説明

アルカリ乾電池

【課題】 放電末期のゲル状負極における電解液の枯渇を抑制し、正極合剤の強度を向上させ、オキシ水酸化ニッケルによる自己放電を抑制することにより、保存特性に優れた高容量のアルカリ乾電池を提供する。
【解決手段】 アルカリ乾電池における正極合剤が、活物質として二酸化マンガンおよびオキシ水酸化ニッケル、導電剤として黒鉛、結着剤としてポリエチレン粉末、前記電解液、ならびにZnO、Ca(OH)、およびYからなる群より選ばれる少なくとも1種の添加剤を含み、電解液の注液前における正極合剤の密度が3.2〜3.5g/cmであり、かつ正極合剤の多孔度が10〜18%である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活物質としてオキシ水酸化ニッケルを正極合剤中に含み、インサイドアウト構造を採用したアルカリ乾電池に関する。
【背景技術】
【0002】
アルカリ乾電池は、正極端子を兼ねる有底円筒状の電池缶の中に、電池缶に密着して二酸化マンガンを含む中空円筒状のペレット状正極合剤を配置し、その中央にセパレータを介してゲル状の亜鉛負極を配置したインサイドアウト型の構造を有する。
近年のデジタル機器の普及に伴い、機器の負荷電力は増大している。このため、デジタル機器の電源に用いられる電池は優れた強負荷放電特性を有することが要望されている。強負荷放電特性を向上させる方法としては、電池の正極合剤にオキシ水酸化ニッケルを混合することが提案されており(例えば、特許文献1)、この電池が実用化されて広く普及するに到っている。
【0003】
ここで、上記のアルカリ乾電池で用いられるオキシ水酸化ニッケルには、特許文献2のようなアルカリ蓄電池用途に使用される球状または鶏卵状の水酸化ニッケルを、次亜塩素酸ナトリウム水溶液等の酸化剤で酸化したものを使用するのが一般的である。このとき、電池内への充填性をよくするために、原料に嵩密度(タップ密度)の大きいβ型の球状水酸化ニッケルを用い、これを酸化して得られたβ型の球状オキシ水酸化ニッケルが用いられる。
【0004】
ところで、従来から、上記のオキシ水酸化ニッケルを用いたアルカリ乾電池の設計条件について種々に検討されている。
例えば特許文献3では、正極合剤中の活物質の配合について、電池特性・製造コスト等のバランスから、二酸化マンガンの含有率を20〜90重量%とし、オキシ水酸化ニッケルの含有率を10〜80重量%とすることが提案されている。
また、特許文献4では、電解液量/正極理論容量の値を1.0〜1.6cm/Ahとすることが提案されている。
通常、これらの活物質と導電剤や結着剤等との混合物を円筒中空状に加圧成型して密度3g/cm程度(多孔度として約20%)の正極合剤を得、これにセパレータを介してゲル状負極を充填しアルカリ電解液を注入して電池を作製する。この際、過放電時の漏液対策(過放電時に正極が転極して水素発生し、電池内圧が急激に上昇するのを防ぐための対策)から、負極の亜鉛(活物質)量はできるだけ少なくして設計するのが一般的である。
【特許文献1】特開昭57−72266号公報
【特許文献2】特開平4-80513号公報
【特許文献3】特開2001−15106号公報
【特許文献4】国際公開第02/41422A1号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したような従来のオキシ水酸化ニッケル含有アルカリ乾電池の設計では、正極合剤の密度が低い(多孔度が高い)ため、放電末期に電解液が正極合剤側に偏ってゲル状負極中の電解液が枯渇しやすいという問題があった。
ここで、オキシ水酸化ニッケル含有アルカリ乾電池の放電反応を下記の式(1)〜(4)に示す。なお、式(1)および(2)は、正極合剤中の放電反応を、式(3)および(4)は、ゲル状負極中の放電反応を示す。
<正極>
NiOOH + H2O + e → Ni(OH) + OH (1)
MnO + HO + e → MnOOH + OH (2)
<負極>
Zn + 2OH → Zn(OH) + 2e (3)
Zn + 2OH → ZnO + HO + 2e (4)
【0006】
正極の放電反応はオキシ水酸化ニッケルおよび二酸化マンガンともに水の消費反応であるのに対し、負極の放電反応は水の生成を含まない式(3)の反応を含むため、電池全体として、放電に伴い水が減少する。そして、この際に生ずるアルカリ電解液の濃度勾配が駆動力となって、ゲル状負極中の電解液(水)が正極合剤側へ拡散する。従って、一般に放電末期にはゲル状負極中の電解液が枯渇する現象が起こり、十分に容量を取り出せない場合がある。
【0007】
特に、アルカリ乾電池を長期間保存すると、ゲル状負極中で下記に示す式(5)の反応(水の消費反応)により亜鉛粉が酸化劣化する。この反応によっても、負極中の電解液(水)が減少するため、放電末期の負極では電解液が枯渇しやすい。
Zn + HO → ZnO + H (5)
このため、できるだけ電解液を多く注液することが重要と考えられるが、一方で電解液量が過剰になると、電池内のエアスペースが減少するため、過放電時における電池内圧の上昇や漏液の発生を抑制するのが困難となる。つまり、電解液の増量による対策にも限界がある。
そこで、本発明は、上記の従来の問題を解決するために、放電末期のゲル状負極におけるアルカリ電解液の枯渇を抑制し、ゲル状負極の活物質利用率を高めることにより、高容量のアルカリ乾電池を提供することを目的とする。また、正極合剤の強度を高め、オキシ水酸化ニッケルによる自己放電を抑制することにより、保存特性に優れたアルカリ乾電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、本発明は、電池缶内に、中空円筒状の正極合剤、亜鉛を活物質として含むゲル状負極、前記負極内に挿入される負極集電体、前記正極合剤とゲル状負極とを隔離するセパレータ、およびアルカリ水溶液からなる電解液を収容したアルカリ乾電池であって、前記正極合剤が、活物質として二酸化マンガンおよびオキシ水酸化ニッケル、導電剤として黒鉛、結着剤としてポリエチレン粉末、前記電解液、ならびにZnO、Ca(OH)、およびYからなる群より選ばれる少なくとも1種の添加剤を含み、前記電解液の注液前における前記正極合剤の密度が3.2〜3.5g/cmであり、かつ前記正極合剤の多孔度が10〜18%であることを特徴とする。
【0009】
これにより、放電末期においてもゲル状負極がアルカリ電解液を十分に保持することができ、ゲル状負極の活物質利用率が向上するため、アルカリ乾電池を高容量化することができる。さらに、正極合剤中に上記の結着剤や添加剤を添加することにより、アルカリ電池乾電池の保存特性が向上する。なお、電解液の注液前における正極合剤とは、正極合剤の作製時に添加された少量の電解液を含む状態のものであり、正極合剤を収容した電池缶内に所定量の電解液を注液する前の状態のものをいう。
【0010】
さらに、上記のアルカリ乾電池が以下の(1)〜(3)を満たすのが好ましい。
(1)前記ゲル状負極の理論容量/前記正極合剤の理論容量の値が1.00〜1.15である。
(2)前記電池缶内の空隙率(前記電池缶内の体積に対する、前記電池缶内の体積から前記正極合剤、ゲル状負極、セパレータ、アルカリ電解液、および負極集電体が占める体積を除いた空隙部分の体積の割合)が5〜15%である。
(3)前記電解液量/前記ゲル状負極の理論容量の値が1.0〜1.4cm/Ahである。
ここで、(2)における電池缶内の体積とは、電池缶と、電池缶の開口部に配される樹脂製封口板とで囲まれる部分の体積である。また、(3)における電解液量は、電池内に存在する電解液の総量、すなわち正極合剤やゲル状負極の作製時に正極合剤およびゲル状負極中に添加された電解液量と電池組み立て時に電池缶内に注液する電解液量とを合計した量である。
【0011】
前記正極合剤は、二酸化マンガン、オキシ水酸化ニッケル、および黒鉛の混合物100重量部に対して、前記オキシ水酸化ニッケルを10〜80重量部含み、前記二酸化マンガンを85〜15重量部含むのが好ましい。
前記正極合剤は、二酸化マンガン、オキシ水酸化ニッケル、および黒鉛の混合物100重量部に対して、前記黒鉛を3〜10重量部含むのが好ましい。
前記正極合剤は、二酸化マンガン、オキシ水酸化ニッケル、および黒鉛の混合物100重量部に対して、前記ポリエチレン粉末を0.1〜1重量部含むのが好ましい。
前記正極合剤は、二酸化マンガン、オキシ水酸化ニッケル、および黒鉛の混合物100重量部に対して、前記添加剤を0.1〜3重量部含むのが好ましい。
前記二酸化マンガンの体積基準の平均粒子径が30〜50μmであり、かつ前記オキシ水酸化ニッケルの体積基準の平均粒子径が10〜30μmであるのが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、放電末期においてもゲル状負極はアルカリ電解液を十分に保持することができ、ゲル状負極の活物質利用率が向上するため、アルカリ乾電池を高容量化することができる。また、正極合剤の強度が向上し、オキシ水酸化ニッケルによる自己放電が抑制されるため、保存特性に優れたアルカリ乾電池が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、電池缶内に、中空円筒状の正極合剤、負極活物質として亜鉛を含むゲル状負極、前記負極内に挿入される負極集電体、前記正極合剤とゲル状負極とを隔離するセパレータ、およびアルカリ水溶液からなる電解液を収容したアルカリ乾電池に関する。
そして、前記正極合剤が、正極活物質として二酸化マンガンおよびオキシ水酸化ニッケル、導電剤として黒鉛、結着剤としてポリエチレン粉末、前記電解液、ならびにZnO、Ca(OH)、およびYからなる群より選ばれる少なくとも1種の添加剤を含み、前記電解液の注液前における前記正極合剤の密度が3.2〜3.5g/cmであり、かつ前記正極合剤の多孔度が10〜18%である点に特徴を有する。
正極合剤は、例えば、正極活物質としてオキシ水酸化ニッケルおよび二酸化マンガンと、導電剤として黒鉛等と、少量の電解液とを混合したものを攪拌・混合して得られた造粒物を中空円筒状に加圧成型することにより得られる。その後、正極合剤は電池缶内に収容され、セパレータの挿入後に所定量の電解液が電池缶内に注液される。従って、上記における電解液の注液前における正極合剤とは、作製時に添加された少量の電解液を含む状態のものをいう。
【0014】
従来のオキシ水酸化ニッケル含有アルカリ乾電池では、生産性などの観点から、注液前における正極合剤の密度を3.0g/cm程度(多孔度は約20%)とするのが通例だが、本発明では、注液前における正極合剤の密度を3.2〜3.5g/cm(多孔度は10〜18%)にまで高密度化して電池を構成する。このようにすると、正極合剤中の空隙の体積が減少するためにゲル状負極から正極合剤側への電解液の拡散が効果的に抑制され、放電末期においてもゲル状負極中に電解液を十分に保つことができ、負極から十分な電気容量を取り出すことが可能となる。また、上記のような正極合剤の高密度化は、電池缶内に活物質を多く充填し、高容量化を図ることができるという点からも有利である。
実際の工程における生産性を考慮すると、正極合剤の密度は3.2〜3.35g/cmがより好ましい。
【0015】
正極合剤中にポリエチレン粉末が含まれることにより、正極合剤中の二酸化マンガンとオキシ水酸化ニッケルとの接触が良好になると同時に、正極合剤の強度が十分に向上する。
また、正極合剤中に、ZnO(酸化亜鉛)、Ca(OH)(水酸化カルシウム)、およびY(酸化イットリウム)からなる群より選ばれる少なくとも1種の添加剤が含まれることにより、オキシ水酸化ニッケルにおける酸素発生反応の過電圧が高められ、自己放電が緩和される。
従って、正極合剤が上記のような結着剤および添加剤を含むことにより、保存時の正極容量の低下が抑制される。
【0016】
さらに、上記のアルカリ乾電池が以下の(1)〜(3)を満たすのが好ましい。
(1)前記ゲル状負極の理論容量/前記正極合剤の理論容量(以下、負極理論容量/正極理論容量と表す。)の値が1.00〜1.15である。
(2)前記電池缶内の空隙率(前記電池缶内の体積に対する、前記電池缶内の体積から前記正極合剤、ゲル状負極、セパレータ、アルカリ電解液、および負極集電体が占める体積を除いた空隙部分の体積の割合)が5〜15%である。
(3)前記電解液量/前記ゲル状負極の理論容量(以下、電解液量/負極理論容量と表す。)の値が1.0〜1.4cm/Ahである。
ここで、(2)における電池缶内の体積とは、電池缶と、電池缶の開口部に配される樹脂製封口板とで囲まれる部分の体積である。また、(3)における電解液量は、電池内に存在する電解液の総量、すなわち正極合剤やゲル状負極の作製時に正極合剤およびゲル状負極中に添加された電解液量と電池組み立て時に電池缶内に注液する電解液量とを合計した量である。
【0017】
負極理論容量/正極理論容量の値が1.00未満であると、負極活物質の亜鉛が不足して十分な容量が得られない。一方、負極理論容量/正極理論容量の値が1.15を超えると、放電容量が正極に規制されるため、過放電時に正極が転極して水素発生が起こることにより、電池内圧が急激に上昇し、漏液を起こす場合がある。
空隙率が5%未満であると、過放電等により電池内でガス発生が生じ、電池缶の内圧が急激に上昇する場合がある。一方、空隙率が15%より大きくなると、正極および負極の活物質量が制限されるため、実質上、電池の高容量化が困難となる。
電解液量/負極理論容量の値が1.0cm/Ah未満であると、放電末期にゲル状負極中の電解液が枯渇しやすくなる。一方、電解液量/負極理論容量の値が1.4cm/Ahを超えると、電解液量が過剰になり漏液が発生しやすくなる。
【0018】
前記正極合剤は、二酸化マンガン、オキシ水酸化ニッケル、および黒鉛の混合物100重量部に対して、前記オキシ水酸化ニッケルを10〜80重量部含み、前記二酸化マンガンを85〜15重量部含むのが好ましい。
二酸化マンガンとオキシ水酸化ニッケルとを比較した場合、単位重量あたりの容量(mAh/g)、電池缶内への充填性、および材料価格に関しては二酸化マンガンの方が優れているが、放電電圧や強負荷放電特性に関してはオキシ水酸化ニッケルの方が優れている。電池全体としての特性や価格のバランスを考えると、正極合剤はオキシ水酸化ニッケルおよび二酸化マンガンを上記範囲で含むのが好ましい。より好ましくは、二酸化マンガンとオキシ水酸化ニッケルとの混合重量比が30〜60:70〜40である。
【0019】
前記正極合剤は、二酸化マンガン、オキシ水酸化ニッケル、および黒鉛の混合物100重量部に対して、前記黒鉛を3〜10重量部含むのが好ましい。
黒鉛の含有量が3重量部以上となると、正極合剤中の活物質の体積エネルギー密度が十分に増大し、強負荷放電特性が向上する。黒鉛の含有量が10重量部を超えると、相対的に正極活物質の量が少なくなるため、電池の高容量化が困難となる。一方、黒鉛の含有量が3重量部未満であると、上記のような黒鉛による効果が十分に得られない。より好ましくは、上記混合物100重量部に対して黒鉛を5〜8重量部含む。
【0020】
前記正極合剤は、二酸化マンガン、オキシ水酸化ニッケル、および黒鉛の混合物100重量部に対して、ポリエチレン粉末を0.1〜1重量部含むのが好ましい。ポリエチレン粉末の含有量が0.1重量部未満であると、電池保存後の放電性能が大きく低下する。一方、ポリエチレン粉末の含有量が1重量部を超えると、電池の内部抵抗が増大して初度の放電性能が低下する。より好ましくは、前記正極合剤は上記混合物100重量部に対してポリエチレン粉末を0.2〜0.5重量部含む。
【0021】
前記正極合剤は、二酸化マンガン、オキシ水酸化ニッケル、黒鉛の混合物100重量部に対して、ZnO、Ca(OH)、およびYからなる群より選ばれる少なくとも1種の添加剤を0.1〜3重量部含むのが好ましい。
添加剤の含有量が0.1重量部未満であると、オキシ水酸化ニッケルの自己放電反応を抑止する効果が僅かで、電池保存後の放電性能が大きく低下する。一方、添加剤の含有量が3重量部を超えると、相対的に正極活物質の量が少なくなるため、電池の高容量化が困難となる。より好ましくは、前記正極合剤は、上記混合物100重量部に対して上記添加剤を0.2〜2重量部含む。
【0022】
前記二酸化マンガンの体積基準の平均粒子径が30〜50μmであり、かつ前記オキシ水酸化ニッケルの体積基準の平均粒子径が10〜30μmであるのが好ましい。
二酸化マンガンの粒子径は、例えば、電析工程で電極から剥離した二酸化マンガンの粉砕条件の調整等によって制御することが可能である。一般的に、粒子径が小さすぎると放電容量が低下し、粒子径が大きすぎると高負荷放電特性が低下する。また、粒子径が大きいものの方が正極合剤ペレットを作りやすい。これらの点を考慮すると、二酸化マンガンの体積基準の平均粒子径は30〜50μmであるのが好ましい。
【0023】
また、オキシ水酸化ニッケルの粒子径は、例えば、基材である水酸化ニッケルを反応晶析法で合成する際、合成槽内のpH、粒子の滞留時間、および反応温度等を調整することで制御することが可能である。意図的に粒径の大きなものを作製した場合でも、平均粒子径(体積基準)は30μm程度にとどまる場合が多い。本発明においては、正極合剤の高密度化(成型性の向上)の観点から、粒径の大きな水酸化ニッケルから得られるオキシ水酸化ニッケルを使用するのが好ましい。これらの点を考慮すると、オキシ水酸化ニッケルの体積基準の平均粒子径は10〜30μmであるのが好ましい。
【実施例】
【0024】
以下、本発明の実施例について詳細に説明する。
《実施例1》
(1)正極合剤の作製
攪拌翼を備えた反応槽内に、純水と少量のヒドラジン(還元剤)を加え、窒素ガスによるバブリングを行いながら、所定濃度の硫酸ニッケル(II)水溶液、硫酸マンガン(II)水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、およびアンモニア水をポンプで供給した。そして、槽内のpHを調整しながら十分に攪拌を続けることにより、水酸化ニッケルを析出・成長させた。このとき、水酸化ニッケル中のマンガンの含有量は、金属イオンの総量に対して5mol%となるように調整した。
続いて、得られた粒子を上記とは別の水酸化ナトリウム水溶液中で加熱して硫酸根を除去した後、水洗し、真空乾燥させて原料となる粉末状の水酸化ニッケル(組成:Ni0.95Mn0.05(OH))を得た。この水酸化ニッケルはβ型の結晶構造を有することを粉末X線回折測定装置(理学(株)製、RINT2500)を用いて確認した。
【0025】
次に、上記水酸化ニッケル200gを0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液1L中に投入し、さらに酸化剤として次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素濃度:10重量%)を十分量加えて攪拌し、水酸化ニッケルを酸化させて粉末状のオキシ水酸化ニッケルを得た。得られたオキシ水酸化ニッケル粉末を十分に水洗した後、60℃で24時間真空乾燥した。なお、このオキシ水酸化ニッケルはβ型の結晶構造を有し、体積基準の平均粒子径が20μm、タップ密度が2.35g/cm、BET比表面積が12m/gであった。なお、タップ密度は、試料粉末を入れた容器を300回タッピングした時の試料粉末の嵩密度を示す。また、X線回折測定には、粉末X線回折装置(理学(株)製、RINT2500)を用い、平均粒径の測定には、粒度分布測定装置((株)日機装製、マイクロトラックFRA)を用い、タップ密度の測定には、(株)セイシン企業製のタップデンサーKYT−3000を用い、BET比表面積の測定には、(株)島津製作所製のASAP2010を用いた。
そして、上記で得られたオキシ水酸化ニッケル、二酸化マンガン(体積基準の平均粒子径:40μm)、および黒鉛を重量比50:45:5の割合で混合し、この混合物100重量部にポリエチレン粉末0.3重量部、ZnO粉末1重量部、および電解液として40重量%の水酸化カリウム水溶液1重量部を混合した後、ミキサ−で均一に撹拌・混合して一定粒度に整粒した。そして、得られた造粒物の所定量を中空円筒型に加圧成型して正極合剤を得た。
【0026】
(2)アルカリ乾電池の組み立て
上記で得られた正極合剤を用いてアルカリ電池缶を以下の手順で作製した。ここで、図1は本発明のアルカリ乾電池の一部を断面にした正面図である。ニッケルメッキされた鋼板からなり、内面に黒鉛塗装膜72が形成された、正極端子を兼ねる電池缶71の内部に、上記で得られた正極合剤73を複数個挿入し、これらを電池缶71内で再加圧して電池缶71の内面に密着させた。
【0027】
そして、正極合剤73の中空内面および電池缶71の底部内面にセパレ−タ74および絶縁キャップ75を挿入した後、セパレ−タ74と正極合剤73を湿潤させる目的で電解液を注液した。電解液には、40重量%の水酸化カリウム水溶液を用いた。注液後、セパレータ74の内側にゲル状負極76を充填した。ゲル状負極76には、ゲル化剤としてのポリアクリル酸ナトリウム、電解液としての40重量%の水酸化カリウム水溶液、および負極活物質としての亜鉛粉末からなるものを用いた。
【0028】
続いて、負極集電体70をゲル状負極76の中央に差し込んだ。なお、負極集電体70は、樹脂製の封口板77、負極端子を兼ねる底板78、および絶縁ワッシャ79と一体化して組み立てられている。そして、電池缶1の開口端部を、封口板77の周縁端部を介して底板78の周縁部にかしめることにより、電池缶71の開口部を密封した。次いで、電池缶71の外表面を外装ラベル711で被覆した。こうして単3形アルカリ乾電池を完成させた。
【0029】
そして、上記において正極合剤の加圧成型時の圧力を種々に変化させて、表1に示すような密度(多孔度)の正極合剤A1〜A7を作製した。
なお、表1に示す正極合剤の密度は、上記で造粒時に添加した電解液1重量部を含むときの値である。正極合剤の密度は、予め電池缶内に収納する前の正極合剤ペレットの重量を測定し、この重量(g)を電池缶内で再加圧した後の正極合剤の体積(cm)で除することにより求めた。
また、密度測定装置(マイクロメリティック社製のアキュピック1330)を用いて正極合剤の各材料の真密度を求め、正極合剤重量に相当する真の材料体積を算出した。そして、この真の材料体積を用いて、(正極合剤の体積−真の材料体積)/正極合剤の体積×100の式より算出した値を正極合剤の多孔度とした。
そして、これらの正極合剤を用いてアルカリ乾電池A1〜A7を上記の方法でそれぞれ作製した。
【0030】
【表1】

【0031】
[電池の評価]
上記で得られた電池A1〜A7を、それぞれ20℃環境下で250mAの定電流で連続放電させ、電池電圧が0.9Vに至るまでの放電容量を測定した。得られた結果を表2に示す。なお、表2中の放電容量は、電池A1の放電容量を100とした指数として表した。
【0032】
【表2】

【0033】
表2より、電池缶内に電解液を注液する前における正極合剤の密度が3.2〜3.5g/cm(多孔度として10〜18%)である電池A3〜A6で放電容量が向上することがわかった。電池A1およびA2では、放電末期にゲル状負極中の電解液(水)が正極合剤側へ拡散して負極中の電解液が枯渇するのに対し、電池A3〜A6では、正極合剤の多孔度が小さいためにゲル状負極から正極合剤への電解液の拡散が抑制され、放電末期においてもゲル状負極中に十分な量のアルカリ電解液が保持され、負極容量を十分に引き出せたためと推察される。なお、電池A7では、正極合剤の多孔度が小さすぎるため、正極合剤中の電解液が不足し、電池容量が低下した。
【0034】
《実施例2》
本実施例では、正極と負極との容量バランス(負極理論容量/正極理論容量の値)について検討した。正極合剤には実施例1の正極合剤A4を用い、ゲル状負極は実施例1と同様のものを用いた。そして、この正極合剤Aの充填量を一定にして、負極理論容量/正極理論容量の値および空隙率が表3に示す値になるように、ゲル状負極の充填量および電池缶内に注液する電解液量を調整した以外は、実施例1と同様の方法によりアルカリ乾電池B1〜B6を組み立てた。なお、空隙率は、各構成部品や空間の体積を3次元CADを用いて算出することにより求めた。
これらの電池について、実施例1と同様の方法により放電容量を測定した。
また、電池B1を20セル準備し、これらを10Ωの抵抗を介して直列に接続して20℃雰囲気下で1週間放置し、電池を放電させた。そして、過放電時の電池おける漏液の発生率(漏液率)を求めた。電池B2〜B6の電池についても、それぞれB1の場合と同様の方法で漏液率を求めた。
【0035】
なお、空隙率は、電池缶内の体積に対する、電池缶内の体積から正極合剤、ゲル状負極、セパレータ、アルカリ電解液、および負極集電体が占める体積を除いた空隙部分の体積の割合である。本実施例では、図1に示すように、負極集電体70の一部は封口板77の中央に設けられた穴部に挿入されているため、電池缶内の体積は、電池缶71と、負極集電体70が挿入された穴部を含む封口板77とで囲まれる部分の体積とした。また、負極集電体が占める体積とは、負極集電体70全体から封口板77の穴部に挿入された部分を除いた部位が占める体積とした。
これらの測定結果を表3に示す。なお、表3中の放電容量は、電池B4の放電容量を100とした指数として表した。
【0036】
【表3】

【0037】
表3より、負極理論容量/正極理論容量の値が1.00未満になると、負極活物質の量が少なすぎるため十分な放電性能が得られず、負極理論容量/正極理論容量の値が1.20まで大きくなると、過放電時において漏液が発生することがわかった。ここで、電池B6で生じた漏液は、負極活物質量が多いために電池容量が正極規制となり、過放電時に正極が転極して水素発生が起こり、電池内圧が急激に上昇したためであると推察される。
以上の結果から、本発明においては正極と負極との容量バランス(負極理論容量/正極理論容量)が1.00〜1.15であるのが好ましいことがわかった。
【0038】
《実施例3》
本実施例では、電池缶内の空隙率について検討した。正極合剤には、実施例1の正極合剤A4を用い、ゲル状負極には実施例1と同様のものを用いた。この正極合剤Cの充填量を一定量として、空隙率、電解液量/負極理論容量、および負極理論容量/正極理論容量の値が表4中に示す値となるように、ゲル状負極の充填量および電池缶内に注液する電解液量を調整した以外は、実施例1と同様の方法によりアルカリ乾電池C1〜C7を組み立てた。
これらの電池について、実施例2と同様の方法により放電容量および漏液率を測定した。
これらの測定結果を表4に示す。なお、表4中の放電容量は、電池C4の放電容量を100とした指数として表した。
【0039】
【表4】

【0040】
空隙率が5.0%未満になる(電解液量/負極理論容量の値が1.4cm/Ahを超える)と、過放電時の電池内圧の上昇が顕著となって漏液が発生し、空隙率が15%を超える(電解液量/負極理論容量の値が1.0cm/Ah未満になる)と、電解液量が少なすぎて十分な放電性能が得られなかった。
以上の結果から、空隙率が5〜15%であり、電解液量/負極理論容量の値が1.0〜1.4cm/Ahであるのが好ましいことがわかった。
【0041】
《実施例4》
本実施例では、正極合剤中の二酸化マンガンとオキシ水酸化ニッケルの配合比率について検討した。二酸化マンガン、オキシ水酸化ニッケルおよび黒鉛を表5に示す割合で混合した以外は、実施例1と同様の方法により正極合剤D1〜D10を得た。なお、このときの正極合剤の密度は約3.3g/cmであり、多孔度は15〜16%であった。
これらの正極合剤D1〜D10に対して、負極理論容量/正極理論容量の値が1.10、空隙率が10%、および電解液量/負極理論容量の値が約1.2cm/Ahとなるように、ゲル状負極の充填量および電池缶内に注液する電解液量を調整した以外は、実施例1と同様の方法によりアルカリ乾電池D1〜D10を組み立てた。
【0042】
上記で得られた各電池を、20℃で50mA(低負荷)または1000mA(高負荷)の定電流で連続放電させ、電池電圧が0.9Vに至るまでの放電容量を測定した。これらの測定結果を表5に示す。なお、表5中の放電容量は、50mA放電および1000mA放電のいずれの場合も、電池D5の放電容量を100とした指数として表した。
【0043】
【表5】

【0044】
電池D8〜D10では、50mA(低負荷)放電時の放電容量が低下し、電池D1およびD2では、1000mA(高負荷)放電時の放電容量が低下した。
以上の結果から、オキシ水酸化ニッケルの含有量が10〜80重量部であり、二酸化マンガンの含有量が85〜15重量部であるのが好ましいことが分かった。
【0045】
《実施例5》
本実施例では、正極合剤に結着剤として添加するポリエチレン粉末の量について検討した。二酸化マンガン、オキシ水酸化ニッケル、黒鉛の混合物100重量部に対して、ポリエチレン粉末の添加量を表6に示すように変えた以外は実施例1と同様の方法により、正極合剤E1〜E6を得た。さらに、上記でポリエチレン粉末を添加しない以外は実施例1と同様の方法により、正極合剤E7を得た。
これらの正極合剤E1〜E7に対して、負極理論容量/正極理論容量の値が1.10、空隙率が10%、および電解液量/負極理論容量の値が約1.2cm/Ahとなるように、ゲル状負極の充填量および電池缶内に注液する電解液量を調整した以外は、実施例1と同様の方法によりアルカリ乾電池E1〜E7を組み立てた。
【0046】
上記で得られた製造直後(初度)の各電池について、実施例4と同様の方法により50mA放電容量および1000mA放電容量を測定した。また、60℃環境下で1週間保存した後の電池を1000mAの定電流で連続放電させて、終止電圧0.9Vに至るまでの放電容量を測定し、初度の1000mA放電容量に対する60℃保存後の1000mA放電容量の比を容量維持率として求めた。これらの測定結果を表6に示す。なお、表6中の放電容量は、50mA放電および1000mA放電のいずれの場合も、電池E3の放電容量を100とした指数として表した。
【0047】
【表6】

電池E1およびE7では容量維持率が低下し、電池E6では初度の放電性能が低下した。以上の結果から、ポリエチレン粉末の添加量は、二酸化マンガン、オキシ水酸化ニッケル、および黒鉛の混合物100重量部に対して0.1〜1重量部であるのが好ましいことがわかった。
【0048】
《実施例6》
本実施例では、正極合剤に添加する添加剤の種類および添加量について検討した。
二酸化マンガン、オキシ水酸化ニッケル、および黒鉛の混合物100重量部に対して添加剤としてZnO粉末を1重量部添加する代わりに、表7に示すように添加量や添加剤の種類を種々に変えた以外は、実施例1と同様の方法により正極合剤F1〜F18を得た。また、添加剤を無添加とした以外は、実施例1と同様の方法により正極合剤F19を得た。
【0049】
これらの正極合剤F1〜F19に対して、負極理論容量/正極理論容量の値が1.10、空隙率が10%、および電解液量/負極理論容量の値が約1.2cm/Ahとなるように、ゲル状負極の充填量および電池缶内に注液する電解液量を調整した以外は、実施例1と同様の方法によりアルカリ乾電池F1〜F19を組み立てた。
上記で得られた各電池を実施例5と同様の方法により評価した。これらの測定結果を表7に示す。なお、表7中の放電容量は、50mA放電および1000mA放電のいずれの場合も、電池F3の放電容量を100とした指数として表した。
【0050】
【表7】

【0051】
ZnO、Ca(OH)、Yのいずれについても、その添加量が0.1〜3重量部である電池F2〜F5、F8〜F11、およびF14〜F17では、初度の放電容量および60℃保存後の容量維持率に関して高い値が得られた。添加剤の添加量が0.1重量部未満である電池F1、F7、F13、およびF19では、オキシ水酸化ニッケルの自己放電を十分に抑止することができず、60℃保存後の容量維持率が低下した。添加剤の添加量が3重量部超である電池F6、F12、およびF18では、相対的に正極合剤中の活物質量が少なくなり、初度の放電性能が低下した。
【0052】
《実施例7》
本実施例では、正極合剤中の黒鉛の添加量について検討した。実施例1と同様の二酸化マンガンとオキシ水酸化ニッケルを重量比1:1の割合で混合し、これに、二酸化マンガン、オキシ水酸化ニッケル、および黒鉛の混合物100重量部に対して、表8中に示した値となるように黒鉛を添加した。これにポリエチレン粉末結着剤0.3重量部、ZnO粉末1重量部、および電解液1重量部を混合した後、ミキサ−で均一に撹拌・混合して一定粒度に整粒した。そして、得られた造粒物の所定量を中空円筒型に加圧成型して、それぞれ正極合剤G1〜G6を得た。なお、得られた正極合剤の密度は約3.3g/cmであり、多孔度は15〜16%であった。
【0053】
これらの正極合剤G1〜G6に対して、負極理論容量/正極理論容量の値が1.10、空隙率が10%、および電解液量/負極理論容量の値が約1.2cm/Ahとなるように、ゲル状負極の充填量および電池缶内に注液する電解液量を調整した以外は、実施例1と同様の方法によりアルカリ乾電池G1〜G6を組み立てた。
上記で得られた各電池について、実施例4と同様の方法により50mA放電容量および1000mA放電容量を測定した。測定結果を表8に示す。なお、表8中の放電容量は、50mA放電および1000mA放電のいずれの場合も、電池G3の放電容量を100とした指数として表した。
【0054】
【表8】

【0055】
黒鉛の添加量が3重量部未満である電池G1では、正極合剤内の正極活物質粒子間の導電網が不完全となるため、特に1000mA(高負荷)放電時に放電容量が低下した。黒鉛の添加量が10重量部超である電池G6では、相対的に活物質量が減少するために、特に50mA(低負荷)放電時に放電容量が低下した。
以上の結果から、正極合剤中の黒鉛の添加量は、二酸化マンガン、オキシ水酸化ニッケル、および黒鉛の混合物100重量部に対して3〜10重量部であるのが好ましいことがわかった。
【0056】
なお、上記の実施例では、オキシ水酸化ニッケルとしてMnを少量固溶した体積基準の平均粒子径が20μmのものを用い、二酸化マンガンとして平均粒子径が40μmのものを用いたが、本発明はこれに限定されない。
また、上記の実施例では添加剤としてZnO、Ca(OH)、およびYのそれぞれを単独で正極合剤に添加したが、これらのうち2種類以上を組み合わせて正極合剤に添加しても、ほぼ同様の効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明のアルカリ乾電池は高容量を有し、デジタル機器や携帯機器等の電源として好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施例に係るアルカリ乾電池の一部を断面にした正面図である。
【符号の説明】
【0059】
71 電池缶
72 黒鉛塗装膜
73 正極合剤
74 セパレータ
75 絶縁キャップ
76 ゲル状負極
77 樹脂製封口板
78 底板
79 絶縁ワッシャ
70 負極集電体
711 外装ラベル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池缶内に、中空円筒状の正極合剤、亜鉛を活物質として含むゲル状負極、前記負極内に挿入される負極集電体、前記正極合剤とゲル状負極とを隔離するセパレータ、およびアルカリ水溶液からなる電解液を収容したアルカリ乾電池であって、
前記正極合剤が、活物質として二酸化マンガンおよびオキシ水酸化ニッケル、導電剤として黒鉛、結着剤としてポリエチレン粉末、前記電解液、ならびにZnO、Ca(OH)およびYからなる群より選ばれる少なくとも1種の添加剤を含み、
前記電解液の注液前における前記正極合剤の密度が3.2〜3.5g/cmであり、かつ前記正極合剤の多孔度が10〜18%であることを特徴とするアルカリ乾電池。
【請求項2】
さらに、以下の(1)〜(3)を満たす請求項1記載のアルカリ乾電池。
(1)前記ゲル状負極の理論容量/前記正極合剤の理論容量の値が1.00〜1.15である。
(2)前記電池缶内の空隙率(前記電池缶内の体積に対する、前記電池缶内の体積から前記正極合剤、ゲル状負極、セパレータ、アルカリ電解液、および負極集電体が占める体積を除いた空隙部分の体積の割合)が5〜15%である。
(3)前記電解液量/前記ゲル状負極の理論容量の値が1.0〜1.4cm/Ahである。
【請求項3】
前記正極合剤は、二酸化マンガン、オキシ水酸化ニッケル、および黒鉛の混合物100重量部に対して、前記オキシ水酸化ニッケルを10〜80重量部含み、前記二酸化マンガンを85〜15重量部含む請求項1または2記載のアルカリ乾電池。
【請求項4】
前記正極合剤は、二酸化マンガン、オキシ水酸化ニッケル、および黒鉛の混合物100重量部に対して、前記黒鉛を3〜10重量部含む請求項1または2記載のアルカリ乾電池。
【請求項5】
前記正極合剤は、二酸化マンガン、オキシ水酸化ニッケル、および黒鉛の混合物100重量部に対して、前記ポリエチレン粉末を0.1〜1重量部含む請求項1または2記載のアルカリ乾電池。
【請求項6】
前記正極合剤は、二酸化マンガン、オキシ水酸化ニッケル、および黒鉛の混合物100重量部に対して、前記添加剤を0.1〜3重量部含む請求項1または2記載のアルカリ乾電池。
【請求項7】
前記二酸化マンガンの体積基準の平均粒子径が30〜50μmであり、かつ前記オキシ水酸化ニッケルの体積基準の平均粒子径が10〜30μmである請求項1または2記載のアルカリ乾電池。

【図1】
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【公開番号】特開2006−179429(P2006−179429A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−374196(P2004−374196)
【出願日】平成16年12月24日(2004.12.24)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】