アンダーカット処理機構
【課題】成形品の内側にセンター孔を有するボスが全体の型抜き方向と交差する方向へ突き出している場合も、容易に型抜きすることができるアンダーカット処理機構を提供する。
【解決手段】ホルダー４０内に収納されたアンダーカット成形コア３０は、型抜き方向へ移動する第１コア３１と、該第１コア３１に隣接して配された第２コア３２とから成り、これら第１，２コア３１，３２は、それぞれ隣接する傾斜した側面３３，３４を有し、各側面３３，３４同士は互いに傾斜した方向へ相対的に摺動する状態で押し引き可能に連結されている。ホルダー４０内に、第１コア３１を型抜き方向へ案内する第１縦溝４３と、第１コア３１の型抜き方向への移動に伴い押し引きされて連動する第２コア３２をアンダーカット部Ｐ１から離脱可能な方向へ案内する第２横溝４４を設けた。
【解決手段】ホルダー４０内に収納されたアンダーカット成形コア３０は、型抜き方向へ移動する第１コア３１と、該第１コア３１に隣接して配された第２コア３２とから成り、これら第１，２コア３１，３２は、それぞれ隣接する傾斜した側面３３，３４を有し、各側面３３，３４同士は互いに傾斜した方向へ相対的に摺動する状態で押し引き可能に連結されている。ホルダー４０内に、第１コア３１を型抜き方向へ案内する第１縦溝４３と、第１コア３１の型抜き方向への移動に伴い押し引きされて連動する第２コア３２をアンダーカット部Ｐ１から離脱可能な方向へ案内する第２横溝４４を設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、固定型と可動型から成る金型において、成形品の型抜き方向と交差する方向へ突き出したアンダーカット部を型抜き可能とするアンダーカット処理機構に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、この種の成形用金型装置としては、例えば、特許文献１に記載されたルーズコアエジェクター装置が知られている。すなわち、成形品の内面を形成する金型のコアと、このコアを貫通してコア表面に対して傾斜配置された移動可能なルーズコア支持ロッドと、可動側型板と台座プレートとに係止されたガイド手段ロッドと、このガイド手段ロッドに対して相対的に摺動可能にエジェクタープレートの摺動路に配置されたスライドベースとを備え、ルーズコア支持ロッドがスライドベースの移動に連動するものである。
【０００３】
このようなルーズコアエジェクター装置において、ガイド手段ロッドの一端は、可動側型板の下面に形成された凹部に緊密に嵌め込まれたホルダーに係止されており、また、ルーズコア支持ロッドは、コアにガイド手段ロッドとほぼ同じ傾斜角度で形成された挿通孔を摺動可能に挿通して、この挿通孔がルーズコア支持ロッドの傾斜角度を設定する唯一の角度設定孔となっている。
【０００４】
【特許文献１】特開２００２−３２６２３３号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、前述したような従来の技術では、ルーズコア支持ロッドのみならず、ガイド手段ロッドも傾斜配置されており、しかも、各ロッドを同じ傾斜角度で移動させるための機構が、エジェクタープレートと可動側型板とに分散するように構成されている。従って、成形品のアンダーカット部の型抜きのために必要なアンダーカット部分形状を施した駒の移動量に比べて大きな設置スペースを要し、全体的に構造も複雑となり組み立てに手間と時間がかかり、コストダウンが難しいという問題点があった。
【０００６】
また、アンダーカット部が成形品の外側ないし内側の一方向へある場合にしか対応することができず、例えば、成形品の内側にセンター孔を有するボスが全体の型抜き方向と交差する斜め下方向へ突き出しているような場合には、このような成形品を型抜きすることは不可能であった。そのため、成形可能な成形品におけるアンダーカット部の形状の他、その位置や数が非常に狭い範囲に限定されるという問題点があった。
【０００７】
本発明は、前述したような従来の技術が有する問題点に着目してなされたもので、コンパクトに構成することが可能となり省スペース化の要請に応じることができ、金型への加工および組み込みが容易となり、コストダウンを実現することができ、特に成形品の内側にセンター孔を有するボスが全体の型抜き方向と交差する斜め下方向へ突き出している場合も、容易に型抜きすることができるアンダーカット処理機構を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
前述した目的を達成するための本発明の要旨とするところは、以下の各項の発明に存する。
［１］固定型（１２）と可動型（１３）から成る金型（１１）において、成形品（Ｐ）の型抜き方向と交差する方向へ突き出したアンダーカット部（Ｐ１）を型抜き可能とするアンダーカット処理機構であって、
前記アンダーカット部（Ｐ１）を成形するためのアンダーカット成形コア（３０）と、前記固定型（１２）または前記可動型（１３）に内設されて前記アンダーカット成形コア（３０）を移動可能な状態で収納するホルダー（４０）を有し、
前記アンダーカット成形コア（３０）は、前記ホルダー（４０）内に収まる成形位置から前記ホルダー（４０）外に少なくとも一部が露出する離型位置まで型抜き方向へ移動する第１コア（３１）と、該第１コア（３１）に隣接して配されて前記アンダーカット部（Ｐ１）を成形する形状を備えた第２コア（３２）とから成り、
前記第１コア（３１）および前記第２コア（３２）は、それぞれ隣接して前記アンダーカット部（Ｐ１）が突き出した方向へ傾斜した側面（３３，３４）を有し、各側面（３３，３４）同士は互いに傾斜した方向へ相対的に摺動する状態で押し引き可能に連結され、
前記ホルダー（４０）内に、前記第１コア（３１）を型抜き方向へ案内する第１ガイド（４３）と、前記第１コア（３１）の型抜き方向への移動に伴い押し引きされて連動する前記第２コア（３２）を前記アンダーカット部（Ｐ１）から離脱可能な方向へ案内する第２ガイド（４４）を設けた
ことを特徴とするアンダーカット処理機構。
【０００９】
［２］前記アンダーカット部（Ｐ１）は、センター孔（Ｐ２）を有するアンダーカットボスであり、
前記第２コア（３２）は、前記アンダーカットボスを成形する凹部（３５）と、該凹部（３５）内にて前記センター孔（Ｐ２）を成形する中子（３６）を有する
ことを特徴とする［１］に記載のアンダーカット処理機構。
【００１０】
［３］前記型抜き方向へ駆動されて突き出し動作するエジェクタピン（２０）を有し、該エジェクタピン（２０）の先端部に前記第１コア（３１）を固設し、
前記ホルダー（４０）は、前記エジェクタピン（２０）の先端部が移動可能に案内される状態で前記可動型（１３）に内設された
ことを特徴とする［１］または［２］に記載のアンダーカット処理機構。
【００１１】
［４］前記ホルダー（４０）の内壁および前記第１コア（３１）の外壁の何れか一方に、前記第１コア（３１）が移動する型抜き方向へ延びる第１縦溝（４３）を設け、何れか他方に、同じく型抜き方向へ延びて前記第１縦溝（４３）に摺動可能に嵌合する第１縦条（３７）を設け、前記ホルダー（４０）内にある第１縦溝（４３）または第１縦条（３７）を前記第１ガイド（４３）とし、
前記ホルダー（４０）の内壁および前記第２コア（３２）の外壁の何れか一方に、前記第２コア（３２）が移動する前記アンダーカット部（Ｐ１）から離脱可能な方向へ延びる第２横溝（４４）を設け、何れか他方に、同じく離脱可能な方向へ延びて前記第２横溝（４４）に摺動可能に嵌合する第２横条（３８）を設け、前記ホルダー（４０）内にある第２横溝（４４）または第２横条（３８）を前記第２ガイド（４４）とした
ことを特徴とする［１］，［２］または［３］に記載のアンダーカット処理機構。
【００１２】
［５］前記第１コア（３１）を、前記アンダーカット部（Ｐ１）を含む成形品（Ｐ）全体の型抜き可能なストロークに応じた長さに設計する
ことを特徴とする［１］，［２］，［３］または［４］に記載のアンダーカット処理機構。
【００１３】
［６］前記ホルダー（４０）自体を、該ホルダー（４０）を設ける前記可動型（１３）または前記固定型（１２）の一部として構成した
ことを特徴とする［１］，［２］，［３］，［４］または［５］に記載のアンダーカット処理機構。
【００１４】
前記本発明は次のように作用する。
前記［１］に記載のアンダーカット処理機構によれば、ホルダー（４０）内に収納されたアンダーカット成形コア（３０）は、型抜き方向へ移動する第１コア（３１）と、該第１コア（３１）に隣接して配された第２コア（３２）とから成り、これら第１，２コア（３１，３２）は、それぞれ隣接する傾斜した側面（３３，３４）を有し、各側面（３３，３４）同士は、互いに傾斜した方向へ相対的に摺動する状態で押し引き可能に連結されている。
【００１５】
ここでホルダー（４０）内には、前記第１コア（３１）を型抜き方向へ案内する第１ガイド（４３）と、前記第１コア（３１）の型抜き方向への移動に伴い押し引きされて連動する前記第２コア（３２）を前記アンダーカット部（Ｐ１）から離脱可能な方向へ案内する第２ガイド（４４）が設けられている。従って、成形品（Ｐ）を型抜きする際、第１コア（３１）は第１ガイド（４３）に案内されて、ホルダー（４０）内に収まる成形位置からホルダー（４０）外に少なくとも一部が露出する離型位置まで型抜き方向へ移動する。
【００１６】
前記第１コア（３１）の型抜き方向への移動に伴って、第２コア（３２）は押し引きされて連動するが、このとき第２コア（３２）は第２ガイド（４４）に案内されて、成形品（Ｐ）のアンダーカット部（Ｐ１）から離脱可能な方向へ移動する。このようにアンダーカット成形コア（３０）を２分割して、一方を他方に連動させつつアンダーカット部（Ｐ１）から離脱する状態に変位させることができる。これにより、例えば前記［２］に記載したように、成形品（Ｐ）の型抜き方向と交差する方向へ突き出したアンダーカットボス等を有するような様々な成形品（Ｐ）を容易に型抜きすることが可能となる。
【００１７】
以上のようなアンダーカット処理機構によれば、全体的な構造の簡易化が可能となり、製造コストを大幅に低減することが可能となる。また、前記アンダーカット成形コア（３０）を支持する部材を、エジェクタ台板や可動型（１３）に分散させることなく、ホルダー（４０）を介して固定型（１２）または可動型（１３）の何れか一方にのみに集中して配設することができる。これにより、コンパクトに構成することが可能となり、省スペース化の要請に応じることができ、金型（１１）への加工および組み込みも容易となる。
【００１８】
前記［３］に記載のアンダーカット処理機構は、成形品（Ｐ）の型抜き時に、型抜き方向へ駆動されるエジェクタピン（２０）の突き出し動作に応じて作動する。成形が終わり可動型（１３）から固定型（１２）が離れると、成形品（Ｐ）の外側が現われる。次いでエジェクタピン（２０）が型抜きのために、成形品（Ｐ）を可動型（１３）から離間させるように突き出し動作し、該エジェクタピン（２０）の先端部はホルダー（４０）内を移動する。
【００１９】
エジェクタピン（２０）の突き出し動作に伴って、エジェクタピン（２０）の先端部に固設されている第１コア（３１）は、ホルダー（４０）に設けられた第１ガイド（４３）によって、そのまま型抜き方向へ案内される。これに連動して、第２コア（３２）もアンダーカット部（Ｐ１）から離脱可能な方向へ確実に移動するので、成形品（Ｐ）の主要部のみならずアンダーカット部（Ｐ１）も型抜き可能な状態となり、成形品（Ｐ）全体を容易に金型（１１）から取り外すことができる。
【００２０】
ここで前記［４］に記載したように、ホルダー（４０）の内壁および第１コア（３１）の外壁の何れか一方に、第１コア（３１）が移動する型抜き方向へ延びる第１縦溝（４３）を設け、何れか他方に、同じく型抜き方向へ延びて前記第１縦溝（４３）に摺動可能に嵌合する第１縦条（３７）を設けて、ホルダー（４０）内にある第１縦溝（４３）または第１縦条（３７）を第１ガイド（４３）とする。
【００２１】
一方、ホルダー（４０）の内壁および第２コア（３２）の外壁の何れか一方に、第２コア（３２）が移動するアンダーカット部（Ｐ１）から離脱可能な方向へ延びる第２横溝（４４）を設け、何れか他方に、同じく離脱可能な方向へ延びて前記第２横溝（４４）に摺動可能に嵌合する第２横条（３８）を設けて、ホルダー（４０）内にある第２横溝（４４）または第２横条（３８）を第２ガイド（４４）とする。
【００２２】
これにより、各第１，２コア（３１，３２）の移動は、各第１，２コア（３１，３２）自体とホルダー（４０）とに設けられた溝（４３，４４）および条（３７，３８）の嵌合関係によって確実かつ円滑に案内されると共に、型抜き時における負荷も一箇所に集中することがなく分散されるので、耐久性が高められる。また、設計時における高い精度出しも緩和されるため、さらなるコストダウンが可能となる。
【００２３】
前記［５］に記載のアンダーカット処理機構によれば、第１コア（３１）を、前記アンダーカット部（Ｐ１）を含む成形品（Ｐ）全体の型抜き可能なストロークに応じた長さに設計する。これにより、成形品（Ｐ）の型抜きにおける大きなストロークから小さなストロークまでに適宜対応することができる。
【００２４】
前記［６］に記載のアンダーカット処理機構によれば、ホルダー（４０）自体を、該ホルダー（４０）を設ける可動型（１３）または固定型（１２）として構成する。すなわち、金型（１１）に直接ホルダー（４０）の内部空間の代わりとなる中空部を形成し、この中空部内に各第１，２コア（３１，３２）をそれぞれ移動可能に収納すれば良い。これにより、ホルダー（４０）部品が不要となって部品点数が削減され、装置全体の構成をより簡易化することができ、いっそうコストを低減することが可能となる。
【発明の効果】
【００２５】
本発明に係るアンダーカット処理機構によれば、成形品の型抜き方向と交差する方向へ突き出したアンダーカット部がある成形品のうち、特にセンター孔を有するボス形状のアンダーカット部がある場合でも、容易に型抜きすることができる。
【００２６】
しかも、コンパクトに構成することが可能となり、省スペース化の要請に応じることができ、金型への加工および組み込みが容易で、また構成が簡単であり組み立てに手間と時間がかからず、コストダウンを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２７】
以下、図面に基づき、本発明を代表する実施の形態を説明する。
図１および図２は、本実施の形態に係る成形用金型装置１０を構成する金型１１およびアンダーカット処理機構の動作を説明するための断面図である。図１は、成形品Ｐを成形する時の状態を示しており、図２は、成形品Ｐの型抜き時の状態を示している。成形用金型装置１０は、アンダーカット部Ｐ１のある成形品Ｐを金型１１によって成形する装置である。
【００２８】
本実施の形態に係る成形品Ｐは、図１に示すように、全体的には板状部材であり、その内面側にアンダーカット部Ｐ１を有している。アンダーカット部Ｐ１は、センター孔Ｐ２を有する管状のアンダーカットボスである。このアンダーカット部Ｐ１は、成形品Ｐの水平な内面に対して斜め下方へ、すなわち水平面に対して垂直な型抜き方向と交差する方向へ突き出している。なお、成形品Ｐの材料としては、プラスチック等の合成樹脂に限られず、鉄や銅等の金属も該当する。
【００２９】
図１および図２に示すように、成形用金型装置１０の金型１１は、成形品Ｐの外面側を成形する固定型１２と、成形品Ｐのアンダーカット部Ｐ１を含む内面側を成形する可動型１３とから成る。また、可動型１３の下方には可動取付板１４が配されており、可動型１３と可動取付板１４との間に、２枚重ねの板材から成るエジェクタ台板１５が、上下方向に移動可能に配設されている。
【００３０】
本願発明の根幹を成すアンダーカット処理機構は、成形品Ｐの型抜き時にアンダーカット部Ｐ１を型抜き可能とするものであり、型抜き方向へ駆動されて突き出し動作するエジェクタピン２０と、該エジェクタピン２０の先端部２３が摺動可能に案内されるホルダー４０と、前記エジェクタピン２０の先端部２３に連結され、ホルダー４０内に移動可能に配されるアンダーカット成形コア３０等を有して成る。
【００３１】
図１および図２に示すように、エジェクタピン２０は丸棒部材から形成され、前記エジェクタ台板１５上に垂直な状態で立設されている。エジェクタピン２０の基端部２２が、ノックピン２１を介してエジェクタ台板１５に固定されている。エジェクタピン２０は、エジェクタ台板１５の上方への移動に伴い、型抜き方向へ駆動されて突き出し動作する。エジェクタピン２０の先端部２３は、ホルダー４０内に摺動可能に挿通している。なお、可動型１３には、エジェクタピン２０が貫通する縦孔１３ａが穿設されており、かかる部位は、別体のブロック１３ｂとして組み合わせると良い。
【００３２】
ホルダー４０は、可動型１３に収容される状態で、該可動型１３に一体に内設されている。図３〜図６に示すように、ホルダー４０は、２つの部品を組み合わせて成り、上端面が開口した内部空間４１を備える箱状に形成されている。ホルダー４０の下端面の一端側には、前記エジェクタピン２０が挿通する縦孔４２が穿設され、ホルダー４０の内部空間４１の一端側に、エジェクタピン２０が成形位置（図１参照）と離型位置（図２参照）とに摺動可能に挿通している。また、ホルダー４０内には、アンダーカット成形コア３０が移動可能な状態で収納されている。
【００３３】
アンダーカット成形コア３０は、前記ホルダー４０内に収まる成形位置からホルダー４０外に一部が露出する離型位置まで型抜き方向へ移動する第１コア３１と、該第１コア３１に隣接して配されて前記アンダーカット部Ｐ１を成形する形状を備えた第２コア３２とから成る。図４，図５に示すように、第１，２コア３１，３２は、図示した駒形部材から形成されており、それぞれ互いに隣接して前記アンダーカット部Ｐ１が突き出した方向へ傾斜する側面３３，３４を有している。ここで各側面３３，３４同士は、互いに傾斜した方向へ相対的に摺動する状態で押し引き可能に連結されている。
【００３４】
詳しく言えば、第１コア３１の左端側で斜め下方へ傾斜する側面３３には、その傾斜方向へ延びる蟻溝３３ａが設けられている。一方、第２コア３２の右端側で斜め上方へ傾斜する側面３４には、その傾斜方向へ延びて前記蟻溝３３ａに摺動可能に嵌合する突条３４ａが設けられている。第２コア３２の側面３４に、第１コア３１の側面３３が乗り上げる状態で、一方の側面３４の突条３４ａが、他方の側面３３の蟻溝３３ａに摺動可能に嵌合している。
【００３５】
第１コア３１の下端側には、前記エジェクタピン２０の先端部２３がネジ止めにより固設されている。また、第２コア３２の上端側は、前記アンダーカット部Ｐ１のボス形状を成形するための凹部３５と、該凹部３５内にて前記センター孔Ｐ２を成形するための中子３６が設けられている。図５に示すように、中子３６は、元々は第２コア３２と別体として構成され、凹部３５内に後から組み込まれる部材である。
【００３６】
図５に示すように、ホルダー４０の内部空間４１の内壁には、成形品Ｐの型抜き時に前記第１コア３１を型抜き方向へ案内する第１ガイドが設けられている。第１ガイドは、第１コア３１を成形位置（図４参照）から離型位置（図７参照）に亘って、図５中で縦方向となる型抜き方向へ案内する凹溝断面形の第１縦溝４３として設けられている。なお、第１縦溝４３は、ホルダー４０の前後両壁面にそれぞれ一対が対向するように設けられている。
【００３７】
一方、前記第１コア３１の右端側の前後には、それぞれ前記ホルダー４０にある第１縦溝４３に摺動可能に嵌合する第１縦条３７が凸設されている。ここで第１縦条３７は、第１コア３１の外壁とホルダー４０の内壁との何れに設けても良く、何れか他方に前記第１縦溝４３を設けることになる。要するに、第１コア３１が型抜き動作時に、そのまま型抜き方向へ移動可能に案内される構成であれば良い。
【００３８】
また、ホルダー４０の内部空間４１の内壁には、前記第１コア３１の型抜き方向への移動に伴い押し引きされて連動する前記第２コア３２を前記アンダーカット部Ｐ１から離脱可能な方向へ案内する第２ガイドが設けられている。第２ガイドは、第２コア３２を成形位置（図４参照）から離型位置（図７参照）に亘って、図５中で水平方向に沿ってホルダー４０内にて右端側へ案内する凹溝矩断面形の第２横溝４４のとして設けられている。なお、第２横溝４４、前記第１縦溝４３と同様にホルダー４０の前後両壁面にそれぞれ一対が対向するように設けられている。
【００３９】
一方、前記第２コア３２の前後端面における中間部分には、それぞれ前記ホルダー４０にある第２横溝４４に摺動可能に嵌合する第２横条３８が凸設されている。ここで第２横条３８は、第１コア３１の外壁とホルダー４０の内壁との何れに設けても良く、何れか他方に前記第２横溝４４を設けることになる。要するに、第２コア３２が型抜き動作時に、第１コア３１の移動に連動して前記アンダーカット部Ｐ１から離脱可能な方向へ移動可能に案内される構成であれば良い。
【００４０】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
図１に示すように、成形用金型装置１０によって成形品Ｐが成形される。このとき、可動型１３にあるホルダー４０内では、アンダーカット成形コア３０を成す第１コア３１および第２コア３２は、それぞれ上端面が水平に連なる状態に重なり合っており、図４に示すように、全体的には立方体形状を成している。かかる形状のアンダーカット成形コア３０のうち第２コア３２によって、成形品Ｐのアンダーカット部Ｐ１が成形されている。
【００４１】
図２に示すように、成形が終了して固定型１２が可動型１３から離れると、エジェクタ台板１５が上方に駆動される。すると、該エジェクタ台板１５上に立設されているエジェクタピン２０が、可動型１３にある縦孔１３ａを貫通した状態で型抜き方向（上方）に真っ直ぐに突き出し動作する。
【００４２】
ホルダー４０内において、エジェクタピン２０の先端部２３に固設されている第１コア３１は、エジェクタピン２０と一緒に型抜き方向（上方）へ移動する。ここで第１コア３１は、その第１縦条３７がホルダー４０にある第１ガイドである第１縦溝４３内を摺動しつつ、型抜き方向（上方）へ案内される。
【００４３】
一方、第１コア３１に連結されている第２コア３２は、第１コア３１の型抜き方向（上方）への移動に伴い押し引きされる。ここで第２コア３２は、ホルダー４０にある第２ガイド４４によって移動する方向が規制される。すなわち、第２コア３２は、その第２横条３８がホルダー４０にある第２ガイドである第２横溝４４内を摺動しつつ、アンダーカット部Ｐ１から離脱可能な方向となる図７中で水平方向に沿って右側へ移動することになる。
【００４４】
このようにアンダーカット成形コア３０を２分割して、第１，２コア３１，３２を、それぞれ別々の方向へ連動させつつ、アンダーカット部Ｐ１から離脱する状態に変位させることができる。これにより、成形品Ｐの型抜き方向と交差する方向へ突き出したセンター孔Ｐ２を有するボス状のアンダーカット部Ｐ１があるような成形品Ｐでも、容易に成形ないし型抜きすることが可能となる。
【００４５】
また、ホルダー４０内で第１，２ガイドを成す各溝４３，４４と、第１，２コア３１，３２における各条３７，３８との嵌合関係によれば、第１，２コア３１，３２を確実かつ円滑にそれぞれの成形位置から離型位置まで案内することができる。しかも、成形品Ｐの型抜き時における負荷も一箇所に集中することがなく分散されるので、耐久性が高められる。また、設計時における高い精度出しも緩和されるため、さらなるコストダウンが可能となる。
【００４６】
さらに、第１，２コア３１，３２を、エジェクタ台板１５や可動型１３に分散させることなく、ホルダー４０を介して可動型１３のみに集中して配設することができる。これにより、成形用金型装置１０全体をコンパクトに構成することが可能となり、省スペース化の要請にも応じることができ、金型１１への加工および組み込みが容易となる。特に、アンダーカット処理機構は、予めホルダー４０に組み込んだ形でユニットとして構成することができる。
【００４７】
図２において、成形品Ｐが抜き去られると、エジェクタピン２０が成形時の位置に戻るのに従い、エジェクタピン２０に引かれて第１，２コア３１，３２も初期位置に戻る。また、固定型１２も成形位置に戻って、次の成形品Ｐが成形されることになる。ところで、第１コア３１は、アンダーカット部Ｐ１を含む成形品Ｐ全体の型抜き可能なストロークに応じた長さに設計する。これにより、成形品Ｐの型抜きにおける大きなストロークから小さなストロークまでに適宜対応することができる。
【００４８】
なお、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は前述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、成形品Ｐや第１，２コア３１，３２の形状は、具体的に図示したものに限定されるわけではない。
【００４９】
また、前記実施の形態では、ホルダー４０を可動型１３に一体に内設しているが、可動型１３ではなく固定型１２に一体に内設するように構成しても良い。さらに、ホルダー４０自体を、可動型１３（または固定型１２）における中空部を囲む一部として構成しても良い。
【００５０】
すなわち、金型１１に直接ホルダー４０の内部空間の代わりとなる中空部を形成して、この中空部内にアンダーカット成形コア３０等を収納すれば良い。これにより、ホルダー４０に関する部品点数が削減され、成形用金型装置１０全体の構成をよりいっそう簡易化することができ、コストを低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【００５１】
【図１】本発明の実施の形態に係る成形用金型装置およびアンダーカット処理機構の成形時における動作を説明する断面図である。
【図２】本発明の実施の形態に係る成形用金型装置およびアンダーカット処理機構の型抜き時における動作を説明する断面図である。
【図３】本発明の実施の形態に係るアンダーカット処理機構の全体の外観を示す斜視図である。
【図４】本発明の実施の形態に係るアンダーカット処理機構のホルダーの一部を外して内部を示す斜視図である。
【図５】本発明の実施の形態に係るアンダーカット処理機構を分解して示す斜視図である。
【図６】本発明の実施の形態に係るアンダーカット処理機構の型抜き時における全体の外観を示す斜視図である。
【図７】本発明の実施の形態に係るアンダーカット処理機構の型抜き時におけるホルダーの一部を外して内部を示す斜視図である。
【符号の説明】
【００５２】
Ｐ…成形品
Ｐ１…アンダーカット部
Ｐ２…センター孔
１０…成形用金型装置
１１…金型
１２…固定型
１３…可動型
１３ａ…縦孔
１３ｂ…ブロック
１４…可動取付板
１５…エジェクタ台板
２０…エジェクタピン
２１…ノックピン
２２…基端部
２３…先端部
３０…アンダーカット成形コア
３１…第１コア
３２…第２コア
３３，３４…側面
３３ａ…蟻溝
３４ａ…突条
３５…凹部
３６…中子
３７…第１縦条
３８…第２横条
４０…ホルダー
４１…内部空間
４２…縦孔
４３…第１縦溝（第１ガイド）
４４…第２横溝（第２ガイド）
【技術分野】
【０００１】
本発明は、固定型と可動型から成る金型において、成形品の型抜き方向と交差する方向へ突き出したアンダーカット部を型抜き可能とするアンダーカット処理機構に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、この種の成形用金型装置としては、例えば、特許文献１に記載されたルーズコアエジェクター装置が知られている。すなわち、成形品の内面を形成する金型のコアと、このコアを貫通してコア表面に対して傾斜配置された移動可能なルーズコア支持ロッドと、可動側型板と台座プレートとに係止されたガイド手段ロッドと、このガイド手段ロッドに対して相対的に摺動可能にエジェクタープレートの摺動路に配置されたスライドベースとを備え、ルーズコア支持ロッドがスライドベースの移動に連動するものである。
【０００３】
このようなルーズコアエジェクター装置において、ガイド手段ロッドの一端は、可動側型板の下面に形成された凹部に緊密に嵌め込まれたホルダーに係止されており、また、ルーズコア支持ロッドは、コアにガイド手段ロッドとほぼ同じ傾斜角度で形成された挿通孔を摺動可能に挿通して、この挿通孔がルーズコア支持ロッドの傾斜角度を設定する唯一の角度設定孔となっている。
【０００４】
【特許文献１】特開２００２−３２６２３３号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、前述したような従来の技術では、ルーズコア支持ロッドのみならず、ガイド手段ロッドも傾斜配置されており、しかも、各ロッドを同じ傾斜角度で移動させるための機構が、エジェクタープレートと可動側型板とに分散するように構成されている。従って、成形品のアンダーカット部の型抜きのために必要なアンダーカット部分形状を施した駒の移動量に比べて大きな設置スペースを要し、全体的に構造も複雑となり組み立てに手間と時間がかかり、コストダウンが難しいという問題点があった。
【０００６】
また、アンダーカット部が成形品の外側ないし内側の一方向へある場合にしか対応することができず、例えば、成形品の内側にセンター孔を有するボスが全体の型抜き方向と交差する斜め下方向へ突き出しているような場合には、このような成形品を型抜きすることは不可能であった。そのため、成形可能な成形品におけるアンダーカット部の形状の他、その位置や数が非常に狭い範囲に限定されるという問題点があった。
【０００７】
本発明は、前述したような従来の技術が有する問題点に着目してなされたもので、コンパクトに構成することが可能となり省スペース化の要請に応じることができ、金型への加工および組み込みが容易となり、コストダウンを実現することができ、特に成形品の内側にセンター孔を有するボスが全体の型抜き方向と交差する斜め下方向へ突き出している場合も、容易に型抜きすることができるアンダーカット処理機構を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
前述した目的を達成するための本発明の要旨とするところは、以下の各項の発明に存する。
［１］固定型（１２）と可動型（１３）から成る金型（１１）において、成形品（Ｐ）の型抜き方向と交差する方向へ突き出したアンダーカット部（Ｐ１）を型抜き可能とするアンダーカット処理機構であって、
前記アンダーカット部（Ｐ１）を成形するためのアンダーカット成形コア（３０）と、前記固定型（１２）または前記可動型（１３）に内設されて前記アンダーカット成形コア（３０）を移動可能な状態で収納するホルダー（４０）を有し、
前記アンダーカット成形コア（３０）は、前記ホルダー（４０）内に収まる成形位置から前記ホルダー（４０）外に少なくとも一部が露出する離型位置まで型抜き方向へ移動する第１コア（３１）と、該第１コア（３１）に隣接して配されて前記アンダーカット部（Ｐ１）を成形する形状を備えた第２コア（３２）とから成り、
前記第１コア（３１）および前記第２コア（３２）は、それぞれ隣接して前記アンダーカット部（Ｐ１）が突き出した方向へ傾斜した側面（３３，３４）を有し、各側面（３３，３４）同士は互いに傾斜した方向へ相対的に摺動する状態で押し引き可能に連結され、
前記ホルダー（４０）内に、前記第１コア（３１）を型抜き方向へ案内する第１ガイド（４３）と、前記第１コア（３１）の型抜き方向への移動に伴い押し引きされて連動する前記第２コア（３２）を前記アンダーカット部（Ｐ１）から離脱可能な方向へ案内する第２ガイド（４４）を設けた
ことを特徴とするアンダーカット処理機構。
【０００９】
［２］前記アンダーカット部（Ｐ１）は、センター孔（Ｐ２）を有するアンダーカットボスであり、
前記第２コア（３２）は、前記アンダーカットボスを成形する凹部（３５）と、該凹部（３５）内にて前記センター孔（Ｐ２）を成形する中子（３６）を有する
ことを特徴とする［１］に記載のアンダーカット処理機構。
【００１０】
［３］前記型抜き方向へ駆動されて突き出し動作するエジェクタピン（２０）を有し、該エジェクタピン（２０）の先端部に前記第１コア（３１）を固設し、
前記ホルダー（４０）は、前記エジェクタピン（２０）の先端部が移動可能に案内される状態で前記可動型（１３）に内設された
ことを特徴とする［１］または［２］に記載のアンダーカット処理機構。
【００１１】
［４］前記ホルダー（４０）の内壁および前記第１コア（３１）の外壁の何れか一方に、前記第１コア（３１）が移動する型抜き方向へ延びる第１縦溝（４３）を設け、何れか他方に、同じく型抜き方向へ延びて前記第１縦溝（４３）に摺動可能に嵌合する第１縦条（３７）を設け、前記ホルダー（４０）内にある第１縦溝（４３）または第１縦条（３７）を前記第１ガイド（４３）とし、
前記ホルダー（４０）の内壁および前記第２コア（３２）の外壁の何れか一方に、前記第２コア（３２）が移動する前記アンダーカット部（Ｐ１）から離脱可能な方向へ延びる第２横溝（４４）を設け、何れか他方に、同じく離脱可能な方向へ延びて前記第２横溝（４４）に摺動可能に嵌合する第２横条（３８）を設け、前記ホルダー（４０）内にある第２横溝（４４）または第２横条（３８）を前記第２ガイド（４４）とした
ことを特徴とする［１］，［２］または［３］に記載のアンダーカット処理機構。
【００１２】
［５］前記第１コア（３１）を、前記アンダーカット部（Ｐ１）を含む成形品（Ｐ）全体の型抜き可能なストロークに応じた長さに設計する
ことを特徴とする［１］，［２］，［３］または［４］に記載のアンダーカット処理機構。
【００１３】
［６］前記ホルダー（４０）自体を、該ホルダー（４０）を設ける前記可動型（１３）または前記固定型（１２）の一部として構成した
ことを特徴とする［１］，［２］，［３］，［４］または［５］に記載のアンダーカット処理機構。
【００１４】
前記本発明は次のように作用する。
前記［１］に記載のアンダーカット処理機構によれば、ホルダー（４０）内に収納されたアンダーカット成形コア（３０）は、型抜き方向へ移動する第１コア（３１）と、該第１コア（３１）に隣接して配された第２コア（３２）とから成り、これら第１，２コア（３１，３２）は、それぞれ隣接する傾斜した側面（３３，３４）を有し、各側面（３３，３４）同士は、互いに傾斜した方向へ相対的に摺動する状態で押し引き可能に連結されている。
【００１５】
ここでホルダー（４０）内には、前記第１コア（３１）を型抜き方向へ案内する第１ガイド（４３）と、前記第１コア（３１）の型抜き方向への移動に伴い押し引きされて連動する前記第２コア（３２）を前記アンダーカット部（Ｐ１）から離脱可能な方向へ案内する第２ガイド（４４）が設けられている。従って、成形品（Ｐ）を型抜きする際、第１コア（３１）は第１ガイド（４３）に案内されて、ホルダー（４０）内に収まる成形位置からホルダー（４０）外に少なくとも一部が露出する離型位置まで型抜き方向へ移動する。
【００１６】
前記第１コア（３１）の型抜き方向への移動に伴って、第２コア（３２）は押し引きされて連動するが、このとき第２コア（３２）は第２ガイド（４４）に案内されて、成形品（Ｐ）のアンダーカット部（Ｐ１）から離脱可能な方向へ移動する。このようにアンダーカット成形コア（３０）を２分割して、一方を他方に連動させつつアンダーカット部（Ｐ１）から離脱する状態に変位させることができる。これにより、例えば前記［２］に記載したように、成形品（Ｐ）の型抜き方向と交差する方向へ突き出したアンダーカットボス等を有するような様々な成形品（Ｐ）を容易に型抜きすることが可能となる。
【００１７】
以上のようなアンダーカット処理機構によれば、全体的な構造の簡易化が可能となり、製造コストを大幅に低減することが可能となる。また、前記アンダーカット成形コア（３０）を支持する部材を、エジェクタ台板や可動型（１３）に分散させることなく、ホルダー（４０）を介して固定型（１２）または可動型（１３）の何れか一方にのみに集中して配設することができる。これにより、コンパクトに構成することが可能となり、省スペース化の要請に応じることができ、金型（１１）への加工および組み込みも容易となる。
【００１８】
前記［３］に記載のアンダーカット処理機構は、成形品（Ｐ）の型抜き時に、型抜き方向へ駆動されるエジェクタピン（２０）の突き出し動作に応じて作動する。成形が終わり可動型（１３）から固定型（１２）が離れると、成形品（Ｐ）の外側が現われる。次いでエジェクタピン（２０）が型抜きのために、成形品（Ｐ）を可動型（１３）から離間させるように突き出し動作し、該エジェクタピン（２０）の先端部はホルダー（４０）内を移動する。
【００１９】
エジェクタピン（２０）の突き出し動作に伴って、エジェクタピン（２０）の先端部に固設されている第１コア（３１）は、ホルダー（４０）に設けられた第１ガイド（４３）によって、そのまま型抜き方向へ案内される。これに連動して、第２コア（３２）もアンダーカット部（Ｐ１）から離脱可能な方向へ確実に移動するので、成形品（Ｐ）の主要部のみならずアンダーカット部（Ｐ１）も型抜き可能な状態となり、成形品（Ｐ）全体を容易に金型（１１）から取り外すことができる。
【００２０】
ここで前記［４］に記載したように、ホルダー（４０）の内壁および第１コア（３１）の外壁の何れか一方に、第１コア（３１）が移動する型抜き方向へ延びる第１縦溝（４３）を設け、何れか他方に、同じく型抜き方向へ延びて前記第１縦溝（４３）に摺動可能に嵌合する第１縦条（３７）を設けて、ホルダー（４０）内にある第１縦溝（４３）または第１縦条（３７）を第１ガイド（４３）とする。
【００２１】
一方、ホルダー（４０）の内壁および第２コア（３２）の外壁の何れか一方に、第２コア（３２）が移動するアンダーカット部（Ｐ１）から離脱可能な方向へ延びる第２横溝（４４）を設け、何れか他方に、同じく離脱可能な方向へ延びて前記第２横溝（４４）に摺動可能に嵌合する第２横条（３８）を設けて、ホルダー（４０）内にある第２横溝（４４）または第２横条（３８）を第２ガイド（４４）とする。
【００２２】
これにより、各第１，２コア（３１，３２）の移動は、各第１，２コア（３１，３２）自体とホルダー（４０）とに設けられた溝（４３，４４）および条（３７，３８）の嵌合関係によって確実かつ円滑に案内されると共に、型抜き時における負荷も一箇所に集中することがなく分散されるので、耐久性が高められる。また、設計時における高い精度出しも緩和されるため、さらなるコストダウンが可能となる。
【００２３】
前記［５］に記載のアンダーカット処理機構によれば、第１コア（３１）を、前記アンダーカット部（Ｐ１）を含む成形品（Ｐ）全体の型抜き可能なストロークに応じた長さに設計する。これにより、成形品（Ｐ）の型抜きにおける大きなストロークから小さなストロークまでに適宜対応することができる。
【００２４】
前記［６］に記載のアンダーカット処理機構によれば、ホルダー（４０）自体を、該ホルダー（４０）を設ける可動型（１３）または固定型（１２）として構成する。すなわち、金型（１１）に直接ホルダー（４０）の内部空間の代わりとなる中空部を形成し、この中空部内に各第１，２コア（３１，３２）をそれぞれ移動可能に収納すれば良い。これにより、ホルダー（４０）部品が不要となって部品点数が削減され、装置全体の構成をより簡易化することができ、いっそうコストを低減することが可能となる。
【発明の効果】
【００２５】
本発明に係るアンダーカット処理機構によれば、成形品の型抜き方向と交差する方向へ突き出したアンダーカット部がある成形品のうち、特にセンター孔を有するボス形状のアンダーカット部がある場合でも、容易に型抜きすることができる。
【００２６】
しかも、コンパクトに構成することが可能となり、省スペース化の要請に応じることができ、金型への加工および組み込みが容易で、また構成が簡単であり組み立てに手間と時間がかからず、コストダウンを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２７】
以下、図面に基づき、本発明を代表する実施の形態を説明する。
図１および図２は、本実施の形態に係る成形用金型装置１０を構成する金型１１およびアンダーカット処理機構の動作を説明するための断面図である。図１は、成形品Ｐを成形する時の状態を示しており、図２は、成形品Ｐの型抜き時の状態を示している。成形用金型装置１０は、アンダーカット部Ｐ１のある成形品Ｐを金型１１によって成形する装置である。
【００２８】
本実施の形態に係る成形品Ｐは、図１に示すように、全体的には板状部材であり、その内面側にアンダーカット部Ｐ１を有している。アンダーカット部Ｐ１は、センター孔Ｐ２を有する管状のアンダーカットボスである。このアンダーカット部Ｐ１は、成形品Ｐの水平な内面に対して斜め下方へ、すなわち水平面に対して垂直な型抜き方向と交差する方向へ突き出している。なお、成形品Ｐの材料としては、プラスチック等の合成樹脂に限られず、鉄や銅等の金属も該当する。
【００２９】
図１および図２に示すように、成形用金型装置１０の金型１１は、成形品Ｐの外面側を成形する固定型１２と、成形品Ｐのアンダーカット部Ｐ１を含む内面側を成形する可動型１３とから成る。また、可動型１３の下方には可動取付板１４が配されており、可動型１３と可動取付板１４との間に、２枚重ねの板材から成るエジェクタ台板１５が、上下方向に移動可能に配設されている。
【００３０】
本願発明の根幹を成すアンダーカット処理機構は、成形品Ｐの型抜き時にアンダーカット部Ｐ１を型抜き可能とするものであり、型抜き方向へ駆動されて突き出し動作するエジェクタピン２０と、該エジェクタピン２０の先端部２３が摺動可能に案内されるホルダー４０と、前記エジェクタピン２０の先端部２３に連結され、ホルダー４０内に移動可能に配されるアンダーカット成形コア３０等を有して成る。
【００３１】
図１および図２に示すように、エジェクタピン２０は丸棒部材から形成され、前記エジェクタ台板１５上に垂直な状態で立設されている。エジェクタピン２０の基端部２２が、ノックピン２１を介してエジェクタ台板１５に固定されている。エジェクタピン２０は、エジェクタ台板１５の上方への移動に伴い、型抜き方向へ駆動されて突き出し動作する。エジェクタピン２０の先端部２３は、ホルダー４０内に摺動可能に挿通している。なお、可動型１３には、エジェクタピン２０が貫通する縦孔１３ａが穿設されており、かかる部位は、別体のブロック１３ｂとして組み合わせると良い。
【００３２】
ホルダー４０は、可動型１３に収容される状態で、該可動型１３に一体に内設されている。図３〜図６に示すように、ホルダー４０は、２つの部品を組み合わせて成り、上端面が開口した内部空間４１を備える箱状に形成されている。ホルダー４０の下端面の一端側には、前記エジェクタピン２０が挿通する縦孔４２が穿設され、ホルダー４０の内部空間４１の一端側に、エジェクタピン２０が成形位置（図１参照）と離型位置（図２参照）とに摺動可能に挿通している。また、ホルダー４０内には、アンダーカット成形コア３０が移動可能な状態で収納されている。
【００３３】
アンダーカット成形コア３０は、前記ホルダー４０内に収まる成形位置からホルダー４０外に一部が露出する離型位置まで型抜き方向へ移動する第１コア３１と、該第１コア３１に隣接して配されて前記アンダーカット部Ｐ１を成形する形状を備えた第２コア３２とから成る。図４，図５に示すように、第１，２コア３１，３２は、図示した駒形部材から形成されており、それぞれ互いに隣接して前記アンダーカット部Ｐ１が突き出した方向へ傾斜する側面３３，３４を有している。ここで各側面３３，３４同士は、互いに傾斜した方向へ相対的に摺動する状態で押し引き可能に連結されている。
【００３４】
詳しく言えば、第１コア３１の左端側で斜め下方へ傾斜する側面３３には、その傾斜方向へ延びる蟻溝３３ａが設けられている。一方、第２コア３２の右端側で斜め上方へ傾斜する側面３４には、その傾斜方向へ延びて前記蟻溝３３ａに摺動可能に嵌合する突条３４ａが設けられている。第２コア３２の側面３４に、第１コア３１の側面３３が乗り上げる状態で、一方の側面３４の突条３４ａが、他方の側面３３の蟻溝３３ａに摺動可能に嵌合している。
【００３５】
第１コア３１の下端側には、前記エジェクタピン２０の先端部２３がネジ止めにより固設されている。また、第２コア３２の上端側は、前記アンダーカット部Ｐ１のボス形状を成形するための凹部３５と、該凹部３５内にて前記センター孔Ｐ２を成形するための中子３６が設けられている。図５に示すように、中子３６は、元々は第２コア３２と別体として構成され、凹部３５内に後から組み込まれる部材である。
【００３６】
図５に示すように、ホルダー４０の内部空間４１の内壁には、成形品Ｐの型抜き時に前記第１コア３１を型抜き方向へ案内する第１ガイドが設けられている。第１ガイドは、第１コア３１を成形位置（図４参照）から離型位置（図７参照）に亘って、図５中で縦方向となる型抜き方向へ案内する凹溝断面形の第１縦溝４３として設けられている。なお、第１縦溝４３は、ホルダー４０の前後両壁面にそれぞれ一対が対向するように設けられている。
【００３７】
一方、前記第１コア３１の右端側の前後には、それぞれ前記ホルダー４０にある第１縦溝４３に摺動可能に嵌合する第１縦条３７が凸設されている。ここで第１縦条３７は、第１コア３１の外壁とホルダー４０の内壁との何れに設けても良く、何れか他方に前記第１縦溝４３を設けることになる。要するに、第１コア３１が型抜き動作時に、そのまま型抜き方向へ移動可能に案内される構成であれば良い。
【００３８】
また、ホルダー４０の内部空間４１の内壁には、前記第１コア３１の型抜き方向への移動に伴い押し引きされて連動する前記第２コア３２を前記アンダーカット部Ｐ１から離脱可能な方向へ案内する第２ガイドが設けられている。第２ガイドは、第２コア３２を成形位置（図４参照）から離型位置（図７参照）に亘って、図５中で水平方向に沿ってホルダー４０内にて右端側へ案内する凹溝矩断面形の第２横溝４４のとして設けられている。なお、第２横溝４４、前記第１縦溝４３と同様にホルダー４０の前後両壁面にそれぞれ一対が対向するように設けられている。
【００３９】
一方、前記第２コア３２の前後端面における中間部分には、それぞれ前記ホルダー４０にある第２横溝４４に摺動可能に嵌合する第２横条３８が凸設されている。ここで第２横条３８は、第１コア３１の外壁とホルダー４０の内壁との何れに設けても良く、何れか他方に前記第２横溝４４を設けることになる。要するに、第２コア３２が型抜き動作時に、第１コア３１の移動に連動して前記アンダーカット部Ｐ１から離脱可能な方向へ移動可能に案内される構成であれば良い。
【００４０】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
図１に示すように、成形用金型装置１０によって成形品Ｐが成形される。このとき、可動型１３にあるホルダー４０内では、アンダーカット成形コア３０を成す第１コア３１および第２コア３２は、それぞれ上端面が水平に連なる状態に重なり合っており、図４に示すように、全体的には立方体形状を成している。かかる形状のアンダーカット成形コア３０のうち第２コア３２によって、成形品Ｐのアンダーカット部Ｐ１が成形されている。
【００４１】
図２に示すように、成形が終了して固定型１２が可動型１３から離れると、エジェクタ台板１５が上方に駆動される。すると、該エジェクタ台板１５上に立設されているエジェクタピン２０が、可動型１３にある縦孔１３ａを貫通した状態で型抜き方向（上方）に真っ直ぐに突き出し動作する。
【００４２】
ホルダー４０内において、エジェクタピン２０の先端部２３に固設されている第１コア３１は、エジェクタピン２０と一緒に型抜き方向（上方）へ移動する。ここで第１コア３１は、その第１縦条３７がホルダー４０にある第１ガイドである第１縦溝４３内を摺動しつつ、型抜き方向（上方）へ案内される。
【００４３】
一方、第１コア３１に連結されている第２コア３２は、第１コア３１の型抜き方向（上方）への移動に伴い押し引きされる。ここで第２コア３２は、ホルダー４０にある第２ガイド４４によって移動する方向が規制される。すなわち、第２コア３２は、その第２横条３８がホルダー４０にある第２ガイドである第２横溝４４内を摺動しつつ、アンダーカット部Ｐ１から離脱可能な方向となる図７中で水平方向に沿って右側へ移動することになる。
【００４４】
このようにアンダーカット成形コア３０を２分割して、第１，２コア３１，３２を、それぞれ別々の方向へ連動させつつ、アンダーカット部Ｐ１から離脱する状態に変位させることができる。これにより、成形品Ｐの型抜き方向と交差する方向へ突き出したセンター孔Ｐ２を有するボス状のアンダーカット部Ｐ１があるような成形品Ｐでも、容易に成形ないし型抜きすることが可能となる。
【００４５】
また、ホルダー４０内で第１，２ガイドを成す各溝４３，４４と、第１，２コア３１，３２における各条３７，３８との嵌合関係によれば、第１，２コア３１，３２を確実かつ円滑にそれぞれの成形位置から離型位置まで案内することができる。しかも、成形品Ｐの型抜き時における負荷も一箇所に集中することがなく分散されるので、耐久性が高められる。また、設計時における高い精度出しも緩和されるため、さらなるコストダウンが可能となる。
【００４６】
さらに、第１，２コア３１，３２を、エジェクタ台板１５や可動型１３に分散させることなく、ホルダー４０を介して可動型１３のみに集中して配設することができる。これにより、成形用金型装置１０全体をコンパクトに構成することが可能となり、省スペース化の要請にも応じることができ、金型１１への加工および組み込みが容易となる。特に、アンダーカット処理機構は、予めホルダー４０に組み込んだ形でユニットとして構成することができる。
【００４７】
図２において、成形品Ｐが抜き去られると、エジェクタピン２０が成形時の位置に戻るのに従い、エジェクタピン２０に引かれて第１，２コア３１，３２も初期位置に戻る。また、固定型１２も成形位置に戻って、次の成形品Ｐが成形されることになる。ところで、第１コア３１は、アンダーカット部Ｐ１を含む成形品Ｐ全体の型抜き可能なストロークに応じた長さに設計する。これにより、成形品Ｐの型抜きにおける大きなストロークから小さなストロークまでに適宜対応することができる。
【００４８】
なお、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は前述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、成形品Ｐや第１，２コア３１，３２の形状は、具体的に図示したものに限定されるわけではない。
【００４９】
また、前記実施の形態では、ホルダー４０を可動型１３に一体に内設しているが、可動型１３ではなく固定型１２に一体に内設するように構成しても良い。さらに、ホルダー４０自体を、可動型１３（または固定型１２）における中空部を囲む一部として構成しても良い。
【００５０】
すなわち、金型１１に直接ホルダー４０の内部空間の代わりとなる中空部を形成して、この中空部内にアンダーカット成形コア３０等を収納すれば良い。これにより、ホルダー４０に関する部品点数が削減され、成形用金型装置１０全体の構成をよりいっそう簡易化することができ、コストを低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【００５１】
【図１】本発明の実施の形態に係る成形用金型装置およびアンダーカット処理機構の成形時における動作を説明する断面図である。
【図２】本発明の実施の形態に係る成形用金型装置およびアンダーカット処理機構の型抜き時における動作を説明する断面図である。
【図３】本発明の実施の形態に係るアンダーカット処理機構の全体の外観を示す斜視図である。
【図４】本発明の実施の形態に係るアンダーカット処理機構のホルダーの一部を外して内部を示す斜視図である。
【図５】本発明の実施の形態に係るアンダーカット処理機構を分解して示す斜視図である。
【図６】本発明の実施の形態に係るアンダーカット処理機構の型抜き時における全体の外観を示す斜視図である。
【図７】本発明の実施の形態に係るアンダーカット処理機構の型抜き時におけるホルダーの一部を外して内部を示す斜視図である。
【符号の説明】
【００５２】
Ｐ…成形品
Ｐ１…アンダーカット部
Ｐ２…センター孔
１０…成形用金型装置
１１…金型
１２…固定型
１３…可動型
１３ａ…縦孔
１３ｂ…ブロック
１４…可動取付板
１５…エジェクタ台板
２０…エジェクタピン
２１…ノックピン
２２…基端部
２３…先端部
３０…アンダーカット成形コア
３１…第１コア
３２…第２コア
３３，３４…側面
３３ａ…蟻溝
３４ａ…突条
３５…凹部
３６…中子
３７…第１縦条
３８…第２横条
４０…ホルダー
４１…内部空間
４２…縦孔
４３…第１縦溝（第１ガイド）
４４…第２横溝（第２ガイド）
【特許請求の範囲】
【請求項１】
固定型と可動型から成る金型において、成形品の型抜き方向と交差する方向へ突き出したアンダーカット部を型抜き可能とするアンダーカット処理機構であって、
前記アンダーカット部を成形するためのアンダーカット成形コアと、前記固定型または前記可動型に内設されて前記アンダーカット成形コアを移動可能な状態で収納するホルダーを有し、
前記アンダーカット成形コアは、前記ホルダー内に収まる成形位置から前記ホルダー外に少なくとも一部が露出する離型位置まで型抜き方向へ移動する第１コアと、該第１コアに隣接して配されて前記アンダーカット部を成形する形状を備えた第２コアとから成り、
前記第１コアおよび前記第２コアは、それぞれ隣接して前記アンダーカット部が突き出した方向へ傾斜した側面を有し、各側面同士は互いに傾斜した方向へ相対的に摺動する状態で押し引き可能に連結され、
前記ホルダー内に、前記第１コアを型抜き方向へ案内する第１ガイドと、前記第１コアの型抜き方向への移動に伴い押し引きされて連動する前記第２コアを前記アンダーカット部から離脱可能な方向へ案内する第２ガイドを設けた
ことを特徴とするアンダーカット処理機構。
【請求項２】
前記アンダーカット部は、センター孔を有するアンダーカットボスであり、
前記第２コアは、前記アンダーカットボスを成形する凹部と、該凹部内にて前記センター孔を成形する中子を有する
ことを特徴とする請求項１に記載のアンダーカット処理機構。
【請求項３】
前記型抜き方向へ駆動されて突き出し動作するエジェクタピンを有し、該エジェクタピンの先端部に前記第１コアを固設し、
前記ホルダーは、前記エジェクタピンの先端部が移動可能に案内される状態で前記可動型に内設された
ことを特徴とする請求項１または２に記載のアンダーカット処理機構。
【請求項４】
前記ホルダーの内壁および前記第１コアの外壁の何れか一方に、前記第１コアが移動する型抜き方向へ延びる第１縦溝を設け、何れか他方に、同じく型抜き方向へ延びて前記第１縦溝に摺動可能に嵌合する第１縦条を設け、前記ホルダー内にある第１縦溝または第１縦条を前記第１ガイドとし、
前記ホルダーの内壁および前記第２コアの外壁の何れか一方に、前記第２コアが移動する前記アンダーカット部から離脱可能な方向へ延びる第２横溝を設け、何れか他方に、同じく離脱可能な方向へ延びて前記第２横溝に摺動可能に嵌合する第２横条を設け、前記ホルダー内にある第２横溝または第２横条を前記第２ガイドとした
ことを特徴とする請求項１，２または３に記載のアンダーカット処理機構。
【請求項５】
前記第１コアを、前記アンダーカット部を含む成形品全体の型抜き可能なストロークに応じた長さに設計する
ことを特徴とする請求項１，２，３または４に記載のアンダーカット処理機構。
【請求項６】
前記ホルダー自体を、該ホルダーを設ける前記可動型または前記固定型の一部として構成した
ことを特徴とする請求項１，２，３，４または５に記載のアンダーカット処理機構。
【請求項１】
固定型と可動型から成る金型において、成形品の型抜き方向と交差する方向へ突き出したアンダーカット部を型抜き可能とするアンダーカット処理機構であって、
前記アンダーカット部を成形するためのアンダーカット成形コアと、前記固定型または前記可動型に内設されて前記アンダーカット成形コアを移動可能な状態で収納するホルダーを有し、
前記アンダーカット成形コアは、前記ホルダー内に収まる成形位置から前記ホルダー外に少なくとも一部が露出する離型位置まで型抜き方向へ移動する第１コアと、該第１コアに隣接して配されて前記アンダーカット部を成形する形状を備えた第２コアとから成り、
前記第１コアおよび前記第２コアは、それぞれ隣接して前記アンダーカット部が突き出した方向へ傾斜した側面を有し、各側面同士は互いに傾斜した方向へ相対的に摺動する状態で押し引き可能に連結され、
前記ホルダー内に、前記第１コアを型抜き方向へ案内する第１ガイドと、前記第１コアの型抜き方向への移動に伴い押し引きされて連動する前記第２コアを前記アンダーカット部から離脱可能な方向へ案内する第２ガイドを設けた
ことを特徴とするアンダーカット処理機構。
【請求項２】
前記アンダーカット部は、センター孔を有するアンダーカットボスであり、
前記第２コアは、前記アンダーカットボスを成形する凹部と、該凹部内にて前記センター孔を成形する中子を有する
ことを特徴とする請求項１に記載のアンダーカット処理機構。
【請求項３】
前記型抜き方向へ駆動されて突き出し動作するエジェクタピンを有し、該エジェクタピンの先端部に前記第１コアを固設し、
前記ホルダーは、前記エジェクタピンの先端部が移動可能に案内される状態で前記可動型に内設された
ことを特徴とする請求項１または２に記載のアンダーカット処理機構。
【請求項４】
前記ホルダーの内壁および前記第１コアの外壁の何れか一方に、前記第１コアが移動する型抜き方向へ延びる第１縦溝を設け、何れか他方に、同じく型抜き方向へ延びて前記第１縦溝に摺動可能に嵌合する第１縦条を設け、前記ホルダー内にある第１縦溝または第１縦条を前記第１ガイドとし、
前記ホルダーの内壁および前記第２コアの外壁の何れか一方に、前記第２コアが移動する前記アンダーカット部から離脱可能な方向へ延びる第２横溝を設け、何れか他方に、同じく離脱可能な方向へ延びて前記第２横溝に摺動可能に嵌合する第２横条を設け、前記ホルダー内にある第２横溝または第２横条を前記第２ガイドとした
ことを特徴とする請求項１，２または３に記載のアンダーカット処理機構。
【請求項５】
前記第１コアを、前記アンダーカット部を含む成形品全体の型抜き可能なストロークに応じた長さに設計する
ことを特徴とする請求項１，２，３または４に記載のアンダーカット処理機構。
【請求項６】
前記ホルダー自体を、該ホルダーを設ける前記可動型または前記固定型の一部として構成した
ことを特徴とする請求項１，２，３，４または５に記載のアンダーカット処理機構。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２０１０−１５５３８１（Ｐ２０１０−１５５３８１Ａ）
【公開日】平成２２年７月１５日（２０１０．７．１５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−３３４８０１（Ｐ２００８−３３４８０１）
【出願日】平成２０年１２月２６日（２００８．１２．２６）
【出願人】（３０２０６７９４７）株式会社テクノクラーツ (19)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年７月１５日（２０１０．７．１５）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年１２月２６日（２００８．１２．２６）
【出願人】（３０２０６７９４７）株式会社テクノクラーツ (19)
【Ｆターム（参考）】
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