説明

アーケードゲーム機及びゲームシステム

【課題】あるアーケードゲーム機でプレイするプレイヤーが入手したアイテム等のゲーム要素データと同じものを他のアーケードゲーム機でプレイするプレイヤーが入手するイベントのゲーム性を従来よりも高める。
【解決手段】各キャラクタデータの画像がそれぞれの出現確率に従って出現する。ゲーム進行制御部101は、出現した画像に対応するキャラクタデータを所定の使用許可条件に従ってプレイヤーの使用可能なキャラクタデータを記憶する記憶手段に記憶する。更に、ゲーム進行制御部は、外部通信部108が受信した受信データに基づき、その記憶手段に対し、他の同種のアーケードゲーム機が備える同様の記憶領域(別プレイヤーの使用可能なキャラクタデータを記憶する記憶手段)に記憶されているキャラクタデータと同じデータを記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、他の同種のアーケードゲーム機との間でネットワークを介してデータ通信可能なアーケードゲーム機及びこのようなアーケードゲーム機を複数備えたゲームシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、それぞれ独自のメダルプッシャーゲームを行う複数のサテライトを同一筐体内に備えたメダルゲーム装置(アーケードゲーム機)が開示されている。各サテライトにおけるゲーム状況は、ホストコンピュータによって監視されている。各サテライトにおいて、プレイヤーはメダル投入器の向きを変えて複数あるチャッカーの中から所望のチャッカーを狙ってメダルを投入する。また、各サテライトには、ゲームキャラクタが仮想ゲーム空間内のコースを進んでいくようなゲーム画面を表示するディスプレイが設けられている。投入されたメダルが当たりのチャッカーに入ることでディスプレイ上のゲームキャラクタが仮想ゲーム空間内のコースを進むというようにゲームが進行していく。また、上記特許文献1には、各サテライトでのゲーム進行中にプレイヤーは様々なアイテムを獲得することができるとしている。
【0003】
また、上記特許文献1に記載のメダルゲーム装置においては、ショップイベントが発生すると、各サテライトでゲームを行うプレイヤー間でアイテムを売買することができる。詳しく説明すると、このメダルゲーム装置では、各プレイヤーが獲得したアイテムの情報は、そのプレイヤーが使用するICカードに記憶される。そして、各サテライトではショップイベントの発生抽選が行われ、あるサテライトAがショップイベントに当選すると、そのサテライトAから当選通知がホストコンピュータに送られる。ホストコンピュータは、アイテムの買い手となり得るプレイヤーがプレイするサテライトBが存在する場合、そのサテライトBとショップイベントに当選したサテライトAとにショップイベント発生命令を送る。これにより、サテライトAでプレイするプレイヤーは、自分のアイテムをサテライトBのプレイヤーに売ってメダルに変えることが可能となる。アイテムの売買が成立すると、メダルゲーム装置はサテライトBのプレイヤーから購入価格分のメダルを受け取る。そして、サテライトAでプレイするプレイヤーのICカードから売買が成立したアイテムの情報を削除するとともに、そのプレイヤーに対して売価分のメダルを払い出す。
なお、上記特許文献1には、ショップイベントを行う他のサテライトBは、サテライトAと同じメダルゲーム装置内の他のサテライトに限らず、他のアミューズメント施設(遊技場)に設置されたメダルゲーム装置のサテライトであってもよい旨が記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2005−230264号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数のサテライトを備えた一般のアーケードゲーム機においては、通常、各サテライトで行われるゲーム進行は、各サテライトで同じように制御される。よって、プレイヤーが各アイテムを入手し得るそれぞれの確率は、どのサテライトでプレイしても同じである。そのため、例えば、プレイヤーが入手しやすいアイテムの種類や、プレイヤーが入手しにくいレアアイテムと呼ばれるアイテムの種類は、いずれのサテライトでも同じものである。
【0006】
この点について上記特許文献1には詳しい説明がなされていないが、この特許文献1に記載のメダルゲーム装置も、一般のアーケードゲーム機と同様に、プレイヤーが各アイテムを入手し得るそれぞれの確率はどのサテライトでプレイしても同じであると推測できる。そのため、このメダルゲーム装置でも、例えば、プレイヤーが入手しやすいアイテムの種類や、プレイヤーが入手しにくいレアアイテムと呼ばれるアイテムの種類は、いずれのサテライトでも同じものであると推測できる。よって、例えばレアアイテムのようにプレイヤーが入手しにくいアイテムについては、売り手側にとっても買い手側にとっても貴重なアイテムであり、買い手側が欲しても売り手側が手放さない結果、売買が成立しにくい。また、例えば入手しやすいアイテムについては、売り手側にとっても買い手側にとってもその価値が低いので、買い手側の購入意欲が低く、売り手側が手放したくても買い手が見つからず、売買が成立しにくい。その結果、上記特許文献1に記載のメダルゲーム装置においては、アイテム売買のイベントのゲーム性を十分に高めることができないという問題がある。
【0007】
なお、この問題は、互いに異なる店舗にそれぞれ配置される複数のアーケードゲーム機でそれぞれプレイするプレイヤー間でアイテム売買を行うイベントを発生させるゲームシステムにおいても発生する。
また、この問題は、アイテム売買のイベントに限らず、あるアーケードゲーム機でプレイするプレイヤーが入手したアイテム等のゲーム要素データと同じものを他のアーケードゲーム機でプレイするプレイヤーが入手するイベントを発生させるゲームシステムにおいても、同様に発生し得る。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、あるアーケードゲーム機でプレイするプレイヤーが入手したアイテム等のゲーム要素データと同じものを他のアーケードゲーム機でプレイするプレイヤーが入手するイベントのゲーム性を従来よりも高めることが可能なアーケードゲーム機及びゲームシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、ゲーム操作用の操作手段と、ゲーム要素画像を含むゲーム画像を表示するゲーム画像表示手段と、金銭若しくはメダル又はこれらに相当する電子データからなるゲーム価値媒体を受け取る受取手段と、該ゲーム画像表示手段に表示され得る複数のゲーム要素画像それぞれに対応した各ゲーム要素データを記憶するゲーム要素記憶手段と、該受取手段がゲーム価値媒体を受け取ることを条件にゲームの進行を開始し、該ゲーム要素記憶手段から読み出したゲーム要素データに対応するゲーム要素画像を該ゲームの進行中に該ゲーム画像表示手段に表示させるとともに、該操作手段の操作内容に応じて該ゲームの進行を制御するゲーム制御手段とを有するアーケードゲーム機において、他の同種のアーケードゲーム機との間でネットワークを介してデータ通信を行う通信手段と、上記ゲーム要素記憶手段に記憶されている複数のゲーム要素データのうち上記ゲームをプレイしているプレイヤーが該ゲームで使用可能なゲーム要素データ又は該ゲーム要素データを特定するための特定データを記憶する使用可能要素記憶手段と、上記ゲーム制御手段が該ゲーム要素記憶手段に記憶されている該複数のゲーム要素データにそれぞれ対応した各ゲーム要素画像を上記ゲーム画像表示手段に表示させる各出現確率を決定するための出現確率データを記憶する出現確率記憶手段と、該出現確率記憶手段に記憶される出現確率データを設定変更する設定変更手段とを有しており、該ゲーム進行手段は、該ゲーム要素記憶手段に記憶されている1又は2以上のゲーム要素データに対応したゲーム要素画像を、該出現確率記憶手段に記憶されている出現確率データにより決定される出現確率に従って該ゲーム画像表示手段に表示させるようにゲーム進行を制御し、かつ、該ゲーム画像表示手段に表示されたゲーム要素画像に対応するゲーム要素データ又は該ゲーム要素の特定データを、所定の使用許可条件に従って該使用可能要素記憶手段に記憶する制御を行い、更に、該ゲーム進行手段は、該通信手段が受信した受信データに基づき、該使用可能要素記憶手段に対して、該他の同種のアーケードゲーム機が備える使用可能要素記憶手段に記憶されているゲーム要素データ又は該ゲーム要素の特定データと同じデータを記憶する制御を行うことを特徴とするものである。
なお、ここでいう「他の同種のアーケードゲーム機」とは、本請求項に記載の構成要素と同じ構成要素を備える他のアーケードゲーム機を意味する。以下の請求項においても同様である。
本アーケードゲーム機においては、ゲーム画像表示手段に表示されたゲーム要素画像に対応するゲーム要素データ又はその特定データは、所定の使用許可条件に従って使用可能要素記憶手段に記憶される。使用可能要素記憶手段に記憶されたゲーム要素データ又はその特定データに対応するゲーム要素データは、対応するプレイヤーのゲーム進行中にそのプレイヤーにより使用可能になる。なお、ここでいう「使用」とは、そのプレイヤーがプレイするゲーム進行中に、そのプレイヤーの操作に応じてそのゲーム要素データを用いたデータ処理が行われることを意味する。また、本アーケードゲーム機においては、他の同種のアーケードゲーム機との間でネットワークを介してデータ通信を行う通信手段が受信した受信データに基づき、当該他の同種のアーケードゲーム機が備える使用可能要素記憶手段に記憶されているゲーム要素データ又はその特定データと同じデータが使用可能要素記憶手段に記憶される。すなわち、本アーケードゲーム機によれば、通信手段が上記受信データを受信すると、他の同種のアーケードゲーム機におけるプレイヤーが使用可能なゲーム要素データを本アーケードゲーム機でプレイするプレイヤーが使用可能になるというイベントを実行することができる。
ここで、使用可能要素記憶手段に記憶されるゲーム要素データ又は特定データは、ゲーム画像表示手段に表示された(出現した)ゲーム要素画像に対応するものである。そして、各ゲーム要素画像がゲーム画像表示手段に出現する出現確率は、出現確率記憶手段に記憶されている出現確率データに従って決まる。よって、各ゲーム要素データが使用可能要素記憶手段に記憶される確率すなわち所定の使用許可条件を満たす確率、言い換えれば、その使用可能要素記憶手段に対応するプレイヤーが各ゲーム要素データを入手し得る確率(入手確率)は、そのゲーム要素データに対応するゲーム要素画像の出現確率によって変わる。なお、「入手確率」とはプレイヤーが各ゲーム要素データを入手し得る困難性の度合いを示すものであり、所定の使用許可条件を満たす困難性の度合いを示すものである。
本アーケードゲーム機では、各ゲーム要素画像の出現確率を決定するための出現確率データを、設定変更手段により設定変更することができる。よって、本アーケードゲーム機における出現確率データを、本アーケードゲーム機とデータ通信可能に接続される他の同種のアーケードゲーム機における出現確率データとは異なる設定に変更することが可能である。その結果、少なくとも一種類の同じゲーム要素画像の出現確率を、本アーケードゲーム機と他の同種のアーケードゲーム機との間で互いに異ならせることが可能となる。これにより、当該少なくとも一種類の同じゲーム要素画像に対応するゲーム要素データの入手確率を、本アーケードゲーム機と他の同種のアーケードゲーム機との間で互いに異ならせることが可能になる。
その結果、例えば、本アーケードゲーム機では入手確率が低いゲーム要素データは、他の同種のアーケードゲーム機では入手確率が高いといった状況を実現することが可能になる。このような状況を実現することで、本アーケードゲーム機のプレイヤーに対し、当該ゲーム要素データを他の同種のアーケードゲーム機のプレイヤーから入手し得る上記イベントの積極的な活用を促すことができる。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1のアーケードゲーム機において、設定変更用の操作手段を有し、上記設定変更手段は、該設定変更用の操作手段の操作内容に従って上記出現確率記憶手段に記憶される出現確率データを設定変更することを特徴とするものである。
このアーケードゲーム機においては、設定変更用の操作手段を操作する操作者が望む出現確率となるように出現確率データを設定変更することができる。
【0011】
また、請求項3の発明は、請求項1のアーケードゲーム機において、ネットワークを介して設定変更データを受信する設定変更データ受信手段を有し、上記設定変更手段は、該設定変更データ受信手段が受信した設定変更データに従って上記出現確率記憶手段に記憶される出現確率データを設定変更することを特徴とするものである。
このアーケードゲーム機においては、ネットワークを介して出現確率データを設定変更することが可能となる。
【0012】
また、請求項4の発明は、請求項1、2又は3のアーケードゲーム機において、ネットワークを介してゲーム要素データを受信するゲーム要素データ受信手段を有し、上記ゲーム進行手段は、該ゲーム要素データ受信手段が受信したゲーム要素データを上記ゲーム要素記憶手段に記憶する制御を行うことを特徴とするものである。
このアーケードゲーム機においては、ゲーム要素記憶手段に新しいゲーム要素データ等をネットワークを介して追加することが可能となる。
【0013】
また、請求項5の発明は、請求項1、2、3又は4のアーケードゲーム機において、上記ゲーム制御手段は、上記通信手段を用いて上記他の同種のアーケードゲーム機との間でデータ通信を行いつつ、上記操作手段を操作してプレイしている本プレイヤーと該他の同種のアーケードゲーム機の操作手段を操作してプレイしている他のプレイヤーとの間の勝敗を決する対人対戦ゲームの進行を制御するものであり、更に、該ゲーム制御手段は、該本プレイヤーが該対人対戦ゲームで勝ったときに、上記使用可能要素記憶手段に対し、該他の同種のアーケードゲーム機が備える該他のプレイヤーに係る使用可能要素記憶手段に記憶されているゲーム要素データ又は特定データと同じデータを記憶する制御を行うことを特徴とするものである。
このアーケードゲーム機においては、本アーケードゲーム機でプレイする本プレイヤーが他の同種のアーケードゲーム機でプレイする他のプレイヤーとの対人対戦ゲームで勝ったとき、本プレイヤーは、当該他のプレイヤーが当該他の同種のアーケードゲーム機で入手したゲーム要素データ(当該他の同種のアーケードゲーム機が備える当該他のプレイヤーに係る使用可能要素記憶手段に記憶されているゲーム要素データ又はこれに記憶されている特定データにより特定されるゲーム要素データ)と同じものを入手でき、これを使用することが可能となる。その結果、例えば、本アーケードゲーム機では入手確率が低いゲーム要素データは他の同種のアーケードゲーム機では入手確率が高いといった状況を実現することで、本プレイヤーに対し、当該対人対戦ゲームというイベントの積極的な活用を促すことができる。
【0014】
また、請求項6の発明は、請求項5のアーケードゲーム機において、上記ゲーム制御手段は、上記本プレイヤーが上記対人対戦ゲームで負けたときに、上記使用可能要素記憶手段に記憶されているゲーム要素データ又は特定データのうち、所定の消去条件を満たすものを消去する制御を行うことを特徴とするものである。
このアーケードゲーム機においては、本アーケードゲーム機でプレイする本プレイヤーが上記対人対戦ゲームで負けたとき、本プレイヤーは、自分が入手したゲーム要素データ(本プレイヤーに係る使用可能要素記憶手段に記憶されているゲーム要素データ又はこれに記憶されている特定データにより特定されるゲーム要素データ)のうち所定の消去条件を満たすゲーム要素データを使用できなくなる。その結果、その対人対戦ゲームの緊張感を高めることができる。
【0015】
また、請求項7の発明は、請求項6のアーケードゲーム機において、上記使用可能要素記憶手段に記憶されているゲーム要素データ又は特定データは、消去カウント値データに関連付けて記憶されており、上記ゲーム制御手段は、上記本プレイヤーが上記対人対戦ゲームで負けたとき、該対人対戦ゲームで使用したゲーム要素データに対応する該消去カウント値データを所定のカウント値分だけ変動させる制御を行うものであり、上記所定の消去条件は、該消去カウント値データの累積変動値が規定値に達したという条件であることを特徴とするものである。
このアーケードゲーム機においては、本プレイヤーが上記対人対戦ゲームで負けると、そのプレイヤーが入手したゲーム要素データに対応する消去カウント値データが、所定のカウント値分だけ変動する。そして、その消去カウント値データの累積変動値が規定値に達すると、本プレイヤーはこれに対応するゲーム要素データを使用できなくなる。このような構成により、本プレイヤーが負けたときに変動させる上記所定のカウント値及び上記規定値の設定に応じて、本プレイヤーが何回負けたら当該ゲーム要素データを使用できなくするかを適宜調整することができる。その結果、本プレイヤーが対人対戦ゲームで1回負けると即座にゲーム要素データを使用できなくなるといった事態の発生を防止することが可能になる。このような事態が発生すると、対人対戦ゲームの緊張感を生んで対人対戦ゲームのゲーム性を向上させることができる反面、自分のゲーム要素データを失いたくないプレイヤーに対して対人対戦ゲームの活用を躊躇させる要因にもなる。本アーケードゲーム機によれば、このような事態の発生を防止可能であるので、自分のゲーム要素データを失いたくないプレイヤーにも対人対戦ゲームの活用を促すことができる。
【0016】
また、請求項8の発明は、請求項7のアーケードゲーム機において、上記本プレイヤーが上記対人対戦ゲームで勝ったときに上記使用可能要素記憶手段に記憶される上記同じデータの数に上記規定値を乗じて得られる値と、該本プレイヤーが該対人対戦ゲームで負けたときに変動する総カウント値とが互いに一致することを特徴とするものである。
上述した規定値は、各ゲーム要素データが消去されるまでの負け回数を示すカウント値(各ゲーム要素データの寿命カウント値)に相当する。したがって、本プレイヤーが対人対戦ゲームで勝ったとき、これによりゲーム要素データを入手することで、その入手したゲーム要素データに対応する寿命カウント値の合計に等しいカウント値分だけ、自分が入手したすべてのゲーム要素データの寿命カウント値の総計値が増加したものと言える。一方、本プレイヤーが対人対戦ゲームで負けたときには、自分が入手したすべてのゲーム要素データの寿命カウント値の総計値から所定値分のカウント値が減少したものと言える。そして、本アーケードゲーム機においては、本プレイヤーが対人対戦ゲームで勝ったときに増加する寿命カウント値の総計値と、本プレイヤーが対人対戦ゲームで負けたときに減少する寿命カウント値の総計値とが互いに等しくなる。したがって、本アーケードゲーム機とこれにデータ通信可能に接続される他の同種のアーケードゲーム機とからなるゲームシステム全体から見れば、上記対人対戦ゲームを行っても、各プレイヤーが入手したゲーム要素データに対応する寿命カウント値の総計値を合計した値は一定になる。その結果、上記対人対戦ゲームを行うことにより、対戦した各プレイヤーの使用可能なゲーム要素データの数が増減しても、そのゲームシステム全体における全プレイヤーの使用可能なゲーム要素データの合計数を、一定の範囲内に収めることができる。
【0017】
また、請求項9の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7又は8のアーケードゲーム機において、上記使用可能要素記憶手段に記憶されているゲーム要素データ又は特定データに対応するデータを記憶する可搬型記憶媒体を排出する記憶媒体排出手段を有することを特徴とするものである。
このアーケードゲーム機においては、プレイヤーは自分が入手したゲーム要素データ又はこれを特定するための特定データに対応するデータが記憶された可搬型記憶媒体を持ち運ぶことができるので、ゲーム要素データを自分が所有しているというプレイヤーの意識を高めることができ、ゲーム要素データを入手することに対するプレイヤーの意欲を高めることができる。なお、この可搬型記憶媒体の利用方法は種々考えられる。例えば、この可搬型記憶媒体の外面に内部に記憶されているデータに対応するゲーム要素データを示す絵柄等の画像などを表示するようにすれば、この可搬型記憶媒体をトレーディングカードゲームのようなカードゲームなどの他のゲームに使用することができる。
【0018】
また、請求項10の発明は、請求項9のアーケードゲーム機において、上記可搬型記憶媒体に記憶されているデータを読み出すデータ読出手段を有し、上記ゲーム制御手段は、該データ読出手段が読み出したデータに対応するゲーム要素データ又は特定データを上記使用可能要素記憶手段に記憶する制御を行うことを特徴とするものである。
このアーケードゲーム機においては、記憶媒体排出手段から排出された可搬型記憶媒体に記憶されているデータに対応したゲーム要素データを、プレイヤーがゲームで使用可能となる。
【0019】
また、請求項11の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10のアーケードゲーム機が有する構成をそれぞれ備えた複数のアーケードゲーム機を含み、互いに異なる遊技場にそれぞれ設置した該複数のアーケードゲーム機をネットワークを介して互いにデータ通信可能に接続したことを特徴とするゲームシステムに係るものである。
このゲームシステムにおいては、各アーケードゲーム機でプレイするプレイヤーに対し、ゲーム要素データを他のアーケードゲーム機のプレイヤーから入手し得るイベントの積極的な活用を促すことが可能となる。
ここで、仮に、本ゲームシステムを構成する複数のアーケードゲーム機を同じ遊技場内に設置した場合、プレイヤーは少し歩くだけでいずれのアーケードゲーム機でもプレイすることが可能となる。このような場合、プレイヤーは、少し歩くだけで、これらのアーケードゲーム機の中から自分が欲しいゲーム要素データの入手確率が高いアーケードゲーム機に移動し、プレイすることができてしまう。その結果、各アーケードゲーム機でプレイするプレイヤーに対し、ゲーム要素データを他のアーケードゲーム機のプレイヤーから入手し得るイベントの積極的な活用を促す効果が十分に得られず、このようなイベントのゲーム性を十分に高めることができないおそれがある。
本ゲームシステムを構成する各アーケードゲーム機は、互いに異なる遊技場にそれぞれ設定されているので、これらのアーケードゲーム機が同じ遊技場に設置されている場合に比べて、各アーケードゲーム機間をプレイヤーが移動する労力が大きい。よって、これらのアーケードゲーム機の中から自分が欲しいゲーム要素データの入手確率が高いアーケードゲーム機に移動してプレイする事態が少なくなる。したがって、上述したイベントの積極的な活用を十分に促す効果が得られ、このようなイベントのゲーム性を高める確実性が向上する。
【0020】
また、請求項12の発明は、請求項3のアーケードゲーム機が有する構成をそれぞれ備えた複数のアーケードゲーム機を含み、互いに異なる遊技場にそれぞれ設置した該複数のアーケードゲーム機をネットワークを介して互いにデータ通信可能に接続したゲームシステムであって、上記複数のアーケードゲーム機に対してネットワークを通じて上記設定変更データを送信する出現確率管理装置を有することを特徴とするものである。
このゲームシステムにおいては、出現確率管理装置からネットワークを介して各アーケードゲーム機における出現確率データを設定変更することができる。
【0021】
また、請求項13の発明は、請求項4のアーケードゲーム機が有する構成をそれぞれ備えた複数のアーケードゲーム機を含み、互いに異なる遊技場にそれぞれ設置した該複数のアーケードゲーム機をネットワークを介して互いにデータ通信可能に接続したゲームシステムであって、上記複数のアーケードゲーム機に対してネットワークを通じて上記ゲーム要素データを送信するゲーム要素管理装置を有することを特徴とするものである。
このゲームシステムにおいては、ゲーム要素管理装置からネットワークを介してアーケードゲーム機のゲーム要素記憶手段に新しいゲーム要素データ等を追加することができる。
【0022】
また、請求項14の発明は、ゲーム操作用の操作手段と、ゲーム要素画像を含むゲーム画像を表示するゲーム画像表示手段と、金銭若しくはメダル又はこれらに相当する電子データからなるゲーム価値媒体を受け取る受取手段と、該ゲーム画像表示手段に表示され得る複数のゲーム要素画像それぞれに対応した各ゲーム要素データを記憶するゲーム要素記憶手段と、該受取手段がゲーム価値媒体を受け取ることを条件にゲームの進行を開始し、該ゲーム要素記憶手段から読み出したゲーム要素データに対応するゲーム要素画像を該ゲームの進行中に該ゲーム画像表示手段に表示させるとともに、該操作手段の操作内容に応じて該ゲームの進行を制御するゲーム制御手段とをそれぞれ有する複数のアーケードゲーム機を備え、互いに異なる遊技場にそれぞれ設置される該複数のアーケードゲーム機をネットワークを介して互いにデータ通信可能に接続したゲームシステムであって、各アーケードゲーム機は、上記ゲーム要素記憶手段に記憶されている複数のゲーム要素データのうち上記ゲームをプレイしているプレイヤーが該ゲームで使用可能なゲーム要素データ又は該ゲーム要素データを特定するための特定データを記憶する使用可能要素記憶手段と、上記ゲーム制御手段が該ゲーム要素記憶手段に記憶されている該複数のゲーム要素データにそれぞれ対応した各ゲーム要素画像を上記ゲーム画像表示手段に表示させる各確率を決定するための出現確率データを記憶する出現確率記憶手段とをそれぞれ有しており、各アーケードゲーム機の該ゲーム進行手段は、そのアーケードゲーム機の該ゲーム要素記憶手段に記憶されている1又は2以上のゲーム要素データに対応したゲーム要素画像を、そのアーケードゲーム機の該出現確率記憶手段に記憶されている出現確率データにより決定される出現確率に従って、そのアーケードゲーム機の該ゲーム画像表示手段に表示させるようにゲーム進行を制御し、かつ、該ゲーム画像表示手段に表示されたゲーム要素画像に対応するゲーム要素データ又は該ゲーム要素の特定データを、所定の使用許可条件に従って、そのアーケードゲーム機の該使用可能要素記憶手段に記憶する制御を行い、更に、各アーケードゲーム機の該ゲーム進行手段は、上記ネットワークを介して受信した受信データに基づき、上記複数のアーケードゲーム機のうちの他のアーケードゲーム機が備える使用可能要素記憶手段に記憶されているゲーム要素データ又は該ゲーム要素の特定データと同じデータを、そのアーケードゲーム機の該使用可能要素記憶手段に記憶する制御を行い、各アーケードゲーム機の該出現確率記憶手段に記憶されている出現確率データは、少なくとも一種類の同じゲーム要素データに対応するゲーム要素画像の出現確率がアーケードゲーム機によって異なるように設定されていることを特徴とするものである。
このゲームシステムを構成する各アーケードゲーム機の構成は、出現確率記憶手段に記憶される出現確率データを設定変更する設定変更手段を有することが必須要件となっていないことを除いて、請求項1のアーケードゲーム機の構成とほぼ同じである。そして、本ゲームシステムにおいては、少なくとも一種類の同じゲーム要素データに対応するゲーム要素画像の出現確率がアーケードゲーム機によって異なるように設定されている。これにより、あるアーケードゲーム機では入手確率が低いゲーム要素データは、他のアーケードゲーム機では入手確率が高いといった状況を実現することができる。よって、あるアーケードゲーム機のプレイヤーに対し、当該ゲーム要素データを他のアーケードゲーム機のプレイヤーから入手し得るようなイベントの積極的な活用を促すことができる。
なお、本ゲームシステムにおいても、各アーケードゲーム機が互いに異なる遊技場にそれぞれ設定されていることによる効果を、請求項11のゲームシステムと同様に得ることができる。
【発明の効果】
【0023】
請求項1の発明によれば、本アーケードゲーム機のプレイヤーに対し、ゲーム要素データを他の同種のアーケードゲーム機のプレイヤーから入手し得るイベントの積極的な活用を促すことが可能となるので、このようなイベントのゲーム性を従来よりも高めることができるという優れた効果が奏される。
また、請求項2の発明によれば、操作者が望む出現確率となるように出現確率データを設定変更することができるので、操作者の意向に沿って特定のゲーム要素画像の入手確率を高めたり低めたりすることができるという優れた効果が奏される。
また、請求項3の発明によれば、本アーケードゲーム機とは離れた場所から出現確率データを設定変更することが可能なので、本アーケードゲーム機を遊技場に設置した後に特定のゲーム要素画像の入手確率を高めたり低めたりするといった作業を迅速かつ容易に行うことが可能になるという優れた効果が奏される。
また、請求項4の発明によれば、本アーケードゲーム機とは離れた場所から新しいゲーム要素データ等を追加することが可能なので、本アーケードゲーム機を遊技場に設置した後に新しいゲーム要素データ等を追加する作業を迅速かつ容易に行うことが可能になるという優れた効果が奏される。
また、請求項5の発明によれば、本アーケードゲーム機でプレイする本プレイヤーと他の同種のアーケードゲーム機でプレイする他のプレイヤーとの間の対人対戦ゲーム(イベント)への積極的な活用を促すことが可能となり、このような対人対戦ゲームのゲーム性を従来よりも高めることができるという優れた効果が奏される。
また、請求項6の発明によれば、上記対人対戦ゲームの緊張感を高めることができるので、その対人対戦ゲームのゲーム性を更に向上させることができるという優れた効果が奏される。
また、請求項7の発明によれば、自分のゲーム要素データを失いたくないプレイヤーにも対人対戦ゲームの活用を促すことができるという優れた効果が奏される。
また、請求項8の発明によれば、本アーケードゲーム機とこれにデータ通信可能に接続される他の同種のアーケードゲーム機とからなるゲームシステム全体における全プレイヤーの使用可能なゲーム要素データの合計数の管理が容易になるという優れた効果が奏される。
また、請求項9の発明によれば、ゲーム要素データを入手することに対するプレイヤーの意欲を高めることができるので、上述したゲーム要素データを他の同種のアーケードゲーム機のプレイヤーから入手し得るイベントの積極的な活用を更に促すことが可能となり、このようなイベントのゲーム性をより高めることができるという優れた効果が奏される。
また、請求項10の発明によれば、プレイヤーが自分の持っている可搬型記憶媒体に記憶されているデータに対応したゲーム要素データを使用してゲームをプレイできるので、ゲーム要素データを入手することに対するプレイヤーの意欲が更に高まり、上述したイベントのゲーム性をより高めることができるという優れた効果が奏される。
また、請求項11の発明によれば、本ゲームシステムの各アーケードゲーム機でプレイするプレイヤーに対し、ゲーム要素データを他のアーケードゲーム機のプレイヤーから入手し得るイベントの積極的な活用を従来よりも促すことができるので、高い確実性をもってこのようなイベントのゲーム性を高めることができるという優れた効果が奏される。
また、請求項12の発明によれば、出現確率管理装置からネットワークを介して各アーケードゲーム機における出現確率データを設定変更することができるので、各アーケードゲーム機を遊技場に設置した後に、そのアーケードゲーム機ごとに個別に特定のゲーム要素画像の入手確率を高めたり低めたりするといった作業を迅速かつ容易に行うことが可能になるという優れた効果が奏される。
また、請求項13の発明によれば、ゲーム要素管理装置からネットワークを介してアーケードゲーム機のゲーム要素記憶手段に新しいゲーム要素データ等を追加することができるので、各アーケードゲーム機を遊技場に設置した後に新しいゲーム要素データ等を追加する作業を迅速かつ容易に行うことができるになるという優れた効果が奏される。
また、請求項14の発明によれば、本ゲームシステムの各アーケードゲーム機でプレイするプレイヤーに対し、ゲーム要素データを他のアーケードゲーム機のプレイヤーから入手し得るイベントの積極的な活用を従来よりも促すことができるので、高い確実性をもってこのようなイベントのゲーム性を高めることができるという優れた効果が奏される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明を、対人対戦が可能なスロットゲームをそれぞれ実行するメダルゲーム機である複数のアーケードゲーム機(業務用ゲーム装置)を備えるゲームシステムに適用した一実施形態について説明する。
【0025】
まず、本実施形態に係るゲームシステム全体の構成について説明する。
図2は、本実施形態に係るゲームシステム全体の概略構成図である。
このゲームシステムを構成する各アーケードゲーム機1は、互いに異なるゲームセンタ等の遊技場に設置されている。また、本ゲームシステムは、これらのアーケードゲーム機1に通信ネットワークを介して接続された管理サーバ40を備えている。管理サーバ40は、各アーケードゲーム機1と通信ネットワークを介してデータ通信を行い、ゲームシステム全体の管理を行う。通信ネットワークは、公衆電話回線、専用電話回線、ケーブルテレビ回線、無線通信回線等により構成される。
【0026】
(アーケードゲーム機1の構成)
次に、本ゲームシステムを構成するアーケードゲーム機1の構成について説明する。なお、各アーケードゲーム機1の構成は、後述する出現確率データが異なる以外はみな同じ構成であるので、以下の説明では、そのうちの1つのアーケードゲーム機1についてのみ説明する。
【0027】
図3は、本ゲームシステムを構成するアーケードゲーム機1の正面図である。
図4は、このアーケードゲーム機1の側面図である。
図5は、このアーケードゲーム機1の上面図である。
このアーケードゲーム機1は、中央部分に設けられたドラゴンの模型2を取り囲むように8つのステーション10を備えている。ドラゴンの模型2には、図3に示すように共用ディスプレイ3が設けられている。ドラゴンの模型2は、回転可能に構成されており、その共用ディスプレイ3がいずれのステーション10にも対向し得るようになっている。各ステーション10は、LANケーブル等の通信ラインにより、図示しない中央制御部に接続されている。プレイヤーはステーション10を用いてスロットゲームをプレイすることができ、本アーケードゲーム機単体では最大8人のプレイヤーが同時にプレイすることが可能である。8つのステーション10は、互いに同一の構成を有するので、以下の説明ではそのうちの1つについて説明する。
【0028】
図6は、ステーション10の拡大正面図である。
ステーション10には、ゲームの進行に応じたゲーム画面を表示するゲーム画像表示手段としてのディスプレイ11、ゲームの進行に応じた効果音やバックミュージック等の音を流す音出力手段としてのスピーカー12、プレイヤーが操作するゲーム操作用の操作手段としての操作レバー13及び2つの操作ボタン14a,14bなどが設けられている。また、ステーション10には、クレジットの精算を行ったり、後述する可搬型記憶媒体としての磁気カードを取り出したりするための各種ボタンも設けられている。プレイヤーは、ディスプレイ11に表示されるゲーム画面を見ながら、操作レバー13及び2つの操作ボタン14a,14bを操作することで、そのゲーム画面上に出現するモンスターカード画像(ゲーム要素画像)を用いたスロットゲームをプレイすることができる。
【0029】
また、ステーション10には、ゲーム価値媒体としての有体物であるメダルを受け取る受取手段を構成するメダル投入口15や、ゲーム価値媒体としての有体物であるメダルを排出する排出手段を構成するメダル払出口16(図3及び図4参照)、ゲームを終了したプレイヤーが次回のプレイ時にゲームの続きを行うために必要な情報を記憶する磁気カードを挿入したり取り出したりするための記憶媒体排出手段を構成するカード挿入取出口17なども設けられている。
【0030】
図7は、ステーション10ごとに設けられたステーション制御部のハードウェア構成を示すブロック図である。
各ステーション10では、それぞれ独自にゲームプログラムを実行してスロットゲームを進行させる。ステーション10の内部にはそのステーションの動作を制御するステーション制御装置21が備わっている。ステーション制御装置21は、マイクロプロセッサ等により構成されており、ゲーム進行に必要な各種演算や各種機器の動作制御を行う。ステーション制御装置21は、バスを介して、ステーション制御装置21からの命令に従って各種画像をディスプレイ11に描画する画面描画制御装置22に接続されている。また、ステーション制御装置21は、バスを介して、記憶装置23にも接続されている。この記憶装置23は、ROM、RAM及び補助記憶装置から構成されており、各種記憶手段として機能する。ROMには、ステーション10の起動時の基本動作等を制御するために必要なプログラムやデータ、ゲーム進行の制御に必要な主なプログラムなどが記憶されている。補助記憶装置は、ハードディスク記憶装置等により構成される書き換え可能な記憶装置であり、ROMやRAMに記憶しきれないデータあるいはプログラムを記憶するためのものである。RAMは、ステーション制御装置21が使用するデータやプログラムを一時的に記憶するものである。
【0031】
また、ステーション制御装置21は、操作レバー13や操作ボタン14a,14bなどからの操作信号を受信してその操作内容を示す操作データに変換する操作制御装置24、スピーカー12から出力する音を制御するための音響制御装置25、カード挿入取出口17に挿入された磁気カードに対してデータの書き込み及び読み出しを行う磁気カード書込読出装置26、メダル管理装置27などにも接続されている。また、ステーション制御装置21は、インターフェース28にも接続されており、このインターフェース28からLANケーブル等の通信ラインを介して後述の中央制御装置31との間でデータ通信を行う。メダル管理装置27は、プレイヤーのメダル枚数を示すクレジットデータを内部記憶部に記憶しており、メダル投入口15からメダルが投入されたときには、その投入枚数分のクレジット(ゲーム価値媒体)をクレジットデータに加算する処理を行う。また、メダル管理装置27は、ステーション制御装置21からの払出命令を受けたときには、払出手段として機能し、その払出命令に従った量のクレジットを配当としてクレジットデータに加算する処理を行う。また、メダル管理装置27は、ステーション制御装置21からのベット命令を受けたときには、そのベット命令に従った量のクレジットをクレジットデータから減算する処理を行う。
【0032】
図8は、アーケードゲーム機1ごとに設けられる中央制御部のハードウェア構成を示すブロック図である。
この中央制御部は、各ステーション10のステーション制御装置21との間でLAN等の通信ラインを介してデータ通信を行うことによりアーケードゲーム機1全体の管理を行う。また、中央制御部は、他のアーケードゲーム機との間で通信ネットワークを介してデータ通信を行うことにより互いに異なるアーケードゲーム機間における対人対戦ゲームを実現する。
【0033】
中央制御部には、各ステーション10のステーション制御装置21との間でLAN等の通信ラインを介してデータ通信を行うことによりアーケードゲーム機1全体を制御する中央制御装置31を備えている。中央制御装置31は、マイクロプロセッサ等により構成されており、後述の対人対戦ゲームを行う際に必要な各種演算や各種機器の動作制御を行う。中央制御装置31は、バスを介して、中央制御装置31からの命令に従って各種画像を共用ディスプレイ3に描画する画面描画制御装置32に接続されている。また、中央制御装置31は、バスを介して、記憶装置33にも接続されている。この記憶装置33は、ROM、RAM及び補助記憶装置から構成されており、各種記憶手段として機能する。ROMには、中央制御部の起動時の基本動作等を制御するために必要なプログラムやデータ、対人対戦ゲームを行うのに必要な主なプログラムなどが記憶されている。補助記憶装置は、ハードディスク記憶装置等により構成される書き換え可能な記憶装置であり、ROMやRAMに記憶しきれないデータあるいはプログラム、各プレイヤーがゲームを一旦終了した後にそのゲームの続きを行うために必要なデータなどを記憶するためのものである。RAMは、中央制御装置31が使用するデータやプログラムを一時的に記憶するものである。
【0034】
また、中央制御装置31は、バスを介して、中央制御装置31からの命令に従ってドラゴンの模型2を回転駆動させる模型駆動装置34にも接続されている。また、中央制御装置31は、インターフェース35にも接続されており、このインターフェース35からLANケーブル等の通信ラインを介してステーション制御装置21との間でデータ通信を行う。また、中央制御装置31は、外部通信インターフェース36にも接続されており、この外部通信インターフェース36から通信ネットワークを介して管理サーバ40との間又は他のアーケードゲーム機1との間でデータ通信を行う。
【0035】
(管理サーバ40の構成)
図9は、管理サーバ40のハードウェア構成を示すブロック図である。
この管理サーバ40は、各アーケードゲーム機1の中央制御装置31との間で通信ネットワークを介してデータ通信を行うことにより、本ゲームシステム全体の管理を行う。また、管理サーバ40は、少なくとも2つのアーケードゲーム機間で行われる通信を制御することにより対人対戦ゲームを実現する。また、管理サーバ40は、出現確率管理装置として機能し、各アーケードゲーム機1との間で通信ネットワークを介してデータ通信を行うことにより各アーケードゲーム機における出現確率データの設定変更を行う。また、管理サーバ40は、ゲーム要素管理装置としても機能し、各アーケードゲーム機1との間で通信ネットワークを介してデータ通信を行うことにより各アーケードゲーム機に新しいキャラクタデータ(ゲーム要素データ)を追加する処理も行う。
【0036】
管理サーバ40には、各アーケードゲーム機1の中央制御装置31との間で通信ネットワークを介してデータ通信を行うことにより各アーケードゲーム機1を制御する制御装置41を備えている。制御装置41は、マイクロプロセッサ等により構成されており、後述の対人対戦ゲームを行う際に必要な通信制御を行う。制御装置41は、バスを介して、制御装置41からの命令に従って各種画像を図示しないディスプレイに描画する画面描画制御装置42に接続されている。また、制御装置41は、バスを介して、記憶装置43にも接続されている。この記憶装置43は、ROM、RAM及び補助記憶装置から構成されており、各種記憶手段として機能する。ROMには、管理サーバ40の起動時の基本動作等を制御するために必要なプログラムやデータなどが記憶されている。補助記憶装置は、ハードディスク記憶装置等により構成される書き換え可能な記憶装置であり、ROMやRAMに記憶しきれないデータあるいはプログラム、例えば対人対戦ゲームを行うのに必要なプログラムやデータ、各アーケードゲーム機1における出現確率データの設定変更を行うためのプログラムやデータ、各アーケードゲーム機1に新しいキャラクタデータを追加するためのプログラムやデータなどを記憶するためのものである。RAMは、制御装置41が使用するデータやプログラムを一時的に記憶するものである。
【0037】
また、制御装置41は、バスを介して、キーボードやマウス等の操作部からの操作信号を受信してその操作内容が示す指示データに変換する指示入力装置44にも接続されている。また、制御装置41は、外部通信インターフェース45にも接続されており、この外部通信インターフェース45から通信ネットワークを介して各アーケードゲーム機1との間でデータ通信を行う。
【0038】
図1は、本実施形態におけるゲームシステムを構成するアーケードゲーム機1及び管理サーバ40の主要部を示す機能ブロック図である。
本実施形態において、アーケードゲーム機1は、主に、ゲーム進行制御部101、表示部102、操作部103、抽選部104、当たり判定部105、キャラクタ記憶部106、出現確率設定変更部107、外部通信部108から構成されている。
【0039】
ゲーム進行制御部101は、図7に示したステーション制御部のハードウェア構成におけるステーション制御装置21、記憶装置23及びインターフェース28、並びに、図8に示した中央制御部のハードウェア構成における中央制御装置31、記憶装置33及びインターフェース35等から構成される。ゲーム進行制御部101は、ステーション制御装置21が記憶装置23に記憶されたゲーム進行プログラムを実行することで、ゲーム制御手段として機能する。そのほか、ゲーム進行制御部101は、後述する各種制御や処理を行う。
【0040】
表示部102は、図7に示したステーション制御部のハードウェア構成におけるディスプレイ11及び画面描画制御装置22、並びに、図8に示した中央制御部のハードウェア構成における共用ディスプレイ3及び画面描画制御装置32等から構成される。表示部102は、ゲーム進行制御部101からの各種表示命令に従ってこれらのディスプレイ11,3上に画像を表示する。
【0041】
図10は、ディスプレイ11に表示されるゲーム画面の一例を示す説明図である。
画面中央には、複数種類のシンボルが変動表示または停止表示する3つのリール画像51a,51b,51cが表示される。また、画面右側には、対戦相手のリール状態を表わすサブ画面52が表示される。本アーケードゲーム機1では、詳しくは後述するが、プレイヤーが操作レバー13や操作ボタン14a,14bを操作することにより、ディスプレイ11に表示されているモンスターカード画像の中からそのスロットゲームに使用する3つのモンスターカード画像を選択すると、選択したモンスターカード画像に対応する各キャラクタデータに対応した3つのリール画像51a,51b,51cが表示される。画面左側には、プレイヤーが選択した3つモンスターキャラクタ(味方モンスター)のうち、中央リール画像51bに対応した味方モンスター(味方ボスモンスター)の画像53aが表示される。この味方ボスモンスターの名称(ゴーレム)は、リール画像51a,51b,51cの下に設けられた名称表示エリア53bに表示される。また、画面上部には、味方ボスモンスターの体力値が棒グラフ53cで表示される。一方、画面右側におけるサブ画面52の上方には、対戦相手となる他のプレイヤーまたはコンピュータが選択した3つのモンスターキャラクタ(敵モンスター)のうち、相手側の中央リール画像に対応した敵モンスター(敵ボスモンスター)の画像54aが表示される。この敵ボスモンスターの名称(ドラゴン)は、サブ画面52の下に設けられた名称表示エリア54bに表示される。また、この敵ボスモンスターの体力値は、上記味方ボスモンスターの場合と同様に、画面上部に棒グラフ54cで表示される。
また、画面左側における味方ボスモンスター画像53aの下方には、記憶装置23に記憶されている配当テーブルの内容を表す配当表55が表示される。この配当表55は、各リール画像51a,51b,51cに停止表示したシンボルの組み合わせが特定の組み合わせになった場合にその特定の組み合わせの種類に応じて払い出す配当の量が表示される。
【0042】
操作部103は、図7に示したステーション制御部のハードウェア構成における操作レバー13や操作ボタン14a,14b等のゲーム操作用の操作手段及び操作制御装置24等から構成される。操作部103は、プレイヤーが操作レバー13や操作ボタン14a,14b等を操作すると、その操作内容を示す操作データをゲーム進行制御部101に出力する。
【0043】
抽選部104は、図7に示したステーション制御部のハードウェア構成におけるステーション制御装置21、記憶装置23等から構成される。抽選部104は、ゲーム進行制御部101からの抽選開始命令を受けると、抽選手段として機能し、各リール画像51a,51b,51c上におけるシンボルの停止表示位置を決める抽選を行う。具体的には、抽選開始命令を受けたら、ステーション制御装置21で3つの乱数を生成し、記憶装置23に記憶されている停止表示位置テーブルに照らして、生成した各乱数に対応する停止位置番号をそれぞれ決定する。決定した3つの停止位置番号を示す抽選結果データは、ゲーム進行制御部101へ出力する。
【0044】
当たり判定部105は、図7に示したステーション制御部のハードウェア構成におけるステーション制御装置21、記憶装置23等から構成される。当たり判定部105は、抽選部104が出力した抽選結果データに係る当たり判定命令をゲーム進行制御部101から受け取ると、判定手段として機能し、まず、記憶装置23のRAMの選択キャラクタ記憶領域に記憶されている3つのシンボル配列データ(プレイヤーが選択した3つの味方モンスターに対応するキャラクタデータのシンボル配列データ)を読み出す。シンボル配列データは、シンボルの種類とその停止位置番号とが互いに関連付けしたものである。そして、その当たり判定命令に係る抽選結果データが示す3つの停止位置番号と、3つのシンボル配列データとから、各リール画像51a,51b,51cに停止表示するシンボルの組み合わせが特定の組み合わせになるか否かを判定する。そして、その判定結果をゲーム進行制御部101へ出力する。
【0045】
キャラクタ記憶部106は、図7に示したステーション制御部のハードウェア構成における記憶装置23から構成され、ゲーム要素記憶手段、使用可能要素記憶手段及び出現確率記憶手段として機能する。キャラクタ記憶部106は、ディスプレイ11に表示され得るすべてのモンスターカード画像(ゲーム要素画像)それぞれに対応した各キャラクタデータ(ゲーム要素データ)を、記憶装置23の補助記憶装置のキャラクタ記憶領域に記憶している。各キャラクタデータには、それぞれ、レベルデータ、体力値データ、特技データ、特性データ、ベット費用データ等が含まれている。また、各キャラクタデータには、それぞれ、1つのリール画像上におけるシンボル配列を示すシンボル配列データも含まれている。また、各キャラクタデータには、プレイヤーがコンピュータと対戦するコンピュータ対戦ゲームを行う際にコンピュータ側の当該モンスターキャラクタ(敵モンスター)のモンスターカード画像としてディスプレイ11上に出現する出現確率を示す出現確率データも、それぞれ含まれている。
【0046】
ここで、レベルデータは、そのモンスターキャラクタの能力の高さを表すものであり、後述するようにレベルデータが高いほど相手のボスモンスターの体力値を減らす度合いが高い。また、体力値データは、そのモンスターキャラクタの初期体力値を決めるためのものである。また、特技データは、そのモンスターキャラクタが備える特技を示すものである。特性データは、後述するダメージ計算処理等で用いられるそのモンスターキャラクタの特性を示すものであり、そのモンスターキャラクタに対応するシンボル配列上におけるフィジカル攻撃を表すシンボル、ファイアー攻撃を表すシンボル、マジック攻撃を表すシンボルの比率に対応している。ベット費用データは、当該モンスターキャラクタをスロットゲームで使用するときに必要となるベット数である。ベット費用データは、レベルデータが高いほど高く設定される。
【0047】
出現確率設定変更部107は、図7に示したステーション制御部のハードウェア構成におけるステーション制御装置21及びインターフェース28、並びに、図8に示した中央制御部のハードウェア構成における中央制御装置31及びインターフェース35等から構成され、設定変更手段として機能する。本実施形態では、通信ネットワークから外部通信部108を介して設定変更データを受信すると、出現確率設定変更部107は、その設定変更データに基づき、キャラクタ記憶部106に記憶されている各キャラクタデータの出現確率データを変更する。この出現確率データの設定変更処理についての詳しい説明は後述する。
【0048】
外部通信部108は、図8に示した中央制御部のハードウェア構成における中央制御装置31及び外部通信インターフェース36等から構成され、通信手段として機能する。外部通信部108は、中央制御装置31の制御の下、外部通信インターフェース36から通信ネットワークを介して管理サーバ40との間又は他のアーケードゲーム機1との間でデータ通信を行う。
【0049】
図11(a)〜(c)は、それぞれ、モンスターカード画像及びこれに対応するリール画像上のシンボル配列の一例を示す説明図である。
図11(a)には、「ゲロピー」というモンスターキャラクタのモンスターカード画像60Aと、その左側にこのモンスターキャラクタのシンボル配列データに基づくシンボル配列とが示されている。また、図11(b)には、「デーモン」というモンスターキャラクタのモンスターカード画像60Bと、その左側にこのモンスターキャラクタのシンボル配列データに基づくシンボル配列とが示されている。また、図11(c)には、「ブルードラゴン」というモンスターキャラクタのモンスターカード画像60Cと、その左側にこのモンスターキャラクタのシンボル配列データに基づくシンボル配列とが示されている。
【0050】
図12は、本実施形態のスロットゲームに登場するシンボルの種類を示す説明図である。
図12において、フィジカル攻撃シンボル61a,61b,61cが図10に示す3つのリール画像51a,51b,51cで所定の入賞ライン上に3つ揃うという特定の組み合わせが成立すると、フィジカル攻撃型のダメージ計算処理が実行される。具体的には、ゲーム進行制御部101は、当たり判定部105からこの特定の組み合わせになった旨の判定結果を受けると、ダメージ計算プログラムを実行し、揃ったフィジカル攻撃シンボル61a,61b,61cの種類に応じ、相手が使用するモンスターデータの特性データによって決定されるフィジカル特性を考慮して、相手のボスモンスターに与えるダメージ値を算出する。そして、算出したダメージ値分の体力値を、記憶装置23内のRAMの体力値記憶領域に記憶されている相手の体力値データから減算する。
なお、フィジカル攻撃シンボル61a,61b,61cの違いは、そのシンボルをもつリール画像に対応するモンスターキャラクタのレベルデータの違いを示しており、そのレベルデータが高いほどそのレベルに対応するフィジカル攻撃シンボルが揃ったときに相手に与えるダメージ値は大きくなる。
【0051】
また、ファイヤー攻撃シンボル62a,62b,62cが図10に示す3つのリール画像51a,51b,51cで所定の入賞ライン上に3つ揃うという特定の組み合わせが成立すると、ファイヤー攻撃型のダメージ計算処理が実行される。具体的には、ゲーム進行制御部101は、当たり判定部105からこの特定の組み合わせになった旨の判定結果を受けると、ダメージ計算プログラムを実行し、揃ったファイヤー攻撃シンボル62a,62b,62cの種類に応じ、相手が使用するモンスターデータの特性データによって決定されるファイヤー特性を考慮して、相手のボスモンスターに与えるダメージ値を算出する。そして、算出したダメージ値分の体力値を、記憶装置23内のRAMの体力値記憶領域に記憶されている相手の体力値データから減算する。
なお、ファイヤー攻撃シンボル62a,62b,62cの違いは、そのシンボルをもつリール画像に対応するモンスターキャラクタのレベルデータの違いを示しており、そのレベルデータが高いほど、そのレベルに対応するシンボルが揃ったときに相手に与えるダメージ値は大きくなる。
【0052】
また、マジック攻撃シンボル63a,63b,63cが図10に示す3つのリール画像51a,51b,51cで所定の入賞ライン上に3つ揃うという特定の組み合わせが成立すると、マジック攻撃型のダメージ計算処理が実行される。具体的には、ゲーム進行制御部101は、当たり判定部105からこの特定の組み合わせになった旨の判定結果を受けると、ダメージ計算プログラムを実行し、揃ったマジック攻撃シンボル63a,63b,63cの種類に応じ、相手が使用するモンスターデータの特性データによって決定されるマジック特性を考慮して、相手のボスモンスターに与えるダメージ値を算出する。そして、算出したダメージ値分の体力値を、記憶装置23内のRAMの体力値記憶領域に記憶されている相手の体力値データから減算する。
なお、マジック攻撃シンボル63a,63b,63cの違いは、そのシンボルをもつリール画像に対応するモンスターキャラクタのレベルデータの違いを示しており、そのレベルデータが高いほど、そのレベルに対応するシンボルが揃ったときに相手に与えるダメージ値は大きくなる。
【0053】
また、マルチ攻撃シンボル64が図10に示す3つのリール画像51a,51b,51cで所定の入賞ライン上に3つ揃うという特定の組み合わせが成立すると、上述したフィジカル攻撃型、ファイヤー攻撃型及びマジック攻撃型の3つのダメージ計算処理が実行される。これにより、各処理でそれぞれ算出したダメージ値の合計値分の体力値を、記憶装置23内のRAMの体力値記憶領域に記憶されている相手の体力値データから減算する。
また、マルチ攻撃シンボル64は、フィジカル攻撃、ファイアー攻撃及びマジック攻撃のレベル1のシンボルとしての役割も果たす。したがって、マルチ攻撃シンボル64と、フィジカル攻撃、ファイアー攻撃及びマジック攻撃のいずれかのシンボルとが入賞ライン上に揃うと、その入賞ライン上に存在するフィジカル攻撃、ファイアー攻撃及びマジック攻撃に係る特定の組み合わせが成立し、その攻撃型に応じたダメージ計算処理が行われる。
【0054】
また、回復シンボル65が図10に示す3つのリール画像51a,51b,51cで所定の入賞ライン上に3つ揃うという特定の組み合わせが成立すると、ゲーム進行制御部101は、記憶装置23内のRAMの体力値記憶領域に記憶されている自分の体力値データに、所定値分の体力値を加算する体力回復処理を行う。
【0055】
また、ワイルドシンボル66は、後述するモンスターシンボル以外のすべてのシンボルとしての役割を果たす。また、入賞ライン上のすべてのシンボルがこのワイルドシンボル66になるという特定の組み合わせが成立すると、クレジットをベットをすることなくスロットゲームを行うことができるフリーゲームが5回連続して行われる。
【0056】
モンスターシンボル67,68,69は、そのシンボルをもつリール画像に対応するモンスターキャラクタを表すものである。これらのモンスターシンボル67,68,69が各リール画像51a,51b,51cにそれぞれ1個以上停止表示するという特定の組み合わせが成立すると、各モンスターキャラクタの特技を選択する画面がディスプレイ11に表示される。そして、その画面の案内に従ってプレイヤーがいずれか1つの特技を選択すると、ゲーム進行制御部101は、選択された特技に応じた特技処理を実行する。この特技は、各モンスターキャラクタのキャラクタデータが有する特技データによって決まる。
【0057】
次に、本実施形態におけるゲームの流れについて説明する。
本アーケードゲーム機1では、プレイヤーがステーション10のメダル投入口15にメダルを投入すると、そのメダル投入枚数がメダル管理装置27に検出され、そのメダル投入枚数分のクレジットがクレジットデータに記憶される。また、メダル管理装置27は、メダルの投入を検知したら、その旨をゲーム進行制御部101に知らせる。この知らせを受けたゲーム進行制御部101は、メニュー選択画面表示命令を表示部102へ出力する。これにより、プレイヤーがメダルを投入したステーション10のディスプレイ11上に、メニュー選択画面が表示される。このメニュー選択画面には、コンピュータ対戦ゲームを選択するためのボタン画像と対人対戦ゲームを選択するためのボタン画像とが表示されている。プレイヤーが操作レバー13によりこれらのボタン画像のいずれかを選んで操作ボタン14aを押すと、その操作データが操作部103からゲーム進行制御部101に入力される。そして、ゲーム進行制御部101は、その操作データに係るゲームを進行する。
【0058】
また、プレイヤーは自分が持っている磁気カードをカード挿入取出口17に挿入することで、前回のゲーム終了時の続きからゲームを再開することができる。本アーケードゲーム機1において、プレイヤーがゲームを終了したとき、次回のゲーム再開時にその終了時のゲーム状態を復元させるためのゲーム状態データが磁気カード書込読出装置26により磁気カードに記録される。ゲーム状態データには、所有者識別情報としてのカードID、プレイヤーネーム、最終プレイ時間、プレイヤーが入手したモンスターキャラクタのキャラクタデータなどが含まれている。プレイヤーがカード挿入取出口17に磁気カードを挿入し、その磁気カード内のゲーム状態データが磁気カード書込読出装置26に読み出されると、プレイヤーは、それまでのプレイで入手したモンスターキャラクタをコンピュータ対戦ゲームや対人対戦ゲームにおいて使用することができる。
なお、磁気カードに全てのゲーム状態データを記録する必要はなく、例えば、磁気カードにカードIDを記録しておき、カードID以外のゲーム状態データの一部又は全部を、中央制御部の記憶装置33に記録しておくようにしてもよい。この場合、磁気カードからカードIDを読み取った後、そのカードIDに対応するゲーム状態データを、中央制御部からステーション制御部へダウンロードすればよい。
【0059】
ゲーム進行制御部101は、メダル管理装置27からメダル投入を検知した旨の知らせを受けたら、磁気カード書込読出装置26に対して磁気カード読出命令を出力する。この命令を受けた磁気カード書込読出装置26は、データ読出手段として機能し、カード挿入取出口17に磁気カードが挿入されている場合には、その磁気カード内に記憶されているゲーム状態データを読み出し、これをゲーム進行制御部101に出力する。ゲーム進行制御部101は、読み出したゲーム状態データ内のキャラクタデータを、キャラクタ記憶部106を構成する記憶装置23における使用可能要素記憶手段としてのRAMの使用可能キャラクタ記憶領域に記憶する。この使用可能キャラクタ記憶領域に記憶されているキャラクタデータは、コンピュータ対戦ゲームや対人対戦ゲームにおいて使用することができる。
【0060】
ここで、本実施形態において、プレイヤーがキャラクタデータを入手する方法は、後述するコンピュータ対戦ゲーム又は対人対戦ゲームで相手に勝つことにより入手する方法、ショップイベントでクレジットを支払って購入することにより入手する方法、交換イベントで自分が入手したキャラクタデータと他のプレイヤーが入手したキャラクタデータとを交換することにより入手する方法、合成イベントで自分が入手した複数のキャラクタデータを新しい1以上のキャラクタデータに変換することにより入手する方法などが挙げられる。これらの入手方法を用いてプレイヤーが入手したキャラクタデータは、ゲーム進行制御部101により、キャラクタ記憶部106を構成する記憶装置23におけるRAMの使用可能キャラクタ記憶領域に記憶される。
【0061】
(コンピュータ対戦ゲーム)
図13は、コンピュータ対戦ゲームの流れを示すフローチャートである。
コンピュータ対戦ゲームは、コンピュータを対戦相手としてスロットゲームを行うものである。本実施形態におけるコンピュータ対戦ゲームは、自分とコンピュータとが交互にスロットゲームを行い、自分のスロットゲームで上述した特定の組み合わせが揃うと、その特定の組み合わせに応じた配当が払い出され、自分のクレジットを増やすことができる。また、特定の組み合わせが揃うと、敵ボスモンスターの体力値データを減らす等の処理が行われ、敵ボスモンスターの体力値データがゼロになると、3つの敵モンスターのうちの1つと同じモンスターキャラクタのキャラクタデータを入手でき、コンピュータ対戦ゲームが終了する。一方、コンピュータのスロットゲームで特定の組み合わせが揃うと、味方ボスモンスターの体力値データを減らす等の処理が行われ、味方ボスモンスターの体力値データがゼロになったときも、コンピュータ対戦ゲームは終了する。
【0062】
具体的に説明すると、ゲーム進行制御部101は、ステーション制御装置21がコンピュータ対戦用プログラムを実行し、まず、キャラクタ記憶部106から、記憶装置23における補助記憶装置のキャラクタ記憶領域に記憶されているキャラクタデータの中から3つのキャラクタデータを選択する。この選択において、ゲーム進行制御部101は、キャラクタ記憶領域に記憶されている各キャラクタデータの出現確率データから把握される各キャラクタデータに対応したモンスターカード画像の出現確率に従って選択する。よって、出現確率の低い出現確率データをもつキャラクタデータは選択されにくく、出現確率の高い出現確率データをもつキャラクタデータは選択されやすい。このようにして選択された3つのキャラクタデータに係るモンスターキャラクタは、コンピュータ側が使用する敵モンスターとして決定される(S1)。そして、ゲーム進行制御部101は、決定した敵モンスターのうちの1つを敵ボスモンスターとして選択し、その敵ボスモンスターに係るキャラクタデータの体力値データを、記憶装置23内のRAMの体力値記憶領域にコンピュータ側の体力値データの初期値として記憶する。
【0063】
続いて、ゲーム進行制御部101は、記憶装置23内のRAMの使用可能キャラクタ記憶領域からキャラクタデータを読み出し、表示部102にキャラクタ選択画面表示命令を出力して表示部102のディスプレイ11上にモンスター選択画面を表示させる。このモンスター選択画面には、使用可能キャラクタ記憶領域から読み出したすべてのキャラクタデータに対応するモンスターカード画像が表示されている。プレイヤーが操作レバー13及び操作ボタン14aを用いてこれらのモンスターカード画像の中から3つを選択すると、その操作データが操作部103からゲーム進行制御部101に入力される。そして、ゲーム進行制御部101は、その操作データに基づき、プレイヤーが選択した3つのキャラクタデータを、記憶装置23のRAMの選択キャラクタ記憶領域に記憶する。このようにして選択された3つのキャラクタデータに係るモンスターキャラクタは、プレイヤー側が使用する味方モンスターとして決定される(S2)。そして、ゲーム進行制御部101は、決定した味方モンスターのうちの1つをプレイヤーの選択により味方ボスモンスターとして決定し、その味方ボスモンスターに係るキャラクタデータの体力値データを、記憶装置23内のRAMの体力値記憶領域にプレイヤー側の体力値データの初期値として記憶する。
【0064】
なお、よりゲーム性を高める方法としては、例えば、両者のボスモンスターだけ先に決定し、残り2つの味方モンスターについては敵ボスモンスターの種類をプレイヤーに報知してからプレイヤーに選択させる方法が挙げられる。敵ボスモンスターの種類を確認することで、プレイヤーは、その敵ボスモンスターの特性を把握することができ、残り2つの味方モンスターについては相手の弱点を狙った選択が可能になるからである。後述する対人対戦ゲームにおいても同様の方法によりゲーム性を高めることができる。
【0065】
以上のようにして、3つの敵モンスター及び3つの味方モンスターが決定したら、ゲーム進行制御部101は、決定した3つの敵モンスターのキャラクタデータにそれぞれ含まれるシンボル配列データを読み出し、これらのシンボル配列データに基づく3つのリール画像を決定する(S3)。また、ゲーム進行制御部101は、決定した3つの味方モンスターのキャラクタデータにそれぞれ含まれるシンボル配列データを選択キャラクタ記憶領域から読み出し、これらのシンボル配列データに基づく3つのリール画像を決定する(S4)。そして、ゲーム進行制御部101は、表示部102にゲーム画面表示命令を出力し、表示部102のディスプレイ11上に図10に示したようなゲーム画面を表示させる(S5)。これにより、上記S4で決定した3つのリール画像、すなわち、3つの味方モンスターにそれぞれ対応した3つのリール画像はゲーム画面上の中央部分のリール画像51a,51b,51cとして表示され、上記S3で決定した3つのリール画像、すなわち、3つの敵モンスターにそれぞれ対応した3つのリール画像はゲーム画面の右側におけるサブ画面52に表示される。
【0066】
次に、プレイヤーは、操作ボタン14a,14bを操作して規定量のクレジットをベットする。プレイヤーがこれらの操作ボタン14a,14bを操作すると、各ボタンに対応するベット量を示すベットデータが操作部103からゲーム進行制御部101に送られる。ゲーム進行制御部101は、ベット受付手段として機能してベットを受け付け、メダル管理装置27にベット命令を出力する。これにより、メダル管理装置27は、そのベット命令に係る枚数分のクレジットを減算するとともに、その枚数分のクレジットをベットデータに加算する処理を行う(S6)。なお、スロットゲームを行うのに必要なベット量を示す上記規定量は、上記S2において決定した3つの味方モンスターのキャラクタデータのベット費用データの合計値である。
【0067】
プレイヤーがベットしたクレジットが規定量に達すると、ゲーム進行制御部101は、次に、抽選部104に抽選開始命令を出力し、抽選部104に抽選処理を実行させる(S7)。そして、ゲーム進行制御部101は、抽選部104から抽選結果データを受信したら、表示部102に対して抽選演出するためのリール変動表示命令を出力する。これにより、表示部102は、ステーション10のディスプレイ11上のゲーム画面に表示されている3つのリール画像51a,51b,51cを変動表示させ、その後、ゲーム進行制御部101から抽選結果データに基づくリール停止表示命令を受信すると、そのリール停止表示命令に係る抽選結果データが示す各停止表示位置で、各リール画像上のシンボルがそれぞれ停止表示するように、各リール画像51a,51b,51cを表示させる抽選演出を行う(S8)。このような抽選演出を終えたとき、ステーション10のディスプレイ11には、抽選結果データが示す各停止表示位置でそれぞれのシンボルが停止表示したリール画像51a,51b,51cが表示される。
【0068】
また、ゲーム進行制御部101は、抽選部104から受信した抽選結果データに係る当たり判定命令を当たり判定部105に出力する。これにより、判定部105は、その抽選結果データに基づいて停止表示される3つのリール画像上のシンボルの組み合わせが特定の組み合わせになるか否かの当たり判定を行う(S9)。ゲーム進行制御部101は、当たり判定部105からハズレの判定結果データを受信した場合、後述するS13へ移行し、コンピュータ側のスロットゲームを開始する。
【0069】
一方、当たり判定部105から当たりの判定結果データを受信した場合、ゲーム進行制御部101は、その判定結果データが示す当たりの種類(特定の組み合わせの種類)に応じた処理を実行する(S10)。具体的には、受信した判定結果データに応じ、上述した各種攻撃型のダメージ計算処理を実行したり、上述した体力回復処理を実行したり、上述した5回連続のフリーゲームを実行したり、上述した特技処理を実行したりする。各種攻撃型のダメージ計算処理を実行したときには、ゲーム進行制御部101は、表示部102に対して攻撃演出するための攻撃演出表示命令を出力する。これにより、表示部102は、ステーション10のディスプレイ11上のゲーム画面上において、当たりの種類に対応する攻撃型を表現した映像、例えば当たりの種類がファイヤー攻撃型の場合には味方ボスモンスターの画像53aが敵ボスモンスターの画像54aに向けて炎を出すといった映像を、表示する。また、攻撃演出表示命令を受けた表示部102は、ダメージ計算処理により記憶装置23内のRAMの体力値記憶領域に記憶されている敵ボスモンスターの体力値データから減算したダメージ値分の体力値に応じて、敵ボスモンスターの体力値を示す棒グラフ54cの長さを変更する。その後、ゲーム進行制御部101は、記憶装置23に記憶されている配当テーブルを参照し、判定結果データが示す当たりの種類に応じた量の配当の払い出しを命じる払出命令をメダル管理装置27に対して出力する。払出命令を受けたメダル管理装置27は、その払出命令に係る配当量分のクレジットをクレジットデータに加算する処理を行う(S11)。
【0070】
続いて、ゲーム進行制御部101は、記憶装置23内のRAMの体力値記憶領域に記憶されている敵ボスモンスターの体力値データがゼロになったか否かを判断する(S12)。ゼロになっていないと判断したら、ゲーム進行制御部101は、次にコンピュータ側のスロットゲームを行う。具体的には、抽選部104に抽選開始命令を出力し、抽選部104に抽選処理を実行させる(S13)。ゲーム進行制御部101は、抽選部104から抽選結果データを受信したら、表示部102に対して相手側の抽選演出を行うための相手側抽選演出表示命令を出力する。これにより、表示部102は、サブ画面52に表示されている3つのリール画像を変動表示させる抽選演出を行った後、抽選結果データが示す各停止表示位置で各リール画像上のシンボルをそれぞれ停止表示させる抽選演出を行う(S14)。これにより、ステーション10のディスプレイ11におけるサブ画面52には、抽選結果データが示す各停止表示位置でそれぞれのシンボルが停止表示したリール画像が表示される。
【0071】
また、ゲーム進行制御部101は、抽選部104から受信した抽選結果データに係る当たり判定命令を当たり判定部105に出力する。これにより、判定部105は、上述したプレイヤー側のスロットゲームの場合と同様に当たり判定を行う(S15)。ゲーム進行制御部101は、当たり判定部105からハズレの判定結果データを受信した場合、上記S6へ移行し、再びプレイヤー側のスロットゲームを開始する。一方、当たり判定部105から当たりの判定結果データを受信した場合、ゲーム進行制御部101は、上述したプレイヤー側のスロットゲームの場合と同様に、その判定結果データが示す当たりの種類(特定の組み合わせの種類)に応じた処理を実行し(S16)、表示部102に攻撃演出を行わせたり、味方ボスモンスターの体力値を示す棒グラフ53cの長さを変更させたりする。その後、ゲーム進行制御部101は、記憶装置23内のRAMの体力値記憶領域に記憶されている味方ボスモンスターの体力値データがゼロになったか否かを判断する(S17)。ゼロになっていないと判断したら、上記S6へ移行し、再びプレイヤー側のスロットゲームを開始する。一方、ゼロになったと判断したら、ゲーム進行制御部101は、本コンピュータ対戦ゲームを終了する。この場合、プレイヤーは、本コンピュータ対戦ゲームでコンピュータに負けたことになり、モンスターキャラクタを入手することはできない。
【0072】
このようにして、プレイヤー側のスロットゲームとコンピュータ側のスロットゲームとを交互に繰り返し行っていき、上記S12において敵ボスモンスターの体力値データがゼロになったと判断したら、ゲーム進行制御部101は、モンスターキャラクタの獲得処理を行う(S18)。具体的には、ゲーム進行制御部101は、敵ボスモンスターのキャラクターデータと同じデータを、キャラクタ記憶部106を構成する記憶装置23におけるRAMの使用可能キャラクタ記憶領域に記憶する。そして、ゲーム進行制御部101は、表示部102に対してモンスター獲得演出するための獲得演出表示命令を出力する。これにより、表示部102は、ステーション10のディスプレイ11上に、使用可能キャラクタ記憶領域に記憶したキャラクタデータに対応するモンスターカード画像を表示する。これにより、プレイヤーは次回以降のコンピュータ対戦ゲーム又は後述の対人対戦ゲームにおいて、このキャラクタデータを使用することができるようになる。
なお、本実施形態では、プレイヤーが敵ボスモンスターのキャラクターデータと同じデータを入手する例について説明したが、敵ボスモンスター以外の2つの敵モンスターを入手するようにしてもよい。この場合、例えば3つの敵モンスターの中から所定の確率に従って選択し、選択された敵モンスターのキャラクターデータと同じデータを使用可能キャラクタ記憶領域に記憶する。また、これらの敵モンスター以外のモンスターキャラクタを入手するようにしてもよい。なお、入手できるモンスターキャラクタの数は適宜設定する。
【0073】
(対人対戦ゲーム)
対人対戦ゲームは、他のプレイヤーを対戦相手としてスロットゲームを行うものである。本実施形態における対人対戦ゲームは、対戦相手がコンピュータから他のプレイヤーに変わった点を除いて、基本的なゲームの流れは上述したコンピュータ対戦ゲームと同じである。対人対戦ゲームは、同じアーケードゲーム機1における異なる2つのステーション10でプレイするプレイヤー同士で行うことができるとともに、互いに異なる遊技場にそれぞれ設置されている2つのアーケードゲーム機1のステーション10でそれぞれプレイするプレイヤー同士でも行うことができる。以下の説明では、後者の場合について説明するが、前者の場合もほぼ同様である。
【0074】
以下に説明する対人対戦ゲームでは、管理サーバ40を利用するため、まず、図1を用いて管理サーバ40の構成について説明する。
管理サーバ40は、対人対戦管理部401、指示入力部402、出現確率管理部403、キャラクタ配信部404、外部通信部405から構成されている。
【0075】
対人対戦管理部401は、図9に示したハードウェア構成における制御装置41、記憶装置43等から構成される。対人対戦管理部401は、制御装置41が記憶装置43に記憶された対人対戦ゲーム管理プログラムを実行することで、主に、対人対戦ゲームの参加受付処理や、対戦するプレイヤーがプレイする各アーケードゲーム機1のステーション10間のデータ通信を確立する処理などを行う。
【0076】
指示入力部402は、図9に示したハードウェア構成におけるキーボード等の操作手段及び指示入力装置44等から構成される。指示入力部402は、オペレータがキーボード等を操作すると、その操作内容を示す操作データを出現確率管理部403やキャラクタ配信部404に出力する。
【0077】
出現確率管理部403は、図9に示したハードウェア構成における制御装置41、記憶装置43等から構成される。出現確率管理部403は、指示入力部402から設定変更指示の操作データを受信すると、その操作データに基づいて設定変更データを生成し、これを外部通信部405を介して本ゲームシステムを構成する全部又は一部のアーケードゲーム機1へ送信する。この設定変更データを受信したアーケードゲーム機1は、各ステーション10の出現確率設定変更部107を用いて後述する出現確率データの設定変更処理を行う。
【0078】
キャラクタ配信部404は、図9に示したハードウェア構成における制御装置41、記憶装置43等から構成される。キャラクタ配信部404は、指示入力部402からキャラクタ配信指示の操作データを受信すると、その操作データに基づいて記憶装置43に記憶されているキャラクタデータを外部通信部405を介して本ゲームシステムを構成する全部又は一部のアーケードゲーム機1へ送信する。このキャラクタデータを受信したアーケードゲーム機1は、各ステーション10のゲーム進行制御部101によりキャラクタ記憶部106を構成する補助記憶装置のキャラクタ記憶領域に記憶される。
【0079】
外部通信部405は、図9に示したハードウェア構成における制御装置41及び外部通信インターフェース45等から構成される。外部通信部405は、制御装置41の制御の下、外部通信インターフェース45から通信ネットワークを介して各アーケードゲーム機1との間でデータ通信を行う。
【0080】
次に、本実施形態における対人対戦ゲームについて説明する。
ゲーム進行制御部101は、予め決められたタイミングでステーション制御装置21が参加申込プログラムを実行することにより、まず、表示部102に対して参加受付画面表示命令を出力する。これにより、表示部102は、ステーション10のディスプレイ11上に参加申込画面を表示する。プレイヤーは、対人対戦ゲームを行うことを希望する場合には、この参加申込画面の案内に従って操作レバー13及び操作ボタン14a,14bを操作する。これにより、その操作データが操作部103からゲーム進行制御部101に入力される。そして、ゲーム進行制御部101は、その操作データに基づき、参加申込データを外部通信部108から通信ネットワークを介して管理サーバ40へ送信する。このような参加申込処理は、本ゲームシステムを構成するすべてのアーケードゲーム機1で行われる。各アーケードゲーム機1からの参加申込データは、管理サーバ40の外部通信部405を介して対人対戦管理部401で受け付ける。対人対戦管理部401は、受け付けた参加申込データの数が規定数に達するか又は参加申込期間を経過したら、参加受付を終了し、受け付けた参加申込データの中から対戦の組み合わせを決める組合せ決定処理を行う。本実施形態では、上記規定数を8つとし、8人のプレイヤーによるトーナメント方式を採用する。参加申込データが8つに満たない場合は、不足分をコンピュータが補うこととする。そして、組合せ決定処理を終えた対人対戦管理部401は、受け付けた参加申込データに基づき、対戦相手に決まった2人のプレイヤーがそれぞれプレイする各アーケードゲーム機1のステーション10同士の通信を確立させる。以後の対人対戦ゲームの進行は、各アーケードゲーム機1のゲーム進行制御部101が行う。
【0081】
図14は、対人対戦ゲームの流れを示すフローチャートである。
対戦相手に決まった2人のプレイヤーがそれぞれプレイする各アーケードゲーム機1のステーション10同士の通信が確立したら、各アーケードゲーム機1のゲーム進行制御部101は、中央制御装置31及びステーション制御装置21がそれぞれ対人対戦ゲームを行うのに必要なプログラムを実行することにより、ゲーム制御手段として機能する。以下、各アーケードゲーム機1における処理動作は同様であるので、一方のアーケードゲーム機1についてのみ説明する。
【0082】
まず、ゲーム進行制御部101は、上述したコンピュータ対戦ゲームの場合と同様に、表示部102のディスプレイ11上にモンスター選択画面を表示させる。プレイヤーが操作レバー13及び操作ボタン14aを用いてモンスター選択画面上に表示されているモンスターカード画像の中から3つを選択すると、その操作データが操作部103からゲーム進行制御部101に入力される。そして、ゲーム進行制御部101は、その操作データに基づき、プレイヤーが選択した3つのキャラクタデータを記憶装置23のRAMの選択キャラクタ記憶領域に記憶し、プレイヤー側が使用する味方モンスターとして決定する(S2)。また、ゲーム進行制御部101は、決定した味方モンスターのうちの1つをプレイヤーの選択により味方ボスモンスターとして決定し、その味方ボスモンスターに係るキャラクタデータの体力値データを、記憶装置23内のRAMの体力値記憶領域にプレイヤー側の体力値データの初期値として記憶する。
【0083】
以上のようにして3つの味方モンスターが決定したら、ゲーム進行制御部101は、その操作データに基づき、これらの味方モンスターを特定するための特定情報データを外部通信部108から通信ネットワークを介して他のアーケードゲーム機1へ送信する(S21)。そして、決定した3つの味方モンスターのキャラクタデータにそれぞれ含まれるシンボル配列データを読み出し、これらのシンボル配列データに基づく3つのリール画像を決定する(S4)。以上の処理(S2,S21,S4)は、他のアーケードゲーム機1でも同様に行われる。よって、他のアーケードゲーム機1でも、当該他のアーケードゲーム機1のステーション10でプレイする対戦相手のプレイヤーが選択した3つのモンスターキャラクタが決定され、その特定情報データが本アーケードゲーム機1へ送信される。この特定情報データは、通信ネットワークから外部通信部108を介してゲーム進行制御部101で受信される(S22)。ゲーム進行制御部101は、その特定情報データに基づいて3つのモンスターキャラクタを特定し、これらを敵モンスターとして決定する。そして、ゲーム進行制御部101は、決定した3つの敵モンスターのキャラクタデータをキャラクタ記憶部106におけるキャラクタ記憶領域から読み出し、そのうちの敵ボスモンスターに係るキャラクタデータの体力値データを、記憶装置23内のRAMの体力値記憶領域に対戦相手側の体力値データの初期値として記憶する。また、ゲーム進行制御部101は、3つの敵モンスターのキャラクタデータにそれぞれ含まれるシンボル配列データに基づく3つのリール画像を決定する(S23)。
【0084】
次に、ゲーム進行制御部101は、表示部102にゲーム画面表示命令を出力し、表示部102のディスプレイ11上に図10に示したようなゲーム画面を表示させる(S5)。これにより、上記S4で決定した3つのリール画像、すなわち、3つの味方モンスターにそれぞれ対応した3つのリール画像はゲーム画面上の中央部分のリール画像51a,51b,51cとして表示され、上記S23で決定した3つのリール画像、すなわち、3つの敵モンスターにそれぞれ対応した3つのリール画像はゲーム画面の右側におけるサブ画面52に表示される。その後、プレイヤーが操作ボタン14a,14bを操作して規定量のクレジットをベットしたら(S6)、ゲーム進行制御部101は、抽選部104に抽選開始命令を出力し、抽選部104に抽選処理を実行させる(S7)。そして、ゲーム進行制御部101は、抽選部104から抽選結果データを受信したら、その抽選結果データを外部通信部108から通信ネットワークを介して他のアーケードゲーム機1へ送信する(S24)。その後、表示部102に対してリール変動表示命令及びリール停止表示命令を出力し、表示部102にステーション10のディスプレイ11上のゲーム画面において3つのリール画像51a,51b,51cを変動表示させ、その抽選結果データが示す各停止表示位置で各リール画像上のシンボルをそれぞれ停止表示させる抽選演出を行う(S8)。また、ゲーム進行制御部101は、当たり判定命令を当たり判定部105に出力し、判定部105に当たり判定を行わせる(S9)。
【0085】
ゲーム進行制御部101は、当たり判定部105からハズレの判定結果データを受信した場合、S25へ移行して対戦相手側のスロットゲームを開始する。一方、当たり判定部105から当たりの判定結果データを受信した場合、ゲーム進行制御部101は、その判定結果データが示す当たりの種類(特定の組み合わせの種類)に応じた処理を実行し(S10)、配当払出処理を行う(S11)。その後、ゲーム進行制御部101は、記憶装置23内のRAMの体力値記憶領域に記憶されている敵ボスモンスターの体力値データがゼロになったか否かを判断する(S12)。
【0086】
この判断においてゼロになっていないと判断したら、ゲーム進行制御部101は、次に対戦相手側のスロットゲームを行う。ここで、対戦相手側のスロットゲームにおいては、他のアーケードゲーム機1において上述したS6〜S12の処理が実行される。よって、他のアーケードゲーム機1が上記S24の処理を行うことにより、抽選結果データが本アーケードゲーム機1へ送信される。この抽選結果データは、通信ネットワークから外部通信部108を介してゲーム進行制御部101で受信される(S25)。そして、ゲーム進行制御部101は、その抽選結果データを受信したら、表示部102に対して相手側の抽選演出を行うための相手側抽選演出表示命令を出力し、表示部102にステーション10のディスプレイ11に表示されているゲーム画面上のサブ画面52における3つのリール画像を変動表示させ、その抽選結果データが示す各停止表示位置で各リール画像上のシンボルをそれぞれ停止表示させる抽選演出を行う(S14)。また、ゲーム進行制御部101は、受信した抽選結果データに基づく当たり判定命令を当たり判定部105に出力し、判定部105に当たり判定を行わせる(S15)。
【0087】
ゲーム進行制御部101は、当たり判定部105からハズレの判定結果データを受信した場合、上記S6へ移行し、再び本プレイヤー側のスロットゲームを開始する。一方、当たり判定部105から当たりの判定結果データを受信した場合、ゲーム進行制御部101は、その判定結果データが示す当たりの種類(特定の組み合わせの種類)に応じた処理を実行する(S16)。その後、ゲーム進行制御部101は、記憶装置23内のRAMの体力値記憶領域に記憶されている味方ボスモンスターの体力値データがゼロになったか否かを判断する(S17)。ゼロになっていないと判断したら、上記S6へ移行し、再び本プレイヤー側のスロットゲームを開始する。一方、ゼロになったと判断したら、本プレイヤーは、対戦相手のプレイヤーに負けたことになり、ゲーム進行制御部101は、キャラクタ記憶部106を構成する記憶装置23におけるRAMの使用可能キャラクタ記憶領域に記憶されている味方ボスモンスターのキャラクタデータを消去する(S26)。これにより、プレイヤーは次回以降のコンピュータ対戦ゲーム又は後述の対人対戦ゲームにおいて、このキャラクタデータを使用することができなくなる。
【0088】
一方で、上記S12において敵ボスモンスターの体力値データがゼロになったと判断したら、ゲーム進行制御部101は、モンスターキャラクタの獲得処理を行う(S18)。具体的には、ゲーム進行制御部101は、敵ボスモンスターのキャラクターデータと同じデータを、キャラクタ記憶部106を構成する記憶装置23におけるRAMの使用可能キャラクタ記憶領域に記憶する。すなわち、本実施形態における対人対戦ゲームで勝つと、対戦相手のプレイヤーが過去のゲームで入手したモンスターキャラクタのうち本対人対戦ゲームでボスモンスターとして使用したモンスターキャラクタと同じモンスターキャラクタのキャラクタデータを入手することができる。その後、ゲーム進行制御部101は、表示部102に対してモンスター獲得演出するための獲得演出表示命令を出力する。これにより、表示部102は、ステーション10のディスプレイ11上に、使用可能キャラクタ記憶領域に記憶したキャラクタデータに対応するモンスターカード画像を表示する。これにより、プレイヤーは次回以降のコンピュータ対戦ゲーム又は後述の対人対戦ゲームにおいて、このキャラクタデータを使用することができるようになる。
なお、敵ボスモンスター以外の2つの敵モンスターを入手するようにしたり、これらの敵モンスター以外のモンスターキャラクタを入手するようにしたり、入手できるモンスターキャラクタの数を適宜設定したりしてもよい点については、上述したコンピュータ対戦ゲームの場合と同様である。
【0089】
以上のように、本実施形態によれば、本ゲームシステムを利用するプレイヤーは、コンピュータ対戦ゲームで勝つことにより、対戦相手のコンピュータが使用した敵ボスモンスターのキャラクタデータを入手することができる。そして、本実施形態では、キャラクタ記憶部106のキャラクタ記憶領域に記憶されている各モンスターキャラクタがコンピュータ側の敵ボスモンスターとして使用される確率は、各キャラクタデータの出現確率データに応じて異なる。よって、出現確率の低い出現確率データをもつキャラクタデータは敵ボスモンスターとして使用されにくいので、プレイヤーがこれを入手し得る確率(入手確率)が低い。このようなキャラクタデータに係るモンスターキャラクタは、一般にレアキャラクタと呼ばれ、プレイヤーにとって特に入手したいと望むものである。よって、このようなレアキャラクタを用意しておくことで、プレイヤーのゲームへの熱中度を高めることができる。
【0090】
しかも、本実施形態では、本ゲームシステムを構成するアーケードゲーム機1ごとに、互いに異なる出現確率データを設定している。よって、本ゲームシステム内において、あるアーケードゲーム機1では入手確率の低いレアキャラクタのキャラクタデータが、他のアーケードゲーム機1では入手確率の高い一般キャラクタのキャラクタデータであるといった状況を実現することができる。本実施形態では、互いに異なるアーケードゲーム機間でプレイヤー同士の対人対戦ゲームを行うことにより、プレイヤーは他のアーケードゲーム機1における過去のコンピュータ対戦ゲームで対戦相手のプレイヤーが入手したキャラクタデータと同じデータを入手することができる。したがって、あるアーケードゲーム機1でプレイするプレイヤーは、そのアーケードゲーム機1でレアキャラクタのキャラクタデータを入手したいと望む場合、そのモンスターキャラクタが汎用キャラクタである他のアーケードゲーム機1のプレイヤーとの対人対戦ゲームを行うことで、本アーケードゲーム機1でコンピュータ対戦ゲームを行って入手する場合に比べてそのレアキャラクタのキャラクタデータを容易に入手することができる。その結果、本ゲームシステムを利用する各プレイヤーに対し、他のアーケードゲーム機1でプレイする他のプレイヤーとの対人対戦ゲームの積極的な活用を促すことができる。
【0091】
特に、あるモンスターキャラクタについて、一部のアーケードゲーム機1での出現確率をゼロに設定した場合、そのアーケードゲーム機1でのコンピュータ対戦ゲームではプレイヤーはそのモンスターキャラクタのキャラクタデータを入手することは不可能となる。その結果、そのキャラクタデータを入手したい場合には、そのキャラクタデータの出現確率がゼロよりも大きく設定されている他のアーケードゲーム機1でプレイするプレイヤーと対人対戦ゲームを行わないとこれを入手することができない。よって、この場合には、本ゲームシステムを利用する各プレイヤーに対し、他のアーケードゲーム機1でプレイするプレイヤーとの対人対戦ゲームの積極的な活用を更に効果的に促すことができる。
【0092】
なお、以上の説明では、互いに異なる遊技場に設置されているアーケードゲーム機間で出現確率データを異ならせる場合について説明したが、本ゲームシステムを構成する一部のアーケードゲーム機間で同じ出現確率データを用いるようにしてもよい。また、各アーケードゲーム機1が設置される遊技場が存在する地域を複数に区分し、互いに異なる区分に属する地域の遊技場に設置されるアーケードゲーム機間で出現確率データを異ならせるようにしてもよい。この場合、例えば、各アーケードゲーム機を日本全国の遊技場に分散して設置した場合には、北海道地区、東北地区、関東地区、関西地区、九州地区などのように区分けし、各地区間で出現確率データが互いに異なるようにするといった運営が可能となる。この場合、地区ごとに固有のモンスターキャラクタ(他の地区では出現確率データがゼロか極めて低いもの)を用意することもできる。
【0093】
(出現確率データの設定変更処理)
次に、管理サーバ40から各アーケードゲーム機1における出現確率データを設定変更する出現確率データの設定変更処理について説明する。
図15は、本実施形態における出現確率データの設定変更処理のシーケンスフローである。
本ゲームシステムを運営する運営会社の担当者などのオペレータが管理サーバ40のキーボード等を操作して、所望のキャラクタデータの出現確率を高めたり低めたりする設定変更指示を入力する。この設定変更指示の内容を示す操作データは、指示入力部402から出現確率管理部403に送られる。出現確率管理部403は、指示入力部402から設定変更指示の操作データを受信すると、その操作データに基づいて設定変更データを生成し、これを外部通信部405を介して本ゲームシステムを構成する設定変更対象のアーケードゲーム機1へ送信する。
【0094】
この設定変更データは、通信ネットワークを介して各アーケードゲーム機1の設定変更データ受信手段としての外部通信部108から出現確率設定変更部107で受信される。設定変更データを受信した出現確率設定変更部107は、設定変更手段として機能し、その設定変更データに基づき、キャラクタ記憶部106に記憶されている設定変更対象のキャラクタデータの出現確率データをその設定変更データが示す出現確率データに変更する。これにより、以後のコンピュータ対戦ゲームにおいて敵モンスターとして選択される確率は、その設定変更後の出現確率データに従って変更される。その結果、出現確率データが変更されたキャラクタデータをそのアーケードゲーム機1におけるコンピュータ対戦ゲームによりプレイヤーが入手し得る入手確率が変わる。
【0095】
このような構成により、本ゲームシステム全体のゲームバランス等を考慮し、本ゲームシステムの運営側で、各アーケードゲーム機1における各キャラクタデータの入手確率をコントロールすることが迅速かつ容易になる。その結果、例えば、特定の時期(例えば○月○日から2日間)に全部又は一部のアーケードゲーム機1で行われるコンピュータ対戦ゲームで人気のキャラクタデータの出現確率が非常に高くなるように設定するといったことを、迅速かつ容易に行うことができる。この場合、当該キャラクタデータの入手を希望するプレイヤーのゲームプレイを促進させることができる。
【0096】
なお、本実施形態では、管理サーバ40から送信される設定変更データを受信することでアーケードゲーム機1における設定変更対象のキャラクタデータの出現確率データを変更する方法を例に挙げて説明したが、他の方法により出現確率データを変更するようにしてもよい。例えば、アーケードゲーム機1に設定変更用の操作手段としての操作パネルを設け、そのアーケードゲーム機1が設置される遊技場のオペレータに、その操作パネルを操作して所望のキャラクタデータの出現確率を高めたり低めたりする設定変更指示を入力させる。そして、この設定変更指示の内容を示す操作データを出現確率設定変更部107に送り、その操作データに基づき、キャラクタ記憶部106に記憶されている設定変更対象のキャラクタデータの出現確率データをその操作データが示す出現確率データに変更するようにする。この場合、遊技場を運営する者の運営戦略等に応じ、アーケードゲーム機1における各キャラクタデータの入手確率をコントロールすることができるようになる。
【0097】
(キャラクタ追加処理)
次に、管理サーバ40から各アーケードゲーム機1に新しいキャラクタデータを追加するキャラクタ追加処理について説明する。
図16は、本実施形態におけるキャラクタ追加処理のシーケンスフローである。
本ゲームシステムを運営する運営会社の担当者などのオペレータは、追加のキャラクタデータが記憶されている記憶媒体を管理サーバ40に備わっている記憶媒体読取装置にセットし、記憶媒体読取装置を用いてその追加のキャラクタデータを管理サーバ40に入力する。なお、管理サーバ40に対する追加のキャラクタデータの入力方法はこれに限らず、通信ネットワークを介して入力する方法などの他の方法であってもよい。入力された追加のキャラクタデータは管理サーバ40の記憶装置43に記憶される。その後、オペレータが管理サーバ40のキーボード等を操作してキャラクタ配信指示を入力する。このキャラクタ配信指示の内容を示す操作データは、指示入力部402からキャラクタ配信部404に送られる。キャラクタ配信部404は、指示入力部402からキャラクタ配信指示の操作データを受信すると、その操作データにより特定される追加のキャラクタデータを記憶装置43から読み出し、これを外部通信部405を介して本ゲームシステムを構成するキャラクタ追加対象のアーケードゲーム機1へ送信する。
【0098】
この追加のキャラクタデータは、通信ネットワークを介して各アーケードゲーム機1のゲーム要素データ受信手段としての外部通信部108からゲーム進行制御部101で受信される。追加のキャラクタデータを受信したゲーム進行制御部101は、その追加のキャラクタデータを、キャラクタ記憶部106のキャラクタ記憶領域に記憶する。これにより、以後はそのアーケードゲーム機1において追加のキャラクタデータを利用することができるようになる。具体的には、そのアーケードゲーム機1におけるコンピュータ対戦ゲームで敵モンスターとして選択されるようになったり、上述したショップイベントで購入することが可能になったり、合成イベントで当該追加のキャラクタデータに変換可能になったりする。
【0099】
このような構成により、本ゲームシステム全体のゲームバランス等を考慮し、本ゲームシステムの運営側で、各アーケードゲーム機1で利用可能なキャラクタデータの種類をコントロールすることが迅速かつ容易になる。その結果、例えば、特定の時期(例えば○月○日以降)に全部又は一部のアーケードゲーム機1に新しいキャラクタデータを追加されるといったバージョンアップのような処理を、迅速かつ容易に行うことができる。この場合、大部分のキャラクタデータを入手したプレイヤー等に対して更なるゲームプレイを促すことが可能となったり、新しいキャラクタデータが追加して既存のキャラクタデータ間におけるバランス調整を行ったりすることが可能になったりする。
【0100】
なお、ここでは、新しいキャラクタデータを追加する場合について説明したが、管理サーバ40から全部又は一部のアーケードゲーム機1に消去命令を送信することにより、そのアーケードゲーム機1におけるキャラクタ記憶部106のキャラクタ記憶領域に記憶されている既存のキャラクタデータを消去することも可能である。この場合、消去されたキャラクタデータは、上述した方法等を用いて追加しない限り、プレイヤーはコンピュータ対戦ゲーム等で入手できない。その結果、そのキャラクタデータを既に入手したプレイヤーと対人対戦ゲームを行って勝つ以外にそのキャラクタデータを入手できなくなる。これにより、ある特定のキャラクタデータの希少価値を高めるといったことが可能になる。また、このように既存のキャラクタを消去することで、既存のキャラクタデータ間におけるバランス調整を行うことも可能になったりする。
【0101】
〔変形例〕
次に、上記実施形態の対人対戦ゲームにおける味方ボスモンスターの消去処理(図14のS26)の一変形例について説明する。
上述した実施形態では、対人対戦ゲームで勝ったプレイヤーは、その対人対戦ゲームで敵ボスモンスターであったモンスターキャラクタのキャラクタデータがキャラクタ記憶部106の使用可能キャラクタ記憶領域に記憶され、以後のゲームで使用することが可能になる。一方、対人対戦ゲームで負けたプレイヤーは、その対人対戦ゲームで味方ボスモンスターとして使用したモンスターキャラクタのキャラクタデータがキャラクタ記憶部106の使用可能キャラクタ記憶領域から消去され、以後のゲームで使用できなくなる。したがって、上述した実施形態では、対人対戦ゲームで勝ったプレイヤーが負けたプレイヤーからキャラクタデータを奪う形になる。このような場合、緊張感のある対人対戦ゲームを実現できる反面、もし自分が負けると即座に味方ボスモンスターのキャラクタデータが使用できなくなることから、プレイヤーが対人対戦ゲームの活用を躊躇してしまう要因にもなる。また、このようにプレイヤー間でキャラクタを奪い合う形になると、プレイヤー間の摩擦も懸念される。よって、本変形例では、このようにプレイヤーが対人対戦ゲームの活用を躊躇してしまう要因やプレイヤー間の摩擦の懸念を排除し得る方式を提案する。
【0102】
図17は、本変形例における味方ボスモンスターの消去処理の流れを示すフローチャートである。
本変形例においては、キャラクタ記憶部106の使用可能キャラクタ記憶領域に記憶されるキャラクタデータには、消去カウント値データとしての寿命カウント値であるライフデータが含まれている。このライフデータの初期値は任意に設定でき、本変形例では「3」とする。本アーケードゲーム機1においてプレイヤーが対人対戦ゲームで負けた場合(図14のS17)、まず、ゲーム進行制御部101は、キャラクタ記憶部106の選択キャラクタ記憶領域に記憶される3つの味方モンスターのキャラクタデータに含まれるライフデータを、それぞれ「1」ずつ減算する(S31)。その後、ゲーム進行制御部101は、これらの3つのキャラクタデータのライフデータがゼロになったか否かをそれぞれ判断する(S32)。この判断においてライフデータがゼロになったと判断された場合、ゲーム進行制御部101は、そのキャラクタデータをキャラクタ記憶部106の使用可能キャラクタ記憶領域から消去する(S33)。すなわち、本変形例においては、対人対戦ゲームで同じキャラクタデータを用いて3回負けると、そのキャラクタデータが使用可能キャラクタ記憶領域から消去され、以後のゲームで使用できなくなる。逆に言えば、対人対戦ゲームで同じキャラクタデータを用いて3回負けるまでは、そのキャラクタデータを使用し続けることができる。
【0103】
このように、本変形例においては、対人対戦ゲームで同じキャラクタデータを用いて3回負けるまでは、そのキャラクタデータを使用し続けることができるので、プレイヤーは対人対戦ゲームで1回負けただけではそのキャラクタデータを失うことがなくなる。これにより、プレイヤーが対人対戦ゲームの活用を躊躇してしまう要因を緩和でき、対人対戦ゲームの活用を促進できる。また、本変形例によれば、プレイヤー間でキャラクタを奪い合う形が崩れることから、プレイヤー間の摩擦の懸念は軽減される。なお、本変形例でも、同じキャラクタデータを用いて3回負ければ、そのキャラクタデータを使用できなくなるので、対人対戦ゲームで適度な緊張感を出すことができる。
【0104】
また、本変形例では、対人対戦ゲームで勝ったプレイヤーに対応する使用可能キャラクタ記憶領域には、新たに対戦相手のボスモンスターと同じモンスターキャラクタのキャラクタデータが記憶される。本変形例では、このときに記憶されるキャラクタデータのライフデータは初期値である「3」に設定されている。すなわち、本変形例においては、勝ったプレイヤーに対応する使用可能キャラクタ記憶領域に新たに記憶されるキャラクタデータの初期値と、負けたプレイヤーに対応する使用可能キャラクタ記憶領域のキャラクタデータのライフデータから減算される総減算値とが一致する。その結果、本ゲームシステム全体で見れば、対人対戦ゲームを行っても、対戦した各プレイヤーが使用可能なキャラクタデータのライフデータの総計値を合計した値は一定になる。よって、対人対戦ゲームを行うことにより、対人対戦ゲームにより各プレイヤーの使用可能なキャラクタデータの数が増減し、ゲームシステム全体から見た全プレイヤーの使用可能なキャラクタデータの合計数が変化しても、その変化は一定範囲内に収まる。
【0105】
なお、本変形例では、ライフデータの初期値を3として対人対戦ゲームで負けたらそのライフデータを1ずつ減らし、そのライフデータがゼロになったらキャラクタデータを消去する場合について説明したが、ライフデータの初期値をゼロとして対人対戦ゲームで負けたらそのライフデータを1ずつ増やすようにし、ライフデータの値が3に達したらキャラクタデータを消去するようにしても同様である。
【0106】
以上、上記実施形態(上記変形例を含む。以下同じ。)では、他のアーケードゲーム機1でプレイする他のプレイヤーが当該他のアーケードゲーム機でのコンピュータ対戦ゲームで入手したキャラクタデータを、そのプレイヤーとの対人対戦ゲームで勝つことで本アーケードゲーム機1でプレイするプレイヤーが入手する場合を例に挙げて説明したが、この場合に限らず、他のアーケードゲーム機1でプレイする他のプレイヤーが当該他のアーケードゲーム機1でのゲームで入手したキャラクタデータを、本アーケードゲーム機1でプレイするプレイヤーが入手する場合であれば、同様の効果を発揮する。
よって、例えば、互いに異なるアーケードゲーム機1でそれぞれプレイするプレイヤー間で各プレイヤーの使用可能なキャラクタデータをお互いで交換するイベントを実行するようにし、そのイベントで交換が成立することで、本アーケードゲーム機1でプレイするプレイヤーが他のアーケードゲーム機1でプレイする他のプレイヤーの使用可能なキャラクタデータを入手する場合にも、本発明を適用できる。
また、例えば、互いに異なるアーケードゲーム機1でそれぞれプレイするプレイヤー間で一方のプレイヤーの使用可能なキャラクタデータをクレジットを支払って購入するイベントを実行するようにし、そのイベントで売買が成立することで、本アーケードゲーム機1でプレイするプレイヤーが他のアーケードゲーム機1でプレイする他のプレイヤーの使用可能なキャラクタデータを入手する場合にも、本発明を適用できる。
【0107】
また、上記実施形態では、他のアーケードゲーム機1でプレイする他のプレイヤーが当該他のアーケードゲーム機でのコンピュータ対戦ゲームで入手したキャラクタデータを、そのプレイヤーとの対人対戦ゲームで勝つことで本アーケードゲーム機1でプレイするプレイヤーが入手する場合を例に挙げて説明したが、これに限らず、他のプレイヤーがコンピュータ対戦ゲーム以外の入手方法で入手したキャラクタデータを本アーケードゲーム機1でプレイするプレイヤーが入手する場合でも、同様の効果を得ることが可能である。コンピュータ対戦ゲーム以外の入手方法としては、上述したように、ショップイベントでクレジットを支払って購入することにより入手する方法や、合成イベントで自分が入手した複数のキャラクタデータを新しい1以上のキャラクタデータに変換することにより入手する方法などが挙げられる。
【0108】
前者の入手方法においては、例えば、各アーケードゲーム機で行うショップイベントで購入可能なキャラクタデータの種類、あるキャラクタデータについてショップイベントで販売する数などを各アーケードゲーム機間で異なるように設定すれば、上記実施形態の場合と同様に、本ゲームシステムを利用する各プレイヤーに対して他のアーケードゲーム機1でプレイする他のプレイヤーとの対人対戦ゲームの積極的な活用を促すことができる。なお、この場合、購入可能なキャラクタデータの種類を決定するためのデータや、あるキャラクタデータについてショップイベントで販売する数を決定するためのデータが、出現確率データとなるので、これらのデータを各アーケードゲーム機間で互いに異なるように設定変更する。また、あるキャラクタデータについてショップイベントでの販売価格を各アーケードゲーム機間で異なるように設定すれば、ショップイベントで各プレイヤーが入手し得る入手確率が各アーケードゲーム機間で異ならせることができるので、この場合、その販売価格を決定するためのデータも出現確率データとなる。
【0109】
後者の入手方法においては、例えば、キャラクタデータごとに合成イベントで変換された後のキャラクタデータとなり得る確率や、合成イベントで合成させることができるキャラクタデータの種類を各アーケードゲーム機間で互いに異なるように設定すれば、上記実施形態の場合と同様に、本ゲームシステムを利用する各プレイヤーに対して他のアーケードゲーム機1でプレイする他のプレイヤーとの対人対戦ゲームの積極的な活用を促すことができる。なお、この場合、キャラクタデータごとに合成イベントで変換された後のキャラクタデータとなり得る確率を決定するためのデータや、合成させることができるキャラクタデータの種類を決定するためのデータが出現確率データとなるので、これらのデータを各アーケードゲーム機間で互いに異なるように設定変更する。
【0110】
また、上記実施形態においては、プレイヤーが入手したキャラクタデータ又はこれを特定するための特定データをすべて同じ磁気カードに記憶する場合について説明したが、キャラクタデータ又はその特定データごとに個別の磁気カード等の可搬型記憶媒体に記憶するようにしてもよい。この場合、可搬型記憶媒体の外面に、内部に記憶されているキャラクタデータ又は特定データにより特定されるキャラクタデータに対応したモンスターキャラクタを表す絵柄等の画像を表示するようにするのが望ましい。このようにすれば、各キャラクタデータに対するプレイヤーの入手意欲が増し、プレイヤーに対してゲームプレイを促進させることができる。なお、可搬型記憶媒体の外面に絵柄をプリントする場合等においては、予め外面に各モンスターキャラクタを表す絵柄をプリントした可搬型記憶媒体をアーケードゲーム機内に搭載しておき、これを排出するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、プレイヤーは自分が持っている磁気カードをカード挿入取出口17に挿入することで前回のゲーム終了時の続きからゲームを再開することができるというようなゲームの継続性を実現できる構成について説明したが、磁気カードを用いないようにするなどしてゲームの継続性が実現されない構成であってもよい。
また、プレイヤーが入手したキャラクタデータに対応するモンスターキャラクタをトレーディングカードゲームのようなカードゲームなどの他のゲームに使用する場合には、使用可能キャラクタ領域に記憶されているキャラクタデータに対応したモンスターキャラクタを表す絵柄等の画像を外面に表示した可搬部材をアーケードゲーム機から排出するようにしてもよい。この場合、その可搬部材にはキャラクタデータ等のデータを記憶する必要は必ずしもない。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】実施形態に係るゲームシステムを構成するアーケードゲーム機及び管理サーバの主要部を示す機能ブロック図。
【図2】同ゲームシステム全体の概略構成図。
【図3】同アーケードゲーム機の正面図。
【図4】同アーケードゲーム機の側面。
【図5】同アーケードゲーム機の上面図。
【図6】同アーケードゲーム機が備える8つのステーションうちの1つを示す拡大正面図。
【図7】ステーションごとに設けられたステーション制御部のハードウェア構成を示すブロック図。
【図8】アーケードゲーム機ごとに設けられる中央制御部のハードウェア構成を示すブロック図。
【図9】同管理サーバのハードウェア構成を示すブロック図。
【図10】同ステーションのディスプレイに表示されるゲーム画面の一例を示す説明図。
【図11】(a)〜(c)は、それぞれ、同ディスプレイに表示され得るモンスターカード画像及びこれに対応するリール画像上のシンボル配列の一例を示す説明図。
【図12】アーケードゲーム機の各ステーションで実行されるスロットゲームに登場するシンボルの種類を示す説明図。
【図13】コンピュータ対戦ゲームの流れを示すフローチャート。
【図14】対人対戦ゲームの流れを示すフローチャート。
【図15】出現確率データの設定変更処理のシーケンスフロー。
【図16】キャラクタ追加処理のシーケンスフロー。
【図17】変形例における味方ボスモンスターの消去処理の流れを示すフローチャート。
【符号の説明】
【0112】
1 アーケードゲーム機
10 ステーション
11 ディスプレイ
13 操作レバー
14a,14b 操作ボタン
15 メダル投入口
16 メダル払出口
17 カード挿入取出口
21 ステーション制御装置
23,33,43 記憶装置
26 磁気カード書込読出装置
27 メダル管理装置
31 中央制御装置
40 管理サーバ
41 制御装置
51a,51b,51c リール画像
60A,60B,60C モンスターカード画像
101 ゲーム進行制御部
102 表示部
103 操作部
106 キャラクタ記憶部
107 出現確率設定変更部
108 外部通信部
401 対人対戦管理部
402 指示入力部
403 出現確率管理部
404 キャラクタ配信部
405 外部通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム操作用の操作手段と、
ゲーム要素画像を含むゲーム画像を表示するゲーム画像表示手段と、
金銭若しくはメダル又はこれらに相当する電子データからなるゲーム価値媒体を受け取る受取手段と、
該ゲーム画像表示手段に表示され得る複数のゲーム要素画像それぞれに対応した各ゲーム要素データを記憶するゲーム要素記憶手段と、
該受取手段がゲーム価値媒体を受け取ることを条件にゲームの進行を開始し、該ゲーム要素記憶手段から読み出したゲーム要素データに対応するゲーム要素画像を該ゲームの進行中に該ゲーム画像表示手段に表示させるとともに、該操作手段の操作内容に応じて該ゲームの進行を制御するゲーム制御手段とを有するアーケードゲーム機において、
他の同種のアーケードゲーム機との間でネットワークを介してデータ通信を行う通信手段と、
上記ゲーム要素記憶手段に記憶されている複数のゲーム要素データのうち上記ゲームをプレイしているプレイヤーが該ゲームで使用可能なゲーム要素データ又は該ゲーム要素データを特定するための特定データを記憶する使用可能要素記憶手段と、
上記ゲーム制御手段が該ゲーム要素記憶手段に記憶されている該複数のゲーム要素データにそれぞれ対応した各ゲーム要素画像を上記ゲーム画像表示手段に表示させる各出現確率を決定するための出現確率データを記憶する出現確率記憶手段と、
該出現確率記憶手段に記憶される出現確率データを設定変更する設定変更手段とを有しており、
該ゲーム進行手段は、該ゲーム要素記憶手段に記憶されている1又は2以上のゲーム要素データに対応したゲーム要素画像を、該出現確率記憶手段に記憶されている出現確率データにより決定される出現確率に従って該ゲーム画像表示手段に表示させるようにゲーム進行を制御し、かつ、該ゲーム画像表示手段に表示されたゲーム要素画像に対応するゲーム要素データ又は該ゲーム要素の特定データを、所定の使用許可条件に従って該使用可能要素記憶手段に記憶する制御を行い、
更に、該ゲーム進行手段は、該通信手段が受信した受信データに基づき、該使用可能要素記憶手段に対して、該他の同種のアーケードゲーム機が備える使用可能要素記憶手段に記憶されているゲーム要素データ又は該ゲーム要素の特定データと同じデータを記憶する制御を行うことを特徴とするアーケードゲーム機。
【請求項2】
請求項1のアーケードゲーム機において、
設定変更用の操作手段を有し、
上記設定変更手段は、該設定変更用の操作手段の操作内容に従って上記出現確率記憶手段に記憶される出現確率データを設定変更することを特徴とするアーケードゲーム機。
【請求項3】
請求項1のアーケードゲーム機において、
ネットワークを介して設定変更データを受信する設定変更データ受信手段を有し、
上記設定変更手段は、該設定変更データ受信手段が受信した設定変更データに従って上記出現確率記憶手段に記憶される出現確率データを設定変更することを特徴とするアーケードゲーム機。
【請求項4】
請求項1、2又は3のアーケードゲーム機において、
ネットワークを介してゲーム要素データを受信するゲーム要素データ受信手段を有し、
上記ゲーム進行手段は、該ゲーム要素データ受信手段が受信したゲーム要素データを上記ゲーム要素記憶手段に記憶する制御を行うことを特徴とするアーケードゲーム機。
【請求項5】
請求項1、2、3又は4のアーケードゲーム機において、
上記ゲーム制御手段は、上記通信手段を用いて上記他の同種のアーケードゲーム機との間でデータ通信を行いつつ、上記操作手段を操作してプレイしている本プレイヤーと該他の同種のアーケードゲーム機の操作手段を操作してプレイしている他のプレイヤーとの間の勝敗を決する対人対戦ゲームの進行を制御するものであり、
更に、該ゲーム制御手段は、該本プレイヤーが該対人対戦ゲームで勝ったときに、上記使用可能要素記憶手段に対し、該他の同種のアーケードゲーム機が備える該他のプレイヤーに係る使用可能要素記憶手段に記憶されているゲーム要素データ又は特定データと同じデータを記憶する制御を行うことを特徴とするアーケードゲーム機。
【請求項6】
請求項5のアーケードゲーム機において、
上記ゲーム制御手段は、上記本プレイヤーが上記対人対戦ゲームで負けたときに、上記使用可能要素記憶手段に記憶されているゲーム要素データ又は特定データのうち、所定の消去条件を満たすものを消去する制御を行うことを特徴とするアーケードゲーム機。
【請求項7】
請求項6のアーケードゲーム機において、
上記使用可能要素記憶手段に記憶されているゲーム要素データ又は特定データは、消去カウント値データに関連付けて記憶されており、
上記ゲーム制御手段は、上記本プレイヤーが上記対人対戦ゲームで負けたとき、該対人対戦ゲームで使用したゲーム要素データに対応する該消去カウント値データを所定のカウント値分だけ変動させる制御を行うものであり、
上記所定の消去条件は、該消去カウント値データの累積変動値が規定値に達したという条件であることを特徴とするアーケードゲーム機。
【請求項8】
請求項7のアーケードゲーム機において、
上記本プレイヤーが上記対人対戦ゲームで勝ったときに上記使用可能要素記憶手段に記憶される上記同じデータの数に上記規定値を乗じて得られる値と、該本プレイヤーが該対人対戦ゲームで負けたときに変動する総カウント値とが互いに一致することを特徴とするアーケードゲーム機。
【請求項9】
請求項1、2、3、4、5、6、7又は8のアーケードゲーム機において、
上記使用可能要素記憶手段に記憶されているゲーム要素データ又は特定データに対応するデータを記憶する可搬型記憶媒体を排出する記憶媒体排出手段を有することを特徴とするアーケードゲーム機。
【請求項10】
請求項9のアーケードゲーム機において、
上記可搬型記憶媒体に記憶されているデータを読み出すデータ読出手段を有し、
上記ゲーム制御手段は、該データ読出手段が読み出したデータに対応するゲーム要素データ又は特定データを上記使用可能要素記憶手段に記憶する制御を行うことを特徴とするアーケードゲーム機。
【請求項11】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10のアーケードゲーム機が有する構成をそれぞれ備えた複数のアーケードゲーム機を含み、互いに異なる遊技場にそれぞれ設置した該複数のアーケードゲーム機をネットワークを介して互いにデータ通信可能に接続したことを特徴とするゲームシステム。
【請求項12】
請求項3のアーケードゲーム機が有する構成をそれぞれ備えた複数のアーケードゲーム機を含み、互いに異なる遊技場にそれぞれ設置した該複数のアーケードゲーム機をネットワークを介して互いにデータ通信可能に接続したゲームシステムであって、
上記複数のアーケードゲーム機に対してネットワークを通じて上記設定変更データを送信する出現確率管理装置を有することを特徴とするゲームシステム。
【請求項13】
請求項4のアーケードゲーム機が有する構成をそれぞれ備えた複数のアーケードゲーム機を含み、互いに異なる遊技場にそれぞれ設置した該複数のアーケードゲーム機をネットワークを介して互いにデータ通信可能に接続したゲームシステムであって、
上記複数のアーケードゲーム機に対してネットワークを通じて上記ゲーム要素データを送信するゲーム要素管理装置を有することを特徴とするゲームシステム。
【請求項14】
ゲーム操作用の操作手段と、
ゲーム要素画像を含むゲーム画像を表示するゲーム画像表示手段と、
金銭若しくはメダル又はこれらに相当する電子データからなるゲーム価値媒体を受け取る受取手段と、
該ゲーム画像表示手段に表示され得る複数のゲーム要素画像それぞれに対応した各ゲーム要素データを記憶するゲーム要素記憶手段と、
該受取手段がゲーム価値媒体を受け取ることを条件にゲームの進行を開始し、該ゲーム要素記憶手段から読み出したゲーム要素データに対応するゲーム要素画像を該ゲームの進行中に該ゲーム画像表示手段に表示させるとともに、該操作手段の操作内容に応じて該ゲームの進行を制御するゲーム制御手段とをそれぞれ有する複数のアーケードゲーム機を備え、
互いに異なる遊技場にそれぞれ設置される該複数のアーケードゲーム機をネットワークを介して互いにデータ通信可能に接続したゲームシステムであって、
各アーケードゲーム機は、上記ゲーム要素記憶手段に記憶されている複数のゲーム要素データのうち上記ゲームをプレイしているプレイヤーが該ゲームで使用可能なゲーム要素データ又は該ゲーム要素データを特定するための特定データを記憶する使用可能要素記憶手段と、
上記ゲーム制御手段が該ゲーム要素記憶手段に記憶されている該複数のゲーム要素データにそれぞれ対応した各ゲーム要素画像を上記ゲーム画像表示手段に表示させる各出現確率を決定するための出現確率データを記憶する出現確率記憶手段とをそれぞれ有しており、
各アーケードゲーム機の該ゲーム進行手段は、そのアーケードゲーム機の該ゲーム要素記憶手段に記憶されている1又は2以上のゲーム要素データに対応したゲーム要素画像を、そのアーケードゲーム機の該出現確率記憶手段に記憶されている出現確率データにより決定される出現確率に従って、そのアーケードゲーム機の該ゲーム画像表示手段に表示させるようにゲーム進行を制御し、かつ、該ゲーム画像表示手段に表示されたゲーム要素画像に対応するゲーム要素データ又は該ゲーム要素の特定データを、所定の使用許可条件に従って、そのアーケードゲーム機の該使用可能要素記憶手段に記憶する制御を行い、
更に、各アーケードゲーム機の該ゲーム進行手段は、上記ネットワークを介して受信した受信データに基づき、上記複数のアーケードゲーム機のうちの他のアーケードゲーム機が備える使用可能要素記憶手段に記憶されているゲーム要素データ又は該ゲーム要素の特定データと同じデータを、そのアーケードゲーム機の該使用可能要素記憶手段に記憶する制御を行い、
各アーケードゲーム機の該出現確率記憶手段に記憶されている出現確率データは、少なくとも一種類の同じゲーム要素データに対応するゲーム要素画像の出現確率がアーケードゲーム機によって異なるように設定されていることを特徴とするゲームシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−73544(P2008−73544A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−283390(P2007−283390)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【分割の表示】特願2005−328168(P2005−328168)の分割
【原出願日】平成17年11月11日(2005.11.11)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】