説明

アンドロゲンモジュレーター

本発明は、新しい種類のアンドロゲン受容体モジュレーターの発見に関する。本発明の別の態様は、皮脂分泌を減らすため及び毛髪成長を刺激するためのこれらの化合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新しい種類のアンドロゲン受容体モジュレーターの発見に関する。本発明の他の態様は、皮脂分泌を減らすため及び毛髪成長(hair growth)を刺激するためのこれらの化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
脱毛症、すなわちはげは、医科学がまだ解決していない一般的な問題である。アンドロゲンははげと関係があるが、この脱毛が生じる生理学的機構は知られていない。しかしながら、脱毛症に悩む人では毛髪成長が変化することが知られている。
【0003】
毛髪は連続的に成長せず、成長、休止及び脱離(shedding)期間からなる活性サイクルがある。ヒトの頭皮には、一般的に100,000〜350,000本の毛髪繊維すなわち毛幹があり、3つの異なる段階で変態が進行する:
(a) 成長期(アナゲン)の間に毛胞(すなわち毛根)が真皮に深部に入り込み、毛胞の細胞が急速に分裂し、毛髪の主な成分であるケラチン合成過程において分化する。はげてないヒトでは、この成長期は1〜5年持続する;
(b) 移行期(カタゲン)は細胞分裂の停止を特徴とし、2〜3週続き;そして
(c) 休止期(テロゲン)では、頭皮の下から新しい毛胞成長が取って代わるまで多くとも12週間、毛髪が頭皮に保持される。
【0004】
ヒトでは、この成長周期は同時進行することはない。一人の人間にはこれらの3つの期間のそれぞれにおいて何千もの毛胞がある。しかしながら、ほとんどの毛包がアナゲン期にある。健康な若年成人では、アナゲン対テロゲンの比率は、9対1と高くなければならない。脱毛症の人では、この比率は2:1と低くなる。
【0005】
男性型脱毛症(Androgenetic alopecia)は、循環血中の男性ホルモン(androgenic hormones)に対する遺伝的感受性が活性化されて生じる。それが、最も一般的なタイプの脱毛症である。それは、主に白色人種に由来する男性(50%)と女性(30%)に影響を及ぼす。時間が経ち、年齢が高くなるにつれ一部の人では早期に毛幹の幅と長さが徐々に変化するのを経験する。硬毛は、徐々に短かく、か細く、色の抜けた軟毛に変化する。その結果、20代の男性並びに30代及び40代の女性は、毛髪がより細く、より短くなっていることに気付き始める。男性では、ほとんどの脱毛は頭頂で生じる。女性は頭皮全体で薄くなるのを感じる。上で議論したように、アナゲン対テロゲンの比率が有意に減少して毛髪成長が低下する。
【0006】
カリウムチャネル開放剤であるミノキシジルは、毛髪成長を促進する。ミノキシジルは、米国において登録商標RogaineRの下で商業的に入手可能である。ミノキシジルの厳密な作用機構は知られてないが、毛髪成長サイクルにおけるその影響は、十分に実証されている。ミノキシジルは毛包の成長を促進し、毛包がアナゲン期にある期間を増やす(すなわち、アナゲン対テロゲンの比率を高める)。
【0007】
ミノキシジルは毛髪成長を促進するが、この成長の美容上の有効性は、広く変化しうる。例えば、ローニック(Roenigk)は、3%ミノキシジル局所溶液を19ヵ月間使用した83人の男性の臨床試験の結果を報告している。被験者の55%で毛髪成長が生じた。しかしながら、被験者の20%しか美容的に適切な成長であるとみなされなかった(Clin.Res., 33, No. 4, 914A, 1985)。トスティ(Tosti)は、被験者の18.1%で美容的に許容しうる再成長を報告している(Dermatologica, 173, No. 3, 136-138, 1986)。従って、脱毛症の患者において、より高い比率で美容的に許容しうる毛髪成長を生じる能力を有する化合物が当分野で必要とされている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明により、新種のアンドロゲン受容体モジュレーターが発見された。この新しいモジュレーターは、その塩、溶媒和物、水和物及びプロドラッグと共に式I:
【化1】

によって表すことができる。
【0009】
式中:
a) X1はハロゲン、シアノ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、ハロアルコキシ又はハロアルキルを表し、そして
b) X2は水素、ハロゲン、シアノ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、ハロアルコキシ又はハロアルキルを表し、そして
c) Aは以下:
【化2】

に記載されたC6-C10アリール部分を表し、
【0010】
ここにおいて、R1及びR2はそれぞれ独立して
i. 水素、
ii. ハロゲン、
iii. シアノ、
iv. ヒドロキシ、
v. NO2
vi. 場合により置換された(C1-C12)アルキル、
vii. 場合により置換された(C2-C12)アルケニル、
viii. 場合により置換された(C2-C12)アルキニル、
ix. 場合により置換された(C3-C10)シクロアルキル、
x. (C3-C10)シクロアルキル(C1-C6)アルキル、ここにおいてアルキル及びシクロアルキル部分はそれぞれ場合により置換されていてもよく、
xi. 場合により置換された(C6-C10)アリール、
xii. (C6-C10)アリール(C1-C6)アルキル、ここにおいてアルキル及びアリール部分はそれぞれ場合により置換されていてもよく、
xiii. (CH2)z-SR3
xiv. (CH2)z-OR3
xv. (CH2)z-NR3R4
xvi. (CH2)z-COOR3
xvii. (CH2)z-CONR3R4
xviii. (CH2)z-C(O)R3
xix. (CH2)z-NR4COR3、及び
xx. (CH2)zOCOR3
からなる群より選ばれる置換基を表し、
d) zは0〜6の整数を表し、
e) R3は水素、場合により置換された(C1-C12)アルキル、場合により置換された(C2-C12)アルケニル、場合により置換された(C2-C12)アルキニル、場合により置換された(C6-C10)アリール及び(C6-C10)アリール(C1-C6)アルキルからなる群より選ばれる置換基を表し、ここにおいてアルキル及びアリール部分はそれぞれ場合により置換されていてもよく、
f) R4は水素、及び(C1-C12)アルキルからなる群より選ばれる置換基を表し、
g) Y1及びY2はそれぞれ存在しないか又は一緒になって炭素環式環、-(CH2)n(ここにおいてnは3〜8の整数である)を形成する。
【0011】
式Iの化合物は、アンドロゲン受容体モジュレーターである。化合物は、アンドロゲン受容体に対して親和性を有し、受容体に結合して生物学的効果を生じる。典型的に、化合物はアンタゴニストとして作用する。選ばれた実施態様において、それは部分アゴニスト、完全アゴニスト又は組織選択的アゴニストとして作用する。化合物はアンドロゲン受容体モジュレーターとして、アンドロゲン受容体の不適当な活性化に関連する状態を治療又は緩和するのに用いることができる。アンタゴニストにとってのこのような状態の例としては、ざ瘡、皮脂分泌過剰、男性型脱毛症(androgenic alopecia)、ホルモン依存性癌、例えば前立腺癌(prostrate cancer)及び多毛症が含まれるが、これらに限定されるわけではない。部分アゴニスト又は完全アゴニストであるその化合物は、骨粗鬆症、性腺機能低下症、貧血の治療、又は特に消耗病における筋肉量の増加を刺激するのに用いることができる。
【0012】
また、本発明は、アンドロゲン受容体の活性化を調節するために有効量の少なくとも1つの化合物を含んでなる医薬組成物に関する。さらなる実施態様において、本発明は、小売店販売用に包装された少なくとも1つの化合物を含み、アンドロゲン受容体の不適当な活性化に関連する状態を緩和する化合物の使用方法についての消費者への注意書き説明書を備えた製品に関する。さらなる実施態様は、アンドロゲン受容体の不適当な活性化を検出する診断薬としての化合物の使用に関する。
【0013】
さらなる実施態様においては、毛髪成長を誘発及び/又は刺激するため及び/又は脱毛を遅らせるために局所的に化合物を用いる。また、皮脂過剰及び/又はざ瘡の治療において化合物を局所的に用いることができる。
さらなる実施態様においては、ウシ、ブタ、ヒヨコなどのような家畜に化合物を用いることができる。化合物は成長速度を速め、動物における脂肪に対する赤み肉の比率を高め、そして飼料効率を改善する。
【0014】
〔発明の詳述〕
本明細書の冒頭部は、読者に概説するためのものである。それは、本発明又は特許請求の範囲をなんら制限するものとして解釈すべきではない。
【0015】
定義及び実例
特許請求の範囲を含めて、本明細書を通して用いる以下の用語は、特に明記しない限り、下記に定義された意味を有する。
複数及び単数は、数を示したものを除いて、同じ意味で扱わなければならない:
a. ハロゲンは塩素、フッ素又は臭素原子のことである。
b.「C1-C6アルキル」は、1〜6個の炭素原子を含む分枝又は直鎖アルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、ペンチルなどのことである。
【0016】
c.「場合により置換されたC1-C6アルキル」は、1〜6個の炭素原子を含む分枝又は直鎖のアルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、ペンチルなどのことである。このようなアルキル基は場合により置換されていてもよく、その際、6個までの水素原子がハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、チオール、シアノ及びNR3R4(式中、R3及びR4は上記定義された通りである)からなる群より選ばれる置換基によって置換されている。
【0017】
d.「場合により置換されたC1-C12アルキル」は、1〜12個の炭素原子を含む分枝又は直鎖アルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、ヘキシル、オクチル、デシルなどのことである。このようなアルキル基は場合により置換されていてもよく、その際、8個までの水素原子がハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、チオール、シアノ及びNR3R4(式中、R3及びR4は上記定義された通りである)からなる群より選ばれる置換基によって置換されている。
【0018】
e.「場合により置換されたC2-C12アルケニル」は、2〜12個の炭素原子及び1つ又はそれ以上の炭素-炭素二重結合を含む直鎖又は分枝鎖炭化水素基のことである。アルケニル基の例としては、エテニル、プロペニル、1,4-ブタジエニル、1-ヘキセニル、1,3-オクタジエニルなどが含まれる。このようなアルケニル基は場合により置換されていてもよく、その際、8個までの水素原子がハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、チオール、シアノ及びNR3R4(式中、R3及びR4は上記定義された通りである)からなる群より選ばれる置換基によって置換されている。
【0019】
f.「場合により置換されたC2-C12アルキニル」は、2〜12個の炭素原子を含み、そして1つ又はそれ以上の炭素-炭素三重結合を有する直鎖又は分枝鎖炭化水素基のことである。アルキニル基の例としては、エチニル、プロピニル、ブチニル、オクチニルなどが含まれる。このようなアルキニル基は場合により置換されていてもよく、その際、8個までの水素原子がハロゲン、ヒドロキシ、ハロアルキル、チオール、シアノ及び-NR3R4(式中、R3及びR4は上記定義された通りである)からなる群より選ばれる置換基によって置換されている。
【0020】
g.「ハロアルキル」は、少なくとも1個の水素原子がハロゲンで置換された1〜6個の炭素原子を含む分枝又は直鎖アルキル基(すなわちC1-C6ハロアルキル)のことである。適切なハロアルキルの例としては、クロロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1-フルオロ-2-クロロエチル、5フルオロヘキシル、3-フルオロ-イソプロピル、3-クロロ-イソブチルなどが含まれる。
【0021】
h.「1個又はそれ以上のハロゲン原子で置換された(C1-C2)アルキル」は、少なくとも1個の水素原子がハロゲンで置換された1又は2個の炭素原子を含む直鎖アルキル基、すなわちメチル又はエチル(すなわち、例えばトリフルオロメチル、ジクロロメチルなど)のことである。
【0022】
i.「1個又はそれ以上のハロゲン原子で置換された(C1-C2)アルコキシ」は、少なくとも1個の水素原子がハロゲンで置換された1又は2個の炭素原子を含む直鎖アルコキシ基、すなわちメトキシ又はエトキシ(すなわち、例えばトリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシなど)のことである。
【0023】
j.「C1-C6アルコキシ」は、1〜6個の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖アルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、ペントキシなどのことである。
【0024】
k.「ハロアルコキシ」は、少なくとも1個の水素原子がハロゲンで置換された1〜6個の炭素原子を含む分枝又は直鎖アルコキシ基(すなわちC1-C6ハロアルコキシ)のことである。適切なハロアルコキシの例としては、クロロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、1-フルオロ-2-クロロ-エトキシ、5フルオロヘキソキシ、3-ジフルオロ-イソプロポキシ、3-クロロ-イソブトキシなどが含まれる。
【0025】
l. 場合により置換された「(C6-C10)アリール」は、6〜10個の炭素原子を含む環式芳香族炭化水素を意味する。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル及びビフェニルが含まれる。このようなアリール部分は、4個までの非水素置換基で場合により置換されていてもよく、それぞれの置換基はハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、1個又はそれ以上のハロゲンで置換された(C1-C2)アルキル、1個又はそれ以上のハロゲンで置換された(C1-C2)アルコキシ、SR5及びNR5R6からなる群より独立して選ばれる。R5及びR6はそれぞれ独立してC1-C6アルキル又は水素を表す。これらの置換基は同一又は異なっていてもよく、環の化学的に許容されるいずれかの位置にあることができる。
【0026】
m. 場合により置換された「(C3-C10)シクロアルキル」は、飽和又は部分的に飽和の単環式、二環式又は三環式アルキル基のことであり、ここにおいてそれぞれの環式部は3〜10個の炭素原子を有する。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチルなどが含まれる。このようなシクロアルキル基は、場合により置換されていてもよく、その際、4個までの水素原子はハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、1個又はそれ以上のハロゲンで置換された(C1-C2)アルキル、1個又はそれ以上のハロゲンで置換された(C1-C2)アルコキシ、SR5及びNR5R6(式中、R5及びR6は上記定義された通りである)からなる群より選ばれる置換基によって置換される。
【0027】
n. アンドロゲンは、テストステロン及びその前駆体及び代謝物並びに5-アルファ還元されたアンドロゲンのことであり、ジヒドロテストステロンが含まれるが、これに限定されるわけではない。アンドロゲンは、精巣、副腎及び卵巣からのアンドロゲンだけでなく天然、合成及び置換又は修飾された全ての形態のアンドロゲンのことである。
【0028】
o.「医薬上許容しうる」は、哺乳動物に使用するのに適していることを意味する。
p.「塩」は、医薬上許容しうる塩及び化合物の製造のような工業方法に使用するのに適した塩を表すものとする。
q.「医薬上許容しうる塩」は、化合物の実際の構造に応じて「医薬上許容しうる酸加塩」又は「医薬上許容しうる塩基性付加塩」のいずれかを表すものとする。
【0029】
r.「医薬上許容しうる酸付加塩」は、式Iによって表される塩基性化合物又はそのすべての中間体についてのあらゆる非毒性有機又は無機酸付加塩に適用されるものとする。適切な塩を形成する無機酸の例としては、塩酸、臭化水素、硫酸及びリン酸及び酸性金属塩、例えばオルトリン酸一水素ナトリウム、及び硫酸水素カリウムが含まれる。適切な塩を形成する有機酸の例としては、モノ−、ジ−及びトリカルボン酸が含まれる。このような酸の具体例は、例えば酢酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、ケイ皮酸、サリチル酸、2-フェノキシ安息香酸、p-トルエンスルホン酸及びスルホン酸、例えばメタンスルホン酸及び2-ヒドロキシエタンスルホン酸である。このような塩は、水和形態又は実質的に無水形態で存在することができる。一般に、これらの化合物の酸付加塩は水及び種々の親水性有機溶媒に可溶性であり、それらの遊離塩基の形態と比べて一般により高い融点を示す。
【0030】
s.「医薬上許容しうる塩基性付加塩」は、式Iによって表される化合物又はそのすべての中間体についてのあらゆる非毒性有機又は無機塩基性付加塩に適用されるものとする。適切な塩を形成する具体的な塩基としては、アルカリ金属又はアルカリ土金属水酸化物、例えばナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム又はバリウムの水酸化物;アンモニア及び脂肪族、脂環式又は芳香族有機アミン、例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン及びピコリンが含まれる。
【0031】
t.「プロドラッグ」は、例えば血中の加水分解によって生体内で急速に変換されて上記式の親化合物を生じる化合物のことである。詳細な議論は、T. Higuchi and V. Stella,“Pro-drugs as Novel Delivery Systems,”Vol. 14 of the A.C.S. Symposium Series及び Bioreversible Carriers in Drug Design, ed. Edward B. Roche, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987に記載されており、それらはいずれも参照により本明細書に組み込まれている。
【0032】
u.「式Iの化合物」、「本発明の化合物」及び「化合物」は、明細書を通して同じ意味で使用され、同義語として扱わなければならない。
v.「患者」は、例えばモルモット、マウス、ラット、スナネズミ、ネコ、ウサギ、イヌ、サル、チンパンジー、ベニガオザル(stump tail macaque)及びヒトのような温血動物のことである。
w.「治療する」は、患者の疾患(又は状態)又は疾患に伴うなんらかの組織損傷の進行を軽減する、緩和する又は遅らせる化合物の能力のことである。
【0033】
x.「家畜」は、ヒトが食肉消費するのに適した動物のことである。例としては、ブタ、ウシ、ニワトリ、シチメンチョウ、ウサギなどが含まれる。
y.「異性体」は、下記定義されるような「立体異性体」及び「幾何異性体」を意味する。
z.「立体異性体」は、1つ又はそれ以上のキラル中心を有し、それぞれの中心がR又はS配置で存在することができる化合物を意味する。「立体異性体」には全てのジアステレオ異性、鏡像異性及びエピマー形態並びにそのラセミ体及び混合物が含まれる。
aa.「幾何異性体」は、シス、トランス、アンチ、シン、エントゲーゲン(E)及びツザンメン(Z)形態並びにそれらの混合物で存在することができる化合物を意味する。
【0034】
ある種の式(I)の化合物は、幾何異性体として存在することができる。式(I)の化合物は1つ又はそれ以上の不斉中心を有することができ、このため2つ又はそれ以上の立体異性体形態として存在する。本発明は、式(I)の化合物の個々の立体異性体及び幾何異性体の全て及びそれらの混合物の使用を包含する。
【0035】
さらに、式Iの化合物は、非溶媒和形態と同様に水、エタノールなどのような医薬上許容しうる溶媒との溶媒和形態で存在することができる。一般に、溶媒和形態は、本発明の目的では非溶媒和形態と同等であるとみなされる。また、化合物は1つ又はそれ以上の結晶状態、すなわち多形体で存在することができ、又は非晶質固体として存在することができる。全てのこのような形態の使用は、特許請求の範囲によって包含される。
【0036】
式Iの化合物は全てベンゾニトリル部分を含む。さらに本発明を説明するため、この環についての番号付けのシステムとその置換パターンを以下に示す:
【化3】

【0037】
このベンゾニトリルの1位は、上記のようにシアノ部分で置換される。4位は酸素原子で置換されてエーテル部分を形成する。ベンゾニトリルは、X1によって示されるように2、3、5又は6位でハロゲン原子、シアノ基、(C1-C6)アルキル基、(C1-C6)アルコキシ基、ハロアルコキシ部分又はハロアルキル部分により更に置換される。典型的には、2又は6-位に位置するハロゲン又はハロアルキル部分である。より典型的には、ベンゾニトリルの2又は6-位に位置するトリフルオロメチルである。ベンゾニトリルは、X2によって表されるようなハロゲン、シアノ、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、ハロアルコキシ及びハロアルキルからなる群より選ばれる第三の置換基で場合によりさらに置換されていてもよく、それはベンゾニトリルの残りのいずれかの位置にあることができる。
【0038】
アリール部分、Aは式Iに示された酸素原子を経てベンゾニトリルの4-位に結合しており、このためエーテル結合を形成する。Aは上記のようにフェニル又はナフチルを表す。Aがフェニルである場合、それは場合により置換されていてもよい。フェニル環の4個までの水素原子は、R1について上記された非水素置換基の1つで置換されていてもよい。フェニル環の水素原子のうちの2個は、Y1-Y2部分によって示される炭素環式環で場合により置換されていてもよい。この炭素環式環は、フェニル環の(化学的に許容される)いずれか2つの位置に結合することができる。炭素環式環が存在する場合、フェニル環の2個までの水素原子は、(化学的に許容される場合)R1について上記された置換基の1つで置換されていてもよい。Y1-Y2部分が炭素環式環を形成する場合、エーテル結合は、炭素環式環でなくフェニル環に直接結合しなければならない。
【0039】
また、Aはナフチルによって表すことができ、それは場合により置換されていてもよい。それぞれの環からの4個までの水素原子は、化学的に許容される場合、R1及びR2について上記された非水素置換基の1つで置換されていてもよい。
【0040】
本発明のより具体的な実施態様としては、式Iにおいて、以下の通りである式Iの化合物の使用が含まれる:
X1はクロロ又はトリフルオロメチルであり、フェニル環の2-位に位置し、そしてAは上記定義された通りである。
X1はクロロ又はトリフルオロメチルであり、フェニル環の3-位に位置し、そしてAは上記定義された通りである。
X1はC1-C6アルコキシでありフェニル環の2-位に位置し、そして、Aは上記定義された通りである。
X1はクロロ又はトリフルオロメチルであり、そしてフェニル環の2-位に位置し、そしてAはフェニルである。
X1はクロロ又はトリフルオロメチルであり、フェニル環の2-位に位置し、そしてAは、2'-位でC1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6チオアルコキシ、ヒドロキシル、ハロアルキル又はハロゲンにより一置換されたフェニルである。
X1はクロロ又はトリフルオロメチルであり、フェニル環の2-位に位置し、そしてAは、2'-及び6'-位でC1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6チオアルコキシ、ヒドロキシル、ハロアルキル又はハロゲンにより二置換されたフェニルである。
X1はクロロ又はトリフルオロメチルであり、そしてフェニル環の2-位に位置し、そしてAは、2'-位でメチル、メトキシ、チオメトキシ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル又はフルオロにより一置換されたフェニルである。
X1はクロロ又はトリフルオロメチルであり、フェニル環の2-位に位置し、そしてAは、2'-及び6'-位でメチル、メトキシ、チオメトキシ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル又はフルオロにより二置換されたフェニルである。
【0041】
式Iの化合物のより特定的な例としては、
3-クロロ-4-(2-エチルスルファニル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-(2-ニトロ-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(2-メチルスルファニル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-o-トリルオキシ-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-(2-メチルスルファニル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-(2,6-ジフルオロ-5-メチル-フェノキシ)ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-o-トリルオキシ-ベンゾニトリル、
2-(3-クロロ-4-シアノ-フェノキシ)-ベンズアミド、
3-クロロ-4-(2,5-ジメチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-(2-メトキシ-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
4-(2-アリル-6-メチル-フェノキシ)-3-クロロ-ベンゾニトリル、
3-クロロ-(3-ヒドロキシ-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-(3-ヒドロキシメチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-(2-イソプロピル-5-メチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-(2,4,6-トリメチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-(2,4,6-トリメチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-(2-プロピル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-(2-クロロ-4-シアノ-フェノキシ)-N,N-ジエチル-ベンズアミド、
3-クロロ-4-(2-フルオロ-6-メトキシ-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-(2-トリフルオロメチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-(2,4-ジメチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-(2-メトキシ-5-メチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-(2-エチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-(2-エチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-(2,4-ジフルオロ-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-(2,6-ジメトキシ-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-(2-フルオロ-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-m-トリルオキシ-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-(4-フルオロ-2-メトキシ-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-(2-エトキシ-4-メチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
【0042】
2-クロロ-4-(5,6,7,8-テトラヒドロ-ナフタレン-1-イルオキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(2-メトキシ-5-メチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(3-エチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(2-エチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(2,4-ジフルオロ-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(3-メトキシ-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(2,6-ジメトキシ-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(2-イソプロピル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(ナフタレン-1-イルオキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-m-トリルオキシ-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(2-メトキシ-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(インダン-5-イルオキシ)-ベンゾニトリル、
4-(2-アリル-6-メチル-フェノキシ)-2-クロロ-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(2,4-ジメチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-[4-(2-シアノ-エチル)-フェノキシ]-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(2-メトキシ-4-メチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
4-(2-sec-ブチル-フェノキシ)-2-クロロ-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(2-イソプロピル-5-メチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(2,4,6-トリメチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
4-(2-アリル-フェノキシ)-2-クロロ-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(4-フルオロ-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(5-イソプロピル-2-メチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(2,3-ジメトキシ-フェノキシ)- ベンゾニトリル、
4-(3-クロロ-4-シアノ-フェノキシ)-3-メトキシ-安息香酸エチルエステル、
2-クロロ-4-(4-フルオロ-2-メトキシ-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(2-エトキシ-4-メチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(3,4'-ジメチル-ビフェニル-4-イルオキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(2-メチル-4-メチルスルファニル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(4-フルオロ-2-メチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
N-[4-(3-クロロ-4-シアノ-フェノキシ)-フェニル]-ブチルアミド、
【0043】
4-(2-ベンジル-4-メチル-フェノキシ)-2-クロロ-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(2-イソプロポキシ-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
4-(2-ベンジル-4-メチル-フェノキシ)-2-クロロ-ベンゾニトリル、
2-クロロ-(2-シアノ-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-フェノキシ-ベンゾニトリル、
2-クロロ-(4-シアノ-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(2,5-ジメチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
4-(ビフェニル-2-イルオキシ)-2-クロロ-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(2-エトキシ-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-(2-エトキシ-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-(ナフタレン-1-イルオキシ)-ベンゾニトリル、
4-(2-tert-ブチル-4-メチル-フェノキシ)-2-クロロ-ベンゾニトリル、
4-(4-アセチル-2-メトキシ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(4-アセチル-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-エチルスルファニル-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-ニトロ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-メチルスルファニル-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-o-トリルオキシ-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(4-ヒドロキシ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-ヒドロキシ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(3-ヒドロキシ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-ヒドロキシ-4-メチル-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-ヒドロキシ-5-メチル-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-アセチル-3-ヒドロキシ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-メトキシ-4-メチル-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(5-ヒドロキシメチル-2-メトキシ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-アセチル-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-ジエチルアミノメチル-3,6-ジメチル-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-アセチル-4-メトキシ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2,3-ジメトキシ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
【0044】
4-(2-ベンジルオキシ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-エトキシ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(ビフェニル-2-イルオキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-メトキシ-5-メチル-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2,6-ジメトキシ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(ナフタレン-1-イルオキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-メトキシ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2,4-ジメチル-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(4-シアノ-3-トリフルオロメチル-フェノキシ)-フタロニトリル、
2-トリフルオロメチル-4-(2,4,6-トリメチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-トリフルオロメチル-4-(2,4,6-トリメチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
4-(2-プロピル-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-シクロペンチル-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-アリル-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
2-(4-シアノ-3-トリフルオロメチル-フェノキシ)-N,N-ジエチル-ベンズアミド、
4-(2-フルオロ-6-メトキシ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
2-トリフルオロメチル-4-(2-トリフルオロメチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
4-(2-エトキシ-4-メチル-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-イソプロポキシ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-イソプロポキシ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-シアノ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
2-(4-シアノ-3-トリフルオロメチル-フェノキシ)-N-(2-ヒドロキシ-プロピル)-ベンズアミド、
2-(4-シアノ-3-トリフルオロメチル-フェノキシ)-N-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-プロピル)-ベンズアミド、
4-(2,4-ジフルオロ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(3-ヒドロキシ-2-メトキシ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
2-メトキシ-4-o-トリルオキシ-ベンゾニトリル、
4-(2,6-ジフルオロ-3-メチル-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-[4-フルオロ-2-(1-ヒドロキシ-エチル)-フェノキシ]-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-アセチル-4-フルオロ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2,6-ジフルオロ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-[2-(1-アミノエチル)-4-フルオロ-フェノキシ]-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-シアノメトキシ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-(2,6-ジフルオロ-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-メトキシ-4-o-トリルオキシ-ベンゾニトリル及び
2-フルオロ-4-(2-フルオロ-フェノキシ)-ベンゾニトリル
が含まれる。
【0045】
合成
式Iの化合物は、当分野で知られている。それは、エーテルの製造について当分野で知られている方法を用いて製造することができる。このような合成は、欧州特許出願第58932号に記載されている。
【0046】
医学的及び美容的使用
式Iの化合物は、アンドロゲン受容体モジュレーターである。それは、アンドロゲン受容体の不適当な活性化に関連する状態を緩和するために用いることができる。アンドロゲンアンタゴニストとして作用する化合物は、ホルモン依存性癌、例えば前立腺癌、前立腺の良性過形成、ざ瘡、多毛症、過剰皮脂、脱毛症、多毛症、性的早熟症、前立腺肥大(prostamegaly)、男性化及び多嚢胞性卵巣症候群の治療又は緩和に用いることができる。部分アゴニスト又は完全アゴニストとして作用する化合物は、男性性腺機能低下症、男性性機能障害(不能症、男性精子形成障害性不妊症)、性分化異常症(男性半陰陽)、男性思春期遅発症、男性不妊症、再生不良性貧血、溶血性貧血、鎌状赤血球貧血、特発性血小板減少性紫斑病、骨髄線維症、腎性貧血、消耗病(手術後、悪性腫瘍、外傷、慢性腎疾患、火傷又はAIDS誘発性)、女性生殖器の末期癌における疼痛の緩和、手術不能の乳癌、乳腺症、子宮内膜症、女性性機能障害、骨粗鬆症、創傷治癒及び筋組織の修復の治療又は緩和に用いることができる。
【0047】
上記の治療上の性質を示すために、アンドロゲン受容体の活性化を調節するのに十分な量で化合物を投与する必要がある。この量は、治療する特定の疾患/状態、患者の疾患/状態のひどさ、患者、投与する特定の化合物、投与経路、及び患者内の別の潜在的な疾患の存在などに応じて変化しうる。全身的に投与する場合、化合物は、典型的に約0.1mg/kg/日〜約100mg/kg/日の投薬範囲で上記の疾患又は状態のいずれかについてその効果を示す。繰り返し毎日投与することが望ましいが、上記説明した状態により変化する。
【0048】
本発明の化合物は、種々の経路によって投与することができる。経口的に投与することができる。また、化合物は、非経口的(すなわち、皮下、静脈内、筋内、腹腔内又はクモ膜下腔内)、直腸又は局所的に投与することができる。
【0049】
典型的な実施態様においては、化合物を局所的に投与する。局所投与は、多毛症、脱毛症、ざ瘡及び皮脂過剰に特に適している。用量は変化しうるが、一般的な指針として、化合物は約0.01〜50w/w%、より典型的に約0.1〜10w/w%の量で皮膚科学的に許容しうる担体中に存在する。皮膚科学的製剤を毎日1〜4回に患部に適用する。「皮膚科学的に許容しうる」は、皮膚又は毛髪に適用することができ、薬物が作用部位に拡散することができる担体のことである。より詳しくは、アンドロゲン受容体の活性化の阻害が望ましい部位に相当する。
【0050】
さらなる実施態様においては、脱毛症、特に男性型脱毛症を緩和するために化合物を局所的に用いる。アンドロゲンは、毛髪成長及び脱毛の両方に大きい効果を有する。ひげ及び陰部皮膚のようなほとんどの身体部位で、アンドロゲンは、毛周期の成長期(アナゲン)を延長し、毛胞サイズを大きくすることによって毛髪成長を刺激する。頭皮の毛髪成長にはアンドロゲンを必要としないが、これに対してアナゲンの持続期間が段々短くなり、毛包サイズが小さくなる遺伝的にはげやすい人の頭皮のはげ(男性型脱毛症)についてはアンドロゲンが必要である。男性型脱毛症は、男性に見られるパターンを示すよりはむしろ通常びまん性脱毛として現れる女性にも一般的である。
【0051】
化合物は男性型脱毛症の緩和に最も典型的に用いられるが、本発明はこの具体的な状態に限定されるわけではない。化合物は、あらゆるタイプの脱毛症の緩和に用いることができる。非男性型脱毛症の例としては、円形脱毛症、放射線療法又は化学療法による脱毛症、瘢痕性脱毛症、ストレス関連の脱毛症などがある。本明細書に用いる「脱毛症」は、頭皮の部分的な又は完全な脱毛のことである。
【0052】
従って、化合物は、はげることを防止又は緩和するために頭皮及び毛髪に局所的に適用することができる。さらに、化合物は、頭皮上で毛髪の成長を誘発又は促進するために局所的に適用することができる。
【0053】
本発明のさらなる実施態様においては、このような毛髪成長が望ましくない部位における毛髪の成長を防止するために式Iの化合物を局所的に適用する。そのような使用の一つは、多毛症の緩和である。多毛症は、通常毛髪がない部位(すなわち女性の顔面)に過剰の毛髪成長がある。このような不適当な毛髪成長は、女性ではごく一般に生じ、しばしば更年期にみられる。化合物を局所投与することでこの状態を緩和してこの不適当な又は望ましくない毛髪成長が減少する又は排除される。
【0054】
また、化合物を局所的に用いて皮脂産生を減少させることができる。皮脂は、トリグリセリド、ワックスエステル、脂肪酸、ステロールエステル及びスクアレンから構成される。皮脂は皮脂腺の腺房細胞中で産生され、これらの細胞が熟成するにつれ蓄積される。成熟時に、腺房細胞は溶解し、管腔の導管へ皮脂を放出して、皮膚表面上に堆積することができる。
【0055】
人によっては、過剰量の皮脂が皮膚上へ分泌される。これは、多くの有害な結果をもたらしうる。皮脂は、ざ瘡の原因因子であるアクネ桿菌(Propionbacterium acnes)の主要な食料源であるため、ざ瘡を悪化させることがありうる。それによって皮膚が脂ぎった様相を呈するようになり、通常、美容的に見栄えが悪いとみなされる。
【0056】
皮脂の形成は、成長因子及びアンドロゲンを含む種々のホルモンによって調節される。アンドロゲンが皮脂腺に対して影響を及ぼす細胞及び分子機構は十分に解明されていない。しかし、臨床的な経験では、アンドロゲンが皮脂産生において有する影響が実証されている。皮脂産生は、思春期の間、アンドロゲンレベルが最も高い時に有意に増加する。フィナステリドのような抗アンドロゲンは、アンドロゲン分泌を減少させることがわかっている。皮脂産生及び皮膚代謝におけるアンドロゲンの役割におけるさらなる情報については、Moshell et al, Progress in Dermatology, vol. 37, No. 4, Dec. 2003参照。
【0057】
従って、式Iの化合物は皮脂の分泌を阻害し、これによって皮膚表面上で皮脂量を減らす。化合物は、ざ瘡又は脂漏性皮膚炎のような種々の皮膚疾患の治療に用いることができる。
【0058】
また、過剰の皮脂産生に関連する疾患の治療に加えて、美容効果を得るために化合物を用いることができる。かなりの消費者は、彼らが過活動皮脂腺にかかっていると信じている。彼らは皮膚が脂っぽく、そのため見栄えが悪いと感じる。これらの人は式Iの化合物を用いて皮膚上の皮脂量を減らすことができる。皮脂の分泌を減らすことで、このような状態に悩む人の脂っぽい皮膚が緩和される。
【0059】
さらなる実施態様において、部分アゴニスト又は完全アゴニストとして作用するそれらの化合物は、骨粗鬆症の治療又は緩和に用いることができる。骨粗鬆症は、骨吸収(破壊)と骨形成との間の不均衡から生じる骨量の減少を特徴としており、これは40代から始まり、1年当たり約1〜4%の比率で生涯続く(Eastell, Treatment of postmenopausal osteoporosis, New Eng. J. Med. 338: 736, 1998)。米国では、今のところ骨粗鬆症により椎骨の骨折が認められる人が約2千万人いる。さらに、骨粗鬆症による股関節部の骨折が1年につき約250,000件あり、それに伴って最初の2年以内の死亡率が12%-20%であるが、30%の患者は骨折後に療養施設で介護を必要とし、多くは再び十分に歩行できるようにならない。閉経婦人では、エストロゲンの欠陥により、骨吸収が高まり、閉経期のすぐ後では椎骨において1年当たり約5%の骨量が減少する。従って、この状態の第一の治療/予防は、ビスホスホネート、エストロゲン、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)及びカルシトニンによる骨吸収の阻害である。しかしながら、骨吸収の阻害剤は、すでにかなりの骨量が減少した患者について骨量を回復させるには十分でない。ビスホスホネート治療によって得られる脊髄BMDの増加は、アレンドロネートで7年治療した後、11%に達することができる。さらに、骨の代謝回転速度は部位ごとに異なるため、長骨の皮質よりも椎骨の小柱骨でより速く、骨吸収阻害剤は、股関節部のBMDを高めて股関節部の骨折を防止するにはあまり有効ではない。従って、皮質/骨膜の骨形成及び長骨の骨量を高める骨同化剤は、特に股関節部骨折の危険性の高い患者の骨粗鬆症の治療における要求に応えると考えられる。
【0060】
多くの研究は、アンドロゲンが女性及び男性において骨タンパク同化性(osteoanabolic)であることを示している。ナンドロロンデカノエート(nandrolone decanoate)又はスタノゾロールのようなアナボリックステロイドは、閉経婦人において骨量を高めることがわかっている。閉経後の骨粗鬆症の骨におけるアンドロゲンの有益な効果は、テストステロン及びエストロゲンの組み合わせ投与を用いた最近の研究で十分に実証されている(Hofbauer, et al., Androgen effects on bone metabolism: recent progress and controversies, Eur. J. Endocrinol. 140, 271-286, 1999)。従ってアゴニスト又は部分アゴニスト活性を示すこれらの式Iの化合物は、老人性、閉経後及び若年性骨粗鬆症のような原発性骨粗鬆症及び甲状腺機能亢進症又はクッシング症候群(コルチコステロイド治療のため)による骨粗鬆症のような続発性骨粗鬆症を含む骨粗鬆症、末端肥大症、性腺機能低下症、骨形成不全症及び低ホスファターゼ血症の治療又は緩和に用いることができる。アンドロゲンアゴニストで治療される他の骨に関連する回復可能な適応症には、骨粗鬆症の骨折、小児期特発性骨量減少(childhood idiopathic bone loss)、歯槽骨退縮、虚弱下顎骨、骨折、骨切り術、歯周炎、又は補綴の内殖がある。
【0061】
また、アゴニスト又は部分アゴニストとして作用するそれらの化合物は、AIDS、癌悪液質、火傷、腎疾患などのような消耗病に悩む患者において筋肉量の刺激に用いることができる。また、外傷、褥瘡、加齢などに苦しむ患者は、アンドロゲンのアナボリック効果からも恩恵を受けることができる。
【0062】
併用投与
本発明のさらなる実施態様において、式Iの化合物は、さらにその活性を高めるため又は潜在的副作用を最小限にするために他の化合物と併用投与することができる。例えばミノキシジルのようなカリウムチャネル開放剤は、毛髪成長を刺激してアナゲンを誘発することが知られている。他のカリウムチャネル開放剤の例としては、(3S,4R)-3,4-ジヒドロ-4-(2,3-ジヒドロ-2-メチル-3 -オキソピリダジン-6-イル)オキシ-3-ヒドロキシ-6-(3-ヒドロキシフェニル)スルホニル-2,2,3-トリメチル-2H-ベンゾ[b]ピラン、ジアキソジド及びLeo Pharmaceuticalsによって開発中であるP1075がある。このような化合物は、式Iの化合物と併用投与して脱毛症を緩和することができる。
【0063】
また、甲状腺ホルモンは毛髪成長を刺激することが知られている。合成甲状腺ホルモン代替物(すなわちチロミメティック(thyromimetics))も毛髪成長を刺激することがわかっている。このようなチロミメティックは、以前に文献に記載されている。欧州特許出願第1262177号に注目すると、このような化合物及び脱毛症を緩和するためのその使用についての議論が記載されており、その内容は参照により本明細書に組み込まれている。興味深い1つの具体的な化合物は、2-{4-[3-(4-フルオロ-ベンジル)-4-ヒドロキシ-フェノキシ]-3,5-ジメチル-フェニル}−2H-[1,2,4]トリアジン-3,5-ジオンである。このような化合物は、式Iの化合物と併用投与して脱毛症を緩和することができる。
【0064】
抗アンドロゲンは、多くの異なる機構によって作用することができる。例えばいくつかの化合物は、テストステロンから5-アルファ-ジヒドロテストステロンへの変換を阻止し、それは多くの組織における生物学的効果に役割を果たしている。フィナステリドのような5-アルファ-レダクターゼ阻害剤は、毛髪成長を刺激して皮脂産生を減らすことがわかった。フィナステリドは、商品名プロペシア(Propecia(R))としてメルクから商業的に入手可能である。他の5-アルファ-レダクターゼ阻害剤の例としては、デュタステライド(dutasteride) (Glaxo Smithkline)がある。このような化合物は、式Iの化合物と併用投与して脱毛症を緩和する及び/又は皮脂産生を減らすことができる。
【0065】
タンパク質キナーゼC阻害剤は、毛髪成長を刺激してアナゲンを誘発することがわかった。プロテインキナーゼCの選択的阻害剤であるカルフォスチンCは、アナゲンを誘発することがわかった。また、他の選択的タンパク質キナーゼC阻害剤、例えばヘキサデシルホスホコリン、パルミトイル-DL-カルニチンクロリド及び硫酸ポリミキシンBもアナゲンを誘発することがわかった[Skin Pharmacol Appl Skin Physiol 2000 May-Aug;13(3-4): 133-42]。このようなすべてのタンパク質キナーゼC阻害剤は、式Iの化合物と併用投与して脱毛症を緩和することができる。
【0066】
イムノフィリンは、細胞質タンパク質のファミリーである。そのリガンドにはシクロスポリン及びFK506がある。それは真菌に由来し、そして主にその強力な免疫抑制性のために開発された。シクロスポリンはタンパク質シクロフィリンと結合するのに対して、FK506はFK結合タンパク質(FKBP)に結合する。これらの化合物の全ては、毛髪成長を刺激してアナゲンを誘発することがわかった。このようなすべてのイムノフィリンリガンドは、式Iの化合物と併用投与して脱毛症を緩和することができる。
【0067】
アシルCoAコレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤は、最初に血清コレステロール高値の治療について評価された。その後、これらの化合物が皮脂産生を減らすことが発見された(米国特許第6,133,326号)。このようなすべてのACAT阻害剤は、式Iの化合物と併用投与して皮脂産生を減らし、脂っぽい皮膚などを緩和することができる。
【0068】
テトラサイクリン及びクリンダマイシンのような抗生剤は、ざ瘡の緩和に用いられてきた。抗生剤は微生物、アクネ桿菌(Propionbacterium acnes)を根絶して患者のざ瘡を減らす。式Iの化合物は、ざ瘡の治療に適したすべて抗生剤と併用投与することができる。
【0069】
イソトレチノインのようなレチノイドは、皮脂産生を減らすことがわかっており、ざ瘡の治療に用いられる。これらのレチノイドは、皮脂産生を減らす及び/又はざ瘡を治療するために式Iの化合物と併用投与することができる。
【0070】
エストロゲン及びプロゲステロンは、それぞれ皮脂産生を減らすことがわかっている。これらの化合物又はこのような化合物のすべての合成アゴニストは、皮脂産生を減らすために式Iの化合物と併用投与することができる。
【0071】
本明細書に用いる併用投与とは、式Iの化合物を、典型的には異なる作用機構を有する第2の医薬と共に所望の結果を助長する投与処方計画を用いて投与することである。これは、同時に投与すること、1日の間の異なる時間に投与すること、又は異なる日に投与することをも意味し得る。化合物は別々に投与してもよいし、又は単一製剤に組み込むこともできる。このような製剤の製造技術を以下に記載する。
【0072】
製剤
所望により、化合物は、なんらかの担体なしで直接投与することができる。しかしながら、投与を容易にするために、典型的には医薬担体中に処方する。同様に、最も典型的には皮膚科学的な又は美容上の担体中に処方する。本明細書において、用語「皮膚科学的な担体」及び「美容上の」担体は、同じ意味で用いられる。それらは皮膚又は毛髪に直接投与するよう設計された製剤のことである。
【0073】
医薬及び美容上の組成物は、当分野で知られている技術を用いて製造することができる。典型的には、化合物の有効量を、医薬上/美容的に許容しうる担体と混合する。
【0074】
経口投与では、化合物を、固体又は液体製剤、例えばカプセル剤、丸剤、錠剤、ロゼンジ、メルト剤、散剤、懸濁剤又は乳剤に処方することができる。固体単位剤形は、例えば界面活性剤、潤滑剤及び不活性充填剤、例えば乳糖、ショ糖及びコーンスターチを含む通常のゼラチンタイプのカプセル剤であってもよいし、又は徐放性製剤であってもよい。
【0075】
別の実施態様においては、式Iの化合物を慣用の錠剤基剤、例えば乳糖、ショ糖及びコーンスターチと共に、結合剤、例えばアカシア、コーンスターチ又はゼラチン、崩壊剤、例えばジャガイモデンプン又はアルギン酸、及び潤滑剤、例えばステアリン酸又はステアリン酸マグネシウムと組み合わせて錠剤にすることができる。液体製剤は、活性成分を水性又は非水性の医薬上許容しうる溶媒中に溶解することによって製造され、これはまた当分野で知られている懸濁化剤、甘味剤、着香剤及び保存剤を含むことができる。
【0076】
非経口投与では、化合物を生理学上許容しうる医薬担体中に溶解させて溶液又は懸濁液として投与することができる。適切な医薬担体の具体例は、水、生理食塩水、デキストロース溶液、フルクトース溶液、エタノール、又は動物、植物若しくは合成由来の油である。また、医薬担体は、当分野で知られているような保存剤、緩衝液などを含むことができる。また、化合物をクモ膜下腔内に投与する場合、当分野で知られているような脳脊髄液中に溶解することができる。
【0077】
本発明の化合物は、典型的には局所的に投与される。本明細書に用いる局所とは、皮膚及び/又は毛髪に化合物(及び場合により担体)を直接適用することである。本発明の局所組成物は、溶液、ローション剤、軟膏剤(salves)、クリーム、軟膏剤(ointments)、リポソーム、スプレー剤、ゲル、泡剤、ローラースティックの形態、又は皮膚科学において日常的に用いられる他のすべての製剤であることができる。
【0078】
従って、さらなる実施態様は、少なくとも1つの上記式Iに対応する化合物を含む美容又は医薬組成物、特に皮膚科学的組成物に関する。このような皮膚科学的組成物は、皮膚科学的に許容しうる担体との混合物中に化合物0.001%〜10%w/w%、そしてより典型的には化合物0.1〜5w/w%を含む。典型的には、このような組成物を毎日1〜4回適用する。このような製剤の製造方法の議論についてはRemington's Pharmaceutical Science, Edition 17, Mack Publishing Co., Easton, PAを参照のこと。
【0079】
また、本発明の組成物は、クレンジング石鹸又はバーを構成する固体製剤からなることができる。これらの組成物は、通常の方法により製造される。
【0080】
また、化合物は、水性、アルコール性若しくは水性アルコール性溶液の形態で又はクリーム、ゲル、乳剤若しくはムースの形態で又は別法として圧力下で噴射剤をさらに含んでなるエーロゾル組成物の形態で毛髪に用いることができる。また、本発明の組成物は、ヘアケア組成物、そして特にシャンプー、毛髪用ローション剤、処理用ローション剤、スタイリングクリーム又はゲル、色素組成物、脱毛を防止するためのローション剤又はゲルなどであることができる。本発明の皮膚科学的組成物中の種々の成分量は、当分野で慣用的に使用されるものである。
【0081】
本発明の化合物を含んでなる医薬及び化粧品は、通常、小売店での販売(すなわち製品)用に包装される。このような商品は、患者に製品の使用方法を指示するようにラベル表示して包装されている。このような説明書には、治療すべき状態、治療期間、投与スケジュールなどが記載されている。
【0082】
また、式Iの化合物は、なんらかの不活性担体と混合して当分野で知られているような、患者の血清、尿などの中の化合物濃度を測定する実験室アッセイに用いられる。また、化合物は研究手段として用いることができる。
【0083】
家畜における使用
また、上記の治療上及び美容上の使用に加えて、化合物を動物、特に家畜の成長促進に用いることができる。化合物は、動物の体重が増える速度を高め、生成した食肉の低脂肪化をもたらし、飼料利用の効率を改善する。これは、成長を支えるのに十分な栄養(すなわち十分なカロリー、アミノ酸、ビタミン、ミネラル、必須の脂肪など)を摂取している動物に式Iの化合物の有効量を投与することによって実施することができる。
【0084】
投与を簡単にするため、化合物は、典型的には動物の飼料と混合するか、又は動物の飼料と配合できる動物飼料のプレミックス、濃縮物若しくは補給剤の形態で製造される。選択された方法に関係なく、化合物は、典型的に飼料中約0.05〜500ppmの濃度で存在する。
【0085】
動物飼料のプレミックス、補給剤又は濃縮物は、重量基準で化合物0.5〜50%を食用希釈剤約50〜99.5%と混合することによって製造することができる。動物飼料の補給剤、濃縮物及びプレミックスの製造に使用するための適切な希釈剤としては、コーンミール、大豆粉、骨粉、アルファルファミール、綿実油ミール、尿素、モラセス、及び他の類似の物質が含まれる。飼料の補給剤、濃縮物及びプレミックス中の希釈剤の使用は、最終的な飼料中で活性成分が均一に分布するのを助ける。
【0086】
ブタ、ウシ、ヒツジ及びヤギの飼料は、典型的に飼料1トン当たり約0.05〜400グラムの活性成分を含む。家禽及び飼いならされたペットの飼料は、飼料1トン当たり約0.05〜400グラムの範囲である。
【0087】
本発明をその具体的な実施態様に関して記載してきたが、さらなる改変が可能であり、本明細書は、一般に本発明の原理に従い、かつ本発明の分野で知られている又は慣用の実施内にある、本開示から離脱したものを含む本発明のすべての変法、使用又は応用を包含することが理解される。以下の実施例及び生物学データは、本発明をさらに説明するために提示する。この開示は、本発明をなんら制限するものとして解釈すべきではない。
【実施例】
【0088】
実施例1
式Iの化合物は、アンドロゲン受容体と親和性を有する。この親和性は、選択された化合物についてヒト受容体を用いて示した。以下の説明は、アッセイの実施方法を記載する。
競合的結合分析は、バキュロウイルス/Sf9産生hAR抽出物において異なる濃度の試験物質の存在下又は非存在下でトレーサーとして一定濃度の3H-ジヒドロテストステロン(3H-DHT)を用いて実施した。この結合アッセイの方法は、以前に記載されたプロトコール(Liao S., et. al. J. Steroid Biochem. 20:11-17 1984)を改良したものである。簡潔には、化合物の濃度を段階的に減少させてhAR抽出物(Chang et al. P.N.A.S. Vol. 89, pp. 5546-5950, 1992)、ヒドロキシルアパタイト及び1nM 3H-DHTの存在下、40℃で1時間インキュベートした。続いて、結合反応物を3回洗浄して過剰の結合していない3H-DHTを完全に除去した。hAR結合した3H-DHTレベルを化合物の存在下(すなわち競合的結合)で測定し、そして競争相手が存在しない時(すなわち最大結合量)の結合レベルと比較した。hARに対する化合物の結合親和性は、最大結合量の半分が阻害された化合物の濃度として表した。下の表Iは、選択された化合物について得られた結果を記載する(報告したデータは、以下に示すように複数の試験の平均値である)。
【0089】
【表1】

【0090】
【表2】

【0091】
【表3】

【0092】
【表4】

【0093】
【表5】

【0094】
【表6】

【0095】
【表7】

【0096】
【表8】

【0097】
【表9】

【0098】
【表10】

【0099】
【表11】

【0100】
【表12】

【0101】
【表13】

【0102】
【表14】

【0103】
【表15】

【0104】
【表16】

【0105】
実施例2
アンドロゲン受容体上でアンドロゲンの効果と拮抗する化合物の能力をすぐ下に記載したように細胞全体のアッセイで測定した。
ARアンタゴニスト細胞アッセイについての実験手順
細胞系:MDA-MB453-MMTVクローン54-19。この細胞株は、MDA-MB453細胞バックグラウンド(アンドロゲン受容体を発現するヒト乳房腫瘍株)を有する安定なトランスフェクション細胞株である。AREを含有するMMTV最小プロモーターを最初にホタルルシフェラーゼレポーター遺伝子の前にクローニングした。次いで、カスケードをトランスフェクションベクターpUV120puroにクローニングした。MDA-MB-453細胞をトランスフェクションさせる際にエレクトロポレーション方法を用いた。ピューロマイシン耐性の安定な細胞株を選んだ。
【0106】
細胞培地及び試薬:
培地:DMEM(高グルコース,Gibco cat #: 11960-044)、10%FBS、及び1%L-グルタミン
プレート培地:DMEM(フェノールレッドを含まない)、木炭処理された10%HyClone血清、1%L-グルタミン
アッセイ培地:DMEM(フェノールレッドを含まない)、木炭処理された1%HyClone血清、1%L-グルタミン、及び1%ペニシリン/ストレプトマイシン
3Xルシフェラーゼ緩衝液:2%β-メルカプトエタノール、0.6%ATP、細胞溶解緩衝液中0.0135%ルシフェリン
【0107】
アッセイ方法:
1. 細胞を培地中に維持し、80-90%密生に達した時に細胞を分割した。
2. 化合物を試験するため、100μl/穴プレート培地の不透明な96細胞培養プレートに10,000細胞/穴を入れ、細胞培養インキュベーター中37℃で一夜培養した。
3. プレート培地を注意深く取り出し、次いで、予め加温したアッセイ培地80μl/穴を加え、10μl/穴の試験化合物(1000nM、200nM、40nM、8nM、1.6nM及び0.32nMの最終濃度で)を加え、37℃で30分間インキュベートした。
4. 新たに調製したDHT10μl/穴(最終濃度100pM)を各穴に加え、37℃で17時間(一夜)インキュベートした。
5. 3Xルシフェラーゼ緩衝液50μl/穴を加え、室温で5分間インキュベートし、次いでルミノメータ上でカウントした。
【0108】
試験化合物がない場合に100pMのDHTによるバックグラウンドにおける発光量(fold induction)を100%として標準化し、そして実験結果を試験化合物による阻害のパーセンテージとして表した。
結果を下の表IIIに記載した。結果は、後述するように複数の試験の平均値として報告した(試験の数は、脚注に示した)。N.D.は、化合物を試験しなかったことを表す。
【0109】
【表17】

【0110】
【表18】

【0111】
【表19】

【0112】
【表20】

【0113】
【表21】

【0114】
【表22】

【0115】
【表23】

【0116】
【表24】

【0117】
【表25】

【0118】
【表26】

【0119】
【表27】

【0120】
【表28】

【0121】
【表29】

【0122】
【表30】

【0123】
【表31】

【0124】
【表32】

【0125】
実施例3
皮脂産生の阻害についての動物モデル
ルデルシュミット(Luderschmidt)等は、化合物が皮脂分泌を調節できるかどうか試験するための動物モデルを記載している、Arch. Derm. Res. 258, 185-191 (1977)。このモデルでは、耳に皮脂腺がある雄シリアンハムスターを用いる。下の表IIIは、式Iによって記載されたアンドロゲンモジュレーターのいくつかを用いて得た結果をさらに報告する。
皮脂阻害の試験は、以下のやり方で実施した。9〜10週齢の雄シリアンハムスターを実験室環境に入れ、研究に使用する前に2週間順応させた。各群は5匹の動物からなり、賦形剤及び陽性対照と平行して行った。投与前に、十分な量の各化合物を表IIIに特定した賦形剤1mL中に溶解して表IIIに記載された最終濃度にした。
【0126】
1日2回、週に5日、4週間局所的に動物に投薬した。各用量は、賦形剤対照又は薬物25マイクロリットルからなる。左右両耳の腹側に用量を適用した。最後の用量の約18-24時間後に全ての動物を殺した。各動物から右耳を集め、皮脂分析に用いた。
以下のやり方でHPLC分析用に耳を準備した。耳の解剖学的「V」マークのすぐ上8mm遠位のパンチ生検を1つ取り、試料面積を標準化した。パンチしたものを引き離した。腹側生検表面(局所用量を皮脂腺に直接適用した部分)を試験用に取っておき、背側のパンチ生検は捨てた。
組織試料にN2ガスを吹きつけ、HPLC分析まで窒素下-80℃で保存した。耳試料に加えて、それぞれの薬物及び賦形剤(少なくとも250μl)のアリコートもHPLC分析に混入するため-80℃で保存した。
【0127】
HPLC分析は、組織試料の抽出物で実施した。組織試料を溶媒(2,2,4-トリメチルペンタン及びイソプロピルアルコールの4:1混合物)3mlと接触させた。混合物を15分間振盪し、室温で遮光して一夜保存した。翌朝、試料に水1ミリリットルを加え、15分間振盪した。次いで試料を約1500rpmで15分間遠心分離した。有機相(上層)2mlをガラスバイアル瓶に移し、窒素下37℃で約1時間乾燥し、次いで約48時間凍結乾燥した。次いで凍結乾燥器から試料を取り出し、各瓶を溶媒A(トリメチルペンタン/テトラヒドロフラン(99:1)600μlで再構成した。次いで試料に再びキャップを付け、5分間かき混ぜた。
【0128】
次いで、各試料200μlを、予めラベルを貼った200μl HPLCバイアル瓶に200μLガラス瓶の挿入物と共に移した。HPLCバイアル瓶をAgilent 1100シリーズHPLCユニット用のオートサンプラートレーに置いた。Agilent 1100 HPLCシステムは、自動温度制御されたオートサンプラー、クォータナリポンプ、カラムヒーター及びA/Dインターフェイスモジュールから構成される。全ての構成要素は、Agilent ChemStationソフトウェアによって制御した。Waters Spherisorb S3W 4.6x100 mm分析カラムをAgilentカラムヒーターユニットによって30℃に維持した。HPLCオートサンプラーをプログラムして運転中は試料温度を20℃に維持した。
【0129】
各試料10μLをカラムに注射し、同じことを3回行った。溶媒の勾配用に2種の溶媒を用いた。溶媒Aは、トリメチルペンタン及びテトラヒドロフラン(99:1)の混合物であった。溶媒Bは、酢酸エチルであった。用いた勾配を下の表に記載した:
【0130】
【表34】

【0131】
セデックス75エバポレーティブライトスキャッタリングディテクター(Sedex 75 Evaporative Light Scattering Detector (ELSD))をゲイン5、45℃で運転し、N2圧力を3.1バールに維持した。機器によって得られたアナログ信号をアギレント(Agilent) A/Dインターフェイスモジュールに送り、ここでデジタルアウトプットに変換した。変換は10000mAU/ボルトの設定値に基づき、データ速度は10Hz(0.03分)に設定した。次いで、ピーク面積を積分するため、得られたデジタルアウトプットをアギレントケミステーション(Agilent ChemStation)ソフトウエアへ送った。
【0132】
HPLC分析の結果を、下の表IIIに報告した。結果は、賦形剤対照と比較した場合のコレステロールエステル(CE)及びワックスエステル(WE)産生における減少として報告した。負の値は皮脂の増加を示すが、正は減少を示している。
【0133】
【表35】

【0134】
実施例4
男性型脱毛症(Androgenetic alopecia)の動物モデル
先に述べたように、脱毛症は、医科学がかなり力を入れている問題である。あらゆる疾患過程と同様に、科学者が化合物をその潜在的相対的有効性についてスクリーニングできるように動物モデルが開発されている。これらの動物モデルで最も大きい有効性を示す化合物を、ヒトでさらに研究するために考察する。今のところ、脱毛症について2つの異なる動物モデルが開発されている。第1のものはテロゲン変換アッセイであり、雌C3H/HeNマウスを用いる。第2のモデルは、ベニガオザル(スタンプテイルドマカク,stump tail macaque)を用い、これは男性型脱毛症を患っているサルである。
【0135】
テロゲン変換アッセイでは、マウスにおいて毛髪成長サイクルの休止期(「テロゲン」)を毛髪成長サイクルの活動期(「アナゲン」)に変換する化合物の潜在能力を測定する。このアッセイでは、7週齢のC3H/HeNマウスの柔らかい毛(すなわち毛髪)がテロゲン期にあることを利用する。この期間は、生後約75日まで続く。このアッセイでは、マウスの選択された領域を剪毛し、試験薬剤又は対照と接触させ、毛髪成長速度における差を測定する(すなわちアナゲン期の誘発)。アナゲンの第1の徴候は、色の付いた毛髪の産生に備えて毛胞中のメラノサイトがメラニンを合成し始めるにつれて皮膚の色が黒くなることである。このモデルには、多くの利点がある。利点としては、雌CH3HeNマウスが入手しやすいこと、多数の化合物を素早くスクリーニングできること、そしてこのような動物の収容及び取り扱いが容易であることが挙げられる。
【0136】
このモデルの主な欠点は、アンドロゲン依存性がないことである。ヒト禿頭症の厳密な原因はわかっていないが、アンドロゲンが頭皮において毛包の後退を誘発することは十分に実証されている。この青年期後の退行性変化は、男性型禿頭症(mail pattern baldness)(すなわち「男性型脱毛症(androgrnetic alopecia)」)の根本的な原因である。この徴候は、前述のように脱毛症の遺伝形質を受け継いだ男性及び女性の両方で生じる。ヒト頭皮におけるアンドロゲンの効果のより詳細な議論については、Trueb, RM, Molecular Mechanisms of Androgenic Alopecia, Exp. Gerontology, 2002, 27:981-990を参照のこと。
【0137】
研究者らは、毛髪成長がヒトのものと類似している他の動物を探した。そして研究者らは、ベニガオザル(スタンプテイルドマカク)に辿り付いた。この霊長類も、男性型脱毛症を患う。本質的に、両方の性別の青年期を過ぎたすべてのマカク属のサルは、禿頭症を発症する。ヒトにおける男性型禿頭症の発症と同様に、アンドロゲンはマカク禿頭症における不可欠な引き金因子である。前頭の頭髪が薄くなるのは、テストステロンの血清レベルが雄の動物で急激に上昇する時、ほぼ同じ年齢(4年)で現れ始める。雌のテストステロンの上昇は雄レベルのそれの約1/10であるが、雄と雌のベニガオザルの間で禿頭症の発病率及び発病年齢における差はない。抗アンドロゲンを局所適用することで、両方の性別の動物においてこの禿頭症が逆転した(Pan, H J et al, Evaluation of RU58841 as an anti-androgen in prostate PC3 cells and a topical anti-alopecia agent in the bald scalp of stump tailed macaques. Endocrine 1998; 9:39-43)。
【0138】
このモデルは、ヒト禿頭症のモデルとしてテロゲン変換アッセイよりもかなり改善されているが、多くの実際的な欠点がある。マカク属のサルは高価で、比較的珍しく、維持するための労力が大きく、そして試験の間に長いウオッシュアウト期間を必要とする。従って、マカク属のサルは多数の化合物をスクリーニングするための実用的なモデルでない。
【0139】
抗アンドロゲン試験化合物を評価する場合、雄C3H/HeNマウスをテロゲン変換アッセイに用いることができることが発見された。従って、モデルは、既存のテロゲン変換アッセイを改良したものに相当する。約7週齢の雄C3H/HeNマウスを用いた。これらの動物でも、その雌に対応するように一様にテロゲン中にある。しかしながら、一旦剃ると、これらの雄マウス中に本質的に存在するアンドロゲンは、毛包がアナゲン期に変換するのを阻害する。抗アンドロゲンは、このアンドロゲンの効果を阻止し、その雌に対応するように毛胞はアナゲンに変化する。
【0140】
実施例4A
上記の改良されたテロゲン変換アッセイを用いてさらに試験するため、下の表IVに示した化合物を取り上げた。試験は以下のやり方で実施した。
雄C3H/HeNマウス(6〜7週齢)(Charles River Laboratories, Raleigh, NC)を本研究に用いた。本研究の開始前にマウスの背面領域から柔らかい毛を刈り取った。テロゲン期の視覚的な指標である桃色の皮膚のマウスのみを本研究用に選んだ。
試験化合物を表IVに特定した賦形剤に溶解して表IVに記載された濃度にした。1つの試験群(7〜10匹のマウス)のマウスの毛を刈った背面領域に所定の用量を20μl/cm2の容積で局所的に適用した。動物の第2群は、対照として用いる賦形剤のみが適用された。処置は1日2回4週間行った。
【0141】
処置領域を観察し、毛髪成長の徴候について等級付けした。毛髪成長反応は、各動物について、処置した領域で最初に毛髪成長の徴候が現れた日を記録することによって定量化した。アナゲンの最初の徴候は、色の付いた毛髪の産生に備えて毛胞中のメラノサイトがメラニンの合成を開始するにつれて皮膚の色が黒くなることである。少なくとも35日間マウスを観察した。治療群及び賦形剤群の両方について試験動物の50%でアナゲンが開始された日を下の表IVに報告した。
【0142】
【表36】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンドロゲン反応性状態の医薬の製造における、式:
【化1】

の化合物又はその医薬上許容しうる塩の使用。
式中、
a) X1はハロゲン、シアノ、C1-C6アルコキシ、C1-C6アルキル、ハロアルコキシ又はハロアルキルを表し、そして
b) X2は水素、ハロゲン、シアノ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、ハロアルコキシ又はハロアルキルを表し、そして
c) Aは以下:
【化2】

に記載されたC6-C10アリール部分を表し、
ここにおいて、R1及びR2はそれぞれ独立して、
i. 水素、
ii. ハロゲン、
iii. シアノ、
iv. ヒドロキシ、
v. NO2
vi. 場合により置換された(C1-C12)アルキル、
vii. 場合により置換された(C2-C12)アルケニル、
viii. 場合により置換された(C2-C12)アルキニル、
ix. 場合により置換された(C3-C10)シクロアルキル、
x. (C3-C10)シクロアルキル(C1-C6)アルキル、ここにおいてアルキル及びシクロアルキル部分はそれぞれ場合により置換されていてもよく、
xi. 場合により置換された(C6-C10)アリール、
xii. (C6-C10)アリール(C1-C6)アルキル、ここにおいてアルキル及びアリール部分はそれぞれ場合により置換されていてもよく、
xiii. (CH2)z-SR3
xiv. (CH2)z-OR3
xv. (CH2)z-NR3R4
xvi. (CH2)z-C(O)R3
xvii. (CH2)z-COOR3
xviii. (CH2)z-CONR3R4
xix. (CH2)z-N R4COR3、及び
xx. (CH2)zOCOR3
からなる群より選ばれる置換基を表し、
d) zは0〜6の整数を表し、
e) R3は水素、場合により置換された(C1-C12)アルキル、場合により置換された(C2-C12)アルケニル、場合により置換された(C2-C12)アルキニル、場合により置換された(C6-C10)アリール、及び (C6-C10)アリール(C1-C6)アルキルからなる群より選ばれる置換基を表し、ここにおいてアルキル及びアリール部分はそれぞれ場合により置換されていてもよく、
f) R4は水素、及び(C1-C12)アルキルからなる群より選ばれる置換基を表し、
g) Y1及びY2はそれぞれ存在しないか又は一緒になって炭素環式環、-(CH2)n(ここにおいてnは3〜8の整数である)を形成する。
【請求項2】
状態が、ホルモン依存性癌、前立腺の良性過形成、ざ瘡、多毛症、皮脂過剰、脱毛症、月経前症候群、肺癌、性的早熟症、骨粗鬆症、性腺機能低下症、年齢に伴う筋肉量の減少及び貧血からなる群より選ばれる請求項1記載の使用。
【請求項3】
Xがハロゲン又はハロアルキルである請求項1記載の使用。
【請求項4】
Xがクロロ又はトリフルオロメチルであり、2-位に位置する請求項1記載の使用。
【請求項5】
Aが、
【化3】

によって表される請求項1記載の使用。
【請求項6】
状態が脱毛症である請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
状態が皮脂過剰である請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
化合物が、
3-クロロ-4-(2-エチルスルファニル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-(2-ニトロ-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(2-メチルスルファニル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-o-トリルオキシ-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-(2-メチルスルファニル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-(2,6-ジフルオロ-5-メチル-フェノキシ)ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-o-トリルオキシ-ベンゾニトリル、
2-(3-クロロ-4-シアノ-フェノキシ)-ベンズアミド、
3-クロロ-4-(2,5-ジメチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-(2-メトキシ-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
4-(2-アリル-6-メチル-フェノキシ)-3-クロロ-ベンゾニトリル、
3-クロロ-(3-ヒドロキシ-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-(3-ヒドロキシメチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-(2-イソプロピル-5-メチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-(2,4,6-トリメチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-(2,4,6-トリメチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-(2-プロピル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-(2-クロロ-4-シアノ-フェノキシ)-N,N-ジエチル-ベンズアミド、
3-クロロ-4-(2-フルオロ-6-メトキシ-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-(2-トリフルオロメチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-(2,4-ジメチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-(2-メトキシ-5-メチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-(2-エチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-(2-エチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-(2,4-ジフルオロ-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-(2,6-ジメトキシ-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-(2-フルオロ-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-m-トリルオキシ-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-(4-フルオロ-2-メトキシ-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-(2-エトキシ-4-メチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(5,6,7,8-テトラヒドロ-ナフタレン-1-イルオキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(2-メトキシ-5-メチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(3-エチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(2-エチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(2,4-ジフルオロ-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(3-メトキシ-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(2,6-ジメトキシ-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(2-イソプロピル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(ナフタレン-1-イルオキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-m-トリルオキシ-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(2-メトキシ-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(インダン-5-イルオキシ)-ベンゾニトリル、
4-(2-アリル-6-メチル-フェノキシ)-2-クロロ-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(2,4-ジメチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-[4-(2-シアノ-エチル)-フェノキシ]-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(2-メトキシ-4-メチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
4-(2-sec-ブチル-フェノキシ)-2-クロロ-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(2-イソプロピル-5-メチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(2,4,6-トリメチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
4-(2-アリル-フェノキシ)-2-クロロ-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(4-フルオロ-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(5-イソプロピル-2-メチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(2,3-ジメトキシ-フェノキシ)- ベンゾニトリル、
4-(3-クロロ-4-シアノ-フェノキシ)-3-メトキシ-安息香酸エチルエステル、
2-クロロ-4-(4-フルオロ-2-メトキシ-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(2-エトキシ-4-メチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(3,4'-ジメチル-ビフェニル-4-イルオキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(2-メチル-4-メチルスルファニル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(4-フルオロ-2-メチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
N-[4-(3-クロロ-4-シアノ-フェノキシ)-フェニル]-ブチルアミド、
4-(2-ベンジル-4-メチル-フェノキシ)-2-クロロ-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(2-イソプロポキシ-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
4-(2-ベンジル-4-メチル-フェノキシ)-2-クロロ-ベンゾニトリル、
2-クロロ-(2-シアノ-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-フェノキシ-ベンゾニトリル、
2-クロロ-(4-シアノ-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(2,5-ジメチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
4-(ビフェニル-2-イルオキシ)-2-クロロ-ベンゾニトリル、
2-クロロ-4-(2-エトキシ-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-(2-エトキシ-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-(ナフタレン-1-イルオキシ)-ベンゾニトリル、
4-(2-tert-ブチル-4-メチル-フェノキシ)-2-クロロ-ベンゾニトリル、
4-(4-アセチル-2-メトキシ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(4-アセチル-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-エチルスルファニル-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-ニトロ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-メチルスルファニル-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-o-トリルオキシ-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(4-ヒドロキシ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-ヒドロキシ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(3-ヒドロキシ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-ヒドロキシ-4-メチル-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-ヒドロキシ-5-メチル-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-アセチル-3-ヒドロキシ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-メトキシ-4-メチル-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(5-ヒドロキシメチル-2-メトキシ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-アセチル-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-ジエチルアミノメチル-3,6-ジメチル-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-アセチル-4-メトキシ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2,3-ジメトキシ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-ベンジルオキシ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-エトキシ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(ビフェニル-2-イルオキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-メトキシ-5-メチル-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2,6-ジメトキシ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(ナフタレン-1-イルオキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-メトキシ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2,4-ジメチル-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(4-シアノ-3-トリフルオロメチル-フェノキシ)-フタロニトリル、
2-トリフルオロメチル-4-(2,4,6-トリメチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
2-トリフルオロメチル-4-(2,4,6-トリメチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
4-(2-プロピル-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-シクロペンチル-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-アリル-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
2-(4-シアノ-3-トリフルオロメチル-フェノキシ)-N,N-ジエチル-ベンズアミド、
4-(2-フルオロ-6-メトキシ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
2-トリフルオロメチル-4-(2-トリフルオロメチル-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
4-(2-エトキシ-4-メチル-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-イソプロポキシ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-イソプロポキシ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-シアノ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
2-(4-シアノ-3-トリフルオロメチル-フェノキシ)-N-(2-ヒドロキシ-プロピル)-ベンズアミド、
2-(4-シアノ-3-トリフルオロメチル-フェノキシ)-N-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-プロピル)-ベンズアミド、
4-(2,4-ジフルオロ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(3-ヒドロキシ-2-メトキシ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
2-メトキシ-4-o-トリルオキシ-ベンゾニトリル、
4-(2,6-ジフルオロ-3-メチル-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-[4-フルオロ-2-(1-ヒドロキシ-エチル)-フェノキシ]-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-アセチル-4-フルオロ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2,6-ジフルオロ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-[2-(1-アミノエチル)-4-フルオロ-フェノキシ]-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
4-(2-シアノメトキシ-フェノキシ)-2-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル、
3-クロロ-4-(2,6-ジフルオロ-フェノキシ)-ベンゾニトリル、
3-メトキシ-4-o-トリルオキシ-ベンゾニトリル、及び
2-フルオロ-4-(2-フルオロ-フェノキシ)-ベンゾニトリル
からなる群より選ばれる請求項1〜7のいずれか1項に記載の使用。
【請求項9】
式:
【化4】

の化合物又はその医薬上許容しうる塩の有効量を含む医薬組成物。
式中、
a) X1はハロゲン、シアノ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、ハロアルコキシ又はハロアルキルを表し、
b) X2は水素、ハロゲン、シアノ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、ハロアルコキシ又はハロアルキルを表し、そして
b) Aは以下:
【化5】

に記載されたC6-C10アリール部分を表し、
ここにおいて、R1及びR2はそれぞれ独立して、
i. 水素、
ii. ハロゲン、
iii. シアノ、
iv. ヒドロキシ、
v. NO2
vi. 場合により置換された(C1-C12)アルキル、
vii. 場合により置換された(C2-C12)アルケニル、
viii. 場合により置換された(C2-C12)アルキニル、
ix. 場合により置換された(C3-C10)シクロアルキル、
x. (C3-C10)シクロアルキル(C1-C6)アルキル、ここにおいてアルキル及びシクロアルキル部分はそれぞれ場合により置換されていてもよく、
xi. 場合により置換された(C6-C10)アリール、
xii. (C6-C10)アリール(C1-C6)アルキル、ここにおいてアルキル及びアリール部分はそれぞれ場合により置換されていてもよく、
xiii. (CH2)z-SR3
xiv. (CH2)z-OR3
xv. (CH2)z-NR3R4
xvi. (CH2)z-COOR3
xvii. (CH2)z-CONR3R4
xviii. (CH2)z-N R4COR3
xix. (CH2)z-C(O)R3、及び
xx. (CH2)zOCOR3
からなる群より選ばれる置換基を表し、
c) zは0〜6の整数を表し、
d) R3は水素、場合により置換された(C1-C12)アルキル、場合により置換された(C2-C12)アルケニル、場合により置換された(C2-C12)アルキニル、場合により置換された(C6-C10)アリール、及び (C6-C10)アリール (C1-C6)アルキルからなる群より選ばれる置換基を表し、ここにおいてアルキル及びアリール部分はそれぞれ場合により置換されていてもよく、
e) R4は水素、及び (C1-C12)アルキルからなる群より選ばれる置換基を表し、
f) Y1及びY2はそれぞれ存在しないか又は一緒になって炭素環式環、-(CH2)n(ここにおいてnは3〜8の整数である)を形成する。
【請求項10】
式:
【化6】

の化合物又はその医薬上許容しうる塩を家畜に投与することからなる、家畜の成長を促進する方法。
式中、
a) X1はハロゲン、シアノ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、ハロアルコキシ又はハロアルキルを表し、
b) X2は水素、C1-C6 アルキル、ハロゲン、シアノ、C1-C6アルコキシ、ハロアルコキシ又はハロアルキルを表し、そして
b) Aは以下:
【化7】

に記載されたC6-C10アリール部分を表し、
ここにおいて、R1及びR2はそれぞれ独立して、
i. 水素、
ii. ハロゲン、
iii. シアノ、
iv. ヒドロキシ、
v. NO2
vi. 場合により置換された(C1-C12)アルキル、
vii. 場合により置換された(C2-C12)アルケニル、
viii. 場合により置換された(C2-C12)アルキニル、
ix. 場合により置換された(C3-C10)シクロアルキル、
x. (C3-C10) シクロアルキル(C1-C6)アルキル、ここにおいてアルキル及びシクロアルキル部分はそれぞれ場合により置換されていてもよく、
xi. 場合により置換された(C6-C10)アリール、
xii. (C6-C10)アリール (C1-C6)アルキル、ここにおいてアルキル及びアリール部分はそれぞれ場合により置換されていてもよく、
xiii. (CH2)z-SR3
xiv. (CH2)z-OR3
xv. (CH2)z-NR3R4
xvi. (CH2)z-COOR3
xvii. (CH2)z-C(O)R3
xviii. (CH2)z-CONR3R4
xix. (CH2)z-N R4COR3、及び
xx. (CH2)zOCOR3
からなる群より選ばれる置換基を表し、
c) zは0〜6の整数を表し、
d) R3は水素、場合により置換された(C1-C12)アルキル、場合により置換された(C2-C12)アルケニル、場合により置換された(C2-C12)アルキニル、場合により置換された(C6-C10)アリール、及び (C6-C10)アリール (C1-C6)アルキルからなる群より選ばれる置換基を表し、ここにおいてアルキル及びアリール部分はそれぞれ場合により置換されていてもよく、
e) R4は水素、及び (C1-C12)アルキルからなる群より選ばれる置換基を表し、
f) Y1及びY2はそれぞれ存在しないか又は一緒になって炭素環式環、-(CH2)n(ここにおいてnは3〜8の整数である)を形成する。

【公表番号】特表2008−509983(P2008−509983A)
【公表日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−526607(P2007−526607)
【出願日】平成17年8月8日(2005.8.8)
【国際出願番号】PCT/IB2005/002690
【国際公開番号】WO2006/018723
【国際公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(503181266)ワーナー−ランバート カンパニー リミテッド ライアビリティー カンパニー (167)
【Fターム(参考)】