説明

アルミニウム加工用潤滑油組成物

【課題】塩素系極圧剤を使用せずに、高水準の加工性能を達成することが可能な金属加工油組成物を提供すること。
【解決手段】 炭化水素油に、水酸基を1〜8個有し炭素数が2〜27のアルコール化合物を組成物全量基準で16質量%以上99質量%以下含有するアルミニウム加工用潤滑油組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアルミニウムおよびアルミニウムを主成分とする金属の加工(切削、研削、塑性、絞り、しごき、引き抜き、押し出し及び圧延の各加工)に用いられるアルミニウム加工用潤滑油組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アルミニウムの切削を始めとした加工においては、加工時の摩擦や摩耗を低減させるためにエステルが使用されてきた。エステルは高い潤滑性や安定性を有するため添加剤としてのみならず、油剤の大部分を占める基油としても使用されている(例えば、特許文献1を参照)。
しかしながら、生産性を向上させるために加工条件が厳しくなったことにより、加工部での発熱量が増大したため、従来のエステルを主体とした油剤ではその性能に限界があることが判明した。それゆえ、生産性の更なる向上のために、より一層の高性能な加工油剤が求められており、その開発が急務となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−249370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、アルミニウムおよびアルミニウムを主成分とする金属の加工において、高水準の加工性能を達成することが可能なアルミニウム加工用潤滑油組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、炭化水素油に、特定構造のアルコール化合物を特定量含有するアルミニウム加工用潤滑油組成物を用いることにより上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、炭化水素油に、水酸基を1〜8個有し炭素数が2〜27のアルコール化合物を組成物全量基準で16質量%以上99質量%以下含有することを特徴とするアルミニウム加工用潤滑油組成物に関するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明のアルミニウム加工用潤滑油組成物は、アルミニウムの加工性能を充分に高めることができるため、加工効率の向上、工具寿命の向上、並びに取り扱い性の改善を高水準でバランスよく達成することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明について説明する。
【0009】
本発明のアルミニウム加工用潤滑油組成物の基油成分である炭化水素油としては、鉱油又は合成油が用いられる。これらは混合物であってもよい。
【0010】
鉱油としては、例えば、原油を常圧蒸留及び減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理を1種又は2種以上適宜組み合わせて精製したパラフィン系鉱油又はナフテン系鉱油が挙げられる。
【0011】
合成油としては、例えば、プロピレンオリゴマー、ポリブテン、ポリイソブチレン、1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー、エチレンとプロピレンとのコオリゴマー、エチレンと1−オクテンとのコオリゴマー、エチレンと1−デセンとのコオリゴマー等のポリα−オレフィン又はそれらの水素化物;イソパラフィン;モノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼン、ポリアルキルベンゼン等のアルキルベンゼン;モノアルキルナフタレン、ジアルキルナフタレン、ポリアルキルナフタレン等のアルキルナフタレン等が挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0012】
本発明のアルミニウム加工用潤滑油組成物の基油成分として用いられるアルコール化合物は、水酸基を1〜8個有し、炭素数が2〜27のアルコール化合物(以下、本発明に係るアルコール化合物という。)である。
【0013】
本発明に係るアルコール化合物のうち一価アルコールとしては、好ましくは、炭素数3〜18の直鎖状または分枝状のアルコール、または炭素数5〜10のシクロアルキルアルコールまたはアルキルシクロアルキルアルコールが挙げられる。具体的には、直鎖状または分枝状のプロパノール(n−プロパノール、1−メチルエタノール等)、直鎖状または分枝状のブタノール(n−ブタノール、1−メチルプロパノール、2−メチルプロパノール等)、直鎖状または分枝状のペンタノール(n−ペンタノール、1−メチルブタノール、2−メチルブタノール、3−メチルブタノール等)、直鎖状または分枝状のヘキサノール(n−ヘキサノール、1−メチルペンタノール、2−メチルペンタノール、3−メチルペンタノール等)、直鎖状または分枝状のヘプタノール(n−ヘプタノール、1−メチルヘキサノール、2−メチルヘキサノール、3−メチルヘキサノール、4−メチルヘキサノール、5−メチルヘキサノール、2,4−ジメチルペンタノール等)、直鎖状または分枝状のオクタノール(n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、1−メチルヘプタノール、2−メチルヘプタノール等)、直鎖状または分枝状のノナノール(n−ノナノール、1−メチルオクタノール、3,5,5−トリメチルヘキサノール、1−(2’−メチルプロピル)−3−メチルブタノール等)、直鎖状または分枝状のデカノール(n−デカノール、iso−デカノール等)、直鎖状または分枝状のウンデカノール(n−ウンデカノール等)、直鎖状または分枝状のドデカノール(n−ドデカノール、iso−ドデカノール等)、直鎖状または分枝状のトリデカノール、直鎖状または分枝状のテトラデカノール(n−テトラデカノール、iso−テトラデカノール等)、直鎖状または分枝状のペンタデカノール、直鎖状または分枝状のヘキサデカノール(n−ヘキサデカノール、iso−ヘキサデカノール等)、直鎖状または分枝状のヘプタデカノール、直鎖状または分枝状のオクタデカノール(n−オクタデカノール、iso−オクタデカノール等)、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、ジメチルシクロヘキサノール、シクロヘプタノールなどが挙げられる。
【0014】
また、本発明に係るアルコール化合物のうち多価アルコールとしては、水酸基を2〜8個有する多価アルコールが用いられる。
【0015】
2価アルコール(ジオール)としては、具体的には例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、2ーメチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,7−ヘプタンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオールなどが挙げられる。
【0016】
また、3価以上のアルコールとしては、具体的には例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ジ−(トリメチロールプロパン)、トリ−(トリメチロールプロパン)、ペンタエリスリトール、ジ−(ペンタエリスリトール)、トリ−(ペンタエリスリトール)、グリセリン、ポリグリセリン(グリセリンの2〜20量体)、1,3,5ーペンタントリオール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトールなどの多価アルコール、キシロース、アラビノース、リボース、ラムノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ソルボース、セロビオース、マルトース、イソマルトース、トレハロース、シュクロース、ラフィノース、ゲンチアノース、メレジトースなどの糖類、ならびにこれらの部分エーテル化物、およびメチルグルコシド(配糖体)などが挙げられる。これらの中でも、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ジ−(トリメチロールプロパン)、トリ−(トリメチロールプロパン)、ペンタエリスリトール、ジ−(ペンタエリスリトール)、トリ−(ペンタエリスリトール)などのヒンダードアルコールが好ましい。
【0017】
なお、多価アルコールを用いる場合は水酸基の一部がエステル化されたいわゆる部分エステルであってもよい。
【0018】
本発明に係るアルコール化合物としては、アルミニウムの加工性の観点から分岐鎖を有する飽和の一価アルコールが特に好ましく用いられる。
本発明に係るアルコール化合物は、2種以上混合して使用することもできる。
【0019】
本発明に係るアルコール化合物の含有量は、加工効率及び工具寿命の向上の点から、組成物全量基準で、16質量%以上であることが必要であり、好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上である。また、アルコール化合物の含有量は、組成物全量基準で、99質量%以下であることが必要であり、好ましくは80質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。
【0020】
本発明のアルミニウム加工用潤滑油組成物は、上記の炭化水素油及びアルコール化合物を含有するものであるが、その性能を著しく低下させない程度に、潤滑油基油として従来公知のその他の基油を用いることができる。その他の基油としては、例えば、エステル(ジエステル、トリエステル、ポリオールエステル等)、ポリオキシアルキレングリコール、ポリフェニルエーテル等が挙げられる。これらの基油を用いる場合の含有量は特に制限はないが、組成物全量基準で、65質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることが更に好ましく、20質量%以下であることが一層好ましく、10質量%以下であることが特に好ましい。
【0021】
本発明のアルミニウム加工用潤滑油組成物は、加工効率及び工具寿命の向上の点から、油性剤を含有することが好ましい。油性剤としては、(A)本発明に係るアルコール化合物以外のアルコール、(B)カルボン酸、(C)不飽和カルボン酸の硫化物、(D)下記一般式(1)で表される化合物、(E)下記一般式(2)で表される化合物、(F)ポリオキシアルキレン化合物、(G)エステル、(H)多価アルコールのハイドロカルビルエーテル、(I)アミンなどを挙げることができる。
【0022】
【化1】

【0023】
[式(1)中、Rは炭素数1〜30の炭化水素基を表し、aは1〜6の整数を表し、bは0〜5の整数を表す。]
【0024】
【化2】

【0025】
[式(2)中、Rは炭素数1〜30の炭化水素基を表し、cは1〜6の整数を表し、dは0〜5の整数を表す。]
【0026】
(A)油性剤としてのアルコールは、本発明に係るアルコール化合物以外の一価アルコールおよび多価アルコールが挙げられる。
【0027】
(B)カルボン酸は一塩基酸でも多塩基酸でもよい。より高い加工効率及び工具寿命が得られる点から、炭素数1〜40の一価のカルボン酸が好ましく、更に好ましくは炭素数5〜25のカルボン酸であり、最も好ましくは炭素数5〜20のカルボン酸である。これらのカルボン酸は、直鎖状でも分岐を有していてもよく、飽和でも不飽和でもよいが、べたつき防止性の点から飽和カルボン酸であることが好ましい。
【0028】
具体的には、一塩基酸としては、通常炭素数2〜24の脂肪酸が用いられ、その脂肪酸は直鎖のものでも分岐のものでもよく、また飽和のものでも不飽和のものでもよい。具体的には、例えば、酢酸、プロピオン酸、直鎖状又は分岐状のブタン酸、直鎖状又は分岐状のペンタン酸、直鎖状又は分岐状のヘキサン酸、直鎖状又は分岐状のヘプタン酸、直鎖状又は分岐状のオクタン酸、直鎖状又は分岐状のノナン酸、直鎖状又は分岐状のデカン酸、直鎖状又は分岐状のウンデカン酸、直鎖状又は分岐状のドデカン酸、直鎖状又は分岐状のトリデカン酸、直鎖状又は分岐状のテトラデカン酸、直鎖状又は分岐状のペンタデカン酸、直鎖状又は分岐状のヘキサデカン酸、直鎖状又は分岐状のヘプタデカン酸、直鎖状又は分岐状のオクタデカン酸、鎖状又は分岐状のノナデカン酸、直鎖状又は分岐状のイコサン酸、直鎖状又は分岐状のヘンイコサン酸、直鎖状又は分岐状のドコサン酸、直鎖状又は分岐状のトリコサン酸、直鎖状又は分岐状のテトラコサン酸等の飽和脂肪酸、アクリル酸、直鎖状又は分岐状のブテン酸、直鎖状又は分岐状のペンテン酸、直鎖状又は分岐状のヘキセン酸、直鎖状又は分岐状のヘプテン酸、直鎖状又は分岐状のオクテン酸、直鎖状又は分岐状のノネン酸、直鎖状又は分岐状のデセン酸、直鎖状又は分岐状のウンデセン酸、直鎖状又は分岐状のドデセン酸、直鎖状又は分岐状のトリデセン酸、直鎖状又は分岐状のテトラデセン酸、直鎖状又は分岐状のペンタデセン酸、直鎖状又は分岐状のヘキサデセン酸、直鎖状又は分岐状のヘプタデセン酸、直鎖状又は分岐状のオクタデセン酸、直鎖状又は分岐状のノナデセン酸、直鎖状又は分岐状のイコセン酸、直鎖状又は分岐状のヘンイコセン酸、直鎖状又は分岐状のドコセン酸、直鎖状又は分岐状のトリコセン酸、直鎖状又は分岐状のテトラコセン酸等の不飽和脂肪酸、及びこれらの混合物等が挙げられる。これらの中でも、加工効率及び工具寿命の向上並びに取扱性の点から、特に炭素数3〜20の飽和脂肪酸、炭素数3〜22の不飽和脂肪酸及びこれらの混合物が好ましく、炭素数4〜18の飽和脂肪酸、炭素数4〜18の不飽和脂肪酸及びこれらの混合物がより好ましく、炭素数4〜18の不飽和脂肪酸がさらに好ましく、べたつき防止性の点からは炭素数4〜18の飽和脂肪酸がさらに好ましい。
【0029】
多塩基酸としては炭素数2〜16の二塩基酸及びトリメリット酸等が挙げられる。炭素数2〜16の二塩基酸としては、直鎖のものでも分岐のものでもよく、また飽和のものでも不飽和のものでもよい。具体的には例えば、エタン二酸、プロパン二酸、直鎖状又は分岐状のブタン二酸、直鎖状又は分岐状のペンタン二酸、直鎖状又は分岐状のヘキサン二酸、直鎖状又は分岐状のヘプタン二酸、直鎖状又は分岐状のオクタン二酸、直鎖状又は分岐状のノナン二酸、直鎖状又は分岐状のデカン二酸、直鎖状又は分岐状のウンデカン二酸、直鎖状又は分岐状のドデカン二酸、直鎖状又は分岐状のトリデカン二酸、直鎖状又は分岐状のテトラデカン二酸、直鎖状又は分岐状のヘプタデカン二酸、直鎖状又は分岐状のヘキサデカン二酸、直鎖状又は分岐状のヘキセン二酸、直鎖状又は分岐状のヘプテン二酸、直鎖状又は分岐状のオクテン二酸、直鎖状又は分岐状のノネン二酸、直鎖状又は分岐状のデセン二酸、直鎖状又は分岐状のウンデセン二酸、直鎖状又は分岐状のドデセン二酸、直鎖状又は分岐状のトリデセン二酸、直鎖状又は分岐状のテトラデセン二酸、直鎖状又は分岐状のヘプタデセン二酸、直鎖状又は分岐状のヘキサデセン二酸及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0030】
(C)不飽和カルボン酸の硫化物としては、例えば、上記(B)のカルボン酸のうち、不飽和のものの硫化物を挙げることができる。好ましくは、オレイン酸の硫化物を挙げることができる。
【0031】
(D)上記一般式(1)で表される化合物において、Rで表される炭素数1〜30の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜30の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜30のアルキルシクロアルキル基、炭素数2〜30の直鎖又は分岐のアルケニル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜30のアルキルアリール基、及び炭素数7〜30のアリールアルキル基を挙げることができる。これらの中では、炭素数1〜30の直鎖又は分岐のアルキル基であることが好ましく、更に好ましくは炭素数1〜20の直鎖又は分岐のアルキル基であり、更に好ましくは炭素数1〜10の直鎖又は分岐のアルキル基であり、最も好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基である。炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、直鎖又は分岐のプロピル基及び直鎖又は分岐のブチル基を挙げることができる。
【0032】
水酸基の置換位置は任意であるが、2個以上の水酸基を有する場合には隣接する炭素原子に置換していることが好ましい。aは好ましくは1〜3の整数であり、更に好ましくは2である。bは好ましくは0〜3の整数であり、更に好ましくは1又は2である。一般式(1)で表される化合物の例としては、p−tert−ブチルカテコールを挙げることができる。
【0033】
(E)上記一般式(2)で表される化合物において、Rで表される炭素数1〜30の炭化水素基の例としては、前記一般式(1)中のRで表される炭素数1〜30の炭化水素基の例と同じものを挙げることができ、また好ましいものの例も同じである。水酸基の置換位置は任意であるが、2個以上の水酸基を有する場合には隣接する炭素原子に置換していることが好ましい。cは好ましくは1〜3の整数であり、更に好ましくは2である。dは好ましくは0〜3の整数であり、更に好ましくは1又は2である。一般式(2)で表される化合物の例としては、2,2−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレンを挙げることができる。
【0034】
(F)ポリオキシアルキレン化合物としては、例えば下記一般式(3)又は(4)で表される化合物を挙げることができる。
【0035】
O−(RO)−R (3)
[式(3)中、R及びRは、各々独立に水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を表し、Rは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、eは数平均分子量が100〜3500となるような整数を表す。]
【0036】
A−[(RO)−R] (4)
[式(4)中、Aは水酸基を3〜8個有する多価アルコールの水酸基の水素原子の一部又は全てを取り除いた残基を表し、Rは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を表し、fは数平均分子量が100〜3500となるような整数を表し、gはAの水酸基から取り除かれた水素原子の個数と同じ数を表す。]
【0037】
上記一般式(3)中、R及びRの少なくとも一方は水素原子であることが好ましい。R及びRで表される炭素数1〜30の炭化水素基としては、例えば上記一般式(1)のRで表される炭素数1〜30の炭化水素基の例と同じものを挙げることができ、また好ましいものの例も同じである。Rで表される炭素数2〜4のアルキレン基としては、具体的には、エチレン基、プロピレン基(メチルエチレン基)、ブチレン基(エチルエチレン基)を挙げることができる。eは、好ましくは数平均分子量が300〜2000となるような整数であり、更好ましくは数平均分子量が500〜1500となるような整数である。
【0038】
また、上記一般式(4)中、Aを構成する3〜8の水酸基を有する多価アルコールの具体例としては、本発明に係るアルコール化合物の多価アルコールと同じである。
で表される炭素数2〜4のアルキレン基の例としては、上記一般式(3)のRで表される炭素数2〜4のアルキレン基の例と同じものを挙げることができる。またRで表される炭素数1〜30の炭化水素基の例としては、前記一般式(1)のRで表される炭素数1〜30の炭化水素基の例と同じものを挙げることができ、また好ましいものの例も同じである。g個のRのうち少なくとも一つが水素原子であることが好ましく、全て水素原子であることが更に好ましい。fは、好ましくは数平均分子量が300〜2000となるような整数であり、更に好ましくは数平均分子量が500〜1500となるような整数である。
【0039】
(G)エステルとしては、これを構成するアルコールが一価アルコールでも多価アルコールでもよく、またカルボン酸は一塩基酸でも多塩基酸であってもよい。一価アルコールとしては、本発明に係るアルコール化合物の一価アルコールと同じものが好ましい。また、多価アルコールとしては、本発明に係るアルコール化合物の多価アルコールと同じものが好ましい。
【0040】
エステルを構成するアルコールは、上述したように一価アルコールであっても多価アルコールであってもよいが、より優れた加工効率及び工具寿命が達成可能となる点、並びに流動点の低いものがより得やすく、冬季及び寒冷地での取り扱い性がより向上する等の点から、多価アルコールであることが好ましい。また、多価アルコールのエステルを用いると、切削・研削加工において、加工物の仕上げ面精度の向上と工具刃先の摩耗防止効果がより大きくなる。
また、エステルを構成する酸としては、前記の油性剤として示した(B)カルボン酸としての一塩基酸および多塩基酸が挙げられる。
【0041】
なお、アルコール成分として多価アルコールを用いた場合、多価アルコール中の水酸基全てがエステル化された完全エステルでもよく、あるいは水酸基の一部がエステル化されず水酸基のままで残っている部分エステルでもよい。また、カルボン酸成分として多塩基酸を用いた場合、多塩基酸中のカルボキシル基全てがエステル化された完全エステルでもよく、あるいはカルボキシル基の一部がエステル化されずカルボキシル基のままで残っている部分エステルであってもよい。
【0042】
エステルの合計炭素数には特に制限はないが、加工効率及び工具寿命の向上の点から、合計炭素数が7以上のエステルが好ましく、9以上のエステルが更に好ましく、11以上のエステルが最も好ましい。また、ステインや腐食の発生を増大させない点、並びに有機材料との適合性の点から、合計炭素数が60以下のエステルが好ましく、45以下のエステルがより好ましく、26以下のエステルが更に好ましく、24以下のエステルが一層好ましく、22以下のエステルが最も好ましい。
【0043】
(H)多価アルコールのハイドロカルビルエーテルを構成する多価アルコールとしては、本発明に係るアルコール化合物の多価アルコールと同じものが好ましい。
これらの多価アルコールの中でも、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(エチレングリコールの3〜10量体)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(プロピレングリコールの3〜10量体)、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、トリメチロールアルカン(トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン等)及びこれらの2〜4量体、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブタンテトロール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール等の2〜6価の多価アルコール及びこれらの混合物等が好ましい。さらにより好ましくは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビタン、及びこれらの混合物等である。これらの中でも、加工効率及び工具寿命の向上の点から、グリセリンが最も好ましい。
【0044】
(H)多価アルコールのハイドロカルビルエーテルとしては、上記多価アルコールの水酸基の一部又は全部をハイドロカルビルエーテル化したものが挙げられる。加工効率及び工具寿命の向上の点からは、多価アルコールの水酸基の一部をハイドロカルビルエーテル化したもの(部分エーテル化物)が好ましい。ここでいうハイドロカルビル基とは、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜24のアルケニル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜11のアルキルシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜18のアルキルアリール基、炭素数7〜18のアリールアルキル基等の炭素数1〜24の炭化水素基を表す。
【0045】
これらの中では、加工効率及び工具寿命の向上の点から、炭素数2〜18の直鎖又は分枝のアルキル基、炭素数2〜18の直鎖又は分枝のアルケニル基が好ましく、炭素数3〜12の直鎖又は分枝のアルキル基、オレイル基(オレイルアルコールから水酸基を除いた残基)がより好ましい。
【0046】
(I)アミンとしては、モノアミンが好ましく使用される。モノアミンの炭素数は、好ましくは6〜24であり、より好ましくは12〜24である。ここでいう炭素数とはモノアミンに含まれる総炭素数の意味であり、モノアミンが2個以上の炭化水素基を有する場合にはその合計炭素数を表す。
【0047】
本発明で用いられるモノアミンとしては、第1級モノアミン、第2級モノアミン、第3級モノアミンの何れもが使用可能であるが、加工効率及び工具寿命の向上の点から第1級モノアミンが好ましい。
【0048】
モノアミンの窒素原子に結合する炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基等の何れもが使用可能であるが、加工効率及び工具寿命の向上の点から、アルキル基又はアルケニル基であることが好ましい。アルキル基、アルケニル基としては、直鎖状のものであっても分岐鎖状のものであっても良いが、加工効率及び工具寿命の向上の点から直鎖状のものが好ましい。
【0049】
本発明で用いられるモノアミンの好ましいものとしては、例えば、ヘキシルアミン(全ての異性体を含む)、ヘプチルアミン(全ての異性体を含む)、オクチルアミン(全ての異性体を含む)、ノニルアミン(全ての異性体を含む)、デシルアミン(全ての異性体を含む)、ウンデシルアミン(全ての異性体を含む)、ドデシルアミン(全ての異性体を含む)、トリデシルアミン(全ての異性体を含む)、テトラデシルアミン(全ての異性体を含む)、ペンタデシルアミン(全ての異性体を含む)、ヘキサデシルアミン(全ての異性体を含む)、ヘプタデシルアミン(全ての異性体を含む)、オクタデシルアミン(全ての異性体を含む)、ノナデシルアミン(全ての異性体を含む)、イコシルアミン(全ての異性体を含む)、ヘンイコシルアミン(全ての異性体を含む)、ドコシルアミン(全ての異性体を含む)、トリコシルアミン(全ての異性体を含む)、テトラコシルアミン(全ての異性体を含む)、オクタデセニルアミン(全ての異性体を含む)(オレイルアミン等を含む)及びこれらの2種以上の混合物などが挙げられる。これらの中でも、加工効率及び工具寿命の向上の点から、炭素数12〜24の第1級モノアミンが好ましく、炭素数14〜20の第1級モノアミンがより好ましく、炭素数16〜18の第1級モノアミンがさらに好ましい。
【0050】
本発明においては、上記油性剤(A)〜(I)の中から選ばれる1種のみを用いてもよく、また2種以上の混合物を用いてもよい。これらの中でも、加工効率及び工具寿命の向上の点から、(B)カルボン酸及び(I)アミンから選ばれる1種または2種以上の混合物であることが好ましい。
【0051】
上記油性剤の含有量は特に制限はないが、加工効率及び工具寿命の向上の点から、組成物全量基準で、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上である。また、安定性の点から、油性剤の含有量は、組成物全量基準で、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。
【0052】
また、本発明のアルミニウム加工用潤滑油組成物は、極圧剤を更に含有することが好ましい。好ましい極圧剤としては、硫黄化合物及びリン化合物が挙げられる。
【0053】
硫黄化合物としては、アルミニウム加工用潤滑油組成物の特性を損なわない限りにおいて特に制限されないが、ジハイドロカルビルポリサルファイド、硫化エステル、硫化鉱油、ジチオリン酸亜鉛化合物、ジチオカルバミン酸亜鉛化合物、ジチオリン酸モリブデン化合物及びジチオカルバミン酸モリブデンが好ましく用いられる。
【0054】
ジハイドロカルビルポリサルファイドとは、一般的にポリサルファイド又は硫化オレフィンと呼ばれる硫黄系化合物であり、具体的には下記一般式(5)で表される化合物を意味する。
−S−R (5)
[式(5)中、R及びRは同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数3〜20の直鎖状又は分枝状のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアルキルアリール基あるいは炭素数7〜20のアリールアルキル基を表し、hは2〜6、好ましくは2〜5の整数を表す。]
【0055】
上記一般式(5)中のR及びRとしては、加工効率及び工具寿命の向上の点から、別個に、エチレン又はプロピレンから誘導された炭素数3〜18の分枝状アルキル基であることがより好ましく、エチレン又はプロピレンから誘導された炭素数6〜15の分枝状アルキル基であることが特に好ましい。
【0056】
硫化エステルとしては、具体的には、牛脂、豚脂、魚脂、菜種油、大豆油などの動植物油脂;不飽和脂肪酸(オレイン酸、リノール酸又は上記の動植物油脂から抽出された脂肪酸類などを含む)と各種アルコールとを反応させて得られる不飽和脂肪酸エステル;及びこれらの混合物などを任意の方法で硫化することにより得られるものが挙げられる。
【0057】
硫化鉱油とは、鉱油に単体硫黄を溶解させたものをいう。ここで、鉱油としては特に制限されないが、具体的には、原油に常圧蒸留及び減圧蒸留を施して得られる潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理などの精製処理を1種又は2種以上適宜組み合わせて精製したパラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油などが挙げられる。また、単体硫黄としては、塊状、粉末状、溶融液体状等いずれの形態のものを用いてもよいが、粉末状又は溶融液体状の単体硫黄を用いると基油への溶解を効率よく行うことができるので好ましい。なお、溶融液体状の単体硫黄は液体同士を混合するので溶解作業を非常に短時間で行うことができるという利点を有しているが、単体硫黄の融点以上で取り扱わねばならず、加熱設備などの特別な装置を必要としたり、高温雰囲気下での取り扱いとなるため危険を伴うなど取り扱いが必ずしも容易ではない。これに対して、粉末状の単体硫黄は、安価で取り扱いが容易であり、しかも溶解に要する時間が十分に短いので特に好ましい。また、硫化鉱油における硫黄含有量に特に制限はないが、通常、硫化鉱油全量を基準として好ましくは0.05〜1.0質量%であり、より好ましくは0.1〜0.5質量%である。
【0058】
ジチオリン酸亜鉛化合物、ジチオカルバミン酸亜鉛化合物、ジチオリン酸モリブデン化合物及びジチオカルバミン酸モリブデン化合物とは、それぞれ下記一般式(6)〜(9)で表される化合物を意味する。
【0059】
【化3】

【0060】
【化4】

【0061】
【化5】

【0062】
【化6】

【0063】
式(6)〜(9)中、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24及びR25は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1以上の炭化水素基を表し、X及びXはそれぞれ酸素原子又は硫黄原子を表し、各X及び各Xはそれぞれ同一でも異なっていても良い。
【0064】
本発明においては、上記硫黄化合物の中でも、ジハイドロカルビルポリサルファイド及び硫化エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いると、加工効率及び工具寿命の向上効果が一層高水準で得られるので好ましい。
【0065】
上記硫黄化合物の含有量は任意であるが、加工効率及び工具寿命の向上の点から、組成物全量基準で、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上である。また、異常摩耗の防止の点から、硫黄化合物の含有量は、組成物全量基準で、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下、特に好ましくは20質量%以下である。
【0066】
また、本発明において極圧剤として用いるリン化合物としては、具体的には、リン酸エステル、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルのアミン塩、塩素化リン酸エステル、亜リン酸エステル及びフォスフォロチオネート等が挙げられる。これらのリン化合物は、リン酸、亜リン酸又はチオリン酸とアルカノール、ポリエーテル型アルコールとのエステルあるいはその誘導体が挙げられる。
【0067】
本発明においては、上記リン化合物の中でも、より高い加工効率及び工具寿命の向上効果が得られることから、リン酸エステル、酸性リン酸エステル、及び酸性リン酸エステルのアミン塩が好ましい。
【0068】
また、本発明のアルミニウム加工用潤滑油組成物は、後述するように、アルミニウム加工用潤滑油加工以外の用途に適用可能であるが、本発明のアルミニウム加工用潤滑油組成物を工作機械の摺動面用油として使用する場合には、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルのアミン塩を含有することが好ましい。また、本発明のアルミニウム加工用潤滑油組成物を油圧作動油として使用する場合には、リン酸エステルを含有するが好ましい。さらに、摺動面用油と油圧作動油との兼用油として用いる場合には、酸性リン酸エステル及び酸性リン酸エステルのアミン塩から選ばれる少なくとも1種と、リン酸エステルとを組み合わせて用いることが好ましい。
【0069】
本発明のアルミニウム加工用潤滑油組成物は、極圧剤として硫黄化合物及びリン化合物の一方のみを含有するものであってもよく、硫黄化合物とリン化合物との双方を含有するものであってもよい。加工効率及び工具寿命の向上効果がより高められる点からは、リン化合物、又は硫黄化合物及びリン化合物の双方を含有することが好ましく、硫黄化合物とリン化合物との双方を含有することがより好ましい。
【0070】
上記極圧剤の含有量は任意であるが、加工効率及び工具寿命の向上の点から、組成物全量基準で、0.005質量%以上であることが好ましく、0.01質量%以上であることがより好ましく、0.05質量%以上であることがさらにより好ましい。また、異常摩耗の防止の点から、極圧剤の含有量は、組成物全量基準で、25質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、15質量%以下であることがさらにより好ましく、10質量%以下であることがより一層好ましく、7質量%以下であることが最も好ましい。
【0071】
本発明においては、上述の油性剤又は極圧剤の一方のみを用いてもよいが、一層高い加工効率及び工具寿命の向上効果を達成できる点から、油性剤と極圧剤とを併用することが好ましい。
【0072】
また、本発明のアルミニウム加工用潤滑油組成物においては、より優れた加工効率及び工具寿命が得られる点から、有機酸塩を含有することが好ましい。有機酸塩としては、スルフォネート、フェネート、サリシレート、並びにこれらの混合物が好ましく用いられる。これらの有機酸塩の陽性成分としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属;アンモニア、炭素数1〜3のアルキル基を有するアルキルアミン(モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン、ジプロピルアミン、トリプロピルアミンなど)、炭素数1〜3のアルカノール基を有するアルカノールアミン(モノメタノールアミン、ジメタノールアミン、トリメタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミンなど)などのアミン、亜鉛などが挙げられるが、これらの中でもアルカリ金属又はアルカリ土類金属が好ましく、カルシウムが特に好ましい。有機酸塩の陽性成分がアルカリ金属又はアルカリ土類金属であると、より高い潤滑性が得られる傾向にある。
【0073】
有機酸塩の全塩基価は、好ましくは50〜500mgKOH/gであり、より好ましくは100〜450mgKOH/gである。有機酸塩の全塩基価が50mgKOH/g未満の場合は有機酸塩の添加による潤滑性向上効果が不十分となる傾向にあり、他方、全塩基価が500mgKOH/gを超える有機酸塩は、通常、製造が非常に難しく入手が困難であるため、それぞれ好ましくない。なお、ここでいう全塩基価とは、JIS K 2501「石油製品及び潤滑油−中和価試験方法」の7.に準拠して測定される過塩素酸法による全塩基価[mgKOH/g]をいう。
【0074】
また、有機酸塩の含有量は、組成物全量基準で好ましくは0.1〜30質量%であり、より好ましくは0.5〜25質量%であり、さらに好ましくは1〜20質量%である。有機酸塩の含有量が0.1質量%未満の場合、有機酸塩の添加による加工効率及び工具寿命の向上効果が不十分となる傾向にあり、他方、30質量%を超えると金属加工油組成物の安定性が低下して析出物が生じやすくなる傾向にある。
【0075】
スルフォネートとしては、任意の方法によって製造されたものが使用可能である。例えば、分子量100〜1500、好ましくは200〜700のアルキル芳香族化合物をスルフォン化することによって得られるアルキル芳香族スルフォン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩及びこれらの混合物などが使用できる。ここでいうアルキル芳香族スルフォン酸としては、一般に鉱油の潤滑油留分のアルキル芳香族化合物をスルフォン化したものや、ホワイトオイル製造時に副生する、いわゆるマホガニー酸などの石油スルフォン酸や、洗剤の原料となるアルキルベンゼン製造プラントから副生したり、ポリオレフィンをベンゼンにアルキル化することにより得られる直鎖状又は分枝状のアルキル基を有するアルキルベンゼンをスルフォン化したもの、あるいはジノニルナフタレンなどのアルキルナフタレンをスルフォン化したものなどの合成スルフォン酸などが挙げられる。また、上記のアルキル芳香族スルフォン酸と、アルカリ金属の塩基(アルカリ金属の酸化物や水酸化物など)、アルカリ土類金属の塩基(アルカリ土類金属の酸化物や水酸化物など)又は上述したアミン(アンモニア、アルキルアミンやアルカノールアミンなど)とを反応させて得られるいわゆる中性(正塩)スルフォネート;中性(正塩)スルフォネートと、過剰のアルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基又はアミンを水の存在下で加熱することにより得られるいわゆる塩基性スルフォネート;炭酸ガスの存在下で中性(正塩)スルフォネートをアルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基又はアミンと反応させることにより得られるいわゆる炭酸塩過塩基性(超塩基性)スルフォネート;中性(正塩)スルフォネートをアルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基又はアミンならびにホウ酸又は無水ホウ酸などのホウ酸化合物と反応させたり、又は炭酸塩過塩基性(超塩基性)スルフォネートとホウ酸又は無水ホウ酸などのホウ酸化合物を反応させることによって製造されるいわゆるホウ酸塩過塩基性(超塩基性)スルフォネート;及びこれらの混合物などが挙げられる。
【0076】
また、フェネートとしては、具体的には、元素硫黄の存在下又は不存在下で、炭素数4〜20のアルキル基を1〜2個有するアルキルフェノールと、アルカリ金属の塩基(アルカリ金属の酸化物や水酸化物など)、アルカリ土類金属の塩基(アルカリ土類金属の酸化物や水酸化物など)又は上述したアミン(アンモニア、アルキルアミンやアルカノールアミンなど)とを反応させることにより得られる中性フェネート;中性フェネートと過剰のアルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基又はアミンを水の存在下で加熱することにより得られる、いわゆる塩基性フェネート;炭酸ガスの存在下で中性フェネートをアルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基又はアミンと反応させることにより得られる、いわゆる炭酸塩過塩基性(超塩基性)フェネート;中性フェネートをアルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基又はアミンならびにホウ酸又は無水ホウ酸などのホウ酸化合物と反応させたり、又は炭酸塩過塩基性(超塩基性)フェネートとホウ酸又は無水ホウ酸などのホウ酸化合物を反応させることによって製造される、いわゆるホウ酸塩過塩基性(超塩基性)フェネート;及びこれらの混合物などが挙げられる。
【0077】
さらに、サリシレートとしては、具体的には、元素硫黄の存在下又は不存在下で、炭素数4〜20のアルキル基を1〜2個有するアルキルサリチル酸と、アルカリ金属の塩基(アルカリ金属の酸化物や水酸化物など)、アルカリ土類金属の塩基(アルカリ土類金属の酸化物や水酸化物など)又は上述したアミン(アンモニア、アルキルアミンやアルカノールアミンなど)とを反応させることにより得られる中性サリシレート;中性サリシレートと、過剰のアルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基又はアミンを水の存在下で加熱することにより得られるいわゆる塩基性サリシレート;炭酸ガスの存在下で中性サリシレートをアルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基又はアミンと反応させることにより得られるいわゆる炭酸塩過塩基性(超塩基性)サリシレート;中性サリシレートをアルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基又はアミンならびにホウ酸又は無水ホウ酸などのホウ酸化合物と反応させたり、又は炭酸塩過塩基性(超塩基性)金属サリシレートとホウ酸又は無水ホウ酸などのホウ酸化合物を反応させることによって製造されるいわゆるホウ酸塩過塩基性(超塩基性)サリシレート;及びこれらの混合物などが挙げられる。
【0078】
本発明においては、有機酸塩を単独で用いてもよく、あるいは有機酸塩と他の添加剤とを組み合わせて用いてもよい。加工効率及び工具寿命がより高められる点からは、有機酸塩を上記の極圧剤と組み合わせて用いることが好ましく、硫黄化合物、リン化合物及び有機酸塩の3種を組み合わせて用いることが特に好ましい。
【0079】
また、本発明のアルミニウム加工用潤滑油組成物は酸化防止剤を更に含有していることが好ましい。酸化防止剤の添加により、構成成分の変質によるべたつきを防止することができ、また、熱・酸化安定性を向上させることができる。
【0080】
使用できる酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ジチオリン酸亜鉛系酸化防止剤、その他食品添加剤として使用されているものなどが挙げられる。
【0081】
フェノール系酸化防止剤としては、潤滑油の酸化防止剤として用いられる任意のフェノール系化合物が使用可能であり、特に制限されるものでないが、例えばアルキルフェノール化合物が好ましいものとして挙げられる。
【0082】
アミン系酸化防止剤としては、潤滑油の酸化防止剤として用いられる任意のアミン系化合物が使用可能であり、特に限定されるものではないが、例えば、フェニル−α−ナフチルアミン、N−p−アルキルフェニル−α−ナフチルアミン及びp,p’−ジアルキルジフェニルアミンが好ましいものとして挙げられ、具体的には、4−ブチル−4’−オクチルジフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、オクチルフェニル−α−ナフチルアミン、ドデシルフェニル−α−ナフチルアミン及びこれらの混合物などが挙げられる。
【0083】
ジチオリン酸亜鉛系酸化防止剤としては、具体的には、下記一般式(18)で表されるジチオリン酸亜鉛などが挙げられる。
【0084】
【化7】

【0085】
[式(18)中、R51、R52、R53及びR54は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭化水素基を示す。]
【0086】
食品添加剤として使用されている酸化防止剤としては、上述したフェノール系酸化防止剤と一部重複するが、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(DBPC)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−o−クレゾール)、アスコルビン酸(ビタミンC)、アスコルビン酸の脂肪酸エステル、トコフェロール(ビタミンE)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、1,2−ジハイドロ−6−エトキシ−2,2,4−トリメチルキノリン(エトキシキン)、2−(1,1−ジメチル)−1,4−ベンゼンジオール(TBHQ)、2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン(THBP)などを挙げることができる。
【0087】
これらの酸化防止剤の中でも、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、並びに上記食品添加剤として使用されているものが好ましい。さらに、生分解性を重視する場合には、上記食品添加剤として使用されているものがより好ましく、中でもアスコルビン酸(ビタミンC)、アスコルビン酸の脂肪酸エステル、トコフェロール(ビタミンE)、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(DBPC)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、1,2−ジハイドロ−6−エトキシ−2,2,4−トリメチルキノリン(エトキシキン)、2−(1,1−ジメチル)−1,4−ベンゼンジオール(TBHQ)、又は2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン(THBP)が好ましく、アスコルビン酸(ビタミンC)、アスコルビン酸の脂肪酸エステル、トコフェロール(ビタミンE)、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(DBPC)、又は3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソールがより好ましい。
【0088】
酸化防止剤の含有量は特に制限はないが、良好な熱・酸化安定性を維持させるためにその含有量は、組成物全量基準で0.01質量%以上が好ましく、更に好ましくは0.05質量%以上、最も好ましくは0.1質量%以上である。一方、それ以上添加しても効果の向上が期待できないことからその含有量は10質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは5質量%以下であり、最も好ましくは3質量%以下である。
【0089】
また、本発明のアルミニウム加工用潤滑油組成物には、上記した以外の従来公知の添加剤を含有することができる。かかる添加剤としては、例えば、上記したリン化合物、硫黄化合物以外の極圧剤(塩素系極圧剤を含む);ジエチレングリコールモノアルキルエーテル等の湿潤剤;アクリルポリマー、パラフィンワックス、マイクロワックス、スラックワックス、ポリオレフィンワックス等の造膜剤;脂肪酸アミン塩等の水置換剤;グラファイト、フッ化黒鉛、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、ポリエチレン粉末等の固体潤滑剤;アミン、アルカノールアミン、アミド、カルボン酸、カルボン酸塩、スルホン酸塩、リン酸、リン酸塩、多価アルコールの部分エステル等の腐食防止剤;ベンゾトリアゾール、チアジアゾール等の金属不活性化剤;メチルシリコーン、フルオロシリコーン、ポリアクリレート等の消泡剤;アルケニルコハク酸イミド、ベンジルアミン、ポリアルケニルアミンアミノアミド等の無灰分散剤;等が挙げられる。これらの公知の添加剤を併用する場合の含有量は特に制限されないが、これらの公知の添加剤の合計含有量が組成物全量基準で0.1〜10質量%となるような量で添加するのが一般的である。
【0090】
なお、本発明のアルミニウム加工用潤滑油組成物は、上述のように塩素系極圧剤などの塩素系添加剤を含有してもよいが、安全性の向上及び環境に対する負荷の低減の点からは、塩素系添加剤を含有しないことが好ましい。また、塩素濃度は、組成物全量基準で、1000質量ppm以下であることが好ましく、500質量ppm以下であることがより好ましく、200質量ppm以下であることが更に好ましく、100質量ppm以下であることが特に好ましい。
【0091】
本発明のアルミニウム加工用潤滑油組成物の動粘度は特に制限されないが、加工部位への供給容易性の点から、40℃における動粘度の上限値は200mm/sであることが好ましく、より好ましくは100mm/sであり、更に好ましくは75mm/sであり、最も好ましくは50mm/sである。一方、その下限値は、1mm/sであることが好ましく、更に好ましくは3mm/sであり、最も好ましくは5mm/sである。
【実施例】
【0092】
以下、表1に示す実施例及び比較例に基づき本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
【0093】
[実施例1〜9、比較例1〜5]
以下に示す基油a〜c、アルコールA〜C及び添加剤A〜Eを用いて、試料油1〜試料油14のアルミニウム加工用潤滑油組成物を調製した。
【0094】
(1)基油
基油a:鉱油(40℃における動粘度32mm/s)
基油b:トリメチロールプロパンのトリオレート
基油c:ポリα−オレフィン(40℃における動粘度30mm/s)
(2)アルコール
アルコールA:分岐鎖状トリデカノール
アルコールB:1,8−オクタンジオール
アルコールC:ネオペンチルグリコールモノオレート
(3)添加剤
添加剤A:トリクレジルホスフェート
添加剤B:硫化エステル
添加剤C:グリセリンモノオレート
添加剤D:ステアリン酸ブチル
添加剤E:オレイン酸
(4)試料油
試料油1:基油a(75質量%)、アルコールA(25質量%)
試料油2:基油b(75質量%)、アルコールA(25質量%)
試料油3:基油a(73質量%)、アルコールA(25質量%)、添加剤A(1質量%)、添加剤B(1質量%)
試料油4:基油a(75質量%)、アルコールB(25質量%)
試料油5:基油a(75質量%)、アルコールC(25質量%)
試料油6:基油b(20質量%)、アルコールA(80質量%)
試料油7:基油b(2質量%)、アルコールA(98質量%)
試料油8:基油c(75質量%)、アルコールA(25質量%)
試料油9:基油a(84質量%)、アルコールA(16質量%)
試料油10:基油a(90質量%)、アルコールA(10質量%)
試料油11:基油a(75質量%)、添加剤C(25質量%)
試料油12:基油a(73質量%)、添加剤D(25質量%)、添加剤A(1質量%)、添加剤B(1質量%)
試料油13:基油a(2質量%)、添加剤D(98質量%)
試料油14:基油a(75質量%)、添加剤E(25質量%)
【0095】
次に、実施例1〜9及び比較例1〜5のアルミニウム加工用潤滑油組成物を用いて以下の評価試験を実施した。
【0096】
(タッピング試験)
実施例1〜9及び比較例1〜5のアルミニウム加工用油剤組成物について、ジイソデシルアジペートを比較標準油として、加工性能を評価した。具体的には、実施例1〜9又は比較例1〜5の金属加工油剤組成物と、ジイソデシルアジペートとを交互に用いて、以下に示す条件でタッピング試験を行った。アルミニウム加工用油剤組成物の加工部位への供給の際には、直接加工部位に6L/時の条件で吹き付けた。
【0097】
・被削材:AC8A
・工具径:8mm
・タップピッチ:1.25mm
・タップすくい角:1.5度
・タップ食いつき角:10度
・タップ下穴径:7.4mm
・回転数:360rpm
・標準油:DIDA(アジピン酸ジイソデシル)
・供給油剤量:10ml
【0098】
上記試験におけるタッピングエネルギーを測定し、下記式を用いてタッピングエネルギー効率(%)を算出した。
タッピングエネルギー効率(%)=(比較標準油を用いた場合のタッピングエネルギー)/(金属加工油組成物を用いた場合のタッピングエネルギー)
得られた結果を表1に示す。表中、タッピングエネルギー効率の値が高い程、潤滑性が高いことを意味する。
【0099】
(耐摩耗性評価試験)
工具摩耗に対する性能を評価するため、実施例1〜9及び比較例1〜5のアルミニウム加工用潤滑油組成物について、下記の条件にて10穴、および150穴加工後の標準油に対するタッピングエネルギー効率を測定し、10穴に対する150穴後の値の低下率を求めた。加工数に伴うタッピングエネルギー効率の低下度合いを工具摩耗によるものと判断した。なお、10穴ごとに工具に付着したアルミニウムを10%水酸化ナトリウム溶液で除去し試験を行った。
・被削材:AC8A
・工具径:8mm
・タップピッチ:1.25mm
・タップすくい角:1.5度
・タップ食いつき角:10度
・タップ下穴径:7.4mm
・回転数:360rpm
・加工数:10、150穴
・標準油:DIDA(アジピン酸ジイソデシル)
・供給油剤量:10ml
【0100】
(変色評価試験)
JIS H 4000に規定するアルミニウム板A−1050(60mm×80mm×1.2mm)を2枚用意し、1枚に0.1gの油剤を滴下し、もう1枚のアルミニウム板で油剤を挟み込む。上から100gの荷重を掛け、50℃、湿度95%の条件で100時間静置する。その後油剤を挟み込んだ面を観察し変色の有無を確認した。
同様の評価をJIS G 3141に規定する冷間圧延鋼板SPCCのパネル(60mm×80mm×1.2mm)を用いて実施した。
【0101】
【表1】

【0102】
表1より、本発明のアルミニウム加工用潤滑油組成物はタッピングエネルギー効率が高く、潤滑性に優れており、またタッピングエネルギー効率の低下率が低く、耐摩耗性に優れていることが分かる。さらにアルミニウムに対する変色も無いことが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明のアルミニウム加工用潤滑油組成物は、加工効率、工具寿命などの加工性能、更には取扱性に優れるものであるため、アルミニウムの金属加工分野の広範な用途において好適に使用することができる。金属加工の種類としては、具体的には、切削加工、研削加工、転造加工、鍛造加工、プレス加工、引き抜き加工、圧延加工等が挙げられる。これらの中でも、本発明のアルミニウム加工用潤滑油組成物は切削加工、研削加工、転造加工などの用途に非常に有用である。
さらに、本発明のアルミニウム加工用潤滑油組成物は、摺動面用油剤、軸受部分用油剤、油圧機器用油剤などの工作機械の加工部位以外の潤滑油剤として用いることが可能なものであり、従って工作機械の省スペース化、省エネルギー化を可能とする点で非常に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化水素油に、水酸基を1〜8個有し炭素数が2〜27のアルコール化合物を組成物全量基準で16質量%以上99質量%以下含有するアルミニウム加工用潤滑油組成物。
【請求項2】
アルコール化合物が、炭素数3〜18の直鎖状または分枝状のアルコール、または炭素数5〜10のシクロアルキルアルコールまたはアルキルシクロアルキルアルコールであることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム加工用潤滑油組成物。

【公開番号】特開2010−184970(P2010−184970A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−28648(P2009−28648)
【出願日】平成21年2月10日(2009.2.10)
【出願人】(000004444)新日本石油株式会社 (1,898)
【Fターム(参考)】