アミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンの製造方法
【課題】アミノ酸変性ポリシロキサンのエマルジョンを簡易に且つ高効率で製造し、これを美容成分として使用すること
【解決手段】界面活性剤の存在下において、
(a)カルボキシ基が保護されていないアミノ酸、及び
(b)分子中にエポキシ基を有するオルガノポリシロキサン
を水性媒体中で反応させて得られるアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンを化粧品に配合する。
【解決手段】界面活性剤の存在下において、
(a)カルボキシ基が保護されていないアミノ酸、及び
(b)分子中にエポキシ基を有するオルガノポリシロキサン
を水性媒体中で反応させて得られるアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンを化粧品に配合する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品に配合される美容成分として有用な塩基性アミノ酸変性オルガノポリシロキサン及びその製造方法、並びに、その化粧品用途への応用に関する。
【背景技術】
【0002】
アミノ酸変性オルガノポリシロキサンを製造する方法としては、例えば、N−アシルアミノ酸と分子中にハロゲン化アルキル基を含有するオルガノポリシロキサンを、非プロトン極性溶媒中で反応させる方法(特開昭50−158700号公報参照)、アミノ酸と分子内に炭素と結合した水酸基を有するオルガノポリシロキサンを酸触媒の存在下で反応させる方法(特開昭52−3023号公報参照)、及びカルボキシ基を保護したアミノ酸と分子内にエポキシ基を含有するオルガノポリシロキサンを反応させる方法(特開昭52−114699号公報参照)が挙げられる。
【0003】
しかし、特開昭50−158700号公報及び特開昭52−3023号公報により提案された方法では、アミノ酸中のカルボキシ基を反応させるため、得られるアミノ酸変性オルガノポリシロキサン中にはアミノ酸由来のカルボキシ基が残らず、このオルガノポリシロキサンにアミノ酸特有の性質を付与することができないという問題があった。また、特開昭52−114699号公報により提案された方法では、アミノ酸のカルボキシ基をアルカリ金属塩又はエステルの形で保護しなければならず、また、反応生成物からアルカリ金属又はアルコールを除去しなければならないという問題があった。
【0004】
また、特開昭50−158700号公報、特開昭52−3023号公報及び特開昭52−114699号公報には、アミノ酸変性オルガノポリシロキサンを界面活性剤として使用することについて開示されるものの、アミノ酸変性オルガノポリシロキサン自体の美容成分としての機能については認識されてない。
【特許文献1】特開昭50−158700号公報
【特許文献2】特開昭52−3023号公報
【特許文献3】特開昭52−114699号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記の現状に鑑みて為されたものであり、簡便な方法で、且つ、効率よくアミノ酸変性オルガノポリシロキサンを提供すること、並びに、当該アミノ酸変性オルガノポリシロキサンを美容成分として利用することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、界面活性剤の存在下において、(a)カルボキシ基が保護されていないアミノ酸、及び、(b)分子中にエポキシ基を有するオルガノポリシロキサンを水性媒体中で反応させてアミノ酸変性オルガノポリシロキサンを製造し、製造されたアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンを化粧品に配合することにより達成される。
【0007】
前記(a)カルボキシ基が保護されていないアミノ酸は、リジン、アルギニン及びヒスチジンからなる群から選択される塩基性アミノ酸が好ましく、特に、下記式:
【化1】
で表されるアルギニンが好ましい。
【0008】
前記(b)分子中にエポキシ基を有するオルガノポリシロキサンは、下記一般式(1):
【化2】
{式中、
R1は、それぞれ独立して、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアリール基、非置換若しくは置換のアラルキル基、非置換若しくは置換のアルコキシ基、非置換若しくは置換のポリエーテル基、水酸基、−A−NH−B−NH2、−A−N(−B−NH2)2又は−CH2CH2Si(CH3)2−{OSi(CH3)2}t−OSi(CH3)3(これらの式中、A及びBは、それぞれ独立して、非置換若しくは置換のアルキレン基又は-CuH2u−O−CvH2v−(u、vは、それぞれ独立して、1〜5の範囲の整数を表す)を表し、tは0〜500の範囲の整数を表す)を表し、
Qは、下記式:
【化3】
(式中、aは1〜20の範囲の整数を表し、bは1〜10の範囲の整数を表し、cは0〜50の範囲の整数を表し、nは1〜20の範囲の整数を表す)で表される基又は上記R1と同一の基を表すが、但し、全てのQがR1となることはなく、
xは、1〜10000の範囲の整数を表し、
yは、0〜1000の範囲の整数を表す}、又は、下記一般式(2):
【化4】
(式中、
R1及びQは、上記と同様であり、
rは、1〜10の範囲の整数を表し、
sは、1〜10の範囲の整数を表す。但し、r+sは3〜20の範囲の整数を表す))
で表されるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。
【0009】
そして、前記(b)分子中にエポキシ基を有するオルガノポリシロキサンは、下記一般式(1’):
【化5】
{式中、
R1’は、それぞれ独立して、非置換若しくは置換の炭素原子数1〜20のアルキル基、非置換若しくは置換の炭素原子数6〜20のアリール基、非置換若しくは置換の炭素原子数7〜20のアラルキル基又は水酸基を表し、
Q’は、下記式:
【化6】
(式中、
n及びaは、上記と同様であり、
dは、0〜10の範囲の整数を表し、
eは、0〜10の範囲の整数を表す)
で表される基又は上記R1’と同一の基を表すが、但し、全てのQ’がR1’となることはなく、
x’は5〜1000の範囲の整数を表し、
y’は0〜100の範囲の整数を表す}
で表される、分子中にエポキシ基とエーテル鎖を有するオルガノポリシロキサンであることがより好ましい。
【0010】
前記界面活性剤は、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、及び、これらの混合物、或いは、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び、これらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。
【0011】
本発明に係るアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンは、(A)分子中に、下記式(3)、(4)又は(5):
【化7】
(これらの式中、
nは、上記と同様であり、
Nは、(a)カルボキシ基が保護されていないアミノ酸に由来する窒素原子を表し、式(5)中の
【化8】
はNが芳香族複素環を構成することを表す)
で表される部位を少なくとも1つ有するアミノ酸変性オルガノポリシロキサン、
(B)界面活性剤
(C)水
からなる。
【0012】
前記(a)カルボキシ基が保護されていないアミノ酸は、リジン、アルギニン及びヒスチジンからなる群から選択される塩基性アミノ酸が好ましい。
【0013】
前記(A)アミノ酸変性オルガノポリシロキサンは、下記一般式(3’):
【化9】
{式中、
Zは、オルガノポリシロキサン残基を表し、
R2は、−CH(COOH)−(CH2)3−NH−C(=NH)−NH2、−C(=NH)−NH−(CH2)3−CH(COOH)−NH2、−CH(COOH)−(CH2)3−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−C(=NH)−NH2、−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−(CH2)3−CH(COOH)−NH2、−C(=NH)−NH−(CH2)3−CH(COOH)−NH−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’、−CH(COOH)−(CH2)3−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−C(=NH)−NH−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’、−C(=NH)−NH−(CH2)3−CH(COOH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’、−CH(COOH)−(CH2)3−NH−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’、−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’’−Z’’’)−(CH2)3−CH(COOH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’、−CH(COOH)−(CH2)3−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’’−Z’’’)−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’、−(CH2)4−CH(NH2)COOH、−CH(COOH)−(CH2)4−NH2、−(CH2)4−CH(NH−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)COOH、−(CH2)4−CH(N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’)、及び、−CH(COOH)−(CH2)4−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’又は−CH(COOH)−CH2−イミダゾリル(これらの式中、Z’、Z’’及びZ’’’はそれぞれ独立してオルガノポリシロキサン残基を表し、n’、n’’及びn’’’はそれぞれ独立して1〜20の範囲の整数を表す)を表し、
nは、上記と同様である}、
下記一般式(4’):
【化10】
{式中、
Zは、上記と同様であり、
R3は、−CH(COOH)−(CH2)3−NH−C(=NH)−NH2、−C(=NH)−NH−(CH2)3−CH(COOH)−NH2、−(CH2)3−CH(COOH)−NH2、−CH(COOH)−(CH2)3−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−C(=NH)−NH2、−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−(CH2)3−CH(COOH)−NH2、−CH(COOH)−(CH2)3−NH−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’、−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−(CH2)3−CH(COOH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’’−Z’’’、−(CH2)4−CH(NH2)COOH、−CH(COOH)−(CH2)4−NH2、又は、−CH(COOH)−(CH2)4−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’又は−CH(COOH)−CH2−イミダゾリル(これらの式中、Z’、Z’’及びZ’’’、並びに、n’、n’’及びn’’’は上記と同様である)を表し、
R4は、−C(=NH)−NH2又は−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’’’−Z’’’’(式中、Z’’’’はポリシロキサン残基を表し、n’’’’は1〜20の範囲の整数を表す)を表し、
nは、上記と同様である}、又は、
下記一般式(5’):
【化11】
{式中、
Zは、上記と同様であり、
R5は、−CH2−CH(NH2)COOH、−CH2−CH(NH(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’))COOH又は−CH2−CH(N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’)COOH(これらの式中、Z’及びZ’’、並びに、n’及びn’’は上記と同様である)を表し、
nは、上記と同様である}で表されるものが好ましい。
【0014】
前記オルガノポリシロキサン残基は、下記一般式(6):
【化12】
{式中、
R1は、上記と同様であり、
Dは、−(CH2)a−O−(CbH2bO)c−(式中、a、b及びcは上記と同様である)又は上記R1と同一の基を表すが、但し、全てのDがR1となることはなく、
x及びyは上記と同様である}、又は、下記一般式(7):
【化13】
(式中、
R1及びD、並びに、r及びsは、上記と同様である。但し、r+sは3〜20の範囲の整数を表す)
で表すことができる。
【0015】
そして、前記(A)アミノ酸変性オルガノポリシロキサンは、分子中に、下記式(3’’)、(4’’)又は(5’’):
【化14】
(これらの式中、
n、a、d及びeは上記と同様である)
で表される部位を少なくとも1つ有するものがより好ましい。
【0016】
前記(A)アミノ酸変性オルガノポリシロキサンとしては、下記一般式(8):
【化15】
(式中、
R1’は、上記と同様であり、
QArgは下記式:
【化16】
(式中、
n、a、d及びeは、上記と同様である)で表される基又は上記R1’と同一の基を表すが、但し、全てのQArgがR1’となることはなく、
x’及びy’は上記と同様である}
で表されるアルギニン変性オルガノポリシロキサンが特に好ましい。
【0017】
前記アミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンは、前記(A)アミノ酸変性オルガノポリシロキサン100重量部を基準として、(B)界面活性剤 1〜100重量部、及び(C)水 10〜10,000重量部を含むことが好ましい。
【0018】
前記アミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンは化粧品原料として有用であり、化粧品に配合して使用することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の製造方法では、アミノ酸のカルボキシ基をアルカリ金属塩又はエステルの形で保護する必要がないので、アミノ酸変性オルガノポリシロキサンを含むエマルジョンを簡便な方法で効率よく製造することができる。また、製造後のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンからアルカリ金属又はアルコールを除去する必要もないので、当該エマルジョンは即時使用可能である。
【0020】
本発明に係るアミノ酸変性オルガノポリシロキサンは化粧品原料として有用であり、例えば、コンディショニング剤等の美容成分として化粧品に配合することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンの製造方法は、界面活性剤の存在下において、(a)カルボキシ基が保護されていないアミノ酸、及び、(b)分子中にエポキシ基を有するオルガノポリシロキサンを水性媒体中で反応させることを特徴とする。
【0022】
本発明において「カルボキシ基が保護されていないアミノ酸」とは、アミノ基が必須に有するカルボキシ基がエステル又は塩の形態で保護されておらず、−COOHの形態であることを意味している。本発明の製造方法で使用する(a)カルボキシ基が保護されていないアミノ酸は第1級アミノ基(−NH2)又は第2級アミノ基(−NH−)とカルボキシ基(−COOH)の両方に水素原子が存在するにも係わらず、第1級アミノ基又は第2級アミノ基のみが(b)分子中にエポキシ基を有するオルガノポリシロキサンのエポキシ基と選択的に反応する。したがって、本発明の製造方法では、原料として使用するアミノ酸のカルボキシ基をエステル化等して保護する必要がない。
【0023】
このように、本発明の製造方法では、アミノ酸をそのまま「(a)カルボキシ基が保護されていないアミノ酸」として原料として使用することができ、アミノ酸のカルボキシ基の保護工程(エステル化等)が不要なので、アミノ酸変性オルガノポリシロキサンを含むエマルジョンを簡便な方法で効率よく製造することができる。しかも、カルボキシ基を保護したアミノ酸を原料として使用する場合と異なり、アミノ酸変性オルガノポリシロキサンの合成後に脱保護を行う必要もないので、アミノ酸変性オルガノポリシロキサンの製造工程を大幅に簡略化することができ、しかも、得られるアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンは直ちに使用することができる。
【0024】
(a)カルボキシ基が保護されていないアミノ酸、及び、(b)分子中にエポキシ基を有するオルガノポリシロキサンの反応は、界面活性剤と共に、これらを水性媒体中で所望量混合することにより容易に実施することができる。混合手段としては、特に限定されるものではなく、パドル翼付攪拌機、プロペラ攪拌器、ヘンシェル型攪拌機、TKホモミクサー(特殊機化工業(株))、TKホモディスパー(特殊機化工業(株))等の周知の簡便な攪拌乃至混合装置を使用することができる。
【0025】
ただし、界面活性剤による乳化作用を促進させるために、高圧乳化装置やコロイドミル、コロイドミキサーのような高せん断力による乳化装置を使用することが好ましい。高圧乳化装置とは、装置内で一次エマルジョンを加圧することにより、高速の液流とし、この液流を分岐させて分岐した液流同士を衝突させたり、調節された微小間隙を通じてインパクトリングや回転体に衝突させたりすることにより発生する衝突力、剪断力、キャビテーション、乱流、超音波により一次エマルジョン中に含まれるオルガノポリシロキサンを微細化し、均一な乳化物を形成させることを目的とした装置である。具体的には、超高圧ガウリン型ホモジナイザー(ゴーリン社)、高圧ホモゲナイザー(株式会社イズミフードマシナリー製)、高圧ホモジナイザー(Rannie製)、マイクロフルイダイザー(Microfluidics製),ナノマイザー(ナノマイザー株式会社製)等が挙げられる。
【0026】
本発明で使用される(a)カルボキシ基が保護されていないアミノ酸の種類は、アミノ基とカルボキシ基を共に有する限り特に限定されるものではないが、リジン、アルギニン及びヒスチジンからなる群から選択される塩基性アミノ酸が好ましい。塩基性アミノ酸としてはアルギニンが特に好ましい。
【0027】
前記(b)分子中にエポキシ基を有するオルガノポリシロキサンは、エポキシ基を少なくとも1つ有するオルガノポリシロキサンであれば特に限定されるものではないが、下記一般式(1):
【化17】
{式中、
R1は、それぞれ独立して、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアリール基、非置換若しくは置換のアラルキル基、非置換若しくは置換のアルコキシ基、非置換若しくは置換のポリエーテル基、水酸基、−A−NH−B−NH2、−A−N(−B−NH2)2又は−CH2CH2Si(CH3)2−{OSi(CH3)2}t−OSi(CH3)3(これらの式中、A及びBは、それぞれ独立して、非置換若しくは置換のアルキレン基又は-CuH2u−O−CvH2v−(u、vは、それぞれ独立して、1〜5の範囲の整数を表す)を表し、tは0〜500の範囲の整数を表す)を表し、
Qは、下記式:
【化18】
(式中、aは1〜20の範囲の整数を表し、bは1〜10の範囲の整数を表し、cは0〜50の範囲の整数を表し、nは1〜20の範囲の整数を表す)で表される基又は上記R1と同一の基を表すが、但し、全てのQがR1となることはなく、
xは、1〜10000の範囲の整数を表し、
yは、0〜1000の範囲の整数を表す}、又は、下記一般式(2):
【化19】
(式中、
R1及びQは、上記と同様であり、
rは、1〜10の範囲の整数を表し、
sは、1〜10の範囲の整数を表す。但し、r+sは3〜20の範囲の整数を表す)
で表されるオルガノポリシロキサンが好ましい。
【0028】
アルキル基は、好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖状又は分岐状アルキル基が挙げられる。アルキル基としては、メチル基が特に好ましい。
【0029】
アルキル基は、環構造を有してもよい。環構造を有するアルキル基としては、炭素数3〜6のシクロアルキル基が好適であり、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。シクロアルキル基は上記の直鎖状又は分岐状アルキル基と複合した形態を有してもよく、例えば、シクロプロピルメチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基等が挙げられる。
【0030】
アリール基は、好ましくは炭素原子数6〜20のアリール基であり、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基等が挙げられる。フェニル基が特に好ましい。
【0031】
アラルキル基は、好ましくは炭素原子数7〜20のアラルキル基であり、前記アルキル基と前記アリール基が一体化した形態を有する。アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ジフェニルメチル基等が挙げられる。ベンジル基が特に好ましい。
【0032】
アルコキシ基は、好ましくは炭素原子数1〜20のアルコキシ基であり、前記アルキル基とオキシ基(−O−)が一体化した形態を有する。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペントキシ基等が挙げられる。メトキシ基が特に好ましい。
【0033】
ポリエーテル基は、−O(Cv’H2v’O)u’ R6(式中、v’は2〜4の整数であり、u’は4以上の整数を表し、R6は水素原子又は前記アルキル基を表す)で示される基である。ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基が好ましい。
【0034】
アルキレン基は、好ましくは炭素原子数1〜10のアルキレン基であり、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等である。
【0035】
アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、ポリエーテル基及びアルキレン基の炭素原子上の水素原子は、1以上の置換基によって置換されていてもよく、当該置換基は、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子)並びに水酸基から選択される。
【0036】
前記(b)分子中にエポキシ基を有するオルガノポリシロキサンは、エーテル鎖を有することが好ましく、例えば、下記一般式(1’):
【化20】
{式中、
R1’は、それぞれ独立して、非置換若しくは置換の炭素原子数1〜20のアルキル基、非置換若しくは置換の炭素原子数6〜20のアリール基、非置換若しくは置換の炭素原子数7〜20のアラルキル基又は水酸基を表し、
Q’は、下記式:
【化21】
(式中、
n及びaは、上記と同様であり、
dは、0〜10の範囲の整数を表し、
eは、0〜10の範囲の整数を表す。但しd+e≧1である)
で表される基又は上記R1’と同一の基を表すが、但し、全てのQ’がR1’となることはなく、
x’は5〜1000の範囲の整数を表し、
y’は0〜100の範囲の整数を表す}
で表される、分子中にエポキシ基とエーテル鎖を有するオルガノポリシロキサンがより好ましい。前記エーテル鎖としては、ポリエーテル鎖が好ましい。したがって、上記式中、d+e≧1であることが好ましい。
【0037】
本発明で使用される界面活性剤は、特に限定されるものではなく、アニオン性、カチオン性、両性及びノニオン性(非イオン性)のいずれの界面活性剤をも使用することができる。界面活性剤は単独で使用されてもよく2種類以上のものを併用してもよい。
【0038】
アニオン性界面活性剤としては、例えば、飽和若しくは不飽和高級脂肪酸塩(例えば、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、リノレン酸ナトリウム等)、長鎖アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸(例えば、ヘキシルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等)及びその塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、スルホコハク酸アルキルエステル塩、ポリオキシアルキレンスルホコハク酸塩、ポリオキシアルキレンスルホコハク酸アルキルエステル塩、ポリオキシアルキレン変性ジメチルポリシロキサンのスルホコハク酸エステルアルカリ金属塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、長鎖アルカンスルホン酸塩、長鎖アルキルスルホネート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩、長鎖アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、アシルグルタミン酸塩、α−アシルスルホン酸塩、長鎖アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、長鎖α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、長鎖アルカンスルホン酸塩、長鎖アルキル又はアルケニル硫酸塩、長鎖アルキルアミド硫酸塩、長鎖アルキル又はアルケニルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N−アシルアミノ酸塩、スルホコハク酸塩、アルキルアルキルエーテルカルボン酸塩、アミドエーテルカルボン酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、アラニン誘導体、グリシン誘導体、アルギニン誘導体が挙げられる。上記の塩として、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩、アンモニウム塩が挙げられるが、ナトリウム塩が好ましい。
【0039】
カチオン性界面活性剤としては、例えば、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化牛脂アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、オクチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ドデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化ジオクチルジメチルアンモニウム、塩化ジ(POE)オレイルメチルアンモニウム(2EO)、塩化ベンザルコニウム、塩化アルキルベンザルコニウム、塩化アルキルジメチルベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、ラノリン誘導四級アンモニウム塩、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、塩化ベヘニン酸アミドプロピルジメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、塩化ステアロイルコラミノホルミルメチルピリジニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化トール油アルキルベンジルヒドロキシエチルイミダゾリニウム、ベンジルアンモニウム塩が挙げられる。
【0040】
両性界面活性剤としては、リン脂質が好ましい。リン脂質としては、レシチン、ホスフアチジルエタノールアミン、ホスフアチジン酸、ホスフアチジルイノシトール、ホスフアチジルセリン、ホスフアチジルコリン、ホスフアチジルグリセロール、スフインゴミエリン、カルジオリピン、これらの水素添加物が挙げられる。特に大豆レシチン、卵黄レシチン、コーンレチシン、綿実油レシチン、ナタネレシチン等を水素添加した水素添加天然レシチンが好ましい。
【0041】
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレン脂肪酸ジエステル類、ポリオキシアルキレン樹脂酸エステル類、ポリオキシアルキレン(硬化)ヒマシ油類、ポリオキシアルキレンアルキルフェノール類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシアルキレンフェニルフェニルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルエステル類、ポリオキシアルキレンアルキルエステル類、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリグリセリンアルキルエーテル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸エステル類、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグルコシド類、ポリオキシアルキレン脂肪酸ビスフェニルエーテル類、ポリプロピレングリコール、ポリエーテル変性シリコーンすなわちポリオキシアルキレン変性ジオルガノポリシロキサン、ポリグリセリル変性シリコーン、グリセリル変性シリコーン、糖変性シリコーン、パーフルオロポリエーテル系界面活性剤、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、アルキルポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマーエーテルが挙げられる。
【0042】
前記界面活性剤は、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、及び、これらの混合物からなる群、或いは、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び、これらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。
【0043】
界面活性剤として、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、又は、これらの混合物を使用する場合は、本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンは皮膚用化粧品に好適に配合することができる。
【0044】
界面活性剤として、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、又は、これらの混合物を使用する場合は、本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンは毛髪用化粧品に好適に配合することができる。
【0045】
前記水性媒体は、水、又は、水と親水性媒体との混合物である。水としては、人体に有害な成分を含有せず、清浄であればよく、水道水、精製水、ミネラルウォーターが挙げられる。親水性媒体としては、例えば、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等の1価の低級アルコール;1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等の2価アルコール;ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール;グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコールが挙げられる。親水性媒体は単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
【0046】
上記の製造方法により得ることができる本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンは、(A)分子中に、下記式(3)、(4)又は(5):
【化22】
(これらの式中、
nは、上記と同様であり、
Nは、(a)カルボキシ基が保護されていないアミノ酸に由来する窒素原子を表し、式(5)中の
【化23】
はNが芳香族複素環を構成することを表す)
で表される部位を少なくとも1つ有するアミノ酸変性オルガノポリシロキサン、
(B)界面活性剤
(C)水
からなる。本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンは、好適には、前記(A)アミノ酸変性オルガノポリシロキサン100重量部を基準として、(B)界面活性剤 1〜100重量部、好ましくは1〜50重量部、より好ましくは1〜10重量部、及び、(C)水 10〜10000重量部、好ましくは100〜10000重量部、より好ましくは1000〜10000重量部を含む。
【0047】
本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンは、水性媒体からなる連続相中にアミノ酸変性オルガノポリシロキサンからなる不連続相が分散する水中油型エマルジョンである。前記不連続相は粒子の形態であり、当該粒子の粒径は特に限定されるものではないが、レーザー回折・散乱法により測定した平均粒子径は100μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、10μm以下が更により好ましく、5μm以下が更により好ましく、1μm以下が更により好ましく、0.5μm以下が更により好ましく、0.2μm以下が特に好ましい。
【0048】
前記(a)カルボキシ基が保護されていないアミノ酸は、好適には、リジン、アルギニン及びヒスチジンからなる群から選択される塩基性アミノ酸である。この場合、上記式(5)における前記芳香族複素環は、ヒスチジン由来のイミダゾール環である。リジン、アルギニン及びヒスチジン中に存在するカルボキシ基はフリー(−COOH)の状態であり、塩の形態ではなく、また、エステル化もされていない。
【0049】
前記(A)アミノ酸変性オルガノポリシロキサンは、下記一般式(3’):
【化24】
{式中、
Zは、オルガノポリシロキサン残基を表し、
R2は、−CH(COOH)−(CH2)3−NH−C(=NH)−NH2、−C(=NH)−NH−(CH2)3−CH(COOH)−NH2、−CH(COOH)−(CH2)3−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−C(=NH)−NH2、−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−(CH2)3−CH(COOH)−NH2、−C(=NH)−NH−(CH2)3−CH(COOH)−NH−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’、−CH(COOH)−(CH2)3−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−C(=NH)−NH−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’、−C(=NH)−NH−(CH2)3−CH(COOH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’、−CH(COOH)−(CH2)3−NH−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’、−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’’−Z’’’)−(CH2)3−CH(COOH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’、−CH(COOH)−(CH2)3−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’’−Z’’’)−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’、−(CH2)4−CH(NH2)COOH、−CH(COOH)−(CH2)4−NH2、−(CH2)4−CH(NH−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)COOH、−(CH2)4−CH(N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’)、−CH(COOH)−(CH2)4−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’又は−CH(COOH)−CH2−イミダゾリル(これらの式中、Z’、Z’’及びZ’’’はそれぞれ独立してオルガノポリシロキサン残基を表し、n’、n’’及びn’’’はそれぞれ独立して1〜20の範囲の整数を表す)を表し、
nは、上記と同様である}、下記一般式(4’):
【化25】
{式中、
Zは、上記と同様であり、
R3は、−CH(COOH)−(CH2)3−NH−C(=NH)−NH2、−C(=NH)−NH−(CH2)3−CH(COOH)−NH2、−(CH2)3−CH(COOH)−NH2、−CH(COOH)−(CH2)3−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−C(=NH)−NH2、−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−(CH2)3−CH(COOH)−NH2、−CH(COOH)−(CH2)3−NH−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’、−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−(CH2)3−CH(COOH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’’−Z’’’、−(CH2)4−CH(NH2)COOH、−CH(COOH)−(CH2)4−NH2、−CH(COOH)−(CH2)4−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’又は−CH(COOH)−CH2−イミダゾリル(これらの式中、Z’、Z’’及びZ’’’、並びに、n’、n’’及びn’’’は上記と同様である)を表し、
R4は、−C(=NH)−NH2又は−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’’’−Z’’’’(式中、Z’’’’はポリシロキサン残基を表し、n’’’’は1〜20の範囲の整数を表す)を表し、
nは、上記と同様である}、又は、下記一般式(5’):
【化26】
{式中、
Zは、上記と同様であり、
R5は、−CH2−CH(NH2)COOH、−CH2−CH(NH(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’))COOH又は−CH2−CH(N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’)COOH(これらの式中、Z’及びZ’’、並びにn’及びn’’は上記と同様である)を表し、
nは、上記と同様である}で表されるものが好ましい。
【0050】
上記式(3’)、(4’)及び(5’)中、l’、l’’及びl’’’、 m’、m’’及びm’’’、並びに、n’及びn’’は、それぞれ、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜4の範囲の整数であり、更により好ましくは1又は2であり、特に好ましくは1である。
【0051】
前記オルガノポリシロキサン残基は、下記一般式(6):
【化27】
{式中、
R1は、上記と同様であり、
Dは、式:−(CH2)a−O−(CbH2bO)c−(式中、a、b及びcは上記と同様である)で表される基又は上記R1と同一の基を表すが、但し、全てのDがR1となることはなく、
x及びyは上記と同様である}、又は、下記一般式(7):
【化28】
(式中、
R1及びDは、上記と同様であり、
r及びsは、上記と同様である。但し、r+sは3〜20の範囲の整数を表す)
で表されるものであることが好ましい。
【0052】
前記(A)アミノ酸変性オルガノポリシロキサンは、分子中に、下記式(3’’)、(4’’)又は(5’’):
【化29】
(これらの式中、
n、a、d及びeは上記と同様である)
で表される部位を少なくとも1つ有することがより好ましい。
【0053】
ところで、リジン、アルギニン及びヒスチジンは、それぞれ、以下に矢印で示す2以上の反応性窒素原子を有する。
【化30】
【0054】
したがって、前記(a)カルボキシ基が保護されていないアミノ酸がリジン、アルギニン及びヒスチジンからなる群から選択される塩基性アミノ酸である場合の本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンは、上記式(3)、(4)若しくは(5)、又は、上記式(3’’)、(4’’)若しくは(5’’)で表される部位を一分子中に有する塩基性アミノ酸変性ポリシロキサンの混合物、或いは、上記一般式(1’)、(2’)又は(3’)で表される塩基性アミノ酸変性ポリシロキサンの混合物である。これらは、エポキシ基の開環反応に由来する−CH(OH)−CH2−の2価の部位が前記反応性窒素原子に結合した構造を共通に有する。
【0055】
前記塩基性アミノ酸としては、アルギニンが好ましい。したがって、本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンとして好ましいのはアルギニン変性オルガノポリシロキサンである。
【0056】
前記アルギニン変性ポリシロキサンとしては、アルギニンと上記一般式(1’)で表される、分子中にエポキシ基とエーテル鎖を有するオルガノポリシロキサンとの反応により得られるものが好ましい。そのようにして得られたアルギニン変性オルガノポリシロキサンは、例えば、下記式(これらの式中、a、d、e及びnは上記と同様である)で表される部位を分子中に有する複数のアルギニン変性ポリシロキサンの混合物である。
【0057】
【化31】
【0058】
【化32】
【0059】
【化33】
【0060】
【化34】
【0061】
【化35】
【0062】
【化36】
【0063】
【化37】
【0064】
上記の各式で表されるアルギニン変性ポリシロキサンの中では、式
【化38】
で表される部位を有するものが特に好ましい。したがって、特に好ましい本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンは、下記一般式(9):
【化39】
(式中、
R1’は、上記と同様であり、
QArgは下記式:
【化40】
(式中、
n、a、d及びeは、上記と同様である)で表される基又は上記R1’と同一の基を表すが、但し、全てのQArgがR1’となることはなく、
x’及びy’は上記と同様である}
で表されるアルギニン変性オルガノポリシロキサンである。
【0065】
本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンはコンディショニング効果(例えば、毛髪の櫛通り及び感触の改善)、帯電防止効果、保湿効果、起泡性改善効果、濯ぎ性改善効果、肌上でのべとつき感の改善効果等に優れており、化粧品原料として有用である。したがって、本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンは、美容成分として、化粧品一般に使用される化粧品原料と組み合わせて、化粧品に配合することができる。
【0066】
化粧品一般に使用される化粧品原料としては、油剤、親水性媒体、保湿剤、シリコーン類、紫外線遮蔽剤、水溶性高分子、水膨潤性粘土鉱物、防腐剤、抗菌剤、生理活性成分、pH調整剤、有機溶媒、酸化防止剤、キレート化剤、香料、色素等が挙げられる。
【0067】
油剤は、疎水性であれば、起源を問わず、固形、半固形、液体のいずれでもよく、不揮発性、半揮発性、揮発性のいずれでよい。具体的には、シリコーンオイル、炭化水素油及びワックス、動植物油、高級アルコール、エステル油等が挙げられる。シリコーンオイル類がさっぱりとした使用感を付与できるので好ましい。油剤は1種類であってもよく、或いは、2種類以上を混合して使用してもよい。化粧品中の油剤の配合量は、化粧品の全質量の1〜50質量%が好ましい。
【0068】
シリコーンオイルの分子構造は、環状、直鎖状、分岐状のいずれであってもよい。25℃における粘度は、通常、0.65〜100,000mm2/sの範囲であり、0.65〜10,000mm2/sの範囲が好ましい。具体的には、環状シリコーンオイルとしては、ヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6)、1,1−ジエチルヘキサメチルシクロテトラシロキサン、フェニルヘプタメチルシクロテトラシロキサン、1、1−ジフェニルヘキサメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラシクロヘキシルテトラメチルシクロテトラシロキサン、トリス(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメチルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラ(3−アミノプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(3−メルカプトプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(3−グリシドキシプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(3−メタクリロキシプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(3−アクリロキシプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(3−カルボキシプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(3−ビニロキシプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(p−ビニルフェニル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ[3−(p−ビニルフェニル)プロピル]テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ[3−(p−イソプロペニルベンゾイルアミノ)プロピル]テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(N−メタクリロイル−N−メチル−3−アミノプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(N−ラウロイル−N−メチル−3−アミノプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(N−アクリロイル−N−メチル−3−アミノプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(N,N−ビス(メタクリロイル)−3−アミノプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(N,N−ビス(ラウロイル)−3−アミノプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン等が挙げられる。直鎖状シリコーンオイルとしては、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シロキサン共重合体、α,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン、α,ω−ジメトキシポリジメチルシロキサン、テトラメチル−1,3−ジヒドロキシジシロキサン、オクタメチル−1,7−ジヒドロキシテトラシロキサン、ヘキサメチル−1,5−ジエトキシトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン等が挙げられる。分岐状シリコーンオイルとしては、メチルトリストリメチルシロキシシラン、エチルトリストリメチルシロキシシラン、プロピルトリストリメチルシロキシシラン、テトラキストリメチルシロキシシラン、フェニルトリストリメチルシロキシシランが挙げられる。これらの中でも、揮発性のものが好ましい。これら2種類以上を併用してもよい。
【0069】
炭化水素油及びワックスとしては、オゾケライト、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、ポリブテン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。
【0070】
動植物油としては、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、イボタロウ、エノ油、オリーブ油、カカオ脂、カポックロウ、カヤ油、カルナウバロウ、肝油、キャンデリラロウ、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、キョウニン油、鯨ロウ、硬化油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シアバター、シナギリ油、シナモン油、ジョジョバロウ、セラックロウ、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、豚脂、ナタネ油、日本キリ油、ヌカロウ、胚芽油、馬脂、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ベイベリーロウ、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミツロウ、ミンク油、綿実油、綿ロウ、モクロウ、モクロウ核油、モンタンロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、羊脂、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、卵黄油等が挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。
【0071】
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、モノオレイルグリセリルエーテル(セラキルアルコール)等が挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。
【0072】
エステル油としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、イソノナン酸イソノニル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等;グリセライド油としては、アセトグリセリル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル等が挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。
【0073】
親水性媒体としては、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等の1価低級アルコール;1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等の2価アルコール;ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール;グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコールが挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。化粧品における親水性媒体の配合量は、化粧品の全質量の1〜80質量%が好ましい。
【0074】
保湿剤としては、グルコース、キシリトール、マルチトール、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ピロリドンカルボン酸塩、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド等が挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。なお、親水性媒体である1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等も化粧品の保湿感の向上に寄与する場合がある。化粧品における保湿剤の配合量は、化粧品の全質量の0.1〜30質量%が好ましい。
【0075】
シリコーン類としては、例えば、ガム状シリコーン、シリコーン樹脂及びシリコーンエラストマー粉末が挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。
【0076】
ガム状シリコーンは、超高重合度の直鎖状ジオルガノポリシロキサンであり、シリコーン生ゴム又はオルガノポリシロキサンガムと称されている。代表例として、(CH3)3SiO{(CH3)2SiO}f{(CH3)R7SiO}gSi(CH3)3(式中、R7はビニル基、フェニル基、炭素数が6〜20のアルキル基、炭素数3〜15のアミノアルキル基、炭素数3〜15のパーフロロアルキル基、炭素数3〜15の4級アンモニウム塩基含有アルキル基から選択され、f=3000〜6000、g=0〜1000、f+g=3000〜6000)で表されるものがある。これら2種類以上を併用してもよい。
【0077】
シリコーン樹脂は、高度の分岐状構造、網状構造又は籠状構造を有するオルガノポリシロキサンであり、常温で液状又は固形状である。固形状のシリコーン樹脂には、例えば、トリオルガノシロキシ単位(M単位)(オルガノ基はメチル基のみ、メチル基とビニル基若しくはフェニル基である)、ジオルガノシロキシ単位(D単位)(オルガノ基はメチル基のみ、メチル基とビニル基若しくはフェニル基である)、モノオルガノシロキシ単位(T単位)(オルガノ基はメチル基、ビニル基、又はフェニル基である)及びシロキシ単位(Q単位)の任意の組み合わせからなるMQ樹脂、MDQ樹脂、MTQ樹脂、MDTQ樹脂、TD樹脂、TQ樹脂、TDQ樹脂がある。更には、トリメチルシロキシケイ酸、ポリアルキルシロキシケイ酸、ジメチルシロキシ単位含有トリメチルシロキシケイ酸、アルキル(パーフルオロアルキル)シロキシケイ酸等が挙げられる。これらのシリコーン樹脂は油溶性であることが好ましく、オクタメチルテトラシロキサン(D4)やデカメチルシクロペンタシロキサン(D5)に溶解しうるものが特に好ましい。これら2種類以上を併用してもよい。
【0078】
ガム状シリコーン及びシリコーン樹脂は、単独で化粧品に配合しても構わないが、揮発性又は不揮発性シリコーンオイル、或いは、揮発性又は不揮発性炭化水素油へ溶解させて配合することもできる。ガム状シリコーン及びシリコーン樹脂の配合量は、化粧品の総量の0.1〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。皮膚への密着性のより高い化粧品を得るためには、化粧品100重量部当たりガム状シリコーン又はシリコーン樹脂50〜500重量部が好ましい。
【0079】
シリコーンエラストマー粉末は、主として直鎖状ジオルガノポリシロキサンの架橋物であり、球状、扁平状、不定形状等種々の形状をとりうる。粒子形状を有するシリコーンエラストマーであり、電子顕微鏡を用いた観察による一次粒子径及び/又はレーザー回析・散乱法で測定された平均一次粒子径が0.1〜50μmの範囲に入り、かつ一次粒子の形状が球状のシリコーンエラストマー粉末が好ましい。シリコーンエラストマー粉末を構成するシリコーンエラストマーは、JIS K 6253「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法」のタイプAデュロメータによる硬さが80以下が好ましく、65以下がより好ましい。2種類以上のシリコーンエラストマー粉末を併用してもよい。
【0080】
シリコーンエラストマー粉末は、例えば、2つ以上のアルケニル基を含有するジオルガノポリシロキサンと2つ以上のケイ素原子結合水素原子を有するアルキルハイドロジェンポリシロキサンと塩化白金酸からなる組成物を、乳化状態又は噴霧状態で硬化させることにより製造することができる。アルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンとしては、例えば、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンが挙げられるが、α,ω−アルケニルジエン、グリセリントリアリルエーテル、ポリオキシアルキニル化グリセリントリアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ポリオキシアルキニル化トリメチロールプロパントリアリルエーテル等のように、分子中に二つ以上のビニル基やアリル基を有する有機化合物でもよい。
【0081】
シリコーンエラストマー粉末は、例えば、特開平2−243612号公報、特開平8−12545号公報、特開平8−12546号公報、特開平8−12524号公報、特開平9−241511号公報、特開平10−36219号公報、特開平11−193331号公報、特開2000−281523号公報等に記載されているものが挙げられる。市販品として東レ・ダウコーニング株式会社製トレフィルEシリーズのトレフィルE−505、E−506、E−507、E−508等があり、「化粧品種別配合成分規格」収載の架橋型シリコーン末が該当する。これらのシリコーンエラストマー粉末は表面処理がされていてもよく、表面処理剤の例としては、メチルハイドロジェンポリシロキサン、シリコーンレジン、金属石鹸、シランカップリング剤、シリカ、酸化チタン等の無機酸化物、パーフルオロアルキルシラン、パーフルオロアルキルリン酸エステル塩等のフッ素化合物が挙げられる。
【0082】
シリコーンエラストマー粉末は、油性成分との混練物であるペースト状物や、水系分散体の形で化粧品に配合することが好ましい。より詳しくは、例えば、シリコーンエラストマー粉末と、エステル油、炭化水素油、高級アルコール及び動植物油からなる群から選ばれる常温で液体の油剤とを混練して作られたペースト状物;シリコーンエラストマー粉末を機械力で乳化剤含有水中に分散したものが挙げられる。
【0083】
シリコーンエラストマー粉末は粒子径が10μmを超えるものも多く、水性組成物に安定に配合することが難しかったが、本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンと併用することにより安定に配合することができる。化粧品におけるオルガノポリシロキサンエラストマー粉体の配合量は、化粧品の全質量の0.1〜30質量%が好ましい。
【0084】
シリコーン類として、シリコーン変性有機重合体を配合してもよい。シリコーン変性有機重合体としては、例えば、ポリジメチルシロキサングラフト型アクリル系共重合体、特開2000−063225に開示されているカルボキシシロキサンデンドリマーグラフト型アクリル系共重合体、及び特開2003−226611に開示されているカルボキシシロキサンデンドリマー構造及びフッ化有機基を有するアクリル系共重合体が挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。
【0085】
紫外線遮蔽剤は、無機系と有機系のUVスクリーン剤のいずれであってもよい。無機系のUVスクリーン剤は、典型的には無機系粉体であり、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、低次酸化チタン、鉄ドーピング酸化チタン等の金属酸化物、水酸化鉄等の金属水酸化物、板状酸化鉄、アルミニウムフレーク等の金属フレーク類、炭化珪素等のセラミック類が挙げられる。このうち、平均粒子径が1〜100nmの範囲にある微粒子金属酸化物若しくは微粒子金属水酸化物から選ばれる少なくとも一種であることが特に好ましい。これら2種類以上を併用してもよい。これらの粉体は、従来公知の表面処理、例えばフッ素化合物処理(パーフルオロアルキルリン酸エステル処理やパーフルオロアルキルシラン処理、パーフルオロポリエーテル処理、フルオロシリコーン処理、フッ素化シリコーン樹脂処理が好ましい)、シリコーン処理(メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、ジメチルポリシロキサン処理、気相法テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン処理が好ましい)、シリコーン樹脂処理(トリメチルシロキシケイ酸処理が好ましい)、ペンダント処理(気相法シリコーン処理後にアルキル鎖等を付加する方法)、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、シラン処理(アルキルシランやアルキルシラザン処理が好ましい)、油剤処理、N−アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属石鹸処理(ステアリン酸やミリスチン酸塩が好ましい)、アクリル樹脂処理、金属酸化物処理等がされていることが好ましく、これらの処理の複数で処理されていることが好ましい。例えば、微粒子酸化チタン表面を酸化ケイ素やアルミナ等の金属酸化物で被覆した後、アルキルシランで表面処理すること等が挙げられる。表面処理量は、粉体に対して総計で0.1〜50質量%の範囲にあることが好ましい。
【0086】
有機系のUVスクリーン剤としては、例えば、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸オクチル、サリチル酸トリエタノールアミン等のサリチル酸系;パラアミノ安息香酸、エチルジヒドロキシプロピルパラアミノ安息香酸、グリセリルパラアミノ安息香酸、オクチルジメチルパラアミノ安息香酸、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルへキシル等のPABA系;4-(2-β-グルコピラノシロキシ)プロポキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸及びその三水塩、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2、2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−N−オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(別名;パラメトキシケイ皮酸オクチル)、ジパラメトキシケイ皮酸モノ-2-エチルヘキサン酸グリセリル、2,5−ジイソプロピルケイ皮酸メチル、2,4,6−トリス[4−(2−エチルへキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、p−メトキシハイドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩等のケイ皮酸系;2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−硫酸、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン等のベンゾイルメタン系;2―シアノ―3,3―ジフェニルプロパ―2―エン酸2―エチルヘキシルエステル(別名;オクトクリレン)、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルへキシル、1−(3,4−ジメトキシフェニル)−4,4−ジメチル−1,3−ペンタンジオン、シノキサート、メチル−O−アミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、3−(4−メチルベンジリデン)カンフル、オクチルトリアゾン、4−(3,4−ジメトキシフェニルメチレン)−2,5−ジオキソ−1−イミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、これらの高分子誘導体、及びシラン誘導体が挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。
【0087】
有機系のUVスクリーン剤をポリマー粉末中に分散させたものを使用してもよい。ポリマー粉末は中空又は中実であり、平均一次粒子径は好ましくは0.1〜50μmの範囲であり、粒度分布はブロード又はシャープである。ポリマーの種類としてはアクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、シリコーン樹脂、ナイロン、アクリルアミド樹脂等が挙げられる。有機系UVスクリーン剤を0.1〜30質量%の範囲で含有するポリマー粉末が好ましく、特にUV−A吸収剤である4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンを含有するポリマー粉末が好ましい。
【0088】
紫外線遮蔽剤としては、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤からなる群より選ばれる少なくとも1種が、汎用されており、入手が容易で、かつ紫外線防御効果が高いため好適に使用することができる。特に、無機系と有機系のUVスクリーン剤を併用することが好ましく、UV−Aに対応したUVスクリーン剤とUV−Bに対応したUVスクリーン剤を併用することが更に好ましい。化粧品における紫外線遮蔽剤の配合量は、無機系及び/又は有機系UVスクリーン剤の合計で、化粧品の0.1〜60質量%の範囲にあることが好ましく、3〜40質量%がより好ましい。更に、無機系のUVスクリーン剤の配合量は化粧品の0.1〜30質量%の範囲が好ましく、有機系UVスクリーン剤は、化粧品の0.1〜20質量%の範囲が好ましい。
【0089】
水溶性高分子としては、両性、カチオン性、アニオン性又は非イオン性の水溶性高分子が挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。
【0090】
両性水溶性高分子としては、例えば、両性化デンプン、塩化ジメチルジアリルアンモニウム誘導体(例えば、アクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体、アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体)、メタクリル酸誘導体(例えば、ポリメタクリロイルエチルジメチルベタイン、N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキル共重合体等)が挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。
【0091】
カチオン性水溶性高分子としては、例えば、第4級窒素変性ポリサッカライド(例えば、カチオン変性セルロース、カチオン変性ヒドロキシエチルセルロース、カチオン変性グアーガム、カチオン変性ローカストビーンガム、カチオン変性デンプン等)、塩化ジメチルジアリルアンモニウム誘導体(例えば、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム等)、ビニルピロリドン誘導体(例えば、ビニルピロリドン・ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体塩、ビニルピロリドン・メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド共重合体、ビニルピロリドン・塩化メチルビニルイミダゾリウム共重合体等)、メタクリル酸誘導体(例えば、メタクリロイルエチルジメチルベタイン・塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム・メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体、メタクリロイルエチルジメチルベタイン・塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム・メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール共重合体等)が挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。
【0092】
アニオン性水溶性高分子としては、例えば、ポリアクリル酸又はそのアルカリ金属塩、ポリメタアクリル酸又はそのアルカリ金属塩、ヒアルロン酸又はそのアルカリ金属塩、アセチル化ヒアルロン酸又はそのアルカリ金属塩、メチルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体の加水分解物等の脂肪族カルボン酸又はその金属塩の水溶性重合体、カルボキシメチルセルロース又はそのアルカリ金属塩、メチルビニルエーテル−マレイン酸ハーフエステル共重合体、アクリル樹脂アルカノールアミン液、カルボキシビニルポリマーが挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。
【0093】
非イオン性水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルピロリドン、高重合ポリエチレングリコール、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、セルロース又はその誘導体(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース)、ケラチン及びコラーゲン又はその誘導体、アルギン酸カルシウム、プルラン、寒天、ゼラチン、タマリンド種子多糖類、キサンタンガム、カラギーナン、ハイメトキシルペクチン、ローメトキシルペクチン、グァーガム、ペクチン、アラビアゴム、結晶セルロース、アラビノガラクタン、カラヤガム、トラガカントガム、アルギン酸、アルブミン、カゼイン、カードラン、ジュランガム、デキストラン、クインスシードガム、トラガントガム、キチン・キトサン誘導体、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ等)、ケラチン及びコラーゲン又はその誘導体等の天然の高分子化合物が挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。
【0094】
水溶性高分子は、水に溶解又は分散させて均一な水溶液又は分散液にしてから、他の化粧品原料と混合することが好ましい。化粧品における水溶性高分子の配合量は、化粧品の0.001〜5質量%の範囲にあることが好ましく、0.01〜3質量%がより好ましい。0.001質量%未満の配合量の場合には十分な増粘効果が望めず、5質量%を超えて配合すると化粧品の粘度が高くなりすぎ、使用感が劣ることになりかねない。
【0095】
水膨潤性粘土鉱物は、三層構造を有するコロイド含有ケイ酸アルミニウムの一種であり、例えば、式:(X,Y)2−3(Si,Al)4O10(OH)2Z1/3・nH2O (式中、Xは、Al、Fe(III)、Mn(III)又はCr(III)であり、Y は、Mg、Fe(II)、Ni、Zn又はLiであり、Zは、K、Na又はCaである)で表されるものが挙げられる。このような水膨潤性粘土鉱物として、具体的には、ベントナイト、モンモリロナイト、パイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ケイ酸アルミニウムマグネシウムが例示され、これらは天然物及び合成物のいずれであってもよい。これら2種類以上を併用してもよい。
【0096】
水膨潤性粘土鉱物は、水に溶解又は分散させて均一な水溶液又は分散液にしてから、他の化粧品原料と混合することが好ましい。化粧品における水膨潤性粘土鉱物の配合量は、化粧品の0.001〜5質量%の範囲にあることが好ましく、0.01〜3質量%がより好ましい。0.001質量%未満の配合量の場合には十分な増粘効果が望めず、5質量%を超えて配合すると化粧品の粘度が高くなりすぎ、使用感が劣ることになりかねない。
【0097】
防腐剤としては、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノールが挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。化粧品におけるシリコーン類の配合量は、化粧品の全質量の0.1〜5質量%が好ましい。
【0098】
抗菌剤としては、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、トリクロサン、感光素、フェノキシエタノール、メチルイソチアゾリノン等が挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。化粧品におけるシリコーン類の配合量は、化粧品の全質量の0.1〜5質量%が好ましい。
【0099】
生理活性成分としては、例えば、抗炎症剤、老化防止剤、ひきしめ剤、発毛剤、育毛剤、血行促進剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分が挙げられる。その中でも、天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分からなるものが特に好ましい。化粧品には、これらの生理活性成分を1種又は2種以上配合することが好ましい。化粧品における生理活性成分の配合量は、化粧品の全質量の0.1〜10質量%が好ましい。
【0100】
具体的には、例えばアシタバエキス、アボガドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カルカデエキス、カキョクエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、グアノシン、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、ザクロエキス、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、ハスエキス、パセリエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
【0101】
また、デオキシリボ核酸、ムコ多糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜等の生体高分子;グリシン、ヴァリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン等のアミノ酸;エストラジオール、エテニルエストラジオール等のホルモン;スフィンゴ脂質、セラミド、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質等の油性成分;ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β−グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン、アラントイン、トラネキサム酸、アズレン等の抗炎症剤;ビタミンA,B2,B6,C,D,E,パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンCエステル等のビタミン類;アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分;α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸等の細胞賦活剤;γ−オリザノール、ビタミンE誘導体等の血行促進剤;レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤;セファランチン、カンゾウ抽出物、トウガラシチンキ、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシン、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸、ニコチン酸誘導体、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、アセチルパントテニルエチルエーテル、ビオチン、アラントイン、イソプロピルメチルフェノール、エストラジオール、エチニルエステラジオール、塩化カプロニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、タカナール、カンフル、サリチル酸、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、ピロクトンオラミン、ペンタデカン酸グリセリル、l−メントール、カンフル等の清涼剤;モノニトログアヤコール、レゾルシン、γ−アミノ酪酸、塩化ベンゼトニウム、塩酸メキシレチン、オーキシン、女性ホルモン、カンタリスチンキ、シクロスポリン、ジンクピリチオン、ヒドロコルチゾン、ミノキシジル、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ハッカ油、ササニシキエキス等の育毛剤等が挙げられる。
【0102】
pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl−リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。化粧品におけるpH調整剤の配合量は、化粧品の全質量の0.1〜5質量%が好ましい。
【0103】
有機溶媒としては、例えば、エーテル類があり、更に、プロペラントとしてLPG、N−メチルピロリドン、次世代フロンが挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。化粧品における有機溶媒の配合量は、化粧品の全質量の0.1〜50質量%が好ましい。
【0104】
酸化防止剤(抗酸化剤)としては、例えば、トコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、フィチン酸、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニンが挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。化粧品における酸化防止剤の配合量は、化粧品の全質量の0.1〜5質量%が好ましい。
【0105】
キレート化剤としては、例えば、EDTA、アラニン、エデト酸ナトリウム塩、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸が挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。化粧品におけるキレート化剤の配合量は、化粧品の全質量の0.1〜5質量%が好ましい。
【0106】
香料としては、例えば、生理活性成分として例示した各種の抽出物を含め、様々な植物の花、種子、葉、根等から抽出した香料、海藻類から抽出した香料、動物の各部位又は分泌物から抽出した香料(例、じゃこう、マッコウ)、人工的に合成した香料(例、メントール、ムスク、酢酸エステル、バニラ)が挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。化粧品における香料の配合量は、化粧品の全質量の0.1〜5質量%が好ましい。
【0107】
色素としては、例えば、染料、顔料、蛍光増白剤があり、染料には水溶性染料、油溶性染料、天然系染料、合成染料等があり、顔料には体質顔料、無機顔料、有機顔料等がある。これら2種類以上を併用してもよい。化粧品における色素の配合量は、化粧品の全質量の0.1〜5質量%が好ましい。
【0108】
本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョン及び上記の化粧品一般に使用される化粧品原料の化粧品中での配合量は、化粧品の種類、用途、特性、性状等に応じて様々であり、特に限定されない。したがって、化粧品中のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンの配合量は0.1〜99.9質量%、1〜99質量%、10〜90質量%、20〜80質量%、30〜70質量%、40〜60質量%等の範囲で適宜設定することができる。したがって、例えば、本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンと色素及び香料のみからなる化粧品の場合は、アミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンの配合量が99質量%を上回ることがあり得る。
【0109】
本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンが配合される化粧品の形態及び性状は特に限定されるものではないが、水中油型エマルジョン形態の化粧品、特にレーザー回折・散乱法を用いて測定した平均粒子径が10.0μm未満、0.5μm(500nm)未満、特には0.2μm(200nm)未満の分散相を連続水相中に有する水中油型エマルジョン化粧品であることが好ましい。平均粒子径が0.5μm未満の水中油型エマルジョン化粧品は半透明から白濁の外観を呈し、経時安定性に特に優れるという利点を有する。
【0110】
水中油型エマルジョンの形態の化粧品は、パドル翼付攪拌機、プロペラ攪拌器、ヘンシェル型攪拌機、TKホモミクサー(特殊機化工業(株))、TKホモディスパー(特殊機化工業(株))等の公知の攪拌装置、混合装置或いは乳化装置を用いて、本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョン及び上記の化粧品一般に使用される化粧品原料を所望量の水と混合することにより得ることができる。混合にあたっては既述したような高圧乳化装置やコロイドミル、コロイドミキサーのような高せん断力による乳化装置は必ずしも必要ではないが、小粒径ないし微細な粒径の安定な水中油型エマルジョンを得ることができるのでそのような装置を使用することが好ましい。
【0111】
水中油型エマルジョンの形態の化粧品を製造するには、例えば、まず、分散相を構成する成分を均一に混合して予備混合物を調製する。次に、水及び水相を構成する成分を500〜5000rpm程度の回転速度で攪拌しつつ、前記予備混合物及び本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンを任意の順で徐々に添加し、添加後、更に撹拌する。予備混合物に対する水の質量比は任意であるが、0.05/0.95〜0.50/0.50であることが、得られる水中油型エマルジョン化粧品の経時安定性の点から有利である。なお、化粧品の製造量が少ない場合には、例えば、任意の容器中で水及び水相を構成する成分をへら等を用いて人力で攪拌しながら、前記予備混合物及び本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンを徐々に添加してもよい。
【0112】
本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンを配合した水中油型エマルジョンの形態の化粧品は、安定な水中油型エマルジョンを製造する場合に通常必要となる乳化の諸条件の検討が容易であり、しかも、その経時安定性及び使用感に優れるものである。
【0113】
なお、水中油型エマルジョンの形態の化粧品の製造時に使用される水は、本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンに含まれる水と一体化するので、両者は、化粧品中において区別することはできない。
【0114】
このように、本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンを使用することにより、特殊な乳化装置を使用しなくても微細な粒径の分散相を有する水中油型エマルジョン形態の化粧品を製造することができ、しかも、得られた化粧品は経時安定性が優れている。水中油型エマルジョン形態の化粧品の場合、本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンは化粧品の5〜50質量%を占めることが好ましい。
【0115】
上記の化粧品の用途は特に限定されず、皮膚洗浄剤、スキンケア化粧品、メイクアップ化粧品、制汗剤、紫外線防御剤等の皮膚用化粧品;毛髪洗浄剤、整髪料、毛髪着色料、養毛料、ヘアリンス等の毛髪用化粧品;浴用化粧品;香水、オーデコロン等であってよい。本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンを含む化粧品は皮膚用化粧品又は毛髪用化粧品であることが特に好ましい。
【0116】
前記皮膚用化粧品は、頭皮、顔面(口唇、眉目、頬を含む)、手指、爪、全身のいずれの部位用でもよい。具体的には、クレンジングジェル、クレンジングクリーム、クレンジングフォーム、クレンジングミルク、クレンジングローション、洗顔クリーム、アイメークアップリムーバー、洗顔フォーム、液体全身用石鹸、ハンドソープ、ゲル状石鹸、固形石鹸、フェイシャルリンス、ボディリンス、シェービングクリーム、除光液、アクネ対策化粧品等の皮膚洗浄剤;肌用クリーム、頭皮用トリートメント、スキンミルク、ミルクローション、乳液、化粧水、保湿液、美容液、フェイシャルパック、ボディパウダー、エッセンス、シェービングローション等のスキンケア化粧品;ファンデーション、メークアップベース、白粉、フェースパウダー、リップスティック、リップクリーム、練紅、リップグロス、アイシャドウ、アイライナー、アイクリーム、眉墨、アイブロー、マスカラ、頬紅、頬化粧品(チークカラー、チークルージュ)、マニキュア、ペディキュア、ネイルカラー、ネイルラッカー、エナメルリムーバー、ネイルポリッシュ等のメイクアップ化粧品;デオドラント等の制汗剤;サンスクリーン剤、日焼け用薬剤(サンタン剤)等の紫外線防御剤等が挙げられる。
【0117】
前記毛髪用化粧品としては、シャンプー、リンスインシャプー等の毛髪用洗浄剤;ヘアオイル、髪用カール保持剤、セット剤、ヘアクリーム、へアスプレー、ヘアリキッド、ヘアワックス等の整髪料;染毛料、ヘアカラースプレー、ヘアカラーリンス、ヘアカラースティック等の毛髪用着色料;ヘアトニック、ヘアトリートメント、ヘアパック等の養毛料;コンディショナー、オイルリンス、クリームリンス、トリートメントリンス等のヘアリンス、マスカラ等の睫毛化粧品等が挙げられる。
【0118】
また、前記の浴用化粧品としては、バスオイル、バスソルト、フォームバスが挙げられる。
【0119】
上記の化粧品を収納する容器は、特に限定されるものではなく、ジャー、ポンプ、チューブ、ボトル、圧力缶吐出容器、耐圧エアゾール容器、遮光容器、コンパクト容器、金皿、スティック容器、繰り出し容器、噴霧容器、混合液吐出口を備えた仕切り付き容器等が挙げられる。水中油型エマルジョン型の化粧品である場合は、ジャー、ポンプ、ボトル、噴霧容器等が挙げられる。本発明に係るアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンを用いて製造された水中油型エマルジョン化粧品はその経時安定性に優れるため、透明容器に充填されても安定に保管することができ、外観に優れた製品として店頭販売することが可能である。
【実施例】
【0120】
[エポキシ変性シリコーンの合成]
【0121】
(合成例1) 下記式:
【化41】
(式中、Meはメチル基を表す)で表される両末端ハイドロジェンポリシロキサン83.4g、下記式:
【化42】
で表されるエポキシ官能性アリルポリエーテル16.6g、及び、酢酸ナトリウムのメタノール溶液0.05gを混合し、50℃に加熱した。白金触媒0.02gを加え、80℃〜90℃で3時間反応させ、低沸点物を減圧留去したのち、下記式:
【化43】
(式中、Meはメチル基を表す)で表されるエポキシポリエーテル変性シリコーン100gを得た。
【0122】
(合成例2) 下記式:
【化44】
(式中、Meはメチル基を表す)で表される側鎖型ハイドロジェンポリシロキサン73.1g、下記式:
【化45】
で表されるエポキシ官能性アリルポリエーテル26.9g、及び、酢酸ナトリウムのメタノール溶液0.05gを混合し、50℃に加熱した。白金触媒0.02gを加え、80℃〜90℃で3時間反応させ、低沸点物を減圧留去したのち、下記式:
【化46】
(式中、Meはメチル基を表す)で表されるエポキシポリエーテル変性シリコーン100gを得た。
【0123】
(合成例3) 下記式:
【化47】
(式中、Meはメチル基を表す)で表される側鎖ハイドロジェンポリシロキサン83.4g、下記式:
【化48】
で表されるエポキシ官能性アリルポリエーテル16.6g、及び、酢酸ナトリウムのメタノール溶液0.05gを混合し、50℃に加熱した。白金触媒0.02gを加え、80℃〜90℃で3時間反応させ、低沸点物を減圧留去したのち、下記式:
【化49】
(式中、Meはメチル基を表す)で表されるエポキシポリエーテル変性シリコーン100gを得た。
【0124】
[塩基性アミノ酸変性シリコーンエマルジョンの調製]
【0125】
(実施例1)
合成例2のエポキシポリエーテル変性シリコーン25部、ポリオキシエチレン(25)ラウリルエーテル 4.7部、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル 2.3部を攪拌し、水1部を加え乳化した。次いで安息香酸ナトリウム 0.4部、L-アルギニン 1.8部、水 59.0部を加え乳化し、50℃〜60℃で5時間反応させ、エマルジョンを得た。得られたエマルジョンから、アルコールを用いて生成物を抽出し、1H-NMRにて分析したところ、エポキシポリエーテル変性シリコーンに由来するエポキシ基のピークは検出されなかった。
【0126】
(実施例2)
合成例1のエポキシポリエーテル変性シリコーン25部、ポリオキシエチレン(25)ラウリルエーテル 3.1部、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル 3.5部を攪拌し、水1部を加え乳化した。次いで安息香酸ナトリウム 0.4部、L-アルギニン 0.9部、水 60.3部を加え乳化し、50℃〜60℃で5時間反応させ、エマルジョンを得た。得られたエマルジョンから、アルコールを用いて生成物を抽出し、1H-NMRにて分析したところ、エポキシポリエーテル変性シリコーンに由来するエポキシ基のピークは検出されなかった。
【0127】
(実施例3)
合成例3のエポキシポリエーテル変性シリコーン25部、ポリオキシエチレン(25)ラウリルエーテル 3.1部、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル 3.5部を攪拌し、水1部を加え乳化した。次いで安息香酸ナトリウム 0.4部、L-アルギニン 1.2部、水 60.0部を加え乳化し、50℃〜60℃で5時間反応させ、エマルジョンを得た。得られたエマルジョンから、アルコールを用いて生成物を抽出し、1H-NMRにて分析したところ、エポキシポリエーテル変性シリコーンに由来するエポキシ基のピークは検出されなかった。
【0128】
[評価]
【0129】
(ウェット時の櫛通り性)
長さ約27cm、重さ約2gの、アジア人の無処理毛髪束を、シリコーンを含有しないシャンプーで洗浄し充分にすすいだ後、タオルで余分な水を取り除き、室温条件下で吊るした状態で1昼夜自然乾燥させたものを試験体とした。
【0130】
実施例1〜3のエマルジョンを3つの試験体にそれぞれ直接塗布した。次に、各試験体について、水に含浸させた後、湿った状態でブラッシングを行い、櫛通り時間を測定した。一方、実施例1〜3のエマルジョンに代えて水を塗布した試験体、並びに、実施例1〜3のエマルジョンに代えてシスチン変性ポリシロキサンエマルジョン(CrodaPersonal Care社製Crodasone Cystine)を塗布した試験体についても、それぞれ比較例1及び2として、櫛通り時間を測定した。結果を図1に示す。
【0131】
図1から分かるように、比較例1及び2に対して、実施例1〜3のエマルジョンを塗布した試験体は櫛通り時間が短い。したがって、本発明のエマルジョンはウェット時の櫛通り性に優れており、化粧品の成分として好適に使用することができる。
【0132】
(帯電性)
実施例1〜3のエマルジョンを3つの試験体にそれぞれ直接塗布した。一方、水及びシスチン変性ポリシロキサンエマルジョン(CrodaPersonal Care社製Crodasone Cystine)を塗布した試験体をそれぞれ比較例1及び比較例2とした。上方から吊した実施例1〜3並びに比較例1及び2の試験体に根元から毛先にかけて同一回数ブラッシングを行い、毛髪を帯電させ、各試験体の毛髪の広がり角度の最大値を測定した。
【0133】
実施例1〜3の試験体の広がり角度は5〜10°程度であったが、比較例1の広がり角度は18°であり、比較例2の広がり角度は24°であった。これらの結果から、本発明のエマルジョンは帯電防止特性に優れており、化粧品の成分として有益であることが分かる。
【0134】
(保湿効果)
実施例1〜3のエマルジョンの保湿効果を以下の方法により評価した。
【0135】
5名の女性パネリストの両腕を、シリコーンを含有しない石鹸で洗浄した後、サンプルを上腕内側部の測定領域(4cm×9cmの長方形サイト)にランダムに塗布する。次に、サンプルを塗布した当該肌上の測定領域について、肌上の水分量を、水分計コルネオメーターMPA5 electric GmbH (Courage+Khazaka社製)を用いて、肌上の対照領域(非塗布領域)との差により測定した。なお、測定値は、測定領域内の6箇所の平均により求めた値である。
【0136】
(1)0.020gの実施例1〜3のエマルジョン及び水(対照)について、上記の方法により、塗布直後、0.5時間後、1時間後、2時間後、3時間後、4時間後、5時間後、6時間後の各々につき、保湿効果を比較した結果を図2に示す。
【0137】
(2)0.020gの実施例2のエマルジョン及び5%グリセリン水溶液(対照)について、上記の方法により、塗布直後、0.5時間後、1時間後、2時間後、3時間後、4時間後、5時間後、6時間後の各々につき、保湿効果を比較した結果を図3に示す。
【0138】
[皮膚化粧料:シャワーゲルの調製と評価]
【0139】
表1に示す組成を有するシャワーゲル1及びシャワーゲル2(実施例)、並びに、シャワーゲル3(対照)を、以下に示す製造方法により調製した。
【0140】
【表1】
【0141】
(シャワーゲルの製造方法)成分1〜3を混合し、当該混合物を、予め調製しておいた成分4〜5および成分6(1)又は6(2)の混合物に添加して攪拌する。次に、成分7及び成分8を添加してpHを6に調整し、攪拌してシャワーゲルを作成した。
【0142】
本発明の実施例に相当するシャワーゲル(シャワーゲル1及びシャワーゲル2)を、対照品(シャワーゲル3)と比較したところ、[起泡性]、[泡質]、[すすぎやすさ]及び[べとつき感]の感触評価について、対照品より著しく優れた評価を得た。感触評価の方法は以下の通りである。
【0143】
[シャワーゲルの感触評価方法]
シャワーゲルの感触評価は18名のパネリストにより以下の方法で評価した。
1.各パネリストは左右の手と腕を各々8秒間水ですすぐ。
2.本発明のシャワーゲル(評価品)およびシャワーゲル3(対照)を3ml取り、各々の手と腕について20秒間泡立てる。
3.[起泡性]について、どちらが速やかに泡立ったか評価する。
4.[泡質]について、どちらがクリーム状できめ細かい泡が形成されたか評価する。
5.各パネリストは右手と左手を各々20秒間水ですすぐ。
6.[すすぎやすさ]について、どちらがすすぎやすかったか評価する。
7.各パネリストは左右の手と腕を各々ペーパータオルで静かに叩いて、余分の水分をふき取る。
8.2分後、[べとつき感]について、どちらがべとつきを感じなかったかについて評価する。
【0144】
本発明の実施例に相当するシャワーゲル(シャワーゲル1及びシャワーゲル2)につき、各評価項目についての18名による評価結果を表2に示す。表中の人数は、実施例のシャワーゲルが各評価項目について、より優れていると回答した人数である。
【0145】
【表2】
【0146】
表2に示す通り、本発明のエマルジョン組成物を含むシャワーゲルは、[起泡性]、[泡質]、[すすぎやすさ]、[べとつき感]の各評価項目につき、対照品と同等か、より優れた感触であると評価された。
【0147】
以下、本発明の化粧品の処方例を示す。
【0148】
(処方例1)コンディショナー
【0149】
成分
1.イオン交換水 残部
2.ヒドロキシエチルセルロース 1.5部
3.セテアリルアルコール 1.0部
4.PEG−100 ステアレート及びグリセリルステアレートの混合物 1.0部
5.実施例1のエマルジョン 7.7部
6.防腐剤 適量
7.クエン酸 適量
【0150】
(製造方法)成分1及び成分2を75℃にて攪拌し、成分2を完全に溶解させた。これを60℃に冷却した後、成分3及び成分4を添加し、攪拌した。次いで、40℃に冷却して成分5を添加し、5〜10分攪拌した。その後、成分6及び成分7を加えpHを6〜7に調整し、コンディショナーを調製した。本処方により製造したコンディショナーは、ドライ時、ウェット時の櫛通り性、感触に優れたものであった。
【0151】
(処方例2)シャンプー
【0152】
成分
1.イオン交換水 残部
2.塩化O-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース 0.3部
3.PEG−150 ペンタエリスリチルテトラステアレート 7.0部
4.ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム 30部
5.ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド 3.0
6.コカミドプロピルベタイン 3.0部
7.実施例1のエマルジョン 7.7部
8.クエン酸 適量
9.防腐剤 適量
【0153】
(製造方法)成分1及び成分2を混合し、成分2を完全に溶解させる。次に、75℃に加熱して成分3を添加し攪拌する。次いで、40℃に冷却して、成分4〜6を順に添加して攪拌する。その後、成分7を加え、5〜10分攪拌する。更に、成分8及び成分9を添加し、攪拌してシャンプーを得る。本処方により得られるシャンプーを用いて処理した毛髪は、ドライ時、ウェット時の櫛通り性、感触に優れたものであった。
【0154】
(処方例3)シャワーゲル
【0155】
成分
1.ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム 30部
2.デシルグルコシド 5部
3.ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルベタイン 10部
4.ポリオキシエチレンラウリルエーテル 2部
5.ポリアクリルアミド
6.実施例3のエマルジョン 19.3部
7.イオン交換水 残部
8.クエン酸 適量
【0156】
(製造方法)成分1〜3を混合し、当該混合物を、予め調製しておいた成分4〜6の混合物に添加して攪拌する。次に、成分7及び成分8を添加してpHを6に調整し、攪拌してシャワーゲルを作成した。本処方により得られたゲルは、起泡性、濯ぎ性、感触に優れるものである。
【図面の簡単な説明】
【0157】
【図1】実施例1〜3並びに比較例1及び2のウェット時の櫛通り性の評価結果を示すグラフ
【図2】実施例1〜3及び水(対照)の保湿効果の評価結果を示すグラフ
【図3】実施例2及び5%グリセリン水溶液の保湿効果の評価結果を示すグラフ
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品に配合される美容成分として有用な塩基性アミノ酸変性オルガノポリシロキサン及びその製造方法、並びに、その化粧品用途への応用に関する。
【背景技術】
【0002】
アミノ酸変性オルガノポリシロキサンを製造する方法としては、例えば、N−アシルアミノ酸と分子中にハロゲン化アルキル基を含有するオルガノポリシロキサンを、非プロトン極性溶媒中で反応させる方法(特開昭50−158700号公報参照)、アミノ酸と分子内に炭素と結合した水酸基を有するオルガノポリシロキサンを酸触媒の存在下で反応させる方法(特開昭52−3023号公報参照)、及びカルボキシ基を保護したアミノ酸と分子内にエポキシ基を含有するオルガノポリシロキサンを反応させる方法(特開昭52−114699号公報参照)が挙げられる。
【0003】
しかし、特開昭50−158700号公報及び特開昭52−3023号公報により提案された方法では、アミノ酸中のカルボキシ基を反応させるため、得られるアミノ酸変性オルガノポリシロキサン中にはアミノ酸由来のカルボキシ基が残らず、このオルガノポリシロキサンにアミノ酸特有の性質を付与することができないという問題があった。また、特開昭52−114699号公報により提案された方法では、アミノ酸のカルボキシ基をアルカリ金属塩又はエステルの形で保護しなければならず、また、反応生成物からアルカリ金属又はアルコールを除去しなければならないという問題があった。
【0004】
また、特開昭50−158700号公報、特開昭52−3023号公報及び特開昭52−114699号公報には、アミノ酸変性オルガノポリシロキサンを界面活性剤として使用することについて開示されるものの、アミノ酸変性オルガノポリシロキサン自体の美容成分としての機能については認識されてない。
【特許文献1】特開昭50−158700号公報
【特許文献2】特開昭52−3023号公報
【特許文献3】特開昭52−114699号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記の現状に鑑みて為されたものであり、簡便な方法で、且つ、効率よくアミノ酸変性オルガノポリシロキサンを提供すること、並びに、当該アミノ酸変性オルガノポリシロキサンを美容成分として利用することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、界面活性剤の存在下において、(a)カルボキシ基が保護されていないアミノ酸、及び、(b)分子中にエポキシ基を有するオルガノポリシロキサンを水性媒体中で反応させてアミノ酸変性オルガノポリシロキサンを製造し、製造されたアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンを化粧品に配合することにより達成される。
【0007】
前記(a)カルボキシ基が保護されていないアミノ酸は、リジン、アルギニン及びヒスチジンからなる群から選択される塩基性アミノ酸が好ましく、特に、下記式:
【化1】
で表されるアルギニンが好ましい。
【0008】
前記(b)分子中にエポキシ基を有するオルガノポリシロキサンは、下記一般式(1):
【化2】
{式中、
R1は、それぞれ独立して、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアリール基、非置換若しくは置換のアラルキル基、非置換若しくは置換のアルコキシ基、非置換若しくは置換のポリエーテル基、水酸基、−A−NH−B−NH2、−A−N(−B−NH2)2又は−CH2CH2Si(CH3)2−{OSi(CH3)2}t−OSi(CH3)3(これらの式中、A及びBは、それぞれ独立して、非置換若しくは置換のアルキレン基又は-CuH2u−O−CvH2v−(u、vは、それぞれ独立して、1〜5の範囲の整数を表す)を表し、tは0〜500の範囲の整数を表す)を表し、
Qは、下記式:
【化3】
(式中、aは1〜20の範囲の整数を表し、bは1〜10の範囲の整数を表し、cは0〜50の範囲の整数を表し、nは1〜20の範囲の整数を表す)で表される基又は上記R1と同一の基を表すが、但し、全てのQがR1となることはなく、
xは、1〜10000の範囲の整数を表し、
yは、0〜1000の範囲の整数を表す}、又は、下記一般式(2):
【化4】
(式中、
R1及びQは、上記と同様であり、
rは、1〜10の範囲の整数を表し、
sは、1〜10の範囲の整数を表す。但し、r+sは3〜20の範囲の整数を表す))
で表されるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。
【0009】
そして、前記(b)分子中にエポキシ基を有するオルガノポリシロキサンは、下記一般式(1’):
【化5】
{式中、
R1’は、それぞれ独立して、非置換若しくは置換の炭素原子数1〜20のアルキル基、非置換若しくは置換の炭素原子数6〜20のアリール基、非置換若しくは置換の炭素原子数7〜20のアラルキル基又は水酸基を表し、
Q’は、下記式:
【化6】
(式中、
n及びaは、上記と同様であり、
dは、0〜10の範囲の整数を表し、
eは、0〜10の範囲の整数を表す)
で表される基又は上記R1’と同一の基を表すが、但し、全てのQ’がR1’となることはなく、
x’は5〜1000の範囲の整数を表し、
y’は0〜100の範囲の整数を表す}
で表される、分子中にエポキシ基とエーテル鎖を有するオルガノポリシロキサンであることがより好ましい。
【0010】
前記界面活性剤は、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、及び、これらの混合物、或いは、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び、これらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。
【0011】
本発明に係るアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンは、(A)分子中に、下記式(3)、(4)又は(5):
【化7】
(これらの式中、
nは、上記と同様であり、
Nは、(a)カルボキシ基が保護されていないアミノ酸に由来する窒素原子を表し、式(5)中の
【化8】
はNが芳香族複素環を構成することを表す)
で表される部位を少なくとも1つ有するアミノ酸変性オルガノポリシロキサン、
(B)界面活性剤
(C)水
からなる。
【0012】
前記(a)カルボキシ基が保護されていないアミノ酸は、リジン、アルギニン及びヒスチジンからなる群から選択される塩基性アミノ酸が好ましい。
【0013】
前記(A)アミノ酸変性オルガノポリシロキサンは、下記一般式(3’):
【化9】
{式中、
Zは、オルガノポリシロキサン残基を表し、
R2は、−CH(COOH)−(CH2)3−NH−C(=NH)−NH2、−C(=NH)−NH−(CH2)3−CH(COOH)−NH2、−CH(COOH)−(CH2)3−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−C(=NH)−NH2、−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−(CH2)3−CH(COOH)−NH2、−C(=NH)−NH−(CH2)3−CH(COOH)−NH−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’、−CH(COOH)−(CH2)3−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−C(=NH)−NH−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’、−C(=NH)−NH−(CH2)3−CH(COOH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’、−CH(COOH)−(CH2)3−NH−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’、−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’’−Z’’’)−(CH2)3−CH(COOH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’、−CH(COOH)−(CH2)3−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’’−Z’’’)−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’、−(CH2)4−CH(NH2)COOH、−CH(COOH)−(CH2)4−NH2、−(CH2)4−CH(NH−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)COOH、−(CH2)4−CH(N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’)、及び、−CH(COOH)−(CH2)4−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’又は−CH(COOH)−CH2−イミダゾリル(これらの式中、Z’、Z’’及びZ’’’はそれぞれ独立してオルガノポリシロキサン残基を表し、n’、n’’及びn’’’はそれぞれ独立して1〜20の範囲の整数を表す)を表し、
nは、上記と同様である}、
下記一般式(4’):
【化10】
{式中、
Zは、上記と同様であり、
R3は、−CH(COOH)−(CH2)3−NH−C(=NH)−NH2、−C(=NH)−NH−(CH2)3−CH(COOH)−NH2、−(CH2)3−CH(COOH)−NH2、−CH(COOH)−(CH2)3−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−C(=NH)−NH2、−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−(CH2)3−CH(COOH)−NH2、−CH(COOH)−(CH2)3−NH−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’、−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−(CH2)3−CH(COOH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’’−Z’’’、−(CH2)4−CH(NH2)COOH、−CH(COOH)−(CH2)4−NH2、又は、−CH(COOH)−(CH2)4−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’又は−CH(COOH)−CH2−イミダゾリル(これらの式中、Z’、Z’’及びZ’’’、並びに、n’、n’’及びn’’’は上記と同様である)を表し、
R4は、−C(=NH)−NH2又は−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’’’−Z’’’’(式中、Z’’’’はポリシロキサン残基を表し、n’’’’は1〜20の範囲の整数を表す)を表し、
nは、上記と同様である}、又は、
下記一般式(5’):
【化11】
{式中、
Zは、上記と同様であり、
R5は、−CH2−CH(NH2)COOH、−CH2−CH(NH(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’))COOH又は−CH2−CH(N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’)COOH(これらの式中、Z’及びZ’’、並びに、n’及びn’’は上記と同様である)を表し、
nは、上記と同様である}で表されるものが好ましい。
【0014】
前記オルガノポリシロキサン残基は、下記一般式(6):
【化12】
{式中、
R1は、上記と同様であり、
Dは、−(CH2)a−O−(CbH2bO)c−(式中、a、b及びcは上記と同様である)又は上記R1と同一の基を表すが、但し、全てのDがR1となることはなく、
x及びyは上記と同様である}、又は、下記一般式(7):
【化13】
(式中、
R1及びD、並びに、r及びsは、上記と同様である。但し、r+sは3〜20の範囲の整数を表す)
で表すことができる。
【0015】
そして、前記(A)アミノ酸変性オルガノポリシロキサンは、分子中に、下記式(3’’)、(4’’)又は(5’’):
【化14】
(これらの式中、
n、a、d及びeは上記と同様である)
で表される部位を少なくとも1つ有するものがより好ましい。
【0016】
前記(A)アミノ酸変性オルガノポリシロキサンとしては、下記一般式(8):
【化15】
(式中、
R1’は、上記と同様であり、
QArgは下記式:
【化16】
(式中、
n、a、d及びeは、上記と同様である)で表される基又は上記R1’と同一の基を表すが、但し、全てのQArgがR1’となることはなく、
x’及びy’は上記と同様である}
で表されるアルギニン変性オルガノポリシロキサンが特に好ましい。
【0017】
前記アミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンは、前記(A)アミノ酸変性オルガノポリシロキサン100重量部を基準として、(B)界面活性剤 1〜100重量部、及び(C)水 10〜10,000重量部を含むことが好ましい。
【0018】
前記アミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンは化粧品原料として有用であり、化粧品に配合して使用することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の製造方法では、アミノ酸のカルボキシ基をアルカリ金属塩又はエステルの形で保護する必要がないので、アミノ酸変性オルガノポリシロキサンを含むエマルジョンを簡便な方法で効率よく製造することができる。また、製造後のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンからアルカリ金属又はアルコールを除去する必要もないので、当該エマルジョンは即時使用可能である。
【0020】
本発明に係るアミノ酸変性オルガノポリシロキサンは化粧品原料として有用であり、例えば、コンディショニング剤等の美容成分として化粧品に配合することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンの製造方法は、界面活性剤の存在下において、(a)カルボキシ基が保護されていないアミノ酸、及び、(b)分子中にエポキシ基を有するオルガノポリシロキサンを水性媒体中で反応させることを特徴とする。
【0022】
本発明において「カルボキシ基が保護されていないアミノ酸」とは、アミノ基が必須に有するカルボキシ基がエステル又は塩の形態で保護されておらず、−COOHの形態であることを意味している。本発明の製造方法で使用する(a)カルボキシ基が保護されていないアミノ酸は第1級アミノ基(−NH2)又は第2級アミノ基(−NH−)とカルボキシ基(−COOH)の両方に水素原子が存在するにも係わらず、第1級アミノ基又は第2級アミノ基のみが(b)分子中にエポキシ基を有するオルガノポリシロキサンのエポキシ基と選択的に反応する。したがって、本発明の製造方法では、原料として使用するアミノ酸のカルボキシ基をエステル化等して保護する必要がない。
【0023】
このように、本発明の製造方法では、アミノ酸をそのまま「(a)カルボキシ基が保護されていないアミノ酸」として原料として使用することができ、アミノ酸のカルボキシ基の保護工程(エステル化等)が不要なので、アミノ酸変性オルガノポリシロキサンを含むエマルジョンを簡便な方法で効率よく製造することができる。しかも、カルボキシ基を保護したアミノ酸を原料として使用する場合と異なり、アミノ酸変性オルガノポリシロキサンの合成後に脱保護を行う必要もないので、アミノ酸変性オルガノポリシロキサンの製造工程を大幅に簡略化することができ、しかも、得られるアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンは直ちに使用することができる。
【0024】
(a)カルボキシ基が保護されていないアミノ酸、及び、(b)分子中にエポキシ基を有するオルガノポリシロキサンの反応は、界面活性剤と共に、これらを水性媒体中で所望量混合することにより容易に実施することができる。混合手段としては、特に限定されるものではなく、パドル翼付攪拌機、プロペラ攪拌器、ヘンシェル型攪拌機、TKホモミクサー(特殊機化工業(株))、TKホモディスパー(特殊機化工業(株))等の周知の簡便な攪拌乃至混合装置を使用することができる。
【0025】
ただし、界面活性剤による乳化作用を促進させるために、高圧乳化装置やコロイドミル、コロイドミキサーのような高せん断力による乳化装置を使用することが好ましい。高圧乳化装置とは、装置内で一次エマルジョンを加圧することにより、高速の液流とし、この液流を分岐させて分岐した液流同士を衝突させたり、調節された微小間隙を通じてインパクトリングや回転体に衝突させたりすることにより発生する衝突力、剪断力、キャビテーション、乱流、超音波により一次エマルジョン中に含まれるオルガノポリシロキサンを微細化し、均一な乳化物を形成させることを目的とした装置である。具体的には、超高圧ガウリン型ホモジナイザー(ゴーリン社)、高圧ホモゲナイザー(株式会社イズミフードマシナリー製)、高圧ホモジナイザー(Rannie製)、マイクロフルイダイザー(Microfluidics製),ナノマイザー(ナノマイザー株式会社製)等が挙げられる。
【0026】
本発明で使用される(a)カルボキシ基が保護されていないアミノ酸の種類は、アミノ基とカルボキシ基を共に有する限り特に限定されるものではないが、リジン、アルギニン及びヒスチジンからなる群から選択される塩基性アミノ酸が好ましい。塩基性アミノ酸としてはアルギニンが特に好ましい。
【0027】
前記(b)分子中にエポキシ基を有するオルガノポリシロキサンは、エポキシ基を少なくとも1つ有するオルガノポリシロキサンであれば特に限定されるものではないが、下記一般式(1):
【化17】
{式中、
R1は、それぞれ独立して、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアリール基、非置換若しくは置換のアラルキル基、非置換若しくは置換のアルコキシ基、非置換若しくは置換のポリエーテル基、水酸基、−A−NH−B−NH2、−A−N(−B−NH2)2又は−CH2CH2Si(CH3)2−{OSi(CH3)2}t−OSi(CH3)3(これらの式中、A及びBは、それぞれ独立して、非置換若しくは置換のアルキレン基又は-CuH2u−O−CvH2v−(u、vは、それぞれ独立して、1〜5の範囲の整数を表す)を表し、tは0〜500の範囲の整数を表す)を表し、
Qは、下記式:
【化18】
(式中、aは1〜20の範囲の整数を表し、bは1〜10の範囲の整数を表し、cは0〜50の範囲の整数を表し、nは1〜20の範囲の整数を表す)で表される基又は上記R1と同一の基を表すが、但し、全てのQがR1となることはなく、
xは、1〜10000の範囲の整数を表し、
yは、0〜1000の範囲の整数を表す}、又は、下記一般式(2):
【化19】
(式中、
R1及びQは、上記と同様であり、
rは、1〜10の範囲の整数を表し、
sは、1〜10の範囲の整数を表す。但し、r+sは3〜20の範囲の整数を表す)
で表されるオルガノポリシロキサンが好ましい。
【0028】
アルキル基は、好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖状又は分岐状アルキル基が挙げられる。アルキル基としては、メチル基が特に好ましい。
【0029】
アルキル基は、環構造を有してもよい。環構造を有するアルキル基としては、炭素数3〜6のシクロアルキル基が好適であり、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。シクロアルキル基は上記の直鎖状又は分岐状アルキル基と複合した形態を有してもよく、例えば、シクロプロピルメチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基等が挙げられる。
【0030】
アリール基は、好ましくは炭素原子数6〜20のアリール基であり、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基等が挙げられる。フェニル基が特に好ましい。
【0031】
アラルキル基は、好ましくは炭素原子数7〜20のアラルキル基であり、前記アルキル基と前記アリール基が一体化した形態を有する。アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ジフェニルメチル基等が挙げられる。ベンジル基が特に好ましい。
【0032】
アルコキシ基は、好ましくは炭素原子数1〜20のアルコキシ基であり、前記アルキル基とオキシ基(−O−)が一体化した形態を有する。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペントキシ基等が挙げられる。メトキシ基が特に好ましい。
【0033】
ポリエーテル基は、−O(Cv’H2v’O)u’ R6(式中、v’は2〜4の整数であり、u’は4以上の整数を表し、R6は水素原子又は前記アルキル基を表す)で示される基である。ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基が好ましい。
【0034】
アルキレン基は、好ましくは炭素原子数1〜10のアルキレン基であり、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等である。
【0035】
アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、ポリエーテル基及びアルキレン基の炭素原子上の水素原子は、1以上の置換基によって置換されていてもよく、当該置換基は、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子)並びに水酸基から選択される。
【0036】
前記(b)分子中にエポキシ基を有するオルガノポリシロキサンは、エーテル鎖を有することが好ましく、例えば、下記一般式(1’):
【化20】
{式中、
R1’は、それぞれ独立して、非置換若しくは置換の炭素原子数1〜20のアルキル基、非置換若しくは置換の炭素原子数6〜20のアリール基、非置換若しくは置換の炭素原子数7〜20のアラルキル基又は水酸基を表し、
Q’は、下記式:
【化21】
(式中、
n及びaは、上記と同様であり、
dは、0〜10の範囲の整数を表し、
eは、0〜10の範囲の整数を表す。但しd+e≧1である)
で表される基又は上記R1’と同一の基を表すが、但し、全てのQ’がR1’となることはなく、
x’は5〜1000の範囲の整数を表し、
y’は0〜100の範囲の整数を表す}
で表される、分子中にエポキシ基とエーテル鎖を有するオルガノポリシロキサンがより好ましい。前記エーテル鎖としては、ポリエーテル鎖が好ましい。したがって、上記式中、d+e≧1であることが好ましい。
【0037】
本発明で使用される界面活性剤は、特に限定されるものではなく、アニオン性、カチオン性、両性及びノニオン性(非イオン性)のいずれの界面活性剤をも使用することができる。界面活性剤は単独で使用されてもよく2種類以上のものを併用してもよい。
【0038】
アニオン性界面活性剤としては、例えば、飽和若しくは不飽和高級脂肪酸塩(例えば、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、リノレン酸ナトリウム等)、長鎖アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸(例えば、ヘキシルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等)及びその塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、スルホコハク酸アルキルエステル塩、ポリオキシアルキレンスルホコハク酸塩、ポリオキシアルキレンスルホコハク酸アルキルエステル塩、ポリオキシアルキレン変性ジメチルポリシロキサンのスルホコハク酸エステルアルカリ金属塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、長鎖アルカンスルホン酸塩、長鎖アルキルスルホネート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩、長鎖アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、アシルグルタミン酸塩、α−アシルスルホン酸塩、長鎖アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、長鎖α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、長鎖アルカンスルホン酸塩、長鎖アルキル又はアルケニル硫酸塩、長鎖アルキルアミド硫酸塩、長鎖アルキル又はアルケニルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N−アシルアミノ酸塩、スルホコハク酸塩、アルキルアルキルエーテルカルボン酸塩、アミドエーテルカルボン酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、アラニン誘導体、グリシン誘導体、アルギニン誘導体が挙げられる。上記の塩として、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩、アンモニウム塩が挙げられるが、ナトリウム塩が好ましい。
【0039】
カチオン性界面活性剤としては、例えば、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化牛脂アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、オクチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ドデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化ジオクチルジメチルアンモニウム、塩化ジ(POE)オレイルメチルアンモニウム(2EO)、塩化ベンザルコニウム、塩化アルキルベンザルコニウム、塩化アルキルジメチルベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、ラノリン誘導四級アンモニウム塩、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、塩化ベヘニン酸アミドプロピルジメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、塩化ステアロイルコラミノホルミルメチルピリジニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化トール油アルキルベンジルヒドロキシエチルイミダゾリニウム、ベンジルアンモニウム塩が挙げられる。
【0040】
両性界面活性剤としては、リン脂質が好ましい。リン脂質としては、レシチン、ホスフアチジルエタノールアミン、ホスフアチジン酸、ホスフアチジルイノシトール、ホスフアチジルセリン、ホスフアチジルコリン、ホスフアチジルグリセロール、スフインゴミエリン、カルジオリピン、これらの水素添加物が挙げられる。特に大豆レシチン、卵黄レシチン、コーンレチシン、綿実油レシチン、ナタネレシチン等を水素添加した水素添加天然レシチンが好ましい。
【0041】
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレン脂肪酸ジエステル類、ポリオキシアルキレン樹脂酸エステル類、ポリオキシアルキレン(硬化)ヒマシ油類、ポリオキシアルキレンアルキルフェノール類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシアルキレンフェニルフェニルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルエステル類、ポリオキシアルキレンアルキルエステル類、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリグリセリンアルキルエーテル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸エステル類、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグルコシド類、ポリオキシアルキレン脂肪酸ビスフェニルエーテル類、ポリプロピレングリコール、ポリエーテル変性シリコーンすなわちポリオキシアルキレン変性ジオルガノポリシロキサン、ポリグリセリル変性シリコーン、グリセリル変性シリコーン、糖変性シリコーン、パーフルオロポリエーテル系界面活性剤、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、アルキルポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマーエーテルが挙げられる。
【0042】
前記界面活性剤は、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、及び、これらの混合物からなる群、或いは、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び、これらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。
【0043】
界面活性剤として、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、又は、これらの混合物を使用する場合は、本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンは皮膚用化粧品に好適に配合することができる。
【0044】
界面活性剤として、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、又は、これらの混合物を使用する場合は、本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンは毛髪用化粧品に好適に配合することができる。
【0045】
前記水性媒体は、水、又は、水と親水性媒体との混合物である。水としては、人体に有害な成分を含有せず、清浄であればよく、水道水、精製水、ミネラルウォーターが挙げられる。親水性媒体としては、例えば、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等の1価の低級アルコール;1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等の2価アルコール;ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール;グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコールが挙げられる。親水性媒体は単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
【0046】
上記の製造方法により得ることができる本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンは、(A)分子中に、下記式(3)、(4)又は(5):
【化22】
(これらの式中、
nは、上記と同様であり、
Nは、(a)カルボキシ基が保護されていないアミノ酸に由来する窒素原子を表し、式(5)中の
【化23】
はNが芳香族複素環を構成することを表す)
で表される部位を少なくとも1つ有するアミノ酸変性オルガノポリシロキサン、
(B)界面活性剤
(C)水
からなる。本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンは、好適には、前記(A)アミノ酸変性オルガノポリシロキサン100重量部を基準として、(B)界面活性剤 1〜100重量部、好ましくは1〜50重量部、より好ましくは1〜10重量部、及び、(C)水 10〜10000重量部、好ましくは100〜10000重量部、より好ましくは1000〜10000重量部を含む。
【0047】
本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンは、水性媒体からなる連続相中にアミノ酸変性オルガノポリシロキサンからなる不連続相が分散する水中油型エマルジョンである。前記不連続相は粒子の形態であり、当該粒子の粒径は特に限定されるものではないが、レーザー回折・散乱法により測定した平均粒子径は100μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、10μm以下が更により好ましく、5μm以下が更により好ましく、1μm以下が更により好ましく、0.5μm以下が更により好ましく、0.2μm以下が特に好ましい。
【0048】
前記(a)カルボキシ基が保護されていないアミノ酸は、好適には、リジン、アルギニン及びヒスチジンからなる群から選択される塩基性アミノ酸である。この場合、上記式(5)における前記芳香族複素環は、ヒスチジン由来のイミダゾール環である。リジン、アルギニン及びヒスチジン中に存在するカルボキシ基はフリー(−COOH)の状態であり、塩の形態ではなく、また、エステル化もされていない。
【0049】
前記(A)アミノ酸変性オルガノポリシロキサンは、下記一般式(3’):
【化24】
{式中、
Zは、オルガノポリシロキサン残基を表し、
R2は、−CH(COOH)−(CH2)3−NH−C(=NH)−NH2、−C(=NH)−NH−(CH2)3−CH(COOH)−NH2、−CH(COOH)−(CH2)3−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−C(=NH)−NH2、−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−(CH2)3−CH(COOH)−NH2、−C(=NH)−NH−(CH2)3−CH(COOH)−NH−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’、−CH(COOH)−(CH2)3−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−C(=NH)−NH−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’、−C(=NH)−NH−(CH2)3−CH(COOH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’、−CH(COOH)−(CH2)3−NH−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’、−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’’−Z’’’)−(CH2)3−CH(COOH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’、−CH(COOH)−(CH2)3−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’’−Z’’’)−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’、−(CH2)4−CH(NH2)COOH、−CH(COOH)−(CH2)4−NH2、−(CH2)4−CH(NH−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)COOH、−(CH2)4−CH(N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’)、−CH(COOH)−(CH2)4−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’又は−CH(COOH)−CH2−イミダゾリル(これらの式中、Z’、Z’’及びZ’’’はそれぞれ独立してオルガノポリシロキサン残基を表し、n’、n’’及びn’’’はそれぞれ独立して1〜20の範囲の整数を表す)を表し、
nは、上記と同様である}、下記一般式(4’):
【化25】
{式中、
Zは、上記と同様であり、
R3は、−CH(COOH)−(CH2)3−NH−C(=NH)−NH2、−C(=NH)−NH−(CH2)3−CH(COOH)−NH2、−(CH2)3−CH(COOH)−NH2、−CH(COOH)−(CH2)3−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−C(=NH)−NH2、−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−(CH2)3−CH(COOH)−NH2、−CH(COOH)−(CH2)3−NH−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’、−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−(CH2)3−CH(COOH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’’−Z’’’、−(CH2)4−CH(NH2)COOH、−CH(COOH)−(CH2)4−NH2、−CH(COOH)−(CH2)4−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’又は−CH(COOH)−CH2−イミダゾリル(これらの式中、Z’、Z’’及びZ’’’、並びに、n’、n’’及びn’’’は上記と同様である)を表し、
R4は、−C(=NH)−NH2又は−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’’’−Z’’’’(式中、Z’’’’はポリシロキサン残基を表し、n’’’’は1〜20の範囲の整数を表す)を表し、
nは、上記と同様である}、又は、下記一般式(5’):
【化26】
{式中、
Zは、上記と同様であり、
R5は、−CH2−CH(NH2)COOH、−CH2−CH(NH(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’))COOH又は−CH2−CH(N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’)COOH(これらの式中、Z’及びZ’’、並びにn’及びn’’は上記と同様である)を表し、
nは、上記と同様である}で表されるものが好ましい。
【0050】
上記式(3’)、(4’)及び(5’)中、l’、l’’及びl’’’、 m’、m’’及びm’’’、並びに、n’及びn’’は、それぞれ、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜4の範囲の整数であり、更により好ましくは1又は2であり、特に好ましくは1である。
【0051】
前記オルガノポリシロキサン残基は、下記一般式(6):
【化27】
{式中、
R1は、上記と同様であり、
Dは、式:−(CH2)a−O−(CbH2bO)c−(式中、a、b及びcは上記と同様である)で表される基又は上記R1と同一の基を表すが、但し、全てのDがR1となることはなく、
x及びyは上記と同様である}、又は、下記一般式(7):
【化28】
(式中、
R1及びDは、上記と同様であり、
r及びsは、上記と同様である。但し、r+sは3〜20の範囲の整数を表す)
で表されるものであることが好ましい。
【0052】
前記(A)アミノ酸変性オルガノポリシロキサンは、分子中に、下記式(3’’)、(4’’)又は(5’’):
【化29】
(これらの式中、
n、a、d及びeは上記と同様である)
で表される部位を少なくとも1つ有することがより好ましい。
【0053】
ところで、リジン、アルギニン及びヒスチジンは、それぞれ、以下に矢印で示す2以上の反応性窒素原子を有する。
【化30】
【0054】
したがって、前記(a)カルボキシ基が保護されていないアミノ酸がリジン、アルギニン及びヒスチジンからなる群から選択される塩基性アミノ酸である場合の本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンは、上記式(3)、(4)若しくは(5)、又は、上記式(3’’)、(4’’)若しくは(5’’)で表される部位を一分子中に有する塩基性アミノ酸変性ポリシロキサンの混合物、或いは、上記一般式(1’)、(2’)又は(3’)で表される塩基性アミノ酸変性ポリシロキサンの混合物である。これらは、エポキシ基の開環反応に由来する−CH(OH)−CH2−の2価の部位が前記反応性窒素原子に結合した構造を共通に有する。
【0055】
前記塩基性アミノ酸としては、アルギニンが好ましい。したがって、本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンとして好ましいのはアルギニン変性オルガノポリシロキサンである。
【0056】
前記アルギニン変性ポリシロキサンとしては、アルギニンと上記一般式(1’)で表される、分子中にエポキシ基とエーテル鎖を有するオルガノポリシロキサンとの反応により得られるものが好ましい。そのようにして得られたアルギニン変性オルガノポリシロキサンは、例えば、下記式(これらの式中、a、d、e及びnは上記と同様である)で表される部位を分子中に有する複数のアルギニン変性ポリシロキサンの混合物である。
【0057】
【化31】
【0058】
【化32】
【0059】
【化33】
【0060】
【化34】
【0061】
【化35】
【0062】
【化36】
【0063】
【化37】
【0064】
上記の各式で表されるアルギニン変性ポリシロキサンの中では、式
【化38】
で表される部位を有するものが特に好ましい。したがって、特に好ましい本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンは、下記一般式(9):
【化39】
(式中、
R1’は、上記と同様であり、
QArgは下記式:
【化40】
(式中、
n、a、d及びeは、上記と同様である)で表される基又は上記R1’と同一の基を表すが、但し、全てのQArgがR1’となることはなく、
x’及びy’は上記と同様である}
で表されるアルギニン変性オルガノポリシロキサンである。
【0065】
本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンはコンディショニング効果(例えば、毛髪の櫛通り及び感触の改善)、帯電防止効果、保湿効果、起泡性改善効果、濯ぎ性改善効果、肌上でのべとつき感の改善効果等に優れており、化粧品原料として有用である。したがって、本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンは、美容成分として、化粧品一般に使用される化粧品原料と組み合わせて、化粧品に配合することができる。
【0066】
化粧品一般に使用される化粧品原料としては、油剤、親水性媒体、保湿剤、シリコーン類、紫外線遮蔽剤、水溶性高分子、水膨潤性粘土鉱物、防腐剤、抗菌剤、生理活性成分、pH調整剤、有機溶媒、酸化防止剤、キレート化剤、香料、色素等が挙げられる。
【0067】
油剤は、疎水性であれば、起源を問わず、固形、半固形、液体のいずれでもよく、不揮発性、半揮発性、揮発性のいずれでよい。具体的には、シリコーンオイル、炭化水素油及びワックス、動植物油、高級アルコール、エステル油等が挙げられる。シリコーンオイル類がさっぱりとした使用感を付与できるので好ましい。油剤は1種類であってもよく、或いは、2種類以上を混合して使用してもよい。化粧品中の油剤の配合量は、化粧品の全質量の1〜50質量%が好ましい。
【0068】
シリコーンオイルの分子構造は、環状、直鎖状、分岐状のいずれであってもよい。25℃における粘度は、通常、0.65〜100,000mm2/sの範囲であり、0.65〜10,000mm2/sの範囲が好ましい。具体的には、環状シリコーンオイルとしては、ヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6)、1,1−ジエチルヘキサメチルシクロテトラシロキサン、フェニルヘプタメチルシクロテトラシロキサン、1、1−ジフェニルヘキサメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラシクロヘキシルテトラメチルシクロテトラシロキサン、トリス(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメチルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラ(3−アミノプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(3−メルカプトプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(3−グリシドキシプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(3−メタクリロキシプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(3−アクリロキシプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(3−カルボキシプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(3−ビニロキシプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(p−ビニルフェニル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ[3−(p−ビニルフェニル)プロピル]テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ[3−(p−イソプロペニルベンゾイルアミノ)プロピル]テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(N−メタクリロイル−N−メチル−3−アミノプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(N−ラウロイル−N−メチル−3−アミノプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(N−アクリロイル−N−メチル−3−アミノプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(N,N−ビス(メタクリロイル)−3−アミノプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(N,N−ビス(ラウロイル)−3−アミノプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン等が挙げられる。直鎖状シリコーンオイルとしては、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シロキサン共重合体、α,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン、α,ω−ジメトキシポリジメチルシロキサン、テトラメチル−1,3−ジヒドロキシジシロキサン、オクタメチル−1,7−ジヒドロキシテトラシロキサン、ヘキサメチル−1,5−ジエトキシトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン等が挙げられる。分岐状シリコーンオイルとしては、メチルトリストリメチルシロキシシラン、エチルトリストリメチルシロキシシラン、プロピルトリストリメチルシロキシシラン、テトラキストリメチルシロキシシラン、フェニルトリストリメチルシロキシシランが挙げられる。これらの中でも、揮発性のものが好ましい。これら2種類以上を併用してもよい。
【0069】
炭化水素油及びワックスとしては、オゾケライト、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、ポリブテン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。
【0070】
動植物油としては、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、イボタロウ、エノ油、オリーブ油、カカオ脂、カポックロウ、カヤ油、カルナウバロウ、肝油、キャンデリラロウ、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、キョウニン油、鯨ロウ、硬化油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シアバター、シナギリ油、シナモン油、ジョジョバロウ、セラックロウ、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、豚脂、ナタネ油、日本キリ油、ヌカロウ、胚芽油、馬脂、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ベイベリーロウ、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミツロウ、ミンク油、綿実油、綿ロウ、モクロウ、モクロウ核油、モンタンロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、羊脂、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、卵黄油等が挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。
【0071】
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、モノオレイルグリセリルエーテル(セラキルアルコール)等が挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。
【0072】
エステル油としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、イソノナン酸イソノニル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等;グリセライド油としては、アセトグリセリル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル等が挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。
【0073】
親水性媒体としては、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等の1価低級アルコール;1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等の2価アルコール;ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール;グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコールが挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。化粧品における親水性媒体の配合量は、化粧品の全質量の1〜80質量%が好ましい。
【0074】
保湿剤としては、グルコース、キシリトール、マルチトール、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ピロリドンカルボン酸塩、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド等が挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。なお、親水性媒体である1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等も化粧品の保湿感の向上に寄与する場合がある。化粧品における保湿剤の配合量は、化粧品の全質量の0.1〜30質量%が好ましい。
【0075】
シリコーン類としては、例えば、ガム状シリコーン、シリコーン樹脂及びシリコーンエラストマー粉末が挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。
【0076】
ガム状シリコーンは、超高重合度の直鎖状ジオルガノポリシロキサンであり、シリコーン生ゴム又はオルガノポリシロキサンガムと称されている。代表例として、(CH3)3SiO{(CH3)2SiO}f{(CH3)R7SiO}gSi(CH3)3(式中、R7はビニル基、フェニル基、炭素数が6〜20のアルキル基、炭素数3〜15のアミノアルキル基、炭素数3〜15のパーフロロアルキル基、炭素数3〜15の4級アンモニウム塩基含有アルキル基から選択され、f=3000〜6000、g=0〜1000、f+g=3000〜6000)で表されるものがある。これら2種類以上を併用してもよい。
【0077】
シリコーン樹脂は、高度の分岐状構造、網状構造又は籠状構造を有するオルガノポリシロキサンであり、常温で液状又は固形状である。固形状のシリコーン樹脂には、例えば、トリオルガノシロキシ単位(M単位)(オルガノ基はメチル基のみ、メチル基とビニル基若しくはフェニル基である)、ジオルガノシロキシ単位(D単位)(オルガノ基はメチル基のみ、メチル基とビニル基若しくはフェニル基である)、モノオルガノシロキシ単位(T単位)(オルガノ基はメチル基、ビニル基、又はフェニル基である)及びシロキシ単位(Q単位)の任意の組み合わせからなるMQ樹脂、MDQ樹脂、MTQ樹脂、MDTQ樹脂、TD樹脂、TQ樹脂、TDQ樹脂がある。更には、トリメチルシロキシケイ酸、ポリアルキルシロキシケイ酸、ジメチルシロキシ単位含有トリメチルシロキシケイ酸、アルキル(パーフルオロアルキル)シロキシケイ酸等が挙げられる。これらのシリコーン樹脂は油溶性であることが好ましく、オクタメチルテトラシロキサン(D4)やデカメチルシクロペンタシロキサン(D5)に溶解しうるものが特に好ましい。これら2種類以上を併用してもよい。
【0078】
ガム状シリコーン及びシリコーン樹脂は、単独で化粧品に配合しても構わないが、揮発性又は不揮発性シリコーンオイル、或いは、揮発性又は不揮発性炭化水素油へ溶解させて配合することもできる。ガム状シリコーン及びシリコーン樹脂の配合量は、化粧品の総量の0.1〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。皮膚への密着性のより高い化粧品を得るためには、化粧品100重量部当たりガム状シリコーン又はシリコーン樹脂50〜500重量部が好ましい。
【0079】
シリコーンエラストマー粉末は、主として直鎖状ジオルガノポリシロキサンの架橋物であり、球状、扁平状、不定形状等種々の形状をとりうる。粒子形状を有するシリコーンエラストマーであり、電子顕微鏡を用いた観察による一次粒子径及び/又はレーザー回析・散乱法で測定された平均一次粒子径が0.1〜50μmの範囲に入り、かつ一次粒子の形状が球状のシリコーンエラストマー粉末が好ましい。シリコーンエラストマー粉末を構成するシリコーンエラストマーは、JIS K 6253「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法」のタイプAデュロメータによる硬さが80以下が好ましく、65以下がより好ましい。2種類以上のシリコーンエラストマー粉末を併用してもよい。
【0080】
シリコーンエラストマー粉末は、例えば、2つ以上のアルケニル基を含有するジオルガノポリシロキサンと2つ以上のケイ素原子結合水素原子を有するアルキルハイドロジェンポリシロキサンと塩化白金酸からなる組成物を、乳化状態又は噴霧状態で硬化させることにより製造することができる。アルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンとしては、例えば、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンが挙げられるが、α,ω−アルケニルジエン、グリセリントリアリルエーテル、ポリオキシアルキニル化グリセリントリアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ポリオキシアルキニル化トリメチロールプロパントリアリルエーテル等のように、分子中に二つ以上のビニル基やアリル基を有する有機化合物でもよい。
【0081】
シリコーンエラストマー粉末は、例えば、特開平2−243612号公報、特開平8−12545号公報、特開平8−12546号公報、特開平8−12524号公報、特開平9−241511号公報、特開平10−36219号公報、特開平11−193331号公報、特開2000−281523号公報等に記載されているものが挙げられる。市販品として東レ・ダウコーニング株式会社製トレフィルEシリーズのトレフィルE−505、E−506、E−507、E−508等があり、「化粧品種別配合成分規格」収載の架橋型シリコーン末が該当する。これらのシリコーンエラストマー粉末は表面処理がされていてもよく、表面処理剤の例としては、メチルハイドロジェンポリシロキサン、シリコーンレジン、金属石鹸、シランカップリング剤、シリカ、酸化チタン等の無機酸化物、パーフルオロアルキルシラン、パーフルオロアルキルリン酸エステル塩等のフッ素化合物が挙げられる。
【0082】
シリコーンエラストマー粉末は、油性成分との混練物であるペースト状物や、水系分散体の形で化粧品に配合することが好ましい。より詳しくは、例えば、シリコーンエラストマー粉末と、エステル油、炭化水素油、高級アルコール及び動植物油からなる群から選ばれる常温で液体の油剤とを混練して作られたペースト状物;シリコーンエラストマー粉末を機械力で乳化剤含有水中に分散したものが挙げられる。
【0083】
シリコーンエラストマー粉末は粒子径が10μmを超えるものも多く、水性組成物に安定に配合することが難しかったが、本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンと併用することにより安定に配合することができる。化粧品におけるオルガノポリシロキサンエラストマー粉体の配合量は、化粧品の全質量の0.1〜30質量%が好ましい。
【0084】
シリコーン類として、シリコーン変性有機重合体を配合してもよい。シリコーン変性有機重合体としては、例えば、ポリジメチルシロキサングラフト型アクリル系共重合体、特開2000−063225に開示されているカルボキシシロキサンデンドリマーグラフト型アクリル系共重合体、及び特開2003−226611に開示されているカルボキシシロキサンデンドリマー構造及びフッ化有機基を有するアクリル系共重合体が挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。
【0085】
紫外線遮蔽剤は、無機系と有機系のUVスクリーン剤のいずれであってもよい。無機系のUVスクリーン剤は、典型的には無機系粉体であり、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、低次酸化チタン、鉄ドーピング酸化チタン等の金属酸化物、水酸化鉄等の金属水酸化物、板状酸化鉄、アルミニウムフレーク等の金属フレーク類、炭化珪素等のセラミック類が挙げられる。このうち、平均粒子径が1〜100nmの範囲にある微粒子金属酸化物若しくは微粒子金属水酸化物から選ばれる少なくとも一種であることが特に好ましい。これら2種類以上を併用してもよい。これらの粉体は、従来公知の表面処理、例えばフッ素化合物処理(パーフルオロアルキルリン酸エステル処理やパーフルオロアルキルシラン処理、パーフルオロポリエーテル処理、フルオロシリコーン処理、フッ素化シリコーン樹脂処理が好ましい)、シリコーン処理(メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、ジメチルポリシロキサン処理、気相法テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン処理が好ましい)、シリコーン樹脂処理(トリメチルシロキシケイ酸処理が好ましい)、ペンダント処理(気相法シリコーン処理後にアルキル鎖等を付加する方法)、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、シラン処理(アルキルシランやアルキルシラザン処理が好ましい)、油剤処理、N−アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属石鹸処理(ステアリン酸やミリスチン酸塩が好ましい)、アクリル樹脂処理、金属酸化物処理等がされていることが好ましく、これらの処理の複数で処理されていることが好ましい。例えば、微粒子酸化チタン表面を酸化ケイ素やアルミナ等の金属酸化物で被覆した後、アルキルシランで表面処理すること等が挙げられる。表面処理量は、粉体に対して総計で0.1〜50質量%の範囲にあることが好ましい。
【0086】
有機系のUVスクリーン剤としては、例えば、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸オクチル、サリチル酸トリエタノールアミン等のサリチル酸系;パラアミノ安息香酸、エチルジヒドロキシプロピルパラアミノ安息香酸、グリセリルパラアミノ安息香酸、オクチルジメチルパラアミノ安息香酸、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルへキシル等のPABA系;4-(2-β-グルコピラノシロキシ)プロポキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸及びその三水塩、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2、2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−N−オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(別名;パラメトキシケイ皮酸オクチル)、ジパラメトキシケイ皮酸モノ-2-エチルヘキサン酸グリセリル、2,5−ジイソプロピルケイ皮酸メチル、2,4,6−トリス[4−(2−エチルへキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、p−メトキシハイドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩等のケイ皮酸系;2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−硫酸、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン等のベンゾイルメタン系;2―シアノ―3,3―ジフェニルプロパ―2―エン酸2―エチルヘキシルエステル(別名;オクトクリレン)、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルへキシル、1−(3,4−ジメトキシフェニル)−4,4−ジメチル−1,3−ペンタンジオン、シノキサート、メチル−O−アミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、3−(4−メチルベンジリデン)カンフル、オクチルトリアゾン、4−(3,4−ジメトキシフェニルメチレン)−2,5−ジオキソ−1−イミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、これらの高分子誘導体、及びシラン誘導体が挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。
【0087】
有機系のUVスクリーン剤をポリマー粉末中に分散させたものを使用してもよい。ポリマー粉末は中空又は中実であり、平均一次粒子径は好ましくは0.1〜50μmの範囲であり、粒度分布はブロード又はシャープである。ポリマーの種類としてはアクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、シリコーン樹脂、ナイロン、アクリルアミド樹脂等が挙げられる。有機系UVスクリーン剤を0.1〜30質量%の範囲で含有するポリマー粉末が好ましく、特にUV−A吸収剤である4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンを含有するポリマー粉末が好ましい。
【0088】
紫外線遮蔽剤としては、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤からなる群より選ばれる少なくとも1種が、汎用されており、入手が容易で、かつ紫外線防御効果が高いため好適に使用することができる。特に、無機系と有機系のUVスクリーン剤を併用することが好ましく、UV−Aに対応したUVスクリーン剤とUV−Bに対応したUVスクリーン剤を併用することが更に好ましい。化粧品における紫外線遮蔽剤の配合量は、無機系及び/又は有機系UVスクリーン剤の合計で、化粧品の0.1〜60質量%の範囲にあることが好ましく、3〜40質量%がより好ましい。更に、無機系のUVスクリーン剤の配合量は化粧品の0.1〜30質量%の範囲が好ましく、有機系UVスクリーン剤は、化粧品の0.1〜20質量%の範囲が好ましい。
【0089】
水溶性高分子としては、両性、カチオン性、アニオン性又は非イオン性の水溶性高分子が挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。
【0090】
両性水溶性高分子としては、例えば、両性化デンプン、塩化ジメチルジアリルアンモニウム誘導体(例えば、アクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体、アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体)、メタクリル酸誘導体(例えば、ポリメタクリロイルエチルジメチルベタイン、N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキル共重合体等)が挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。
【0091】
カチオン性水溶性高分子としては、例えば、第4級窒素変性ポリサッカライド(例えば、カチオン変性セルロース、カチオン変性ヒドロキシエチルセルロース、カチオン変性グアーガム、カチオン変性ローカストビーンガム、カチオン変性デンプン等)、塩化ジメチルジアリルアンモニウム誘導体(例えば、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム等)、ビニルピロリドン誘導体(例えば、ビニルピロリドン・ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体塩、ビニルピロリドン・メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド共重合体、ビニルピロリドン・塩化メチルビニルイミダゾリウム共重合体等)、メタクリル酸誘導体(例えば、メタクリロイルエチルジメチルベタイン・塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム・メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体、メタクリロイルエチルジメチルベタイン・塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム・メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール共重合体等)が挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。
【0092】
アニオン性水溶性高分子としては、例えば、ポリアクリル酸又はそのアルカリ金属塩、ポリメタアクリル酸又はそのアルカリ金属塩、ヒアルロン酸又はそのアルカリ金属塩、アセチル化ヒアルロン酸又はそのアルカリ金属塩、メチルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体の加水分解物等の脂肪族カルボン酸又はその金属塩の水溶性重合体、カルボキシメチルセルロース又はそのアルカリ金属塩、メチルビニルエーテル−マレイン酸ハーフエステル共重合体、アクリル樹脂アルカノールアミン液、カルボキシビニルポリマーが挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。
【0093】
非イオン性水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルピロリドン、高重合ポリエチレングリコール、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、セルロース又はその誘導体(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース)、ケラチン及びコラーゲン又はその誘導体、アルギン酸カルシウム、プルラン、寒天、ゼラチン、タマリンド種子多糖類、キサンタンガム、カラギーナン、ハイメトキシルペクチン、ローメトキシルペクチン、グァーガム、ペクチン、アラビアゴム、結晶セルロース、アラビノガラクタン、カラヤガム、トラガカントガム、アルギン酸、アルブミン、カゼイン、カードラン、ジュランガム、デキストラン、クインスシードガム、トラガントガム、キチン・キトサン誘導体、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ等)、ケラチン及びコラーゲン又はその誘導体等の天然の高分子化合物が挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。
【0094】
水溶性高分子は、水に溶解又は分散させて均一な水溶液又は分散液にしてから、他の化粧品原料と混合することが好ましい。化粧品における水溶性高分子の配合量は、化粧品の0.001〜5質量%の範囲にあることが好ましく、0.01〜3質量%がより好ましい。0.001質量%未満の配合量の場合には十分な増粘効果が望めず、5質量%を超えて配合すると化粧品の粘度が高くなりすぎ、使用感が劣ることになりかねない。
【0095】
水膨潤性粘土鉱物は、三層構造を有するコロイド含有ケイ酸アルミニウムの一種であり、例えば、式:(X,Y)2−3(Si,Al)4O10(OH)2Z1/3・nH2O (式中、Xは、Al、Fe(III)、Mn(III)又はCr(III)であり、Y は、Mg、Fe(II)、Ni、Zn又はLiであり、Zは、K、Na又はCaである)で表されるものが挙げられる。このような水膨潤性粘土鉱物として、具体的には、ベントナイト、モンモリロナイト、パイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ケイ酸アルミニウムマグネシウムが例示され、これらは天然物及び合成物のいずれであってもよい。これら2種類以上を併用してもよい。
【0096】
水膨潤性粘土鉱物は、水に溶解又は分散させて均一な水溶液又は分散液にしてから、他の化粧品原料と混合することが好ましい。化粧品における水膨潤性粘土鉱物の配合量は、化粧品の0.001〜5質量%の範囲にあることが好ましく、0.01〜3質量%がより好ましい。0.001質量%未満の配合量の場合には十分な増粘効果が望めず、5質量%を超えて配合すると化粧品の粘度が高くなりすぎ、使用感が劣ることになりかねない。
【0097】
防腐剤としては、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノールが挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。化粧品におけるシリコーン類の配合量は、化粧品の全質量の0.1〜5質量%が好ましい。
【0098】
抗菌剤としては、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、トリクロサン、感光素、フェノキシエタノール、メチルイソチアゾリノン等が挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。化粧品におけるシリコーン類の配合量は、化粧品の全質量の0.1〜5質量%が好ましい。
【0099】
生理活性成分としては、例えば、抗炎症剤、老化防止剤、ひきしめ剤、発毛剤、育毛剤、血行促進剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分が挙げられる。その中でも、天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分からなるものが特に好ましい。化粧品には、これらの生理活性成分を1種又は2種以上配合することが好ましい。化粧品における生理活性成分の配合量は、化粧品の全質量の0.1〜10質量%が好ましい。
【0100】
具体的には、例えばアシタバエキス、アボガドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カルカデエキス、カキョクエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、グアノシン、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、ザクロエキス、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、ハスエキス、パセリエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
【0101】
また、デオキシリボ核酸、ムコ多糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜等の生体高分子;グリシン、ヴァリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン等のアミノ酸;エストラジオール、エテニルエストラジオール等のホルモン;スフィンゴ脂質、セラミド、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質等の油性成分;ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β−グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン、アラントイン、トラネキサム酸、アズレン等の抗炎症剤;ビタミンA,B2,B6,C,D,E,パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンCエステル等のビタミン類;アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分;α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸等の細胞賦活剤;γ−オリザノール、ビタミンE誘導体等の血行促進剤;レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤;セファランチン、カンゾウ抽出物、トウガラシチンキ、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシン、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸、ニコチン酸誘導体、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、アセチルパントテニルエチルエーテル、ビオチン、アラントイン、イソプロピルメチルフェノール、エストラジオール、エチニルエステラジオール、塩化カプロニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、タカナール、カンフル、サリチル酸、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、ピロクトンオラミン、ペンタデカン酸グリセリル、l−メントール、カンフル等の清涼剤;モノニトログアヤコール、レゾルシン、γ−アミノ酪酸、塩化ベンゼトニウム、塩酸メキシレチン、オーキシン、女性ホルモン、カンタリスチンキ、シクロスポリン、ジンクピリチオン、ヒドロコルチゾン、ミノキシジル、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ハッカ油、ササニシキエキス等の育毛剤等が挙げられる。
【0102】
pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl−リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。化粧品におけるpH調整剤の配合量は、化粧品の全質量の0.1〜5質量%が好ましい。
【0103】
有機溶媒としては、例えば、エーテル類があり、更に、プロペラントとしてLPG、N−メチルピロリドン、次世代フロンが挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。化粧品における有機溶媒の配合量は、化粧品の全質量の0.1〜50質量%が好ましい。
【0104】
酸化防止剤(抗酸化剤)としては、例えば、トコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、フィチン酸、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニンが挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。化粧品における酸化防止剤の配合量は、化粧品の全質量の0.1〜5質量%が好ましい。
【0105】
キレート化剤としては、例えば、EDTA、アラニン、エデト酸ナトリウム塩、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸が挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。化粧品におけるキレート化剤の配合量は、化粧品の全質量の0.1〜5質量%が好ましい。
【0106】
香料としては、例えば、生理活性成分として例示した各種の抽出物を含め、様々な植物の花、種子、葉、根等から抽出した香料、海藻類から抽出した香料、動物の各部位又は分泌物から抽出した香料(例、じゃこう、マッコウ)、人工的に合成した香料(例、メントール、ムスク、酢酸エステル、バニラ)が挙げられる。これら2種類以上を併用してもよい。化粧品における香料の配合量は、化粧品の全質量の0.1〜5質量%が好ましい。
【0107】
色素としては、例えば、染料、顔料、蛍光増白剤があり、染料には水溶性染料、油溶性染料、天然系染料、合成染料等があり、顔料には体質顔料、無機顔料、有機顔料等がある。これら2種類以上を併用してもよい。化粧品における色素の配合量は、化粧品の全質量の0.1〜5質量%が好ましい。
【0108】
本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョン及び上記の化粧品一般に使用される化粧品原料の化粧品中での配合量は、化粧品の種類、用途、特性、性状等に応じて様々であり、特に限定されない。したがって、化粧品中のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンの配合量は0.1〜99.9質量%、1〜99質量%、10〜90質量%、20〜80質量%、30〜70質量%、40〜60質量%等の範囲で適宜設定することができる。したがって、例えば、本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンと色素及び香料のみからなる化粧品の場合は、アミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンの配合量が99質量%を上回ることがあり得る。
【0109】
本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンが配合される化粧品の形態及び性状は特に限定されるものではないが、水中油型エマルジョン形態の化粧品、特にレーザー回折・散乱法を用いて測定した平均粒子径が10.0μm未満、0.5μm(500nm)未満、特には0.2μm(200nm)未満の分散相を連続水相中に有する水中油型エマルジョン化粧品であることが好ましい。平均粒子径が0.5μm未満の水中油型エマルジョン化粧品は半透明から白濁の外観を呈し、経時安定性に特に優れるという利点を有する。
【0110】
水中油型エマルジョンの形態の化粧品は、パドル翼付攪拌機、プロペラ攪拌器、ヘンシェル型攪拌機、TKホモミクサー(特殊機化工業(株))、TKホモディスパー(特殊機化工業(株))等の公知の攪拌装置、混合装置或いは乳化装置を用いて、本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョン及び上記の化粧品一般に使用される化粧品原料を所望量の水と混合することにより得ることができる。混合にあたっては既述したような高圧乳化装置やコロイドミル、コロイドミキサーのような高せん断力による乳化装置は必ずしも必要ではないが、小粒径ないし微細な粒径の安定な水中油型エマルジョンを得ることができるのでそのような装置を使用することが好ましい。
【0111】
水中油型エマルジョンの形態の化粧品を製造するには、例えば、まず、分散相を構成する成分を均一に混合して予備混合物を調製する。次に、水及び水相を構成する成分を500〜5000rpm程度の回転速度で攪拌しつつ、前記予備混合物及び本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンを任意の順で徐々に添加し、添加後、更に撹拌する。予備混合物に対する水の質量比は任意であるが、0.05/0.95〜0.50/0.50であることが、得られる水中油型エマルジョン化粧品の経時安定性の点から有利である。なお、化粧品の製造量が少ない場合には、例えば、任意の容器中で水及び水相を構成する成分をへら等を用いて人力で攪拌しながら、前記予備混合物及び本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンを徐々に添加してもよい。
【0112】
本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンを配合した水中油型エマルジョンの形態の化粧品は、安定な水中油型エマルジョンを製造する場合に通常必要となる乳化の諸条件の検討が容易であり、しかも、その経時安定性及び使用感に優れるものである。
【0113】
なお、水中油型エマルジョンの形態の化粧品の製造時に使用される水は、本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンに含まれる水と一体化するので、両者は、化粧品中において区別することはできない。
【0114】
このように、本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンを使用することにより、特殊な乳化装置を使用しなくても微細な粒径の分散相を有する水中油型エマルジョン形態の化粧品を製造することができ、しかも、得られた化粧品は経時安定性が優れている。水中油型エマルジョン形態の化粧品の場合、本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンは化粧品の5〜50質量%を占めることが好ましい。
【0115】
上記の化粧品の用途は特に限定されず、皮膚洗浄剤、スキンケア化粧品、メイクアップ化粧品、制汗剤、紫外線防御剤等の皮膚用化粧品;毛髪洗浄剤、整髪料、毛髪着色料、養毛料、ヘアリンス等の毛髪用化粧品;浴用化粧品;香水、オーデコロン等であってよい。本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンを含む化粧品は皮膚用化粧品又は毛髪用化粧品であることが特に好ましい。
【0116】
前記皮膚用化粧品は、頭皮、顔面(口唇、眉目、頬を含む)、手指、爪、全身のいずれの部位用でもよい。具体的には、クレンジングジェル、クレンジングクリーム、クレンジングフォーム、クレンジングミルク、クレンジングローション、洗顔クリーム、アイメークアップリムーバー、洗顔フォーム、液体全身用石鹸、ハンドソープ、ゲル状石鹸、固形石鹸、フェイシャルリンス、ボディリンス、シェービングクリーム、除光液、アクネ対策化粧品等の皮膚洗浄剤;肌用クリーム、頭皮用トリートメント、スキンミルク、ミルクローション、乳液、化粧水、保湿液、美容液、フェイシャルパック、ボディパウダー、エッセンス、シェービングローション等のスキンケア化粧品;ファンデーション、メークアップベース、白粉、フェースパウダー、リップスティック、リップクリーム、練紅、リップグロス、アイシャドウ、アイライナー、アイクリーム、眉墨、アイブロー、マスカラ、頬紅、頬化粧品(チークカラー、チークルージュ)、マニキュア、ペディキュア、ネイルカラー、ネイルラッカー、エナメルリムーバー、ネイルポリッシュ等のメイクアップ化粧品;デオドラント等の制汗剤;サンスクリーン剤、日焼け用薬剤(サンタン剤)等の紫外線防御剤等が挙げられる。
【0117】
前記毛髪用化粧品としては、シャンプー、リンスインシャプー等の毛髪用洗浄剤;ヘアオイル、髪用カール保持剤、セット剤、ヘアクリーム、へアスプレー、ヘアリキッド、ヘアワックス等の整髪料;染毛料、ヘアカラースプレー、ヘアカラーリンス、ヘアカラースティック等の毛髪用着色料;ヘアトニック、ヘアトリートメント、ヘアパック等の養毛料;コンディショナー、オイルリンス、クリームリンス、トリートメントリンス等のヘアリンス、マスカラ等の睫毛化粧品等が挙げられる。
【0118】
また、前記の浴用化粧品としては、バスオイル、バスソルト、フォームバスが挙げられる。
【0119】
上記の化粧品を収納する容器は、特に限定されるものではなく、ジャー、ポンプ、チューブ、ボトル、圧力缶吐出容器、耐圧エアゾール容器、遮光容器、コンパクト容器、金皿、スティック容器、繰り出し容器、噴霧容器、混合液吐出口を備えた仕切り付き容器等が挙げられる。水中油型エマルジョン型の化粧品である場合は、ジャー、ポンプ、ボトル、噴霧容器等が挙げられる。本発明に係るアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンを用いて製造された水中油型エマルジョン化粧品はその経時安定性に優れるため、透明容器に充填されても安定に保管することができ、外観に優れた製品として店頭販売することが可能である。
【実施例】
【0120】
[エポキシ変性シリコーンの合成]
【0121】
(合成例1) 下記式:
【化41】
(式中、Meはメチル基を表す)で表される両末端ハイドロジェンポリシロキサン83.4g、下記式:
【化42】
で表されるエポキシ官能性アリルポリエーテル16.6g、及び、酢酸ナトリウムのメタノール溶液0.05gを混合し、50℃に加熱した。白金触媒0.02gを加え、80℃〜90℃で3時間反応させ、低沸点物を減圧留去したのち、下記式:
【化43】
(式中、Meはメチル基を表す)で表されるエポキシポリエーテル変性シリコーン100gを得た。
【0122】
(合成例2) 下記式:
【化44】
(式中、Meはメチル基を表す)で表される側鎖型ハイドロジェンポリシロキサン73.1g、下記式:
【化45】
で表されるエポキシ官能性アリルポリエーテル26.9g、及び、酢酸ナトリウムのメタノール溶液0.05gを混合し、50℃に加熱した。白金触媒0.02gを加え、80℃〜90℃で3時間反応させ、低沸点物を減圧留去したのち、下記式:
【化46】
(式中、Meはメチル基を表す)で表されるエポキシポリエーテル変性シリコーン100gを得た。
【0123】
(合成例3) 下記式:
【化47】
(式中、Meはメチル基を表す)で表される側鎖ハイドロジェンポリシロキサン83.4g、下記式:
【化48】
で表されるエポキシ官能性アリルポリエーテル16.6g、及び、酢酸ナトリウムのメタノール溶液0.05gを混合し、50℃に加熱した。白金触媒0.02gを加え、80℃〜90℃で3時間反応させ、低沸点物を減圧留去したのち、下記式:
【化49】
(式中、Meはメチル基を表す)で表されるエポキシポリエーテル変性シリコーン100gを得た。
【0124】
[塩基性アミノ酸変性シリコーンエマルジョンの調製]
【0125】
(実施例1)
合成例2のエポキシポリエーテル変性シリコーン25部、ポリオキシエチレン(25)ラウリルエーテル 4.7部、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル 2.3部を攪拌し、水1部を加え乳化した。次いで安息香酸ナトリウム 0.4部、L-アルギニン 1.8部、水 59.0部を加え乳化し、50℃〜60℃で5時間反応させ、エマルジョンを得た。得られたエマルジョンから、アルコールを用いて生成物を抽出し、1H-NMRにて分析したところ、エポキシポリエーテル変性シリコーンに由来するエポキシ基のピークは検出されなかった。
【0126】
(実施例2)
合成例1のエポキシポリエーテル変性シリコーン25部、ポリオキシエチレン(25)ラウリルエーテル 3.1部、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル 3.5部を攪拌し、水1部を加え乳化した。次いで安息香酸ナトリウム 0.4部、L-アルギニン 0.9部、水 60.3部を加え乳化し、50℃〜60℃で5時間反応させ、エマルジョンを得た。得られたエマルジョンから、アルコールを用いて生成物を抽出し、1H-NMRにて分析したところ、エポキシポリエーテル変性シリコーンに由来するエポキシ基のピークは検出されなかった。
【0127】
(実施例3)
合成例3のエポキシポリエーテル変性シリコーン25部、ポリオキシエチレン(25)ラウリルエーテル 3.1部、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル 3.5部を攪拌し、水1部を加え乳化した。次いで安息香酸ナトリウム 0.4部、L-アルギニン 1.2部、水 60.0部を加え乳化し、50℃〜60℃で5時間反応させ、エマルジョンを得た。得られたエマルジョンから、アルコールを用いて生成物を抽出し、1H-NMRにて分析したところ、エポキシポリエーテル変性シリコーンに由来するエポキシ基のピークは検出されなかった。
【0128】
[評価]
【0129】
(ウェット時の櫛通り性)
長さ約27cm、重さ約2gの、アジア人の無処理毛髪束を、シリコーンを含有しないシャンプーで洗浄し充分にすすいだ後、タオルで余分な水を取り除き、室温条件下で吊るした状態で1昼夜自然乾燥させたものを試験体とした。
【0130】
実施例1〜3のエマルジョンを3つの試験体にそれぞれ直接塗布した。次に、各試験体について、水に含浸させた後、湿った状態でブラッシングを行い、櫛通り時間を測定した。一方、実施例1〜3のエマルジョンに代えて水を塗布した試験体、並びに、実施例1〜3のエマルジョンに代えてシスチン変性ポリシロキサンエマルジョン(CrodaPersonal Care社製Crodasone Cystine)を塗布した試験体についても、それぞれ比較例1及び2として、櫛通り時間を測定した。結果を図1に示す。
【0131】
図1から分かるように、比較例1及び2に対して、実施例1〜3のエマルジョンを塗布した試験体は櫛通り時間が短い。したがって、本発明のエマルジョンはウェット時の櫛通り性に優れており、化粧品の成分として好適に使用することができる。
【0132】
(帯電性)
実施例1〜3のエマルジョンを3つの試験体にそれぞれ直接塗布した。一方、水及びシスチン変性ポリシロキサンエマルジョン(CrodaPersonal Care社製Crodasone Cystine)を塗布した試験体をそれぞれ比較例1及び比較例2とした。上方から吊した実施例1〜3並びに比較例1及び2の試験体に根元から毛先にかけて同一回数ブラッシングを行い、毛髪を帯電させ、各試験体の毛髪の広がり角度の最大値を測定した。
【0133】
実施例1〜3の試験体の広がり角度は5〜10°程度であったが、比較例1の広がり角度は18°であり、比較例2の広がり角度は24°であった。これらの結果から、本発明のエマルジョンは帯電防止特性に優れており、化粧品の成分として有益であることが分かる。
【0134】
(保湿効果)
実施例1〜3のエマルジョンの保湿効果を以下の方法により評価した。
【0135】
5名の女性パネリストの両腕を、シリコーンを含有しない石鹸で洗浄した後、サンプルを上腕内側部の測定領域(4cm×9cmの長方形サイト)にランダムに塗布する。次に、サンプルを塗布した当該肌上の測定領域について、肌上の水分量を、水分計コルネオメーターMPA5 electric GmbH (Courage+Khazaka社製)を用いて、肌上の対照領域(非塗布領域)との差により測定した。なお、測定値は、測定領域内の6箇所の平均により求めた値である。
【0136】
(1)0.020gの実施例1〜3のエマルジョン及び水(対照)について、上記の方法により、塗布直後、0.5時間後、1時間後、2時間後、3時間後、4時間後、5時間後、6時間後の各々につき、保湿効果を比較した結果を図2に示す。
【0137】
(2)0.020gの実施例2のエマルジョン及び5%グリセリン水溶液(対照)について、上記の方法により、塗布直後、0.5時間後、1時間後、2時間後、3時間後、4時間後、5時間後、6時間後の各々につき、保湿効果を比較した結果を図3に示す。
【0138】
[皮膚化粧料:シャワーゲルの調製と評価]
【0139】
表1に示す組成を有するシャワーゲル1及びシャワーゲル2(実施例)、並びに、シャワーゲル3(対照)を、以下に示す製造方法により調製した。
【0140】
【表1】
【0141】
(シャワーゲルの製造方法)成分1〜3を混合し、当該混合物を、予め調製しておいた成分4〜5および成分6(1)又は6(2)の混合物に添加して攪拌する。次に、成分7及び成分8を添加してpHを6に調整し、攪拌してシャワーゲルを作成した。
【0142】
本発明の実施例に相当するシャワーゲル(シャワーゲル1及びシャワーゲル2)を、対照品(シャワーゲル3)と比較したところ、[起泡性]、[泡質]、[すすぎやすさ]及び[べとつき感]の感触評価について、対照品より著しく優れた評価を得た。感触評価の方法は以下の通りである。
【0143】
[シャワーゲルの感触評価方法]
シャワーゲルの感触評価は18名のパネリストにより以下の方法で評価した。
1.各パネリストは左右の手と腕を各々8秒間水ですすぐ。
2.本発明のシャワーゲル(評価品)およびシャワーゲル3(対照)を3ml取り、各々の手と腕について20秒間泡立てる。
3.[起泡性]について、どちらが速やかに泡立ったか評価する。
4.[泡質]について、どちらがクリーム状できめ細かい泡が形成されたか評価する。
5.各パネリストは右手と左手を各々20秒間水ですすぐ。
6.[すすぎやすさ]について、どちらがすすぎやすかったか評価する。
7.各パネリストは左右の手と腕を各々ペーパータオルで静かに叩いて、余分の水分をふき取る。
8.2分後、[べとつき感]について、どちらがべとつきを感じなかったかについて評価する。
【0144】
本発明の実施例に相当するシャワーゲル(シャワーゲル1及びシャワーゲル2)につき、各評価項目についての18名による評価結果を表2に示す。表中の人数は、実施例のシャワーゲルが各評価項目について、より優れていると回答した人数である。
【0145】
【表2】
【0146】
表2に示す通り、本発明のエマルジョン組成物を含むシャワーゲルは、[起泡性]、[泡質]、[すすぎやすさ]、[べとつき感]の各評価項目につき、対照品と同等か、より優れた感触であると評価された。
【0147】
以下、本発明の化粧品の処方例を示す。
【0148】
(処方例1)コンディショナー
【0149】
成分
1.イオン交換水 残部
2.ヒドロキシエチルセルロース 1.5部
3.セテアリルアルコール 1.0部
4.PEG−100 ステアレート及びグリセリルステアレートの混合物 1.0部
5.実施例1のエマルジョン 7.7部
6.防腐剤 適量
7.クエン酸 適量
【0150】
(製造方法)成分1及び成分2を75℃にて攪拌し、成分2を完全に溶解させた。これを60℃に冷却した後、成分3及び成分4を添加し、攪拌した。次いで、40℃に冷却して成分5を添加し、5〜10分攪拌した。その後、成分6及び成分7を加えpHを6〜7に調整し、コンディショナーを調製した。本処方により製造したコンディショナーは、ドライ時、ウェット時の櫛通り性、感触に優れたものであった。
【0151】
(処方例2)シャンプー
【0152】
成分
1.イオン交換水 残部
2.塩化O-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース 0.3部
3.PEG−150 ペンタエリスリチルテトラステアレート 7.0部
4.ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム 30部
5.ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド 3.0
6.コカミドプロピルベタイン 3.0部
7.実施例1のエマルジョン 7.7部
8.クエン酸 適量
9.防腐剤 適量
【0153】
(製造方法)成分1及び成分2を混合し、成分2を完全に溶解させる。次に、75℃に加熱して成分3を添加し攪拌する。次いで、40℃に冷却して、成分4〜6を順に添加して攪拌する。その後、成分7を加え、5〜10分攪拌する。更に、成分8及び成分9を添加し、攪拌してシャンプーを得る。本処方により得られるシャンプーを用いて処理した毛髪は、ドライ時、ウェット時の櫛通り性、感触に優れたものであった。
【0154】
(処方例3)シャワーゲル
【0155】
成分
1.ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム 30部
2.デシルグルコシド 5部
3.ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルベタイン 10部
4.ポリオキシエチレンラウリルエーテル 2部
5.ポリアクリルアミド
6.実施例3のエマルジョン 19.3部
7.イオン交換水 残部
8.クエン酸 適量
【0156】
(製造方法)成分1〜3を混合し、当該混合物を、予め調製しておいた成分4〜6の混合物に添加して攪拌する。次に、成分7及び成分8を添加してpHを6に調整し、攪拌してシャワーゲルを作成した。本処方により得られたゲルは、起泡性、濯ぎ性、感触に優れるものである。
【図面の簡単な説明】
【0157】
【図1】実施例1〜3並びに比較例1及び2のウェット時の櫛通り性の評価結果を示すグラフ
【図2】実施例1〜3及び水(対照)の保湿効果の評価結果を示すグラフ
【図3】実施例2及び5%グリセリン水溶液の保湿効果の評価結果を示すグラフ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
界面活性剤の存在下において、
(a)カルボキシ基が保護されていないアミノ酸、及び
(b)分子中にエポキシ基を有するオルガノポリシロキサン
を水性媒体中で反応させることを特徴とする、アミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンの製造方法。
【請求項2】
前記(a)カルボキシ基が保護されていないアミノ酸が、リジン、アルギニン及びヒスチジンからなる群から選択される塩基性アミノ酸である、請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
前記(a)カルボキシ基が保護されていないアミノ酸が下記式:
【化1】
で表されるアルギニンである、請求項2記載の製造方法。
【請求項4】
前記(b)分子中にエポキシ基を有するオルガノポリシロキサンが、下記一般式(1):
【化2】
{式中、
R1は、それぞれ独立して、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアリール基、非置換若しくは置換のアラルキル基、非置換若しくは置換のアルコキシ基、非置換若しくは置換のポリエーテル基、水酸基、−A−NH−B−NH2、−A−N(−B−NH2)2又は−CH2CH2Si(CH3)2−{OSi(CH3)2}t−OSi(CH3)3(これらの式中、A及びBは、それぞれ独立して、非置換若しくは置換のアルキレン基、又は、-CuH2u−O−CvH2v−(u、vは、それぞれ独立して、1〜5の範囲の整数を表す)を表し、tは0〜500の範囲の整数を表す)を表し、
Qは、下記式:
【化3】
(式中、aは1〜20の範囲の整数を表し、bは1〜10の範囲の整数を表し、cは0〜50の範囲の整数を表し、nは1〜20の範囲の整数を表す)で表される基、又は、上記R1と同一の基を表すが、但し、全てのQがR1となることはなく、
xは、1〜10000の範囲の整数を表し、
yは、0〜1000の範囲の整数を表す}、又は、下記一般式(2):
【化4】
(式中、
R1及びQは、上記と同様であり、
rは、1〜10の範囲の整数を表し、
sは、1〜10の範囲の整数を表す。但し、r+sは3〜20の範囲の整数を表す)
で表されるオルガノポリシロキサンである、請求項1乃至3のいずれかに記載の製造方法。
【請求項5】
前記(b)分子中にエポキシ基を有するオルガノポリシロキサンが、下記一般式(1’):
【化5】
{式中、
R1’は、それぞれ独立して、非置換若しくは置換の炭素原子数1〜20のアルキル基、非置換若しくは置換の炭素原子数6〜20のアリール基、非置換若しくは置換の炭素原子数7〜20のアラルキル基、又は、水酸基を表し、
Q’は、下記式:
【化6】
(式中、
n及びaは、上記と同様であり、
dは、0〜10の範囲の整数を表し、
eは、0〜10の範囲の整数を表す)
で表される基又は上記R1’と同一の基を表すが、但し、全てのQ’がR1’となることはなく、
x’は5〜1000の範囲の整数を表し、
y’は0〜100の範囲の整数を表す}
で表される、分子中にエポキシ基とエーテル鎖を有するオルガノポリシロキサンである、請求項4記載の製造方法。
【請求項6】
前記界面活性剤が、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、及び、これらの混合物からなる群から選択される、請求項1乃至5のいずれかに記載の製造方法。
【請求項7】
前記界面活性剤が、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び、これらの混合物からなる群から選択される、請求項1乃至5のいずれかに記載の製造方法。
【請求項8】
(A)分子中に、下記式(3)、(4)又は(5):
【化7】
(これらの式中、
nは上記と同様であり、
Nは、(a)カルボキシ基が保護されていないアミノ酸に由来する窒素原子を表し、式(5)中の
【化8】
はNが芳香族複素環を構成することを表す)
で表される部位を少なくとも1つ有するアミノ酸変性オルガノポリシロキサン、
(B)界面活性剤
(C)水
からなる、請求項1記載の製造方法により得られるアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョン。
【請求項9】
前記(a)カルボキシ基が保護されていないアミノ酸が、リジン、アルギニン及びヒスチジンからなる群から選択される塩基性アミノ酸である、請求項8記載のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョン。
【請求項10】
前記(A)アミノ酸変性オルガノポリシロキサンが、
下記一般式(3’):
【化9】
{式中、
Zは、オルガノポリシロキサン残基を表し、
R2は、−CH(COOH)−(CH2)3−NH−C(=NH)−NH2、−C(=NH)−NH−(CH2)3−CH(COOH)−NH2、−CH(COOH)−(CH2)3−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−C(=NH)−NH2、−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−(CH2)3−CH(COOH)−NH2、−C(=NH)−NH−(CH2)3−CH(COOH)−NH−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’、−CH(COOH)−(CH2)3−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−C(=NH)−NH−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’、−C(=NH)−NH−(CH2)3−CH(COOH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’、−CH(COOH)−(CH2)3−NH−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’、−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’’−Z’’’)−(CH2)3−CH(COOH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’、−CH(COOH)−(CH2)3−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’’−Z’’’)−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’、−(CH2)4−CH(NH2)COOH、−CH(COOH)−(CH2)4−NH2、−(CH2)4−CH(NH−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)COOH、−(CH2)4−CH(N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’)、−CH(COOH)−(CH2)4−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’又は−CH(COOH)−CH2−イミダゾリル(これらの式中、Z’、Z’’及びZ’’’は、それぞれ独立して、オルガノポリシロキサン残基を表し、n’、n’’及びn’’’は、それぞれ独立して、1〜20の範囲の整数を表す)を表し、
nは、上記と同様である}、
下記一般式(4’):
【化10】
{式中、
Zは上記と同様であり、
R3は、−CH(COOH)−(CH2)3−NH−C(=NH)−NH2、−C(=NH)−NH−(CH2)3−CH(COOH)−NH2、−(CH2)3−CH(COOH)−NH2、−CH(COOH)−(CH2)3−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−C(=NH)−NH2、−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−(CH2)3−CH(COOH)−NH2、−CH(COOH)−(CH2)3−NH−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’、−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−(CH2)3−CH(COOH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’’−Z’’’、−(CH2)4−CH(NH2)COOH、−CH(COOH)−(CH2)4−NH2、−CH(COOH)−(CH2)4−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’又は−CH(COOH)−CH2−イミダゾリル(これらの式中、Z’、Z’’及びZ’’’、並びに、n’、n’’及びn’’’は上記と同様である)を表し、
R4は、−C(=NH)−NH2又は−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’’’−Z’’’’(式中、Z’’’’はポリシロキサン残基を表し、n’’’’は1〜20の範囲の整数を表す)を表し、
nは、上記と同様である}、又は、
下記一般式(5’):
【化11】
{式中、
Zは上記と同様であり、
R5は、−CH2−CH(NH2)COOH、−CH2−CH(NH(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’))COOH又は−CH2−CH(N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’)COOH(これらの式中、Z’及びZ’’、並びに、n’及びn’’は上記と同様である)を表し、
nは上記と同様である}
で表される、請求項9記載のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョン。
【請求項11】
前記オルガノポリシロキサン残基が、下記一般式(6):
【化12】
{式中、
R1は、上記と同様であり、
Dは、−(CH2)a−O−(CbH2bO)c−(式中、a、b及びcは上記と同様である)、又は、上記R1と同一の基を表すが、但し、全てのDがR1となることはなく、
x及びyは上記と同様である}、又は、下記一般式(7):
【化13】
(式中、
R1及びD、並びに、r及びsは上記と同様である。但し、r+sは3〜20の範囲の整数を表す)
で表される、請求項10記載のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョン。
【請求項12】
前記(A)アミノ酸変性オルガノポリシロキサンが、分子中に、下記式(3’’)、(4’’)又は(5’’):
【化14】
(これらの式中、
n、a、d及びeは上記と同様である)
で表される部位を少なくとも1つ有する、請求項11記載のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョン。
【請求項13】
前記(A)アミノ酸変性オルガノポリシロキサンが、下記一般式(8):
【化15】
(式中、
R1’は、上記と同様であり、
QArgは下記式:
【化16】
(式中、
n、a、d及びeは上記と同様である)で表される基又は上記R1’と同一の基を表すが、但し、全てのQArgがR1’となることはなく、
x’及びy’は上記と同様である}
で表されるアルギニン変性オルガノポリシロキサンである、請求項12記載のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョン。
【請求項14】
前記(A)アミノ酸変性オルガノポリシロキサン100重量部を基準として、(B)界面活性剤 1〜100重量部、及び(C)水 10〜10000重量部を含む、請求項8乃至13のいずれかに記載のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョン。
【請求項15】
請求項8乃至14のいずれかに記載のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンを含む化粧品。
【請求項1】
界面活性剤の存在下において、
(a)カルボキシ基が保護されていないアミノ酸、及び
(b)分子中にエポキシ基を有するオルガノポリシロキサン
を水性媒体中で反応させることを特徴とする、アミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンの製造方法。
【請求項2】
前記(a)カルボキシ基が保護されていないアミノ酸が、リジン、アルギニン及びヒスチジンからなる群から選択される塩基性アミノ酸である、請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
前記(a)カルボキシ基が保護されていないアミノ酸が下記式:
【化1】
で表されるアルギニンである、請求項2記載の製造方法。
【請求項4】
前記(b)分子中にエポキシ基を有するオルガノポリシロキサンが、下記一般式(1):
【化2】
{式中、
R1は、それぞれ独立して、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアリール基、非置換若しくは置換のアラルキル基、非置換若しくは置換のアルコキシ基、非置換若しくは置換のポリエーテル基、水酸基、−A−NH−B−NH2、−A−N(−B−NH2)2又は−CH2CH2Si(CH3)2−{OSi(CH3)2}t−OSi(CH3)3(これらの式中、A及びBは、それぞれ独立して、非置換若しくは置換のアルキレン基、又は、-CuH2u−O−CvH2v−(u、vは、それぞれ独立して、1〜5の範囲の整数を表す)を表し、tは0〜500の範囲の整数を表す)を表し、
Qは、下記式:
【化3】
(式中、aは1〜20の範囲の整数を表し、bは1〜10の範囲の整数を表し、cは0〜50の範囲の整数を表し、nは1〜20の範囲の整数を表す)で表される基、又は、上記R1と同一の基を表すが、但し、全てのQがR1となることはなく、
xは、1〜10000の範囲の整数を表し、
yは、0〜1000の範囲の整数を表す}、又は、下記一般式(2):
【化4】
(式中、
R1及びQは、上記と同様であり、
rは、1〜10の範囲の整数を表し、
sは、1〜10の範囲の整数を表す。但し、r+sは3〜20の範囲の整数を表す)
で表されるオルガノポリシロキサンである、請求項1乃至3のいずれかに記載の製造方法。
【請求項5】
前記(b)分子中にエポキシ基を有するオルガノポリシロキサンが、下記一般式(1’):
【化5】
{式中、
R1’は、それぞれ独立して、非置換若しくは置換の炭素原子数1〜20のアルキル基、非置換若しくは置換の炭素原子数6〜20のアリール基、非置換若しくは置換の炭素原子数7〜20のアラルキル基、又は、水酸基を表し、
Q’は、下記式:
【化6】
(式中、
n及びaは、上記と同様であり、
dは、0〜10の範囲の整数を表し、
eは、0〜10の範囲の整数を表す)
で表される基又は上記R1’と同一の基を表すが、但し、全てのQ’がR1’となることはなく、
x’は5〜1000の範囲の整数を表し、
y’は0〜100の範囲の整数を表す}
で表される、分子中にエポキシ基とエーテル鎖を有するオルガノポリシロキサンである、請求項4記載の製造方法。
【請求項6】
前記界面活性剤が、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、及び、これらの混合物からなる群から選択される、請求項1乃至5のいずれかに記載の製造方法。
【請求項7】
前記界面活性剤が、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び、これらの混合物からなる群から選択される、請求項1乃至5のいずれかに記載の製造方法。
【請求項8】
(A)分子中に、下記式(3)、(4)又は(5):
【化7】
(これらの式中、
nは上記と同様であり、
Nは、(a)カルボキシ基が保護されていないアミノ酸に由来する窒素原子を表し、式(5)中の
【化8】
はNが芳香族複素環を構成することを表す)
で表される部位を少なくとも1つ有するアミノ酸変性オルガノポリシロキサン、
(B)界面活性剤
(C)水
からなる、請求項1記載の製造方法により得られるアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョン。
【請求項9】
前記(a)カルボキシ基が保護されていないアミノ酸が、リジン、アルギニン及びヒスチジンからなる群から選択される塩基性アミノ酸である、請求項8記載のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョン。
【請求項10】
前記(A)アミノ酸変性オルガノポリシロキサンが、
下記一般式(3’):
【化9】
{式中、
Zは、オルガノポリシロキサン残基を表し、
R2は、−CH(COOH)−(CH2)3−NH−C(=NH)−NH2、−C(=NH)−NH−(CH2)3−CH(COOH)−NH2、−CH(COOH)−(CH2)3−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−C(=NH)−NH2、−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−(CH2)3−CH(COOH)−NH2、−C(=NH)−NH−(CH2)3−CH(COOH)−NH−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’、−CH(COOH)−(CH2)3−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−C(=NH)−NH−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’、−C(=NH)−NH−(CH2)3−CH(COOH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’、−CH(COOH)−(CH2)3−NH−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’、−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’’−Z’’’)−(CH2)3−CH(COOH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’、−CH(COOH)−(CH2)3−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’’−Z’’’)−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’、−(CH2)4−CH(NH2)COOH、−CH(COOH)−(CH2)4−NH2、−(CH2)4−CH(NH−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)COOH、−(CH2)4−CH(N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’)、−CH(COOH)−(CH2)4−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’又は−CH(COOH)−CH2−イミダゾリル(これらの式中、Z’、Z’’及びZ’’’は、それぞれ独立して、オルガノポリシロキサン残基を表し、n’、n’’及びn’’’は、それぞれ独立して、1〜20の範囲の整数を表す)を表し、
nは、上記と同様である}、
下記一般式(4’):
【化10】
{式中、
Zは上記と同様であり、
R3は、−CH(COOH)−(CH2)3−NH−C(=NH)−NH2、−C(=NH)−NH−(CH2)3−CH(COOH)−NH2、−(CH2)3−CH(COOH)−NH2、−CH(COOH)−(CH2)3−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−C(=NH)−NH2、−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−(CH2)3−CH(COOH)−NH2、−CH(COOH)−(CH2)3−NH−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’、−C(=NH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−(CH2)3−CH(COOH)−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’’−Z’’’、−(CH2)4−CH(NH2)COOH、−CH(COOH)−(CH2)4−NH2、−CH(COOH)−(CH2)4−N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’又は−CH(COOH)−CH2−イミダゾリル(これらの式中、Z’、Z’’及びZ’’’、並びに、n’、n’’及びn’’’は上記と同様である)を表し、
R4は、−C(=NH)−NH2又は−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’’’−Z’’’’(式中、Z’’’’はポリシロキサン残基を表し、n’’’’は1〜20の範囲の整数を表す)を表し、
nは、上記と同様である}、又は、
下記一般式(5’):
【化11】
{式中、
Zは上記と同様であり、
R5は、−CH2−CH(NH2)COOH、−CH2−CH(NH(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’))COOH又は−CH2−CH(N(−CH2−CH(OH)−(CH2)n’−Z’)−CH2−CH(OH)−(CH2)n’’−Z’’)COOH(これらの式中、Z’及びZ’’、並びに、n’及びn’’は上記と同様である)を表し、
nは上記と同様である}
で表される、請求項9記載のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョン。
【請求項11】
前記オルガノポリシロキサン残基が、下記一般式(6):
【化12】
{式中、
R1は、上記と同様であり、
Dは、−(CH2)a−O−(CbH2bO)c−(式中、a、b及びcは上記と同様である)、又は、上記R1と同一の基を表すが、但し、全てのDがR1となることはなく、
x及びyは上記と同様である}、又は、下記一般式(7):
【化13】
(式中、
R1及びD、並びに、r及びsは上記と同様である。但し、r+sは3〜20の範囲の整数を表す)
で表される、請求項10記載のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョン。
【請求項12】
前記(A)アミノ酸変性オルガノポリシロキサンが、分子中に、下記式(3’’)、(4’’)又は(5’’):
【化14】
(これらの式中、
n、a、d及びeは上記と同様である)
で表される部位を少なくとも1つ有する、請求項11記載のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョン。
【請求項13】
前記(A)アミノ酸変性オルガノポリシロキサンが、下記一般式(8):
【化15】
(式中、
R1’は、上記と同様であり、
QArgは下記式:
【化16】
(式中、
n、a、d及びeは上記と同様である)で表される基又は上記R1’と同一の基を表すが、但し、全てのQArgがR1’となることはなく、
x’及びy’は上記と同様である}
で表されるアルギニン変性オルガノポリシロキサンである、請求項12記載のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョン。
【請求項14】
前記(A)アミノ酸変性オルガノポリシロキサン100重量部を基準として、(B)界面活性剤 1〜100重量部、及び(C)水 10〜10000重量部を含む、請求項8乃至13のいずれかに記載のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョン。
【請求項15】
請求項8乃至14のいずれかに記載のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンエマルジョンを含む化粧品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図2】
【図3】
【公開番号】特開2009−155564(P2009−155564A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−337998(P2007−337998)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(000110077)東レ・ダウコーニング株式会社 (338)
【出願人】(596012272)ダウ・コーニング・コーポレイション (347)
【出願人】(592015259)ダウ・コーニング・ソシエテ・アノニム (3)
【氏名又は名称原語表記】DOW CORNING SOCIETE ANONYME
【住所又は居所原語表記】PARC INDUSTRIEL, 7180 SENEFFE, BELGIUM
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(000110077)東レ・ダウコーニング株式会社 (338)
【出願人】(596012272)ダウ・コーニング・コーポレイション (347)
【出願人】(592015259)ダウ・コーニング・ソシエテ・アノニム (3)
【氏名又は名称原語表記】DOW CORNING SOCIETE ANONYME
【住所又は居所原語表記】PARC INDUSTRIEL, 7180 SENEFFE, BELGIUM
【Fターム(参考)】
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