説明

アルミニウム−亜鉛−マグネシウム−銅の合金の押し出し品

改善された強度及び破壊靭性を有するアルミニウム合金の押し出し品の製品であって、アルミニウムが主材料の合金は、1.95から2.5重量%のCu、1.9から2.5重量%のMg、8.2から10重量%のZn、0.05から0.25重量%のZr、最大0.15重量%のSi、最大0.15重量%のFe、最大0.1重量%のMn、残りのアルミニウム、並びに偶発的な元素及び不純物で構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、Al−Zn−Mg−Cu合金に関し、より詳しくは、それは、Al−Zn−Mg−Cu押し出し品及び航空機の用途における使用のためにそれを作る方法に関する。さらに、本発明は、改善された破壊靭性を有するAl−Zn−Mg−Cu合金の押し出し品の製品に関する。
【背景技術】
【0002】
既存のAl−Zn−Mg−Cu合金は、適度の耐腐食性及び適度の損傷許容性又は破壊靭性において相対的に高い強度を有することができる。このような合金及び特性を得る方法は、特許に述べられている。例えば、特許文献1は、アルミニウム合金の製品並びに強度及び耐腐食性の改善された組み合わせを有する結果として生じる製品を生産するための方法を開示する。その方法は、本質的に、約6−16%の亜鉛、約1.5−4.5%のマグネシウム、約1−3%の銅、ジルコニウム、クロム、マンガン、チタン、バナジウム、及びハフニウムから選択された一つ以上の元素、残部のアルミニウム、及び偶発的な不純物からなる合金を提供することを含み、前記元素の合計は、約1%を超えない。そして、その合金は、溶体化処理され、溶体化処理されたような強度とピーク強度との間における少なくとも30%の差によって溶体化処理されたような強度レベルを超えるレベルまでそれの強度を増加させるために析出硬化させられ、その耐腐食性の特性を改善するための十分な単数又は複数の温度における処理に晒され、その降伏強度を上昇させると共に高い強度の高度に耐腐食性の合金の製品を生産するために再度析出硬化させられる。
【0003】
特許文献2は、強度、密度、靭性、及び耐腐食性の改善された組み合わせを有する合金の製品を開示し、前記合金の製品は、本質的に、約7.6から8.4%の亜鉛、約1.8から2.2%のマグネシウム、約2から2.6%の銅、並びに、約0.5%を超えない合計量で存在する、ジルコニウム、バナジウム、及びハフニウムから選択される少なくとも一つの元素、好ましくは約0.05から0.25%のジルコニウム、残部のアルミニウム、並びに偶発的な元素及び不純物からなる。航空宇宙の用途に適切な合金の製品は、典型的にはそれの7X50−T6相当品のものと同等の又はそれの7X50−T6相当品のものよりも良好な、良好な靭性及び耐腐食性の特性を備えた、高い降伏強度、それの7X50−T6相当品よりも少なくとも約10%大きい降伏強度を示す。この合金から作られた上側の翼部材は、典型的には、84ksiを超える降伏強度、良好な破壊靭性、“EC”又はより良好なEXCOの剥脱耐性レベル、典型的には“EB”を有する。
【0004】
特許文献3は、亜鉛、マグネシウム、銅、並びに、クロム、マンガン、及びジルコニウムからなる群より選択される少なくとも一つの元素を含有する溶体化処理されたアルミニウム合金を含む物品の強度及び耐腐食性を改善するための三ステップの熱老化法を開示する。その物品は、約175°から325°Fで析出硬化させられ、約360°から390°Fの温度で数分から数時間までの間熱処理され、約175°から325°Fで再度析出硬化させられる。好適な実施形態においては、処理された物品は、T6条件でアルミニウム合金7075を含む。その発明の方法は、制御することがより容易であり、他の同等の方法よりも大きい厚さの物品を処理することに適切である。
【0005】
特許文献4は、ピーク降伏強度より下の降伏強度が得られるように最初に合金を老化させること、その後に続いて、合金の耐腐食性を改善するために、より高度に老化させること、その後に続いて、初期に達成されたものを超えて増加させられた強度まで、より低い温度で老化させることを含む、溶体化処理された析出硬化する金属の合金に対する老化の工程を開示する。
【0006】
特許文献5は、高い機械的強度を有するAA7000系の合金及びそれらを得るための工程を開示する。合金は、重量によって、7から13.5%のZn、1から3.8%のMg、0.6から2.7%のCu、0から0.5%のMn、0から0.4%のCr、0から0.2%のZr、各々0.05%及び合計0.15%までの他のもの、ならびに残りのAlを含有する。展伸用合金又は鋳造用合金のいずれかを得ることができ、製品のDEA溶融信号と関連した比エネルギーは、3J/gよりも低い。
【0007】
特許文献6は、本質的に、約5.5−10.0重量%の亜鉛、約1.75−2.6重量%のマグネシウム、約1.8−2.75重量%の銅、残部のアルミニウム及び他の元素からなるアルミニウムを主材料とした合金の組成物を提供することを含む、改善された剥脱耐性及び破壊靭性を有するアルミニウムを主材料とした合金の製品を生産する方法を開示する。アルミニウムを主材料とした合金は、改善された耐腐食性及び機械的特性を有する製品を生産するために、加工され、熱処理され、急冷され、老化されられる。亜鉛、マグネシウム、及び銅の量は、析出が、老化の工程の結果として本質的に完全であった後に過剰の元素が存在しないように、化学量論的に均衡がとられる。アルミニウムを主材料とした合金の製品を生産する方法は、銅、マグネシウム、及び亜鉛の化学量論的に均衡をとることと併せて一又は二ステップの老化の工程のいずれかを利用する。
【0008】
特許文献7は、0から3.0重量%のCu、0から1.5重量%のMn、0.1から4.0重量%のMg、0.8から8.5重量%のZn、少なくとも0.005重量%のSr、最大1.0重量%のSi、最大0.8重量%のFe、及び最大0.45重量%のCr、0から0.2重量%のZr、残りのアルミニウム、並びに偶発的な元素及び不純物を含む改善されたアルミニウムが主材料の合金の製品を開示する。
【0009】
特許文献8は、約0.1%から3%より下の任意の量の銅、約0.1%から約2%のチタン、約6%から約16%の亜鉛、好ましくは0.6%を超えない(商業的なアルミニウムの不純物として存在する)鉄、好ましくは0.4%を超えない(商業的なアルミニウムの不純物として存在する)ケイ素、好ましくは0.4%を超えない他の元素(不純物)、残りのアルミニウムからなる改善されたアルミニウム合金を開示する。
【0010】
特許文献9は、約2%から20%までの範囲、約3%と15%との間にある好適な範囲にわたる量で存在するアルミニウム、亜鉛、及びマグネシウムの三元化合物を有する改善されたアルミニウム合金を開示する。室温で、その三元化合物は、約2%の量でアルミニウム合金における固溶体の状態になる。固溶体における百分率は、高い温度で増加し、冷却で減少し、余剰なものは、すっかり沈殿する。
【0011】
特許文献10は、高い横向きの降伏強度及び高い応力腐食割れの耐性の改善された組み合わせを有するアルミニウムが主材料の粉末の金属学的な合金の物品を開示する。その合金は、基本的な析出硬化する元素、亜鉛、マグネシウム、及び銅に加えて分散を補強する元素、鉄及びニッケルを含有する。加えて、それは、クロム及び/又はマンガンを含有してもよい。その合金は、それら元素の溶融物の噴霧化、熱間加工、溶体化処理、急冷、及び人為的老化によって調製される。アルミニウムに加えて、重量百分率での合金の成分は、少なくとも6.5から13までの亜鉛、1.75から6のマグネシウム、0.25から2.5の銅、0.75から4.25の鉄、及び0.75から6のニッケル、3までのマンガン、及び0.75までのクロムである。鉄対ニッケルの比は、0.2:1から2.0:1までである。
【0012】
特許文献11は、重量で、1−10%のZn、1−15%のSi、0.1−5%のCu、0.1−5%のPb、0.005−0.5%のSr、並びに残部のAl及び偶発的な不純物からなる、耐疲労性及び焼付き防止性に優れた、滑り材料としての使用のためのAlを主材料とした合金を開示する。
【0013】
特許文献12は、重量%で、5.7<Zn<8.7、1.7<Mg<2.5、1.2<Cu<2.2、Fe<0.14、Si<0.11、0.05<Zr<0.15、Mn<0.02、Cr<0.02、Cu+Mg<4.1及びMg>Cu、各々が<0.05で合計が<0.10の他の元素を含む組成を有する、>60mmの厚さの、圧延された、押し出された、又は鍛造されたAlZnMgCuアルミニウム合金の製品で作られたプラスチック用の型を開示し、製品は、溶体化処理、急冷、及びT6の焼き戻し高度までの老化によって処理される。
【0014】
これらの開示にもかかわらず、高いレベルの強度、耐腐食性、破壊靭性、及び疲労亀裂の成長に対する良好な耐性を有する航空宇宙の用途に、改善された合金及びそれから製作される押し出し品に対する大きな要望がまだある。本発明は、このような押し出し品を提供する。
【特許文献1】米国特許第4,863,528号明細書
【特許文献2】米国特許第5,221,377号明細書
【特許文献3】米国特許第4,477,292号明細書
【特許文献4】米国特許第5,108,520号明細書
【特許文献5】米国特許第5,560,789号明細書
【特許文献6】米国特許第5,312,498号明細書
【特許文献7】米国特許第4,711,762号明細書
【特許文献8】米国特許第1,418,303号明細書
【特許文献9】米国特許第2,290,020号明細書
【特許文献10】米国特許第3,637,441号明細書
【特許文献11】米国特許第5,028,393号明細書
【特許文献12】米国特許第6,315,842号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、航空機における使用のための改善されたAl−Zn−Mg−Cu合金の押し出し品を提供することである。
【0016】
本発明の別の目的は、高い強度レベルを有するのみならず改善された破壊靭性を有するAl−Zn−Mg−Cu合金の押し出し品を提供することである。
【0017】
本発明のさらに別の目的は、改善された強度特性、破壊靭性、及び疲労亀裂の成長に対する耐性を有するAl−Zn−Mg−Cu合金の押し出し品を生産するための方法を提供することである。
【0018】
本発明のまた別の目的は、改善された強度特性、破壊靭性、耐腐食性の良好なレベルを有するAl−Zn−Mg−Cu合金の製品を生産するための方法を提供することである。
【0019】
本発明の別の目的は、本発明の合金からの押し出し品のような航空宇宙の構造部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
これらの目的に従って、改善された破壊靭性を有するアルミニウム合金の押し出し品の製品を生産する方法が提供され、その方法は、1.95から2.5重量%のCu、1.9から2.5重量%のMg、8.2から10重量%のZn、0.05から0.25重量%のZr、最大0.15重量%のSi、最大0.15重量%のFe、最大0.1重量%のMn、残りのアルミニウム、並びに偶発的な元素及び不純物で構成されるアルミニウムが主材料の合金の溶融した本体を提供するステップ、及び凝固した本体を提供するためにアルミニウムが主材料の合金の溶融した本体を鋳造するステップを含み、溶融したアルミニウムが主材料の合金は、25から75μmの範囲における微粒子の大きさを有する凝固した本体を提供するために、600°から800°K毎秒の範囲における液相線の温度と固相線の温度との間におけるある速度で凝固させられる。その後、その本体は、840°から860°Fの第一の温度範囲で加熱すること、その後に続いて、MgZn又はη沈殿物の一様な分布を有する均質化された本体を提供するために680°から880°Fの第二の温度範囲で加熱することによって均質化される。そして均質化された本体は、押し出し品を提供するために、押し出され、その押し出しは、600°から850°Fの温度範囲で、及び、再結晶されない条件で前記押し出し品の少なくとも80%を維持することに十分な速度で、実行される。その押し出し品は、溶体化強度特性を改善するために、及び、改善された破壊靭性を有する押し出し品の製品を提供するために、処理されると共に人為的に老化させられる。
【0021】
改善されたアルミニウムが主材料の合金の押し出し品の製品は、同様の大きさの7xxx製品よりも8%以上の破壊靭性及び3%以上の降伏強度を有することができる。
【0022】
また、本発明は、本質的に、1.95から2.5重量%のCu、1.9から2.5重量%のMg、8.2から10重量%のZn、0.05から0.25重量%のZr、0.05から0.2重量%のSc、最大0.15重量%のSi、最大0.15重量%のFe、最大0.1重量%のMn、残りのアルミニウム、並びに偶発的な元素及び不純物からなる押し出し品の製品のような、改善されたアルミニウムが主材料合金の展伸材を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1を参照して、本発明におけるステップのフローチャートが示される。一般に、それらステップにおいて、Al−Zn−Mg−Cu合金の溶融した本体は、鋳造された本体において特定の微粒子の大きさの範囲を得るために、制御された凝固の速度で鋳造される。その後、鋳造された本体は、MgZn又はη沈殿物の一様な分布を得るために、制御された条件の下で均質化される。その本体は、再結晶されない条件でそれの大部分、例えば少なくとも80%、を有する押し出し品を得るために、特定の速度の範囲及び温度で押し出しされる。そして、押し出し品は、強度、破壊靭性、及び耐腐食性の非常に高いレベルまで溶体化処理されると共に老化させられる。
【0024】
本発明の合金は、約8.2から10重量%のZn、1.9から2.5重量%のMg、1.95から2.5重量%のCu、0.05から0.25重量%のZr、最大0.15重量%のSi、最大0.15重量%のFe、最大0.1重量%のMn、残りのアルミニウム、並びに偶発的な元素及び不純物を含有する。
【0025】
好ましくは、その合金は、1.95から2.3重量%のCu、1.9から2.3重量%のMg、8.45から9.4重量%のZn、0.05から0.2重量%のCr、及び0.05から0.15重量%のZrを含有する。Crは、0.05から0.08重量%までの範囲にわたり得る。再結晶を遅らせる目的で、それら合金は、0.01から0.2重量%、好ましくは0.01から0.1重量%のScを含有することができる。このような合金は、本発明に従って加工されるとき、例えばAA7075−T6のような従来の7xxx合金と比較して許容可能なレベル又はいっそう高いレベルの強度及び耐腐食性で、破壊靭性における著しい改善を所有する。AA7xxx合金の組成は、1993年12月付けの“Registration Record of Aluminum Association Designations and Chemical Composition Limits for Wrought Aluminum and Wrought Aluminum Alloys”と題されたThe Aluminum Associationの出版物に述べられている。用語“7xxx”は、主要な合金を作る構成要素としての亜鉛を含有するアルミニウム合金を意味する。AA7075−T6は、The Aluminum Associationに登録されているようなAA組成の限界を指す。7075に対する典型的なT6の老化の実践は、24時間の間に約250°Fでの加熱であり、典型的な温度範囲は、3から30時間の間に約175°から330°Fである。
【0026】
本発明の目的のために、本発明の溶融したアルミニウム合金は、制御されたミクロ構造又は微粒子の大きさを提供する速度で凝固した本体に鋳造される。このような溶融したアルミニウム合金は、押し出し品の製品を生産することが望まれるとき、典型的には、小鋼片の形態に鋳造される。さらに、典型的には、このような凝固した本体は、約1から6インチ毎分、好ましくは2から4インチ毎分の速度で鋳造され、典型的には、小鋼片は、約1から7インチの範囲における直径を有する。本発明の目的のために、凝固した本体が、25から100μm、好ましくは35から75μmの範囲における平均の微粒子の大きさを有することは、好適である。本発明の合金が、本発明に従って制御された速度で鋳造されると共に熱的に機械的に加工されるとすれば、非常に高い引っ張り強さ及び圧縮強さ、破壊靭性、及び耐腐食性を得ることができる。すなわち、本発明に従って熱的な機械的な加工のために所望のミクロ構造を得る目的で、溶融したアルミニウムは、制御された凝固の速度で鋳造される。開示したアルミニウム合金の制御された凝固の速度が、その後の制御された熱的な機械的な加工との組み合わせで、優れた特性、すなわち、非常に高い引っ張り強さ、良好な耐腐食性及びくぼみ抵抗を有する押し出しされた製品に帰着することを、発見してきた。
【0027】
本アルミニウム合金の強度を、分散硬化によって、又は、ひずみ硬化によって、改善することができることに留意するべきである。ひずみ硬化は、プラスチックの変形の結果であり、変形の自由度に依存する。分散硬化は、(Guiner−Preston又はGPゾーンと呼ばれる)原子のクラスターの形成を通じて生じさせられる。加えて、分散硬化は、転位の運動に対する障壁を形成する、合金における新しい相又は沈殿物の形成から結果として生じ得る。これは、合金の強度を顕著に増加させることができる。Al−Zn−Mg−Cu合金において、新しい補強相は、M又はη相としてもまた知られているMgZn、T相としてもまた知られているMgZnAl、S相としてもまた知られているCuMgAlを含む。新しい相の沈殿物から結果として生じる補強は、GPゾーンの形成による補強よりも有効である。しかしながら、新しい相の沈殿物による補強は、損傷許容性又は破壊靭性に副作用を有し得る。通常、沈殿物の相における体積分率が、大きいほど、損傷許容性は、より低い。比較によって、GPゾーンの形成から結果として生じる補強は、損傷許容性を犠牲にしては行われない。このように、改善された強度及び損傷許容性を提供するために、本発明は、溶液に超過の亜鉛を維持する一方で、最終生産物において沈殿物の体積分率及びGPゾーン又は亜鉛が豊富なクラスターの体積分率の均衡をとる。本発明の目的のために、GPゾーンの大きさは、2から35nmの範囲にあるべきであり、GPゾーンの密度は、4×1018から5×1018ゾーン毎cmの範囲にあるべきである。
【0028】
本発明に従った小鋼片を生産する目的のために、所望の微粒子の大きさ又は構造を提供する制御された速度で小鋼片を凝固させるための空気及び液体の冷媒によって冷却された型を使用して、鋳造を、成し遂げてもよい。微粒子は、35から75μmの範囲における大きさを有することができる。型と共に使用される空気及び冷媒の混合物は、1から6インチの直径を有する小鋼片に対して5°から50°C毎秒の凝固の速度を得るために、溶融したアルミニウム合金の本体から熱を抽出することに特に適合したものである。本発明の溶融したアルミニウム合金を鋳造するための冷却速度を制御することに適切である空気及び冷媒の混合物を使用する型は、米国特許第4,598,763号明細書に記載されている。本発明用のこれらの型との使用のための冷媒は、気体及び液体で構成され、ここで気体は、小さな別個の溶解してない泡として液体の中へ注入され、その組み合わせは、出現するインゴットの表面に向けられる。泡が混入された冷媒は、熱の抽出の増加した速度で金属を冷却するように作用する、及び、必要ならば、定常状態の鋳造段階の間を含む、鋳造の操作における任意の段階で冷却の速度を制御するために、抽出の増加した速度を、冷媒の吐出の速度と一緒に、使用することができる。
【0029】
本発明の目的に適したミクロ構造を提供するための金属、例えばアルミニウム合金を鋳造するために、溶融した金属は、一方の端の開口を通じて、輪状の型の空洞に導入され、金属が、空洞の他方の端の開口に隣接した支持体上でそれの本体を形成するために、型において部分的な凝固をうける一方で、型及び支持体は、空洞の後者の開口を通じて金属の本体を伸長させるために、空洞の端を接して互いに関して往復させられる。液体の冷媒は、型の本体における空洞のまわりに取り巻いて配置される輪状の流れの通路に導入され、直接冷却用の金属の出現する本体に突き当たるカーテンとしての冷媒を吐出するための前記の対向する端の開口に隣接した型の周囲の雰囲気に開口する。それに対して、冷媒の液体に実質的に不溶である気体は、型の本体における通路のまわりに配置されると共に冷媒の流れの周囲における通路の吐出の開口から上流に配置される輪状の溝穴を通じて通路へ開口する、輪状分布の空洞の中へ圧力の下で給気される。空洞における気体の本体は、溝穴を通じて通路の中へ放出され、溝穴を通じた気体の吐出として多数の気体の噴流に細分される。噴流は、気体が、通路の開口を通じた同じ吐出のカーテンとしての、冷媒において別個で溶解してないままである傾向にある、多量の泡として流れに混入されると共に金属の出現する本体に突き当たる、温度及び圧力で冷媒の流れの中へ放出される。その中に混入された多量の泡で、カーテンは、増加した速度を有し、この増加を、それが、冷媒の熱伝導率における任意の減少を相殺することにとどまらないので、冷媒の液体の冷却速度を規制するために使用することができる。実際には、冷媒の高い速度の泡が混入されたカーテンは、任意の膜を壊すと共に膜沸騰が金属の表面で起こる傾向を減少させる、金属における洗浄効果を有するように思われ、このように、必要であれば、その工程が、核沸騰のより望まれるレベルで作用することを可能にする。また、泡の添加は、冷媒のカーテンにおいて、より多くの冷媒の蒸気を生じさせ、加えられた蒸気は、通常金属の本体と金属をそのレベルに冷却するためのカーテンの真上における型の壁との間に形成される間隙の中にまで上昇する傾向がある。結果として、金属は、上述したような様式で達成されるより高い冷却速度の結果としてだけでなく、間隙における冷媒の蒸気の集積の結果としてもまた、壁の上方へ別に期待されるよりも遠くで凝固する傾向がある。より高いレベルは、金属が、潤滑油が存在するレベルで型の壁で凝固することになることと共に、これらの効果の全てが、インゴットの全長にわたって金属の本体に優れたサテン様の薬剤のない面を生じさせることを、保証し、特に熱変換に適合したものである。
【0030】
冷媒を、米国特許第4,598,763号明細書に記載されている装置及び技術と併せて用いるとき、この鋳造方法は、カーテンから間隙の中へ放出された任意の気体及び/又は蒸気が、型の空洞から吐出された流体の輪と混ざると共に、流体の断続的なパルスとして起こる吐出よりもむしろ後者の吐出のより多くの定常的な流れを生じさせるというさらなる利点を有する。
【0031】
示したように、気体は、液体における低い溶解度を有するべきであり、ここで液体は、水であり、気体は、安価及び入手し易さのために空気であってもよい。
【0032】
鋳造の操作の間に、分布空洞における気体の本体を、残片を形成する段階及び定常状態の鋳造の段階の両方の間に、溝穴を通じた冷媒の流れの通路中へ放出してもよい。あるいは、気体の本体を、定常状態の鋳造の段階の間にのみ、溝穴を通じて通路の中へ放出してもよい。例えば、残片を形成する段階の間に、冷媒の吐出の速度を、膜沸騰の効果を発生させることによってインゴットを過冷却するために、調節してもよく、気体の本体を、金属の温度が、冷却速度が、金属における所望の面の温度を維持するために増加することを要求するレベルに到達するとき、溝穴を通じて通路の中へ放出してもよい。そして、面の温度が、前述のレベルより下に、下がるとき、気体の本体を、もう一度金属を過冷却するために、溝穴を通じて通路の中へもはや放出しなくてもよい。最終的に、定常状態の鋳造が、始められるとき、気体の本体を、もう一度通路の中へ、溝穴を通じて及び不定の基礎原料に、鋳造の操作を完了するまで、放出してもよい。代わりに、冷媒の吐出速度を、金属の温度を規定の範囲内に維持するために、残片を形成する段階の間に、調節してもよく、気体の本体を、冷媒の吐出速度を増加させると共に定常状態の鋳造段階が始められるまで、溝穴を通じて通路の中へ放出しなくてもよい。
【0033】
冷媒、型、及び鋳造方法は、ここでは参照によって組み込まれる、米国特許第4,598,763号明細書及び米国特許第4,693,298号明細書にさらに述べられている。
【0034】
本発明のための通常の手順を、本発明に従った熱変換に必要な構造を有する小鋼片を生産するために、詳細に記載してきた一方で、本発明に必要な微粒子の構造に帰着する凝固の速度を提供するために他の鋳造方法を使用することができることは、理解されるべきである。先に留意したように、このような凝固を、ベルト、ブロック、又はロール鋳造及び電磁鋳造によって得ることができる。
【0035】
35°から50°F毎秒の冷却速度で、空気及び水の冷媒を使用する型を用いて鋳造される、8.9重量%のZn、2.1重量%のMg、2.3重量%のCu、0.11重量%のZr、アルミニウムを含む残りを含有する合金の七インチの小鋼片は、本発明に従って押し出すと共に熱的に機械的に加工するための満足な微粒子の構造を提供する。
【0036】
鋳造を、小鋼片に関して記載してきた一方で、ここに記載した原理を、インゴット又はアルミニウム合金の電磁鋳造に適用してもよいことは、認識されると思われる。
【0037】
小鋼片を鋳造した後に、それは、均質化処理に晒される。好ましくは、小鋼片は、二つの均質化処理に晒される。第一の均質化処理においては、小鋼片は、好ましくは、6から18時間の周期で840°から880°Fの温度範囲で処理される。そして、その後、小鋼片は、好ましくは、4から36時間の周期で880°から900°Fの温度範囲に晒される。小鋼片を、記載したような二重の均質化処理に晒すことは、小鋼片に、亜鉛及びクロムを含有する分散質のみならずMgZnの沈殿物又はM若しくはη相のより一様な分布を提供する。
【0038】
均質化の後に、小鋼片は、押し出し品の部材を提供するために、押し出される。押し出しの目的で、小鋼片は、600°から850°Fの温度範囲まで加熱され、押し出し品の間、この温度範囲に維持される。好ましくは、小鋼片は、0.8から8フィート/分の範囲における速度で、好ましくは、10から60の範囲における押し出しの比で、押し出される。これらの条件は、押し出し品を得るために、重要であり、ここで押し出し品の少なくとも80%、好ましくは90%は、再結晶されない条件に維持される。押し出し品は、1:4から1:18までの、最も薄い区画と最も厚い区画との間のアスペクト比を有することができる。
【0039】
押し出しの後に、製品は、870°から890°Fである好適な温度範囲と共に、約845°Fから約900°Fの温度範囲で加熱することによって、溶体化処理される。これらの温度における典型的な時間は、5から120分までの範囲にわたり得る。溶体化処理は、合金を作る元素の実質的な部分を溶解させるための十分な時間で、実行されるべきである。すなわち、亜鉛、マグネシウム、及び銅の実質的に全てを、固溶体を提供するために、溶解させる。
【0040】
溶体化処理の後に、押し出し品は、例えば冷水による液浸又は吹きつけによって、急速に冷却される又は急冷される。急冷の後に、押し出し品を、ひずみ矯正してもよい、及び/又は、延伸してもよい。すなわち、押し出し品は、強度特性を改善するための老化させるより先に、ひずみ矯正される。
【0041】
溶体化処理の後に、押し出し品は、強度、腐食、及び破壊靭性のような特性を改善するために、処理される。
【0042】
このように、押し出し品を、所望の特性に依存して、異なる熱処理に晒してもよい。例えば、押し出し品を、T6タイプの焼き戻し硬度と呼ばれるような、高い又はピークの強度を達成するために、単一のステップの熱処理に晒してもよい。しかしながら、このような焼き戻し硬度は、応力腐食割れに敏感であり得る。T6の焼き戻し硬度は、3から30時間の間に、175°から325°Fの温度範囲で老化させることによって、得られる。二ステップの老化の工程を、用いてもよく、ここで第一の老化のステップは、3から30時間の時間周期で175°から300°Fで実行され、3から24時間の時間周期で300°から360°Fで実行される第二の老化のステップが後に続けられる。この老化の工程は、T7xの焼き戻し硬度と呼ばれる老朽化した焼き戻し硬度を生じさせる。この条件は、応力腐食割れを改善するが、強度を減少させ得る。
【0043】
強度及び耐腐食性を改善するために、押し出し品を、三ステップの老化の工程に晒してもよい。老化のステップ又はフェーズは、低い−高い−低い老化の連続を含む。第一の又は低い老化のステップにおいて、押し出し品は、その沈殿物が、ピーク強度での又はピーク強度付近の点まで押し出し品を硬化させる、ある時間周期にある温度に晒される。これを、押し出し品を、典型的には2から30時間の間の時間に、約150°から325°Fの温度範囲に析出硬化に晒すことによって、果たすことができる。そして、押し出し品は、耐腐食性を改善するための第二の処理に晒される。第二の処理は、押し出し品を、例えば5分から約3時間の間に、300°から500°Fの温度範囲に晒すことを含む。第三のステップにおいて、押し出し品は、別の補強ステップに晒される。第三の熱処理は、押し出し品を、約2から30時間の間に、175°から325°Fの温度に晒すことを含む。
【0044】
本発明の合金の剥脱腐食(EXCO)の挙動を、7075T6511合金及び7075T76511合金と比較した。The American Society for Testing and Materialsは、2xxx及び7xxx系のアルミニウム合金用の加速させられた剥脱腐食の試験を提供する方法(ASTM G34−99)を開発した。剥脱に対する感受性は、標準的な写真に対する参照によって確立された性能の格付けを伴った目視の検査によって決定される。この試験の方法に従って試験したとき、本発明の合金は、T76の焼き戻し硬度まで老化したとき、典型的なEAの剥脱腐食の格付けを示す。T77の焼き戻し硬度まで老化したとき、本発明の合金は、典型的なEBの剥脱腐食の格付けを示す。
【0045】
合金を、押し出し品の製品に関して記載してきた一方で、それは、シート及びプレートの製品としての使用を見出すと共に、このようなものは、ここでは予期される。
【0046】
ここで述べた全ての範囲は、まるで具体的に述べたかのように、範囲内の全ての数を含む。
【0047】
本発明に従ったここで記載した製品又は部材は、航空宇宙の用途に特に適切であり、商業的及び軍事的な航空機のような大きい航空機において多くの使用を見出す。製品を、翼の構成部品、尾翼、胴体の区画において、又は航空機を含む部分組み立て品若しくは他の構成部品において、使用することができる。すなわち、航空機組み立て品は、翼組み立て品又は翼部分組み立て品、中央の翼の箱の組み立て品又は部分組み立て品、座席の溝、床受ばり、支柱、貨物甲板組み立て品及び部分組み立て品、床上板、貨物床上板、胴体組み立て品又は部分組み立て品、胴体の枠、胴体の縦材などを含む床の組み立て品又は部分組み立て品を含むことができる。さらに、製品を、縦目無し管又は非縦目無し管として生産してもよく、野球のバットのようなスポーツ用品に使用してもよい。
【0048】
【表1】

以下の例は、本発明のまたさらなる例示である。
【実施例1】
【0049】
[例1]
8.9重量%のZn、2.1重量%のMg、2.3重量%のCu、0.11重量%のZr、偶発的な元素及び不純物、残部のアルミニウムを含有する合金の小鋼片を、七インチの直径の小鋼片に鋳造した。小鋼片を、空気及び(Wagstaff Engineering,Inc.,Spokane,Washingtonから入手可能な)液体の冷媒を利用する鋳込型を使用して、鋳造した。空気/水の冷媒を、溶融したアルミニウム合金の本体を、4インチ毎分の速度で鋳造するために、調節した。鋳造されたような構造は、35μmの平均の微粒子の大きさを有した。小鋼片を、870°Fで8時間の間、そして、890°Fで24時間の間に、均質化した。その後、小鋼片を、725°Fの温度までもってきて、2.65インチの外側の直径及び0.080インチの壁の厚さを備えた中空管に押し出した。
【0050】
押し出し品は、再結晶されてない微粒子の構造を有した。押し出し品を、880°Fで25分の間に溶体化処理し、水−15%グリコールの溶液で急冷した。その後、急冷した押し出し品を、250°Fで24時間の間に析出硬化させ、そして、耐腐食性及び降伏強度の特性を改善するために、6時間の間に315°Fの温度に晒した。そして、押し出し品を、引っ張り強さ及び降伏強度について試験し、AA7075T6と比較した。結果を表1に再現する。
【0051】
そして、押し出し品を、くぼみ抵抗又は損傷許容性について試験した。くぼみ抵抗の試験を、押し出しされた管に一定の大きさ及び重量のボールを投げることによって行った。押し出しされた管における第一のくぼみへの投げの回数は、くぼみ抵抗を表す。押し出し品を、同様の様式で処理されたAA7055合金と比較した。本発明の合金は、SSLLCとしてのM703及び7055と呼ばれる(図2参照)。両方の合金を、同一に老化させた。図2から、M703が、優れたくぼみ抵抗を有したことがわかると思われる。
【実施例2】
【0052】
[例2]
8.9重量%のZn、2.1重量%のMg、2.3重量%のCu、0.11重量%のZr、偶発的な元素及び不純物、残部のアルミニウムを含有する合金の小鋼片を、七インチの直径の小鋼片に鋳造した。小鋼片を、空気及び(Wagstaff Engineering,Inc.,Spokane,Washingtonから入手可能な)液体の冷媒を利用する鋳込型を使用して、鋳造した。空気/水の冷媒を、溶融したアルミニウム合金の本体を、4インチ毎分の速度で鋳造するために、調節した。鋳造されたような構造は、35μmの平均の微粒子の大きさを有した。小鋼片を、870°Fで8時間の間、そして、890°Fで24時間の間に、均質化した。その後、小鋼片を、725°Fの温度までもってきて、“T”の形状をした断面及び0.245インチの壁の厚さを有する航空機の縦材に押し出した。
【0053】
押し出し品は、再結晶されてない微粒子の構造を有した。押し出し品を、880°Fで35分の間に溶体化処理し、水−15%グリコールの溶液で急冷した。その後、急冷した押し出し品を、250°Fで24時間の間に、その後に続いて、380°Fで25から35分の間に、析出硬化させ、そして、24時間の間に250°Fの温度に晒した。そして、押し出し品を、引っ張り強さ及び降伏強度、並びに破壊靭性、疲労亀裂の成長について試験し、AA7075T6511及びAA7150T77511と比較した。結果を表1に再現する。本発明の合金が、AA7075T6511及びAA7150T77511と比較したとき、優れた強度及び破壊靭性を有することがわかると思われる。また、押し出し品は、引っ張り強さ、耐腐食性、及び損傷許容性(すなわち、破壊靭性及び疲労亀裂の成長)の特有の組み合わせを有する。
【0054】
現在好適な実施形態を記載してきたが、本発明を、添付した特許請求の範囲の範囲内で別な具合に具現化してもよいことは、理解されることである。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】図1は、本発明のステップを示すフローチャートである。
【図2】図2は、高い強度の7xxx合金(SSLLC)と比較した本発明の合金(M703)の損傷許容性(規格化されたへこませるスピード)の結果を図説する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
改善された破壊靭性を有するアルミニウム合金の押し出し品の製品を生産する方法であって、
当該方法は、
(a)1.95から2.5重量%のCu、1.9から2.5重量%のMg、8.2から10重量%のZn、0.05から0.25重量%のZr、最大0.15重量%のSi、最大0.15重量%のFe、最大0.1重量%のMn、残りのアルミニウム、並びに偶発的な元素及び不純物で構成されるアルミニウムが主材料の合金の溶融した本体を提供するステップ、
(b)凝固した本体を提供するために該アルミニウムが主材料の合金の該溶融した本体を鋳造するステップ
を含み、
該溶融したアルミニウムが主材料の合金は、1から6インチ毎分の範囲における速度で鋳造され、
当該方法は、
(c)η沈殿物及びジルコニウムを含有する分散質の一様な分布を有する均質化された本体を提供するために、840から860°Fの第一の温度範囲において加熱することによって、その後に続いて、860°から880°Fの第二の温度範囲において加熱することによって、該本体を均質化するステップ、
(d)押し出し品を提供するために該均質化された本体を押し出しするステップ
を含み、
該押し出しすることは、600°から850°Fの温度範囲で、及び、再結晶されない条件で該押し出し品の断面積の少なくとも80%を維持することに十分な速度で、実行され、
当該方法は、
(e)該押し出し品を溶体化処理するステップ、並びに
(f)改善された破壊靭性を有する押し出し品の製品を提供するための強度の特性を改善するために該製品を人為的に老化させるステップ
を含む方法。
【請求項2】
前記合金は、1.95から2.3重量%のCuを含有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記合金は、1.9から2.3重量%のMgを含有する請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記合金は、0.05から0.2重量%のCrを含有する請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記合金は、8.45から9.4重量%のZnを含有する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記合金は、0.01から0.1重量%のScを含有する請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記合金は、0.01から0.2重量%のTiを含有する請求項1に記載の方法。
【請求項8】
6から18時間の間に前記第一の温度範囲において加熱することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
4から36時間の間に前記第二の温度範囲において加熱することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
該押し出し品を急冷することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記押し出しすることは、0.5から8フィート/分の範囲における速度で実行される請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記溶体化処理することは、5から120分の間に870°から890°Fの温度範囲において実行される請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記人為的に老化させることは、3から30時間の間に175°から300°Fの温度範囲において老化させることによって、その後に続いて、3から24時間の間に280°から360°Fで老化させることによって、実行される請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記人為的に老化させることは、4から24時間の間に210°から280°Fの温度範囲において老化させることによって、その後に続いて、30分から14時間の間に320°から400°Fで老化させることによって、実行される請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記人為的に老化させることは、2から30時間の間に150°から325°Fの温度範囲において老化させることによって、その後に続いて、5分から3時間の間に300°から500°Fで老化させることによって、その後に続いて、2から30時間の間に175°から325°Fで老化させることによって、実行される請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記人為的に老化させることは、三ステップの工程であり、
第一及び第三のステップは、強度を改善すると共に、
第二のステップは、耐腐食性を改善する
請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記人為的に老化させることは、
(i)前記押し出し品を析出硬化させるための、室温より上の低い温度で、
(ii)前記押し出し品の耐腐食性の特性を改善するための温度で、及び
(iii)前記押し出し品を析出硬化させるための、室温より上のより低い温度で、
老化させることを含む請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記押し出し品は、7075合金から製作された同様の押し出し品よりも少なくとも5%大きい破壊靭性を有する請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記押し出し品は、7075合金から製作された同様の押し出し品よりも少なくとも8%大きい引っ張り強さを有する請求項1に記載の方法。
【請求項20】
改善された強度及び破壊靭性を有するアルミニウム合金の押し出し品の製品を生産する方法であって、
当該方法は、
(a)1.95から2.3重量%のCu、1.9から2.3重量%のMg、8.2から9.4重量%のZn、0.05から0.2重量%のCr、0.05から0.15重量%のZr、最大0.15重量%のSi、最大0.15重量%のFe、最大0.1重量%のMn、残りのアルミニウム、並びに偶発的な元素及び不純物で構成されるアルミニウムが主材料の合金の溶融した本体を提供するステップ、
(b)凝固した本体を提供するために該アルミニウムが主材料の合金の該溶融した本体を鋳造する、ステップ
を含み、
該溶融したアルミニウムが主材料の合金は、1から6インチ毎分の範囲における速度で鋳造され、
当該方法は、
(c)η沈殿物並びにジルコニウム及びクロムを含有する分散質の一様な分布を有する均質化された本体を提供するために、6から24時間の間に840から860°Fの第一の温度範囲において加熱することによって、その後に続いて、4から36時間の間に860°から880°Fの第二の温度範囲において加熱することによって、該本体を均質化するステップ、
(d)押し出し品を提供するために該均質化された本体を押し出しする、ステップ
を含み、
該押し出しすることは、600°から850°Fの温度範囲で、及び、該押し出し品の断面積の少なくとも80%を表す再結晶されない領域を備えた押し出し品を提供するために0.5から8.0フィート/分の範囲における速度で、実行され、
当該方法は、
(e)該押し出し品を急冷するステップ、
(f)該押し出し品を溶体化処理するステップ、並びに
(g)改善された破壊靭性を有する押し出し品の製品を提供するための強度の特性を改善するために該製品を人為的に老化させるステップ
を含む方法。
【請求項21】
前記合金は、0.01から0.1重量%のScを含有する請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記合金は、0.01から0.2重量%のTiを含有する請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記溶体化処理することは、5から120分の間に870°から890°Fの温度範囲において実行される請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記人為的に老化させることは、3から30時間の間に175°から300°Fの温度範囲において老化させることによって、その後に続いて、3から24時間の間に280°から360°Fで老化させることによって、実行される請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記人為的に老化させることは、6から24時間の間に245°から255°Fの温度範囲において老化させることによって、その後に続いて、5から120分の間に360°から390°Fで老化させることによって、実行される請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記人為的に老化させることは、三ステップの工程であり、
第一及び第三のステップは、強度を改善すると共に、
第二のステップは、耐腐食性を改善する
請求項20に記載の方法。
【請求項27】
前記人為的に老化させることは、
(i)前記押し出し品を析出硬化させるための、室温より上の低い温度で、
(ii)前記押し出し品の耐腐食性の特性を改善するための温度で、及び
(iii)前記押し出し品を析出硬化させるための、室温より上のより低い温度で、
老化させることを含む請求項20に記載の方法。
【請求項28】
前記押し出し品は、7075合金から製作された同様の押し出し品よりも少なくとも5%大きい破壊靭性を有する請求項20に記載の方法。
【請求項29】
前記人為的に老化させることは、2から30時間の間に150°から325°Fの温度範囲において老化させることによって、その後に続いて、5分から3時間の間に300°から500°Fで老化させることによって、その後に続いて、2から30時間の間に175°から325°Fで老化させることによって、実行される請求項20に記載の方法。
【請求項30】
改善された強度及び破壊靭性を有するアルミニウム合金の押し出し品の製品を生産する方法であって、
当該方法は、
(a)1.95から2.5重量%のCu、1.9から2.5重量%のMg、8.2から10重量%のZn、0.05から0.25重量%のZr、最大0.15重量%のSi、最大0.15重量%のFe、最大0.1重量%のMn、残りのアルミニウム、並びに偶発的な元素及び不純物で構成されるアルミニウムが主材料の合金の溶融した本体を提供するステップ、
(b)凝固した本体を提供するために該アルミニウムが主材料の合金の該溶融した本体を鋳造するステップ
を含み、
該溶融したアルミニウムが主材料の合金は、1から4インチ毎分の範囲における速度で鋳造され、
当該方法は、
(c)η沈殿物の一様な分布を有する均質化された本体を提供するために、該本体を均質化するステップ、
(d)押し出し品を提供するために該均質化された本体を押し出しするステップ
を含み、
該押し出しすることは、10から60の範囲における押し出しの比で600°から850°Fの温度範囲で、及び、実質的に再結晶されない条件で該押し出し品を提供するために0.5から8.0フィート/分の範囲における押し出しの速度で、実行され、
当該方法は、
(e)該押し出し品を急冷するステップ、
(f)該押し出し品を溶体化処理するステップ、並びに
(g)改善された破壊靭性を有する押し出し品の製品を提供するための強度の特性を改善するために該製品を人為的に老化させるステップ
を含む方法。
【請求項31】
前記合金は、0.05から0.2重量%のCrを含有する請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記合金は、0.01から0.2重量%のTiを含有する請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記合金は、0.01から0.2重量%のScを含有する請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記溶体化処理することは、5から120分の間に875°から885°Fの温度範囲において実行される請求項30に記載の方法。
【請求項35】
前記人為的に老化させることは、3から30時間の間に175°から300°Fの温度範囲において老化させることによって、その後に続いて、3から24時間の間に280°から360°Fで老化させることによって、実行される請求項30に記載の方法。
【請求項36】
前記人為的に老化させることは、4から24時間の間に210°から280°Fの温度範囲において老化させることによって、その後に続いて、1から14時間の間に300°から400°Fで老化させることによって、実行される請求項30に記載の方法。
【請求項37】
前記人為的に老化させることは、
(i)前記押し出し品を析出硬化させるための、室温より上の低い温度で、
(ii)前記押し出し品の耐腐食性の特性を改善するための温度で、及び
(iii)前記押し出し品を析出硬化させるための、室温より上のより低い温度で、
老化させることを含む請求項30に記載の方法。
【請求項38】
前記人為的に老化させることは、2から30時間の間に150°から325°Fの温度範囲において老化させることによって、その後に続いて、5分から3時間の間に300°から500°Fで老化させることによって、その後に続いて、2から30時間の間に175°から325°Fで老化させることによって、実行される請求項30に記載の方法。
【請求項39】
本質的に1.95から2.5重量%のCu、1.9から2.5重量%のMg、8.2から10重量%のZn、0.05から0.25重量%のZr、最大0.15重量%のSi、最大0.15重量%のFe、最大0.1重量%のMn、残りのアルミニウム、並びに偶発的な元素及び不純物からなる改善されたアルミニウムが主材料の合金の展伸材であって、
当該合金の製品は、同様の大きさに作られた7075の製品よりも、5%以上の破壊靭性を有する、又は、8%以上の降伏強度を有する合金の製品。
【請求項40】
前記合金は、1.95から2.3重量%のCuを含有する請求項39に記載の合金の製品。
【請求項41】
前記合金は、1.9から2.3重量%のMgを含有する請求項39に記載の合金の製品。
【請求項42】
前記合金は、0.05から0.2重量%のCrを含有する請求項39に記載の合金の製品。
【請求項43】
前記合金は、8.45から9.4重量%のZnを含有する請求項39に記載の合金の製品。
【請求項44】
前記合金は、0.01から0.2重量%のScを含有する請求項39に記載の合金の製品。
【請求項45】
前記合金は、0.01から0.2重量%のTiを含有する請求項39に記載の合金の製品。
【請求項46】
当該製品は、押し出し品の製品である請求項39に記載の合金の製品。
【請求項47】
当該合金の製品は、1:4から1:18の、最も薄い区画と最も厚い区画との間のアスペクト比を有する押し出し品である請求項39に記載の合金の製品。
【請求項48】
当該製品は、航空機の縦材である請求項39に記載の合金の製品。
【請求項49】
当該製品は、航空機の床受けばりである請求項39に記載の合金の製品。
【請求項50】
当該製品は、航空機の胴体のはりである請求項39に記載の合金の製品。
【請求項51】
当該製品は、中空の押し出された製品である請求項39に記載の合金の製品。
【請求項52】
当該製品は、中空の非縦目無しの押し出された製品である請求項39に記載の合金の製品。
【請求項53】
当該製品は、中空の縦目無しの押し出された製品である請求項39に記載の合金の製品。
【請求項54】
当該製品は、野球のバットである請求項39に記載の合金の製品。
【請求項55】
当該製品は、自動車の弁腕である請求項39に記載の合金の製品。
【請求項56】
本質的に1.95から2.5重量%のCu、1.9から2.5重量%のMg、8.2から10重量%のZn、0.05から0.25重量%のZr、0.05から0.2重量%のSc、最大0.15重量%のSi、最大0.15重量%のFe、最大0.1重量%のMn、残りのアルミニウム、並びに偶発的な元素及び不純物からなる改善されたアルミニウムが主材料の合金の展伸材。
【請求項57】
前記合金は、0.05から0.2重量%のCrを含有する請求項56に記載の合金の製品。
【請求項58】
前記合金は、0.05から0.2重量%のTiを含有する請求項56に記載の合金の製品。
【請求項59】
本質的に1.95から2.5重量%のCu、1.9から2.5重量%のMg、8.2から10重量%のZn、0.05から0.25重量%のZr、最大0.15重量%のSi、最大0.15重量%のFe、最大0.1重量%のMn、残りのアルミニウム、並びに偶発的な元素及び不純物からなる改善されたアルミニウムが主材料の合金の展伸材であって、
当該合金の製品は、同様の大きさに作られた7075の製品よりも、5%以上の破壊靭性、8%以上の降伏強度を有すると共にEB以上の剥脱耐性を有する合金の製品。
【請求項60】
本質的に1.95から2.5重量%のCu、1.9から2.5重量%のMg、8.2から10重量%のZn、0.05から0.25重量%のZr、最大0.15重量%のSi、最大0.15重量%のFe、最大0.1重量%のMn、残りのアルミニウム、並びに偶発的な元素及び不純物からなる改善されたアルミニウムが主材料の合金の航空機の部材であって、
当該合金の製品は、同様の大きさに作られた7075の製品よりも、5%以上の破壊靭性及び8%以上の降伏強度を有する合金の製品。
【請求項61】
当該部材は、航空機の縦材である請求項60に記載の合金の製品。
【請求項62】
当該部材は、航空機の床受けばりである請求項60に記載の合金の製品。
【請求項63】
当該部材は、航空機の胴体のはりである請求項60に記載の合金の製品。
【請求項64】
本質的に1.95から2.5重量%のCu、1.9から2.5重量%のMg、8.2から10重量%のZn、0.05から0.25重量%のZr、最大0.15重量%のSi、最大0.15重量%のFe、最大0.1重量%のMn、残りのアルミニウム、並びに偶発的な元素及び不純物からなる改善されたアルミニウムが主材料の合金の航空機の部材であって、
当該合金の製品は、同様の大きさに作られた7075の製品よりも、5%以上の破壊靭性、8%以上の降伏強度を有すると共にEB以上の剥脱耐性を有する合金の製品。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
改善された破壊靭性を有するアルミニウム合金の押し出し品の製品を生産する方法であって、
当該方法は、
(a)1.95から2.5重量%のCu、1.9から2.5重量%のMg、8.2から10重量%のZn、0.05から0.25重量%のZr、最大0.15重量%のSi、最大0.15重量%のFe、最大0.1重量%のMn、残りのアルミニウム、並びに偶発的な元素及び不純物で構成されるアルミニウムが主材料の合金の溶融した本体を提供するステップ、
(b)凝固した本体を提供するために該アルミニウムが主材料の合金の該溶融した本体を鋳造するステップ
を含み、
該溶融したアルミニウムが主材料の合金は、1から6インチ毎分の範囲における速度で鋳造され、
当該方法は、
(c)η沈殿物及びジルコニウムを含有する分散質の一様な分布を有する均質化された本体を提供するために、840から860°Fの第一の温度範囲において加熱することによって、その後に続いて、860°から880°Fの第二の温度範囲において加熱することによって、該本体を均質化するステップ、
(d)押し出し品を提供するために該均質化された本体を押し出しするステップ
を含み、
該押し出しすることは、600°から850°Fの温度範囲で、及び、再結晶されない条件で該押し出し品の断面積の少なくとも80%を維持することに十分な速度で、実行され、
当該方法は、
(e)該押し出し品を溶体化処理するステップ、並びに
(f)改善された破壊靭性を有する押し出し品の製品を提供するための強度の特性を改善するために該製品を人為的に老化させるステップ
を含む方法。
【請求項2】
前記合金は、1.95から2.3重量%のCuを含有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記合金は、1.9から2.3重量%のMgを含有する請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記合金は、0.05から0.2重量%のCrを含有する請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記合金は、8.45から9.4重量%のZnを含有する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記合金は、0.01から0.1重量%のScを含有する請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記合金は、0.01から0.2重量%のTiを含有する請求項1に記載の方法。
【請求項8】
6から18時間の間に前記第一の温度範囲において加熱することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
4から36時間の間に前記第二の温度範囲において加熱することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
該押し出し品を急冷することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記押し出しすることは、0.5から8フィート/分の範囲における速度で実行される請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記溶体化処理することは、5から120分の間に870°から890°Fの温度範囲において実行される請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記人為的に老化させることは、3から30時間の間に175°から300°Fの温度範囲において老化させることによって、その後に続いて、3から24時間の間に280°から360°Fで老化させることによって、実行される請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記人為的に老化させることは、4から24時間の間に210°から280°Fの温度範囲において老化させることによって、その後に続いて、30分から14時間の間に320°から400°Fで老化させることによって、実行される請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記人為的に老化させることは、2から30時間の間に150°から325°Fの温度範囲において老化させることによって、その後に続いて、5分から3時間の間に300°から500°Fで老化させることによって、その後に続いて、2から30時間の間に175°から325°Fで老化させることによって、実行される請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記人為的に老化させることは、三ステップの工程であり、
第一及び第三のステップは、強度を改善すると共に、
第二のステップは、耐腐食性を改善する
請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記人為的に老化させることは、
(i)前記押し出し品を析出硬化させるための、室温より上の低い温度で、
(ii)前記押し出し品の耐腐食性の特性を改善するための温度で、及び
(iii)前記押し出し品を析出硬化させるための、室温より上のより低い温度で、
老化させることを含む請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記押し出し品は、7075合金から製作された同様の押し出し品よりも少なくとも5%大きい破壊靭性を有する請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記押し出し品は、7075合金から製作された同様の押し出し品よりも少なくとも8%大きい引っ張り強さを有する請求項1に記載の方法。
【請求項20】
改善された強度及び破壊靭性を有するアルミニウム合金の押し出し品の製品を生産する方法であって、
当該方法は、
(a)1.95から2.3重量%のCu、1.9から2.3重量%のMg、8.2から9.4重量%のZn、0.05から0.2重量%のCr、0.05から0.15重量%のZr、最大0.15重量%のSi、最大0.15重量%のFe、最大0.1重量%のMn、残りのアルミニウム、並びに偶発的な元素及び不純物で構成されるアルミニウムが主材料の合金の溶融した本体を提供するステップ、
(b)凝固した本体を提供するために該アルミニウムが主材料の合金の該溶融した本体を鋳造する、ステップ
を含み、
該溶融したアルミニウムが主材料の合金は、1から6インチ毎分の範囲における速度で鋳造され、
当該方法は、
(c)η沈殿物並びにジルコニウム及びクロムを含有する分散質の一様な分布を有する均質化された本体を提供するために、6から24時間の間に840から860°Fの第一の温度範囲において加熱することによって、その後に続いて、4から36時間の間に860°から880°Fの第二の温度範囲において加熱することによって、該本体を均質化するステップ、
(d)押し出し品を提供するために該均質化された本体を押し出しする、ステップ
を含み、
該押し出しすることは、600°から850°Fの温度範囲で、及び、該押し出し品の断面積の少なくとも80%を表す再結晶されない領域を備えた押し出し品を提供するために0.5から8.0フィート/分の範囲における速度で、実行され、
当該方法は、
(e)該押し出し品を急冷するステップ、
(f)該押し出し品を溶体化処理するステップ、並びに
(g)改善された破壊靭性を有する押し出し品の製品を提供するための強度の特性を改善するために該製品を人為的に老化させるステップ
を含む方法。
【請求項21】
改善された強度及び破壊靭性を有するアルミニウム合金の押し出し品の製品を生産する方法であって、
当該方法は、
(a)1.95から2.5重量%のCu、1.9から2.5重量%のMg、8.2から10重量%のZn、0.05から0.25重量%のZr、最大0.15重量%のSi、最大0.15重量%のFe、最大0.1重量%のMn、残りのアルミニウム、並びに偶発的な元素及び不純物で構成されるアルミニウムが主材料の合金の溶融した本体を提供するステップ、
(b)凝固した本体を提供するために該アルミニウムが主材料の合金の該溶融した本体を鋳造するステップ
を含み、
該溶融したアルミニウムが主材料の合金は、1から4インチ毎分の範囲における速度で鋳造され、
当該方法は、
(c)η沈殿物の一様な分布を有する均質化された本体を提供するために、該本体を均質化するステップ、
(d)押し出し品を提供するために該均質化された本体を押し出しするステップ
を含み、
該押し出しすることは、10から60の範囲における押し出しの比で600°から850°Fの温度範囲で、及び、実質的に再結晶されない条件で該押し出し品を提供するために0.5から8.0フィート/分の範囲における押し出しの速度で、実行され、
当該方法は、
(e)該押し出し品を急冷するステップ、
(f)該押し出し品を溶体化処理するステップ、並びに
(g)改善された破壊靭性を有する押し出し品の製品を提供するための強度の特性を改善するために該製品を人為的に老化させるステップ
を含む方法。
【請求項22】
本質的に1.95から2.5重量%のCu、1.9から2.5重量%のMg、8.2から10重量%のZn、0.05から0.25重量%のZr、最大0.15重量%のSi、最大0.15重量%のFe、最大0.1重量%のMn、残りのアルミニウム、並びに偶発的な元素及び不純物からなる改善されたアルミニウムが主材料の合金の展伸材であって、
当該合金の製品は、同様の大きさに作られた7075の製品よりも、5%以上の破壊靭性を有する、又は、8%以上の降伏強度を有する合金の製品。
【請求項23】
当該製品は、航空機の縦材である請求項22に記載の合金の製品。
【請求項24】
当該製品は、航空機の床受けばりである請求項22に記載の合金の製品。
【請求項25】
当該製品は、航空機の胴体のはりである請求項22に記載の合金の製品。
【請求項26】
本質的に1.95から2.5重量%のCu、1.9から2.5重量%のMg、8.2から10重量%のZn、0.05から0.25重量%のZr、0.05から0.2重量%のSc、最大0.15重量%のSi、最大0.15重量%のFe、最大0.1重量%のMn、残りのアルミニウム、並びに偶発的な元素及び不純物からなる改善されたアルミニウムが主材料の合金の展伸材。
【請求項27】
本質的に1.95から2.5重量%のCu、1.9から2.5重量%のMg、8.2から10重量%のZn、0.05から0.25重量%のZr、最大0.15重量%のSi、最大0.15重量%のFe、最大0.1重量%のMn、残りのアルミニウム、並びに偶発的な元素及び不純物からなる改善されたアルミニウムが主材料の合金の展伸材であって、
当該合金の製品は、同様の大きさに作られた7075の製品よりも、5%以上の破壊靭性、8%以上の降伏強度を有すると共にEB以上の剥脱耐性を有する合金の製品。
【請求項28】
本質的に1.95から2.5重量%のCu、1.9から2.5重量%のMg、8.2から10重量%のZn、0.05から0.25重量%のZr、最大0.15重量%のSi、最大0.15重量%のFe、最大0.1重量%のMn、残りのアルミニウム、並びに偶発的な元素及び不純物からなる改善されたアルミニウムが主材料の合金の航空機の部材であって、
当該合金の製品は、同様の大きさに作られた7075の製品よりも、5%以上の破壊靭性及び8%以上の降伏強度を有する合金の製品。
【請求項29】
本質的に1.95から2.5重量%のCu、1.9から2.5重量%のMg、8.2から10重量%のZn、0.05から0.25重量%のZr、最大0.15重量%のSi、最大0.15重量%のFe、最大0.1重量%のMn、残りのアルミニウム、並びに偶発的な元素及び不純物からなる改善されたアルミニウムが主材料の合金の航空機の部材であって、
当該合金の製品は、同様の大きさに作られた7075の製品よりも、5%以上の破壊靭性、8%以上の降伏強度を有すると共にEB以上の剥脱耐性を有する合金の製品。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−504871(P2006−504871A)
【公表日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−553427(P2004−553427)
【出願日】平成15年9月19日(2003.9.19)
【国際出願番号】PCT/US2003/029671
【国際公開番号】WO2004/046402
【国際公開日】平成16年6月3日(2004.6.3)
【出願人】(505104641)ユニヴァーサル アロイ コーポレイション (1)
【Fターム(参考)】