説明

アンドロゲン調節剤

本発明は、新しい種類の4−シクロアルコキシベンゾニトリル、及びアンドロゲン受容体調節剤としてのそれらの使用を対象としている。本発明の他の態様は、皮脂過剰を減少するための、及び体毛増殖を促進するための、それらの化合物の使用を対象としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新しい種類の4−シクロアルコキシベンゾニトリル類、及びアンドロゲン受容体調節剤としてのそれらの使用を対象としている。本発明の別の態様は、皮脂分泌を減少するため、及び体毛増殖を促進するための、それらの化合物の使用を対象としている。
【背景技術】
【0002】
脱毛症、又は、はげることは、医学によって緩和できないでいる普遍的な問題である。アンドロゲンは、はげることに関連があるが、この抜け毛がおこることの生理的な機作は分かっていない。しかしながら、発毛は、脱毛症で悩まされている個人により変わることが知られている。
【0003】
体毛は、連続的に成長するものではなく、成長、休止及び脱落の期間を含む活性サイクルを受けている。ヒトの頭皮は、典型的には、100,000から350,000本の毛髪繊維又は毛幹を有しており、それは3つの異なったステージの変化を受ける:
(a)成長期(発育期)の間に、毛包(即ち、毛根)は、毛髪の主成分である、ケラチンの合成過程において急速に分裂し分化している毛包細胞と共に真皮中に深く貫通する。はげていないヒトにおいては、この成長期は1年から5年続き;
(b)移行期(中間期)は、細胞分裂の休止によって特徴づけられ、2から3週間続き;そして
(c)休止期(テロゲン)、この期間に、毛髪は、頭皮下部から成長する新しい毛包によって置き換わるまで、12週間に至るまで頭皮内に保持される。
【0004】
ヒトにおいては、この成長周期は、同期していない。個人は、これら3つの相のそれぞれにおいて、多数の毛包を有しているであろう。しかし、大部分の毛包は、発育期にあるであろう。健康な若年成人においては、発育期と休止期の比は9:1より高くなり得る。脱毛症の個人においては、この比は2:1程にも低くなる。
【0005】
アンドロゲン性脱毛症は、循環中の雄性ホルモンに対する遺伝性感受性の活性化に起因する。それは最も一般的な脱毛症の型である。主として白色人種由来の男性(50%)及び女性(30%)の両者に影響を与える。毛幹の巾及び長さにおける徐々の変化が、長期間にわたりそして加齢と共にある程度時期を早めて経験される。硬毛が徐々に短い、細い、白い軟毛に変化する。その結果、男性は20代に、女性は30代及び40代に、かれらの髪の毛がより細かくそして短くなるのに気づき始める。男性においては、大部分の脱毛は、頭頂部に起こる。女性は、頭皮全体にわたって薄くなるのを経験する。上記で考察したように、成長期と休止期の比が顕著に減少し、発毛の減少をもたらす。
【0006】
カリウムチャンネル開口薬である、ミノキシジルは、発毛を促進する。ミノキシジルは、登録商標ロゲイン(登録商標)の名で米国で市販されている。ミノキシジルの正確な作用機作は知られていないが、その毛周期に対する効果は十分に立証されている。ミノキシジルは、毛包の発育を促進し、毛包が発育期にある期間を増加させる(即ち、発育期対休止期の比を増加する)。
【0007】
ミノキシジルは、毛髪成長を促進するが、この成長の美容効果は、広範に変化し得る。例えば、Roenigkは、ミノキシジルの3%局所溶液を19ヵ月間使用した男性83名を含む臨床治験の結果を報告している。毛髪の成長は、対象の55%で起こった。しかし、対象の20%のみが、美容用に該当する成長であると考えられただけであった。(Clin. Res., 33, No.4, 914A, 1985)。Tostiは、対象の18.1%において、美容用として許容さ
れる再成長であったと報告している。(Dermatologica, 173, No.3, 136-138, 1986)。それ故、脱毛症の患者において美容のために許容される、より高率に毛髪成長を生み出す能力を有する化合物に対する需要が、技術的に存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明に従って、新しい種類の4−シクロアルコキシベンゾニトリルが発見されている。これらの化合物、それらの塩、溶媒和物及びそれらのプロドラッグは、以下の式I:
【化1】

ここで、
a)X1は、ハロゲン、シアノ、(C1−C6)アルコキシ、ハロアルコキシ又はハロアルキルで表され;そして、
b)Aは、以下に示すシクロアルキル又はシクロアルケニル環:
【化2】

で表され;
c)n、m及びpは、それぞれ独立に、1から8までの整数で表され;
d)記号Uは、1つ又はそれ以上の炭素−炭素二重結合の任意の存在を示し;
【0009】
e)R1、R1'及びR2は、
i)水素;
ii)ハロゲン;
iii)シアノ;
iv)ヒドロキシ;
v)場合により置換される(C1−C12)アルキル;
vi)場合により置換される(C2−C12)アルケニル;
vii)場合により置換される(C2−C12)アルキニル;
viii)場合により置換される(C3−C10)シクロアルキル;
ix)(C3−C10)シクロアルキル(C1−C6)アルキル、ここで、アルキル及びシクロアルキル部分は、それぞれ場合により置換されてもよい;
x)場合により置換される(C6−C10)アリール;
xi)(C6−C10)アリール(C1−C6)アルキル、ここで、アルキル及びアリール部分は、それぞれ場合により置換されてもよい;
xii)(CH2)z−SR3
xiii)(CH2)z−OR3
xiv)(CH2)z−NR34
xv)(CH2)z−COOR3
xvi)(CH2)z−CONR3
xvii)(CH2)z−NCOR3;及び
xviii)(CH2)zOCOR3
から成るグループから選択される置換基で、それぞれ独立に表され;
f)zは、0から6の整数で表され;
g)R3は、水素、(C1−C12)アルキル、(C2−C12)アルケニル、(C2−C12)アルキニル、場合により置換される(C6−C10)アリール及び(C6−C10)アリール(C1−C6)アルキルから成るグループから選択される置換基で表され、ここで、アルキル及びアリール部分は、それぞれ場合により置換されてもよく;
h)R4は、水素及び(C1−C12)アルキルから成るグループから選択される置換基で表される;
で表すことができる。
【0010】
式Iの化合物は、アンドロゲン受容体調節剤である。これらの化合物は、アンドロゲン受容体に対して親和性を有し、その受容体に結合することによって生物学的効果をもたらすであろう。典型的には、化合物は、拮抗薬として作用するであろう。選択された実施態様において、それらは部分アゴニスト、完全アゴニスト、又は組織選択的アゴニストとして作用するであろう。アンドロゲン受容体調節剤として、本化合物は、アンドロゲン受容体の不適切な活性化に関連する疾患を治療する、又は緩和するために使用することができる。拮抗薬に対するそのような疾患の例としては、限定されないが、座瘡、皮脂過剰分泌、アンドロゲン性脱毛症、前立腺癌のようなホルモン依存性癌、及び男性型多毛症を包含する。部分アゴニスト又は完全アゴニストであるこれらの化合物は、骨粗鬆症、性腺機能低下症、貧血症の治療に、又は筋肉量増加、特に消耗病における筋肉量の増加を促進するために使用することができる。
【0011】
本発明は、又、アンドロゲン受容体の活性化を調節するのに有効な量で、少なくとも1つの本化合物を含有する医薬組成物を対象としている。更なる実施態様において、本発明は、アンドロゲン受容体の不適切な活性化に関連する疾患を緩和するために、本化合物をどのようにして使用するかについて、消費者にアドバイスする指示書と一緒に、小売流通用に包装された、少なくとも1つの本化合物を含有する製品を対象としている。更なる実施態様は、アンドロゲン受容体の不適切な活性化を検出する診断試薬としての、本化合物の使用を対象としている。
【0012】
更なる実施態様において、本化合物は、体毛成長を誘導及び/又は促進するために、及び/又は脱毛を遅らせるために局所的に使用される。本化合物は、又、皮脂過剰及び/又は座瘡の治療において、局所的に使用してもよい。
【0013】
更なる実施態様において、本化合物は、ウシ、ブタ、ニワトリ、魚等のような家畜類において使用することができる。本化合物は、成長速度を増加するであろうし、動物において脂肪に対する赤身肉の比率を増加させ、そして飼料効率を改善するであろう。
【0014】
この明細書内の見出し項目は、読者によりその概説を早めるためにのみ活用されるべきものである。それらは、決して、本発明又は特許請求の範囲を限定するものとして解釈するべきではない。
【0015】
定義及び例示
特許請求の範囲を含む本出願の全体を通じて使用されている以下の用語は、特に他に指示のない限り以下に定義される意味を有する。単数及び複数は、数が指示されていない場合、互換性のあるものとして処理すべきである。
【0016】
a.「ハロゲン」は、塩素、フッ素又は臭素原子を意味する。
b.「(C1−C6)アルキル」は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、ペンチル等の、1〜6個の炭素原子を含む分枝鎖状又は直鎖状のアルキル基を意味する。
c.「場合により置換される(C1−C6)アルキル」は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、ペンチル等の、1〜6個の炭素原子を含む分枝鎖状又は直鎖状のアルキル基を意味する。その様なアルキル基は、場合により置換されても良く、ここで、6個までの水素原子が、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、チオール、シアノ及びNR34から成るグループから選択される置換基で置換され、ここで、R3及びR4は、上記で定義した通りである。
【0017】
d.「場合により置換される(C1−C12)アルキル」は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、ヘキシル、オクチル、デシル等の、1〜12個の炭素原子を含む分枝鎖状又は直鎖状のアルキル基を意味する。その様なアルキル基は、場合により置換されても良く、ここで、8個までの水素原子が、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、チオール、シアノ及びNR34から成るグループから選択される置換基で置換され、ここで、R3及びR4は、上記で定義した通りである。
【0018】
e.「場合により置換される(C2−C12)アルケニル」は、2〜12個の炭素原子及び1つ又はそれ以上の炭素−炭素二重結合を含む、直鎖状又は分枝鎖状の炭化水素基を意味する。アルケニル基の例としては、エテニル、プロペニル、1,4−ブタジエニル、1−ヘキセニル、1,3−オクタジエニル等が挙げられる。その様なアルケニル基は場合により置換されても良く、ここで、8個までの水素原子が、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、チオール、シアノ及びNR34から成るグループから選択される置換基で置換され、ここで、R3及びR4は、上記で定義した通りである。
【0019】
f.「場合により置換される(C2−C12)アルキニル」は、2〜12個の炭素原子を含み、そして、1つ又はそれ以上の炭素−炭素三重結合を含む、直鎖状又は分枝鎖状の炭化水素基を意味する。アルキニル基の例としては、エチニル、プロプニル、ブチニル、オクチニル等が挙げられる。その様なアルキニル基は場合により置換されても良く、ここで、8個までの水素原子が、ハロゲン、ヒドロキシ、ハロアルキル、チオール、シアノ及びNR34から成るグループから選択される置換基で置換され、ここで、R3及びR4は、上記で定義した通りである。
【0020】
g.「ハロアルキル」は、1〜6個の炭素原子を含む分枝鎖状又は直鎖状の炭化水素基を意味し、ここで、少なくとも1つの水素原子がハロゲンで置換される(即ち、(C1−C6)ハロアルキル)。好適なハルアルキルの例としては、クロロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1−フルオロ−2−クロロ−エチル、5−フルオロ−ヘキシル、3−ジフルオロ−イソプロピル、3−クロロ−イソブチル等が挙げられる。
【0021】
h.「1つ又はそれ以上のハロゲン原子で置換される(C1−C2)アルキル」は、1個又は2個の炭素原子を含む直鎖状のアルキル基、即ち、メチル又はエチルであり、ここで、少なくとも1つの水素原子がハロゲンで置換されている基(即ち、例えば、トリフルオロメチル、ジクロロメチル等)を意味する。
【0022】
i.「1つ又はそれ以上のハロゲン原子で置換される(C1−C2)アルコキシ」は、1個又は2個の炭素原子を含む直鎖状のアルコキシ基、即ち、メトキシ又はエトキシであり、ここで、少なくとも1つの水素原子がハロゲンで置換されている基(即ち、例えば、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ等)を意味する。
【0023】
j.「(C1−C6)アルコキシ」は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、ペントキシ等の1〜6個の炭素原子を含む直鎖状又は分枝鎖状のアルコキシ基を意味する。
【0024】
k.「ハロアルコキシ」は、1〜6個の炭素原子を含む分枝鎖状又は直鎖状のアルコキシ基であり、ここで、少なくとも1つの水素原子がハロゲンで置換されている(即ち、(C1−C6)ハロアルコキシ)基を意味する。好適なハロアルキル基の例としては、クロロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、1−フルオロ−2−クロロ−エトキシ、5−フルオロ−ヘキソキシ、3−ジフルオロ−イソプロポキシ、3−クロロ−イソブトキシ等が挙げられる。
【0025】
l.場合により置換される「(C6−C10)アリール」は、6〜10個の炭素原子を含む環状の芳香族炭化水素基を意味する。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル及びビフェニルが挙げられる。その様なアリール部分は、場合により4個までの非水素置換基で置換され、それぞれの置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、1つ又はそれ以上のハロゲンで置換される(C1−C2)アルキル、1つ又はそれ以上のハロゲンで置換される(C1−C2)アルコキシ、SR5及びNR56から成るグループから独立に選択される。R5及びR6は、それぞれ独立に、(C1−C6)アルキル又は水素で表される。これらの置換基は同一でも、異なっても良く、そして、化学的に許容される環の如何なる位置に存在してもよい。
【0026】
m.場合により置換される「(C3−C10)シクロアルキル」は、飽和又は部分飽和の単環、二環又は三環基を意味し、ここで、それぞれの環状部分は、3〜10個の炭素原子を有する。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル等が挙げられる。その様なシクロアルキル基は、場合により置換されても良く、ここで、4個までの水素原子が、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、1つ又はそれ以上のハロゲンで置換される(C1−C2)アルキル、1つ又はそれ以上のハロゲンで置換される(C1−C2)アルコキシ、SR5及びNR56から成るグループから選択される置換基で置換され、ここで、R5及びR6は、上記で定義した通りである。
【0027】
n.「アンドロゲン」は、テストステロン及びその前駆体及び代謝産物、並びに限定はされないがジヒドロテストステロンを包含する5−α還元アンドロゲンを表す。アンドロゲンは、精巣、副腎、及び卵巣由来のアンドロゲン、並びに天然、合成及び置換又は修飾アンドロゲンのあらゆる形態を表す。
【0028】
o.「薬学的に許容される」は、哺乳類における使用に適していることを意味する。
p.「塩」は、薬学的に許容される塩、及び化合物の製造等の工業的方法における使用に好適な塩をいうことを意図している。
q.「薬学的に許容される塩」は、化合物の実際の構造に依存して、「薬学的に許容される酸付加塩」又は「薬学的に許容される塩基付加塩」をいうことを意図している。
【0029】
r.「薬学的に許容される酸付加塩」は、式Iで表される塩基性化合物又はその中間体の、非毒性の有機又は無機酸付加塩に適用することを意図している。好適な塩を形成する
無機酸の実例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸及びリン酸、並びにオルトリン酸一水素ナトリウム及び硫酸水素カリウムの様な酸金属塩が挙げられる。好適な塩を形成する有機酸の実例としては、モノ、ジ及びトリカルボン酸が挙げられる。その様な酸の実例としては、例えば、酢酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、安息香酸、ヒドロキシ−安息香酸、フェニル酢酸、ケイ皮酸、サリチル酸、2−フェノキシ安息香酸、p−トルエンスルホン酸並びにメタンスルホン酸及び2−ヒドロキシエタンスルホン酸の様なスルホン酸が挙げられる。その様な塩は、水和物としても、又は、実質的に無水物の形態としても存在可能である。一般的には、これらの化合物の酸付加塩は、水及び種々の親水性有機溶媒に可溶であり、そして、遊離の塩基形態と比較して一般的にはより高い融点を示す。
【0030】
s.「薬学的に許容される塩基付加塩」としては、式Iで表される化合物又はその中間体の、非毒性の有機又は無機塩基付加塩に適用することを意図している。好適な塩を形成する塩基の実例としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム又はバリウムの水酸化物等、アルカリ金属、又はアルカリ土類金属の水酸化物;アンモニア及びメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン及びピコリン等の脂肪族、脂環式又は芳香族有機アミンが挙げられる。
【0031】
t.「プロドラッグ」は、生体内で急速に変換して、例えば、血液中における加水分解により、上記式の親化合物を生成する化合物をいう。完璧な考察は、T. Higuchi and V. Stella,“Pro-drugs as Novel Delivery Systems,”Vol.14 of the A.C.S. Symposium Series及び Bioreversible Carriers in Drug Design, ed. Edward B. Roche, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987に提供される。双方の文献は、参照により本明細書に組み入れられている。
【0032】
u.「式Iの化合物」、「本発明の化合物」及び「化合物」は、本出願の全体を通じて互換性のあるものとして使われており、同意語として取り扱うべきである。
v.「患者」は、例えば、モルモット、マウス、ラット、スナネズミ、ネコ、ウサギ、イヌ、サル、チンパンジー、ベニガオザル、及びヒトのような温血動物をいう。
【0033】
w.「治療する」は、患者の疾病(又は疾患)又は疾病に関連する組織障害の進行を取り除く、緩和する、又は遅らせることのいずれかの化合物の能力をいう。
x.「家畜」は、ヒトが肉を消費するのに適した動物をいう。例としては、ブタ、ウシ、ニワトリ、魚、シチメンチョウ、ウサギ等が挙げられる。
【0034】
y.「異性体」は、以下で定義する「立体異性体」及び「幾何異性体」を意味する。
z.「立体異性体」は、1つ又はそれ以上のキラル中心を有する化合物を意味し、それぞれの中心は、R又はS配位として存在することができる。立体異性体としては、全てのジアステレオマー、エナンチオマー及びエピマーのみならず、ラセミ体及びそれらの混合物を包含する。
【0035】
aa.「幾何異性体」には、cis、trans、anti、entgegen(E)及びzusammen(Z)のみならず、それらの混合物として存在することができる化合物を意味する。
【0036】
式(I)のある種の化合物には、幾何異性体が存在してもよい。式(I)の化合物は、1つ又はそれ以上の不斉中心を含むことができ、それ故、2つ又はそれ以上の立体異性体が存在する。本発明は、式(I)の化合物の全ての個々の立体異性体及び幾何異性体並びにそれらの混合物を包含する。
【0037】
更に、本発明の化合物は、非溶媒和物のみならず、水、エタノール等の薬学的に許容可能な溶媒との溶媒和物としても存在することができる。一般的には、溶媒和物は、本発明の目的のためには非溶媒和物と同等とみなされる。化合物は、又、1つ又はそれ以上の結晶形態で、即ち、多形で存在し、又は、それらは、非晶性固体として存在することができる。全てのその様な形態は、特許請求の範囲に包含される。
【0038】
全ての式Iの化合物は、フェニル環を含む。本発明を更に例示するために、この環及びその置換形式のためのナンバリングシステムは、以下に示される。
【化3】

【0039】
このフェニル環における1位は、上記で示す様にシアノ部分で置換されている。4位は、エーテル部分を形成する酸素原子で置換されている。フェニル環は、X1で示す様に、2又は3位において、ハロゲン原子、シアノ基、(C1−C6)アルコキシ基、ハロアルコキシ部分又はハロアルキル部分で更に置換されるであろう。典型的には、それは2位に位置するハロゲン又はハロアルキルであろう。より典型的には、それは、フェニル環の2位に位置するトリフルオロメチルであろう。
【0040】
式Iの全ての化合物は、式IにおけるAで表される、シクロアルキル又はシクロアルケニル部分(以後、まとめて「シクロアルキル」と称す)を含む。このシクロアルキル部分は、環(i)で表される単環を含むことができる。この環は3〜10個の炭素原子を含む(即ち、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノナニル又はシクロデシル)。このシクロアルキル部分の6個までの水素原子は、R1、R1'又はR2(もし化学的に許容されるならば)として上記で列挙した置換基の1つで置換されてもよい。これらの置換基は同一でも異なってもよい。それらは同一の炭素原子又は異なった炭素原子に位置してもよい。
【0041】
1つ又はそれ以上の炭素−炭素二重結合を、このシクロアルキル環に導入して、それによりシクロアルケニル環に変換してもよい。許容できる二重結合の数は、環のサイズで変わり、環に芳香族性を導入するには、十分な量ではない。例えば、シクロペンチル環は、ただ1つの炭素−炭素二重結合を含んでもよいのに対して、シクロへキシル環は、場合により、1つ又は2つの炭素−炭素二重結合を含んでもよい。二重結合は、(化学的に許容可能であれば)環のいかなる位置にも存在し得る。
【0042】
Aは、又、上記のビシクロ環の1つを表すことができる。環は、スピロ(1つの共通原子を共有、環iiを参照)、縮合(1つの共通結合を共有、環iiiを参照)又は橋かけ(環ivを参照)であってもよい。個々の環は3〜10個の炭素原子を含んでもよい(即ち、上記で説明したシクロプロピルからシクロデシル)。それぞれの環における炭素原子数は、同一でも、異なってもよい。個々の環の6個までの水素原子は、直ぐ上で説明した様に、R1、R1'及びR2(もし化学的に許容されるなら)として上記で列挙した置換基の1つで置換されてもよい。これらの環のそれぞれは、直ぐ上で説明した様に、1つ又はそれ以上の炭素−炭素二重結合を含んでいてもよい。
【0043】
本発明のより具体的な実施態様は、式Iの化合物であって、ここで、
i)X1は、クロロ又はトリフルオロメチルであり、そして、フェニル環の2位に位置し、Aは上記で定義した通りである;
ii)X1は、クロロ又はトリフルオロメチルであり、そして、フェニル環の2位に位置し、Aは環(i)で表され、n及びR1は、上記で定義した通りである;
iii)X1は、クロロ又はトリフルオロメチルであり、そして、フェニル環の2位に位置し、Aは、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルであり、そして、R1は上記で定義した通りである;
iv)X1は、クロロ又はトリフルオロメチルであり、そして、フェニル環の2位に位置し、Aは、シクロペンチル又はシクロヘキシルで表され、そして、R1は、水素、シアノ、(C1−C12)アルキル、(C1−C12)アルケニル、ヒドロキシ及び(C1−C6)アルコキシから成るグループから選択される置換基である;
v)X1は、クロロであり、そして、フェニル環の2位に位置し、Aは、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルで表され、そして、R1は、水素、ヒドロキシ、シアノ、メチル、エチル及びメトキシから成るグループから選択される置換基である;
vi)X1は、メトキシであり、そして、フェニル環の2位に位置し、Aは、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルで表され、そして、R1は、水素、ヒドロキシ、シアノ、メチル、エチル及びメトキシから成るグループから選択される置換基である;
vii)X1は、トリフルオロメチルであり、そして、フェニル環の2位に位置し、Aは、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルで表され、そして、R1は、水素、ヒドロキシ、シアノ、メチル、エチル及びメトキシから成るグループから選択される置換基である;
化合物を包含する。
【0044】
式Iで表される化合物のより具体的な例としては:
i)4−(5−ヒドロキシ−5−メチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタ−2−イルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
ii)4−(2−メチル−シクロペンチルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
iii)4−シクロヘキシルオキシ−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
iv)4−(1−アリル−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
v)4−シクロヘプチルオキシ−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
vi)4−(2,3−ジメチル−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
vii)4−(2−エチル−シクロヘキシルオキシ)− 2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
viii)4−(2−メチル−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
ix)4−シクロペンチルオキシ−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
x)4−(2,6−ジメチル−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
【0045】
xi)4−(5−イソプロペニル−2−メチルシクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
xii)4−(5−イソプロペニル−2−メチル−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
xiii)4−(2−シアノ−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
xiv)4−(3−メトキシ−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
xv)4−(3−メチル−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
xvi)4−(シクロブチルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
xvii)2−クロロ−4−(5−ヒドロキシ−5−メチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタ−2−イルオキシ)−ベンゾニトリル;
xviii)2−クロロ−4−(2,3−ジメチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
xix)4−(1−ブチル−シクロペンチルオキシ)−2−クロロ−ベンゾニトリル;
xx)2−クロロ−4−(2−エチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
【0046】
xxi)2−クロロ−4−(3−メチル−シクロペンチルオキシ)−ベンゾニトリル;
xxii)4−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタ−2−イルオキシ)−2−クロロ−ベンゾニトリル;
xxiii)2−クロロ−4−(3−ヒドロキシ−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
xxiv)2−クロロ−4−(2−エチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
xxv)2−クロロ−4−(2−メチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
xxvi)2−クロロ−4−(2−フェニル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
xxvii)2−クロロ−4−(4−メチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
xxviii)2−クロロ−4−(2−メトキシ−シクロペンチルオキシ)−ベンゾニトリル;
xxix)2−クロロ−4−(2−メトキシ−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
【0047】
xxx)4−(2−アリルオキシ−シクロペンチルオキシ)−2−クロロ−ベンゾニトリ
ル;
xxxi)3−クロロ−4−(2−メトキシ−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
xxxii)3−クロロ−4−(3,3,5,5−テトラメチル−シクロヘキシル)−ベンゾニトリル;
xxxiii)3−クロロ−4−シクロヘプチルオキシ−ベンゾニトリル;
xxxiv)2−クロロ−4−シクロヘキシルオキシ−ベンゾニトリル;
xxxv)2−クロロ−4−シクロペンチルオキシ−ベンゾニトリル;
xxxvi)2−クロロ−4−(2−イソプロピル−5−メチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
xxxvii)2−クロロ−4−(3−メチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
xxxviii)2−クロロ−4−(5−イソプロペニル−2−メチルシクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
xxxix)2−クロロ−4−(2−シアノ−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
xl)2−クロロ−4−(3,4−ジメチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
【0048】
xli)2−クロロ−4−(2,3−ジメチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
xlii)2−クロロ−4−(2,6−ジメチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
xliii)3−クロロ−4−(4−メチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
xliv)2−クロロ−4−(2−フェニル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
xlv)3−クロロ−4−(4−メチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
xlvi)2−クロロ−4−(2−イソプロピル−5−メチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
xlvii)4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イルオキシ)−2−クロロ−ベンゾ
ニトリル;
xlviii)3−クロロ−4−(2,3−ジメチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
xlix)2−クロロ−4−(3,5−ジメチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
l)3−クロロ−4−(2−メチル−シクロペンチルオキシ)−ベンゾニトリル
【0049】
li)2−クロロ−4−(2−メチル−シクロペンチルオキシ)−ベンゾニトリル;
lii)2−クロロ−4−シクロブチルオキシ−ベンゾニトリル;
liii)4−(2−エトキシ−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
liv)4−(2−メトキシ−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
lv)2−クロロ−4−(3−ヒドロキシ−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
lvi)4−(2−アリルオキシ−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
lvii)4−(2−シアノ−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
lviii)(trans)−(+)−4−(2−シアノ−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;及び、
lix)(trans)−(−)−4−(2−シアノ−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
が挙げられる。
【0050】
合成
式Iの化合物は、エーテル類の製造に対して技術的に公知の方法を用いて製造することができる。読者の関心は、1982年9月1日に公開された、欧州特許出願第58932号に向けられおり、その内容は、そのような反応の記述を引用することにより、本明細書に組み入れられている。以下のスキームIは、その様な技術の概要を提供する。
【0051】
【化4】

【0052】
上で図示する様に、出発物質の1つは構造式1で示されるアルコールである。Aは、最終生成物に所望されるものと同じ置換基で表されるべきである。これらのアルコール類は当業者に公知である。多くは、公知の販売業者から購入してもよい。或いは、又、それらは文献に記載される方法で製造することもできる。
【0053】
他の出発物質は、構造式2で示す4−フルオロ−ベンゾニトリルである。X1は、最終生成物に所望されるものと同じ置換基で表されるべきである。これらのベンゾニトリルは、当業者に公知であり、そして日本特許出願第01097937号に記載の通りに合成してもよい。
【0054】
上記で示す親核的置換反応は、技術的に公知の方法で行うことができる。構造式1のアルコールは、やや過剰の、水素化ナトリウム、カリウムtert−ブトキシド等の塩基と接触して、アルコキシドイオンを生成する。反応はテトラヒドロフランの様な非プロトン性溶媒中で、不活性雰囲気(典型的には窒素)下で、約0℃の温度で行われる。アルコールを塩基と一緒に5分から60分の範囲の間撹拌する。
【0055】
次いで、構造式2の4−フルオロ−ベンゾニトリル(1当量)を反応媒体に加え、反応物質を十分な時間撹拌して、ベンゾニトリルからフッ素をアルコキシドイオンで置換する。これには、普通30分から24時間掛かる。この反応液を典型的には室温まで温める。
【0056】
式Iの所望の生成物は、抽出、蒸発又は技術的に公知のその他の技術で回収できる。次いで、それは、場合により、クロマトグラフィー、再結晶、蒸留、又は技術的に公知のその他の技術で精製してもよい。
【0057】
当業者に評価されている様に、そのような化合物の製造のために有用な方法のいくつかは、上記で論じた様に、特殊な官能基の保護が、例えば、分子内の他の位置での反応におけるそのような官能基による干渉を排除するために、又は、そのような官能性の完全さを保持するために、必要となるかも知れない。その様な保護の必要性とその形式は、当業者により容易に決められ、そして、それは、例えば、官能基の性質、選択された製造条件に依存して変化するであろう。例えば、T.W. Greene, Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley & Sons, New York, 1991を参照。
【0058】
本発明のいくつかの化合物は酸性であり、そしてそれらは、薬学的に許容されるカチオンと塩を形成する。本発明のいくつかの化合物は塩基性であり、そしてそれらは、薬学的に許容されるアニオンと塩を形成する。全てのその様な塩は、本発明の範囲内であり、それらは、酸性要素と塩基性要素を、通常は化学量論比で、水性、非水性又は部分的水性の媒体中で、適切に組み合わせるような、通常の方法で製造可能である。塩は濾過により、非溶媒による沈殿とそれに続く濾過により、溶媒の蒸発により、又は、水溶液の場合、凍結乾燥により、適切に回収される。化合物は、エタノール、ヘキサン又は水/エタノール混合物の様な適切な溶媒中への溶解等、技術的に公知の手法に従い、結晶の形態で得られる。
【0059】
医薬及び化粧料用途
式Iの化合物は、アンドロゲン受容体調節剤である。それらは、アンドロゲン受容体の不適切な活性化に関連した疾患を緩和するのに使用することができる。アンドロゲン拮抗薬として作用する化合物は、前立腺癌のようなホルモン依存性癌、良性前立腺肥大、座瘡、男性多毛症、皮脂過剰、脱毛症、多毛症、性的早熟、前立腺肥大、男性化、及び多嚢胞性卵巣症候群を治療するため、又は緩和するために使用してもよい。部分アゴニスト、又は完全アゴニストとして作用する化合物は、男性の性腺機能低下症、男性の性機能不全(インポテンス、男性の精子形成障害性不妊症)、異常性分化(男性の雌雄同体現象)、男性の思春期遅発症、男性不妊、再生不良性貧血、溶血性貧血、鎌状赤血球貧血、特発性血小板減少性紫斑病、骨髄線維症、腎性貧血、消耗病(術後、悪性腫瘍、外傷、慢性腎疾患、熱傷又はエイズ誘発の)、女性器の末期癌の疼痛の緩和、手術不可能な乳癌、乳腺症、子宮内膜症、女性の性機能不全、骨粗鬆症、創傷治癒及び筋肉組織修復を治療、又は緩和
するために使用してもよい。
【0060】
上記の治療特性を示すために、本化合物は、アンドロゲン受容体の活性化を調節するのに充分な量で投与することが必要である。この量は、治療されている特定の疾病/疾患、患者の疾病/疾患の重症度、投与経路、及び患者内部の別の基礎疾患の存在、等に依存して変化し得る。全身性に投与する場合、本化合物は、典型的には、上に列挙した疾病又は疾患のいずれかに対して約0.1mg/kg/日から約100mg/kg/日の投与量範囲で、それらの効果を表す。連日の繰り返し投与が望ましいであろうし、上記に概略した疾患によってそれは変化するであろう。
【0061】
本発明の化合物は、種々の経路によって投与され得る。それらは経口投与されてもよい。化合物は、又、非経口的(即ち、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、又は髄腔内)に、経直腸的に、又は局所的に投与してもよい。
【0062】
典型的な実施態様において、本化合物は、局所的に投与される。局所投与は、男性多毛症、脱毛症、座瘡及び皮脂過剰に対して特に適している。投与量は変化するであろうが、しかし一般的ガイドラインとして、約0.01から50重量%(w/w%)、より典型的には、約0.1から10重量%(w/w%)の量で、皮膚科学的に許容される担体中に存在する。皮膚科学的製剤は、1日当たり1回から4回、患部に適用される。「皮膚科学的に許容される」は、皮膚又は体毛に適用することができ、薬物が作用部位に拡散できるような担体をいう。より具体的には、アンドロゲン受容体の活性化を阻害することが望まれる部位をいう。
【0063】
更なる実施態様において、本化合物は、脱毛症、特にアンドロゲン性脱毛症を緩和するために局所的に使用される。アンドロゲンは、体毛成長及び脱毛の両者に計り知れない影響を有している。大部分の身体部位、例えばあごひげ及び陰部の皮膚で、アンドロゲンは、毛周期(発育期)の成長相を延長し、毛包の大きさを増大させることによって毛の成長を促進する。頭皮における毛髪の成長は、アンドロゲンを必要としないが、しかし、逆説的に、発育期の期間及び毛包の大きさの進行が下降している遺伝的な傾向がある個人(アンドロゲン性脱毛症)においては、はげかかっている頭皮は、アンドロゲンを必要とする。アンドロゲン性脱毛症は、又、女性においても一般的であるが、それは通常、男性において見られる様式で示されるよりはむしろ分散した脱毛として表れる。
【0064】
本化合物は、最も典型的には、アンドロゲン性脱毛症を緩和するために使用されるであろうが、本発明は、この特異的な疾患にのみ限定されない。本化合物は、いかなる型の脱毛症を緩和するためにも使用することができる。非アンドロゲン性脱毛症の例としては、円形脱毛症、放射線療法又は化学療法による脱毛症、瘢痕性脱毛症、ストレス性脱毛症、等を包含する。本出願において使用されるように、「脱毛症」は、頭皮の部分的又は完全な脱毛をいう。
【0065】
それ故、本化合物は、はげかかりを防止するため又は緩和するために、頭皮及び毛髪に局所的に適用することができる。更に、本化合物は、頭皮に対する毛髪の成長を誘発する又は促進するために、局所的に適用することができる。
【0066】
更なる本発明の実施態様において、式Iの化合物は、毛の成長が望ましくない領域における毛の成長を防止するために、局所的に適用される。一つのそのような使用としては、男性多毛症を緩和するためであろう。男性多毛症は、典型的には毛がない領域(例えば、女性の顔面)における過剰な毛の増殖である。そのような不適切な毛の成長は、女性においてもっとも普通に起こり、しばしば更年期に見られる。本化合物の局所投与は、この不適切、又は望ましくない、毛の成長の減少又は除去を導いて、この疾患を緩和するであろ
う。
【0067】
本化合物は、又、皮脂産生を減少するために典型的に使用することができる。皮脂は、トリグリセリド、ワックスエステル、脂肪酸、ステロールエステル及びスクアレンから構成されている。皮脂は、皮脂腺の腺房細胞において産生され、それらの細胞に長期間蓄積される。成熟すると、腺房細胞は溶解し、皮脂を管腔に放出し、その結果皮膚の表面に貯蔵される。
【0068】
ある種の個人においては、過剰量の皮脂が皮膚に分泌される。これにより多くの不都合な結果をもたらす。皮脂は、座瘡の原因菌である、Propionbacterium acnesの一次栄養源であるので、座瘡を悪化させ得る。それは皮膚を脂ぎった容貌にし、典型的に美容的に魅力のないものとされる。
【0069】
皮脂の形成は、成長因子及びアンドロゲンを包含する種々のホルモンによって制御されている。アンドロゲンが皮脂腺に対して影響を発揮する細胞機構及び分子機構は完全には解明されていない。しかし、臨床経験は、皮脂産生に対してアンドロゲンが有する効果を実証している。皮脂産生は、アンドロゲンのレベルが最も高くなる思春期に顕著に増加する。フィナステライドのような抗アンドロゲンは、アンドロゲン分泌を減少することが示されている。皮膚代謝における、皮脂産生とアンドロゲンの役割についての付加的情報は、Moshell et al, Progress in Dermatology, vol.37, No.4, Dec. 2003を参照のこと。
【0070】
このように、式Iの化合物は皮脂の分泌を阻害するので、それ故に、皮膚表面における皮脂の量を減少させる。本化合物は、座瘡又は脂漏性皮膚炎のような種々の皮膚疾患を治療するのに使用することができる。
【0071】
皮脂過剰産生に関連した疾患を治療するのに加えて、本化合物は、又、化粧効果を達成するのに使用することもできる。ある種の消費者は、過活動皮脂腺に悩まされていると信じている。彼らは、彼らの皮膚が脂性であり、それ故に魅力的でないと感じている。これらの個人は、彼らの皮膚の皮脂量を減少するために式Iの化合物を利用することができる。皮脂の分泌を減少することは、そのような疾患に悩まされている個人の油性の皮膚を緩和するであろう。
【0072】
更なる実施態様において、部分アゴニストとして、又は完全アゴニストとして作用するこれらの化合物は、骨粗鬆症を治療する、又は緩和するのに使用することもできる。骨粗鬆症は、40代に始まり、1年に約1〜4%の割合で一生を通じて続く、骨吸収(崩壊)と骨形成の間のアンバランスに基づく、骨欠損によって特徴づけられる(Eastell, Treatment of postmenopausal osteoporosis, New Eng. J. Med. 338: 736, 1998)。米国においては、骨粗鬆症のせいで、検知可能な脊椎骨折を有するヒトが現在のところ約2千万人いる。更に、骨粗鬆症により年に250,000の股関節骨折があり、最初の2年間以内に12%から20%の死亡率を伴い、患者の30%が骨折後に老人ホームでの介護を必要とし、そして多くの人々が再び完全に歩行可能となることができない。閉経後の女性において、エストロゲン不足は骨吸収の増加につながり、閉経に次いで直ぐに、年におよそ5%の脊椎の骨量の減少をもたらしている。それ故に、この疾患の一次治療/予防は、ビスホスホネート、エストロゲン、選択的エストロゲン受容体調節薬(SERMs)及びカルシトニンによる骨吸収の阻害である。しかし、骨吸収の阻害薬は、既に著しい量の骨を喪失してしまった患者に対する骨量を回復させるには充分ではない。ビスホスホネート治療により達成された背骨のBMDの増加は、アレンドロネートでの治療7年後に11%に達し得る。加うるに、骨交換速度は部位から部位で異なり、つまり脊椎の骨梁においては長骨皮質におけるより交換速度が高いので、骨吸収阻害薬は腰のBMDを増加し、腰骨骨折を予防するには効果が弱い。それ故に、長骨の皮質骨/骨膜骨形成及び骨量を増加させる
骨同化薬は、特に腰骨骨折のハイリスクな患者に対して、骨粗鬆症の治療における満たされていない需要を目標とするものであろう。
【0073】
アンドロゲンが女性及び男性における骨同化剤であることを、多くの研究が実証している。タンパク同化ステロイド、例えば、ナンドロロンデカノエート又はスタノゾロールは、閉経後の女性において骨量を増加させることが示されている。閉経後骨粗鬆症における骨に対するアンドロゲンの有益な効果は、テストステロンとエストロゲンの併用投与を用いた最近の研究で充分に立証されている(Hofbauer, et al., Androgen effects on bone
metabolism: recent progress and controversies, Eur. J. Endocrinol. 140, 271-286, 1999)。それ故、アゴニスト又は部分アゴニストを示す式Iのこれら化合物は、原発性骨粗鬆症、例えば老人性骨粗鬆症、閉経後骨粗鬆症及び若年性骨粗鬆症、及び続発性骨粗鬆症、例えば甲状腺機能亢進症又はクッシング症候群(コルチコステロイド治療に起因する)、末端肥大症、性腺機能低下症、骨形成不全及び低ホスファターゼ血症に起因する骨粗鬆症を包含する骨粗鬆症を治療する、又は緩和するために使用されるであろう。アンドロゲンアゴニストよりの治療を修正し得る他の骨に関連する適応は、骨粗鬆性骨折、小児突発性骨量減少、歯槽骨量減少、下顎骨量減少、骨折、骨切り術、歯周炎、又は人工骨成長を包含する。
【0074】
アゴニスト又は部分アゴニストとして作用するこれらの化合物は、又、エイズ、癌悪液質、やけど、腎疾患、等のような消耗病に苦しむ患者において筋肉量を増強するために使用することもできる。外傷、褥瘡、老齢、等にかかっている患者も、又、アンドロゲンの同化作用効果から恩恵を受けることができる。
【0075】
同時投与
本発明の更なる実施態様において、式Iの化合物は、他の化合物と、それらの活性を更に増強するため、或いは潜在的な副作用を最小化するために、同時投与することができる。例えば、ミノキシジルのような、カリウムチャンネル開口薬は、体毛の成長を促進し、発育期を誘発することが知られている。他のカリウムチャンネル開口薬の例としては、(3S,4R)−3,4−ジヒドロ−4−(2,3−ジヒドロ−2−メチル−3−オキソピリダジン−6−イル)オキシ−3−ヒドロキシ−6−(3−ヒドロキシフェニル)スルホニル−2,2,3−トリメチル−2H−ベンゾ[b]ピラン、ジアキソジド、及びLeo Pharmaceuticalsによって目下開発中のP1075を包含する。そのような化合物は、脱毛症を緩和するために式Iの化合物と同時投与することができる。
【0076】
甲状腺ホルモンも、又、体毛の成長を促進することが知られている。合成甲状腺ホルモン代替品(即ち、甲状腺代替品)も、又、体毛の成長を促進することが示されていた。そのような甲状腺代替品は、これまでに文献に記載されている。そのような化合物及び脱毛症を緩和するためそれらの使用についての考察として、読者の注意は、欧州特許出願第1262177号(その内容は参照によって本明細書に組み入れられている)に向けられている。一つの特に関心のある化合物としては、2-{4-[3−(4−フルオロ−ベンジル)−4−ヒドロキシ−フェノキシ]−3,5−ジメチル−フェニル}−2H−[1,2,4]トリアジン−3,5−ジオンである。そのような化合物は、脱毛症を緩和するために式Iの化合物と同時投与することができる。
【0077】
抗アンドロゲン剤は多くの異なった機構によって作用することができる。例えば、ある種の化合物は、テストステロンから5−α−ジヒドロテストステロン(これは多くの組織で生物効果にかかわっている)への変換を遮断する。フィナステライドのような5−α−レダクターゼ阻害剤は、体毛の成長を促進し、皮脂産生を減少することが示されている。フィナステライドは、商品名Propecia(登録商標)でMerckから市販されている。その他の5−α−レダクターゼ阻害剤の例としては、デュタステライド(Glaxo Smithkline)を
包含する。そのような化合物は、脱毛症を緩和するため及び/又は皮脂産生を減少するために、式Iの化合物と同時投与することができる。
【0078】
プロテインキナーゼC阻害剤も、又、体毛の成長を促進し発育期を誘導することが示されている。プロテインキナーゼC選択的阻害剤である、カルホスチンCは、発育期を誘導することが示されている。その他の選択的プロテインキナーゼC阻害剤、例えばヘキサデシルホスホコリン、パルミトイル−DL−カルニチン塩酸塩、及びポリミキシンB硫酸塩も、又、発育期を誘導することが示されている。(Skin Pharmacol. Appl. Skin Physiol., 2000 May-Aug; 13(3-4):133-42)。そのようないずれのプロテインキナーゼC阻害剤も、脱毛症を緩和するために、式Iの化合物と同時投与することができる。
【0079】
イムノフィリンは、細胞質タンパク質のファミリーである。それらのリガンドは、シクロスポリン及びFK506を包含する。それらは、カビ由来のものであり、最初は強力な免疫抑制作用として開発された。シクロスポリンは、タンパク質、シクロフィリンと結合するが、FK506はFK結合タンパク質(FKBPs)と結合する。これらの化合物の全ては、体毛の成長を促進し、発育期を誘導することが示されている。そのようなイムノフィリンリガンドのいずれも、脱毛症を緩和するために、式Iの化合物と同時投与することができる。
【0080】
アシルCoAコレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤は、最初、上昇した血清コレステロールの治療用として評価された。次いで、これらの化合物が皮脂産生を減少することが見出された(米国特許第6,133,326号)。そのようなACAT阻害剤のいずれも、皮脂産生を減少するため、脂性の皮膚を緩和するため、等に、式Iの化合物と同時投与することができる。
【0081】
テトラサイクリン及びクリンダマイシンのような抗生物質は、座瘡を緩和するために使用されている。抗生物質は、微生物Propionbacterium acnesを根絶し、患者の座瘡の減少を導く。式Iの化合物は、座瘡の治療に適した、いずれの抗生物質とも同時投与することができる。
【0082】
レチノイド、例えばイソトレチノイン、は皮脂産生を減少することが示されていて、座瘡治療に使用される。これらのレチノイドは、皮脂産生を減少するため、及び/又は座瘡を治療するために、式Iの化合物と同時投与することができる。
【0083】
エストロゲン及びプロゲステロンは、それぞれ、皮脂産生を減少することが示されている。これらの化合物、又はそのような化合物のいずれの合成作用薬も、皮脂産生を減少するために、式Iの化合物と同時投与することができるであろう。
【0084】
本出願において使用されているように、同時投与は、式Iの化合物を、第2の医薬、典型的には異なった作用機作を有する医薬と、所望の結果を促進する投与計画を用いて、投与することをいう。これは、同時に投与すること、単一の日の異なった時に投与すること、又は異なった日に投与することさえ意味することができる。本化合物は、分離して投与することができ、或いは単一の剤形に組み合わせることもできる。そのような剤形を製造する技術は、以下に記載される。
【0085】
剤形
所望により、化合物は、いずれの担体もなしに直接投与することができる。しかし、投与を容易にするため、典型的には医薬担体で製剤化されるであろう。同様に、最も典型的には、皮膚科用又は化粧用担体で製剤化されるであろう。本出願においては、用語「皮膚科用担体」及び「化粧用」担体は、同義的に使用されている。それらは、皮膚又は体毛に
直接投与するよう設計された剤形を表す。
【0086】
医薬及び化粧組成物は、技術的に公知の技術を利用して製造することができる。典型的には、有効量の本化合物が、医薬/化粧料として許容される担体と混合されるであろう。
【0087】
経口投与のために、化合物は、カプセル剤、ピル、錠剤、トローチ剤、溶解錠(melts)、粉末、懸濁剤、又はエマルジョンのような、固体又は液体製剤に製剤化することができる。固体単位剤形は、例えば、界面活性剤、滑沢剤及び乳糖、ショ糖及びコーンスターチのような不活性充填剤を含有する通常のゼラチンタイプのカプセルであってもよく、或いは、徐放性製剤であってもよい。
【0088】
別の実施態様において、式Iの化合物は、乳糖、ショ糖及びコーンスターチのような通常の錠剤基剤と、アラビアゴム、コーンスターチ又はゼラチンのような結合剤、バレイショデンプン又はアルギン酸のような崩壊剤、及びステアリン酸又はステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤と組み合わせて、錠剤にすることができる。液剤は、技術的に公知の懸濁剤、甘味剤、香料及び保存料を含有してもよい、水性又は非水性の薬学的に許容される溶媒中に、有効成分を溶解することによって製造される。
【0089】
非経口投与用には、本化合物を生理的に許容される医薬担体に溶解し、溶液又は懸濁液のいずれかとして投与してもよい。好適な医薬担体の実例は、水、生理食塩水、デキストロース溶液、果糖溶液、エタノール、又は動物性の、植物性の若しくは合成由来のオイルである。医薬担体は、又、技術的に公知の保存料、バッファー、等を含有してもよい。化合物が髄腔内に投与される場合、技術的に公知の脳脊髄液に溶解してもよい。
【0090】
本発明の化合物は、典型的には局所投与されるであろう。本明細書で使用されるように、「局所の」は、皮膚及び/又は体毛に直接、本化合物(及び所望により担体)を適用することをいう。本発明による局所組成物は、溶液、ローション、油薬、クリーム、軟膏、リポソーム、スプレー、ゲル、フォーム、ローラースティック、又は皮膚科において日常的に使用されているその他の処方であり得る。
【0091】
このように、更なる実施態様は、化粧組成物又は医薬組成物、特に皮膚科学的組成物であって、上記した式Iに相当する化合物の少なくとも1つを含む組成物に関する。そのような皮膚科学的組成物は、皮膚科学的に許容される担体と混合された本化合物を0.001%から10重量%(w/w)、より典型的には、本化合物を0.1から5重量%(w/w)含有するであろう。そのような組成物は、典型的には、1日に1から4回適用されるであろう。どのようにして、そのような剤形を製造するのかについて、読者の注意は、Remington's Pharmaceutical Science, Edition 17, Mack Publishing Co., Easton, PAに向けられる。
【0092】
本発明による組成物は、又、クレンジング石鹸又はバーを構成する固形製剤から成ることもできる。これらの組成物は、通常の方法に従って製造される。
【0093】
本化合物は、又、水溶液、アルコール溶液若しくは水−アルコール溶液の形態で、又はクリーム、ゲル、エマルジョン若しくはムースの形態で、又は代わりに、加圧下の高圧ガスを含むエーロゾル組成物の形態で、体毛に対して使用することもできる。本発明の組成物は、又、ヘアケア組成物、特にシャンプー、ヘアセッティングローション、トリーティングローション、スタイリングクリーム又はゲル、ダイ組成物、脱毛防止用ローション又はゲル、等であることができる。本発明による皮膚科学的組成物における種々の構成物の量は、当該分野において日常的に使用されているものである。
【0094】
本発明の化合物を含有する医薬及び化粧料は、典型的には、小売り流通用(即ち、製品)に包装されるであろう。そのような製品は、患者に製品をどのようにして使用するかを指示するようにラベルし包装されるであろう。そのような指示書は、治療される疾患、治療期間、投与スケジュール、等を包含するであろう。
【0095】
式Iの化合物は、又、いずれかの不活性担体と混合され、技術的に公知のように、患者の血清内、尿内、等の化合物の濃度を測定するために臨床検査において利用される。化合物は、又、研究の道具として使用することもできる。
【0096】
家畜における使用
上に記載した治療用途及び化粧料用途に加えて、本化合物は、又、動物、特に家畜の成長を促進するために使用することもできる。本化合物は、動物の体重を増大し、得られる肉の赤身を増大し、そして試料利用効率が改善する割合を増大させるであろう。このことは、有効量の式Iの化合物を、成長を支持するために適切な栄養(即ち、充分なカロリー、アミノ酸、ビタミン類、ミネラル、必須脂肪、等)を受ける動物に投与することによって達成されるであろう。
【0097】
投与を簡単にするため、本化合物は、典型的には、動物飼料と混合し、又は動物飼料のプレミックス飼料、濃縮飼料、若しくは動物飼料とブレンドすることができるサプリメントの形態で製造される。選択された手順に関係なく、本化合物は、典型的には、飼料中に約0.05から500ppmのレベルで存在しているであろう。
【0098】
動物飼料のプレミックス、サプリメント又は濃縮飼料は、重量基準で約0.5から50%の本化合物を、約50から99.5%の食用希釈剤と混合することによって製造することができる。動物飼料のサプリメント、濃縮飼料及びプレミックスにおいて使用するのに好適な希釈剤は、以下を包含する:コーンミール、大豆ミール、骨粉、アルファルファミール、綿実油ミール、尿素、糖蜜、及び他の同様物質。動物飼料のサプリメント、濃縮飼料及びプレミックスにおける希釈剤の使用により、できあがった飼料における有効成分の分布の均一性を改善する。
【0099】
ブタ、ウシ、ヒツジ、魚、及びヤギ用の飼料は、典型的には、飼料1トン当たり、有効成分を約0.05から400グラム含有している。家禽及び家庭内ペットフードは、飼料1トン当たり約0.05から400グラムの範囲である。
【0100】
本発明は、その特異的な実施態様に関連して記載されているが、更なる改良が可能であり、一般的に本発明の原理に従い、且つ、本発明が属する技術内で、公知の又は慣習的な実施の範囲内であるような、本件開示からの逸脱を包含する本発明のいかなる変形、使用、又は応用も含むことを、本出願が意図していることが理解されるであろう。以下の実施例及び生物学的データは、本発明を更に説明するために提示されるものである。本開示は本発明をいかなる様式においても限定するものと解釈されるべきでない。
【実施例】
【0101】
〔実施例1〕
4−(5−ヒドロキシ−5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
【化5】

NaH(0.10g、1.75mmol、60%/鉱物油)を、無水のTHF(テトラヒドロフラン)(15ml)中に、0℃で、窒素(N2)気流下において、懸濁させ、次いで、4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)−ベンゾニトリル(0.3g、1.59mmol)を加えた。この混合物を0℃、N2気流下で、10分間撹拌し、その後、2−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,5−ジオール(0.23g、1.59mmol)を加えた。反応混合物を0℃で、2時間撹拌し、次いで、室温(RT)で1時間撹拌した。それを蒸留水(50ml)でクエンチし、酢酸エチル(3×30ml)で抽出し、有機層をNaHCO3飽和水溶液(3回)で洗浄し、溶媒を除去し、粗生成物を得た。それを、ヘキサン/酢酸エチル=1/1を溶出液として用いたカラムクロマトグラフィーで精製した。
(MS:312.1(M+1:C1616NF32)LCMS:C−18カラム(H2O/CH3CN=25/75%)、保持時間:1.31分、純度:100%)
【0102】
〔実施例2〕
4−(trans−2−メチル−シクロペンチルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
【化6】

Trans−2−メチルシクロペンタノール(50mg、0.5mmol)を無水のテトラヒドロフラン(「THF」)(0.5mL)を含む、火炎で乾燥した丸底フラスコに加え、0℃に冷却した。t−ブタノール(0.5mL)中のカリウムt−ブトキシドの1.0M溶液を滴下しながら加え、反応混合物を0℃で0.5時間撹拌した。上記の溶液を、注射器を通して、THF(0.5mL)中の2−トリフルオロメチル−4−フルオロ−ベンゾニトリル(95mg、0.5mmol)を含むフラスコに、0℃で移した。混合物を0℃で3時間撹拌し、室温まで温め、そして、16時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、水(8ml)を含む分液漏斗に注ぎ、メチルtert−ブチルエーテル(10ml)で抽出した。有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、減圧下で濃縮し、残留物を逆相HPLC(Shimadzu)で精製し、4−(trans−2−メチル−シクロペンチルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(112mg)を得た。
GC/MS:269(M/Z:C14143NO)。
【0103】
〔実施例3〕
4−(2−(R)−フェニル−1−(S)−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
【化7】

出発物質のアルコールとして、1−(S)−2−(R)−フェニル−シクロヘキサノールを使用すること以外は実施例2記載の手法に従って、標題の化合物を製造し、所望の生成物(66mg)を得た。
GC/MS:345(M/Z:C20183NO)。
【0104】
〔実施例4〜18、20〜23及び40〜68〕
実施例4〜18、20〜22及び40〜68の生成物は、コンビナトリアル・ケミストリーにより、反応スキームIの一般的合成方法を用いて製造した。1つの反応物質は、4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)−ベンゾニトリルであり、他方の反応物質は、上記構造式1で説明した適切なアルコールである。ここで、Aは最終生成物に存在するシクロアルキル部分に対応する。多様な組合せ方法が用いられた。それぞれの具体例は以下に記述される。それぞれの方法を識別する文字が、化合物の製造法、精製法、評価法等を説明するために、以下の実施例で使用される。
【0105】
コンビナトリアル方法
I)合成方法
方法A
無水THF(テトラヒドロフタン)(1.3ml)中の、4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(0.3mmol)及び構造式1の適切なシクロアルカン(0.3mmol)の溶液を含む、Bohdanのミニブロック反応管に、無水THF(2当量、0.6mmol)中の水素化ナトリウムのスラリー液(0.6M)を加えた。Bohdanミニブロックの栓をし、反応溶液を常温で16時間振盪した。メタノール(500μL)、MP−TsOH(1.53mmol/g、1.25当量、0.375mmol)を加え、反応溶液を常温で3時間振盪した。反応溶液を濾過し、固体をテトラヒドロフランで十分に洗浄し、そして、Genevac HT-12を用いて濃縮した。試料を逆相HPLCを用いて精製した。
【0106】
方法B
無水THF(テトラヒドロフタン)(1.3ml)中の、4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(0.3mmol)及び構造式1の適切なシクロアルカン(0.3mmol)の溶液を含む、Bohdanのミニブロック反応管に、無水THF(2当量、0.6mmol)中の水素化ナトリウムのスラリー液(0.6M)を加えた。Bohdanのミニブロックの栓をし、反応溶液を常温で16時間振盪した。メタノール(500μL)、MP−TsOH(4.07mmol/g、1.35当量、0.41mmol)を加え、反応溶液を常温で20時間振盪した。反応溶液を濾過し、固体をメタノールで十分に洗浄し、そして、Genevac HT-12を用いて濃縮した。試料を逆相HPLCを用いて精製した。
【0107】
方法C
無水THF(テトラヒドロフタン)(1.3ml)中の、4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(0.3mmol)及び構造式1の適切なシクロアルカン(0.3mmol)の溶液を含む、Bohdanのミニブロック反応管に、無水THF(2当量
、0.6mmol)中の水素化ナトリウムのスラリー液(0.6M)を加えた。Bohdanのミ
ニブロックの栓をし、反応溶液を常温で16時間振盪した。メタノール(500μL)、MP−TsOH(4.07mmol/g、1.35当量、0.41mmol)を加え、反応溶液を常温で60時間振盪した。反応溶液を濾過し、固体をメタノールで十分に洗浄し、そして、Genevac HT-12を用いて濃縮した。試料を逆相HPLCを用いて精製した。
【0108】
方法D
テトラヒドロフラン「THF」(0.3mmol)中の、0.3Mの4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(1mL)溶液に、0℃で、THF(0.6mmol)中の1Mのカリウムt−ブトキシド(0.6mL)溶液及びTHF中の1.0Mの式1の対応するシクロアルカン(0.3mL、0.3mmol)溶液を加えた。生成した混合物を振盪し、約72時間に亘って室温まで温めた。溶媒を、Genevac HT-12を用い、減圧下で除去して試料を得、それを逆相HPLCを用いて精製した。
【0109】
方法E
テトラヒドロフラン「THF」(0.3mmol)中の、0.3Mの4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(1mL)溶液に,THF(0.63mmol)中の0.63Mの水素化ナトリウム(60%)のスラリー溶液(1mL)及びTHF中の1Mの式1の対応するシクロアルカン(0.3mL、0.3mmol)溶液を加えた。生成した混合物を約18時間に亘って振盪した。反応溶液をメタノール及び多孔質のP−トルエンスルホン酸樹脂(0.3mmol、負荷量:1.53mmol/g)でクエンチした。得られた混合物を約18時間に亘って室温で振盪した。反応溶液を濾過し、THFですすいだ。溶媒を、Genevac HT-12を用い、減圧下で除去して試料を得、それを逆相HPLPを用いて精製した。
【0110】
II)HPLC方法(高速液体クロマトグラフィー)
方法A
カラム:BHK:30×100mm:ODS-OB:5μm:C18
流速:30mL/分;
溶媒:A=アセトニトリル:w/3%:1−プロパノール;B=水:w/3% 1−プロパノール;
方法:0〜6.0分:A/B=10/90%;6.0〜10.5分:A=100%。
【0111】
方法B
カラム:YMC30×100mm ODS-A:5μm:C18
流速:30mL/分;
溶媒:A=アセトニトリル:w/3%:1−プロパノール;B=水:w/3% 1−プロパノール;
方法:0〜6.5分:A/B=10/90%;6.5〜10.5分:A=100%。
【0112】
方法C
カラム:Xterra30×100mm:5μm:C18
流速:30mL/分;
溶媒:A=アセトニトリル:w/3%:1−プロパノール;B=水:w/3%:1−プロパノール;
方法:0〜6.5分:A/B=15/85%;6.5〜10.5分:A=100%。
【0113】
方法D
カラム:YMC:30×100mm:ODS-A:5μm:C18
流速:30mL/分;
溶媒:A=アセトニトリル:w/3%:1−プロパノール;B=水:w/3%:1−プ
ロパノール;
方法:0〜7分:A/B=10/90%;7〜10分:A=100%。
【0114】
方法E
カラム:YMC30×100mm:ODS-A:5μm:C18
流速:30mL/分;
溶媒:A=アセトニトリル:w/3%:1−プロパノール;B=水:w/3%:1−プロパノール;
方法:0〜6分:A/B=10/90%;6〜10.5分:A=100%。
【0115】
III)LCMS(液体クロマトグラフィー質量スペクトル)法
方法A
LCMS:水性:C18:50mm×4.6mm、3mmカラム(溶媒:A=水:w/10mM:酢酸アンモニウム;B=アセトニトリル:w/0.005M:ギ酸;
方法:0〜2分:A/B=85/15%;2〜5.1分:A/B=2/98%;5.1〜7分:A/B=85/15%。
【0116】
方法B
LCMS:Atlantis:C18:50mm×4.6mm、3mmカラム(溶媒: A=
水:w/0.005M:ギ酸;B=アセトニトリル:w/0.005M:ギ酸;
方法:0〜3分:A/B=95/5%;3〜5.1分:A/B=2/98%;5.1〜7分:A/B=95/5%。
【0117】
方法C
LCMS:Polaris:C8:50mm×4.6mm、3mmカラム(溶媒:A=水:w/10mM:酢酸アンモニウム;B=アセトニトリル:w/0.005M:ギ酸;
方法:0〜2分:A/B=95/5%;2〜5.1分:A/B=2/98%;5.1〜7分:A/B=95/5%。
【0118】
方法D
LCMS:YMC−フェニル:50mm×4.6mm、3mmカラム(溶媒:A=水:w/0.005M:ギ酸;B=アセトニトリル:w/0.005M:ギ酸;
方法:0〜3.5分:A/B=90/10%;3.5〜5.1分:A/B=2/98%;5.1〜7分:A/B=90/10%。
【0119】
方法E
LCMS:YMC Pack Pro:C18、50mm×4.6mm、3mmカラム(溶媒:A=水:w/0.1M:ギ酸;B=アセトニトリル:w/0.1M:ギ酸;
方法:0〜1.5分:A/B=95/5%;1.5〜4.1分:A/B=2/98%;4.1〜7分:A/B=95/5%。
【0120】
方法F
LCMS:YMC ODS-AQ:50mm×4.6mm、3mmカラム(溶媒:A=水:w/0.1M:ギ酸;B=アセトニトリル:w/0.1M:ギ酸;
方法:0〜2.5分:A/B=80/20%;2.5〜5.1分:A/B=2/98%;5.1〜7分:A/B=80/20%。
【0121】
〔実施例4〕
4−(1−アリル−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
【化8】

合成−方法D
HPLC−方法D
LCMS−方法E
MS:310.23(M+1:C17183NO);RT:3.13;純度:100。
【0122】
〔実施例5〕
4−シクロヘプチルオキシ−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
【化9】

合成−方法A
HPLC−方法A
LCMS−方法A
MS:284.27:(M+1:C15163NO);RT:3.41;純度:100。
【0123】
〔実施例6〕
4−(2,3−ジメチル−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
【化10】

合成−方法D
HPLC−方法D
LCMS−方法E
MS:298.22;M+1:C16183NO);RT:3.2;純度:100。
【0124】
〔実施例7〕
4−(2−エチル−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
【化11】

合成−方法E
HPLC−方法E
LCMS−方法F
MS:298.22:(M+1:C16183NO);RT:3.99;純度:100。
【0125】
〔実施例8〕
4−(2−メチル−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
【化12】

合成−方法A
HPLC−方法A
LCMS−方法A
MS:284.29:(M+1:C15163NO);RT:3.39;純度:100。
【0126】
〔実施例9〕
(1S,2R)− 4−(2−メチル−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
【化13】

合成−方法A
HPLC−方法A
LCMS−方法A
MS:284.29:(M+1:C15163NO);RT:3.42;純度:100。
【0127】
〔実施例10〕
4−シクロペンチル−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
【化14】

合成−方法B
HPLC−方法B
LCMS−方法B
MS:256.25:(M+1:C13123NO);RT:4.07;純度:100。
【0128】
〔実施例11〕
4−シクロヘキシルオキシ−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
【化15】

合成−方法B
HPLC−方法B
LCMS−方法B
MS:270.29:(M+1:C14143NO);RT:4.19;純度:100。
【0129】
〔実施例12〕
4−(2,6−ジメチル−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
【化16】

合成−方法B
HPLC−方法B
LCMS−方法B
MS:298.3:(M+1:C16183NO);RT:4.44;純度:100。
【0130】
〔実施例13〕
(1S,2S,5S)−4−(5−イソプロペニル−2−メチル−シクロヘキシル)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
【化17】

合成−方法B
HPLC−方法B
LCMS−方法B
MS:324.32:(M+1:C18203NO);RT:4.56;純度:100。
【0131】
〔実施例14〕
(1R,2S)−4−(2−シアノ−シクロヘキシル)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
【化18】

合成−方法B
HPLC−方法B
LCMS−方法B
MS:295.26:(M+1:C151332O);RT:3.67;純度:100。
【0132】
〔実施例15〕
4−(4−メトキシ−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
【化19】

合成−方法B
HPLC−方法B
LCMS−方法B
MS:300.28:(M+1:C15163NO2);RT:3.84;純度:100。
【0133】
〔実施例16〕
(1S,4S)− 4−(2−メチル−シクロペンチルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
【化20】

合成−方法B
HPLC−方法A
LCMS−方法C
MS:284.27:(M+1:C15163NO);RT:2.44;純度:100。
【0134】
〔実施例17〕
(1S,2S)−4−(2−メチル−シクロペンチルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
【化21】

合成−方法C
HPLC−方法C
LCMS−方法D
MS:270.2:(M+1:C14143NO);RT:3.47;純度:100。
【0135】
〔実施例18〕
4−シクロブトキシ−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
【化22】

合成−方法C
HPLC−方法C
LCMS−方法C
MS:242.2:(M+1:C12103NO);RT:3.27;純度:100。
【0136】
〔実施例19〕
(1S,5S)−2−クロロ−4−(5−ヒドロキシ−5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イルオキシ)−ベンゾニトリル
【化23】

無水THF(15mL)中でNaHを0℃で、N2気流下において懸濁させ、次いで、4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)−ベンゾニトリル(1.0g、5.18mmol)を加え、この混合物を0℃で、N2気流下で10分間撹拌した後、(2R,3R)−2,3−ブタンジオール(0.23g、2.46mmol)を加えた。この混合物を0℃で2時間、次いで、室温で1時間撹拌した。それを蒸留水(50mL)でクエンチし、酢酸エチル(3×30ml)で抽出し、有機層をNaHCO3飽和水溶液で洗浄(3回)し、溶媒を除去し、粗生成物を得た。それを、ヘキサン/酢酸エチル=5/1の溶出液を用いたカラムクロマトグラフィーで精製した。
MS:429.0:(M+1:C2014262);LCMS:C−18:カラム(H2O/CH3CN=25/75%)、保持時間:1.36分:純度:100%。
【0137】
〔実施例20〕
2−クロロ−4−(2,3−ジメチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル
【化24】

合成−方法D
HPLC−方法D
LCMS−方法E
MS:264.19:(M+1:C1518ClNO);RT:3.27分;純度:100。
【0138】
〔実施例21〕
4−(1−ブチル−シクロペンチルオキシ)−2−クロロ−ベンゾニトリル
【化25】

合成−方法D
HPLC−方法D
LCMS−方法E
MS:278.22:(M+1:C1620ClNO);RT:3.42分;純度:100。
【0139】
〔実施例22〕
2−クロロ−4−(2−エチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル
【化26】

合成−方法E
HPLC−方法E
LCMS−方法F
MS:264.19:(M+1:C1518ClNO);RT:4.04分:純度:100。
【0140】
〔実施例23〕
2−クロロ−4−(3−メチル−シクロペンチルオキシ)−ベンゾニトリル
【化27】

t−ブタノール中の1.0Mのカリウムt−ブトキシド溶液(0.3mL)を無水THF(0.3mL)及び3−ヒドロキシシクロペンタノール(30mg、0.3mmol)を含む、隔壁栓の付いたガラス瓶(8mL)に5℃で加えた。混合物を5℃で、0.5時間撹拌し、その後、4−フルオロ−2−クロロ−ベンゾニトリルの1MのTHF溶液(0.3mL)を加えた。反応溶液を5℃で、3時間撹拌し、次いで、室温まで温め、室温で終夜攪拌した。反応混合物を0℃に冷却し、水(2mL)でクエンチし、メチルtert−ブチルエーテル(2mL)で希釈した。ガラス瓶を激しく振盪し、相を分離した。水層をピペットで除去し、有機層を別の水(2mL)で洗浄した。有機相を乾燥(MgSO4)し、減圧下で濃縮し、残留物を逆相HPLC(Shimadzu)で精製し、標題の化合物(36mg、52%)を得た。
GC/MS:235:(M/Z:C1314ClNO)。
【0141】
〔実施例24〕
4−(R)−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イルオキシ)−2−クロロ−ベンゾニトリル
【化28】

実施例24の化合物を、アルコールとして(R)−2−ヒドロキシ−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン)を用いる以外は、実施例23で用いた方法と類似の方法で製造した。GC/MS:247(M/Z:C1414ClNO)。
【0142】
〔実施例25〕
4−(S)−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イルオキシ)−2−クロロ−ベンゾニトリル
【化29】

実施例25の化合物を、アルコールとして(S)−2−ヒドロキシ−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン)を用いる以外は、実施例23で用いた方法と類似の方法で製造した。
GC/MS:247:(M/Z:C1414ClNO)。
【0143】
〔実施例26〕
2−クロロ−4−(3−ヒドロキシ−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル
【化30】

1,3−シクロヘキサンジオール(116mg、1.0mmole)を、火炎で乾燥した丸底フラスコに窒素雰囲気下で加えた。フラスコに無水のアセトニトリル(5mL)、アルミナ(0.1mmol)上のフッ化カリウム(28mg)及び4−フルオロ−2−クロロ−ベンゾニトリル(155mg、1.0mmole)を充填し、16時間還流下で加熱した。ジエチルエーテル(15ml)を反応混合物に加え、次いで、水(2×)で抽出し、乾燥し(MgSO4)、濃縮した。EtOAc/ヘキサン=10/90%(酢酸エチル及びヘキサン)で溶出するクロマトトロン(Chromatotron)を用いて精製し、標題の化合物(22mg)を得た。
GC/MS:251:(M/Z:C1314ClNO2)。
【0144】
〔実施例27〕
2−クロロ−4−(2−エチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル
【化31】

4−フルオロ−2−クロロ−ベンゾニトリル(122mg、0.79mmole)を、無水のジメチルホルムアミド(「DMF」)(2mL)及び油中に分散させた水素化ナトリウム(60%、63mg、1.6mmol)を含む、火炎で乾燥した丸底フラスコに窒素雰囲気下で加えた。無水DMF(1mL)中に溶解した、2−エチルシクロヘキサノール(100mg、0.79mmol)を、注射器を経由して反応容器に滴下しながら加えた。反応溶液を室温で16時間撹拌し、その後、水(5mL)を滴下しながら加えた。混合物をジエチルエーテルで2回抽出し、水で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濃縮した。
EtOAc/ヘキサン=50/50%で、次いで、EtOAc/ヘキサン=5/95%で溶出するクロマトトロンを用いて精製し、標題の化合物(155mg)を得た。
GC/MS:263:(M/Z:C1518ClNO)。
【0145】
〔実施例28〕
2−クロロ−4−(2−メチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル
【化32】

実施例28の化合物を、アルコールとして2−メチルシクロヘキサノールを用いる以外は、実施例23の方法と類似の方法で製造し、標題の化合物(5.5mg)を得た。
GC/MS:249:(M/Z:C1414ClNO)。
【0146】
〔実施例29〕
2−クロロ−4−(2−フェニル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル
【化33】

実施例29の化合物を、アルコールとして2−フェニルシクロヘキサノールを用いる以外は、実施例23の方法と類似の方法で製造し、標題の化合物(4.9mg)を得た。
GC/MS:311:(M/Z:C1918ClNO)。
【0147】
〔実施例30〕
2−クロロ−4−(2−(S)−メチル−(S)−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル
【化34】

実施例30の化合物を、アルコールとして1−(S)−2−(S)−メチル−シクロヘキサノールを用いる以外は、実施例23の方法と類似の方法で製造し、標題の化合物(23mg)を得た。
GC/MS:249:(M/Z:C1918ClNO)。
【0148】
〔実施例31〕
2−クロロ−4−(4−cis−メチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル
【化35】

実施例31の化合物を、アルコールとして4−cis−メチルシクロヘキサノールを用いる以外は、実施例23の方法と類似の方法で製造し、標題の化合物(60mg)を得た。
GC/MS:249:(M/Z:C1416ClNO)。
【0149】
〔実施例32〕
2−クロロ−4−(4−cis−メチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル
【化36】

実施例32の化合物を、アルコールとして4−trans−メチルシクロヘキサノールを用いる以外は、実施例23の方法と類似の方法で製造し、標題の化合物(41mg)を得た。
GC/MS:249:(M/Z:C1416ClNO)。
【0150】
〔実施例33〕
2−クロロ−4−(2−(S)−フェニル−(S)−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル
【化37】

実施例33の化合物を、アルコールとして1−(S)−2−(S)−フェニル−シクロヘキサノールを用いる以外は、実施例23の方法と類似の方法で製造し、標題の化合物(
49mg)を得た。
GC/MS:311:(M/Z:C1918ClNO)。
【0151】
〔実施例34〕
2−クロロ−4−(cis−2−メトキシ−シクロペンチルオキシ)−ベンゾニトリル
【化38】

工程A:2−クロロ−4−(cis−2−ヒドロキシ−シクロペンチルオキシ)−ベンゾニトリル
1.0Mのt−ブタノール中のカリウムt−ブトキシド溶液(3.2mL)を5℃で、無水THF(3mL)及びcis−1,2−ジヒドロキシシクロペンタノール(300mg、3mmol)を含む、隔壁栓の付いたガラス瓶(16mL)に加えた。混合物を0.5時間、5℃で撹拌し、1.0Mの4−フルオロ−2−クロロ−ベンゾニトリルのTHF溶液(3mL)を加えた。反応溶液を5℃で3時間撹拌し、次いで、室温まで温め、終夜室温で撹拌した。反応混合物を、0℃に冷却し、水(15mL)を含む分液漏斗に注ぎ、メチルtert−ブチルエーテル(20mL)で抽出した。有機相を水、ブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO4)、減圧下で濃縮し、そして、残留物を逆相HPLC(Shimadzu)で精製し、2−クロロ−4−(cis−2−ヒドロキシ−シクロペンチルオキシ)−ベンゾニトリル(185mg)を得た。
GC/MS:237:(M/Z:C1314ClNO)。
【0152】
工程B:2−クロロ−4−(cis−2−メトキシ−シクロペンチルオキシ)−ベンゾニトリル
2−クロロ−4−(cis−2−ヒドロキシ−シクロペンチルオキシ)−ベンゾニトリル(76mg、0.32mmol)を、無水DMF(2mL)及び油中に分散した水素化ナトリウム(60%、8.5mg。0.35mmol)を含む、火炎で乾燥した丸底フラスコに窒素雰囲気下で加えた。反応溶液を室温で1時間撹拌し、その後、ヨウ化メチル(54mg、0.38mmol)を加えた。混合液を16時間撹拌し、水(5mL)を滴下して加えてクエンチし、エーテル(2×)で抽出した。集めた有機相をブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濃縮し、逆相HPLC(Shimadzu)で精製し、標題の化合物(35mg)を得た。
GC/MS:251:(M/Z:C1314ClNO2)。
【0153】
〔実施例35〕
2−クロロ−4−(trans−2−メトキシ−シクロペンチルオキシ)−ベンゾニトリル
【化39】

標題の化合物を、trans−1,2−ジヒドロキシ−シクロペンタノールを出発物質として用いることにより、実施例34に記載された手順で製造し、所望の生成物(63mg)を得た。
GC/MS:251:(M/Z:C1314ClNO2)。
【0154】
〔実施例36〕
2−クロロ−4−(cis−2−メトキシ−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル
【化40】

標題の化合物を、cis−1,2−ジヒドロキシ−シクロヘキサノールを出発物質のアルコールとして用いることにより、実施例34に記載された手順で製造し、所望の生成物(63mg)を得た。
GC/MS:265:(M/Z:C1416ClNO2)。
【0155】
〔実施例37〕
4−(cis−2−アリルオキシ−シクロペンチルオキシ)−2−クロロ−ベンゾニトリル
【化41】

実施例34、工程Aの生成物(87mg)を、実施例34、工程Bの手順に従ってヨウ化アリル(73.6mg)でアルキル化し、標題の化合物(12mg)を得た。
GC/MS:277:(M/Z:C1516ClNO2)。
【0156】
〔実施例38〕
4−(trans−2−アリルオキシ−シクロペンチルオキシ)−2−クロロ−ベンゾニトリル
【化42】

標題の化合物を、trans−1,2−ジヒドロキシ−シクロペンタノールを出発物質として用いることにより、実施例34に記載された手順で製造し、次いでヨウ化アリルでアルキル化し、標題の化合物(7.6mg)を得た。
GC/MS:277:(M/Z:C1516ClNO2)。
【0157】
〔実施例39〕
2−クロロ−4−(trans−2−メトキシ−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル
【化43】

標題の化合物を、trans−1,2−ジヒドロキシ−シクロヘキサノールを出発物質のアルコールとして用いることにより、実施例34に記載された手順で製造し、所望の生成物(11mg)を得た。
GC/MS:265:(M/Z:C1416ClNO2)。
【0158】
〔実施例40〕
(1S,2R)−2−クロロ−4−(2−メチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル
【化44】

合成−方法A
HPLC−方法A
LCMS−方法A
MS:250.23:(M+1:C1416ClNO);RT:3.47分;純度:100。
【0159】
〔実施例41〕
(1S,2S)−2−クロロ−4−(2−メチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル
【化45】

合成−方法A
HPLC−方法A
LCMS−方法A
MS:250.24:(M+1:C1416ClNO);RT:3.44分;純度:100。
【0160】
〔実施例42〕
(1R,2R)−3−クロロ−4−(2−メチル−シクロヘキシルオキシ)ベンゾニトリル
【化46】

合成−方法A
HPLC−方法A
LCMS−方法A
MS:250.24:(M+1:C1416ClNO);RT:3.41分;純度:100。
【0161】
〔実施例43〕
2−クロロ−4−シクロヘプチルオキシ−ベンゾニトリル
【化47】

合成−方法A
HPLC−方法A
LCMS−方法A
MS:250.24:(M+1:C1416ClNO);RT:3.42分;純度:100。
【0162】
〔実施例44〕
3−クロロ−4−(3,3,5,5−テトラメチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル
【化48】

合成−方法A
HPLC−方法A
LCMS−方法A
MS:292.29:(M+1:C1722ClNO);RT:3.87分;純度:100。
【0163】
〔実施例45〕
2−クロロ−4−シクロヘキシルオキシ−ベンゾニトリル
【化49】

合成−方法 B
HPLC−方法B
LCMS−方法B
MS:236.2:(M+1:C1314ClNO);RT:4.28分;純度:100。
【0164】
〔実施例46〕
2−クロロ−4−シクロペンチルオキシ−ベンゾニトリル
【化50】

合成−方法B
HPLC−方法B
LCMS−方法B
MS:222.2:(M+1:C1212ClNO);RT:4.04分;純度:100。
【0165】
〔実施例47〕
(1S,2R,5S)−2−クロロ−4−(2−イソプロピル−5メチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル
【化51】

合成−方法B
HPLC−方法B
LCMS−方法B
MS:292.28:(M+1:C1722ClNO);RT:4.82分;純度:100。
【0166】
〔実施例48〕
(1S,3R)−2−クロロ−4−(3−メチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル
【化52】

合成−方法B
HPLC−方法B
LCMS−方法B
MS:250.24:(M+1:C1416ClNO);RT:4.34分;純度:100。
【0167】
〔実施例49〕
(1S,2S,5S)−2−クロロ−4−(5−イソプロペニル−2−メチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル
【化53】

合成−方法B
HPLC−方法B
LCMS−方法B
MS:290.31:(M+1:C1720ClNO);RT:4.56分;純度:100。
【0168】
〔実施例50〕
(1R,2S)−2−クロロ−4−(2−シアノ−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル
【化54】

合成−方法B
HPLC−方法B
LCMS−方法B
MS:261.2:(M+1:C1413ClN2O);RT:3.61分;純度:100。
【0169】
〔実施例51〕
2−クロロ−4−(3,4−ジメチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル
【化55】

合成−方法B
HPLC−方法B
LCMS−方法B
MS:264.25:(M+1:C1518ClNO);RT:4.46分;純度:100。
【0170】
〔実施例52〕
2−クロロ−4−(3,4−ジメチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル
【化56】

合成−方法B
HPLC−方法B
LCMS−方法B
MS:264.25(M+1:C1518ClNO);RT:4.49分;純度:100。
【0171】
〔実施例53〕
2−クロロ−4−(2,6−ジメチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル
【化57】

合成−方法B
HPLC−方法B
LCMS−方法B
MS:264.27:(M+1:C1518ClNO);RT:4.51分:純度:100。
【0172】
〔実施例54〕
(1S,4S)−2−クロロ−4−(4−メチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル
【化58】

合成−方法B
HPLC−方法A
LCMS−方法C
MS:250.24:(M+1:C1416ClNO);RT:2.42分;純度:100。
【0173】
〔実施例55〕
(1S,2R)−2−クロロ−4−(2−フェニル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル
【化59】

合成−方法B
HPLC−方法A
LCMS−方法C
MS:312.29:(M+1:C1918ClNO);RT:2.41分:純度:100。
【0174】
〔実施例56〕
(1R,2R)−2−クロロ−4−(2−フェニル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニ
トリル
【化60】

合成−方法B
HPLC−方法A
LCMS−方法C
MS:312.28:(M+1:C1918ClNO);RT:2.42分;純度:100。
【0175】
〔実施例57〕
(1R,2R)−2−クロロ−4−(4−メチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル
【化61】

合成−方法B
HPLC−方法A
LCMS−方法C
MS:250.2:(M+1:C1416ClNO);RT:2.48分;純度:100。
【0176】
〔実施例58〕
(1R,2S)−2−クロロ−4−(2−フェニル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル
【化62】

合成−方法B
HPLC−方法A
LCMS−方法C
MS:312.29:(M+1:C1918ClNO);RT:2.44分:純度:100。
【0177】
〔実施例59〕
(1S,4R)−3−クロロ−4−(4−メチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル
【化63】

合成−方法B
HPLC−方法A
LCMS−方法C
MS:250.29:(M+1:C1416ClNO);RT:2.39分;純度:100。
【0178】
〔実施例60〕
(1S,3R)−3−クロロ−4−(3−メチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニト
リル
【化64】

合成−方法B
HPLC−方法A
LCMS−方法C
MS:250.29:(M+1:C1416ClNO);RT:2.39分;純度:100。
【0179】
〔実施例61〕
(1S,2R,5S)−3−クロロ−4−(2−イソプロピル−5メチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル
【化65】

合成−方法B
HPLC−方法A
LCMS−方法C
MS:292.29(M+1:C1722ClNO);RT:2.52分;純度:100。
【0180】
〔実施例62〕
4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イルオキシ)−2−クロロ−ベンゾニトリル
【化66】

合成−方法B
HPLC−方法A
LCMS−方法C
MS:248.21:(M+1:C1414ClNO);RT:2.36分;純度:100。
【0181】
〔実施例63〕
3−クロロ−4−(2,3−ジメチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル
【化67】

合成−方法B
HPLC−方法A
LCMS−方法C
MS:264.28:(M+1:C1518ClNO);RT:2.46分;純度:100。
【0182】
〔実施例64*
3−クロロ−4−(2,3−ジメチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル
【化68】

合成−方法B
HPLC−方法A
LCMS−方法C
MS:264.23:(M+1:C1518ClNO);RT:2.53分;純度:100。
*実施例64は、実施例63の生成物と同一化合物である。それは、精製段階において、別の画分、画分Bとして溶出されたものである。それは生物学的試験において、別試料として提出されたので、2度報告する。立体化学は解明されていない。
【0183】
〔実施例65〕
(3R,5R)−2−クロロ−4−(trans)−(3,5−ジメチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル
【化69】

合成−方法C
HPLC−方法C
LCMS−方法D
MS:264.21:(M+1:C1518ClNO);RT:3.57分;純度:100。
【0184】
〔実施例66〕
(1R,2R)−3−クロロ−4−(2−メチル−シクロペンチルオキシ)−ベンゾニトリル
【化70】

合成−方法C
HPLC−方法C
LCMS−方法D
MS:236.2:(M+1:C1314ClNO);RT:3.41分;純度:100。
【0185】
〔実施例67〕
(1S,2S)−2−クロロ−4−(2−メチル−シクロペンチルオキシ)−ベンゾニトリル
【化71】

合成−方法C
HPLC−方法C
LCMS−方法D
MS:224.13:(M+1:C1314ClNO);RT:3.42分;純度:100。
【0186】
〔実施例68〕
2−クロロ−4−シクロブトキシ−ベンゾニトリル
【化72】

合成−方法C
HPLC−方法C
LCMS−方法D
MS:208.16:(M+1:C1110ClNO);RT:3.22分;純度:100。
【0187】
〔実施例69〕
4−{[(1,2−cis)−2−エトキシシクロヘキシル]オキシ}−2−トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化73】

cis−1,2−シクロヘキサンジオール(10g、86.1mmol)、p−メトキシベンズアルデヒドジメチルアセタール(47.1g、258mmol)、p−トルエンスルホン酸(1.64g、8.61mmol)及びトルエン(50mL)を、dean-starkトラップ、N2導入管及び温度素子を備えた、100mLの3つ口の丸底フラスコ(「RBF」)に加えた。反応溶液を1時間還流下で加熱した。反応溶液を0℃に冷却し、水素化ジイソブチルアルミニウム(以後「DIBAL−H」と記す)(61.2g、430mmol)を反応溶液に徐々に加えた。全てのDIBAL−Hを加えた後、反応溶液を30分間撹拌した。次いで、MeOH(175mL)及びNH4Cl水溶液(175mL)を加えた。混合物を1時間撹拌し、その間、固体が生成した。この固体を濾別し、残留溶液にエーテル(500mL)を加えた。次いで、エーテルをブライン(250mL)で洗浄し、乾燥し、濃縮した。Hex/EA=5/1の溶出液(780mL)を用いて、カラムクロマトグラフィーを行った。EAを17〜80%に変化させた勾配溶出液(800mL)を、カラムに通した。所望の画分を集め、濃縮した。得られた生成物(11.91g、58.54%:収率)を、DMF(ジメチルホルムアミド)(100mL)中、水素化ナトリウ
ム(2.688g、67.2mmol)及び4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(6.354g、33.60mmol)と組合せた。反応溶液を70℃で、24時間加熱した。反応溶液をEA(酢酸エチル)(250mL)で、3回抽出した。EA層を水(500mL)、重炭酸ナトリウム飽和水溶液(500mL)そしてブライン(500mL)で洗浄した。EA層を乾燥し、濃縮した。生成した油状物質を、6N(規定)のNaOH(250mL)で洗浄した。それを乾燥し、濃縮し、溶媒を含んだ4−[2−(4−メトキシ−ベンジルオキシ)シクロヘキシルオキシ]−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(17.77g)を粗生成物として得た。
【0188】
2,3,−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(以後「DDQ」と記す)(18.2g、80.2mmol)を、4−[2−(4−メトキシ−ベンジルオキシ)シクロヘキシルオキシ]−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(17.77g、43.83mmol)、塩化メチレン(500mL)及び水(50mL)の溶液に加えた。反応溶液を室温で3日間撹拌した。固体が生成し、濾別した。得られた濾液を、シリカゲルプラグに通し、減圧下で濃縮した。ヘキサン中のEAを17〜80%に変化させた勾配溶出液を用いて、カラムクロマトグラフィーを行った。第二のカラムクロマトグラフィーは、Hex/EA=4/1を用いて行った。これにより、所望の生成物4−(2−ヒドロキシ−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(4.0g、32%:収率)を得た。
【0189】
水素化ナトリム(0.014g、0.351mmol)を0℃に冷却し、次いで、4−(2−ヒドロキシ−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(0.1g、0.351mmol)を加え、2つの試薬を5分間撹拌した。ヨードメタン(0.547g、3.51mmol)を加え、反応溶液を室温まで温め、窒素雰囲気下で終夜撹拌した。水(250mL)を加え、反応溶液をEA(700mL)に抽出した。EA層を重炭酸ナトリウム(500mL)及びブライン(250mL)で洗浄した。EA層を乾燥し、濃縮して、粗生成物を得た。この化合物をカラム上に置き、ヘキサンを通した。その後、0〜20%のEAを通過して洗浄し、更にその後、20%EAを通過して洗浄した。透明な画分を集め、濃縮し、4−{[(1,2−cis)−2−エトキシシクロヘキシル]オキシ}−2−トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(0.0251g,22.85%:収率)を得た。
1HNMR (400 MHz, Chloroform-D) ppm 1.14 (t, J=6.95 Hz, 3 H) 1.40 (m, 2 H) 1.53 (s, 1 H) 1.60 (m, 2 H) 1.74 (s, 2 H) 1.87 (m, 1 H) 2.03 (m, 1 H) 3.50 (m, J=13.24, 13.24, 6.83, 2.81 Hz, 2 H) 4.64 (s, 1 H) 7.15 (dd, J=8.66, 2.56 Hz, 1 H) 7.35
(d, J=2.68 Hz, 1 H) 7.71 (d, J=9.03 Hz, 1 H)
【0190】
〔実施例70〕
4−{[(1,2−trans)−2−メトキシシクロヘキシル]オキシ}−2−トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化74】

DMF(ジメチルホルムアミド)(50mL)中の、シクロヘキセンオキシド(13.11g、133.6mmol)、4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(5.00g、26.72mmol)及び炭酸カリウム(5.539g、40.08mmol)を、95℃で14時間加熱した。次いで、反応溶液を冷却した。反応溶液に、水(300mL)を加え、酢酸エチル(200mL)で3回抽出した。集めた抽出物を、水(300mL)、0.5MのNaOH(300mL)溶液、水(300mL)及び15%の
塩化ナトリウム溶液(300mL)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。粗物質を、シリカゲル上で、ヘキサン/酢酸エチル=2/1の溶液で溶出するクロマトグラフィーで精製した。これにより所望の生成物、4−(2−ヒドロキシ−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(3.8g、50%:収率)を得た。
【0191】
DMF(50mL)中の、水素化ナトリウム(0.01402g、0.351mmol)の懸濁液を0℃に冷却し、4−(2−ヒドロキシ−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(0.100g、0.351mmol)を加えた。5分後、ヨードメタン(0.498g、3.51mmol)を加え、反応溶液を室温まで温め、窒素雰囲気下で終夜撹拌した。水(250mL)を加え、反応溶液をEA(酢酸エチル)(500mL)で抽出した。EA層を重炭酸ナトリウム(250mL)溶液及びブライン(250mL)で洗浄した。EA層を乾燥し、濃縮して粗生成物を得た。化合物をカラム上に置き、次いで、ヘキサンを通過させた。その後、溶出混合液を、ヘキサン/酢酸エチル=10/1に変えた。所望の画分を集め、濃縮し、所望の生成物、4−{[(1,2−trans)−2−メトキシシクロヘキシル]オキシ}−2−トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(0.048g、46%:収率)を得た。
1H NMR (400 MHz, Chloroform-D) ppm 1.34 (m, 3 H) 1.49 (m, 1 H) 1.75 (m, 2 H) 2.05 (m, 1 H) 2.14 (m, 1 H) 3.29 (m, J=7.87, 4.73, 4.73, 4.39 Hz, 1 H) 3.36 (s, 3 H) 4.25 (ddd, J=10.00, 7.81, 4.39 Hz, 1 H) 7.17 (dd, J=8.54, 2.68 Hz, 1 H) 7.31 (d, J=2.44 Hz, 1 H) 7.70 (dd, J=8.54, 0.49 Hz, 1 H).
【0192】
〔実施例71〕
(1S,2S)−4−(2−アリルオキシ−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
【化75】

無水のDMF(ジメチルホルムアミド)(15mL)中に、trans−2−アリルオキシ−シクロヘキサノール(1.144g、7.323mmol)を加え、次いで、NaH(60%/油、0.4261g、10.65mmol)を加え、室温で15分間撹拌した。次いで、4−フルオロ−2−トリフルオロメチルベンゾニトリル(1.435g、7.59mmol)を加えた。反応溶液を室温で終夜撹拌した。DMF溶液をヘキサンで2回抽出した。次いで、反応混合物を水(100mL)に注ぎ、エーテルで3回抽出した。集めたエーテル層を3回水で、1回ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、溶媒を除去した。粗生成物を、ヘキサン/塩化メチレン(ヘキサン=100%からヘキサン/塩化メチレン=1/1)の溶出液でクロマトグラフィーにかけた。所望の画分を集め、溶媒を除去し、生成物(0.6245g)を得た。
HNMR (CDCl3, ppm) 7.70-7.68 (1H, d, J=8.8 Hz), 7.32 (1H, s), 7.19-7.16 (1H, d, J=8.8 Hz), 5.80-5.71 (1H, m), 5.20-5.0 (2H, m), 4.30-4.20 (1H, m), 4.10-4.00 (1H, m) 4.00-3.90 (1H, m), 3.50-3.39 (1H, m), 2.20-2.00 (2H, m), 1.80-1.70 (2H, m), 1.65-1.20 (5H, m). FNMR (CDCl3) -62.67 ppm. MS+ 326.
【0193】
〔実施例72〕
(trans)−(+)−4−(2−シアノ−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオ
ロメチル−ベンゾニトリル
【化76】

水素化ナトリウム(2.5g)をTHF(100ml)に加え、−78℃に冷却し、次いで、trans−2−ニトリル−1−ヒドロキシ−シクロヘキサン(7.3g)を加えた。混合物を5分間撹拌した。その後、4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−4−シアノ−ベンゼン(10g/THF)を滴下しながら加えた。反応溶液を終夜撹拌し、そして、自然に温めた。反応混合物を酢酸エチル(EtOAc)(300ml)に溶解し、水(2×100ml)及びブライン(1×100ml)で洗浄した。有機層をMgSO4で乾燥し、濃縮した。残留物を、ヘキサン/CH2Cl2=4/1〜1/1を用いて、クロマトグラフィーにかけ、透明な油状物質を所望の生成物(6.9g)として得た。
MS:300(M+1)。
【0194】
このtrans残留物を、キラルHPLCで分割し、(trans)−(+)−4−(2−シアノ−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(ピーク1、保持時間:18分、2.2g)を得た。
[α]24.3℃=65.2°
【0195】
〔実施例73〕
(trans)−(−)−4−(2−シアノ−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
【化77】

(trans)−4−(2−シアノ−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリルをキラルHPLCで分割し、(trans)−(−)−4−(2−シアノ−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(ピーク2、保持時間22.3分)を得た。
[α]24.3℃=65.6°
【0196】
〔実施例74〕
(1R,3R)−2−クロロ−4−(3−ヒドロキシ−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル
【化78】

市販の混合物である、cis/trans−1,3−シクロヘキサンジオール (7.77g、66.9mmol)を無水のTHF(テトラヒドロフラン)(50mL)に、窒素
雰囲気下で溶解し、氷/アセトン浴で冷却した。次いで、NaH(油中に60%懸濁、2.69g、6.725mmol)を加え、溶液を約10分間撹拌した。無水THF(20mL)中の、2−クロロ−4−フルオロベンゾニトリル(1.06g、6.79mmol)溶液を、徐々に、定常的な流れ(滴下ではなく)として加えた。冷却浴を取除き、室温で終夜撹拌した。反応溶液を5%クエン酸(約10mL)溶液でクエンチし、THFを、ロータリーエバポレーターで除去した。酢酸エチルを加え、層を分離した。水層を2回以上酢酸エチルで抽出し、そして有機層を集めた。集めた有機層を2回ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、ロータリーエバポレーターで除去した。得られた生成物をヘキサンで粉砕し、ヘキサンをデカントした。粗生成物を、酢酸エチル、ヘキサン勾配溶出液(酢酸エチル=10〜50%)を用いてクロマトグラフィーで分画し、所望の画分を集め、溶媒を除去した。その様な操作を2回行い、集めた生成物を分取型逆相HPLCにかけた。標題の化合物(0.1575g)を回収した。
HNMR (CDCl3, ppm) 7.5 (1H, d, J=8.8 Hz), 6.96 (1H, s), 6.82 (1H, d, J=8.8 Hz), 4.8-4.6 (1H, m), 4.2-4.1 (1H, m), 2.1-1.4 (9H, m).
【0197】
〔実施例75〕
式Iの化合物はアンドロゲン受容体に対して親和性を有する。この親和性は、選択された化合物について、ヒト受容体を用いて実証されている。以下の記述により、アッセイを如何にして行ったかを説明する。
【0198】
競合的結合の分析は、異なる濃度の試験試剤、及び一定濃度のトレーサーとしての3H−ジヒドロテストステロン(3H−DHT)の存在下又は非存在下で、バキュロウイルス/Sf9で生成したhAR抽出物について行った。この結合アッセイは、これまでに(Liao S., et al., J. Steroid Biochem. 20:11-17 1984) に記載されているプロトコルの改良法である。簡単に述べると、次第に濃度を減少させた化合物を、hAR抽出物(Chang et al., P.N.A.S. Vol.89, pp.5546-5950, 1992) 、ヒドロキシアパタイト及び3H−DHT(1nM3)の存在下4℃で1時間インキュベートした。続いて、結合反応液を3回洗浄し、結合していない過剰な3H−DHTを完全に除去した。hARが結合した3H−DHTのレベルを化合物の存在下(即ち、競合的結合)で定量し、競合物が存在しない場合のレベル(即ち、最大結合)と比較した。化合物のhARに対する結合親和性は、最大結合の半分が阻害されたときの化合物の濃度で表す。下記の表Iに、選択した化合物に対して得られた結果(以下に示す報告データは、多数回試験の平均値である)を示す。
【0199】
【表1】

【0200】
【表2】

【0201】
【表3】

【0202】
【表4】

【0203】
【表5】

【0204】
【表6】

【0205】
【表7】

【0206】
【表8】

【0207】
【表9】

a−2回の試験の平均値
b−3回の試験の平均値
c−4回の試験の平均値
ND−定量不可
UA−入手不可
【0208】
〔実施例76〕
アンドロゲン受容体に対してアンドロゲンの効果に拮抗する能力を有する化合物を、直下に記載する全細胞アッセイで定量した。
【0209】
AR拮抗薬細胞アッセイの実験的手順
細胞株:
MDA−MB453−MMTVクローン54−19。この細胞株は、MDA−MB453細胞バックグランド(アンドロゲン受容体を発現しているヒト乳癌細胞株)を移入された安定な細胞株である。AREを含有するMMTV最小のプロモーターを、ホタルのルシフェラーゼレポーター遺伝子の前に先ずクローン化した。次いで、そのカスケードを、トランスフェクションベクターpUV120puroにクローン化した。MDA−MB−453細胞をトランスフェクトするために、電気穿孔法を使用した。ピューロマイシンに耐性を有する安定な細胞株を選択した。
【0210】
細胞培養培地及び試薬:
培地:DMEM(高グルコース、Gibco cat #:11960−044)、FBS10%
、及びL−グルタミン1%。
播種培地:DMEM(フェノールレッドを含まない)、活性炭処理 HyClone血清10%、L−グルタミン1%。
アッセイ培地:DMEM(フェノールレッドを含まない)、活性炭処理HyClone血清1%、L−グルタミン1%、及びペニシリン/ストレプトマイシン1%。
3Xルシフェラーゼバッファー:細胞溶解バッファー中β−メルカプトエタノール2%、ATP0.6%、ルシフェリン0.0135%。
【0211】
アッセイ手順:
1.細胞を培地に維持し、細胞が80〜90%コンフルエンスに達したとき細胞を分割する。
2.化合物を試験するために、10,000細胞/ウエルを、播種培地100μl/ウエル中の不透明な96細胞培養プレートに播種し、細胞培養インキュベーター中、37℃で終夜培養する。
3.注意して播種培地を除去し、次いで、前もって暖めたアッセイ培地80μl/ウエルを加え、試験化合物10μl/ウエル(最終濃度1000nM、200nM、40nM、8nM、1.6nM、及び0.32nM)を加え、37℃、30分間インキュベートする。
4.10μl/ウエルの新たに調製したDHT(最終濃度100pM)を各ウエルに加え、37℃で17時間(終夜)培養する。
5.50μl/ウエルの3Xルシフェラーゼバッファーを加え、室温で5分間インキュベートし、次いで、Luminometerでカウントする。
試験化合物なしで、100pM・DHTによってバックグランドの全面にわたり誘発された集団を100%として標準とし、実験結果を試験化合物による阻害のパーセンテージとして表す。
【0212】
結果を下記の表IIIに記載する。結果を以下に記載するように多数回試験の平均値とし
て報告する(試験回数は脚注で示す)。NDは、化合物が試験されなかったことを意味する。
【0213】
【表10】

【0214】
【表11】

【0215】
【表12】

【0216】
【表13】

【0217】
【表14】

【0218】
【表15】

【0219】
【表16】

【0220】
【表17】

【0221】
【表18】

a−2回の試験の平均値
b−3回の試験の平均値
c−4回の試験の平均値
ND−定量不可
UA−入手不可
【0222】
〔実施例77〕
皮脂産生阻害の動物モデル
Luderschmidtらは、化合物が皮脂分泌を調節することができるかどうかを試験する動物モデルを記載している。Arch. Derm. Res. 258, 185-191 (1977)。このモデルは、耳に皮脂腺を有している雄シリアン・ハムスターを使用している。実施例14の生成物をこのモデルでスクリーニングした。
【0223】
皮脂阻害の試験は、以下のやり方で実施した。雄シリアン・ハムスター、9から10週齢、を実験室環境に入れ、試験に使用する前に、2週間馴化した。1群5頭で、ビヒクル(媒体のみ)及び陽性対照と平行して試験した。投与前に、各化合物の充分な量をエタノール及びプロピレングリコールからなる溶媒(70/30%v/v)(1ml)に溶解し、最終濃度3.0%w/vとした。
【0224】
動物には、1日2回、週に5日間、4週間にわたって局所に投与した。各投与量は、ビヒクル対照又は薬物、各25μlから成りたっていた。投与は、右耳及び左耳の両方の腹側表面に適用した。全ての動物は、最終投与後およそ18から24時間に屠殺した。右耳を各動物から集め、皮脂の分析に使用した。
【0225】
これらの耳を以下の方法でHPLC分析に供した。試料の領域を標準化するために耳に解剖学的に「V」印をつけ、そのすぐ上に、末端8mmに1つ生検パンチを入れた。パンチを引き離した。生検体表面腹側(局所投与を皮脂腺に直接適用した領域)を試験用に保持し、生検パンチの背側表面は破棄した。
【0226】
組織試料にN2ガスを吹き付け、HPLC分析に供するまで窒素ガス下に−80℃に貯蔵した。耳の試料に加え、一定量(少なくとも250μl)の各薬物及びビヒクルを、HPLC分析に含めるため−80℃に貯蔵した。
【0227】
HPLC分析を組織試料の抽出物に対して実施した。組織試料を溶媒(2,2,4−トリメチルペンタンとイソプロピルアルコールの3:1混合物)(3ml)と接触させた。混合物を15分間振とうし、室温で遮光して一夜貯蔵した。翌朝、水(1ml)を試料に加え、15分間振とうした。次いで、試料を約1,500rpmで15分間遠心分離した。有機層(最上層)2mlをガラスバイアルに移し、窒素気流下で、37℃にて、およそ1時間乾燥し、次いで、およそ48時間凍結乾燥した。試料を凍結乾燥器から取り出し、各バイアルを溶媒A(トリメチルペンタン/テトラヒドロフラン(99:1)600μlで再構成した。次いで試料にキャップをし、5分間かき混ぜた。
【0228】
各試料200μlを、200μlはめ込みガラスの前標識200μlHPLCバイアルに移した。HPLCバイアルをAgilent 1100 シリーズHPLCユニット用のオートサンプラートレーにセットした。Agilent1100 HPLCシステムは、サーモスタット付きオートサンプラー、クォータナリポンプ、カラムヒーター、及びA/Dインターフェースモジュールから構成されていた。全ての構成部品は、Agilent ChemStationソフトウエアによって制御されていた。Waters Spherisorb S3W 4.6×100mm分析カラムは、Agilentカラムヒーターユニットによって300℃に保持されていた。HPLCオートサンプラーは、実験中を通して試料温度が20℃に保持されるようにプログラムされていた。
【0229】
各試料10μlをカラムに3回注入した。勾配溶出液には2溶媒が使用された。溶媒A
は、トリメチルペンタンとテトラヒドロフラン(99:1)の混合物であった。溶媒Bは、酢酸エチルであった。利用された勾配溶出液を下記の表に記載する。
【0230】
【表19】

【0231】
Sedex75蒸発光散乱検出器(ELSD)は、増幅率5で45℃にて、及びN2圧を3.1バールに保持して、操作された。機器により得たアナログ信号は、Agilent A/Dインターフェースモジュールに送られ、そこでデジタル出力に変換された。変換は、10,000mAU/ボルトの定値に基づいており、データ転送速度は10Hz(0.03分)に設定された。得られたデジタル出力は、ピーク面積の積分用のAgilent ChemStationソフトウエアに送り込んだ。
【0232】
HPLC分析の結果を以下の表IVに示す。結果は、ビヒクル対照と比較した場合の、コレステロールエステル(CE)及びワックスエステル(WE)産生における減少として報告する。負の値は皮脂の増加を反映し、正の値は減少を反映している。
【0233】
【表20】

【0234】
〔実施例78〕
アンドロゲン性脱毛症の動物モデル
上に記載したように、脱毛症は、医学がかなりの資源を投じてきた問題である。いずれの疾病過程とも同様に、動物モデルは、科学者が化合物の潜在的な相対的効力についてそれらをスクリーニングできるように開発されている。動物モデルにおいて大きな効力を示すこれらの化合物は、ヒトにおいて更に研究することが考慮されている。今日までに、脱毛症について2つの異なった動物モデルが開発されている。第一のモデルは、雌性C3H/HeNマウスを使用する、休止期変換アッセイである。第二のモデルは、アンドロゲン性脱毛症に罹患するサルである、ベニガオザル(stump-tailed macaques)を使用する。
【0235】
休止期変換アッセイは、マウスにおける、毛成長周期の休眠期(「休止期」)を毛成長周期の活性期(「発育期」)に変換する化合物の潜在能力を測定する。このアッセイは、7週齢のC3H/HeNマウスの毛皮(即ち毛)は休止期相にあるという事実を利用している。この相は、約75日齢まで続く。このアッセイにおいて、マウスの選択された面積を剃毛し、試験薬、或いは対照と接触させ、体毛成長の速度の差を測定する(即ち、発育期相の誘発)ものである。発育期の最初の徴候は、着色した毛の産生に向けて、毛包のメラニン形成細胞がメラニンの合成を開始し、皮膚の色がだんだん暗くなることである。このモデルは、多くの利点を有する。この利点として、雌性CH3HeNマウスが容易に入手可能であること、多数の化合物を迅速にスクリーニングできること、及びそのような動物の収納及び取り扱いの容易さが挙げられる。
【0236】
このモデルの第一の欠点は、アンドロゲン依存性が欠けていることである。ヒトのはげる正確な原因は知られていないが、アンドロゲンが頭皮における毛包の退行を誘発することは、十分に傍証されている。この思春期後の退行性変化が、男性型はげ(即ち、アンドロゲン性脱毛症)の基本的原因である。この現象は、前に挙げたように、脱毛症の遺伝形質を受け継いでいる男性及び女性の両者に起こる。ヒト頭皮に対するアンドロゲンの効果のより詳細な考察については、読者の注目は、Trueb, RM, Molecular Mechanisms of Androgenic Alopecia, Exp. Gerontology, 2002, 27:981-990 に向けられる。
【0237】
研究者は、毛の成長がヒトのそれに類似している他の動物を探した。これらは、研究者を、ベニガオザルへと導いた。これらの霊長類は、又、アンドロゲン性脱毛症に罹患する。特に、全ての思春期後のベニガオザルは、両性とも、はげの進展を示すのである。ヒトの男性型はげの進展のように、アンドロゲンは、ベニガオザルのはげにおける不可欠の引き金因子である。テストステロンの血清レベルが雄性動物で急激に上昇すると、前頭部頭皮毛髪が薄くなることが、同じ年齢(4才)の辺りで現れ始める。雌におけるテストステロンの上昇は、雄のそのレベルのおよそ1/10であるが、雄性及び雌性のベニガオザルの間ではげの発症の発生率及び年齢に差はない。抗アンドロゲンの局所適用は、動物の両性において、このはげとなることを逆転させた(Pan, H J et al, Evaluation of RU58841 as an anti-androgen in prostate PC3 cells and a topical anti-alopecia agent in
the bald scalp of stump tailed macaques. Endocrine 1998; 9:39-43)。
【0238】
このモデルは、ヒトのはげのモデルとして、休止期変換アッセイを超える著しい改良であるが、実際には多くの不利な点がある。ベニガオザルは高価で、比較的希少であり、飼育に集中的な労力が必要であり、試験の間に、長期のウォッシュ・アウト期間を必要とする。それ故、ベニガオザルは、多くの化合物をスクリーニングするためには実用的なモデルではない。
【0239】
抗アンドロゲン試験化合物を評価するのに、雄性C3H/HeNマウスが休止期変換アッセイに使用できるであろうことが見出された。それ故、そのモデルは、現実の休止期変換アッセイの変形に関するものである。雄性C3H/HeNマウス、およそ7週齢が利用される。これらの動物は、又、それらの雌の相手方のように休止期が均一である。しかし、一度剃毛すると、これらの雄性マウスに生得的に存在するアンドロゲンが毛包の発育期への変換を阻害する。抗アンドロゲンは、このアンドロゲン効果を遮断し、雌の相手方のように、毛包は発育期に変換するであろう。
【0240】
〔実施例78A〕
実施例8に記載した化合物を、上に記載した、変形休止期変換アッセイを利用する更なる試験に使用した。試験は、以下の方法で実施された。
【0241】
雄性C3H/HeNマウス、6から7週齢(Charles River Laboratories, Raleigh, N
C)を試験に使用した。試験開始前に、毛皮をマウスの背部から剪定した。休止期相の視
覚的表示である、ピンクの皮膚をしたマウスだけを試験に採用するために選択した。
【0242】
試験化合物を、プロピレングリコール(30%)及びエタノール(70%)から成るビヒクルに、濃度1%及び3%w/vとなるように溶解した。適切な投与量を、1試験群(マウス7〜10頭)につき、20μl/cm2の容量で、マウスの剪定した背部に局所的に塗布した。第3群の動物には、対照としてビヒクルのみを与えた。治療は、1日2回、4週間適用した。
【0243】
治療は、毛の成長の徴候について、1日おきに観察し、段階付けした。毛の成長の応答性を、毛の成長の徴候が治療領域にわたって最初に出現した日を各動物について記録することにより数量化した。発育期の最初の徴候は、毛包のメラニン形成細胞が、着色した毛の産生に向けて、メラニンの合成を開始するので皮膚の色がだんだん暗くなることであった。マウスは35日間又はそれ以上観察された。
【0244】
発育期は、ビヒクル対照群においてそれが起こる前に、試験群のいずれかにおいて開始することはなかった。
【0245】
〔実施例78B〕
実施例72に記載した化合物を、上に記載した、変形休止期変換アッセイを利用する更なる試験に使用した。試験は、以下の方法で実施された。
【0246】
雄性C3H/HeNマウス、6から7週齢(Charles River Laboratories, Raleigh, NC)を試験に使用した。試験開始前に、毛皮をマウスの背部から剪定した。休止期相の視覚的表示である、ピンクの皮膚をしたマウスだけを試験に採用するために選択した。
【0247】
試験化合物を、プロピレングリコール(30%)及びエタノール(70%)から成るビヒクルに、濃度3%w/vとなるように溶解した。適切な投与量を、1試験群(マウス7〜10頭)につき、20μl/cm2の容量で、マウスの剪定した背部に局所的に塗布した。ある動物群には、対照としてビヒクルのみを与えた。治療は、1日2回、4週間適用した。
【0248】
治療は、毛の成長の徴候について、1日おきに観察し、段階付けした。毛の成長の応答性を、毛の成長の徴候が治療領域にわたって最初に出現した日を各動物について記録することにより数量化した。発育期の最初の徴候は、毛包のメラニン形成細胞が、着色した毛の産生に向けて、メラニンの合成を開始するので皮膚の色がだんだん暗くなることであった。マウスは35日間又はそれ以上観察された。
【0249】
発育期は、図1に示すように、ビヒクル対照群においてそれが起こる前に、試験群において開始された。
【図面の簡単な説明】
【0250】
【図1】動物群に試験化合物を与えたものと、対照としてビヒクルのみを与えたものとの毛の成長の結果の比較を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

の化合物、又はその塩。
式中、
a)X1は、ハロゲン、シアノ、(C1−C6)アルコキシ、ハロアルコキシ又はハロアルキルで表され;
b)Aは、以下に示す、シクロアルキル又はシクロアルケニル環で表され;
【化2】

c)n、m及びpは、それぞれ独立に、1〜8の整数で表され;
d)記号Uは、環内に場合により存在する1つ又はそれ以上の炭素−炭素二重結合を示し;
e)R1、R1'及びR2は、それぞれ独立に、
i)水素;
ii)ハロゲン;
iii)シアノ;
iv)ヒドロキシ;
v)場合により置換される(C1−C12)アルキル;
vi)場合により置換される(C2−C12)アルケニル;
vii)場合により置換される(C2−C12)アルキニル;
viii)場合により置換される(C3−C10)シクロアルキル;
ix)(C3−C10)シクロアルキル(C1−C6)アルキル、ここで、アルキル及びシクロアルキル部分は、それぞれ、場合により置換されても良い;
x)場合により置換される(C6−C10)アリール;
xi)(C6−C10)アリール(C1−C6)アルキル、ここで、アルキル及びアリール部分は、それぞれ、場合により置換されても良い;
xii)(CH2)z−SR3
xiii)(CH2)z−O−R3
xiv)(CH2)z−NR34
xv)(CH2)z−COOR3
xvi)(CH2)z-CONR4
xvii)(CH2)z−NCOR3;及び
xviii)(CH2)zOCOR3
から成るグループから選択される置換基でそれぞれ独立に表され;
f)zは、整数0から6で表され;
g)R3は、水素、(C1−C12)アルキル、(C2−C12)アルケニル、(C2−C12)アルキニル、場合により置換される(C6−C10)アリール及び(C6−C10)アリール(C1−C6)アルキルから成るグループから選択される置換基で表され、ここで、アルキル及びアリール部分はそれぞれ場合により置換されても良い;そして、
h)R4は、水素又は(C1−C12)アルキルから成るグループから選択される置換基で表される。
【請求項2】
1が、ハロゲン又はハロアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
1が、クロロ又はトリフルオロメチルであり、そして2位に位置する、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
Aが下記式:
【化3】

で表される、請求項1、2又は3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
nが、2、3又は4から成るグループから選択される整数で表され;Uは存在せず;そして、R1が、水素、シアノ、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ及びヒドロキシから成るグループから選択される置換基を表す、請求項1、2、3又は4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
以下の化合物:
a)4−(5−ヒドロキシ−5−メチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタ−2−イルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
b)4−(2−メチル−シクロペンチルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
c)4−シクロヘキシルオキシ−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
d)4−(1−アリル−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
e)4−シクロヘプチルオキシ−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
f)4−(2,3−ジメチル−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
g)4−(2−エチル−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
h)4−(2−メチル−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
i)4−シクロペンチルオキシ−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
j)4−(2,6−ジメチル−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベ
ンゾニトリル;
k)4−(5−イソプロペニル−2−メチルシクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
l)4−(5−イソプロペニル−2−メチル−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
m)4−(2−シアノ−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
n)4−(3−メトキシ−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
o)4−(3−メチル−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
p)4−シクロブチルオキシ−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
q)2−クロロ−4−(5−ヒドロキシ−5−メチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタ−2−イルオキシ)−ベンゾニトリル;
r)2−クロロ−4−(2,3−ジメチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
s)4−(1−ブチル−シクロペンチルオキシ)−2−クロロ−ベンゾニトリル;
t)2−クロロ−4−(2−エチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
u)2−クロロ−4−(3−メチル−シクロペンチルオキシ)−ベンゾニトリル;
v)4−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタ−2−イルオキシ)−2−クロロ−ベンゾニトリル;
w)2−クロロ−4−(3−ヒドロキシ−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
x)2−クロロ−4−(2−エチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
y)2−クロロ−4−(2−メチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
z)2−クロロ−4−(2−フェニル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
aa)2−クロロ−4−(4−メチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
bb)2−クロロ−4−(2−メトキシ−シクロペンチルオキシ)−ベンゾニトリル;
cc)2−クロロ−4−(2−メトキシ−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
dd)4−(2−アリルオキシ−シクロペンチルオキシ)−2−クロロ−ベンゾニトリル;
ee)3−クロロ−4−(2−メトキシ−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
ff)3−クロロ−4−(3,3,5,5−テトラメチル−シクロヘキシル)−ベンゾニトリル;
gg)3−クロロ−4−シクロヘプチルオキシ−ベンゾニトリル;
hh)2−クロロ−4−シクロヘキシルオキシ−ベンゾニトリル;
ii)2−クロロ−4−シクロペンチルオキシ−ベンゾニトリル;
jj)2−クロロ−4−(2−イソプロピル−5−メチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
kk)2−クロロ−4−(3−メチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
ll)2−クロロ−4−(5−イソプロペニル−2−メチルシクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
mm)2−クロロ−4−(2−シアノ−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
nn)2−クロロ−4−(3,4−ジメチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
oo)2−クロロ−4−(2,3−ジメチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
pp)2−クロロ−4−(2,6−ジメチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
qq)3−クロロ−4−(4−メチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
rr)2−クロロ−4−(2−フェニル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
ss)3−クロロ−4−(4−メチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
tt)2−クロロ−4−(2−イソプロピル−5−メチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
uu)4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イルオキシ)−2−クロロ−ベンゾニトリル;
vv)3−クロロ−4−(2,3−ジメチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
ww)2−クロロ−4−(3,5−ジメチル−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル;
xx)3−クロロ−4−(2−メチル−シクロペンチルオキシ)−ベンゾニトリル
yy)2−クロロ−4−(2−メチル−シクロペンチルオキシ)−ベンゾニトリル;
zz)2−クロロ−4−シクロブチルオキシ−ベンゾニトリル;
aaa)4−(2−エトキシ−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
bbb)4−(2−メトキシ−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
ccc)2−クロロ−4−(3−ヒドロキシ−シクロヘキシルオキシ)−ベンゾニトリル,;
ddd)4−(2−アリルオキシ−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
eee)4−(2−シアノ−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
fff)(trans)−(+)−4−(2−シアノ−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル、及び;
ggg)(trans)−(−)−4−(2−シアノ−シクロヘキシルオキシ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
から成るグループから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
4−(2−シアノ−シクロヘキシル)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル、その塩、又はその異性体。
【請求項8】
(trans)−(+)−4−(2−シアノ−シクロヘキシル)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物の医薬としての使用。
【請求項10】
アンドロゲン受容体の活性化を阻害する薬物の製造における、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項11】
ホルモン依存癌、良性前立腺肥大、座瘡、多毛症、皮脂過剰、脱毛症、月経前症候群、肺癌、性的早熟、骨粗鬆症、性機能低下症、加齢性筋肉量低下、及び貧血よりなるグループから選択される疾患を緩和する薬物の製造における、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項12】
1つ又はそれ以上の薬学的に許容される賦形剤と混合した、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項13】
皮膚適用に好適な1つ又はそれ以上の薬学的に許容される賦形剤と混合した、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物を含む局所医薬製剤。
【請求項14】
座瘡、脱毛症、及び油性肌よりなるグループから選択される状態を緩和するための化合
物の利用法を消費者に助言する、小売り流通用に包装された、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物を含む製品。
【請求項15】
皮脂又は脱毛を減少する局所用薬物の製造における、請求項1〜8に記載の化合物の使用。

【図1】
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【公表番号】特表2008−505880(P2008−505880A)
【公表日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−519910(P2007−519910)
【出願日】平成17年6月27日(2005.6.27)
【国際出願番号】PCT/IB2005/001999
【国際公開番号】WO2006/006065
【国際公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【出願人】(503181266)ワーナー−ランバート カンパニー リミテッド ライアビリティー カンパニー (167)
【Fターム(参考)】