説明

イオン性液体含有樹脂およびその製造方法

【課題】新規なイオン性液体含有樹脂およびその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】イオン性液体含有樹脂の製造方法は、混合工程を有し、イオン性液体を樹脂に含有させる方法である。ここで、樹脂は熱可塑性樹脂であり、混合工程では、加熱した樹脂にイオン性液体を混合することが好ましい。また、熱可塑性樹脂はスチレン樹脂であることが好ましい。また、樹脂は熱硬化性樹脂であり、混合工程では、樹脂原料にイオン性液体を混合することが好ましい。また、熱硬化性樹脂はエポキシ樹脂であることが好ましい。また、イオン性液体は、BMImBF4であることが好ましい。この方法により、イオン性液体を含有する樹脂を製造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なイオン性液体含有樹脂に関する。
また、本発明は、新規なイオン性液体含有樹脂の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高分子材料をしゅう動材料として用いる場合、低摩擦、低摩耗、低コスト、耐熱性などが要求される。これらの要求を満たすため、高分子材料自体の特性を改善する代表的な手法として、充填材を添加して複合材料化することと、2種類以上の高分子材料を混合してポリマーアロイ・ブレンドを作製する手法がある。
【0003】
しかしながら、充填材を添加して複合材料化する方法においては、少量の充填により高い潤滑特性改良効果がもたらされた潤滑材はまだ見つかっていない。また、2種類以上の高分子材料を混合してポリマーアロイ・ブレンドを作製する手法においては、プラスチック同士は相溶性に乏しく、界面の接着性を促進する相溶化剤などの使用・工夫を要する。
【0004】
一方、アンギュラ玉軸受の保持器を、イオン性液体を含浸させたフェノール樹脂(多孔質体)から形成する技術が開発されている(特許文献1参照)。この技術により、真空環境下や高温環境下で使用した場合であっても、低発塵性、低アウトガス性、耐久性に優れた転がり軸受を提供することができる。
【0005】
【特許文献1】特開2007−139127号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したイオン性液体を含侵させたフェノール樹脂の多孔質体は、イオン性液体を保持するとともに軸受内に供給する役割をしているのであって、それ自体を潤滑材料として機能させているわけではない。また、フェノール樹脂全体にイオン性液体を含浸させることは困難であるという問題がある。
【0007】
そのため、このような課題を解決する、新規なイオン性液体含有樹脂およびその製造方法の開発が望まれている。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、新規なイオン性液体含有樹脂を提供することを目的とする。
また、本発明は、新規なイオン性液体含有樹脂の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明のイオン性液体含有樹脂は、イオン性液体を含有する樹脂であり、摩擦係数が0〜0.2の範囲内にある。
【0010】
ここで、限定されるわけではないが、樹脂は熱可塑性樹脂であることが好ましい。また、限定されるわけではないが、熱可塑性樹脂はスチレン樹脂であることが好ましい。また、限定されるわけではないが、樹脂は熱硬化性樹脂であることが好ましい。また、限定されるわけではないが、熱硬化性樹脂はエポキシ樹脂であることが好ましい。また、限定されるわけではないが、イオン性液体は、BMImBF4であることが好ましい。
【0011】
本発明のイオン性液体含有樹脂の製造方法は、混合工程を有し、イオン性液体を樹脂に含有させる方法である。
【0012】
ここで、限定されるわけではないが、樹脂は熱可塑性樹脂であり、混合工程では、加熱した樹脂にイオン性液体を混合することが好ましい。また、限定されるわけではないが、熱可塑性樹脂はスチレン樹脂であることが好ましい。また、限定されるわけではないが、樹脂は熱硬化性樹脂であり、混合工程では、樹脂原料にイオン性液体を混合することが好ましい。また、限定されるわけではないが、熱硬化性樹脂はエポキシ樹脂であることが好ましい。また、限定されるわけではないが、イオン性液体は、BMImBF4であることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
【0014】
本発明のイオン性液体含有樹脂は、イオン性液体を含有する樹脂であり、摩擦係数が0〜0.2の範囲内にあるので、新規なイオン性液体含有樹脂を提供することができる。
【0015】
本発明のイオン性液体含有樹脂の製造方法は、混合工程を有し、イオン性液体を樹脂に含有させるので、新規なイオン性液体含有樹脂の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、イオン性液体含有樹脂およびその製造方法にかかる発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0017】
イオン性液体含有樹脂の製造方法について説明する。
【0018】
イオン性液体含有樹脂の製造方法は、混合工程を有し、イオン性液体を樹脂に含有させる方法である。
【0019】
樹脂は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂などを採用することができる。
熱可塑性樹脂としては、スチレン樹脂、アクリル樹脂などから選ばれるいずれか1種、または2種以上の組み合わせを採用することができる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂などを採用することができる。光硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂などを採用することができる。
【0020】
イオン性液体としては、脂肪族アミン系、脂環式アミン系、イミダゾリウム系、ピリジニウム系、ホスホニウム系などのカチオンと、BF4 - 、PF6 - 、(CF3 SO2 2 - 、Cl- 、Br- などのアニオンとを組み合わせたものから選ばれるいずれか1種、またはいずれか2種以上の組み合わせを採用することができる。
【0021】
樹脂中のイオン性液体の濃度は1〜30質量%の範囲内にあることが好ましい。また、イオン性液体の濃度は10〜25質量%の範囲内にあることがさらに好ましい。
【0022】
イオン性液体の濃度が1質量%以上であると、樹脂の潤滑特性を向上させるという利点がある。イオン性液体の濃度が10質量%以上であると、この効果がより顕著になる。
【0023】
イオン性液体の濃度が30質量%以下であると、樹脂の機械的強さを大きく減少させないという利点がある。イオン性液体の濃度が25質量%以下であると、この効果がより顕著になる。
【0024】
熱可塑性樹脂の場合、混合工程では、加熱した樹脂にイオン性液体を混合する方法が採用される。また、熱硬化性樹脂の場合、混合工程では、樹脂原料にイオン性液体を混合する方法が採用される。
【0025】
樹脂とイオン性液体との混合方法は、上述の方法に限定されるものではない。このほかの方法としては、粉末状の樹脂にイオン性液体を混合する方法などを採用することができる。
【0026】
イオン性液体含有樹脂について説明する。
【0027】
イオン性液体含有樹脂は、イオン性液体を含有する樹脂である。
イオン性液体含有樹脂の摩擦係数は0〜0.2の範囲内にあることが好ましい。また、摩擦係数は0〜0.1の範囲内にあることがさらに好ましい。
【0028】
イオン性液体含有樹脂の用途としては、潤滑材料、摺動部材などを挙げることができる。
【0029】
以上のことから、本発明を実施するための最良の形態によれば、イオン性液体を添加した樹脂は真空中、空気中に関わらず、すべり摩擦の試験条件下で樹脂単体よりも摩擦係数を減少させることができる。
【0030】
なお、本発明は上述の発明を実施するための最良の形態に限らず本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【実施例】
【0031】
つぎに、本発明にかかる実施例について具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではないことはもちろんである。
【0032】
<樹脂基摺動材の作製>
樹脂基摺動材の作製方法について、以下に説明する。
【0033】
イオン性液体含有スチレン樹脂
ホットプレートの上で金型を230℃まで加熱する。温度測定は金型内部にK型熱電対を挿入することにより行う。ペレット状のポリスチレン(PSジャパン株式会社製、スタイロン679、PS)1.2 gを金型内に投入し、加熱溶融させる。溶融させ、流動性を持った樹脂中にBMImBF4(Sigma-Aldrich-Japan社から購入)0.3 gを投入し、それを攪拌棒によって樹脂中に分散させる。約10分間の攪拌を経た後に、金型をホットプレート上から外し徐冷する。徐冷し複合材が固化した後、同様の手順で複合材を再溶融させ、攪拌棒によって複合材を約10分間混合する。再溶融してもイオン性液体は分離することなく樹脂中に含有されている。金型の内径などから、直径30mm、厚さ約2mmの円盤状の樹脂基複合材を作製することができる。BMImBF4の含有量は20質量%である。
【0034】
スチレン樹脂
スチレン樹脂からなる樹脂基摺動材の作製方法は、上述の「イオン性液体含有スチレン樹脂」の場合と比較して、流動性を持った樹脂中にBMImBF4を投入しないことを除き、同様である。
【0035】
イオン性液体含有エポキシ樹脂
2cm×2cm程度のシリコン板上に、硬化させる前のエポキシ樹脂(旭化成工業株式会社製、感光性樹脂APR)とイオン性液体(BMImBF4)を質量比4:1の割合で混合したものを垂らす。これに紫外線照射装置で波長265nmの紫外線を約5時間照射し、液体を硬化させる。BMImBF4の含有量は20質量%である。硬化後は、重力で樹脂表面がほぼ平らになっており、シリコン板ごと摩擦試験をする。摺動材の大きさはシリコン板とほぼ同等である。
【0036】
エポキシ樹脂
エポキシ樹脂からなる樹脂基摺動材の作製方法は、上述の「イオン性液体含有エポキシ樹脂」の場合と比較して、BMImBF4を混合しないことを除き、同様である。
【0037】
<樹脂基摺動材の評価方法>
【0038】
ここでは、樹脂基摺動材の潤滑特性を評価するために用いた摩擦試験装置の構成について説明する。試験装置としてボールオンディスク式摩擦試験機を使用した。摩擦試験機はおおまかに真空容器、真空排気系、回転導入系、基板固定部、測定系に分けられる。
【0039】
真空容器は材質にステンレス鋼のSUS304、真空容器の蓋にはアルミ合金A6061を使用している。この容器内部に測定用プローブを設置する台を設け、回転導入系によりディスクを回転させ、測定用プローブ先端に摩擦力を発生させることで摺動状態を実現している。また、真空容器には、真空導入系が接続されており、真空での試験が可能となっている。
【0040】
真空容器には、ロータリーポンプ(アルカテル社製、2015、出力0.75kw)とターボ分子ポンプ(株式会社大阪真空機器製作所製、TG203)が接続されており、両者を併用することにより、約1時間で1×10-3 Pa程度の真空度を実現することができる。
【0041】
真空容器内部に回転を導入するために、磁性流体シールを備えている磁気シールユニット(株式会社理学電機製)を使用した。モータ回転軸と回転導入軸はプーリーとベルト(三ツ星ベルト株式会社製)を介して接続され、モータ回転を構成する機器として、駆動用モータ(オリエンタルモータ株式会社製、MSS560-502WE)、ギアヘッド(オリエンタルモータ株式会社製、5GU3KB)を使用した。
【0042】
基板固定部は石英ガラスを隔てて、回転導入軸の上部に存在する。摩擦試験において試験される基板は、スクリューキャップを用いて基板固定部に固定される。
【0043】
測定系は、摩擦力を検出するための平行平板ばねおよび垂直荷重を負荷する軸を固定する部分を備えた測定用プローブ、測定用プローブ先端の変位を測定するためのレーザ変位センサヘッドとアンプ、そしてデータ取得用PCによって構成されている。
【0044】
<樹脂基摺動材の評価結果>
【0045】
表面観察結果
図1に、ポリスチレン-BMImBF4複合材の(a)外観、(b)顕微鏡写真を示す。重量比20%の割合でBMImBF4を充填した。ポリスチレン-BMImBF4複合材は淡黄色の外観となっている。淡黄色はBMImBF4の色に由来する。顕微鏡写真からポリスチレン-BMImBF4複合材は淡黄色の凹部が多数存在しているのが分かる。この穴は、ポリスチレン溶融中に、ポリスチレンと相溶しなかったBMImBF4が液滴状に基板表面に存在し、その状態を保持したまま基板成形したためにできた穴であることと思われる。
【0046】
摩擦試験結果
(1)ポリスチレン−BMImBF4複合材、ポリスチレン
作製した樹脂基摺動材の潤滑特性評価を行う。評価を行った試料はポリスチレン−BMImBF4複合材、比較対象はポリスチレンである。樹脂基摺動材をディスクとし、上述したボールオンディスク式摩擦試験機を用いて評価を行う。ボールにはステンレス鋼の一種であるSUS440Cを用いている。試験結果を図2〜4に、図2〜4それぞれの試験条件を表1〜3に示した。図2,3の試験は空気中において、図4の試験は真空中において行った。基板は成形後、洗浄せずに試験に用いている。
【0047】
【表1】

【0048】
【表2】

【0049】
【表3】

【0050】
今回の実施した3種の雰囲気、試験条件下全てにおいて、ポリスチレン−BMImBF4複合材の潤滑特性はポリスチレン単体よりも大幅に改善していることが試験結果より分かる。これらのことより、BMImBF4をポリスチレンに添加した結果、それら複合材の潤滑特性が大幅に向上することを示した。
【0051】
潤滑特性が改善した理由について考察を行う。考察を行うに当たりボール頭頂部を観察すると、液体が付着している。真空雰囲気の試験後にも存在し、液体が付着した球ごとホットプレート上で150℃10分間の加熱を行っても、液体が蒸発せず残っているのが確認されたため、水などではなくBMImBF4と思われる。このBMImBF4が潤滑材として機能し、流体潤滑状態での摺動となったために、摩擦係数が大幅に低下したと考えられる。このほか、成形時に複合材のマトリクス中に保持されていたBMImBF4が摩耗によって摺動部上に滲出したために、摩擦係数が大幅に低下したと考えられる。
【0052】
(2)エポキシ樹脂−BMImBF4複合材、エポキシ樹脂
評価を行った試料はエポキシ樹脂−BMImBF4複合材、比較対象はエポキシ樹脂である。樹脂基摺動材をディスクとし、上述したボールオンディスク式摩擦試験機を用いて評価を行う。ボールにはステンレス鋼の一種であるSUS440Cを用いている。試験結果を図5,6に、図5,6それぞれの試験条件を表4,5に示した。図5の試験は空気中において、図6の試験は真空中において行った。基板は成形後、洗浄せずに試験に用いている。
【0053】
【表4】

【0054】
【表5】

【0055】
今回の実施した2種の雰囲気下全てにおいて、エポキシ樹脂−BMImBF4複合材の潤滑特性はエポキシ樹脂単体よりも大幅に改善していることが試験結果より分かる。これらのことより、BMImBF4をポリエポキシ樹脂に添加した結果、それら複合材の潤滑特性が大幅に向上することを示した。
【0056】
潤滑特性が改善した理由としては、エポキシ樹脂中に混合されたイオン性液体が、摩擦による荷重の負荷および表面の摩耗などにともなって樹脂表面に浸みだし、流体潤滑作用を発揮するためと考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明のイオン性液体含有樹脂は、特に減圧下や真空中で使用される樹脂製の軸受・案内・ステージなどに使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】ポリスチレン-BMImBF4複合材の(a)外観、(b)顕微鏡写真である。
【図2】空気中で91 rpm,0.44 Nの試験条件における、ポリスチレン−BMImBF4複合材の潤滑特性試験結果を示す図である。
【図3】空気中で21 rpm,0.13 Nの試験条件における、ポリスチレン−BMImBF4複合材の潤滑特性試験結果を示す図である。
【図4】真空中で91 rpm,0.44 Nの試験条件における、ポリスチレン−BMImBF4複合材の潤滑特性試験結果を示す図である。
【図5】空気中で91 rpm,0.44 Nの試験条件における、エポキシ樹脂−BMImBF4複合材の潤滑特性試験結果を示す図である。
【図6】真空中で91 rpm,0.44 Nの試験条件における、エポキシ樹脂−BMImBF4複合材の潤滑特性試験結果を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオン性液体を含有する樹脂であり、
摩擦係数が0〜0.2の範囲内にある
イオン性液体含有樹脂。
【請求項2】
樹脂は熱可塑性樹脂である
請求項1記載のイオン性液体含有樹脂。
【請求項3】
熱可塑性樹脂は、スチレン樹脂である
請求項2記載のイオン性液体含有樹脂。
【請求項4】
樹脂は熱硬化性樹脂である
請求項1記載のイオン性液体含有樹脂。
【請求項5】
熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂である
請求項4記載のイオン性液体含有樹脂。
【請求項6】
イオン性液体は、BMImBF4である
請求項1〜5のいずれかに記載のイオン性液体含有樹脂。
【請求項7】
混合工程を有し、
イオン性液体を樹脂に含有させる
イオン性液体含有樹脂の製造方法。
【請求項8】
樹脂は熱可塑性樹脂であり、
混合工程では、加熱した樹脂にイオン性液体を混合する
請求項7記載のイオン性液体含有樹脂の製造方法。
【請求項9】
熱可塑性樹脂は、スチレン樹脂である
請求項8記載のイオン性液体含有樹脂の製造方法。
【請求項10】
樹脂は熱硬化性樹脂であり、
混合工程では、樹脂原料にイオン性液体を混合する
請求項7記載のイオン性液体含有樹脂の製造方法。
【請求項11】
熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂である
請求項10記載のイオン性液体含有樹脂の製造方法。
【請求項12】
イオン性液体は、BMImBF4である
請求項7〜11のいずれかに記載のイオン性液体含有樹脂の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−100680(P2010−100680A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−271162(P2008−271162)
【出願日】平成20年10月21日(2008.10.21)
【出願人】(304021417)国立大学法人東京工業大学 (1,821)
【Fターム(参考)】