説明

アルカン脱水素化の廃熱から一定量の蒸気を生成する方法及び装置

本発明は、アルカン脱水素化から得られる可能な限り一定の蒸気流を供給する方法及び装置に関するものである。この方法は、炭化水素含有ガスを触媒を充填できる反応チューブに通すことによって行われる。外に対して密封されているこの反応チューブは、燃焼器で加熱できる加熱室の中を通っている。触媒は周期的な動作モードで反応用に再生される。この反応は吸熱性であるが、触媒再生は非吸熱性である。主燃焼器の出力は触媒の再生中に低下する。触媒の再生中に高温の燃焼排気の生成を維持する補助燃焼器が、燃焼排気流路の入口に設置されていて、更に高温の燃焼排気を生成し、これを用いて、脱水素化プロセスの廃熱から可能な限り一定量の蒸気を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸熱反応を行う反応器の燃焼排気流路内の追加加熱として使用する一又は複数の燃焼器に関するものであり、これによって、ほぼ一定量の燃焼排気を発生することができる。この反応器には、加熱室の燃焼排気流路の出口に位置する蒸気発生器が設けられている。この燃焼器は補助燃焼器として用いられ、使用中に触媒の発熱性再生の再生フェーズ中に生じる加熱室の燃焼排気流路中の燃焼排気の低減をバランスさせる。本発明はまた、必要な装置を含めて吸熱反応を行う反応器に設置された一又はそれ以上の補助燃焼器を具える装置に関するものであり、これによって蒸気発生器を収納している燃焼排気流路の出口における燃焼排気量を制御することができる。このように、蒸気発生器から取り出せる蒸気流はある程度一定になり、タービンやコンプレッサーの駆動に際して有利になる。この装置は、特に、アルカン脱水素化プロセスに通常用いられる反応器に適している。
【背景技術】
【0002】
アルカン脱水素化を行う通常の方法は、アルカン含有炭化水素混合物を脱水素化触媒に通過させることであり、これによって、ガス混合物中に含まれるアルカンが反応して相応のアルケンになる。通常の構成では、下流側の反応チューブに触媒が配置されており、このチューブに入口流路を経て、必要なアルケンを一成分として含有している産出ガスを、反応チューブの出口で得ることができる。この反応は吸熱性であるため、反応チューブを外側から加熱する必要がある。これは通常、反応チューブが一体化されている加熱室を有する反応器を用いて行なわれ、加熱室は燃焼排気で加熱される。この反応チューブは、加熱室に対して密封されている。加熱室は燃焼排気ダクトで終端しており、ここで高温の燃焼排気を熱的に利用して、最終的には煙突に排出させる。
【0003】
付属設備を伴うアルカン脱水素化プロセスの典型的な例が、WO2004/039920A2に開示されている。様々な脱水素化方法とこれに用いられる触媒の選択が、F.Buonomo,D.Sonfillipo,F.Trifiro著“Handbook of Heterogeneous Catalysis”第1版 VCH Weinheim 1997年刊 2140頁以下に記載されており、この文献はこの公報に引用されている。
【0004】
加熱によって生じる燃焼排気は、加熱室から燃焼排気流路を経て排出される。この温度は、それぞれの構造設計にもよるが、概ね1000℃である。反応チューブの加熱による熱を更に活用するために、通常、ガス排出流路の出口内又は下流側に、燃焼排気用の蒸気発生器が設置されている。
【0005】
アルカン脱水素化は、通常、一定の反応時間後に触媒に沈着する炭化水素を含有する副生成物の形成を伴う。これによって反応の歩留まりと、所望のアルケン産出量が低下する。このような理由から、一定時間経過後に反応が中断され、触媒を通る反応ガスが止まる。通常の例では、酸素を含有するガスは続いて触媒を通過する。このことは、炭素を含有する付着物を取り除いて、触媒を再生する働きをする。触媒再生後に、各反応チューブ又は反応器においてアルカン脱水素化が再開する。この方法では、プロセスが循環動作モードで行われる。
【0006】
アルカン脱水素化は吸熱性であり、触媒の再生は発熱性であるので、反応器に必要な熱は、通常の動作時より再生期間中は有意に低い。このため、触媒再生フェーズの間は、燃焼器がより少ない燃料ガスで稼動するため、燃焼排気の発生も同様に少ない。
【0007】
WO2007/118825A1は、炭化水素からオレフィンを生成する方法と、この方法を実施する装置を開示している。触媒再生フェーズにおいて燃焼器のスイッチを切ることで、触媒床への熱の供給が中断され、再生中に酸素を含有するガスが触媒床を通過するときに熱がそれ以上届かず、過熱と劣化から触媒が守られる。この方法を行うために、燃焼器にスイッチオフ装置が設けられており、再生後は点火用燃焼器で再点火される。加熱用燃焼器にも点火用燃焼器にも、モニタ装置を設けることができる。蒸気発生器の使用による蒸気の発生や加熱中断に対する補償については、何ら指摘されていない。
【0008】
EP179322B1は、断続的プロセスにおける吸熱性触媒変換中に活性が失われた触媒を発熱反応で再生する方法について開示している。加熱燃料の供給を低下させて燃焼器の出力を本来の出力の50%以下、好ましくは10%以下に落とすことによって、加熱媒体と燃焼空気を節減できる。適宜の応用プロセスとして、i−ブタン、n−ブタン、又はこれらの混合物の脱水素化が挙げられる。複数の反応器を用いる場合は、反応器を交互に作動させて、全体としての加熱媒体や燃焼流の供給が変わらないようにすると共に、廃熱システムの負荷に変動が生じないようにする。この教示でも、蒸気発生器の使用による上記の発生や加熱中断に対する補償については、何ら指摘されていない。
【0009】
触媒再生用に加熱プロセスの出力を絞る場合、燃焼排気流路に設けた蒸気発生器への燃焼排気供給が減少する。重要な実施例においては、蒸気発生器によって生成された蒸気を用いて蒸気タービンによってコンプレッサーを駆動しているため、このことは問題である。脱水素化プロセスは、通常動作中、及び再生動作中に、蒸気を供給してタービン用蒸気として使うように作動する。触媒再生フェーズ中は、ユニット自体の蒸気生成が少ない。同時に、触媒再生モードにおける蒸気の消費レベルは、通常動作時とほぼ同様に高い。従って、触媒再生フェーズ中に供給される蒸気の量が、脱水素化ユニットに供給される蒸気の量を左右する。
【0010】
従って、吸熱性触媒反応によってアルケンを生産する方法を提供して、触媒再生フェーズ中に蒸気発生器を稼動させるためにできるだけ多くの燃焼排気を得られるようにして、「生成−再生」サイクル全体を通して一定量の蒸気を提供することが、課題である。本発明は、この目的のための装置を提供することが、もう一つの課題である。後者によって、プロセスをモニタし、遠隔制御することが可能となる。
【0011】
本発明は、吸熱性の触媒反応から、一定量のあるいは制御された量の燃焼排気を供給する方法によってこの課題を達成している。本発明によれば、この燃焼排気を使用して蒸気発生器でできるだけ大量の蒸気流を作ることができ、燃焼排気流路の出口に少なくとも一の補助燃焼器が配置されており、この燃焼器を用いて、加熱される反応チューブと接触しない燃焼排気流を作り、触媒再生中に蒸気発生器の熱交換面で量が増える燃焼排気流を作る。本発明はまた、吸熱性の触媒反応を実行する反応器の燃焼排気流路入口における一又はそれ以上の補助燃焼器でできた装置によってもこの目的を達成することができ、この補助燃焼器は、燃焼排気流において反応用チューブの下流側に配置されている。この装置はまた、補助燃焼器をモニタし制御する装置を具える。
【0012】
本発明によれば蒸気の供給量を減少させることができる。その際に、通常の稼動の寸法の設備と内部装置を使用するため、熱交換器による追加コストが生じない。主に再生に必要な補助燃焼器は、比較的廉価である。
【0013】
本発明を好適に適用できる典型的な吸熱性触媒反応プロセスは、アルカン脱水素化プロセスである。いずれの場合も、反応は触媒を充填できる反応チューブで行われ、反応チューブは、加熱できる反応室に配置されており、この反応室は燃焼器からの燃料ガスで加熱される。WO2004/039920A2は、本発明を適用できるアルカン脱水素化の典型的なプロセスを開示している。この公報は、アルカン脱水素化で発生する水素を別のプロセスで燃焼させる反応器を開示している。
【0014】
特許請求の範囲は、特に、反応器の加熱によって時間的に一定の蒸気を生成する、固定床触媒再生プロセスであり、
・固定床触媒を、一又は複数の反応チューブに配置して、反応ガス混合物を通過させて吸熱性反応を行なうステップと、
・前記反応チューブを加熱室ハウジング内の燃料ガスの燃焼によって外側から加熱して、吸熱性反応を行うステップと、
・前記反応チューブ内の反応を循環動作モードで制限された時間で実行し、反応を使用しない時間を、酸素含有又は水蒸気含有ガス、又は、これらのガス混合物が触媒を通ることによる触媒再生に用いるステップと、
・反応チューブの加熱によって発生した燃焼排気流を加熱室から排出して、蒸気発生器による蒸気生成に使用するステップ、
を具える方法において、
・少なくとも1台の補助燃焼器が燃焼排気流路の出口に設けられており、この補助燃焼器が燃焼排気流を生成し、加熱される反応チューブとは接触せず、触媒再生中に蒸気発生器の熱交換面における燃焼排気流の量を増やすことを特徴とする。
【0015】
燃焼排気流路における燃焼排気量を上げることによって、燃焼排気流路の熱交換面を触媒再生期間中により効率良く使用することができる。このようにして、生成する蒸気の量をプロセス全体を通してほぼ一定に保つことができる。このために、補助燃焼器に調節装置を設けて、これによって燃焼ガスの量を制御できるようにしている。このことは、補助燃焼器の下流側の燃焼排気流における燃焼排気温度によって、補助燃焼器を調節することによって行われる。この調節装置は、補助燃焼器への燃料ガス又は燃焼空気の供給を制御する。
【0016】
触媒再生中に発生する蒸気の量を更に上げるために、燃焼排気流路入口における燃焼排気流の温度が蒸気発生器の熱交換面で上がるように補助燃焼器を設定することが有利である。燃焼排気流路中及び熱交換面の温度は、制御が必要な場合に燃焼排気流路に新鮮な空気を供給することによって制御することができる。
【0017】
補助燃焼器には、制御装置が有利に設けられており、燃料ガスの供給とそれによる燃焼排気の生成を制御することができる。この制御装置は、蒸気発生器の熱交換面近くに配置した温度センサによって管理されているので、補助燃焼器を燃焼排気流路の温度によって制御できる。より単純な実施例では、補助燃焼器を手動制御することもできる。
【0018】
補助燃焼器の制御装置は、生成した蒸気の量によって制御することもできる。この場合、蒸気発生器の適当な位置に、蒸気生成量を測定する蒸気量メータが設置されており、生成した蒸気量によって補助燃焼器を制御することができる。
【0019】
本発明による方法を実行するのに適したプロセスは、特に、水素を放出することでアルカンをアルケンに変換するのに使用されるアルカン脱水素化プロセスである。これは単一プロセスとして行うことができる。しかし、水素を放出することでアルカンをアルケンに変換すると共に、続いて行われる未変換アルカンを更に脱水素化する別のプロセスで水素を酸化する、アルカン脱水素化も通常行われている。その際には、補助燃焼器を一又は複数の反応器に配置することができる。このようにして、吸熱プロセス全体が触媒の再生によって支援される。
【0020】
特許請求の範囲は、また、本発明によるプロセスを稼働できる装置に関する。特に、特許請求の範囲は、アルカンの脱水素化プロセスにおける廃熱から一定量の蒸気を生成する装置であって、
・触媒を装填できる反応チューブを一体化した吸熱性反応を行う加熱室付反応器と、当該反応チューブ内に設けた反応ガス入口と生成ガス出口と、触媒又は反応ガスと接触しておらず、加熱室内の反応チューブを外側から加熱する一又は複数の主燃焼器と、前記加熱室の端部にある燃焼排気用出口が付いた燃焼排気流路と、当該燃焼排気流路内の一又は複数の蒸気発生器と、
を具える装置において、
・前記反応チューブの下流側の燃焼排気流路の入口であって、蒸気発生器への入口の上流側に、一又はそれ以上の補助燃焼器を設けたことを特徴とする。
【0021】
プロセス開始時に橋渡しをする補助燃焼器を具えており、吸熱性プロセスを実行する反応器は、従来技術において公知である。US2003/0101651A1は吸熱性の触媒反応装置を開示しており、これによれば、触媒を充填可能なチューブ内に炭化水素含有ガスを通して、外側から加熱し、反応ガスが対向する対流によって加熱される。この反応構成によれば、反応器のサイズを有意に小さくすることができ、全体構成を可動ユニットとして設計することができる。この装置は、燃料ガスを燃焼させる加熱室に補助燃焼器を設置することによって、補助燃焼器が反応を開始するのに使用されることを記載している。触媒の再生又は加熱プロセスの中断については言及されていない。補助燃焼器の制御装置についても記載がない。
【0022】
本発明のほとんどの実施例では、補助燃焼器に制御装置が設けられており、燃焼器の出力を制御することができる。好適な制御装置は、例えば、バルブ、ゲートバルブ、フラップ、又は、ステムであり、これらは補助燃焼器への燃焼排気の供給を制御する。この制御装置は、補助燃焼器への燃焼用空気の供給を制御するのに使用することもできる。
【0023】
この補助燃焼器は、燃焼排気流路出口で測定したパラメータで制御することもできる。対応するプロセスの特許請求の範囲で必要な装置は、特に、燃焼ガスの流量又は燃焼ガスの温度を測定するセンサである。この目的を達成するために、これらのセンサは、燃焼排気出口に取り付けられている。燃焼ガスの流量によって補助燃焼器を制御することが必要な場合は、燃焼排気流路に測定装置を取り付けて、燃焼排気流路内の燃焼排気の燃焼ガス流量を測定して、これに応じて補助燃焼器を制御することができる。
【0024】
燃焼排気流の温度によって補助燃焼器を制御することが必要な場合は、燃焼排気流路に燃焼排気の温度測定装置を設けて補助燃焼器を調節することができる。燃焼排気の全流量又は温度と比較した比較測定が必要な場合は、適宜のセンサを燃焼排気流路自体に、又は蒸気発生器の熱交換面に設置してもよい。別の実施例では、補助燃焼器を燃焼排気流路の酸素含有量によって制御するのであれば、燃焼排気流路の酸素含有量を測定するラムダプローブを使用することもできる。
【0025】
本発明による装置に一体化した反応器は、通常、従来技術において普通に行われるように構成されている。本発明を実施するために、この装置は、吸熱反応を実行し、触媒を充填できる反応チューブが一体化された反応器と、触媒又は反応ガスと接触しておらず、反応チューブを外側から加熱する燃焼器と、反応チューブにおける反応ガスの入口と生成ガスの出口と、燃料ガスと燃焼排気流路の入口と、燃焼排気流路出口内又は出口の下流側に配置した熱交換面がある蒸気発生器を具えている。本発明による主燃焼器と補助燃焼器は、加熱室内又は燃焼排気流路内の任意の場所に取り付けることができる。このことは、加熱する熱交換面についても同様である。燃焼器、反応チューブ又は蒸気発生器は、単独であっても複数台でもよい。いずれの場合も、補助燃焼器は出て行く燃焼排気が反応チューブやその中に封入されている触媒と接触しないように配置される。
【0026】
補助燃焼器を制御するには、特に、従来技術において燃焼器の調整に使われている装置を使用することができる。これは、通常、バルブ、ゲートバルブ、フラップ、又は、ステムであり、補助燃焼器への燃焼排気又は燃焼用空気の供給を制御するよう動作する。制御データを測定するには、特に、熱電対、圧力ゲージ、ガス流量計、及び酸素プローブを用いることができる。
【0027】
補助燃焼器として使用されるのは、ガスバーナー、液体燃料バーナー、ロケットバーナー、又は、固形燃料ブローワー・バーナーである。このタイプは、燃焼排気流路及び熱交換面のサイズによって決まる。本発明による補助燃焼器装置は、適宜の点火装置を具えており、これは、例えば、電気式又は電子式点火具、パイロットバーナー、又は、火打ち石であってもよい。補助燃焼器には、制御装置が設けられていることが好ましく、これによって補助燃焼器の出力を制御できる。これは、例えば、燃焼排気流路に燃料排気温度を測定する装置が設けられており、これによって補助燃焼器の出力を調整する。
【0028】
更に、廃熱を活用するために、蒸気発生器を用いる。蒸気発生器は、所望の通り配置して、所望の数を設けることができる。これは、通常は、間接的な熱交換器としての熱交換面付蒸気発生器である。これは、任意の設計であっても良い。また、これは、また、生成された蒸気の量を計測する計測機装置を具えていてもよい。補助燃焼器で加熱した蒸気発生器には、蒸気量計測器が設けられており、これによって、補助燃焼器の出力を制御できる。更に、本発明の装置に含まれるものは、配管類などの補助機器類である。これらは任意の設計、及び数であってもよい。
【0029】
本発明による装置は、このプロセスを行う期間を通じて、できる限り一定の蒸気量を、アルカン脱水素化の廃熱から生成できるといった利点を提供している。本発明による装置とプロセスによって、上記プロセスによる廃熱からの蒸気の生成が最適化され、機械的なエネルギーを得ることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルカン脱水素化プロセスの廃熱で一定量の蒸気を生成する方法であって、
・固定床触媒を、一又は複数の反応チューブに配置して、反応ガス混合物を通過させて吸熱性反応を行なうステップと、
・前記反応チューブを加熱室ハウジング内の燃料ガスの燃焼によって外側から加熱して、吸熱性反応を行うステップと、
・前記反応チューブ内の反応を循環動作モードで制限された時間で実行し、反応を使用しない時間を、酸素含有又は水蒸気含有ガス、又は、これらのガス混合物が触媒を通ることによる触媒再生に用いるステップと、
・反応チューブの加熱によって発生した燃焼排気流を加熱室から排出して、蒸気発生器による蒸気生成に使用するステップ、
を具える方法において、
・少なくとも一の補助燃焼器が燃焼排気流内の加熱される反応チューブの下流側に設けられており、この補助燃焼器が燃焼排気流を生成し、加熱される反応チューブとは接触せず、触媒再生中に蒸気発生器の熱交換面における燃焼排気の量を増やすことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載のアルカン脱水素化プロセスの廃熱で一定量の蒸気を生成する方法において、
前記補助燃焼器を用いて、触媒再生中に蒸気発生器の熱交換面の燃焼排気流の温度を上げるステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のアルカン脱水素化プロセスの廃熱で一定量の蒸気を生成する方法において、
前記補助燃焼器に制御装置が設けられており、当該補助燃焼器で加熱する燃焼排気流路には温度測定装置が設けられており、前記燃焼排気流路の温度によって前記補助燃焼器を制御できることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のアルカン脱水素化プロセスの廃熱で一定量の蒸気を生成する方法において、
前記補助燃焼器に制御装置が設けられており、当該補助燃焼器で加熱する蒸気発生器には蒸気流計測器が設けられており、生成した蒸気の量によって前記補助燃焼器を制御できることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のアルカン脱水素化プロセスの廃熱で一定量の蒸気を生成する方法において、
再生する触媒を用いた吸熱性プロセスがアルカン脱水素化プロセスであり、ここで、水素を放出することでアルカンをアルケンに変換するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のアルカン脱水素化プロセスの廃熱で一定量の蒸気を生成する方法において、
再生する触媒を用いた吸熱性のプロセスがアルカン脱水素化プロセスであり、ここで、水素を放出することでアルカンをアルケンに変換し、この水素が続くプロセス行程において酸化され、未だ変換されていないアルカンを更に脱水素化するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項7】
アルカン脱水素化の廃熱で一定量の蒸気を生成する装置であって、
・触媒を充てんできる反応チューブが一体化された、吸熱性の反応を実行する加熱室付反応器と、
・前記反応チューブに設けた反応ガスの入口と生成ガスの出口と、
・触媒又は反応ガスと接触しておらず、前記加熱室内の反応チューブを外側から加熱する一又はそれ以上の主燃焼器と、
・前記加熱室端部にある燃焼排気流路と、前記燃焼排気流路内の一又はそれ以上の蒸気発生器と、
を具える装置において、
・加熱する前記反応チューブの下流側であって前記蒸気発生器への入口の上流側の前記燃焼排気流内の燃焼排気流路の出口に設置した一又はそれ以上の補助燃焼器を具えることを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項7に記載のアルカン脱水素化の廃熱で一定量の蒸気を生成する装置において、
前記補助燃焼器に適宜の点火装置が設けられていることを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項7又は8に記載のアルカン脱水素化の廃熱で一定量の蒸気を生成する装置において、
前記補助燃焼器に、当該補助燃焼器の出力を調節する制御装置が設けられていることを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項7乃至9のいずれか1項に記載のアルカン脱水素化の廃熱で一定量の蒸気を生成する装置において、
前記燃焼排気流路に、燃焼排気流路の燃料排気温度を測定する装置が設けられており、それによって前記補助燃焼器の能力を制御できることを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項7乃至9のいずれか1項に記載のアルカン脱水素化の廃熱で一定量の蒸気を生成する装置において、
前記補助燃焼器で加熱した蒸気発生器に、蒸気流量測定器が設けられており、前記補助燃焼器の出力を制御できることを特徴とする装置。

【公表番号】特表2012−520352(P2012−520352A)
【公表日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−553321(P2011−553321)
【出願日】平成22年3月1日(2010.3.1)
【国際出願番号】PCT/EP2010/001238
【国際公開番号】WO2010/102734
【国際公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(502099418)ティッセンクルップ ウーデ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (75)
【氏名又は名称原語表記】ThyssenKrupp Uhde GmbH
【住所又は居所原語表記】Friedrich−Uhde−Strasse 15, D−44141 Dortmund, Germany
【Fターム(参考)】