説明

イヌ科動物プロバイオティク・ビフィドバクテリア・シュードロンガム

本発明によると、動物でプロバイオティク活性を有する、切除及び洗浄されたイヌ科動物胃腸管からの単離によって入手できるビフィドバクテリア・シュードロンガム種の乳酸菌の菌株が提供される。本発明のビフィドバクテリア・シュードロンガムを含む使用方法及び組成物も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロバイオティク微生物の分野、より具体的にはイヌ科動物のプロバイオティク乳酸菌及び使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
哺乳類の胃腸(GI)管を病原菌によるコロニー形成から保護する防衛機構は非常に複雑である。ほとんどの哺乳類のGI管は、天然微生物相、及び侵襲性病原性微生物によってコロニー形成される。健康な個体では、これらの競争する微生物相は平衡状態にある。腸内微生物相の平衡の変更は、ヒト並びにネコ、イヌ及びウサギを包含するコンパニオンアニマルのようなその他の哺乳類種のいずれでも、多数のGI疾患を引き起こす又は防止する場合がある。コンパニオンアニマルの健康は、その給餌及びGIの健康と密接に関係し、そしてこれらの動物における腸内微生物相の平衡は、より健康なペットにつながる場合がある。
【0003】
腸内微小生物相の数及び組成は、年齢及び食事によって変わる場合があるが、安定となる傾向がある。胃液酸性度、胆汁、腸蠕動及び局所免疫は、ヒト及び種々のその他の哺乳類の小腸内の細菌叢の調節において重要と考えられる要因である。ペットGI疾患は、イヌ科動物及びネコ科動物に見られるものを含めて、細菌の過成長及び病原菌による腸毒素の生産と関係づけられることが多い。これらの要因は、腸内微生物相の平衡を撹乱し、炎症及び異常免疫反応を促進することができる。
【0004】
過去数年の間に、いくつかの有用な細菌の株及びそのプロバイオティク剤としての使用の可能性を強調するための研究が開始された。プロバイオティクス菌は、GI管内の天然微生物相の保全及び促進、並びに異常免疫反応に対する通常制御の強化によって哺乳類の健康を促進する細菌(生存又は死滅のいずれか)の製剤類、タンパク質類又は炭水化物類のようなそれらの構成成分、又は細菌発酵素の精製部分と考えられる。プロバイオティク細菌は、処置しようとする個体の種又は当該種に密接に関係する種から誘導したときにより有効であると考える者もいる。したがって、コンパニオンアニマルから誘導したプロバイオティク菌株をコンパニオンアニマルに使用する必要があり、これはヒトから誘導したものと異なる。
【0005】
PCT国際公開特許WO01/90311は、プロバイオティク活性を有するネコ及びイヌから入手した糞便試料から単離したプロバイオティク微生物を開示している。ただし、これらの細菌は糞便試料から得られたもので、GI管の上部に存在する天然腸微生物相の一部を形成しなくてもよい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
結果として、コンパニオンアニマルに特に順応し、並びにそのプロバイオティク特性及び処理後に生存する能力で選択された、GI管の上部に存在する天然腸微生物相からの単離によって入手可能な細菌の菌株を提供する必要、及びこれらの菌株をその使用に適した組成物に組み込む必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によると、動物でプロバイオティク活性を有する、切除及び洗浄されたイヌ科動物胃腸管からの単離によって入手できるビフィドバクテリア・シュードロンガム種の乳酸菌の菌株が提供される。
【0008】
好ましい実施形態において、当該乳酸菌株は、配列番号1と少なくとも93%の相同性を有する16s−23sスペーサー領域DNA配列を有するビフィドバクテリア・シュードロンガムである。
【0009】
さらに好ましい実施形態において、乳酸菌株はビフィドバクテリア・シュードロンガムAHC7(NCIMB41199)である。
【0010】
さらに、本発明は、ペットの健康の維持及び改善のための、切除及び洗浄されたイヌ科動物胃腸管からの単離によって入手できるビフィドバクテリア・シュードロンガム細菌の使用、及び当該乳酸菌を含む組成物の提供に関する。
【0011】
本発明のこれら及びその他の特徴、態様、及び利点は、本開示を読むことにより当業者に明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(配列)
配列番号1−ビフィドバクテリア・シュードロンガムAHC7(NCIMB41199)からの16s−23s遺伝子間スペーサ−ヌクレオチド配列。
【0013】
配列番号2−16s−23sDNA配列分析用プライマー配列。
【0014】
(細菌寄託番号)
下の表は、本発明の実施例であるビフィドバクテリア・シュードロンガム菌株を示す。当該細菌株は、英国アバディーン(Aberdeen)ナショナル・コレクションズ・オブ・インダストリアル・フード・アンド・マリン・バクテリア(National Collections of Industrial Food and Marine Bacteria)(NCIMB))に寄託される。
【表1】

【0015】
本明細書のすべての重量、測定値及びレベルは、特に指定のない限り、組成物全体に関して25℃で測定される。
【0016】
指示がない限り、本明細書で言及される組成物のすべてのパーセンテージは重量%であり、すべての比率は重量比である。
【0017】
指示がない限り、分子量は全て、重量平均分子量である。
【0018】
特に指示のない限り、本文内で参照される全ての文献の内容は、その全てを本明細書に参考として組み込む。
【0019】
実際に測定した値の特定の例を提示する場合を除いて、本明細書で言及される数値は、「約」という言葉で修飾されていると考えるべきである。
【0020】
以下の記載で、略語CFU(「コロニー形成単位」)は、当該技術分野で一般に理解されるように、寒天平板上での微生物学的計数によって明らかになった細菌細胞の数を指す。
【0021】
本明細書で使用するとき、用語「その突然変異体」は、参照された菌株の16s−23s遺伝子間スペーサ−ポリヌクレオチド配列と少なくとも93%の相同性、好ましくは少なくとも96%の相同性、より好ましくは98%の相同性を有するが、そうでなければ細菌ゲノム内の他のDNA配列にDNA突然変異を含む、誘導された細菌株を包含する。
【0022】
本明細書で使用するとき、用語「DNA突然変異」は、親配列と少なくとも50%の相同性を維持しながら親ヌクレオチド又はアミノ酸配列に導入された遺伝子修飾を包含する、欠失、挿入、転換、及び当業者に既知のその他のDNA修飾を包含する少なくとも1つの塩基変化を含む自然突然変異又は誘発突然変異を包含する。好ましくは、DNA突然変異又は突然変異類を含む配列は、親配列と又少なくとも60%、より好ましくは少なくとも75%、より一層好ましくは85%の相同性を有する。本明細書で使用するとき、配列「相同性」は、当業者に既知の標準的な技法を用いて決定することができる。例えば、相同性は、http://ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/で公的に入手可能なオンライン(on-line)相同性アルゴリズム「ブラスト(BLAST)」プログラムを用いて決定してもよい。
【0023】
本明細書で使用するとき、「遺伝子修飾」は、前記生物のゲノムへの挿入によって又は当業者に既知であるようにプラスミドDNA若しくはバクテリオファージを包含するベクターによって、外因性及び/又は内因性DNA配列を生物のゲノムに導入することを包含し、前記DNA配列が少なくとも2つのデオキシリボ核酸塩基を有する長さである。
【0024】
本明細書で使用するとき、「コンパニオンアニマル」は家畜を意味する。好ましくは、「コンパニオンアニマル」は、飼われているイヌ科動物、ネコ科動物、ウサギ、フェレット、馬、牛、又は同様なものを意味する。より好ましくは、「コンパニオンアニマル」は、飼われているイヌ科動物又はネコ科動物を意味する。
【0025】
(ビフィドバクテリア・シュードロンガム(Bifidobacteria pseudolongum)菌株)
本発明の第一の態様は、動物においてプロバイオティク活性を有する、切除及び洗浄されたイヌ科動物胃腸管からの単離によって入手できるビフィドバクテリア・シュードロンガム種の菌株を含む。プロバイオティクス菌は、微生物(生存又は死滅のいずれか)、加工された微生物の組成物、タンパク質又は炭水化物のようなその構成成分、又は宿主に有益に影響する微生物発酵素の精製された画分である。汎用のプロバイオティク細菌は、生存細胞の形態である。ただし、プロバイオティク細菌によって表される有益要因を含有する死滅した培養物又は組成物のような非生存細胞にまで拡大することができる。これは、熱的に死滅した微生物、又はpH変化に晒されるか又は圧力を受けることよって死滅した微生物を包含してもよい。本発明の目的においては、「プロバイオティクス菌」は、別個に示されていない場合には、発酵中に本発明の微生物類によって生み出される代謝産物類を包含することが更に意図される。これらの代謝産物は、発酵の媒質から放出されることがあるか、又は微生物の体内に保存されることがある。本明細書で使用するとき、「プロバイオティクス菌」は、細菌、細菌性ホモジネート、細菌性タンパク質、細菌性抽出物、細菌性発酵素上清、及びこれらの組み合わせも包含し、これらは治療用量で与えられたときに宿主動物に対して有益な働きをする。
【0026】
切除及び洗浄された哺乳類のGI管からの直接の単離によって入手できるビフィドバクテリア・シュードロンガムの菌株は、生存細菌細胞の供給後にGI管に付着すること、及び生存、非生存又は画分の形態で動物に供給されたときに非常に免疫調節的でもあることが見出された。理論に束縛されるものではないが、切除及び洗浄されたGI管からの単離によって入手できるビフィドバクテリア・シュードロンガムは、腸粘膜組織と密接に関連すると考えられる。さらに理論に束縛されるものではないが、これにより、そのプロバイオティク作用を生じる代替宿主反応を発生する本発明のプロバイオティク・ビフィドバクテリア・シュードロンガムが得られると考えられる。切除及び洗浄されたGI管からの単離によって入手できるプロバイオティク細菌は、粘膜上皮との直接相互作用によって宿主の免疫系を、及び宿主の免疫細胞を調節できることが見出された。この免疫調節は、プロバイオティク細菌に関連する従来の作用機構、即ち栄養素の閉鎖及び競争による病原体の腸への付着の防止と共に、プロバイオティク生物として非常に効果的な本発明のビフィドバクテリア・シュードロンガムを生じる。
【0027】
切除及び洗浄されたイヌ科動物のGI管から単離によって入手できる、本発明のビフィドバクテリア・シュードロンガムは、当業者に既知の阻害領域又は細菌増殖阻害アッセイによって測定したときに、多数の病原菌菌株/種に対して生体外抗菌活性を有する。理論に束縛されるものではないが、この生体外抗菌活性は、動物、好ましくはイヌ科動物及びネコ科動物のようなコンパニオンアニマルにおける生体内の潜在的プロバイオティク活性を示すと考えられる。本発明の乳酸菌は、好ましくはネズミチフス菌、単球症リステリア、リステリア・イノキュア又は大腸菌、より好ましくはこれらの菌株の組み合わせ、より一層好ましくはこれらの菌株のすべてに対してインビトロにて抗菌活性を有する。
【0028】
理論に束縛されるものではないが、本発明のビフィドバクテリア・シュードロンガム細菌の抗菌活性は、本明細書のビフィドバクテリア・シュードロンガム細菌による多数の異なる作用の結果であってもよい。糞便試料から単離された細菌の数種類の菌株が、経口摂取の後、病原体生物の閉鎖による腸粘膜への付着を防止することによってGI管でそのプロバイオティク効果を示すことが当該技術分野において過去に示唆された。これは、細菌のコロニーが腸内でコロニー形成するために、「生きた」又は生存細菌細胞の経口摂取を必要とする。ただし、切除及び洗浄されたイヌ科動物のGI管から単離によって入手できる本発明のビフィドバクテリア・シュードロンガムは、生存形態で与えられた場合に閉鎖によるいくらかのプロバイオティク効果を示すと同時に、病原微生物の成長を阻害する、病原微生物を殺す、及び/又は宿主動物の免疫能力を改変する物質又は物質類の生体外での発酵中に生産による生存又は非生存のいずれかの形態で実質的なプロバイオティク効果を供出(deliver)してもよい。本発明の細菌は生存若しくは非生存培養物又は精製発酵製品として与えられることができ、なお宿主に有益な治療効果を供出することから、この形態のプロバイオティク活性が望ましい。
【0029】
好ましくは、本発明のビフィドバクテリア・シュードロンガムはGI管を通過した後に生存能力を維持することができる。これは、細菌の生きた培養物を経口摂取するため、並びに食道及び胃を通過した後に腸及び内臓でコロニー形成が起こるために望ましい。本発明の乳酸菌による腸及び内臓のコロニー形成は、長期間のプロバイオティク効果を宿主に供出するために望ましい。非生存細胞又はその精製単離物の経口投与は一時的な効果を誘発するが、細菌が生存可能でないため、成長すること、及び原位置(in situ)で継続的にプロバイオティク効果を供出することができない。結果として、これは、健康効果を維持するために宿主への定期的な投与を必要とする場合がある。対照的に、胃の通過に生存可能な形態で生存することができ、その後腸粘膜に付着し腸粘膜上で増殖することによってコロニー形成することができる生存細胞は、原位置(in situ)で継続的にプロバイオティク効果を供出できる。
【0030】
したがって、本発明の乳酸菌はpH2.5の培地で1時間の懸濁後に生存能力を維持することが好ましい。本明細書で使用するとき、「生存能力を維持する」は、当業者に既知の平板計数法を用いて、最初に試験培地に懸濁された細菌の少なくとも25%が生存可能であることを意味する。好ましくは、「生存能力を維持する」は、最初に懸濁された細菌の少なくとも50%が生存可能であることを意味する低pHへの暴露は、これが動物での経口摂取後の生体内での胃及び腸での胃液への暴露を模倣することから、本発明の乳酸菌は、低pHへの暴露後に生存能力を維持することが望ましい。
【0031】
さらに、本発明の乳酸菌は、少なくとも0.5%のブタ胆汁酸塩類が存在するときに少なくとも33%増殖することが好ましい。本明細書で使用するときの増殖は、実施例3にさらに詳細に記載されている。より好ましくは、本発明の細菌は、少なくとも1%のブタ胆汁酸塩類が存在するときに少なくとも33%増殖する。理論に束縛されるものではないが、少なくとも0.5%のブタ胆汁酸塩類の存在下で増殖できる本発明の乳酸菌は、腸内に存在する条件で生存できると考えられる。これは、腸の条件を模倣する培地へのブタ胆汁の添加の結果であると考えられる。
【0032】
さらに、本発明のビフィドバクテリア・シュードロンガム細菌は、インビトロで腸被毛細胞に有意な付着を有することが好ましい。本明細書で使用するとき、「有意な付着」は、インビトロで被毛細胞とコインキュベートされた乳酸菌の総数の少なくとも4%が被毛細胞に付着することを意味する。より好ましくは、コインキュベートされた細菌細胞の少なくとも6%がインビトロで被毛細胞に付着する。理論に束縛されるものではないが、インビトロでの腸上皮細胞付着は、生体内での動物のGI管への乳酸菌のコロニー形成能力を示すと考えられる。
【0033】
16s−23s遺伝子間ポリヌクレオチド配列は、異なる細菌の種及び菌株を同定するために使用できる細菌ゲノムのDNA配列として当業者に既知である。この遺伝子間ポリヌクレオチド配列は、下の実施例4に詳述する方法によって決定できる。
【0034】
本発明の好ましい実施形態において、ビフィドバクテリア・シュードロンガムの菌株は、配列番号1によるポリヌクレオチド配列と少なくとも93%、好ましくは少なくとも96%、より好ましくは少なくとも99%の相同性を有する16s−23s遺伝子間ポリヌクレオチド配列を有する。より好ましくは、本発明による乳酸菌の菌株は、配列番号1による16s−23sポリヌクレオチド配列を有する。より一層好ましくは、本発明による乳酸菌の菌株は、ビフィドバクテリア・シュードロンガム菌株NCIMB41199(AHC7)、又はその突然変異体である。
【0035】
切除及び洗浄されたイヌ科動物の胃腸管からの単離によって入手できるビフィドバクテリア・シュードロンガム属の乳酸菌の菌株を、動物、好ましくはコンパニオンアニマル又はヒトにおいて経口摂取後にプロバイオティク効果を供出するために使用することができる。このプロバイオティク効果は一般に動物の全体的健康を維持及び改善する。病気の症状の治療的軽減、又は予防による病気の防止のいずれかにおいて利益となる、動物の健康及び生理機能の非限定的な要素としては、炎症疾患、免疫不全、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、癌(特に胃腸及び免疫機構の癌)、下痢性疾患、抗生物質に関連する下痢、虫垂炎、自己免疫疾患、多発性硬化症、アルツハイマー病、アミロイドーシス、リウマチ様関節炎、関節炎、関節可動域、真性糖尿病、インシュリン抵抗性、細菌感染、ウイルス感染、真菌感染、歯周病、泌尿生殖器疾患、外科関連の外傷、手術誘発性(surgical-induced)転移性疾患、敗血症、体重減少、重量増加、過剰な脂肪組織蓄積、拒食症、発熱の抑制(fever control)、悪液質、創傷治癒、潰瘍、腸バリア感染症、アレルギー、ぜんそく、呼吸器疾患、循環器疾患、冠状動脈性心疾患、貧血、血液凝固システムの疾患、腎臓の疾患、中枢神経系の疾患、肝臓疾患、虚血、栄養疾患、骨粗鬆症、内分泌腺疾患、及び表皮の疾患が挙げられる。好ましいのは、下痢の治療又は予防を包含する胃腸管の処置;免疫機構の調整、好ましくは自己免疫疾患及び炎症の治療又は予防;皮膚及び/又は被毛系の健康の維持又は改善、好ましくはアトピー性皮膚疾患の治療又は予防;精神的認知及び活動レベルを包含する老化の影響の改善又は減少;及び感染中及び感染後の体重減少の予防である。
【0036】
上に開示された疾患の治療は、当業者に既知の技法を用いて測定されてもよい。例えば、自己免疫疾患及び炎症を包含する炎症疾患は、リンパ球幼若化現象、ナチュラルキラー細胞活性、ワクチンに対する抗体反応、遅延型過敏症、及びこれらの組み合わせのような生体内免疫機能試験を使用して検出及び監視されてもよい。このような方法を本明細書で簡単に記載するが、当業者には周知である。
【0037】
1.リンパ球幼若化現象:このアッセイは、試験及び対照動物の新鮮全血から単離したリンパ球の種々のマイトジェンに対する増殖性反応を測定するもので、全体的なT細胞及びB細胞機能の指標である。簡単に述べると、末梢血単核球(PBMC)を、当業者に既知のフィコール・ハイパック(Ficoll-Hypaque)密度遠心分離法によって全血から単離する。単離したPBMCを、HEPES、L−グルタミン及びペニシリン/ストレプトマイシンを補足したPRMI1640細胞培地中で2回洗浄する。洗浄した細胞を、PRMI1640に再懸濁し、計数し、細胞密度を適切に調節する。2×10の細胞を、ある範囲のレベル(0.1μg/mL〜100μg/mL)の種々のマイトジェン(そのいくつかの例として、ポークウィードマイトジェン(ギブコ(Gibco))、フィトヘマグルチニン(ギブコ(Gibco))及びコンコナバリン(conconavalin)A(シグマ(Sigma))が挙げられる)に、37℃及び5%COで10%ウシ胎児血清(シグマ(Sigma))と共に三重反復にて72時間暴露する。54時間で、細胞を1μCiH−チミジンで標識し、72時間で当該細胞を採取し、トップカウント(TopCount)NXTでシンチレーションカウントを読み取る。
【0038】
2.ナチュラルキラー細胞活性:US6,310,090に記載されているように、このアッセイは、試験及び対照動物の新鮮全血から単離したナチュラルキラー細胞のインビトロエフェクタ−活性を測定する。ナチュラルキラー細胞は、哺乳類の先天免疫機能の一構成成分である。イヌ科動物甲状腺癌細胞を、NK細胞の細胞毒活性の測定において標的細胞として使用した。この細胞株は、イヌ科動物NK細胞によって殺されやすいことが過去に明らかにされた。標的細胞は、T75フラスコ内で、10%ウシ胎児血清(FCS)、100U/mLのペニシリン及び100μg/mLのストレプトマイシンを補足した最少必須培地(MEM;シグマケミカル社(Sigma Chem.Co.)(米ミズーリ州セントルイス))20mLで培養した。融合したとき、標的細胞はトリプシン処理され、3回洗浄され、完全培地(RPMI−1640+10%FCS+100U/mLのペニシリン+100μg/mLのストレプトマイシン)中で5×10cells/mLに再懸濁される。三重反復した標的細胞の100μLアリコートを、96穴U底プレート(コスター(Costar)(米マサチューセッツ州ケンブリッジ))にピペットで移し、8時間インキュベートして細胞を付着させる。フィコール・ハイパック(Ficoll-Hypaque)分離(上述の通り)によって単離したリンパ球(エフェクタ細胞;100μL)を、続いて、標的細胞に添加し、10:1のエフェクタ/標的細胞(E:T)比を与えた。37℃で10時間のインキュベート後、5μgの3−(4,5−ジメチルチアゾ−ル−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)を含有する基質20μLを添加した。当該混合物を、37℃で4時間インキュベートし、その後、未代謝のMTTを吸引によって除去した。ホルマザン結晶を、200μLの95%エタノールを添加することによって溶解した。光学的密度を、マイクロプレートリーダーを使用して570nmで測定した。NK細胞固有の溶解のパーセンテージを次のように計算した:
比細胞毒性(%)=100×{1−[(標的細胞及びエフェクタ細胞のOD−エフェクタ細胞のOD)/(標的細胞のOD)]}
3.ワクチンに対する抗体反応:被験体は、プロバイオティク又は対照の供給の少なくとも12週間後に複数(5まで)のワクチンを投与される。ワクチンは、新規ワクチンと冗長ワクチンとの組み合わせであってもよい。使用してもよいワクチン配列の非限定例としては、フォートドッジアニマルヘルス(Fort Dodge Animal Health)によって調製されたワクチンの混合物が挙げられる。本明細書での使用に好適なワクチンの非限定例としては、イヌジステンパー、アデノウイルス、コロナウイルス、パラインフルエンザ、及びパルボウイルスが挙げられる。被験体のワクチン履歴が、使用するワクチンを決定する。投与されたワクチンに対する特異的な抗体を3週間血液中で測定し、対照及びプロバイオティク供給群の反応の長さ及び強さを比較する。
【0039】
4.遅延型過敏症:免疫系の状態を測定する生体内、非侵襲法。この試験は、ポリクローナルマイトジェン・フィトヘマグルチニン(PHA)と羊赤血球細胞多価ワクチン、ヒスタミン(100μLの0.0275g/Lヒスタミンホスフェート;グリーア(Greer)、米ノースカロライナ州レノア(Lenoir)、又はPBS(100μLのホスフェート緩衝生理食塩水、8.5g/L;シグマ(Sigma))との組み合わせの皮内注射を含む。抗原に対する免疫反応は、注射後0、24、48及び72時間の時間間隔で、キャリパーを用いて皮下脂肪厚として記録される。皮下脂肪厚の増進は、本発明の細菌での処置によって低減されるべき過敏症反応がより大きいことを示す。
【0040】
本発明のビフィズス菌の影響を調べるその他の方法は、US6,133,323及びUS6,310,090に記載されている。
【0041】
さらに、年齢の影響の改善が、体脂肪量、除脂肪体重及び骨塩量を包含する体組成を測定するためのデュアルX線吸光光度法(dual x-ray absorptometry)又はCTスキャンを用いて決定されてもよい。同様に、この方法は、感染後の被験体の重量損失又は骨密度のような解剖学的変化の決定に使用されてもよい。
【0042】
本発明のビフィズス菌は、コンパニオンアニマルのストレスレベル低下のための方法にも使用されてもよい。エピネフィリン、ノルエピネフィリン、ドーパミン、コルチゾール及びC反応性タンパク質を包含する血中ストレスホルモンのレベルを、ストレスレベル及びその低減又は維持を調べるために測定してもよい。これらのホルモンは、ストレスのバイオマーカーとして認識されており、当業者に既知の技法を用いて容易に測定できる。
【0043】
さらに、アトピー性皮膚疾患を包含するコンパニオンアニマルの皮膚及び/又は被毛系の健康の維持又は改善は、2名の訓練を受けた個人によって実施される皮膚及び被毛測定を用いて測定されてもよい。このような測定で調査される判定基準の例:
a)脱毛指数:脱毛指数は、標準化されたブラッシングセッションの間に生じた毛を回収することによって各被験体に割り当てられる。毛は保持及び計量され、対照及び被験体を比較する。
b)主観的皮膚/被毛測定:訓練された官能試験員が、脱毛、光沢、フケ、均一性、柔軟性及び密度を測定することによって皮膚及び被毛状態を主観的に測定する。
c)皮膚機能測定:皮膚のバリヤ機能を、アセトン浸漬したガーゼで皮膚表面を拭くことによって測定してもよい。この技法は、単細胞層及び関連する角質層の脂質画分を除去することによって皮膚バリヤを有効に撹乱する。バリヤ撹乱(disruption)は、経表皮水分喪失量(TEWL)の増進及び損傷部位の発赤の度合いを当業者に既知の方法を用いて測定することによって定量化される。発赤(紅斑)評点を、過去に記載されたカメラ及び照明装置を用いて得る。皮膚の保護及び治癒特性を測定するため、TEWL指数及び発赤評点を、撹乱の直前及び直後、並びに5及び24時間のエンドポイントで得る。
【0044】
コンパニオンアニマルにおける下痢を包含する胃腸の感染症の治療又は予防は、便評点を用いて測定してもよい。便評点は、次のガイドラインに従って一日一回記録してもよく、本発明による細菌の供給の前後に対照群及び試験群を比較する。
【0045】
評点:5非常に乾燥している
この便は、硬く、表面に付着しない。便は、押したときに転がる。便を持ち上げたときにくぼみが生じない。便が、1つの完全な単一体でなく、個別の便の組となって排泄されることが多い。便が、回収後に元の形状を維持する。
【0046】
評点:4硬い(理想的な便)
この便は、硬く、形が良く、円筒形である。この便は、持ち上げたときに容易に崩れない。この便は、表面及び手袋上に残留物を残す場合がある。この便は、1つの単一体として排泄されることが多い。この便は、回収後にもとの形状を維持する。
【0047】
評点:3柔らかく、形がある
この便は、柔らかいが明確な形がある。この便は、容易に崩れ、表面及び手袋上に明らかに残留物を残す。便が、回収後に元の形状を失うことが多い。この便は、別の評点と共に存在することが多いが、全便試料を含むことができる。
【0048】
評点:2柔らかく、形がない
この便は、柔らかく、円筒形を持たない。「2」に関連することが多い形状は「牛肉のパテ」形である。この便は、回収時にもとの形状を失い、表面及び手袋上に明らかに残留物を残す。この便評点は、別の評点と共に存在することが多いが、全便試料を含むことができる。この便試料は数インチ(5〜15センチ)の領域にわたって広がる場合がある。
【0049】
評点:1液体
この便評点は、必ず液体に似ており、粒子状物質が存在してもしなくてもよい。この便は、1つの完全な単一体でなく、堆積物の組で排泄されることが多い。この便試料は粘液と共に存在することが多い。この便試料は回収が非常に困難であり、表面及び手袋の上に残留物が必ず残される。この便試料は数インチ(5〜15センチ)の領域にわたって広がる場合がある。
【0050】
加えて、便中の血液、便中の異物、又は便中の粘液を包含するその他の観測結果も記録される。
【0051】
さらに、コンパニオンアニマルの胃腸の感染症の治療は、コンパニオンアニマルの微生物生態系の改善を含んでもよい。コンパニオンアニマルの微生物生態系の改善は、好ましくは、コンパニオンアニマルの糞便中の病原菌のレベル低下を含む。コンパニオンアニマルの糞便に存在する病原菌のレベルは、当業者に既知の標準平板計数法を用いて数えてもよい。より好ましくは、病原菌は、クロストリジウム属(Clostridia)、エシェリキア属(Escherichia)、サルモネラ属(Salmonella)、バクテロイド類及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。好適な病原菌の菌株の非限定例としては、ウェルシュ菌、クロストリジウム・ディフィシレ、大腸菌、ネズミチフス菌、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0052】
本発明の細菌の使用方法は、哺乳類、好ましくはコンパニオンアニマルの尿路の予防的又は治療的処置も包含してもよい。尿路処置の非限定例としては、尿路感染の治療又は予防、腎疾患の治療又は予防、膀胱感染の治療又は予防等が挙げられる。理論に束縛されるものではないが、本発明のビフィズス菌は、インビトロで実証されたように、シュウ酸の分解能力の結果として、これらの疾病の防止に有用であると考えられる。シュウ酸は、腎臓、膀胱及びその他の尿路感染につながる不溶性沈殿を形成することができる尿代謝の副生成物である。シュウ酸を分解すること、及びしたがって尿路内でのその沈殿及び蓄積を潜在的に防止することによって、本発明の細菌は尿路の感染及びその他の疾患を治療及び予防してもよい。シュウ酸分解は、ベーリンガー・マンハイム/R−バイオファーム(Boehringer Mannheim/R-Biopharm)より市販されているシュウ酸試験キットカタログ番号755699を用いてインビトロで測定してもよい。
【0053】
本発明のビフィドバクテリア・シュードロンガムは、繊維消化の改善を含むコンパニオンアニマルの健康の改善又は維持のための方法に使用されてもよい。繊維消化の改善は、それが前記プロバイオティク細菌、加えて有益な内因性微生物相(これはいくらかの潜在的病原菌の抑制を助ける)の増殖を促進することから望ましい。加えて、コロニー発酵から生じる毒性代謝物及び有害酵素の量の減少が、ヒトで記録された(トモマツ、H.(Tomomatsu,H.)、「オリゴ糖の健康影響」(Health effects of oligosaccharides)、(1994年)、フードテクノロジー(Food Technol)、48、61〜65)。繊維消化は、希釈糞便試料を用いた接種の代わりに各実験で問題の細菌株の純粋培養物を使用する点を除いて、ビッカーズ(Vickers)ら(2001年)の「選択されたフラクトオリゴ糖及びその他の繊維基質のイヌ科動物結腸微生物相による発酵の比較」(Comparison of fermentation of selected fructooligosaccharides and othe rfiber substrates by canine colonic microflora)、Am.J.Vet.Res.61(4)、609〜615に記載されている方法を用いて決定してもよい。
【0054】
本発明のビフィドバクテリア・シュードロンガム細菌の使用方法は、一般に当該動物による経口摂取を伴う。経口摂取は、通常の食事摂取の一部として、又はそれへのサプリメントとして行われてもよい。経口摂取は、一般的に少なくとも1ヶ月に1回、好ましくは1週間に1回、より好ましくは1日に1回行う。本発明のビフィドバクテリア・シュードロンガム細菌は、動物、好ましくはコンパニオンアニマルの健康を維持又は改善するために治療的に有効な量で当該コンパニオンアニマルに投与されてもよい。本明細書で使用するとき、用語「治療的に有効な量」は、乳酸菌に関して、処置が必要な宿主動物に所望の影響又は効果を提供するのに十分であって、さらに毒性、刺激作用、又はアレルギー応答のような悪影響を回避するのに十分低く、本発明の方式で用いた場合、合理的な利点/リスクの比に相応する、細菌の量を意味する。特定の「治療的に有効な量」とは、処置されている特定の状態と同じ因子、使用者の物理的状態、処置の期間、併用している療法(もしあれば)の性質、用いられる特定の投薬形態、使用されるキャリア、投薬形態の溶解性、及び特定の投与レジメンによって変化する。
【0055】
好ましくは、乳酸菌は、1.0E+04〜1.0E+14CFU/日、より好ましくは1.0E+06〜1.0E+12CFU/日の用量でコンパニオンアニマルに投与される。組成物は、切除及び洗浄されたイヌ科動物GI管から単離によって入手可能な1.0E+04〜1.0E+12CFU/gのビフィドバクテリア・シュードロンガムを、好ましくは少なくとも0.001%含有してもよい。ビフィドバクテリア・シュードロンガム細菌は、生存可能な形態で、又は死滅細胞として、又は本発明の乳酸菌の発酵生成物の留出物、単離物若しくはその他の画分又はこれらのいかなる組み合わせでも動物に投与されることができる。
【0056】
好ましくは、ビフィドバクテリア・シュードロンガム細菌、又はその精製若しくは単離された画分が、動物の健康の維持又は改善を意図する組成物の調製に使用される。上記のように、組成物は通常の食事摂取の一部又はサプリメントであってもよい。組成物が通常の食事摂取の一部である場合、当該組成物はビスケット又は粗挽き(kibble)のような乾燥アニマルフード、加工穀類フード、湿式アニマルフード、ヨーグルト、肉汁(gravy)、噛み物(chew)、おやつ等であってもよい。
【0057】
このような組成物は、さらに構成成分を含んでもよい。他の構成成分は、本明細書で使用される組成物に含めるのに有益であるが、本発明の目的には任意である。例えば、フード組成物は好ましくは、栄養的にバランスが取れている。1つの実施形態では、フード組成物は、乾燥物質基準で、フード組成物の約20重量%〜約50重量%の粗タンパク質、好ましくは約22重量%〜約40重量%の粗タンパク質を含んでもよい。粗タンパク質材料は、少なくとも約15重量%のタンパク質分を有するいかなる材料であってもよく、その非限定例としては、大豆、綿実、及びピーナッツのような植物性タンパク質、並びにカゼイン、アルブミン、及び食肉組織のような動物性タンパク質が挙げられる。本明細書で有用な食肉組織の非限定例としては、新鮮食肉、並びに魚粉、鶏肉粉、肉粉、骨粉等のような乾燥又は精製粉餌が挙げられる。その他の種類の好適な粗タンパク質供給源としては、小麦グルテン又はトウモロコシグルテン、及びイーストのような微生物供給源から抽出したタンパク質が挙げられる。
【0058】
さらに、フード組成物は、乾燥物質基準で、フード組成物の約5重量%〜約35重量%の脂肪、好ましくは約10重量%〜約30重量%の脂肪を含んでもよい。さらに、本発明の乳酸菌を含むフード組成物は、約4%〜約25%の全食物繊維も含んでもよい。組成物は、PCT国際公開特許WO99/51108に記載されているような複数のデンプン供給源も含んでもよい。
【0059】
本発明の組成物は、炭水化物源をさらに含んでよい。米、トウモロコシ、ミロ、サトウモロコシ、大麦、アルファルファ、小麦などのようなグレイン又はシリアルが、供給源の例である。さらに、組成物は、乾燥ホエイ及び他の乳製品副産物のような他の物質も含有してよい。
【0060】
本発明の細菌を含む組成物は、プレバイオティクも含んでもよい。「プレバイオティク」は、ペットの腸細菌叢によって発酵され、したがって病原菌存在時のペットの胃腸管内における乳酸菌の増殖及び発達を促進する、物質又は化合物を包含する。この発酵の結果は、結腸内での脂肪酸類、特に短鎖脂肪酸類の放出である。これは、結腸内におけるpH値を低下する効果がある。好適なプレバイオティク類の非限定例としては、イヌリンのようなオリゴ糖並びにフラクトオリゴ糖類、ガラクトオリゴ糖類、キシロオリゴ糖類として一般に知られるその加水分解生成物又はデンプンのオリゴ誘導体が挙げられる。プレバイオティク類は、いかなる好適な形態で提供されてもよい。例えば、プレバイオティクは、繊維を含有する植物材料の形態で提供されてもよい。好適な植物材料としては、アスパラガス類、アーティチョーク類、タマネギ類、小麦又はチコリー、又はこれらの植物材料の残留物類が挙げられる。あるいは、プレバイオティク繊維はイヌリン抽出物として提供されてもよく、例えばチコリーからの抽出物が好適である。好適なイヌリン抽出物は、ベルギー国ティルルモン(Tirlemont 3300,Belgium)のオラフティ社(Orafti SA)から「ラフティリン」(Raftiline)の商標で入手されてもよい。例えば、イヌリンは、約90〜約94重量%のイヌリン、約4重量%までのグルコース及びフルクトース、並びに約4〜9重量%のスクロースを含有する微小白色粉末であるラティフリン(Raftiline)(g)STとして提供されてもよい。あるいは、繊維は、ベルギー国ティルルモン(Tirlemont 3300,Belgium)のオラフティ社(Orafti SA)から「ラフティロース」(Raftilose)の商標で得られるようなフラクトオリゴ糖の形態であってもよい。例えば、イヌリンはラフティロース(Raftilose)(g)P95の形態で提供されてもよい。そうでなければ、フラクトオリゴ糖はイヌリンの加水分解によって、酵素法によって、又は微生物類の使用によって、得られてもよい。
【0061】
焼成又はその他の好適なプロセスを使用してもよいが、乾燥ペットフードにとって好適なプロセスは、押出し調理である。押出し調理されるとき、乾燥ペットフードは通常粗挽きの形態で提供される。プレバイオティクが使用される場合、当該プレバイオティクは加工の前に乾燥ペットフードの他の成分と混合されてもよい。好適なプロセスは、欧州特許出願第0850569号に記載されている。プロバイオティク微生物が使用される場合、当該生物は、乾燥ペットフードの上にコーティングされるか又は中に充填されるのが最善である。好適なプロセスは、欧州特許公報番号EP0862863に記載されている。
【0062】
ウエットフードについては、米国特許第4,781,939号及び第5,132,137号に記載されているプロセスを使用して、模造食肉製品を製造してもよい。ぶつ切り型の製品を製造するその他の手順、例えばスチームオーブン内での調理も使用してもよい。あるいは、塊型の製品を、好適な食肉材料の乳化による食肉乳濁液の製造、好適なゲル化剤の添加、及び缶類又はその他の容器類への充填前の当該食肉乳濁液の加熱によって製造してもよい。典型的なウエットフード組成物は、約5%〜約15%のタンパク質、約1%〜約10%の脂肪、及び約1%〜約7%の繊維を含んでもよい。ウエットフード組成物に使用してもよい非限定的成分としては、鶏肉、七面鳥、牛肉、白身魚、鶏肉スープ、七面鳥スープ、牛肉スープ、鶏レバー、発酵用米、コーングリッツ、魚粉、卵、ビートパルプ、塩化物、亜麻粉、子羊肉、牛肉副生成物、鶏肉副生成物及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0063】
別の実施形態では、ビスケット、噛み物(chew)、及びその他のおやつのようなサプリメント組成物は、乾燥物質基準で、サプリメント組成物の約20重量%〜約60重量%のタンパク質、又は約22重量%〜約40重量%のタンパク質を含んでもよい。別の例としては、サプリメント組成物は、乾燥物質基準で、サプリメント組成物の約5重量%〜約35重量%の脂肪、又は約10重量%〜約30重量%の脂肪を含んでもよい。イヌ科動物又はネコ科動物による使用を意図されたフード及びサプリメント組成物は、一般的に当該技術分野において既知である。
【0064】
ペットフードは、長鎖脂肪酸類及び亜鉛のようなその他の活性剤を含有してもよい。好適な長鎖脂肪酸類としては、α−リノール酸、γ−リノレン酸、リノレン酸、エイコサペンタン酸、及びドコサヘキサン酸が挙げられる。魚油は、エイコサペンタン酸及びドコサヘキサン酸の好適な供給源である。
【0065】
ルリチシャ油、クロスグリ種子油及びマツヨイグサ油は、γリノレン酸の好適な供給源である。ベニバナ油類、ヒマワリ油類、コーン油類及び大豆油類は、リノール酸の好適な供給源である。これらの油類は、上で参照されたコーティング基材にも使用してもよい。亜鉛は、種々の好適な形態、例えば硫酸亜鉛又は酸化亜鉛として提供されてもよい。さらにペットフードに一般的に使用される多数の成分が脂肪酸類及び亜鉛の供給源である。プレバイオティクの供給源としてのチコリーと、大豆油のようなリノール酸リッチ油との組み合わせは、予想外の効果を提供することが観察され、相乗効果が示唆された。
【0066】
組成物が肉汁の形態である場合、組成物は好ましくは少なくとも10%の肉汁、又はブイヨンを含み、その非限定例としては野菜入り牛肉、鶏肉又はハムブイヨンが挙げられる。典型的な肉汁組成物は、約0.5%〜約5%の粗タンパク質、約2%〜約5%の粗脂肪、及び約1%〜約5%の繊維を含んでもよい。
【0067】
本明細書での使用に好適なサプリメントのさらなる非限定例としては、粉末、油懸濁液、乳ベースの懸濁液チーズ、及び丸剤又はカプセルが挙げられる。組成物が丸剤の形態である場合、該丸剤を固体の加圧された形態に維持するために好適な結合剤が必要である。好適な結合剤の非限定例としては、キサンタンガム、ペクチン類、レシチン類、アルギネート類及びその他の当業者に既知のもののような天然ガム類が挙げられる。組成物がカプセルの形態の場合、組成物は好ましくは当業者に既知の技術を用いて封入される。好適な封入材料の非限定例としては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、アルギネート類、及びゼラチンが挙げられる。ヨーグルトベースの組成物は、約1%〜約5%のタンパク質、約10%〜約20%の炭水化物、約1%〜約5%の繊維、約1%〜約5%の脂肪及び約50%〜約90%の乳のような液体キャリアを含んでもよい。
【実施例】
【0068】
以下の実施例は本発明を説明するために提供され、及びいかなる方式においても本発明の範囲を限定することを意図しない。
【0069】
実施例1:イヌ科動物GI管からのビフィドバクテリア・シュードロンガム菌の単離
イヌ科動物の腸試料は、安楽死に着手することを承認した所有者のために地元の獣医師立会いのもとで複数の健常犬から入手した。すべての動物は健康で罹患していなかった。各イヌの結腸、中結腸(mid-colon)、盲腸及び回腸を切開し、粘膜を暴露した。
【0070】
粘膜組織の攪拌(1分間攪拌)に続いて、及び組織の機械的均質化に続いて、上清を除去した。各上清を、強化クロストリジウム寒天(RCA)又はMRS+0.05%システイン+ムピロシンの上に接種した。これらを、アネロカルト・ガスパック(Anerocult GasPak)システムを用いて、37℃で24時間、嫌気的にインキュベートした。プレートから単離したコロニーを、MRS又はRCAのいずれかに再画線し、再び同じ条件で嫌気的に生育した。単一菌株を精製するため、単離したコロニーをさらに4回再画線した。コロニーのモルホロジー(morphology)及び微視的外観を測定した。好適な単離物を、グラム反応及びカタラーゼ活性について試験した。API試験(API 50CHL、バイオメリックス(BioMerieux)を用いてグラム陽性、カタラ−ゼ陰性菌の同定を行った。培養した細胞は、0.05Mリン酸塩緩衝剤(pH6.5)及びシステイン−HCl(500mg/L)を用いて2回洗浄した後、音波処理した。遠心分離により細胞片を除去した。上清をNaF(6mg/mL)及びヨード酢酸Na(10mg/mL)で、37℃で30分間インキュベートした。ヒドロキシルアミンHCl(pH6.5)で室温で10分間インキュベートすることによって反応を停止した。HCl(4M)、FeCl.6HO(0.1M HCl中5%(重量/体積))及びフルクトース−6−ホスフェート(Na塩)を添加した後、発色を観察した。フルクトース−6−ホスフェートからのアセチルホスフェートの生成が、そのヒドロキシメートの第二鉄キレートによって生じる赤みがかった色によって証拠付けられた。
【0071】
切除及び洗浄されたイヌ科動物GI管から58の乳酸菌菌株を単離し、そのうち6株がビフィズス菌属であり、及び1株がB.シュードロンガム菌株であることが見出された。
【0072】
実施例2:抗菌活性のスクリーニング
単離したビフィドバクテリア・シュードロンガム菌株を、TPYブイヨン内で嫌気的にインキュベートした。各培養物2μLをTPY寒天平板上に滴下し、嫌気的に一晩インキュベートした。ネズミチフス菌、単球症リステリア、リステリア・イノキュア及び大腸菌0157H45を一晩前生育し、100μLを溶融寒天に接種した(1体積%)。この指標培養物を、接種したMRS又はTPYプレートの表面に注いだ。一晩インキュベートした後、プロバイオティクコロニー周辺の阻害領域を測定した。すべての実験は、別に3度、反復した。さらに、緩衝剤の2%βグリセロホスフェートを寒天に組み込むことで、観察された病原体阻害に対する酸生産の寄与をインビトロで測定することが可能になる。
【0073】
図1、2、3及び4に示すデータは、切除及び洗浄されたイヌ科動物GI管から得られる本発明のビフィドバクテリア・シュードロンガム菌株がインビトロで抗菌活性を持ち、潜在的プロバイオティク活性が示されることをはっきり実証する。
【0074】
実施例3:生存性及びコロニー形成のインビトロ測定
(pH許容度)
細菌細胞を、一晩培養物から採取し、ホスフェート緩衝剤(pH6.5)で2回洗浄し、1M HClでpH2.5に調節したTPYブイヨンに再懸濁した。細胞を37℃で嫌気的にインキュベートし、その生存性を、0、30、60、120、240及び360分の間隔で当業者に既知の平板計数法を用いて測定した。
【0075】
図5は、9菌株はpH2.5に1時間を越えて耐えず、49菌株はpH2.5に1時間を越えて耐えたことをはっきり実証している。表2は、このデータを菌株別にまとめている。
【表2】

【0076】
(胆汁抵抗)
細菌株ブタ胆汁(シグマ(Sigma))を補足したTPY寒天上に、0.5%、1%及び5%(重量/体積)にて画線した。プレートを嫌気性条件下で37℃でインキュベートし、増殖を24時間後に記録した。増殖は、経験を積んだ観測者によって対照プレートと比較され、コロニーの増殖は次のように記述される:
陰性(0)−増殖なし;
+(1)−濁った不透明な増殖(<33% 胆汁0%の対照プレート)
++(2)−明確に増殖しているが対照ほど良好ではない(>33%であるが<66%)
+++(3)−対照に等しい増殖(>66%)。
【0077】
胆汁酸塩類の存在時にコロニーの成長を対照と比較した後、増殖記述子を0、1、2又は3(それぞれ−;+;++、+++)の数値で与え、続いてパーセンテージで表す。この場合、3は100%を表す。
【0078】
図6は、本発明のビフィズス菌が胆汁酸塩類への抵抗があり、0.5%胆汁酸塩類に暴露したときに少なくとも33%のレベルで増殖及びコロニー形成できることをはっきり実証している。
【0079】
(腸上皮細胞への付着)
ヒト上皮細胞系HT−29を使用して、選択した菌株の付着特性を測定した。上皮細胞を、75cm組織培養フラスコ内で、37℃、5%COを含有する加湿雰囲気にて、10%ウシ胎児血清(FCS)、ペニシリン/ストレプトマイシン、グルタミン及びフンギソンを含有するダルベッコの最少必須培地(Dulbecco’s Minimal Essential Media)(DMEM)中で単層として慣例的に培養した。実験の目的で、上皮細胞を、6穴培養プレート(ザルスタット(Sarstedt))に1穴当たり5×10セル/mL(全体積3mL)のレベルで接種した。7日間のインキュベーションで分化させた後、上皮単層を10%FCSを含有する抗生物質フリーの培地で洗浄した。抗生物質フリーDMEMプラス/中の細菌懸濁液を、各穴に添加し、細胞を37℃で90分間インキュベートした。インキュベーションの後、単層をPBSで3回洗浄した。上皮細胞を、脱イオンH2Oに溶解し、付着細菌の数を当業者に既知の平板計数法を用いて数えた。接着は、最初に接種した細菌の数のパーセンテージとして表した。
【0080】
図7からわかるように、ビフィドバクテリア・シュードロンガム菌株は、少なくとも4%のレベルでHT−29腸上皮細胞に付着したNCIMB41199の付着数未満でNCIMBに付着した。
【0081】
実施例4:16s−23s遺伝子間ポリヌクレオチド配列
ビフィドバクテリア・シュードロンガムのコロニーを寒天平板から取り出し、IX PCR緩衝剤に再懸濁し、96℃で5分間加熱し、−70℃で5〜10分間凍結し、解凍し、及びアリコートをPCRエッペンドルフ管に添加した。PCRは遺伝子間スペーサ−(IGS)プライマーを用いて実施し、IGS L:5’−GCTGGATCACCTCCTTTC−3’及びIGS R:5’−CTGGTGCCAAGGCATCCA−3’であった。サイクル条件は、96℃で1分(1サイクル)、94℃で30秒、53℃で30秒、72℃で30秒(28サイクル)であった。PCR反応は、5μLのDNA、PCR緩衝剤(バイオライン(Bioline)、英国)、0.2mM dNTPs(ロッシュ(Roche)、英国)、0.4μM IGS L及びRプライマー(150ng/50μL)(MWGバイオテック(MWG Biotech)、ドイツ)並びにバイオライン(Bioline)タック(Taq)ポリメラーゼ(0.6ユニット)を含有した。PCR反応は、ハイベイド(Hybaid)サーモサイクラーで実施した。PCR生成物(8μL)を、分子量マーカー(ΦX 174Hae III、プロメガ(Promega))とともに、TAE中2%アガロースEtBr染色ゲル上に流し、そのIGSプロファイルを調べた。上と同じプライマーを用いて、2つのイヌ科動物ビフィドバクテリア・シュードロンガム菌株について、当業者に既知の方法を用いて遺伝子間スペーサ−(IGS)DNAを配列決定した。
【0082】
配列決定に続いて、4つの付着菌株で得られた配列を、他の付着細菌16s−23s配列との相同性について、http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/で入手可能なオンライン(on-line)配列データベース「ブラスト」(BLAST)と比較した。ビフィドバクテリア・シュードロンガムATCC25865はAHC 7に最も一致し、92%の相同性評点を有する。ただし、これらの菌株類の間には数点の差異が存在する。
【0083】
実施例5:例組成物の例
実施例1〜4は、本発明のプロバイオティク・ビフィドバクテリア・シュードロンガムを含む乾燥粗挽き組成物の例である。
【表3】

【0084】
実施例5〜7は、本発明のプロバイオティクス・ビフィドバクテリア・シュードロンガムを含むウェットペットフード組成物の例である。
【表4】

【0085】
実施例8〜10は、本発明のプロバイオティクス・ビフィドバクテリア・シュードロンガムを含むヨーグルトサプリメント組成物の例である。
【表5】

【0086】
本発明の特定の実施形態を例示し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】実施例2に説明した方法による本発明のビフィドバクテリア・シュードロンガム菌によるインビトロでのネズミチフス菌の増殖阻害を実証する。
【図2】実施例2に説明した方法による本発明のビフィドバクテリア・シュードロンガム菌によるインビトロでの単球症リステリアの増殖阻害を実証する。
【図3】実施例2に説明した方法による本発明のビフィドバクテリア・シュードロンガム菌によるインビトロでのリステリア・イノキュアの増殖阻害を実証する。
【図4】実施例2に説明した方法による本発明のビフィドバクテリア・シュードロンガム菌によるインビトロでの大腸菌0157H45の増殖阻害を実証する。
【図5】実施例3に説明した方法による本発明のビフィドバクテリア・シュードロンガム菌によるインビトロでの酸安定性を実証する。
【図6】0.5%、1%及び5%ブタ胆汁酸塩類の存在時における本発明のビフィドバクテリア・シュードロンガム菌の増殖特性を実証する。
【図7】本発明のビフィドバクテリア・シュードロンガム菌のインビトロでのHT−29腸上皮細胞への付着能力を実証する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
切除及び洗浄されたイヌ科動物の胃腸管から単離することによって得られ、配列番号1で表される配列と少なくとも93%の相同性を有する16s−23s遺伝子間ポリヌクレオチド配列を有し且つプロバイオティク活性を有する、ビフィドバクテリア・シュードロンガムの菌株。
【請求項2】
コンパニオンアニマルの胃腸管で生存してコロニー形成する能力を有する、請求項1に記載の菌株。
【請求項3】
0.5%胆汁酸塩の存在下で培養したときに少なくとも33%増殖する、請求項1又は2に記載の菌株。
【請求項4】
pH2.5において1時間後に生存能力(viability)を維持することができる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の菌株。
【請求項5】
配列番号1で表される配列と少なくとも96%の相同性を有する16s−23s遺伝子間ポリヌクレオチド配列を有するものである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の菌株。
【請求項6】
前記菌株がビフィドバクテリア・シュードロンガム菌株NCIMB41199又はその突然変異体である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の菌株。
【請求項7】
前記突然変異体が、自然突然変異体、遺伝子操作された突然変異体又は誘発突然変異体である、請求項6に記載の菌株。
【請求項8】
前記コンパニオンアニマルがイヌ又はネコである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の菌株。
【請求項9】
切除及び洗浄されたイヌ科動物の胃腸管から単離することよって得られ、配列番号1で表される配列と少なくとも93%の相同性を有する16s−23s遺伝子間ポリヌクレオチド配列を有する、コンパニオンアニマルの健康を維持又は改善するための、ビフィドバクテリア・シュードロンガムの菌株。
【請求項10】
前記菌株がコンパニオンアニマルの胃腸管で生存してコロニー形成する能力で選択されるものである、請求項9に記載の菌株。
【請求項11】
前記菌株が、0.5%胆汁酸塩類の存在下で培養したときに少なくとも33%増殖する、請求項9又は10に記載の菌株。
【請求項12】
前記菌株がpH2.5において1時間後に生存能力を維持することができる、請求項9〜11のいずれか一項に記載の菌株。
【請求項13】
前記菌株が、配列番号1で表される配列と少なくとも96%の相同性を有する16s−23s遺伝子間ポリヌクレオチド配列を有するものである、請求項9〜12のいずれか一項に記載の菌株。
【請求項14】
前記菌株が、ビフィドバクテリア・シュードロンガム菌株NCIMB41199又はその突然変異体又は変異型である、請求項に9〜13のいずれか一項に記載の菌株。
【請求項15】
前記突然変異体が自然突然変異体、遺伝子操作された突然変異体又は誘発突然変異体である、請求項9〜14のいずれか一項に記載の菌株。
【請求項16】
コンパニオンアニマルにおける免疫系の調節、コンパニオンアニマルにおける皮膚及び/又は被毛系の健康の維持又は改善、コンパニオンアニマルにおける老化の影響の改善又は低減、前記コンパニオンアニマルにおける感染中及び感染後の体重減少の予防、コンパニオンアニマルにおける胃腸の感染症の治療又は予防、コンパニオンアニマルにおける尿路疾患の治療又は予防あるいはこれらの組み合わせから選択される症状の処置のための、請求項9〜15のいずれか一項に記載の菌株。
【請求項17】
コンパニオンアニマルにおける自己免疫疾患の治療又は予防、コンパニオンアニマルにおける炎症の治療又は予防あるいはこれらの組み合わせを含む、コンパニオンアニマルにおける免疫系の調節のための、請求項16に記載の菌株。
【請求項18】
コンパニオンアニマルにおけるアトピー性皮膚疾患の治療又は予防を含む、コンパニオンアニマルの皮膚及び/又は被毛系の健康の維持又は改善のための、請求項16に記載の菌株。
【請求項19】
コンパニオンアニマルにおける微生物生態系の改善、コンパニオンアニマルの糞便中の病原菌のレベルの低減又はこれらの組み合わせを含む、コンパニオンアニマルにおける胃腸の感染症の治療又は予防のための、請求項16に記載の菌株。
【請求項20】
前記病原菌が、クロストリジウム属、エシェリキア属、サルモネラ属又はこれらの組み合わせからなる群から選択されるものである、請求項19に記載の菌株。
【請求項21】
コンパニオンアニマルにおける尿路疾患の治療又は予防のための、請求項16に記載の菌株であって、前記尿路疾患が、尿路感染、腎臓結石又はこれらの組み合わせを含む、菌株。
【請求項22】
前記プロバイオティク・ビフィドバクテリア・シュードロンガムが、インビトロにてシュウ酸の分解を増進する、請求項21に記載の菌株。
【請求項23】
前記コンパニオンアニマルにおける繊維消化が増大される、請求項9に記載の菌株。
【請求項24】
前記コンパニオンアニマルにおけるストレスレベルが低下する、請求項9に記載の菌株。
【請求項25】
前記ストレスレベルが、エピネフィリン、ノルエピネフィリン、ドーパミン、コルチゾール、C反応性タンパク質又はこれらの組み合わせからなる群から選択されるストレスホルモンのレベルを決定することによって測定される、請求項24に記載の菌株。
【請求項26】
前記菌株が、1.0E+04〜1.0E+12CFU/動物/日のいずれかの量で動物に与えられる、請求項9〜25のいずれか一項に記載の菌株。
【請求項27】
前記コンパニオンアニマルがイヌ又はネコである、請求項9〜26のいずれか一項に記載の菌株。
【請求項28】
切除及び洗浄されたイヌ科動物の胃腸管からの単離によって得られ、配列番号1で表される配列と少なくとも93%の相同性を有する16s−23s遺伝子間ポリヌクレオチド配列を有し且つプロバイオティク活性を有するビフィドバクテリア・シュードロンガムの菌株と、キャリアとを含む組成物。
【請求項29】
前記菌株が、コンパニオンアニマルの胃腸管で生存してコロニー形成する能力で選択されるものである、請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
前記菌株が0.5%胆汁酸塩の存在下で培養したときに少なくとも33%増殖する、請求項28又は29に記載の組成物。
【請求項31】
pH2.5において1時間後に生存率を維持することができる、請求項28〜30のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項32】
前記菌株が、配列番号1で表される配列と少なくとも96%の相同性を有する16s−23s遺伝子間ポリヌクレオチド配列を有するものである、請求項28〜31のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項33】
前記菌株がビフィドバクテリア・シュードロンガム菌株NCIMB41199又はその突然変異体である、請求項28〜32のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項34】
前記突然変異体が、自然突然変異体、遺伝子操作された突然変異体又は誘発突然変異体である、請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
前記コンパニオンアニマルがイヌ又はネコである、請求項28〜34のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項36】
前記組成物が、コンパニオンアニマル用フード、好ましくはキャットフード又はドッグフードである、請求項28〜35のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項37】
前記組成物が湿式アニマルフード又は乾燥アニマルフードである、請求項36に記載の組成物。
【請求項38】
前記組成物が、粗挽き、噛み物(chew)、ビスケット、コンパニオンアニマル用フードサプリメント、肉汁、乳製品、カプセル、錠剤又は丸剤の形態である、請求項37に記載の組成物。
【請求項39】
約1.0E+04CFU/g〜約1.0E+12CFU/gの乳酸菌を少なくとも0.001%含む、請求項28〜38のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項40】
前記ビフィドバクテリア・シュードロンガム菌が、生存細胞、非生存細胞(non-viable cell)又はそれらの構成する活性画分の形態である、請求項28〜39のいずれか一項に記載の組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−521024(P2007−521024A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−545601(P2006−545601)
【出願日】平成16年12月17日(2004.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2004/043072
【国際公開番号】WO2005/062879
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(595056859)ザ・アイムス・カンパニー (52)
【氏名又は名称原語表記】The Iams Company
【出願人】(506128020)アリメンタリー、ヘルス、リミテッド (10)
【氏名又は名称原語表記】ALIMENTARY HEALTH LTD
【Fターム(参考)】