説明

アレナウイルス感染症の治療のための抗ウイルス薬

特定の化合物を治療に有効な量で投与することによってウイルスの感染症を治療するための化合物、方法および医薬組成物が開示される。化合物を調製する方法並びに化合物およびその医薬組成物を使用する方法も開示される。詳細には、アレナウイルスファミリーによって引き起こされるものなどのウイルス感染症の治療及び予防が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2008年1月15日に出願した米国特許仮出願第61/006,457号の優先権および利益を主張し、その内容全体を参照により組み込むものとする。
【0002】
本発明は、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)などのアレナウイルスファミリーと関連したウイルス疾患の治療または予防のために、2,2’−ビベンゾイミダゾール、2,2’−ビベンゾオキサゾール及び2,2’−ビベンゾチアゾールの誘導体及びアナログを使用する方法並びに前記のものを含有する前記治療および予防のための組成物に関する。
【0003】
(連邦政府から資金援助を受けている研究または開発に関する記述)
本明細書に記載されている研究は、米国政府からの基金(認可番号R43AI056525およびNIH SBIR認可R44AI056525)によって一部支援されており、従って、米国政府は、本発明において特定の権利を有する。
【背景技術】
【0004】
LCMVは、エンベロープを持つRNAウイルスのファミリーであるアレナウイルス科ファミリーのプロトタイプのメンバーである(非特許文献1)。自然の宿主動物である齧歯類におけるアレナウイルス感染症は、通常、慢性かつ無症候性である。いくつかのアレナウイルスは、ヒトにおいて、ラッサ,マチュポ,グアナリトおよびフニンウイルスを含めた深刻な出血熱を引き起こすことができる。ヒトへの伝染は、感染した齧歯類との直接的な接触またはそれらの生息地から、エアロゾル化した齧歯類分泌物を介して、または感染したヒト体液との接触を介して生じ得る。LCMVは、Mus musculus 齧歯類の宿主の範囲を反映する世界中に見られる。アレナウイルス科ファミリーは、系統学的なおよび血清学的な試験に基づいて2つの主要な系列に分けられる単一の属(アレナウイルス)を含む。LCMVは、カテゴリー出血熱ウイルスであるラッサ熱ウイルスを含む旧世界アレナウイルスのメンバーである。
【0005】
1999年に、疾病管理予防センター(CDC)は、生物テロリズム対応機能を高める議会の主導の一部として、可能性のある生物テロリズム物質を特定し、分類した(非特許文献2)。アレナウイルスは、公衆衛生および安全性に対し最も高い可能性のある影響があり、大規模の蔓延の可能性があり、市民の混乱の可能性があり、公衆衛生の準備の必要がもっとも満たされていない病原体と定義されるカテゴリーAと指定された。国立アレルギー感染病研究所(NIAID)は、カテゴリーAのリストを更新し続けており(非特許文献3)、特に、カテゴリーウイルスとしてLCMVをリストに記載する(非特許文献4)。
【0006】
LCMVが、出血熱を引き起こすことが知られている他のアレナウイルスに密接に関連しており、LCMVは、患者が出血熱様症状を示した非常に限られた数の事例にのみに関連付けられている(非特許文献5)。より多くの場合、ウイルスに曝されることによって、1〜3週間の潜伏期間の後の熱、頭痛、筋肉痛、倦怠感および疲労疾病を特徴とするインフルエンザ様症状を発端にする特徴的な二相性のパターンがもたらされる。2、3日の回復に続いて、患者が髄膜炎(熱、頭痛もしくは肩こり)または脳炎(眠気、混乱、感覚障害および/または運動の異常)の症状を示す疾患の第2の相が生じる可能性がある。1941から1958の間にウォルターリード陸軍病院で行われた研究は、中枢神経系合併症を有する約10%の熱性疾患がLCMVによるものであることを示す(非特許文献6、7)。髄膜炎および脳炎の患者は、症状の重症度に基づいた入院および支持ケアを必要とする一方で、感染した個人は、通常、続発症なしで完全に回復するが、神経性難聴および関節炎が、報告されている。LCMV感染から生じる死亡はまれであり、1%以下の事例において生じる(非特許文献5)。
【0007】
LCMVは、水頭症、小頭症もしくは大頭症および脈絡網膜炎を含めた深刻な催奇性の結果をもたらす発達する胎児へ感染した妊娠中の女性から伝染することができる(非特許文献8)。これらの状況は、一般に、深刻な発達の遅延、精神遅滞、盲目および早期の死をもたらす。米国で生まれた乳児の間の先天性のLCMV感染の発生率は確立されていない(非特許文献8)。
【0008】
最近、LCMVに関連した疾患の新しい徴候が医学文献において報告されている(非特許文献9)。2002年に、2005年に再び、LCMVが、感染したドナーから移植した臓器を受け取った後の免疫抑制薬物療法を受ける患者に伝染した。8人の臓器レシピエントのうち7人が、感染により死亡した。ドナーは、まったくLCMV感染の臨床徴候を示さず、その後の診断的な調査は、ウイルスを検出することができなかった。それにもかかわらず、各クラスター内の株のタイミングおよび系統学的な一致における同時発生によって、感染する物質の起源に関する証拠を確信させるものである(非特許文献9)。
【0009】
LCMVに対する予防および治療の選択枝は、限られている。ライセンスされたワクチンまたはFDA承認の抗ウイルス薬が利用可能なものは全くない。リバビリンがインビトロでのLCMVに対する限られた抗ウイルス活性を示したが、ヒトにおけるその日常的な使用を支持する確立されたデータが存在しない。それ故に、LCMV感染に対して保護する安全かつ有効な製品を開発する必要が依然としてある。
【0010】
アレナウイルスのゲノムは、それぞれ反対方向に2つの遺伝子をコードする(アンビセンスと称される)一重鎖RNAの2つのセグメントからなる。2つのセグメントのより大きい方は、L RNA(7。2kb)であり、LおよびZタンパク質をコードする。Lタンパク質は、RNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)であり、Zタンパク質は、ウイルスの出芽に関与する小さい亜鉛結合環フィンガータンパク質である(非特許文献10)。SRNA(3。4kb)は、核タンパク質(NP)およびエンベロープ糖タンパク質前駆体(GP−C)をコードする。ヌクレオカプシドは、ウイルス粒子および感染した細胞において最も豊富なウイルスのタンパク質であるウイルスのNPによって堅くキャプシド形成したゲノムRNAからなる。
【0011】
Lタンパク質は、RNA鋳型からRNAを合成するのに必要とされる必須の機能的な特徴に相当すると思われる6つの保存されたドメインを含む、マイナス鎖ウイルス由来の80を超えるRdRpsと共有される特徴を有する約254kDaの多機能酵素である(非特許文献11)。ウイルスのRNA、NPおよびLは、結合して、ウイルスのゲノムを転写し、複製するリボヌクレオタンパク質複合体を形成する(非特許文献12)。哺乳類細胞がLおよびNPタンパク質のホモログを欠くことから、必須の宿主のプロセスを損なうことなしで、これらの酵素を特異的に阻害する可能性は、抗ウイルスの治療の開発の取り組みにおけるNPおよびLの魅力的なターゲットを作るものである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Buchmeier, M. J., M. D. Bowen, and C. J. Peters. 2001. Arenaviridae: the viruses and their replication, p. 1635-1668. In D. M. Knipe and P. M. Howley (ed.), Fields Virology, 4th ed. Lippincott, Williams and Wilkins, Philadelphia PA.
【非特許文献2】Rotz, L. D., A. S. Khan, S. R. Lillibridge, S. M. Ostroff, and J. M. Hughes. 2002. Public health assessment of potential biological terrorism agents. Emerg. Infect. Dis. 8:225-230.
【非特許文献3】NIAID. 2002. NIAID biodefense research agenda for CDC category A agents. NIH Publication No. 03-5308.
【非特許文献4】NIAID. 2007. NIAID category A, B and C priority- pathogens. http://www3.niaid.nih.gov/biodefense/PDF/cat.pdf, accessed Dec. 6, 2007
【非特許文献5】Peters, C. J. 2006. Lymphocytic choriomeningitis virus - an old enemy up to new tricks. N. Engl. J. Med. 354:2208-2211.
【非特許文献6】Adair, C. V., R. L. Gauld, and J. E. Smadel . 1953. Asceptic meningitis, a disease of diverse etiology: clinical and etiologic studies on 854 cases. Ann. Intern. Med. 39:675-704.
【非特許文献7】Meyer, H. M., Jr., R. T. Johnson, I. P. Crawford, H. E. Dascomb, and N. G. Rogers. 1960. Central nervous system syndromes of "vital" etiology. A study of 713 cases. Am. J. Med. 29:334-347.
【非特許文献6】Wright, R., D. Johnson, M. Neumann, T. G. Ksiazek, P. Rollin, R. V. Keech, D. J. Bonthius , P. Hitchon, C. F. Grose, W. E. Bell, and J. F. Bale, Jr. 1997. Congenital lymphocytic choriomeningitis virus syndrome: a disease that mimics congenital toxoplasmosis or cytomegalovirus infection. Pediatrics 100:e9.
【非特許文献7】Fischer, S. A., M. B. Graham, M. J. Kuehnert, C. N. Kotton, A. Srinivasan, F. M. Marty, J. A. Comer, J. Guarner, C. D. Paddock, D. L. DeMeo, W. -J. Shieh, B. R. Erickson, U. Bandy, A. DeMaria, Jr., J. P. Davis, F. L. Delmonico, B. Pavlin, A. Likos, M. J. Vincent, T. K. Sealy, C. S. Goldsmith, D. B. Jernigan, P. E. Rollin, M. M. Packard, M. Patel, C. Rowland, R. F. HeIfand, S. T. Nichol, J. A. Fishman, T. Ksiazek, S. R. Zaki, and the LCMV in Transplant Recipients Investigation Team. 2006. Transmission of lymphocytic choriomeningitis virus by organ transplantation. N. Engl. J. Med. 354:2235-2249.
【非特許文献8】Perez, M., R. C. Craven, and J. C. de la Torre. 2003. The small RING finger protein Z drives arenavirus budding: implications, for antiviral strategies. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 100:12978-12983.
【非特許文献9】Sanchez, A. B., and J. C. de la Torre. 2005. Genetic and biochemical evidence for an oligomeric structure of the functional L polymerase of the prototypic arenavirus lymphocytic choriomeningitis virus. J. Virol. 79:7262- 7268.
【非特許文献10】Lee, K. J., I. S. Novella, M. N. Teng, M. B. A. Oldstone, and J. C. de la Torre. 2000. NP and L proteins of lymphocytic choriomeningitis virus (LCMV) are sufficient for efficient transcription and replication of LCMV genomic RNA analogs. J. Virol. 74:3470-3477.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、薬剤的に受容可能な担体および以下の一般式Iを有する化合物もしくはその薬剤的に受容可能な塩を含む医薬組成物を提供する:
【化1】

(式中、B、D、E、G、B’、D’、E’およびG’は、独立してNまたはC−Rであり;
Rは、水素、置換もしくは非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アシルオキシ、アリールアシルオキシ、ヘテロアリールアシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、チオ、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシルアミノ、アリールアシルアミノ、ヘテロアリールアシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、ハロゲン、シアノ、イソシアノおよびニトロからなる群より選択され、
XおよびX’は、独立して、O、SまたはN−R’(式中、R’は、からなる群より選択される水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、スルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイルおよび置換カルバモイル)からなる群より選択される)。
【0014】
また、本発明は、以下の一般式Iを有する化合物またはその薬剤的に受容可能な塩も提供する:
【化2】

(式中、B、D、E、G、B’、D’、E’およびG’は、独立してNまたはC−Rであり;
Rは、水素、置換もしくは非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アシルオキシ、アリールアシルオキシ、ヘテロアリールアシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、チオ、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシルアミノ、アリールアシルアミノ、ヘテロアリールアシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、ハロゲン、シアノ、イソシアノおよびニトロからなる群より選択され;但し、B、D、E、G、B’、D’、E’およびG’の少なくとも1つはC−Y(式中、Yはハロゲンである)であり、並びに
(i)B、E、G、B’、E’およびG’のどれもNではない場合、DおよびD’は、両方ともC−FもしくはC−Clではないか;
(ii)D、E、G、D’、E’およびG’のどれもNではない場合、BおよびB’は、両方ともC−Brではないか;または
(iii)B、E、G、B’、E’およびG’のどれもNではない場合、かつDがC−Brである場合には、D’は、C−Z(式中、Zは、4−メチル−1−ピペラジニルである)ではなく、並びに
XおよびX’は、独立して、O、SまたはN−R’(式中、R’は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、スルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイルおよび置換カルバモイルからなる群より選択される)からなる群より選択される)。
【0015】
本発明は、さらに、4,4’−ジメトキシ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル−4,4’−ジカルボン酸ジメチルエステル;1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル−5,5’−ジカルボン酸ジメチルエステル;および4,4’−ジフェニル−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリルからなる群より選択される化合物またはその薬剤的に受容可能な塩を提供する。
【0016】
また、本発明は、下記式Iの化合物またはその薬剤的に受容可能な塩を必要としている哺乳類に治療に有効な量で投与することを含むウイルスの感染症またはそれと関連した疾患の治療または予防方法も提供する:
【化3】

(式中、B、D、E、G、B’、D’、E’およびG’は、独立してNまたはC−Rであり;
Rは、水素、置換もしくは非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アシルオキシ、アリールアシルオキシ、ヘテロアリールアシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、チオ、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシルアミノ、アリールアシルアミノ、ヘテロアリールアシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、ハロゲン、シアノ、イソシアノおよびニトロからなる群より選択され;並びに
XおよびX’は、独立して、O、SまたはN−R’(式中、R’は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、スルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイルおよび置換カルバモイルからなる群より選択される)からなる群より選択される)。
【0017】
本発明の他の対象および利益は、以下の説明および特許請求の範囲から明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の化合物は、以下の一般式I:
【化4】

(式中、B、D、E、G、B’、D’、E’およびG’は、独立してNまたはC−Rであり;
Rは、水素、置換もしくは非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アシルオキシ、アリールアシルオキシ、ヘテロアリールアシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、チオ、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシルアミノ、アリールアシルアミノ、ヘテロアリールアシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、ハロゲン、シアノ、イソシアノおよびニトロからなる群より選択され;並びに
XおよびX’は、独立してO、SまたはN−R’(式中、R’は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、スルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイルおよび置換カルバモイルからなる群より選択される)からなる群より選択される)。
【0019】
好ましくは、B、D、E、G、B’、D’、E’およびG’のそれぞれは、C−Rである。また、好ましくは、Rは、水素、アルキル、アミノおよびハロゲンからなる群より選択される。より好ましくは、Rは、水素またはメチルである。
【0020】
好ましくは、XおよびX’のそれぞれは、N−R’(式中、R’は水素またはアルキル)である。
【0021】
好ましくは、本発明の化合物は、1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;5,6,5’,6’−テトラメチル−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;1,1’−ジメチル−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;1,1’−ジエチル−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;6,6’−ジニトロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;4,4’−ジフルオロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;5,5’−ジフルオロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;5,5’−ジクロロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;5,5’−ジブロモ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;4,4’−ジメチル−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;5,5’−ジメチル−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;4,4’−ジメトキシ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;5,5’−ジメトキシ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル−4,4’−ジカルボン酸ジメチルエステル,1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル−5,5’−ジカルボン酸ジメチルエステル;4,4’−ジフェニル−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;4,5,4’,5’−テトラフルオロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;4,6,4’,6’−テトラフルオロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;5,6,5’,6’−テトラフルオロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;1H,1’H−[2,2’]ビ[イミダゾ[4,5−b]ピリジニル];3H,3’H−[2,2’]ビ[イミダゾ[4,5−c]ピリジニル];4,7,4’,7’−テトラフルオロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;および4,4’−ジクロロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリルからなる群より選択される。
【0022】
より好ましくは、式Iの化合物は、1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;4,4’−ジフルオロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;5,5’−ジフルオロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;または4,6,4’,6’−テトラフルオロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリルである。
【0023】
本発明の方法は、ウイルスの感染症またはそれと関連した疾患の治療または予防のためのものであり、上記式Iの化合物を必要としている哺乳類に治療に有効な量で投与することを含む。
【0024】
好ましくは、哺乳類は、ヒトであり、ウイルスの感染症は、アレナウイルス感染症である。より好ましくは、アレナウイルスのウイルスは、ラッサ、フニン、マチュポ、グアナリト、サビア、ホワイトウォーター・アロヨ、チャパレ(Chapare)、LCMV、ダンデノング、タカリベ、およびピチンデなどのLCMV様ウイルスからなる群より選択される。
【0025】
好ましくは、ウイルスの感染症は、ウイルスの出血熱、髄膜炎、髄膜脳炎、脳炎または臓器移植レシピエントにおけるアレナウイルスによって媒介される疾患からなる群より選択される状態と関連している。さらに、患者は、先天性または出生時のLCMVの伝染の危険性がある妊娠中の患者であり、望ましい結果が、乳児の死亡、小頭症、精神遅滞、脈絡網膜炎および水頭症などのLCMVに関連した病態の予防または減少である。
【0026】
また、本発明の方法は、a)リバビリンまたはシドホビルなどの他の抗ウイルス剤;b)ワクチンおよび/またはc)インターフェロンまたはペグ化インターフェロンの同時投与も含んでもよい。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(定義)
この詳細な説明に従って、以下の略語および定義を適用する。本明細書で使用される単数形は、文脈上他の意味に解すべき場合を除き複数の指示対象を含むことに留意しなければならない。
【0028】
本明細書に記載される出版物は、単に開示のために記載されている。本明細書におけるどの出版物も、出版物に先行することに関し認めるものと解釈されるものではない。さらに、記載されている出版物の日付は、実際の公開の日付とは異なり、独立して確認する必要がある。
【0029】
値の範囲が記載されている場合、それぞれの間にある値が含まれると理解される。これらのより小さい範囲の上限および下限は、独立してより小さいものに含まれ、記述された範囲における具体的に除外されたいずれの境界も対象とする。記述された範囲が境界の一方または両方を含む場合、その含まれる境界の両方を除く範囲も、本発明に含まれる。また、前述の範囲内にあるいずれの値も意図される。
【0030】
他に定義されていない限り、本明細書で使用されるすべての技術的なおよび科学的な用語は、一般に当業者に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと同様のまたは等しいいずれの方法および材料も、実際にまたは試験で使用することができる。本明細書で述べられているすべての出版物を、出版物が引用されている方法および/または材料を開示し、かつ説明するために、参照により本明細書に組み込む。
【0031】
「患者」または「対象」は、いずれの哺乳類も含むことが意図されている。治療の目的のための「哺乳類」は、哺乳類と分類されるいずれの動物も指し、ヒト、ラット、マウス、およびモルモットを含めた実験動物、イヌ、ウマ、ネコ、ウシ、およびそれらと同種のものなどの家畜および動物園、スポーツまたはペットの動物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
本明細書で使用される「有効性」という用語は、特定の治療管理体制の有効性を指す。有効性を薬剤に対する反応における疾患の経過の変化に基づいて測定することができる。
【0033】
本明細書で使用される「成功」という用語は、慢性治療管理体制との関係において、特定の治療管理体制の有効性を指す。これは、有効性のバランス、毒性(例えば、製剤または投与単位(dosage unit)の副作用および患者のトレランス)、患者のコンプライアンス、およびそれらと同種のものを含む。慢性投与の管理体制が「成功である」と見なされるためには、患者のケアおよび有効性の異なる面のバランスを取って、良好な患者の結果をもたらさなければならない。
【0034】
「治療する」、「治療」という用語およびそれらと同種のものは、本明細書で使用されて、望ましい薬理学的なおよび生理学的な効果を得ることを指す。効果は、疾患、症状もしくはその状態を防ぐか、もしくは部分的に防ぐ点からみて予防的なものであるか、かつ/または疾患、状態、症状もしくは疾患に起因する有害作用の部分的なもしくは完全な治癒の点からみて治療的なものである。本明細書で使用される「治療」という用語は、ヒトなどの哺乳類における疾患のいずれの治療もカバーし、(a)疾患に罹っているが、該疾患を有するとまだ診断されていない対象において疾患が発生するのを防ぐ、すなわち、疾患に罹っているが、疾患の症状をまだ経験していないか、もしくは示していない対象において疾患の臨床的な症状を進展させないこと;(b)疾患を阻害する、すなわち、疾患もしくはその臨床的な症状の進展を抑止するか、もしくはを減少させる;並びに(c)疾患を軽減する、すなわち、疾患および/またはその症状もしくは状態の退行を引き起こすことを含む。患者が病理学的な炎症に関連している疾患を患うことを治療することが検討される。長期にわたる病理学的な炎症に起因するか、かつ/または長期にわたって生物システムに存在する不適切な炎症に対する生理学的な反応によって引き起こされる有害作用を防ぐか、阻害するか、または軽減することも検討される。
【0035】
本明細書で使用される「アシル」は、H−C(O)−、アルキル−C(O)−、置換アルキル−C(O)−、アルケニル−C(O)−、置換アルケニル−C(O)−、アルキニル−C(O)−、置換アルキニル−C(O)−、シクロアルキル−C(O)−、置換シクロアルキル−C(O)−、アリール−C(O)−、置換アリール−C(O)−、ヘテロアリール−C(O)−、置換ヘテロアリール−C(O)−、複素環−C(O)−、および置換複素環−C(O)−(式中、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環は本明細書にて定義される通りである)の基を指す。
【0036】
「アルキルアミノ」は、NRR(式中、各Rは独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環からなる群より選択され、各Rは、窒素原子とともに結合して、複素環もしくは置換複素環を形成し、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環は本明細書にて定義される通りである)の基を指す。
【0037】
「アルケニル」は、好ましくは2〜10個の炭素原子、より好ましくは2〜6個の炭素原子を有し、少なくとも1つの、好ましくは1〜2つのアルケニル不飽和部位を有するアルケニル基を指す。
【0038】
「アルコキシ」は、「アルキル−O−」基を指し、一例として、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ、1、2−ジメチルブトキシおよびそれらと同種のものが挙げられる。
【0039】
「アルキル」は、1〜10個の炭素原子、代わりとして1〜6個の炭素原子を有する直線状または分岐状のアルキル基を指す。この用語は、メチル、t−ブチル、n−ヘプチル、オクチルおよびそれらと同種のものなどの基によって例示される。
【0040】
「アミノ」は−NH基を指す。
【0041】
「アリール」または「Ar」は、単環(例えば、フェニル)または複数の縮合環(例えば、ナフチルまたはアントリル)を有する6〜14個の炭素原子の不飽和芳香族炭素環式基を指し、縮合環は、芳香族であってもよいか、または付着の点が、芳香族環の原子を介してであれば芳香族でなくてもよい(例えば、2−ベンゾキサゾリノン、2H−1、4−ベンゾキサジン−3(4H)−オン、およびそれらと同種のもの)。
【0042】
「置換アリール」は、ヒドロキシ、アシル、アシルアミノ、チオカルボニルアミノ、アシルオキシ、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アミジノ、アルキルアミジノ、チオアミジノ、アミノ、アミノアシル、アミノカルボニルオキシ、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、カルボキシル、カルボキシルアルキル、カルボキシル−置換アルキル、カルボキシル−シクロアルキル、カルボキシル−置換シクロアルキル、カルボキシルアリール、カルボキシル−置換アリール、カルボキシルヘテロアリール、カルボキシル−置換ヘテロアリール、カルボキシル複素環、カルボキシル−置換複素環、カルボキシルアミド、シアノ、チオール、チオアルキル、置換チオアルキル、チオアリール、置換チオアリール、チオヘテロアリール、置換チオヘテロアリール、チオシクロアルキル、置換チオシクロアルキル、チオ複素環、置換チオ複素環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、グアニジノ、グアニジノスルホン、ハロ、ニトロ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、オキシカルボニルアミノ、オキシチオカルボニルアミノ、−S(O)−アルキル、−S(O)−置換アルキル、−S(O)−シクロアルキル、−S(O)−置換シクロアルキル、−S(O)−アルケニル、−S(O)−置換アルケニル、−S(O)−アリール、−S(O)−置換アリール、−S(O)−ヘテロアリール、−S(O)−置換ヘテロアリール、−S(O)−複素環、−S(O)−置換複素環、−OS(O)−アルキル、−OS(O)2−置換アルキル、−OS(O)−アリール、−OS(O)−置換アリール、−OS(O)−ヘテロアリール、−OS(O)−置換ヘテロアリール、−OS(O)−複素環、−OS(O)−置換複素環、−OS(O)−NRR(式中、Rは、水素またはアルキルである)、−NRS(O)−アルキル、−NRS(O)−置換アルキル、−NRS(O)−アリール、−NRS(O)−置換アリール、−NRS(O)−ヘテロアリール、−NRS(O)−置換ヘテロアリール、−NRS(O)−複素環、−NRS(O)−置換複素環、−NRS(O)−NR−アルキル、−NRS(O)−NR−置換アルキル、−NRS(O)−NR−アリール、−NRS(O)−NR−置換アリール、−NRS(O)−NR−ヘテロアリール、−NRS(O)−NR−置換ヘテロアリール、−NRS(O)−NR−複素環、−NRS(O)−NR−置換複素環(式中、Rは、水素またはアルキルである)、モノ−およびジ−アルキルアミノ、モノ−およびジ−(置換アルキル)アミノ、モノ−およびジ−アリールアミノ、モノ−およびジ−置換アリールアミノ、モノ−およびジ−ヘテロアリールアミノ、モノ−およびジ−置換ヘテロアリールアミノ、モノ−およびジ−複素環アミノ、モノ−およびジ−置換複素環アミノ、並びにアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群より独立して選択される異なる置換基を有する非対称のジ−置換アミン、並びにBoc、Cbz、フォルミル、およびそれらと同種のものなどの従来の保護基によってブロックされているか、または−SONRR(Rは、水素またはアルキルである)で置換されている置換アリール上のアミノ基からなる群より選択される1〜3個の置換基で置換されているアリール基を指す。
【0043】
「シクロアルキル」は、単環を有する3〜8個の炭素原子の環状のアルキル基を指し、一例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチルおよびそれらと同種のものが挙げられる。アダマンタニル等などの多環アルキル基この定義から除外される。
【0044】
「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを指す。
【0045】
「ヘテロアリール」は、環またはその酸化物内の、酸素、窒素および硫黄からなる群より選択される2〜10個の炭素原子および1〜4個のヘテロ原子の芳香族炭素環式基を指す。そのようなヘテロアリール基は、単環(例えば、ピリジルまたはフリル)または複数の縮合環(例えば、インドリジニルもしくはベンゾチエニル)を有することができ、1又は複数の縮合環は、芳香族であってもよいか、または芳香族でなくてもよく、但し、付着の点が芳香族環の原子を介してである。さらに、ヘテロアリール基のヘテロ原子は、酸化されていてもよく、すなわち、ピリジンN−オキシドまたは1、1−ジオキソ−1、2、5−チアジアゾールおよびそれらと同種のものを形成するように酸化されていてもよい。さらに、環の炭素原子は、オキソ(=O)で置換されていてもよい。「ヘテロアリール環中に2つの窒素原子を有するヘテロアリール」という用語は、ヘテロアリール環中に2つのおよび2つのみの窒素原子を有し、任意選択的にヘテロアリール環中に酸素または硫黄などの1または2つの他のヘテロ原子を含有するヘテロアリール基を指す。
【0046】
「置換ヘテロアリール」は、ヒドロキシ、アシル、アシルアミノ、チオカルボニルアミノ、アシルオキシ、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アミジノ、アルキルアミジノ、チオアミジノ、アミノ、アミノアシル、アミノカルボニルオキシ、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、カルボキシル、カルボキシルアルキル、カルボキシル−置換アルキル、カルボキシル−シクロアルキル、カルボキシル−置換シクロアルキル、カルボキシルアリール、カルボキシル−置換アリール、カルボキシルヘテロアリール、カルボキシル−置換ヘテロアリール、カルボキシル複素環、カルボキシル−置換複素環、カルボキシルアミド、シアノ、チオール、チオアルキル、置換チオアルキル、チオアリール、置換チオアリール、チオヘテロアリール、置換チオヘテロアリール、チオシクロアルキル、置換チオシクロアルキル、チオ複素環、置換チオ複素環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、グアニジノ、グアニジノスルホン、ハロ、ニトロ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、オキシカルボニルアミノ、オキシチオカルボニルアミノ、−S(O)−アルキル、−S(O)−置換アルキル、−S(O)−シクロアルキル、−S(O)−置換シクロアルキル、−S(O)−アルケニル、−S(O)−置換アルケニル、−S(O)−アリール、−S(O)−置換アリール、−S(O)−ヘテロアリール、−S(O)−置換ヘテロアリール、−S(O)−複素環、−S(O)−置換複素環、−OS(O)−アルキル、−OS(O)−置換アルキル、−OS(O)−アリール、−OS(O)−置換アリール、−OS(O)−ヘテロアリール、−OS(O)−置換ヘテロアリール、−OS(O)−複素環、−OS(O)−置換複素環、−OSO−NRR(式中、Rは、水素またはアルキルである)、−NRS(O)−アルキル、−NRS(O)−置換アルキル、−NRS(O)−アリール、−NRS(O)−置換アリール、−NRS(O)−ヘテロアリール、−NRS(O)−置換ヘテロアリール、−NRS(O)−複素環、−NRS(O)−置換複素環、−NRS(O)−NR−アルキル、−NRS(O)−NR−置換アルキル、−NRS(O)−NR−アリール、−NRS(O)−NR−置換アリール、−NRS(O)−NR−ヘテロアリール、−NRS(O)−NR−置換ヘテロアリール、−NRS(O)−NR−複素環、−NRS(O)−NR−置換複素環(式中、Rは水素またはアルキルである)、モノ−およびジ−アルキルアミノ、モノ−およびジ−(置換アルキル)アミノ、モノ−およびジ−アリールアミノ、モノ−およびジ−置換アリールアミノ、モノ−およびジ−ヘテロアリールアミノ、モノ−およびジ−置換ヘテロアリールアミノ、モノ−およびジ−複素環アミノ、モノ−およびジ−置換複素環アミノ、並びにアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群より独立して選択される異なる置換基を有する非対称のジ−置換アミン、並びにBoc、Cbz、フォルミル、およびそれらと同種のものなどの従来の保護基によってブロックされているか、または−SONRR(Rは、水素またはアルキルである)で置換されている置換アリール上のアミノ基からなる群より選択される1〜3個の置換基で置換されているヘテロアリール基を指す。
【0047】
「スルホニル」は、基−S(O)R(式中、Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環からなる群より選択され、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環は本明細書に定義される通りである)を指す。
【0048】
「任意選択的に置換されている」とは、列挙した基が、置換されていなくてもよいか、または列挙した基が、置換されていてもよいことを意味する。
【0049】
「薬剤的に受容可能な担体」とは、概して安全で、毒性がなく、生物学的にまたはその他のものとして望ましくないものではない、医薬組成物または製剤を調整するのに有用である担体を意味し、動物の使用に加えてヒトの医薬の使用に受容可能である担体が挙げられる。
【0050】
「薬剤的に受容可能なカチオン」とは、薬剤的に受容可能な塩のカチオンを指す。
【0051】
「薬剤的に受容可能な塩」は、生物学的にまたはその他のものとして望ましくないものではない化合物の生物学的な有効性および性質を保持する塩を指す。薬剤的に受容可能な塩は、化合物の薬剤的に受容可能な塩を指し、塩は、本技術分野において周知の種々の有機および無機のカウンターイオンに由来し、ほんの一例として、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウム、およびそれらと同種のもの、並びに分子が塩基性官能性を含む場合、塩酸塩、臭素酸塩、酒石酸塩、メシラート、酢酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩およびそれらと同種のものなどの有機または無機酸の塩が挙げられる。
【0052】
薬剤的に受容可能な塩基付加塩は、無機および有機の塩基から調製できる。無機塩基に由来する塩としては、ほんの一例として、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウムおよびマグネシウムの塩が挙げられる。有機塩基に由来する塩としては、アルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、置換アルキルアミン、ジ(置換アルキル)アミン、トリ(置換アルキル)アミン、アルケニルアミン、ジアルケニルアミン、トリアルケニルアミン、置換アルケニルアミン、ジ(置換アルケニル)アミン、トリ(置換アルケニル)アミン、シクロアルキルアミン、ジ(シクロアルキル)アミン、トリ(シクロアルキル)アミン、置換シクロアルキルアミン、ジ置換シクロアルキルアミン、トリ置換シクロアルキルアミン、シクロアルケニルアミン、ジ(シクロアルケニル)アミン、トリ(シクロアルケニル)アミン、置換シクロアルケニルアミン、ジ置換シクロアルケニルアミン、トリ置換シクロアルケニルアミン、アリールアミン、ジアリールアミン、トリアリールアミン、ヘテロアリールアミン、ジヘテロアリールアミン、トリヘテロアリールアミン、複素環アミン、ジ複素環アミン、トリ複素環アミン、少なくとも2つのアミン上の置換基が異なり、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環からなる群より選択されるジ−およびトリ−アミンの混合したもの、ならびにそれらと同種のものなどの第1級、第2級および第3級アミンの塩が挙げられるが、これらに限定されない。2つまたは3つの置換基が、アミノの窒素とともに、複素環またはヘテロアリール基を形成するアミンも挙げられる。
【0053】
適したアミンの例としては、ほんの一例として、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリ(イソ−プロピル)アミン、トリ(n−プロピル)アミン、エタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、トロメタミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラブアミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、N−アルキルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、モノホリン、N−エチルピペリジン、およびそれらと同種のものが挙げられる。当然のことながら、他のカルボン酸誘導体が有用であることも理解すべきであり、例えば、カルボン酸アミドとして、カルボキサミド、低級アルキルカルボキサミド、ジアルキルカルボキサミド、およびそれらと同種のものが挙げられる。
【0054】
薬剤的に受容可能な酸付加塩は、無機および有機の酸から調製してもよい。無機酸に由来する塩としては、塩酸、臭素酸、硫酸、硝酸、リン酸、およびそれらと同種のものが挙げられる。有機酸に由来する塩としては、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエン−スルホン酸、サリチル酸、およびそれらと同種のものが挙げられる。
【0055】
化合物は、プロドラッグとして作用することが可能である。プロドラッグとは、そのようなプロドラッグを哺乳類の対象に投与した際に活性のある親薬物をインビボで放出するいずれの化合物も意味する。プロドラッグは、修飾がインビボで切断されて親化合物を放出することが可能であるように、存在する官能基を修飾することによって調製される。プロドラッグとしては、ヒドロキシ、アミノもしくはスルフヒドリル基が、インビボで切断されて、遊離のヒドロキシル、アミノまたはスルフヒドリル基をそれぞれ再生することが可能であるいずれの基に結合している化合物が挙げられる。プロドラッグの例としては、ヒドロキシ官能基のエステル(例えば、酢酸塩、ギ酸塩および安息香酸塩の誘導体)、カルバメート(例えば、N、N−ジメチルアミノ−カルボニル)およびそれらと同種のものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0056】
疾患を「治療する」または疾患の「治療」は、
(1)疾患を防ぐこと、すなわち、疾患に曝されているか、または罹っているが、疾患の症状をまだ経験していないか、もしくは示していない哺乳類において疾患の臨床的な症状を進展させないこと、
(2)疾患を阻害する、すなわち、疾患もしくはその臨床的な症状の進展を抑止するか、もしくはを減少させること、または
(3)疾患を軽減する、すなわち、疾患またはその臨床的な症状の退行を引き起こすこと
を含む。
【0057】
「治療に有効な量」は、疾患を治療するために、哺乳類に投与した際に、疾患に対するそのような治療もたらすのに充分である化合物の量を意味する。「治療に有効な量」は、化合物、疾患、およびその重症度並びに治療される哺乳類の年齢、体重などに応じて変動する。
【0058】
(化合物の合成)
化合物は、化合物の調製の容易さ、開始材料の商業上の利用可能性、およびそれらと同種のものに対して選択された特定の経路を有するいくつかの多岐にわたる合成経路によって容易に調製される。
【0059】
化合物は、以下の一般的な方法および手順を用いてすぐに利用可能な開始材料から調製できる。プロセスの条件(すなわち、反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力等)が与えられた場合、他のプロセスの条件も特に記述がないかぎり使用できることが充分に理解される。最適な反応条件は、特定の反応物または使用した溶媒により変動してもよいが、そのような条件は、日常的な最適化手順を用いて当業者であれば決定できる。
【0060】
さらに、当業者に明らかであるように、従来の保護基が、特定の官能基が望ましくない反応を受けるのを防ぐのに必要である可能性がある。種々の官能基に適した保護基に加えて特定の官能基を保護し、脱保護するのに適した条件は、本技術分野において周知である。例えば、多数の保護基が、T. W. Greene and G. M. Wuts , Protecting Groups in Organic Synthesis, Second Edition, Wiley, New York, 1991および該文献に引用されている参考文献に記載されている。
【0061】
さらに、化合物は、1又は複数のキラル中心を含んでもよい。従って、望ましいのであれば、そのような化合物を、純粋な立体異性体として、すなわち個々のエナンチオマーもしくはジアステレオマーとして、または立体異性体に富む混合物として、調製できるか、または単離できる。すべてのそのような立体異性体(およびそれに富む混合物)が、別段の指示がない限り含まれる。純粋な立体異性体(またはそれに富む混合物)を、例えば、本技術分野において周知の光学的に活性のある開始材料または立体選択的な試薬を用いて調製してもよい。もう一つの方法として、そのような化合物のラセミ混合物を、例えば、キラルカラムクロマトグラフィー、キラル分割剤およびそれらと同種のものを用いて、分離できる。
【0062】
別段の指示がない限り、生成物がキラル中心を含む場合、該生成物は、R,Sエナンチオマーの混合物である。しかしながら、キラル生成物が望ましい場合、キラル生成物は、R,S混合物からエナンチオマーを分離して1つまたは他の立体異性体をもたらす精製技術によって得ることができる。そのような技術は本技術分野において既知である。
【0063】
化合物を、インビボで上記の化合物に変化させる(例えば、加水分解する、代謝する等)プロドラッグとして提供できる。
【0064】
(化合物の医薬製剤)
概して、化合物は、治療に有効な量で、これらの化合物のためのいずれの許容される投与形態によって投与される。化合物を種々の経路によって投与でき、経口、非経口(例えば、皮下、硬膜下、静脈内、筋肉内、くも膜下内、腹腔内、脳内、動脈内もしくは病巣内の投与経路)、局所、鼻腔内、限局した(例えば、外科的な適用もしくは外科的な坐剤)、直腸および肺(例えば、エアロゾル、吸入もしくは粉末)が挙げられるが、これらに限定されない。従って、これらの化合物は、注射可能なおよび経口の組成物の両方として有効である。化合物を、点滴によってまたはボーラス投与によって連続的に投与できる。
【0065】
化合物、すなわち、活性成分の実際の量は、疾患の重症度、すなわち、治療される状態または疾患、対象の年齢および相対的な健康状態、使用した化合物の効能、投与の経路および形態並びに他の要因などの多くの要因に依存する。
【0066】
そのような化合物の毒性および治療の有効性は、例えば、LD50(50%の集団に対する致死量)およびED50(50%集団に治療上有効な量)を決定するための細胞培養または実験動物における標準的な医薬的な手順によって決定できる。毒性効果と治療効果との間の用量の比率は、治療の指標であり、比LD50/ED50と表すことができる。
【0067】
細胞培養アッセイおよび動物研究から得られたデータを、ヒトへの使用のための投与量の範囲を処方するのに用いることができる。そのような化合物の投与量は、毒性が少ないか、又はまったくないED50を含む循環する濃度の範囲内にある。投与量は、使用される投与形態および利用される投与経路に応じてこのような範囲内で変動してもよい。使用したいずれの化合物について、治療に有効な用量を、最初に細胞培養アッセイから推定することができる。用量を、動物モデルにおいて製剤化して、細胞培養において決定されるIC50(すなわち、最大の半分の症状の阻害を達成する試験化合物の濃度)を含む循環する血漿濃度範囲を達成してもよい。そのような情報を用いて、ヒトに有用な用量をより正確に決定することができる。例えば、高性能液体クロマトグラフィーによって血漿中のレベルを測定してもよい。
【0068】
患者に投与される医薬組成物の量は、何が投与されるか、予防または治療などの投与の目的、患者の状態、投与の様式およびそれらと同種のものに応じて変動する。治療の適用において、組成物は、すでに疾患を患う患者に、疾患の症状およびその合併症を治癒するか、または少なくとも部分的に抑止するのに充分な量で投与される。これを成し遂げるのに適した量は、「治療に有効な用量」と定義される。このような使用に有効な量は、治療される疾患の状態に依存するのに加えて、炎症の重症度、患者の年齢、体重および一般的な状態並びにそれらと同種のものなどの要因に応じての主治医の臨床医学者の判断によるものである。
【0069】
患者に投与される組成物は、上記の24の医薬組成物の形態である。これらの組成物を、従来の滅菌技術によって滅菌してもよいか、または滅菌ろ過してもよい。生じた水溶液を、使用のためにそのままパッケージするか、または凍結乾燥し、凍結乾燥した調製物を、投与前に無菌の水溶性担体と混ぜる。当然のことながら、前述の賦形剤、担体または安定化剤の特定の使用によって、医薬の塩の製剤化がもたらされることが理解される。
【0070】
活性のある化合物は、幅広い投与量の範囲にわたって有効であり、概して、薬剤的にまたは治療に有効な量で投与される。化合物の治療の投与量は、例えば、治療がなされる特定の使用、化合物の投与の様式、患者の健康状態および状態、および処方する医師の判断に従って変動する。例えば、静脈内投与について、用量は、典型的には、体重キログラムあたり約0.5mg〜約100mgの範囲である。有効な用量は、インビトロでのまたは動物モデル試験システムに由来する用量反応曲線から推定することができる。典型的には、臨床医師は、投与量が望ましい効果を達成するものに到達するまで化合物を投与する。
【0071】
医薬として使用する場合、化合物は、通常、医薬組成物の形態で投与される。医薬組成物は、1又は複数の薬剤的に受容可能な担体または賦形剤と併せて、活性成分として、1又は複数の上記の化合物を含む。使用される賦形剤は、典型的には、ヒト対象または他の哺乳類への投与に適したものである。組成物の作製において、活性成分を、通常、賦形剤と混合するか、賦形剤で希釈するか、またはカプセル、サシェ(sachet)、紙または他の入れ物の形態である担体内に入れる。賦形剤が希釈剤として機能する場合、活性成分の媒体、担体または媒質として作用する固体、半固体または液体材料であってもよい。それ故に、組成物は、錠剤、ピル、粉末、トローチ剤、サシェ(sachet)、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁液、エマルジョン、溶液、シロップ、エアロゾル(固体としてまたは液体媒質で)、例えば、活性のある化合物の最大10重量%までを含有する軟膏、柔らかいおよび硬いゼラチンのカプセル、坐剤、無菌の注射可能な溶液並びに無菌のパッケージされた粉末の形態であることができる。
【0072】
製剤を調製するにあたって、他の成分と混合する前に活性のある化合物を製粉して、適切な粒径をもたらすことが必要である可能性がある。活性のある化合物が実質的に不溶である場合、該化合物を、通常、200メッシュ以下の粒径に製粉する。活性のある化合物が、実質的に水溶性である場合、粒径を、通常、製粉することによって調整して、例えば、約40メッシュの製剤における実質的に均一な分布をもたらす。
【0073】
適した賦形剤のいくつかの例としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニントール、スターチ、アラビアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガント、ゼラチン、カルシウムケイ酸、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、無菌水、シロップおよびメチルセルロースが挙げられる。製剤は、さらに、タルク、ステアリン酸マグネシウムおよびミネラルオイルなどの潤滑剤;湿潤剤;乳化剤および懸濁化剤;などの保存剤メチル−およびプロピルヒドロキシ−安息香酸塩;甘味剤;ならびに香料添加剤を含むことができる。本発明の組成物を、本技術分野において既知である手順を用いることによって、患者への投与後の活性成分の急速な、持続したまたは遅延した放出をもたらすように処方できる。
【0074】
医薬組成物およびその単位投与形態中の活性のある化合物の量は、特定の用途、様式もしくは導入、特定の化合物の効能および望ましい濃度に応じて、広く変動するか、または調整してもよい。「単位投与形態」という用語は、ヒト対象および他の哺乳類に対する単位投与として適した物理的に分離した単位を指し、各単位は、望ましい治療の効果を生じるように計算された活性のある材料の予め定められた量を適した医薬賦形剤と併せて含有する。
【0075】
化合物を、無菌の生理食塩水溶液などの適した不活性な担体において非経口投与のために処方できる。投与される用量は、投与経路によって決定される。
【0076】
静脈内製剤による治療薬の投与は、医薬産業において周知である。静脈内製剤は、治療薬が可溶である組成物であることに加えて、特定の質を有するべきである。例えば、製剤は、活性成分の全体の安定性を促進すべきであり、また、製剤の製造は、コスト的に効率の良いものであるべきである。すべてのこれらの要因は、最終的に、静脈内製剤の全体の成功および実用性を決定する。
【0077】
医薬製剤および化合物に含まれてもよい他の付属の添加物は、以下の通りである:溶媒:エタノール、グリセロール、プロピレングリコール;安定化剤:EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、クエン酸;抗菌保存剤:ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン;緩衝剤:クエン酸/クエン酸ナトリウム、酒石酸水素カリウム、酒石酸水素ナトリウム、酢酸/ナトリウム酢酸、マレイン酸/ナトリウムマレイン酸塩、フタル酸水素ナトリウム、リン酸/カリウムジ水素リン酸、リン酸/リン酸水素ジナトリウム;並びに浸透圧調整剤:塩化ナトリウム、マンニントール、デキストロース。
【0078】
緩衝液の存在が、水溶液のpHを約4〜約8の範囲に維持するのに必要である。緩衝液のシステムは、概して、弱酸と可溶なその塩とのの混合物、例えば、クエン酸ナトリウム/クエン酸であるか、または二塩基酸のモノカチオンもしくはジカチオンの塩、例えば、酒石酸水素カリウム;酒石酸水素ナトリウム、リン酸/カリウムジ水素リン酸、およびリン酸/リン酸水素ジナトリウムである。
【0079】
使用する緩衝液システムの量は、(1)望ましいpHおよび(2)薬物の量に依存する。概して、使用する緩衝液の量は、製剤のpHを4〜8の範囲に維持することができる。概して、薬物に対して1:1〜10:1のモル比の緩衝液(緩衝液のモルが、混合した緩衝液成分、例えば、クエン酸ナトリウムおよびクエン酸のモルと取られる)を使用する。
【0080】
有用な緩衝液は、mlあたり5〜50mgの範囲のクエン酸ナトリウム/クエン酸である。mlあたり1〜15mgのクエン酸ナトリウム/クエン酸が組成物の水溶液のpH4〜6を維持するのに充分である。
【0081】
また、緩衝剤は、ガラス容器またはゴム栓から浸出する可能性があるか、または通常の水道水に存在する溶解した金属イオン、例えば、Ca、Mg、Fe、Al、Baとの可溶な金属錯体形成によって、薬物の沈殿を防ぐために存在してもよい。該緩衝剤は、薬物と競合的な錯体形成剤として作用してもよく、望ましくない粒子の存在をもたらす可溶な金属錯体を生成してもよい。
【0082】
さらに、ヒト血液の同じ値に浸透圧を調整する約1〜8mg/mlの量での物質、例えば、塩化ナトリウムの存在が、嘔気もしくは下痢などの望ましくない副作用およびおそらくは関連した血液疾患をもたらす静脈内製剤の投与による赤血球の膨潤または収縮を避けるために必要である。概して、製剤の浸透圧は、塩化ナトリウムの0.9%溶液に相当する浸透圧に等しい282〜288mOsm/kg、一般に285mOsm/kgの範囲にあるヒト血液のものに一致する。
【0083】
静脈内製剤を、直接的な静脈内注射、i.v.ボーラスによって投与できるか、または0.9%塩化ナトリウム注射もしくは他の適合する点滴溶液などの適切な点滴溶液への添加による点滴によって投与できる。
【0084】
組成物を、好ましくは、単位投与形態で製剤化し、各投与量は、約5〜約100mg、より通常では約10〜約30mgの活性成分を含有する。「単位投与形態」という用語は、ヒト対象および他の哺乳類に対する単位投与として適した物理的に分離した単位を指し、各単位は、望ましい治療の効果を生じるように計算された活性のある材料の予め定められた量を適した医薬賦形剤と併せて含有する。
【0085】
活性のある化合物は、幅広い投与量範囲にわたって有効であり、概して、薬剤的に有効な量で投与される。しかしながら、当然のことながら、実際に投与される化合物の量は、治療される状態、選択された投与経路、実際の投与される化合物、個々の患者の年齢、体重および反応、患者の症状の重症度並びにそれらと同種のものを含めた関連する事情に照らして、医師によって決定されることが理解される。
【0086】
錠剤などの固体組成物を調製するために、主要な活性成分を、医薬賦形剤と混合して、本発明の化合物の均質な混合物を含有する固体予備処方組成物を形成する。これらの予備処方組成物が均質であるという場合、活性成分が、組成物を錠剤、ピルおよびカプセルなどの等しく有効な単位投与形態にすぐにさらに分割することが可能であるように、組成物すべてにわたって均等に分散していることを意味する。次に、この固体予備処方を、例えば、0.1〜約2000mgの活性成分を含有する上記のタイプの単位投与形態にさらに分割する。
【0087】
錠剤またはピルを被覆してもよいか、または配合して、長期の作用の利益が得られる投与形態を提供してもよい。例えば、錠剤またはピルは、内側の投与量および外側の投与量の構成成分を含むことができ、後者は、前者を覆うエンベロープの形態である。2つの構成成分は、胃における崩壊に抵抗することにつながる腸溶の層によって分離でき、内側の構成成分が無傷で十二指腸を通過できるようにするか、または放出において遅延することを可能にする。種々の材料を、そのような腸溶の層またはコーティングに用いることができ、そのような材料としては、多くの重合体の酸、およびシェラック(shellac)、セチルアルコールおよび酢酸セルロースといった材料との重合体の酸の混合物が挙げられる。
【0088】
経口投与のためにまたは注射によって新規な組成物が組み込まれてもよい液体の形態としては、水溶液、適切に風味が加えられたシロップ、水溶液のもしくは油の懸濁液および綿実油、ゴマ油、ヤシ油またはピーナッツ油などの食用の油を有する風味が加えられたエマルジョン並びにエリキシル剤および同様の医薬媒体が挙げられる。
【0089】
吸入またはガス吸入のための組成物としては、薬剤的に受容可能な水性のもしくは有機溶媒またはそれらの混合物での溶液および懸濁液、ならびに粉末が挙げられる。液体または固体組成物は、適した上記の薬剤的に受容可能な賦形剤を含んでもよい。薬剤的に受容可能な溶媒中の組成物を、不活性なガスの使用によって噴霧してもよい。噴霧される溶液を噴霧装置から直接的に呼吸してもよいか、または噴霧装置を、フェイスマスクテント、または間欠的陽圧呼吸機械に取り付けてもよい。溶液、懸濁液または粉末の組成物を、適切な様式で製剤を送達する装置から投与してもよい。
【0090】
化合物を、徐放の形態で投与できる。適した徐放の調製物の例としては、化合物を含有する固体疎水性のポリマーの半透性のマトリクスが挙げられ、マトリクスは、成形した物品、例えば、フィルム、またはマイクロカプセルの形態である。徐放のマトリクス例としては、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、Langer et al., J. Biomed. Mater. Res. 15: 167-277 (1981) および Langer, Chem. Tech. 12: 98-105 (1982)に記載されているポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート)またはポリ(ビニルアルコール))、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号明細書)、L−グルタミン酸およびγエチル−L−グルタミン酸塩のコポリマー(Sidman et al., Biopolymer 22: 547-556, 1983)、分解可能ではないエチレン−ビニル酢酸塩 (前記のLanger et al .)、LUPRON DEPOT(商標)(すなわち, 乳酸-グリコール酸 コポリマーおよびリュープロリド酢酸塩からなる注射可能な微粒子)などの分解可能な乳酸−グリコール酸コポリマー並びにポリ−D−{−)−3−ヒドロキシ酪酸(欧州特許第133,988号)が挙げられる。
【0091】
化合物を、徐放形態で、例えば、活性成分の徐放を可能にする様式で製剤化できるデポー注射、インプラント調製物、または浸透圧ポンプで投与できる。徐放製剤のためのインプラントは本技術分野において周知である。インプラントを、生物分解可能なまたは生物分解可能ではないポリマーを有する微粒子、平板として処方してもよいが、これらに限定されない。例えば、乳酸および/またはグリコール酸のポリマーは、宿主によってよく許容される侵食され得るポリマーを形成する。
【0092】
経皮の送達装置(「パッチ」)も使用してもよい。そのような経皮のパッチを使用して、調整された量での化合物の連続的なまたは不連続の点滴提供してもよい。薬剤の送達のための経皮のパッチの構成および使用は本技術分野において周知である。例えば、1991年6月11日に付与された米国特許第5,023,252号明細書を参照し、参照により本明細書に組み込むものとする。そのようなパッチを、薬剤の連続的な、脈動性のまたはオンデマンドの送達のために構成してもよい。
【0093】
直接的なまたは間接的な設置技術を、脳に医薬組成物を導入するのが望ましいか、または必要である場合に使用してもよい。直接的な技術は、通常、血液−脳関門をバイパスする宿主の脳室システムへの薬物送達カテーテルの設置を伴う。体の特定の解剖学的な領域への生物学的な因子の輸送のために使用される一つのそのような移植可能な送達システムは、米国特許第5,011,472号明細書に記載されており、該文献を参照により本明細書に組み込むものとする。
【0094】
間接的な技術は、通常、組成物を製剤化して、脂質可溶な薬物への親水性薬物の変換によって薬物潜在化をもたらすことを伴う。潜在化は、概して、薬物に存在するヒドロキシ、カルボニル、硫酸塩および第1級アミン基をブロックして、薬物をより脂質可溶で、かつ血液脳関門を越える輸送に受け入れられるものとすることによって達成される。もう一つの方法として、親水性薬物の送達を、血液脳関門一過性に開くことができる高浸透圧性溶液の動脈内の点滴によって向上してもよい。
【0095】
血清半減期を増大させるために、化合物をカプセルに包み、リポソームの内腔へ導入し、コロイドとして調製してもよいか、または化合物の半減期の延長をもたらす他の従来の技術を使用してもよい。例えば、Szokaらの米国特許第4,235,871号明細書、第4,501,728号明細書および第4,837,028号明細書に記載されている種々の方法が、リポソームを調製するのに利用可能であり、これらの文献を、それぞれ、参照により本明細書に組み込むものとする .
【0096】
医薬 組成物は、種々の薬物送達システムでの使用に適している。本発明での使用に適した製剤は、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mace Publishing Company, Philadelphia, PA, 17th ed. (1985)で見られる .
【0097】
提供された化合物および医薬組成物は、ウイルスの感染症および関連した疾患を治療し、防ぐ際に生物活性を示し、従って、ヒトを含めた哺乳類におけるLCMVおよび出血熱ウイルスなどのウイルスの感染症および関連した疾患の治療への有用性を有する。
【0098】
出血熱ウイルス(HFVs)は、同様の臨床的な特徴を有する種々の疾患症候群を引き起こすRNAウイルスである。可能性のある生物兵器として関心があるHFVsとしては、アレナウイルス科(フニン、マチュポ、グアナリト、サビア、およびラッサ)、フィロウイルス科(エボラおよびマールブルグウイルス)、フラビウイルス科(黄熱、オムスク出血熱およびキャサヌール森林病ウイルス)およびブニヤウイルス科(リフトバレー熱およびクリミア・コンゴ出血熱)が挙げられるが、これらに限定されない。天然に存在するアレナウイルスおよび可能性のある操作されたアレナウイルスは、多くの犠牲者をだす最も可能性のある物質のうちである疾病管理予防センターに従うカテゴリーA病原体リストに含まれる。
【0099】
リスク要因としては、アフリカまたはアジアへの旅行、動物の死骸の取り扱い、感染した動物または人々との接触、および/または節足動物の噛みつきが挙げられる。アレナウイルスは、感染した血液および/または分泌液との直接的な接触の後、非常に伝染性がある。ヒトは、通常、感染した齧歯類との接触、感染した節足動物の噛みつき、動物の死骸との直接的な接触、伝染性がある齧歯類排泄物の吸入および/または齧歯類の排泄物で汚染した食物の注入によって感染した状態となる。タカリベウイルスは、コウモリと関連している。出血熱の空気伝染は、他の形態である。ヒトからヒトへの接触もいくつかの事例においてに生じ得る。LCMVは、世界中で蔓延し、一般的なハツカネズミ Mus musculusに加えて、ハムスターおよびモルモットなどの特定の他の齧歯類と関連している。リスク要因としては、マウスの生息地もしくは排泄物に近いこと、またはペットの齧歯類に曝されることが挙げられる。
【0100】
すべての出血熱は、同様の臨床的な症状を示す。しかしながら、概して、臨床的な徴候は、非特異的であり、変化可能である。潜伏期間は、約7〜14日である。開始は、熱および倦怠感、頻呼吸、相対的な徐脈、低血圧、循環ショック、結膜の感染、咽頭炎、リンパ節腫脹、脳炎、筋肉痛、背部痛、頭痛および眩暈に加えて、皮膚の知覚過敏とともに段階的である。いくつかの感染した患者は、出血性の徴候を進展させない可能性がある。
【0101】
専門の研究室での診断の方法としては、抗原捕獲酵素結合免疫測定法(ELISA)による抗原の検出、抗体捕獲酵素結合免疫測定法IgM抗体の検出、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)、およびウイルスの単離が挙げられる。抗原検出(by酵素結合免疫測定法)および逆転写ポリメラーゼ連鎖反応は、急な臨床的な設定において最も有用な診断的な技術である。
【0102】
以下の実施例では、略語が上記で定義されていない場合、一般的に受け入れられている意味を有する。さらに、すべての温度はセルシウス度である(別段の指示がない限り)。以下の方法を用いて、以下に示される通りに先に説明した化合物を調製した。
【実施例】
【0103】
実施例1−一般的な合成手順
本発明のビベンズイミダゾールは商業上の供給元から得られるか、または J. Chem. Soc., Perkin Trans. I, 1967, 1, 20-25 および Inorg. Chem. 1978, 17, 2078-2083に記載されている手順に従って調製される。手順を、以下の合成スキームに要約する.
【化5】

【0104】
2当量のジアミンを1当量のメチル2,2,2−トリクロロアセトイミダートまたはオキシミドと反応させることによって、望ましい生成物を得る。生成物は、通常、水への沈殿に続いて異なる溶媒で再結晶化するか、または研和(trituration)することによって単離できる。次に、生成物をNMR、質量分析および/または融点決定によってキャラクタリゼーションした。分析データを下記の表1に要約する。
【0105】
実施例2−製剤1
以下の成分を含有する硬いゼラチンカプセルを調製する:
【0106】
【表1】

【0107】
上記の成分を混合し、340mgの量で硬いゼラチンカプセルに充填した。
【0108】
実施例3−製剤2
錠剤製剤を、以下の成分を用いて調製する:
【0109】
【表2】

【0110】
構成成分を混合し、圧縮して、それぞれ240mgある錠剤を形成する。
【0111】
実施例4−製剤3
以下の構成成分を含有する乾燥粉末吸入器製剤を調製する:
【0112】
【表3】

【0113】
活性のある混合物をラクトースと混合し、混合物を乾燥粉末吸入アプライアンスにに添加する。
【0114】
実施例5−製剤4
30mgの活性成分をそれぞれ含有する錠剤を以下の通りに調製する:
【0115】
【表4】

【0116】
活性成分、スターチ、およびセルロースを、No.20メッシュU.S.シーブへ通過させ、完全に混合する。ポリビニルピロリドンの溶液を得られた粉末と混合し、次に、16メッシュU.S.シーブに通過させる。そのようにして製造した顆粒を50〜60℃で乾燥し、16メッシュU.S.シーブに通過させる。次に、No.30メッシュU.S.シーブに予め通過させたカルボキシメチルスターチナトリウム、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクを、顆粒に添加し、混合した後、錠剤機械で圧縮して、それぞれ150mgである錠剤を得る。
【0117】
実施例6−製剤5
それぞれ40mgの薬剤を含有するカプセルを以下の通りに作製する:
【0118】
【表5】

【0119】
活性成分、セルロース、スターチ、ステアリン酸マグネシウム混合し、No.20メッシュU.S.シーブに通過させ、150mgの量で硬いゼラチンカプセルに充填した。
【0120】
実施例7−製剤6
それぞれ25mgの活性成分を含有する坐剤を以下の通りに作製した:
【0121】
【表6】

【0122】
活性成分をNo.60メッシュU.S.シーブに通過させ、必要な最小の加熱によって予め溶融した飽和脂肪酸グリセリドに懸濁した。次に、混合物を2.0gの呼び容量の坐剤のモールドに注ぎ、冷却した。
【0123】
実施例8−製剤7
それぞれ5.0ml用量当たり50mgの薬剤を含有する懸濁液を以下の通りに作製した:
【0124】
【表7】

【0125】
薬剤、スクロースおよびキサンタンガムを混合し、No.10メッシュU.S.シーブに通過させ、続いて、水中の微結晶性セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムの予め作製した溶液と混合した。安息香酸ナトリウム、フレーバーおよび色素を、いくらかの水で希釈し、撹拌しつつ添加した。次に、充分な水を添加して、必要とされる容量を得た。
【0126】
実施例9−製剤8
それぞれ15mgの活性成分を含有する硬いゼラチン錠剤を以下の通りに作製した:
【0127】
【表8】

【0128】
活性成分、セルロース、スターチおよびステアリン酸マグネシウムを混合し、No.20メッシュU.S.シーブに通過させ、560mgの量で硬いゼラチンカプセルに充填した。
【0129】
実施例10−製剤9
静脈内製剤を以下の通りに調製可能である :
【0130】
【表9】

【0131】
治療の化合物の組成物を、概して、無菌のアクセスポートを有する容器、例えば、皮下注射針または同様の鋭い器具によって穴を空けることが可能なストッパーを有する静脈内溶液バッグまたはバイアルに入れる。
【0132】
実施例11−製剤10
局所製剤を、以下の通りに調製可能である:
【0133】
【表10】

【0134】
白色軟パラフィンを溶融するまで加熱した。液体パラフィンおよび乳化ワックスを合わせ、溶解するまで撹拌する。活性成分を添加し、分散するまで撹拌し続ける。次に、混合物を固体になるまで冷却する。
【0135】
実施例12−製剤11
エアロゾル製剤を以下の通りに調製可能であり、0.5%二重炭酸ナトリウム/生理食塩水(w/v)中の30.0mg/mLの濃度の候補化合物の溶液を、以下の手順を用いて調製する:
【0136】
0.5%二重炭酸ナトリウム/生理食塩水ストック溶液の調製:100.0mL
【表11】

手順:
1.100mL容量のフラスコに0.5g二重炭酸ナトリウムを添加する。
2.約90.0mLの生理食塩水を添加し、溶解するまで超音波で分解する。
3.生理食塩水で100.0mLとし、完全に混合する。
【0137】
30.0mg/mL候補化合物の調製:10.0mL
【表12】

手順:
1.0.300gの候補化合物を10.0mL容量のフラスコに添加する。
2.約9.7mLの0.5%二重炭酸ナトリウム/生理食塩水ストック溶液を添加する。
3.候補化合物が完全に溶解するまで超音波で分解する。
4.0.5%二重炭酸ナトリウム/生理食塩水ストック溶液で10.0mLとし、混合する。
【0138】
実施例13−本発明の化合物の抗ウイルス活性の決定:
LCMVが細胞溶解性ではない感染を形成することから(9)、細胞ベースの酵素結合免疫測定法(ELISA)を使用して、LCMVのアームストロング株(Arm53b)を用いて抗ウイルス活性について小分子化合物ライブラリーをスクリーニングした。簡単に述べると、ベロ細胞の単層を、低い感染効率で5μMの濃度の試験化合物の存在下感染させた。5日間のインキュベーション期間の後、モノクローナル抗体を用いて、感染した細胞内のウイルスのNPを検出した。真正の伝染性があるLCMVを用いるこのアッセイの細胞ベースの性質によって、ウイルスの複製に必要であるいずれのプロセスも阻害することが可能な化合物の検出が可能となった。化合物1(下記表1参照)を、このスクリーニングからのヒットとして同定し、さらに、取り扱いやすさ、効能、および選択性について調査した。
【0139】
化学的に扱いやすい化合物は、合理的な化学的な方法論を用いて合成で入手しやすいものと定義され、化学的に安定な官能性および潜在的な薬物様の質を有する。化合物1この医薬品の化学のフィルターに合格し、効能について評価した。化合物の効能を、再び細胞ベースのELISAを用いて、濃度の広い範囲にわたる阻害活性を評価することによって決定した。非線形回帰を用いて、最良適合阻害曲線を生成し、80nMに相当する50%有効濃度(EC50)を計算した。与えられた化合物の選択性または特異性を、典型的には、その細胞毒性対その生物学的な効果の比として表わした。細胞増殖アッセイを使用して、50%細胞毒性濃度(CC50)を計算し;この値対EC50の比は、治療の指標(T.I.=CC50/EC50)と称される。細胞毒性を決定するために,レサズリン(Alamar Blue)の減少を定量化する蛍光定量的なアッセイを使用した(8)。化合物1は、最大25μMまでの濃度において定量化可能な細胞毒性の効果をまったく示さず、この化合物についてのT.I.は>310であった。
【0140】
化合物1の作用のメカニズムの広い評価を行った。LCMV感染細胞において、10μMの化合物の存在下で、ウイルスのS RNAおよびNP mRNAの合成が、少なくとも48時間の感染後の期間において、非処理のコントロールに対して劇的に抑制された。ウイルスのRNAの複製および転写も、設計がLCMVゲノムRNAの必須の複製エレメントに基づくRNAアナログ上のネガティブセンスの方向でコードされる、レポーター遺伝子、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)の活性をモニターすることによって評価した(4)。この細胞ベースのアッセイにおいて、人工RNAアナログの複製および転写が、プラスミドにコードされたウイルスのNPおよびLタンパク質によって促進された。CAT活性は、20μMの化合物1で処理した感染した細胞においてまったく見られなかった。総合すれば、これらの結果は、化合物1が、ウイルスのNPまたはLタンパク質の活性を阻害し、効率的な転写およびウイルスのRNAの翻訳を妨げることを示唆する。
【0141】
この化合物の化学的なアナログを、商業的企業から得たか、または合成し、これらのアナログを上記の順序で記載されている通りに試験して、化学的な構造と生物活性との間の関係を定めた。いくつかのアナログを、下記表1に示すように抗ウイルス活性について試験した。2つのアナログ、化合物6および7が、化合物1と比較して効能(それぞれEC50=6nMおよび63nM)および選択性の増大を示した。
【0142】
【表13A】

【表13B】

【0143】
(参考文献)



【0144】
本明細書において、前述のすべての参考文献を、参照によりその全体を本明細書に組み込むものとする。
【0145】
本発明を、その好ましい実施態様に照らして説明したが、当業者であれば理解できるように、本発明はより幅広く適用可能である。本発明の範囲は、特許請求の範囲のみによって制限される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤的に受容可能な担体および以下の一般式Iを有する化合物またはその薬剤的に受容可能な塩を含む医薬組成物:
【化1】

(式中、B、D、E、G、B’、D’、E’およびG’は、独立してNまたはC−Rであり;
Rは、水素、置換もしくは非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アシルオキシ、アリールアシルオキシ、ヘテロアリールアシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、チオ、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシルアミノ、アリールアシルアミノ、ヘテロアリールアシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、ハロゲン、シアノ、イソシアノおよびニトロからなる群より選択され、
XおよびX’は、独立してO、SまたはN−R’(式中、R’は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、スルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイルおよび置換カルバモイルからなる群より選択される)からなる群より選択される)。
【請求項2】
B、D、E、G、B’、D’、E’およびG’の少なくとも1つはC−Y(式中、Yはハロゲンである)であり、並びに
(i)B、E、G、B’、E’およびG’のどれもNではない場合、DおよびD’は、両方ともC−FもしくはC−Clではないか;
(ii)D、E、G、D’、E’およびG’のどれもNではない場合、BおよびB’は、両方ともC−Brではないか;または
(iii)B、E、G、B’、E’およびG’のどれもNではない場合、かつDがC−Brである場合には、D’は、C−Z(式中、Zは、4−メチル−1−ピペラジニルである)ではない請求項1記載の組成物。
【請求項3】
B、D、E、G、B’、D’、E’およびG’のそれぞれがC−Rである請求項1記載の組成物。
【請求項4】
Rが、水素、アルキル、アミノおよびハロゲンからなる群より選択される請求項3記載の組成物。
【請求項5】
Rが水素またはメチルである請求項4記載の組成物。
【請求項6】
XおよびX’のそれぞれがN−R’である請求項1記載の組成物。
【請求項7】
R’が水素またはアルキルである請求項6記載の組成物。
【請求項8】
式Iの化合物が、1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;5,6,5’,6’−テトラメチル−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;1,1’−ジメチル−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;1,1’−ジエチル−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;6,6’−ジニトロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;4,4’−ジフルオロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;5,5’−ジフルオロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;5,5’−ジクロロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;5,5’−ジブロモ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;4,4’−ジメチル−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;5,5’−ジメチル−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;4,4’−ジメトキシ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;5,5’−ジメトキシ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル−4,4’−ジカルボン酸ジメチルエステル;1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル−5,5’−ジカルボン酸ジメチルエステル;4,4’−ジフェニル−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;4,5,4’,5’−テトラフルオロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;4,6,4’,6’−テトラフルオロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;5,6,5’,6’−テトラフルオロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;1H,1’H−[2,2’]ビ[イミダゾ[4,5−b]ピリジニル];3H,3’H−[2,2’]ビ[イミダゾ[4,5−c]ピリジニル];4,7,4’,7’−テトラフルオロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;および4,4’−ジクロロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリルからなる群より選択される請求項1記載の組成物。
【請求項9】
式Iの化合物が、1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;4,4’−ジフルオロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;5,5’−ジフルオロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;および4,6,4’,6’−テトラフルオロ−1H1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリルからなる群より選択される請求項1記載の組成物。
【請求項10】
以下の一般式Iを有する化合物またはその薬剤的に受容可能な塩:
【化2】

(式中、B、D、E、G、B’、D’、E’およびG’は、独立してNまたはC−Rであり;
Rは、水素、置換もしくは非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アシルオキシ、アリールアシルオキシ、ヘテロアリールアシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、チオ、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシルアミノ、アリールアシルアミノ、ヘテロアリールアシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、ハロゲン、シアノ、イソシアノおよびニトロ;但し、B、D、E、G、B’、D’、E’およびG’の少なくとも1つはC−Y(Yはハロゲンである)からなる群より選択され;並びに
(i)B、E、G、B’、E’およびG’のどれもNではない場合、DおよびD’は、両方ともC−FもしくはC−Clではないか;
(ii)D、E、G、D’、E’およびG’のどれもNではない場合、BおよびB’は、両方ともC−Brではないか;または
(iii)B、E、G、B’、E’およびG’のどれもNではない場合、かつDがC−Brである場合には、D’は、C−Z(式中、Zは、4−メチル−1−ピペラジニルである)ではなく、並びに
XおよびX’は、独立して、O、SまたはN−R’(式中、R’は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、スルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイルおよび置換カルバモイルからなる群より選択される)からなる群より選択される)。
【請求項11】
式Iの化合物が、4,4’−ジフルオロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;;5,5’−ジブロモ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;4,5,4’,5’−テトラフルオロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;4,6,4’,6’−テトラフルオロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;5,6,5’,6’−テトラフルオロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;4,7,4’,7’−テトラフルオロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;および4,4’−ジクロロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリルからなる群より選択される請求項10記載の化合物。
【請求項12】
薬剤的に受容可能な担体および請求項10記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項13】
4,4’−ジメトキシ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル−4,4’−ジカルボン酸ジメチルエステル;1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル−5,5’−ジカルボン酸ジメチルエステル;および4,4’−ジフェニル−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリルからなる群より選択される化合物またはその薬剤的に受容可能な塩。
【請求項14】
薬剤的に受容可能な担体および請求項13記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項15】
必要としている哺乳類に治療に有効な量で下記式Iの化合物またはその薬剤的に受容可能な塩を投与することを含む、ウイルスの感染症またはそれと関連した疾患の治療または予防の方法:
【化3】

(式中、B、D、E、G、B’、D’、E’およびG’は、独立してNまたはC−Rであり;
Rは、水素、置換もしくは非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アシルオキシ、アリールアシルオキシ、ヘテロアリールアシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、チオ、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシルアミノ、アリールアシルアミノ、ヘテロアリールアシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、ハロゲン、シアノ、イソシアノおよびニトロからなる群より選択され;並びに
XおよびX’は、独立してO、SまたはN−R’(式中、R’は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、スルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイルおよび置換カルバモイルからなる群より選択される)からなる群より選択される)。
【請求項16】
B、D、E、G、B’、D’、E’およびG’の少なくとも1つはC−Y(式中、Yはハロゲンである)であり、並びに
(i)B、E、G、B’、E’およびG’のどれもNではない場合、DおよびD’は、両方ともC−FもしくはC−Clではないか;
(ii)D、E、G、D’、E’およびG’のどれもNではない場合、BおよびB’は、両方ともC−Brではないか;または
(iii)B、E、G、B’、E’およびG’のどれもNではない場合、かつDがC−Brである場合には、D’は、C−Z(式中、Zは、4−メチル−1−ピペラジニルである)ではない、請求項15記載の方法。
【請求項17】
B、D、E、G、B’、D’、E’およびG’のそれぞれがC−Rである請求項15記載の方法。
【請求項18】
Rが、水素、アルキル、アミノおよびハロゲンからなる群より選択される請求項17記載の方法。
【請求項19】
Rが水素またはメチルである請求項18記載の方法。
【請求項20】
XおよびX’のそれぞれがN−R’である請求項15記載の方法。
【請求項21】
R’が水素またはアルキルである請求項20記載の方法。
【請求項22】
式Iの化合物が、1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;5,6,5’,6’−テトラメチル−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;1,1’−ジメチル−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;1,1’−ジエチル−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;6,6’−ジニトロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;4,4’−ジフルオロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;5,5’−ジフルオロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;5,5’−ジクロロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;5,5’−ジブロモ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;4,4’−ジメチル−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;5,5’−ジメチル−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;4,4’−ジメトキシ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;5,5’−ジメトキシ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル−4,4’−ジカルボン酸ジメチルエステル;1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル−5,5’−ジカルボン酸ジメチルエステル;4,4’−ジフェニル−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;4,5,4’,5’−テトラフルオロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;4,6,4’,6’−テトラフルオロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;5,6,5’,6’−テトラフルオロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;1H,1’H−[2,2’]ビ[イミダゾ[4,5−b]ピリジニル];3H,3’H−[2,2’]ビ[イミダゾ[4,5−c]ピリジニル];4,7,4’,7’−テトラフルオロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;および4,4’−ジクロロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリルからなる群より選択される請求項15記載の方法。
【請求項23】
式Iの化合物が、1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;4,4’−ジフルオロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;5,5’−ジフルオロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリル;および4,6,4’,6’−テトラフルオロ−1H,1’H−[2,2’]ビベンゾイミダゾリルからなる群より選択される請求項15記載の方法。
【請求項24】
哺乳類がヒトである請求項15記載の方法。
【請求項25】
ウイルスの感染症がアレナウイルス感染症である請求項15記載の方法。
【請求項26】
アレナウイルスがラッサ、フニン、マチュポ、グアナリト、サビア、ホワイトウォーター・アロヨ、チャパレ(Chapare)、LCMV、LCMV様ウイルスからなる群より選択される請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記LCMV様ウイルスがダンデノング、タカリベ、およびピチンデからなる群より選択される請求項26記載の方法。
【請求項28】
前記ウイルスの感染症が、ウイルスの出血熱、髄膜炎、髄膜脳炎、脳炎および臓器移植レシピエントにおけるアレナウイルスによって媒介される疾患からなる群より選択される状態と関連している請求項15記載の方法。
【請求項29】
前記ウイルスの感染症が出生異常および自然流産と関連している請求項15記載の方法。
【請求項30】
さらに、抗ウイルス剤、ワクチンおよびインターフェロンからなる群より選択される少なくとも1つの薬剤の同時投与を含む請求項15記載の方法。
【請求項31】
前記抗ウイルス剤がリバビリンである請求項30記載の方法。
【請求項32】
前記抗ウイルス剤がシドホビルである請求項30記載の方法。
【請求項33】
前記インターフェロンがペグ化されている請求項30記載の方法。

【公表番号】特表2011−519346(P2011−519346A)
【公表日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−543205(P2010−543205)
【出願日】平成21年1月14日(2009.1.14)
【国際出願番号】PCT/US2009/030919
【国際公開番号】WO2009/123776
【国際公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(509322904)シガ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (8)
【Fターム(参考)】