説明

アミン溶媒溶液に存在するアミン由来汚染物質および/またはアミン溶媒溶液の分解の低下

液体もしくは気体供給材料流れから酸性ガスを吸収させようとする時に用いるに有用なアミン溶媒溶液にアミン添加剤を添加してもよい。加うるにか或は別法として、そのようなアミン添加剤を液体もしくは気体供給材料流れに添加してもよい。前記アミン添加剤を添加すると前記アミン溶媒溶液に存在するアミン由来汚染物質の量が低下しそして/またはアミンの分解が低下する。このように、そのアミン溶媒溶液は前記液体もしくは気体供給材料流れの処理で有効に再使用する目的で使用可能でありかつアミン処理装置内で起こる腐食の度合を低下させ得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、米国仮出願61/120,536の利点を請求するものである。
【0002】
引用することによる組み入れ
米国仮出願61/120,536は引用することによって全体が本明細書に組み入れられる。
【0003】
本明細書に記述する態様は、一般に、酸性ガスを吸収するアミン溶媒溶液、より詳細には、そのようなアミン溶媒溶液に存在するアミン由来汚染物質の量および/またはアミン溶媒溶液の分解の低下をもたらす添加剤に関する。
【背景技術】
【0004】
精製所、処理工場、工業施設などの如き工場には、液体および/または気体供給材料流れを処理するためのアミン処理装置が備わっている可能性がある。一般に、そのような供給材料流れの処理には、アミン溶媒溶液を用いて酸性ガスを供給材料流れから吸収させることが含まれる。酸性ガスには、硫化水素(HS)、二硫化炭素(CS)、硫化カルボニル(COS)および二酸化炭素(CO)などの如きガスが含まれる。酸性ガスを後で当該アミン溶媒溶液から除去することで、そのアミン溶媒溶液を追加的使用の目的で再生させて再利用することができる。
【0005】
しかしながら、アミン由来汚染物質がそのアミン溶媒溶液の中に蓄積する可能性がある。検査しないでいると、そのような汚染物質がアミン処理装置に不利な影響を与える可能性がある。例えば、アミン由来汚染物質はアミン溶媒溶液が酸性ガスを吸収する能力の低下およびアミン処理装置内で起こる腐食の増加に関連している。
【0006】
一般に、アミン由来汚染物質は、当該アミン溶媒溶液に入っているアミンと別の分子の間の反応または化合によって別の汚染物質または汚染物質を伴う反応中間体が生じる結果として生じる。そのような他の汚染物質/中間体には、酸性ガス、酸素、強アニオン、カルボン酸などが含まれる。酸性ガスの如き汚染物質は、処理すべき供給材料流れに由来し得るが、汚染物質はいずれかの源、例えば当該アミン溶媒溶液に補給する水または他のいずれかの源などに由来する可能性もある。
【0007】
ある種類のアミン由来汚染物質は熱に安定な塩である。熱に安定な塩は強アニオン、例えば塩化物、蟻酸塩または酢酸塩などがアミンカチオンと反応または結合した時に生じる。その結果として生じた塩は熱に安定である、と言うのは、熱を加えてもアミン溶媒溶液が容易には再生されないからである。
【0008】
別の種類のアミン由来汚染物質はアミン由来分解生成物である。一般に、アミン由来分解生成物はアミン分子が分解を起こして異なる化学種になる結果として生じる。その分解生成物の生成に関する化学は複雑であり、多くの場合、その反応は不可逆的である。簡単な例には、酸素または酸性ガスがアミンと反応して最終的にアミン由来分解生成物が生じる例が含まれる。別法としてか或は追加的に、酸素または酸性ガスが別の汚染物質と反応して中間体が生じそしてそれがアミンと反応してアミン由来分解生成物が生じることもあり得る。勿論、アミン由来分解生成物の生成をこの上に示した非常に簡単な例に限定するものでない。
【0009】
熱に安定な塩およびアミン由来分解生成物が生じ得る様式は様々であることから、それらはアミン処理装置の中に存在する可能性があり、通常は両方とも同時に存在する。その上、アミン処理装置が非常に多量に蓄積したそのようなアミン由来汚染物質に耐え得るのは、それを処置する必要がある時までのみである。汚染物質が生じた後にアミン処理装置を綺麗にする方法は多種多様に存在するが、アミン由来汚染物質が最初に生じないようにするか或はその量を低下させる方法が必要とされているままである。
【0010】
発明の要約
本発明の1つの態様は、アミン添加剤、アミン溶媒溶液および水を含有して成る組成物に向けたものである。1つの態様におけるアミン添加剤は、適切なアミン添加剤またはアミン添加剤の組み合わせのいずれか、例えばジアミン、トリアミンまたは他の適切なアミン含有物質のいずれかでありかつエチレンアミン誘導体、置換プロピルアミン、ポリオキシアルキレンアミン、置換ピペラジンおよびこれらの誘導体の中の1種以上から選択可能であり、前記アミン溶媒溶液はモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、モノメチルエタノールアミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、アミノエチルエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ピペラジンおよびこれらの誘導体の中の1種以上から選択可能である。そのような組成物はアミン由来汚染物質抑制剤、アミン分解抑制剤または両方であり得る。
【0011】
別の態様は方法を包含する。一般に、アミン添加剤を液体供給材料流れ、気体供給材料流れまたは両方の処理で用いるに有用なアミン溶媒溶液に添加してもよいが、態様をそれに限定するものでない。前記アミン添加剤の添加に応答して、アミン由来汚染物質の生成量が低下しそして/または前記アミン溶媒溶液中のアミンの分解が低下する。そのような低下の測定は、アミン添加剤を添加していない対照と比較することで実施可能である。そのアミン添加剤はアミン溶媒溶液の分解および/または酸化を抑制し、装置の腐食を抑制しそして/またはアミン由来汚染物質の生成を抑制する能力を有する。
【0012】
アミン添加剤が添加されていない装置の中で生じるアミン由来汚染物質には、アミン由来熱安定性塩および/または分解生成物、例えばビシン、THEEDまたは両方などが含まれ得るが、アミン由来汚染物質をそのような少ない例に限定するものでない。本方法の態様を用いてアミン由来汚染物質の量を低下させることができることで、当該アミン溶媒溶液に新鮮なアミンを添加する必要なく前記溶媒溶液を再生させて再使用することが可能になる。
【0013】
いくつかの態様におけるアミン添加剤は、エチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、1,2−プロピレンジアミン、N−(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N−(2−ヒドロキシブチル)エチレンジアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)−1,2−プロピレンジアミン、N−(2−ヒドロキシプロピル)−1,2−プロピレンジアミンおよびN−(2−ヒドロキシブチル)−1,2−プロピレンジアミンの中の1種以上から選択したエチレンアミン誘導体であり得るが、態様をそれに限定するものでない。
【0014】
その上、当該アミン溶媒溶液にはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、モノメチルエタノールアミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、アミノエチルエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ピペラジンおよびこれらの誘導体の中の1種以上が含まれ得るが、再び、態様をそのような少ない例に限定するものでない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、アミン処理装置の図式図である。
【詳細な説明】
【0016】
以下に行う本態様の詳細な説明では、本明細書の一部を構成する添付図を参照するが、それに本発明の実施を可能にする具体的態様を例として示す。他の態様も使用可能でありかつ本発明の範囲から逸脱しない限り構成を変えることも可能であると理解されるべきである。
【0017】
アミン溶媒溶液(例えば酸性ガスを吸収させる目的で用いられる溶液など)に入っているアミンはある条件下であまり利用性のない形態、例えば1種以上のアミン由来汚染物質などに変化し得る。例えば、アミン処理装置、例えば液体もしくは気体供給材料流れをアミン溶媒溶液で処理するための装置などでは、そのアミンを分解させそして/またはアミン由来汚染物質を生じさせる条件がもたらされる可能性がある。本発明の1つの態様に従い、アミン添加剤をそのようなアミン溶媒溶液に添加することでアミン由来汚染物質の存在量を低下させそして/または分解を起こしてアミン由来汚染物質になるアミン溶媒溶液の量を低下させることができる。しかしながら、態様を当該アミン添加剤を当該アミン溶媒溶液に添加することに限定するものでなく、当該アミン添加剤を当該液体もしくは気体供給材料流れにか或は当該供給材料流れと当該アミン溶媒溶液の両方に添加することも可能である。
【0018】
アミン由来汚染物質の1つのタイプは熱に安定な塩である。熱に安定な塩はあまり利用性がないばかりでなく、それらは装置の腐食にも関係していて、それらは当該アミン溶媒溶液に入っているアミンと結合することでその溶液を酸性ガスの吸収で利用することができなくしてしまう。1つの態様におけるアミン添加剤は、そのような熱に安定な塩の生成を抑制しそして/または当該アミン溶媒溶液が分解を起こして熱に安定な塩を生じることがないようにする。熱に安定な塩の存在量を低下させることは装置の腐食低下に貢献し得る。
【0019】
アミン処理装置内でアミン分子が汚染物質アニオン、例えば塩化物、カリウム、蟻酸塩および/または酢酸塩などと反応すると熱に安定な塩が生じ得るが、しかしながら、態様をそのような少ない例に限定するものでない。熱に安定な塩はまたアミン処理装置内に酸素が混入した時にも生じることがあり得る。例えば、酸素によって当該アミン溶媒溶液に入っているアミンが酸化されて酸が生じる可能性があり、その後、それがカチオン(例えばアミンカチオン)と錯体を形成することで熱に安定な塩が生じ得る。勿論、それらは熱に安定な塩がどのようにしてアミン処理装置内に生じ得るかを示すほんの数例であり、態様をそれらに限定するものでない。
【0020】
アミン由来分解生成物は別の種類のアミン由来汚染物質である。アミン由来分解生成物が生じる化学は典型的に複雑でありかつしばしば不可逆的である。その上、その結果として生じるアミン由来分解生成物は溶媒に依存し得る。例えば、COが存在していると、モノエタノールアミンが分解を起こしてヒドロキシエチルエチレンジアミン(HEED)が生じ、ジエタノールアミン(DEA)が分解を起こしてトリスヒドロキシエチルエチレンジアミン(THEED)が生じ、そしてジイソプロパノールアミンが分解を起こしてヒドロキシメチルプロピルオキサゾリドンが生じる。加うるに、メチルジエタノールアミン(MDEA)が分解を起こすとDEAが生じる可能性があり、その後、それがさらなる分解を起こし、かつ酸素が存在しているとMDEAが分解を起こしてビシンが生じる可能性がある。様々なアミンが分解を起こす可能性がありかつそれと同じ数またはそれ以上の種
類の分解生成物が存在する。例えば、他の公知種のアミン由来分解生成物には、イミダゾリドン、オキサゾリドン、エチレンジアミン、尿素、チオ尿素、ピペラジン、エタノールアミンなどが含まれる。従って、態様を前記アミンおよび分解生成物の例に限定するものでない。その上、いずれの場合にも多数種のアミン由来汚染物質の組み合わせ、例えばアミン由来分解生成物および/または熱に安定な塩の組み合わせなども存在し得る。本明細書で用いる如きアミン/アミン溶媒溶液の分解はアミンが分解を起こすことで熱に安定でありそして/または不可逆的な生成物、例えば熱に安定な塩、アミン由来分解生成物などのいずれかが生じることを指す。
【0021】
1つの態様におけるアミン溶媒溶液にはアミンおよび水が入っている。特別な態様におけるアミンには、液体もしくは気体供給材料流れ(アミン処理装置内の)をアミン溶媒溶液で処理して酸性ガスを前記供給材料流れから除去しようとする時に用いるに有用な1種以上のアミンが含まれる。そのようなアミンは、第一級アミン、第二級アミンおよび第三級アミンの中の1種以上から選択可能である。いくつかの態様では、1種以上の物理的吸収剤、例えばスルホランまたはテトラグライムなどを当該アミン溶媒溶液に添加してもよい。
【0022】
いくつかの態様におけるアミン溶媒溶液に入っているアミンは1種以上のアルカノールアミンであり得る。液体もしくは気体供給材料流れを処理するためのアルカノールアミンは、これらに限定するものでないが、モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン(DEA)、トリエタノールアミン(TEA)、ジメチルエタノールアミン(DMEA)、メチルジエタノールアミン(MDEA)、モノメチルエタノールアミン(MMEA)、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、アミノエチルエタノールアミン(AEEA)、ジイソプロパノールアミン(DIPA)、ピペラジンおよびこれらの誘導体の中の1種以上から選択可能である。
【0023】
いくつかの態様では、アミン添加剤を当該アミン溶媒溶液に添加することでそのアミン溶媒溶液に存在するアミン由来汚染物質の量を低下させそして/またはアミンの分解を低下させる。しかしながら、態様をそれに限定するものでなく、当該アミン添加剤をアミン装置の中のいずれか(または多数)の入り口点、例えば処理すべき供給材料流れ、補給水などを入れる入り口点に添加してもよい。適切なアミン添加剤には、結果として上述した効果の中の1つ以上をもたらすアミン添加剤またはアミン添加剤の組み合わせのいずれも含まれる。そのような適切なアミン添加剤はジアミン、トリアミンまたは他のアミン含有物質のいずれかであり得、かつエチレンアミン誘導体、置換プロピルアミン、ポリオキシアルキレンアミン、置換ピペラジンおよびこれらの誘導体の中の1種以上から選択可能であるが、態様をそれに限定するものでない。
【0024】
1つの態様におけるアミン溶媒溶液に添加するアミン添加剤には、エチレンジアミン(EDA)、アミノエチルエタノールアミン、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、ペンタエチレンヘキサミン、1,2−プロピレンジアミン、N−(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N−(2−ヒドロキシブチル)エチレンジアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)−1,2−プロピレンジアミン、N−(2−ヒドロキシプロピル)−1,2−プロピレンジアミンおよびN−(2−ヒドロキシブチル)−1,2−プロピレンジアミンの中の1種以上から選択したエチレンアミン誘導体が含まれ得る。特別な態様では、テトラエチレンペンタミンを4−(2−アミノエチル)−N−(2−アミノエチル)−N’−{2−{(2−アミノエチル)アミノ}エチル}−1,2−エタンジアミン)(AETETA)、N−(2−アミノエチル)−N’−{2−{(2−アミノエチル)アミノ}エチル}−1,2−エタンジアミン)、1−(2−アミノエチル)−4−[(2−アミノエチル)アミノ]エチル]−ピペラジン)(APEEDA)および1−[2−[[2−アミノエチル
)アミノ]エチル]−アミノ]エチル]−ピペラジン)(PEDETA)の中の1種以上から選択してもよいが、態様をそれに限定するものでない。
【0025】
当該アミン溶媒溶液に添加するアミン添加剤には置換プロピルアミンが含まれ得る。適切な置換プロピルアミンには、ジメチルアミノプロピルアミン(DMAPA)、メトキシプロピルアミン(MOPA)、アミノプロピルモルホリン(APM)、N,N−ジメチルアミノエチル3−アミノプロピルエーテルまたは(2−(2−[(3−アミノプロピル)メチルアミノ]エトキシ)エチル)ジメチルアミンの中の1種以上が含まれるが、態様をそれに限定するものでない。
【0026】
適切なポリオキシアルキレンアミンアミン添加剤には、式:
NHCH(CH)CH−[OCHCH(CH)]−NH
[式中、Xは2から70の範囲である]
で表されるそれらが含まれる。そのようなポリオキシアルキレンアミンの非限定例には、JEFF AMINE(登録商標) D−230 添加剤(NHCH(CH)CH−[OCHCH(CH)]25−NH、分子重量

230)、JEFF AMINE(登録商標) D−400 添加剤(NHCH(CH)CH−[OCHCH(CH)]61−NH、分子重量 〜 430)、JEFF AMINE(登録商標) D−2000 添加剤(NHCH(CH)CH−[OCHCH(CH)]33−NH、分子重量 〜 2,000)およびエチレンオキサイドのバックボーンにプロピレンオキサイドのキャップを付けることでもたらされた他の同様な生成物が含まれる。JEFF AMINE(登録商標)製品はHuntsman(The Woodlands、Texas)から入手可能である。
【0027】
適切なアミン添加剤には、また、1−(2−アミノエチル)−4−[(2−アミノエチル)アミノ]エチル]−ピペラジン)(APEEDA)、1−[2−[[2−アミノエチル)アミノ]エチル]−アミノ]エチル]−ピペラジン)(PEDETA)およびN−アミノエチルピペラジン(AEP)の中の1種以上から選択した置換ピペラジンも含まれるが、態様をそれらに限定するものでない。
【0028】
所定態様におけるアミン添加剤は、この上に示したアミン添加剤のいずれか単独または組み合わせであり得る。1つの態様では、そのようなアミン添加剤(単独または組み合わせのいずれか)をこれの濃度が当該アミン溶媒溶液とアミン添加剤の総組成の約0.005から約7重量%になるような量で添加する。別の態様では、前記アミン添加剤(単独または組み合わせ)を当該アミン溶媒溶液とアミン添加剤の総組成の約0.05%から約3重量%の量で添加する。更に別の態様では、前記アミン添加剤(単独または組み合わせ)を当該アミン溶媒溶液とアミン添加剤の総組成の約0.2%から約1重量%の量で添加する。1つの態様では、当該アミン溶媒溶液とアミン添加剤の総組成を基準にしたアミン添加剤の総量を気体処理工程全体に渡って一定に維持する(連続気体処理工程の場合と同様に)。
【0029】
図1を参照して、アミン処理装置の図式図を示す。この例に示すアミン処理装置は、加工した炭化水素ガスから酸性ガスを処理するための装置である。しかしながら、態様をその例に限定するものでなく、アミン添加剤は多様なアミン処理装置に添加可能である。例えば、いくつかの態様では、アミン添加剤を酸性ガス除去用アミン処理装置に添加してもよく、別の態様では、アミン添加剤を二酸化炭素捕捉用装置に添加してもよいが、態様をそれらに限定するものでない。
【0030】
図1に示す処理装置では、供給材料流れ12をアミン処理装置に分離装置14の所で入
らせて、その中で気体を液体から分離する。その供給材料流れ12は如何なる供給材料流れであってもよく、例えば気体または液体などであってもよく、それに恐らくはまたアミン添加剤も含有させる。1つの態様における供給材料流れ12は、HS、CO、同様な酸性ガスおよびOのいずれかの組み合わせが入っている供給材料流れである。その気体供給材料12は如何なる種類の気体であってもよく、それには廃ガス流れ、例えば煙道ガス流れ、キルンガス、反射炉ガス、再生装置のオフガス、酸性ガスおよびこれらの組み合わせなどが含まれる。そのような気体供給材料の場合にはそれをパイプで吸収装置の入り口16に送り込み、そして液体供給材料の場合にはそれを分離装置14から分離装置の出口18の所で出させる。
【0031】
吸収装置20の中で、気体供給材料をアミン溶媒溶液およびアミン添加剤と流体連結の状態にする。吸収装置20は、液体アミン溶媒溶液を循環させかつアミン添加剤を上方の吸収装置入り口22の所で導入することが可能なカラム(または他の混合装置)であってもよい。当該アミン溶媒溶液とアミン添加剤が吸収装置20の中のトレーまたは充填物(示していない)を通って下方に流れかつ気体供給材料が吸収装置入り口16からトレーまたは充填物の間を上方に移動することで流体連結を得ることができる。前記アミン溶媒溶液およびアミン添加剤と相互作用することで処理された気体供給材料は、前記吸収装置20から上方の吸収装置出口84を通って出る。
【0032】
そのガス(例えば、HSおよびCO)を吸収したアミン溶媒溶液およびアミン添加剤を吸収装置20の下部で集めて、下方の吸収装置出口88に通してフラッシュタンク24に送る。そのフラッシュタンク24の中で前記アミン溶媒溶液およびアミン添加剤に減圧を受けさせる。可溶なガスはフラッシュタンク24の1番目の出口26から出て行きそして液状の炭化水素は集められてフラッシュタンク24の2番目の出口28から出て行く。そのアミン溶媒溶液およびアミン添加剤はフラッシュタンク24の3番目の出口30を通って熱交換器32の入り口36に送られる。そのアミン溶媒溶液およびアミン添加剤は熱交換器32の中で加熱されて再生装置40の入り口34に送られる。その再生装置40の中でHSおよびCOを含有するガスが沸騰して、上方の再生装置出口42を通って出て行くことで次の処理を受ける。還流冷却器44および還流蓄積装置46によって塔頂ガスに含まれていた水の凝縮および蓄積が起こり、その水の凝縮液は再生装置40の中を通って再循環する。補給水を前記装置に入り口48の所で導入する。1つの態様では、前記アミン添加剤をそのような補給水によってアミン処理装置の中に入れることも可能である。その補給水および蓄積装置46から来る凝縮液をポンプ56で再生装置入り口50に輸送する。
【0033】
前記アミン溶媒溶液およびアミン添加剤の一部を下方の再生装置出口54からリボイラー60に通して循環させる。そのアミン溶媒溶液およびアミン添加剤はリボイラー60の中で沸点にまで加熱される。前記アミン溶媒溶液およびアミン添加剤の2番目の部分を再生装置40から集めて熱交換器32の入り口58に送る。
【0034】
アミン溶媒溶液およびアミン添加剤を熱交換器32の出口64からポンプ66で濾過装置70に送る。前記アミン溶媒溶液およびアミン添加剤の一部を濾過装置70で濾過する。次に、そのアミン溶媒溶液およびアミン添加剤をアミン冷却装置80で更に冷却した後、ポンプ82で吸収装置の上方入り口22に輸送する。このように、1つの態様では、アミン由来汚染物質が存在していることが理由で前記アミン溶媒溶液に補充を受けさせようとして新鮮なアミンを前記装置に添加することが必要でないように、前記アミン処理装置の中を循環させる目的で、当該アミン溶媒溶液およびアミン添加剤を再生させて再使用することができる。
【0035】
一般に、この工程を約0℃から約200℃、好適には約20℃から約150℃の範囲の
温度および約0.01psiから約10,000psi、好適には約0.1psiから1500psiの圧力で実施するのが好ましい。
【0036】
1つの態様では、当該アミン添加剤をこの添加剤がアミン溶媒溶液の中に蓄積するように当該装置の中のいずれかの地点に添加してもよい。例えば、前記アミン添加剤をアミン処理装置内で使用する前のアミン溶媒溶液に添加してもよいか、それを供給材料流れに添加してもよいか、或はそれを両方に添加してもよい。その上、前記アミン添加剤を補給水によってアミン処理装置に添加してもよいか或はアミン処理装置の中の他の如何なる合流点に添加してもよい。
【実施例】
【0037】
以下の非限定実施例を示すことで本明細書に記述する態様を更に例示する。しかしながら、本実施例に全てを包含させることを意図するものでなくかつ本明細書に記述する態様の範囲を限定することを意図するものでもない。
【0038】
以下の実施例では、アミン溶媒溶液とアミン添加剤を含有させた試験サンプルに存在するアミン由来汚染物質の量の評価をアミン添加剤を含有させていない対照サンプルに存在するそれの量との比較として実施した。一般に、対照および試験サンプルの調製では、サンプル溶液(個々の実施例/実験に従う試験または対照)を冷水冷却器と温度計とスパージャー管を装備しておいた1リットルの反応フラスコに加えることで調製を実施した。その反応フラスコをマントルで加熱することで、それに入っているサンプル溶液を実験過程中約90℃に加熱した。スパージャー管を用いて供給材料の流れおよび空気を各サンプル溶液の中に0.25リットル/分の速度で吹き込んだ。サンプル溶液から水が蒸発することを確認した時点で脱イオン水を各サンプル溶液に必要に応じて加えた。
【0039】
存在するアミン由来汚染物質の量を2つの方法で測定した。1つの方法は、サンプルの色の変化を確認する目的でそれを見ることであった。一般に、実験開始時のサンプルの色は無色でありそしてその後の色変化を7日間に渡って毎日目で観察した。サンプルの色が変化したならば、そのサンプルにはアミン由来汚染物質が存在していた。もう1つの方法は、各サンプル溶液に入っているアミン由来汚染物質の濃度をイオンクロマトグラフィーで測定することであった。一般に、各サンプル溶液の濃度の測定を実験開始前および7日後に実施した。
【0040】
加うるに、総アミン含有量を各サンプル毎に測定したが、測定を実験開始前および加熱してから7日後に実施した。総アミン含有量の測定を滴定および/またはイオンクロマトグラフィーで実施した。その上、いくつかの実験では、アミン溶媒溶液のパーセントの測定を実験開始前および7日後の両方で実施した。そのパーセントの測定を滴定および/またはイオンクロマトグラフィーで実施した。その定量分析(例えばクロマトグラフィー/滴定)の結果を無水ベースに対して正規化した、と言うのは、サンプルに入っている水の量が様々であるからである。
【0041】
実施例1−4
表1および表2を参照して、実施例1は対照サンプルでありそして実施例2−4は試験サンプルであり、試験サンプルは、テトラエチレンペンタミン(TEPA)をアミン溶媒溶液である2−(2−アミノエトキシ)エタノールに添加した時のアミン添加剤の効果を例示するものである。実施例2−4では、TEPAを総試験サンプルの0.2−1.0重量%の量で用い、前記アミン溶媒溶液には水およびアミン添加剤が入っている。2−(2−アミノエトキシ)エタノールおよびTEPAはHuntsman(The Woodlands、Texas)から入手可能である。
【0042】
表1を参照して、対照サンプルである実施例1は1日後に透明から黄褐色に変化しそして6日後に褐色に変化した。しかしながら、試験サンプルである実施例2−4は7日間の実験期間全体に渡って透明なままであった。このように、実施例2−4には色変化が起こらなかったことで分かるように、TEPAを少量でも用いるとアミン由来汚染物質の生成量が非常に低下する。
【0043】
【表1】

【0044】
表2を参照して、実施例1−4のサンプルに特定の熱に安定な塩の生成および総アミン含有量に関する試験を受けさせた。期待したように、対照サンプルである実施例1を7日間インキュベートすると、熱に安定な塩の濃度が非常に高くなりかつアミン含有量が低下した。対照的に、試験サンプルである実施例2−4では、蟻酸塩の生成量が少なくかつ他の塩は検出されなかった。その上、試験サンプルが示した総アミン濃度(ミリ当量/グラム)は対照のそれに比べて高いままであった。表2に示すように、対照サンプルである実施例1が示した総アミン含有量は9.66から5.36meq/gにまで低下し、低下量は4.3meq/gであったが、TEPAを1%添加した実施例4では結果としてもたらされた低下量は1.1meq/gのみであった。
【0045】
【表2】

【0046】
実施例5−7
表3および表4を参照して、実施例5は対照サンプル(アミン添加剤無し)でありそして実施例6および7はアミン添加剤であるTEPAを添加した試験サンプルである。実施例6および7では、TEPAをそれぞれ総溶液の0.2%および1.0%の量で添加した。これらの実施例で試験を受けさせたアミン溶媒溶液はメチルジエタノールアミン(MDEA)であり、これはHuntsman(The Woodlands、Texas)から入手可能である。
【0047】
表3を参照して、対照サンプルでは2日目に変色を観察したことに加えて6日目に暗色に色変化したことを観察した。対照的に、試験サンプルである実施例6は7日目に薄く色が付いたが、試験サンプルである実施例7は実験期間に渡って無色のままであった。このように、再び、対照サンプルと比較して、試験サンプルは変色をほとんどか或は全く起こさず、このことは、アミン添加剤によってアミン由来汚染物質の生成量が低下したか或は生成が防止されたことを示している。
【0048】
【表3】

【0049】
表4に示すように、TEPAを試験サンプルに添加すると熱に安定な塩の生成量の低下およびアミン濃度の低下の両方がもたらされた。例えば、実施例5の対照サンプルでは各塩のppmが7日後に高くなったが、比較として、実施例6および7の試験サンプルでは、熱に安定な塩の濃度が低いままであった。その上、総アミン濃度も対照では低下したが、試験サンプルで観察した低下の度合は比較的小さかった。これらの実施例に関してまたアミン溶媒溶液のパーセントも7日後に測定した。対照サンプルではアミン溶媒溶液が30%近く低下した。対照的に、試験サンプルではアミン溶媒溶液の低下度合は最大で約3%のみであった。これらの結果を一緒にすると、TEPAを存在させるとTEPAを含有させていないアミン溶媒溶液に比べてアミン溶媒溶液が容易には分解を起こさずかつアミン由来汚染物質が容易には生成しないことが分かる。
【0050】
【表4】

【0051】
実施例8−11
表5および表6を参照して、実施例8はアミン溶媒溶液であるモノエタノールアミン(MEA)の対照サンプルでありそして実施例9−11はアミン添加剤であるTEPAをM
EAに添加した試験サンプルである。実施例9−11が示したTEPA濃度は総サンプル溶液の0.2−1.0重量%であった。
【0052】
以下の表5を参照して、TEPAがサンプル変色の防止に対して示した効果は明確ではなかった。それにも拘らず、表6に示すように、試験サンプルに入れたTEPAは塩の生成に影響を与えた。
【0053】
【表5】

【0054】
表6を参照して、試験サンプルではアミン由来汚染物質、例えば酢酸塩、蟻酸塩、グリコール酸塩および乳酸塩などの量が対照のそれに比べて低下した。その上、試験サンプルが示したMEAアミン濃度は対照のそれに比べて比較的高いままであった。
【0055】
【表6】

【0056】
実施例12−14
表7を参照して、実施例12から14では、MDEA溶液に他のアミン、例えばジメチルアミノプロピルアミン(DMAPA)、JEFF AMINE(登録商標) D−230 添加剤およびアミノエチルエタノールアミン(AEEA)などを入れることに関する試験を実施した。前記化学品は各々Huntsmanから入手可能である。これらの実験をこの上に示した実験と同様な様式で実施した。結果を無水ベースで示す、と言うのは、最終的サンプル溶液に入っている水の含有量が若干異なるからである。表7に示すように、DMAPA、JEFF AMINE(登録商標) D−230 添加剤、AEEAおよびTEPA(実施例7による)は全部が最終溶液が示す総アミン含有量損失の度合を低くする。
【0057】
【表7】

【0058】
実施例15−18
実施例15から18では、他のアミン添加剤、例えばDMAPA、JEFF AMINE(登録商標) D−230 添加剤およびAEEAなどを2−(2−アミノエトキシ)エタノールアミン溶媒溶液に入れる試験を実施した。これらの実験をこの上に示した実験と同じ様式で実施した。その結果を無水ベースで示す、と言うのは、最終的サンプル溶液に入っている水の含有量が若干異なるからである。表8に示すように、DMAPA、JEFF AMINE(登録商標) D−230 添加剤、AEEAおよびTEPA(実施例7による)はアミン添加剤を添加しない場合(実施例1)と対比してアミン溶媒溶液が示す総アミン含有量損失の度合を低くする。
【0059】
【表8】

【0060】
実施例19−21
実施例19から21では、他のアミン添加剤、例えばDMAPA、JEFF AMINE(登録商標) D−230 添加剤およびAEEAなどをMEAアミン溶媒溶液に入れる試験を実施した。これらの実験をこの上に示した実験と同じ様式で実施した。その結果
を無水ベースで示す、と言うのは、最終的サンプル溶液に入っている水の含有量が若干異なるからである。表9に示すように、DMAPA、JEFF AMINE(登録商標) D−230 添加剤、AEEAおよびTEPA(実施例7による)は前記溶液に他のアミン添加剤を全く添加しなかった場合(実施例8)と対比してアミン溶媒溶液の総アミン含有量損失を低下させる。JEFF AMINE(登録商標) D−230 添加剤(実施例20)またはTEPA(実施例9)を用いたサンプルでは蟻酸塩の量が有意に低下した。
【0061】
【表9】

【0062】
この上に示した態様では、アミン添加剤をアミン溶媒溶液に添加することに応答して、アミン由来汚染物質の生成量、アミン含有量の損失および/またはアミンパーセントの損失の度合が低下した。このような結果を商業的/産業的用途に置き換えることができ、そのような用途では、アミン由来汚染物質の生成量が低下しかつアミン溶媒濃度が維持されることは装置の性能低下および腐食の度合を低くするに役立ち得る。
【0063】
実施例22−25
別の組の実験をアミン処理装置が備わっている稼働している工場で実施した。この工場のアミン処理装置は図1に示した装置と同様であった。しかしながら、この場合には2基のアミン処理装置(装置1および装置2)の各々を1分当たり100ガロンの循環速度で稼働させた。その上、両方の装置を用いて同じ気体供給材料流れを処理した。例えば、図1に戻って、供給材料流れ12を一部が装置1に向かいそして残りが装置2に向かうように分割した。両方の装置の中を循環するアミン溶媒溶液はMDEAとDEAと水の混合物であり、この混合物に入っているアミンの重量%は溶媒溶液の総重量の45%であった。装置1はアミン添加剤であるTEPAを1回分添加した試験装置でありそして装置2は対照であった。
【0064】
実験を行う時点で、装置1は工程開始状態にある一方、装置2は約45日間稼働した状態であった。このように、実験開始時の装置1に入っているアミン由来汚染物質(実施例22)は比較的低かった。しかしながら、実施例24で分かるであろうように、装置2では先行する45日間の間にアミン由来汚染物質がかなりの量で既に蓄積していた。これらの実験では、アミン添加剤の濃度を液クロ/質量分析で測定しそしてアミン由来汚染物質であるビシンおよび蟻酸塩の濃度をイオンクロマトグラフィーで測定する一方、アミン由来汚染物質であるTHEEDの濃度を液クロで測定した。実施例の結果を無水ベースに対して正規化した。
【0065】
表10を参照して、2週間の稼働後、各装置からサンプルを取り出して試験を上述したようにして実施した。注目すべきは、稼働している装置で得た結果は実験室で観察したそ
れを実証している。例えば、対照装置2では、アミン由来汚染物質であるビシン、蟻酸塩およびTHEEDの各々が2週間に渡って増加して、ビシンが3,304ppm増加し、蟻酸塩が415ppm増加しかつTHEEDが1,704ppm増加した。対照的に、装置1では、ビシンの増加量は単に19ppmであり、蟻酸塩の増加量は307ppmでありかつTHEEDの増加量は323ppmのみであった。装置1の中で生じたアニオンは主に蟻酸塩であることに加えて他のアニオンの測定量は評価できるほどの量ではなかったことを注目した。
【0066】
【表10】

【0067】
このように、アミン添加剤であるTEPAの添加に応答して、アミン溶媒溶液中のアミン由来汚染物質の生成量およびアミンの分解の両方がアミン添加剤を添加しなかった装置に比べて低下した。従って、アミン添加剤は分解抑制剤、アミン由来汚染物質抑制剤または両方として働く能力を有する。アミン由来汚染物質が蓄積せずかつ溶媒溶液中のアミンが枯渇しないならば、そのような装置はより効率良く稼働し、多大な腐食に苦しまずかつ新鮮なアミンを溶媒溶液に添加する必要なく長時間に渡って稼働可能である。このように、アミン添加剤はまた腐食抑制剤でもあり得る。
【0068】
この上に開示した主題事項は例示として見なされるべきでありかつ限定として見なされるべきなく、添付請求項に本発明の範囲内に入るそのような修飾形、改良形および他の態様の全部を包含させることを意図する。このように、本発明の範囲は法が許す最大度合まで以下の請求項の許容される最も幅広い解釈およびそれらの相当物によって決定されるべきであり、この上で行った詳細な説明によって制限されることも限定されることもない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体もしくは気体供給材料流れをアミン溶媒溶液で処理することを含んで成る方法であって、アミン添加剤を前記アミン溶媒溶液、前記液体もしくは気体供給材料流れまたは両方に添加することに応答させて、アミン添加剤を含有させていないアミン溶媒溶液、液体もしくは気体または両方の中で起こるであろうそれに比較してアミン由来汚染物質の存在量の低下、前記アミン溶媒溶液に入っているアミンの分解の低下または両方をもたらすことを含んで成る方法。
【請求項2】
前記アミン由来汚染物質の存在量を低下させることがアミン処理装置内の熱に安定な塩、アミン由来分解生成物または両方の存在量をアミン由来汚染物質の生成が理由で前記アミン溶媒溶液に補充を受けさせようとして新鮮なアミンを添加することが必要でないように前記アミン添加剤を含有させたアミン溶媒溶液を再生させてアミン処理装置内で再使用することができるほど低下させることを包含する請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記アミン添加剤を前記アミン溶媒溶液、処理すべき液体もしくは気体または両方に添加することが前記アミン添加剤を前記アミン溶媒溶液、処理すべき液体もしくは気体または両方に前記アミン処理装置内のいずれかの合流点に添加することを包含する請求項2記載の方法。
【請求項4】
アミン添加剤の添加がエチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、1,2−プロピレンジアミン、N−(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N−(2−ヒドロキシブチル)エチレンジアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)−1,2−プロピレンジアミン、N−(2−ヒドロキシプロピル)−1,2−プロピレンジアミンおよびN−(2−ヒドロキシブチル)−1,2−プロピレンジアミンの中の1種以上から選択したエチレンアミン誘導体を添加することを包含する請求項1記載の方法。
【請求項5】
テトラエチレンペンタミンを添加することがN−(2−アミノエチル)−N’−{2−{(2−アミノエチル)アミノ}エチル}−1,2−エタンジアミン)、4−(2−アミノエチル)−N−(2−アミノエチル)−N’−{2−{(2−アミノエチル)アミノ}エチル}−1,2−エタンジアミン)、1−(2−アミノエチル)−4−[(2−アミノエチル)アミノ]エチル]−ピペラジン)および1−[2−[[2−アミノエチル)アミノ]エチル]−アミノ]エチル]−ピペラジンの中の1種以上から選択したテトラエチレンペンタミンを添加することを包含する請求項4記載の方法。
【請求項6】
アミン添加剤を添加することが式:
NHCH(CH)CH−[OCHCH(CH)]−NH
[式中、Xは2から70の範囲である]
で表されるポリアルキレンアミンを添加することを包含する請求項1記載の方法。
【請求項7】
アミン添加剤を添加することがジメチルアミノプロピルアミン、メトキシプロピルアミン、アミノプロピルモルホリン、N,N−ジメチルアミノエチル3−アミノプロピルエーテルまたは(2−(2−[(3−アミノプロピル)メチルアミノ]エトキシ)エチル)ジメチルアミンの中の1種以上から選択した置換プロピルアミンを添加することを包含する請求項1記載の方法。
【請求項8】
アミン添加剤を添加することが1−(2−アミノエチル)−4−[(2−アミノエチル)アミノ]エチル]−ピペラジン)、1−[2−[[2−アミノエチル)アミノ]エチル]−アミノ]エチル]−ピペラジン)およびN−アミノエチルピペラジンの中の1種以上から選択した置換ピペラジンを添加することを包含する請求項1記載の方法。
【請求項9】
アミン添加剤を添加することが前記アミン添加剤を前記アミン溶媒溶液と前記アミン添加剤の総組成の0.005%から7%の量で添加することを包含する請求項1記載の方法。
【請求項10】
アミン添加剤を添加することが前記アミン添加剤を前記アミン溶媒溶液と前記アミン添加剤の総組成の0.05%から3%の量で添加することを包含する請求項1記載の方法。
【請求項11】
アミン添加剤を添加することがアミン添加剤を前記アミン溶媒溶液と前記アミン添加剤の総組成の0.2%から1%の量で添加することを包含する請求項1記載の方法。
【請求項12】
液体もしくは気体供給材料流れをアミン溶媒溶液で処理することが前記液体もしくは気体供給材料流れをモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、モノメチルエタノールアミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、アミノエチルエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ピペラジンおよびこれらの誘導体の中の1種以上から選択したアミン溶媒溶液で処理することを包含する請求項1記載の方法。
【請求項13】
液体もしくは気体供給材料流れをアミン溶媒溶液で処理することが前記液体もしくは気体供給材料流れから酸性ガスを吸収させることを包含しかつアミン添加剤を前記アミン溶媒溶液に添加することがアミン分解抑制剤、アミン由来汚染物質抑制剤または腐食抑制剤であるアミン添加剤を添加することを包含する請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記アミン由来汚染物質の生成量を低下させることがアミン由来熱安定性塩、アミン由来分解生成物または両方の生成量を低下させることを包含する請求項1記載の方法。
【請求項15】
アミノエチルエタノールアミン、テトラエチレンペンタミン、ジメチルアミノプロピルアミンおよびポリアルキレンアミンの中の1種以上から選択されるアミン添加剤、
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、モノメチルエタノールアミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、アミノエチルエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ピペラジンおよびこれらの誘導体の中の1種以上から選択されるアミン溶媒溶液、および
水、
を含有して成る組成物。
【請求項16】
前記アミン添加剤が総組成の0.05%から3%存在する請求項15記載の組成物。
【請求項17】
アミン由来汚染物質抑制剤である請求項15記載の組成物。
【請求項18】
アミン分解抑制剤である請求項15記載の組成物。

【図1】
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【公表番号】特表2012−510894(P2012−510894A)
【公表日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−539683(P2011−539683)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際出願番号】PCT/US2009/066531
【国際公開番号】WO2010/077548
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(509344984)ハンツマン ペトロケミカル エルエルシー (10)
【Fターム(参考)】