説明

アンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子、電気泳動表示装置用表示液及びそれを含む電気泳動型表示素子

【課題】ゼータ電位を任意の値に制御し得る、電気泳動を利用した表示素子に使用する表示用粒子として有用なアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子、該微粒子を含む表示液及びその表示液を使用した電気泳動型表示素子を提供すること。
【解決手段】ケイ素含有微粒子と、たとえばオクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドとを反応させて得られたアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。これを用いた電気泳動表示装置用表示液及びそれを含む電気泳動型表示素子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気泳動を利用した表示素子に使用する表示用粒子として有用なアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子、その粒子を含む表示液及びその表示液を使用した電気泳動型表示素子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電気泳動を利用した表示素子が知られている。それは少なくとも一方がITO電極のような透光性の2枚の基板が、ある間隔をもって対向し、その間に電気泳動粒子(表示用粒子)を分散媒に分散させてなる懸濁液を封入し、その電極板間に電圧を印加することにより表示用粒子を透明電極板側またはその反対側へ移動させて、表示用粒子のコントラストを透明電極板側から認識させることによる電気泳動型表示素子が開発されている(特許文献1及び2参照)。
【0003】
電気泳動を利用した表示素子には、互いに色が異なり、粒子のゼータ電位が一方がプラスであり、もう一方がマイナスであるような、少なくとも二種類の粒子を混ぜて表示する方法がある。例えば、ゼータ電位がプラスの黒色粒子と、ゼータ電位がマイナスの白色粒子を非極性の分散媒に分散させ、この分散液を少なくとも一方がITO電極のような透明電極で作られたセルの中に封入する。このセルに表示側がプラスの電圧を持つように電圧を印加すると、マイナスのゼータ電位を持った白色粒子が表示面に集まるとともに、プラスのゼータ電位を持った黒色粒子は非表示面に集まり、表示面から観測したときに、白色の表示が観測される。逆に、表示面がマイナスの電圧を持つように電圧を印加すると、プラスのゼータ電位を持った黒色粒子は表示面に集まるとともに、マイナスのゼータ電位を持った白色粒子は非表示面に集まり、黒色の表示が観測される。
また、電気泳動を利用した表示素子には、互いに色が異なり、一方は粒子表面のゼータ電位があり、一方はゼータ電位がほぼゼロであるような、少なくとも二種類の粒子を混ぜて表示する方法がある。例えば、ゼータ電位がプラスの黒色粒子と、ゼータ電位がほとんどゼロの白色粒子を非極性の分散媒に分散させ、この分散液を少なくとも一方がITO電極のような透明電極で作られたセルの中に封入する。このセルに表示側がプラスの電圧を持つように電圧を印加すると、プラスのゼータ電位を持った黒色粒子は非表示面に集まり、表示面から観測したときに、電圧の印加に対して応答しない白色の表示が観測される。逆に、表示面がマイナスの電圧を持つように電圧を印加すると、プラスのゼータ電位を持った黒色粒子は表示面に集まるとともに、ゼータ電位がほとんどゼロの白色粒子は表示面に集まった黒色粒子に隠蔽され、黒色の表示が観測される。
さらに、電気泳動を利用した表示素子には、互いに色が異なり、同じ極性のゼータ電位でもそのゼータ電位の絶対値が異なる少なくとも二種類の粒子を混ぜて、電圧を印加したときの泳動速度の差を利用して表示を変える方法がある。例えば、大きいマイナスのゼータ電位を持った白色粒子と、小さいマイナスのゼータ電位を持った黒色粒子を非極性の分散媒に分散させ、この分散液を少なくとも一方がITO電極のような透明電極で作られたセルの中に封入する。このセルに表示側がプラスの電圧を持つように電圧を印加すると、白色粒子も黒色粒子も非表示面に集まる。ここで、表示面がマイナスになるように適当な時間の間電圧を印加すると、白色粒子も黒色粒子も表示面に泳動するが、泳動速度が白色粒子のほうが速いので、表示面から見ると白色の表示が観測される。またこの状態で再び、表示面がプラスの電圧になるように適当な時間の間電圧を印加すると、白色粒子が黒色粒子より速く非表示面に集まり、表示面から見ると黒色の表示が観測される。
このような表示を行なうためには、表示用粒子のゼータ電位を希望する値に制御する必要がある。
【特許文献1】特開昭63−244095号公報
【特許文献2】特開平1−86116号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、ゼータ電位を任意の値に制御し得る、電気泳動を利用した表示素子に使用する表示用粒子として有用なアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子、該微粒子を含む表示液及びその表示液を使用した電気泳動型表示素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のとおりである。
1.ケイ素含有微粒子と、下記式(1)で表される少なくとも1種のアンモニウムシランとを反応させて得られたアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。
【0006】
【化22】

【0007】
式(1)において、Yは陰イオンであり、R9、R10、およびR11は、それぞれ、水素、炭素数が1〜30であり、直鎖でも分岐してもよいアルキル、置換もしくは非置換のアリール、および置換もしくは非置換のアリールと、アルキレンとで構成されるアリールアルキル、から独立して選択される基であり;Wは炭素数が2〜20であり、任意の−CH2−が−O−で置き換えられてもよいアルキレンまたは炭素数が3〜8であり任意の−CH2−が−O−で置き換えられてもよいアルケニレンであり;R12、R13は、それぞれ、炭素数が1〜30であり、直鎖でも分岐してもよいアルキル、置換もしくは非置換のアリール、および置換もしくは非置換のアリールと、アルキレンとで構成されるアリールアルキル、炭素数が1〜30であり、直鎖でも分岐してもよいアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアリールオキシ、および置換もしくは非置換のアリールと、アルキレンとで構成されるアリールアルキルオキシ、から独立して選択される基であり;R14は、炭素数が1〜30であり、直鎖でも分岐してもよいアルキル、置換もしくは非置換のアリール、または置換もしくは非置換のアリールと、アルキレンとで構成されるアリールアルキル、である。
【0008】
2.前記ケイ素含有微粒子が、(a)式(2)で表される少なくとも1種の共重合体と(b)式(3)で表される少なくとも1種のテトラアルコキシシランを溶液中で共加水分解反応して得られるケイ素含有微粒子(以下、ケイ素含有微粒子Aという)である上記1に記載のアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。
【0009】
【化23】

【0010】
式(2)において、nは1〜1,000の整数であり;R1、R2、R3、R4、R5、R6、およびR7は、それぞれ、水素、炭素数が1〜30であり、任意の水素がフッ素で置き換えられてもよく、そして任意の−CH2−が−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよいアルキル、炭素数2〜20であり、任意の水素がフッ素で置き換えられてもよく、そして任意の−CH2−が−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよいアルケニル、任意の水素がハロゲンまたは1〜10個の炭素を有するアルキルで置き換えられてもよく、そして該アルキルの任意の−CH−が−O−、−CH=CH−またはフェニレンで置き換えられてもよい置換もしくは非置換のアリール、および置換もしくは非置換のアリールと、任意の水素がフッ素で置き換えられてもよく任意の−CH2−が−O−、−CH=CH−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよいアルキレンとで構成されるアリールアルキル、から独立して選択される基であり;Zは炭素数が2〜20であり、任意の−CH2−が−O−で置き換えられてもよいアルキレンまたは炭素数が3〜8であり任意の−CH2−が−O−で置き換えられてもよいアルケニレンであり;Xはハロゲンであり;そして、P1はケイ素に直結した加水分解性基を有する付加重合性単量体の少なくとも1つの重合によって得られる構成単位の連鎖である。式(3)において、Rはフェニルまたは炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖アルキルである。
【0011】
3.式(2)で表わされる共重合体において、P1が、ビニル、アクリロイル、メタアクリロイルおよびスチリルから選択される少なくとも1つの官能基を有するシランカップリング剤の少なくとも1つの重合によって得られる構成単位の連鎖である、上記2に記載のアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。
【0012】
4.式(2)で表わされる共重合体において、P1が、ケイ素に直結した加水分解性基を有する、アクリル酸エステル及びメタアクリル酸エステルの群、および、ケイ素原子に直結した加水分解性基を有するスチレン誘導体の群から選択される、付加重合性単量体の少なくとも1つの重合によって得られる構成単位の連鎖である、上記2に記載のアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。
【0013】
5.式(2)で表わされる共重合体において、P1が、式(A)で表される付加重合性単量体の少なくとも1つの重合によって得られる構成単位の連鎖である、上記2に記載のアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。
【0014】
【化24】

【0015】
式(A)において、RA、RB、RCは独立して、炭素数が1〜4の、アルキル、アルコキシ、アルケニルオキシ、またはアシルオキシであり、RA、RB、RCの少なくとも1つは、炭素数が1〜4の、アルコキシ、アルケニルオキシ、またはアシルオキシであり、RDは、水素またはメチルであり;XAは炭素数が2〜20のアルキレンであり、このアルキレンの末端を除く任意の−CH2−は−O−、−NH−または−CH(OH)−で置き換えられてもよい。
【0016】
6.式(2)で表わされる共重合体において、P1が、式(A)で表される付加重合性単量体の少なくとも1つの重合によって得られる構成単位の連鎖である、上記2に記載のアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。
【0017】
【化25】

【0018】
式(A)において、RA、RB、RCは独立して、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、1−プロポキシ、2−プロポキシ、2-プロペニルオキシ、またはアセチルオキシであり、RA、RB、RCの少なくとも1つは、メトキシ、エトキシ、1−プロポキシ、2−プロポキシ、2-プロペニルオキシ、またはアセチルオキシであり;RDは、水素またはメチルであり;XAは、−CH2CH2CH2−、−(CH2CH2O)mCH2CH2CH2−または−CH(OH)CH2NHCH2CH2CH2−である。ここで、mは1〜3の整数である。
7.式(2)で表わされる共重合体において、P1が少なくとも1つの式(B)で表される付加重合性単量体の重合によって得られる構成単位の連鎖である、上記2に記載のアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。
【0019】
【化26】

【0020】
式(B)において、RE、RF、RGは、それぞれ炭素数が1〜4であり、任意の−CH2−が−O−で置き換えられてもよいアルキルであり、RE、RF、RGの少なくとも何れか1つは、−O−CH3、−O−CH2CH3、−O−CH2CH2CH3、−O−CH(CH32であり;RHは、水素またはメチルであり;XBは炭素数が2〜20であり、任意の−CH2−が−O−で置き換えられてもよいアルキレン、炭素数6〜20のアリーレン、または炭素数7〜20のアリールアルキルから任意の2つの水素を除いて定義される2価の基であり、任意の−CH2−が−O−で置き換えられてもよい。
【0021】
8.前記ケイ素含有微粒子が、
(a)式(a−1)で表されるアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、及び式(a−2)で表されるスチレン誘導体(ただし、スチレンも含む)から選ばれる少なくとも1種の化合物、
(b)式(b−1)及び式(b−2)で表されるラジカル重合性基含有ポリシロキサンマクロモノマーから選ばれる少なくとも1種の化合物、並びに
(c)式(c−1)及び式(c−2)で表されるラジカル重合性基含有アルコキシシランから選ばれる少なくとも1種の化合物、
との共重合によって得られるケイ素含有樹脂と
(d)前記式(3)で表されるテトラアルコキシシラン、
を共加水分解して得られるケイ素含有微粒子(以下、ケイ素含有微粒子Bという)である上記1に記載のアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。
【0022】
【化27】

【0023】
ここで、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜4のアルキルまたは炭素数6〜10のアリールであり、R4はフェニルまたは炭素数1〜20のアルキルである。
【0024】
【化28】

【0025】
ここで、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11及びR12はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜4のアルキル、炭素数6〜10のアリールまたはハロゲンを有する炭素数1〜4のアルキルである。
【0026】
【化29】

【0027】
ここで、R13、R14及びR15はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜4のアルキルまたは炭素数6〜10のアリールであり、R16及びR17はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル、炭素数6〜10のアリールまたはフッ素を有する炭素数1〜4のアルキルであり、R18及びR19は独立にメチル、フェニルまたはフッ素を有する炭素数1〜4のアルキルであり、R20、R21及びR22はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル、フェニルまたはフッ素を有する炭素数1〜4のアルキルである。また、1≦n1+n2≦1000(但し、n1=0、n2=0の場合を含む)である。
【0028】
【化30】

【0029】
ここで、R23、R24、R25、R26、R27、R28及びR29はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜4のアルキル、炭素数6〜10のアリールまたはハロゲンを有する炭素数1〜4のアルキルであり、R30及びR31はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル、炭素数6〜10のアリールまたはフッ素を有する炭素数1〜4のアルキルであり、R32及びR33はそれぞれ独立にメチル、フェニルまたはフッ素を有する炭素数1〜4のアルキルであり、R34、R35及びR36はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル、フェニルまたはフッ素を有する炭素数1〜4のアルキルである。また、1≦n3+n4≦1000(但し、n3=0、n4=0の場合を含む)である。
【0030】
【化31】

【0031】
ここで、R37、R38及びR39はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜4のアルキルまたは炭素数6〜10のアリールであり、R40及びR41はそれぞれ独立にフェニルまたは炭素数1〜20のアルキルであり、xは1、2または3である。
【0032】
【化32】

【0033】
ここで、R42、R43、R44、R45、R46、R47及びR48はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜4のアルキル、炭素数6〜10のアリールまたはハロゲンを有する炭素数1〜4のアルキルであり、R49及びR50はそれぞれ独立にフェニルまたは炭素数1〜20のアルキルであり、yは1、2または3である。
【0034】
9.前記ケイ素含有微粒子が、
(a)前記式(3)で表される少なくとも1種のテトラアルコキシシランと(b)式(5)で表される少なくとも1種のアルキルトリアルコキシシランを溶液中で共加水分解反応して得られるケイ素含有微粒子(以下、ケイ素含有微粒子Cという)である上記1に記載のアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。

R3Si(OR2)3 …(5)

ここで、Rはフェニルまたは炭素数1〜20の直鎖または分岐アルキルであり、Rは炭素数3〜23の直鎖または分岐アルキルである。
【0035】
10.前記ケイ素含有微粒子が、
(a)式(6)で表される少なくとも1種の片末端反応性ポリオルガノシロキサンと(b)前記式(3)で表される少なくとも1種のテトラアルコキシシランを溶液中で共加水分解反応して得られるケイ素含有微粒子(以下、ケイ素含有微粒子Dという)である上記1に記載のアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。
【0036】
【化33】

【0037】
ここで、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル、炭素数4〜10のシクロアルキルまたは炭素数6〜10のアリール若しくはアリール置換炭化水素であり;R及びRは炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル、炭素数6〜10のアリール若しくはアリール置換炭化水素、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖のアルキルオキシ、炭素数4〜10のシクロアルキルオキシまたは炭素数6〜10のアリールオキシ置換炭化水素であり;nは4〜1100の整数である。
【0038】
11.前記式(3)で表わされるテトラアルコキシシランにおいて、Rが炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖アルキルである上記2〜10の何れかに記載のアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。
【0039】
12.(a)式(2)で表される少なくとも1種の共重合体と(b)式(3)で表される少なくとも1種のテトラアルコキシシランを、(c)無機化合物を主体とする微粒子の存在下、溶液中で共加水分解反応して得られるケイ素含有微粒子に、式(1)で表される少なくとも1種のアンモニウムシランを反応させることによって得られるアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。
【0040】
【化34】

【0041】
式(2)において、nは1〜1,000の整数であり;R1、R2、R3、R4、R5、R6、およびR7は、それぞれ、水素、炭素数が1〜30であり、任意の水素がフッ素で置き換えられてもよく、そして任意の−CH2−が−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよいアルキル、炭素数2〜20であり、任意の水素がフッ素で置き換えられてもよく、そして任意の−CH2−が−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよいアルケニル、任意の水素がハロゲンまたは1〜10個の炭素を有するアルキルで置き換えられてもよく、そして該アルキルの任意の−CH−が−O−、−CH=CH−またはフェニレンで置き換えられてもよい置換もしくは非置換のアリール、および置換もしくは非置換のアリールと、任意の水素がフッ素で置き換えられてもよく任意の−CH2−が−O−、−CH=CH−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよいアルキレンとで構成されるアリールアルキル、から独立して選択される基であり;Zは炭素数が2〜20であり、任意の−CH2−が−O−で置き換えられてもよいアルキレンまたは炭素数が3〜8であり任意の−CH2−が−O−で置き換えられてもよいアルケニレンであり;Xはハロゲンであり;そして、P1はケイ素に直結した加水分解性基を有する付加重合性単量体の少なくとも1つの重合によって得られる構成単位の連鎖である。
式(3)において、Rはフェニルまたは炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖アルキルである。
式(1)において、Yは陰イオンであり、R9、R10、およびR11は、それぞれ、水素、炭素数が1〜30であり、直鎖でも分岐してもよいアルキル、置換もしくは非置換のアリール、および置換もしくは非置換のアリールと、アルキレンとで構成されるアリールアルキル、から独立して選択される基であり;Wは炭素数が2〜20であり、任意の−CH2−が−O−で置き換えられてもよいアルキレンまたは炭素数が3〜8であり任意の−CH2−が−O−で置き換えられてもよいアルケニレンであり;R12、R13は、それぞれ、炭素数が1〜30であり、直鎖でも分岐してもよいアルキル、置換もしくは非置換のアリール、および置換もしくは非置換のアリールと、アルキレンとで構成されるアリールアルキル、炭素数が1〜30であり、直鎖でも分岐してもよいアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアリールオキシ、および置換もしくは非置換のアリールと、アルキレンとで構成されるアリールアルキルオキシ、から独立して選択される基であり;R14は、炭素数が1〜30であり、直鎖でも分岐してもよいアルキル、置換もしくは非置換のアリール、または置換もしくは非置換のアリールと、アルキレンとで構成されるアリールアルキル、である。
13.(a)式(a−1)で表されるアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、及び式(a−2)で表されるスチレン誘導体(ただし、スチレンも含む)から選ばれる少なくとも1種の化合物、
(b)式(b−1)及び式(b−2)で表されるラジカル重合性基含有ポリシロキサンマクロモノマーから選ばれる少なくとも1種の化合物、並びに
(c)式(c−1)及び式(c−2)で表されるラジカル重合性基含有アルコキシシランから選ばれる少なくとも1種の化合物、
との共重合によって得られるケイ素含有樹脂と
(d)前記式(3)で表されるテトラアルコキシシラン、
を、
(e)無機化合物を主体とする微粒子の存在下、溶液中で共加水分解反応して得られるケイ素含有微粒子に、式(1)で表される少なくとも1種のアンモニウムシランを反応させることによって得られるアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。
【0042】
【化35】

【0043】
ここで、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜4のアルキルまたは炭素数6〜10のアリールであり、R4はフェニルまたは炭素数1〜20のアルキルである。
【0044】
【化36】

【0045】
ここで、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11及びR12はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜4のアルキル、炭素数6〜10のアリールまたはハロゲンを有する炭素数1〜4のアルキルである。
【0046】
【化37】

【0047】
ここで、R13、R14及びR15はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜4のアルキルまたは炭素数6〜10のアリールであり、R16及びR17はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル、炭素数6〜10のアリールまたはフッ素を有する炭素数1〜4のアルキルであり、R18及びR19は独立にメチル、フェニルまたはフッ素を有する炭素数1〜4のアルキルであり、R20、R21及びR22はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル、フェニルまたはフッ素を有する炭素数1〜4のアルキルである。また、1≦n1+n2≦1000(但し、n1=0、n2=0の場合を含む)である。
【0048】
【化38】

【0049】
ここで、R23、R24、R25、R26、R27、R28及びR29はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜4のアルキル、炭素数6〜10のアリールまたはハロゲンを有する炭素数1〜4のアルキルであり、R30及びR31はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル、炭素数6〜10のアリールまたはフッ素を有する炭素数1〜4のアルキルであり、R32及びR33はそれぞれ独立にメチル、フェニルまたはフッ素を有する炭素数1〜4のアルキルであり、R34、R35及びR36はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル、フェニルまたはフッ素を有する炭素数1〜4のアルキルである。また、1≦n3+n4≦1000(但し、n3=0、n4=0の場合を含む)である。
【0050】
【化39】

【0051】
ここで、R37、R38及びR39はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜4のアルキルまたは炭素数6〜10のアリールであり、R40及びR41はそれぞれ独立にフェニルまたは炭素数1〜20のアルキルであり、xは1、2または3である。
【0052】
【化40】

【0053】
ここで、R42、R43、R44、R45、R46、R47及びR48はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜4のアルキル、炭素数6〜10のアリールまたはハロゲンを有する炭素数1〜4のアルキルであり、R49及びR50はそれぞれ独立にフェニルまたは炭素数1〜20のアルキルであり、yは1、2または3である。
14.(a)前記式(3)で表される少なくとも1種のテトラアルコキシシランと(b)式(5)で表される少なくとも1種のアルキルトリアルコキシシランを、(c)無機化合物を主体とする微粒子の存在下、溶液中で共加水分解反応して得られるケイ素含有微粒子に、式(1)で表される少なくとも1種のアンモニウムシランを反応させることによって得られるアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。

R3Si(OR2)3 …(5)
【0054】
ここで、Rはフェニルまたは炭素数1〜20の直鎖または分岐アルキルであり、Rは炭素数3〜23の直鎖または分岐アルキルである。
15.(a)式(6)で表される少なくとも1種の片末端反応性ポリオルガノシロキサンと(b)前記式(3)で表される少なくとも1種のテトラアルコキシシランを、(c)無機化合物を主体とする微粒子の存在下、溶液中で共加水分解反応して得られるケイ素含有微粒子に、式(1)で表される少なくとも1種のアンモニウムシランを反応させることによって得られるアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。
【0055】
【化41】

【0056】
ここで、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル、炭素数4〜10のシクロアルキルまたは炭素数6〜10のアリール若しくはアリール置換炭化水素であり;R及びRは炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル、炭素数6〜10のアリール若しくはアリール置換炭化水素、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖のアルキルオキシ、炭素数4〜10のシクロアルキルオキシまたは炭素数6〜10のアリールオキシ置換炭化水素であり;nは4〜1100の整数である。
【0057】
16.式(1)で表されるアンモニウムシランにおいて、Yがハロゲン化物イオン、テトラアルキルボレートまたはテトラアリールボレートである上記1〜15の何れかに記載のアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。
【0058】
17.式(1)で表わされるアンモニウムシランにおいて、R9、R10、およびR11が、それぞれ、炭素数が1〜30であり、直鎖でも分岐してもよいアルキルである上記1〜16の何れかに記載のアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。
【0059】
18.アンモニウムシランが式(1′)で表される上記1〜17の何れかに記載のアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。
【0060】
【化42】

【0061】
式(1′)において、Yは陰イオンであり、R9、R10、およびR11は、それぞれ、水素、炭素数が1〜30であり、直鎖でも分岐してもよいアルキル、置換もしくは非置換のアリール、および置換もしくは非置換のアリールと、アルキレンとで構成されるアリールアルキル、から独立して選択される基であり;Wは炭素数が2〜20であり、任意の−CH2−が−O−で置き換えられてもよいアルキレンまたは炭素数が3〜8であり任意の−CH2−が−O−で置き換えられてもよいアルケニレンであり;R14、R15、およびR16は、それぞれ、炭素数が1〜30であり、直鎖でも分岐してもよいアルキル、置換もしくは非置換のアリール、および置換もしくは非置換のアリールと、アルキレンとで構成されるアリールアルキル、から独立して選択される。
【0062】
19.平均粒子径が50〜1,000nmである上記1〜10の何れか1項に記載のアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。
20.平均粒子径が50〜10,000nmである上記11〜15の何れか1項に記載のアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。
21.上記1〜20の何れか1項に記載のアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子と、分散媒を含む電気泳動表示装置用表示液。
22.少なくとも一方が透明な一組の対向配置した電極板間に上記21に記載の表示液を封入してなる電気泳動表示装置。
【発明の効果】
【0063】
本発明によれば、ゼータ電位を任意の値に制御し得る、電気泳動を利用した表示素子に使用する表示用粒子として有用なアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子、該微粒子を含む表示液及びその表示液を使用した電気泳動型表示素子を提供することができる。
とくに、上記で示したケイ素含有微粒子A〜Dは、水に不溶性の有機溶媒に対して親和性のあるジオルガノポリシロキサン部分が化学的に結合しているために、水に不溶性の有機溶媒中でも凝集を起こさず安定に分散される。また、カプセルに封じ込めるなどの処理に対しても、妨害成分を含有していないので、これらの処理が容易であるという特徴も持っている。したがって、上記で示したケイ素含有微粒子A〜Dを採用した本発明の表示液は、ゼータ電位が任意の値に制御されているとともに、安定した懸濁液であり、このような表示液を用いた本発明の電気泳動型表示素子は、表示安定性に優れたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0064】
まず、本発明で用いる用語について説明する。「任意の」は、位置だけでなく個数についても任意に選択できることを意味する。任意の−CH2−が−O−で置き換えられてもよいと記述するときには、連続する複数の−CH2−が−O−で置き換えられる場合を含まない。例えば、任意の−CH2−が−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよいアルキルには、置き換えられていない場合のアルキルの他、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニル、アルキルオキシアルケニルおよびアルケニルオキシアルキルが含まれる。
アルキルおよびアルキレンは、いずれも直鎖の基であってよいし、分岐された基であってもよい。このことは、任意の−CH2−が他の2価基で置き換えられる場合にも適用される。例えば、前記のアルキルオキシアルケニルおよびアルケニルオキシアルキルにおけるアルキル、アルケニレン、アルケニルおよびアルキレンのいずれも、直鎖の基であってよいし、分岐された基であってもよい。シクロアルキルおよびシクロアルケニルは、どちらも架橋環構造の基であってもよいし、そうでなくてもよい。(メタ)アクリル酸誘導体は、アクリル酸誘導体およびメタクリル酸誘導体の総称として用いられる。(メタ)アクリレートは、アクリレートおよびメタクリレートの総称として用いられる。(メタ)アクリロイルオキシは、アクリロイルオキシおよびメタアクリロイルオキシの総称として用いられる。
【0065】
(式(1)で表されるアンモニウムシラン)
次に、下記式(1)表されるアンモニウムシランについて説明する。
【0066】
【化43】

【0067】
式(1)のYは陰イオンであり、好ましくはフッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンのようなハロゲン化物イオン、テトラアルキルボレート、テトラアリールボレートである。
9、R10、およびR11は、それぞれ、水素、炭素数が1〜30であり、直鎖でも分岐してもよいアルキル、置換もしくは非置換のアリール、および置換もしくは非置換のアリールと、アルキレンとで構成されるアリールアルキル、から独立して選択される基であり、好ましくは、炭素数が1〜30であり、直鎖でも分岐してもよいアルキル、から独立して選択される基である。
炭素数が1〜30であり、直鎖でも分岐してもよいアルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、ヘキシル、1,1,2−トリメチルプロピル、ヘプチル、オクチル、2,4,4−トリメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシル、ドコシル、トリアコンチル等である。
置換もしくは非置換のアリールの例は、フェニル、2−トルイル、3−トルイル、4−トルイル、3、5-キシリル等である。
置換もしくは非置換のアリールと、アルキレンとで構成されるアリールアルキルの例は、ベンジル、フェネチル等である。
【0068】
Wは炭素数が2〜20であり、任意の−CH2−が−O−で置き換えられてもよいアルキレンまたは炭素数が3〜8であり任意の−CH2−が−O−で置き換えられてもよいアルケニレンであり、好ましくは、エチレン、プロピレン、ブチレンである。
【0069】
12、R13は、それぞれ、炭素数が1〜30であり、直鎖でも分岐してもよいアルキル、置換もしくは非置換のアリール、および置換もしくは非置換のアリールと、アルキレンとで構成されるアリールアルキル、炭素数が1〜30であり、直鎖でも分岐してもよいアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアリールオキシ、および置換もしくは非置換のアリールと、アルキレンとで構成されるアリールアルキルオキシ、から独立して選択される基である。
炭素数が1〜30であり、直鎖でも分岐してもよいアルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、ヘキシル、1,1,2−トリメチルプロピル、ヘプチル、オクチル、2,4,4−トリメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシル、ドコシル、トリアコンチル等である。
置換もしくは非置換のアリールの例は、フェニル、2−トルイル、3−トルイル、4−トルイル、3、5-キシリル等である。
置換もしくは非置換のアリールと、アルキレンとで構成されるアリールアルキルの例は、ベンジル、フェネチル等である。
炭素数が1〜30であり、直鎖でも分岐してもよいアルキルオキシは、メトキシ、エトキシ、プロピロキシ、1−メチルエトキシ、ブトキシ、2−メチルプロピロキシ、1,1−ジメチルエトキシ、ペンチロキシ、ヘキシロキシ、1,1,2−トリメチルプロピロキシ、ヘプチロキシ、オクチロキシ、2,4,4−トリメチルペンチロキシ、ノニロキシ、デシロキシ、ウンデシロキシ、ドデシロキシ、テトラデシロキシ、ヘキサデシロキシ、オクタデシロキシ、エイコシロキシ、ドコシロキシ、トリアコンチロキシ等である。
置換もしくは非置換のアリールオキシの例は、フェノキシ、2−トルイロキシ、3−トルイロキシ、4−トルイロキシ、3、5-キシリロキシ等である。
置換もしくは非置換のアリールと、アルキレンとで構成されるアリールアルキルオキシの例は、ベンジロキシ、フェネチロキシ等である。
【0070】
14は、炭素数が1〜30であり、直鎖でも分岐してもよいアルキル、置換もしくは非置換のアリール、または置換もしくは非置換のアリールと、アルキレンとで構成されるアリールアルキル、である。
炭素数が1〜30であり、直鎖でも分岐してもよいアルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、ヘキシル、1,1,2−トリメチルプロピル、ヘプチル、オクチル、2,4,4−トリメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシル、ドコシル、トリアコンチル等である。
置換もしくは非置換のアリールの例は、フェニル、2−トルイル、3−トルイル、4−トルイル、3、5-キシリル等である。
置換もしくは非置換のアリールと、アルキレンとで構成されるアリールアルキルの例は、ベンジル、フェネチル等である。
【0071】
中でも、アルコキシ基を三つ持つことによる反応性のよさから、下記式(1′)で表されるアンモニウムシランが好ましい。
【0072】
【化44】

【0073】
式(1′)において、Yは陰イオンであり、R9、R10、およびR11は、それぞれ、水素、炭素数が1〜30であり、直鎖でも分岐してもよいアルキル、置換もしくは非置換のアリール、および置換もしくは非置換のアリールと、アルキレンとで構成されるアリールアルキル、から独立して選択される基であり;Wは炭素数が2〜20であり、任意の−CH2−が−O−で置き換えられてもよいアルキレンまたは炭素数が3〜8であり任意の−CH2−が−O−で置き換えられてもよいアルケニレンであり;R14、R15、およびR16は、それぞれ、炭素数が1〜30であり、直鎖でも分岐してもよいアルキル、置換もしくは非置換のアリール、および置換もしくは非置換のアリールと、アルキレンとで構成されるアリールアルキル、から独立して選択される。
【0074】
この具体例として、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、オクチルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ヘキシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、トリn−ブチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、トリn−ブチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムブロマイド、トリメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル(3−トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、オクチルジメチル(3−トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ヘキシルジメチル(3−トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、トリn−ブチル(3−トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、トリn−ブチル(3−トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムブロマイド、トリメチル(3−トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル(3−トリイソプロピロキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドなどをあげることができる。
【0075】
(ケイ素含有微粒子A)
次に、ケイ素含有微粒子Aの前記式(2)におけるR、R、R、R、R、R及びRの好ましい具体例についてのべる。
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7がアルキルであるとき、その炭素数は1〜30である。好ましい炭素数は1〜20である。そして任意の水素がフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−が−O−、またはシクロアルキレンで置き換えられてもよい。このようなアルキルの好ましい例は、炭素数1〜20の非置換のアルキル、炭素数2〜20のアルコキシアルキル、炭素数1〜8アルキルにおいて1つの−CH2−がシクロアルキレンで置き換えられた基、およびここに挙げたこれらの基において任意の水素がフッ素で置き換えられる基である。シクロアルキレンの好ましい炭素原子の数は3〜8である。
【0076】
1〜30個の炭素を有する非置換のアルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、ヘキシル、1,1,2−トリメチルプロピル、ヘプチル、オクチル、2,4,4−トリメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシル、ドコシル、トリアコンチル等である。
【0077】
1〜30個の炭素を有するフッ素化アルキルの例は、2−フルオロエチル、2、2−ジフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、ヘキサフルオロプロピル、ノナフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロヘキシル、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル、パーフルオロ−1H,1H,2H,2H−ドデシル、パーフルオロ−1H,1H,2H,2H−テトラデシル等である。
【0078】
2〜29個の炭素を有するアルコキシアルキルおよびフッ素化アルコキシアルキルの例は、3−メトキシプロピル、メトキシエトキシウンデシル、2−フルオロエチルオキシプロピル、2,2,2−トリフルオロエチルオキシプロピル、2−フルオロ−1−フルオロメチルエチルオキシプロピル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルオキシプロピル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルオキシプロピル、ヘキサフルオロイソプロピルオキシプロピル、ヘプタフルオロイソプロピルオキシプロピル、ヘキサフルオロブチルオキシプロピル、ヘプタフルオロブチルオキシプロピル、オクタフルオロイソブチルオキシプロピル、オクタフルオロペンチルオキシプロピル、2−フルオロエチルオキシブチル、2,2,2−トリフルオロエチルオキシブチル、2−フルオロ−1−フルオロメチルエチルオキシブチル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルオキシブチル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルオキシブチル、ヘキサフルオロイソプロピルオキシブチル、ヘキサフルオロブチルオキシブチル、ヘプタフルオロブチルオキシブチル、オクタフルオロイソブチルオキシブチル、オクタフルオロペンチルオキシブチル、2−フルオロエチルオキシイソブチル、2,2,2−トリフルオロエチルオキシイソブチル、2−フルオロ−1−フルオロメチルエチルオキシイソブチル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルオキシイソブチル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルオキシイソブチル、ヘキサフルオロイソプロピルオキシイソブチル、ヘキサフルオロブチルオキシイソブチル、ヘプタフルオロブチルオキシイソブチル、オクタフルオロイソブチルオキシイソブチル、オクタフルオロペンチルオキシイソブチル等である。
【0079】
炭素の数が1〜8であり、そして1つの−CH2−がシクロアルキレンで置き換えられるアルキルの例は、シクロヘキシルメチル、アダマンタンエチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、2−ビシクロヘプチル、シクロオクチル等である。シクロヘキシルは、メチルの−CH2−がシクロへキシレンで置き換えられる例である。シクロヘキシルメチルは、エチルのβ位の−CH2−がシクロへキシレンで置き換えられる例である。
【0080】
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7がアルケニルであるとき、その炭素数は2〜20である。そして任意の水素がフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−が−O−、またはシクロアルキレンで置き換えられてもよい。このようなアルケニルの好ましい例は、炭素数2〜20のアルケニル、3〜20個の炭素原子を有するアルケニルオキシアルキル、3〜20個の炭素原子を有するアルキルオキシアルケニル、炭素原子の数が1〜8であり、そして1つの−CH2−がシクロアルケニレンで置き換えられるアルキル、およびここに挙げたこれらの基において任意の水素がフッ素で置き換えられる基である。シクロアルケニレンの好ましい炭素原子の数は3〜8である。
2〜20個の炭素原子を有するアルケニルの例は、ビニル、2−プロペニル、3−ブテニル、5−ヘキセニル、7−オクテニル、10−ウンデセニル、21−ドコセニル等である。3〜20個の炭素原子を有するアルケニルオキシアルキルの例はアリルオキシウンデシルである。炭素原子の数が1〜8であり、そして1つの−CH2−がシクロアルケニレンで置き換えられるアルキルの例は、2−(3−シクロヘキセニル)エチル、5−(ビシクロヘプテニル)エチル、2−シクロペンテニル、3−シクロヘキセニル、5−ノルボルネン−2−イル、4−シクロオクテニル等である。
【0081】
ケイ素含有微粒子Aの式(2)におけるR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7が置換もしくは非置換のアリールである場合の例は、任意の水素がハロゲンまたは1〜10個の炭素を有するアルキルで置き換えられてもよいフェニルおよび非置換のナフチルである。ハロゲンの好ましい例は、フッ素、塩素および臭素である。フェニルの置換基であるアルキルにおいては、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして任意の−CH−は、−O−、−CH=CH−またはフェニレンで置き換えられてもよい。即ち、好ましいアリールの具体的な例は、フェニル、非置換のナフチル、アルキルフェニル、アルキルオキシフェニル、アルケニルフェニル、少なくとも1つの−CH2−がフェニレンで置き換えられるアルキルを置換基として有するフェニル、およびこれらの基において任意の水素がハロゲンで置き換えられる基である。なお、本発明においては、特に断らずに単にフェニルと表記するときは、非置換のフェニルを意味する。
【0082】
ハロゲン化フェニルの例は、ペンタフルオロフェニル、4−クロロフェニル、4−ブロモフェニル等である。
【0083】
アルキルフェニルの例は、4−メチルフェニル、4−エチルフェニル、4−プロピルフェニル、4−ブチルフェニル、4−ペンチルフェニル、4−ヘプチルフェニル、4−オクチルフェニル、4−ノニルフェニル、4−デシルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2,4,6−トリエチルフェニル、4−(1−メチルエチル)フェニル、4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル、4−(2−エチルヘキシル)フェニル、2,4,6−トリス(1−メチルエチル)フェニル等である。
【0084】
アルキルオキシフェニルの例は、(4−メトキシ)フェニル、(4−エトキシ)フェニル、(4−プロポキシ)フェニル、(4−ブトキシ)フェニル、(4−ペンチルオキシ)フェニル、(4−ヘプチルオキシ)フェニル、(4−デシルオキシ)フェニル、(4−オクタデシルオキシ)フェニル、4−(1−メチルエトキシ)フェニル、4−(2−メチルプロポキシ)フェニル、4−(1,1−ジメチルエトキシ)フェニル等である。アルケニルフェニルの例は、4−ビニルフェニル、4−(1−メチルビニル)フェニル、4−(3−ブテニル)フェニル等である。
【0085】
少なくとも1つの−CH2−がフェニレンで置き換えられるアルキルを置換基として有するフェニルの例は、4−(2−フェニルビニル)フェニル、4−フェノキシフェニル、3−(フェニルメチル)フェニル、ビフェニル、ターフェニル等である。4−(2−フェニルビニル)フェニルは、エチルフェニルのエチルにおいて、1つの−CH2−がフェニレンで置き換えられ、もう1つの−CH2−が−CH=CH−で置き換えられる例である。
【0086】
ベンゼン環の水素の一部がハロゲンで置き換えられ、さらに他の水素がアルキル、アルキルオキシまたはアルケニルで置き換えられるフェニルの例は、3−クロロ−4−メチルフェニル、2,5−ジクロロ−4−メチルフェニル、3,5−ジクロロ−4−メチルフェニル、2,3,5−トリクロロ−4−メチルフェニル、2,3,6−トリクロロ−4−メチルフェニル、3−ブロモ−4−メチルフェニル、2,5−ジブロモ−4−メチルフェニル、3,5−ジブロモ−4−メチルフェニル、2,3−ジフルオロ−4−メチルフェニル、3−クロロ−4−メトキシフェニル、3−ブロモ−4−メトキシフェニル、3,5−ジブロモ−4−メトキシフェニル、2,3−ジフルオロ−4−メトキシフェニル、2,3−ジフルオロ−4−エトキシフェニル、2,3−ジフルオロ−4−プロポキシフェニル、4−ビニル−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル等である。
【0087】
次に、ケイ素含有微粒子Aの式(2)におけるR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7が置換もしくは非置換のアリールアルキルである場合の例を挙げる。置換もしくは非置換のアリールアルキルは、置換もしくは非置換のアリールと、任意の水素がフッ素で置き換えられてもよく、そして任意の−CH2−が−O−、−CH=CH−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよいアルキレンとで構成されるアリールアルキルである。
【0088】
アリールアルキルのアルキレンにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして任意の−CH2−は−O−、−CH=CH−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよい。アリールアルキルの好ましい例はフェニルアルキルである。このとき、フェニルの任意の水素はハロゲンまたは1〜12個の炭素を有するアルキルで置き換えられてもよい。このアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレンまたはフェニレンで置き換えられてもよい。そして、アルキレンの好ましい炭素数は1〜12であり、より好ましい炭素数は1〜8である。
【0089】
非置換のフェニルアルキルの例は、フェニルメチル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチル、6−フェニルヘキシル、11−フェニルウンデシル、1−フェニルエチル、2−フェニルプロピル、1−メチル−2−フェニルエチル、1−フェニルプロピル、3−フェニルブチル、1−メチル−3−フェニルプロピル、2−フェニルブチル、2−メチル−2−フェニルプロピル、1−フェニルヘキシル等である。
【0090】
フェニルの少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられるフェニルアルキルの例は、4−フルオロフェニルメチル、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニルメチル、2−(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)エチル、3−(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)プロピル、2−(2−フルオロフェニル)プロピル、2−(4−フルオロフェニル)プロピル等である。
【0091】
フェニルの少なくとも1つの水素が塩素で置き換えられるフェニルアルキルの例は、4−クロロフェニルメチル、2−クロロフェニルメチル、2,6−ジクロロフェニルメチル、2,4−ジクロロフェニルメチル、2,3,6−トリクロロフェニルメチル、2,4,6−トリクロロフェニルメチル、2,4,5−トリクロロフェニルメチル、2,3,4,6−テトラクロロフェニルメチル、2,3,4,5,6−ペンタクロロフェニルメチル、2−(2−クロロフェニル)エチル、2−(4−クロロフェニル)エチル、2−(2,4,5−クロロフェニル)エチル、2−(2,3,6−クロロフェニル)エチル、3−(3−クロロフェニル)プロピル、3−(4−クロロフェニル)プロピル、3−(2,4,5−トリクロロフェニル)プロピル、3−(2,3,6−トリクロロフェニル)プロピル、4−(2−クロロフェニル)ブチル、4−(3−クロロフェニル)ブチル、4−(4−クロロフェニル)ブチル、4−(2,3,6−トリクロロフェニル)ブチル、4−(2,4,5−トリクロロフェニル)ブチル、1−(3−クロロフェニル)エチル、1−(4−クロロフェニル)エチル、2−(4−クロロフェニル)プロピル、2−(2−クロロフェニル)プロピル、1−(4−クロロフェニル)ブチル等である。
【0092】
フェニルの少なくとも1つの水素が臭素で置き換えられるフェニルアルキルの例は、2−ブロモフェニルメチル、4−ブロモフェニルメチル、2,4−ジブロモフェニルメチル、2,4,6−トリブロモフェニルメチル、2,3,4,5−テトラブロモフェニルメチル、2,3,4,5,6−ペンタブロモフェニルメチル、2−(4−ブロモフェニル)エチル、3−(4−ブロモフェニル)プロピル、3−(3−ブロモフェニル)プロピル、4−(4−ブロモフェニル)ブチル、1−(4−ブロモフェニル)エチル、2−(2−ブロモフェニル)プロピル、2−(4−ブロモフェニル)プロピル等である。
【0093】
フェニルの少なくとも1つの水素が1〜12個の炭素原子を有するアルキルで置き換えられるフェニルアルキルの例は、2−メチルフェニルメチル、3−メチルフェニルメチル、4−メチルフェニルメチル、4−ドデシルフェニルメチル、3,5−ジメチルフェニルメチル、2−(4−メチルフェニル)エチル、2−(3−メチルフェニル)エチル、2−(2,5ジメチルフェニル)エチル、2−(4−エチルフェニル)エチル、2−(3−エチルフェニル)エチル、1−(4−メチルフェニル)エチル、1−(3−メチルフェニル)エチル、1−(2−メチルフェニル)エチル、2−(4−メチルフェニル)プロピル、2−(2−メチルフェニル)プロピル、2−(4−エチルフェニル)プロピル、2−(2−エチルフェニル)プロピル、2−(2,3−ジメチルフェニル)プロピル、2−(2,5−ジメチルフェニル)プロピル、2−(3,5−ジメチルフェニル)プロピル、2−(2,4−ジメチルフェニル)プロピル、2−(3,4−ジメチルフェニル)プロピル、2−(2,5−ジメチルフェニル)ブチル、(4−(1−メチルエチル)フェニル)メチル、2−(4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル)エチル、2−(4−(1−メチルエチル)フェニル)プロピル、2−(3−(1−メチルエチル)フェニル)プロピル等である。
【0094】
炭素の数が1〜12であり、そして少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられるアルキルをフェニルの置換基として有するフェニルアルキルの例は、3−(トリフルオロメチル)フェニルメチル、2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチル、2−(4−ノナフルオロブチルフェニル)エチル、2−(4−トリデカフルオロヘキシルフェニル)エチル、2−(4−ヘプタデカフルオロオクチルフェニル)エチル、1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチル、1−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチル、1−(4−ノナフルオロブチルフェニル)エチル、1−(4−トリデカフルオロヘキシルフェニル)エチル、1−(4−ヘプタデカフルオロオクチルフェニル)エチル、2−(4−ノナフルオロブチルフェニル)プロピル、1−メチル−1−(4−ノナフルオロブチルフェニル)エチル、2−(4−トリデカフルオロヘキシルフェニル)プロピル、1−メチル−1−(4−トリデカフルオロヘキシルフェニル)エチル、2−(4−ヘプタデカフルオロオクチルフェニル)プロピル、1−メチル−1−(4−ヘプタデカフルオロオクチルフェニル)エチル等である。
【0095】
炭素の数が1〜12であり、そして1つの−CH2−が−CH=CH−で置き換えられるアルキルをフェニルの置換基として有するフェニルアルキルの例は、2−(4−ビニルフェニル)エチル、1−(4−ビニルフェニル)エチル、1−(2−(2−プロペニル)フェニル)エチル等である。
【0096】
炭素の数が1〜12であり、そして1つの−CH2−が−O−で置き換えられるアルキルをフェニルの置換基として有するフェニルアルキルの例は、4−メトキシフェニルメチル、3−メトキシフェニルメチル、4−エトキシフェニルメチル、2−(4−メトキシフェニル)エチル、3−(4−メトキシフェニル)プロピル、3−(2−メトキシフェニル)プロピル、3−(3,4−ジメトキシフェニル)プロピル、11−(4−メトキシフェニル)ウンデシル、1−(4−メトキシフェニル)エチル、2−(3−(メトキシメチル)フェニル)エチル、3−(2−ノナデカフルオロデセニルオキシフェニル)プロピル等である。
【0097】
炭素の数が1〜12であり、1つの−CH2−がシクロアルキレンで置き換えられ、そしてもう1つの−CH2−が−O−で置き換えられてもよいアルキルをフェニルの置換基として有するフェニルアルキルの例は、シクロペンチルフェニルメチル、シクロペンチルオキシフェニルメチル、シクロヘキシルフェニルメチル、シクロヘキシルフェニルエチル、シクロヘキシルフェニルプロピル、シクロヘキシルオキシフェニルメチル等である。
【0098】
炭素の数が1〜12であり、1つの−CH2−がフェニレンで置き換えられ、そしてもう1つの−CH2−が−O−で置き換えられてもよいアルキルをフェニルの置換基として有するフェニルアルキルの例は、2−(4−フェノキシフェニル)エチル、2−(4−フェノキシフェニル)プロピル、2−(2−フェノキシフェニル)プロピル、4−ビフェニリルメチル、3−ビフェニリルエチル、4−ビフェニリルエチル、4−ビフェニリルプロピル、2−(2−ビフェニリル)プロピル、2−(4−ビフェニリル)プロピル等である。
【0099】
フェニルの少なくとも2つの水素が異なる基で置き換えられるフェニルアルキルの例は、3−(2,5−ジメトキシ−3,4,6−トリメチルフェニル)プロピル、3−クロロ−2−メチルフェニルメチル、4−クロロ−2−メチルフェニルメチル、5−クロロ−2−メチルフェニルメチル、6−クロロ−2−メチルフェニルメチル、2−クロロ−4−メチルフェニルメチル、3−クロロ−4−メチルフェニルメチル、2,3−ジクロロ−4−メチルフェニルメチル、2,5−ジクロロ−4−メチルフェニルメチル、3,5−ジクロロ−4−メチルフェニルメチル、2,3,5−トリクロロ−4−メチルフェニルメチル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−メチルフェニルメチル、(2,3,4,6−テトラクロロ−5−メチルフェニル)メチル、2,3,4,5−テトラクロロ−6−メチルフェニルメチル、4−クロロ−3,5−ジメチルフェニルメチル、2−クロロ−3,5−ジメチルフェニルメチル、2,4−ジクロロ−3,5−ジメチルフェニルメチル、2,6−ジクロロ−3,5−ジメチルフェニルメチル、2,4,6−トリクロロ−3,5−ジメチルフェニルメチル、3−ブロモ−2−メチルフェニルメチル、4−ブロモ−2−メチルフェニルメチル、5−ブロモ−2−メチルフェニルメチル、6−ブロモ−2−メチルフェニルメチル、3−ブロモ−4−メチルフェニルメチル、2,3−ジブロモ−4−メチルフェニルメチル、2,3,5−トリブロモ−4−メチルフェニルメチル、2,3,5,6−テトラブロモ−4−メチルフェニルメチル、11−(3−クロロ−4−メトキシフェニル)ウンデシル等である。
【0100】
そして、フェニルアルキルにおけるフェニルの最も好ましい例は、非置換のフェニル、並びにフッ素、1〜4個の炭素を有するアルキル、ビニルおよびメトキシの少なくとも1つを置換基として有するフェニルである。
【0101】
フェニルアルキルを構成するアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH2−が−O−、−CH=CH−またはシクロアルキレンで置き換えられるフェニルアルキルの例は、3−フェノキシプロピル、1−フェニルビニル、2−フェニルビニル、3−フェニル−2−プロペニル、4−フェニル−4−ペンテニル、13−フェニル−12−トリデセニル、フェニルシクロヘキシル、フェノキシシクロヘキシル等である。
【0102】
フェニルアルキルを構成するアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH2−が−CH=CH−で置き換えられ、且つフェニルの水素がフッ素またはメチルで置き換えられるフェニルアルケニルの例は、4−フルオロフェニルビニル、2,3−ジフルオロフェニルビニル、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニルビニル、4−メチルフェニルビニル等である。
【0103】
ケイ素含有微粒子AのR1、R2のより好ましい具体例は、メチル、フェニルおよび3,3,3−トリフルオロプロピルである。R3、R4のより好ましい具体例は、メチル又はフェニルである。R5のより好ましい具体例は、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、フェニルおよびフェニルメチルである。R6、R7は炭素数1〜20のアルキル、炭素数6〜20のアリール、または炭素数7〜20のアラルキルが好ましく、より好ましい具体例は、メチルである。
【0104】
ケイ素含有微粒子Aの式(2)において、Xは、ハロゲンであり、その好ましい例は塩素、臭素およびヨウ素であり、特に臭素が好ましい。Zは炭素数2〜20のアルキレンまたは炭素数3〜8のアルケニレンである。これらのアルキレンおよびアルケニレンにおいては、任意の−CH2−が−O−で置き換えられてもよい。Zの好ましい例は、−C36−O−C24−O−、−C36−O−、または−C24−O−である。
また、式(2)において、nは1〜1000の整数であり、好ましくは5〜500であり、より好ましくは10〜200である。
【0105】
1は、ケイ素に直結した加水分解性基を有する付加重合性単量体の少なくとも1つの重合によって得られる構成単位の連鎖である。
【0106】
1は、ビニル、(メタ)アクリロイル、スチリルから選択される少なくとも1つの官能基を有するシランカップリング剤の少なくとも1つの重合によって得られる構成単位の連鎖であってもよい。
【0107】
1は、ケイ素に直結した加水分解性基を有する(メタ)アクリル酸エステルの群およびケイ素に直結した加水分解性基を有するスチレン誘導体の群から選択される、付加重合性単量体の少なくとも1つの重合によって得られる構成単位の連鎖であってもよい。
【0108】
さらに、P1は、式(A)で表される付加重合性単量体の少なくとも1つの重合によって得られる構成単位の連鎖であってもよい。
【0109】
【化45】

【0110】
式(A)において、RA、RB、RCは独立して、炭素数が1〜4の、アルキル、アルコキシ、アルケニルオキシ、またはアシルオキシであるが、RA、RB、RCの少なくとも1つは、炭素数が1〜4の、アルコキシ、アルケニルオキシ、またはアシルオキシであり、RDは、水素またはメチルであり;XAは炭素数が2〜20のアルキレンであり、このアルキレンの末端を除く任意の−CH2−は−O−、−NH−または−CH(OH)−で置き換えられてもよい。
【0111】
より好ましくは、
式(A)において、RA、RB、RCは独立して、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、1−プロポキシ、2−プロポキシ、2-プロペニルオキシ、またはアセチルオキシであるが、RA、RB、RCの少なくとも1つは、メトキシ、エトキシ、1−プロポキシ、2−プロポキシ、2-プロペニルオキシ、またはアセチルオキシであり;RDは、水素またはメチルであり;XAは、−CH2CH2CH2−、−(CH2CH2O)mCH2CH2CH2−または−CH(OH)CH2NHCH2CH2CH2−である。ここでmは1〜3の整数である。
【0112】
さらに、P1は少なくとも1つの式(B)で表される付加重合性単量体の重合によって得られる構成単位の連鎖であってもよい。
【0113】
【化46】

【0114】
式(B)において、RE、RF、RGは、それぞれ炭素数が1〜4であり、任意の−CH2−が−O−で置き換えられてもよいアルキルであり、RE、RF、RGの少なくとも何れか1つは、−O−CH3、−O−CH2CH3、−O−CH2CH2CH3、−O−CH(CH32であり;RHは、水素またはメチルであり;XBは炭素数が2〜20であり、任意の−CH2−が−O−で置き換えられてもよいアルキレン、炭素数6〜20のアリーレン、または炭素数7〜20のアリールアルキルから任意の2つの水素を除いて定義される2価の基であり、任意の−CH2−が−O−で置き換えられてもよい。
【0115】
ケイ素に直結した加水分解性基を有する(メタ)アクリル酸エステルの群およびケイ素に直結した加水分解性基を有するスチレン誘導体の具体例は、3−メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3―メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3―メタクリロキシプロピルトリイソプロポキシシシラン、3―メタクリロキシプロピルトリス(メトキシエトキシ)シラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、N−(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、(3−アクリロキシプロピル)トリス(トリメチルシロキシ)シラン、ビス(トリエトキシシリル)エチレン、1,3−[ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリエチレンオキシ]−2−メチレンプロパン、1,1−ビス(トリメトキシシリルメチル)エチレン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ブテニルトリメトキシシラン、ブテニルトリエトキシシラン、7−オクテニルトリメトキシシラン、7−オクテニルトリエトキシシラン、スチリルトリメトキシシラン、スチリルトリエトキシシラン、スチリルエチルトリメトキシシラン、スチリルエチルトリエトキシシランおよび3−(N―スチリルメチル−2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシランである。
【0116】
上記の単量体は単独で用いてもよいし、複数を共重合させてもよい。共重合させる際にはランダム共重合でも、ブロック共重合でもよい。また、上記の単量体に以下に記載するような付加重合性の二重結合を少なくとも1つ有する単量体を付加させてもよい。
【0117】
付加重合性の二重結合を1つ有する単量体の例の1つは、(メタ)アクリル酸誘導体である。その具体例は、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、トルイル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、3−エチル−3−(メタ)アクリロイルオキシメチルオキセタン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、(メタ)アクリレート2−アミノエチル、2−(2−ブロモプロパノイルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ブロモイソブチリルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、1−(メタ)アクリロキシ−2−フェニル−2−(2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ)エタン、(1−(4−((4−(メタ)アクリロキシ)エトキシエチル)フェニルエトキシ)ピペリジン、3−(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタエチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン−1−イル)プロピル(メタ)アクリレート、3−(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタイソブチル−ペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン−1−イル)プロピル(メタ)アクリレート、3−(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタイソオクチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン−1−イル)プロピル(メタ)アクリレート、3−(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタシクロペンチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン−1−イル)プロピル(メタ)アクリレート、3−(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタフェニルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン−1−イル)プロピル(メタ)アクリレート、3−[(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタエチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン−1−イルオキシ)ジメチルシリル]プロピル(メタ)アクリレート、3−[(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタイソブチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン−1−イルオキシ)ジメチルシリル]プロピル(メタ)アクリレート、3−[(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタイソオクチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン−1−イルオキシ)ジメチルシリル]プロピル(メタ)アクリレート、3−[(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタシクロペンチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン−1−イルオキシ)ジメチルシリル]プロピル(メタ)アクリレート、3−[(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタフェニルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン−1−イルオキシ)ジメチルシリル]プロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、トリフルオロメチルメチル(メタ)アクリレート、2−トリフルオロメチルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロエチルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロメチル(メタ)アクリレート、ジパーフルオロメチルメチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロデシルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロヘキサデシルエチル(メタ)アクリレート、および2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフォリルコリンである。
【0118】
付加重合性の二重結合を1つ有する単量体のもう1つの例は、スチレン系単量体である。その具体例は、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、p−クロルスチレン、p−クロロメチルスチレン、m−クロロメチルスチレン、o−アミノスチレン、p−スチレンクロロスルホン酸、スチレンスルホン酸およびその塩、ビニルフェニルメチルジチオカルバメート、2−(2−ブロモプロパノイルオキシ)スチレン、2−(2−ブロモイソブチリルオキシ)スチレン、1−(2-((4−ビニルフェニル)メトキシ)−1−フェニルエトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(4−ビニルフェニル)−3,5,7,9,11,13,15−ヘプタエチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン、1−(4−ビニルフェニル)−3,5,7,9,11,13,15−ヘプタイソブチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン、1−(4−ビニルフェニル)−3,5,7,9,11,13,15−ヘプタイソオクチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン、1−(4−ビニルフェニル)−3,5,7,9,11,13,15−ヘプタシクロペンチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン、1−(4−ビニルフェニル)−3,5,7,9,11,13,15−ヘプタフェニルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン、3−(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタエチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン−1−イル)エチルスチレン、3−(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタイソブチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン−1−イル)エチルスチレン、3−(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタイソオクチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン−1−イル)エチルスチレン、3−(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタシクロペンチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン−1−イル)エチルスチレン、3−(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタフェニルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン−1−イル)エチルスチレン、3−((3,5,7,9,11,13,15−ヘプタエチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン−1−イルオキシ)ジメチルシリル)エチルスチレン、3−((3,5,7,9,11,13,15−ヘプタイソブチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン−1−イルオキシ)ジメチルシリル)エチルスチレン、3−((3,5,7,9,11,13,15−ヘプタイソオクチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン−1−イルオキシ)ジメチルシリル)エチルスチレン、3−((3,5,7,9,11,13,15−ヘプタシクロペンチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン−1−イルオキシ)ジメチルシリル)エチルスチレン、および3−((3,5,7,9,11,13,15−ヘプタフェニルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン−1−イルオキシ)ジメチルシリル)エチルスチレンである。
【0119】
付加重合性の二重結合を1つ有する単量体のその他の例は、フッ素含有ビニル単量体(パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等)、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステルおよびジアルキルエステル、フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステルおよびジアルキルエステル、マレイミド系単量体(マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等)、ニトリルを有する単量体(アクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、アミドを有する単量体(アクリルアミド、メタクリルアミド等)、ビニルエステル系単量体(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等)、オレフィン類(エチレン、プロピレン等)、共役ジエン系単量体(ブタジエン、イソプレン等)、ハロゲン化ビニル(塩化ビニル等)、ハロゲン化ビニリデン(塩化ビニリデン等)、ハロゲン化アリル(塩化アリル等)、アリルアルコール、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、N−ビニルカルバゾール、メチルビニルケトン、およびビニルイソシアナートである。さらに、重合性二重結合を1分子中に1つ有し、主鎖がスチレン、(メタ)アクリル酸エステルまたはアルキレングリコ−ルのマクロモノマーであるマクロ単量体も挙げられる。
【0120】
付加重合性二重結合を2つ有する単量体の例は、ジビニルベンゼンおよびジ(メタ)アクリレート系単量体である。ジ(メタ)アクリレート系単量体の例は、1,3−ブタンジオール ジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオール ジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール ジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール ジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール ジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコール ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコール ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン ジ(メタ)アクリレート、ビス〔(メタ)アクリロイルオキシエトキシ〕ビスフェノールA、ビス〔(メタ)アクリロイルオキシエトキシ〕テトラブロモビスフェノールA、ビス〔(メタ)アクロキシポリエトキシ〕ビスフェノールA、1,3−ビス(ヒドロキシエチル)5,5−ジメチルヒダントイン、3−メチルペンタンジオール ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコール誘導体のジ(メタ)アクリレート、およびビス〔(メタ)アクリロイルオキシプロピル〕テトラメチルジシロキサンである。さらに、分子中に重合性二重結合を2つ有し、主鎖がスチレン、(メタ)アクリル酸エステルまたはアルキレングリコ−ルのマクロモノマーであるマクロ単量体もあげられる。
【0121】
付加重合性二重結合を3つ以上有する単量体の例は、トリメチロールプロパン トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール テトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール モノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチルイソシアネート) トリ(メタ)アクリレート、トリス(ジエチレングリコール)トリメレート トリ(メタ)アクリレート、3,7,14−トリス[(((メタ)アクリロイルオキシプロピル)ジメチルシロキシ)]−1,3,5,7,9,11,14−ヘプタエチルトリシクロ[7.3.3.15,11]ヘプタシロキサン、3,7,14−トリス[(((メタ)アクリロイルオキシプロピル)ジメチルシロキシ)]−1,3,5,7,9,11,14−ヘプタイソブチルトリシクロ[7.3.3.15,11]ヘプタシロキサン、3,7,14−トリス[(((メタ)アクリロイルオキシプロピル)ジメチルシロキシ)]−1,3,5,7,9,11,14−ヘプタイソオクチルトリシクロ[7.3.3.15,11]ヘプタシロキサン、3,7,14−トリス[(((メタ)アクリロイルオキシプロピル)ジメチルシロキシ)]−1,3,5,7,9,11,14−ヘプタシクロペンチルトリシクロ[7.3.3.15,11]ヘプタシロキサン、3,7,14−トリス[(((メタ)アクリロイルオキシプロピル)ジメチルシロキシ)]−1,3,5,7,9,11,14−ヘプタフェニルトリシクロ[7.3.3.15,11]ヘプタシロキサン、オクタキス(3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルジメチルシロキシ)オクタシルセスキオキサン、およびオクタキス(3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)オクタシルセスキオキサンである。更に、分子中に重合性二重結合を3個以上を有し、主鎖がスチレン、(メタ)アクリル酸エステルまたはアルキレングリコ−ルのマクロモノマーであるマクロ単量体も挙げられる。
【0122】
式(2)で表される共重合体の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法)によって求めたポリジメチルシロキサン換算値で、100〜75,000が好ましく、500〜50,000がより好ましく、1,000〜20,000が更に好ましい。
【0123】
式(2)中における重合体は、式(2’)で示されるα−ハロエステル基を有するポリシロキサン誘導体を重合開始剤とし、前記付加重合性単量体との重合により得られる(特願2005-79207号参照)。
【0124】
【化47】

【0125】
α−ハロエステル基を有する基は、α−ハロカルボニルオキシを末端に有する基を意味する。α−ハロエステル基を有するシロキサン誘導体は、遷移金属錯体の存在下で、優れた重合開始能を有し、リビング重合性を維持し続けることができ、あらゆるラジカル重合性単量体に対して重合を開始させることが可能である。特に(メタ)アクリル酸誘導体またはスチレン系誘導体に対して優れたリビング重合性を発現させることが可能である。
【0126】
式(2’)においてR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、Z1およびX1は式(2)におけるこれらの記号と同一の意味を有する。
【0127】
重合触媒として用いられる遷移金属錯体の好ましい例は、周期律表第7族、8族、9族、10族または11族元素を中心金属とする金属錯体である。更に好ましい触媒は、0価の銅の錯体、1価の銅の錯体、2価のルテニウムの錯体、2価の鉄の錯体および2価のニッケルの錯体である。なかでも、銅の錯体が好ましい。1価の銅化合物の例は、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、シアン化第一銅、酸化第一銅、過塩素酸第一銅等である。銅化合物を用いる場合には、触媒活性を高めるために、2,2’−ビピリジルもしくはその誘導体、1,10−フェナントロリンもしくはその誘導体、ピリジルメタンイミン(N−(n−プロピル)−2−ピリジルメタンイミン等)、ポリアミン(テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチルトリス(2−アミノエチル)アミン等)、またはL−(−)−スパルテイン等の多環式アルカロイドが配位子として添加される。2価の塩化ルテニウムのトリストリフェニルホスフィン錯体(RuCl2(PPh33)も触媒として好適である。ルテニウム化合物を触媒として用いる場合には、活性化剤としてアルミニウムアルコキシド類が添加される。これら以外の好適な触媒の例は、2価の鉄のビストリフェニルホスフィン錯体(FeCl2(PPh32)、2価のニッケルのビストリフェニルホスフィン錯体(NiCl2(PPh32)、および2価のニッケルのビストリブチルホスフィン錯体(NiBr2(PBu32)である。
【0128】
重合反応には溶剤を用いてもよい。用いられる溶剤の例は、炭化水素(例:ベンゼン、キシレン、トルエン等)、エーテル(例:ジエチルエーテル、THF、ジフェニルエーテル、アニソール、ジメトキシベンゼン等)、ハロゲン化炭化水素(例:塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン等)、ケトン(例:アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、アルコール(例:メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等)、ニトリル(例:アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等)、エステル(例:酢酸エチル、酢酸ブチル等)、カーボネート系溶剤(例:エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等)、アミド系溶剤(例:N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、ハイドロクロロフルオロカーボン系溶剤(例:HCFC−141b、HCFC−225等)、ハイドロフルオロカーボン系溶剤(例:HFCs等)、パーフルオロカーボン系溶剤(例:パーフルオロペンタン、パーフルオロヘキサン等)、脂環式ハイドロフルオロカーボン系溶剤(例:フルオロシクロペンタン、フルオロシクロブタン等)、酸素含有フッ素系溶剤(例:フルオロエーテル、フルオロポリエーテル、フルオロケトン、フルオロアルコール等)、および水である。ここに挙げた括弧内の化合物は、それぞれの溶剤の好ましい例である。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。エマルジョン系もしくは超臨界流体CO2を媒体とする系においても重合を行うことができる。なお、用いることができる溶剤はこれらの例に制限されない。
【0129】
原子移動ラジカル重合は、付加重合性単量体の種類、溶剤の種類に応じて、減圧、常圧または加圧下で行うことができる。重合触媒または生成ラジカルは、酸素と接触すると失活する恐れがある。そのような場合には重合速度が低下したり、良好なリビング重合体が得られなかったりするため、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で重合を行うことが肝要である。この反応では、あらかじめ、減圧下で重合系内の溶存酸素を除去する必要がある。そして、溶存酸素の除去工程の後、そのまま減圧下において重合工程へ移行することも可能である。原子移動ラジカル重合には慣用の方法を採用することができ、重合方法によって特に制限されない。例えば、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法、または塊状−懸濁重合法等を採用することができる。そして、重合温度は0〜200℃の範囲であり、好ましい重合温度は、室温〜150℃の範囲である。
【0130】
上記の方法により、化合物(2’)を重合開始剤として得られる重合体は、式(2)で表すことができる。以下の説明では、式(2)で示される重合体を重合体(2)で表記する。
【0131】
式(2)におけるP1は、ケイ素に直結した加水分解性基を有する付加重合性単量体の重合によって得られる構成単位の連鎖である。
【0132】
用いる付加重合性単量体の種類を選択することで、重合体(2)の構造を制御することが可能である。例えば、単量体の単独重合を行えば、ホモポリマーが結合したシロキサンが得られる。複数の単量体を同時に添加して重合するとランダム共重合体が結合したシロキサンが得られる。単量体を逐次に添加する方法、例えば、最初の単量体の重合が完結した後に、2番目の単量体を添加して重合を完結する方法を採用すれば、ブロック共重合体が結合したシロキサンを得ることができる。この段階的な重合を複数の単量体を用いて繰り返し行うことで、マルチブロック共重合体が結合したシロキサンを得ることも可能である。そして、必要に応じて多官能単量体を共存させることで、3次元網目構造を有する架橋重合体とすることもできる。
【0133】
通常の付加重合性単量体を重合させる時に、重合性官能基を有すると同時に開始剤としての機能をも有する化合物を併用することにより、高分岐型ポリマーが結合したシロキサンを得ることができる。このような化合物の例は、2−(2−ブロモプロパノイルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ブロモイソブチリルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ブロモプロパノイルオキシ)スチレン、および2−(2−ブロモイソブチリルオキシ)スチレンである。原子移動ラジカル重合に関与しない開始基を有する付加重合性単量体を共重合させた後、得られた重合体を開始剤として、さらに他の重合様式(例えばニトロキシル重合や光イニファタ重合)で付加重合性単量体を重合させて、グラフト共重合体を形成させることもできる。原子移動ラジカル重合に関与しない開始基を有する付加重合性単量体の例は、1−(2-(4−ビニルフェニルメトキシ)−1−フェニルエトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイルオキシ−2−フェニル−2−(2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ)エタン、(1−(4−(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシエチル)フェニルエトキシ)ピペリジン、およびビニルフェニルメチルジチオカルバメートである。
【0134】
(メタ)アクリル基またはスチリル基などの付加重合性を有する有機金属化合物を併用することにより、重合体の構造中に金属原子を含む構成単位を導入することができる。この付加重合性を有する有機金属化合物の例は、ポリジメチルシロキサンおよびシルセスキオキサン誘導体である。さらに付加重合性官能基を有すると同時に加水分解性を有するケイ素化合物およびチタン化合物として、3−メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、スチリルトリメトキシシラン、チタンメタクリレートトリイソプロポキサイドおよび(2−メチルメタクリルオキシエトキシ)トリイソプロポキシチタネートなどがある。
【0135】
オキセタニル基を有する単量体、例えば3−エチル−3−(メタ)アクリロイルオキシメチルオキセタンなど共重合させた後、得られた重合体を開始剤としてジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネートまたは、(4−ペンタデシルオキシフェニル)フェニルアイオドニウムハキサフルオロアンチモネートなどを添加すれば、光カチオン重合させることが可能である。
【0136】
次に重合体(2)の精製方法について説明する。この重合体の単離・精製は、未反応の付加重合性単量体を効率よく除去することによってなされる。種々の方法があるが、再沈殿操作による精製法が好ましい。この精製法は次のように行われる。まず、重合体(2)および未反応の単量体を含む重合反応液に、重合体(2)は溶解しないけれども未反応の単量体は溶解するような溶剤、いわゆる沈殿剤をこの溶液に加えて重合体(2)のみを沈殿させる。沈殿剤の好ましい使用量は、前記の重合反応液の重量に基づいて20〜50倍である。
【0137】
好ましい沈殿剤は、重合時に用いる溶剤と相溶し、重合体(2)を全く溶解せず、未反応の単量体のみを溶解し、沸点も比較的低い溶剤である。好ましい沈殿剤の例は低級アルコール類および脂肪族炭化水素である。特に好ましい沈殿剤はメタノールおよびヘキサンである。そして、未反応単量体の除去効率をさらにあげるためには、再沈殿操作の繰り返し回数を多くすればよい。この方法により、重合体(2)のみを貧溶剤中で析出させることが可能であり、濾過操作によって容易に未反応単量体と重合体とを分離することができる。
【0138】
上記の方法により単離した重合体(2)には重合触媒である遷移金属錯体が残存するため、重合体の着色、物性面への影響および環境安全性等の問題が生ずることがある。従って、重合反応終了時にこの触媒残渣を除去する必要がある。触媒残渣は、活性炭等を用いる吸着処理により除去することができる。活性炭以外の吸着剤の例は、イオン交換樹脂(酸性、塩基性またはキレート形)、および無機系吸着剤である。
【0139】
次に下記式(3)で表されるテトラアルコキシシランについて説明する。
【0140】
【化48】

【0141】
式(3)のR8におけるフェニルまたは炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖アルキルとしては、好ましくはフェニルまたは炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐鎖アルキルである。
その具体例として、テトラフェノキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトラブトキシシランを挙げることができる。
【0142】
ケイ素含有微粒子Aは、その粒子の表面にシラノールがあり、これが解離していることから、マイナスのゼータ電位を持っている。したがって、少なくとも一方がITO電極のような透明電極で作られたセルにこの分散液を注入したときに、表示側の電圧がプラスなら表示面に粒子が移動し、表示側の電圧がマイナスなら、非表示側の面に粒子が移動する。ここで、下記で説明するように本発明の上記特定のアンモニウムシランを反応させていくと、反応させるアンモニウムシランの量が少ない場合は、表面のシラノールの一部だけが粒子表面で中和され、ゼータ電位はマイナスであるが、ゼータ電位の絶対値が小さい粒子を作成することができる。また、適当な量のアンモニウムシランを反応させると、粒子表面のシラノールが丁度中和され、ゼータ電位がほとんどゼロの粒子を作成することができる。さらに、過剰のアンモニウムシランを反応させると、粒子表面のシラノール以上のアンモニウムシランが付与され、過剰のアンモニウムがプラスの電荷を持っているために、ゼータ電位がプラスの粒子を作成することができる。
一般的に粒子のゼータ電位を制御するとき、粒子のゼータ電位がゼロに近づくと、粒子間にゼータ電位による反発力が働かなくなり、ファン・デル・ワールス力のために凝集が起こる。これを防ぐために、あらかじめ粒子表面に立体反発によって凝集しないようにしておく必要がある。このような立体反発による凝集防止には、高分子鎖を使用することが知られている。また、一般に、このような高分子鎖は粒子に吸着させてその効果を発現する。なお、立体反発による凝集防止を低分子鎖で行なわせようとすると、低分子鎖による排除距離がファン・デル・ワールス距離より短いために、凝集防止効果が発現しにくい。したがって、ファン・デル・ワールス距離より長い高分子鎖を使用する。高分子鎖を吸着によって粒子に付与した場合、その吸着力はゼータ電位に基づくものであるから、ゼータ電位がゼロに近いところでは、高分子鎖が粒子表面から脱離してしまい、やはり、凝集防止効果が期待できない。さらに、高分子鎖の両末端や側鎖に複数の吸着点が存在すると、あるひとつの粒子上にだけ吸着するのではなく、ひとつの高分子鎖が二つの粒子にわたって吸着し、結果として橋かけ凝集が起こってしまう。
本発明のケイ素含有微粒子Aを用いたアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子は、有機溶媒に溶解しない二酸化ケイ素の部分と、有機溶媒に親和性のあるジオルガノポリシロキサン部分が化学的に結合している粒子である。このため、有機溶媒に不溶性であるため有機溶媒中で粒子の形状を維持し、かつ、有機溶媒に安定に分散され、凝集を起こすことがないという特徴を持った粒子である。さらに、本発明のケイ素含有微粒子Aを含む表示液は、従来の界面活性剤や分散剤を添加して安定な懸濁液を作成する方法とは異なり、界面活性剤や分散剤などの第三成分を含むことなく安定に分散されているので、例えばカプセルに封じ込めるなどの処理を行なう際にも、何ら妨害を起こさないという利点を持っている。このような理由から、本発明では、ケイ素含有微粒子Aを用いたアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子がとくに好ましい。
【0143】
次に、本発明のケイ素含有微粒子Aを用いたアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子の作成方法について説明する。
(1)まず、式(2)で表される少なくとも1種の共重合体と、式(3)で表される少なくとも1種のテトラアルコキシシランを共加水分解し、ケイ素含有微粒子Aを得る、
(2)(1)で作製したケイ素含有微粒子Aにアンモニウムシランを反応させる、
という、二つの工程からなる。
【0144】
(1)の工程について説明する。
共重合体とテトラアルコキシシランの共加水分解は、有機溶媒の存在下にて行なう。反応の形式は特に限定されないが、水を含む有機溶媒中に共重合体とテトラアルコキシシランを同時に滴下する方法、有機溶媒中に水と共重合体とテトラアルコキシシランを同時に滴下する方法、共重合体とテトラアルコキシシランを含む有機溶媒中に水を滴下する方法などが挙げられる。反応温度は、−20〜50℃であり、好ましくは−10〜30℃である。反応時間は、数分〜数10時間であり、好ましくは5分〜2時間である。
【0145】
本発明で使用される全アルコキシシラン中、共重合体の比率は、0.01〜50質量%であり、好ましくは5〜25質量%である。
共重合体の比率が0.01質量%以上である場合には、粒子表面を形成する例えばジアルキルポリシロキサンの比率が小さすぎず、その結果、粒子の親溶媒性の性質が維持される。
また、共重合体が50質量%以下の場合には、粒子表面を形成する例えばジアルキルポリシロキサン部分の比率が大きすぎず、共重合体だけの単独縮合物が形成されることはなく、更に、粒子の親油性の性質が維持される。
【0146】
本発明で使用される水の量は全アルコキシシラン1モルに対し、好ましくは0.5モル以上200モル以下であり、より好ましくは20モル以下である。0.5モル以上であると加水分解反応が進行し易くなるためである。また、200モルを以下であると各原料の分散性が向上するためである。なお、使用に供される前記水としては、イオン交換などによって充分精製され、不純物を除去したものが好ましい。
【0147】
また、本発明の方法においては前記水と共に触媒を使用することができる。好適に使用することができる触媒としては水のpHを変更させるものであれば特に制限がなく、具体的には、酸としては例えば硝酸、シュウ酸、酢酸など、アルカリとしては、例えばアンモニア、トリエチルアミン、エチレンジアミンなどを挙げることができる。使用する量は特に限定されない。
【0148】
加水分解に使用できる溶媒は特に限定はないが、反応中に水を溶解するものが好ましい。このような例として、メタノール、エタノール、イソプロパノール及びn−ブタノ−ル等のアルコール、酢酸エチル及び酢酸ブチル等の酢酸エステル、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート、プロピレングリコールメチルエ−テル及びプロピレングリコールメチルエ−テルアセテート等のエ−テル、アセトン、メチルエチルケトン、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン、メチルイソブチルケトン及びジアセトンアルコール等のケトンが挙げられる。また、反応の極性を調整するために、これら溶剤を2種類以上を組み合わせて使用することもでき、これらの溶媒にトルエン、キシレン、n−ヘキサン及びシクロヘキサン等の炭化水素を組み合わせることもできる。
【0149】
ケイ素含有微粒子Aの平均粒子径は反応工学的な手法によって制御できる。具体的には、触媒の添加量の調整、滴下液の滴下速度の調整などによってである。Z平均粒子径が50nm以上であると粒子径が光の波長以上になり、光の反射が容易になる。また、Z平均粒子径が1000nm以下になると粒子の沈降を防ぐことができ、安定な分散を維持することができる。このため、表示用粒子としては、Z平均粒子径が50〜1000nmが好ましく、100〜500nmがより好ましい。
【0150】
本発明のケイ素含有微粒子を各種の色に着色し、電気泳動表示装置用表示液に用いられる表示用粒子とするためには、無機化合物を主体とする微粒子をあらかじめ有機溶剤に分散させておけばよい。これによって、各種の色で着色された表示用粒子を作成できることができる。
無機化合物を主体とする微粒子とは、一般に無機顔料といわれる無機化合物を主体とする色素のことである。これらの無機化合物を主体とする微粒子は親水性が強く、親油性であるといわれるものでさえ、電気泳動表示素子に使用されるような極性の低い媒体には分散されにくい。このような無機化合物を主体とする微粒子の例として、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、鉛丹、モリブデンレッド、酸化鉄、カドミウムレッド、黄色酸化鉛、黄鉛、カドミウムイエロー、紺青、群青などを挙げることができる。
【0151】
これらは単独で使用してもよいし、望む色を出すために複数のものを混合してもよい。任意の形状の粒子を使用することができる。粒子径があまり大きいものは電気泳動表示素子用には適さない。粒子径が50nm以下だと可視光の波長以下になりすぎ、粒子濃度を濃くしても充分な色が出ない。また、粒子径が10,000nm以上だと、電気泳動速度が遅くなったり、表示したときの色むらの原因になってしまう。このために、本発明に供与される無機化合物を主体とする微粒子は、平均粒子径が50〜10,000nmが好ましく、100〜1,000nmがより好ましい。
【0152】
共重合体とテトラアルコキシシランの共加水分解を無機化合物を主体とする微粒子の存在下で行なう場合は、有機溶媒の存在下にて行なう。反応の形式は特に限定されないが、水と無機化合物を主体とする微粒子を含む有機溶媒中に共重合体とテトラアルコキシシランを同時に滴下する方法、無機化合物を主体とする微粒子を含む有機溶媒中に水と共重合体とテトラアルコキシシランを同時に滴下する方法、共重合体とテトラアルコキシシランと無機化合物を主体とする微粒子を含む有機溶媒中に水を滴下する方法などが挙げられる。反応温度は、−20〜50℃であり、好ましくは−10〜30℃である。反応時間は、数分〜数10時間であり、好ましくは5分〜2時間である。
【0153】
本発明に使用される共重合体は、無機化合物を主体とする微粒子100に対して100〜1の質量比であることが好ましい。100以上だと経済的に無駄であるとともに、無機化合物を主体とする微粒子の表面に結合したものとは異なる粒子が生成し、色合いを悪くしてしまう。また、1以下だと、無機化合物を主体とする微粒子の表面を充分に覆うことができない。
【0154】
このようにして作成したケイ素含有微粒子は、その粒子の表面にシラノールがあり、これが解離していることから、マイナスのゼータ電位を持っている。したがって、少なくとも一方がITO電極のような透光性の2枚の電極板の間にこの分散液を注入したときに、表示側の電圧がプラスなら表示面に粒子が移動し、表示側の電圧がマイナスなら、非表示側の面に粒子が移動する。
【0155】
次に、(2)の工程について説明する。
アンモニウムシランの反応は、有機溶媒の存在下にて行なう。反応の形式は特に限定されないが、前述のケイ素含有微粒子を含む懸濁液に、アンモニウムシランまたはアンモニウムシランを含む溶液を滴下する方法、アンモニウムシランまたはアンモニウムシランを含む溶液に、前述のケイ素含有微粒子を含む懸濁液を滴下する方法などが挙げられる。反応温度は、−20〜50℃であり、好ましくは−10〜30℃である。反応時間は、数分〜数10時間であり、好ましくは1分〜2時間である。
【0156】
アンモニウムシランの添加量は、使用するケイ素含有微粒子の種類と、設定したいゼータ電位によって変わる。弱い負電荷にしたい場合は相対的に少ない量になり、正電荷にしたい場合は相対的に多い量になる。
【0157】
アンモニウムシランの反応の際に使用できる溶媒は特に限定はないが、反応中に水を溶解するものが好ましい。このような例として、メタノール、エタノール、イソプロパノール及びn−ブタノ−ル等のアルコール、酢酸エチル及び酢酸ブチル等の酢酸エステル、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート、プロピレングリコールメチルエ−テル及びプロピレングリコールメチルエ−テルアセテート等のエ−テル、アセトン、メチルエチルケトン、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン、メチルイソブチルケトン及びジアセトンアルコール等のケトンが挙げられる。また、簡便には共加水分解に使用した溶媒そのものを利用することが出来る。
【0158】
アンモニウムシランの反応に際して、水の存在が必須であるが、前工程である共加水分解に使用した水の残存量で充分反応が進行する。もし、不足する場合は実施者の任意によって必要な水を添加してもよい。
【0159】
このようにして作成したアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子は、粒子のゼータ電位が制御されている。したがって、少なくとも一方がITO電極のような透光性の2枚の電極板の間にこの分散液を注入したときに、表示側の電圧がプラスの場合に表示面に粒子が移動するもの、表示側の電圧がマイナスの場合に表示面に粒子が移動するもの、表示面の電圧の如何によらず粒子が移動しないものなどを作り分けることができる。
【0160】
前記では、本発明にとくに好適なケイ素含有微粒子Aを用いたアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子について説明したが、本発明ではこのケイ素含有微粒子Aの替わりに、下記のケイ素含有微粒子B〜Dを用いて、アンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子とし、ゼータ電位を制御することもできる。
【0161】
(ケイ素含有微粒子B)
ケイ素含有微粒子Bは、
(a)前記式(a−1)で表されるアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、及び前記式(a−2)で表されるスチレン誘導体(ただし、スチレンも含む)から選ばれる少なくとも1種の化合物、
(b)前記式(b−1)及び前記式(b−2)で表されるラジカル重合性基含有ポリシロキサンマクロモノマーから選ばれる少なくとも1種の化合物、並びに
(c)前記式(c−1)及び前記式(c−2)で表されるラジカル重合性基含有アルコキシシランから選ばれる少なくとも1種の化合物、
との共重合によって得られるケイ素含有樹脂と
(d)前記式(3)で表されるテトラアルコキシシラン、
を共加水分解して得られる。
【0162】
ケイ素含有微粒子Bは、下記に例示されるモノマー成分(a)〜(c)、または(b)及び(c)を、ラジカル重合せしめることによりケイ素含有樹脂を製造し、このケイ素含有樹脂とテトラアルコキシシランを共加水分解して得られる。
モノマー成分(a)としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル及びスチレン誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物を全単量体の50〜95質量%使用する。
成分(a)の具体例としてはアクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルのようなアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリルのようなメタクリル酸エステル、およびスチレン、α−メチルスチレン、クロロメチルスチレンのようなスチレン誘導体が挙げられる。
【0163】
モノマー成分(b)としては、好ましくはラジカル重合性基含有ポリシロキサンマクロモノマーの少なくとも1種を全単量体の0.01〜20質量%使用する。使用割合が0.01%以上では水に不溶性の溶媒に分散され易くなり、20%以下ではラジカル共重合が進行し易くなる。モノマー成分(b)としては、重量平均分子量が100〜100000の化合物が好ましく、1000〜20000が更に好ましい。このようなモノマー成分(b)は上記の式(b−1)で表されるアクリル含有ポリシロキサンマクロモノマー、メタクリル含有ポリシロキサンマクロモノマー及び式(b−2)で表されるスチリル含有ポリシロキサンマクロモノマーを示すことができる。
【0164】
モノマー成分(c)としては、好ましくはラジカル重合性基含有アルコキシシランの少なくとも1種を全単量体の1.0〜30質量%使用する。この範囲が共加水分解し易いためである。モノマー成分(c)は前記式(c−1)で表されるアクリル含有アルコキシシラン、メタクリル含有アルコキシシラン及び式(c−2)で表されるスチリル含有アルコキシシランである。
【0165】
このようなラジカル重合性基含有アルコキシシランの具体例としては、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、スチリルトリメトキシシラン、スチリルメチルジメトキシシラン、スチリルトリエトキシシランおよびスチリルメチルジエトキシシランが挙げられる。
【0166】
ケイ素含有微粒子Bの作成は、まず、以上の(a)〜(c)のモノマー成分を、ラジカル共重合させてケイ素含有樹脂を得る。重合の形式は特に限定されないが、溶剤存在下の溶液重合を実施し易く、かつ好ましい結果が得られる。すなわち、攪拌装置、還流冷却器、温度計を備えた反応容器に、反応溶剤とラジカル発生剤を仕込んでおき、10〜150℃の温度で、(a)〜(c)、または(b)及び(c)のモノマー成分を混合したものをモノマー滴下槽から反応容器に徐々に滴下して反応させるのが好ましい。
【0167】
ラジカル発生剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化物やアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスメチルバレロニトリル等のアゾ化合物を好適に使用できる。
反応溶剤としては、得られる共重合体が溶解しうる溶剤であれば特に制限はなく、炭化水素(トルエン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサンなど)、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノ−ルなど)、酢酸エステル(酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、エ−テル類(テトラヒドロフラン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート、プロピレングリコールメチルエ−テル、プロピレングリコールメチルエ−テルアセテートなど)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコールなど)が挙げられる。また、これら溶剤を2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
更に、全モノマー・フィード終了後、必要に応じてラジカル発生剤を追加補充し、数時間加熱を続けてもよい。反応時の圧力は、特に限定はされないが、常圧で反応を行うのが有利である。 本発明のケイ素含有樹脂の重合度は、重量平均分子量で5,000〜300,000とすることが望ましい。重合度は、ラジカル発生剤の種類および使用量、重合温度および連鎖移動剤の使用によって調節することができる。連鎖移動剤としては、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンおよびγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が好適に使用できる。
【0168】
ケイ素含有微粒子Bは、前記のケイ素含有樹脂とテトラアルコキシシランを共加水分解して得られる。
加水分解は、溶媒の存在下にて行なう。反応の形式は特に限定されないが、水を含む溶媒中に前記のケイ素含有樹脂とテトラアルコキシシランを同時に滴下する方法、溶媒中に水と前記のケイ素含有樹脂とテトラアルコキシシランを同時に滴下する方法、前記のケイ素含有樹脂とテトラアルコキシシランを含む溶媒中に水を滴下する方法などが挙げられる。共加水分解することにより、式(c−1)、(c−2)及び(d)で表される化合物に含まれるアルコキシは互いに縮合することにより、ケイ素は1個の酸素原子を隣接するケイ素と共有することになる。従って、この様な結合がn個ある場合にはSiOn/2と表現する。
他の加水分解条件および好適な粒子径は、ケイ素含有微粒子Aの場合と同様である。
【0169】
(ケイ素含有微粒子C)
ケイ素含有微粒子Cの式(5)で表されるアルキルトリアルコキシシランにおいて、Rはフェニルまたは炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐アルキルであり、好ましくはフェニルまたは炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐アルキルであり、Rは炭素数3〜23の直鎖若しくは分岐アルキルであり、好ましくは炭素数9〜20の直鎖もしくは分岐アルキルであり、更に好ましくは炭素数9〜18の直鎖もしくは分岐アルキルである。Rの炭素数の多少により有機溶媒に対する親和性をコントロールすることができる。炭素数が3未満であると得られた微粒子が分散媒中で凝集しやすくなり、また、炭素数が23を越える場合には微粒子が分散媒に溶解しやすくなり、何れも好ましくない。
【0170】
アルキルトリアルコキシシランの具体例としては、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、n-プロピルトリイソプロポキシシラン、n-プロピルトリn−プロポキシシラン、n-プロピルトリブトキシシラン、i-プロピルトリメトキシシラン、n-ブチルトリメトキシシラン、n-ペンチルトリメトキシシラン、n-ヘキシルトリメトキシシラン、n-ヘキシルトリエトキシシラン、n-ヘキシルトリイソプロポキシシラン、n-ヘキシルトリn−プロポキシシラン、n-ヘキシルトリブトキシシラン、n-ヘプチルトリメトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、n-ノニルトリメトキシシラン、n-ノニルトリエトキシシラン、n-ノニルトリイソプロポキシシラン、n-ノニルトリn−プロポキシシラン、n-ノニルトリブトキシシラン、n-オクタデシルトリメトキシシラン、n-オクタデシルトリエトキシシラン、n-オクタデシルトリイソプロポキシシラン、n-オクタデシルトリn−プロポキシシラン、n-オクタデシルトリブトキシシラン、ノナデシルトリメトキシシラン、アイコシルトリメトキシシランを挙げることができる。
【0171】
ケイ素含有微粒子Cの全アルコキシシラン中、アルキルトリアルコキシシランの比率は、0.01〜50モル%であり、好ましくは5〜25モル%である。
アルキルトリアルコキシシランの比率が0.01モル%以上である場合には、粒子表面を形成するアルキルトリアルコキシシランの比率が小さすぎず、その結果、粒子の親溶媒性の性質が維持される。
また、アルキルトリアルコキシシランが50モル%以下の場合には、粒子表面を形成するアルキルトリアルコキシシランの比率が大きすぎず、アルキルトリアルコキシシランだけの単独縮合物が形成されることはなく、更に、粒子の親水性の性質が維持される。
【0172】
加水分解反応に使用する溶媒はTHFを50容量%以上含む有機溶媒である。THFは加水分解反応に必要な一般的性質を備えていると共に、反応終了後電気泳動表示装置用表示液を調製する際に分散媒との蒸留による置換が容易である。更に、表示液中に残存しても極性が小さいため悪影響を及ぼすことが少ない等の長所を有している。これに対して従来から使用されているメタノール等のアルコール類は分散媒との蒸留による置換が容易でなく、更に、表示液中に残存した場合、極性が大きいため表示液の性能が低下する。
【0173】
反応溶媒として、50容量%以下の範囲において、他の有機溶媒を添加することができる。他の有機溶媒は特に限定はないが、水と相溶性があるものが好ましい。具体例として以下の化合物を挙げることができる。n-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン、イソオクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、イソパラフィン等の飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン等の芳香族系炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等の塩素含有化合物、アセトン、メチルエチルケトン、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール等のケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル、及びジメチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジオキサン等のエーテルを挙げることができる。
【0174】
また、反応液の極性を調整するために、これら溶媒を2種類以上を組み合わせて使用することもできる。極性を調製することにより、粒子径をコントロールすることができ、極性小の溶媒を選択することにより粒子径大の粒子を得ることができる。
また、有機溶媒にトルエン、キシレン、n−ヘキサン及びシクロヘキサン等の炭化水素溶媒を組み合わせることもできる。これら炭化水素溶媒と有機溶媒との比率は好ましくは12/18(容量比)以下である。
【0175】
ケイ素含有微粒子Cの作成において、他の加水分解条件および好適な粒子径は、ケイ素含有微粒子Aの場合と同様である。
【0176】
ケイ素含有微粒子Cは、式(3)で表されるテトラアルコキシシランと式(5)で表されるアルキルトリアルコキシシランをp/qの比率(モル比)で反応させると式(7)(SiO4/2)p(R3SiO3/2)q(ただし、50/50≦p/q≦99.99/0.01である)で表される微粒子が得られる。式(7)の第1項の基はケイ素の4価の結合手が隣接するケイ素と4個の酸素を共有していることを意味し、第2項の基はケイ素の3個の結合手が隣接するケイ素と3個の酸素を共有していることを意味する。そして、第1項の基と第2項の基の比率がp/qであることを意味している。また、第1項の基と第2項の基がブロック結合に限定するのではなく、その結合方式はランダム、ブロック、マルチブロックを含めて限定されるものではない。
【0177】
(ケイ素含有微粒子D)
片末端反応性ポリオルガノシロキサンの前記式(6)におけるR、R、R、R、R、R、R及びRの好ましい具体例についてのべる。炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖アルキルとしては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルなどがあげられる。炭素数4〜10のシクロアルキルとしてはシクロペンチル、シクロヘキシルなどがあげられる。また炭素数6〜10のアリール若しくはアリール置換炭化水素としてはフェニル、トルイル、キシリル、エチルフェニル、ベンジル、フェネチルなどがあげられる。好ましいR、R、R、R、R及びRは、メチルまたはフェニル、Rはメチル、ブチルまたはフェニルであり、Rはメチルまたはエチルである。
【0178】
式(6)で表わされる片末端反応性ポリオルガノシロキサンは、例えば、下記の反応式(1)に従って、片末端にSiHをもつポリオルガノシロキサンと、アルコールとから触媒の存在下または非存在下で反応させることにより得られる。
【0179】
【化49】

【0180】
この反応において、触媒の存在は必須ではない。加熱などによって脱水素反応は自発的に起こる。ただし、触媒が存在しない系では反応速度が遅すぎて、実用的とはいえない。そこで、反応速度を実用的な速さにし、長時間の反応による好ましくない副生成物の生成を抑制するために、一般的には触媒を入れて反応することが好ましい。このような触媒の例として、酸性を示す化合物や、塩基性を示す化合物が挙げられる。この触媒となる化合物は、一種類でもよく、二種類以上をあわせて使用しても良い。このような触媒として、貴金属錯体が有効である。具体的には、塩化白金酸やウイルキンソン錯体、白金0価錯体などを挙げることができる。
【0181】
この反応において、前記片末端ヒドロシリル含有シリコーンと前記アルコールが均一に混合されることが必要である。一般にシリコーンは平均分子量が大きくなるにつれ、アルコール類を溶解しなくなる。そこで、このような不均一な反応系を避けるため、前記片末端ヒドロシリル含有シリコーンと前記アルコールが均一に混合されるような溶媒を使用する。このような溶媒は、反応を阻害しなければどのようなものでも良い。反応を阻害するようなものとは、1)窒素原子に水素原子が共有結合しているアミン類、2)ヒドロオキシカルボニルを持っているようなカルボン酸類、である。
【0182】
使用できる溶剤として、具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼンなどの芳香族系炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などの塩素含有化合物、アセトン、メチルエチルケトン、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、ジメチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類を挙げることができる。また、これらの溶媒は単独で使用しても、混合して使用してもよい。
【0183】
反応温度は任意に選択することができる。一般には冷却する必然性はなく、また、溶媒の沸点を超えるような温度で反応する必然性もない。好ましくは、20℃〜200℃であり、更に好ましくは、40℃〜150℃である。
【0184】
式(6)で表わされる片末端反応性ポリオルガノシロキサンにおいて、nは4〜1100の整数であり、好ましくは4〜800である。
式(6)で表わされる片末端反応性ポリオルガノシロキサンは、数平均分子量が500〜500,000であり、好ましくは500〜120,000である。
【0185】
ケイ素含有微粒子Dの作成において、加水分解条件および好適な粒子径は、ケイ素含有微粒子Aの場合と同様である。
【0186】
ケイ素含有微粒子Dは、全アルコキシシラン中、片末端反応性ポリオルガノシロキサンの比率は、0.01〜50質量%であり、好ましくは5〜25質量%である。ここで全アルコキシシランとは、片末端反応性ポリオルガノシロキサンとテトラアルコキシシランの総和のことである。片末端反応性ポリオルガノシロキサンの比率が0.01質量%以上である場合には、粒子表面を形成するジアルキルポリシロキサンの比率が小さすぎず、その結果、粒子の親溶媒性の性質が維持される。また、片末端反応性ポリオルガノシロキサンが50質量%以下の場合には、粒子表面を形成するジアルキルポリシロキサン部分の比率が大きすぎず、片末端反応性ポリオルガノシロキサンだけの単独縮合物が形成されることはなく、更に、粒子の親水性の性質が維持される。
【0187】
電気泳動表示装置用表示液に用いられる分散媒は飽和炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族化合物、ハロゲン化炭化水素、シリコーン、オリーブ油、やし油、ひまし油または流動パラフィンである。これら化合物の任意の混合物を使用することもできる。これらの中で好ましいのは飽和炭化水素であり、その具体例としてn-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン等のパラフィン、イソオクタン、Isopar C、Isopar E、Isopar G、Isopar L、Isopar M、Isopar H、Isopar J、Isopar K、Isopar L、Isopar P、Isopar V(何れもExxon社の登録商標)等のイソパラフィン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等のシクロパラフィンを挙げることができる。また、本発明の目的を損なわない程度に少量の弱い極性基を有する溶媒を添加することもできる。
【0188】
前述のように、とくにケイ素含有微粒子Aは、有機溶媒に溶解しない二酸化ケイ素の部分と、有機溶媒に親和性のあるジオルガノポリシロキサン部分が化学的に結合している粒子である。このため、表面が親水性で、水に不溶性の有機溶媒に分散されず凝集してしまうという二酸化ケイ素の欠点を克服し、水に不溶性の有機溶媒に親和性を示すものの溶解して粒子にはならないというシリコーン(ジオルガノポリシロキサン)の欠点をも克服する。すなわち、有機溶媒に不溶性であるため有機溶媒中で粒子の形状を維持し、かつ、有機溶媒に安定に分散され、凝集を起こすことがないという特徴を持った粒子であるため、表示用粒子として、好適に使用されるのである。
さらに、本発明のケイ素含有微粒子Aを含む表示液は、従来の界面活性剤や分散剤を添加して安定な懸濁液を作成する方法とは異なり、界面活性剤や分散剤などの第三成分を含むことなく安定に分散されているので、例えばカプセルに封じ込めるなどの処理を行なう際にも、何ら妨害を起こさないという利点を持っている。
また、さらに、本発明のケイ素含有微粒子を含む表示液に含まれる微粒子は、ゼータ電位が制御されたものであり、任意のゼータ電位をもつ表示用微粒子を作成できるという利点を持っている。
【実施例】
【0189】
以下、本発明を実施例により具体的かつ詳細に説明するが、本発明は実施例により限定されるものではない。
【0190】
プロトンNMRスペクトル(1H−NMR):日本電子株式会社製JNM−GSX400を使用し、400MHzで溶媒にクロロホルム−dを用い、内部標準物質にテトラメチルシランを用いて室温で測定した。
実施例で用いる記号の意味は次の通りである。
Mn:数平均分子量
Mw:質量平均分子量
【0191】
そして、実施例における分子量のデータは、すべてGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法)によって求めたポリジメチルシロキサン換算値である。以下に、GPCの測定条件を示す。
【0192】
第一の分析方法(合成例1の測定方法に使用)
装置:日本分光株式会社製、JASCO GULLIVER 1500 (インテリジェント示差屈折率計 RI-1530)
溶剤:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1ml/min
カラム温度:40℃
昭和電工株式会社製のShodex KF-G(GUARDCOLUMN)と2本のShodex KF-804L(排除限界分子量(ポリスチレン):400,000)を直列につないで用いた。
較正曲線用標準試料:Polymer Laboratories社製、Polymer Standards (PL),Polydimethylsiloxane
【0193】
第二の分析方法
装置:日本分光株式会社製、JASCO GULLIVER 2031 (インテリジェント示差屈折率計 RI-2031)
溶剤:トルエン
流速:1ml/min
カラム温度:40℃
昭和電工株式会社製のShodex KF-G(GUARDCOLUMN)と2本のShodex KF-804(排除限界分子量(ポリスチレン):400,000)を直列につないで用いた。
較正曲線用標準試料:Polymer Laboratories社製、Polymer Standards (PL)
【0194】
第三の分析方法
装置:日本分光株式会社製、JASCO GULLIVER 2031 (インテリジェント示差屈折率計 RI-2031)
溶剤:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1ml/min
カラム温度:40℃
昭和電工株式会社製のShodex KF-G(GUARDCOLUMN)とShodex KF-805L、Shodex KF-803Lを直列につないで用いた。
較正曲線用標準試料:Polymer Laboratories社製、Polymer Standards (PL)
【0195】
粒子径測定:極性の異なる溶媒に対する粒子の親和性をみるため両溶媒中での粒子の粒子径を測定した。即ち、極性の大きい溶媒としてメタノール、極性に小さい溶媒としてn−ヘキサンを用い、サンプルを不揮発分濃度10〜100ppmになるまで希釈して、マルバーン社製ゼータ電位・粒度分布測定装置(ゼータサイザー3000HS)により、測定し、Z平均粒子径で表わした。
【0196】
顕微鏡法によるゼータ電位の測定:ゼータ電位の測定は日本ルフト株式会社製Model502を使用した。サンプルを希釈し、希釈したサンプルを左右に金電極を挿入した石英セルに充填し、電圧を印加した。上方からレーザー光を照射し、背面からレーザー光によって散乱された光をCCDで読み取った。CCDで採取した画像から、画像解析ソフトを使用して、粒子の平均易動度を求め、印加電圧からゼータ電位を算出した。
【0197】
合成例1
重合開始基を有するポリシロキサン化合物の合成法
【0198】
【化50】

【0199】
片末端に水酸基を有するMn=10,000の化合物(A−2):50g(5.15mmol)、トリエチルアミン:1.05g(10.3mmol、-OHに1モルに対して2モル)及びジクロロメタン:200gを500mLナスフラスコ中へ仕込んだ後、アルゴン雰囲気下、ドライアイス/メタノール浴中でマグネチックスターラーを用いて攪拌した。次に秤量した2−ブロモ−2−メチルプロパノイルブロマイド:2.37g(10.3mmol、-OHに1モルに対して2モル)を速やかに添加し、ドライアイス/メタノール浴中で1時間、その後室温で3時間反応した。次にMeOHを50mL添加した。反応溶媒をロータリーエバポレーターで濃縮した。濃縮物をジクロロメタン20mLに溶解させMeOH500mL中で再沈殿させ精製を行った。この再沈殿操作を数回繰り返した後、減圧乾燥することで化合物(A−1)を得ることが出来た。
H−NMR(400MHz、CDCl3)δ0・08(m、876H)、0.56(m、4H)、0.89(t、3H)、1.31(m、4H)、1.57(m、2H)、1.95(s、6H)、3.45(t、2H)、3.67(t、2H)、4.32(t、2H).
【0200】
ポリジメチルシロキサン−ポリメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン共重合体の合成
<重合溶液の調製>
還流冷却管、マグネチック攪拌子、ガス導入管および温度計の接続した100mL4つ口フラスコにMn=10,000化合物(A−1)/3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン/L−(−)−スパルテイン/p−キシレン溶液を加え、室温下でアルゴンガスで5分間バブリングすることで反応器内中のアルゴン置換を行った。臭化第一銅を加えさらにアルゴンガスで5分間バブリングを行った後、70℃に設定されたオイルバス中に反応器を浸し、攪拌を開始した。このとき、この重合体溶液における化合物(A―1)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、臭化第一銅およびL−(−)−スパルテインの割合を、この順のモル比で1:40:1:2とし、p−キシレンの使用量を3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの濃度が30wt%となる量にした。
【0201】
<重合>
重合温度は70℃であり、重合時間は2.5時間であった。褐色で粘ちょうな重合体を得ることが出来た。その後、重合体の溶液を所定量サンプリングし、ガスクロマトグラフィー測定を行った。尚、この重合反応系におけるモノマー転化率は、既知濃度の3−メタクリロキシトリメトキシシラン/p−キシレン溶液のガスクロマトグラフィー測定値から得られたピーク面積を基準として解析した。得られた重合体をメタノールを用いて再沈殿精製した。次いでこの重合体のヘキサン溶液を調整し、これを活性アルミナが充填されたカラムを通過させることによって重合体中に残存する銅の吸着除去を行った。これを減圧乾燥(80℃、6時間)した。さらにGPC測定により数平均分子量および分子量分布を求めた。上記測定で得られたモノマー転化率は59.3%、理論数平均分子量は15,490、数平均分子量は15,030、分子量分布は1.09であった。
【0202】
実施例1
100mLの攪拌機付き反応器に、THF30mLとR−960(DuPond社製表面被覆酸化チタン)1.5gの混合物を超音波照射して分散させた分散液を投入した。滴下タンクAにテトラメトキシシラン5.0mLと合成例1の共重合体1.0gにTHFをいれ15.0mLの混合液としたものを充填した。滴下タンクBに水5.0mL、濃アンモニア水5.0mLにメタノールをいれ50.0mLの混合液にしたものを充填した。
反応器内を攪拌しながら室温下で、滴下タンクAの溶液と、滴下タンクBの溶液を同時に0.1mL/分の速度で10分間かけて滴下した。滴下終了後、20分間攪拌した後、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドの10%メタノール溶液を0.1mL/分の速度で1分間かけて滴下した。生成した液は乳白色の均一な懸濁液であった。
【0203】
実施例2
オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドの10%メタノール溶液の滴下量(滴下時間)を表1に示すように変更した以外(実施例2−1〜2−4)は、実施例1と同様の操作を行なった。生成した液はいずれも乳白色の懸濁溶液であった。
【0204】
参考例1
オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドの10%メタノール溶液を添加しないこと以外は、実施例1と同様の操作を行なった。生成した液は乳白色の懸濁溶液であった。
【0205】
実施例3
実施例1、2および参考例1の懸濁液をn−ヘキサン/エタノール=3/1(質量比)で1/1,000に希釈し、顕微鏡法でゼータ電位を測定した。その結果を表1に示した。
【0206】
【表1】

【0207】
参考例2
500mLの攪拌機付き反応器に、THF300mLとR−960、15gの混合物を超音波照射して分散させた分散液を投入した。滴下タンクAにテトラメトキシシラン10.0mLと合成例1の共重合体2.0gにTHFをいれ20.0mLの混合液としたものを充填した。滴下タンクBに水5.0mL、濃アンモニア水5.0mLにメタノールをいれ50.0mLの混合液にしたものを充填した。
反応器内を攪拌しながら室温下で、滴下タンクAの溶液と、滴下タンクBの溶液を同時に1.0mL/分の速度で10分間かけて滴下した。生成した液は乳白色の均一な懸濁液であった。
この乳白色懸濁液528gにIsoparH、50gを加え、減圧下に揮発分を溜去し、74gの白色表示液を得た。この白色表示液を(W1)とする。この白色表示液(W1)の不揮発分は21.6%であった。
【0208】
実施例4
500mLの攪拌機付き反応器に、THF300mLとR−960、15gの混合物を超音波照射して分散させた分散液を投入した。滴下タンクAにテトラメトキシシラン10.0mLと合成例1の共重合体2.0gにTHFをいれ20.0mLの混合液としたものを充填した。滴下タンクBに水5.0mL、濃アンモニア水5.0mLにメタノールをいれ50.0mLの混合液にしたものを充填した。
反応器内を攪拌しながら室温下で、滴下タンクAの溶液と、滴下タンクBの溶液を同時に1.0mL/分の速度で10分間かけて滴下した。滴下終了後、20分間攪拌した後、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドの10%メタノール溶液を1.0mL/分の速度で3.5分間かけて滴下した。生成した液は乳白色の均一な懸濁液であった。
この乳白色懸濁液530gにIsoparH、50gを加え、減圧下に揮発分を溜去し、88gの白色表示液を得た。この白色表示液を(W2)とする。この白色表示液(W2)の不揮発分は19.2%であった。
【0209】
実施例5
オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドの10%メタノール溶液を1.0mL/分の速度で7.0分間かけて滴下した以外は、実施例4と同様の操作を行なった。生成した液は乳白色の懸濁溶液であった。生成した液は乳白色の均一な懸濁液であった。
この乳白色懸濁液28.8gにIsoparH、5.0gを加え、減圧下に揮発分を溜去し、6.4gの白色表示液を得た。この白色表示液を(W3)とする。この白色表示液(W3)の不揮発分は22.6%であった。
【0210】
参考例3
500mLの攪拌機付き反応器に、THF300mLとNanoTek Black(シ−アイ化成社製金属酸化物系黒色微粒子)、15gの混合物を超音波照射して分散させた分散液を投入した。滴下タンクAにテトラメトキシシラン10.0mLと合成例1の共重合体2.0gにTHFをいれ20.0mLの混合液としたものを充填した。滴下タンクBに水5.0mL、濃アンモニア水5.0mLにメタノールをいれ50.0mLの混合液にしたものを充填した。
反応器内を攪拌しながら室温下で、滴下タンクAの溶液と、滴下タンクBの溶液を同時に1.0mL/分の速度で10分間かけて滴下した。生成した液は黒色の均一な懸濁液であった。
この黒色懸濁液338gにIsoparH、70gを加え、減圧下に揮発分を溜去し、92gの黒色表示液を得た。この黒色表示液を(B1)とする。この黒色表示液(B1)の不揮発分は17.0%であった。
【0211】
実施例6
500mLの攪拌機付き反応器に、THF300mLとNanoTek Black(シ−アイ化成社製金属酸化物系黒色微粒子)、15gの混合物を超音波照射して分散させた分散液を投入した。滴下タンクAにテトラメトキシシラン10.0mLと合成例1の共重合体2.0gにTHFをいれ20.0mLの混合液としたものを充填した。滴下タンクBに水5.0mL、濃アンモニア水5.0mLにメタノールをいれ50.0mLの混合液にしたものを充填した。
反応器内を攪拌しながら室温下で、滴下タンクAの溶液と、滴下タンクBの溶液を同時に1.0mL/分の速度で10分間かけて滴下した。滴下終了後、20分間攪拌した後、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドの10%メタノール溶液を1.0mL/分の速度で7.0分間かけて滴下した。生成した液は黒色の均一な懸濁液であった。
この黒色懸濁液29.0gにIsoparH、10.0gを加え、減圧下に揮発分を溜去し、12.7gの黒色表示液を得た。この黒色表示液を(B2)とする。この黒色表示液(B2)の不揮発分は15.3%であった。
【0212】
実施例7
実施例4、5、6および参考例2,3の懸濁液をn−ヘキサン/エタノール=3/1(質量比)で1/1,000に希釈し、顕微鏡法でゼータ電位を測定した。その結果を表2に示した。
【0213】
【表2】

【0214】
参考例4(電気泳動表示用セルの作成)
図1のように、厚さ1.1mmで30mm×30mmのホウケイ酸ガラスに、図1の着色部で示した部分にITOをスパッタし、ITOガラス10を得た。ITOの抵抗値は10Ω/cm2であった。その後、図2の着色部で示した部分に二酸化ケイ素11をスパッタして、絶縁した。図3で示した着色部に平均粒子径0.1mmのシリカビーズを混ぜた紫外線硬化樹脂12を塗布し、図4のように2枚のITOガラス10,10’を、ITOをスパッタした面が内側になるようにし、上下ガラスの中央部にある正方形の電極が重なり合うように張り合わせた後、紫外線を照射し電気泳動表示用セル20を作成した。表示試験には図2の白色部の二酸化ケイ素でスパッタされていない部分に電線をつなぎ、直流電圧を印加した。
【0215】
実施例8
白色表示液(W2)1.01gと黒色表示液(B1)0.60g、ソルビタントリオレート0.06gを混合し、ローターで10分間攪拌した。この分散液を、電気泳動用セル20に注入した。
非表示面の電圧が+になるよう直流電圧を印加したところ、表示面は白色となり、非表示面の電圧が−になるよう直流電圧を印加したところ、表示面は黒色となった。
この結果を図5に示す。横軸は経過時間、左縦軸は非表示面の印加電圧、右縦軸は表示面の550nmにおける反射率である。
【0216】
実施例9
白色表示液(W1)1.02gと黒色表示液(B2)0.50g、ソルビタントリオレート0.06gを混合し、ローターで10分間攪拌した。この分散液を、電気泳動用セル20に注入した。
非表示面の電圧が+になるよう直流電圧を印加したところ、表示面は黒色となり、非表示面の電圧が−になるよう直流電圧を印加したところ、表示面は白色となった。
この結果を図6に示す。
【0217】
実施例10
白色表示液(W3)0.15gと黒色表示液(B1)0.05gを混合し、ローターで10分間攪拌した。この分散液を、電気泳動用セルに注入した。
非表示面の電圧が+になるよう直流電圧を印加したところ、表示面は白色となり、非表示面の電圧が−になるよう直流電圧を印加したところ、表示面は黒色となった。
この結果を図7に示す。
【0218】
実施例11
パーマネントレッド3(シュミンケ社製赤色顔料Permanent Red3) 0.03gと白色表示液(W3)0.19gを混合し、ローターで10分間攪拌した。この分散液を、電気泳動用セルに注入した。
非表示面の電圧が+になるよう直流電圧を印加したところ、表示面は白色となり、非表示面の電圧が−になるよう直流電圧を印加したところ、表示面は赤色となった。
【0219】
実施例12
フタログリーンライト(シュミンケ社製緑色顔料Pigment Green7) 0.03gと白色表示液(W3)0.19gを混合し、ローターで10分間攪拌した。この分散液を、電気泳動用セルに注入した。
非表示面の電圧が+になるよう直流電圧を印加したところ、表示面は白色となり、非表示面の電圧が−になるよう直流電圧を印加したところ、表示面は緑色となった。
【0220】
実施例13
100mLの攪拌機付き反応器に、THF30mLを投入した。滴下タンクAにテトラメトキシシラン7.2mL、n−ヘキシルトリメトキシシラン1.8mL、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドの50%メタノール溶液0.5mLにTHFをいれ15.0mLの混合液としたものを充填した。滴下タンクBに水2.0mL、濃アンモニア水2.0mLにメタノールをいれ20.0mLの混合液にしたものを充填した。
反応器内を攪拌しながら室温下で、滴下タンクAの溶液と、滴下タンクBの溶液を同時に0.15mL/分の速度で60分間かけて滴下した。生成した液は乳白色の均一な懸濁液であった。
【0221】
実施例14
オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドの50%メタノール溶液を1.0mLに変更した以外は、実施例13と同様の操作を行なった。生成した液はいずれも乳白色の懸濁溶液であった。
【0222】
実施例15
オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドの50%メタノール溶液を1.5mLに変更した以外は、実施例13と同様の操作を行なった。生成した液はいずれも乳白色の懸濁溶液であった。
【0223】
実施例16
オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドの50%メタノール溶液を2.2mLに変更した以外は、実施例13と同様の操作を行なった。生成した液はいずれも乳白色の懸濁溶液であった。
【0224】
参考例5
オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドの50%メタノール溶液を添加しないこと以外は、実施例13と同様の操作を行なった。生成した液は乳白色の懸濁溶液であった。
【0225】
実施例17
実施例13、14、15、16および参考例5の懸濁液をn−ヘキサン/エタノール=3/1(質量比)で1/1,000に希釈し、顕微鏡法でゼータ電位を測定した。その結果を表3に示した。
【0226】
【表3】

【0227】
上記から明らかなように、本発明によれば、ゼータ電位を任意の値に制御し得る、電気泳動を利用した表示素子に使用する表示用粒子として有用なアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子、該微粒子を含む表示液及びその表示液を使用した電気泳動型表示素子を提供することができる。
【0228】
合成例2
攪拌装置、還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管を取付けたフラスコに、蒸留したテトラヒドロフラン40mLを仕込み、オイルバスで還流状態にした。これに、(a)メチルメタクリレート11g、(b)シリコーンマクロモノマー(数平均分子量7500、分子量は第一のGPCの分析方法で測定)2g、(c)トリメトキシシリルプロピルメタクリレート3g及びアゾビスイソブチロニトリル150mgからなる混合液を1時間かけて滴下し、さらに3時間加熱して、ポリマー溶液を得た。
この反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、残存するメチルメタクリレートとトリメトキシシリルプロピルメタクリレートは検出されなかった。また、第三のGPCの分析方法で分析したところ、数平均分子量18100、重量平均分子量31900のポリマーであった。また、第二のGPCの分析方法で分析したところ、残存するシリコーンマクロモノマーは測定限界以下であった。
【0229】
合成例3
メチルメタクリレートを10g及び(b)シリコーンマクロモノマー(数平均分子量7500、分子量は第一のGPCの分析方法で測定)を3g、に換えた以外は合成例2と同じ操作で、ポリマー溶液を得た。第三のGPCの分析方法で分析したところ、数平均分子量22200、重量平均分子量36800のポリマーであった。また、第二のGPCの分析方法で分析したところ、残存するシリコーンマクロモノマーは測定限界以下であった。
【0230】
合成例4
100mLの攪拌機付き反応器に、テトラヒドロフラン30mLを仕込んだ。滴下タンクAに合成例2で得られたポリマー溶液6.0mLと(d)テトラメトキシシラン4.2mLの混合液を投入した。また、別に滴下タンクBに水0.9mL、濃アンモニア水0.9mL及びメタノール7.2mLの混合液を投入した。反応器内を攪拌しながら室温下で、滴下タンクAの溶液と、滴下タンクBの溶液を1時間かけて滴下した。生成した液は乳白色の均一な懸濁液であった。
この懸濁液を、第三のGPCの分析方法で分析したところ、残存するポリマーは測定限界以下であった。各構成単位のポリマー粒子中の比率は以下の通りである。
a/(a+b+c+d)=0.211
b/(a+b+c+d)=0.00052
c/(a+b+c+d)=0.023
d/(a+b+c+d)=0.766
生成した微粒子の顕微鏡法で測定された一次粒子径は、120nmであった。この微粒子の粒度分布をメタノール中で測定したところ、平均粒子径は113nmであった。また、ヘキサン中で測定したところ、平均粒子径は174nmであった。
尚、顕微鏡法による平均粒子径の測定は下記の様に行なった。
【0231】
顕微鏡法による平均粒子径の測定:懸濁した分散液をテトラヒドロフランで1/10,000に希釈した。この希釈液をアルミフォイルの上に数滴落とし、室温下で風乾した。アルミフォイル上に展開した粒子の部分を切り取り、電子顕微鏡用のマウントの上に導電性テープで貼り付け、電子顕微鏡(日本分光株式会社製JSM−6700F)で観察した。観測された粒子の粒子径を計測し、その平均を平均粒子径とした。
【0232】
合成例5
滴下タンクAに合成例3で得られたポリマー溶液6.0mLと(d)テトラメトキシシラン4.2mLの混合液を入れた以外は合成例2と同じ操作で、乳白色の均一な懸濁液を得た。
この懸濁液を、第三のGPCの分析方法で分析したところ、残存するポリマーは測定限界以下であった。各構成単位のポリマー粒子中の比率は以下の通りである。
a/(a+b+c+d)=0.192
b/(a+b+c+d)=0.00077
c/(a+b+c+d)=0.023
d/(a+b+c+d)=0.784
生成した微粒子の、上記の顕微鏡法で測定された一次粒子径は、101nmであった。この微粒子の粒度分布をメタノール中で測定したところ、平均粒子径は107nmであった。また、ヘキサン中で測定したところ、平均粒子径は258nmであった。
【0233】
実施例18
合成例4の白色懸濁液5.0mL(4.4g)に、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドの10%メタノール溶液を0.07g加え、室温下で一時間攪拌した。この懸濁液をn−ヘキサン/エタノール=3/1(質量比)で1/1,000に希釈し、顕微鏡法でゼータ電位を測定したところ、+1mVであった。
【0234】
実施例19
合成例5の白色懸濁液5.0mL(4.2g)に、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドの10%メタノール溶液を0.08g加え、室温下で一時間攪拌した。この懸濁液をn−ヘキサン/エタノール=3/1(質量比)で1/1,000に希釈し、顕微鏡法でゼータ電位を測定したところ、−0mVであった。
【図面の簡単な説明】
【0235】
【図1】実施例で用いた電気泳動表示用セルの製造手順を説明するための図である。
【図2】実施例で用いた電気泳動表示用セルの製造手順を説明するための図である。
【図3】実施例で用いた電気泳動表示用セルの製造手順を説明するための図である。
【図4】実施例で用いた電気泳動表示用セルの製造手順を説明するための図である。
【図5】実施例8の結果を示す図である。
【図6】実施例9の結果を示す図である。
【図7】実施例10の結果を示す図である。
【符号の説明】
【0236】
10、10’ ITOガラス
11 二酸化ケイ素
12 紫外線硬化樹脂
20 電気泳動表示用セル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケイ素含有微粒子と、下記式(1)で表される少なくとも1種のアンモニウムシランとを反応させて得られたアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。
【化1】

式(1)において、Yは陰イオンであり、R9、R10、およびR11は、それぞれ、水素、炭素数が1〜30であり、直鎖でも分岐してもよいアルキル、置換もしくは非置換のアリール、および置換もしくは非置換のアリールと、アルキレンとで構成されるアリールアルキル、から独立して選択される基であり;Wは炭素数が2〜20であり、任意の−CH2−が−O−で置き換えられてもよいアルキレンまたは炭素数が3〜8であり任意の−CH2−が−O−で置き換えられてもよいアルケニレンであり;R12、R13は、それぞれ、炭素数が1〜30であり、直鎖でも分岐してもよいアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアリールと、アルキレンとで構成されるアリールアルキル、炭素数が1〜30であり、直鎖でも分岐してもよいアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアリールオキシ、および置換もしくは非置換のアリールと、アルキレンとで構成されるアリールアルキルオキシ、から独立して選択される基であり;R14は、炭素数が1〜30であり、直鎖でも分岐してもよいアルキル、置換もしくは非置換のアリール、または置換もしくは非置換のアリールと、アルキレンとで構成されるアリールアルキル、である。
【請求項2】
前記ケイ素含有微粒子が、(a)式(2)で表される少なくとも1種の共重合体と(b)式(3)で表される少なくとも1種のテトラアルコキシシランを溶液中で共加水分解反応して得られるケイ素含有微粒子である請求項1に記載のアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。
【化2】

式(2)において、nは1〜1,000の整数であり;R1、R2、R3、R4、R5、R6、およびR7は、それぞれ、水素、炭素数が1〜30であり、任意の水素がフッ素で置き換えられてもよく、そして任意の−CH2−が−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよいアルキル、炭素数2〜20であり、任意の水素がフッ素で置き換えられてもよく、そして任意の−CH2−が−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよいアルケニル、任意の水素がハロゲンまたは1〜10個の炭素を有するアルキルで置き換えられてもよく、そして該アルキルの任意の−CH−が−O−、−CH=CH−またはフェニレンで置き換えられてもよい置換もしくは非置換のアリール、および置換もしくは非置換のアリールと、任意の水素がフッ素で置き換えられてもよく任意の−CH2−が−O−、−CH=CH−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよいアルキレンとで構成されるアリールアルキル、から独立して選択される基であり;Zは炭素数が2〜20であり、任意の−CH2−が−O−で置き換えられてもよいアルキレンまたは炭素数が3〜8であり任意の−CH2−が−O−で置き換えられてもよいアルケニレンであり;Xはハロゲンであり;そして、P1はケイ素に直結した加水分解性基を有する付加重合性単量体の少なくとも1つの重合によって得られる構成単位の連鎖である。式(3)において、Rはフェニルまたは炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖アルキルである。
【請求項3】
式(2)で表わされる共重合体において、P1が、ビニル、アクリロイル、メタアクリロイルおよびスチリルから選択される少なくとも1つの官能基を有するシランカップリング剤の少なくとも1つの重合によって得られる構成単位の連鎖である、請求項2に記載のアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。
【請求項4】
式(2)で表わされる共重合体において、P1が、ケイ素に直結した加水分解性基を有する、アクリル酸エステル及びメタアクリル酸エステルの群、および、ケイ素に直結した加水分解性基を有するスチレン誘導体の群から選択される、付加重合性単量体の少なくとも1つの重合によって得られる構成単位の連鎖である、請求項2に記載のアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。
【請求項5】
式(2)で表わされる共重合体において、P1が、式(A)で表される付加重合性単量体の少なくとも1つの重合によって得られる構成単位の連鎖である、請求項2に記載のアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。
【化3】

式(A)において、RA、RB、RCは独立して、炭素数が1〜4の、アルキル、アルコキシ、アルケニルオキシ、またはアシルオキシであり、RA、RB、RCの少なくとも1つは、炭素数が1〜4の、アルコキシ、アルケニルオキシ、またはアシルオキシであり、RDは、水素またはメチルであり;XAは炭素数が2〜20のアルキレンであり、このアルキレンの末端を除く任意の−CH2−は−O−、−NH−または−CH(OH)−で置き換えられてもよい。
【請求項6】
式(2)で表わされる共重合体において、P1が、式(A)で表される付加重合性単量体の少なくとも1つの重合によって得られる構成単位の連鎖である、請求項2に記載のアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。
【化4】

式(A)において、RA、RB、RCは独立して、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、1−プロポキシ、2−プロポキシ、2-プロペニルオキシ、またはアセチルオキシであり、RA、RB、RCの少なくとも1つは、メトキシ、エトキシ、1−プロポキシ、2−プロポキシ、2-プロペニルオキシ、またはアセチルオキシであり;RDは、水素またはメチルであり;XAは、−CH2CH2CH2−、−(CH2CH2O)mCH2CH2CH2−または−CH(OH)CH2NHCH2CH2CH2−である。ここで、mは1〜3の整数である。
【請求項7】
式(2)で表わされる共重合体において、P1が少なくとも1つの式(B)で表される付加重合性単量体の重合によって得られる構成単位の連鎖である、請求項2に記載のアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。
【化5】

式(B)において、RE、RF、RGは、それぞれ炭素数が1〜4であり、任意の−CH2−が−O−で置き換えられてもよいアルキルであり、RE、RF、RGの少なくとも何れか1つは、−O−CH3、−O−CH2CH3、−O−CH2CH2CH3、−O−CH(CH32であり;RHは、水素またはメチルであり;XBは炭素数が2〜20であり、任意の−CH2−が−O−で置き換えられてもよいアルキレン、炭素数6〜20のアリーレン、または炭素数7〜20のアリールアルキルから任意の2つの水素を除いて定義される2価の基であり、任意の−CH2−が−O−で置き換えられてもよい。
【請求項8】
前記ケイ素含有微粒子が、
(a)式(a−1)で表されるアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、及び式(a−2)で表されるスチレン誘導体(ただし、スチレンも含む)から選ばれる少なくとも1種の化合物、
(b)式(b−1)及び式(b−2)で表されるラジカル重合性基含有ポリシロキサンマクロモノマーから選ばれる少なくとも1種の化合物、並びに
(c)式(c−1)及び式(c−2)で表されるラジカル重合性基含有アルコキシシランから選ばれる少なくとも1種の化合物、
との共重合によって得られるケイ素含有樹脂と
(d)前記式(3)で表されるテトラアルコキシシラン、
を共加水分解して得られるケイ素含有微粒子である請求項1に記載のアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。
【化6】

ここで、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜4のアルキルまたは炭素数6〜10のアリールであり、R4はフェニルまたは炭素数1〜20のアルキルである。
【化7】

ここで、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11及びR12はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜4のアルキル、炭素数6〜10のアリールまたはハロゲンを有する炭素数1〜4のアルキルである。
【化8】

ここで、R13、R14及びR15はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜4のアルキルまたは炭素数6〜10のアリールであり、R16及びR17はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル、炭素数6〜10のアリールまたはフッ素を有する炭素数1〜4のアルキルであり、R18及びR19は独立にメチル、フェニルまたはフッ素を有する炭素数1〜4のアルキルであり、R20、R21及びR22はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル、フェニルまたはフッ素を有する炭素数1〜4のアルキルである。また、1≦n1+n2≦1000(但し、n1=0、n2=0の場合を含む)である。
【化9】

ここで、R23、R24、R25、R26、R27、R28及びR29はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜4のアルキル、炭素数6〜10のアリールまたはハロゲンを有する炭素数1〜4のアルキルであり、R30及びR31はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル、炭素数6〜10のアリールまたはフッ素を有する炭素数1〜4のアルキルであり、R32及びR33はそれぞれ独立にメチル、フェニルまたはフッ素を有する炭素数1〜4のアルキルであり、R34、R35及びR36はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル、フェニルまたはフッ素を有する炭素数1〜4のアルキルである。また、1≦n3+n4≦1000(但し、n3=0、n4=0の場合を含む)である。
【化10】

ここで、R37、R38及びR39はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜4のアルキルまたは炭素数6〜10のアリールであり、R40及びR41はそれぞれ独立にフェニルまたは炭素数1〜20のアルキルであり、xは1、2または3である。
【化11】

ここで、R42、R43、R44、R45、R46、R47及びR48はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜4のアルキル、炭素数6〜10のアリールまたはハロゲンを有する炭素数1〜4のアルキルであり、R49及びR50はそれぞれ独立にフェニルまたは炭素数1〜20のアルキルであり、yは1、2または3である。
【請求項9】
前記ケイ素含有微粒子が、
(a)前記式(3)で表される少なくとも1種のテトラアルコキシシランと(b)式(5)で表される少なくとも1種のアルキルトリアルコキシシランを溶液中で共加水分解反応して得られるケイ素含有微粒子である請求項1に記載のアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。

R3Si(OR2)3 …(5)

ここで、Rはフェニルまたは炭素数1〜20の直鎖または分岐アルキルであり、Rは炭素数3〜23の直鎖または分岐アルキルである。
【請求項10】
前記ケイ素含有微粒子が、
(a)式(6)で表される少なくとも1種の片末端反応性ポリオルガノシロキサンと(b)前記式(3)で表される少なくとも1種のテトラアルコキシシランを溶液中で共加水分解反応して得られるケイ素含有微粒子である請求項1に記載のアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。
【化12】

ここで、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル、炭素数4〜10のシクロアルキルまたは炭素数6〜10のアリール若しくはアリール置換炭化水素であり;R及びRは炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル、炭素数6〜10のアリール若しくはアリール置換炭化水素、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖のアルキルオキシ、炭素数4〜10のシクロアルキルオキシまたは炭素数6〜10のアリールオキシ置換炭化水素であり;nは4〜1100の整数である。
【請求項11】
前記式(3)で表わされるテトラアルコキシシランにおいて、Rが炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖アルキルである請求項2〜10の何れか1項に記載のアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。
【請求項12】
(a)式(2)で表される少なくとも1種の共重合体と(b)式(3)で表される少なくとも1種のテトラアルコキシシランを、(c)無機化合物を主体とする微粒子の存在下、溶液中で共加水分解反応して得られるケイ素含有微粒子に、式(1)で表される少なくとも1種のアンモニウムシランを反応させることによって得られるアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。
【化13】

式(2)において、nは1〜1,000の整数であり;R1、R2、R3、R4、R5、R6、およびR7は、それぞれ、水素、炭素数が1〜30であり、任意の水素がフッ素で置き換えられてもよく、そして任意の−CH2−が−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよいアルキル、炭素数2〜20であり、任意の水素がフッ素で置き換えられてもよく、そして任意の−CH2−が−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよいアルケニル、任意の水素がハロゲンまたは1〜10個の炭素を有するアルキルで置き換えられてもよく、そして該アルキルの任意の−CH−が−O−、−CH=CH−またはフェニレンで置き換えられてもよい置換もしくは非置換のアリール、および置換もしくは非置換のアリールと、任意の水素がフッ素で置き換えられてもよく任意の−CH2−が−O−、−CH=CH−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよいアルキレンとで構成されるアリールアルキル、から独立して選択される基であり;Zは炭素数が2〜20であり、任意の−CH2−が−O−で置き換えられてもよいアルキレンまたは炭素数が3〜8であり任意の−CH2−が−O−で置き換えられてもよいアルケニレンであり;Xはハロゲンであり;そして、P1はケイ素に直結した加水分解性基を有する付加重合性単量体の少なくとも1つの重合によって得られる構成単位の連鎖である。
式(3)において、Rはフェニルまたは炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖アルキルである。
式(1)において、Yは陰イオンであり、R9、R10、およびR11は、それぞれ、水素、炭素数が1〜30であり、直鎖でも分岐してもよいアルキル、置換もしくは非置換のアリール、および置換もしくは非置換のアリールと、アルキレンとで構成されるアリールアルキル、から独立して選択される基であり;Wは炭素数が2〜20であり、任意の−CH2−が−O−で置き換えられてもよいアルキレンまたは炭素数が3〜8であり任意の−CH2−が−O−で置き換えられてもよいアルケニレンであり;R12、R13は、それぞれ、炭素数が1〜30であり、直鎖でも分岐してもよいアルキル、置換もしくは非置換のアリール、および置換もしくは非置換のアリールと、アルキレンとで構成されるアリールアルキル、炭素数が1〜30であり、直鎖でも分岐してもよいアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアリールオキシ、および置換もしくは非置換のアリールと、アルキレンとで構成されるアリールアルキルオキシ、から独立して選択される基であり;R14は、炭素数が1〜30であり、直鎖でも分岐してもよいアルキル、置換もしくは非置換のアリール、または置換もしくは非置換のアリールと、アルキレンとで構成されるアリールアルキル、である。
【請求項13】
(a)式(a−1)で表されるアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、及び式(a−2)で表されるスチレン誘導体(ただし、スチレンも含む)から選ばれる少なくとも1種の化合物、
(b)式(b−1)及び式(b−2)で表されるラジカル重合性基含有ポリシロキサンマクロモノマーから選ばれる少なくとも1種の化合物、並びに
(c)式(c−1)及び式(c−2)で表されるラジカル重合性基含有アルコキシシランから選ばれる少なくとも1種の化合物、
との共重合によって得られるケイ素含有樹脂と
(d)前記式(3)で表されるテトラアルコキシシランを、
(e)無機化合物を主体とする微粒子の存在下、溶液中で共加水分解反応して得られるケイ素含有微粒子に、式(1)で表される少なくとも1種のアンモニウムシランを反応させることによって得られるアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。
【化14】

ここで、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜4のアルキルまたは炭素数6〜10のアリールであり、R4はフェニルまたは炭素数1〜20のアルキルである。
【化15】

ここで、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11及びR12はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜4のアルキル、炭素数6〜10のアリールまたはハロゲンを有する炭素数1〜4のアルキルである。
【化16】

ここで、R13、R14及びR15はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜4のアルキルまたは炭素数6〜10のアリールであり、R16及びR17はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル、炭素数6〜10のアリールまたはフッ素を有する炭素数1〜4のアルキルであり、R18及びR19は独立にメチル、フェニルまたはフッ素を有する炭素数1〜4のアルキルであり、R20、R21及びR22はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル、フェニルまたはフッ素を有する炭素数1〜4のアルキルである。また、1≦n1+n2≦1000(但し、n1=0、n2=0の場合を含む)である。
【化17】

ここで、R23、R24、R25、R26、R27、R28及びR29はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜4のアルキル、炭素数6〜10のアリールまたはハロゲンを有する炭素数1〜4のアルキルであり、R30及びR31はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル、炭素数6〜10のアリールまたはフッ素を有する炭素数1〜4のアルキルであり、R32及びR33はそれぞれ独立にメチル、フェニルまたはフッ素を有する炭素数1〜4のアルキルであり、R34、R35及びR36はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル、フェニルまたはフッ素を有する炭素数1〜4のアルキルである。また、1≦n3+n4≦1000(但し、n3=0、n4=0の場合を含む)である。
【化18】

ここで、R37、R38及びR39はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜4のアルキルまたは炭素数6〜10のアリールであり、R40及びR41はそれぞれ独立にフェニルまたは炭素数1〜20のアルキルであり、xは1、2または3である。
【化19】

ここで、R42、R43、R44、R45、R46、R47及びR48はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜4のアルキル、炭素数6〜10のアリールまたはハロゲンを有する炭素数1〜4のアルキルであり、R49及びR50はそれぞれ独立にフェニルまたは炭素数1〜20のアルキルであり、yは1、2または3である。
【請求項14】
(a)前記式(3)で表される少なくとも1種のテトラアルコキシシランと(b)式(5)で表される少なくとも1種のアルキルトリアルコキシシランを、(c)無機化合物を主体とする微粒子の存在下、溶液中で共加水分解反応して得られるケイ素含有微粒子に、式(1)で表される少なくとも1種のアンモニウムシランを反応させることによって得られるアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。

R3Si(OR2)3 …(5)

ここで、Rはフェニルまたは炭素数1〜20の直鎖または分岐アルキルであり、Rは炭素数3〜23の直鎖または分岐アルキルである。
【請求項15】
(a)式(6)で表される少なくとも1種の片末端反応性ポリオルガノシロキサンと(b)前記式(3)で表される少なくとも1種のテトラアルコキシシランを、(c)無機化合物を主体とする微粒子の存在下、溶液中で共加水分解反応して得られるケイ素含有微粒子に、式(1)で表される少なくとも1種のアンモニウムシランを反応させることによって得られるアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。
【化20】

ここで、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル、炭素数4〜10のシクロアルキルまたは炭素数6〜10のアリール若しくはアリール置換炭化水素であり;R及びRは炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル、炭素数6〜10のアリール若しくはアリール置換炭化水素、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖のアルキルオキシ、炭素数4〜10のシクロアルキルオキシまたは炭素数6〜10のアリールオキシ置換炭化水素であり;nは4〜1100の整数である。
【請求項16】
式(1)で表されるアンモニウムシランにおいて、Yがハロゲン化物イオン、テトラアルキルボレートまたはテトラアリールボレートである請求項1〜15の何れか1項に記載のアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。
【請求項17】
式(1)で表わされるアンモニウムシランにおいて、R9、R10、およびR11が、それぞれ、炭素数が1〜30であり、直鎖でも分岐してもよいアルキルである請求項1〜16の何れか1項に記載のアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。
【請求項18】
アンモニウムシランが式(1′)で表される請求項1〜17の何れか1項に記載のアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。
【化21】

式(1′)において、Yは陰イオンであり、R9、R10、およびR11は、それぞれ、水素、炭素数が1〜30であり、直鎖でも分岐してもよいアルキル、置換もしくは非置換のアリール、および置換もしくは非置換のアリールと、アルキレンとで構成されるアリールアルキル、から独立して選択される基であり;Wは炭素数が2〜20であり、任意の−CH2−が−O−で置き換えられてもよいアルキレンまたは炭素数が3〜8であり任意の−CH2−が−O−で置き換えられてもよいアルケニレンであり;R14、R15、およびR16は、それぞれ、炭素数が1〜30であり、直鎖でも分岐してもよいアルキル、置換もしくは非置換のアリール、および置換もしくは非置換のアリールと、アルキレンとで構成されるアリールアルキル、から独立して選択される。
【請求項19】
平均粒子径が50〜1,000nmである請求項1〜10の何れか1項に記載のアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。
【請求項20】
平均粒子径が50〜10,000nmである請求項11〜15の何れか1項に記載のアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子。
【請求項21】
請求項1〜20の何れか1項に記載のアンモニウムシラン変性ケイ素含有微粒子と、分散媒を含む電気泳動表示装置用表示液。
【請求項22】
少なくとも一方が透明な一組の対向配置した電極板間に請求項21に記載の表示液を封入してなる電気泳動表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−169507(P2007−169507A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−370391(P2005−370391)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成17年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「ナノテクノロジープログラム(ナノ加工・計測技術)機能性カプセル活用フルカラーリライタブルペーパープロジェクト」に関する委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願)
【出願人】(000002071)チッソ株式会社 (658)
【出願人】(596032100)チッソ石油化学株式会社 (309)
【Fターム(参考)】