説明

アンテナ装置及び無線端末

【課題】アンテナ装置の広帯域化を図りつつも小型化を図る。
【解決手段】アンテナ装置51は、第1板状アンテナとして動作する第1アンテナ素子部511と、モノポールアンテナ及び第1板状アンテナよりもアンテナ長が長い第2板状アンテナとして動作する第2アンテナ素子部512とを備える。これにより周波数帯域の全ての無線信号の送信及び受信が可能であるように広帯域化を図りつつも小型化を図ることが可能なアンテナ装置及び無線端末を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば電波を放射する又は受信するアンテナ装置及びアンテナ装置を備える無線端末の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
電波を用いて無線信号の送信及び受信を行うことで通信を行う無線通信では、サービスの種類毎に固有の周波数帯域が使用されることが多い。例えば、携帯電話等の無線端末を例にあげれば、第3世代(3G:Third Generation)システムでは、810MHzから958MHz、1.428GHzから1.525GHz、1.750GHzから1.785GHz、1.845GHzから1.880GHz及び2.110GHzから2.170GHzの周波数帯域が使用される。或いは、3GPP(第3世代パートナーシッププロジェクト:Third Generation Partnership Project)により標準化が進められているLTE(Long Term Evolution)では、700MHz帯及び2.5GHz帯の周波数帯域も使用される予定である。従って、無線端末が備えるアンテナは、これらの周波数帯域の無線信号の送信及び受信を無線基地局との間で行うことにより、音声通話やパケット通信を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−279530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、近年の無線端末は、ユーザの利便性の向上のため、無線基地局を介して行う音声通話及びパケット通信のみならず、その他の無線通信サービスを利用するための機能を備えていることが多い。例えば、近年の無線端末は、無線基地局を介した無線通信を利用する機能に加えて、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)や無線LANを利用するための機能を備えていることが多い。この場合、無線端末は、無線基地局との間で行う無線通信用の周波数帯域のみならず、GPS衛星との間で行う無線通信用の周波数帯域や、無線LANアクセスポイントとの間で行う無線通信用の周波数帯域を使用する必要がある。具体的には、GPSでは、1563MHzから1578MHzの周波数帯域が使用される。無線LANでは、2.4GHzから2.5GHz及び5.47GHzから5.725GHzの周波数帯域が使用される。
【0005】
この場合、無線端末は、これらの周波数帯域の全ての無線信号(つまり、広帯域の無線信号)の送信及び受信が可能であることが好ましい。このような無線端末として、周波数帯域ごとに異なる複数のアンテナを備える無線端末が一例としてあげられる。しかしながら、アンテナの数が増えれば増えるほど無線端末のサイズが大きくなってしまう。
【0006】
本発明が解決しようとする課題には上記のようなものが一例として挙げられる。本発明は、例えば広帯域化を図りつつも小型化を図ることが可能なアンテナ装置及び無線端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、第1アンテナ素子部と、第2アンテナ素子部とを備えるアンテナ装置によって解決される。第1アンテナ素子は、第1板状アンテナとして動作する。第2アンテナ素子は、モノポールアンテナ及び第1板状アンテナよりもアンテナ長が長い第2板状アンテナとして動作する。
【0008】
上記課題はまた、上記アンテナ装置を備える無線端末によって解決される。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したアンテナ装置及び無線端末によれば、広帯域化を図りつつも小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態の無線端末の構成の一例を示す分解斜視図である。
【図2】本実施形態のアンテナ装置の構成の一例を示す斜視図及び断面図である。
【図3】本実施形態のアンテナ装置の構成の一例を平面的に示す平面図である。
【図4】本実施形態のアンテナ装置のサイズの一例を示す平面図である。
【図5】本実施形態のアンテナ装置が備える第1アンテナ素子が板状アンテナとして動作する場合の電流の流れを示す平面図及び第1アンテナ素子が板状アンテナとして動作する場合のアンテナ装置のS11特性を示すグラフである。
【図6】本実施形態のアンテナ装置が備える第2アンテナ素子がモノポールアンテナとして動作する場合の電流の流れを示す平面図及び第2アンテナ素子がモノポールアンテナとして動作する場合のアンテナ装置のS11特性を示すグラフである。
【図7】本実施形態のアンテナ装置が備える第2アンテナ素子が板状アンテナとして動作する場合の電流の流れを示す平面図及び第2アンテナ素子が板状アンテナとして動作する場合のアンテナ装置のS11特性を示すグラフである。
【図8】本実施形態のアンテナ装置のアンテナ効率を示すグラフである。
【図9】本実施形態のアンテナ装置の動作利得を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態を、図面に基づいて説明する。
【0012】
(1)無線端末
図1を参照して、本実施形態の無線端末1について説明する。図1は、本実施形態の無線端末1の構成の一例を示す分解断面図である。尚、以下では、無線端末1の一例として、携帯電話を例にあげて説明を進める。しかしながら、携帯電話以外の無線通信機能を有する各種無線端末(例えば、PDAや、ミニパソコンや、ノートパソコンや、デスクトップパソコン等)に対して、後述するアンテナ装置51を適用してもよい。
【0013】
図1に示すように、本実施形態の無線端末1は、表側筐体2と、裏側筐体6とを備えている。表側筐体2は、ディスプレイ3を収容するための表示窓21や、操作ボタン4を収容するための開口22や、通話用のスピーカを収容するための受話口23や、通話用のマイクを収容するための送話口24等を備えている。ディスプレイ3及び操作ボタン4は、表側筐体2と裏側筐体6との間に挟持される。
【0014】
表側筐体2と裏側筐体6との間には、例えばガラスエポキシ樹脂を材料として含む誘電体基板等の回路基板5が更に収容される。回路基板5上には、アンテナ装置51と、演算処理回路52とが形成される。アンテナ装置51は、電波の放出を行うことで、演算処理回路52から出力される無線信号を、無線回線を介して他の無線端末(例えば、無線基地局や、無線LANアクセスポイント等)に送信する。同様に、アンテナ装置51は、電波の受信を行うことで、無線回線を介して他の無線端末(例えば、無線基地局や、無線LANアクセスポイント等)から送信される無線信号を受信する。演算処理回路52は、無線端末1の動作を制御すると共に、無線端末1の動作に必要な各種信号処理を行う。
【0015】
表側筐体2と裏側筐体6との間にディスプレイ3及び操作ボタン4並びに回路基板5が収容された状態で、表側筐体2と裏側筐体6とが接合される。その結果、無線端末1が完成する。
【0016】
尚、図1では、本実施形態の無線端末1が備えるべき構成の一部を選択的に明示している。従って、本実施形態の無線端末1は、無線端末1としての機能に必要な不図示の他の構成を適宜備えていてもよい。
【0017】
(2)アンテナ装置
図2から図9を参照して、本実施形態のアンテナ装置51について説明する。
【0018】
(2−1)アンテナ装置の構成
図2から図4を参照して、本実施形態のアンテナ装置51の構成の一例について説明する。図2は、本実施形態のアンテナ装置51の構成の一例を示す斜視図及び断面図である。図3は、本実施形態のアンテナ装置51の構成の一例を平面的に示す平面図である。図4は、本実施形態のアンテナ装置51のサイズの一例を示す平面図である。
【0019】
図2(a)及び図2(b)に示すように、本実施形態のアンテナ装置51は、第1アンテナ素子511と、第2アンテナ素子512と、マイクロストリップ線路513と、アンテナ結合用MEMS514とを備えている。尚、図2は、回路基板5のサイズが縦111.5mm×横50mmであり且つアンテナ装置51のサイズが縦20.6mm×横50mm×奥行10mmである例を示している。
【0020】
第1アンテナ素子511は、「第1アンテナ素子部」の一具体例であって、例えば板状の導体板から構成される。従って、第1アンテナ素子511は、板状アンテナとして動作する。或いは、第1アンテナ素子511は、板状の導体板に加えて又は代えて、板状の導体板を実質的に形成する線状の導体の集合体から構成されてもよい。いずれにせよ、第1アンテナ素子511が板状アンテナとして動作するのであれば、第1アンテナ素子511の形状やサイズは任意でよい。
【0021】
第1アンテナ素子511は、その長さ方向のサイズ(具体的には、回路基板5の表面に沿った方向のサイズ)を小さくするために、回路基板5の表面に突き出るように立体的に回路基板5上に形成されることが好ましい。具体的には、図3(a)に示す平面形状の第1アンテナ素子511を、図3(a)に示す一点鎖線で湾曲させる(或いは、折り曲げる)ことで、立体的な第1アンテナ素子511が回路基板5上に形成されることが好ましい。尚、図2(a)及び図2(b)は、第1アンテナ素子511がコの字型の立体形状を有するように折り曲げられる例を示しているが、例えば第1アンテナ素子511がL字型又はその他の態様の立体形状を有するように折り曲げられてもよい。但し、第1アンテナ素子511は、回路基板5上に平面上に形成されてもよい。尚、図2(b)に示すように、第1アンテナ素子511の立体化によって形成されたスペースには、ディスプレイ3等が収容されてもよい。
【0022】
第1アンテナ素子511の一端には、マイクロストリップ線路513の一端が接続されている。マイクロストリップ線路513は、「給電部」の一具体例であって、不図示の給電源からマイクロストリップ線路513の他端に供給される電流を第1アンテナ素子511に対して供給する。尚、図2(a)では、マイクロストリップ線路513の形状がテーパ状になる例を示しているが、マイクロストリップ線路513の形状は任意の形状であってもよい。例えば、第1アンテナ素子511と第2アンテナ素子512との間で整合をとることができるのであれば、マイクロストリップ線路513の形状は任意の形状であってもよい。マイクロストップ線路513と並行する回路基板5上には、間に回路保護用の保護抵抗5131を介在させた状態で、回路基板5を貫通するスルーホール5132を介して回路基板5の裏面に形成されるグランド518と電気的に接続されるインダクタ素子5131が形成される(図3(a)及び図3(b)参照)。インダクタ素子518は、アンテナ装置51のマッチング用の素子であって、本実施形態では例えば7.5nHのインダクタンスを有している。また、保護抵抗5131は、例えば10kΩの抵抗値を有している。
【0023】
尚、グランド518は、回路基板5の裏面であって且つ演算処理回路52が形成される側に形成される。図2(b)は、グランド518のサイズが縦100mm×横50mmである例を示している。
【0024】
第2アンテナ素子512は、「第2アンテナ素子部」の一具体例であって、例えば一部に切り欠きが形成されたループ状の(言い換えれば、環状)の導線から構成される。
【0025】
第2アンテナ素子512は、後述するアンテナ結合用MEMS514によって切り欠きの両端が電気的に接続されていない場合には、そのアンテナ長(つまり、マイクロストリップ線路513から供給される電流が流れる電気長)がλ/4となることが好ましい。尚、図2及び図3では、第2アンテナ素子512の占める面積を小さくするために、第2アンテナ素子512が、そのアンテナ素子の伸長方向に対して折り曲げられた構造を有している。但し、図2及び図3に示す第2アンテナ素子512の折り曲げ構造は一例であって、第2アンテナ素子512は、メアンダ構造を採用してもよい。
【0026】
一方で、第2アンテナ素子512は、後述するアンテナ結合用MEMS514によって切り欠きの両端が電気的に接続されている場合には、そのアンテナ長が、第1アンテナ素子511のアンテナ長よりも長くなる形状を有していることが好ましい。或いは、第2アンテナ素子512は、当該第2アンテナ素子512を構成する導線が取り囲む部分の面積(つまり、第2アンテナ素子512そのものの面積と当該第2アンテナ素子512のループ内部の空隙の面積との和)が、第1アンテナ素子511の面積よりも大きくなる形状を有していることが好ましい。
【0027】
第2アンテナ素子512は、第1アンテナ素子511と同様に、その長さ方向のサイズ(具体的には、回路基板5の表面に沿った方向のサイズ)を小さくするために、回路基板5の表面に突き出るように立体的に回路基板5上に形成されることが好ましい。具体的には、図3(a)に示す平面形状の第2アンテナ素子512を、図3(a)に示す一点鎖線で湾曲させる(或いは、折り曲げる)ことで、立体的な第2アンテナ素子512が回路基板5上に形成されることが好ましい。尚、図2(a)及び図2(b)は、第2アンテナ素子512がコの字型の立体形状を有するように折り曲げられる例を示しているが、例えば第2アンテナ素子512がL字型又はその他の態様の立体形状を有するように折り曲げられてもよい。但し、第2アンテナ素子512は、回路基板5上に平面上に形成されてもよい。尚、図2(b)に示すように、第2アンテナ素子512の立体化によって形成されたスペースには、ディスプレイ3等が収容されてもよい。
【0028】
第2アンテナ素子512は、アンテナ結合用MEMS514によって第1アンテナ素子511(或いは、第1アンテナ素子511と電気的に接続されているマイクロストリップ線路513)と電気的に接続される又は切り離される。より具体的には、第2アンテナ素子512の切り欠きの両端のうちの一方は、アンテナ結合用MEMS514によって第1アンテナ素子511(或いは、第1アンテナ素子511と電気的に接続されているマイクロストリップ線路513)と電気的に接続される又は切り離される。加えて、第2アンテナ素子512の切り欠きの両端は、アンテナ結合用MEMS514によって電気的に接続される又は切り離される。尚、アンテナ結合用MEMS514には、上述した接続及び切り離しを制御するためのMEMS制御信号が、MEMS給電路515及び516を介して供給される。
【0029】
以下、アンテナ結合用MEMS514について、図3を参照して詳細に説明する。図3(a)に示すように、第1アンテナ素子511と第2アンテナ素子512とは、物理的に切り離されている(つまり、接続されていない)。アンテナ結合用MEMS514が備える導通用電極5141は、第1アンテナ素子511と第2アンテナ素子512との間の電気的な接続及び切り離しが可能に構成されている。具体的には、アンテナ結合用MEMS514が備える導通用電極5141は、第2アンテナ素子512の切り欠きの両端のうちの一方と第1アンテナ素子511との間の電気的な接続及び切り離しが可能に構成されている。より具体的には、MEMS給電路516にMEMS制御信号が供給されると、図3(a)中点線で示されると共に回路基板5の上部(具体的には、図3(a)中手前側)に形成される導通用電極5141には静電力(或いは、電磁力等のその他の力)が作用する。その結果、導通用電極5141は、図3(a)中奥側に移動することで、導通用電極5142と共に、第2アンテナ素子512の切り欠きの両端のうちの一方と第1アンテナ素子511との間を電気的に接続する。結果、第2アンテナ素子512には、マイクロストリップ線路513を介して不図示の給電源から電流が供給される。従って、第2アンテナ素子512は、モノポールアンテナ(具体的には、λ/4モノポールアンテナ)として動作する。尚、第1アンテナ素子511と第2アンテナ素子512との間を電気的に切り離す場合には、逆の動作が行われる。
【0030】
図3(a)に示すように、第2アンテナ素子512の切り欠きの両端は、物理的に切り離されている(つまり、接続されていない)。アンテナ結合用MEMS514が備える導通用電極5145は、第2アンテナ素子512の切り欠きの両端の間の電気的な接続及び切り離しが可能に構成されている。より具体的には、MEMS給電路515にMEMS制御信号が供給されると、当該MEMS制御信号は、回路基板5を貫通するスルーホール5143及び5144、並びにスルーホール5143及び5144を回路基板5の裏面で電気的に接続する線路5149(図3(b)参照)を介して伝搬する。その結果、図3(a)中点線で示されると共に回路基板5の上部(具体的には、図3(a)中手前側)に形成される導通用電極5145には静電力(或いは、電磁力等のその他の力)が作用する。その結果、導通用電極5145は、図3(a)中奥側に移動することで、導通用電極5142と共に、第2アンテナ素子512の切り欠きの両端の間を電気的に接続する。結果、第2アンテナ素子512の形状が、モノポール形状から閉ループ形状に変化する。従って、第2アンテナ素子512は、実質的には板状アンテナとして動作する。第2アンテナ素子512の切り欠きの両端の間を電気的に切り離す場合には、逆の動作が行われる。
【0031】
尚、第2アンテナ素子512がモノポールアンテナ及び板状アンテナとして動作することができるのであれば、第2アンテナ素子512の形状やサイズは任意でよい。
【0032】
加えて、上述したアンテナ結合用MEMS514の構成は一例であって、この構成に限定されない。第1アンテナ素子511と第2アンテナ素子512との間の電気的な接続及び切り離し並びに第2アンテナ素子512の切り欠きの両端の電気的な接続及び切り離しの制御が可能であれば、アンテナ結合用MEMS514としてどのような構成を採用してもよい。或いは、アンテナ結合用MEMS514に代えて、第1アンテナ素子511と第2アンテナ素子512との間の電気的な接続及び切り離し並びに第2アンテナ素子512の切り欠きの両端の電気的な接続及び切り離しを制御する任意の機械的な、電気的な、磁気的な又はその他の態様の処理部を採用してもよい。
【0033】
尚、MEMS給電路515及びMEMS給電路516の夫々の線路上には、回路保護用の保護抵抗517が形成されている。言い換えれば、MEMS給電路515及びMEMS給電路516の夫々は、回路保護用の保護抵抗517によって分断されている。保護抵抗517の抵抗値は、例えば10kΩであるが、その他の抵抗値を有していてもよい。
【0034】
また、導通用電極5142は、回路保護用の保護抵抗5147及び回路基板5を貫通するスルーホール5146を介してグランド518に電気的に接続されている。保護抵抗5147の抵抗値は、例えば10kΩである。
【0035】
以上のような構成を有するアンテナ装置51のサイズの一例が、図4に示される。
【0036】
(2−2)アンテナ装置の特性
図5から図10を参照して、本実施形態のアンテナ装置51の特性について説明する。図5は、本実施形態のアンテナ装置51が備える第1アンテナ素子511が板状アンテナとして動作する場合の電流の流れを示す平面図及び第1アンテナ素子511が板状アンテナとして動作する場合のアンテナ装置51のS11特性を示すグラフである。図6は、本実施形態のアンテナ装置51が備える第2アンテナ素子512がモノポールアンテナとして動作する場合の電流の流れを示す平面図及び第2アンテナ素子512がモノポールアンテナとして動作する場合のアンテナ装置51のS11特性を示すグラフである。図7は、本実施形態のアンテナ装置51が備える第2アンテナ素子512が板状アンテナとして動作する場合の電流の流れを示す平面図及び第2アンテナ素子512が板状アンテナとして動作する場合のアンテナ装置51のS11特性を示すグラフである。図8は、本実施形態のアンテナ装置51のアンテナ効率を示すグラフである。図9は、本実施形態のアンテナ装置51の動作利得を示すグラフである。
【0037】
図5(a)に示すように、アンテナ結合用MEMS514によって第1アンテナ素子511と第2アンテナ素子512とが電気的に切り離され且つ第2アンテナ素子512の切り欠きの両端が電気的に切り離されている場合について説明する。この場合には、図5(a)中の矢印で示すように、マイクロストリップ線路513から供給される電流は、第1アンテナ素子511に流れる。つまり、マイクロストリップ線路513から供給される電流は、第2アンテナ素子512に流れない。従って、第1アンテナ素子511が板状アンテナとして動作すると共に、第2アンテナ素子512はアンテナとしては動作しない。このため、アンテナ装置51全体としては、板状アンテナとして動作する。
【0038】
図5(b)に示すように、アンテナ装置51が板状アンテナとして動作する(具体的には、第1アンテナ素子511が板状アンテナとして動作する)場合のアンテナ装置51のS11特性は、1.4GHz以上且つ5.5GHz以下の範囲で良好な値(例えば、−6dB以下の値)をとる。従って、1.4GHz以上且つ5.5GHz以下範囲の周波数を使用して無線信号を好適に送信又は受信したい場合には、図5(a)に示す状態の板状アンテナとして動作するアンテナ装置51を用いることが好ましい。言い換えれば、アンテナ結合用MEMS514によって第1アンテナ素子511と第2アンテナ素子512とが電気的に切り離され且つ第2アンテナ素子512が備える切り欠きの両端が電気的に切り離されている場合には、1.4GHz以上且つ5.5GHz以下の範囲の周波数を使用して無線信号を好適に送信又は受信することができる。
【0039】
加えて、図8(a)に示すように、第1アンテナ素子511が板状アンテナとして動作する場合のアンテナ装置51のアンテナ効率は、1.4GHz以上且つ5.5GHz以下の範囲で良好な値(例えば、60%以上の値)をとる。更に、図9(a)に示すように、アンテナ装置51が板状アンテナとして動作する(具体的には、第1アンテナ素子511が板状アンテナとして動作する)場合のアンテナ装置51の動作利得は、1.4GHz以上且つ5.5GHz以下の範囲で良好な値(例えば、0dBiないしは2dBi以上の値)をとる。従って、アンテナ効率及び動作利得という観点から見ても、第1アンテナ素子511が板状アンテナとして動作する場合には、1.4GHz以上且つ5.5GHz以下の範囲の周波数を使用して無線信号を好適に送信又は受信することができることが分かる。
【0040】
図6(a)に示すように、アンテナ結合用MEMS514によって第1アンテナ素子511と第2アンテナ素子512とが電気的に接続され且つ第2アンテナ素子512の切り欠きの両端が電気的に切り離されている場合について説明する。この場合には、図6(a)中の矢印で示すように、マイクロストリップ線路513から供給される電流は、第2アンテナ素子512に流れる。第2アンテナ素子512の切り欠きの両端が電気的に切り離されているため、第2アンテナ素子512はモノポールアンテナとして動作する。このため、アンテナ装置51全体としては、モノポールアンテナとして動作する。
【0041】
尚、アンテナ結合用MEMS514によって第1アンテナ素子511と第2アンテナ素子512とが電気的に接続されている場合(つまり、アンテナ装置51が図6(a)に示す状態で動作する場合)には、マイクロストリップ線路513から供給される電流は、第1アンテナ素子511に流れていてもよいし、流れていなくともよい。このため、アンテナ結合用MEMS514は、第1アンテナ素子511とマイクロストリップ線路513との間の電気的な接続及び切り離しを行ってもよい。
【0042】
図6(b)に示すように、アンテナ装置51がモノポールアンテナとして動作する(具体的には、第2アンテナ素子512がモノポールアンテナとして動作する)場合のアンテナ装置51のS11特性は、少なくとも700MHz以上且つ750MHz以下の範囲及び1.2GHz以上且つ1.4GHz以下の範囲で良好な値(例えば、−6dB以下の値)をとる。従って、少なくとも700MHz以上且つ750MHz以下の範囲及び1.2GHz以上且つ1.4GHz以下の範囲の周波数を使用して無線信号を好適に送信又は受信したい場合には、図6(a)に示す状態のモノポールアンテナとして動作するアンテナ装置51を用いることが好ましい。言い換えれば、アンテナ結合用MEMS514によって第1アンテナ素子511と第2アンテナ素子512とが電気的に接続され且つ第2アンテナ素子512の切り欠きの両端が電気的に切り離されている場合には、少なくとも700MHz以上且つ750MHz以下の範囲及び1.2GHz以上且つ1.4GHz以下の範囲の周波数を使用して無線信号を好適に送信又は受信することができる。
【0043】
加えて、図8(b)に示すように、第2アンテナ素子512がモノポールアンテナとして動作する場合のアンテナ装置51のアンテナ効率は、少なくとも700MHz以上且つ750MHz以下の範囲及び1.2GHz以上且つ1.4GHz以下の範囲で良好な値(例えば、60%以上の値)をとる。更に、図9(b)に示すように、アンテナ装置51がモノポールアンテナとして動作する(具体的には、第2アンテナ素子512がモノポールアンテナとして動作する)場合のアンテナ装置51の動作利得は、少なくとも730MHz以上且つ750MHz以下の範囲及び1.2GHz以上且つ1.4GHz以下の範囲で良好な値(例えば、0dBi以上の値)をとる。従って、アンテナ効率及び動作利得という観点から見ても、第2アンテナ素子512がモノポールアンテナとして動作する場合には、少なくとも700MHz以上且つ1.2GHz以下の範囲及び5.5GHz以上の範囲の周波数を使用して無線信号を好適に送信又は受信することができることが分かる。
【0044】
図7(a)に示すように、アンテナ結合用MEMS514によって第1アンテナ素子511と第2アンテナ素子512とが電気的に接続され且つ第2アンテナ素子512の切り欠きの両端が電気的に接続されている場合について説明する。この場合には、図7(a)中の矢印で示すように、マイクロストリップ線路513から供給される電流は、第2アンテナ素子512に流れる。第2アンテナ素子512の切り欠きの両端が電気的に接続されているため、第2アンテナ素子512は実質的には板状アンテナ(言い換えれば、近似的な板状アンテナ)として動作する。このため、アンテナ装置51全体としては、板状アンテナとして動作する。
【0045】
尚、アンテナ結合用MEMS514によって第1アンテナ素子511と第2アンテナ素子512とが電気的に接続されている場合(つまり、アンテナ装置51が図7(a)に示す状態で動作する場合)には、マイクロストリップ線路513から供給される電流は、第1アンテナ素子511に流れていてもよいし、流れていなくともよい。このため、アンテナ結合用MEMS514は、第1アンテナ素子511とマイクロストリップ線路513との間の電気的な接続及び切り離しを行ってもよい。
【0046】
上述したように、第2アンテナ素子512のアンテナ長は、第1アンテナ素子511のアンテナ長よりも長い。このため、第2アンテナ素子512が板状アンテナとして動作する場合には、第1アンテナ素子511が板状アンテナとして動作する場合と比較して、低域側での好適な動作が可能になる。具体的には、図7(b)に示すように、アンテナ装置51が板状アンテナとして動作する(具体的には、第2アンテナ素子512が板状アンテナとして動作する)場合のアンテナ装置51のS11特性は、少なくとも730MHz以上且つ1.2GHz以下の範囲及び5.5GHz以上の範囲で良好な値(例えば、−6dB以下の値)をとる。従って、少なくとも730MHz以上且つ1.2GHz以下の範囲及び5.5GHz以上の範囲の周波数を使用して無線信号を好適に送信又は受信したい場合には、図7(a)に示す状態の板状アンテナとして動作するアンテナ装置51を用いることが好ましい。言い換えれば、アンテナ結合用MEMS514によって第1アンテナ素子511と第2アンテナ素子512とが電気的に接続され且つ第2アンテナ素子512が備える切り欠きの両端が電気的に接続されている場合には、少なくとも730MHz以上且つ1.2GHz以下の範囲及び5.5GHz以上の範囲の周波数を使用して無線信号を好適に送信又は受信することができる。
【0047】
加えて、図8(c)に示すように、第2アンテナ素子512が板状アンテナとして動作する場合のアンテナ装置51のアンテナ効率は、少なくとも730MHz以上且つ1.2GHz以下の範囲及び5.5GHz以上の範囲で良好な値(例えば、60%以上の値)をとる。更に、図9(c)に示すように、第2アンテナ素子512が板状アンテナとして動作する場合のアンテナ装置51の動作利得は、少なくとも730MHz以上且つ1.2GHz以下の範囲及び5.5GHz以上の範囲で良好な値(例えば、0dBi以上の値)をとる。従って、アンテナ効率及び動作利得という観点から見ても、第2アンテナ素子512が板状アンテナとして動作する場合には、少なくとも730MHz以上且つ1.2GHz以下の範囲及び5.5GHz以上の範囲の周波数を使用して無線信号を好適に送信又は受信することができる。
【0048】
以上説明したように、本実施形態のアンテナ装置51によれば、第1アンテナ素子511及び第2アンテナ素子512を用いて、アンテナ装置51の動作モードを切り替えることができる。具体的には、アンテナ装置51の動作モードを、板状アンテナとして動作する動作モード、モノポールアンテナとして動作する動作モード及び低域での好適な動作が可能な板状アンテナとして動作する動作モードのいずれかに切り替えることができる。これにより、本実施形態のアンテナ装置51は、700MHzから6.0GHzの周波数帯域に含まれるいずれの周波数を使用する場合であっても、無線信号の送信及び受信を好適に行うことができる。従って、アンテナ装置51の広帯域化を図りつつも小型化を図ることができる。
【0049】
加えて、本実施形態のアンテナ装置51によれば、2つのアンテナ素子(つまり、第1アンテナ素子511及び第2アンテナ素子512)によって、3つの動作モード(つまり、図5(a)に示す板状アンテナとして動作する動作モード、図6(a)に示すモノポールアンテナとして動作する動作モード、図7(a)に示す板状アンテナとして動作する動作モード)を実現することができる。従って、各動作モードを個別のアンテナ素子で実現する場合(つまり、3つの動作モードを3つのアンテナ素子で実現する場合)と比較して、アンテナ素子の数を減らすことができる。従って、アンテナ装置51の小型化を図ることができる。
【0050】
加えて、本実施形態のアンテナ装置51によれば、第1アンテナ素子511及び第2アンテナ素子512の夫々を立体的に折り曲げている。このため、アンテナ装置51の更なる小型化を図ることができる。
【0051】
尚、上述した例では、700MHzから6.0GHzの周波数帯に着目して説明を進めている。しかしながら、他の周波数帯に対して上述したアンテナ装置51の構成を適用してもよい。
【0052】
以上説明した実施形態に関して、更に以下の付記を開示する。
【0053】
(付記1)
第1板状アンテナとして動作する第1アンテナ素子部と、
モノポールアンテナ及び前記第1板状アンテナよりもアンテナ長が長い第2板状アンテナとして動作する第2アンテナ素子部と
を備えることを特徴とするアンテナ装置。
【0054】
(付記2)
前記第1アンテナ素子部は、板状の形状を有するアンテナ素子を含んでおり、
前記第2アンテナ素子部は、一部に切り欠きが形成されたループ状の形状を有するアンテナ素子を含んでいることを特徴とする付記1に記載のアンテナ装置。
【0055】
(付記3)
前記第1アンテナ素子部に対する給電を行う給電部と、
前記第2アンテナ素子部と前記給電部とを電気的に接続する第1スイッチと、
前記切り欠きの両端部を電気的に接続する第2スイッチと
を更に備え、
前記第1スイッチにより前記第2アンテナ素子部と前記給電部とが電気的に接続され且つ前記第2スイッチにより前記切り欠きの両端部が電気的に接続されていない場合に、前記第2アンテナ素子部は、前記モノポールアンテナとして動作し、
前記第1スイッチにより前記第2アンテナ素子部と前記給電部とが電気的に接続され且つ前記第2スイッチにより前記切り欠きの両端部が電気的に接続されている場合に、前記第2アンテナ素子部は、前記第2板状アンテナとして動作することを特徴とする付記1又は2に記載のアンテナ装置。
【0056】
(付記4)
前記第1スイッチは、前記第2アンテナ素子部のうち前記切り欠きの一端と前記給電部とを電気的に接続することを特徴とする付記3に記載のアンテナ装置。
【0057】
(付記5)
前記第1アンテナ素子部及び前記第2アンテナ素子部の夫々が形成される基板部を更に備えており、
前記第1アンテナ素子部及び前記第2アンテナ素子部の少なくとも一方は、一又は複数の屈折部を有することで前記基板部上に立体的に形成されていることを特徴とする付記1から4のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【0058】
(付記6)
第1板状アンテナとして動作する第1動作モードと、
モノポールアンテナとして動作する第2動作モードと、
前記第1板状アンテナよりもアンテナ長が長い第2板状アンテナとして動作する第3動作モードと
を切り替えながら動作することを特徴とするアンテナ装置。
【0059】
(付記7)
前記第1動作モードで動作する第1アンテナ素子部と、
前記第2動作モード及び前記第3動作モードで動作する第2アンテナ素子部と
を備えることを特徴とする付記6に記載のアンテナ装置。
【0060】
(付記8)
前記第1アンテナ素子部は、板状の形状を有するアンテナ素子を含んでおり、
前記第2アンテナ素子部は、一部に切り欠きが形成されたループ状の形状を有するアンテナ素子を含んでいることを特徴とする付記7に記載のアンテナ装置。
【0061】
(付記9)
前記第1アンテナ素子部に対する給電を行う給電部と、
前記第2アンテナ素子部と前記給電部とを電気的に接続する第1スイッチと、
前記切り欠きの両端部を電気的に接続する第2スイッチと
を更に備え、
前記第1スイッチにより前記第2アンテナ素子部と前記給電部とが電気的に接続され且つ前記第2スイッチにより前記切り欠きの両端部が電気的に接続されていない場合に、前記第2アンテナ素子部は、前記第2動作モードで動作し、
前記第1スイッチにより前記第2アンテナ素子部と前記給電部とが電気的に接続され且つ前記第2スイッチにより前記切り欠きの両端部が電気的に接続されている場合に、前記第2アンテナ素子部は、前記第3動作モードで動作することを特徴とする付記7又は8に記載のアンテナ装置。
【0062】
(付記10)
前記第1スイッチは、前記第2アンテナ素子部のうち前記切り欠きの一端と前記給電部とを電気的に接続することを特徴とする付記9に記載のアンテナ装置。
【0063】
(付記11)
前記第1アンテナ素子部及び前記第2アンテナ素子部の夫々が形成される基板部を更に備えており、
前記第1アンテナ素子部及び前記第2アンテナ素子部の少なくとも一方は、一又は複数の屈折部を有することで前記基板部上に立体的に形成されていることを特徴とする付記7から10のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【0064】
(付記12)
付記1から11のいずれか一項に記載のアンテナ装置を備えることを特徴とする無線端末。
【0065】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うアンテナ装置及び無線端末もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0066】
1 無線端末
5 回路基板
51 アンテナ装置
511 第1アンテナ素子
512 第2アンテナ素子
514 アンテナ結合用MEMS

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1板状アンテナとして動作する第1アンテナ素子部と、
モノポールアンテナ及び前記第1板状アンテナよりもアンテナ長が長い第2板状アンテナとして動作する第2アンテナ素子部と
を備えることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
前記第1アンテナ素子部は、板状の形状を有するアンテナ素子を含んでおり、
前記第2アンテナ素子部は、一部に切り欠きが形成されたループ状の形状を有するアンテナ素子を含んでいることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記第1アンテナ素子部に対する給電を行う給電部と、
前記第2アンテナ素子部と前記給電部とを電気的に接続する第1スイッチと、
前記切り欠きの両端部を電気的に接続する第2スイッチと
を更に備え、
前記第1スイッチにより前記第2アンテナ素子部と前記給電部とが電気的に接続され且つ前記第2スイッチにより前記切り欠きの両端部が電気的に接続されていない場合に、前記第2アンテナ素子部は、前記モノポールアンテナとして動作し、
前記第1スイッチにより前記第2アンテナ素子部と前記給電部とが電気的に接続され且つ前記第2スイッチにより前記切り欠きの両端部が電気的に接続されている場合に、前記第2アンテナ素子部は、前記第2板状アンテナとして動作することを特徴とする請求項1又は2に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記第1アンテナ素子部及び前記第2アンテナ素子部の夫々が形成される基板部を更に備えており、
前記第1アンテナ素子部及び前記第2アンテナ素子部の少なくとも一方は、一又は複数の屈折部を有することで前記基板部上に立体的に形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のアンテナ装置を備えることを特徴とする無線端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−89978(P2012−89978A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−233389(P2010−233389)
【出願日】平成22年10月18日(2010.10.18)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成22年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、「立体構造新機能集積回路(ドリームチップ)技術開発/多機能高密度三次元集積化技術」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】