説明

アルキルイミダゾリドン(メタ)アクリレートをベースにした組成物

【課題】【解決手段】特定の(メタ)アクリルモノマー、特に重質(メタ)アクリルエステル中のアルキルイミダゾリドン(メタ)アクリレートの溶液と、水中または軽質(メタ)アクリルエステル中のアルキルイミダゾリドン(メタ)アクリレート溶液からのその製造方法。本発明で得られた溶液はUV照射重合または電子線重合するペイントまたはワニスの用途で特に有利に使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は特定の(メタ)アクリルモノマーに関するものであり、特に、アルキルイミダゾリドン(メタ)アクリレートの(メタ)アクリルエステル溶液と、その製造方法および使用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記の式(I):

【0003】
(ここで、R1は水素原子またはメチル基であり、AとBは互いに独立して2〜5個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキレン基を表す)
のアルキルイミダゾリドンのアクリレートまたはメタクリレート(以下、(メタ)アクリレートという)の製造方法は例えば下記特許文献1〜5に記載されている。
【特許文献1】欧州特許第EP 1 293 502号公報
【特許文献2】欧州特許第EP 433 135号公報
【特許文献3】欧州特許第EP 712 846号公報
【特許文献4】欧州特許第EP 650 962号公報
【特許文献5】欧州特許第EP 619 309号公報
【0004】
これらの方法は、触媒の存在下で、式(II)の少なくとも一種のアルキル(メタ)アクリレート:

【0005】
(ここで、R1は上記の意味を有し、R2は1〜4つの炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基を表す)
を式(III)の複素環式アルコール:

【0006】
(ここで、AとBは上記の意味を有する)
と反応させるエステル転移反応である。
【0007】
複素環式アルコール(III)に対して(メタ)アクリレート(II)を大過剰に用いると反応終了時に(メタ)アクリレート(II)中に式(I)のアルキルイミダゾリドン(メタ)アクリレートを含む溶液を含む組成物が得られる。
従って、一般に販売されているアルキルイミダゾリドン(メタ)アクリレートは(メタ)アクリレート(II)の溶液である。特に、メタクリル酸メチルエステル(MMA)から製造したイミダゾリル−2−one−1−エチルメタクリレート(IOEM)はメタクリル酸メチル(MMA)の溶液として販売されている。
【0008】
エステル転移反応方法で作ったアルキルイミダゾリドンメチルメタクリレートと(メタ)アクリレートとを含む組成物中でメチルメタクリレートを水と置換することは公知である。
下記特許文献6には40〜60℃/60〜760mmHgの温度/圧力条件下で減圧蒸留することで実質的に全てのメタクリル酸メチルを除去し、その後に水を加える方法が記載されている。
【特許文献6】欧州特許第EP 1 241 163号公報
【0009】
最終的に得られる組成物は50重量%以上の水を含んでいる。
下記特許文献7には、アルキルイミダゾリドンメチルメタクリレートと(メタ)アクリレートとを含む混合物に少量の水を加え、水を連続的に導入して蒸留で水との共沸混合物の形でメタクリル酸メチルを除去する方法が記載されている。
【特許文献7】欧州特許第EP 902017号公報
【0010】
得られる最終組成物は約48重量%の水を含んでいる。
【0011】
アルキルイミダゾリドン(メタ)アクリレートは紙および織物の分野、で被覆剤および接着剤として使用可能なポリマーの成分、皮処理薬剤、エマルションペイントの製造材料として使用される。
しかし、水中または軽質(メタ)アクリレート、例えばメタクリル酸メチル中にアルキルイミダゾリドン(メタ)アクリレートを含む溶液は使用時に問題がある。特に、水は蒸着が遅いという問題があり、メタクリル酸メチルは蒸気圧が低いため、最終用途で揮発性有機化合物(VOC)が発生するという欠点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明者は、水のまたは軽質の(メタ)アクリレート中でアルキルイミダゾリドン(メタ)アクリレートを形成する際に、水または軽質(メタ)アクリレートを照射下に容易に重合する重質の(メタ)アクリレートに代えることで多くの利点が得られるということを見い出した。
この重質の(メタ)アクリレートは反応溶剤の役目をし、照射下または電子線下で重合できる。こうして得られた組成物は特殊な特性を有し、アルキルイミダゾリドン(メタ)アクリレートの用途を紫外線下または電子線下に重合可能な処方、特にペイントの分野にまで拡大することができる。また、揮発性有機化合物(VOC)の問題は回避することができる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の対象は、下記の式(IV)の(メタ)アクリレート中に下記の式(I)のアルキルイミダゾリドン(メタ)アクリレートを含む組成物にある。
式(I)

【0014】
(ここで、R1は水素原子またはメチル基であり、AとBは互いに独立して2〜5つの炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキレン基を表す)
式(IV)

【0015】
(ここで、R1は水素原子またはメチル基であり、R'は9〜40の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基または2〜40の炭素原子を有する環式脂肪族基、アルケニル、アリール、アルキルアリールまたはアリールアルキル基を表し、これらの基は置換されていてもよく、また、異種原子を含んでいてもよい)
この組成物は重合禁止剤をさらに含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明組成物は式(I)のアルキルイミダゾリドン(メタ)アクリレートを20〜80重量%含み、ウレイド官能基を有するモノマー状の副生成物を30〜60重量%、特に45〜55重量%含むのが好ましい。ウレイド官能基を有するモノマー状副生成物はエステル転移反応によって式(I)のアルキルイミダゾリドン(メタ)アクリレートの製造する際に固有な副生成物である。これは、イミダゾリドン環の第二級アミン官能基がアルキルイミダゾリドン(メタ)アクリレート(I)の他の分子またはアルキル(メタ)アクリレート(II)の分子上にミカエル型付加(l'addition de Michael)して生じる。一般に、この副生成物はアルキルイミダゾリドン(メタ)アクリレートに対して5〜25重量%、特に、10〜20重量%の含有量で存在する。
【0017】
本発明はさらに、水または下記の式(II):

【0018】
(ここで、R1は水素原子またはメチルであり、R2は1〜4つの炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基である)
の(メタ)アクリレートの溶液中の式(I)のアルキルイミダゾリドン(メタ)アクリレートから出発する、下記の式(I):

【0019】
(ここで、R1は水素原子またはメチル基であり、AとBは互いに独立して2〜5つの炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキレン基を表す)
のアルキルイミダゾリドン(メタ)アクリレートを、下記の式(IV):

【0020】
(ここで、R1は水素原子またはメチル基であり、R'は9〜40の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基または2〜40の炭素原子を有する環式脂肪族基、アルケニル、アリール、アルキルアリールまたはアリールアルキル基を表し、これらの基は置換されていてもよく、また、異種原子を含んでいてもよい)
の(メタ)アクリレート中に含む溶液の製造方法にも関するものである。
【0021】
本発明はさらに、上記組成物の、紙および織物材料の処理における被覆剤および接着剤として使用されるポリマーの製造での使用、皮処理剤としての使用、加熱、紫外線または可視光線下または電子線下で重合可能なペイントまたはワニスの製造での使用にある。
本発明の上記以外の特徴および効果は以下の詳細な説明からより良く理解できよう。
【0022】
式(I)の化合物の例としては基Aが2つの炭素原子を有するアルキレン基であるもの、特に、1−イミダゾリディル−2−one−エチルメタクリレート(methacrylate d'ethyl-1-imidazolidyl-2-one)(IOEM)を挙げることができる。
式(IV)のR’基の例としてはラウリル基、ステアリル基、ドデシル基、ベヘニル基、イソボルニル基、フェニル基、ナフチル基またはアルキル基が1〜10の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキル基を有するナフチルオキシアルキル基を挙げることができる。
式(IV)のアクリレートはイソボルニル・アクリレートのであるのが好ましい。
【0023】
本発明の好ましい組成物は45〜55重量%のIOEMと、ウレイド官能基を有するモノマー状副生成物と、45〜55重量%のイソボルニル(メタ)アクリレートとを含む。IOEMの含有量は35重量%以上であるのが好ましい。
【0024】
本発明の組成物は一種以上の重合禁止剤、例えばフェノチアジン、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ジ(tert-ブチル)−パラ−クレゾール、パラ−フェニレン−ジアミン、TEMPO(2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ)およびジ(tert-ブチル)カテコールまたはTEMPO誘導体を含むことができる。重合禁止剤の含有量は最終混合液に対して100〜2000ppm、好ましくは200〜600ppmである。
【0025】
(メタ)アクリレート(IV)中の式(I)のアルキルイミダゾリドン(メタ)アクリレート溶液は、水中または式(II):

【0026】
(ここで、R1は水素原子またはメチルであり、R2は1〜4つの炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基である)
の(メタ)アクリレート中の式(I)のアルキルイミダゾリドン(メタ)アクリレートの溶液から出発して製造できる。
【0027】
この反応の基本は水または式(II)の(メタ)アクリレートを式(IV)の(メタ)アクリレートで交換することにある。
(メタ)アクリレート(II)はメチル(メタ)アクリレートまたはエチル(メタ)アクリレートのような軽質の(メタ)アクリレートであるのが好ましい。
【0028】
出発溶液中のアルキルイミダゾリドン(メタ)アクリレートとウレイド官能基を有するモノマー状副生成物の含有量は特に限定されないが、一般に20〜80重量%、好ましくは40〜60重量%、特に45〜55重量%である。出発溶液は一種以上の重合禁止剤で安定化できる。重合禁止剤としてはフェノチアジン、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ジ(tert-ブチル)−パラ−クレゾール、パラ−フェニレンジアミン、TEMPO(2,2,6,6- テトラメチル-1- ピペリジニルオキシ)およびジ(tert-ブチル)カテコールまたはTEMPO誘導体を挙げることができる。
【0029】
水中または式(II)の軽質((メタ)アクリレート中の式(I)のアルキルイミダゾリドン(メタ)アクリレートの上記出発溶液は当業者に公知の任意の方法、例えば上記方法で作るか、商業的に入手することが可能である。
【0030】
本発明方法は種々の方法で実施できる。
第1の実施例では最初に(メタ)アクリレート(II)中のアルキル-イミダゾリドン(メタ)アクリレートの溶液と、置換用の(メタ)アクリレート(IV)とを反応装置に入れ、減圧蒸留によって軽質(メタ)アクリレートを除去する。圧力は蒸留中に混合液の温度が50〜80℃を超えないように調節する。操作は撹拌反応器で行うか、回転蒸発器または薄膜蒸発器を用いて行う。
【0031】
第2の実施例では、(メタ)アクリレート(II)中のアルキルイミダゾリドン(メタ)アクリレートの溶液を反応装置に入れ、(メタ)アクリレート(II)の一部を蒸留させる。一般にはこの段階でアルキルイミダゾリドン(メタ)アクリレート溶液中に存在する、(メタ)アクリレート(II)の20〜70%、好ましくは40〜60%を蒸留するのが好ましい。その後に置換用(メタ)アクリレート(IV)を連続的に加え、(メタ)アクリレート(II)の蒸留を継続する。
水中のアルキルイミダゾリドン(メタ)アクリレート溶液も上記と同様に実行することができる。
【0032】
両方の実施例は空気をバブリングしながら行い、必要に応じて不活性化(8〜9%のO2)にする。O2を8〜9%含む貧空気を用いて行う軽質化合物の浄化のための最終ストリッピングで混合液中の(メタ)アクリレート(II)を完全に除去することができる。溶液に残る(メタ)アクリレート(II)の残留含有量は一般に5%以下であり、好ましくは1%以下である。
【0033】
本発明組成物および本発明方法で得られる溶液には用途の観点、特にペイントの分野で多くの利点がある。すなわち、反応溶剤の役目をする(メタ)アクリレート(IV)が存在するため、ラジカル開始剤が存在すれば加熱によって重合でき、光重合開始剤が存在すれば紫外線または可視光線に重合させることができ、電子線下で重合させることもできる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0034】
以下の実施例では下記略号を用いた:
HEIO: 1-(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリディル-2-one
IOEM: イミダゾリディル-2-one-1-エチルメタクリレート
ノルソクリル(Norsocryl、登録商標)104: メタクリル酸メチル中に50重量%のイミダゾリディル-2-one-1-エチルメタクリレートと、ウレイドタイプのモノマー不純物とを含む溶液
MMA: メタクリル酸メチル
HQME: ヒドロキノンジメチルエーテル
PTZ: フェノチアジン
ISOBORA: イソボルニルアクリレート
ISOBORMA: イソボルニルメタクリレート
百分比は重量百分率を表す。
【0035】
実施例1
1000gのノルソクリル(Norsocryl、登録商標)104と、480gのISOBORAとを回転乾燥機を有する装置に入れ、作動圧を調節(60mmHgから最後は15mmHgへ)し、装置の底の混合液の温度を50℃にしてMMAを蒸留除去する。
MMAを蒸留除去し、冷却後に42%のIOEMと、3%のMMAと、49%のISOBORAと、2%のHEIOと、4%の不純物とを含む明るい均一溶液が回収された。
【0036】
実施例2
20リットル容のQuickfit M200型の大容積の回転蒸発器を使用した。回転数は毎分12−95である。39.6%のIOEMと、1.0%のHEIOと、52.3%のMMAと、0.017%のHQMEと、0.046%のPTZとを含むノルソクリル(Norsocryl、登録商標)104の8.0kgを導入した。蒸発器の温度を40〜56℃に維持し、作動圧は23〜34mbar(絶対圧)に調節した。3時間45分かけて4.02kgのMMAを蒸留除去した。
次に、4.0kgのISOBORAを15分かけて入れた。20分間撹拌した後、混合液を30℃に冷却し、大気圧に戻し、回収した。試験中、混合液中への空気のバブリングを維持した。
最終的に得られた7.83kgの混合液の重量組成は下記の通り:
IOEM: 37.5%
ISOBORA: 54.1%
MMA: 1.0%
その他: 7.2%
HQME: 0.023%
PTZ: 0.043%
【0037】
実施例3
実施例1を繰り返したが、ISOBORAをISOBORMAに代えた。得られた混合液は下記の組成を有する:
IOEM: 38.0%
ISOBORMA: 54.0%
MMA: 0.5%
その他: 7.5%
HQME: 0.022%
PTZ: 0.044%
【0038】
実施例4
この実施例では上部に蒸留塔を備えた油循環で加熱されるエンベロップを有する撹拌反応器中で混合液を調製した。
39.6%のIOEMと、1.0%のHEIOと、52.3%のMMAと、0.017%のHQMEと、0.046%のPTZとを含むノルソクリル(Norsocryl、登録商標)104の387gを仕込んだ。運転中、反応装置への空気のバブリングを維持し、反応媒体の温度を70〜75℃に維持した。そのために作動圧を300mmHgから50mmHgまでしだいに下げた。MMAは蒸留で除去した。184mlのMMAが蒸留除去された後に、186gのISOBORAの添加を1時間以上かけて連続的に行った。全てのISOBORAを導入したときに空気のバブリングを強くして、残ったMMAの痕跡を除去した。ストリッピングは15mmHg以下の圧力で実行した。最終的に得られた生成物は0.5重量%の残留MMAを含む明るい黄色の均一液体であった。
【0039】
実施例5
エンベロップで加熱した撹拌反応器に600kgのノルソクリル(Norsocryl、登録商標)104を入れ、反応装置の温度を約38℃(カラム頂部の圧力:50mmHg)にして、ノルソクリル(Norsocryl、登録商標)104中のMMAの一部を蒸留した。蒸留除去したMMAの量が150kgに達した時に反応装置に150kgのISOBORAを入れた。
反応装置の頂部の温度を50℃を超えないように操作圧を30mmHgまでしだいに下げて、MMAの蒸留を続けた。反応装置の温度が50℃に達したときに100kgのISOBORAを一度に導入した。この段階に蒸留除去されたMMAの量は103kgである。頂部の圧力を20mmHgまで次第に下げて、MMAの蒸留除去を続けた。反応装置の温度が70℃に達したときまでに蒸留除去された追加のMMAは38.5kgである。ここで、41.9kgのISOBORAを反応装置に入れた。ストリッピングを行って残ったMMAを除去した。全操作中、蒸留カラムはISOBORA中のHQME溶液によって安定化し、7容積%の酸素から成る貧空気で反応装置をバブリングした。
最終的に得られた混合液は下記組成を有する:
IOEM: 40%
ISOBORA: 50.0%
MMA: 0.7%
その他: 9.3%
HQME: 0.015%
PTZ: 0.035%

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の式(I)のアルキルイミダゾリドン(メタ)アクリレートを式(IV)の(メタ)アクリレート中に溶液として含み、さらに重合禁止剤を含むことを特徴とする組成物:
式(I)

(ここで、R1は水素原子またはメチル基であり、AとBは互いに独立して2〜5つの炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキレン基を表す)
式(IV)

(ここで、R1は水素原子またはメチル基であり、R'は9〜40の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基または2〜40の炭素原子を有する環式脂肪族基、アルケニル、アリール、アルキルアリールまたはアリールアルキル基を表し、これらの基は置換されていてもよく、また、異種原子を含んでいてもよい)
【請求項2】
式(I)のアルキルイミダゾリドン(メタ)アクリレートと、ウレイド官能基を含むモノマー状副生成物を20〜80重量%、好ましくは30〜60重量%含む請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
式(I)の化合物が1−イミダゾリディル−2−one−エチルメタクリレートである請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
式(IV)のR’がラウリル、ステアリル、ドデシル、ベヘニル、イソボルニル、フェニル、ナフチルまたは1〜10の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキル基を有するナフチルオキシアルキルである請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
式(IV)の(メタ)アクリレートがイソボルニルアクリレートである請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
重合禁止剤がフェノチアジン、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ジ(tert-ブチル)−パラ−クレゾール、パラ−フェニレンジアミン、TEMPO(2,2,6,6-テトラメチル−1-ピペリジニルオキシ)およびジ(tert-ブチル)カテコールまたはTEMPO誘導体である請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
重合禁止剤の含有量が最終混合物に対して100〜2000ppm、好ましくは200〜600ppmである請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
下記の式(IV)の(メタ)アクリレート:

(ここで、R1は水素原子またはメチル基であり、R’は9〜40の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基または2〜40の炭素原子を有する環式脂肪族基、アルケニル、アリール、アルキルアリールまたはアリールアルキル基であり、これらの基は置換されていてもよく、異種原子を含んでいてもよい)
中に下記の式(I)のアルキルイミダゾリドン(メタ)アクリレート:

(ここで、R1は水素原子またはメチル基であり、AとBは互いに独立して2〜5つの炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキレン基を表す)
を含む溶液の製造方法であって、
水または式(II)の(メタ)アクリレート:

(ここで、R1は水素原子またはメチルであり、R2は1〜4つの炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基である)の溶液中の式(I)のアルキルイミダゾリドン(メタ)アクリレートから出発することを特徴とする方法。
【請求項9】
アルキルイミダゾリドン(メタ)アクリレートが1−イミダゾリディル−2−one−エチルメタクリレートである請求項8に記載の方法。
【請求項10】
(メタ)アクリレート(IV)がイソボルニルアクリレートである請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物または請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法を用いて得られる溶液の、コーテング剤および接着剤として使用可能なポリマーの製造、紙および織物材料の処理、皮革の処理、加熱または紫外線または可視光線または電子線で重合するペイントまたはワニスの製造での使用。
【請求項12】
45〜55重量%のイミダゾリディル−2−one−1−エチルメタクリレートおよびウレイド官能基を有するモノマー状副生成物と、55〜45重量%のイソボルニル(メタ)アクリレートとを含む組成物。

【公表番号】特表2009−523881(P2009−523881A)
【公表日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−550808(P2008−550808)
【出願日】平成19年1月3日(2007.1.3)
【国際出願番号】PCT/FR2007/050603
【国際公開番号】WO2007/083045
【国際公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(505005522)アルケマ フランス (335)
【Fターム(参考)】