデカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシドを無色の非晶質の固体として得た。
【0061】
(5)実施例2-(8)に記載するものと同じ方法で、上記(4)で調製した化合物(388mg、0.24mmol)を炭素に吸着させた水酸化パラジウム(150mg)のEtOH(10mL)液に分散したものおよび酸化白金(300mg)のEtOH/AcOH(10:1)液の存在下で水素化し、65mg(17%)の3-ヒドロキシ-(S)-2-[(R)-3-アンデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロピル2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-アンデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-アンデカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシドトリエチルアンモニウム塩を白色粉末として得た:

【0062】
実施例6(B5)
3-ヒドロキシ-(S)-2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロピル2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシドトリエチルアンモニウム塩(化合物(I)、R1=R2=R3=n-C9H19CO、X=Y=O、n=m=q=0、R4=R5=R7=R9=H、R6=OH、p=1、R8=PO3H2)の調製
(1)実施例4-(5)に記載するものと同じ方法で、実施例4-(4)で調製した化合物(2.0g、3.12mmol)をEDC・MeI(1.12g、3.74mmol)および4-ピロリジノピリジン(50mg)のCH2Cl2(20mL)溶液の存在下で(R)-3-デカノイルオキシテトラデカン酸(1.36 g、3.42mmol)でアシル化し、1.23g(77%)の3-ベンジルオキシ-(S)-2-(アリルオキシカルボニルアミノ)プロピル2-デオキシ-4,6-O-イソプロピリデン-3-O-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを非晶質の固体として得た:

【0063】
(2)実施例4-(6)に記載するものと同じ方法で、上記(1)で調製した化合物(2.47g、2.42mmol)を、マロン酸ジメチル(2.0mL、1.75mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(400mg)の存在下で、THF(20mL)中で脱保護し、EEDQ(740mg、3.0mmol)の存在下で(R)-3-デカノイルオキシテトラデカン酸(1.06mg、2.66mmol)でアシル化し、1.86g(60%)の3-ベンジルオキシ-(S)-2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロピル2-デオキシ-4,6-O-イソプロピリデン-3-O-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを無色の非晶質の固体として得た:

【0064】
(3)実施例4-(7)に記載するものと同じ方法で、上記の(2)で調製した化合物(900mg、0.72mmol)を、90%AcOH水溶液(40mL)で脱保護し、次いで、ピリジン(0.071mL、0.88mmol)および2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエチルクロロホルメート(195mg、0.80mmol)のCH2Cl2溶液 で処理し、次にジフェニルクロロホスフェート(0.23mL、1.10mmol)、トリエチルアミン(0.20mL、1.46mmol)および触媒の4-ピロリジノピリジン(50mg)で処理して、1.05g(86%)の3-ベンジルオキシ-(S)-2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロピル2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを無色の非晶質の固体として得た:

【0065】
(4)実施例2-(7)に記載するものと同じ方法で、上記の(3)で調製した化合物(1.0g、0.60mmol)を亜鉛(2.0g、30mmol)で脱保護し、EEDQ(210mg、0.86mmol)の存在下で(R)-3-デカノイルオキシテトラデカン酸(285mg、0.72mmol)でアシル化し、332mg(34%)の3-ベンジルオキシ-(S)-2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロピル2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-2[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-3-O-[(R)-3-デカノイルテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシドを無色の非晶質の固形物として得た。
【0066】
(5)実施例2-(8)に記載するものと同じ方法で、上記の(4)で調製した化合物(332mg、0.20mmol)を、炭素に吸着させた水酸化パラジウム(150mg)のEtOH(10mL)液および酸化白金(300mg)のEtOH/AcOH(10:1)液の存在下で水素化し、173mg(55%)の3-ヒドロキシ-(S)-2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロピル2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシドトリエチルアンモニウム塩を白色粉末として得た:

【0067】
実施例7(B6)
3-ヒドロキシ-(S)-2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロピル2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシドトリエチルアンモニウム塩(R1=R2=R3=n-CH19CO、X=Y=O、n=m=q=0、R4=R5=R7=R9=H、R6=OH、p=1、R8=PO3H2)の調製
(1)実施例4-(7)に記載するものと同じ方法で、実施例6-(2)で調製した化合物(900mg、0.72mmol)を90%AcOH水溶液(20mL)中で脱保護した。残渣をCH2Cl2溶液(20mL)に溶解して、0℃まで冷却し、トリエチルアミン(0.14mL、1.0mmol)とジフェニルクロロホスフェート(0.17mL、0.8mmol)で処理した。混合物をさらに6時間撹拌し、次いで50mLの10%HClで中和した。生成物をEtOAc(3×50mL)で抽出し、Na2SO4で乾燥した。50%EtOAc/ヘキサンを用いたシリカゲルのクロマトグラフィーを実施することにより、636mg(63%)の3-ベンジルオキシ-(S)-2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロピル2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドの無色非晶質の固体を得た:

【0068】
(2)実施例2-(7)に記載するものと同じ方法で、上記(1)で調製した化合物(620g、0.44mmol)を亜鉛(722mg、11mmol)で脱保護し、EEDQ(170mg、0.58mmol)の存在下で、(R)-3-デカノイルオキシテトラデカン酸(190mg、0.48mmol)でアシル化し、254mg(36%)の3-ベンジルオキシ-(S)-2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロピル2-デオキシ-6-O-ジフェニルホスホノ-2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-デカノイルテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシドの無色非晶質の固体を得た。
【0069】
(3)実施例2-(8)に記載するものと同じ方法で、上記(2)で調製した化合物(254mg、0.16mmol)を、炭素に吸着させた水酸化パラジウム(150mg)のEtOH(10mL)液および酸化白金(300mg)のEtOH/AcOH(10:1)液の存在下で水素化し、34mg(13%)の3-ヒドロキシ-(S)-2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロピル2-デオキシ-6-O-ホスホノ-2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシドトリエチルアンモニウム塩を白色粉末として得た:

【0070】
実施例8(B7)
3-ヒドロキシ-(S)-2-[(R)-3-ノナノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロピル2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-ノナノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-ノナノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシドトリエチルアンモニウム塩(化合物(I)、R1=R2=R3=n-CH17CO、X=Y=O、n=m=q=0、R4=R5=R7=R9=H、R6=OH、p=1、R8=PO3H2)の調製
(1)実施例4-(5)に記載するものと同じ方法で、実施例4-(4)で調製した化合物(1.0g、1.56mmol)をEDC・MeI(560mg、1.87mmol)および4-ピロリジノピリジン(50mg)のCH2Cl2溶液の存在下で(R)-3-ノナノイルオキシテトラデカン酸(660mg、1.71mmol)でアシル化し、1.31g(83%)の3-ベンジルオキシ-(S)-2-(アリルオキシカルボニルアミノ)プロピル2-デオキシ-4,6-O-イソプロピリデン-3-O-[(R)-3-ノナノイルオキシテトラデカノイル]-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを非晶質の固体として得た:

【0071】
(2)実施例4-(6)に記載するものと同じ方法で、上記(1)で調製した化合物(1.29g、1.28mmol)を、マロン酸ジメチル(1.0mL、0.88mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(200mg)の存在下で、THF(20mL)中で脱保護し、EEDQ(370mg、1.5mmol)の存在下で(R)-3-ノナノイルオキシテトラデカン酸(540mg、1.41mmol)でアシル化し、1.02g(65%)の3-ベンジルオキシ-(S)-2-[(R)-3-ノナノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロピル2-デオキシ-4,6-O-イソプロピリデン-3-O-[(R)-3-ノナノイルオキシテトラデカノイル]-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを無色の非晶質の固体として得た:

【0072】
(3)実施例4-(7)に記載するものと同じ方法で、上記(2)で調製した化合物(1.0g、0.81mmol)を90%AcOH水溶液(20mL)中で脱保護し、ピリジン(0.080mL、0.98mmol)および2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエチルクロロホルメート(215mg、0.89mmol)のCH2Cl2溶液で処理し、次にジフェニルクロロホスフェート(0.25mL、1.22mmol)、トリエチルアミン(0.21mL、1.52mmol)および触媒の4-ピロリジノピリジン(50mg)で処理して、1.17g(87%)の3-ベンジルオキシ-(S)-2-[(R)-3-ノナノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロピル2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-ノナノイルオキシテトラデカノイル]-6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを無色の非晶質の固体として得た:

【0073】
(4)実施例2-(7)に記載するものと同じ方法で、上記(3)で調製した化合物(1.1g、0.66mmol)を亜鉛(2.2g、33mmol)で脱保護し、EEDQ(235mg、0.95mmol)の存在下で(R)-3-ノナノイルオキシテトラデカン酸(305mg、0.79mmol)でアシル化し、373mg(35%)の3-ベンジルオキシ-(S)-2-[(R)-3-ノナノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロピル2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-2-[(R)-3-ノナノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-ノナノイルテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシドを無色の非晶質の固体として得た。
【0074】
(5)実施例2-(8)に記載するものと同じ方法で、上記(4)で調製した化合物(373mg、0.23mmol)を炭素に吸着させた水酸化パラジウム(150mg)のEtOH(10mL)液および酸化白金(300mg)のEtOH/AcOH(10:1)液の存在下で水素化し、43mg(12%)の3-ヒドロキシ-(S)-2-[(R)-3-ノナノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロピル2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-ノナノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-ノナノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシドトリエチルアンモニウム塩を白色粉末として得た:

【0075】
実施例9(B8)
3-ヒドロキシ-(S)-2-[(R)-3-ヘプタノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロピル2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-ヘプタノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-ヘプタノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシドトリエチルアンモニウム塩(化合物(I)、R1=R2=R3=n-C6H13CO、X=Y=O、n=m=q=0、R4=R5=R7=R9=H、R6=OH、p=1、R8=PO3H2)の調製
(1)実施例4-(5)に記載するものと同じ方法で、実施例4-(4)で調製した化合物(1.0g、1.56mmol)をEDC・MeI(560mg、1.87mmol)および4-ピロリジノピリジン(50mg)のCH2Cl2(20 mL)溶液の存在下で(R)-3-ヘプタノイルオキシテトラデカン酸(610mg、1.71mmol)でアシル化し、1.24g(82%)の3-ベンジルオキシ-(S)-2-(アリルオキシカルボニルアミノ)プロピル2-デオキシ-4,6-O-イソプロピリデン-3-O-[(R)-3-ヘプタノイルオキシテトラデカノイル]--2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを非晶質の固体として得た。

【0076】
(2)実施例4-(6)に記載するものと同じ方法で、上記(1)で調製した化合物(1.22g、1.25mmol)を、マロン酸ジメチル(1.0mL、0.88mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(200mg)の存在下で、THF(20mL)中で脱保護し、EEDQ(370mg、1.5mmol)の存在下で(R)-3-ヘプタノイルオキシテトラデカン酸(490mg、1.31mmol)でアシル化し、925mg(62%)の3-ベンジルオキシ-(S)-2-[(R)-3-ヘプタノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロピル2-デオキシ-4,6-O-イソプロピリデン-3-O-[(R)-3-ヘプタノイルオキシテトラデカノイル]-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを無色の非晶質の固体として得た:

【0077】
(3)実施例4-(7)に記載するものと同じ方法で、上記(2)で調製した化合物(920mg、0.76mmol)を90%AcOH水溶液(20mL)中で脱保護し、ピリジン(0.075mL、0.92mmol)および2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエチルクロロホルメート(200mg、0.84mmol)のCH2Cl2溶液で処理し、次にジフェニルクロロホスフェート(0.24mL、1.14mmol)、トリエチルアミン(0.21mL、1.52mmol)および触媒の4-ピロリジノピリジン(50mg)で処理して、1.03g(83%)の3-ベンジルオキシ-(S)-2-[(R)-3-ヘプタノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロピル2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-ヘプタノイルオキシテトラデカノイル]-6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを無色の非晶質の固体として得た:

【0078】
(4)実施例2-(7)に記載するものと同じ方法で、上記(3)で調製した化合物(1.0g、0.61mmol)を亜鉛(2.0g、31mmol)で脱保護し、EEDQ(220mg、0.88mmol)の存在下で(R)-3-ヘプタノイルオキシテトラデカン酸(260mg、0.73mmol)でアシル化し、203mg(21%)の3-ベンジルオキシ-(S)-2-[(R)-3-ヘプタノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロピル2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-2-[(R)-3-ヘプタノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-ヘプタノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシドを無色の非晶質の固体として得た。
【0079】
(5)実施例2-(8)に記載するものと同じ方法で、上記(4)で調製した化合物(203mg、0.13mmol)を炭素に吸着させた水酸化パラジウム(100mg)のEtOH(10mL)液および酸化白金(200mg)のEtOH/AcOH(10:1)液の存在下で水素化し、39mg(21%)の3-ヒドロキシ-(S)-2-[(R)-3-ヘプタノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロピル2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-ヘプタノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-ヘプタノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシドトリエチルアンモニウム塩を白色粉末として得た:

【0080】
実施例10(B9)
4-ヒドロキシ-(S)-3-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]ブチル2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-デカノイルテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシドトリエチルアンモニウム塩(化合物(I)、R1=R2=R3=n-C9H19CO、X=Y=O、n=p=1,m=q=0、R4=R5=R7=R9=H、R6=OH、R8=PO3H2)の調製
(1)実施例4-(3)に記載するものと同じ方法で、実施例4-(1)で調製した化合物(3.1g、5.9mmol)と(R)-3-(アリルオキシカルボニルアミノ)-4-ベンジルオキシ-1-ブタノール(1.1g、3.94mmol)を三フッ化ホウ素エーテラート(3.0mL、23.6mmol)の存在下でカップリングさせて、1.96g(67%)の4-ベンジルオキシ-(S)-3-(アリルオキシカルボニルアミノ)ブチル2-デオキシ-3,4,6-トリ-O-アセチル-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを非晶質の固形物として得た。実施例4-(4)に記載するものと同じ方法で、上記で調製した化合物(1.8g、2.43mmol)をメタノール(25mL)中で水酸化アンモニウム(5mL)で脱アシル化し、次いで2,2-ジメトキシプロパン(25mL)と樟脳スルホン酸(100mg)で処理して、1.34g(84%)の4-ベンジルオキシ-(S)-3-(アリルオキシカルボニルアミノ)ブチル2-デオキシ-4,6-O-イソプロピリデン-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ-β-D-グルコピラノシドを得た。
【0081】
(2)実施例4-(5)に記載するものと同じ方法で、上記(1)で調製した化合物(1.0g、1.53mmol)をEDC・MeI(550mg、1.85mmol)および4-ピロリジノピリジン(50mg)をCH2Cl2(15mL)に溶解したものの存在下で(R)-3-デカノイルオキシテトラデカン酸(670mg、1.68mmol)でアシル化し、1.03g(65%)の4-ベンジルオキシ-(S)-2-(アリルオキシカルボニルアミノ)ブチル2-デオキシ-4,6-O-イソプロピリデン-3-O-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを非晶質の固形物として得た:

【0082】
(3)実施例4-(6)に記載するものと同じ方法で、上記(2)で調製した化合物(1.0g、0.97mmol)を、ジメチルマロネート(1.0mL、0.88mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(200mg)の存在下で、THF(20mL)中で脱保護し、EEDQ(317mg、1.28mmol)の存在下で(R)-3-デカノイルオキシテトラデカン酸(425mg、1.07mmol)でアシル化し、660mg(51%)の4-ベンジルオキシ-(S)-3-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]プロピル2-デオキシ-4,6-O-イソプロピリデン-3-O-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを無色の非晶質の固形物として得た:

【0083】
(4)実施例4-(7)に記載するものと同じ方法で、上記(3)で調製した化合物(640mg、0.48mmol)を90%AcOH水溶液(20mL)中で脱保護し、ピリジン(0.047mL、0.58mmol)と2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエチルクロロホルメート(127mg、0.53mmol)をCH2Cl2に溶解したもので処理し、次にジフェニルクロロホスフェート(0.15mL、0.72mmol)、トリエチルアミン(0.13mL、0.96mmol)および触媒の4-ピロリジノピリジン(50mg)で処理して、389mg(47%)の4-ベンジルオキシ-(S)-3-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]ブチル2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを無色の非晶質の固形物として得た:

【0084】
(5)実施例2-(7)に記載するものと同じ方法で、上記(4)で調製した化合物(375g、0.23mmol)を亜鉛(752mg、11.5mmol)で脱保護し、EEDQ(70mg、0.28mmol)の存在下で(R)-3-デカノイルオキシテトラデカン酸(101mg、0.25mmol)でアシル化し、270mg(67%)の4-ベンジルオキシ-(S)-3-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]ブチル2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-デカノイルテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシドを無色の非晶質の固形物として得た。
【0085】
(6)実施例2-(8)に記載するものと同じ方法で、上記(5)で調製した化合物(270mg、0.15mmol)を水酸化パラジウム(150mg)を炭素に吸着させたものをEtOH(10mL)に分散したものおよび酸化白金(300mg)をEtOH/AcOH(10:1)に分散したものの存在下で水素化し、93mg(39%)の4-ヒドロキシ-(S)-3-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]ブチル2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-デカノイルテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシドトリエチルアンモニウム塩を白色粉末として得た:

【0086】
実施例11(B10)
4-ヒドロキシ-(S)-2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]ブチル2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-デカノイルテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシドトリエチルアンモニウム塩(化合物(I)、R1=R2=R3=n-C9H19CO、X=Y=O、n=m=q=0、R4=R5=R7=R9=H、R6=OH、p=2、R8=PO3H2)の調製
(1)実施例4-(3)に記載するものと同じ方法で、実施例4-(1)で調製した化合物(5.1g、9.7mmol)と(R)-2-(アリルオキシカルボニルアミノ)-4-ベンジルオキシ-1-ブタノール(1.8g、6.45mmol)を三フッ化ホウ素エーテラート(4.9mL、38.0mmol)の存在下でカップリングさせて、2.92g(61%)の4-ベンジルオキシ-(S)-3-(アリルオキシカルボニルアミノ)プロピル2-デオキシ-3,4,6-トリ-O-アセチル-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを非晶質の固形物として得た。実施例4-(4)に記載するものと同じ方法で、上記で調製した化合物(2.6g、3.51mmol)をメタノール(35mL)中で水酸化アンモニウム(7mL)で脱アシル化し、次いで2,2-ジメトキシプロパン(35mL)と樟脳スルホン酸(100mg)で処理して、1.9g(72%)の4-ベンジルオキシ-(S)-2-(アリルオキシカルボニルアミノ)ブチル2-デオキシ-4,6-O-イソプロピリデン-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ-β-D-グルコピラノシドを得た。
【0087】
(2)実施例4-(5)に記載するものと同じ方法で、上記(1)で調製した化合物(1.0g、1.53mmol)をEDC・MeI(550mg、1.85mmol)および4-ピロリジノピリジン(50mg)をCH2Cl2(15mL)に溶解したものの存在下で(R)-3-デカノイルオキシテトラデカン酸(670mg、1.68mmol)でアシル化し、1.28g(81%)の4-ベンジルオキシ-(S)-2-(アリルオキシカルボニルアミノ)ブチル2-デオキシ-4,6-O-イソプロピリデン-3-O-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを非晶質の固形物として得た:

【0088】
(3)実施例4-(6)に記載するものと同じ方法で、上記(2)で調製した化合物(1.25g、1.21mmol)を、ジメチルマロネート(1.0mL、0.88mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(200mg)の存在下で、THF(20mL)中で脱保護し、EEDQ(362mg、1.46mmol)の存在下で(R)-3-デカノイルオキシテトラデカン酸(530mg、1.33mmol)でアシル化し、1.16g(72%)の4-ベンジルオキシ-(S)-3-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロピル2-デオキシ-4,6-O-イソプロピリデン-3-O-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを無色の非晶質の固形物として得た:

【0089】
(4)実施例4-(7)に記載するものと同じ方法で、上記(3)で調製した化合物(1.1g、0.83mmol)を90%AcOH水溶液(20mL)中で脱保護し、ピリジン(0.080mL、1.0mmol)と2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエチルクロロホルメート(220mg、0.91mmol)をCH2Cl2に溶解したもので処理し、次にジフェニルクロロホスフェート(0.26mL、1.25mmol)、トリエチルアミン(0.23mL、1.66mmol)および触媒の4-ピロリジノピリジン(50mg)で処理して、802mg(56%)の4-ベンジルオキシ-(S)-2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]ブチル2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを無色の非晶質の固形物として得た:

【0090】
(5)実施例2-(7)に記載するものと同じ方法で、上記(4)で調製した化合物(750mg、0.43mmol)を亜鉛(1.42g、21.7mmol)で脱保護し、EEDQ(130mg、0.53mmol)の存在下で(R)-3-デカノイルオキシテトラデカン酸(190mg、0.48mmol)でアシル化し、483mg(64%)の4-ベンジルオキシ-(S)-2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]ブチル2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-デカノイルテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシドを無色の非晶質の固形物として得た。
【0091】
(6)実施例2-(8)に記載するものと同じ方法で、上記(5)で調製した化合物(483mg、0.27mmol)を水酸化パラジウム(150mg)を炭素に吸着させたものをEtOH(10mL)に分散したものおよび酸化白金(300mg)をEtOH/AcOH(10:1)に分散したものの存在下で水素化し、238mg(55%)の4-ヒドロキシ-(S)-2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]ブチル2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-デカノイルテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシドトリエチルアンモニウム塩を白色粉末として得た:

【0092】
実施例12(B11)
N-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-O-[2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシル-L-セリントリエチルアンモニウム塩(化合物(I)、R1=R2=R3=n-C13H27CO、X=Y=O、n=m=p=q=0、R4=R5=R7=R9=H、R6=CO2H、R8=PO3H2)の調製
(1)実施例2-(5)に記載するものと同じ方法で、L-セリンベンジルエステル(0.212g、1.08mmol)をEDC・MeI(0.353g、1.19mmol)の存在下で(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカン酸(0.541g、1.19mmol)でアシル化し、0.642g(94%)のN-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-L-セリンベンジルエステルをろう状の固形物として得た:

【0093】
(2)実施例2-(6)に記載するものと同じ方法で、上記(1)で調製した化合物(0.19g、0.30mmol)と実施例2-(4)で調製した化合物(0.635g、0.478mmol)をシアン化水銀(0.3g、1.2mmol)の存在下でカップリングさせ、0.425g(77%)のN-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-O-[2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエトキシカルボニル)-2(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシル]-L-セリンベンジルエステルを非晶質の固形物として得た。
【0094】
(3)実施例2-(7)に記載するものと同じ方法で、上記(2)で調製した化合物(0.405g、0.22mmol)を亜鉛(0.72g、11mmol)で脱保護し、EEDQ(0.082g、0.33mmol)の存在下で(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカン酸(0.12g、0.26mmol)でアシル化し、0.277g(66%)のN-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-O-[2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシル]-L-セリンベンジルエステルを非晶質の固形物として得た。

【0095】
(4)実施例2-(8)に記載するものと同じ方法で、上記(3)で調製した化合物(0.253g、0.133mmol)を炭素に吸着させた5%パラジウム(50mg)および酸化白金(120mg)存在下で水素化して、0.155g(62%)のN-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-O-[2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシル]-L-セリントリエチルアンモニウム塩を無色の固形物として得た:

【0096】
実施例13(B12)
N-[(R)-3-ドデカノイルオキシテトラデカノイル]-O-[2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-ドデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-ドデカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシル-L-セリントリエチルアンモニウム塩(化合物(I)、R1=R2=R3=n-C11H23CO、X=Y=O、n=m=p=q=0、R4=R5=R7=R9=H、R6=CO2H、R8=PO3H2)の調製
(1)実施例2-(5)に記載するものと同じ方法で、L-セリンベンジルエステル(390mg、2.0mmol)をEDC・MeI(745mg、2.5mmol)をCH2Cl2に溶解したものの存在下で(R)-3-ドデカノイルオキシテトラデカン酸(935mg、2.2mmol)でアシル化し、1.08g(90%)のN-[(R)-3-ドデカノイルオキシテトラデカノイル]-L-セリンベンジルエステルを得た:

【0097】
(2)実施例2-(2)に記載するものと同じ方法で、実施例2-(1)で調製した化合物(1.0g、2.02mmol)をEDC・MeI(720mg、2.4mmol)と4-ピロリジノピリジン(100mg)をCH2Cl2に溶解したものの存在下で(R)-3-ドデカノイルオキシテトラデカン酸(946mg、2.22mmol)でアシル化し、次いでAcOH水溶液(25mL)で脱保護して、1.30g(81%)の2-(トリメチルシリル)エチル2-デオキシ-3-O-[(R)-3-ドデカノイルオキシテトラデカノイル]-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを非晶質の固形物として得た:

【0098】
(3)実施例2-(3)に記載するものと同じ方法で、上記(2)で調製した化合物(1.30g、1.51mmol)を2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエチルクロロホルメート(398mg、1.66mmol)とピリジン(0.15mL、1.83mmol)をCH2Cl2(25mL)に溶解したもので処理し、次にトリエチルアミン(0.42mL、3.02mmol)、ジフェニルクロロホスフェート(0.47mL、2.27mmol)、および4-ピロリジノピリジン(100mg)で処理し、1.39g(71%)の2-(トリメチルシリル)エチル2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-ドデカノイルオキシテトラデカノイル]-6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを非晶質の固形物として得た:

【0099】
(4)上記の(3)で調製した化合物(1.30g、1.0mmol)をCH2Cl2(15mL)に溶解したものを0℃においてTFA(5mL)で処理し、次いで18時間かけて室温まで暖めた。真空下で溶媒を除去し、残ったTFAはトルエンと共沸することによって除去した。ラクトールを、DMF(0.39mL、5.0mmol)と塩化オキサリル(0.22mL、2.5mmol)を0℃においてCH2Cl2(20mL)に溶解したものから調製したビルスマオヤー(Vilsmeier)試薬で処理した。反応物を徐々に室温まで一晩かけて暖め、50mLの飽和NaHCO3水溶液とエーテル(50mL)に分配させた。層を分離し、有機層をNa2SO4で乾燥し、真空下で濃縮した。10%EtOAc/ヘキサンを用いたシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製することによって、1.09g(90%)の2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-ドデカノイルオキシテトラデカノイル]-6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-α-D-塩化グルコピラノシルを白色の泡状物として得た:

【0100】
(5)(1)および(4)で調製した化合物の溶液(それぞれ、540mg、0.90mmolおよび1.0g、0.82mmol)の1,2-ジクロロエタン(20mL)の溶液に、粉末状の4Aモレキュラーシーブ(300mg)を添加して、懸濁液を30分撹拌した。AgOTf(1.16g、4.5mmol)を一度に加え、30分後、シリカゲルでスラリーをろ過し、30%EtOAc/ヘキサンで溶出して、1.10g(75%)のN-[(R)-3-ドデカノイルオキシテトラデカノイル]-O-[2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-ドデカノイルオキシテトラデカノイル]-6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシル]-L-セリンベンジルエステルを得た:

【0101】
(6)実施例2-(7)に記載したものと同じ方法で、上記の(5)で調製した化合物(1.0g、0.56mmol)を亜鉛(1.83g、28mmol)で脱保護し、EEDQ(185mg、0.74mmol)の存在下で(R)-3-ドデカノイルオキシテトラデカン酸(285mg、0.67mmol)でアシル化して、420mg(44%)のN-[(R)-3-ドデカノイルオキシテトラデカノイル]-O-[2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-2-[(R)-3-ドデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-ドデカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシル]-L-セリンベンジルエステルを非晶質の固形物として得た。
【0102】
(7)実施例2-(8)に記載するものと同じ方法で、上記(6)で調製した化合物(420mg、0.24mmol)を水酸化パラジウム-炭素をEtOH(10ml)に分散したものおよび酸化白金(400mg)をEtOH/AcOH(10:1)に分散させたもの存在下で水素化し、240mg(60%)の)N-[(R)-3-ドデカノイルオキシテトラデカノイル]-O-[2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-ドデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-ドデカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシル]-L-セリントリエチルアンモニウム塩白色粉末として得た:

【0103】
実施例14(B13)
N-[(R)-3-ウンデカノイルオキシテトラデカノイル]-O-[2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-ウンデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-ウンデカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシル]-L-セリントリエチルアンモニウム塩(化合物(I)、R1=R2=R3=n-C10H21CO、X=Y=O、n=m=p=q=0、R4=R5=R7=R9=H、R6=CO2H、R8=PO3H2)の調製
(1)実施例2-(5)に記載するものと同じ方法で、L-セリンベンジルエステル(390mg、2.0mmol)をEDC・MeI(745mg、2.5mmol)をCH2Cl2に溶解したものの存在下で(R)-3-ウンデカノイルオキシテトラデカン酸(905mg、2.2mmol)でアシル化し、1.08g(92%)のN-[(R)-3-ウンデカノイルオキシテトラデカノイル]-L-セリンベンジルエステルを得た:

【0104】
(2)実施例2-(2)に記載するものと同じ方法で、実施例2-(1)で調製した化合物(1.0g、2.02mmol)をEDC・MeI(720mg、2.4mmol)および4-ピロリジノピリジン(100mg)をCH2Cl2に溶解したものの存在下で(R)-3-ウンデカノイルオキシテトラデカン酸(915mg、2.22mmol)でアシル化し、次いでAcOH水溶液(25mL)で脱保護して、1.41g(82%)の2-(トリメチルシリル)エチル2-デオキシ-3-O-[(R)-3-ウンデカノイルオキシテトラデカノイル]-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを非晶質の固形物として得た:

【0105】
(3)実施例2-(3)に記載するものと同じ方法で、上記(2)で調製した化合物(1.30g、1.53mmol)を2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエチルクロロホルメート(403mg、1.68mmol)とピリジン(0.15mL、1.85mmol)をCH2Cl2(25mL)に溶解したもので処理し、次にトリエチルアミン(0.43mL、3.06mmol)、ジフェニルクロロホスフェート(0.48mL、2.30mmol)、および4-ピロリジノピリジン(100mg)で処理し、1.37g(70%)の2-(トリメチルシリル)エチル2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-ウンデカノイルオキシテトラデカノイル]-6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを非晶質の固形物として得た:

【0106】
(4)実施例13-(4)に記載するものと同じ方法で、上記の(4)で調製した化合物(1.28g、1.0mmol)をTFA(5mL)で脱保護し、次いでDMF(0.39mL、5.0mmol)および塩化オキサリル(0.22mL、2.5mmol)から作成したビルスマイヤー(Vilsmeier)試薬で処理して、1.12g(93%)の2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-ウンデカノイルオキシテトラデカノイル]-6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-α-D-塩化グルコピラノシルを白色の泡状物として得た:

【0107】
(5)実施例13-(5)に記載するものと同じ方法で、(1)および(4)で調製した化合物液(それぞれ、530mg、0.90mmolおよび1.0g、0.83mmol)を、AgOTf(1.16g、4.5mmol)の存在下でカップリングして、1.11g(76%)のN-[(R)-3-ウンデカノイルオキシテトラデカノイル]-O-[2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-ウンデカノイルオキシテトラデカノイル]-6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシル]-L-セリンベンジルエステルを得た:

【0108】
(6)実施例2-(7)に記載したものと同じ方法で、上記の(5)で調製した化合物(1.0g、0.57mmol)を亜鉛(2.0g、30.5mmol)で脱保護し、EEDQ(185mg、0.75mmol)の存在下で(R)-3-ウンデカノイルオキシテトラデカン酸(280mg、0.68mmol)でアシル化し、470mg(50%)のN-[(R)-3-ウンデカノイルオキシテトラデカノイル]-O-[2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-2-[(R)-3-ウンデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-ウンデカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシル]L-セリンベンジルエステルを非晶質の固形物として得た。
【0109】
(7)実施例2-(8)に記載するものと同じ方法で、上記(6)で調製した化合物(420mg、0.27mmol)を水酸化パラジウム-炭素をEtOH(10ml)に分散したものおよび酸化白金(400mg)をEtOH/AcOH(10:1)に分散させたもの存在下で水素化し、130mg(30%)の)N-[(R)-3-ウンデカノイルオキシテトラデカノイル]-O-[2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-ウンデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-ウンデカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシル]-L-セリントリエチルアンモニウム塩白色粉末として得た:

【0110】
実施例15(B14)
N-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-O-[2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシル]-D-セリントリエチルアンモニウム塩(化合物(I)、R1=R2=R3=n-C9H19CO、X=Y=O、n=m=p=q=0、R4=R5=R7=R9=H、R6=CO2H、R8=PO3H2)の調製
(1)実施例2-(5)に記載するものと同じ方法で、D-セリンベンジルエステル(390mg、2.0mmol)をEDC・MeI(745mg、2.5mmol)をCH2Cl2に溶解したものの存在下で(R)-3-デカノイルオキシテトラデカン酸(875mg、2.2mmol)でアシル化し、1.05g(91%)のN-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-D-セリンベンジル エステルを得た:

【0111】
(2)実施例2-(2)に記載するものと同じ方法で、実施例2-(1)で調製した化合物(1.0g、2.02mmol)をEDC・MeI(720mg、2.4mmol)と4-ピロリジノピリジン(100mg)をCH2Cl2に溶解したものの存在下で(R)-3-デカノイルオキシテトラデカン酸(884mg、2.22mmol)でアシル化し、次いでAcOH水溶液(25mL)で脱保護して、1.30g(77%)の2-(トリメチルシリル)エチル2-デオキシ-3-O-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを非晶質の固形物として得た:

【0112】
(3)実施例2-(3)に記載するものと同じ方法で、上記(2)で調製した化合物(1.25g、1.50mmol)を2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエチルクロロホルメート(396mg、1.65mmol)およびピリジン(0.15mL、1.81mmol)をCH2Cl2(25mL)に溶解したもので処理し、次にトリエチルアミン(0.42mL、3.00mmol)、ジフェニルクロロホスフェート(0.47mL、2.25mmol)、および4-ピロリジノピリジン(100mg)で処理し、1.31g(69%)の2-(トリメチルシリル)エチル2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを非晶質の固形物として得た:

【0113】
(4)実施例13-(4)に記載するものと同じ方法で、上記の(3)で調製した化合物(1.27g、1.0mmol)をTFA(5mL)で脱保護し、次いでDMF(0.39mL、5.0mmol)と塩化オキサリル(0.22mL、2.5mmol)から作成したビルスマイヤー(Vilsmeier)試薬で処理して、1.06g(89%)の2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-α-D-塩化グルコピラノシルを白色の泡状物として得た:

【0114】
(5)実施例13-(5)に記載するものと同じ方法で、(1)と(4)で調製した化合物液(それぞれ、520mg、0.90mmolおよび1.0g、0.84mmol)を、AgOTf(1.16g、4.5mmol)の存在下でカップリングして、1.13g(78%)のN-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-O-[2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシル]-D-セリンベンジルエステルを得た:

【0115】
(6)実施例2-(7)に記載したものと同じ方法で、上記の(5)で調製した化合物(1.0g、0.58mmol)を亜鉛(1.9g、29mmol)で脱保護し、EEDQ(190mg、0.77mmol)の存在下で(R)-3-デカノイルオキシテトラデカン酸(280mg、0.70mmol)でアシル化し、420mg(44%)のN-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-O-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシル]-D-セリンベンジルエステルを非晶質の固形物として得た。
【0116】
(7)実施例2-(8)に記載するものと同じ方法で、上記(6)で調製した化合物(420mg、0.25mmol)を水酸化パラジウム-炭素をEtOH(10ml)に分散したものおよび酸化白金(400mg)をEtOH/AcOH(10:1)に分散させたもの存在下で水素化し、118mg(30%)のN-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-O-[2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシル]-D-セリントリエチルアンモニウム塩白色粉末として得た:

【0117】
実施例16(B15)
N-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-O-[2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシル]-L-セリントリエチルアンモニウム塩(化合物(I)、R1=R2=R3=n-C9H19CO、X=Y=O、n=m=p=q=0、R4=R5=R7=R9=H、R6=CO2H、R8=PO3H2)の調製
(1)実施例2-(5)に記載するものと同じ方法で、L-セリンベンジルエステル(250mg、1.08mmol)をEDC・MeI(357mg、1.2mmol)をCH2Cl2に溶解したものの存在下で(R)-3-デカノイルオキシテトラデカン酸(478mg、1.2mmol)でアシル化し、0.52g(84%)のN-[(R)-3-ヘプタノイルオキシテトラデカノイル]-L-セリンベンジルエステルを得た:

【0118】
(2)実施例13-(5)に記載するものと同じ方法で、上記の(1)で調製される化合物(500mg、0.87mmol)と実施例15-(4)で調製した化合物(1.08g、0.90mmol)を、AgOTf(1.16g、4.5mmol)の存在下でカップリングして、1.35g(89%)のN-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-O-[2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシル]-L-セリンベンジルエステルを得た:

【0119】
(3)実施例2-(7)に記載したものと同じ方法で、上記の(2)で調製した化合物(600mg、0.34mmol)を亜鉛(1.13g、17.2mmol)で脱保護し、EEDQ(124mg、0.50mmol)の存在下で(R)-3-デカノイルオキシテトラデカン酸(150mg、0.38mmol)でアシル化し、362mg(60%)のN-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-O-[2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシル]-L-セリンベンジルエステルを非晶質の固形物として得た。
【0120】
(4)実施例2-(8)に記載するものと同じ方法で、上記(3)で調製した化合物(300mg、0.17mmol)を水酸化パラジウム-炭素(100mg)および酸化白金(200mg)をTHF/AcOH(10:1)に分散させたもの存在下で水素化し、120mg(44%)のN-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-O-[2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシル]-L-セリントリエチルアンモニウム塩白色粉末として得た:

【0121】
実施例17(B16)
N-[(R)-3-ノナノイルオキシテトラデカノイル]-O-[2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-ノナノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-ノナノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシル]-L-セリントリエチルアンモニウム塩(化合物(I)、R1=R2=R3=n-C8H17CO、X=Y=O、n=m=p=q=0、R4=R5=R7=R9=H、R6=CO2H、R8=PO3H2)の調製
(1)実施例2-(5)に記載するものと同じ方法で、L-セリンベンジルエステル(390mg、2.0mmol)をEDC・MeI(845mg、2.5mmol)をCH2Cl2に溶解したものの存在下で(R)-3-ノナノイルオキシテトラデカン酸(780mg、2.2mmol)でアシル化し、1.0g(89%)のN-[(R)-3-ノナノイルオキシテトラデカノイル]-L-セリンベンジルエステルを得た:

【0122】
(2)実施例2-(2)に記載するものと同じ方法で、実施例2-(1)で調製した化合物(1.0g、2.02mmol)をEDC・MeI(720mg、2.4mmol)および4-ピロリジノピリジン(100mg)をCH2Cl2に溶解したものの存在下で(R)-3-ノナノイルオキシテトラデカン酸(852mg、2.22mmol)でアシル化し、次いでAcOH水溶液(25mL)で脱保護して、1.31g(79%)の2-(トリメチルシリル)エチル2-デオキシ-3-O-[(R)-3-ノナノイルオキシテトラデカノイル]-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを非晶質の固形物として得た:

【0123】
(3)実施例2-(3)に記載するものと同じ方法で、上記(2)で調製した化合物(1.25g、1.52mmol)を2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエチルクロロホルメート(400mg、1.67mmol)およびピリジン(0.15mL、1.84mmol)をCH2Cl2(25mL)に溶解したもので処理し、次にトリエチルアミン(0.42mL、3.04mmol)、ジフェニルクロロホスフェート(0.47mL、2.28mmol)、および4-ピロリジノピリジン(100mg)で処理し、1.30g(67%)の2-(トリメチルシリル)エチル2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-ノナノイルオキシテトラデカノイル]-6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを非晶質の固形物として得た:

【0124】
(4)実施例13-(4)に記載するものと同じ方法で、上記の(3)で調製した化合物(1.26g、1.0mmol)をTFA(5mL)で脱保護し、次いでDMF(0.39mL、5.0mmol)と塩化オキサリル(0.22mL、2.5mmol)から作成したビルスマイヤー(Vilsmeier)試薬で処理して、1.07g(91%)の2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-ノナノイルオキシテトラデカノイル]-6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-α-D-塩化グルコピラノシルを白色の泡状物として得た:

【0125】
(5)実施例13-(5)に記載するものと同じ方法で、上記の(1)および(4)で調製した化合物液(それぞれ、505mg、0.90mmolおよび1.0g、0.85mmol)を、AgOTf(1.16g、4.5mmol)の存在下でカップリングして、1.03g(71%)のN-[(R)-3-ノナノイルオキシテトラデカノイル]-O-[2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-ノナノイルオキシテトラデカノイル]-6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシル]-L-セリンベンジルエステルを得た:

【0126】
(6)実施例2-(7)に記載したものと同じ方法で、上記の(5)で調製した化合物(1.0g、0.59mmol)を亜鉛(1.93g、29.5mmol)で脱保護し、EEDQ(195mg、0.78mmol)の存在下で(R)-3-ノナノイルオキシテトラデカン酸(273mg、0.71mmol)でアシル化し、405mg(42%)のN-[(R)-3-ノナノイルオキシテトラデカノイル]-O-[デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-2-[(R)-3-ノナノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-ノナノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシル]-L-セリンベンジルエステルを非晶質の固形物として得た。
【0127】
(7)実施例2-(8)に記載するものと同じ方法で、上記(6)で調製した化合物(405mg、0.25mmol)を水酸化パラジウム-炭素をEtOH(10ml)に分散したものおよび酸化白金(400mg)をEtOH/AcOH(10:1)に分散させたものの存在下で水素化し、185mg(48%)のN-[(R)-3-ノナノイルオキシテトラデカノイル]-O-[2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-ノナノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-ノナノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシル]-L-セリントリエチルアンモニウム塩白色粉末として得た:

【0128】
実施例18(B17)
N-[(R)-3-オクタノイルオキシテトラデカノイル]-O-[2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-オクタノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-オクタノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシル]-L-セリントリエチルアンモニウム塩(化合物(I)、R1=R2=R3=n-C7H15CO、X=Y=O、n=m=p=q=0、R4=R5=R7=R9=H、R6=CO2H、R8=PO3H2)の調製
(1)実施例2-(5)に記載するものと同じ方法で、L-セリンベンジルエステル(390mg、2.0mmol)をEDC・MeI(745mg、2.5mmol)をCH2Cl2に溶解したものの存在下で(R)-3-オクタノイルオキシテトラデカン酸(815mg、2.2mmol)でアシル化し、1.02g(93%)のN-[(R)-3-オクタノイルオキシテトラデカノイル]-L-セリンベンジルエステルを得た:

【0129】
(2)実施例2-(2)に記載するものと同じ方法で、実施例2-(1)で調製した化合物(1.0g、2.02mmol)をEDC・MeI(720mg、2.4mmol)と4-ピロリジノピリジン(100mg)をCH2Cl2に溶解したものの存在下で(R)-3-オクタノイルオキシテトラデカン酸(821mg、2.22mmol)でアシル化し、次いで90%AcOH水溶液(25mL)で脱保護して、1.35g(83%)の2-(トリメチルシリル)エチル2-デオキシ-3-O-[(R)-3-オクタノイルオキシテトラデカノイル]-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを非晶質の固形物として得た:

【0130】
(3)実施例2-(3)に記載するものと同じ方法で、上記(2)で調製した化合物(1.30g、1.61mmol)を2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエチルクロロホルメート(425mg、1.77mmol)とピリジン(0.16mL、1.95mmol)をCH2Cl2(25mL)に溶解したもので処理し、次にトリエチルアミン(0.45mL、3.22mmol)、ジフェニルクロロホスフェート(0.50mL、2.42mmol)、および4-ピロリジノピリジン(100mg)で処理し、1.42g(71%)の2-(トリメチルシリル)エチル2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-オクタノイルオキシテトラデカノイル]-6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを非晶質の固形物として得た:

【0131】
(4)実施例13-(4)に記載するものと同じ方法で、上記の(3)で調製した化合物(1.24g、1.0mmol)をTFA(5mL)で脱保護し、次いでDMF(0.39mL、5.0mmol)と塩化オキサリル(0.22mL、2.5mmol)から作成したビルスマイヤー(Vilsmeier)試薬で処理して、1.0g(87%)の2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-オクタノイルオキシテトラデカノイル]-6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-α-D-塩化グルコピラノシルを白色の泡状物として得た:

【0132】
(5)実施例13-(5)に記載するものと同じ方法で、(1)および(4)で調製した化合物(それぞれ、490mg、0.90mmolおよび1.0g、0.86mmol)を、AgOTf(1.16g、4.5mmol)の存在下でカップリングして、0.99g(69%)のN-[(R)-3-オクタノイルオキシテトラデカノイル]-O-[2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-オクタノイルオキシテトラデカノイル]-6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシル]-L-セリンベンジルエステルを得た:


【0133】
(6)実施例2-(7)に記載したものと同じ方法で、上記の(5)で調製した化合物(0.95g、0.57mmol)を亜鉛(1.86g、28.5mmol)で脱保護し、EEDQ(185mg、0.75mmol)の存在下で(R)-3-オクタノイルオキシテトラデカン酸(252mg、0.68mmol)でアシル化し、433mg(47%)のN-[(R)-3-オクタノイルオキシテトラデカノイル]-O-[2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-2-[(R)-3-オクタノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-オクタノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシル]-L-セリンベンジルエステルを非晶質の固形物として得た。
【0134】
(7)実施例2-(8)に記載するものと同じ方法で、上記(6)で調製した化合物(433mg、0.27mmol)を水酸化パラジウム-炭素(250mg)をEtOH(10ml)に分散したものおよび酸化白金(400mg)をEtOH/AcOH(10:1)に分散させたもの存在下で水素化し、196mg(48%)のN-[(R)-3-オクタノイルオキシテトラデカノイル]-O-[2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-オクタノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-オクタノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシル]-L-セリントリエチルアンモニウム塩白色粉末として得た:

【0135】
実施例19(B18)
N-[(R)-3-ヘプタノイルオキシテトラデカノイル]-O-[2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-ヘプタノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-ヘプタノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシル]-L-セリントリエチルアンモニウム塩(化合物(I)、R1=R2=R3=n-C6H13CO、X=Y=O、n=m=p=q=0、R4=R5=R7=R9=H、R6=CO2H、R8=PO3H2)の調製
(1)実施例2-(5)に記載するものと同じ方法で、L-セリンベンジルエステル(390mg、2.0mmol)をEDC・MeI(745mg、2.5mmol)をCH2Cl2に溶解したものの存在下で(R)-3-ヘプタノイルオキシテトラデカン酸(780mg、2.2mmol)でアシル化し、0.97g(91%)のN-[(R)-3-ヘプタノイルオキシテトラデカノイル]-L-セリンベンジルエステルを得た:

【0136】
(2)実施例2-(2)に記載するものと同じ方法で、実施例2-(1)で調製した化合物(1.0g、2.02mmol)をEDC・MeI(720mg、2.4mmol)と4-ピロリジノピリジン(100mg)をCH2Cl2に溶解したものの存在下で(R)-3-ヘプタノイルオキシテトラデカン酸(790mg、2.22mmol)でアシル化し、次いでAcOH水溶液(25mL)で脱保護して、1.30g(81%)の2-(トリメチルシリル)エチル2-デオキシ-3-O-[(R)-3-ヘプタノイルオキシテトラデカノイル]-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを非晶質の固形物として得た:

【0137】
(3)実施例2-(3)に記載するものと同じ方法で、上記(2)で調製した化合物(1.25g、1.58mmol)を2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエチルクロロホルメート(417mg、1.74mmol)およびピリジン(0.15mL、1.91mmol)をCH2Cl2(25mL)に溶解したもので処理し、次にトリエチルアミン(0.44mL、3.16mmol)、ジフェニルクロロホスフェート(0.49mL、2.37mmol)、および4-ピロリジノピリジン(100mg)で処理し、1.34g(69%)の2-(トリメチルシリル)エチル2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-ヘプタノイルオキシテトラデカノイル]-6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを非晶質の固形物として得た:

【0138】
(4)実施例13-(4)に記載するものと同じ方法で、上記の(3)で調製した化合物(1.23g、1.0mmol)をTFA(5mL)で脱保護し、次いでDMF(0.39mL、5.0mmol)とおよび塩化オキサリル(0.22mL、2.5mmol)から作成したビルスマイヤー(Vilsmeier)試薬で処理して、1.0g(87%)の2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-ヘプタノイルオキシテトラデカノイル]-6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-α-D-塩化グルコピラノシルを白色の泡状物として得た:

【0139】
(5)実施例13-(5)に記載するものと同じ方法で、(1)および(4)で調製した化合物(それぞれ、480mg、0.90mmolおよび0.98g、0.86mmol)を、AgOTf(1.16g、4.5mmol)の存在下でカップリングして、1.06g(75%)のN-[(R)-3-ヘプタノイルオキシテトラデカノイル]-O-[2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-ヘプタノイルオキシテトラデカノイル]-6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシル]-L-セリンベンジルエステルを得た:

【0140】
(6)実施例2-(7)に記載したものと同じ方法で、上記の(5)で調製した化合物(1.0g、0.61mmol)を亜鉛(2.0g、30.5mmol)で脱保護し、EEDQ(200mg、0.80mmol)の存在下で(R)-3-ヘプタノイルオキシテトラデカン酸(260mg、0.73mmol)でアシル化し、440mg(45%)のN-[(R)-3-ヘプタノイルオキシテトラデカノイル]-O-[2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-2-[(R)-3-ヘプタノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-ヘプタノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシル]-L-セリンベンジルエステルを非晶質の固形物として得た。
【0141】
(7)実施例2-(8)に記載するものと同じ方法で、上記(6)で調製した化合物(440mg、0.28mmol)を水酸化パラジウム-炭素(250mg)をEtOH(10mL)に分散したものおよび酸化白金(400mg)をEtOH/AcOH(10:1)に分散させたもの存在下で水素化し、208mg(51%)の)N-[(R)-3-ヘプタノイルオキシテトラデカノイル]-O-[2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-ヘプタノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-ヘプタノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシル]-L-セリントリエチルアンモニウム塩白色粉末として得た:

【0142】
実施例20(B19)
2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]エチル2-デオキシ-4-O-ホスホノ-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-β-D-グルコピラノシドトリエチルアンモニウム塩(化合物(I)、R1=R2=R3=n-C13H27CO、X=Y=O、n=m=p=q=0、R4=R5=R6=R7=R9=H、R8=PO3H2)の調製
(1)2-アミノ-1-(t-ブチルジフェニルシリルオキシ)エタン(330mg、1.1mmol)および(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカン酸(500mg、1.1mmol)をCH2Cl2(10mL)に溶解し、粉末状の4Aモレキュラーシーブ(500mg)で処理した。1時間後、EEDQ(297mg、1.2mmol)を添加し、反応物を18時間撹拌し、登録商標セライト(Celite)でろ過し、真空下で濃縮した。15%EtOAc/ヘキサンを使用したシリカゲルで残渣をクロマトグラフ分析し、675mg(92%)の無色の個体を得た。この材料の一部(500mg、0.68mmol)をTBAF(THF溶液中に1M、1mL、1mmol)のTHF溶液(5mL)と共に室温で2時間撹拌することによって脱保護した。反応混合物をEt2O(50mL)で希釈し、塩水で洗浄した(2×50mL)。塩水をEt2Oで逆抽出し(2×50mL)、有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、真空下で濃縮して338mg(62%)の2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]エタノールをオフホワイトの固形物として得た。
【0143】
(2)実施例2-(6)に記載されているものと同じ方法で、上記の(1)で調製した化合物(338mg、0.68mmol)と実施例2-(4)で調製した化合物(786mg、0.61mmol)をシアン化水銀(770mg、3.05mmol)の存在下でカップリングして、245mg(24%)の2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]エチル2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを非晶質の固形物として得た:

【0144】
(3)実施例2-(7)に記載したものと同じ方法で、上記の(2)で調製した化合物(500mg、0.29mmol)を亜鉛(980mg、15mmol)で脱保護し、EEDQ(110mg、0.44mmol)の存在下で(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカン酸(155mg、0.34mmol)でアシル化し、315mg(62%)の2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]エチル2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-β-D-グルコピラノシドを非晶質の固形物として得た。
【0145】
(4)実施例2-(8)に記載するものと同じ方法で、上記(3)で調製した化合物(200mg、0.113mmol)を酸化白金(100mg)の存在下で水素化し、142mg(76%)の2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]エチル2-デオキシ-4-O-ホスホノ-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-β-D-グルコピラノシドトリエチルアンモニウム塩を白色の固形物として得た:

【0146】
実施例21(B20)
2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]エチル2-デオキシ-4-O-ホスホノ-3-O-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-β-D-グルコピラノシド-トリエチルアンモニウム塩(化合物(I)、R1=R2=R3=n-C9H19CO、X=Y=O、n=m=p=q=0、R4=R5=R6=R7=R9=H、R8=PO3H2)の調製
(1)実施例20-(1)に記載するものと同じ方法で、2-アミノ-1-(t-ブチルジフェニルシリルオキシ)エタン(450mg、1.5mmol)を、EDC・MeI(594mg、2.0mmol)の存在下で(R)-3-デカノイルオキシテトラデカン酸(600mg、1.5mmol)でアシル化し、次いでTBAF(1.0MTHF溶液、2.5mL、2.5mmol)のTHF(10mL)溶液で脱保護して、488mg(81%)の2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]エタノールをオフホワイトの固形物として得た。
【0147】
(2)実施例13-(5)に記載するものと同じ方法で、上記の(1)で調製した化合物(385mg、0.87mmol)と実施例15-(4)で調製した化合物(1.05g、0.87mmol)を、AgOTf(560mg、2.2mmol)の存在下でカップリングして、1.04g(74%)の2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]エチル2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを非晶質の固形物として得た:

【0148】
(3)実施例2-(7)に記載したものと同じ方法で、上記の(2)で調製した化合物(700mg、0.44mmol)を亜鉛(1.42g、21.7mmol)で脱保護し、EEDQ(148mg、0.6mmol)の存在下で(R)-3-デカノイルオキシテトラデカン酸(190mg、0.48mmol)
の2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]エチル2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-β-D-グルコピラノシドを非晶質の固形物として得た。
【0149】
(4)実施例2-(8)に記載するものと同じ方法で、上記(3)で調製した化合物(400mg、0.25mmol)を酸化白金(200mg)の存在下で水素化し、200mg(52%)
の2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]エチル2-デオキシ-4-O-ホスホノ-3-O-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-β-D-グルコピラノシドを白色の固形物として得た:

【0150】
実施例22(B21)
3-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロピル2-デオキシ-4-O-ホスホノ-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-β-D-グルコピラノシドトリエチルアンモニウム塩(化合物(I)、R1=R2=R3=n-C13H27CO、X=Y=O、n=1、m=p=q=0、R4=R5=R6=R7=R9=H、R8=PO3H2)の調製
(1)実施例20(1)に記載するものと同じ方法で、3-アミノ-1-(t-ブチルジフ
ニルシリルオキシ)プロパン(470mg、1.5mmol)を、EDC・MeI(595gmg、2.0mmol)の存在下で(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカン酸(680mg、1.5mmol)でアシル化し、次いでTBAF(1.0M THF溶液、2.0mL、2.0mmol)のTHF(10mL)溶液で脱保護して、698mg(91%)の3-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]1-プロパノールをオフホワイトの固形物として得た。
【0151】
(2)実施例13-(4)に記載するものと同じ方法で、実施例2-(3)で調製した化合物(7.9g、5.88mmol)をTFA(10mL)で脱保護し、次いでDMF(1.8mL、23.5mmol)と塩化オキサリル(1.03mL、11.76mmol)から作成したビルスマイヤー(Vilsmeier)試薬のCH2Cl2溶液(60mL)で処理して、6.32(85%)の2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-α-D-塩化グルコピラノシルを白色の泡状物として得た:

【0152】
(3)実施例13-(5)に記載するものと同じ方法で、上記の(1)で調製した化合物(613mg、1.2mmol)と上記の(2)で調製した化合物(1.5g、1.2mmol)を、AgOTf(642mg、2.5mmol)の存在下でカップリングして、1.43g(68%)の3-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロピル2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを非晶質の固形物として得た:

【0153】
(4)実施例2-(7)に記載したものと同じ方法で、上記の(3)で調製した化合物(700mg、0.40mmol)を亜鉛(1.32g、20.1mmol)で脱保護し、EEDQ(125mg、0.5mmol)の存在下で(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカン酸(200mg、0.44mmol)でアシル化し、435mg(60%)の3-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロピル 2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ])-β-D-グルコピラノシドを非晶質の固形物として得た。
【0154】
(5)実施例2-(8)に記載するものと同じ方法で、上記(4)で調製した化合物(400mg、0.22mmol)を酸化白金(200mg)の存在下で水素化し、170mg(45%)の3-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]プロピル 2-デオキシ-4-O-ホスホノ-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ])-β-D-グルコピラノシドトリエチルアンモニウム塩を白色の固形物として得た:

【0155】
実施例23(B22)
4-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]ブチル2-デオキシ-4-O-ホスホノ-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-β-D-グルコピラノシドトリエチルアンモニウム塩(化合物(I)、R1=R2=R3=n-C13H27CO、X=Y=O、n=2、m=p=q=0、R4=R5=R6=R7=R9=H、R8=PO3H2)の調製
(1)実施例20(1)に記載するものと同じ方法で、4-アミノ-1-(t-ブチルジフェニルシリルオキシ)ブタン(500mg、1.53mmol)を、EDC・MeI(595gmg、2.0mmol)の存在下で(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカン酸(695mg、1.53mmol)でアシル化し、次いでTBAF(1.0M THF溶液、2.5mL、2.5mmol)のTHF(15mL)溶液で脱保護して、651mg(81%)の4-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-1-ブタノールをオフホワイトの固形物として得た。
【0156】
(2)実施例13-(5)に記載するものと同じ方法で、上記で調製した化合物(650mg、1.25mmol)(1)と実施例22-(2)で調製した化合物(1.6g、1.25mmol)を、AgOTf(1.16g、4.5mmol)の存在下でカップリングして、1.65g(75%)の4-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]ブチル2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを非晶質の固形物として得た:

【0157】
(3)実施例2-(7)に記載したものと同じ方法で、上記の(2)で調製した化合物(700mg、0.39mmol)を亜鉛(1.30g、19.8mmol)で脱保護し、EEDQ(125mg、0.5mmol)の存在下で(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカン酸(195mg、0.43mmol)でアシル化し、421mg(60%)の4-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]ブチル2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-β-D-グルコピラノシドを非晶質の固形物として得た。
【0158】
(4)実施例2-(8)に記載するものと同じ方法で、上記(3)で調製した化合物(400mg、0.22mmol)を酸化白金(200mg)の存在下で水素化し、212mg(55%)の4-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]ブチル2-デオキシ-4-O-ホスホノ-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-β-D-グルコピラノシドトリエチルアンモニウム塩を白色の固形物として得た:

【0159】
実施例24(B23)
4-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]ヘキシル2-デオキシ-4-O-ホスホノ-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-β-D-グルコピラノシドトリエチルアンモニウム塩(化合物(I)、R1=R2=R3=n-C13H27CO、X=Y=O、n=4、m=p=q=0、R4=R5=R6=R7=R9=H、R8=PO3H2)の調製
(1)実施例20(1)に記載するものと同じ方法で、6-アミノ-1-(t-ブチルジフェニルシリルオキシ)ヘキサン(1.48g、4.15mmol)を、EDC・MeI(1.35g、4.56mmol)の存在下で(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカン酸(2.07g、4.56mmol)でアシル化し、次いでTBAF(1.0M THF溶液、1.53mL、1.53mmol)のTHF(46mL)溶液で脱保護して、700mg(30%)の6-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-1-ヘキサノールをオフホワイトの固形物として得た。
【0160】
(2)実施例13-(5)に記載するものと同じ方法で、上記で調製した化合物(689mg、1.20mmol)(1)と実施例22-(2)で調製した化合物(1.25g、1.00mmol)を、AgOTf(1.28g、5.0mmol)の存在下でカップリングして、1.59g(94%)の4-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]ヘキシル2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを非晶質の固形物として得た:

【0161】
(3)実施例2-(7)に記載したものと同じ方法で、上記の(2)で調製した化合物(1.57g、0.88mmol)を亜鉛(2.88g、44.1mmol)で脱保護し、EEDQ(327mg、1.32mmol)の存在下で(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカン酸(481mg、1.06mmol)でアシル化し、1.57g(97%)の4-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]ヘキシル2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-β-D-グルコピラノシドを非晶質の固形物として得た。
【0162】
(4)実施例2-(8)に記載するものと同じ方法で、上記(3)で調製した化合物(1.57g、0.85mmol)を酸化白金(157mg)の存在下で水素化し、130mg(10%)の4-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]ヘキシル2-デオキシ-4-O-ホスホノ-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-β-D-グルコピラノシドトリエチルアンモニウム塩を白色の固形物として得た:

【0163】
実施例25(B24)
N-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-O-ホスホノ-2-[(R)-3-テトラドデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシル]-L-セリンアミドトリエチルアンモニウム塩(化合物(I)、R1=R2=R3=n-C13H27CO、X=Y=O、n=m=p=q=0、R4=R5=R7=R9=H、R6=CONH2、R8=PO3H2)の調製
(1)塩酸L-セリンアミド(0.157g、1.18mmol)と(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカン酸(0.61g、1.34mmol)をCH2Cl2(6mL)に懸濁させたものをトリエチルアミン(0.18mL、1.3mmol)で処理し、得られた溶液を4Åモレキュラーシーブと共に30分撹拌した。次いで、EEDQ(0.437g、1.77mmol)を添加し、混合物を室温で16時間撹拌した。沈殿した生成物を回収し、CH2Cl2で(2×25mL)で洗浄し、0.455g(71%)のN-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-L-セリンアミドを無色の粉末として得た:

【0164】
(2)実施例2-(6)に記載するものと同じ方法で、上記の(1)で調製した化合物(0.23g、0.246mmol)と実施例2-(4)で調製した化合物(0.961g、0.745mmol)をシアン化水銀(0.43g、1.7mmol)の存在下でカップリングして、0.527g(71%)のN-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-O-[2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-テトラドデカノイルオキシテトラデカノイル]-6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシル]-L-セリンアミドを非晶質の固形物として得た:

【0165】
(3)実施例2-(7)に記載するものと同じ方法で、上記(2)で調製した化合物(0.44g、0.254mmol)を亜鉛(0.83g、13mmol)で脱保護し、EEDQ(0.095g、0.38mmol)の存在下で(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカン酸(0.14g、0.31mmol)でアシル化し、0.271g(59%)のN-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-O-[2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシル]-L-セリンアミドを非晶質の固形物として得た:


【0166】
(4)実施例2-(8)に記載するものと同じ方法で、上記(3)で調製した化合物(0.25g、0.14mmol)を酸化白金(0.125g)の存在下で水素化し、0.195g(80%)のN-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-O-[2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシル]-L-セリンアミドトリエチルアンモニウム塩を無色の固形物として得た:

【0167】
実施例26(B25)
N-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-O-[2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシル]-L-セリンアミドトリエチルアンモニウム塩(化合物(I)、R1=R2=R3=n-CH19CO、X=Y=O、n=m=p=q=0、R4=R5=R7=R9=H、R6=CONH2、R8=PO3H2)の調製
(1)実施例25-(1)に記載するものと同じ方法で、塩酸L-セリンアミド(169mg、1.2mmol)をEEDQ(371mg、1.5mmol)をCH2Cl2に溶解したものの存在下で(R)-3-デカノイルオキシテトラデカン酸(478mg、1.2mmol)でアシル化し、428mg(74%)のN-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-L-セリンアミドを白色の固形物として得た:

【0168】
(2)実施例13-(5)に記載するものと同じ方法で、上記の(1)で調製した化合物(410mg、0.85mmol)と実施例15-(4)で調製した化合物(1.05g、0.87mmol)を、AgOTf(560mg、2.2mmol)の存在下でカップリングして、780g(56%)のN-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-O-[2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシル]-L-セリンアミドを非晶質の固形物として得た:

【0169】
(3)実施例2-(7)に記載したものと同じ方法で、上記の(2)で調製した化合物(600mg、0.36mmol)を亜鉛(1.19g、18.2mmol)で脱保護し、EEDQ(124mg、0.50mmol)の存在下で(R)-3-デカノイルオキシテトラデカン酸(160mg、0.4mmol)でアシル化し、371mg(62%)のN-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-O-[2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシル]-L-セリンアミドを非晶質の固形物として得た。
【0170】
(4)実施例2-(8)に記載するものと同じ方法で、上記(3)で調製した化合物(330mg、0.20mmol)を酸化白金(2400mg)の存在下で水素化し、120mg(44%)の)N-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-O-[2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシル]-L-セリンアミドトリエチルアンモニウム塩を白色粉末として得た:

【0171】
実施例27(B26)
N-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-O-[2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシル]-L-セリンメチルエステルトリエチルアンモニウム塩(化合物(I)、R1=R2=R3=n-C13H27CO、X=Y=O、n=m=p=q=0、R4=R5=R7=R9=H、R6=CO2Me、R8=PO3H2)の調製
(1)実施例12-(2)で調製した化合物(0.290g、0.157mmol)のTHF溶液(20mL)を5%パラジウム-炭素(50mg)の存在下で、室温、大気圧下で3時間水素化した。触媒をろ別し、ろ液を濃縮した。残渣のCHCl3溶液(5mL)を0℃においてジアゾメタン(0.5mmol)のエーテル溶液(5mL)で処理し、次いで0℃において30分撹拌した。AcOH(0.5mL)を添加し、得られた無色の溶液をエーテル(50mL)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(25mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濃縮した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(濃度勾配溶出、20〜25%EtOAcs-ヘキサン)により、0.199g(72%)のN-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-O-[2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシル]-L-セリンメチルエステルを非晶質の固形物として得た:

【0172】
(2)実施例2-(7)に記載したものと同じ方法で、上記の(1)で調製した化合物(0.195g、0.111mmol)を亜鉛(0.36g、5.5mmol)で脱保護し、EEDQ(0.041g、0.17mmol)の存在下で(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカン酸(0.060g、0.13mmol)でアシル化して、0.138g(69%)のN-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-O-[(R)-4-O-ジフェニルホスホノ-2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル-β-D-グルコピラノシル]-L-セリンメチルエステルを非晶質の固形物として得た:

【0173】
(3)実施例2-(8)に記載するものと同じ方法で、上記(2)で調製した化合物(0.100g、0.055mmol)を酸化白金(50mg)の存在下で水素化し、0.055g(57%)の)N-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-O-[2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシル]-L-セリンメチルエステルトリエチルアンモニウム塩を無色の固形物として得た:

【0174】
実施例28(B27)
N-(カルボキシメチル)-N-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-2-アミノエチル[2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシドトリエチルアンモニウム塩(化合物(I)、R1=R2=R3=n-C13H27CO、X=Y=O、n=m=p=0、R4=R5=R=R9=H、R=CO2H、q=1、R8=PO3H2)の調製
(1)実施例2-(5)に記載するものと同じ方法で、N-(2-ヒドロキシエチル)グリシン t-ブチルエステル(0.25g、1.43mmol)をEDC・MeI(0.466g、1.57mmol)の存在下で(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカン酸(0.714g、1.57mmol)でアシル化し、0.46g(51%)のN-(2-ヒドロキシエチル)-N-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]グリシン t-ブチルエステルを非晶質の固形物として得た:

【0175】
(2)実施例13-(5)に記載するものと同じ方法で、上記の(1)で調製した化合物(0.21g、0.334mmol)と実施例22-(2)で調製した化合物(0.458g、0.368mmol)を、AgOTf(0.688g、2.68mmol)の存在下でカップリングして、0.39g(64%)のN-(t-ブチルオキシカルボニルメチル)-N-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-2-アミノエチル2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドを非晶質の固形物として得た:

【0176】
(3)実施例2-(7)に記載したものと同じ方法で、上記の(2)で調製した化合物(0.339g、0.185mmol)を亜鉛(0.36g、5.54mmol)で脱保護し、EEDQ(0.068g、0.276mmol)の存在下で(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカン酸(0.100g、0.221mmol)でアシル化し、0.25g(71%)のN-(t-ブチルオキシカルボニルメチル)-N-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-2-アミノエチル2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシドを無色の固形物として得た。
【0177】
(4)実施例2-(8)に記載するものと同じ方法で、上記(3)で調製した化合物(0.25g、0.131mmol)を酸化白金(125mg)をTHF/AcOH(15mL)に分散させたもの存在下で水素化した。粗水素化生成物をCH2Cl2(1mL)に溶解し、0℃に冷却し、TFA(0.5mL)を滴下した。0℃で2時間撹拌後、反応混合物を濃縮し、残存するTFAはトルエンと共沸して除去した。得られた残渣(0.23g)を1%トリエチルアミン水溶液(12mL)に溶解し、凍結乾燥した。クロロホルム-メタノール-水-トリエチルアミン(91:8:0.5−85:15:0.5:0.5:0.5、濃度勾配溶出)を用いたシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーを実施し、さらに実施例2-(8)に記載する酸性抽出による精製を実施し、1%トリエチルアミン水溶液(6mL)で凍結乾燥することにより、99mg(43%)のN-(カルボキシメチル)-N-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-2-アミノエチル2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシドトリエチルアンモニウム塩を無色の固形物として得た:

【0178】
実施例29(B28)
N-カルボキシメチル-N-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-3-アミノプロピル2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシドトリエチルアンモニウム塩(化合物(I)、R1=R2=R3=n-CH19CO、X=Y=O、n=1、m=p=0、R4=R5=R=R9=H、R=CO2H、q=1、R8=PO3H2)の調製
(1)実施例2-(5)に記載するものと同じ方法で、N-(3-ヒドロキシプロピル)グリシンベンジルエステル(450mg、2.0mmol)をEDC・MeI(900mg、3.0mmol)のCH2Cl2溶液の存在下で(R)-3-デカノイルオキシテトラデカン酸(1.0g、2.5mmol)でアシル化し、0.76g(63%)のN-(3-ヒドロキシプロピル)-N-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]グリシンベンジルエステルを無色の油状物として得た:

【0179】
(2)実施例13-(5)に記載するものと同じ方法で、上記の(1)で調製した化合物(500mg、0.83mmol)と実施例15-(4)で調製した化合物(1.0g、0.83mmol)を、AgOTf(1.07g、4.15mmol)の存在下でカップリングして、1.27g(72%)のN-(ベンジルオキシカルボニルメチル)-N-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-3-アミノプロピル2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-6-O-(2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエトキシカルボニル)-2-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)-β-D-グルコピラノシドベンジルエステルを得た:

【0180】
(3)実施例2-(7)に記載したものと同じ方法で、上記の(2)で調製した化合物(1.25g、0.71mmol)を亜鉛(2.31g、3.53mmol)で脱保護し、EEDQ(264mg、1.07mmol)の存在下で(R)-3-デカノイルオキシテトラデカン酸(353mg、0.89mmol)でアシル化し、670mg(54%)のN-ベンジルオキシカルボニルメチル-N-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-3-アミノプルピル2-デオキシ-4-O-ジフェニルホスホノ-3-O-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ])-β-D-グルコピラノシドを非晶質の固形物として得た。
【0181】
(4)実施例2-(8)に記載するものと同じ方法で、上記(3)で調製した化合物(670mg、0.38mol)を水酸化パラジウム-炭素(270mg)および酸化白金(200mg)をEtOH/AcOH(10:1)に分散したものの存在下で水素化し、240mg(39%)のN-カルボキシメチル-N-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-3-アミノプロピル2-デオキシ-4-O-ホスホノ-2-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-3-O-[(R)-3-デカノイルオキシテトラデカノイル]-β-D-グルコピラノシドトリエチルアンモニウム塩を白色粉末として得た:

【0182】
試験実施例1
抗破傷風トキソイド抗体産生の刺激
本明細書のAGPはマウスモデルにおいて精製破傷風トキソイドに対する抗体産生を増大した。10 mgの各AGP試料を、スクアレン油と12%レシチンを含有する油-レシチン混合液1 mlに添加した。混合物を水浴で56℃に加熱し、超音波処理して透明な溶液を得た。各溶液の50μlを、1.0μgの破傷風トキソイド抗原/mlを含有し、予め加温した0.1%ツイーン80滅菌生理食塩液中で撹拌することによって乳化した。マウスに投与する直前に再度製剤を撹拌した。雌性C57BL/6xDBA/2F1マウス(1群8匹)に、適当な製剤を各側腹部に0.1mlの皮下注射として配分して0.2mlを処置した。破傷風トキソイドおよびAGP化合物の最終的なマウスへの投与量はそれぞれ、0.2μgおよび50μgであった。対照マウスには破傷風トキソイドを溶媒(油-ツイーン生理食塩液)で調製したものを投与した。全てのマウスは0日目に処置し、その後21日目に第2回免疫を行った。第2回免疫から14日後にマウスから採血し、遠心分離によって血清を単離した。
【0183】
破傷風トキソイドをコーティングしたマイクロタイタープレートを使用した酵素免疫アッセイ(EIA)により、各マウスの血清試料を抗破傷風トキソイド抗体に関して評価した。抗破傷風抗体価はIgG1、IgG2およびIgG2bアイソタイプと共に、IgM、総Igについて評価した。各血清試料は、最初の血清の200倍希釈から始めて、2倍希釈を11回行った。結果を表2〜4に示す。
【0184】
【表2】

【0185】
【表3】

【0186】
【表4】

【0187】
本発明の化合物は、破傷風トキソイドと共に投与した場合に、用量依存性を示した。BFD1(C57B1/6xDBA/2)雌性マウス(1群8匹)を、AGPと0.2μgの破傷風トキソイドを含有する乳剤0.2mlで免疫した。第2回免疫は初回免疫から21日後に行った。各マウスは第2回目の注射の21日後に採血した。結果を表5および6に示す。
【0188】
【表5】

【0189】
【表6】

【0190】
試験実施例2
抗卵白アルブミン抗体産生の刺激
BDF1雌マウス(1群8匹)を、50μgのAGPと50μgの卵白アルブミンを含有する乳剤の0.2mlで免疫した。第2回免疫は初回の21日後に行った。各マウスは、第2回目の注射の14日後に採血した。IgG1、IgG2およびIgG2bを含むサブグループの抗体価と共に、総IgGおよびIgMを示す免疫マウスの抗体価を表7に示す。
【0191】
【表7】


【0192】
抗原の卵白アルブミンと共に温血動物に投与すると、本発明のAGP化合物はその抗原に対する抗体の産生を刺激する。
【0193】
試験実施例3
感染性インフルエンザに対する保護的免疫応答の産生
ホルマリンで不活性化したインフルエンザおよび本発明のAGP化合物をワクチン接種したマウスは、その抗原に対する抗体を形成しただけでなく、インフルエンザ抗原投与に対する保護的免疫応答を示した。抗原およびAGP化合物を種々の担体と共に動物にワクチン接種した。保護の程度は、感染性インフルエンザA/HK/68のLD50の約10倍量を鼻腔内(IN)投与することによってマウスに抗原チャレンジを行って判定した。致死率は抗原投与から21日後に評価した。抗原チャレンジから生存したマウスの数がワクチンの有効性の直接評価となる。示した実験に関して、このデータは形成された抗体量には必ずしも相関していない。
【0194】
1) ワクチンは、1赤血球凝集単位(HAU)のホルマリン不活性化インフルエンザA/HK/68(Fl-Flu)、および50μgのAGPとを含有する0.2%トリエタノールアミン(TEoA)/水溶液において調製し、溶媒対照ワクチンではAGPを含有しないこと以外は同じであった。ICRマウス(1群10匹)に1回限りワクチン接種した。ワクチンは、鼠径部リンパ節付近の異なる2箇所の部位に0.1mlを皮下(SQ)注射することによって接種し、合計0.2mlのワクチン/マウスとした。ワクチン接種から14日後に、マウス(1群あたりマウス5匹のみ)の眼窩神経叢から採血した。血清を採取し、酵素結合免疫吸着法(ELISA)に使用するまで-20℃で凍結保存した。全てのマウスに、感染性インフルエンザA/HK/68のLD50の約10倍量を鼻腔内(IN)投与することによって、ワクチン接種の30日後に抗原チャレンジを行った。致死率は抗原チャレンジ後21日目に評価した。TEoA製剤をワクチン接種することによって得られた抗インフルエンザ抗体価およびこの製剤をワクチン接種したマウスの対応する生存率を表8に示す。
【0195】
【表8】

【0196】
2) ワクチンは、1赤血球凝集単位(HAU)のホルマリン不活性化インフルエンザA/HK/68(Fl-Flu)、および25μgのAGPとを含有する0.2%スクアレン溶液において調製し、生理食塩液および溶媒対照ワクチンではAGPを含有しないこと以外は同じであった。BALB/cマウス(1群10匹)に1回限りワクチン接種した。ワクチンは鼠径部リンパ節付近の異なる2箇所の部位に0.1mlを皮下(SQ)注射することによって接種し、合計0.2mlのワクチン/マウスとした。ワクチン接種の14日後にマウス(1群あたりマウス5匹のみ)の眼窩神経叢から採血した。血清を採取し、酵素結合免疫吸着法(ELISA)に使用するまで-20℃で凍結保存した。全てのマウスに、感染性インフルエンザA/HK/68のLD50の約10倍量を鼻腔内(IN)投与することによって、ワクチン接種の35日後に抗原チャレンジを行った。致死率は抗原チャレンジ後21日目に評価した。ワクチン接種動物の対応する生存率と共に、スクアレン製剤のワクチン接種によって得られた抗インフルエンザ抗体価を表9に示す。
【0197】
【表9】

【0198】
3) ワクチン接種マウスの抗体価および生存率を、初回ワクチン接種後、そして2回目のワクチン接種後に比較した。ワクチンは、1赤血球凝集単位(HAU)のホルマリン不活性化インフルエンザA/HK/68、および25μgのAGPとを含有する0.2%TEoA/水溶液において調製し、溶媒対照ワクチンはAGPを含有しないこと以外は同じであった。ICRマウス(20匹/群)に、ワクチンを鼠径部リンパ節付近の異なる2箇所の部位に0.1mlを皮下(SQ)注射することによって接種し、ワクチンは合計0.2mlのワクチン/マウスとした。各群を初回ワクチン接種の35日後に2つのサブグループにわけた。各サブグループの1つにはこの時点で抗原チャレンジを行い、残りのサブグループには第2回ワクチン接種を行った。ワクチン接種から14日後にマウス(マウス5匹のみ/サブグループ)の眼窩神経叢から採血した。血清を採取し、ELISAに使用するまで-20℃で凍結保存した。マウスに、感染性インフルエンザA/HK/68のLD50の約10倍量または40倍量を鼻腔内(IN)投与することによって、初回ワクチン接種または第2回ワクチン接種後それぞれ35日目に抗原チャレンジを行った。致死率は抗原チャレンジ後21日目に評価した。初回ワクチン接種および2回目のワクチン接種後のマウスの抗インフルエンザ抗体価および生存率を表10に示す。ワクチン接種を2回行ったマウスでは、生存率のみならず抗体価がより高かった。
【0199】
【表10】

【0200】
試験実施例4
脂肪酸鎖長がアジュバント能に及ぼす影響
脂肪酸鎖R1〜R3の鎖長が活性に及ぼす影響を試験した。ワクチンは、1赤血球凝集単位(HAU)のホルマリン不活性化インフルエンザA/HK/68(Fl-Flu)、および25μgのAGPとを含有する0.2%TEoA/水溶液において調製し、溶媒対照ワクチンではAGPを含有しないこと以外は同じであった。ICRマウス(10匹/群)に1回限りワクチン接種を行った。ワクチンは、鼠径部リンパ節付近の異なる2箇所の部位に0.1mlを皮下(SQ)注射することによって接種し、合計0.2mlのワクチン/マウスとした。ワクチン投与から14日後にマウス(1群あたりマウス5匹のみ)の眼窩神経叢から採血した。血清を採取し、ELISAに使用するまで-20℃で凍結保存した。全てのマウスに、感染性インフルエンザA/HK/68のLD50の約10倍量を鼻腔内(IN)投与することによって、ワクチン接種の35日後に抗原チャレンジを行った。致死率は抗原投与後21日目に評価した。脂肪酸鎖長は生物活性に軽度な影響を与えると思われる。結果を表11および12に示す。
【0201】
【表11】

【0202】
【表12】

【0203】
試験実施例5
ヘテロ原子Xとアグリコン窒素原子の間の炭素鎖長の変化が
アジュバント能に及ぼす影響
Xとアグリコン窒素原子間の炭素鎖長は1つの炭素によってかなり伸長する。これら2つの成分間の鎖長を長くした場合のアジュバント能に及ぼす影響を試験した。ワクチンは、1赤血球凝集単位(HAU)のホルマリン不活性化インフルエンザA/HK/68(Fl-Flu)、および25μgのAGPとを含有する0.2%TEoA/水溶液において調製し、溶媒対照ワクチンではAGPを含有しないこと以外は同じであった。ICRマウス(10匹/群)に1回限りワクチン接種を行った。ワクチンを、鼠径部リンパ節付近の異なる2箇所の部位に0.1mlを皮下(SQ)注射することによって接種し、合計0.2mlのワクチン/マウスとした。ワクチン投与から14日後にマウス(1群あたりマウス5匹のみ)の眼窩神経叢から採血した。血清を採取し、ELISAに使用するまで-20℃で凍結保存した。全てのマウスに、感染性インフルエンザA/HK/68のLD50の約10倍量を鼻腔内(IN)投与することによって、ワクチン接種の35日後に抗原チャレンジを行った。致死率は抗原チャレンジの21日目に評価した。ヘテロ原子Xとアグリコン窒素原子間の炭素鎖長が増加すると、アジュバント活性が低下すると思われる。しかし、この炭素鎖に結合する残基に応じて、この分子の生物的安定性および代謝安定性は影響を受けるあろう。結果を表13に示す。
【0204】
【表13】

【0205】
試験実施例6
AGP化合物によるサイトカイン誘導
本発明のAGP化合物は、ヒト全血のエクスビボ培養アッセイにおいてサイトカインを誘導した。AGP化合物を10%EtOH-水に溶解し、種々の濃度に希釈した。各希釈液50μlをヒト全血450μlに加えた。対照は培養培地(RPMI)で処置した。反応混合物は37℃で4時間、回転装置で常に混合しながらインキュベーションした。滅菌PBS(1.5ml)を反応混合物に添加し、細胞を遠心分離し、上清を採取してサイトカインについて試験した。各上清中のTNF-αおよびIL-1βの濃度は、R&Dシステムズ(Systems)社製のイムノアッセイELISAキットを使用して決定した。これらの検討の結果を表14〜19に示す。
【0206】
【表14】

【0207】
【表15】

【0208】
【表16】

【0209】
【表17】

【0210】
【表18】

【0211】
【表19】

【0212】
試験実施例7
細胞傷害性Tリンパ球反応の刺激
本発明のAGP化合物およびタンパク質抗原の投与後の細胞傷害性Tリンパ球反応の誘発を、細胞傷害性アッセイによって検出した。C57BL/6マウスの群に、AGP製剤において調製した卵白アルブミン(OVA)25μgによって皮下(鼠径部領域)に初回免疫を行った。注射容量は200μlであった。21日後に、実験群あたり3匹のマウスを屠殺し、脾臓を摘出して単細胞懸濁液としてプールし、計数した。
【0213】
実験群の脾細胞(75×106細胞を3〜4mlの培地中)を、25 cm2のT-フラスコに入れた。次に、放射線照射後(20,000 rads)のE.G7(OVA)細胞5×106/mlの1.0 mlをフラスコに加えた。容量を10 mlにした。T-フラスコを37℃、5%CO2に設定したインキュベーション装置に4日間直立して放置することによって培養液を維持した。4日目に、フラスコから生存細胞を回収し、新鮮な培地で1回洗浄し、5.0 mlに再懸濁してから計数した。
【0214】
回収したエフェクター細胞を5×106生細胞/mlに調整し、希釈剤として100μl/ウェルの培地を使用して、96ウェルの丸底プレート(Corning 25850)中で100μlの容量を3組ずつ連続希釈した。次に、51Cr-標識(以下を参照のこと)した標的1×105細胞/mlの100μl容量[E.G7(OVA)-卵白アルブミン遺伝子をトランスフェクションしたEL-4細胞株]をウェルに加えた。自然放出(spontaneous release(SR))ウェルは100μlの標的および100μlの培地を含有した。最大放出(maximal release(MR))ウェルは100μlの標的および100μlの界面活性剤(2% Tween 20)を含有した。エフェクター/標的(E/T)比は50:1、25:1、12.5:1であった。プレートを400×gで遠心分離し、37℃、5%CO2で4時間インキュベーションした。インキュベーション後、スカトロン上清回収システム(Skatron Supernatant Collection System)を使用してウェルの上清を回収した。
特異的溶解率(%)=
100×[(実験放出−SR)/(MR-SR)]
【0215】
標的細胞であるE.G7(OVA)を、以下のように51Cr(クロム酸ナトリウム)で標識した。5×106標的細胞と250μCi51Crとを15mlコニカル管中で混合して、総容量を1.0 mlとした。細胞懸濁液を、15分ごとに緩く混合しながら、37℃の水浴で90分間インキュベーションした。インキュベーション後、標識された細胞を、15mlの容量の培地を用いて遠心分離を行ってデカンテーションすることによって3回洗浄した。3回目の遠心分離後、細胞を10 mlの新鮮な培地に再懸濁し、30分間室温で放置し、次いで遠心分離した。最後に、細胞を培地に再懸濁させて、1×105細胞/mlとした。
【0216】
本発明のAGPを用いた上記の手順によって免疫したマウスは、表20に示すように、OVA抗原に対する細胞傷害性Tリンパ球反応を示した。
【0217】
【表20】


【0218】
試験実施例8
破傷風トキソイドに対する血清の産生および粘膜抗体価
本発明のAGPは、鼻腔内に投与すると、純粋な破傷風トキソイドに対する血清および粘膜双方の免疫応答を誘発した。BALB/cマウスの群に、容量20μlの水性製剤(AF)において調製された10μgの破傷風トキソイド(TT)と20μgAGPを鼻腔内に初回(1°)免疫した。第2回免疫(2°)は14日後に行い、初回および第2回と組成が同じ第3回免疫(3°)は14日後に行った。マウスは21日目(2°の7日後)と38日目(3°の10日後)に採血した。膣洗浄/糞抽出試料を2°後7日目と3°後7日目に採取した。血清および洗浄試料は標準的なELISA方法によって抗-TT抗体の有無をアッセイした。これらのアッセイの結果は以下の表21および22に示す。
【0219】
水性製剤は本発明のAGPと1種以上の界面活性剤を含む。水性粗に有用な界面活性剤にはグリコデオキシコール酸塩、デオキシコール酸塩、スフィンゴミエリン、スフィンゴシン、ホスファチジルコリン、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン、L-α-ホスファチジルエタノールアミンおよび1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンまたはこれらの混合物が挙げられる。この実施例に使用した水性製剤は、界面活性剤1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DPPC)を含み、以下のように調製した:簡単に述べると、DPPCの4mg/mlのエタノール溶液を調製した。このエタノール溶液の一部を乾燥AGPに添加し、緩く回転させてAGPを湿潤させる。フィルターを通過させた窒素気流をゆっくりバイアルに吹き付けてエタノールを除去する。注射用の水を添加し、懸濁物を透明になるまで、60℃で10分超音波処理する。得られた水性製剤は約118μg/mlのDPPCを含有し、粒子は約70nmであり、濾過滅菌した。
【0220】
【表21】

【0221】
【表22】

【0222】
AGP-AFにおいて調製したTTを鼻腔内投与すると、その抗原に対する抗原特異的な液性免疫応答(表22)および粘膜免疫応答(表21)を誘導した。
【0223】
試験実施例9
水性ALD製剤の鼻腔内投与による抗体応答の刺激
本発明の化合物と共にB型肝炎表面抗原(HBsAg)を投与したマウスは、その抗原に対する血清IgGおよびIgA力価を産生した。分泌性のIgAを膣洗浄液に検出し、細胞障害性Tリンパ球反応の誘導を細胞障害性アッセイによって検出した。
【0224】
BALB/cマウス群に、HBsAg 2.5μgおよびAGP-AF 10μgの容量20 μlによって鼻腔内に初回免疫(1゜)を行った。AGP-AFは試験実施例8と同じように調製した。21日後、マウスに、HBSAG 7.5μgおよびAGP-AF 10 μgの容量20 μlによって鼻腔内に第2回免疫(2゜)を行った。第2回免疫と同一の組成による第3回免疫(3゜)は第2回免疫の28日後に行った。細胞障害性Tリンパ球活性を検出するアッセイは第2回免疫の16日後(2゜後d16)、および第3回免疫の8日後(3゜後d8)に実施した。血清および粘膜の抗体価は第2回免疫の22日後(2゜後d22)、および第3回免疫の21日後(3゜後d21)に実施した。抗体アッセイは標準的なELISA法によって実施した。細胞障害性アッセイは試験実施例7に記述のように実施した。本実験の結果を表23〜26に示す。
【0225】
【表23】

【0226】
【表24】

【0227】
【表25】

【0228】
【表26】

【0229】
Balb/Cマウスの群を、2.5μgのHBsAgおよび10μgのAGP-AFによって鼻腔内に免疫し、21日後に7.5μgのHBsAgおよび10μgのAGP-AFにより鼻腔内に追加免疫した。追加免疫後10日目に膣試料を採取し、抗-HBsAg抗体の有無を分析した。このアッセイの結果を表27に示す。
【0230】
【表27】

【0231】
本発明の化合物と共にHBsAGを鼻腔内投与すると、その抗原に対する液性および細胞性免疫応答を共に刺激した。AGP-AF中において調製した抗原による鼻腔内免疫は、細胞傷害性Tリンパ球反応(表23〜24)、ならびに抗原特異的液性免疫応答(表25および26)および粘膜免疫応答(表27)を誘発した。
【0232】
試験実施例10
インフルエンザに対する保護的免疫応答の産生
赤血球凝集素抗原および本発明のAGPを含有するFLUSHIELDインフルエンザワクチンにより鼻腔内に免疫したマウスは、IgGおよびIgAを産生し、これらは膣洗浄液から回収された。免疫したマウスは、またその後のインフルエンザ抗原チャレンジから100%保護された。
【0233】
ICRマウスを、0.3μgの赤血球凝集素抗原(HA)および10μgのAGP-AFまたは組換え型大腸菌熱不安定エンテロトキシン(LT)を含有するFLUSHIELDインフルエンザワクチン(Wyeth-Lederle)を用いて21日間隔で3回鼻腔内に免疫した。GFP-AFは実施例8と同様に調製した。LTは1μg/mlとして生理食塩液に溶解した。第2回および第3回の免疫後14日目に、膣洗浄液を回収した。血清試料は第3回免疫後14日目に採取した。最後の免疫後35日目に、LD50(50%致死量)の10倍量の感染性インフルエンザA/HK/68によってマウスに抗原チャレンジを行い、死亡率をモニターした。表28および表29は、膣洗浄液および血清中の抗インフルエンザ抗体価を検出するために、標準的なELISA法によって実施したアッセイの結果を示す。
【0234】
【表28】

【0235】
【表29】

【0236】
これらのデータは、AF中のAGPは鼻腔内投与すると、粘膜アジュバントとして作用し、粘膜部位にIgAを産生させることを示している。粘膜経由で侵入する上気道病原菌に対する保護も増加した。
【0237】
試験実施例11
安定な乳剤製剤からの免疫応答の産生
本発明のAGP化合物は、安定な乳剤(SE)に調製すると、液性および細胞傷害性Tリンパ球反応を共に刺激した。AGPを25μgの用量レベルにおいて試験したところ、CTLおよび抗体反応の誘導に関してB型肝炎表面抗原(HBsAg)にアジュバントとして作用した。BALB/cマウスに、0日目および21日目に2.0μgHBsAgおよび25μgAGP/SEを皮下注射して免疫した。CTLアッセイは試験実施例7に記載するように実施した。AGPは安定な乳剤(SE)に調製し、この組成物をAGP-SEと命名した。10%w/vスクアレン、0.091%w/vPLURONIC-F68ブロックコポリマー、1.909%w/w卵ホスファチジルコリン、1.8%v/vグリセロール、0.05%w/vαトコフェロール、10%リン酸アンモニウム緩衝液および78.2%v/v注射用水を含有する安定な乳剤を調製するための方法は当業者に容易に明らかとなるはずである。乳剤は粒子サイズが≦0.2μmになるまでホモジナイズした。表30は、本発明のAGPがHBsAg抗原に対して細胞傷害性Tリンパ球反応を誘発したことを示す。
【0238】
【表30】

【0239】
HBsAgに対する抗体価の結果を表31に示す。2°後28日目に採取した血清は、HBsAg、またはHBsAgの残基110〜137のS-抗原領域に存在するB-細胞エピトープを含有するアミノ酸28個のペプチドのいずれかをコーティングしたELISAプレート上で抗体価を調べた。
【0240】
【表31】

【0241】
AGP-SE処置マウスは、B型肝炎表面抗原に対する液性(表31)および細胞傷害性Tリンパ球(表30)反応を示した。興味深いことに、AGP-SE処置マウスは血清中に、両抗原によって検出される強いIgG2a特異的抗体価を示したが、溶媒-SEは中程度のIgG2a反応を誘発したに過ぎなかった。
【0242】
上記の実施例は本発明を単に例示する目的であることが理解される。使用した組成物および/または方法にある種の改良を加えることができ、それでもなお本発明の目的が達成される。このような改良は請求の範囲に示される本発明の範囲内であると考えられる。
【0243】
参考文献


【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構造を有するイムノエフェクター化合物:
【化1】

式中、XはOおよびSからなる群より選択され;YはOおよびNHからなる群より選択され;n、m、pおよびqは0〜6の整数であり;R1、R2およびR3は同じまたは異なり、炭素原子数約7〜16の直鎖状脂肪族アシル残基であり;R4およびR5は同じまたは異なり、Hおよびメチルからなる群より選択され;R6およびR7は同じまたは異なり、H、ヒドロキシ、アルコキシ、ホスホノ、ホスホノオキシ、スルホ、スルホオキシ、アミノ、メルカプト、シアノ、ニトロ、ホルミルおよびカルボキシならびにそれらのエステルおよびアミドからなる群より選択され;ならびにR8およびR9は同じまたは異なり、ホスホノおよびHからなる群より選択され、R8およびR9の少なくとも一方はホスホノである。
【請求項2】
R6がカルボキシである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
XがOであり;YがOであり;n、m、pおよびqが0であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数10の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がS立体配置を有するステレオジェン中心に結合する、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
XがOであり;YがOであり;n、m、pおよびqが0であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数12の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がR立体配置を有するステレオジェン中心に結合する、請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
XがOであり;YがOであり;n、m、pおよびqが0であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数10の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がS立体配置を有するステレオジェン中心に結合する、請求項2に記載の化合物。
【請求項6】
XがOであり;YがOであり;n、m、pおよびqが0であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数8の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がS立体配置を有するステレオジェン中心に結合する、請求項2に記載の化合物。
【請求項7】
R6がHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
XがOであり;YがOであり;nが2であり;m、pおよびqが0であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数14の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;ならびにR1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合する、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
XがOであり;YがOであり;nが1であり;mおよびpが0であり;qが1であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数10の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4およびR5がHであり;Rがカルボキシであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合する、請求項7に記載の化合物。
【請求項10】
XがOであり;YがOであり;m、n、pおよびqが0であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数14の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;ならびにR1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合する、請求項7に記載の化合物。
【請求項11】
XがOであり;YがOであり;m、n、pおよびqが0であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数10の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合する、請求項7に記載の化合物。
【請求項12】
XがOであり;YがOであり;m、pおよびqが0であり;nが1であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数14の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合する、請求項7に記載の化合物。
【請求項13】
R6がヒドロキシである、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
XがOであり;YがOであり;m、nおよびqが0であり;pが1であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数12の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4およびR5がHであり;RがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がS立体配置を有するステレオジェン中心に結合する、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
XがOであり;YがOであり;mおよびqが0であり;nおよびpが1であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数10の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がS立体配置を有するステレオジェン中心に結合する、請求項13に記載の化合物。
【請求項16】
XがOであり;YがOであり;m、nおよびqが0であり;pが2であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数10の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がS立体配置を有するステレオジェン中心に結合する、請求項13に記載の化合物。
【請求項17】
XがOであり;YがOであり;m、nおよびqが0であり;pが1であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数14の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がR立体配置を有するステレオジェン中心に結合する、請求項13に記載の化合物。
【請求項18】
XがOであり;YがOであり;m、nおよびqが0であり;pが1であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数14の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がS立体配置を有するステレオジェン中心に結合する、請求項13に記載の化合物。
【請求項19】
XがOであり;YがOであり;m、nおよびqが0であり;pが1であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数11の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がS立体配置を有するステレオジェン中心に結合する、請求項13に記載の化合物。
【請求項20】
XがOであり;YがOであり;m、nおよびqが0であり;pが1であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数10の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がS立体配置を有するステレオジェン中心に結合する、請求項13に記載の化合物。
【請求項21】
XがOであり;YがOであり;m、n、pおよびqが0であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数10の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4およびR5がHであり;R6がアミノカルボニルであり;RがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がS立体配置を有するステレオジェン中心に結合する、請求項1に記載の化合物。
【請求項22】
以下の構造を有する化合物の有効量を哺乳動物に投与する段階を含む、哺乳動物の免疫応答を増大するための方法:
【化2】

式中、XはOおよびSからなる群より選択され;YはOおよびNHからなる群より選択され;n、m、pおよびqは0〜6の整数であり;R1、R2およびR3は炭素原子数約7〜約16の直鎖状脂肪族アシル残基であり;R4およびR5は同じまたは異なり、Hおよびメチルからなる群より選択され;R6およびR7は同じまたは異なり、H、ヒドロキシ、アルコキシ、ホスホノ、ホスホノオキシ、スルホ、スルホオキシ、アミノ、メルカプト、シアノ、ニトロ、ホルミルおよびカルボキシならびにそれらのエステルおよびアミドからなる群より選択され;R8およびR9は同じまたは異なり、ホスホノおよびHからなる群より選択され、R8およびR9の少なくとも一方はホスホノである。
【請求項23】
化合物のR6がカルボキシである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
化合物が、XがOであり;YがOであり;n、m、pおよびqが0であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数10の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4およびR5がHであり;RがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がS立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
化合物が、XがOであり;YがOであり;n、m、pおよびqが0であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数12の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4およびR5がHであり;RがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がS立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
化合物が、XがOであり;YがOであり;n、m、pおよびqが0であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数10の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がR立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
化合物が、XがOであり;YがOであり;n、m、pおよびqが0であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数8の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がS立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
化合物のR6がHである、請求項22に記載の方法。
【請求項29】
化合物が、XがOであり;YがOであり;nが2であり;m、pおよびqが0であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数14の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
化合物が、XがOであり;YがOであり;nが1であり;mおよびpが0であり;qが1であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数10の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4およびR5がHであり;Rがカルボキシであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
化合物が、XがOであり;YがOであり;m、n、pおよびqが0であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数14の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
化合物が、XがOであり;YがOであり;m、n、pおよびqが0であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数10の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
化合物が、XがOであり;YがOであり;m、pおよびqが0であり;nが1であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数14の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する、請求項28に記載の方法。
【請求項34】
化合物のR6がヒドロキシである、請求項22に記載の方法。
【請求項35】
化合物が、XがOであり;YがOであり;m、nおよびqが0であり;pが1であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数12の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4およびR5がHであり;RがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がS立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
化合物が、XがOであり;YがOであり;mおよびqが0であり;nおよびpが1であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数10の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がS立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
化合物が、XがOであり;YがOであり;m、nおよびqが0であり;pが2であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数10の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がS立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
化合物が、XがOであり;YがOであり;m、nおよびqが0であり;pが1であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数14の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がR立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する、請求項34に記載の方法。
【請求項39】
化合物が、XがOであり;YがOであり;m、nおよびqが0であり;pが1であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数14の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がS立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する、請求項34に記載の方法。
【請求項40】
化合物が、XがOであり;YがOであり;m、nおよびqが0であり;pが1であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数11の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がS立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する、請求項34に記載の方法。
【請求項41】
化合物が、XがOであり;YがOであり;m、nおよびqが0であり;pが1であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数10の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がS立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する、請求項34に記載の方法。
【請求項42】
化合物が、XがOであり;YがOであり;m、n、pおよびqが0であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数10の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4およびR5がHであり;R6がアミノカルボニルであり;R7がHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がS立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する、請求項22に記載の方法。
【請求項43】
以下の構造を有する化合物を含むワクチン組成物:
【化3】

式中、XはOおよびSからなる群より選択され;YはOおよびNHからなる群より選択され;n、m、pおよびqは0〜6の整数であり;R1、R2およびR3は同じまたは異なり、炭素原子数約7〜約16の直鎖状脂肪族アシル残基であり;R4およびR5は同じまたは異なり、Hおよびメチルからなる群より選択され;R6およびR7は同じまたは異なり、H、ヒドロキシ、アルコキシ、ホスホノ、ホスホノオキシ、スルホ、スルホオキシ、アミノ、メルカプト、シアノ、ニトロ、ホルミルおよびカルボキシならびにそれらのエステルおよびアミドからなる群より選択され;R8およびR9は同じまたは異なり、ホスホノおよびHからなる群より選択され、R8およびR9の少なくとも一方はホスホノ、抗原および好適な担体である。
【請求項44】
組成物が、R6がカルボキシである化合物を含む、請求項43に記載の組成物。
【請求項45】
組成物が、XがOであり;YがOであり;n、m、pおよびqが0であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数10の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がS立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する化合物を含む、請求項44に記載の組成物。
【請求項46】
組成物が、XがOであり;YがOであり;n、m、pおよびqが0であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数12の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がS立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する化合物を含む、請求項44に記載の組成物。
【請求項47】
組成物が、XがOであり;YがOであり;n、m、pおよびqが0であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数10の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がR立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する化合物を含む、請求項44に記載の組成物。
【請求項48】
組成物が、XがOであり;YがOであり;n、m、pおよびqが0であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数8の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がS立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する化合物を含む、請求項44に記載の組成物。
【請求項49】
組成物が、R6がHである化合物を含む、請求項43に記載の組成物。
【請求項50】
組成物が、XがOであり;YがOであり;nが2であり;m、pおよびqが0であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数14の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する化合物を含む、請求項49に記載の組成物。
【請求項51】
組成物が、XがOであり;YがOであり;nが1であり;mおよびpが0であり;qが1であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数10の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4およびR5がHであり;Rがカルボキシであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する化合物を含む、請求項49に記載の組成物。
【請求項52】
組成物が、XがOであり;YがOであり;m、n、pおよびqが0であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数14の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する化合物を含む、請求項49に記載の組成物。
【請求項53】
組成物が、XがOであり;YがOであり;m、n、pおよびqが0であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数10の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する化合物を含む、請求項49に記載の組成物。
【請求項54】
組成物が、XがOであり;YがOであり;m、pおよびqが0であり;nが1であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数14の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する化合物を含む、請求項49に記載の組成物。
【請求項55】
組成物が、R6がヒドロキシである化合物を含む、請求項43に記載の組成物。
【請求項56】
組成物が、XがOであり;YがOであり;m、nおよびqが0であり;pが1であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数12の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4およびR5がHであり;RがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がS立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する化合物を含む、請求項55に記載の組成物。
【請求項57】
組成物が以下の構造(XがOであり;YがOであり;mおよびqが0であり;nおよびpが1であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数10の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がS立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する化合物を含む、請求項55に記載の組成物。
【請求項58】
組成物が、XがOであり;YがOであり;m、nおよびqが0であり;pが2であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数10の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がS立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する化合物を含む、請求項55に記載の組成物。
【請求項59】
組成物が、XがOであり;YがOであり;m、nおよびqが0であり;pが1であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数14の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がR立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する化合物を含む、請求項55に記載の組成物。
【請求項60】
組成物が、XがOであり;YがOであり;m、nおよびqが0であり;pが1であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数14の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がS立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する化合物を含む、請求項55に記載の組成物。
【請求項61】
組成物が、XがOであり;YがOであり;m、nおよびqが0であり;pが1であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数11の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がS立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する化合物を含む、請求項55に記載の組成物。
【請求項62】
組成物が、XがOであり;YがOであり;m、nおよびqが0であり;pが1であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数10の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がS立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する化合物を含む、請求項55に記載の組成物。
【請求項63】
組成物が、XがOであり;YがOであり;m、n、pおよびqが0であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数10の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4およびR5がHであり;R6がアミノカルボニルであり;RがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がS立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する化合物を含む、請求項21に記載の組成物。
【請求項64】
以下の構造を有する化合物を含む薬学的組成物:
【化4】

式中、XはOおよびSからなる群より選択され;YはOおよびNHからなる群より選択され;n、m、pおよびqは0〜6の整数であり;R1、R2およびR3は同じまたは異なり、炭素原子数約7〜約16の直鎖状脂肪族アシル残基であり;R4およびR5は同じまたは異なり、Hおよびメチルからなる群より選択され;R6およびR7は同じまたは異なり、H、ヒドロキシ、アルコキシ、ホスホノ、ホスホノオキシ、スルホ、スルホオキシ、アミノ、メルカプト、シアノ、ニトロ、ホルミルおよびカルボキシならびにそれらのエステルおよびアミドからなる群より選択され;ならびにR8およびR9は同じまたは異なり、ホスホノおよびHからなる群より選択され、R8およびR9の少なくとも一方はホスホノおよび薬学的に許容される担体である。
【請求項65】
組成物が、R6がカルボキシである化合物を含む、請求項64に記載の組成物。
【請求項66】
組成物が、XがOであり;YがOであり;n、m、pおよびqが0であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数10の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がS立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する化合物を含む、請求項65に記載の組成物。
【請求項67】
組成物が、XがOであり;YがOであり;n、m、pおよびqが0であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数12の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がS立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する化合物を含む、請求項65に記載の組成物。
【請求項68】
組成物が、XがOであり;YがOであり;n、m、pおよびqが0であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数10の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がR立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する化合物を含む、請求項65に記載の組成物。
【請求項69】
組成物が、XがOであり;YがOであり;n、m、pおよびqが0であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数8の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がS立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する化合物を含む、請求項65に記載の組成物。
【請求項70】
組成物が、R6がHである化合物を含む、請求項64に記載の組成物。
【請求項71】
組成物が、XがOであり;YがOであり;nが2であり;m,pおよびqが0であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数14の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する化合物を含む、請求項70に記載の組成物。
【請求項72】
組成物が、XがOであり;YがOであり;nが1であり;mおよびpが0であり;qが1であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数10の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4およびR5がHであり;Rがカルボキシであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する化合物を含む、請求項70に記載の組成物。
【請求項73】
組成物が、XがOであり;YがOであり;m、n、pおよびqが0であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数14の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する化合物を含む、請求項70に記載の組成物。
【請求項74】
組成物が、XがOであり;YがOであり;m、n、pおよびqが0であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数10の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する化合物を含む、請求項70に記載の組成物。
【請求項75】
組成物が、XがOであり;YがOであり;m、pおよびqが0であり;nが1であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数14の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する化合物を含む、請求項70に記載の組成物。
【請求項76】
組成物が、R6がヒドロキシである化合物を含む、請求項64に記載の組成物。
【請求項77】
組成物が、XがOであり;YがOであり;m、nおよびqが0であり;pが1であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数12の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、およびR5がHであり;RがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がS立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する化合物を含む、請求項76に記載の組成物。
【請求項78】
組成物が、XがOであり;YがOであり;mおよびqが0であり;nおよびpが1であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数10の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がS立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する化合物を含む、請求項76に記載の組成物。
【請求項79】
組成物が、XがOであり;YがOであり;m、nおよびqが0であり;pが2であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数10の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がS立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する化合物を含む、請求項76に記載の組成物。
【請求項80】
組成物が、XがOであり;YがOであり;m、nおよびqが0であり;pが1であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数14の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がR立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する化合物を含む、請求項76に記載の組成物。
【請求項81】
組成物が、XがOであり;YがOであり;m、nおよびqが0であり;pが1であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数14の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がS立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する化合物を含む、請求項76に記載の組成物。
【請求項82】
組成物が、XがOであり;YがOであり;m、nおよびqが0であり;pが1であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数11の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がS立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する化合物を含む、請求項76に記載の組成物。
【請求項83】
組成物が、XがOであり;YがOであり;m、nおよびqが0であり;pが1であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数10の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4、R5およびRがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がS立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する化合物を含む、請求項76に記載の組成物。
【請求項84】
組成物が、XがOであり;YがOであり;m、n、pおよびqが0であり;R1、R2およびR3 が炭素原子数10の直鎖状脂肪族アシル残基であり; R4およびR5がHであり;R6がアミノカルボニルであり;RがHであり;R8がホスホノであり;R9がHであり;R1、R2およびR3 が各々、R立体配置を有するステレオジェン中心に結合し;ならびにR5がS立体配置を有するステレオジェン中心に結合する構造を有する化合物を含む、請求項43に記載の組成物。
【請求項85】
薬学的に許容できる担体が、水と、グリコデオキシコレート、デオキシコレート、スフィンゴミエリン、スフィンゴシン、ホスファチジルコリン、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン、L-α-ホスファチジルエタノールアミンおよび1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンまたはこれらの混合物からなる群より選択される1種以上の界面活性剤とを含む水性組成物である、請求項64に記載の組成物。
【請求項86】
1種以上の界面活性剤が1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンである、請求項85に記載の組成物。
【請求項87】
化合物の界面活性剤に対するモル比が約10:1〜約10:5である、請求項85に記載の組成物。
【請求項88】
化合物の界面活性剤に対するモル比が約4:1である、請求項85に記載の組成物。
【請求項89】
担体が、代謝可能な油、1種以上の界面活性剤、抗酸化剤および乳剤を等張にするための成分を含む安定な乳剤である、請求項64に記載の組成物。
【請求項90】
安定な乳剤が10%v/vスクアレン、0.9%w/vPLURONIC-F68ブロックコポリマー、1.9%w/v卵ホスファチジルコリン、1.75%v/vグリセロールおよび0.05%w/vαトコフェロールを含む、請求項89に記載の組成物。

【公開番号】特開2010−90139(P2010−90139A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−276135(P2009−276135)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【分割の表示】特願平10−548512の分割
【原出願日】平成10年5月7日(1998.5.7)
【出願人】(509123482)コリクサ コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】