説明

アルブテロールの吸入可能溶液を有する単位用量製剤

本発明は、(a)約0.84〜約0.90重量%のNaClを用意するステップと、(b)前記NaClを約80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、(c)約0.03〜約0.25重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、(d)約0.10〜約1.3重量%のHCl(1N)を(c)の溶液に添加するステップと、(e)(d)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、(f)(e)の溶液を濾過滅菌するステップと、(g)(f)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製される治療有効量のアルブテロール溶液を有する単位用量製剤(これは、初めのアルブテロール遊離塩基:HClのモル比が約0.85〜約1.20、pHが約3.0〜約4.5であり、治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している)を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、2006年5月18日に出願された米国仮特許出願第60/747,657号;2006年5月25日に出願された米国仮特許出願第60/803,232号;2006年10月4日に出願された米国仮特許出願第60/828,212号;および2006年10月4日に出願された米国仮特許出願第60/828,215号の利益を主張する。これらは、その全体が本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、吸入可能なアルブテロール溶液を有する単位用量製剤に関し、前記吸入可能なアルブテロール溶液は、アルブテロール遊離塩基、等張化剤、pH調節剤、および水とともに製剤化される。前記単位用量製剤を調製する方法も提供される。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
気管支収縮性疾患は、小児喘息、気管支喘息、アレルギー喘息、職業性喘息、アスピリン過敏性喘息、内因性喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、および慢性気管支炎を含む、喘息とその関連疾患のような肺疾患を含みうる。そのような気管支収縮性疾患は世界中で広く認められ、何百万もの人々が罹患している。
【0004】
喘息を含む多くの気管支収縮性疾患の病理生態学は各種の特徴的な症状を伴うが、そのうちの1つが気管支収縮であり、これは喘鳴、咳、および息切れを引き起こし得る。これらの疾患において、気管支の平滑筋の痙攣、気道の炎症、および気管支粘膜の浮腫の1つ以上によって気管支収縮が起こると考えられている。
【0005】
特に、喘息は、(a)努力性呼吸、(b)喘鳴、および(c)咳を特徴とする気管支収縮性疾患である。多くの気管支収縮性疾患のように、喘息は、(1)気道の炎症、(2)気道過敏性、および(3)気道の狭窄を特徴とする。しかし、これらの症状の重症度は患者間で、さらには同一患者であっても1回の喘息症状の発現(発作)からその次の発作の間で大きく異なることがある。
【0006】
当該技術分野でβ―アドレナリン受容体刺激薬としても知られるβ刺激薬は、ヒトにおいて気管支拡張作用をもたらすことが知られており、β刺激薬の投与が息切れの症状を緩和することから気管支収縮性疾患患者の治療において重要である。β刺激薬は、迅速な緩和用の短時間作用型であってもよいし、または気管支収縮症状の長時間にわたる予防を目的とする長時間作用型であってもよい。例えば、既知の短時間作用型β刺激薬には、アルブテロール、ビトルテロール(biltolterol)、レバルブテロール、ピルブテロール、サルブタモール、またはテルブタリンが含まれる。さらに、既知の長時間作用型β刺激薬には、アルフォルモテロール、フォルモテロール、およびサルメテロールが含まれる。
【0007】
アルブテロールのような短時間作用型吸入用β刺激薬は、喘息、慢性気管支炎、肺気腫、およびその他の肺疾患が原因で発生する喘鳴、息切れ、および呼吸困難の予防と治療に使用される。β刺激薬の吸入は、運動中の呼吸困難(気管支痙攣)を防ぐ目的でも使用される。アルブテロールは現在、経口摂取用の錠剤、持続放出性(長時間作用型)錠剤、およびシロップ剤、ならびに経口吸入用のエアゾール剤、溶剤、およびパウダー充填カプセル剤として入手可能である。溶液はネブライザーを使用して吸入され、パウダー充填カプセル剤は専用のドライパウダー吸入器を使用して吸入される。アルブテロール錠剤およびシロップ剤は、通常1日3回〜4回摂取され、持続放出型錠剤は通常1日に2回摂取される。喘息症状の治療または予防には、通常は必要に応じて4〜6時間おきの経口吸入が使用される。運動中の気管支痙攣の予防には、運動の15分前の経口吸入が使用される。噴霧液は1日に3回または4回使用される。
【0008】
アルブテロールの吸入用溶液は現在、3ミリリットルの等張水溶液に2.5mg、1.25mg、および0.63mgを含有する単位用量(それぞれ硫酸アルブテロール吸入液およびAccuneb(登録商標)(Dey,L.P.))が入手可能である。2.5mg用量は成人による使用が承認されており、FDAはさらに、この量の硫酸アルブテロールの2歳からの小児喘息患者による使用を含むよう表示ガイドラインを拡大した。しかし、小児に定期的に投与された場合、2.5mgの硫酸アルブテロール製剤では必要以上のアルブテロールが与えられる可能性があるため、薬による副作用のリスクが高まる。そのようなものとして、米国国立衛生研究所(NIH)は、小児患者は症状のコントロールに必要な最も低いβ刺激薬用量を使用するよう推奨している。
【0009】
さらに、アルブテロールが水溶液中で分解し、アルブテロールアルデヒドを形成することが知られている。吸入投与された場合にアルブテロールアルデヒドは有害な作用を持つ可能性があるため、吸入用溶液中のそのレベルが米国食品医薬品局によって規制されている。水溶液中のアルブテロールが分解してアルブテロールアルデヒドになる割合は、薬剤の初期濃度が高いほど増加する(非特許文献1)。
【0010】
従って、安定したアルブテロール組成物を提供する必要がある。前述のアルブテロールアルデヒドのレベルを低下させる1つの手法は、製剤過程や溶液を単位用量バイアルに充填する過程で窒素ガスを溶液に吹き付けるものであった。次にバイアルは低酸素雰囲気中で酸素不透過性の包装材料で包まれる(特許文献1)。このプロセスは煩雑であり、製造および保存過程における酸素レベルのコントロールが難しい。保護性の包装材料が開封された後は、アルブテロールは雰囲気酸素に曝され、分解が発生し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第6,451,289号明細書
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Malkki et al.(1990)Int.J.Pharmaceutics 63:17‐22
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、β刺激薬の単位用量の量が低減された形でβ刺激薬が送達され、β刺激薬療法に関連する副作用のリスクは低下している、気管支収縮性疾患の治療を必要とする患者における使用を目的とするβ刺激薬を有する改良された単位用量製剤が必要とされている。
【0014】
本発明は前述の必要性を満たすものであり、関連する利点も提供する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(発明の要旨)
本発明は、現在の治療法が理想的ではない場合、β刺激薬を使用して喘息を含む気管支収縮性疾患の改良された治療法を提供することにより前述の必要性および関連の必要性を満たすものである。
【0016】
本発明のある実施形態では、本発明は、(a)約0.84〜約0.90重量%のNaClを用意するステップと、(b)前記NaClを約80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、(c)約0.03〜約0.25重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、(d)約0.10〜約1.3重量%のHCl(1N)を(c)の溶液に添加するステップと、(e)(d)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、(f)(e)の溶液を濾過滅菌するステップと、(g)(f)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製される治療有効量のアルブテロール溶液を有する単位用量製剤を有し、単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:HClのモル比が約0.85〜約1.20、pHが約3.0〜約4.5であり、単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している。他の実施形態では、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.0〜約4.5に上昇させるのに十分な量のNaOHを添加するステップを場合によりさらに有することができる。
【0017】
本発明の一実施形態では、本発明は、(a)約0.90重量%のNaClを用意するステップと、(b)前記NaClを約80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、(c)約0.03重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、(d)約0.17重量%のHCl(1N)を(c)の溶液に添加するステップと、(e)(d)の溶液に総重量%が100に等しくなるのに十分な量の水を添加するステップと、(f)(e)の溶液を濾過滅菌するステップと、(g)(f)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製される治療有効量のアルブテロール溶液を有する単位用量製剤を有し、単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:HClのモル比が約0.87、pHが約3.7であり、単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している。さらに、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.7に上昇させるのに十分な量のNaOHを添加するステップを場合によりさらに有することができる。
【0018】
本発明の別の実施形態では、本発明は、(a)約0.87重量%のNaClを用意するステップと、(b)前記NaClを約80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、(c)約0.12重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、(d)約0.55重量%のHCl(1N)を(c)の溶液に添加するステップと、(e)(d)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、(f)(e)の溶液を濾過滅菌するステップと、(g)(f)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製される治療有効量のアルブテロール溶液を有する単位用量製剤を有し、単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:HClのモル比が約1.08、pHが約3.6であり、単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している。さらに、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.6に上昇させるのに十分な量のNaOHを添加するステップを場合によりさらに有することができる。
【0019】
本発明のさらに別の実施形態では、本発明は、(a)約0.84重量%のNaClを用意するステップと、(b)前記NaClを約80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、(c)約0.25重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、(d)約1.06重量%のHCl(1N)を(c)の溶液に添加するステップと、(e)(d)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、(f)(e)の溶液を濾過滅菌するステップと、(g)(f)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製される治療有効量のアルブテロール溶液を有する単位用量製剤を有し、単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:HClのモル比が約1.16、pHが約3.4であり、単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している。さらに、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.4に上昇させるのに十分な量のNaOHを添加するステップを場合によりさらに有することができる。
【0020】
本発明のさらに別の実施形態では、本発明は、(a)約0.88重量%のNaClを用意するステップと、(b)前記NaClを80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、(c)約0.062重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、(d)約0.33重量%のHCl(1N)を(c)の溶液に添加するステップと、(e)(d)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、(f)(e)の溶液を濾過滅菌するステップと、(g)(f)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製される治療有効量のアルブテロール溶液を有する単位用量製剤を有し、単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:HClのモル比が約0.94、pHが約3.75±0.15であり、単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している。さらに、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.75±0.15に上昇させるのに十分な量のNaOHを添加するステップを場合によりさらに有することができる。
【0021】
本発明のさらに別の実施形態では、本発明は、(a)約0.86重量%のNaClを用意するステップと、(b)前記NaClを80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、(c)約0.126重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、(d)約0.64重量%のHCl(1N)を(c)の溶液に添加するステップと、(e)(d)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、(f)(e)の溶液を濾過滅菌するステップと、(g)(f)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製される治療有効量のアルブテロール溶液を有する単位用量製剤を有し、単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:HClのモル比が約0.97、pHが約3.75±0.15であり、単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している。さらに、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.75±0.15に上昇させるのに十分な量のNaOHを添加するステップを場合によりさらに有することができる。
【0022】
本発明のさらに別の実施形態では、本発明は、(a)約0.84重量%のNaClを用意するステップと、(b)前記NaClを80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、(c)約0.25重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、(d)約1.30重量%のHCl(1N)を(c)の溶液に添加するステップと、(e)(d)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、(f)(e)の溶液を濾過滅菌するステップと、(g)(f)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製される治療有効量のアルブテロール溶液を有する単位用量製剤を有し、単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:HClのモル比が約0.95、pHが約3.75±0.15であり、単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している。さらに、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.75±0.15に上昇させるのに十分な量のNaOHを添加するステップを場合によりさらに有することができる。
【0023】
本発明のある実施形態では、本発明は、(a)約0.84〜約0.90重量%のNaClを用意するステップと、(b)前記NaClを約80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、(c)約0.03〜約0.25重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、(d)約0.03〜約0.35重量%のクエン酸を(c)の溶液に添加するステップと、(e)(d)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、(f)(e)の溶液を濾過滅菌するステップと、(g)(f)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製される治療有効量のアルブテロール溶液を有する単位用量製剤を有し、単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:クエン酸のモル比が約0.80〜約1.0、pHが約3.0〜約4.5であり、単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している。さらに、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.0〜約4.5に上昇させるのに十分な量のNaOHを添加するステップを場合によりさらに有することができる。他の実施形態では、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.0〜約4.5に上昇させるのに十分な量のクエン酸ナトリウムを添加するステップを場合によりさらに有することができる。
【0024】
本発明の一実施形態では、本発明は、(a)約0.90重量%のNaClを用意するステップと、(b)前記NaClを約80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、(c)約0.03重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、(d)約0.03重量%のクエン酸を(c)の溶液に添加するステップと、(e)(d)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、(f)(e)の溶液を濾過滅菌するステップと、(g)(f)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製される治療有効量のアルブテロール溶液を有する単位用量製剤を有し、単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:クエン酸のモル比が約0.80、pHが約3.7であり、単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している。さらに、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.7に上昇させるのに十分な量のNaOHを添加するステップを場合によりさらに有することができる。他の実施形態では、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.7に上昇させるのに十分な量のクエン酸ナトリウムを添加するステップを場合によりさらに有することができる。
【0025】
本発明の別の実施形態では、本発明は、(a)約0.87重量%のNaClを用意するステップと、(b)前記NaClを約80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、(c)約0.12重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、(d)約0.11重量%のクエン酸を(c)の溶液に添加するステップと、(e)(d)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、(f)(e)の溶液を濾過滅菌するステップと、(g)(f)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製される治療有効量のアルブテロール溶液を有する単位用量製剤を有し、単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:クエン酸のモル比が約0.88、pHが約3.7であり、単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している。さらに、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.7に上昇させるのに十分な量のNaOHを添加するステップを場合によりさらに有することができる。他の実施形態では、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.7に上昇させるのに十分な量のクエン酸ナトリウムを添加するステップを場合によりさらに有することができる。
【0026】
本発明のさらに別の実施形態では、本発明は、(a)約0.84重量%のNaClを用意するステップと、(b)前記NaClを約80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、(c)約0.25重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、(d)約0.21重量%のクエン酸を(c)の溶液に添加するステップと、(e)(d)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、(f)(e)の溶液を濾過滅菌するステップと、(g)(f)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製される治療有効量のアルブテロール溶液を有する単位用量製剤を有し、単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:クエン酸のモル比が約0.96、pHが約3.7であり、単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している。さらに、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.7に上昇させるのに十分な量のNaOHを添加するステップを場合によりさらに有することができる。他の実施形態では、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.7に上昇させるのに十分な量のクエン酸ナトリウムを添加するステップを場合によりさらに有することができる。
【0027】
本発明のある実施形態では、本発明は、(a)約0.84〜約0.90重量%のNaClを用意するステップと、(b)前記NaClを約80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、(c)約0.03〜約0.25重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、(d)約0.10〜約1.20重量%のHPOを(c)の溶液に添加するステップと、(e)(d)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、(f)(e)の溶液を濾過滅菌するステップと、(g)(f)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製される治療有効量のアルブテロール溶液を有する単位用量製剤を有し、単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:HPOのモル比が約0.80〜約1.20、pHが約3.0〜約4.5であり、単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している。さらに、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.0〜約4.5に上昇させるのに十分な量のNaOHを添加するステップを場合によりさらに有することができる。他の実施形態では、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.0〜約4.5に上昇させるのに十分な量のリン酸水素二ナトリウムを添加するステップを場合によりさらに有することができる。
【0028】
本発明の一実施形態では、本発明は、(a)約0.90重量%のNaClを用意するステップと、(b)前記NaClを約80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、(c)約0.03重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、(d)約0.10重量%のHPOを(c)の溶液に添加するステップと、(e)(d)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、(f)(e)の溶液を濾過滅菌するステップと、(g)(f)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製される治療有効量のアルブテロール溶液を有する単位用量製剤を有し、単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:HPOのモル比が約0.80〜約1.20、pHが約3.7であり、単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している。さらに、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.7に上昇させるのに十分な量のNaOHを添加するステップを場合によりさらに有することができる。他の実施形態では、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.7に上昇させるのに十分な量のリン酸水素二ナトリウムを添加するステップを場合によりさらに有することができる。
【0029】
本発明の別の実施形態では、本発明は、(a)約0.87重量%のNaClを用意するステップと、(b)前記NaClを約80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、(c)約0.12重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、(d)約0.34重量%のHPOを(c)の溶液に添加するステップと、(e)(d)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、(f)(e)の溶液を濾過滅菌するステップと、(g)(f)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製される治療有効量のアルブテロール溶液を有する単位用量製剤を有し、単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:HPOのモル比が約0.80〜約1.20、pHが約3.7であり、単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している。さらに、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.7に上昇させるのに十分な量のNaOHを添加するステップを場合によりさらに有することができる。他の実施形態では、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.7に上昇させるのに十分な量のリン酸水素二ナトリウムを添加するステップを場合によりさらに有することができる。
【0030】
本発明のさらに別の実施形態では、本発明は、(a)約0.84重量%のNaClを用意するステップと、(b)前記NaClを約80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、(c)約0.25重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、(d)約1.02重量%のHPOを(c)の溶液に添加するステップと、(e)(d)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、(f)(e)の溶液を濾過滅菌するステップと、(g)(f)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製される治療有効量のアルブテロール溶液を有する単位用量製剤を有し、単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:HPOのモル比が約0.80〜約1.20、pHが約3.7であり、単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している。さらに、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.7に上昇させるのに十分な量のNaOHを添加するステップを場合によりさらに有することができる。他の実施形態では、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.7に上昇させるのに十分な量のリン酸水素二ナトリウムを添加するステップを場合によりさらに有することができる。
【0031】
本発明の他の実施形態では、本発明は、(a)約0.84〜約0.90重量%のNaClを用意するステップと、(b)前記NaClを約80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、(c)約0.03〜約0.25重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、(d)約0.001〜約5.0重量%の安定化剤を(c)の溶液に添加するステップと、(e)約0.10〜約1.3重量%のHCl(1N)を(d)の溶液に添加するステップと、(f)(e)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、(g)(f)の溶液を濾過滅菌するステップと、(h)(g)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製される治療有効量のアルブテロール溶液を有する単位用量製剤を有し、単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:HClのモル比が約0.85〜約1.20、pHが約3.0〜約4.5であり、単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している。さらに、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.0〜約4.5に上昇させるのに十分な量のNaOHを添加するステップを場合によりさらに有することができる。
【0032】
本発明のさらに他の実施形態では、本発明は、(a)約0.84〜約0.90重量%のNaClを用意するステップと、(b)前記NaClを約80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、(c)約0.03〜約0.25重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、(d)約0.001〜約5.0重量%の安定化剤を(c)の溶液に添加するステップと、(e)約0.03〜約0.35重量%のクエン酸を(d)の溶液に添加するステップと、(f)(e)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、(g)(f)の溶液を濾過滅菌するステップと、(h)(g)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製される治療有効量のアルブテロール溶液を有する単位用量製剤を有し、単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:クエン酸のモル比が約0.80〜約1.0、pHが約3.0〜約4.5であり、単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している。さらに、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.0〜約4.5に上昇させるのに十分な量のNaOHを添加するステップを場合によりさらに有することができる。他の実施形態では、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.0〜約4.5に上昇させるのに十分な量のクエン酸ナトリウムを添加するステップを場合によりさらに有することができる。
【0033】
本発明のさらに他の実施形態では、本発明は、(a)約0.84〜約0.90重量%のNaClを用意するステップと、(b)前記NaClを約80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、(c)約0.03〜約0.25重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、(d)約0.001〜約5.0重量%の安定化剤を(c)の溶液に添加するステップと、(e)約0.10〜約1.20重量%のHPOを(d)の溶液に添加するステップと、(f)(e)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、(g)(f)の溶液を濾過滅菌するステップと、(h)(g)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製される治療有効量のアルブテロール溶液を有する単位用量製剤を有し、単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:HPOのモル比が約0.80〜約1.20、pHが約3.0〜約4.5であり、単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している。さらに、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.0〜約4.5に上昇させるのに十分な量のNaOHを添加するステップを場合によりさらに有することができる。他の実施形態では、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.0〜約4.5に上昇させるのに十分な量のリン酸水素二ナトリウムを添加するステップを場合によりさらに有することができる。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態では、単位用量製剤は、キレート剤、保存剤、酸化防止剤、またはこれらの組み合わせからなる群から選択される安定化剤を有する。
【0035】
ある実施形態では、安定化剤はキレート剤である。一実施形態では、キレート剤はEDTAである。
【0036】
本発明のある他の実施形態では、安定化剤は保存剤である。一実施形態では、保存剤は塩化ベンザルコニウムである。
【0037】
本発明のさらに他の実施形態では、安定化剤は酸化防止剤である。ある実施形態では、β刺激薬を有する単位用量製剤は、アスコルビン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、αトコフェロール、またはビタミンEからなる群から選択される酸化防止剤をさらに有する。
【0038】
本発明のいくつかの実施形態では、単位用量製剤は、第2の薬学的に活性な物質をさらに有する。一実施形態では、第2の薬学的に活性な物質はコルチコステロイドである。別の実施形態では、第2の薬学的に活性な物質は抗生物質である。さらに別の実施形態では、第2の薬学的に活性な物質は抗コリン薬である。さらに別の実施形態では、第2の薬学的に活性な物質はドーパミン(D2)受容体作動薬である。
【0039】
本発明のある実施形態では、気管支収縮性疾患と診断された、またはその存在が疑われる患者の治療のための、本明細書で説明する単位用量製剤を投与するステップを有する方法が提供される。いくつかの実施形態では、気管支収縮性疾患は、喘息、小児喘息、気管支喘息、アレルギー喘息、職業性喘息、アスピリン過敏性喘息、運動誘発性喘息、内因性喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎、嚢胞性線維症、および肺気腫からなる群から選択される。
【0040】
参照による引用
別段の記載がない限り、本明細書において言及する全ての出版物および特許出願は、個々の出版物または特許出願のそれぞれをあたかも具体的かつ個別に示して参考として援用されるのと同じ程度で、参考として本明細書に援用されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本明細書で説明するおよそ0.5mlの単位用量製剤の製造と包装に使用される大規模製造プロセスの一実施形態を説明するフローチャートを提供する。
【図2】本明細書で説明するおよそ0.5mlの単位用量製剤の製造と包装に使用される大規模製造プロセスの第二の実施形態を説明するフローチャートを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0042】
(発明の詳細な説明)
ここで、本明細書で開示される方法および単位用量製剤の実施形態について詳細に説明する。実施形態の実施例は、下記の実施例セクションにおいて説明する。
【0043】
別に定義されない限りは、本明細書で使用する全ての技術用語および科学用語は、本明細書で説明する発明が属する技術分野の業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を持つ。本明細書において言及する全ての特許および出版物は参考として援用されるものとする。
【0044】
特定の定義
本明細書で使用する場合、語句“有する”、“含む”、“〜のような”、および“例えば”は、開放かつ限定されない意味で使用される。
【0045】
語句“約”は、語句“およそ”と同義で使用される。当業者であれば理解するように、“約”の正確な境界は組成物の成分によって決定する。例を挙げれば、語句“約”の使用は、示された値のわずかに外側、すなわちプラスまたはマイナス0.1%から15%の値を示唆し、これらの値もまた有効かつ安全である。
【0046】
“アルブテロール”は、(R)または(S)エナンチオマーとして、または2つのエナンチオマーの混合物として存在し得る光学活性化合物である。語句“アルブテロール”は、通常はアルブテロールの(R)および(S)エナンチオマー両方のラセミ混合物を意味する。本明細書では、語句アルブテロールは、ラセミ混合物、アルブテロールの単一のエナンチオマー、またはアルブテロールのエナンチオマーの任意の混合物を含むものとして定義される。伝統的なラセミ体アルブテロールおよびラセミ体硫酸アルブテロールは、Proventil(登録商標)、Ventolin(登録商標)、およびVormax(登録商標)として市販されている。一般名レバルブテロールを持つ純粋な(R)エナンチオマーは、Xopenex(登録商標)として市販されている。さらに、本明細書で用いる場合のアルブテロールは、サルブタモール、アルブテロール遊離塩基に加えて、塩酸塩、硫酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、リン酸塩などを含むがこれらに限定されない薬学的に許容されるアルブテロールの塩を含む。ある典型的な塩は、参考として開示内容全体を本明細書に援用されるものとする米国特許第3644353号明細書に記載されている。
【0047】
“レバルブテロール”は、比較的選択的なβ‐アドレナリン受容体刺激薬であり、アルブテロールの(R)エナンチオマーである。Xopenex吸入液は単位用量バイアルに提供され、噴霧化の前に希釈する必要はない。3mLの単位用量バイアルはそれぞれ0.63mgのレバルブテロール(0.73mgの塩酸レバルブテロールとして)、または1.25mgのレバルブテロール(1.44mgの塩酸レバルブテロールとして)のいずれか、等張化のための塩化ナトリウム、およびpHを4.0(3.3〜4.5)に調節するための硫酸を含有する。レバルブテロールは実質的にアルブテロールの純粋な(R)エナンチオマーからなることから、治療上有効な用量のレバルブテロールは、治療上有効な用量のラセミ体アルブテロールのおよそ2分の1であるという仮定が成り立つ。
【0048】
本明細書で用いる場合の“気管支収縮性疾患”は、気道、例えば1つの気管支または複数の気管支の内径の減少に関連する任意の疾患または病気を意味し、喘息、小児喘息、気管支喘息、アレルギー喘息、職業性喘息、アスピリン過敏性喘息、運動誘発性喘息、内因性喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎、嚢胞性線維症、および肺気腫が含まれるがこれらに限定されない。
【0049】
本明細書で用いる場合の“気管支拡張”は、気管支収縮性疾患を治療または予防するための気管支気道の拡張を意味する。
【0050】
本明細書で用いる場合の“β刺激薬”または“β‐アドレナリン受容体刺激薬”は、β‐アドレナリン受容体を活性し得る任意の物質を意味する。短時間作用型または長時間作用型β刺激薬は当該技術分野で既知であり、アルブテロール、テルブタリン、ビトルテロール、レバルブテロール、メタプロテレノール、ピルブテロール、フォルモテロール、アルフォルモテロール、サルメテロール、またはこれらの組み合わせが含まれるがこれらに限定されない。本発明のある実施形態では、β刺激薬を有する単位用量製剤は滅菌済みであり、故に保存剤を必要としない。他の実施形態では、β刺激薬を有する単位用量製剤は安定化剤、例えばキレート剤、保存剤、または酸化防止剤を有することができる。
【0051】
本明細書で用いる場合の“コルチコステロイド”は、副腎皮質で産生される天然のコルチコステロイドホルモンに類似する薬剤群を意味する。コルチコステロイドは、粘膜面沿いの肥満細胞の細胞密度の減少、好酸球の遊走能と活性化の低下、リンパ球、単球、肥満細胞、および好酸球によるサイトカイン産生の低下、アラキドン酸の代謝阻害、およびその他のメカニズムを含む様々なメカニズムを介して後期アレルギー反応を阻害するよう働く。
【0052】
“薬物の吸収”または“吸収”は、薬物の送達部位から、境界を越えて血管または作用部位へ薬物が移動する、例えば薬物が肺胞の肺毛細血管床に吸収されるプロセスを一般的に意味する。
【0053】
本明細書で用いる場合の“吸入用ネブライザー”は、医薬品を微細な霧状に変化させて肺に送達する器具を意味する。
【0054】
本明細書で用いる場合の“安定化剤”は、腐敗または分解を防ぐために単位用量製剤に添加される任意の化学的化合物を意味する。本明細書で用いる場合、安定化剤は、抗菌剤、酸化防止剤、キレート剤、錯化剤、および保存剤の群から選択される化学物質を含む。ある実施形態では、安定化剤には、エデト酸二ナトリウム(EDTA)またはエチレングリコールビス(オキシエチレンニトリロ)‐四酢酸(EGTA)およびその塩、例えばジナトリウム塩、クエン酸、ニトリロ三酢酸、塩化ベンザルコニウム(BAC)、または安息香酸、安息香酸塩、例えば安息香酸ナトリウム、ビタミンおよびビタミンエステル、プロビタミン、アスコルビン酸、ビタミンE、およびこれらの組み合わせが含まれるがこれらに限定されない。
【0055】
“治療有効量”または“有効な量”は、薬理効果をもたらすための医薬品の量である。語句“治療有効量”は、例えば予防上有効な量を含む。アルブテロールのようなβ刺激薬の“有効な量”は、不適当な有害副作用を引き起こすことなく、所望の薬理効果または治療上の改善を達成するのに効果的な量である。アルブテロールのようなβ刺激薬の有効な量は、特定の患者と疾患の程度に応じて当業者によって選択されるであろう。アルブテロールのようなβ刺激薬の代謝の変動、対象の年齢、体重、全身状態、治療される病態、治療される病態の重症度、および処方医師の判断のために、“有効な量”または“治療有効量”が患者間で変動し得ることが理解される。
【0056】
気管支収縮性疾患の文脈において使用される“治療する”または“治療”は、気管支の収縮に関連する疾患または病気の任意の治療、例えばその疾患または病気の素因を持つ可能性があるが、その疾患または病気を発症しているとはまだ診断されていない対象においてその疾患または病気が発生するのを予防すること、疾患または病気を抑制すること、例えば疾患または病気の進行を抑制すること、疾患または病気を緩和すること、疾患または病気の後退をもたらすこと、疾患または病気に起因する病態を緩和すること、または病気または疾患の症状を抑えることを意味する。故に、本明細書で用いる場合、語句“治療する”は語句“予防する”と同義で用いられる。
【0057】
I.本発明の単位用量製剤
本発明のある実施形態では、治療有効量のβ刺激薬溶液を有する単位用量製剤が提供され、本単位用量製剤は、(a)約0.80〜約0.9重量%の等張化剤を用意するステップと、(b)等張化剤をおよそ80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、(c)約0.015〜約0.30重量%のβ刺激薬を遊離塩基として(b)の溶液に添加するステップと、(d)約0.01〜約1.3重量%のpH調節剤を(c)の溶液に添加するステップと、(e)(d)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、(f)(e)の溶液を濾過滅菌するステップと、(g)(f)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製される。ある実施形態では、単位用量製剤は、初めのβ刺激薬遊離塩基:pH調節剤のモル比が約0.8〜約1.20、pHが約3.0〜約4.5である。他の実施形態では、単位用量製剤は、初めのβ刺激薬遊離塩基:pH調節剤のモル比が約0.85〜約1.10、pHが約3.5〜約4.0である。さらに他の実施形態では、プロセスは必要であれば、単位用量製剤のpHを所望のpHに上昇させる、例えばpH値を約3.0〜約4.5にするのに十分な量の第二のpH調節剤、例えばNaOHを添加するステップを場合によりさらに有することができる。一実施形態では、単位用量製剤は約0.03〜約0.30重量%のアルブテロールを使用して調製される。別の実施形態では、単位用量製剤は約0.015〜約0.15重量%のレバルブテロールを使用して調製される。
【0058】
本発明の他の実施形態では、治療有効量のβ刺激薬溶液を有する単位用量製剤が提供され、本単位用量製剤は、(a)約0.80〜約0.9重量%の等張化剤を用意するステップと、(b)等張化剤をおよそ80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、(c)約0.015〜約0.30重量%のβ刺激薬を遊離塩基として(b)の溶液に添加するステップと、(d)約0.001〜約5.0重量%の安定化剤を(c)の溶液に添加するステップと、(e)約0.01〜約1.3重量%のpH調節剤を(d)の溶液に添加するステップと、(f)(e)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、(g)(f)の溶液を濾過滅菌するステップと、(h)(g)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製される。ある実施形態では、単位用量製剤は、初めのβ刺激薬遊離塩基:pH調節剤のモル比が約0.8〜約1.20、pHが約3.0〜約4.5である。他の実施形態では、単位用量製剤は、初めのβ刺激薬遊離塩基:pH調節剤のモル比が約0.85〜約1.10、pHが約3.5〜約4.0である。さらに他の実施形態では、プロセスは必要であれば、単位用量製剤のpHを所望のpHに上昇させる、例えばpH値を約3.0〜約4.5にするのに十分な量の第二のpH調節剤、例えばNaOHを添加するステップを場合によりさらに有することができる。一実施形態では、単位用量製剤は約0.03〜約0.30重量%のアルブテロールを使用して調製される。別の実施形態では、単位用量製剤は約0.015〜約0.15重量%のレバルブテロールを使用して調製される。
【0059】
本発明の単位用量製剤に有用なβ刺激薬には、アルブテロール、テルブタリン、ビトルテロール、レバルブテロール、メタプロテレノール、ピルブテロール、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される短時間作用型β刺激薬が含まれるがこれらに限定されない。ある実施形態では、短時間作用型β刺激薬は、アルブテロール、テルブタリン、レバルブテロール、ピルブテロール、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、短時間作用型β刺激薬はアルブテロールである。別の実施形態では、短時間作用型β刺激薬はレバルブテロールである。
【0060】
本発明の単位用量製剤に有用な等張化剤には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、マンニトール、ブドウ糖、グリセリン、およびプロピレングリコールが含まれるがこれらに限定されない。一実施形態では、等張化剤は塩化ナトリウムである。
【0061】
本発明の単位用量製剤に有用なpH調節剤には、塩酸(HCl)、クエン酸、またはリン酸(HPO)が含まれるがこれらに限定されない。ある実施形態では、必要であれば、単位用量製剤のpHを上昇させるために第二のpH調節剤を場合により添加することができる。限定されない例としては、そのような第二のpH調節剤は、NaOH、クエン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、またはリン酸水素二ナトリウムを含むことができ、単位用量製剤に所望のpHを与える、例えばpH値を約3.0〜約4.5にするのに十分な量で、本発明のプロセスにおいて有用である。さらに他の実施形態では、単位用量製剤のpHを所望の範囲内に維持するために、単位用量製剤に適切なpH緩衝系を使用することが可能であり、これには、クエン酸ナトリウム/クエン酸、酢酸ナトリウム/酢酸、リン酸水素二ナトリウムまたは二カリウム/リン酸二水素ナトリウムまたはカリウム、および当該技術分野で既知のその他任意の薬学的に許容されるpH緩衝剤(1つまたは複数)が含まれるがこれらに限定されない。
【0062】
本発明の単位用量製剤に有用な安定化剤には、腐敗または分解を防ぐために単位用量製剤に添加される任意の化学的化合物が含まれ、これにはキレート剤、保存剤、酸化防止剤、および錯化剤が含まれる。
【0063】
ある実施形態では、安定化剤はキレート剤である。本発明の単位用量製剤への使用に適したキレート剤には、エデト酸二ナトリウム(EDTA)またはエチレングリコールビス(オキシエチレンニトリロ)‐四酢酸(EGTA)およびその塩、例えばジナトリウム塩、クエン酸、ニトリロ三酢酸が含まれるがこれらに限定されない。一実施形態では、β刺激薬を有する単位用量製剤は、エデト酸二ナトリウム(EDTA)をさらに含む。
【0064】

ある他の実施形態では、安定化剤は保存剤である。本発明の単位用量製剤への使用に適した保存剤には、塩化ベンザルコニウム(BAC)、安息香酸、または安息香酸ナトリウムのような安息香酸塩が含まれるがこれらに限定されない。一実施形態では、β刺激薬を有する単位用量製剤は、塩化ベンザルコニウム(BAC)をさらに有する。
【0065】
他の実施形態では、安定化剤は酸化防止剤である。本発明の単位用量製剤への使用に適した酸化防止剤には、以下のうちの1つ以上が含まれるがこれらに限定されない:ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、没食子酸プロピル、没食子酸ドデシル、没食子酸エチル、没食子酸オクチル、αトコフェロール、アスコルビン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、フマル酸、マレイン酸、ビタミンおよびビタミンエステル、プロビタミン、アスコルビン酸、ビタミンE、および当該技術分野で既知の任意の薬学的に適合する酸化防止剤、ならびにこれらの組み合わせ。ある実施形態では、β刺激薬を有する単位用量製剤は、アスコルビン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、αトコフェロール、またはビタミンEからなる群から選択される酸化防止剤をさらに有する。
【0066】
本発明の他の実施形態では、治療有効量のアルブテロール溶液を有する単位用量製剤が提供され、本単位用量製剤は、(a)約0.84〜約0.90重量%のNaClを用意するステップと、(b)NaClをおよそ80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、(c)約0.03〜約0.25重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、(d)約0.10〜約1.3重量%のHClを(c)の溶液に添加するステップと、(e)(d)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、(f)(e)の溶液を濾過滅菌するステップと、(g)(f)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製され、前記単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:HClのモル比が約0.85〜約1.20、pHが約3.0〜約4.5であり、前記単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している。さらに、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.0〜約4.5に上昇させるのに十分な量のNaOHを添加するステップを場合によりさらに有することができる。
【0067】
一実施形態では、単位用量製剤は治療有効量のアルブテロール溶液を有し、単位用量製剤は、(a)約0.90重量%のNaClを用意するステップと、(b)NaClをおよそ80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、(c)約0.03重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、(d)約0.17重量%のHClを(c)の溶液に添加するステップと、(e)(d)の溶液に総重量%が100に等しくなるのに十分な量の水を添加するステップと、(f)(e)の溶液を濾過滅菌するステップと、(g)(f)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製され、前記単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:HClのモル比が約0.87、pHが約3.7であり、前記単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している。さらに、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.7に上昇させるのに十分な量のNaOHを添加するステップを場合によりさらに有することができる。
【0068】
別の実施形態では、単位用量製剤は治療有効量のアルブテロール溶液を有し、単位用量製剤は、(a)約0.87重量%のNaClを用意するステップと、(b)NaClをおよそ80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、(c)約0.12重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、(d)約0.55重量%のHClを(c)の溶液に添加するステップと、(e)(d)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、(f)(e)の溶液を濾過滅菌するステップと、(g)(f)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製され、前記単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:HClのモル比が約1.08、pHが約3.6であり、前記単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している。さらに、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.6に上昇させるのに十分な量のNaOHを添加するステップを場合によりさらに有することができる。
【0069】
さらに別の実施形態では、単位用量製剤は治療有効量のアルブテロール溶液を有し、単位用量製剤は、(a)約0.84重量%のNaClを用意するステップと、(b)NaClをおよそ80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、(c)約0.25重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、(d)約1.06重量%のHClを(c)の溶液に添加するステップと、(e)(d)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、(f)(e)の溶液を濾過滅菌するステップと、(g)(f)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製され、前記単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:HClのモル比が約1.16、pHが約3.4であり、前記単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している。さらに、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.4に上昇させるのに十分な量のNaOHを添加するステップを場合によりさらに有することができる。
【0070】
本発明のある他の実施形態では、治療有効量のアルブテロール溶液を有する単位用量製剤が提供され、本単位用量製剤は、(a)約0.84〜約0.90重量%のNaClを用意するステップと、(b)NaClをおよそ80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、(c)約0.03〜約0.25重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、(d)約0.03〜0.35重量%のクエン酸を(c)の溶液に添加するステップと、(e)(d)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、(f)(e)の溶液を濾過滅菌するステップと、(g)(f)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製され、前記単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:クエン酸のモル比が約0.80〜約1.0、pHが約3.0〜約4.5であり、前記単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している。さらに、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.0〜約4.5に上昇させるのに十分な量のNaOHを添加するステップを場合によりさらに有することができる。他の実施形態では、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.0〜約4.5に上昇させるのに十分な量のクエン酸ナトリウムを添加するステップを場合によりさらに有することができる。
【0071】
一実施形態では、単位用量製剤は治療有効量のアルブテロール溶液を有し、単位用量製剤は、(a)0.90重量%のNaClを用意するステップと、(b)NaClをおよそ80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、(c)約0.03重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、(d)約0.03重量%のクエン酸を(c)の溶液に添加するステップと、(e)(d)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、(f)(e)の溶液を濾過滅菌するステップと、(g)(f)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製され、前記単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:クエン酸のモル比が約0.80、pHが約3.7であり、前記単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している。さらに、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.7に上昇させるのに十分な量のNaOHを添加するステップを場合によりさらに有することができる。他の実施形態では、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.7に上昇させるのに十分な量のクエン酸ナトリウムを添加するステップを場合によりさらに有することができる。
【0072】
別の実施形態では、単位用量製剤は治療有効量のアルブテロール溶液を有し、単位用量製剤は、(a)約0.87重量%のNaClを用意するステップと、(b)NaClをおよそ80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、(c)約0.12重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、(d)約0.11重量%のクエン酸を(c)の溶液に添加するステップと、(e)(d)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、(f)(e)の溶液を濾過滅菌するステップと、(g)(f)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製され、前記単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:クエン酸のモル比が約0.88、pHが約3.7であり、前記単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している。さらに、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.7に上昇させるのに十分な量のNaOHを添加するステップを場合によりさらに有することができる。他の実施形態では、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.7に上昇させるのに十分な量のクエン酸ナトリウムを添加するステップを場合によりさらに有することができる。
【0073】
さらに別の実施形態では、単位用量製剤は治療有効量のアルブテロール溶液を有し、単位用量製剤は、(a)約0.84重量%のNaClを用意するステップと、(b)NaClをおよそ80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、(c)約0.25重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、(d)約0.21重量%のクエン酸を(c)の溶液に添加するステップと、(e)(d)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、(f)(e)の溶液を濾過滅菌するステップと、(g)(f)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製され、前記単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:クエン酸のモル比が約0.96、pHが約3.7であり、前記単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している。さらに、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.7に上昇させるのに十分な量のNaOHを添加するステップを場合によりさらに有することができる。他の実施形態では、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.7に上昇させるのに十分な量のクエン酸ナトリウムを添加するステップを場合によりさらに有することができる。
【0074】
本発明の他の実施形態では、治療有効量のアルブテロール溶液を有する単位用量製剤が提供され、本単位用量製剤は、(a)約0.84〜約0.90重量%のNaClを用意するステップと、(b)NaClをおよそ80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、(c)約0.03〜約0.25重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、(d)約0.10〜1.20重量%のHPOを(c)の溶液に添加するステップと、(e)(d)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、(f)(e)の溶液を濾過滅菌するステップと、(g)(f)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製され、前記単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:HPOのモル比が約0.80〜約1.20、pHが約3.0〜約4.5であり、前記単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している。さらに、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.0〜約4.5に上昇させるのに十分な量のNaOHを添加するステップを場合によりさらに有することができる。他の実施形態では、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.0〜約4.5に上昇させるのに十分な量のリン酸水素二ナトリウムを添加するステップを場合によりさらに有することができる。
【0075】
一実施形態では、単位用量製剤は治療有効量のアルブテロール溶液を有し、単位用量製剤は、(a)0.90重量%のNaClを用意するステップと、(b)NaClをおよそ80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、(c)約0.03重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、(d)約0.10重量%のHPOを(c)の溶液に添加するステップと、(e)(d)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、(f)(e)の溶液を濾過滅菌するステップと、(g)(f)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製され、前記単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:HPOのモル比が約0.80〜約1.20、pHが約3.7であり、前記単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している。さらに、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.7に上昇させるのに十分な量のNaOHを添加するステップを場合によりさらに有することができる。他の実施形態では、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.7に上昇させるのに十分な量のリン酸水素二ナトリウムを添加するステップを場合によりさらに有することができる。
【0076】
別の実施形態では、単位用量製剤は治療有効量のアルブテロール溶液を有し、単位用量製剤は、(a)約0.87重量%のNaClを用意するステップと、(b)NaClをおよそ80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、(c)約0.12重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、(d)約0.34重量%のHPOを(c)の溶液に添加するステップと、(e)(d)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、(f)(e)の溶液を濾過滅菌するステップと、(g)(f)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製され、前記単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:HPOのモル比が約0.80〜約1.20、pHが約3.7であり、前記単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している。さらに、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.7に上昇させるのに十分な量のNaOHを添加するステップを場合によりさらに有することができる。他の実施形態では、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.7に上昇させるのに十分な量のリン酸水素二ナトリウムを添加するステップを場合によりさらに有することができる。
【0077】
さらに別の実施形態では、単位用量製剤は治療有効量のアルブテロール溶液を有し、単位用量製剤は、(a)約0.84重量%のNaClを用意するステップと、(b)NaClをおよそ80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、(c)約0.25重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、(d)約1.02重量%のHPOを(c)の溶液に添加するステップと、(e)(d)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、(f)(e)の溶液を濾過滅菌するステップと、(g)(f)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製され、前記単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:HPOのモル比が約0.80〜約1.20、pHが約3.7であり、前記単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している。さらに、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.7に上昇させるのに十分な量のNaOHを添加するステップを場合によりさらに有することができる。他の実施形態では、必要であればプロセスは、単位用量製剤のpHを約3.7に上昇させるのに十分な量のリン酸水素二ナトリウムを添加するステップを場合によりさらに有することができる。
【0078】
ある実施形態では、本明細書で説明する単位用量製剤を、喘息、小児喘息、気管支喘息、アレルギー喘息、職業性喘息、アスピリン過敏性喘息、運動誘発性喘息、内因性喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎、嚢胞性線維症、および肺気腫からなる群から選択される病気と診断された、またはその存在が疑われる患者の治療に使用することができる。
【0079】
II.本発明の単位用量製剤を有する併用療法
ある実施形態では、本発明の単位用量製剤は、第2の薬学的に活性な物質をさらに有することができる。ある実施形態では、第2の薬学的に活性な物質は、(a)コルチコステロイド、(b)抗生物質、(c)抗コリン薬、または(d)ドーパミン(D)受容体作動薬から選択されうる。
【0080】
本発明で説明される単位用量製剤を用いる併用療法に使用するためのコルチコステロイドには、アルドステロン、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、クロプレドノール、コルチゾン、コルチバゾール、デオキシコルトン、デソニド、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフルオロコルトロン(difluorocortolone)、フルクロロロン、フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノロン、フルオシノニド、フルオコルチンブチル、フルオロコルチゾン、フルオロコルトロン、フルオロメトロン、フルランドレノロン、フルチカゾン、ハルシノニド、ヒドロコルチゾン、イコメタゾン(icomethasone)、メプレドニソン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、パラメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、ロフレポニド、RPR106541、チキソコルトール、トリアムシノロン、およびこれらそれぞれの薬学的に許容される誘導体が含まれるがこれらに限定されない。一実施形態では、第2の薬学的に活性な物質はブデソニドである。
【0081】
本発明で説明される単位用量製剤を用いる併用療法に使用するための抗生物質には、ペニシリン、セファロスポリン、マクロライド、スルホンアミド、アミノグリコシド、およびβラクタム系抗生物質が含まれるがこれらに限定されない。
【0082】
本発明で説明される単位用量製剤を用いる併用療法に使用するための抗コリン薬には、臭化イプラトロピウム、臭化オキシトロピウム、硝酸メチルアトロピン、硫酸アトロピン、イプラトロピウム、ベラドンナ・エキス、スコポラミン、スコポラミンメトブロミド、ホマトロピンメトブロミド、ヒヨスチアミン、isopriopramide、オルフェナドリン、臭化チオトロピウム、および臭化グリコピロニウムが含まれるがこれらに限定されない。
【0083】
本発明で説明される単位用量製剤を用いる併用療法に使用するためのドーパミン(D)受容体作動薬には、アポモルフィン((r)‐5,6,6a,7‐テトラヒドロ‐6‐メチル‐4H‐ジベンゾ‐キノリン‐10,11‐ジオール)、ブロモクリプチン((5’α)‐2‐ブロモ‐12’‐ヒドロキシ‐2’‐(1‐メチルエチル)‐5’‐(2‐メチルプロピル)エルゴタマン‐3’,6’,18‐トリオン)、カベルゴリン((8β)‐N‐(3(ジメチルアミノ)プロピル)‐N‐((エチルアミノ)カルボニル)6‐(2‐プロペニル)エルゴリン‐8‐カルボキサミド)、リスリド(N’‐((8α)‐9,10‐ジデヒドロ‐6‐メチルエルゴリン‐8‐イル)‐N,N‐ジエチルウレア)、ペルゴリド((8β)‐8‐((メチルチオ)メチル)‐6‐プロピルエルゴリン)、レボドパ(3‐ヒドロキシ‐L‐チロシン(tryrosine))、プラミペキソール((s)‐4,5,6,7,‐テトラヒドロ‐N‐プロピル‐2,6‐ベンゾチアゾールジアミン)、キンピロール塩酸塩(Quinpirol hydrochirodie)(トランス‐(−)‐4aR‐4,4a,5,6,7,8,8a,9‐オクタヒドロ‐5‐プロピル‐1H‐ピラゾロ[3,4‐g]キノリン塩酸塩)、ロピニロール(4‐(2‐(ジプロピルアミノ)エチル)‐1,3‐ジヒドロ‐2H‐インドール‐2‐オン)、およびタリペキソール(5,6,7,8‐テトラヒドロ‐6‐(2‐プロペニル)‐4H‐チアゾロ[4,5‐d]アゼピン‐2‐アミン)が含まれるがこれらに限定されない。本明細書で使用するその他のドーパミンD受容体作動薬は国際特許出願公開第99/36095号に開示されている。
【0084】
本明細書で説明する吸入用組成物に使用するためのその他の活性成分には、参考としてそれぞれ本明細書で援用されるものとする米国特許第5668110号明細書、第5683983号明細書、第5677280号明細書、第6071910号明細書、および第5654276号明細書に開示されるもののようなIL‐5阻害薬、その関連する開示内容が参考として本明細書で援用されるものとする米国特許第6136603号明細書に開示されるもののようなIL‐5のアンチセンス修飾物質、ミルリノン(1,6‐ジヒドロ‐2‐メチル‐6‐オキソ‐[3,4’‐ビピリジン]‐5‐カルボニトリル)、乳酸ミルリノン、参考として本明細書で援用されるものとする米国特許第5525623号明細書に開示されるもののようなトリプターゼ阻害薬、参考としてそれぞれ本明細書で援用されるものとする米国特許第5691336号明細書、第5877191号明細書、第5929094号明細書、第5750549号明細書、および第5780467号明細書に開示されるもののようなタキキニン受容体拮抗薬、モンテルカストナトリウム(シングレア(Singular)、R‐(E))‐1‐[[[1‐[3‐[2‐(7‐クロロ‐2‐キノリニル)‐エテニル]‐フェニル]‐3‐[2‐(I‐ヒドロキシ‐1‐メチルエチル)‐フェニル]‐プロピル]‐チオ]‐メチル]シクロプロパン酢酸、モノナトリウム塩)のようなロイコトリエン受容体拮抗薬、ジレウトン(Zyflo(商標登録)、Abbott Laboratories、イリノイ州Abbott Park)のような5‐リポキシゲナーゼ(lypoxygenase)阻害薬、およびXolair(遺伝子組み換えヒト化抗IgEモノクローナル抗体(CGP 51901、IGE 025A、rhuMAb‐E25)Genentech Inc.、カリフォルニア州南サンフランシスコ)のような抗IgE抗体や、リドカイン、N‐アリールアミド、アミノアルキルベンゾエート、プリロカイン、エチドカイン(その関連する開示内容が参考として本明細書で援用されるものとする米国特許第5510339号明細書、第5631267号明細書、および第5837713号明細書)のような局所麻酔剤が含まれるがこれらに限定されない。
【0085】
併用療法を使用する治療方法が本明細書で提供され、喘息、小児喘息、気管支喘息、アレルギー喘息、職業性喘息、アスピリン過敏性喘息、運動誘発性喘息、内因性喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎、嚢胞性線維症、および肺気腫からなる群から選択される病気と診断された、またはその存在が疑われる患者の治療に、本明細書で説明する単位用量製剤と第2の薬学的に活性な物質を一緒に投与することができる。
【0086】
いくつかの実施形態では、併用療法は、本発明の単位用量製剤と第2の薬学的に活性な物質を有し、β刺激薬と第2の薬学的に活性な物質は1つの単位用量溶液として製剤化され同時に送達される。他の実施形態では、併用療法は、本発明の単位用量製剤と、第2の薬学的に活性な物質を有する吸入用ミクスチャーを有することができ、2つの吸入用ミクスチャーは個別に調製され、送達時に混合され、同時に送達される。他の実施形態では、併用療法は、本発明の単位用量製剤と、第2の薬学的に活性な物質を有する吸入用ミクスチャーを有し、2つの吸入用ミクスチャーは連続して送達される。
【0087】
III.本発明の単位用量製剤の送達に使用されるネブライザー
本明細書で説明する単位用量製剤は、1つ以上の単位用量製剤の吸入用ネブライザーによる送達による、それを必要とする患者における気管支拡張の誘発による病気または疾患の治療に適している。任意の既知の吸入用ネブライザーが本発明での使用に適している。適当な吸入用ネブライザーには、例えば、ジェットネブライザー、超音波ネブライザー、振動ネブライザー、および振動メッシュまたはプレートを有し、水溶液チャンバーを備えるネブライザー(例えば、Pari eFlow(登録商標)、TouchSpray(登録商標)、AeroNeb(登録商標)、Aerodose Inhalar、またはOmron(登録商標)NE‐U03 NE‐U22)が含まれる。これらのうちの任意のもの、およびその他の既知のネブライザーを、本発明で説明する吸入用ミクスチャーの送達に使用できる。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、例えばPari GmbH(ドイツ、シュタルンベルク(Starnberg))、DeVilbiss Healthcare(英国ミドルセックス州ヘストン)、Healthdyne、Vital Signs、Baxter、Allied Health Care、Invacare、Hudson、Omron、Bremed、AirSep、Luminscope、Medisana、Siemens、Aerogen、Mountain Medical、Aerosol Medical Ltd.(英国エセックス州コルチェスター)、AFP Medical(英国ウォリックシャー州ラグビー)、Bard Ltd.(英国サンダーランド)、Carri‐Med Ltd.(英国ドーキング)、Plaem Nuiva(イタリア、ブレシア)、Henleys Medical Supplies(英国ロンドン)、Intersurgical(英国バークシャー州)、Lifecare Hospital Supplies(英国Leies)、Medic‐Aid Ltd.(英国ウエストサセックス州)、Medix Ltd.(英国エセックス州)、Sinclair Medical Ltd.(英国サリー州)、およびその他多くの製造業者から入手可能である。ある実施形態では、ネブライザーは、振動メッシュまたはプレートを有し、水溶液チャンバーを備える。一実施形態では、ネブライザーはPari eFlow(登録商標)ネブライザーである。
【0088】
本明細書で説明する方法とシステムでの使用に適したその他のネブライザーには、ジェットネブライザー(場合によってコンプレッサーとともに市販されている)、超音波ネブライザー、およびその他が含まれるがこれらに限定されない。本明細書で使用するジェットネブライザーの例には、Pari LC plus/ProNeb、Pari LC plus/ProNeb Turbo、Pari LCPlus/Dura Neb 1000&2000 Pari LC plus/Walkhaler、Pari LC plus/Pari Master、Pari LC star、Omron CompAir XL Portable Nebulizer System(NE‐C18およびJetAir Disposable nebulizer)、Omron compare Elite Compressor Nebulizer System(NE‐C21)およびElite Air Reusable Nebulizer、Proneb Ultraコンプレッサー付きPari LC PlusまたはPari LC Starネブライザー、Pulomo‐aide、Pulmo‐aide LT、Pulmo‐aide traveler、Invacare Passport、Inspiration Healthdyne 626、Pulmo‐Neb Traveler、DeVilbiss 646、Whisper Jet、AcornII、Misty‐Neb、Allied aerosol、Schuco Home Care、Lexan Plasic Pocet Neb、SideStream Hand Held Neb、Mobil Mist、Up‐Draft、Up‐DraftII、T Up‐Draft、ISO‐NEB、Ava‐Neb、Micro Mist、およびPulmoMateが含まれる。
【0089】
本明細書で使用する超音波ネブライザーの例には、MicroAir、UltraAir、Siemens Ultra Nebulizer 145、CompAir、Pulmosonic、Scout、5003 Ultrasonic Neb、5110 Ultrasonic Neb、5004 Desk Ultrasonic Nebulizer、Mystique Ultrasonic、Lumiscope’s Ultrasonic Nebulizer、Medisana Ultrasonic Nebulizer、Microstat Ultrasonic Nebulizer、およびMabismist Hand Held Ultrasonic Nebulizerが含まれる。本明細書で使用するその他のネブライザーには、5000 Electromagnetic Neb、5001 Electromagnetic Neb 5002 Rotary Piston Neb、Lumineb I Piston Nebulizer 5500、Aeroneb Portable Nebulizer System、Aerodose Inhaler、およびAeroEclipse Breath Actuated Nebulizerが含まれる。
【0090】
ある実施形態では、ここで説明する発明で使用するのに適したネブライザーには、振動メッシュまたはプレートを有し、水溶液チャンバーを備えるネブライザーが含まれる。そのようなネブライザーは、例えばPari eFlow(登録商標)として市販されており、参考としてそれぞれ本明細書で具体的に援用されるものとする米国特許第6962151号明細書、第5518179号明細書、第5261601号明細書、および第5152456号明細書に開示されている。さらに他の実施形態では、ここで説明する発明での使用に適したネブライザーには、参考としてそれぞれの開示内容全体が本明細書で援用されるものとする、New Nebuliser Technology‐Aerosol Generation by Using a Vibrating Mesh or Plate with Multiple Apertures,Long‐Term Healthcare Strategies 2003(2003年7月)の1〜4ページにおいて、およびRespiratory Care,47:1406‐1416(2002)においてR.Dhandが説明しているような振動メッシュまたはプレートを有し、複数の開口部を備えるネブライザーが含まれる。
【0091】
流量、メッシュメンブレンの大きさ、エアゾール吸入チャンバーの大きさ、マスクの大きさと材質、バルブ、および電源のような、噴霧化において用いられるパラメータは、様々な種類の吸入用ミクスチャーまたは様々な種類のβ刺激薬ならびに本明細書で定める送達時間条件とともにそれらを最大限に利用するため、本発明の原理に従って変動してもよい。
【実施例】
【0092】
本明細書で説明する方法を実施するための以下の原料、プロセス、および手順は、上記で説明したものに対応する。以下の実施例において詳細に説明されていない任意の方法または材料は本発明の範囲に含まれ、本明細書の開示内容が参考として当業者には明白であろう。
【0093】
実施例1
以下の内訳に従って各種濃度のアルブテロール遊離塩基からアルブテロール吸入液を調製した。
【0094】
【表1】

全質量がおよそ100グラムの3種類のアルブテロール吸入液(低、中、および高)を、以下の薬学的に許容される物質を使用して調製した:
【0095】
【表2】

低濃度のアルブテロール吸入液を以下の方法に従って製剤化した:(a)902mgのNaClをおよそ80gの水に加えて水溶液を作製した、(b)30mgのアルブテロール遊離塩基を(a)の溶液に加えた、(c)170mgのHCl‐1Nを(b)の溶液に加えた、および(d)およそ20gの水を(c)の溶液に加えた。この方法に従って調製したアルブテロール吸入液のpHは3.73であり、質量オスモル濃度は0.288Osmol/kgである。初めのアルブテロール遊離塩基:塩酸のモル比は0.871であった。
【0096】
中濃度のアルブテロール吸入液を以下の方法に従って製剤化した:(a)875mgのNaClをおよそ80gの水に加えて水溶液を作製した、(b)60mgのアルブテロール遊離塩基を(a)の溶液に加えた、(c)550mgのHCl‐1Nを(b)の溶液に加えた、および(d)およそ20gの水を(c)の溶液に加えた。この方法に従って調製したアルブテロール吸入液のpHは3.60であり、質量オスモル濃度は0.286Osmol/kgである。初めのアルブテロール遊離塩基:塩酸のモル比は1.076であった。
【0097】
高濃度のアルブテロール吸入液を以下の方法に従って製剤化した:(a)840mgのNaClをおよそ80gの水に加えて水溶液を作製した、(b)250mgのアルブテロール遊離塩基を(a)の溶液に加えた、(c)1060mgのHCl‐1Nを(b)の溶液に加えた、および(d)およそ20gの水を(c)の溶液に加えた。この方法に従って調製したアルブテロール吸入液のpHは3.41であり、質量オスモル濃度は0.282Osmol/kgである。初めのアルブテロール遊離塩基:塩酸のモル比は1.164であった。
【0098】
3種類の濃度のアルブテロール吸入液は濾過滅菌され、約0.5〜約0.58mlのアルブテロール溶液をポリエチレン製の単位用量バイアルに加えて0.5mlの単位用量に包装する。得られる単位用量製剤の濃度はそれぞれ、およそ初めのアルブテロール遊離塩基0.15mg/用量、およそ初めのアルブテロール遊離塩基0.60mg/用量、ならびにおよそ初めのアルブテロール遊離塩基1.25mg/用量である。
【0099】
実施例2
以下の内訳に従って各種濃度のアルブテロール遊離塩基からアルブテロール吸入液を調製した。
【0100】
【表3】

全質量がおよそ100グラムの3種類のアルブテロール吸入液(低、中、および高)を、以下の薬学的に許容される物質を使用して調製した:
【0101】
【表4】

低濃度のアルブテロール吸入液を以下の方法に従って製剤化した:(a)900mgのNaClをおよそ80gの水に加えて水溶液を作製した、(b)30mgのアルブテロール遊離塩基を(a)の溶液に加えた、(c)30mgのクエン酸を(b)の溶液に加えた、および(d)およそ20gの水を(c)の溶液に加えた。この方法に従って調製したアルブテロール吸入液のpHは3.76であり、質量オスモル濃度は0.286Osmol/kgである。初めのアルブテロール遊離塩基:クエン酸のモル比は0.803であった。
【0102】
中濃度のアルブテロール吸入液を以下の方法に従って製剤化した:(a)871mgのNaClをおよそ80gの水に加えて水溶液を作製した、(b)60mgのアルブテロール遊離塩基を(a)の溶液に加えた、(c)110mgのクエン酸を(b)の溶液に加えた、および(d)およそ20gの水を(c)の溶液に加えた。この方法に従って調製したアルブテロール吸入液のpHは3.76であり、質量オスモル濃度は0.286Osmol/kgである。初めのアルブテロール遊離塩基:クエン酸のモル比は0.876であった。
【0103】
高濃度のアルブテロール吸入液を以下の方法に従って製剤化した:(a)840mgのNaClをおよそ80gの水に加えて水溶液を作製した、(b)250mgのアルブテロール遊離塩基を(a)の溶液に加えた、(c)210mgのクエン酸を(b)の溶液に加えた、および(d)およそ20gの水を(c)の溶液に加えた。この方法に従って調製したアルブテロール吸入液のpHは3.78であり、質量オスモル濃度は0.286Osmol/kgである。初めのアルブテロール遊離塩基:クエン酸のモル比は0.956であった。
【0104】
3種類の濃度のアルブテロール吸入液は濾過滅菌され、約0.5〜約0.58mlのアルブテロール溶液をポリエチレン製の単位用量バイアルに加えて0.5mlの単位用量に包装する。得られる単位用量製剤の濃度はそれぞれ、およそ初めのアルブテロール遊離塩基0.15mg/用量、およそ初めのアルブテロール遊離塩基0.60mg/用量、ならびにおよそ初めのアルブテロール遊離塩基1.25mg/用量である。
【0105】
実施例3
以下の内訳に従って各種濃度のアルブテロール遊離塩基からアルブテロール吸入液を調製した。
【0106】
【表5】

全質量がおよそ100グラムの3種類のアルブテロール吸入液(低、中、および高)を、以下の薬学的に許容される物質を使用して調製した:
【0107】
【表6】

低濃度のアルブテロール吸入液を以下の方法に従って製剤化した:(a)901mgのNaClをおよそ80gの水に加えて水溶液を作製した、(b)30mgのアルブテロール遊離塩基を(a)の溶液に加えた、(c)100mgのHPOを(b)の溶液に加えた、および(d)およそ20gの水を(c)の溶液に加えた。この方法に従って調製したアルブテロール吸入液のpHは3.72であり、質量オスモル濃度は0.288Osmol/kgであった。
【0108】
中濃度のアルブテロール吸入液を以下の方法に従って製剤化した:(a)873mgのNaClをおよそ80gの水に加えて水溶液を作製した、(b)60mgのアルブテロール遊離塩基を(a)の溶液に加えた、(c)340mgのHPOを(b)の溶液に加えた、および(d)およそ20gの水を(c)の溶液に加えた。この方法に従って調製したアルブテロール吸入液のpHは3.77であり、質量オスモル濃度は0.285Osmol/kgであった。
【0109】
高濃度のアルブテロール吸入液を以下の方法に従って製剤化した:(a)840mgのNaClをおよそ80gの水に加えて水溶液を作製した、(b)250mgのアルブテロール遊離塩基を(a)の溶液に加えた、(c)1020mgのHPOを(b)の溶液に加えた、および(d)およそ20gの水を(c)の溶液に加えた。この方法に従って調製したアルブテロール吸入液のpHは3.67であり、質量オスモル濃度は0.283Osmol/kgであった。
【0110】
3種類の濃度のアルブテロール吸入液は濾過滅菌され、約0.5〜約0.58mlのアルブテロール溶液をポリエチレンの単位用量バイアルに加えて0.5mlの単位用量に包装する。得られる単位用量製剤の濃度はそれぞれ、およそ初めのアルブテロール遊離塩基0.15mg/用量、およそ初めのアルブテロール遊離塩基0.60mg/用量、ならびにおよそ初めのアルブテロール遊離塩基1.25mg/用量である。
【0111】
実施例4
喘息患者は、気管支拡張を誘発することにより喘息の治療を開始する。Pari eFlow(登録商標)振動メンブレン吸入用ネブライザーのリザーバーに、実施例1で説明したような約1.25mg/用量のアルブテロールを有する単回単位用量の吸入用ミクスチャーを入れることによって、患者は気管支拡張を誘発する。次にネブライザーによる吸入用ミクスチャーの送達が開始される。3分未満の間に、吸入用ミクスチャーが吸入用ネブライザーによって送達され、喘息の症状が改善または緩和される。
【0112】
実施例5
実施例4と同様の手順に従うが、この例では、3分未満の間に初回用量が送達された後も患者の症状は十分に改善されない。依然として症状があるのを受けて、患者は実施例4で説明した通りの手順を繰り返す。アルブテロール吸入用ミクスチャーの2回目の送達が終了すると、喘息の症状は改善または緩和される。
【0113】
実施例6
実施例1〜3で説明した方法に従って、アルブテロール吸入液を調製した。得られたアルブテロール溶液を等量のCBIS(Captisol Budesonide吸入液)と混合して、この2つの溶液の化学的適合性を判定した。溶液のpHを、0時間、0.5時間、1時間、および3時間の時間ポイントで判定した。観察期間の間に溶液の外観を記録した。
【0114】
【表7】

*アルブテロール吸入液とCaptisol Budesonide吸入液を混合した直後にpHを判定した
実施例7
アルブテロール遊離塩基を使用して調製したアルブテロール溶液を有する単位用量製剤の大量生産
アルブテロール遊離塩基を使用して調製したアルブテロール溶液を有するおよそ500mlの単位用量製剤の大量生産の方法が提供され、本方法は、(a)アルブテロール遊離塩基、NaCl、およびHCL(1N)を分注ルームから調達する、(b)NaClを80重量%の水に加える、(c)アルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に加える、(d)HCl(1N)を(c)の溶液に加える、(e)(d)の溶液に総重量%が100に等しくなるのに十分な量の水を加える、(f)(e)の溶液を15℃〜20℃で、適切な速度で2時間混合する、(g)(f)の溶液を、バイオバーデン、pH、活性薬剤含有量、および質量オスモル濃度を含む工程間管理(IPC)のもとで評価する、(h)(f)の溶液を0.22ミクロンのフィルターで濾過滅菌する、(i)(h)の濾過した溶液を5℃〜25℃で7日間を超えないように貯蔵タンクで保存する、(j)(h)の溶液を0.22ミクロンのフィルターで濾過滅菌する、(k)(h)のろ過した溶液を充填機用バッファータンクに移す、(l)(k)の溶液を0.22ミクロンのフィルターで濾過滅菌する、(m)(l)の溶液を0.52〜0.57mlからなる単位用量に充填し、14日間を超えないように保管する、(n)(m)の単位用量のサンプルを、漏れ、充填量、外観、粒子の有無、密封性、単位用量開封能力、刻印の評価項目を含むIPCのもと評価する、(o)1パウチにつき5つの単位用量バイアルを含むパウチを作成する、(p)(o)の単位用量バイアルを出荷前に検査する、(q)パウチを発送用カートンに詰めるステップを有する。
【0115】
図1は、実施例7で説明したおよそ0.5mlの単位用量製剤の製造と包装に用いられる大量生産プロセスを説明するフローチャートを提供する。
【0116】
実施例8
アルブテロール遊離塩基を使用して調製したアルブテロール溶液を有するおよそ500mlの単位用量製剤の大量生産の方法を、(a)アルブテロール遊離塩基、NaCl、およびクエン酸を分注ルームから調達する、および(d)クエン酸を(c)の溶液に加えるステップ以外、実施例7の説明通りに実施する。
【0117】
実施例9
以下の薬学的に許容される物質を使用し、下記で説明する方法に従って、3種類のアルブテロール吸入液を調製する。
【0118】
【表8】

アルブテロール吸入液を、(a)NaClをおよそ80mLの水に加えて水溶液を作製する、(b)アルブテロール遊離塩基を(a)の溶液に加える、(c)HClを(b)の溶液に加える、(d)およそ20mLの水を(c)の溶液に加える方法に従って製剤化する。当該技術分野で既知の標準的な化学的技法を使用してpHを判定する。もし、(a)〜(d)を有する吸入用水溶液のpHが3.75±0.15より低い場合は、本プロセスは(e)pHが3.75±0.15になるまでNaOHを加えるというステップをさらに有する。
【0119】
実施例10
アルブテロール遊離塩基を使用して調製されたアルブテロール溶液を有する単位用量製剤の大量生産
以下の薬学的に許容される物質を使用し、下記で説明する処方に従って、3種類のアルブテロール吸入液を調製した。
【0120】
【表9】

アルブテロール溶液を有する単位用量製剤の大量生産に使用される薬学的に許容される物質の実際の量は以下の通りであった:
【0121】
【表10】

アルブテロール遊離塩基を使用して調製したアルブテロール溶液を有するおよそ200Lの単位用量製剤の大量生産の方法が提供され、本方法は、(a)生産エリアの環境的清浄度をチェックする、(b)滅菌スチームで調合タンクを消毒する、(c)バッチの調製に必要な約120%(220kg)の注射用水を加え、水を25〜30℃に冷却する、(d)ミキサーを起動し、バッチの最終重量がおよそ80%(160Kg)になるまで冷却した注射用水をタンクから除去する、(e)必要な量の塩化ナトリウムを調合タンクにゆっくりと加え、視覚的に透明になるまで混合する、(f)必要な量のアルブテロール遊離塩基を調合タンクに加え、視覚的に透明になるまで混合する、(g)上記の処方の表示通りに1.0Nの塩酸を加え、pH測定用サンプルを採取し、1.0Nの塩酸または1.0Nの水酸化ナトリウムをさらに加えてpHを3.75±0.15に調節し、それぞれ添加後に最低10分間混合してから、pH測定用のサンプルを採取し、目標のpHが得られるまでpH測定用のサンプル採取と酸/塩基による調節を繰り返す、(h)ミキサーの電源を切りロードセルの表示が一定になるまでバッチを一定に保ち、バッチの最終重量が得られるまで先に冷却しておいた(25〜30℃)注射用水を調合タンクにゆっくりと加え、(i)ミキサーの電源を入れ、溶液を最低10分間混合する、(j)適切な数のサンプルを化学的試験(pH、質量オスモル濃度、アッセイ、酸素含有量)用、および生物学的試験(バイオバーデンおよび微生物学的バリデーション、必要な場合)用にバルク溶液から採取する、(k)もし、アッセイ、pH、および質量オスモル濃度の検査が規格内であれば、バッチを放出してさらなるプロセスに移る、(l)バルク製剤を無菌的に濾過して予め滅菌した貯蔵タンク内へ移し、0.1ミクロンのPall Ultiporeナイロンフィルターを生産物の濾過に使用した、(m)およそ0.5mLの生産物を、予め滅菌したブローフィルシール機内で滅菌バイアルに無菌的に充填し、生産物を貯蔵タンクからバイアルに移す際に2つの0.1ミクロンのPall Ultiporeナイロンフィルターを使用する、(n)4つのバイアルをアルミホイルの外装で包み、ロット番号を外装に印刷するステップを有する。
【0122】
図2は、本実施例で説明したおよそ0.5mlの単位用量製剤の製造と包装に用いられる大量生産プロセスを説明するフローチャートを提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.約0.84〜約0.90重量%のNaClを用意するステップと、
b.前記NaClを約80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、
c.約0.03〜約0.25重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、
d.約0.10〜約1.3重量%のHCl(1N)を(c)の溶液に添加するステップと、
e.(d)の溶液に約0.001〜約0.05重量%のNaOHを場合により添加するステップと、
f.(d)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、
g.(e)の溶液を濾過滅菌するステップと、
h.(f)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製される治療有効量のアルブテロール溶液を有する単位用量製剤であって、
前記単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:HClのモル比が約0.85〜約1.20、pHが約3.0〜約4.5であり、前記単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している、単位用量製剤。
【請求項2】
前記単位用量製剤は、
a.約0.90重量%のNaClを用意するステップと、
b.前記NaClを約80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、
c.約0.03重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、
d.約0.17重量%のHCl(1N)を(c)の溶液に添加するステップと、
e.(d)の溶液に約0.001〜約0.05重量%のNaOHを場合により添加するステップと、
f.(d)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、
g.(e)の溶液を濾過滅菌するステップと、
h.(f)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製され、
前記単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:HClのモル比が約0.87、pHが約3.7であり、前記単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している、請求項1記載の単位用量製剤。
【請求項3】
前記単位用量製剤は、
a.約0.87重量%のNaClを用意するステップと、
b.前記NaClを約80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、
c.約0.12重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、
d.約0.55重量%のHCl(1N)を(c)の溶液に添加するステップと、
e.(d)の溶液に約0.001〜約0.05重量%のNaOHを場合により添加するステップと、
f.(e)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、
g.(f)の溶液を濾過滅菌するステップと、
h.(g)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製され、
前記単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:HClのモル比が約1.08、pHが約3.6であり、前記単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している、請求項1記載の単位用量製剤。
【請求項4】
前記単位用量製剤は、
a.約0.88重量%のNaClを用意するステップと、
b.前記NaClを約80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、
c.約0.062重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、
d.約0.33重量%のHCl(1N)を(c)の溶液に添加するステップと、
e.(d)の溶液に約0.001〜約0.05重量%のNaOHを場合により添加するステップと、
f.(e)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、
g.(f)の溶液を濾過滅菌するステップと、
h.(g)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製され、
前記単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:HClのモル比が約0.94、pHが約3.75±0.15であり、前記単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している、請求項1記載の単位用量製剤。
【請求項5】
前記単位用量製剤は、
a.約0.86重量%のNaClを用意するステップと、
b.前記NaClを約80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、
c.約0.126重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、
d.約0.64重量%のHCl(1N)を(c)の溶液に添加するステップと、
e.(d)の溶液に約0.001〜約0.05重量%のNaOHを場合により添加するステップと、
f.(e)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、
g.(f)の溶液を濾過滅菌するステップと、
h.(g)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製され、
前記単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:HClのモル比が約0.97、pHが約3.75±0.15であり、前記単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している、請求項1記載の単位用量製剤。
【請求項6】
前記単位用量製剤は、
a.約0.84重量%のNaClを用意するステップと、
b.前記NaClを約80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、
c.約0.25重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、
d.約1.30重量%のHCl(1N)を(c)の溶液に添加するステップと、
e.(d)の溶液に約0.001〜約0.05重量%のNaOHを場合により添加するステップと、
f.(e)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、
g.(f)の溶液を濾過滅菌するステップと、
h.(g)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製され、
前記単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:HClのモル比が約0.95、pHが約3.75±0.15であり、前記単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している、請求項1記載の単位用量製剤。
【請求項7】
前記単位用量製剤は、
a.約0.84重量%のNaClを用意するステップと、
b.前記NaClを約80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、
c.約0.25重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、
d.約1.06重量%のHCl(1N)を(c)の溶液に添加するステップと、
e.(d)の溶液に約0.001〜約0.05重量%のNaOHを場合により添加するステップと、
f.(e)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、
g.(f)の溶液を濾過滅菌するステップと、
h.(g)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製され、
前記単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:HClのモル比が約1.16、pHが約3.4であり、前記単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している、請求項1記載の単位用量製剤。
【請求項8】
a.約0.84〜約0.90重量%のNaClを用意するステップと、
b.前記NaClを約80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、
c.約0.03〜約0.25重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、
d.約0.03〜約0.35重量%のクエン酸を(c)の溶液に添加するステップと、
e.(d)の溶液に約0.001〜約0.05重量%のNaOHを場合により添加するステップと、
f.(e)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、
g.(f)の溶液を濾過滅菌するステップと、
h.(g)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製される治療有効量のアルブテロール溶液を有する単位用量製剤であって、
前記単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:クエン酸のモル比が約0.80〜約1.0、pHが約3.0〜約4.5であり、前記単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している、単位用量製剤。
【請求項9】
前記単位用量製剤は、
a.約0.90重量%のNaClを用意するステップと、
b.前記NaClを約80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、
c.約0.03重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、
d.約0.03重量%のクエン酸を(c)の溶液に添加するステップと、
e.(d)の溶液に約0.001〜約0.05重量%のクエン酸ナトリウムを場合により添加するステップと、
f.(e)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、
g.(f)の溶液を濾過滅菌するステップと、
h.(g)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製され、
前記単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:クエン酸のモル比が約0.80、pHが約3.7であり、前記単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している、請求項8記載の単位用量製剤。
【請求項10】
前記単位用量製剤は、
a.約0.87重量%のNaClを用意するステップと、
b.前記NaClを約80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、
c.約0.12重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、
d.約0.11重量%のクエン酸を(c)の溶液に添加するステップと、
e.(d)の溶液に約0.001〜約0.05重量%のクエン酸ナトリウムを場合により添加するステップと、
f.(e)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、
g.(f)の溶液を濾過滅菌するステップと、
h.(g)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製され、
前記単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:クエン酸のモル比が約0.88、pHが約3.7であり、前記単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している、請求項8記載の単位用量製剤。
【請求項11】
前記単位用量製剤は、
a.約0.84重量%のNaClを用意するステップと、
b.前記NaClを約80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、
c.約0.25重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、
d.約0.21重量%のクエン酸を(c)の溶液に添加するステップと、
e.(d)の溶液に約0.001〜約0.05重量%のクエン酸ナトリウムを場合により添加するステップと、
f.(e)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、
g.(e)の溶液を濾過滅菌するステップと、
h.(g)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製され、
前記単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:クエン酸のモル比が約0.96、pHが約3.7であり、前記単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している、請求項8記載の単位用量製剤。
【請求項12】
a.約0.84〜約0.90重量%のNaClを用意するステップと、
b.前記NaClを約80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、
c.約0.03〜約0.25重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、
d.約0.10〜約1.20重量%のHPOを(c)の溶液に添加するステップと、
e.(d)の溶液に約0.001〜約0.05重量%のリン酸水素二ナトリウムを場合により添加するステップと、
f.(e)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、
g.(f)の溶液を濾過滅菌するステップと、
h.(g)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製される治療有効量のアルブテロール溶液を有する単位用量製剤であって、
前記単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:HPOのモル比が約0.80〜約1.20、pHが約3.0〜約4.5であり、前記単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している、単位用量製剤。
【請求項13】
前記単位用量製剤は、
a.約0.90重量%のNaClを用意するステップと、
b.前記NaClを約80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、
c.約0.03重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、
d.約0.10重量%のHPOを(c)の溶液に添加するステップと、
e.(d)の溶液に約0.001〜約0.05重量%のリン酸水素二ナトリウムを場合により添加するステップと、
f.(e)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、
g.(f)の溶液を濾過滅菌するステップと、
h.(g)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製され、
前記単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:HPOのモル比が約0.80〜約1.20、pHが約3.7であり、前記単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している、請求項12記載の単位用量製剤。
【請求項14】
前記単位用量製剤は、
a.約0.87重量%のNaClを用意するステップと、
b.前記NaClを約80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、
c.約0.12重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、
d.約0.34重量%のHPOを(c)の溶液に添加するステップと、
e.(d)の溶液に約0.001〜約0.05重量%のリン酸水素二ナトリウムを場合により添加するステップと、
f.(e)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、
g.(f)の溶液を濾過滅菌するステップと、
h.(g)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製され、
前記単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:HPOのモル比が約0.80〜約1.20、pHが約3.7であり、前記単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している、請求項12記載の単位用量製剤。
【請求項15】
前記単位用量製剤は、
a.約0.84重量%のNaClを用意するステップと、
b.前記NaClを約80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、
c.約0.25重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、
d.約1.02重量%のHPOを(c)の溶液に添加するステップと、
e.(d)の溶液に約0.001〜約0.05重量%のリン酸水素二ナトリウムを場合により添加するステップと、
f.(e)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、
g.(f)の溶液を濾過滅菌するステップと、
h.(g)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製され、
前記単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:HPOのモル比が約0.80〜約1.20、pHが約3.7であり、前記単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している、請求項12記載の単位用量製剤。
【請求項16】
a.約0.84〜約0.90重量%のNaClを用意するステップと、
b.前記NaClを約80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、
c.約0.03〜約0.25重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、
d.約0.001〜約5.0重量%の安定化剤を(c)の溶液に添加するステップと、
e.約0.10〜約1.3重量%のHCl(1N)を(d)の溶液に添加するステップと、
f.(e)の溶液に約0.001〜約0.05重量%のNaOHを場合により添加するステップと、
g.(f)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、
h.(g)の溶液を濾過滅菌するステップと、
i.(h)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製される治療有効量のアルブテロール溶液を有する単位用量製剤であって、
前記単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:HClのモル比が約0.85〜約1.20、pHが約3.0〜約4.5であり、前記単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している、単位用量製剤。
【請求項17】
a.約0.84〜約0.90重量%のNaClを用意するステップと、
b.前記NaClを約80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、
c.約0.03〜約0.25重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、
d.約0.001〜約5.0重量%の安定化剤を(c)の溶液に添加するステップと、
e.約0.03〜約0.35重量%のクエン酸を(d)の溶液に添加するステップと、
f.(e)の溶液に約0.001〜約0.05重量%のクエン酸ナトリウムを場合により添加するステップと、
g.(f)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、
h.(g)の溶液を濾過滅菌するステップと、
i.(h)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製される治療有効量のアルブテロール溶液を有する単位用量製剤であって、
前記単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:クエン酸のモル比が約0.80〜約1.0、pHが約3.0〜約4.5であり、前記単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している、単位用量製剤。
【請求項18】
a.約0.84〜約0.90重量%のNaClを用意するステップと、
b.前記NaClを約80重量%の水と混合して水溶液を作製するステップと、
c.約0.03〜約0.25重量%のアルブテロール遊離塩基を(b)の溶液に添加するステップと、
d.約0.001〜約5.0重量%の安定化剤を(c)の溶液に添加するステップと、
e.約0.10〜約1.20重量%のHPOを(d)の溶液に添加するステップと、
f.(e)の溶液に約0.001〜約0.05重量%のリン酸水素二ナトリウムを場合により添加するステップと、
g.(f)の溶液に総重量%を100に等しくするのに十分な量の水を添加するステップと、
h.(g)の溶液を濾過滅菌するステップと、
i.(h)の溶液を約0.5mlの単位用量に分割するステップとを有するプロセスによって調製される治療有効量のアルブテロール溶液を有する単位用量製剤であって、
前記単位用量製剤は、初めのアルブテロール遊離塩基:HPOのモル比が約0.80〜約1.20、pHが約3.0〜約4.5であり、前記単位用量製剤は治療有効量のアルブテロールを有し、噴霧化による吸入療法に適している、単位用量製剤。
【請求項19】
前記安定化剤は、キレート剤、保存剤、酸化防止剤、またはこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項16から18のいずれか1項記載の単位用量製剤。
【請求項20】
前記安定化剤はキレート剤である、請求項19記載の単位用量製剤。
【請求項21】
前記キレート剤はEDTAである、請求項20記載の単位用量製剤。
【請求項22】
前記安定化剤は保存剤である、請求項19記載の単位用量製剤。
【請求項23】
前記保存剤は塩化ベンザルコニウムである、請求項19記載の単位用量製剤。
【請求項24】
前記安定化剤は酸化防止剤である、請求項19記載の単位用量製剤。
【請求項25】
前記酸化防止剤は、アスコルビン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、αトコフェロール、ビタミンE、またはこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項24記載の単位用量製剤。
【請求項26】
第2の薬学的に活性な物質をさらに有する、請求項1から25のいずれか1項記載の単位用量製剤。
【請求項27】
前記第2の薬学的に活性な物質はコルチコステロイドである、請求項26記載の単位用量製剤。
【請求項28】
前記第2の薬学的に活性な物質は抗生物質である、請求項26記載の単位用量製剤。
【請求項29】
前記第2の薬学的に活性な物質は抗コリン薬である、請求項26記載の単位用量製剤。
【請求項30】
前記第2の薬学的に活性な物質はドーパミン(D)受容体作動薬である、請求項26記載の単位用量製剤。
【請求項31】
請求項1から30のいずれか1項記載の単位用量製剤を投与する工程を包含する、気管支収縮性疾患と診断されたかまたはその存在が疑われる患者の治療方法。
【請求項32】
前記気管支収縮性疾患は、喘息、小児喘息、気管支喘息、アレルギー喘息、職業性喘息、アスピリン過敏性喘息、運動誘発性喘息、内因性喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎、嚢胞性線維症、および肺気腫からなる群から選択される、請求項32記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−537570(P2009−537570A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−511257(P2009−511257)
【出願日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【国際出願番号】PCT/US2007/069313
【国際公開番号】WO2007/137206
【国際公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(508185328)ティカ レーケメデル アーベー (11)
【Fターム(参考)】