説明

アルキルアミン(メタ)アクリルアミドを連続的に製造する方法

本発明は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートまたはメタノールもしくはエタノールに比較して高沸点のアミンを反応させることによってアルキルアミノ(メタ)アクリルアミドを連続的に製造する方法に関する。これまで、特殊な後処理技術によって達成されなかった製品品質が達成される。更に、極めて高い空時収量および全収量を達成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、次の反応式:
【0002】
【化1】

〔式中、
は、水素またはメチルであり、
は、直鎖状、分枝鎖状または環状のアルキル基、1個以上のアルキル基で置換されていてもよいアリール基を表わし、直鎖状、環状または分枝鎖状のアルキル基は、2〜12個の炭素原子の長さを有することができ、例えばエチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第三ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソノニル、ノニル、デシル、ウンデシルを表わすことができ、
場合によっては
NRまたは
ORによって1回以上置換されていてよく、
この場合、RまたはRは、水素の意味を表わすことができ、さらに次のことが当てはまる:
、RまたはRは、同一でも異なっていてもよく、1〜12個の炭素原子を有するアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第三ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、ノニル、デシル、ウンデシルまたは水素であり、
更に、Rは、[(R−O)n]−Rを表わすことができ、この場合には、次のことが当てはまる:
は、分枝鎖状であってもよいC〜Cアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルまたは第三ブチル、
アルキルアミド(メタ)アクリレートであることができ、
mは、1〜4であり、
は、メチル基またはエチル基であることができる〕によりメタノール(D)の放出下に、例えばメチル(メタ)アクリレート(A)をアミン(B)で連続的にアミノ分解することによってアルキルアミノ(メタ)アクリルアミド(C)を製造するための他の連続的方法に関する。
【0003】
アミンとしては、次の化合物がこれに該当する:
ジメチルアミノエチルアミン、ジエチルアミノエチルアミン、ジプロピルアミノエチルアミン、ジイソプロピルアミノエチルアミン、ジブチルアミノエチルアミン、ジイソブチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジプロピルアミノプロピルアミン、ジイソプロピルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、ジイソブチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノブチルアミン、ジエチルアミノブチルアミン、ジプロピルアミノブチルアミン、ジイソプロピルアミノブチルアミン、ジブチルアミノブチルアミン、ジイソブチルアミノブチルアミン、メチルアミン、シクロヘキシルアミン、ジメチルアミノヘキシルアミン、ジエチルアミノヘキシルアミン。
【0004】
特に好ましいのは、ジメチルアミノプロピルアミンと共にジメチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノブチルアミン、ジメチルアミノペンチルアミンおよびジメチルアミノヘキシルアミンである。
【0005】
背景技術
刊行物中には、数多くの非連続的に実施されるエステル交換法(バッチによるエステル交換法)が異なる触媒と関連して記載されている。
【0006】
経済的な方法を探すことは、エダクトを連続的に供給しかつ生成物を連続的に導出する、連続的なエステル交換法を見出すことであった。連続的なエステル交換法は、非連続的なエステル交換法と比較して次の利点を有する:この方法は、簡単に自動化可能であり、ヒトの需要を減少させて運転させることができ、製品の品質は、よりいっそう良好に再現可能であり、殆んど変動せず、個々の製造工程(充填、反応、低沸点物の分離、生成物の分離、容器を空にすること)の連続的な作業の疲弊が排除されるために装置の能力は上昇する。この方法は、バッチ法よりも高い空時収量を有する。
【0007】
連続的なエステル交換法は、公知である。
【0008】
欧州特許第0960877号明細書(Elf Atomchem S.A.)には、ジアルキルアミノアルコールのメタクリレートエステルを製造するための連続的な方法が記載されている。ジアルキルアミノアルコールは、一般にメチル(メタ)アクリレートと反応され、次の方法によりジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートを得ることができる:
出発物質(メチル(メタ)アクリレートおよびジアルキルアミノアルコール)の混合物は、エステル交換触媒としてのテトラアルキルチタネート(例えば、テトラブチルチタネート、テトラエチルチタネートまたはテトラ(2−エチルヘキシル)チタネート)および少なくとも1つの重合抑制剤(例えば、フェノチアジン、第三ブチルカテコール、ヒドロキノンモノメチルエーテルまたはヒドロキノン)と一緒に連続的に攪拌型反応器に供給され、この場合には、90〜120℃の温度でジアルキルアミノ(メタ)アクリレートへの反応は、同時に共沸物のメチル(メタ)アクリレート/メタノール混合物が連続的に取り出されながら行なわれる。粗製反応混合物(粗製エステル)は、第1の蒸留塔に供給され、この場合には、減圧下で蒸留塔の塔頂部から本質的に触媒を含まない流れが取り出され、蒸留塔の塔底部では、触媒ならびに僅かなジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートが取り出される。更に、第1の蒸留塔の塔頂流は、第2蒸留塔に供給され、この場合には、減圧下で塔頂部から僅かなジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートを有する低沸点生成物の流れが取り出され、塔底部では、主にジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートおよび重合抑制剤からなる流れが取り出され、このジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートおよび重合抑制剤からなる流れは、第3蒸留塔に供給される。第3の蒸留塔中では、減圧下で、塔頂部から望ましい純粋なジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートエステルが取り出され、塔底部では、本質的に単数の重合抑制剤または複数の重合抑制剤が取り出される。第1蒸留塔の塔底流は、フィルム蒸発器による後処理後に第2の蒸留塔からの塔頂流と同様に反応器中に返送される。
【0009】
この方法は、使用前にアルコールの脱水が省略され、このことは、加水分解のために望ましくない固体沈殿物が形成されるまで、使用されるテトラアルキルチタネートの強力にされた失活を生じうる。更に、この方法は、第1の蒸留塔中で触媒が塔底部中で比較的高い温度で熱応力を受けるという欠点を生じる。この結果、簡単に触媒の分解をまねきうる。
【0010】
この方法の場合には、未反応のエダクトならびに生成物は、全体的に2回塔頂部を介して精留される。この結果、極めて高いエネルギー費および全体で4個の精留塔が必要とされ、この場合には、この精留塔は、部分的に極めて大型に寸法決定されていなければならない。従って、この方法は、極めて高い投資費および運転費が必要とされる。
【0011】
欧州特許第0968995号明細書(Mitsubishi Gas Chemical Comp.)には、反応塔を使用しながらアルキル(メタ)アクリル酸エステルを製造するための連続的な方法が記載されている。この場合、エステル交換反応は、直接に蒸留塔(即ち、反応器および蒸留塔は、メチル(メタ)アクリレート/メタノール共沸物を取り出すために、1つの装置を形成する)中で行なわれ、この蒸留塔には、出発物質(メチル(メタ)アクリレートおよびアルコール)が連続的に供給される。必要な触媒、この場合には同様に有利にチタン化合物、は、蒸留塔中に存在する。均一触媒の場合には、触媒は、蒸留塔中に連続的に供給される。しかし、蒸留塔中での均一触媒の使用は、蒸留塔中での液状返送流による洗浄効果のために高められた触媒需要量をまねき、ならびに触媒の固体沈殿物が発生する場合には、塔取付け物の汚染をまねく。不均一触媒の場合には、触媒は、反応塔中に存在する。しかし、蒸留塔中での触媒の位置決定は、不利である。それというのも、この場合には、蒸留塔中で高められた圧力損失が起こり、付加的に蒸留塔の規則的な清浄化のために、極めて高い費用で運転されなければならないからである。更に、不均一触媒は、例えば望ましくない重合のために失活しうる。
【0012】
ドイツ連邦共和国特許第4027843号明細書(Roehm GmbH)には、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルを脂肪族アミンおよび芳香族アミンでエステル交換することによって、N−置換された(メタ)アクリル酸アミドを製造するための連続的な方法が記載されている。反応温度は、150℃を上廻り、圧力は、約160バールである。この方法は、触媒なしに作業される。
【0013】
課題
本発明の課題は、2つの前記方法の欠点を回避する、(メタ)アクリル酸メチルエステルをメタノールと比較して高沸点のアミンでアミノ分解するための連続的方法を提供することである。(メタ)アクリル酸エステルまたはアルキル(メタ)アクリレートは、以下、アクリル酸およびメタクリル酸のエステルおよび誘導体、例えばメタクリル酸メチルエステルまたはメタクリル酸エチルエステルである。更に、新規方法は、品質の点でこれまでに市場に存在している製品よりも良好な製品を提供するはずである。よりいっそう良好な品質とは、架橋剤含量が僅かであるかまたは出発エステルの二重結合または生成物エステルの二重結合に対するアミンの付加生成物の含量が僅かであると理解される。架橋剤としては、アルキルメタクリルアミドが形成されうる。更に、新規方法によれば、アミノ(メタ)アクリレートは、できるだけ僅かな費用でエネルギー的に有利に(即ち、安価に)製造されるはずである。装置を操作するための人件費は、減少されるはずである。
【0014】
前記の課題ならびにさらに詳細には記載されなかったが、しかし、本明細書中の従来の技術で論議されたことから直ちに推論することも導き出すこともできない課題は、請求項1の特徴を有する方法によって解決される。本発明による方法の好ましい変法は、請求項1に従属する請求項中で特許保護が請求されている。
【0015】
方法の記載
本方法は、図1に略示されている。
【0016】
【表1】

【0017】
エダクトのメチル(メタ)アクリレート(MMA、11)は、連続的に適当な反応装置(1)に供給され、この場合には、個々の反応容器ならびに多数の順次に接続された反応容器のカスケードが使用されうる。全ての反応容器が反応の際に遊離されるメタノールを除去するために共沸蒸留塔(2)への処理液取出し口を有することは、重要である。
【0018】
アミン(12)は、連続的に脱水のために塔の共沸蒸留に供給される。
【0019】
触媒として必要とされるテトラアルコキシチタネート(テトラアルコキシチタネート含量は、使用されるMMAに対して有利に0.2〜4質量%である)は、単数または複数の重合抑制剤と同様に有利に連続的に反応装置(1)中に供給される。しかし、また、エステル交換触媒としては、公知技術水準で公知の全てのエステル交換触媒が使用されてもよい。触媒としては、例えばジルコンアセチルアセトネートおよびさらにジルコンの1,3−ジケトネートがこれに該当し、さらにアルカリ金属シアネートまたはアルカリ金属チオシアネートとアルカリ金属ハロゲン化物との混合物が使用されてもよく、さらに亜鉛化合物、例えばジオクチル酸化亜鉛、アルカリ土類金属酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物、例えばCaO、Ca(OH)、MgO、Mg(OH)または前記化合物からなる混合物、さらにアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシドおよび塩化リチウムおよび水酸化リチウムが使用され、また、前記化合物と前記アルカリ土類金属化合物およびLi塩とからなる混合物が使用されてもよく、ジアルキル錫酸化物、例えばジオクチル酸化錫、アルカリ金属炭酸塩、第四アンモニウムと一緒のアルカリ金属炭酸塩、例えばテトラブチルアンモニウムヒドロキシドまたはヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、さらにジオルガニル酸化錫とオルガニル錫ハロゲン化物とからなる混合触媒、酸性のイオン交換体、燐モリブデンヘテロポリ酸、チタンアルコラート、例えばチタン酸イソプロピル、1,3−ジカルボニル化合物を有する金属のチタン、ジルコニウム、鉄または亜鉛のキレート化合物、鉛化合物、例えば酸化鉛、水酸化鉛、鉛アルコキシド、炭酸鉛またはカルボン酸の鉛塩が使用されてもよい。特に好ましいのは、約1:1(質量%/質量%)の比のジアルキル錫酸化物とアルキルチタネート、例えばジオクチル酸化錫とチタン酸イソプロピルとからなる触媒混合物である。触媒混合物は、使用されたアミンに対して0.1〜10質量%の量で使用される。
【0020】
重合抑制剤としては、例えばヒドロキノン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシルがこれに該当し、またビス(2−メトキシカルボニルプロピル)スルフィドもこれに該当する。酸素と関連するヒドロキノンモノメチルエーテルもこれに該当する。
【0021】
使用されるアミンは、水を含有することができる。使用されるアミン中での水の量は、アミンの場合に50〜500ppm(0.05〜0.005質量%)である。アミンは、反応装置中への侵入前に有利に共沸塔(2)を介して脱水される。この場合、アミン中に含有されている水は、塔頂部を経て取り出される。使用されたアミンを有するメタノール/MMA共沸物(13)の不純物を回避させるために、アミンは、有利に蒸留塔(2)の下部中に供給される。使用されるアミンは、次のように別の方法で:
前接続された脱水蒸留塔によってか、または
脱水剤、例えばモレキュラーシーブでの処理によってか、
または膜分離法、例えば透析蒸発によって脱水されてもよい
従って、アミン中に含有されている水は、触媒(例えば、テトラアルキルチタネート)の不可逆的な損傷のために反応器中に導入されうるので、脱水は、重要である。アミン中に含有されている水は、副生成物を形成するので、この水は、厳格に回避すべきである。前記の脱水工程によって、触媒の加水分解およびそれによって生じる費用は、高められた触媒の使用量および固体沈殿物との問題によって回避される。更に、生成物の純度は、副生成物の減少された含量によって上昇される。
【0022】
前記反応は、反応装置(1)中で80〜160℃の範囲内の温度で行なわれる。好ましいのは、110〜135℃の温度範囲である。反応速度を高めるために、反応の際に遊離されるメタノールは、蒸留塔(2)を経てMMAとの共沸物としての反応混合物から取り出される。大部分が生成物のアルキル(メタ)アクリレートアミド、未反応のMMAおよびアミンならびに微少量のメタノール、触媒、重合抑制性および極めて微少含量の副生成物からなる反応混合物は、約0.5〜3時間の反応器滞留時間(好ましくは、0.75〜1.5時間の滞留時間)後に連続的に運転される落下型フィルム蒸発器(5)に供給される。落下型フィルム蒸発器(5)の処理液は、低沸点物の蒸留塔(3)に供給される。前記の蒸留塔では、有利に10〜500ミリバールの減圧下で生成物のエステルに対して低沸点物の成分、主にメタノール、MMAおよび未反応のオレフィン反応のエダクトのアミンが分離される。
【0023】
前記の低沸点物の成分、主にメタノール、MMAおよび未反応のオレフィン反応のエダクトのアミンは、蒸留塔の塔頂部を介して取り出され、反応器範囲内または共沸塔(2)中に返送される(14)。全処理に対して、実際に完全な変換がエダクトのMMAおよびアミンに関連して存在することは、前記の循環流によって保証される。
【0024】
落下型フィルム蒸発器(5)の運転中に生じる、触媒、重合抑制剤および高沸点副生成物でなお汚染された粗製アミド(15)は、有利に生成物エステル93質量%超を含有し、後処理のために、20〜200ミリバールの好ましい圧力範囲内で運転される他の真空蒸留段階に供給される。この場合には、塔頂生成物としての高度に純粋な生成物アミンの蒸留による分離が行なわれる。
【0025】
処理中に形成される副生成物は、エダクトアミンおよびメチルメタクリレートに関連して高沸点生成物であり、それによって生成物エステル中の不純物として得られ、それによって製品品質は、明らかに低下される。この問題は、生成物アミンと触媒および重合抑制剤ならびに高沸点副生成物との分離のために穏和なフィルム蒸発器(5)を備えた装置を使用することによって解決されうる。このために適した装置としては、落下型フィルム蒸発器、フィルム蒸発器および短路蒸発器が公知である。
【0026】
アルキルアミノ(メタ)アクリルアミドの製造には、場合によってはなお再蒸留装置が接続されていてよく、この再蒸留装置は、減圧下、例えば500〜50ミリバールで運転されてもよい。
【0027】
本発明を次の実施例によって詳説するが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0028】
実施例:アミノエステルへの連続的に記載されるアミノ分解
N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(アミノエステル)の連続的に記載される製造のために、第1の反応釜に共沸蒸留塔のイソプロピルチタネート3.8質量%、ジオクチル酸化錫3.0質量%の含量を有するMMA/触媒原料235kg/hおよびN−ジメチルアミノプロピルアミン244kg/h(DMAPA)を供給する。更に、第1の反応釜に共沸塔を介して低沸点物の蒸留塔の塔頂部からの循環返送流を連続的に流入させる(MMA78.9質量%、メタノール2.12質量%、DMAPA10.1質量%および副生成物8.88質量%の組成を有する195kg/h)。反応器流入量中のMMA:DMAPAモル比は、1.23:1であった。更に、共沸塔中でメタノールが遊離された、攪拌釜の処理液は、共沸塔の塔底部を介して第1の反応釜に供給される。前記反応条件下で反応釜中で107℃の反応温度が生じる。共沸塔の留出物の取り出し量は、メタノール56.54質量%、MMA39.12質量%、イソプロパノール4.02質量%および副生成物0.5質量%を有する117kg/hであった。
【0029】
第1の反応釜の排出量は、第2の反応釜中に供給され、第2の反応釜の排出量は、第3の反応釜中に供給される。第1の反応釜中で約15分間、第2の反応釜中で約30分間および第3の反応釜中で約60分間の滞留時間の場合に、次の組成物を反応器中で得ることができた。
【0030】
【表2】

【0031】
個々の反応釜の処理液は、連続的に共沸塔に供給された。
【0032】
第3の反応釜の排出流は、低沸点物塔のフィルム蒸発器に供給され、この低沸点物塔中で未反応のDMAPA、MMAおよびメタノールは、留出液(195kg/h)として取り出され、循環流として第1の反応釜に再び供給された。低沸点物塔のフィルム蒸発器の塔底部への流入量は、426kg/hであり、次の組成を有していた:生成物アミノエステル93%、DMAPA0.5%、MMA0.2%、MMA−アミン付加物2.15質量%および他の副生成物4.25質量%。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明による方法を実施するための装置の1実施態様を示す系統図。
【符号の説明】
【0034】
1 反応装置、 2 共沸蒸留塔、 3 低沸点物の蒸留塔、 5.フィルム蒸発器、 11 メチル(メタ)アクリレート原料および触媒原料、 12 アミン原料、 13 メタノール/メチル(メタ)アクリレート共沸物、 14 低沸点物の循環流、 15 粗製生成物


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(C)
【化1】

〔式中、Rは、H−基またはCH基を表わし、Rは、2〜12個のC原子を有する直鎖状、分枝鎖状または環状のアルキル基またはアリール基を表わす〕で示されるアルキルアミノ(メタ)アクリルアミドを、式(B)
NH (B)
〔式中、Rは、上記の意味を有する〕で示される化合物とメチル(メタ)アクリレート(A)
【化2】

〔この場合、Rは、H−基またはCH基を表わし、Rは、メチルまたはエチルを表わすことができる〕とをエステル交換触媒の存在下および少なくとも1つの重合抑制剤の存在下で連続的に反応させるための装置中で反応させることによって、連続的運転で製造する方法において、
前記反応体を適当な反応装置(1)に連続的に供給し、反応の際に生成されるアルコールを共沸メタノール/メチル(メタ)アクリレート混合物(13)として連続的に蒸留塔(2)を用いて取出し、さらに
この反応混合物を連続的に反応装置から蒸留塔(3)または蒸発器(5)中に導入し、その際、減圧下での蒸留によって塔頂部を介して、易揮発性の成分(A、B、メタノール)および極めて微少含量の生成物アミン(C)を取出し、反応装置中に返送し、前記塔の塔底部から生成物アミン(C)を触媒および重合抑制剤ならびに高沸点副生成物と一緒に取り出し;
塔底流(15)を蒸留塔(3)から再蒸留に連続的に供給することを特徴とする、式(C)のアルキルアミノ(メタ)アクリルアミドを連続的運転で製造する方法。
【請求項2】
蒸発器(5)の処理液流を他の蒸留塔に連続的に供給し、その際に減圧下での蒸留によって塔頂部を介して高純度な生成物アミン(C)を導出し、塔底部を介して触媒および重合抑制剤ならびに少量分の生成物アミン(C)を有する高沸点副生成物を取り出す、請求項1記載の方法。
【請求項3】
アミン(B)を脱水のために蒸留塔(2)を介して反応装置に供給する、請求項1記載の方法。
【請求項4】
反応器への流入量中のメチル(メタ)アクリレートとアミンとのモル比は、1〜2、有利に1.05〜1.15である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
エステル交換触媒としてテトラアルキルチタネートを使用する、請求項1記載の方法。
【請求項6】
触媒を使用されたMMAに対して0.1〜10質量%の量で使用する、請求項1記載の方法。
【請求項7】
触媒を使用されたMMAに対して0.2〜7質量%の量で使用する、請求項7記載の方法。
【請求項8】
触媒混合物として1:1(質量%)の比のジオクチル錫オキシドとイソプロピルチタネートとからなる混合物を使用する、請求項1記載の方法。
【請求項9】
触媒混合物を使用されたMMAに対して0.1〜10質量%の量で使用する、請求項8記載の方法。
【請求項10】
触媒を使用されたMMAに対して0.2〜7質量%の量で使用する、請求項7記載の方法。
【請求項11】
重合抑制剤としてフェノチアジン、第三ブチルカテコール、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ヒドロキノンまたはこれらの混合物を使用し、この場合このよく剤剤の量は、反応混合物に対して100〜5000ppmである、請求項1記載の方法。
【請求項12】
重合抑制剤として付加的になお酸素を使用する、請求項1記載の方法。
【請求項13】
アミンとして有利にジメチルアミノプロピルアミンを使用する、請求項1記載の方法。
【請求項14】
圧力が第1の蒸留塔(3)中で20〜500ミリバールである、請求項1記載の方法。
【請求項15】
反応装置中での滞留時間が0.5〜1.5時間である、請求項1記載の方法。
【請求項16】
蒸発器(5)がフィルム蒸発器である、請求項1記載の方法。

【公表番号】特表2007−533626(P2007−533626A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−529683(P2006−529683)
【出願日】平成16年4月13日(2004.4.13)
【国際出願番号】PCT/EP2004/003862
【国際公開番号】WO2004/103952
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(390009128)レーム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング  (293)
【氏名又は名称原語表記】Roehm GmbH 
【住所又は居所原語表記】Kirschenallee,D−64293 Darmstadt,Germany
【Fターム(参考)】