イオン放出装置
【課題】イオンを空気砲を用いた簡単な構成で、低消費電力で広い範囲までイオン送出することができるイオン放出装置を提供する。
【解決手段】イオン放出部11が、イオン発生部を囲むイオン放出筒4と、イオン放出筒4内の気圧を瞬間的に高めて、イオン放出筒4に設けた開口部より、イオン発生部10で発生したイオンを一気に放出する空気砲3と、空気砲3の駆動手段16とを備える。
【解決手段】イオン放出部11が、イオン発生部を囲むイオン放出筒4と、イオン放出筒4内の気圧を瞬間的に高めて、イオン放出筒4に設けた開口部より、イオン発生部10で発生したイオンを一気に放出する空気砲3と、空気砲3の駆動手段16とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧交流の駆動電圧の印加に応じて略同量の正イオンおよび/または負イオンを発生させるイオン発生素子を用いるイオン放出装置に関し、特に、イオン放出用として空気砲を用いたイオン放出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
イオン発生装置は、対向配置された放電電極と誘導電極とを有し、これらの電極間に高圧交流の駆動電圧を印加することによりプラズマ放電を行なわせるイオン発生素子を備えている。そしてイオン発生素子により発生したイオンを空間に送出する手段として、送風装置を用い、この送風装置の気流によりイオンを送出するものであった。この場合、送風装置の消費電力はイオン発生装置に比べると大幅に大きく、例えば電池駆動の機器に組み込むような場合には、電池の消耗が早くなるという問題があった。このような問題に対処するものとして、従来より、イオン送出にいわゆるイオン風を利用してイオンを送出するイオン発生装置が考案されている。しかしながら、このようなイオン風でのイオン送出距離は50cmから1m程度で有り、限られた空間の範囲でのみ使用できるものであった。
【0003】
次に、従来のイオン発生装置の一例について、図13を用いて説明する。図13に示す従来のイオン発生装置100は、ケース101で覆われており、内部にベース基板102が設けられ、このベース基板102に一体に、制御回路103、正放電電極104、および負放電電極105が設けられている。各放電電極104,105はケース101を貫通しており、先端から空間に向かってイオンを放出する。イオンは放電電極104,105の先端から、図13において破線楕円で描いたように放射され、距離が離れるにしたがって順次イオン密度が低くなり、イオン風でのイオン送出距離は50cmから1m程度と短いものであった。図13における破線楕円の区分は、イオン密度差を簡易的に表現したものである。
【0004】
従来の「車両用空気質成分供給装置」を開示する特許文献1には、マイナスイオン含有の芳香成分を空気砲により送り出すことが記載されており、また、特許文献2には、香料を送るための羽根を備えた香り発生部の構成、および、香り玉を送る空気砲を備えた香り発生装置の構成が開示されている。
【特許文献1】特開2006−282084号公報
【特許文献2】特開2004−159875号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の空気砲を用いるイオン発生装置においては、放電によるものではなく、放電電極と空気砲との組合せ構造が大きくなり、また極性の異なるイオンを交互に放出することが不可能であるという問題があった。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、空気砲を用いた簡単な構成で、イオン発生装置から発生するイオンを、低消費電力で広い範囲まで送出することができるとともに、広範な用途への適用を可能とするイオン放出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような課題を解決するための本発明のイオン発生装置は、イオン発生部と、イオン放出部と、イオン発生部にイオン発生用の高電圧を印加する高圧電源と、を備え、イオン放出部は、イオン発生部を囲むイオン放出筒と、イオン放出筒内の気圧を瞬間的に高めて、イオン放出筒に設けた開口部より、イオン発生部で発生したイオンを一気に放出する空気砲と、空気砲の駆動手段とを備える。
【0008】
本発明の実施形態においては、空気砲によるイオン放出とイオン風による放出とを併用した構成、空気砲によるひとつの空気渦に正イオンと負イオンの両方を含ませることが可能な制御部を有する構成、あるいは、空気砲によるひとつの空気渦に正イオンまたは負イオンのどちらかのみを含ませることが可能な制御部を有する構成を有する。また、本発明のイオン発生装置は、イオンの発生を、正負両イオン、正イオンのみ、負イオンのみのいずれかに制御するとともに、イオンの発生のタイミングを可変とする制御部を備えてもよい。さらには、本発明の好ましい実施形態においては、空気砲の駆動タイミングと発生させるイオンの種別を切り替えるタイミングとを連動させることを可能とする制御部を有する構成、空気砲のイオン放出方向を可変とする構成、空気砲の駆動と連動して放電電極の先端部分に付着する塵芥をこすり落として放電電極を清浄化する手段を有する構成、などが採用される。
【発明の効果】
【0009】
本発明においては、上述のように、イオン放出部は、イオン発生部を囲むイオン放出筒と、イオン放出筒内の気圧を瞬間的に高めて、イオン放出筒に設けた開口部より、イオン発生部で発生したイオンを一気に放出する空気砲とを備えるため、広範な用途において使い勝手の良好なイオン発生装置をコンパクトに構成可能である。また、送風ファンを使用したイオン発生装置より低消費電力化が可能であり、電池駆動によっても使用することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1のイオン発生装置について、図1〜図7により説明する。図1(A)は本発明の実施の形態1のイオン発生装置の平面図、図1(B)は同イオン発生装置の側面図、図1(C)は同イオン発生装置の底面図である。まず、イオン発生装置1は、ハウジング2に覆われており、このハウジング2に、空気砲3のイオン放出筒4の取り付け部5が設けられ、その中央部の放電空間部6の中央に正放電電極7および負放電電極8が設けられている。イオン発生装置1の底面側には電源を接続するコネクタ9が設けられている。
【0011】
次に、イオン発生装置1の内部の基本構成について、図2を用いて説明する。図2(A)は実施の形態1のイオン発生装置の制御部の側面図、同図(B)は同イオン発生装置の側面断面構造図、同図(C)はイオン放出部の拡大断面図、同図(D)は(B)におけるIID−IID線拡大断面図である。図2において、イオン発生装置1は、イオン発生部10と、イオン放出部11と、イオン発生部11にイオン発生用の高電圧を印加する高圧電源12とを備える。イオン放出部11は、イオン発生部10を囲むイオン放出筒4と、空気砲3と、空気砲3の駆動手段16とを備える。空気砲3は、イオン放出筒4内の気圧を瞬間的に高めて、イオン放出筒4に設けた開口部14より、イオン発生部10で発生したイオンを一気に放出する。
【0012】
本実施の形態におけるイオン発生装置1は、制御部17を備えており、この制御部17により、次のように制御される。空気砲3によるひとつの空気渦に、正イオンと負イオンの両方を含ませたり、空気砲3によるひとつの空気渦に正イオンまたは負イオンのどちらかのみを含ませたりすることができる。また、正負両イオン、正イオンのみ、あるいは負イオンのみという、発生するイオンの種類や、イオンの発生のタイミングを可変とすることができる。さらに、空気砲3の駆動タイミングと、発生させるイオンの種別を切り替えるタイミングとを連動させることができる。
【0013】
制御部17および高圧電源12には、コネクタ9により電源が接続されている。この電源は直接電源を接続する場合と電池から供給することが考えられる。制御部17はハウジング2の基板保持部2aに支持され、ハウジング2の内部からハウジング2を貫通して、放電電極(正放電電極7および負放電電極8)が突出している。制御部17は、イオン発生部10のイオン発生素子(図示せず)の駆動波形発生のための回路を備え、基板18上に昇圧コイル19、スイッチング素子20、電源を接続するためのコネクタ9、その他必要な電子部品21(一部のみ表示)を実装されて構成されている。
【0014】
昇圧コイル19はカバー19a内部に昇圧コイル19b(1次、2次)を収納して、電源を接続する端子19cにより基板18に接続されている(図2(D))。ハウシング2の空気砲保持部5は、イオン放出筒4を取り付けて固着し、正放電電極7および負放電電極8は、放電電極保持部2bでハウシング2を貫通して制御部17の基板18に接続されている。本実施の形態1では放電電極そのものが基板18に接続されているが、別部品の導電物で各放電電極7,8と制御部17が接続される構成としてもよい。ハウジング2の内部は、基板18の上面少し上の位置22まで充填樹脂23により充填されている。
【0015】
次に図2(C)により、イオン放出部11の詳細について説明する。空気砲3のイオン放出筒4内部には、空気を圧送するための仕切り板24がイオン放出筒4のほぼ断面全面を覆うように内接して配置され、スプリング25により支えられて、磁性体26を介してハウジング2に押しつけられている。正放電電極7および負放電電極8は仕切り板24に開けられた穴27で仕切り板24を貫通している。スプリング25はイオン放出筒4に設けられたスプリングガイド28と、仕切り板24に設けられたスプリングガイド29によりガイドされている。仕切り板24には磁性体26が固着されており、電磁コイル30の中央部に磁性体26が可動するように配置されている。電磁コイル30に制御部17から通電を行うことにより、電磁コイル30と磁性体26に反発力が働いて、磁性体26および仕切り板24が矢印X方向に押し出されて、スプリング25が圧縮される。電磁コイル30への通電により仕切り板24が砲筒4先端部の開口14に向けて押し出されることにより、イオン発生部10の空気が押し出されることが可能となる。
【0016】
次に図3により、本実施の形態1におけるイオン発生装置1のイオン発生部10およびイオン放出部11の部分断面図であり、図においてイオンは正放電電極7および負放電電極8からコロナ放電により、イオン発生部10に発生するものである。放電電極7,8は先端が先鋭にとがった針状の電極である。正放電電極7は高圧電源12の正高電圧回路に、負放電電極8は高圧電源12の負高電圧回路に接続されており、通常は正、負高電圧が交互に印加され、それぞれ、正、負両イオンが交互に放出されるよう制御部17によって制御される。両イオンは、それぞれ引き合いながらもイオン放出筒4に設けた開口部14から外部の空間に向かって放射される。この場合イオンがイオン放出筒4に設けた開口部14から到達する距離は50cmから1m程度である(破線楕円31で図視した部分)。正負高電圧出力はそれぞれ個別に制御部17によりコントロールされているので、正、または負高電圧出力をそれぞれ独立して制御できるので、正高電圧出力のみまたは、負高電圧出力のみを出力することが可能である。すなわち、制御部は必要に応じて、正、負イオンの放出を別々に制御できる構成となっている。
【0017】
次に、イオン発生を制御する制御部17について、図4により説明する。図4は本実施の形態1におけるイオン発生装置1の制御部17の構成ブロック図であり、まず電源入力部32から電源が供給され、駆動回路部33が動作する。駆動回路部33はイオン発生のON/OFFおよび高電圧発生のための発振回路部(図示せず)を含む。駆動回路部33からの発振信号を受けて高電圧発生回路部34(昇圧コイル19等で構成される。)で交流の高電圧を発生させる。高電圧は正高電圧制御部35と負高電圧制御部36とで正と負の電圧が選択されて、それぞれ正高電圧出力部37と負高電圧出力部38を経て放電電極に出力される。この高電圧制御部35,36により正、負それぞれの出力をON/OFFすることで、正イオンと負イオンの放出を制御することができる。
【0018】
次に図5を用いて、空気砲3によるイオン放出の状態を説明する。図において図5(A)から図5(D)は順次、時系列変化の状況を示している。まず、図5(A)はイオン発生開始初期の図であり、正放電電極7、負放電電極8から必要に応じて、正イオン、負イオンまたは両方のイオンを発生している。次に図5(B)では電磁コイル16が通電されて仕切り板24が押し出されイオン発生部10の空気を押し出す。すると、押し出された空気は空気砲3の開口14近傍で矢印Xの向きに回転気流が発生して、リング状の空気渦39がひとつできてその空気渦39がリング状を保って回転しながら飛んでいく。イオンはその空気渦39の中に閉じ込められたまま飛んでいくので、空気渦39が到達するところまでイオンが送られることになる。次に図5(C)では、電磁コイル16への通電がOFFとなり仕切り板24がスプリング25により押し戻される。この時点では最初の空気渦39は少し先に飛んでいる。次に図5(D)では、電磁コイル16に通電され図5(B)と同様にして次ぎの空気渦40がひとつ押し出されて飛び出す。以上のようにして、イオンを含む空気渦39,40等を連続的に飛ばすことができ、空気渦39,40等の到達距離は空気砲3の性能により決まってくるが、空気砲3により押し出す空気量とスピード、空気渦39,40等の大きさを適当に設定することで、数mの距離まで飛ばすことが可能となり、イオン風のみでイオンを放射する距離よりはイオンの到達距離をかなり伸ばすことができる。また、本実施の形態において、イオン風のみを使用する動作モードも選択可能に構成されていることは言うまでもない。
【0019】
次に本実施の形態における他の動作例について,図6を用いて説明する。図6(A)はイオンの(空気渦)発生状態を表す図であり、図6(B)は空気砲3の電磁コイル16の通電のタイムチャート図である。図6(A)において空間41では空気渦の発生密度は疎であり、空間42,43では密である。このように電磁コイル16の通電のタイミングを制御部で制御することにより必要に応じてイオン放射量を制御することができる。また、放出のタイミングを調整することによりイオンの密度を密から疎まで可変にすることができる。タイミングの調整は制御部17に配置するマイクロコンピュータ等(図示せず)を利用して正、負高電圧制御部35,36回路をコントロールすることにより行われ、タイミング可変とすることが可能となる。また、電磁コイル16の通電のタイミングに合わせて、制御部17により、正放電電極7、負放電電極8への正、または負高電圧出力をそれぞれ独立して制御することで、発生する空気渦内のイオンを正のみ、負のみ、または正負両方とすることができる。この場合例えば、正、負イオンを交互に放出することにより、空気渦39等の到達最終地点付近で正、負イオンが混合した状態にすることが可能であり、正、負イオンを混合して放出する場合よりも効率よくイオンを飛ばすことができる。もし正、負イオンを混合して放出した場合、空気渦39等のなかで正、負イオンが中和する減少現象が発生してイオン数が減少してしまう。イオンを照射する距離が遠い場合はこの様に正、負イオンを独立して放射したほうがイオン数の減少が抑えられて効率がよくなる。なお、距離が近い場合は正、負イオンを混合して放射してもそれほど中和による現象は影響が少ない。
【0020】
次に本実施の形態におけるさらに他の動作例について、図7を用いて説明する。図7(A)はイオンの(空気渦)発生状態を時系列に表示した図であり、(B)は空気砲3による空気渦の発射タイミング図でONが空気渦を発射した瞬間で、OFFは休止期間である。図7(C)は制御部17の高電圧制御部35,36による正、負電圧の切り替えタイミング図である。上が正イオン、下が負イオンに切り変わった状態を示す。図7に示すように、正、負電圧を所定のタイミングで切り替えることで、正イオンと負イオンを交互に空気渦に乗せて放出することが可能となる。放出された空位気渦39等は対象物に衝突するかまたは、空気渦39等の到達最終点(渦が消滅する地点)になれば減速して後から来た空気渦同士が順次ぶつかって正、負イオンが混合した状態となる。
【0021】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2のイオン発生装置について、図8により説明する。なお、実施の形態1と同じ構成要素については、同一番号を付し説明を略する。図8(A),(B)は、本実施の形態のイオン発生装置41のイオン発生部11およびイオン放出部42の部分断面図であり、本実施の形態のイオン発生装置41では、イオン放出筒4の先端部に、別部品の可動吹き出し口43が回動自在に取り付けられている。このように可動吹き出し口42を設けることにより前後左右に空気砲3での空気渦発射方向を可変できる。図8(A)は可動吹き出し口43が真直ぐの状態で、図8(B)は右に約20度傾けた状態(矢印Yのように回動させた状態)を示す。この様な構成にすることにより、空気砲3でのイオン放射を目的の方向に自由に向けることができるため、特定の場所でイオン濃度を高めることが可能になるためイオン放射の効率とイオンの除菌、消臭等の効果を上げることができる。
【0022】
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3のイオン発生装置について、図9により説明する。なお、実施の形態1と同じ構成要素については、同一番号を付し説明を略する。図9(A),(B)は、本実施の形態のイオン発生装置44のイオン発生部10およびイオン放出部45の部分断面図であり、図9(C)は本実施の形態の放電電極を清浄化する手段46は本実施の形態のイオン発生装置44では、空気砲3の駆動と連動して放電電極7,8の先端部分に付着する塵芥をこすり落として放電電極を清浄化する手段46を有する。放電電極7,8の先端は高電圧をかけるために、どうしても集塵作用が発生して空気中のホコリを吸着する。ホコリを吸着して集積すると放電電極7,8先端の電界が低くなり、イオン発生量が減少する。そのため定期的に放電電極7,8先端の清掃を行なうことが必要であった。塵芥をこすり落として放電電極を清浄化する手段46は、具体的には、図9(C)に示すようにベース47に設けた貫通口48の内部にブラシ49を設け、このベース47を仕切り板24に固着して構成されている。ブラシ49は正放電電極7、および負放電電極8が貫通できるように柔軟なブラシ49で、貫通口48の内面円周上から中央部に向かって伸びている。また、ブラシ49の構造については,正放電電極7および負放電電極8の先端部を擦ること,若しくは極めて近傍を通過することが出来る構造であればよい。したがって、上記の実施形態のほか、柔軟性を有する格子状の構造体として、目の細かい布地やエアフィルタ、不織布などのメッシュ構造であってもよく、特に形状が特定されなければならないことはない。
【0023】
塵芥をこすり落として放電電極を清浄化する手段46の動作としてはまず、図9の(A)で電磁コイル30に通電がされていない場合、仕切り板24がスプリング25により押されているために、正放電電極7、および負放電電極8は塵芥をこすり落として放電電極を清浄化する手段46のベース47のブラシ49を貫通した状態となっている。ブラシ49は柔軟なため正放電電極7、および負放電電極8に押しつけられた状態である。次に図9(B)では、電磁コイル30に通電されて空気渦を押し出す。このとき仕切り板24が正放電電極7および負放電電極8の先端部まで突出し、ブラシ49で正放電電極7および負放電電極8の先端を覆う形となる。次にさらに電磁コイル30の通電をOFFにすると、仕切り板24がスプリング25により押されて戻るが、その時にブラシ49が正放電電極7および負放電電極8の先端をなぞるように動いて、正放電電極7および負放電電極8の先端部に付着した塵芥がこすり落とされる。このように、空気砲3を動作させることにより、正放電電極7および負放電電極8の先端の清浄化を同時に行なうことが可能となり、常に最良の放電状態を維持することが可能となる。
【0024】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4のイオン発生装置について、図10により説明する。なお、実施の形態1と同じ構成要素については、同一番号を付し説明を略する。図10は本発明の実施の形態4のイオン発生装置の部分断面図である。本実施の形態のイオン発生装置50は、正イオンを発生する放電電極部51と、負イオンを発生する放電電極部52とをそれぞれ独立した空気砲装置53で独立して駆動可能にした構成を有するものである。この場合正イオンを発生する放電電極部51の正放電電極54と、負イオンを発生する放電電極部52の負放電電極55は独立しており、正、負放電電極54,55の間の距離をとることで、両放電電極54,55が接近している場合に発生する放電電極付近における正イオンと負イオンの中和によるイオン数の減少を防止することができる。図10ではふたつの空気砲56のイオン放出筒57をハウジング584で一体に構成しているが、正、負放電電極54,55の距離をもっと離す場合はそれぞれ独立したハウジングとすることもできる。
【0025】
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5のイオン発生装置について、図11により説明する。なお、実施の形態4と同じ構成要素については、同一番号を付し説明を略する。実施の形態5のイオン発生装置60は、図11に示すように、正イオンを発生する放電電極部51と、負イオンを発生する放電電極部52とをそれぞれ独立した空気砲装置53で独立して駆動可能にしている。さらに、イオン発生装置60においては、正負放電電極54,55の先端の向きを延長したとき、空気砲56によるイオンの到達限界内で交差するように、正負放電電極54,55の向きを平行より内向きに傾けて、ハウジング61により支持している。
【0026】
このように、正放電電極54と負放電電極55を独立させて、両放電電極54,55の間の距離をとることにより、正負放電電極54,55が接近している場合に発生する放電電極付近における正イオンと負イオンの中和によるイオン数の減少を防止することができる。また、空気砲56による空気渦の到達点以内で交差するように少し角度をつけて設けることにより、空気渦の到達点付近において正イオンと負イオンが混在する空間を作ることができる。この正イオンと負イオンが混在する空間において、正イオンおよび負イオンは、それぞれ、H+(H2O)mおよびO2−(H2O)nである(m,nは任意の自然数)。これらの正イオンおよび負イオンが空気中に同時に放出されると、互いの間で化学反応が生じ、活性種である過酸化水素(H2O2)またはヒドロキシラジカル(・OH)が生成される。過酸化水素(H2O2)またはヒドロキシラジカル(・OH)は、極めて強力な活性を示すものであるため、空気中に存在する浮遊菌およびウイルスを死滅させることができる。
【0027】
図10お呼および図11の実施の形態4,5において空気砲56によるイオン放出を一定感覚間隔で行なうことによりで、空気砲56によるイオン放射が停止中にはイオン風によるイオン放射で放電電極54,55から近傍にイオン放出を行ない、又、少しはなれたところは空気砲56によるイオン放射を行なうことができ、イオン風によるイオン放射と、空気砲56によるイオン放射との両方の特性を生かし、イオン発生装置の近傍から離れた地点まで効果的にイオン放出が可能となる。
【0028】
(実施の形態6)
次に、本発明の実施の形態6のイオン発生装置について、図12により説明する。図12は本発明の実施の形態6のイオン発生装置62の斜視図である。本発明の実施の形態1から5においてはイオン発生素子の形式は針状放電電極を備えたものであったが、本発明では、イオン発生素子の形式にはこだわらないものであり、その一例を図12に示す。本発明の実施の形態6のイオン発生装置の場合のイオン発生素子62は、プレート型イオン発生素子であり、電極としてセラミック板の両面に焼付け成形したイオン発生電極63を使用している。一方の電極は外面に形成され、他の電極はセラミックの下面に形成されているため表からは見えない。この場合、空気砲64は、セラミックのイオン発生電極63の上面に発生したイオンを表面に沿った方向にイオン放出筒65により適時放出する働きをする。空気砲64の構造については実施の形態1から3において説明したものと同等のものであるため説明を省略する。
【0029】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0030】
以上のとおり、従来のイオン発生装置には送風装置が搭載される必要があったが、主たるイオン発生素子に比べて、送風装置は大きな消費電力を必要とすることがイオン発生装置全体の小型化、携帯性を阻害していた。それに対して、本発明の各実施の形態によれば、送風装置に代えて空気砲を応用することにより、限られたスペースに設置可能で、効率がよく、小さなエネルギーでイオンを遠くまで飛ばすことが可能となる。したがって、大きな実用性を有することから、空気清浄装置等の分野で広く利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】(A)は本発明の実施の形態1におけるイオン発生装置の平面図、(B)は同イオン発生装置の側面図、(C)は同イオン発生装置の底面図である。
【図2】(A)は同実施の形態1のイオン発生装置の制御部の側面図、(B)は同イオン発生装置の側面断面構造図、(C)はイオン放出部の拡大断面図、(D)は図2(B)におけるIID−IID線拡大断面図である。
【図3】同実施の形態1におけるイオン発生装置のイオン発生部およびイオン放出部の部分断面図である。
【図4】同実施の形態1におけるイオン発生装置の制御部の構成ブロック図である。
【図5】(A),(B),(C),(D)は、同実施の形態1におけるイオン発生装置のイオン発生部およびイオン放出部の部分断面図であり、それぞれ時系列的に異なる状態を示す図である。
【図6】(A)は同実施の形態1におけるイオン発生装置のイオンの(空気渦)発生状態を表す図、(B)は空気砲の電磁コイルの通電タイムチャート図である。
【図7】(A)は同実施の形態1におけるイオン発生装置のイオンの(空気渦)発生状態を時系列に表示した図、(B)は同実施の形態1におけるイオン発生装置の空気砲による空気渦の発射タイミング図、(C)は同実施の形態1におけるイオン発生装置の制御部の高電圧制御部による正、負電圧の切り替えタイミング図である。
【図8】(A),(B)は本発明の実施の形態2におけるイオン発生装置のイオン発生部およびイオン放出部の部分断面図である。
【図9】(A)は本発明の実施の形態3のイオン放出装置のイオン発生部およびイオン放出部の部分断面図、(B)は同実施の形態3のイオン放出装置のイオン発生部およびイオン放出部の別の状態を示す部分断面図、(C)は同実施の形態3のイオン放出装置の放電電極を清浄化する手段の拡大図である。
【図10】本発明の実施の形態4のイオン発生装置の部分断面図である。
【図11】本発明の実施の形態5のイオン発生装置の部分断面図である。
【図12】本発明の実施の形態6のイオン発生装置の斜視図である。
【図13】従来技術のイオン発生装置の断面図である。
【符号の説明】
【0032】
1,41,44,50,60,62 イオン発生装置、2,58,61 ハウジング、3,56,64 空気砲、4,57,65 イオン放出筒、7,54 正放電電極、8,55 負放電電極、10 イオン発生部、11 イオン放出部、12 高圧電源、16 駆動手段、17 制御部、39,40 空気渦、43 可動吹き出し口、46 放電電極を清浄化する手段、49 ブラシ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧交流の駆動電圧の印加に応じて略同量の正イオンおよび/または負イオンを発生させるイオン発生素子を用いるイオン放出装置に関し、特に、イオン放出用として空気砲を用いたイオン放出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
イオン発生装置は、対向配置された放電電極と誘導電極とを有し、これらの電極間に高圧交流の駆動電圧を印加することによりプラズマ放電を行なわせるイオン発生素子を備えている。そしてイオン発生素子により発生したイオンを空間に送出する手段として、送風装置を用い、この送風装置の気流によりイオンを送出するものであった。この場合、送風装置の消費電力はイオン発生装置に比べると大幅に大きく、例えば電池駆動の機器に組み込むような場合には、電池の消耗が早くなるという問題があった。このような問題に対処するものとして、従来より、イオン送出にいわゆるイオン風を利用してイオンを送出するイオン発生装置が考案されている。しかしながら、このようなイオン風でのイオン送出距離は50cmから1m程度で有り、限られた空間の範囲でのみ使用できるものであった。
【0003】
次に、従来のイオン発生装置の一例について、図13を用いて説明する。図13に示す従来のイオン発生装置100は、ケース101で覆われており、内部にベース基板102が設けられ、このベース基板102に一体に、制御回路103、正放電電極104、および負放電電極105が設けられている。各放電電極104,105はケース101を貫通しており、先端から空間に向かってイオンを放出する。イオンは放電電極104,105の先端から、図13において破線楕円で描いたように放射され、距離が離れるにしたがって順次イオン密度が低くなり、イオン風でのイオン送出距離は50cmから1m程度と短いものであった。図13における破線楕円の区分は、イオン密度差を簡易的に表現したものである。
【0004】
従来の「車両用空気質成分供給装置」を開示する特許文献1には、マイナスイオン含有の芳香成分を空気砲により送り出すことが記載されており、また、特許文献2には、香料を送るための羽根を備えた香り発生部の構成、および、香り玉を送る空気砲を備えた香り発生装置の構成が開示されている。
【特許文献1】特開2006−282084号公報
【特許文献2】特開2004−159875号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の空気砲を用いるイオン発生装置においては、放電によるものではなく、放電電極と空気砲との組合せ構造が大きくなり、また極性の異なるイオンを交互に放出することが不可能であるという問題があった。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、空気砲を用いた簡単な構成で、イオン発生装置から発生するイオンを、低消費電力で広い範囲まで送出することができるとともに、広範な用途への適用を可能とするイオン放出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような課題を解決するための本発明のイオン発生装置は、イオン発生部と、イオン放出部と、イオン発生部にイオン発生用の高電圧を印加する高圧電源と、を備え、イオン放出部は、イオン発生部を囲むイオン放出筒と、イオン放出筒内の気圧を瞬間的に高めて、イオン放出筒に設けた開口部より、イオン発生部で発生したイオンを一気に放出する空気砲と、空気砲の駆動手段とを備える。
【0008】
本発明の実施形態においては、空気砲によるイオン放出とイオン風による放出とを併用した構成、空気砲によるひとつの空気渦に正イオンと負イオンの両方を含ませることが可能な制御部を有する構成、あるいは、空気砲によるひとつの空気渦に正イオンまたは負イオンのどちらかのみを含ませることが可能な制御部を有する構成を有する。また、本発明のイオン発生装置は、イオンの発生を、正負両イオン、正イオンのみ、負イオンのみのいずれかに制御するとともに、イオンの発生のタイミングを可変とする制御部を備えてもよい。さらには、本発明の好ましい実施形態においては、空気砲の駆動タイミングと発生させるイオンの種別を切り替えるタイミングとを連動させることを可能とする制御部を有する構成、空気砲のイオン放出方向を可変とする構成、空気砲の駆動と連動して放電電極の先端部分に付着する塵芥をこすり落として放電電極を清浄化する手段を有する構成、などが採用される。
【発明の効果】
【0009】
本発明においては、上述のように、イオン放出部は、イオン発生部を囲むイオン放出筒と、イオン放出筒内の気圧を瞬間的に高めて、イオン放出筒に設けた開口部より、イオン発生部で発生したイオンを一気に放出する空気砲とを備えるため、広範な用途において使い勝手の良好なイオン発生装置をコンパクトに構成可能である。また、送風ファンを使用したイオン発生装置より低消費電力化が可能であり、電池駆動によっても使用することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1のイオン発生装置について、図1〜図7により説明する。図1(A)は本発明の実施の形態1のイオン発生装置の平面図、図1(B)は同イオン発生装置の側面図、図1(C)は同イオン発生装置の底面図である。まず、イオン発生装置1は、ハウジング2に覆われており、このハウジング2に、空気砲3のイオン放出筒4の取り付け部5が設けられ、その中央部の放電空間部6の中央に正放電電極7および負放電電極8が設けられている。イオン発生装置1の底面側には電源を接続するコネクタ9が設けられている。
【0011】
次に、イオン発生装置1の内部の基本構成について、図2を用いて説明する。図2(A)は実施の形態1のイオン発生装置の制御部の側面図、同図(B)は同イオン発生装置の側面断面構造図、同図(C)はイオン放出部の拡大断面図、同図(D)は(B)におけるIID−IID線拡大断面図である。図2において、イオン発生装置1は、イオン発生部10と、イオン放出部11と、イオン発生部11にイオン発生用の高電圧を印加する高圧電源12とを備える。イオン放出部11は、イオン発生部10を囲むイオン放出筒4と、空気砲3と、空気砲3の駆動手段16とを備える。空気砲3は、イオン放出筒4内の気圧を瞬間的に高めて、イオン放出筒4に設けた開口部14より、イオン発生部10で発生したイオンを一気に放出する。
【0012】
本実施の形態におけるイオン発生装置1は、制御部17を備えており、この制御部17により、次のように制御される。空気砲3によるひとつの空気渦に、正イオンと負イオンの両方を含ませたり、空気砲3によるひとつの空気渦に正イオンまたは負イオンのどちらかのみを含ませたりすることができる。また、正負両イオン、正イオンのみ、あるいは負イオンのみという、発生するイオンの種類や、イオンの発生のタイミングを可変とすることができる。さらに、空気砲3の駆動タイミングと、発生させるイオンの種別を切り替えるタイミングとを連動させることができる。
【0013】
制御部17および高圧電源12には、コネクタ9により電源が接続されている。この電源は直接電源を接続する場合と電池から供給することが考えられる。制御部17はハウジング2の基板保持部2aに支持され、ハウジング2の内部からハウジング2を貫通して、放電電極(正放電電極7および負放電電極8)が突出している。制御部17は、イオン発生部10のイオン発生素子(図示せず)の駆動波形発生のための回路を備え、基板18上に昇圧コイル19、スイッチング素子20、電源を接続するためのコネクタ9、その他必要な電子部品21(一部のみ表示)を実装されて構成されている。
【0014】
昇圧コイル19はカバー19a内部に昇圧コイル19b(1次、2次)を収納して、電源を接続する端子19cにより基板18に接続されている(図2(D))。ハウシング2の空気砲保持部5は、イオン放出筒4を取り付けて固着し、正放電電極7および負放電電極8は、放電電極保持部2bでハウシング2を貫通して制御部17の基板18に接続されている。本実施の形態1では放電電極そのものが基板18に接続されているが、別部品の導電物で各放電電極7,8と制御部17が接続される構成としてもよい。ハウジング2の内部は、基板18の上面少し上の位置22まで充填樹脂23により充填されている。
【0015】
次に図2(C)により、イオン放出部11の詳細について説明する。空気砲3のイオン放出筒4内部には、空気を圧送するための仕切り板24がイオン放出筒4のほぼ断面全面を覆うように内接して配置され、スプリング25により支えられて、磁性体26を介してハウジング2に押しつけられている。正放電電極7および負放電電極8は仕切り板24に開けられた穴27で仕切り板24を貫通している。スプリング25はイオン放出筒4に設けられたスプリングガイド28と、仕切り板24に設けられたスプリングガイド29によりガイドされている。仕切り板24には磁性体26が固着されており、電磁コイル30の中央部に磁性体26が可動するように配置されている。電磁コイル30に制御部17から通電を行うことにより、電磁コイル30と磁性体26に反発力が働いて、磁性体26および仕切り板24が矢印X方向に押し出されて、スプリング25が圧縮される。電磁コイル30への通電により仕切り板24が砲筒4先端部の開口14に向けて押し出されることにより、イオン発生部10の空気が押し出されることが可能となる。
【0016】
次に図3により、本実施の形態1におけるイオン発生装置1のイオン発生部10およびイオン放出部11の部分断面図であり、図においてイオンは正放電電極7および負放電電極8からコロナ放電により、イオン発生部10に発生するものである。放電電極7,8は先端が先鋭にとがった針状の電極である。正放電電極7は高圧電源12の正高電圧回路に、負放電電極8は高圧電源12の負高電圧回路に接続されており、通常は正、負高電圧が交互に印加され、それぞれ、正、負両イオンが交互に放出されるよう制御部17によって制御される。両イオンは、それぞれ引き合いながらもイオン放出筒4に設けた開口部14から外部の空間に向かって放射される。この場合イオンがイオン放出筒4に設けた開口部14から到達する距離は50cmから1m程度である(破線楕円31で図視した部分)。正負高電圧出力はそれぞれ個別に制御部17によりコントロールされているので、正、または負高電圧出力をそれぞれ独立して制御できるので、正高電圧出力のみまたは、負高電圧出力のみを出力することが可能である。すなわち、制御部は必要に応じて、正、負イオンの放出を別々に制御できる構成となっている。
【0017】
次に、イオン発生を制御する制御部17について、図4により説明する。図4は本実施の形態1におけるイオン発生装置1の制御部17の構成ブロック図であり、まず電源入力部32から電源が供給され、駆動回路部33が動作する。駆動回路部33はイオン発生のON/OFFおよび高電圧発生のための発振回路部(図示せず)を含む。駆動回路部33からの発振信号を受けて高電圧発生回路部34(昇圧コイル19等で構成される。)で交流の高電圧を発生させる。高電圧は正高電圧制御部35と負高電圧制御部36とで正と負の電圧が選択されて、それぞれ正高電圧出力部37と負高電圧出力部38を経て放電電極に出力される。この高電圧制御部35,36により正、負それぞれの出力をON/OFFすることで、正イオンと負イオンの放出を制御することができる。
【0018】
次に図5を用いて、空気砲3によるイオン放出の状態を説明する。図において図5(A)から図5(D)は順次、時系列変化の状況を示している。まず、図5(A)はイオン発生開始初期の図であり、正放電電極7、負放電電極8から必要に応じて、正イオン、負イオンまたは両方のイオンを発生している。次に図5(B)では電磁コイル16が通電されて仕切り板24が押し出されイオン発生部10の空気を押し出す。すると、押し出された空気は空気砲3の開口14近傍で矢印Xの向きに回転気流が発生して、リング状の空気渦39がひとつできてその空気渦39がリング状を保って回転しながら飛んでいく。イオンはその空気渦39の中に閉じ込められたまま飛んでいくので、空気渦39が到達するところまでイオンが送られることになる。次に図5(C)では、電磁コイル16への通電がOFFとなり仕切り板24がスプリング25により押し戻される。この時点では最初の空気渦39は少し先に飛んでいる。次に図5(D)では、電磁コイル16に通電され図5(B)と同様にして次ぎの空気渦40がひとつ押し出されて飛び出す。以上のようにして、イオンを含む空気渦39,40等を連続的に飛ばすことができ、空気渦39,40等の到達距離は空気砲3の性能により決まってくるが、空気砲3により押し出す空気量とスピード、空気渦39,40等の大きさを適当に設定することで、数mの距離まで飛ばすことが可能となり、イオン風のみでイオンを放射する距離よりはイオンの到達距離をかなり伸ばすことができる。また、本実施の形態において、イオン風のみを使用する動作モードも選択可能に構成されていることは言うまでもない。
【0019】
次に本実施の形態における他の動作例について,図6を用いて説明する。図6(A)はイオンの(空気渦)発生状態を表す図であり、図6(B)は空気砲3の電磁コイル16の通電のタイムチャート図である。図6(A)において空間41では空気渦の発生密度は疎であり、空間42,43では密である。このように電磁コイル16の通電のタイミングを制御部で制御することにより必要に応じてイオン放射量を制御することができる。また、放出のタイミングを調整することによりイオンの密度を密から疎まで可変にすることができる。タイミングの調整は制御部17に配置するマイクロコンピュータ等(図示せず)を利用して正、負高電圧制御部35,36回路をコントロールすることにより行われ、タイミング可変とすることが可能となる。また、電磁コイル16の通電のタイミングに合わせて、制御部17により、正放電電極7、負放電電極8への正、または負高電圧出力をそれぞれ独立して制御することで、発生する空気渦内のイオンを正のみ、負のみ、または正負両方とすることができる。この場合例えば、正、負イオンを交互に放出することにより、空気渦39等の到達最終地点付近で正、負イオンが混合した状態にすることが可能であり、正、負イオンを混合して放出する場合よりも効率よくイオンを飛ばすことができる。もし正、負イオンを混合して放出した場合、空気渦39等のなかで正、負イオンが中和する減少現象が発生してイオン数が減少してしまう。イオンを照射する距離が遠い場合はこの様に正、負イオンを独立して放射したほうがイオン数の減少が抑えられて効率がよくなる。なお、距離が近い場合は正、負イオンを混合して放射してもそれほど中和による現象は影響が少ない。
【0020】
次に本実施の形態におけるさらに他の動作例について、図7を用いて説明する。図7(A)はイオンの(空気渦)発生状態を時系列に表示した図であり、(B)は空気砲3による空気渦の発射タイミング図でONが空気渦を発射した瞬間で、OFFは休止期間である。図7(C)は制御部17の高電圧制御部35,36による正、負電圧の切り替えタイミング図である。上が正イオン、下が負イオンに切り変わった状態を示す。図7に示すように、正、負電圧を所定のタイミングで切り替えることで、正イオンと負イオンを交互に空気渦に乗せて放出することが可能となる。放出された空位気渦39等は対象物に衝突するかまたは、空気渦39等の到達最終点(渦が消滅する地点)になれば減速して後から来た空気渦同士が順次ぶつかって正、負イオンが混合した状態となる。
【0021】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2のイオン発生装置について、図8により説明する。なお、実施の形態1と同じ構成要素については、同一番号を付し説明を略する。図8(A),(B)は、本実施の形態のイオン発生装置41のイオン発生部11およびイオン放出部42の部分断面図であり、本実施の形態のイオン発生装置41では、イオン放出筒4の先端部に、別部品の可動吹き出し口43が回動自在に取り付けられている。このように可動吹き出し口42を設けることにより前後左右に空気砲3での空気渦発射方向を可変できる。図8(A)は可動吹き出し口43が真直ぐの状態で、図8(B)は右に約20度傾けた状態(矢印Yのように回動させた状態)を示す。この様な構成にすることにより、空気砲3でのイオン放射を目的の方向に自由に向けることができるため、特定の場所でイオン濃度を高めることが可能になるためイオン放射の効率とイオンの除菌、消臭等の効果を上げることができる。
【0022】
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3のイオン発生装置について、図9により説明する。なお、実施の形態1と同じ構成要素については、同一番号を付し説明を略する。図9(A),(B)は、本実施の形態のイオン発生装置44のイオン発生部10およびイオン放出部45の部分断面図であり、図9(C)は本実施の形態の放電電極を清浄化する手段46は本実施の形態のイオン発生装置44では、空気砲3の駆動と連動して放電電極7,8の先端部分に付着する塵芥をこすり落として放電電極を清浄化する手段46を有する。放電電極7,8の先端は高電圧をかけるために、どうしても集塵作用が発生して空気中のホコリを吸着する。ホコリを吸着して集積すると放電電極7,8先端の電界が低くなり、イオン発生量が減少する。そのため定期的に放電電極7,8先端の清掃を行なうことが必要であった。塵芥をこすり落として放電電極を清浄化する手段46は、具体的には、図9(C)に示すようにベース47に設けた貫通口48の内部にブラシ49を設け、このベース47を仕切り板24に固着して構成されている。ブラシ49は正放電電極7、および負放電電極8が貫通できるように柔軟なブラシ49で、貫通口48の内面円周上から中央部に向かって伸びている。また、ブラシ49の構造については,正放電電極7および負放電電極8の先端部を擦ること,若しくは極めて近傍を通過することが出来る構造であればよい。したがって、上記の実施形態のほか、柔軟性を有する格子状の構造体として、目の細かい布地やエアフィルタ、不織布などのメッシュ構造であってもよく、特に形状が特定されなければならないことはない。
【0023】
塵芥をこすり落として放電電極を清浄化する手段46の動作としてはまず、図9の(A)で電磁コイル30に通電がされていない場合、仕切り板24がスプリング25により押されているために、正放電電極7、および負放電電極8は塵芥をこすり落として放電電極を清浄化する手段46のベース47のブラシ49を貫通した状態となっている。ブラシ49は柔軟なため正放電電極7、および負放電電極8に押しつけられた状態である。次に図9(B)では、電磁コイル30に通電されて空気渦を押し出す。このとき仕切り板24が正放電電極7および負放電電極8の先端部まで突出し、ブラシ49で正放電電極7および負放電電極8の先端を覆う形となる。次にさらに電磁コイル30の通電をOFFにすると、仕切り板24がスプリング25により押されて戻るが、その時にブラシ49が正放電電極7および負放電電極8の先端をなぞるように動いて、正放電電極7および負放電電極8の先端部に付着した塵芥がこすり落とされる。このように、空気砲3を動作させることにより、正放電電極7および負放電電極8の先端の清浄化を同時に行なうことが可能となり、常に最良の放電状態を維持することが可能となる。
【0024】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4のイオン発生装置について、図10により説明する。なお、実施の形態1と同じ構成要素については、同一番号を付し説明を略する。図10は本発明の実施の形態4のイオン発生装置の部分断面図である。本実施の形態のイオン発生装置50は、正イオンを発生する放電電極部51と、負イオンを発生する放電電極部52とをそれぞれ独立した空気砲装置53で独立して駆動可能にした構成を有するものである。この場合正イオンを発生する放電電極部51の正放電電極54と、負イオンを発生する放電電極部52の負放電電極55は独立しており、正、負放電電極54,55の間の距離をとることで、両放電電極54,55が接近している場合に発生する放電電極付近における正イオンと負イオンの中和によるイオン数の減少を防止することができる。図10ではふたつの空気砲56のイオン放出筒57をハウジング584で一体に構成しているが、正、負放電電極54,55の距離をもっと離す場合はそれぞれ独立したハウジングとすることもできる。
【0025】
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5のイオン発生装置について、図11により説明する。なお、実施の形態4と同じ構成要素については、同一番号を付し説明を略する。実施の形態5のイオン発生装置60は、図11に示すように、正イオンを発生する放電電極部51と、負イオンを発生する放電電極部52とをそれぞれ独立した空気砲装置53で独立して駆動可能にしている。さらに、イオン発生装置60においては、正負放電電極54,55の先端の向きを延長したとき、空気砲56によるイオンの到達限界内で交差するように、正負放電電極54,55の向きを平行より内向きに傾けて、ハウジング61により支持している。
【0026】
このように、正放電電極54と負放電電極55を独立させて、両放電電極54,55の間の距離をとることにより、正負放電電極54,55が接近している場合に発生する放電電極付近における正イオンと負イオンの中和によるイオン数の減少を防止することができる。また、空気砲56による空気渦の到達点以内で交差するように少し角度をつけて設けることにより、空気渦の到達点付近において正イオンと負イオンが混在する空間を作ることができる。この正イオンと負イオンが混在する空間において、正イオンおよび負イオンは、それぞれ、H+(H2O)mおよびO2−(H2O)nである(m,nは任意の自然数)。これらの正イオンおよび負イオンが空気中に同時に放出されると、互いの間で化学反応が生じ、活性種である過酸化水素(H2O2)またはヒドロキシラジカル(・OH)が生成される。過酸化水素(H2O2)またはヒドロキシラジカル(・OH)は、極めて強力な活性を示すものであるため、空気中に存在する浮遊菌およびウイルスを死滅させることができる。
【0027】
図10お呼および図11の実施の形態4,5において空気砲56によるイオン放出を一定感覚間隔で行なうことによりで、空気砲56によるイオン放射が停止中にはイオン風によるイオン放射で放電電極54,55から近傍にイオン放出を行ない、又、少しはなれたところは空気砲56によるイオン放射を行なうことができ、イオン風によるイオン放射と、空気砲56によるイオン放射との両方の特性を生かし、イオン発生装置の近傍から離れた地点まで効果的にイオン放出が可能となる。
【0028】
(実施の形態6)
次に、本発明の実施の形態6のイオン発生装置について、図12により説明する。図12は本発明の実施の形態6のイオン発生装置62の斜視図である。本発明の実施の形態1から5においてはイオン発生素子の形式は針状放電電極を備えたものであったが、本発明では、イオン発生素子の形式にはこだわらないものであり、その一例を図12に示す。本発明の実施の形態6のイオン発生装置の場合のイオン発生素子62は、プレート型イオン発生素子であり、電極としてセラミック板の両面に焼付け成形したイオン発生電極63を使用している。一方の電極は外面に形成され、他の電極はセラミックの下面に形成されているため表からは見えない。この場合、空気砲64は、セラミックのイオン発生電極63の上面に発生したイオンを表面に沿った方向にイオン放出筒65により適時放出する働きをする。空気砲64の構造については実施の形態1から3において説明したものと同等のものであるため説明を省略する。
【0029】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0030】
以上のとおり、従来のイオン発生装置には送風装置が搭載される必要があったが、主たるイオン発生素子に比べて、送風装置は大きな消費電力を必要とすることがイオン発生装置全体の小型化、携帯性を阻害していた。それに対して、本発明の各実施の形態によれば、送風装置に代えて空気砲を応用することにより、限られたスペースに設置可能で、効率がよく、小さなエネルギーでイオンを遠くまで飛ばすことが可能となる。したがって、大きな実用性を有することから、空気清浄装置等の分野で広く利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】(A)は本発明の実施の形態1におけるイオン発生装置の平面図、(B)は同イオン発生装置の側面図、(C)は同イオン発生装置の底面図である。
【図2】(A)は同実施の形態1のイオン発生装置の制御部の側面図、(B)は同イオン発生装置の側面断面構造図、(C)はイオン放出部の拡大断面図、(D)は図2(B)におけるIID−IID線拡大断面図である。
【図3】同実施の形態1におけるイオン発生装置のイオン発生部およびイオン放出部の部分断面図である。
【図4】同実施の形態1におけるイオン発生装置の制御部の構成ブロック図である。
【図5】(A),(B),(C),(D)は、同実施の形態1におけるイオン発生装置のイオン発生部およびイオン放出部の部分断面図であり、それぞれ時系列的に異なる状態を示す図である。
【図6】(A)は同実施の形態1におけるイオン発生装置のイオンの(空気渦)発生状態を表す図、(B)は空気砲の電磁コイルの通電タイムチャート図である。
【図7】(A)は同実施の形態1におけるイオン発生装置のイオンの(空気渦)発生状態を時系列に表示した図、(B)は同実施の形態1におけるイオン発生装置の空気砲による空気渦の発射タイミング図、(C)は同実施の形態1におけるイオン発生装置の制御部の高電圧制御部による正、負電圧の切り替えタイミング図である。
【図8】(A),(B)は本発明の実施の形態2におけるイオン発生装置のイオン発生部およびイオン放出部の部分断面図である。
【図9】(A)は本発明の実施の形態3のイオン放出装置のイオン発生部およびイオン放出部の部分断面図、(B)は同実施の形態3のイオン放出装置のイオン発生部およびイオン放出部の別の状態を示す部分断面図、(C)は同実施の形態3のイオン放出装置の放電電極を清浄化する手段の拡大図である。
【図10】本発明の実施の形態4のイオン発生装置の部分断面図である。
【図11】本発明の実施の形態5のイオン発生装置の部分断面図である。
【図12】本発明の実施の形態6のイオン発生装置の斜視図である。
【図13】従来技術のイオン発生装置の断面図である。
【符号の説明】
【0032】
1,41,44,50,60,62 イオン発生装置、2,58,61 ハウジング、3,56,64 空気砲、4,57,65 イオン放出筒、7,54 正放電電極、8,55 負放電電極、10 イオン発生部、11 イオン放出部、12 高圧電源、16 駆動手段、17 制御部、39,40 空気渦、43 可動吹き出し口、46 放電電極を清浄化する手段、49 ブラシ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオン発生部と、
イオン放出部と、
前記イオン発生部にイオン発生用の高電圧を印加する高圧電源と、
を備え、
前記イオン放出部は、
前記イオン発生部を囲むイオン放出筒と、
前記イオン放出筒内の気圧を瞬間的に高めて、前記イオン放出筒に設けた開口部より、前記イオン発生部で発生したイオンを一気に放出する空気砲と、
前記空気砲の駆動手段とを有する、イオン放出装置。
【請求項2】
前記空気砲によるイオン放出とイオン風による放出とを併用可能に構成した、請求項1に記載のイオン放出装置。
【請求項3】
前記空気砲によるひとつの空気渦に正イオンと負イオンの両方を含ませることが可能な制御部を有する、請求項1に記載のイオン放出装置。
【請求項4】
前記空気砲によるひとつの空気渦に正イオンまたは負イオンのどちらかのみを含ませることが可能な制御部を有する、請求項1に記載の空気砲式イオン放出装置。
【請求項5】
前記イオンの発生を、正負両イオン、正イオンのみ、負イオンのみのいずれかに制御するとともに、前記イオンの発生のタイミングを可変とする制御部を有する、請求項1記載のイオン放出装置。
【請求項6】
前記空気砲の駆動タイミングと発生させるイオンの種別を切り替えるタイミングとを連動させることを可能とする制御部を有する、請求項1に記載のイオン放出装置。
【請求項7】
前記空気砲のイオン放出方向を可変とする構成を有する、請求項1記載のイオン放出装置。
【請求項8】
前記空気砲の駆動と連動して放電電極の先端部分に付着する塵芥をこすり落として清浄化する手段を有する、請求項1に記載のイオン放出装置。
【請求項9】
正イオンを発生する放電電極部と、負イオンを発生する放電電極部をそれぞれ独立した空気砲装置で独立して駆動可能に構成した、請求項1に記載のイオン放出装置。
【請求項10】
前記正、負放電電極の先端の向きを延長したとき、空気砲によるイオンの到達限界内で交差するように、正、負放電電極の向きを平行より内向きに傾けた、請求項9に記載のイオン放出装置。
【請求項1】
イオン発生部と、
イオン放出部と、
前記イオン発生部にイオン発生用の高電圧を印加する高圧電源と、
を備え、
前記イオン放出部は、
前記イオン発生部を囲むイオン放出筒と、
前記イオン放出筒内の気圧を瞬間的に高めて、前記イオン放出筒に設けた開口部より、前記イオン発生部で発生したイオンを一気に放出する空気砲と、
前記空気砲の駆動手段とを有する、イオン放出装置。
【請求項2】
前記空気砲によるイオン放出とイオン風による放出とを併用可能に構成した、請求項1に記載のイオン放出装置。
【請求項3】
前記空気砲によるひとつの空気渦に正イオンと負イオンの両方を含ませることが可能な制御部を有する、請求項1に記載のイオン放出装置。
【請求項4】
前記空気砲によるひとつの空気渦に正イオンまたは負イオンのどちらかのみを含ませることが可能な制御部を有する、請求項1に記載の空気砲式イオン放出装置。
【請求項5】
前記イオンの発生を、正負両イオン、正イオンのみ、負イオンのみのいずれかに制御するとともに、前記イオンの発生のタイミングを可変とする制御部を有する、請求項1記載のイオン放出装置。
【請求項6】
前記空気砲の駆動タイミングと発生させるイオンの種別を切り替えるタイミングとを連動させることを可能とする制御部を有する、請求項1に記載のイオン放出装置。
【請求項7】
前記空気砲のイオン放出方向を可変とする構成を有する、請求項1記載のイオン放出装置。
【請求項8】
前記空気砲の駆動と連動して放電電極の先端部分に付着する塵芥をこすり落として清浄化する手段を有する、請求項1に記載のイオン放出装置。
【請求項9】
正イオンを発生する放電電極部と、負イオンを発生する放電電極部をそれぞれ独立した空気砲装置で独立して駆動可能に構成した、請求項1に記載のイオン放出装置。
【請求項10】
前記正、負放電電極の先端の向きを延長したとき、空気砲によるイオンの到達限界内で交差するように、正、負放電電極の向きを平行より内向きに傾けた、請求項9に記載のイオン放出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−283305(P2009−283305A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−134492(P2008−134492)
【出願日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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