説明

アンテナ装置及びその製造方法

【課題】 アンテナ装置及びその製造方法において、アンテナエレメントの接続に起因する不安定要素を無くし、さらには周辺の影響及び同軸ケーブルの影響による特性劣化の抑制を図ると共に、様々な設置位置に対する安定した特性を維持すること。
【解決手段】 芯線2の周囲を第1被覆誘電体部3、グランド線4及び第2被覆誘電体部5の順で覆って構成された同軸ケーブル本体6と、同軸ケーブル本体6の先端から芯線2が突出して延在したメインアンテナエレメント7と、同軸ケーブル本体6の先端からグランド線4に接続された接続導線14が同軸ケーブル本体6の先端から折り返されて同軸ケーブル本体6に沿って延在して同軸ケーブル本体6の先端部に固定されたインピーダンス調整エレメント8と、メインアンテナエレメント7とインピーダンス調整エレメント8と同軸ケーブル本体6の先端部とを覆う熱収縮チューブ10と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のリモートエンジンスターターやキーレスエントリーシステム等の車載用無線通信技術に好適なアンテナ装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車のリモートエンジンスターターやキーレスエントリーシステム等の無線通信を目的として、同軸ケーブルにアンテナエレメントが接続されたアンテナ装置が検討されている。このアンテナ装置としては、従来、アンテナ動作波長の1/4の長さとされたアンテナエレメントと同軸ケーブルとを接続したモノポールアンテナが一般的に用いられている。しかしながら、このモノポールアンテナは、設置条件等による周辺の影響を受けやすいため、周辺の影響が少ないダイポールアンテナが用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、同軸ケーブルの給電線及びグランド線に接続されたへの字型のダイポールアンテナを備えた給電線引き出し構造が提案されている。また、特許文献2には、同軸ケーブルの外部導体(グランド線)と内部導体(給電線)とにそれぞれアンテナエレメントを接続した自動車アンテナが提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−208208号公報
【特許文献2】特開平9−51217号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の技術においても、以下の課題が残されている。
すなわち、従来、上記特許文献に記載の技術のように、同軸ケーブルから給電線及びグランド(GND)線を引き出し、別に準備されたアンテナエレメント部材に接続する構造が一般的であるが、この構造の場合、給電線等を引き出した部分とアンテナエレメント部材との接続に起因する不安定要素が増え、アンテナ特性の劣化が生じる。すなわち、接続部分の状態に応じて高周波成分等の反射状態が変化してしまうと共に、接続したアンテナエレメント部材と同軸ケーブルとの位置関係が変わってしまうと、特性劣化が少なからず生じてしまう。また、別にアンテナエレメントを作製して準備する必要があると共に、接続作業が必要になり、製造コストが高いという不都合がある。
また、周辺の影響や同軸ケーブルの影響を抑えるため、従来技術では、アンテナエレメントをへの字構造にし、空間を空けるような対策を行っているが、この対策では、広い空間が必要になるため、実装箇所が限定される場合が多いと共に、同軸ケーブルとの間の容量結合により同軸ケーブルの影響を抑えきれず、全体的なアンテナ特性が劣化してしまう不都合がある。さらに、アンテナの各エレメントに対して給電部分は中心になってしまうため、周辺の影響等による特性劣化が生じた場合、特性改善が困難となる。
【0006】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、アンテナエレメントの接続に起因する不安定要素を無くし、さらには周辺の影響及び同軸ケーブルの影響による特性劣化の抑制を図ると共に、様々な設置位置に対する安定した特性を維持することが可能なアンテナ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明のアンテナ装置は、給電線となる芯線の周囲を第1被覆誘電体部、グランド線及び第2被覆誘電体部の順で覆って構成された同軸ケーブル本体と、該同軸ケーブル本体の先端から前記芯線が単独又は前記第1被覆誘電体部と共に突出して延在したメインアンテナエレメントと、前記同軸ケーブル本体の先端から前記グランド線又はこれに接続された接続導線が前記同軸ケーブル本体の先端から折り返されて前記同軸ケーブル本体に沿って延在した状態が保持されて前記同軸ケーブル本体の先端部に固定されたインピーダンス調整エレメントと、前記メインアンテナエレメントと前記インピーダンス調整エレメントと前記同軸ケーブル本体の先端部とを覆うと共に少なくとも基端開口部が絞られたチューブと、を備えていることを特徴とする。
【0008】
このアンテナ装置では、同軸ケーブル本体の先端から芯線が突出して延在したメインアンテナエレメントと、同軸ケーブル本体の先端からグランド線又はこれに接続された接続導線が同軸ケーブル本体の先端から折り返されて同軸ケーブル本体に沿って延在した状態が保持されて同軸ケーブル本体の先端部に固定されたインピーダンス調整エレメントと、を備えているので、芯線がそのままアンテナエレメントになると共に、グランド線又は接続導線がその延在方向に応じて同軸ケーブル本体とアンテナとの間に発生する容量結合や反射を調整するインピーダンス調整エレメントとなり、同軸ケーブル本体の影響及び周辺の影響を抑制することができる。
また、芯線がそのままメインアンテナエレメントとして延在しているので、従来のように別に用意したアンテナエレメント部材との接続部分がなく、接続による不安定要素が増えて生じる特性の劣化がない。さらに、インピーダンス調整エレメントが同軸ケーブル本体の先端部に所定の延在方向を保持した状態で固定されているので、同軸ケーブル本体の基端側が変化しても特性劣化が抑制される。また、従来のように別部材としてアンテナエレメント部材を準備しなくてもよいと共に、同軸ケーブルから給電線である芯線を取り出して別部材のアンテナエレメントと接続する手間が無くなり、安価に量産可能で生産性に優れている。
さらに、同軸ケーブル本体の芯線と共に第1被覆誘電体部を突出させてメインアンテナエレメントとすることで、芯線が第1被覆誘電体部に覆われており、別途誘電体部分を準備する必要がないと共に、第1被覆誘電体部の誘電率に応じてメインアンテナエレメントの長さを短くすることができる。
【0009】
また、インピーダンス調整エレメントが、同軸ケーブル本体の先端から折り返されて同軸ケーブル本体に沿って延在されることで、全体として略ユの字状になり、同軸ケーブル本体に沿ったインピーダンス調整エレメントの部分と同軸ケーブル本体との距離に応じて同軸ケーブル本体との間の線間容量を調整することができると共に、コンパクトで車両内等の狭い空間にも実装可能になる。
さらに、メインアンテナエレメントとインピーダンス調整エレメントと同軸ケーブル本体の先端部とを覆うと共に少なくとも基端開口部が絞られたチューブを備えているので、基端開口部が絞られて抜け止めされたチューブでエレメント全体が保護されると共に支持されて延在方向が特定されることで、安定性が向上する。
【0010】
また、本発明のアンテナ装置は、前記チューブが、熱収縮チューブであり、前記基端開口部が熱収縮で絞られていることを特徴とする。すなわち、このアンテナ装置では、チューブが熱収縮チューブであり、基端開口部が熱収縮で絞られているので、熱を加えるだけで容易に基端開口部を絞ることができる。
【0011】
また、本発明のアンテナ装置は、前記チューブの先端開口部が閉塞されていることを特徴とする。すなわち、このアンテナ装置では、チューブの先端開口部が閉塞されているので、チューブがずれてメインアンテナエレメントが先端開口部から突出することを防ぐことができる。例えば、チューブの先端開口部を接着剤で閉じたり、封止材で封止することで、閉塞する。
【0012】
また、本発明のアンテナ装置は、前記チューブの中間部であって前記インピーダンス調整エレメント及び前記同軸ケーブル本体の先端部の前方位置に、径が絞られた中間絞り部が形成されていることを特徴とする。すなわち、このアンテナ装置では、チューブの中間部であってインピーダンス調整エレメント及び同軸ケーブル本体の先端部の前方位置に、径が絞られた中間絞り部が形成されているので、径が絞られた基端開口部と中間絞り部とにより、インピーダンス調整エレメント及び同軸ケーブル本体の先端部の前後でこれらを移動規制して、抜け止め及びズレ防止を行うことができる。
【0013】
また、本発明のアンテナ装置は、前記チューブ内に設けられていると共に前記メインアンテナエレメントの中間部及び先端部の少なくとも一方を前記チューブの内面に固定する一つ又は複数のエレメント固定部材を備えていることを特徴とする。すなわち、このアンテナ装置では、メインアンテナエレメントの中間部及び先端部の少なくとも一方をチューブの内面に固定する一つ又は複数のエレメント固定部材を備えているので、メインアンテナエレメントが振動してチューブの内面に接触することで生じる異音の発生を防止することができる。
【0014】
また、本発明のアンテナ装置は、前記チューブが、透明又は半透明の材料で形成されていることを特徴とする。すなわち、このアンテナ装置では、チューブが、透明又は半透明の材料で形成されているので、内部が目視でき各エレメントの状態を確認することができる。
【0015】
また、本発明のアンテナ装置は、前記チューブが、難燃性材料で形成されていることを特徴とする。すなわち、このアンテナ装置では、チューブが、難燃性材料で形成されていればよく、特には、ハロゲン元素を含有しない難燃性材料(例えば、難燃剤に、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等、ハロゲン元素の含まない難燃剤を配合した材料)とすることで、廃棄時に環境に配慮した材料構成とすることが好ましい。
【0016】
また、本発明のアンテナ装置は、前記チューブが、断面扁平形状とされていることを特徴とする。すなわち、このアンテナ装置では、チューブが、断面扁平形状とされているので、車のピラー内部等の狭い箇所にも実装し易く実装箇所が湾曲していても実装箇所に沿わせて設置することが可能になる。
【0017】
また、本発明のアンテナ装置は、前記同軸ケーブル本体の基端部に、高周波コネクタが接続されていることを特徴とする。すなわち、このアンテナ装置では、同軸ケーブル本体の基端部に、高周波コネクタが接続されているので、容易に高周波回路に接続することができる。
【0018】
本発明のアンテナ装置の製造方法は、給電線となる芯線の周囲を第1被覆誘電体部、グランド線及び第2被覆誘電体部の順で覆って構成された同軸ケーブル本体と、該同軸ケーブル本体の先端から前記芯線が単独又は前記第1被覆誘電体部と共に突出して延在したメインアンテナエレメントと、前記同軸ケーブル本体の先端から前記グランド線又はこれに接続された接続導線が前記同軸ケーブル本体の先端から折り返されて前記同軸ケーブル本体に沿って延在した状態が保持されて前記同軸ケーブル本体の先端部に固定されたインピーダンス調整エレメントと、を備えたアンテナ装置本体を作製する工程と、前記メインアンテナエレメントと前記インピーダンス調整エレメントと前記同軸ケーブル本体の先端部とを熱収縮チューブで覆う工程と、該熱収縮チューブの基端開口部を加熱して熱収縮させて絞る工程と、を有していることを特徴とする。
すなわち、このアンテナ装置の製造方法では、メインアンテナエレメントとインピーダンス調整エレメントと同軸ケーブル本体の先端部とを熱収縮チューブで覆う工程と、該熱収縮チューブの基端開口部を加熱して熱収縮させて絞る工程と、を有しているので、熱収縮チューブを加熱するだけで抜け止めが可能であり、エレメント全体が熱収縮チューブで支持及び保護されたアンテナ装置を容易に作製することができる。なお、上記熱収縮チューブで覆う工程と上記熱収縮させて絞る工程とは、いずれが先に行われても構わないが、加熱によるアンテナ装置本体への影響を考慮すると、上記熱収縮させて絞る工程を先に行ってから上記熱収縮チューブで覆う工程を行うことが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明のアンテナ装置及びその製造方法によれば、同軸ケーブル本体の先端から芯線が突出して延在したメインアンテナエレメントと、同軸ケーブル本体の先端からグランド線又はこれに接続された接続導線が同軸ケーブル本体の先端から折り返されて同軸ケーブル本体に沿って延在した状態が保持されて同軸ケーブル本体の先端部に固定されたインピーダンス調整エレメントと、を備えるので、安価に製造できるだけでなく従来の接続等による不安定要素が低減されると共に、同軸ケーブル本体及び周辺の環境に対する特性劣化を低減することができる。さらに、メインアンテナエレメントとインピーダンス調整エレメントと同軸ケーブル本体の先端部とを覆うと共に少なくとも基端開口部が絞られたチューブを備えているので、基端開口部が絞られて抜け止めされたチューブでエレメント全体が保護されると共に支持されて安定性が向上する。
したがって、本発明のアンテナ装置は、自動車等に搭載する際に、周辺の影響を抑えて安定した設置ができ、良好な特性を得ることができ、自動車等に搭載される無線通信システムに好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係るアンテナ装置の第1実施形態を、図1から図3を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能又は認識容易な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
【0021】
本実施形態におけるアンテナ装置1は、例えば自動車等に搭載されるリモートエンジンスターターやキーレスエントリーシステム等の無線通信システムに用いられるもので、図1に示すように、無線回路のアンテナ給電部分(図示略)に接続され給電線となる芯線2の周囲を第1被覆誘電体部3、グランド線4及び第2被覆誘電体部5の順で覆って構成された同軸ケーブル本体6と、該同軸ケーブル本体6の先端から芯線2が第1被覆誘電体部3と共に突出して延在したメインアンテナエレメント7と、同軸ケーブル本体6の先端からグランド線4に接続された接続導線14が同軸ケーブル本体6の先端から折り返されて同軸ケーブル本体6に沿って延在した状態が保持されて同軸ケーブル本体6の先端部に固定されたインピーダンス調整エレメント8と、メインアンテナエレメント7とインピーダンス調整エレメント8と同軸ケーブル本体6の先端部とを覆う熱収縮チューブ(チューブ)10と、を備えている。
【0022】
なお、上記リモートエンジンスターターとは、リモコンによる遠隔操作によって自動車のエンジンを始動、停止させる装置である。
また、上記キーレスエントリーシステムとは、キーレスエントリーキーと呼ばれる無線通信機能を有するキーを運転者等が携帯しているだけで、無線作動範囲まで自動車に近づいた際に、キーと自動車本体側に設置された受信アンテナ装置との間でIDコードの照合を無線通信で行うことで、自動車のドア及びテールゲート等の施錠・解錠操作(いわゆるキーレスエントリーシステム)、エンジンの始動操作などが可能になるシステムである。
【0023】
上記芯線2は、例えば銅の寄り線で形成されていると共に、上記グランド線4は、例えば銅の細線を編んだ編岨線である。また、上記第1被覆誘電体部3及び第2被覆誘電体部5は、絶縁性材料であって発泡ポリエチレンや4フッ化エチレン樹脂等で形成されている。
上記グランド線4の先端は、編岨線の編岨を解いて、編岨線を構成していた各線を一つに束ねると共にビニール線である接続導線14の基端と半田等で接続されている。
上記同軸ケーブル本体6の基端部には、MMCXタイプ等の小型の高周波コネクタ11が接続されている。
【0024】
上記メインアンテナエレメント7は、同軸ケーブル本体6の先端から所望の周波数の波長の4分の1相当に値する長さを基準に設定される。
本実施形態では、インピーダンス調整エレメント8が、上述したように、同軸ケーブル本体6の先端から折り返されて同軸ケーブル本体6に沿って延在されている。
すなわち、図2に示すように、折り返したインピーダンス調整エレメント8によって全体として略ユの字状に構成されている。このインピーダンス調整エレメント8は、同軸ケーブル本体6の先端から離間する方向(同軸ケーブル本体6の先端部に対して垂直方向)へ長さaだけ延在する垂直部8aと、同軸ケーブル本体6に沿って長さbだけ平行に延在する延在部8bと、で構成されている。
【0025】
上記垂直部8aの長さaは、同軸ケーブル本体6との間で発生する線間容量から求められ、同軸ケーブル本体6の太さ及び長さによって異なる。本実施形態では、この線間容量をコントロールできることが、同軸ケーブル本体6の変化に対する特性の劣化や、金属が近接した場合の特性の劣化を抑制する効果となる。
上記延在部8bの長さbは、所望の周波数に対する波長との関係から決定される。なお、本実施形態では、インピーダンス調整エレメント8が、同軸ケーブル本体6と平行な延在部8bを有しているが、必ずしも平行でなくても構わず、上述したように、メインアンテナエレメント7の延在方向と異なる方向に延在していればよい。
【0026】
例えば、図2に示すように、延在部8bの先端部分は、インピーダンスが比較的高くなるため、同軸ケーブル本体6の構造及び垂直部8aの長さaとの関係により、延在部8bの先端部分を長さaよりも同軸ケーブル本体6から離す場合や近づける場合が考えられる。したがって、このインピーダンス調整エレメント8により同軸ケーブル本体6とアンテナとの間のインピーダンスが調整される。
【0027】
さらに、給電線であるメインアンテナエレメント7の長さcは、上述したように所望の周波数に対する4分の1の長さが基準となるが、同軸ケーブル本体6の構造及びインピーダンス調整エレメント8の長さにより変わる。なお、通常は、メインアンテナエレメント7の長さcは、周波数の4分の1の長さに対して短くなる場合が多い。その理由は、メインアンテナエレメント7の第1被覆誘電体部3の太さ、材質によって短縮効果が生じるためである。上記垂直部8aの長さa、延在部8bの長さb及びメインアンテナエレメント7の長さcの関係は、以下のようになる。
【0028】
a+b=c or a+b≒c or a+b≦c or a+b≧c
(ただし、a≠0)
【0029】
また、インピーダンス調整エレメント8と同軸ケーブル本体6との間には、スペーサ9が介在されている。このスペーサ9は、絶縁体である樹脂材料やゴム材料からなる成型品であって、例えば発泡スチロール等の樹脂やセラミックス等の一定の誘電率を有する誘電体で形成されており、インピーダンス調整エレメント8の延在部8bと同軸ケーブル本体6との距離、すなわち垂直部8aの距離aを安定に保つ役割を有している。
【0030】
なお、スペーサ9は、同軸ケーブル本体6の太さ等により、微小の長さでよい場合が考えられ、許容範囲内であれば設置しなくても構わない。逆に、同軸ケーブル本体6の構造により線間容量が大きくなる場合、スペーサ9に用いる材料の誘電率を変えることで小型化も可能である。
これらインピーダンス調整エレメント8、同軸ケーブル本体6及びスペーサ9は、絶縁性テープ12が複数箇所に巻回されて固定されている。
【0031】
さらに、メインアンテナエレメント7とインピーダンス調整エレメント8と同軸ケーブル本体6の先端部とが、絶縁性材料の熱収縮チューブ10で覆われている。
該熱収縮チューブ10は、図3に示すように、熱収縮性の透明又は半透明材料の樹脂材料で断面扁平形状に形成されている。例えば、熱収縮チューブ10の材料としては、フッ素樹脂組成物やポリエチレン樹脂組成物等が用いられる。
【0032】
この熱収縮チューブ10は、基端開口部10bが熱収縮して絞られている。
また、熱収縮チューブ10は開放端である先端開口部10aが接着剤13で接着されて閉塞されている。この接着剤13は、例えば熱を加えて溶かされた後に冷却固化されるホットメルトが使用される。この場合、接着剤13を加熱すると同時に熱収縮チューブ10の先端開口部10aも熱収縮させることができる。
なお、熱収縮チューブ10の先端開口部10aを接着する際に、メインアンテナエレメント7の先端も一緒に接着して固定してもよい。
【0033】
次に、本実施形態のアンテナ装置1の製造方法について説明する。
例えば、まず、第2被覆誘電体部5を剥ぐと共にグランド線4である編岨線を解き、芯線2と第1被覆誘電体部3とからなるメインアンテナエレメント7を露出させる。さらに、グランド線4である編岨を構成する線を一つに束ねた部分に半田等で接続導線14を接続する。次に、束ねたグランド線4及び接続導線14を、同軸ケーブル本体6の先端から折り返して同軸ケーブル本体6に沿って延在させてテープ12で固定する。このとき、インピーダンス調整エレメント8と同軸ケーブル本体6との間にスペーサ9を介在させて、図1にある垂直部8aの寸法aを安定に維持させる。このようにしてアンテナ装置本体15が作製される。
【0034】
次に、熱収縮チューブ10を用意し、その基端開口部10bを加熱して熱収縮させて絞る。この際、基端開口部10bの絞る程度は、同軸ケーブル本体6が通過可能であるが、アンテナ装置15のインピーダンス調整エレメント8及びスペーサ9の部分が通過できない程度とされる。なお、予め所望の径の治具を熱収縮チューブ10の基端開口部10bに挿入してから絞ることが好ましい。この場合、絞った際の径サイズが安定する。
【0035】
次に、より安定なアンテナ特性が得られるように、アンテナ装置本体15のメインアンテナエレメント7とインピーダンス調整エレメント8と同軸ケーブル本体6の先端部とを熱収縮チューブ10で覆って保護する。この際、絞っていない先端開口部10aから同軸ケーブル本体6を挿入し、絞った基端開口部10b側へ通し、そのままインピーダンス調整エレメント8及びスペーサ9の部分で係止するまで、同軸ケーブル本体6を通過させる。なお、熱収縮チューブ10の基端開口部10bを予め熱収縮させてから、アンテナ装置本体15を挿通させた理由は、アンテナ装置本体15を挿通させてから熱を加えて熱収縮させる場合、不所望な箇所まで熱の影響が出る可能性があり、この影響を回避するためである。
さらに、熱収縮チューブ10の先端開口部10aを接着剤13で接着して閉塞させることで、アンテナ装置1が作製される。
【0036】
このように本実施形態のアンテナ装置1では、同軸ケーブル本体6の先端から芯線2が突出して延在したメインアンテナエレメント7と、同軸ケーブル本体6の先端からグランド線4に接続された接続導線14が同軸ケーブル本体6の先端から折り返されて同軸ケーブル本体6に沿って延在した状態が保持されて同軸ケーブル本体6の先端部に固定されたインピーダンス調整エレメント8と、を備えているので、芯線2がそのままメインアンテナエレメント7になると共に、接続導線14がその延在方向に応じて同軸ケーブル本体6とアンテナとの間に発生する容量結合や反射を調整するインピーダンス調整エレメント8となり、同軸ケーブル本体6の影響及び周辺の影響を抑制することができる。
【0037】
また、芯線2がそのままメインアンテナエレメント7として延在しているので、従来のように別に用意したアンテナエレメント部材との接続部分がなく、接続による不安定要素が増えて生じる特性の劣化がない。さらに、インピーダンス調整エレメント8が同軸ケーブル本体6の先端部に所定の延在方向を保持した状態で固定されているので、同軸ケーブル本体6の基端側が変化しても特性劣化が抑制される。また、従来のように別部材としてアンテナエレメント部材を準備しなくてもよいと共に、同軸ケーブルから給電線である芯線を取り出して別部材のアンテナエレメントと接続する手間が無くなり、安価に量産可能で生産性に優れている。
【0038】
さらに、同軸ケーブル本体6の芯線2と共に第1被覆誘電体部3を突出させてメインアンテナエレメント7とすることで、芯線2が第1被覆誘電体部3に覆われており、別途誘電体部分を準備する必要がないと共に、第1被覆誘電体部3の誘電率に応じてメインアンテナエレメント7の長さを短くすることができる。
【0039】
また、インピーダンス調整エレメント8が、同軸ケーブル本体6の先端から折り返されて同軸ケーブル本体6に沿って延在されることで、全体として略ユの字状になり、同軸ケーブル本体6に沿ったインピーダンス調整エレメント8の部分と同軸ケーブル本体6との距離に応じて同軸ケーブル本体6との間の線間容量を調整することができると共に、コンパクトで車両内等の狭い空間にも実装可能になる。
【0040】
さらに、メインアンテナエレメント7とインピーダンス調整エレメント8と同軸ケーブル本体6の先端部とを覆うと共に基端開口部10bが絞られた熱収縮チューブ10を備えているので、基端開口部10bが絞られて抜け止めされた熱収縮チューブ10で、エレメント全体が保護されると共に支持されて延在方向が特定されることで、安定性が向上する。
【0041】
また、熱収縮チューブ10が、断面扁平形状とされているので、狭い箇所にも実装し易く実装箇所が湾曲していても実装箇所に沿わせて設置することが可能になる。
すなわち、車両の車室内に設置できる点はもちろんのこと、特に、ピラー等の非常に狭いスペースにも設置できるので、車内の景観(デザイン)を損なうことなく、アンテナ装置1を設置することができるという効果を有する。
また、熱収縮チューブ10が、透明又は半透明の材料で形成すると、内部が目視でき各エレメントの状態を確認することができる。
【0042】
また、インピーダンス調整エレメント8と同軸ケーブル本体6との間にスペーサ9を設置することで、インピーダンス調整エレメント8と同軸ケーブル本体6との間隔を一定に保持できると共に、線間容量が大きくなる場合でもスペーサ9の誘電率を変えることで小型化を図ることが可能になる。
また、同軸ケーブル本体6の基端部に、高周波コネクタ11が接続されているので、容易に高周波回路に接続することができる。
【0043】
さらに、このアンテナ装置1の製造方法では、メインアンテナエレメント7とインピーダンス調整エレメント8と同軸ケーブル本体6の先端部とを熱収縮チューブ10で覆う工程と、該熱収縮チューブ10の基端開口部10bを加熱して熱収縮させて絞る工程と、を有しているので、熱収縮チューブ10を加熱するだけで抜け止めが可能であり、エレメント全体が熱収縮チューブ10で支持及び保護されたアンテナ装置1を容易に作製することができる。
【0044】
次に、本発明に係るアンテナ装置の第2から第4実施形態について、図4から図6を参照して以下に説明する。なお、以下の各実施形態の説明において、上記実施形態において説明した同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0045】
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、熱収縮チューブ10の先端開口部10aを接着剤13で接着して閉塞しているのに対し、第2実施形態のアンテナ装置21では、図4に示すように、熱収縮チューブ10の先端開口部10aに円柱状の封止部材22が詰められて該封止部材22と先端開口部10aとが接着剤13で接着されて先端開口部10aを封止している点である。
【0046】
上記封止部材22は、例えば樹脂、発泡スチロール又はスポンジ等で形成されている。
すなわち、接着剤13のみで熱収縮チューブ10の先端開口部10aを接着している場合、高温環境下で接着強度が低下して熱収縮チューブ10の弾性によって先端開口部10aが開いてしまうおそれがあるが、第2実施形態のアンテナ装置21では、封止部材22が熱収縮チューブ10の先端開口部10aを封じているので、接着剤13による接着強度が低下しても先端開口部10aが開放されることを防止可能である。
【0047】
第3実施形態と第2実施形態との異なる点は、第2実施形態では、メインアンテナエレメント7の先端が熱収縮チューブ10内で自由端となっているのに対し、第3実施形態のアンテナ装置31では、図5に示すように、先端開口部10aを封じている円柱状の第1支持部材(エレメント固定部材)32に第1貫通孔32aが形成され、該第1貫通孔32aにメインアンテナエレメント7の先端が挿入されていると共に、熱収縮チューブ10の途中にもメインアンテナエレメント7を挿通する第2貫通孔33aが形成された円柱状の第2支持部材(エレメント固定部材)33が設けられている点である。
上記第2支持部材33は、熱収縮チューブ10内面に固定できる形状であれば特に限定されない。具体的な第2支持部材33の形状としては、例えば柱状や球状のものが挙げられる。
【0048】
この第3実施形態のアンテナ装置31では、メインアンテナエレメント7の先端部及び中間部を熱収縮チューブ10の内面に固定する第1支持部材32及び第2支持部材33を備えているので、メインアンテナエレメント7が振動して熱収縮チューブ10の内面に接触することで生じる異音の発生を防止することができる。なお、本実施形態のように第1支持部材32及び第2支持部材33の両方を用いてメインアンテナエレメント7を支持及び固定することが好ましいが、いずれか一方だけで支持及び固定しても構わない。
【0049】
第4実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、熱収縮チューブ10の先端開口部10aが接着剤13で接着されて閉塞されているのに対し、第4実施形態のアンテナ装置41では、図6に示すように、先端開口部40aが閉塞されておらず、熱収縮チューブ40の中間部であってインピーダンス調整エレメント8及び同軸ケーブル本体6の先端部の前方位置に、径が絞られた中間絞り部40cが形成されている点である。
【0050】
また、第4実施形態のアンテナ装置41では、難燃性材料で熱収縮チューブ40が形成されている点で第1実施形態と異なっている。
熱収縮チューブ40を構成する難燃性材料は、例えばハロゲン元素を含有する難燃剤、ハロゲン元素を含有しない難燃剤を配合して使用され、特に廃棄時の環境への影響を低減する点で、ハロゲン元素を含有しない難燃剤を配合した難燃性材料(非ハロゲン難燃剤)で形成したチューブが好適である。
【0051】
上記中間絞り部40cは、インピーダンス調整エレメント8及び同軸ケーブル本体6の先端部の前方位置を加熱することで収縮させて径を絞ることで形成される。なお、この中間絞り部40cの形成は、アンテナ装置本体15を熱収縮チューブ40に挿通させて基端開口部40bにインピーダンス調整エレメント8及びスペーサ9の部分を係止させた状態で行う。
【0052】
このように第4実施形態のアンテナ装置41では、熱収縮チューブ40の中間部であってインピーダンス調整エレメント8及び同軸ケーブル本体6の先端部の前方位置に、径が絞られた中間絞り部40cが形成されているので、径が絞られた基端開口部40bと中間絞り部40cとにより、インピーダンス調整エレメント8及び同軸ケーブル本体6の先端部の前後でこれらを移動規制して、抜け止め及びズレ防止を行うことができる。
【実施例】
【0053】
次に、本発明に係るアンテナ装置において、実際に作製した実施例の評価結果を図7及び図8を参照して具体的に説明する。
【0054】
まず、第1実施形態のアンテナ装置1について、VSWR(電圧定在波比)特性を測定した結果を、図7に示す。
図7では、430MHz帯近傍にVSWRが最小となるようにチューニングしたものであるが、これに限定されることなく、チューニングすることで他の周波数帯でも適用できることは言うまでもない。
なお、このVSWR特性は、同軸ケーブル本体6を真っ直ぐに伸ばした状態の場合(デフォルト状態)と、同軸ケーブル本体6が湾曲状態に変化している場合(ケーブル変化状態)とで、共振周波数の変化はほとんど見られない。これは、同軸ケーブル本体6の変化にて発生した反射波によるインピーダンスや位相のずれについて、インピーダンス調整エレメント8がキャンセルするような働きをしているためである。
【0055】
また、第1実施形態のアンテナ装置1の放射パターンを、図8に示す。この放射パターンは、メインアンテナエレメント7をZ方向に設置した際のXY面の垂直(V)偏波特性である。この結果からわかるように、良好な等方性を示す放射パターンが得られている。
【0056】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
【0057】
例えば、上記各実施形態では、接続導線をグランド線に接続しているが、編岨線であるグランド線を束ねて単独で延在させて使用しても構わない。
また、第1実施形態及び第2実施形態のように、熱収縮チューブの先端開口部を接着剤や封止部材で閉塞することが好ましいが、他の手段で閉塞しても構わない。例えば、ステープラーを用いて熱収縮チューブの先端開口部を閉じても構わない。
【0058】
また、上記各実施形態では、メインアンテナエレメントが直線形状であるが、例えば少なくとも一部を螺旋状にして、短縮化しても構わない。また、インピーダンス調整エレメントの延在部も直線形状であるが、同軸ケーブル本体及びスペーサに巻回して螺旋状にし、短縮化してもよい。
また、芯線が第1被覆誘電体部と共に突出してメインアンテナエレメントとすることが好ましいが、芯線のみ突出したメインアンテナエレメントとしても構わない。
【0059】
さらに、上記各実施形態では、上述したように、熱収縮チューブを採用することが好ましいが、熱収縮材料以外で形成されたチューブを採用しても構わない。この場合、例えば、チューブの基端開口部は、図9の(a)(b)に示すように、一点鎖線S1で示す部分を折ってテープ等で固定し、符号S2で示す部分を折って絞ることで基端開口部を絞っても構わない。
さらに、チューブとしては、上述したように所定の延在方向に延びるメインアンテナエレメントを支持可能であると共に実装箇所に沿って設置可能なある程度の柔軟性と剛性とを兼ね備えたチューブが好ましいが、硬質かつ高剛性で曲がり難いチューブを採用しても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明に係るアンテナ装置及びその製造方法の第1実施形態において、アンテナ装置を示す平面図である。
【図2】第1実施形態において、アンテナ装置の寸法等を説明するための簡易的な平面図である。
【図3】図1のA−A線矢視断面図である。
【図4】本発明に係るアンテナ装置及びその製造方法の第2実施形態において、アンテナ装置の要部を示す平面図及びそのB−B線矢視断面図である。
【図5】本発明に係るアンテナ装置及びその製造方法の第3実施形態において、アンテナ装置の要部を示す縦断面図及びそのC−C線矢視断面図である。
【図6】本発明に係るアンテナ装置及びその製造方法の第4実施形態において、アンテナ装置を示す平面図である。
【図7】本発明に係るアンテナ装置及びその製造方法の実施例において、VSWR特性を示すグラフである。
【図8】本発明に係るアンテナ装置及びその製造方法の実施例において、放射パターンを示すグラフである。
【図9】本発明に係るアンテナ装置及びその製造方法において、チューブの基端開口部における他の絞り方を示す説明図である。
【符号の説明】
【0061】
1,21,31,41…アンテナ装置、2…芯線、3…第1被覆誘電体部、4…グランド線、5…第2被覆誘電体部、6…同軸ケーブル本体、7…メインアンテナエレメント、8…インピーダンス調整エレメント、9…スペーサ、10,40…熱収縮チューブ、10b,40b…熱収縮チューブの基端開口部、10a,40a…熱収縮チューブの先端開口部、11…高周波コネクタ、13…接着剤、14…接続導線、15…アンテナ装置本体、22…封止部材、32…第1支持部材(エレメント固定部材)、33…第2支持部材(エレメント固定部材)、40c…中間絞り部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給電線となる芯線の周囲を第1被覆誘電体部、グランド線及び第2被覆誘電体部の順で覆って構成された同軸ケーブル本体と、
該同軸ケーブル本体の先端から前記芯線が単独又は前記第1被覆誘電体部と共に突出して延在したメインアンテナエレメントと、
前記同軸ケーブル本体の先端から前記グランド線又はこれに接続された接続導線が前記同軸ケーブル本体の先端から折り返されて前記同軸ケーブル本体に沿って延在した状態が保持されて前記同軸ケーブル本体の先端部に固定されたインピーダンス調整エレメントと、
前記メインアンテナエレメントと前記インピーダンス調整エレメントと前記同軸ケーブル本体の先端部とを覆うと共に少なくとも基端開口部が絞られたチューブと、を備えていることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のアンテナ装置において、
前記チューブが、熱収縮チューブであり、
前記基端開口部が熱収縮で絞られていることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のアンテナ装置において、
前記チューブの先端開口部が閉塞されていることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
前記チューブの中間部であって前記インピーダンス調整エレメント及び前記同軸ケーブル本体の先端部の前方位置に、径が絞られた中間絞り部が形成されていることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
前記チューブ内に設けられていると共に前記メインアンテナエレメントの中間部及び先端部の少なくとも一方を前記チューブの内面に固定する一つ又は複数のエレメント固定部材を備えていることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
前記チューブが、透明又は半透明の材料で形成されていることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
前記チューブが、難燃性材料で形成されていることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
前記チューブが、断面扁平形状とされていることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
前記同軸ケーブル本体の基端部に、高周波コネクタが接続されていることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項10】
給電線となる芯線の周囲を第1被覆誘電体部、グランド線及び第2被覆誘電体部の順で覆って構成された同軸ケーブル本体と、該同軸ケーブル本体の先端から前記芯線が単独又は前記第1被覆誘電体部と共に突出して延在したメインアンテナエレメントと、前記同軸ケーブル本体の先端から前記グランド線又はこれに接続された接続導線が前記同軸ケーブル本体の先端から折り返されて前記同軸ケーブル本体に沿って延在した状態が保持されて前記同軸ケーブル本体の先端部に固定されたインピーダンス調整エレメントと、を備えたアンテナ装置本体を作製する工程と、
前記メインアンテナエレメントと前記インピーダンス調整エレメントと前記同軸ケーブル本体の先端部とを熱収縮チューブで覆う工程と、
該熱収縮チューブの基端開口部を加熱して熱収縮させて絞る工程と、を有していることを特徴とするアンテナ装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2010−81433(P2010−81433A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−249173(P2008−249173)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000003263)三菱電線工業株式会社 (734)
【出願人】(000006264)三菱マテリアル株式会社 (4,417)
【Fターム(参考)】