説明

アンブロキソール及びヨウ化イソプロパミドを含有する新規医薬組成物

本発明は、薬理学的活性化合物として、去痰的有効量のブロムヘキシン又はアンブロキソール又は薬理学的に許容され得るそれらの塩及び副交感神経遮断的(抗コリン性)有効量のヨウ化イソプロパミドの組み合わせを含有する新規医薬組成物に関する。本発明の質的及び量的製剤は、医薬的に許容され得る担体又は賦形剤を含む。さらに、本製剤は、好適な、医薬的に許容され得る担体又は賦形剤を含む。さらに、本発明は、一般的な風邪により生じる様々な症候のための、これらの化合物の使用に関する。特に、本発明の組成物は、一般的な風邪により生じる様々な症候のうち、喀痰及び/又は鼻水の治療に有効である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬理学的活性化合物として、去痰的有効量のブロムヘキシン又はアンブロキソール又は薬理学的に許容され得るそれらの塩及び副交感神経遮断的(抗コリン性)有効量のヨウ化イソプロパミドの組み合わせを含有する新規医薬組成物に関する。さらに、その製剤は、好適な、医薬的に許容され得る担体又は賦形剤を含む。さらに、本発明の組成物は、さらなる他の医薬的活性化合物を含んでいてもよい。本発明の他の態様は、これらの組成物を一般的な風邪の症候の治療において使用する方法に関する。特に、本発明の組成物は、一般的な風邪の幾つかの症候において、喀痰及び/又は鼻水の治療に有用である。
【背景技術】
【0002】
一般的な風邪は、呼吸器官への微生物又は寒冷による刺激時に様々な反応が生じる状態であり、それは、口、鼻から肺への気道である呼吸器官における急性炎症である。より正確には、それは「風邪症候群(common cold syndrome)」と呼ばれる。
一般的な風邪により生じる鼻の炎症は、急性鼻炎と呼ばれ、くしゃみ、鼻水又は鼻づまりのような症候を引き起こす。咽喉の炎症である急性咽頭扁桃炎において、咽喉粘膜のうっ血、腫脹及び疼痛及び他の症候が生じる。感染が呼吸器官の下部に影響すると、嗄声及び時々呼吸困難を生じ、一度それが気管、気管支及び肺に到達すると、咳及び喀痰の発生が始まる。呼吸器官において上記症候の他に、頭痛、発熱、腰痛、体全体の疲労及び食欲不振が現れる。さらに、胃症候、例えば腹痛及び下痢が時々生じる。
風邪及びアレルギー反応は、一般的な風邪の発生に部分的に起因するが、その幾つかはウイルス感染により生じる。一般的な風邪を生じるウイルスの種類は、200より多いと言われている。しかし、現在、ウイルスに有効な薬剤は非常に少ない。このため、一般的な風邪の症候、例えば、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、喀痰、咽喉痛、発熱及び筋肉痛を制御するための全身的治療が、主な医薬療法である。
しかし、すべての症候に有効な薬剤は、未だ開発されていない。従って、そのような症候のために製造されたコンビネーション薬剤が、治療に使用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、本発明の目的は、喀痰(sputum)及び/又は鼻水を改善する極めて有効な医薬組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、一般的な風邪の症候の中で喀痰及び/又は鼻水を効果的に改善する、極めて有効な医薬組成物を使用して、風邪用医薬品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
従って、驚くべきことに、薬理学的活性化合物として、去痰的有効量のブロムヘキシン又はアンブロキソール又は薬理学的に許容され得るそれらの塩及び副交感神経遮断的(抗コリン性)有効量のヨウ化イソプロパミドの組み合わせを含有する、本発明による医薬組成物が、一般的な風邪の症候の治療に適していることを見出した。
本発明は、薬理学的活性化合物として、去痰的有効量のブロムヘキシン又はアンブロキソール、好ましくはアンブロキソール、又は薬理学的に許容され得るそれらの塩及び副交感神経遮断的(抗コリン性)有効量のヨウ化イソプロパミドの組み合わせを含有する医薬組成物に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
本発明の医薬組成物に使用されるアンブロキソール、化学名:トランス-4-[2-アミノ-3,5-ジブロモベンジル]アミノ]シクロヘキサノールは、粘膜潤滑剤に分類される去痰剤であり、それは肺胞界面活性物質の産生の増加により、痰が喀出される気道の膜を潤滑にする作用を有する。アンブロキソールは、ブロムヘキシンの代謝物である。
本発明において、好ましくは塩酸アンブロキソールが使用される。しかし、他の酸付加塩、例えば臭化水素塩、シュウ酸塩、硝酸塩、スルホン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、硫酸塩、リン酸塩(sulfate phosphate)等又は遊離塩基を使用することが可能である。
本発明において、ブロムヘキシンをアンブロキソールの一部又は全体の変わりに使用してもよい。
【0006】
本発明の医薬組成物に使用されるブロムヘキシン、化学名:2-アミノ-3,5-ジブロモ-N-シクロヘキシル-N-メチルベンジルアミンは、気道分泌促進剤に分類される去痰剤であり、それは気道分泌を増加する作用を有する。
本発明において、好ましくは塩酸ブロムヘキシンが使用される。しかし、他の酸付加塩、例えば臭化水素塩、シュウ酸塩、硝酸塩、スルホン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、硫酸塩、リン酸塩等又は遊離塩基をまた使用することが可能である。
本発明の内容において、ブロムヘキシン又はその薬理学的に許容され得る塩を、成人1日投与量として、1.2〜32mgの量においてヨウ化イソプロパミドと混合してもよく、8〜16mgがより好ましく、12mgが最も好ましい。
本発明の内容において、アンブロキソール又はその薬理学的に許容され得る塩を、成人1日投与量として、5〜90mgの量においてヨウ化イソプロパミドと混合してもよく、10〜60mgがより好ましく、22.5〜45mgが最も好ましい。
本発明の医薬組成物に使用されるヨウ化イソプロパミド、化学名:3-カルバモイル-3,3-ジフェニルプロピル)ジイソプロピルメチルアンモニウルヨウ化物は、抗コリン剤であり、それは副交感神経を遮断し、膜の過剰分泌を抑制し、鼻水を緩和する。
ヨウ化イソプロパミドの量は、成人1日投与量として1〜25mgであり、2〜10mgがより好ましく、3〜6mgが最も好ましい。
【0007】
本発明において、アンブロキソールに対するヨウ化イソプロパミドの混合率は、好ましくはその薬理学的に許容され得る塩の形態において、例えば、塩酸アンブロキソールは、一般的に0.01〜5質量部の範囲である。その範囲は、好ましくは0.04〜1質量部、より好ましくは0.1〜0.3質量部である。
本発明における医薬組成物は、経口的に単回又は複数回投与され得る。さらに、アンブロキソール又はその薬理学的に許容され得る塩及びヨウ化イソプロパミドの投与量は、年齢、体重、症候等により調節することができる。
【0008】
さらに、本発明における医薬組成物において、一つ又は二つより多い(one or more than two)物質が、薬理学的活性物質として、解熱鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤、刺激薬(stimulant drug)、ビタミン類、生薬、制酸剤、被覆物質としての粘膜保護剤、抗炎症剤、消炎酵素及び去痰剤を含む群より選ばれる。
これらの薬理学的活性物質のそれぞれの量は、共に使用される薬理学的活性物質の他の種類及び量を考慮して、標準的な公知の組み合わせにより決定される。
解熱鎮痛剤の例としては、イブプロフェン、アセトアミノフェン、エテンザミド、アスピリン、アスピリンアルミニウム、イソプロピルアンチピリン、ササピリン(sasapyrine)、サリチルアミド、サリチル酸ナトリウム、ラクチルフェネチジン(lactyl phenetidine)等が挙げられる。それらは、単独又は二つ以上のそれらの組み合わせのいずれかで使用可能である。解熱鎮痛剤の量は、成人1日投与量として、一般的に10〜5000mgであり、好ましくは225〜3000mgである。
【0009】
抗ヒスタミン剤の例としては、塩酸イソチペンジル、塩酸ジフェニルピラリン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェテロール(difeterol hydrochloride)、塩酸トリプロリジン、塩酸トリペレナミン、塩酸トンジルアミン、塩酸フェネタジン、塩酸メトジラジン、サリチル酸ジフェンヒドラミン、ジフェニルジスルホン酸カルビノキサミン、酒石酸アリメマジン、タンニン酸ジフェンヒドラミン、ジフェニルピラリンテオクレート(difenylpyraline teoclate)、 メブヒドロリンナパジシレート(mebhydrolin napadisylate)、二サリチル酸プロメタジンメチレン、マレイン酸カルビノキサミン、マレイン酸クロルフェニラミン、リン酸ジフェテロール(difeterol phosphate)、メキタジン、プロメタジン、塩酸シプロヘプタジン、塩酸イプロヘプチン、フマル酸クレマスチン及び及び塩酸エピナスチン等が挙げられる。それらは、単独又は二つ以上のそれらの組み合わせのいずれかで使用可能である。抗ヒスタミン剤の量は、成人1日投与量として、1〜300mgであり、好ましくは1.5〜150mgである。
【0010】
鎮咳剤の例としては、塩酸アロクラミド、塩酸クロペラスチン、クエン酸チペピジン、ナトリウムジブネート(sodium dibunate)、臭化水素酸デキストロメトルファン、デキストロメトルファン-フェノールカバー燐塩(dextromethorphan - phenol cover microcosmic salt)、ヒベンズ酸チペピジン、クロペラスチンフェンジゾエート(cloperastine fendizoate)、リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデイン、クエン酸ペントキシベリン、塩酸ノスカピン、ノスカピン、dl-塩酸メチルエフェドリン、dl-メチルエフェドリンサッカリン塩、クエン酸カルベタペンタン(carbetapentane citrate)、リン酸ジメモルファン、リン酸ベンプロペリン、クエン酸イソアミニル、クエン酸オキセラジン、タンニン酸オキセラジン、塩酸エプラジノン、塩酸クロブチノール、塩酸クロフェダノール、塩酸フォミノベン、l-塩酸メチルエフェドリン、塩酸トリメトキノール、プソイドエフェドリン、塩酸フェニルプロパノールアミン、塩酸メトキシフェナミン等が挙げられる。それらは、単独又は二つ以上のそれらの組み合わせのいずれかで使用可能である。鎮咳剤の量は、成人1日投与量として、一般的に2〜900mg、及び好ましくは12〜90mgである。
【0011】
刺激剤の例としては、dl-塩酸メチルエフェドリン、dl-メチルエフェドリンサッカリン塩、カフェイン及び安息香酸ナトリウム、カフェイン、無水カフェイン、塩酸エフェドリン、プソイドエフェドリン、塩酸フェニルプロパノールアミン、フェニレフリン、l-塩酸メチルエフェドリン、塩酸メトキシフェナミン、dl-塩酸エピネフリン、dl-塩酸イソプロテレノール、硫酸イソプロテレノール、硫酸オルシプレナリン、硫酸テルブタリン、硫酸サルブタモール、塩酸トリメトキノール、硫酸ヘキソプレナリン、塩酸クロルプレナリン、塩酸ツロブテロール、塩酸プロカテロール、塩酸ピルブテロール、臭化水素酸フェノテロール、フマル酸ホルモテロール、塩酸クレンブテロール、塩酸マブテロール、塩酸エチルシステイン、塩酸メチルシステイン等が挙げられる。それらは、単独又は二つ以上のそれらの組み合わせで使用可能である。刺激剤の量は、成人1日投与量として、一般的に1〜900mg、好ましくは5〜600mgである。
【0012】
ビタミン類の例としては、ビタミンB1及びその誘導体及びその塩、例えばオクトチアミン、プロスルチアミン(prosultiamine)、フルスルチアミン、塩酸フルスルチアミン、ビスベンチアミン、ベンフォチアミン、塩酸ジセチアミン、シコチアミン、コカルボキシラーゼ、チアミンジスルフィド、塩酸チアミン、一硝酸チアミン、硝酸ビスチアミン、ジ-セチル硫酸チアミン塩、ビスイブチアミン(bisibuthiamine)等、ビタミンB2及びその誘導体及びその塩、例えば、リボフラビン、テトラブチル酸リボフラビン、リン酸ナトリウムリボフラビン、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム等、ビタミンC及びその誘導体及びその塩、例えばアスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム等、ヘスペリジン及びその誘導体及びその塩、ビタミンF、ビタミンA、例えば酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール及びその誘導体及びそれらの塩、ビタミンE及びその誘導体及びその塩、例えばトコフェロール、コハク酸トコフェロール、コハク酸トコフェロールカルシウム、酢酸トコフェロール等が挙げられる。それらは、単独又は二つ以上のそれらの組み合わせのいずれかで使用可能である。ビタミンの量は、成人1日投与量として、一般的に0.1〜2000mgであり、好ましくは1〜500mgである。
【0013】
生薬の例としては、生薬粉末及び/又は抽出物、例えば麻黄(Ephedra Herb)、南天(Nandina Fruit)、桜皮(Cherry Bark)、遠志(Polygala Root)、甘草(Glycyrrhiza)、桔梗(Platycodon Root)、車前子(Plantago Seed)、車前草(Plantago Herb)、ヒガンバナ(Lycoris Radiata Herb)、セネガ(Senega)、貝母(Fritillaria)、ウイキョウ(Fennel)、黄柏(Phellodendron Bark)、黄連(Coptis Rhizome)、ガジュツ(Zedoary)、カモミール(Chamomile)、桂皮(Cinnamon Bark)、ゲンチアナ(Gentian)、牛黄(Oriental Bezoar)、熊胆(Bear Bile)、浜防風(Glehnia Root)、生姜(Ginger)、蒼朮(Atractylodes Lancea Rhizome)、丁子(Clove)、陳皮(Citrus Unshu Peel)、白朮(Atractylodes Rhizome)、地竜(ミミズ)、竹節人参(Panax Rhizome)、ニンジン(Ginseng)、オウゴン(Scutellaria Root)、葛根(Pueraria Root)、杏仁(Apricot Kernel)、香附子(Cyperus Rhizome)、粳米(Nonglutinous Rice)、厚朴(Magnolia Bark)、五味子(Schisandra Fruit)、柴胡(Bupleurum Root)、細辛(Asiasarum Root)、芍薬(Peony Root)、紫蘇(Perilla Herb)、大棗(Jujube)、麦門冬(Ophiopogon Tuber)、半夏(Pinellia tuber)、ブクリョウ(Poria Sclerotium)、葛根湯、桂枝湯、香蘇散、柴胡桂枝湯、小柴胡湯、小青竜湯、麦門冬湯、半夏厚朴湯、麻黄湯、ケイガイ(Schizonepeta Spike)、連翹(Forsythia Fruit)、遠志(Polygala Root)、厚朴(Magnolia)、桃仁(Peach Kernel)、附子(Aconite Root)等が挙げられる。それらは、単独又は二つ以上のそれらの組み合わせのいずれかで使用可能である。生薬の量は、成人1日投与量として、抽出物中(原料生薬に換算して)0.01〜300g及び/又は粉末剤中、0.0001〜60gであり、好ましくは、抽出物中(原料生薬に換算して)0.05〜30g、及び/又は粉末中0.002〜6gである。
【0014】
制酸剤及び粘膜保護剤の例としては、アミノ酢酸、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ハイドロタルサイト(synthetic hydrotalcite)、ジヒドロアルミニウム-アミノ酢酸塩、水酸化アルミニウムゲル、乾燥水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム-炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、共沈(co-precipitate)水酸化アルミニウム-重炭酸ナトリウム、共沈水酸化アルミニウム-重炭酸ナトリウム、共沈水酸化アルミニウム-炭酸カルシウム-炭酸マグネシウム、共沈水酸化マグネシウム-硫酸カリウムアルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等が挙げられる。それらは単独又は二つ以上のそれらの組み合わせのいずれかで使用可能である。制酸剤及び粘膜保護剤の量は、成人1日投与量として、一般的に10〜8000mg、好ましくは100〜4000mgである。
抗炎症剤及び消炎酵素の例としては、ブロメライン、プロナーゼ、セラペプターゼ、半アルカリプロテナーゼ(semi- alkali proteinase)、ストレプトキナーゼ、ストレプトドルナーゼ、塩化リゾチーム、トラネキサム酸等が挙げられる。それらは、単独又は二つ以上のそれらの組み合わせのいずれかで使用可能である。抗炎症酵素製剤の量は、成人1日投与量として、一般的に、4〜2000mg、好ましくは15〜720mgである。
【0015】
アンブロキソール以外の去痰剤としては、グアヤコールスルホン酸カリウム、グアイフェネシン、ヨウ化カリウム、アンモニア・ウイキョウ精、炭酸水素ナトリウム、塩酸ブロムヘキシン、フドステイン、カルボシステイン、塩酸メチルシステイン、アセチルシステイン、塩酸エチルシステイン、塩酸エプラジノン、アミノフィリン、テオフィリン、ジプロフィリン、プロキシフィリン、塩化アンモニウム、クレゾール硫酸カリウム、l-メントール、塩酸トリメトキノール、塩酸フェニルプロパノールアミン、塩酸メトキシフェニラミン等が挙げられる。それらは、単独又は二つ以上のそれらの組み合わせのいずれかで使用可能である。アンブロキソール以外の去痰剤の量は、成人1日投与量として、1〜3000mg、好ましくは6〜900mgである。
本発明の医薬組成物は、経口投与の固体、半固体及び液体製剤、例えば、錠、顆粒、細粒、粉末、カプセル、カプレット、軟カプセル、丸、サスペンジョン、エマルジョン、液、シロップ、ドライシロップ等として使用される。さらに、これらの製剤は、それらをマイクロ粒子(micro particle)、例えばマイクロカプセル、ナノカプセル、ミクロスフェア(microsphere)及びナノスフェア(nano sphere)にした後に製造してもよい。
【0016】
これらの製剤は、通常の方法において、必要に応じて、製剤添加剤を薬理学的活性物質に添加して製造可能であり、その製造方法は限定されない。
本発明の医薬組成物への製剤添加剤として、以下のものが使用可能であるが、それらに限定されない:安定剤、界面活性剤、流動化剤、滑沢剤、可溶化剤、還元剤、緩衝剤、甘味剤、塩基、吸着剤、矯味剤、結合剤、サスペンジョン、懸濁化剤、抗酸化剤、光沢剤、被覆剤、湿潤剤、湿潤改質剤、充填剤、消泡剤、清涼剤(refrigerative agent)、着色剤、香料添加剤(flavoring agent)、芳香剤(perfume)、糖コーティング剤、等張化剤、軟化剤、乳化剤、発泡剤、pH調整剤、希釈剤、賦形剤、分散剤、崩壊剤、芳香剤(fragrance)、乾燥剤、防腐剤、保存剤、可溶化剤、溶解剤、溶媒、流動化剤、帯電防止剤、増量剤、モイスチャライジング剤(moisturizing agent)等。
【0017】
添加剤の例としては、ラクトース、サッカロース、グルコース、マンニトール、ソルビトール、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、微結晶性セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ポリビニルアルコール、ステアリン酸マグネシウム、タルク、水素化植物油、マクロゴール、シリコン油、寒天、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、セラック、グリセリン、芳香エッセンシャルオイル、水溶性食用色素、レーク顔料(rake pigment)、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸、エステル、逆性石鹸、デヒドロ酢酸、ホウ酸、クロロブタノール、ベンジルアルコール、ポリソルベート80、グリセリンの脂肪酸エステル、白色蜜蝋、中鎖トリグリセリド、アスコルビン酸、トコフェロール、チオ硫酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム等が挙げられる。本発明の医薬組成物に使用可能な添加剤は、製薬上入手可能ならば、上記のものに制限されない。
【0018】
例えば、本発明の医薬組成物が、錠、顆粒、細粒、粉末、カプセル、カプレット、丸、ドライシロップとして製造される時、顆粒状パウダー(granulated powders)が調整のために必要とされる場合、それらは一般的に使用される方法、例えば湿式造粒法、例えばスプレー造粒、攪拌造粒(agitate granulation)、流動造粒(flow granulation)、回転流動造粒(roll flow granulation)、回転造粒(roll granulation)及び乾燥造粒、例えば圧縮造粒(compaction granulation)により製造される。さらに、薬理学的活性物質を含む粉末及び顆粒状パウダーを混合し、小さなサッシェに分割し、充填することができる。
カプセルとして製造する場合、カプセル充填機を使用することにより、カプセルに、粉末薬剤、顆粒状パウダー、小錠剤及び他のものを充填する。
錠剤及びカプレットは、活性成分、粉末剤、細粒剤、顆粒状パウダー又は丸及び製剤添加剤を混合し、圧縮成型することにより製造する。
【0019】
被覆製剤、例えば糖衣錠、カプレット、フィルムコート錠及び被覆顆粒状パウダーを、通常の方法、例えばパン・コーティング、流し塗り(flow coating)及び回転被覆(rolling coating)方法及びそれらの組み合わせにおいて製造する。
内服薬(Internal medicine)、例えば、シロップ、エリキシル、リモネード、エキストラクト、飲用製剤(drinkable preparation)及び軟及び硬カプセル剤であって、液体又は半固形物質が充填されているものは、各医薬活性薬剤及び製剤添加剤の一部、例えば、蒸留水のような溶剤を混合、溶解及び懸濁し、残留する溶剤を含有する製剤添加剤を加え、液体の容量を調整することにより一般的に製造される。pH調節は、必要に応じて酸又はアルカリを使用して行うことができる。
さらに、脂溶性成分が含まれる場合、それは、製剤添加剤、例えば界面活性剤(detergent)、可溶化剤、乳化剤及び懸濁化剤を使用することにより、溶解、乳化及びスラリー化してもよい。製剤時、必要に応じて、加温、冷却、窒素置換、濾過及び滅菌を行うことができる。
【0020】
さらに、製剤添加剤を使用して以下の機能を加えることができる:安定化の向上、遅延放出、持続、速崩壊(quickly distinglation)、速い溶解及び医薬特性の溶解(dissolution)、味の遮蔽、用法の向上。これらの機能を加えることは、通常の方法により行うことができる。例えば:別々の顆粒(separate granule)に医薬活性物質を分配すること(dispensing)、多層顆粒、多層の錠又は乾燥被覆錠、別々の顆粒による錠剤、マイクロカプセル、被覆製剤、例えば糖衣錠、フィルムコート錠、コーティング顆粒(coating granule)をつくること、医薬製剤をフォーミング(foaming)すること、チュアブル製剤、口中で製剤を溶解させること、マトリックス製剤(matrix preparation)、一緒の粉砕(together comminution)、固溶体を製造すること、甘味剤、冷媒、抗酸化剤又は安定化剤を添加すること、一定のpH、粘度、浸透圧、塩濃度に調整すること。これらの方法を組み合わせることができる。
本発明の組成物は、以下に示す実施例に詳述した。しかし、本発明の医薬化合物は、以下の例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0021】
錠剤
以下の成分を均一に混合し、混合した粉末を直接圧縮法により、1錠当たり120mgを有するように成型し、錠剤を製造した。
塩酸アンブロキソール 135g
ヨウ化イソプロパミド 18g
ラクトース 459g
結晶性セルロース 450g
軽質無水ケイ酸 8g
タルク 5g
ステアリン酸マグネシウム 5g
【実施例2】
【0022】
粉末剤
以下の成分を均一に混合し、混合した粉末をサッシェ当たり、600mgを有するように成型し、粉末を製造した。
塩酸アンブロキソール 45g
ヨウ化イソプロパミド 6g
アセトアミノフェン 900g
コーンスターチ 289g
ラクトース 540g
ステアリン酸マグネシウム 20g
【実施例3】
【0023】
シロップ
以下の成分を蒸留水に溶解することにより、全量240mlのシロップを製造した。
塩酸アンブロキソール 0.15g
ヨウ化イソプロパミド 0.02g
アセトアミノフェン 3.00g
リン酸ジヒドロコデイン 0.08g
dl-塩酸メチルエフェドリン 0.20g
マレイン酸クロルフェニラミン 0.03g
無水カフェイン 0.25g
トレハロース 120.00g
クエン酸 0.10g
クエン酸ナトリウム 0.10g
カラメル 0.10g
香料 0.50g
【実施例4】
【0024】
糖衣錠
通常の方法において、以下の成分でタブレットパウダーを製造し、1錠当たり270mgを有するように成型した。
塩酸アンブロキソール 90g
ヨウ化イソプロパミド 12g
イブプロフェン 900g
リン酸ジヒドロコデイン 48g
dl-塩酸メチルエフェドリン 120g
マレイン酸クロルフェニラミン 15g
無水カフェイン 150g
硝酸チアミン 48g
アスコルビン酸 600g
コーンスターチ 1257g
ラクトース 936g
結晶性セルロース 360g
ヒドロキシプロピルセルロース 180g
軽質無水ケイ酸 90g
タルク 36g
ステアリン酸マグネシウム 18g
【0025】
コーティング・パンにおいて、ヒドロキシプロピルセルロース5質量%を含有するコーティング液(エチルアルコール:蒸留水=1:1)を使用し、錠剤当たりの質量が10mg増加するまで、この錠剤を被覆した。その後、酸化チタン2質量%、炭酸カルシウム3質量%、アラビアゴム粉末1質量%及びサッカロース60質量%を含有する溶液を使用し、錠剤当たりの質量が180mg増加するまで錠剤を被覆した。その後、サッカロース60質量%を含有する溶液を、1錠当たりの質量が10mg増加するまで、被覆用に使用した。
【実施例5】
【0026】
顆粒剤
通常の方法において、以下の成分を使用することにより顆粒を製造し、それを顆粒剤として1300mgを有するようにカートリッジに詰めた。
塩酸アンブロキソール 90g
ヨウ化イソプロパミド 12g
イブプロフェン 900g
リン酸ジヒドロコデイン 48g
塩酸メチルエフェドリン 120g
マレイン酸クロルフェニラミン 15g
無水カフェイン 150g
硝酸チアミン 48g
アスコルビン酸 600g
コーンスターチ 293g
D-マンニトール 5240g
酒石酸 200g
アスパルテーム 40g
アセスルファムカリウム 40g
香料 4g
【実施例6】
【0027】
錠剤
以下の成分を均一に混合し、混合した粉末を直接圧縮により、1錠当たり300mgを有するように成型し、錠剤を製造した。
塩酸アンブロキソール 45g
ヨウ化イソプロパミド 6g
イブプロフェン 450g
リン酸ジヒドロコデイン 24g
メキタジン 6g
塩酸プソイドエフェドリン 60g
テオフィリン 150g
塩化リゾチーム 90g
無水カフェイン 75g
フルスルチアミン 24g
リボフラビン 12g
ラクトース 443g
結晶性セルロース 390g
ステアリン酸マグネシウム 15g
タルク 10g
【実施例7】
【0028】
錠剤
以下の成分を均一に混合し、混合した粉末を直接圧縮により、1錠当たり240mg有するように成型し、錠剤を製造した。
塩酸アンブロキソール 45g
ヨウ化イソプロパミド 6g
アセトアミノフェン 900g
リン酸ジヒドロコデイン 24g
dl-塩酸メチルエフェドリン 60g
塩酸プソイドエフェドリン 60g
塩酸エピナスチン 10g
セラペプターゼ 15g
無水カフェイン 75g
ベンフォチアミン 24g
リボフラビン 12g
ラクトース 464g
結晶性セルロース 430g
ステアリン酸マグネシウム 20g
タルク 15g

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬理学的活性化合物として、ブロムヘキシン又はアンブロキソール又は薬理学的に許容され得るそれらの塩及びヨウ化イソプロパミドの組み合わせを含有する医薬組成物。
【請求項2】
薬理学的活性化合物として、アンブロキソール又は薬理学的に許容され得るそれらの塩及びヨウ化イソプロパミドの組み合せを含有する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
塩酸アンブロキソールを含有する、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
塩酸アンブロキソール又は薬理学的に許容され得るそれらの塩を、成人1日投与量として5〜90mg含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
ヨウ化イソプロパミドを、成人1日投与量として1〜25mg含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
アンブロキソールに対するヨウ化イソプロパミドの混合率が、0.01〜5質量部の範囲である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
解熱剤、鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤、刺激薬、ビタミン類、生薬、制酸剤及び粘膜保護剤、抗炎症剤、消炎酵素及び去痰剤からなる群より選ばれる一つ以上の薬理学的活性化合物を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
一般的な風邪の治療用薬剤を製造するための、請求項1〜7のいずれか1項に記載の医薬組成物の使用。
【請求項9】
喀痰及び/又は鼻水の治療用薬剤の製造のための、請求項1〜7のいずれか1項に記載の医薬組成物の使用。
【請求項10】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の医薬組成物の固体、半固体又は液体製剤。

【公表番号】特表2006−506407(P2006−506407A)
【公表日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−548828(P2004−548828)
【出願日】平成15年10月31日(2003.10.31)
【国際出願番号】PCT/EP2003/012125
【国際公開番号】WO2004/041263
【国際公開日】平成16年5月21日(2004.5.21)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】