説明

アルコール検査装置、アルコール検査方法及びプログラム

【課題】アルコール検査において、確実に本人が検査を実施したという証拠を残すことができるアルコール検査装置、アルコール検査方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】被験者により吹き込まれた息からアルコール濃度を測定するアルコール検査部と、アルコール検査部の測定結果に基づいて、被験者が飲酒状態か否かを判定する飲酒判定部と、アルコール検査部に息が吹き込まれた際に、被験者の顔画像を撮影するカメラ部と、カメラ部にて撮影された顔画像と、事前に撮影された被験者本人の顔画像とを比較して、被験者が本人であるか否かを判定する本人認証を行う顔認証本人判定部と、顔認証本人判定部による本人認証の結果と、飲酒判定部による飲酒判定の結果とを合わせて編集する結果制御部と、結果制御部にて編集された結果を表示する結果表示部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルコール検査装置、アルコール検査方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、公共のバスや電車などの運転者が飲酒運転を行い、大きな事故などを起こすケースが増えてきた。その対策として、各事業所等にアルコール検査器システムを設置し、このシステムを用いて、始業前飲酒点検を行っている。
【0003】
このアルコール検査器システムは、飲酒が許されない業務に携わる者の飲酒を検査するために利用されるものである。このようなシステムの従来技術例として、「アルコール検知システム」が特許文献1に開示されている。この特許文献1に記載されたアルコール検知システムは、運転免許証を読み込んで本人の認証とし、アルコール検査の結果をその本人のものとしている。
【特許文献1】特開2005−157599号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1を始めとする従来技術のアルコール検査器システムには、以下のような問題点があった。
第一の問題点は、アルコール検査を免れるために別人が検査を受け、当該運転士は適切なアルコール検査を受けないまま予定の乗務に就くというように、他人による成りすましやごまかしができることである。これは、運転免許証を本人の認証としていることにより、アルコール検査を他人に依頼することできるためである。
第二の問題点は、アルコール検査を実施したという証拠が残らない点である。これは、検査を実施したときのデータとともに、確実に本人が検査を実施したときの画像が残っていないためである。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、アルコール検査において、確実に本人が検査を実施したという証拠を残すことができるアルコール検査装置、アルコール検査方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するために、請求項1記載の発明は、被験者により吹き込まれた息からアルコール濃度を測定するアルコール検査部と、アルコール検査部の測定結果に基づいて、被験者が飲酒状態か否かを判定する飲酒判定部と、アルコール検査部に息が吹き込まれた際に、被験者の顔画像を撮影するカメラ部と、カメラ部にて撮影された顔画像と、事前に撮影された被験者本人の顔画像とを比較して、被験者が本人であるか否かを判定する本人認証を行う顔認証本人判定部と、顔認証本人判定部による本人認証の結果と、飲酒判定部による飲酒判定の結果とを合わせて編集する結果制御部と、結果制御部にて編集された結果を表示する結果表示部と、を有することを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、事前に撮影された被験者本人の顔画像があらかじめ登録されている事前登録顔画像記憶部をさらに有することを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、事前に撮影された被験者本人の顔画像があらかじめ登録されている記憶媒体から顔画像を読み取る記憶媒体読取部をさらに有し、顔認証本人判定部は、カメラ部にて撮影された顔画像と、記憶媒体読取部にて読み取った顔画像とを比較して、被験者が本人であるか否かを判定する本人認証を行うことを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の発明において、事前に撮影された被験者本人の顔画像があらかじめ登録されている外部装置と通信可能なインターフェースをさらに有し、外部装置は、被験者の識別情報を受け取った場合に、識別情報に紐付けられてあらかじめ登録されている顔画像を顔認証本人判定部へ送信し、顔認証本人判定部は、カメラ部にて撮影された顔画像と、外部装置から受信した顔画像とを比較して、被験者が本人であるか否かを判定する本人認証を行うことを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、事前に撮影された被験者本人の顔画像があらかじめ登録され、顔画像と、外部より受信した顔画像とを比較して、被験者が本人であるか否かを判定する本人認証を行う外部装置と通信可能なアルコール検査装置であって、被験者により吹き込まれた息からアルコール濃度を測定するアルコール検査部と、アルコール検査部の測定結果に基づいて、被験者が飲酒状態か否かを判定する飲酒判定部と、アルコール検査部に息が吹き込まれた際に、被験者の顔画像を撮影し、撮影した顔画像を外部装置へ送信するカメラ部と、外部装置で行われた本人認証の結果を外部装置から受信し、本人認証の結果と、飲酒判定部による飲酒判定の結果とを合わせて編集する結果制御部と、結果制御部にて編集された結果を表示する結果表示部と、を有することを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載の発明において、結果制御部は、本人認証の結果が被験者本人であり、かつ、飲酒判定の結果が飲酒状態ではない場合、被験者が操作する対象である操作対象システムに対して、被験者の操作を許可する制御信号を出力し、本人認証の結果が被験者本人ではない、又は、飲酒判定の結果が飲酒状態である場合、操作対象システムに対して、被験者の操作を禁止する制御信号を出力することを特徴とする。
【0012】
請求項7記載の発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載の発明において、アルコール検査部に息が吹き込まれた日時と、本人認証の結果及び飲酒判定の結果とが対応付けられた履歴情報を保存する履歴保存部をさらに有することを特徴とする。
【0013】
請求項8記載の発明は、請求項1から7のいずれか1項に記載の発明において、結果制御部は、アルコール検査部に息が吹き込まれた日時と、本人認証の結果及び飲酒判定の結果とが対応付けられた履歴情報を外部へ送信することを特徴とする。
【0014】
請求項9記載の発明は、被験者により吹き込まれた息からアルコール濃度を測定するアルコール検査工程と、アルコール検査工程の測定結果に基づいて、被験者が飲酒状態か否かを判定する飲酒判定工程と、アルコール検査工程で息が吹き込まれた際に、被験者の顔画像を撮影する撮影工程と、撮影工程にて撮影された顔画像と、事前に撮影された被験者本人の顔画像とを比較して、被験者が本人であるか否かを判定する本人認証を行う顔認証本人判定工程と、顔認証本人判定工程による本人認証の結果と、飲酒判定工程による飲酒判定の結果とを合わせて編集する結果制御工程と、結果制御工程にて編集された結果を表示する結果表示工程と、を行うことを特徴とする。
【0015】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の発明において、事前に撮影された被験者本人の顔画像をあらかじめ登録する事前登録顔画像記憶工程を行うことを特徴とする。
【0016】
請求項11記載の発明は、請求項9又は10記載の発明において、事前に撮影された被験者本人の顔画像があらかじめ登録されている記憶媒体から顔画像を読み取る記憶媒体読取工程を行い、顔認証本人判定工程は、撮影工程にて撮影された顔画像と、記憶媒体読取工程にて読み取った顔画像とを比較して、被験者が本人であるか否かを判定する本人認証を行うことを特徴とする。
【0017】
請求項12記載の発明は、請求項9から11のいずれか1項に記載の発明において、事前に撮影された被験者本人の顔画像があらかじめ登録されている外部装置と通信を行い、外部装置が被験者の識別情報を受け取った場合に、外部装置により、識別情報に紐付けられてあらかじめ登録されている顔画像がアルコール検査装置へ送信された場合、顔認証本人判定工程は、撮影工程にて撮影された顔画像と、外部装置から受信した顔画像とを比較して、被験者が本人であるか否かを判定する本人認証を行うことを特徴とする。
【0018】
請求項13記載の発明は、事前に撮影された被験者本人の顔画像があらかじめ登録され、顔画像と、撮影工程で送信された顔画像とを比較して、被験者が本人であるか否かを判定する本人認証を行う外部装置と通信を行うアルコール検査方法であって、被験者により吹き込まれた息からアルコール濃度を測定するアルコール検査工程と、アルコール検査工程の測定結果に基づいて、被験者が飲酒状態か否かを判定する飲酒判定工程と、アルコール検査工程で息が吹き込まれた際に、被験者の顔画像を撮影し、撮影した顔画像を外部装置へ送信する撮影工程と、外部装置で行われた本人認証の結果を外部装置から受信し、本人認証の結果と、飲酒判定工程による飲酒判定の結果とを合わせて編集する結果制御工程と、結果制御工程にて編集された結果を表示する結果表示工程と、を有することを特徴とする。
【0019】
請求項14記載の発明は、請求項9から13のいずれか1項に記載の発明において、結果制御工程は、本人認証の結果が被験者本人であり、かつ、飲酒判定の結果が飲酒状態ではない場合、被験者が操作する対象である操作対象システムに対して、被験者の操作を許可する制御信号を出力し、本人認証の結果が被験者本人ではない、又は、飲酒判定の結果が飲酒状態である場合、操作対象システムに対して、被験者の操作を禁止する制御信号を出力することを特徴とする。
【0020】
請求項15記載の発明は、請求項9から14のいずれか1項に記載の発明において、アルコール検査工程で息が吹き込まれた日時と、本人認証の結果及び飲酒判定の結果とが対応付けられた履歴情報を保存する履歴保存工程をさらに有することを特徴とする。
【0021】
請求項16記載の発明は、請求項9から15のいずれか1項に記載の発明において、結果制御工程は、アルコール検査工程で息が吹き込まれた日時と、本人認証の結果及び飲酒判定の結果とが対応付けられた履歴情報を外部へ送信することを特徴とする。
【0022】
請求項17記載の発明は、被験者により吹き込まれた息からアルコール濃度を測定するアルコール検査処理と、アルコール検査処理の測定結果に基づいて、被験者が飲酒状態か否かを判定する飲酒判定処理と、アルコール検査処理で息が吹き込まれた際に、被験者の顔画像を撮影する撮影処理と、撮影処理にて撮影された顔画像と、事前に撮影された被験者本人の顔画像とを比較して、被験者が本人であるか否かを判定する本人認証を行う顔認証本人判定処理と、顔認証本人判定処理による本人認証の結果と、飲酒判定処理による飲酒判定の結果とを合わせて編集する結果制御処理と、結果制御処理にて編集された結果を表示する結果表示処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0023】
請求項18記載の発明は、請求項17記載の発明において、事前に撮影された被験者本人の顔画像をあらかじめ登録する事前登録顔画像記憶処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0024】
請求項19記載の発明は、請求項17又は18記載の発明において、事前に撮影された被験者本人の顔画像があらかじめ登録されている記憶媒体から顔画像を読み取る記憶媒体読取処理をコンピュータに実行させ、顔認証本人判定処理として、撮影処理にて撮影された顔画像と、記憶媒体読取処理にて読み取った顔画像とを比較して、被験者が本人であるか否かを判定する本人認証をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0025】
請求項20記載の発明は、請求項17から19のいずれか1項に記載の発明において、事前に撮影された被験者本人の顔画像があらかじめ登録されている外部装置との通信をコンピュータに実行させ、外部装置が被験者の識別情報を受け取った場合に、外部装置により、識別情報に紐付けられてあらかじめ登録されている顔画像がアルコール検査装置へ送信された場合、顔認証本人判定処理として、撮影処理にて撮影された顔画像と、外部装置から受信した顔画像とを比較して、被験者が本人であるか否かを判定する本人認証をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0026】
請求項21記載の発明は、事前に撮影された被験者本人の顔画像があらかじめ登録され、顔画像と、撮影処理で送信された顔画像とを比較して、被験者が本人であるか否かを判定する本人認証を行う外部装置との通信をコンピュータに実行させるプログラムであって、被験者により吹き込まれた息からアルコール濃度を測定するアルコール検査処理と、アルコール検査処理の測定結果に基づいて、被験者が飲酒状態か否かを判定する飲酒判定処理と、アルコール検査処理で息が吹き込まれた際に、被験者の顔画像を撮影し、撮影した顔画像を外部装置へ送信する撮影処理と、外部装置で行われた本人認証の結果を外部装置から受信し、本人認証の結果と、飲酒判定処理による飲酒判定の結果とを合わせて編集する結果制御処理と、結果制御処理にて編集された結果を表示する結果表示処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0027】
請求項22記載の発明は、請求項17から21のいずれか1項に記載の発明において、結果制御処理として、本人認証の結果が被験者本人であり、かつ、飲酒判定の結果が飲酒状態ではない場合、被験者が操作する対象である操作対象システムに対して、被験者の操作を許可する制御信号を出力させ、本人認証の結果が被験者本人ではない、又は、飲酒判定の結果が飲酒状態である場合、操作対象システムに対して、被験者の操作を禁止する制御信号を出力させることをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0028】
請求項23記載の発明は、請求項17から22のいずれか1項に記載の発明において、アルコール検査処理で息が吹き込まれた日時と、本人認証の結果及び飲酒判定の結果とが対応付けられた履歴情報を保存する履歴保存処理をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0029】
請求項24記載の発明は、請求項17から23のいずれか1項に記載の発明において、結果制御処理として、アルコール検査処理で息が吹き込まれた日時と、本人認証の結果及び飲酒判定の結果とが対応付けられた履歴情報を外部へ送信することをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、アルコール検査において、確実に本人が検査を実施したという証拠を残すことができるので、別人が身代わりとなって検査を行うといったなりすましやごまかしを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0032】
本発明は、アルコール検査機能と本人認証機能の両方を用いて、アルコール検査時に被験者の顔画像データを撮影し、その顔画像データを使って本人認証を実施し、本人認証結果とアルコール検査結果とを組み合わせることを特徴とする。これにより、アルコール検査結果が誰のものなのかを特定でき、アルコール検査結果が他人によるものではなく、本人により実施されたことを確実に証明することができので、他人によるなりすましを防止することができる。
【実施例1】
【0033】
本発明の実施例1であるアルコール検査装置の構成について、図1を参照して以下に説明する。
【0034】
図1に示すように、本実施例1のアルコール検査装置は、被験者により吹き込まれた息からアルコール濃度を測定するアルコール検査部101と、アルコール検査部101の検査データ(アルコール濃度を数値化したもの)を元に被験者が飲酒状態か否かを判定する飲酒判定部102と、アルコール検査部101にて検査中の被験者の顔画像を撮影するカメラ部104と、検査前に撮影された被験者本人の顔画像があらかじめ登録されている事前登録顔画像記憶部105と、カメラ部104にて撮影された顔画像と、事前登録顔画像記憶部105にあらかじめ登録されている顔画像とを比較して、被験者が本人であるか否かを判定する本人認証を行う顔認証本人判定部106と、本人認証の結果と飲酒判定の結果とを編集する結果制御部103と、結果制御部103にて編集された結果を表示する結果表示部(ディスプレイ)107と、を有して構成される。
【0035】
本発明の実施例1であるアルコール検査装置の動作(アルコール検査方法)について、図2及び図3を参照して以下に説明する。なお、以下に説明するアルコール検査装置の動作(アルコール検査方法)は、アルコール検査プログラムがアルコール検査装置に読み込まれ、アルコール検査装置の動作を制御することによって実行される。アルコール検査装置は、このアルコール検査プログラムの制御により以下の処理を実行する。これは、本実施例1に限らず、以下の実施例2〜6も同様である。
【0036】
本実施例1のアルコール検査装置を使用してアルコール検査を実施する場合、図3に示すように、被験者はまずアルコール検査部101に息を吹き込む(201)。
【0037】
カメラ部104は、アルコール検査部101に息が吹き込まれたことをトリガーとして、被験者の顔画像を撮影し、顔画像データとして取得する(202)。顔認証本人判定部106は、事前登録顔画像記憶部105にあらかじめ登録されている正規の利用者の顔画像と、カメラ部104で撮影された被験者の顔画像とを照合して、検査中の被験者が本人であるか否かを判定する本人認証を行う(203)。
【0038】
一方、図2において、上記202,203と並行して、204,205が行われる。すなわち、被験者によりアルコール検査部101に息が吹き込まれると(201)、アルコール検査部101は、その息を分析し、息の中に含まれているアルコール濃度を数値化し、飲酒判定部102へ送信する(204)。飲酒判定部102は、アルコール検査部101から送信されたアルコール濃度の数値を元に飲酒判定を行う(205)。
【0039】
そして、結果制御部103は、上記203における顔認証本人判定部106での本人認証の結果と、上記205における飲酒判定部102での飲酒判定の結果とを合わせた形式に編集し、結果表示部107に表示する(206)。
【0040】
以上説明したように、本実施例1によれば、以下の効果を奏する。
第一の効果は、アルコール検査で別人が代わって検査を行うといったなりすましやごまかしができなくなる。その理由は、アルコール検査と同時に撮影された顔画像を用いて本人認証を行うためである。
第二の効果は、本人がアルコール検査を実施したという証拠を残すことができる。その理由は、アルコール検査と同時に被検査者の顔画像データを採取することで、撮影された顔画像が証拠になるためである。
第三の効果は、不正実施の抑止効果となる。その理由は、アルコール検査と同時に被検査者の顔画像データを採取することで、不正を実施した際に証拠が残るためである。
【実施例2】
【0041】
次に、本発明の実施例2であるアルコール検査装置の構成について、図4を参照して以下に説明する。
【0042】
図4に示すように、本実施例2のアルコール検査装置は、被験者により吹き込まれた息からアルコール濃度を測定するアルコール検査部401と、アルコール検査部401の検査データ(アルコール濃度を数値化したもの)を元に被験者が飲酒状態か否かを判定する飲酒判定部402と、アルコール検査部401にて検査中の被験者の顔画像を撮影するカメラ部404と、検査前に撮影された被験者本人の顔画像があらかじめ登録されている事前登録顔画像記憶部405と、カメラ部404にて撮影された顔画像と、事前登録顔画像記憶部405にあらかじめ登録されている顔画像とを比較して、被験者が本人であるか否かを判定する本人認証を行う顔認証本人判定部406と、本人認証の結果と飲酒判定の結果とを編集するとともに、それら両結果を判断し、その判断に基づいて操作対象システム408の操作を制御する制御信号を出力する結果制御部403と、結果制御部403にて編集された結果を表示する結果表示部(ディスプレイ)407と、被験者が操作する対象である操作対象システム(自動車、列車、作業機械等)408と、を有して構成される。
【0043】
本発明の実施例2であるアルコール検査装置の動作(アルコール検査方法)について、図5及び図6を参照して以下に説明する。上記実施例1では、単に本人認証及び飲酒判定の結果を表示するだけだが、本実施例2では、顔認証本人判定部406と飲酒判定部402の結果を受け、結果制御部403での結果に従って、本人認証及び飲酒判定の結果の表示に加え、操作対象システム408に対して、操作を許可あるいは禁止する制御信号を出力する点において上記実施例1と異なる。
【0044】
本実施例2のアルコール検査装置を使用してアルコール検査を実施する場合、図6に示すように、被験者はまずアルコール検査部401に息を吹き込む(501)。
【0045】
カメラ部404は、アルコール検査部401に息が吹き込まれたことをトリガーとして、被験者の顔画像を撮影し、顔画像データとして取得する(502)。顔認証本人判定部406は、事前登録顔画像記憶部405にあらかじめ登録されている正規の利用者の顔画像と、カメラ部404で撮影された被験者の顔画像とを照合して、検査中の被験者が本人であるか否かを判定する本人認証を行う(503)。
【0046】
一方、図5において、上記502,503と並行して、504,505が行われる。すなわち、被験者によりアルコール検査部401に息が吹き込まれると(501)、アルコール検査部401は、その息を分析し、息の中に含まれているアルコール濃度を数値化し、飲酒判定部402へ送信する(504)。飲酒判定部402は、アルコール検査部401から送信されたアルコール濃度の数値を元に飲酒判定を行う(505)。
【0047】
そして、結果制御部403は、上記503における顔認証本人判定部406での本人認証の結果と、上記505における飲酒判定部402での飲酒判定の結果とを合わせた形式に編集し、結果表示部407に表示する(506)。
【0048】
また、結果制御部403は、本人認証及び飲酒判定の結果として、「被験者本人であり、かつ、飲酒状態ではない」という結果が出たかどうかを判断する(507)。「本人認証の結果が被験者本人であり、かつ、飲酒判定の結果が飲酒状態ではない」と判断した場合(507/YES)、結果制御部403は、操作対象システム408に対して、操作を許可する制御信号を出力する(509)。一方、「本人認証の結果が被験者本人ではない、または、飲酒判定の結果が飲酒状態(一定以上のアルコールが検出された状態)である」と判断した場合(507/NO)、結果制御部403は、操作対象システム408に対して、操作を禁止する制御信号を出力する(508)。
【0049】
以上説明したように、本実施例2によれば、自動車、電車、作業機械などの操作対象システムにおける操作の可否を制御する制御信号を発信する機能を備えることにより、飲酒判定及び本人認証の両方に問題がない場合は、操作対象システムの操作を可能とするように制御できる一方で、飲酒状態や他人によるなりすましを検出した場合は、操作対象システムの操作を禁止にするように制御できる。
【実施例3】
【0050】
次に、本発明の実施例3であるアルコール検査装置の構成について、図7を参照して以下に説明する。
【0051】
図7に示すように、本実施例3のアルコール検査装置は、被験者により吹き込まれた息からアルコール濃度を測定するアルコール検査部701と、アルコール検査部701の検査データ(アルコール濃度を数値化したもの)を元に被験者が飲酒状態か否かを判定する飲酒判定部702と、アルコール検査部701にて検査中の被験者の顔画像を撮影するカメラ部704と、本人認証の結果と飲酒判定の結果とを編集する結果制御部703と、結果制御部703にて編集された結果を表示する結果表示部(ディスプレイ)707と、を有して構成される。また、本実施例3のアルコール検査装置は、図示しない通信インターフェースを介して外部のデータベースサーバ(本実施例では、顔画像保管DB705)と通信可能である。
【0052】
本実施例3は、上記実施例1においてアルコール検査装置内に備えられた事前登録顔画像記憶部105の代わりに、アルコール検査装置外に備えられた、大容量のデータを保管可能なデータベースサーバ(外部装置)である顔画像保管DB705を用いる例である。この顔画像保管DB705は、事前登録顔画像記憶部105と同様に、検査前に撮影された被験者本人の顔画像があらかじめ登録される。また、この顔画像保管DB705は、図示しない通信インターフェースを介してアルコール検査装置との通信を行うことができ、カメラ部704にて撮影された顔画像をアルコール検査装置から受信し、その受信した顔画像と、顔画像保管DB705内にあらかじめ登録されている顔画像とを比較して、被験者が本人であるか否かを判定する本人認証を行う顔認証本人判定部706を有する。
【0053】
本発明の実施例3であるアルコール検査装置の動作(アルコール検査方法)について、図8及び図9を参照して以下に説明する。
【0054】
本実施例3のアルコール検査装置を使用してアルコール検査を実施する場合、図9に示すように、被験者はまずアルコール検査部701に息を吹き込む(801)。
【0055】
カメラ部704は、アルコール検査部701に息が吹き込まれたことをトリガーとして、被験者の顔画像を撮影し、顔画像データとして取得する(802)。カメラ部704は、図示しない通信インターフェースを介して、取得した顔画像データを顔画像保管DB705内の顔認証本人判定部706へ送信する(803)。
【0056】
顔認証本人判定部706は、顔画像保管DB705にあらかじめ登録されている正規の利用者の顔画像と、カメラ部704で撮影され、アルコール検査装置から受信した被験者の顔画像とを照合して、検査中の被験者が本人であるか否かを判定する本人認証を行う(804)。
【0057】
一方、図8において、上記802,803,804と並行して、805,806が行われる。すなわち、被験者によりアルコール検査部701に息が吹き込まれると(801)、アルコール検査部701は、その息を分析し、息の中に含まれているアルコール濃度を数値化し、飲酒判定部702へ送信する(805)。飲酒判定部702は、アルコール検査部701から送信されたアルコール濃度の数値を元に飲酒判定を行う(806)。
【0058】
そして、結果制御部703は、上記804における顔認証本人判定部706での本人認証の結果を受信し、その受信した本人認証の結果と、上記806における飲酒判定部702での飲酒判定の結果とを合わせた形式に編集し、結果表示部707に表示する(807)。
【0059】
以上説明したように、本実施例3によれば、アルコール検査装置側ではなく、データベースサーバ(顔画像保管DB)で本人認証を行うので、複数の被験者でアルコール検査装置を利用する場合において有効である。
【0060】
なお、本実施例3では、図7及び図9において、アルコール検査装置側には顔認証本人判定部を備えない構成としたが、上記実施例1の図1及び図3のように、アルコール検査装置内にも顔認証本人判定部を備えるようにしてもよい。この場合、顔画像保管DB705内の顔認証本人判定部706、あるいは、アルコール検査装置内に備えられた顔認証本人判定部のどちらを使用するかを任意に選択できるようにすることが好ましい。
【0061】
また、本実施例3では、図8に示すように、本人認証と飲酒判定の結果を表示するのみとしたが、上記実施例2の構成と組み合わせて、操作対象システムの操作制御も行えるようにしてもよい。
【実施例4】
【0062】
本発明の実施例4であるアルコール検査装置の構成について、図10を参照して以下に説明する。
【0063】
図10に示すように、本実施例4のアルコール検査装置は、被験者により吹き込まれた息からアルコール濃度を測定するアルコール検査部1001と、アルコール検査部1001の検査データ(アルコール濃度を数値化したもの)を元に被験者が飲酒状態か否かを判定する飲酒判定部1002と、アルコール検査部1001にて検査中の被験者の顔画像を撮影するカメラ部1004と、カメラ部1004にて撮影された顔画像と、事前登録顔画像記憶部1005にあらかじめ登録されている顔画像とを比較して、被験者が本人であるか否かを判定する本人認証を行う顔認証本人判定部1006と、本人認証の結果と飲酒判定の結果とを編集する結果制御部1003と、結果制御部1003にて編集された結果を表示する結果表示部(ディスプレイ)1007と、ICカード(記憶媒体)に格納されたデータを読み取るICカード読取部1008と、を有して構成される。
【0064】
本実施例4は、上記実施例1においてアルコール検査装置内に備えられた事前登録顔画像記憶部105の代わりに、図10に示すようにICカード読取部1008を備え、このICカード読取部1008により、事前に登録された顔画像を格納したICカードから顔画像データを読み取る例である。
【0065】
本発明の実施例4であるアルコール検査装置の動作(アルコール検査方法)について、図11及び図12を参照して以下に説明する。
【0066】
本実施例4のアルコール検査装置を使用してアルコール検査を実施する場合、図12に示すように、被験者はまずICカード読取部1008にICカードを置くなどして、あらかじめICカードに格納された当該被験者の顔画像データをICカード読取部1008に読み取らせる(1101)。そして、被験者は、アルコール検査部1001に息を吹き込む(1102)。
【0067】
カメラ部1004は、アルコール検査部1001に息が吹き込まれたことをトリガーとして、被験者の顔画像を撮影し、顔画像データとして取得する(1103)。顔認証本人判定部1006は、ICカード読取部1008によりICカードから読み取った当該被験者の顔画像と、カメラ部1004で撮影された被験者の顔画像とを照合して、検査中の被験者が本人であるか否かを判定する本人認証を行う(1104)。
【0068】
一方、図11において、上記1103,1104と並行して、1105,1106が行われる。すなわち、被験者によりアルコール検査部1001に息が吹き込まれると(1102)、アルコール検査部1001は、その息を分析し、息の中に含まれているアルコール濃度を数値化し、飲酒判定部1002へ送信する(1105)。飲酒判定部1002は、アルコール検査部1001から送信されたアルコール濃度の数値を元に飲酒判定を行う(11006)。
【0069】
そして、結果制御部1003は、上記1104における顔認証本人判定部1006での本人認証の結果と、上記1106における飲酒判定部1002での飲酒判定の結果とを合わせた形式に編集し、結果表示部1007に表示する(1107)。
【0070】
以上説明したように、本実施例4によれば、ICカードから各被験者の顔画像を取得するので、アルコール検査装置内に事前登録顔画像記憶部を備える必要が無く、多くの被験者が利用する場合において有効である。
【0071】
なお、本実施例4は、上記実施例1〜3の少なくとも1つを組み合わせて構成・動作することも可能である。例えば、本実施例4の構成に、上記実施例1のようにアルコール検査装置内に事前登録顔画像記憶部を備えたり、また、上記実施例3のように顔画像保管DBと通信可能としたり、上記実施例2のように操作対象システムの操作制御を行えるようにしたりしてもよい。
【0072】
また、本実施例4では、図12に示すように、ICカード読取部1008をアルコール検査装置内に備える構成としたが、インターフェースを介して外部のICカード読取部(読取装置)と接続できるように構成してもよい。
【実施例5】
【0073】
次に、本発明の実施例5であるアルコール検査装置の構成について、図13を参照して以下に説明する。
【0074】
図13に示すように、本実施例5のアルコール検査装置は、被験者により吹き込まれた息からアルコール濃度を測定するアルコール検査部1301と、アルコール検査部1301の検査データ(アルコール濃度を数値化したもの)を元に被験者が飲酒状態か否かを判定する飲酒判定部1302と、アルコール検査部1301にて検査中の被験者の顔画像を撮影するカメラ部1304と、カメラ部1304にて撮影された顔画像と、顔画像保管DB1305から受信した事前登録された顔画像とを比較して、被験者が本人であるか否かを判定する本人認証を行う顔認証本人判定部1306と、本人認証の結果と飲酒判定の結果とを編集する結果制御部1303と、結果制御部1303にて編集された結果を表示する結果表示部(ディスプレイ)1307と、を有して構成される。また、本実施例3のアルコール検査装置は、図示しない通信インターフェースを介して外部のデータベースサーバ(本実施例では、顔画像保管DB1305)と通信可能である。
【0075】
本実施例5は、上記実施例1においてアルコール検査装置内に備えられた事前登録顔画像記憶部105の代わりに、アルコール検査装置外に備えられた、大容量のデータを保管可能なデータベースサーバである顔画像保管DB1305を用いる例である。この顔画像保管DB1305は、事前登録顔画像記憶部105と同様に、検査前に撮影された被験者本人の顔画像があらかじめ登録される。また、この顔画像保管DB1305は、図示しない通信インターフェースを介してアルコール検査装置との通信を行うことができ、事前登録された顔画像データをアルコール検査装置側の顔認証本人判定部106へ送信する。また、この顔画像保管DB1305は、図13及び図15に示すように、図示しないインターフェースを介してICカード読取部1308及びキーボード端末1309と接続される。
【0076】
本発明の実施例5であるアルコール検査装置の動作(アルコール検査方法)について、図14及び図15を参照して以下に説明する。
【0077】
本実施例5のアルコール検査装置を使用してアルコール検査を実施する場合、図15に示すように、被験者はまずICカード読取部1308にICカードを置くなどして、あらかじめICカードに格納された当該被験者のID(識別情報の一例)をICカード読取部1308に読み取らせる(1401)。また、被験者はキーボード端末1309から固有のパスワード(識別情報の一例)を入力する(1402)。ここで、顔画像保管DB1305は、ICカード読取部1308で読み取られたID及びキーボード端末1309で入力されたパスワードに紐付けられた顔画像データを、事前登録されている複数の顔画像データの中から検索し、検索した顔画像データをアルコール検査装置の顔認証本人判定部1306に送信する。
【0078】
カメラ部1304は、被験者によりアルコール検査部1301に息が吹き込まれると(1403)、アルコール検査部1301に息が吹き込まれたことをトリガーとして、被験者の顔画像を撮影し、顔画像データとして取得する(1404)。顔認証本人判定部1306は、顔画像保管DB1305から受信した当該被験者の顔画像と、カメラ部1304で撮影された被験者の顔画像とを照合して、検査中の被験者が本人であるか否かを判定する本人認証を行う(1405)。
【0079】
一方、図14において、上記1404,1405と並行して、1406,1407が行われる。すなわち、被験者によりアルコール検査部1301に息が吹き込まれると(1403)、アルコール検査部1301は、その息を分析し、息の中に含まれているアルコール濃度を数値化し、飲酒判定部1302へ送信する(1406)。飲酒判定部1302は、アルコール検査部1301から送信されたアルコール濃度の数値を元に飲酒判定を行う(14007)。
【0080】
そして、結果制御部1303は、上記1405における顔認証本人判定部1306での本人認証の結果と、上記1407における飲酒判定部1302での飲酒判定の結果とを合わせた形式に編集し、結果表示部1307に表示する(1408)。
【0081】
以上説明したように、本実施例5によれば、顔画像保管DBから各被験者の顔画像を取得するので、アルコール検査装置内に事前登録顔画像記憶部を備える必要が無く、多くの被験者が利用する場合において有効である。
【0082】
なお、本実施例5は、上記実施例1〜4の少なくとも1つを組み合わせて構成・動作することも可能である。
【実施例6】
【0083】
本発明の実施例6であるアルコール検査装置の構成について、図16を参照して以下に説明する。
【0084】
図16に示すように、本実施例6のアルコール検査装置は、被験者により吹き込まれた息からアルコール濃度を測定するアルコール検査部1601と、アルコール検査部1601の検査データ(アルコール濃度を数値化したもの)を元に被験者が飲酒状態か否かを判定する飲酒判定部1602と、アルコール検査部1601にて検査中の被験者の顔画像を撮影するカメラ部1604と、検査前に撮影された被験者本人の顔画像があらかじめ登録されている事前登録顔画像記憶部1605と、カメラ部1604にて撮影された顔画像と、事前登録顔画像記憶部1605にあらかじめ登録されている顔画像とを比較して、被験者が本人であるか否かを判定する本人認証を行う顔認証本人判定部1606と、本人認証の結果と飲酒判定の結果とを編集する結果制御部1603と、結果制御部1603にて編集された結果を表示する結果表示部(ディスプレイ)1607と、アルコール検査が実施されたことを示す履歴情報を保存する履歴保存部1610と、を有して構成される。
【0085】
本発明の実施例6であるアルコール検査装置の動作(アルコール検査方法)について、図17及び図18を参照して以下に説明する。
【0086】
本実施例6のアルコール検査装置を使用してアルコール検査を実施する場合、図18に示すように、被験者はまずアルコール検査部1601に息を吹き込む(1701)。
【0087】
カメラ部1604は、アルコール検査部1601に息が吹き込まれたことをトリガーとして、被験者の顔画像を撮影し、顔画像データとして取得する(1702)。顔認証本人判定部1606は、事前登録顔画像記憶部1605にあらかじめ登録されている正規の利用者の顔画像と、カメラ部1604で撮影された被験者の顔画像とを照合して、検査中の被験者が本人であるか否かを判定する本人認証を行う(1703)。
【0088】
一方、図17において、上記1702,1703と並行して、1704,1705が行われる。すなわち、被験者によりアルコール検査部1601に息が吹き込まれると(1701)、アルコール検査部1601は、その息を分析し、息の中に含まれているアルコール濃度を数値化し、飲酒判定部1602へ送信する(1704)。飲酒判定部1602は、アルコール検査部1601から送信されたアルコール濃度の数値を元に飲酒判定を行う(1705)。
【0089】
そして、結果制御部1603は、上記1703における顔認証本人判定部1606での本人認証の結果と、上記1705における飲酒判定部1602での飲酒判定の結果とを合わせた形式に編集し、結果表示部1607に表示する(1706)。
【0090】
また、結果制御部1603は、当該アルコール検査が実施されたことを示す履歴情報を履歴保存部1610に格納する(1707)。格納される履歴情報は、結果制御部1603で編集されるものとし、その内容は、例えば、検査が実施された日付(アルコール検査部に息が吹き込まれた日時)と、上記本人認証結果及び飲酒判定結果とが対応付けられたものである。履歴保存部1610に格納された履歴情報は、結果表示部1607に表示することができる。
【0091】
以上説明したように、本実施例6によれば、アルコール検査を実施したことを示す履歴を保存できるので、誰がいつ検査を受けたかの証拠を残すことができる。
【0092】
なお、本実施例6では、履歴保存部をアルコール検査装置内に搭載する構成としたが、この履歴保存部をLANもしくはWANにより接続された外部コンピュータ(例えば、実施例3,5の顔画像保管DB等)などに搭載し、アルコール検査装置から、通信インターフェースを介して履歴を送信し、外部コンピュータなどに保存するようにしてもよい。また、履歴は、アルコール検査装置内部の履歴保存部に保存しつつ、通信インターフェースを介して履歴を送信し、外部コンピュータなどにも保存するようにしてもよい。
【0093】
また、本実施例6は、上記実施例1〜5の少なくとも1つを組み合わせて構成・動作することも可能である。
【0094】
以上、本発明の各実施例について説明したが、上記各実施例の記載に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。また、上記実施例1〜6はそれぞれ、可能な範囲で任意に組み合わせて構成・動作することができる。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明は、アルコールなどの所定の成分を人体などから検出する際に、被験者を特定するための装置・機器に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の実施例1に係るアルコール検査装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例1に係るアルコール検査装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施例1に係るアルコール検査装置の使用時の状態を示す図である。
【図4】本発明の実施例2に係るアルコール検査装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施例2に係るアルコール検査装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施例2に係るアルコール検査装置の使用時の状態を示す図である。
【図7】本発明の実施例3に係るアルコール検査装置の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施例3に係るアルコール検査装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施例3に係るアルコール検査装置の使用時の状態を示す図である。
【図10】本発明の実施例4に係るアルコール検査装置の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の実施例4に係るアルコール検査装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施例4に係るアルコール検査装置の使用時の状態を示す図である。
【図13】本発明の実施例5に係るアルコール検査装置の構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の実施例5に係るアルコール検査装置の動作を示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施例5に係るアルコール検査装置の使用時の状態を示す図である。
【図16】本発明の実施例6に係るアルコール検査装置の構成を示すブロック図である。
【図17】本発明の実施例6に係るアルコール検査装置の動作を示すフローチャートである。
【図18】本発明の実施例6に係るアルコール検査装置の使用時の状態を示す図である。
【符号の説明】
【0097】
101、401、701、1001、1301、1601 アルコール検査部
102、402、702、1002、1302、1602 飲酒判定部
103、403、703、1003、1303、1603 結果制御部
104、404、704、1004、1304、1604 カメラ部
105、405、1605 事前登録顔画像記憶部
106、406、706、1006、1306、1606 顔認証本人判定部
107、407、707、1007、1307、1607 結果表示部
408 操作対象システム
705、1305 顔画像保管DB
1008、1308 ICカード読取部
1309 キーボード端末
1610 履歴保存部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者により吹き込まれた息からアルコール濃度を測定するアルコール検査部と、
前記アルコール検査部の測定結果に基づいて、前記被験者が飲酒状態か否かを判定する飲酒判定部と、
前記アルコール検査部に息が吹き込まれた際に、前記被験者の顔画像を撮影するカメラ部と、
前記カメラ部にて撮影された顔画像と、事前に撮影された被験者本人の顔画像とを比較して、前記被験者が本人であるか否かを判定する本人認証を行う顔認証本人判定部と、
前記顔認証本人判定部による本人認証の結果と、前記飲酒判定部による飲酒判定の結果とを合わせて編集する結果制御部と、
前記結果制御部にて編集された結果を表示する結果表示部と、
を有することを特徴とするアルコール検査装置。
【請求項2】
前記事前に撮影された被験者本人の顔画像があらかじめ登録されている事前登録顔画像記憶部をさらに有することを特徴とする請求項1記載のアルコール検査装置。
【請求項3】
前記事前に撮影された被験者本人の顔画像があらかじめ登録されている記憶媒体から該顔画像を読み取る記憶媒体読取部をさらに有し、
前記顔認証本人判定部は、
前記カメラ部にて撮影された顔画像と、前記記憶媒体読取部にて読み取った顔画像とを比較して、前記被験者が本人であるか否かを判定する本人認証を行うことを特徴とする請求項1又は2記載のアルコール検査装置。
【請求項4】
前記事前に撮影された被験者本人の顔画像があらかじめ登録されている外部装置と通信可能なインターフェースをさらに有し、
前記外部装置は、
前記被験者の識別情報を受け取った場合に、該識別情報に紐付けられてあらかじめ登録されている顔画像を前記顔認証本人判定部へ送信し、
前記顔認証本人判定部は、
前記カメラ部にて撮影された顔画像と、前記外部装置から受信した顔画像とを比較して、前記被験者が本人であるか否かを判定する本人認証を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のアルコール検査装置。
【請求項5】
事前に撮影された被験者本人の顔画像があらかじめ登録され、該顔画像と、外部より受信した顔画像とを比較して、前記被験者が本人であるか否かを判定する本人認証を行う外部装置と通信可能なアルコール検査装置であって、
被験者により吹き込まれた息からアルコール濃度を測定するアルコール検査部と、
前記アルコール検査部の測定結果に基づいて、前記被験者が飲酒状態か否かを判定する飲酒判定部と、
前記アルコール検査部に息が吹き込まれた際に、前記被験者の顔画像を撮影し、該撮影した顔画像を前記外部装置へ送信するカメラ部と、
前記外部装置で行われた本人認証の結果を前記外部装置から受信し、該本人認証の結果と、前記飲酒判定部による飲酒判定の結果とを合わせて編集する結果制御部と、
前記結果制御部にて編集された結果を表示する結果表示部と、
を有することを特徴とするアルコール検査装置。
【請求項6】
前記結果制御部は、
前記本人認証の結果が被験者本人であり、かつ、前記飲酒判定の結果が飲酒状態ではない場合、前記被験者が操作する対象である操作対象システムに対して、前記被験者の操作を許可する制御信号を出力し、
前記本人認証の結果が被験者本人ではない、又は、前記飲酒判定の結果が飲酒状態である場合、前記操作対象システムに対して、前記被験者の操作を禁止する制御信号を出力することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のアルコール検査装置。
【請求項7】
前記アルコール検査部に息が吹き込まれた日時と、前記本人認証の結果及び前記飲酒判定の結果とが対応付けられた履歴情報を保存する履歴保存部をさらに有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のアルコール検査装置。
【請求項8】
前記結果制御部は、
前記アルコール検査部に息が吹き込まれた日時と、前記本人認証の結果及び前記飲酒判定の結果とが対応付けられた履歴情報を外部へ送信することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のアルコール検査装置。
【請求項9】
被験者により吹き込まれた息からアルコール濃度を測定するアルコール検査工程と、
前記アルコール検査工程の測定結果に基づいて、前記被験者が飲酒状態か否かを判定する飲酒判定工程と、
前記アルコール検査工程で息が吹き込まれた際に、前記被験者の顔画像を撮影する撮影工程と、
前記撮影工程にて撮影された顔画像と、事前に撮影された被験者本人の顔画像とを比較して、前記被験者が本人であるか否かを判定する本人認証を行う顔認証本人判定工程と、
前記顔認証本人判定工程による本人認証の結果と、前記飲酒判定工程による飲酒判定の結果とを合わせて編集する結果制御工程と、
前記結果制御工程にて編集された結果を表示する結果表示工程と、
を行うことを特徴とするアルコール検査方法。
【請求項10】
前記事前に撮影された被験者本人の顔画像をあらかじめ登録する事前登録顔画像記憶工程を行うことを特徴とする請求項9記載のアルコール検査方法。
【請求項11】
前記事前に撮影された被験者本人の顔画像があらかじめ登録されている記憶媒体から該顔画像を読み取る記憶媒体読取工程を行い、
前記顔認証本人判定工程は、
前記撮影工程にて撮影された顔画像と、前記記憶媒体読取工程にて読み取った顔画像とを比較して、前記被験者が本人であるか否かを判定する本人認証を行うことを特徴とする請求項9又は10記載のアルコール検査方法。
【請求項12】
前記事前に撮影された被験者本人の顔画像があらかじめ登録されている外部装置と通信を行い、
前記外部装置が前記被験者の識別情報を受け取った場合に、該外部装置により、該識別情報に紐付けられてあらかじめ登録されている顔画像が前記アルコール検査装置へ送信された場合、
前記顔認証本人判定工程は、
前記撮影工程にて撮影された顔画像と、前記外部装置から受信した顔画像とを比較して、前記被験者が本人であるか否かを判定する本人認証を行うことを特徴とする請求項9から11のいずれか1項に記載のアルコール検査方法。
【請求項13】
事前に撮影された被験者本人の顔画像があらかじめ登録され、該顔画像と、前記撮影工程で送信された顔画像とを比較して、前記被験者が本人であるか否かを判定する本人認証を行う外部装置と通信を行うアルコール検査方法であって、
被験者により吹き込まれた息からアルコール濃度を測定するアルコール検査工程と、
前記アルコール検査工程の測定結果に基づいて、前記被験者が飲酒状態か否かを判定する飲酒判定工程と、
前記アルコール検査工程で息が吹き込まれた際に、前記被験者の顔画像を撮影し、該撮影した顔画像を前記外部装置へ送信する撮影工程と、
前記外部装置で行われた本人認証の結果を前記外部装置から受信し、該本人認証の結果と、前記飲酒判定工程による飲酒判定の結果とを合わせて編集する結果制御工程と、
前記結果制御工程にて編集された結果を表示する結果表示工程と、
を有することを特徴とするアルコール検査方法。
【請求項14】
前記結果制御工程は、
前記本人認証の結果が被験者本人であり、かつ、前記飲酒判定の結果が飲酒状態ではない場合、前記被験者が操作する対象である操作対象システムに対して、前記被験者の操作を許可する制御信号を出力し、
前記本人認証の結果が被験者本人ではない、又は、前記飲酒判定の結果が飲酒状態である場合、前記操作対象システムに対して、前記被験者の操作を禁止する制御信号を出力することを特徴とする請求項9から13のいずれか1項に記載のアルコール検査方法。
【請求項15】
前記アルコール検査工程で息が吹き込まれた日時と、前記本人認証の結果及び前記飲酒判定の結果とが対応付けられた履歴情報を保存する履歴保存工程をさらに有することを特徴とする請求項9から14のいずれか1項に記載のアルコール検査方法。
【請求項16】
前記結果制御工程は、
前記アルコール検査工程で息が吹き込まれた日時と、前記本人認証の結果及び前記飲酒判定の結果とが対応付けられた履歴情報を外部へ送信することを特徴とする請求項9から15のいずれか1項に記載のアルコール検査方法。
【請求項17】
被験者により吹き込まれた息からアルコール濃度を測定するアルコール検査処理と、
前記アルコール検査処理の測定結果に基づいて、前記被験者が飲酒状態か否かを判定する飲酒判定処理と、
前記アルコール検査処理で息が吹き込まれた際に、前記被験者の顔画像を撮影する撮影処理と、
前記撮影処理にて撮影された顔画像と、事前に撮影された被験者本人の顔画像とを比較して、前記被験者が本人であるか否かを判定する本人認証を行う顔認証本人判定処理と、
前記顔認証本人判定処理による本人認証の結果と、前記飲酒判定処理による飲酒判定の結果とを合わせて編集する結果制御処理と、
前記結果制御処理にて編集された結果を表示する結果表示処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項18】
前記事前に撮影された被験者本人の顔画像をあらかじめ登録する事前登録顔画像記憶処理をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項17記載のプログラム。
【請求項19】
前記事前に撮影された被験者本人の顔画像があらかじめ登録されている記憶媒体から該顔画像を読み取る記憶媒体読取処理をコンピュータに実行させ、
前記顔認証本人判定処理として、
前記撮影処理にて撮影された顔画像と、前記記憶媒体読取処理にて読み取った顔画像とを比較して、前記被験者が本人であるか否かを判定する本人認証をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項17又は18記載のプログラム。
【請求項20】
前記事前に撮影された被験者本人の顔画像があらかじめ登録されている外部装置との通信をコンピュータに実行させ、
前記外部装置が前記被験者の識別情報を受け取った場合に、該外部装置により、該識別情報に紐付けられてあらかじめ登録されている顔画像が前記アルコール検査装置へ送信された場合、
前記顔認証本人判定処理として、
前記撮影処理にて撮影された顔画像と、前記外部装置から受信した顔画像とを比較して、前記被験者が本人であるか否かを判定する本人認証をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項17から19のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項21】
事前に撮影された被験者本人の顔画像があらかじめ登録され、該顔画像と、前記撮影処理で送信された顔画像とを比較して、前記被験者が本人であるか否かを判定する本人認証を行う外部装置との通信をコンピュータに実行させるプログラムであって、
被験者により吹き込まれた息からアルコール濃度を測定するアルコール検査処理と、
前記アルコール検査処理の測定結果に基づいて、前記被験者が飲酒状態か否かを判定する飲酒判定処理と、
前記アルコール検査処理で息が吹き込まれた際に、前記被験者の顔画像を撮影し、該撮影した顔画像を前記外部装置へ送信する撮影処理と、
前記外部装置で行われた本人認証の結果を前記外部装置から受信し、該本人認証の結果と、前記飲酒判定処理による飲酒判定の結果とを合わせて編集する結果制御処理と、
前記結果制御処理にて編集された結果を表示する結果表示処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項22】
前記結果制御処理として、
前記本人認証の結果が被験者本人であり、かつ、前記飲酒判定の結果が飲酒状態ではない場合、前記被験者が操作する対象である操作対象システムに対して、前記被験者の操作を許可する制御信号を出力させ、
前記本人認証の結果が被験者本人ではない、又は、前記飲酒判定の結果が飲酒状態である場合、前記操作対象システムに対して、前記被験者の操作を禁止する制御信号を出力させることをコンピュータに実行させることを特徴とする請求項17から21のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項23】
前記アルコール検査処理で息が吹き込まれた日時と、前記本人認証の結果及び前記飲酒判定の結果とが対応付けられた履歴情報を保存する履歴保存処理をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする請求項17から22のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項24】
前記結果制御処理として、
前記アルコール検査処理で息が吹き込まれた日時と、前記本人認証の結果及び前記飲酒判定の結果とが対応付けられた履歴情報を外部へ送信することをコンピュータに実行させることを特徴とする請求項17から23のいずれか1項に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−170395(P2008−170395A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−6324(P2007−6324)
【出願日】平成19年1月15日(2007.1.15)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【出願人】(000164449)九州日本電気ソフトウェア株式会社 (67)
【Fターム(参考)】