説明

アリールピペラジン誘導体及びその5−HT1A受容体リガンドとしての使用

本発明は、5-ヒドロキシトリプタミン1A(5-HT1A)受容体亜型リガンドとしての活性を有する新たな置換型アリールピペラジン誘導体、それらの立体化学的な異性体、それらの調製方法、並びに、それらの使用、さらに、それらを含むパーキンソン病、血栓塞栓性の発作による大脳障害、頭蓋骨脳外傷性全身障害、鬱病、偏頭痛、疼痛、精神疾患、不安障害、攻撃性人格障害、又は、尿路疾患の治療用の医薬組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アリールピペラジン誘導体、特に、5-ヒドロキシトリプタミン1A(5-HT1A)受容体亜型リガンドとしてのそれらの活性、それらの立体化学的な異性体、及び、それらの使用、さらに、それらを含むこれらの受容体リガンドを必要とする病的な状態の治療用の医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
5HT1A受容体は、多くの病理生理学の過程でのその影響に起因して、神経生物学研究及び創薬の重要な標的の一つである。5HT1Aリガンドは、不安や鬱において効果的であることが判明している。精神科領域における治療用途に加え、つい最近の前臨床試験は、5HT1A受容体リガンドが明白な神経保護の性質をも有していることを示唆する。
【0003】
5HT1Aリガンドは、不安、鬱、統合失調症、性的不全、アルツハイマー病のような神経変性疾患により生じる認知障害、悪心及び嘔吐、睡眠障害、疼痛、肥満症、疼痛、依存症/離脱症のような種々の疾患の治療における、並びに、前立腺癌の治療における使用を見出すかもしれない。つい最近の証拠は、まさに、5HT1Aリガンドが、グルタメートの放出を阻害する能力という長所により他の疾患状態及び状況において作用することを示唆する。5HT1Aリガンドは、グルタメート神経伝達物質系の機能障害、又は、グルタメートの異常放出により生じる状態の治療のために使用されてもよい。
【0004】
グルタメートは、中枢神経系における支配的な神経伝達物質であり、神経可塑性において重要な役割を果たす。従って、過剰なグルタメートの細胞外水準は、てんかん、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病、エイズ認知症、及び網膜症のような慢性神経変性疾患と同様に、脳卒中、一過性脳虚血発作、及び、脊髄/脳外傷のような急性神経変性疾患の両方の病理生理学に関連している。グルタメートの放出を阻害、若しくは、減じる化合物は、脳卒中、一過性脳虚血発作、脳/脊髄外傷、及び、胎児低酸素症により生ずる虚血治療用の有望な神経保護薬剤に相当する(Koroshetz, W. J. and Moskowitz, M. A., Emerging Treatment for Stroke in Humans. Trends in Pharmacol. Sci. 1996, 17, 227-233)。
【0005】
WO 96/06846は、一般式(I)を有するアリールピペラジン誘導体に関する。

(式中、Xは、-(CH2)3- 又は -(CH2)4-であり、
m=0、又は1、n=1から4であり、
Arは、1-ナフチル、7-ベンゾフラニル、2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキサン-5-イル、3,4-ジヒドロ-2H-1,5-ベンゾジオキセピン-6-イル、フェニル、又は、アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ニトロ、シアノ、アルコキシ、若しくは、アミノで置換されたフェニルである。)
【0006】
J. Med. Chem. 1996, 39, 4439, J. Med. Chem. 2001, 44, 186、及び、Bioorg. Med. Chem. Lett. 2003, 13, 1429 は、国際公開番号:WO 96/06846に記載されたいくつかの化合物のコンピューターシュミレーション、及び、薬理的な特徴づけに関連する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
下記に記載される本発明の化合物は、ピペラジン環上の2位で新たな置換基が存在しているために、構造的にWO 96/06846 に記載された化合物と異なっている。これらの構造的なバリエーションは、国際公開番号:WO 96/06846 によって、又は、Lopez-Rodriguez et al, J. Med. Chem. 1996, 39, 4439, J. Med. Chem. 2001, 44, 186、及び、Bioorg. Med. Chem. Lett. 2003, 13, 1429 において開示も示唆もされていない。これらの構造的なバリエーションは、結果としてセロトニン作動性の5HT1A受容体への並外れた親和性、及び、α1アドレナリン作動性受容体への選択性を有する5HT1Aリガンドとして有用な化合物となる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の要約)
本発明の第一の側面は、一般式(Ia)を有するアリールピペラジン誘導体、これらの立体異性体、N-酸化物、結晶性形状、水和物、製剤的に許容される塩、及び、製剤的に許容される溶媒和物を提供する。

(式中、mは、0から1までの整数であり、
3及びR4は、H又は複素環と共に5員環若しくは6員環を形成するように結合したメチレン基であり、
nは、1から4までの整数であり、
1は、ナフサ-1-イル、ナフサ-2-イル、ベンゾジオキセピン-6-イル、ベンゾジオキサン-4-イル、ベンゾイミダゾール-4-イル、ジヒドロ-2H-1,5-ベンゾジオキサン-5-イル、7-ベンゾフラニル、テトラヒドロナフチル、又は、フェニルから選択され、
前記フェニル、テトラヒドロナフチル、及び、ナフチルは、それぞれ、(C1-C6)-アルコキシ、(C1-C6)アルキル、ハロゲン、(C2-C6)-アルケニル、ハロ-(C1-C6)-アルキル、フェニル、フェニル(C1-C6)-アルキル、フェノキシ、(C1-C6)-アルキルカルボニル、フェニルカルボニル、フェニル(C1-C6)アルキルカルボニル、(C1-C6)-アルコキシカルボニル、フェニル(C1-C6)アルコキシカルボニル、(C1-C6)-アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、カルボキシ、スルホ、スルファモイル、スルホニルアミノ、(C1-C6)アルキルアミノスルホニル、若しくは、(C1-C6)アルキルスルホニルアミノから選択された一つ以上の基で置換されていてもよく、
2は、(C1-C4)アルキル、(C2-C4)アルケニル、(C1-C4)アルコキシ、ハロ-(C1-C4)アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノから選択される。)
【0009】
本発明の第二の側面は、製剤的に許容される基材と組み合わせて、有効量の一般式(Ia)を有する化合物、それらの立体異性体、N-酸化物、結晶性形状、水和物、製剤的に許容される塩、製剤的に許容される溶媒和物、又は、混合物を含む医薬組成物に関する。従って、本発明は、パーキンソン病、血栓塞栓性の発作による大脳障害、頭蓋骨脳外傷性全身障害(craneoencephalic traumatisms)、鬱病、偏頭痛、疼痛、精神疾患、不安障害、攻撃性人格障害、若しくは、尿路疾患、特に尿失禁の治療用、及び/又は、予防用の上記で定義した医薬組成物に関する。
【0010】
本発明の第三の側面は、本明細書に記載される通り、一般式(Ia)を有する化合物、それらの立体異性体、N-酸化物、結晶性形状、水和物、製剤的に許容される塩、及び、製剤的に許容される溶媒和物のパーキンソン病、血栓塞栓性の発作による大脳障害、頭蓋骨脳外傷性全身障害(craneoencephalic traumatisms)、鬱病、偏頭痛、疼痛、精神疾患、不安障害、攻撃性人格障害、並びに、尿路疾患、特に尿失禁の治療用、並びに/又は、予防用薬剤の製造のための使用に関する。
この第三の側面は、あるいは、本明細書に記載される通り、有効量の医薬品をその必要がある人間に投与することを含む人間における上記で記載された病気の治療法として処方されてもよい。
【0011】
本発明の第四の側面は、下記のいずれか一つを含む本明細書に記載される通りの一般式(Ia)を有する化合物の調製方法に関する。
i)一般式(II)を有する化合物を、

(式中、m、R3、及びR4は、本明細書及び特許請求の範囲で定義される通りである。)
一般式(IV)を有する化合物と反応させて、

(式中、R1、及びR2は、本明細書及び特許請求の範囲で定義される通りである。)
n=1である一般式(Ia)を有する最終生産物を結果として生じるか、
又は、
ii)一般式(III)を有する化合物を、

(式中、R3、R4、及びmは、本明細書及び特許請求の範囲で定義される通りであり、n>1 である。)
上記で定義された通りの一般式(IV)を有する化合物と反応させて、
n>1である一般式(Ia)を有する最終生産物を結果として生じるか、
又は、
iii)一般式(Ia)で表される塩基性化合物を製剤的に許容される酸で酸性化して、製剤的に許容される塩を与えるか、
又は、
iv)一般式(Ia)を有する化合物の異性体混合物を分離して、前記異性体の一つを他の異性体から実質的に遊離した状態で単離する。
i)及びii)の過程は、模式図1に示されるが、ここで、処置c)が、過程i)に対応し、処置a)及びb)が、過程ii)に対応する。
(模式図1)

模式図1.試薬及び条件:(a) ハロゲン-(CH2)n-ハロゲン, NaH, DMF, 110 ℃, 1時間から3時間、(b) NEt3, CH3CN, 60 ℃, 20時間、(c) HCHO水溶液, EtOH, 還流, 6時間。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(発明の詳細な説明)
発明者らは、驚いたことに、5-HT1A受容体への高親和性、及び顕著な神経保護の性質を有する部類の化合物を同定した。
【0013】
(定義)
本発明の詳細に渡る実施態様の考察に先立ち、本発明の主要な側面に関連する特有の用語の定義を提供する。
”製剤的に許容される塩”という用語は、本明細書で使用される通り、有機酸、及び無機酸から生じる塩を意味する。一般式(Ia)を有する化合物は、従来の方法により、その製剤的に許容される塩、又は、その製剤的に許容される溶媒和物に変換されてもよい。例えば、そのような塩は、一つ以上の化合物を好ましい製剤的に許容される金属水酸化物若しくは他の金属性塩基の水溶液で処理し、結果として生じる水溶液を乾燥するために、好ましくは、窒素大気中の減圧下で蒸発させることにより調製されてもよい。あるいは、一般式(Ia)を有する化合物の溶液は、好ましい金属のアルコキシドと混合されてもよいし、続いてこの溶液を乾燥するために蒸発させてもよい。この製剤的に許容される水酸化物、塩基、及び、アルコキシド(alloxides)は、カリウム、ナトリウム、アンモニウム、カルシウム、及び、マグネシウム等の(しかし、これに限定されない)この目的のためのこれらの陽イオンに相当するものを含んでいる。他の代表的な製剤的に許容される塩としては、塩酸塩, 臭化水素酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、プロピオン酸塩、硝酸塩、メタンスルホン酸塩、安息香酸塩、及び、同様に既知の許容される酸等が挙げられる。
【0014】
”(C1-C4)アルキル”という用語は、本明細書で使用される通り、炭化水素原子を1から4個有する飽和の分鎖状、又は、直鎖状炭化水素鎖を意味する。好ましくは、”(C1-C4)アルキル”は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s-ブチル、及び、t-ブチルから選択された未置換基である。
”(C1-C6)アルコキシ”という用語は、本明細書で使用される通り、(C1-C6)アルキル-O のように酸素に結合した、炭化水素原子を1から6個有する飽和の分鎖状、又は、直鎖状炭化水素鎖(すなわち、上記で定義された通りの(C1-C6)アルキル基)を意味する。好ましくは、”(C1-C6)アルコキシ”は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、s-ブトキシ、及び、t-ブトキシから選択された未置換基である。
”ハロゲン”という用語は、フッ素、塩素、臭素、及び、ヨウ素を含むことを意味する。
【0015】
本発明のこの化合物が、少なくとも二つの光学中心を有し、このように例えばジアステレオマーのような”立体異性体”を形成することは、当業者にとって明らかである。ラセミ体も、あらゆる光学異性体と同様に本発明の要素であり、このように特許請求の範囲の発明の範囲に包含される。
【0016】
本発明の第一の側面は、一般式(Ia)を有するアリールピペラジン誘導体、これらの立体異性体、N-酸化物、結晶性形状、水和物、製剤的に許容される塩、及び、製剤的に許容される溶媒和物を提供する。

(式中、mは、0から1までの整数であり、
3及びR4は、H又は複素環と共に5員環若しくは6員環を形成するように結合したメチレン基であり、
nは、1から4までの整数であり、
1は、ナフサ-1-イル、ナフサ-2-イル、ベンゾジオキセピン-6-イル、ベンゾジオキサン-4-イル、ベンゾイミダゾール-4-イル、ジヒドロ-2H-1,5-ベンゾジオキサン-5-イル、7-ベンゾフラニル、テトラヒドロナフチル、又は、フェニルから選択され、
前記フェニル、テトラヒドロナフチル、及び、ナフチルは、それぞれ、(C1-C6)-アルコキシ、(C1-C6)アルキル、ハロゲン、(C2-C6)-アルケニル、ハロ-(C1-C6)-アルキル、フェニル、フェニル(C1-C6)-アルキル、フェノキシ、(C1-C6)-アルキルカルボニル、フェニルカルボニル、フェニル(C1-C6)アルキルカルボニル、(C1-C6)-アルコキシカルボニル、フェニル(C1-C6)アルコキシカルボニル、(C1-C6)-アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、カルボキシ、スルホ、スルファモイル、スルホニルアミノ、(C1-C6)アルキルアミノスルホニル、又は、(C1-C6)アルキルスルホニルアミノから選択された一つ以上の基で置換されていてもよく、
2は、(C1-C4)アルキル、(C2-C4)アルケニル、(C1-C4)アルコキシ、ハロ-(C1-C4)アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノから選択される。)
【0017】
本発明の第一の側面の実施態様によれば、本発明は、式中、R3及びR4が、複素環と共に5員環を形成するように結合したメチレン基である上記で定義された一般式(Ia)のアリールピペラジン誘導体に関する。
本発明の第一の側面の別の実施態様によれば、本発明は、式中、R3及びR4が、複素環と共に5員環を形成するように結合したメチレン基であり、好ましくは m=1 である上記で定義された一般式(Ia)のアリールピペラジン誘導体に関する。
別の好ましい化合物によれば、R3及びR4は、複素環と共に5員環を形成するように結合したメチレン基であり、好ましくは m=0 である。
別の好ましい実施態様によれば、R1は、ナフサ-1-イル、ベンゾイミダゾール-4-イル、7-ベンゾフラニル、ベンゾジオキセピン-6-イル、又は、フェニルから選択され、前記フェニル、及び、ナフチルは、それぞれ、(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルキル、ニトロ、若しくは、ハロゲンから選択された一つ以上の基で置換されていてもよい。
【0018】
より好ましい実施態様において、R1は、3-クロロフェニル、3-メトキシフェニル、4-メチルナフサ-1-イル、1-ベンゾフラン-7-イル、ナフサ-1-イル、ベンゾイミダゾール-4-イル、4-ニトロナプタ-1-イル、及び、フェニルから選択される。
なおさらに好ましい実施態様において、R1は、未置換型のナフサ-1-イル、ベンゾイミダゾール-4-イル、1-ベンゾフラン-7-イル、及び、ベンゾジオキセピン-6-イルから選択される。
本発明のとりわけ好ましい実施態様において、R1は、未置換型のナフサ-1-イル、1-ベンゾフラン-7-イル、及び、ベンゾイミダゾール-4-イルから選択される。
より好ましい実施態様において、R2は、(C1-C4)アルキルであり、とりわけ好ましい
2は、メチル、又は、エチルである。
【0019】
とりわけ好ましいのは、R3及びR4が、複素環と共に5員環を形成するように結合したメチレン基であり、m=0、又は、1、n=1から4であり、R2が(C1-C4)アルキル、とりわけ好ましくはメチル、又は、エチルであって、R1が、ナフサ-1-イル、ベンゾイミダゾール-4-イル、7-ベンゾフラニル、ベンゾジオキセピン-6-イル、又は、フェニルから選択され、前記フェニル、及び、ナフチルが、それぞれ、(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルキル、ニトロ、若しくは、ハロゲンから選択された一つ以上の基で置換されていてもよい化合物である。
本発明の別の実施態様によれば、nは、1、3、又は、4である。
【0020】
本発明の好ましい実施態様によれば、R3及びR4は、複素環と共に5員環を形成するように結合したメチレン基であり、m=1 であり、R1は、ナフサ-1-イル、及び、ベンゾジオキセピン-6-イルから選択され、R2は、(C1-C4)アルキルであって、それらの立体異性体、N-酸化物、結晶性形状、水和物、製剤的に許容される塩、及び、製剤的に許容される溶媒和物の形であってもよい。
従って、本発明のより具体的な実施態様において、本発明は、一般式(Ia)を有する化合物であって、R3及びR4が、複素環と共に5員環を形成するように結合したメチレン基で、m=1、n=1 であり、R1が、未置換のナフサ-1-イルであり、R2が、(C1-C4)アルキルであり、それらの立体異性体、N-酸化物、結晶性形状、水和物、製剤的に許容される塩、及び、製剤的に許容される溶媒和物の形であってもよい化合物に関する。
さらに、R3及びR4が、複素環と共に5員環を形成するように結合したメチレン基で、m=1、n=4 で、R1が、ナフサ-1-イルであり、R2が、(C1-C4)アルキルである化合物であって、それらの立体異性体、N-酸化物、結晶性形状、水和物、製剤的に許容される塩、及び、製剤的に許容される溶媒和物の形であってもよい化合物が、とりわけ好ましい。
【0021】
また、本発明の好ましい実施態様は、R3及びR4が、複素環と共に5員環を形成するように結合したメチレン基であり、m=0 であり、R1が、ナフサ-1-イル、ベンゾイミダゾール-4-イル、7-ベンゾフラニル、又は、フェニルから選択され、前記フェニル、及び、ナフチルが、それぞれ、(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルキル、ニトロ、若しくは、ハロゲンから選択された一つ以上の基で置換されていてもよく、R2が、(C1-C4)アルキルであって、それらの立体異性体、N-酸化物、結晶性形状、水和物、製剤的に許容される塩、及び、製剤的に許容される溶媒和物の形であってもよい。
さらに、本発明のより好ましい実施態様において、R3及びR4は、複素環と共に5員環を形成するように結合したメチレン基であり、m=0 であり、R1は、3-クロロフェニル、3-メトキシフェニル、4-メチルナフサ-1-イル、1-ベンゾフラン-7-イル、ナフサ-1-イル(naphtha-1-yl)、ベンゾイミダゾール-4-イル、4-ニトロナフサ-1-イル(4-nitronapth-1-yl)、及び、フェニルから選択され、R2は、(C1-C4)アルキルであって、それらの立体異性体、N-酸化物、結晶性形状、水和物、製剤的に許容される塩、及び、製剤的に許容される溶媒和物の形であってもよい。
【0022】
とりわけ好ましいのは、R3及びR4が、複素環と共に5員環を形成するように結合したメチレン基であり、m=0、n=3 であり、R1が、3-クロロフェニル、3-メトキシフェニル、及び、1-ベンゾフラン-7-イルから選択され、R2が、(C1-C4)アルキルであって、それらの立体異性体、N-酸化物、結晶性形状、水和物、製剤的に許容される塩、及び、製剤的に許容される溶媒和物の形であってもよい。
とりわけ好ましい別の化合物は、R3及びR4が、複素環と共に5員環を形成するように結合したメチレン基であり、m=0、n=4 であり、R1が、3-メトキシフェニル、4-メチルナフサ-1-イル、1-ベンゾフラン-7-イル、ナフサ-1-イル(naphtha-1-yl)、ベンゾイミダゾール-4-イル、4-ニトロナフサ-1-イル(4-nitronapth-1-yl)、及び、フェニルからり選択され、R2が、(C1-C4)アルキルである化合物であって、それらの立体異性体、N-酸化物、結晶性形状、水和物、製剤的に許容される塩、及び、製剤的に許容される溶媒和物の形であってもよい。
【0023】
下記の化合物がとりわけ好ましい:
(a) (2R,8aRS)-2-[4-[4-(ナフサ-1-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]ブチル]-1,4-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン;
(b) (2S,8aRS)-2-[4-[4-(ナフサ-1-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]ブチル]-1,4-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン;
(c) (2R,8aR)-2-[[4-(ナフサ-1-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]メチル]-1,4-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン;
(d) (2S,8aS)-2-[[4-(ナフサ-1-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]メチル]-1,4-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン;
(e) (2R,8aS)-2-[[4-(ナフサ-1-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]メチル]-1,4-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン;
(f) (2S,8aR)-2-[[4-(ナフサ-1-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]メチル]-1,4-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン;
(i) (2R,7aRS)-(-)-2-[3-[4-(3-クロロフェニル)-2-メチルピペラジン-1-イル]プロピル]-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール;
(j) (2S,7aRS)-(+)-2-[3-[4-(3-メトキシフェニル)-2-メチルピペラジン-1-イル]プロピル]-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール;
(k) (2S,7aRS)-(-)-2-[3-[4-(1-ベンゾフラン-7-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]プロピル]-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール;
(l) (2R,7aRS)-(-)-2-[4-[2-エチル-4-(ナフサ-1-イル)ピペラジン-1-イル]ブチル]-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール;
(m) (2R,7aRS)-(-)-2-[4-[4-(ベンゾイミダゾール-4-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]ブチル]-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール;
(n) (2S,7aRS)-(+)-2-[4-[4-(1-ベンゾフラン-7-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]ブチル]-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール;
(o) (2R,7aRS)-(-)-2-[4-[2-エチル-4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]ブチル]-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール;
(p) (2S,7aRS)-(+)-2-[4-[2-メチル-4-(4-メチルナフサ-1-イル)ピペラジン-1-イル]ブチル]-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール;
(q) (2S,7aRS)-(+)-2-[4-[2-メチル-4-フェニルピペラジン-1-イル]ブチル]-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール;
(r) (2S,7aRS)-(+)-2-[4-[4-(ベンゾイミダゾール-4-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]ブチル]-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール;
(s) (2S,7aRS)-(+)-2-[4-[2-メチル-4-(4-ニトロナフサ-1-イル)ピペラジン-1-イル]ブチル]-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール
【0024】
さらに、本発明者らは、非置換型ピペラジン環を有するが、上記で引用した引例において開示された先行技術の化合物と比較して、著しく有望な薬理学的性質を有するいくつかの化合物をも発見した。これらの化合物もこのようにまた、本発明の一部分を形成する。
(g) 2-[4-[4-(ナフサ-1-イル)ピペラジン-1-イル]ブチル]-1,4-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン:

化合物(g)は、ピコモル範囲においては、5-HT1A受容体に結合し、低いナノモル範囲においては、α1アドレナリン受容体に結合し(表1を参照)、これにより、この化合物は、例えば尿失禁の治療用のとりわけ興味深い化合物となる。
(h) 2-[4-[4-(3,4-ジヒドロ-2H-1,5-ベンゾジオキセピン-6-イル)ピペラジン-1-イル]ブチル]-1,4-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン:

化合物(h)もまた、低いナノモル範囲において、5-HT1A受容体に結合し、ナノモル範囲において、α1アドレナリン受容体にも結合する。このことは、先行技術(Bioorg. Med. Chem. Lett. 2003, 13, 1429)におけるベンゾジオキセピン誘導体が、実質的なα1への結合を示さないために、驚くべきことである。
【0025】
この最終産物は、IR、NMR、及び定量的元素分析技術により構造的に特徴づけされた。極めて容易な取り扱いのために、この最終産物が、結晶性でない時には、無機、又は、有機酸から得られる製剤的に許容される塩へ変換される。
一般式(Ia)を有する化合物が、不斉炭素を含むことができ、一般式(Ia)が、ラセミ修飾、とりわけ、下記で明確にされる活性を有しているものと同様に、全ての考えられる立体異性体、及び、それらの混合物を含んでいることが理解される。光学異性体が、標準的な分離技術により純粋な形態で得られてもよい。
【0026】
(医薬品)
別の実施態様において、本発明は、一つ以上の一般式(Ia)を有する化合物、それらの立体異性体、製剤的に許容される塩、又は、製剤的に許容される溶媒和物を含み、一つ以上の製剤的に許容される基材、賦形剤、又は、希釈剤を含んでいてもよい医薬組成物を提供する。この”基材”という用語は、本明細書で使用される通り、基材、賦形剤、及び、希釈剤を包含している。
そのような基材の例は、当業者に公知であり、許容される調剤手段に従って調製される。製剤的に許容される基材は、この配合物中の他の成分と混合しても化学反応を起こさないものであり、生物学的に許容されるものである。
【0027】
本明細書に記載される通り、医薬品は、経口的、経皮的、非経口的、筋肉内、静脈内、皮下内、又は、その他の投与方法により、投与することができる。好ましくは、この医薬品は、経口的に投与することができる。
典型的な固体基材としては、香料添加剤、潤滑剤、可溶化剤、懸濁剤、注入剤、流動促進剤(glidants)、圧縮補助剤、結合剤、錠剤分解物質、又は、被包物質として作用することができる一つ以上の物質等が挙げられる。本発明の活性化合物を含む経口配合物は、錠剤、カプセル剤、舌下錠剤、トローチ、トローチ剤、及び、経口的な液体、懸濁液、又は、溶液を含むあらゆる従来的に使用される経口形態を含んでいてもよい。散剤中で、この基材は、細かく分割された活性成分との混合物中にある細かく分割された固体である。錠剤中で、この活性成分は、適切な比率で必要な圧縮性能を有する基材と混合され、好ましい形状、及び、大きさに詰められる。
【0028】
カプセル剤は、不活性な注入剤、並びに/又は、製剤的に許容される澱粉、糖、人工甘味料、結晶性、及び、微結晶性のセルロースのような粉末セルロース、小麦粉、ゼラチン、ガム等のような希釈剤と共に活性化合物(類)の混合物を含んでいてもよい。
有用な錠剤配合物は、従来の圧縮法、湿式造粒法、又は、スラッグ法により作り出されてもよいし、製剤的に許容される希釈剤、結合剤、潤滑剤、錠剤分解物質、表面改質剤(界面活性剤を含む)、懸濁化剤、又は、安定化剤を利用していてもよく、マグネシウムステアリン酸、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、微結晶性セルロース、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ポリビニルピロリジン、ゼラチン、アルギン酸、アカシアガム、キサンタンガム、クエン酸ナトリウム、シリケート錯体、炭酸カルシウム、グリシン、デキストリン、スクロース、ソルビトール、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、タルク、澱粉類、糖類、低融点ワックス類、及び、イオン交換樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。好ましい表面改質剤としては、非イオンの表面改質剤及び陰イオンの表面改質剤等が挙げられる。典型的な表面改質剤の例としては、ポロクサマー188、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、セトステアリルアルコール(cetostearl alcohol)、セトマクロゴール(cetomacrogol)乳化ワックス、ソルビタンエステル類、コロイド状(colloidol)二酸化ケイ素、ホスフェート類、ドデシル硫酸ナトリウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、及び、トリエタノールアミン等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。本明細書において、経口配合物は、活性化合物(群)の吸収を変化させるために、標準的な遅延放出配合物、又は、経時放出配合物を利用してもよい。この経口配合物は、また、水中、又は、果汁中の活性成分を投与することを含んでいてもよく、必要に応じて、適切な可溶化剤、若しくは、乳化剤を含む。
【0029】
液体担体は、溶液、懸濁液、乳濁液、シロップ、及び、エリキシル剤の調製の際に使用することができる。この活性成分は、製剤的に許容されるオイル、若しくは、油脂中に溶解、又は、懸濁されることができる。この液体担体は、例えば、可溶化剤、乳化剤、緩衝剤、保存剤、甘味料、香料、懸濁剤、増粘剤、着色料、粘度調整剤、安定剤、又は、浸透圧調整剤のような別の適切な調剤添加物を取得することができる。経口投与用、及び、非経口投与用の液体担体の適切な例としては、水(とりわけ、例えばセルロース類縁体、好ましくは、ナトリウムカルボキシメチルセルロール溶液のような上記で記載された添加物を含む)、アルコール類(一価アルコール、及び、多価アルコール、例えば、グリコールを含む)、及び、その誘導体、及び、オイル類(例えば、ヤシ油、及び、ラッカセイ油)等が挙げられる。
【0030】
非経口投与のために、この担体は、また、オレイン酸エチル、及び、ミリストル酸イソプロピルのような油性エステルであることも可能である。殺菌した液体担体が、殺菌した液体状組成物中で非経口投与用に使用される。加圧された組成物用のこの液体担体は、ハロゲン化された炭化水素、又は、別の製剤的に許容される噴霧剤であることが可能である。
本発明のこの化合物は、また、非経口で、又は、腹腔内に投与されてもよい。遊離塩基、若しくは、製剤的に許容される塩であるこれらの活性化合物の溶液、又は、懸濁液は、ヒドロキシプロピルセルロースのような界面活性剤と適切に混合された水中で調製することができる。分散剤もまた、オイル中のグリセロール、液体ポリエチレングリコール、及び、その混合物中で調製することができる。貯蔵、及び、使用の通常の条件下で、これらの調製物は、微生物の増殖を阻害するために保存料を含んでいる。
【0031】
注射剤使用に適した調剤形態は、殺菌した水溶液、又は、分散剤、及び、殺菌した注射剤溶液、若しくは、分散剤の即席調製用の殺菌した粉末を含んでいる。この調剤形態は、製造、及び、保管の状況下で安定でなければならず、細菌、及び、真菌のような微生物の汚染作用に対して保護されていなければならない。この担体は、例えば、水、エタノール、多価アルコール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び、液体ポリエチレングリコール)、適切なその混合物、及び、植物性油脂を含む溶剤、又は、分散剤であることができる。
【0032】
上記で記載されたこの担体は、排他的であることを意図されているわけではなく、それどころか、単に、本発明の好ましい剤形で使用されてもよい担体類、及び、特定の担体の代表例である。
本明細書に記載される医薬品は、別の薬学的な活性物質を含んでいてもよい。医薬品は、活性化合物を一つ以上の薬理学的に許容される担体と混合し、この混合物を適切な剤形に変換することにより調製することができる。
【0033】
(臨床症状における使用)
その5-HT1A受容体親和力及び神経保護能力を考慮に入れると、一般式(Ia)を有するこの化合物は、哺乳類における、とりわけ人間におけるパーキンソン病、鬱、偏頭痛、疼痛、例えば、統合失調症、不安障害(例えば、強迫性障害、全般性不安障害)のような気分障害、及び、攻撃性人格障害(攻撃性不安障害/鬱病性障害の混在型を含む)のような精神疾患、並びに、泌尿器疾患、とりわけ尿失禁の治療、並びに/又は、予防だけでなく、例えば、血栓塞栓性脳卒中、若しくは、外傷性脳損傷により引き起こされる大脳障害の治療、及び/又は、予防のような、5-HT1A受容体作用薬が必要とされる病的状態の治療、並びに/又は、予防において有用である。
【0034】
本発明の追加的な目的、利点、及び特徴は、明細書本文の検討により当業者に明らかとなるだろうし、又は、本発明の実践により理解されてもよい。下記の実施例、及び、図面は、実例を手段として提供され、本発明の限定になることを意図していない。
【実施例】
【0035】
実施例1.一般構造式(Ia)(n>1)を有する化合物の合成。基本手順。(模式図1を参照)
乾性アセトニトリル(10 mL)中のブロモアルキル誘導体(III)(4.5 mmol)、及び、適切なアリールピペラジン(IV)(7.5 mmol)の懸濁液にトリエチルアミン(1.0 mL、7.5 mmol)を加え、この混合物を20時間から24時間還流した。冷却後、この溶剤を減圧下で蒸発させ、残留物を水中に再懸濁し、ジクロロメタン(3 x 50 mL)で抽出した。この混合した有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶剤の蒸発後、この未精製オイルを適切な溶離液を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。収集されたIRスペクトル、及び、NMRスペクトルのデータは遊離塩基であることを示唆しているので、融点、元素分析、及び、生物試験に先立って、塩酸塩を調製した。
【0036】
実施例2.2-[4-[4-(ナフサ-1-イル)ピペラジン-1-イル]ブチル]-1,4-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン, (g)。
この表記化合物を実施例1に記載された基本手順により、2-(4-ブロモブチル)-1,4-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン、及び、1-(ナフサ-1-イル)ピペラジンを出発試薬として調製した。
クロマトグラフィー:クロロホルム/メタノール、9.5 : 0.5 から 9 : 1 まで。
収率:43 %、融点:277 ℃から280 ℃ (d)(メタノール/エチルエーテル)。
IR (CHCl3): 1670, 1600, 1580, 1460 cm-1
1H NMR (CDCl3): δ 1.56-1.65 (m, 4H), 1.88-2.12 (m, 3H), 2.35-2.41 (m, 1H), 2.51 (t, J = 6.9, 2H), 2.74 (br s, 4H), 3.15 (br s, 4H), 3.33-3.41 (m, 1H), 3.50-3.63 (m, 3H), 3.79 (d, J = 16.2, 1H), 4.07 (t, J = 7.8, 1H), 4.14 (d, J = 16.2, 1H), 7.09 (dd, J = 7.3, 1.0, 1H), 7.39 (t, J = 7.8, 1H), 7.44-7.48 (m, 2H), 7.55 (d, J = 8.4, 1H), 7.80-7.83 (m, 1H), 8.17-8.20 (m, 1H)。
13C NMR (CDCl3): δ 22.6, 23.8, 25.0, 28.8, 45.2, 45.9, 51.6, 52.7, 53.6, 58.0, 59.0, 114.6, 123.4 (2 C), 125.2, 125.7, 125.8, 128.3, 128.7, 134.6, 149.4, 163.1, 167.1。
元素分析.C25H32N4O2・HCl・1/2H2O に対しての計算: C, 64.43, H, 7.35, N, 12.02;
実測: C, 64.57, H, 7.20, N, 11.89。
【0037】
実施例3.(2R,8aRS)-2-[4-[4-(ナフサ-1-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]ブチル]-1,4-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン, (a) (ジアステレオ異性体の混合物)。
この表記化合物を実施例1に記載された基本手順により、2-(4-ブロモブチル)-1,4-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン、及び、(R)-3-メチル-1-(ナフサ-1-イル)ピペラジンを出発試薬として調製した。
クロマトグラフィー:クロロホルム/エタノール、20 : 1 から 12 : 1 まで。
収率:57 % (オイル)、[α]D25=-20.0(c=1.1、CHCl3)。
IR (CHCl3): 1665, 1575, 1510, 1460 cm-1
1H NMR (CDCl3): δ 1.16 (d, J = 5.6, 3H), 1.50-1.60 (m, 4H), 1.80-2.14 (m, 3H), 2.30-2.45 (m, 2H), 2.59-2.89 (m, 4H), 3.03-3.08 (m, 2H), 3.18-3.23 (m, 2H), 3.28-3.67 (m, 4H), 3.77 (dd, J = 16.4, 2.2, 1H), 4.03 (t, J = 7.6, 1H), 4.14 (d, J = 16.4, 1H), 7.05 (dd, J = 7.6, 1.2, 1H), 7.36 (t, J = 8.1, 1H), 7.38-7.46 (m, 2H), 7.51 (d, J = 8.4, 1H), 7.74-7.81 (m, 1H), 8.13-8.18 (m, 1H)。
13C NMR (CDCl3): δ 22.6 (2 C), 23.1, 25.1, 28.8, 29.6, 45.2, 45.9 (2 C), 51.6 (2 C), 53.0, 55.4, 59.0, 60.1, 114.6, 123.4 (2 C), 125.2, 125.7, 125.8, 128.3, 128.8, 134.6, 149,3, 163.1, 167.1。
【0038】
実施例4.(2S,8aRS)-2-[4-[4-(ナフサ-1-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]ブチル]-1,4-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン, (b)(ジアステレオ異性体の混合物)。
この表記化合物を実施例1に記載された基本手順により、2-(4-ブロモブチル)-1,4-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン、及び、(S)-3-メチル-1-(ナフサ-1-イル)ピペラジンを出発試薬として調製した。
クロマトグラフィー:クロロホルム/エタノール、20 : 1 から 12 : 1 まで。
収率:35 % (オイル)、[α]D25=+21.0(c=1.1、CHCl3)。
スペクトルデータは、実施例3のものと同一である(上記を参照)。
【0039】
実施例5.2-[4-[4-(3,4-ジヒドロ-2H-1,5-ベンゾジオキセピン-6-イル)ピペラジン-1-イル]ブチル]-1,4-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン, (h)。
この表記化合物を実施例1に記載された基本手順により、2-(4-ブロモブチル)-1,4-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン、及び、1-(3,4-ジヒドロ-2H-1,5-ベンゾジオキセピン-6-イル)ピペラジンを出発試薬として調製した。
クロマトグラフィー:クロロホルム/メタノール、9.5 : 0.5 から 9 : 1 まで。
収率:52 % 、融点:212から213℃ (d)(メタノール/エチルエーテル)。
IR (CHCl3): 1670, 1590, 1485, 1460 cm-1
1H NMR (CDCl3): δ 1.43-1.55 (m, 4H), 1.82-2.05 (m, 3H), 2.13 (qt, J = 5.7, 2H), 2.27-2.31 (m, 1H), 2.35 (t, J = 7.2, 2H), 2.55 (br s, 4H), 3.00 (br s, 4H), 3.27-3.34 (m, 1H), 3.41-3.57 (m, 3H), 3.72 (d, J = 16.2, 1H), 4.01 (t, J = 7.5, 1H), 4.07 (d, J = 16.5, 1H), 4.14-4.21 (m, 4H), 6.54 (dd, J = 7.8, 1.5, 1H), 6.59 (dd, J = 8.2, 1.4, 1H), 6.76 (t, J = 7.9, 1H)。
13C NMR (CDCl3): δ 22.6, 23.9, 25.1, 28.8, 31.5, 45.2, 46.0, 51.0, 51.6, 53.4, 58.0, 59.0, 70.2, 70.3, 112.9, 115.5, 122.5, 144.6, 145.0, 152.1, 163.1, 167.1。
元素分析.C24H34N4O4・2HCl・2H2O に対しての計算:C, 52.26, H, 7.31, N, 10.15;
実測: C, 52.02, H, 6.93, N, 10.07。
【0040】
実施例6.一般構造式(Ia)(n=1)を有する化合物の合成。基本手順。(模式図1を参照)。
メタノール(15 mL)中の中間体(II)(7 mmol)、及び、ホルムアルデヒド(35 % 水溶液で7 mmol)の懸濁液に相当するアリールピペラジン(IV)(7 mmol)を加えた。結果として生じた懸濁液を出発物質の完全な消失(TLC)の後、2時間から6時間還流した。それから、この混合物を室温まで冷却し、この溶剤を減圧で蒸発させた。この未精製混合物をクロロホルム(75 mL)中に希釈し、水で洗浄した(3 x 75 mL)。この有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧で蒸発させた。得られた未精製物を適切な溶離液を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。収集されたIRスペクトル、及び、NMRスペクトルデータは遊離塩基であることを示唆しているので、融点、元素分析、及び、生物試験に先立って、塩酸塩を調製した。
【0041】
実施例7.(2R,8aR)-2-[[4-(ナフサ-1-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]メチル]-1,4-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン, (c)。
この表記化合物を実施例6に記載された基本手順により、(R)-1,4-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン、及び、(R)-3-メチル-1-(ナフサ-1-イル)ピペラジンを出発試薬として調製した。
クロマトグラフィー:酢酸エチルから酢酸エチル/エタノール、9 : 1 まで。
収率:23 %、[α]D25=+36.6(c=1.9、CHCl3)。
IR (CHCl3): 1665, 1595, 1575, 1500, 1455 cm-1
1H NMR (CDCl3): δ 1.22 (d, J = 7.2, 3H), 1.80-1.94 (m, 1H), 1.96-2.16 (m, 2H), 2.32-2.42 (m, 2H), 2.72-2.79 (m, 2H), 2.88-3.02 (m, 2H), 3.14-3.28 (m, 2H), 3.49-3.69 (m, 2H), 4.00-4.15 (m, 3H), 4.25 (d, J = 12.3, 1H), 4.40 (d, J = 12.3, 1H), 7.02 (dd, J = 7.5, 0.9, 1H), 7.37 (t, J = 7.5, 1H), 7.42-7.46 (m, 2H), 7.52 (d, J = 8.1, 1H), 7.78-7.81 (m, 1H), 8.15-8.19 (m, 1H)。
13C NMR (CDCl3): δ 22.7 (2 C), 28.6, 45.1, 45.2, 51.0, 52.9, 53.5, 59.1, 60.3, 63.7, 114.6, 123.3, 123.5, 125.3, 125.7 (2 C), 128.3, 128.7, 134.6, 149.2, 163.8, 168.1。
元素分析.C23H28N4O2・HCl・5/2H2O に対しての計算: C, 58.27, H, 7.23, N, 11.82;
実測: C, 58.25, H, 6.80, N, 11.50。
【0042】
実施例8.(2S,8aS)-2-[[4-(ナフサ-1-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]メチル]-1,4-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン, (d)。
この表記化合物を実施例6に記載された基本手順により、(S)-1,4-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン、及び、(R)-3-メチル-1-(ナフサ-1-イル)ピペラジンを出発試薬として調製した。
収率:36 % 、[α]D25=-38.0(c=1.2、CHCl3)。
スペクトルデータは、(c) のものと同一である(上記を参照)。
元素分析.C23H28N4O2・HCl・2/3H2O に対しての計算: C, 62.64, H, 6.88, N, 12.71;
実測: C, 62.51, H, 7.04, N, 12.97。
【0043】
実施例9.(2R,8aS)-2-[[4-(ナフサ-1-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]メチル]-1,4-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン, (e)。
この表記化合物を実施例6に記載された基本手順により、(S)-1,4-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン、及び、(R)-3-メチル-1-(ナフサ-1-イル)ピペラジンを出発試薬として調製した。
クロマトグラフィー:酢酸エチルから酢酸エチル/エタノール、9 : 1 まで。
収率:43 %、[α]D25=-53.2(c=1.4、CHCl3)。
IR (CHCl3): 1665, 1595, 1575, 1500, 1455 cm-1
1H NMR (CDCl3): δ 1.22 (m, 3H), 1.85-1.94 (m, 1H), 1.96-2.17 (m, 2H), 2.34-2.42 (m, 2H), 2.62-2.80 (m, 2H), 2.85-3.04 (m, 2H); 3.14-3.24 (m, 2H), 3.51-3.68 (m, 2H), 4.05-4.18 (m, 3H), 4.28-4.38 (m, 2H), 7.03 (d, J = 7.2, 1H), 7.37 (t, J = 7.8, 1H), 7.43-7.46 (m, 2H), 7.52 (d, J = 8.1, 1H), 7.78-7.81 (m, 1H), 8.15-8.18 (m, 1H)。
13C NMR (CDCl3): δ 22.6 (2 C), 28.7, 45.1 (2 C), 50.6, 53.0, 53.4, 59.1, 60.3, 63.2, 114.6, 123.3, 123.5, 125.3, 125.8 (2 C), 128.3, 128.7, 134.6, 149.2, 163.6, 168.0。
元素分析.C23H28N4O2・HCl・H2O に対しての計算: C, 61.80, H, 6.99, N, 12.54;
実測: C, 61.47, H, 7.06, N, 12.54。
【0044】
実施例10.(2S,8aR)-2-[[4-(ナフサ-1-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]メチル]-1,4-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン, (f)。
この表記化合物を実施例6に記載された基本手順により、(R)-1,4-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン、及び、(S)-3-メチル-1-(ナフサ-1-イル)ピペラジンを出発試薬として調製した。
収率:40 % 、[α]D25=+53.7(c=0.9、CHCl3)。
スペクトルデータは、(e) のものと同一である(上記を参照)。
元素分析.C23H28N4O2・HCl・3/2H2O に対しての計算: C, 60.58, H, 7.07, N, 12.29;
実測: C, 60.72, H, 7.13, N, 12.04。
【0045】
実施例11.(2R,7aRS)-(-)-2-[3-[4-(3-クロロフェニル)-2-メチルピペラジン-1-イル]プロピル]-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール, (i) (ジアステレオ異性体の混合物)。
この表記化合物を実施例1に記載された基本手順により、2-(3-ブロモプロピル)-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール、及び、(R)-1-(3-クロロフェニル)-3-メチルピペラジンを出発試薬として調製した。
クロマトグラフィー:ジクロロメタン/エタノール、9.8 : 0.2 から 9.5 : 0.5 まで。
収率:51 %、[α]D25=-31.1(c=1.1、CHCl3)。
IR (CHCl3): 1770, 1710, 1543, 1447, 1420 cm-1
1H NMR (CDCl3): δ 1.09 (d, J = 5.7, 3H), 1.58-1.84 (m, 3H), 1.93-2.04 (m, 2H), 2.08-2.38 (m, 3H), 2.48-2.97 (m, 5H), 3.12-3.25 (m, 1H), 3.30-3.68 (m, 5H), 4.01 (dd, J = 8.9, 7.4, 1H), 6.67-6.79 (m, 3H), 7.09 (t, J = 8.1, 1H)。
13C NMR (CDCl3): δ 15.9, 24.4, 27.0, 27.6, 37.4, 45.6, 48.6, 50.3, 50.7, 55.0, 55.7, 63.5, 113.9, 115.8, 119.2, 130.0, 135.0, 152.2, 160.8, 174.0。
【0046】
実施例12.(2S,7aRS)-(+)-2-[3-[4-(3-メトキシフェニル)-2-メチルピペラジン-1-イル]プロピル]-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール, (j) (ジアステレオ異性体の混合物)。
この表記化合物を実施例1に記載された基本手順により、2-(3-ブロモプロピル)-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール、及び、(S)-1-(3-メトキシフェニル)-3-メチルピペラジンを出発試薬として調製した。
クロマトグラフィー:ジクロロメタンからジクロロメタン/エタノール、9.5 : 0.5 まで。
収率:77 %、[α]D25=+0.7(c=1.0、CHCl3)。
IR (CHCl3): 1770, 1710, 1497, 1447, 1420 cm-1
1H NMR (CDCl3): δ 1.13 (d, J = 5.7, 3H), 1.58-1.91 (m, 3H), 1.98-2.14(m, 2H), 2.17-2.46 (m, 3H), 2.50-2.99 (m, 5H), 3.18-3.30 (m, 1H), 3.35-3.74 (m, 5H), 3.78 (s, 3H), 4.07 (dd, J = 9.0, 7.4, 1H), 6.37-6.53 (m, 3H), 7.15 (t, J = 8.0, 1H)。
13C NMR (CDCl3): δ 18.6, 24.5, 27.2, 27.7, 37.6, 45.7, 49.1, 50.7, 50.9, 55.3, 55.4, 58.6, 63.5, 102.6, 104.6, 109.0, 129.9, 152.6, 160.8 (2C), 174.1。
【0047】
実施例13.(2S,7aRS)-(-)-2-[3-[4-(1-ベンゾフラン-7-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]プロピル]-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール, (k)(ジアステレオ異性体の混合物)。
この表記化合物を実施例1に記載された基本手順により、2-(3-ブロモプロピル)-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール、及び、(S)-1-(1-ベンゾフラン-7-イル)-3-メチルピペラジンを出発試薬として調製した。
クロマトグラフィー:ジクロロメタン/エタノール、9 : 1。
収率:74 %、[α]D25=-1.5(c=1.8、CHCl3)。
IR (CHCl3): 1770, 1710, 1589, 1447, 1420 cm-1
1H NMR (CDCl3): δ 1.07 (d, J = 5.2, 3H), 1.50-1.65 (m, 1H), 1.77 (qt, J = 7.2, 2H), 1.87-2.04 (m, 2H), 2.10-2.35 (m, 2H), 2.41-2.52 (m, 1H), 2.62-2.85 (m, 3H), 2.92-3.03 (m, 2H), 3.10-3.22 (m, 1H), 3.42-3.67 (m, 5H), 3.99 (t ap, J = 8.1, 1H), 6.65-6.69 (m, 2H), 7.02-7.15 (m, 2H), 7.52 (d, J = 1.5, 1H)。
13C NMR (CDCl3): δ 16.0, 24.3, 26.8, 27.4, 37.4, 45.4, 49.8, 50.6, 50.7, 54.9, 56.8, 63.2, 106.8, 110.9, 113.9, 123.4, 128.4, 137.3, 143.8, 146.7, 160.7, 173.8。
【0048】
実施例14.(2R,7aRS)-(-)-2-[4-[2-エチル-4-(ナフサ-1-イル)ピペラジン-1-イル]ブチル]-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール, (l)(ジアステレオ異性体の混合物)。
この表記化合物を実施例1に記載された基本手順により、2-(4-ブロモブチル)-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール、及び、(R)-3-エチル-1-(ナフサ-1-イル)ピペラジンを出発試薬として調製した。
クロマトグラフィー:ジクロロメタン/エタノール、9.8 : 0.2。
収率:75 %、[α]D25=-11.5(c=1.9、CHCl3)。
IR (CHCl3): 1770, 1717, 1651, 1558, 1458, 1420 cm-1
1H NMR (CDCl3): δ 0.87 (t, J = 7.5, 3H), 1.55-1.74 (m, 7H), 1.94-2.24 (m, 3H), 2.41-2.95 (m, 5H), 2-99-3.31 (m, 5H), 3.47 (t, J = 6.8, 2H), 3.63 (dt, J = 11.2, 7.8, 1H), 4.03 (dd, J = 8.9, 7.5, 1H), 7.04 (d, J = 7.4, 1H), 7.29-7.52 (m, 4H), 7.74-7.78 (m, 1H), 8.08-8.13 (m, 1H)。
13C NMR (CDCl3): δ 10.5, 23.3, 26.3, 27.1, 27.7, 38.9, 45.7, 50,5, 52.9, 53.0, 56.9, 61.4, 63.5, 114.8, 123.6, 123.7, 125.4, 125.9, 126.0, 128.5, 129.1, 134.9, 149.9, 161.0, 174.1。
【0049】
実施例15.(2R,7aRS)-(-)-2-[4-[4-(ベンゾイミダゾール-4-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]ブチル]-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール, (m)(ジアステレオ異性体の混合物)。
この表記化合物を実施例1に記載された基本手順により、2-(4-ブロモブチル)-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール、及び、(R)-4-(3-メチルピペラジン-1-イル)ベンゾイミダゾールを出発試薬として調製した。
クロマトグラフィー:ジクロロメタン/メタノール、9 : 1。
収率:73 %、[α]D25=-41.3(c=1.2、CHCl3)。
IR (CHCl3): 1770, 1705, 1508, 1447, 1420 cm-1
1H NMR (CDCl3): δ 1.07-1.12 (m, 3H), 1.52-1.71 (m, 5H), 1.96-2.36 (m, 6H), 2.51-2.73 (m, 4H), 2.93-3.24 (m, 3H), 3.44 (t, J = 7.1, 2H), 3.61 (dt, J = 11.2, 7.6, 1H), 4.02 (dd, J = 9.0, 7.4, 1H), 6.58-6.62 (m, 1H), 7.09-7.12 (m, 2H), 7.92 (s, 1H)。
13C NMR (CDCl3): δ 16.7, 22.7, 26.3, 27.1, 27.7, 38.9, 45.6, 50.6, 51.3, 53.0, 55.1, 57.6, 63.5, 108.7, 123.8, 138.0, 161.0, 174.2。
【0050】
実施例16.(2S,7aRS)-(+)-2-[4-[4-(1-ベンゾフラン-7-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]ブチル]-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール, (n)(ジアステレオ異性体の混合物)。
この表記化合物を実施例1に記載された基本手順により、2-(4-ブロモブチル)-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール、及び、(S)-1-(1-ベンゾフラン-7-イル)-3-メチルピペラジンを出発試薬として調製した。
クロマトグラフィー:ジクロロメタン/エタノール、9.5 : 0.5。
収率:76 %、[α]D25=+16.7(c=1.1、CHCl3)。
IR (CHCl3): 1770, 1705, 1651, 1458, 1420 cm-1
1H NMR (CDCl3): δ 1.08 (d, J = 5.7, 3H), 1.45-1.65 (m, 5H), 1.90-2.06 (m, 2H), 2.10-2.37 (m, 2H), 2.44-2.82 (m, 4H), 2.91-3.02 (m, 2H), 3.13-3.22 (m, 1H), 3.44 (t, J = 7.1, 2H), 3.51-3.63 (m, 3H), 3.99 (dd, J = 9.0, 7.5, 1H), 6.65-6.69 (m, 2H), 7.02-7.15 (m, 2H), 7.52 (d, J = 2.2, 1H)。
13C NMR (CDCl3): δ 16.3, 22.9, 26.1, 26.9, 27.5, 38.7, 45.5, 49.9, 51.0, 52.9, 54.9, 56.9, 63.3, 106.8, 111.1, 114.0, 123.5, 128.5, 137.4, 143.9, 146.8, 160.8, 173.9。
【0051】
実施例17.(2R,7aRS)-(-)-2-[4-[2-エチル-4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]ブチル]-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール, (o)(ジアステレオ異性体の混合物)。
この表記化合物を実施例1に記載された基本手順により、2-(4-ブロモブチル)-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール、及び、(R)-3-エチル-1-(3-メトキシフェニル)ピペラジンを出発試薬として調製した。
クロマトグラフィー:ジクロロメタン/エタノール、9.5 : 0.5。
収率:49 %、[α]D25=-23.3(c=1.2、CHCl3)。
IR (CHCl3): 1770, 1705, 1539, 1447, 1420 cm-1
1H NMR (CDCl3): δ 0.87 (t, J = 7.5, 3H), 1.40-1.66 (m, 7H), 1.96-2.07 (m, 2H), 2.15-2.39 (m, 4H), 2.66-2.76 (m, 2H), 2.85-2.90 (m, 2H), 3.14-3.35 (m, 3H), 3.43 (t, J = 7.0, 2H), 3.61 (dt, J = 12.0, 8.0, 1H), 3.72 (s, 3H), 4.01 (dd, J = 9.1, 7.4, 1H), 6.31-6.49 (m, 3H), 7.09 (t, J = 8.1, 1H)。
13C NMR (CDCl3): δ 10.4, 23.0, 26.1, 27.0, 27.6, 38.8, 45.6, 48.6, 50.5, 52.5, 52.7, 55.2, 60.6, 63.4, 102.6, 104.4, 109.0, 129.8, 152.8, 160.6, 160.8, 174.0。
【0052】
実施例18.(2S,7aRS)-(+)-2-[4-[2-メチル-4-(4-メチルナフサ-1-イル)ピペラジン-1-イル]ブチル]-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール, (p)(ジアステレオ異性体の混合物)。
この表記化合物を実施例1に記載された基本手順により、2-(4-ブロモブチル)-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール、及び、(S)-3-メチル-1-(4-メチルナフサ-1-イル)ピペラジンを出発試薬として調製した。
クロマトグラフィー:ジクロロメタン/エタノール、9.5 : 0.5。
収率:65 %、[α]D25=+19.3(c=1.5、CHCl3)。
IR (CHCl3): 1770, 1705, 1543, 1447, 1420 cm-1
1H NMR (CDCl3): δ 1.08-1.14 (m, 3H), 1.58-1.73 (m, 5H), 1.97-2.48 (m, 6H), 2.56 (s, 3H), 2.69-3.25 (m, 7H), 3.46 (t, J = 6.9, 2H), 3.63 (dt, J = 11.2, 7.6, 1H), 4.03 (dd, J = 9.0, 7.4, 1H), 6.94 (d, J = 7.5, 1H), 7.17 (d, J = 8.9, 1H), 7.38-7.48 (m, 2H), 7.87-7.92 (m, 1H), 8.16-8.21 (m, 1H)。
13C NMR (CDCl3): δ 19.3 (2C), 23.3, 26.4, 27.2, 27.7, 39.0, 45.7, 51.8, 53.2, 53.5, 55.5, 60.6, 63.5, 114.7, 124.2, 124.8, 125.2, 125.8, 126.6, 129.2, 129.6, 133.8, 148.3, 161.0, 174.2。
【0053】
実施例19.(2S,7aRS)-(+)-2-[4-[2-メチル-4-フェニルピペラジン-1-イル]ブチル]-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール, (q)(ジアステレオ異性体の混合物)。
この表記化合物を実施例1に記載された基本手順により、2-(4-ブロモブチル)-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール、(S)-3-メチル-1-フェニルピペラジンを出発試薬として調製した。
クロマトグラフィー:ジクロロメタン/エタノール、9.5 : 0.5。
収率:75 %、[α]D25=+19.3(c=1.5、CHCl3)。
IR (CHCl3): 1770, 1710, 1497, 1447, 1420 cm-1
1H NMR (CDCl3): δ 1.05 (d, J = 5.8, 3H), 1.35-1.70 (m, 5H), 1.88-2.16 (m, 2H), 2.18-2.41 (m, 4H), 2.48-2.92 (m, 4H), 3.13-3.23 (m, 1H), 3.30-3.46 (m, 4H), 3.60 (dt, J = 11.2, 7.6, 1H), 4.00 (dd, J = 9.0, 7.5, 1H), 6.73-6.86 (m, 3H), 7.14-7.22 (m, 2H)。
13C NMR (CDCl3): δ 16.6, 23.2, 26.3, 27.2, 27.7, 39.0, 45.7, 49.4, 51.1, 53.0, 55.1, 56.4, 63.5, 116.2, 119.7, 129.2, 151.4, 161.0, 174.1。
【0054】
実施例20.(2S,7aRS)-(+)-2-[4-[4-(ベンゾイミダゾール-4-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]ブチル]-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール, (r)(ジアステレオ異性体の混合物)。
この表記化合物を実施例1に記載された基本手順により、2-(4-ブロモブチル)-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール、及び、(S)-4-(3-メチルピペラジン-1-イル)ベンゾイミダゾールを出発試薬として調製した。
クロマトグラフィー:ジクロロメタン/エタノール、9.5 : 0.5。
収率:33 %、[α]D25=+12.3(c=1.6、CHCl3)。
スペクトルデータは、5のものと同一である(上記を参照)。
【0055】
実施例21.(2S,7aRS)-(+)-2-[4-[2-メチル-4-(4-ニトロナフサ-1-イル)ピペラジン-1-イル]ブチル]-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール, (s)(ジアステレオ異性体の混合物)。
この表記化合物を実施例1に記載された基本手順により、2-(4-ブロモブチル)-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール、及び、(S)-3-メチル-1-(4-ニトロナフサ-1-イル)ピペラジンを出発試薬として調製した。
クロマトグラフィー:ジクロロメタン/エタノール、9.8 : 0.2 から 9 : 1 まで。
収率:85 %、[α]D25=+39.4(c=1.1、CHCl3)。
IR (CHCl3): 1770, 1705, 1508, 1446, 1416, 1261, 1215 cm-1
1H NMR (CDCl3): δ 1.17 (d, J = 6.1, 3H), 1.54-1.73 (m, 5H), 2.02-2.49 (m, 4H), 2.63-3.38 (m, 9H), 3.53 (t, J = 7.0, 2H), 3.68 (dt, J = 11.2, 7.7, 1H), 4.10 (dd, J = 9.0, 7.6, 1H), 6.99 (d, J = 6.0, 1H), 7.54-7.71 (m, 2H), 8.21 (d, J = 6.0, 1H), 8.29 (d, J = 9.0, 1H), 8.72 (d, J = 9.0, 1H)。
13C NMR (CDCl3): δ 19.5, 23.4, 26.5, 27.4, 28.0, 39.1, 45.9, 51.8, 53.2, 55.4, 60.2, 63.8, 112.5, 124.2, 125.0, 126.5, 126.7, 127.6, 128.7, 129.8, 141.4, 156.3, 161.2, 174.4。
【0056】
実施例22.放射性リガンド結合アッセイ。
全ての受容体結合アッセイのために、180 g から 200 g の体重の雄のスプラーグドーリーラット(Rattus norvegicus albinus)を断頭術により殺し、脳を迅速に取り出し、解剖した。組織を後の使用のために -80 ℃ で保存し、Polytron PT-10 ホモジナイザーでホモジナイズした。メンブレン懸濁液を Beckman J2-HS 装置で遠心分離した。
【0057】
(5-HT1A受容体)
大脳皮質を10倍容量の氷冷トリスバッファー(50 mM Tris-HCl、25 ℃ で pH 7.7)中でホモジナイズし、28,000g で15分間遠心分離した。このメンブレンペレットを再懸濁、及び、遠心分離により2回洗浄した。2回目の洗浄後、この再懸濁ペレットを 37 ℃ で10分間保温した。メンブレンを、それから、遠心分離により回収し、この最終ペレットを 50 mM Tris-HCl、5 mM MgSO4、及び、0.5 mM EDTAバッファー(37 ℃でpH 7.4)中に再懸濁した。この最終メンブレン懸濁液の100 μL 分画(およそ 1 mg のタンパク)を、0.6 nM [3H]-8OH-DPAT(133 Ci/mmol)と共に、競合薬物の存在/非存在で、最終容積 1.1 mL のアッセイバッファー(50 mM Tris-HCl、10 nM クロニジン、30 mM プラゾシン、37 ℃ でpH 7.4)中において 37 ℃ で15分間保温した。非特異的結合は、10 μM の5-HTで判定した。
【0058】
(α1アドレナリン受容体)
大脳皮質を20倍容量の氷冷バッファー(50 mM Tris-HCl、10 mM MgCl2、25 ℃ で pH 7.7)中でホモジナイズし、30,000g で15分間遠心分離した。ペレットを再懸濁、及び、遠心分離により2回洗浄した。最終ペレットを同一のバッファー中に再懸濁した。この最終メンブレン懸濁液の分画(およそ 250 μg のタンパク)を、0.2 nM [3H]プラゾシン(23 Ci/mmol)と共に、6つの濃度の競合薬物の存在/非存在で、最終容積 2 mL のバッファー中において 25 ℃ で30分間保温した。非特異的結合は、10 μM のフェントラミンで判定した。
【0059】
全ての結合アッセイに対し、競合薬物結合、非特異的結合、全体の結合、及び、放射性リガンド結合は、三つ組で測定した。インキュベーションは、Brandel 細胞収穫機を使用し、あらかじめ 0.05 % ポリ(エチレンイミン)を浸したWhatman GF/B フィルターを通す迅速な減圧濾過により終了させた。このフィルターを、それから、アッセイバッファーで洗浄し、乾燥し、4 mL のシンチレーションカクテル(Aquasol)を加えたポリ(エチレン)バイアルに入れた。このフィルターに拘束された放射能を液体シンチレーションスペクトロメトリにより測定した。このデータを、試験化合物のIC50値、Ki値、及びr2値を提供する反復性の曲線当てはめ法(Prismプログラム、Graph Pad)により分析し、Ki値を、Cheng-Prusoff 式により計算した。ラット大脳皮質、及び、ラット線条体のタンパク量を、ウシ血清アルブミンを基準として使用し、Lowryの方法により定量した。
【0060】
これらのアッセイの結果は、下記の表1に提示される。
表1.一般式(Ia)を有する化合物の結合データ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(Ia)を有する化合物、

(式中、mは、0から1までの整数であり、
3及びR4は、H又は複素環と共に5員環若しくは6員環を形成するように結合したメチレン基であり、
nは、1から4までの整数であり、
1は、ナフサ-1-イル、ナフサ-2-イル、ベンゾジオキセピン-6-イル、ベンゾジオキサン-4-イル、ベンゾイミダゾール-4-イル、ジヒドロ-2H-1,5-ベンゾジオキサン-5-イル、7-ベンゾフラニル、テトラヒドロナフチル、又は、フェニルから選択され、
前記フェニル、テトラヒドロナフチル、及び、ナフチルは、それぞれ、(C1-C6)-アルコキシ、(C1-C6)アルキル、ハロゲン、(C2-C6)-アルケニル、ハロ-(C1-C6)-アルキル、フェニル、フェニル(C1-C6)-アルキル、フェノキシ、(C1-C6)-アルキルカルボニル、フェニルカルボニル、フェニル(C1-C6)アルキルカルボニル、(C1-C6)-アルコキシカルボニル、フェニル(C1-C6)アルコキシカルボニル、(C1-C6)-アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、カルボキシ、スルホ、スルファモイル、スルホニルアミノ、(C1-C6)アルキルアミノスルホニル、若しくは、(C1-C6)アルキルスルホニルアミノから選択された一つ以上の基で置換されていてもよく、
2は、(C1-C4)アルキル、(C2-C4)アルケニル、(C1-C4)アルコキシ、ハロ-(C1-C4)アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノから選択され、
これらの立体異性体、N-酸化物、結晶性形状、水和物、製剤的に許容される塩、並びに、製剤的に許容される溶媒和物であってもよい。)
【請求項2】
3及びR4が、複素環と共に5員環を形成するように結合したメチレン基である請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
1が、ナフサ-1-イル、ベンゾイミダゾール-4-イル、7-ベンゾフラニル、ベンゾジオキセピン-6-イル、又は、フェニルであり、前記フェニル、及び、ナフチルは、それぞれ、(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルキル、ニトロ、若しくは、ハロゲンから選択された一つ以上の基で置換されていてもよい請求項1又は請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
2が、(C1-C4)アルキルである請求項1から請求項3までのいずれか一つに記載の化合物。
【請求項5】
3及びR4が、複素環と共に5員環を形成するように結合したメチレン基であり、
2が、(C1-C4)アルキルであり、
1が、ナフサ-1-イル、ベンゾイミダゾール-4-イル、7-ベンゾフラニル、ベンゾジオキセピン-6-イル、又は、フェニルから選択され、前記フェニル、及び、ナフチルは、それぞれ、(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルキル、ニトロ、若しくは、ハロゲンから選択された一つ以上の基で置換されていてもよい請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
1が、未置換型のナフサ-1-イル、ベンゾイミダゾール-4-イル、及び、ベンゾジオキセピン-6-イルから選択された請求項1から請求項5までのいずれか一つに記載の化合物。
【請求項7】
3及びR4が、複素環と共に5員環を形成するように結合したメチレン基であり、
m=1、
n=1であり、
1が、ナフサ-1-イルであって、
2が、(C1-C4)アルキルである請求項1から請求項6までのいずれか一つに記載の化合物。
【請求項8】
3及びR4が、複素環と共に5員環を形成するように結合したメチレン基であり、
m=1、
n=4であり、
1が、ナフサ-1-イルであって、
2が、(C1-C4)アルキルである請求項1から請求項6までのいずれか一つに記載の化合物。
【請求項9】
1が、3-クロロフェニル、3-メトキシフェニル、4-メチルナフサ-1-イル、1-ベンゾフラン-7-イル、ナフサ-1-イル、ベンゾイミダゾール-4-イル、4-ニトロナフサ-1-イル、及び、フェニルから選択された請求項1から請求項5までのいずれか一つに記載の化合物。
【請求項10】
3及びR4が、複素環と共に5員環を形成するように結合したメチレン基であり、
m=0、
n=3であり、
1が、3-クロロフェニル、3-メトキシフェニル、及び、1-ベンゾフラン-7-イルから選択され、
2が、(C1-C4)アルキルである請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
3及びR4が、複素環と共に5員環を形成するように結合したメチレン基であり、
m=0、
n=4であり、
1が、3-メトキシフェニル、4-メチルナフサ-1-イル、1-ベンゾフラン-7-イル、ナフサ-1-イル、ベンゾイミダゾール-4-イル、4-ニトロナフサ-1-イル、及び、フェニルから選択され、
2が、(C1-C4)アルキルである請求項9に記載の化合物。
【請求項12】
(a) (2R,8aRS)-2-[4-[4-(ナフサ-1-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]ブチル]-1,4-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン;
(b) (2S,8aRS)-2-[4-[4-(ナフサ-1-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]ブチル]-1,4-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン;
(c) (2R,8aR)-2-[[4-(ナフサ-1-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]メチル]-1,4-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン;
(d) (2S,8aS)-2-[[4-(ナフサ-1-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]メチル]-1,4-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン;
(e) (2R,8aS)-2-[[4-(ナフサ-1-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]メチル]-1,4-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン;
(f) (2S,8aR)-2-[[4-(ナフサ-1-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]メチル]-1,4-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン;
(i) (2R,7aRS)-(-)-2-[3-[4-(3-クロロフェニル)-2-メチルピペラジン-1-イル]プロピル]-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール;
(j) (2S,7aRS)-(+)-2-[3-[4-(3-メトキシフェニル)-2-メチルピペラジン-1-イル]プロピル]-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール;
(k) (2S,7aRS)-(-)-2-[3-[4-(1-ベンゾフラン-7-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]プロピル]-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール;
(l) (2R,7aRS)-(-)-2-[4-[2-エチル-4-(ナフサ-1-イル)ピペラジン-1-イル]ブチル]-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール;
(m) (2R,7aRS)-(-)-2-[4-[4-(ベンゾイミダゾール-4-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]ブチル]-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール;
(n) (2S,7aRS)-(+)-2-[4-[4-(1-ベンゾフラン-7-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]ブチル]-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール;
(o) (2R,7aRS)-(-)-2-[4-[2-エチル-4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]ブチル]-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール;
(p) (2S,7aRS)-(+)-2-[4-[2-メチル-4-(4-メチルナフサ-1-イル)ピペラジン-1-イル]ブチル]-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール;
(q) (2S,7aRS)-(+)-2-[4-[2-メチル-4-フェニルピペラジン-1-イル]ブチル]-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール;
(r) (2S,7aRS)-(+)-2-[4-[4-(ベンゾイミダゾール-4-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]ブチル]-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール;
(s) (2S,7aRS)-(+)-2-[4-[2-メチル-4-(4-ニトロナフサ-1-イル)ピペラジン-1-イル]ブチル]-1,3-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-c]イミダゾール
から選択された請求項1から請求項11までのいずれか一つに記載の化合物。
【請求項13】
(a) (2R,8aRS)-2-[4-[4-(ナフサ-1-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]ブチル]-1,4-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン;
(b) (2S,8aRS)-2-[4-[4-(ナフサ-1-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]ブチル]-1,4-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン;
(c) (2R,8aR)-2-[[4-(ナフサ-1-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]メチル]-1,4-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン;
(d) (2S,8aS)-2-[[4-(ナフサ-1-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]メチル]-1,4-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン;
(e) (2R,8aS)-2-[[4-(ナフサ-1-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]メチル]-1,4-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン;
(f) (2S,8aR)-2-[[4-(ナフサ-1-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]メチル]-1,4-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン
から選択された請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
(g) 2-[4-[4-(ナフサ-1-イル)ピペラジン-1-イル]ブチル]-1,4-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン;
(h) 2-[4-[4-(3,4-ジヒドロ-2H-1,5-ベンゾジオキセピン-6-イル)ピペラジン-1-イル]ブチル]-1,4-ジオキソペルヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン
から選択された化合物。
【請求項15】
請求項1から請求項14までのいずれか一つに記載の一般式(Ia)を有する化合物、その立体異性体、N-酸化物、結晶性形状、水和物、製剤的に許容される塩、製剤的に許容される溶媒和物、又は、混合物を、一つ以上の製剤的に許容される基材と組み合わせて、有効量含む医薬組成物。
【請求項16】
人間において5-HT1Aにより仲介される非常に広範な疾患及び関連した臨床症状の治療、並びに、予防用薬剤の製造のための請求項1から請求項14までのいずれかに記載された化合物の使用。
【請求項17】
前記疾患が、パーキンソン病、血栓塞栓性の発作による大脳障害、頭蓋骨脳外傷性全身障害、鬱病、偏頭痛、疼痛、精神疾患、不安障害、攻撃性人格障害、又は、尿路疾患から選択された請求項16に記載の使用。
【請求項18】
請求項1から請求項14までのいずれか一つに記載の一般式(Ia)を有する化合物の調製方法であって、
i)一般式(II)を有する化合物を、

(式中、m、R3、及びR4は、請求項1で定義されたとおりである。)
一般式(IV)を有する化合物と反応させ、

(式中、R1、及びR2は、請求項1で定義されたとおりである。)
n=1である一般式(Ia)を有する最終生産物を結果として生じることを含むか、
又は、
ii)一般式(III)を有する化合物を、

(式中、R3、R4、及びmは、請求項1で定義されたとおりであって、n>1 である。)
上記で定義されたとおりの一般式(IV)を有する化合物と反応させ、
n>1である一般式(Ia)を有する最終生産物を結果として生じることを含むか、
又は、
iii)一般式(Ia)で表される塩基性化合物を製剤的に許容される酸で酸性化して製剤的に許容される塩を与えることを含むか、
又は、
iv)一般式(Ia)を有する化合物の異性体混合物を分離して、前記異性体の一つを他の異性体から実質的に遊離した状態で単離することを含む調製方法。

【公表番号】特表2008−525384(P2008−525384A)
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−547550(P2007−547550)
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【国際出願番号】PCT/EP2005/057175
【国際公開番号】WO2006/069993
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(507193364)
【Fターム(参考)】