説明

イミダゾベンゾジゼピン誘導体

本発明は、式(I)(式中、Rは、水素、ハロゲン、低級アルキル、低級アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ベンジル、シアノ、低級アルコキシ、OCF、−NHR、−NHC(O)Rまたは−NHSORであり;Rは、ハロゲンにより置換された低級アルキルであり;Rは、水素、メチルまたはアリールであり;Rは、低級アルキル、シクロアルキルまたはアリールである)で示される置換されたイミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン誘導体、およびその薬学的に許容され得る酸付加塩に関する。この種の化合物は、GABA A α5受容体結合部位への高い親和力および選択性を示し、向知性薬として、または認知障害、不安、精神分裂病もしくアルツハイマー病の処置に有用となる可能性が見出された。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、以下の式I:
【0002】
【化9】

【0003】
(式中、
は、水素、ハロゲン、低級アルキル、低級アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ベンジル、シアノ、低級アルコキシ、OCF、−NHR、−NHC(O)Rまたは−NHSORであり;
は、ハロゲンにより置換された低級アルキルであり;
は、水素、メチルまたはアリールであり;
Rは、低級アルキル、シクロアルキルまたはアリールである)で示される置換されたイミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン誘導体およびその薬学的に許容され得る酸付加塩に関する。
【0004】
この種の化合物は、GABA A α5受容体結合部位への高い親和力および選択性を示し、向知性薬として、または認知障害、不安、精神分裂病もしくアルツハイマー病の処置に有用となり得ることが見出された。
【0005】
主要な抑制性神経伝達物質:γ−アミノ酪酸(GABA)の受容体は、2種の主な分類:(1)リガンド閉鎖(ligand-gate)イオンチャネルスーパーファミリーの一種であるGABA A受容体、および(2)G蛋白質結合型受容体ファミリーの一種であるGABA B受容体、に分けられる。膜結合型のへテロ五量体蛋白質重合体であるGABA A受容体複合体は、主としてα、βおよびγサブユニットからなる。
【0006】
目下のところ、GABA A受容体のうち総数21のサブユニットが、クローニングされ、配列決定されている。3種のサブユニット(α、βおよびγ)は、ホ乳類の脳細胞から得られたネイティブGABA A受容体の、生化学的、電気生理学的および薬理学的機能を非常に近似的に模倣した、組換えGAGA A受容体の構築に必要とされる。ベンゾジアゼピン結合部位がαサブユニットとγサブユニットの間に存在するという有力な証拠がある。組換えGAGA A受容体のうち、α1β2γ2(イオンチャネル)は、古典的なI型BzRサブタイプの多くの作用を模倣し、一方、α2β2γ2、α3β2γ2およびα5β2γ2イオンチャネルは、II型BzRと呼ばれる。
【0007】
ベンゾジアゼピン受容体インバースアゴニスト:β−CCMが、Morris水迷路での空間学習を向上させることが、McNamaraおよびSkeltonにより、Psychobiology, 21:101-108において示された。しかしβ−CCMおよび他の従来のベンゾジアゼピン受容体インバースアゴニストは、プロ−痙攣性または痙攣性であり、ヒトにおけるに認識増強剤としての使用が阻まれている。加えて、これらの化合物は、GABA A受容体サブユニット間で非選択性であるが、GABA A α1および/またはα2および/またはα3受容体結合部位での活性が比較的フリーである(free)GABA A α5受容体のパーシャルまたはフルインバースアゴニストは、減少しているプロ−痙攣性活性を有するか又はプロ−痙攣性活性を有さず、認知を向上させるのに有用な医薬を提供するのに用いることができる。GABA A α1および/またはα2および/またはα3受容体結合部位での活性がフリーでない(not free)が、α5含有サブユニットへの機能的選択性があるGABA A α5インバースアゴニストを用いることも可能である。しかし、GABA A α5サブユニットへの選択性があり、GABA A α1、α2およびα3受容体結合部位での活性が比較的フリーである(free)インバースアゴニストが好ましい。
【0008】
本発明の目的は、式Iで示される化合物および薬学的に許容され得る塩、上述の化合物の製造、それらを含む医薬およびその医薬の製造であり、その他に、疾病、特に冒頭に挙げた種の疾病および障害の制御もしくは予防における、または対応する医薬の製造における、上述の化合物の使用である。
【0009】
本発明による最も好ましい適応症は、アルツハイマー病である。
【0010】
本明細書において用いられる一般的用語の以下の定義は、該当する用語が単独または併用で出現するかに関わらず適用される。
【0011】
本明細書において用いられる用語「低級アルキル」は、炭素原子を1〜7個、好ましくは1〜4個含む直鎖または分枝鎖アルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチルなどを示す。
【0012】
本明細書において用いられる用語「ハロゲンにより置換された低級アルキル」は、炭素原子を1〜7個、好ましくは1〜4個含む直鎖または分枝鎖アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチルなど)で、そこにおいて、水素原子の少なくとも1個がハロゲン原子により置換されたものを示す。好ましい基の例は、CF、CHF、CHF、CFCHCH、CHFCHCHまたはCFCHである。
【0013】
用語「低級アルキニル」は、炭素原子を2〜7個、好ましくは2〜4個含む直鎖または分枝鎖炭素基で、そこにおいて、結合の少なくとも1個が三重結合であるものを示す。
【0014】
用語「アリール」は、低級アルキルまたは低級アルコキシにより置換されていてもよい、フェニル、ベンジルまたはナフチル基を示す。
【0015】
用語「ハロゲン」は、塩素、ヨウ素、フッ素および臭素を示す。
【0016】
用語「シクロアルキル」は、3〜7個の炭素環原子を有する環式アルキル環、例えば、シクロプロピル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルを示す。
【0017】
用語「ヘテロシクロアルキル」は、3〜7個の炭素環原子を有する環式アルキル環で、そこにおいて、炭素原子の少なくとも1個が、O、NまたはSからなる群から選択されるヘテロ原子により置換されているもの、例えば、モルホリニル、ピペラジニルまたはピペリジニルを示す。
【0018】
用語「薬学的に許容され得る酸付加塩」は、無機酸および有機酸の塩、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、マレイン酸、酢酸、コハク酸、酒石酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの塩を包含する。
【0019】
例示的に好ましいのは、30nMより低い結合活性(Ki)を有し、GABA A α5サブユニットへの選択性があり、GABA A α1、α2およびα3受容体結合部位での活性が比較的フリーな(free)化合物である。
【0020】
好ましい式Iで示される化合物は、RがCHFであるもの、例えば以下の化合物:
3−クロロ−10−フルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン、
3−フルオロ−10−フルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン、
3−ブロモ−10−フルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン、
3−シクロプロピル−10−フルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピンまたは
3−クロロ−10−フルオロメチル−6−メチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
である。
【0021】
更に好ましいのは、RがCHFである化合物、例えば、以下の化合物:
3−クロロ−10−ジフルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン、
3−フルオロ−10−ジフルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン、
3−ブロモ−10−ジフルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン、
3−シクロプロピル−10−ジフルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン、
10−ジフルオロメチル−3−エチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン、
3−ベンジル−10−ジフルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン、
10−ジフルオロメチル−3−エチニル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン、
3−シアノ−10−ジフルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピンまたは
10−ジフルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
である。
【0022】
式Iで示される好ましい化合物は、更に、RがCFであるもの、例えば以下の化合物:
3−フルオロ−10−トリフルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン、
である。
【0023】
化合物の更に好ましい群は、RがCFCHまたはCFCHCHであるもの、例えば以下の化合物:
10−(1,1−ジフルオロ−エチル)−3−フルオロ−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン、
10−(1,1−ジフルオロ−プロピル)−3−フルオロ−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピンまたは
3−ブロモ−10−(1,1−ジフルオロ−プロピル)−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
である。
【0024】
更に、本発明の好ましい実施形態は、一般式I:
【0025】
【化10】

【0026】
(式中、
は、水素、ハロゲン、低級アルキル、低級アルキニル、シクロアルキル、ベンジル、シアノ、低級アルコキシ、OCF、−NHR、−NHC(O)Rまたは−NHSORであり;
は、ハロゲンにより置換された低級アルキルであり;
Rは、低級アルキル、シクロアルキルまたはアリールである)で示される化合物およびその薬学的に許容され得る酸付加塩である。
【0027】
本発明の式Iで示される化合物およびその薬学的に許容され得る酸付加塩は、当該技術分野で公知の方法、例えば以下に記載する方法、
a)式III:
【0028】
【化11】

【0029】
で示される化合物を、適切なハロゲン転移試薬、例えば[ビス(2−メトキシエチル)アミノ]サルファートリフルオリドと反応させて、式I:
【0030】
【化12】

【0031】
(式中、Rは、ハロゲンにより置換された低級アルキルである)で示される化合物にして、
所望なら、式Iで示される化合物を薬学的に許容され得る塩に変換するか、または
b)式IV:
【0032】
【化13】

【0033】
で示される化合物を、適切なハロゲン転移試薬、例えば[ビス(2−メトキシエチル)アミノ]サルファートリフルオリドと反応させて、式I:
【0034】
【化14】

【0035】
で示される化合物にして、
所望なら、式Iで示される化合物を薬学的に許容され得る塩に変換するか、または
c)式V:
【0036】
【化15】

【0037】
で示される化合物を、ハロゲン化水素の存在下、四フッ化硫黄と反応させて、式I:
【0038】
【化16】

【0039】
で示される化合物にして、
所望なら、式Iで示される化合物を薬学的に許容され得る塩に変換すること、を含む方法により製造され得る。
【0040】
本発明により、一般式Iで示される化合物は、以下の変法a)により製造され得る:式IIIで示される化合物を、適切な温度で、適切な溶媒中、例えばジクロロメタンなど中、または無溶媒で、ハロゲン転移試薬、例えば[ビス(2−メトキシエチル)アミノ]サルファートリフルオリドなどのアミノサルファートリフルオリドで処理する。
【0041】
更に、式Iで示される化合物は、変法b)により製造され得る:式IVで示される化合物を、適切な温度で、適切な溶媒中、例えばジクロロメタンなど中、または無溶媒で、ハロゲン転移試薬、例えば[ビス(2−メトキシエチル)アミノ]サルファートリフルオリドなどのアミノサルファートリフルオリドで処理する。
【0042】
変法c)により、式Vで示される化合物を、ハロゲン化水素、例えばフッ化水素の存在下で、四フッ化硫黄と反応させて、式Iで示される化合物に変換する。
【0043】
以下のスキーム(スキーム1〜4)は、式Iで示される化合物の製造方法をより詳細に記載している。出発原料は、公知の化合物であるが、または当該技術分野で公知の方法により製造され得る。
【0044】
【化17】

【0045】
ここで、RおよびRは、先に記載したとおりである。
【0046】
スキーム1によれば、式XIIIで示される対応する中間体化合物は、公知であり(EP519307)、当該技術分野で公知の方法、例えば以下の方法により製造され得る:
対応する式VIIIで示される化合物:R置換の2−アミノ安息香酸誘導体およびクロロアセトニトリルをジオキサンに溶解して、乾燥HClの弱い流れ(stream)を5℃〜15℃で数時間導入する。更にクロロアセトニトリルを添加した後、混合物を周囲温度で数時間撹拌する。得られた式IXで示される化合物を従来の方法で精製し、N,N−ジメチル−p−トルイジンの存在下で、クロロホルムに溶解する。オキシ塩化リンを添加して、溶液を加熱する。得られた式Xで示される化合物を公知の方法で精製し、トルエン中で、式XIで示される化合物:アシルヒドラジドと共に数時間加熱して、式XIIで示される化合物、例えば、化合物:5−クロロメチル−9−フルオロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]キナゾリンを得る。最後に、式XIIで示される化合物をジオキサンに溶解して、反応温度が10〜15℃になるようにして、水性水酸化ナトリウムで処理することにより、式XIIIで示される化合物を得る。従来の仕上げおよび精製により、対応する式XIIIで示される中間体、例えば10−フルオロ−5H−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン−6(7H)−オンを得る。
【0047】
【化18】

【0048】
ここで、RおよびRは、先に記載したとおりである。
【0049】
また、スキーム2により、対応する式XIIIで示される中間体化合物は、以下の方法で製造され得る:
対応する式XIVで示される化合物:R置換の2−アミノベンゾニトリルをクロロギ酸エチルと共に加熱して、式XVで示されるカルバミン酸エステルを得、これを、エタノールを除去しながら、160℃で1−メチル−2−ピロリドン中で、式XIで示される化合物:アシルヒドラジドで処理する。従来の仕上げにより、式XVIで示される尿素を得、これを、エチレングリコール中、水性水酸化ナトリウムと共に加熱して、式XVIIで示される化合物を得る。式XVIIで示される化合物を、酢酸中、塩化クロロアセチルで処理して、式XVIIIで示されるアミドを得、これを、周囲温度で、ジオキサン中、水性水酸化ナトリウムで処理して、式XIIIで示される中間体を得る。また、式XVIIで示される化合物を、ジオキサンおよびピリジンに溶解して、10℃〜15℃の温度で、塩化クロロアセチルを滴下することにより、式XVIIで示される化合物を式XIIIで示される化合物に直接変換してもよい。短時間撹拌した後、水性水酸化ナトリウムを添加し、反応混合物を周囲温度で数時間撹拌して、式XIIIで示される化合物を得る。
【0050】
【化19】

【0051】
上記式中、RおよびRは、先に記載したとおりである。
【0052】
スキーム3により、式XIIIで示される化合物を、高温で塩基の存在下、活性化剤、(例えば、N,N−ジメチル−p−トルイジンの存在下でのトルエンまたはクロロホルム中のオキシ塩化リン)で処理して、式XIXで示される化合物を得、これを従来の方法で単離するか、または次の反応ステップで直接用いる。最後に、XIXを、THF中のリチウムジイソプロピルアミドもしくはリチウムヘキサメチルジシラジドの冷却溶液と(E)−(ジメチルアミノメチレンアミノ)酢酸エチルエステルとの混合物、またはTHF中のエチルイソシアノアセタートの冷却溶液とカリウムtert−ブトキシドもしくは水素化ナトリウムとの混合物と反応させることにより、式IIで示される化合物を得る。
【0053】
【化20】

【0054】
上記式中、X'は、水素または低級アルキルであり、R、RおよびRは、先に記載したとおりである。
【0055】
スキーム4により、式IIで示される化合物をテトラヒドロフラン中の水素化ホウ素リチウムと共に加熱して、式IIIで示される化合物を得、これを周囲温度でジクロロメタン中、[ビス(2−メトキシエチル)アミノ]サルファートリフルオリドで処理して、式Iで示される化合物を得る。あるいは、式IIで示される化合物を式Vで示されるカルボン酸に加水分解して、これをフッ化水素の存在下で四フッ化硫黄と反応させることにより式Iで示される化合物に変換する。式Vで示される化合物を、周囲温度でジクロロメタンとDMFとの溶媒混合物中、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸および塩基、例えばN−メチルモルホリンの存在下、活性化試薬、例えば、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸と反応させて、式VIIで示される化合物を得、これを、ジクロロメタン中、ジイソブチルアルミニウムヒドラジドを用いて還元して、式IVで示されるアルデヒドを得るか、または適切な試薬、例えばGrignard試薬との反応によりケトン:IVに変換する。周囲温度でジクロロメタン中、酸化マンガン(IV)(またはDess Martin Periodinane)で処理して、式IIIで示されるアルコールを酸化することによっても得られるこのケトンまたはアルデヒド(IV)を、周囲温度または高温で、溶媒としてのジクロロメタンの存在下または非存在下で、[ビス(2−メトキシエチル)アミノ]サルファートリフルオリドで処理して、式Iで示される化合物を得る。
【0056】
前述したとおり、式Iで示される化合物およびその薬学的に使用され得る塩は、価値ある薬理学的性質を保有する。本発明の化合物は、α5サブユニットを含むGABA A受容体のリガンドであり、それゆえ、認知の向上が求められる治療に有用であることが見出された。
【0057】
該化合物を、以下に示すテストにより検討した。
【0058】
膜調製および結合アッセイ
構成:α1β3γ2、α2β3γ2、α3β3γ2およびα5β3γ2のラット(安定的にトランスフェクトした)受容体またはヒト(一過性にトランスフェクトした)受容体を発現するHEK293細胞に結合する[H]フルマゼニル(85Ci/mmol;Roche)への競争により、GABA A受容体サブタイプでの化合物の親和力を測定した。
【0059】
細胞ペレットをKrebs-Tris緩衝液(4.8mM KCl、1.2mM CaCl、1.2mM MgCl、120mM NaCl、15mM Tris;pH7.5;結合アッセイ緩衝液)に懸濁させ、氷上でポリトロンにより約20秒間均質化させ、4℃で60分間遠心分離した(50000g;Sorvall、ローター:SM24=20000回転)。細胞ペレットをKrebs-Trsi緩衝液に再懸濁させて、氷上でポリトロンにより約15秒間均質化させた。蛋白質を測定して(Bradford法、Bio-Rad)、1mLのアリコットを調製して、−80℃で貯蔵した。
【0060】
100μLの細胞膜、濃度1nM(α1、α2、α3サブユニット用)および0.5nM(α5サブユニット用)の[H]フルマゼニルならびに10−10〜3×10−6Mの範囲のテスト化合物を含む200μL容量で、放射性リガンド結合アッセイを実施した。非特異的結合を10−5Mジアゼパムにより定義し、通常は結合全体の5%未満であった。アッセイ物を平衡になるまで、4℃で1時間インキュベートして、Packardハーベスタを用いてろ過し、氷冷洗浄緩衝液(50mM Tris;pH7.5)で洗浄することにより、GF/Cユニフィルター(Packard)上に採取した。乾燥させた後、フィルターに残留する放射能を液体シンチレーションカウントにより検出した。Ki値は、Excel-Fit(Microsoft)を用いて計算し、2回の測定値の平均とした。
【0061】
添付の実施例の化合物を、上記アッセイにおいてテストし、全てが、ラットGABA A受容体のα5サブユニットからの[H]フルマゼニルの置換に関するKi値100nM 以下を有することが見出された。好ましい実施形態において、本発明の化合物は、α1、α2およびα3サブユニットに対し、α5サブユニットへの選択性を示す結合である。
【0062】
以下の表に、特定の化合物の活性データを示す。
【0063】
【表1】

【0064】
式Iで示される化合物およびその薬学的に使用され得る酸付加塩は、医薬として、例えば、医薬製剤の形態で用いることができる。該医薬製剤は、例えば経口的に、例えば、錠剤、コート錠、糖剤、ハードおよびソフトゼラチンカプセル、溶液、乳化剤または懸濁剤の形態で投与することができる。しかし投与は、経直腸的に、例えば坐剤の形態でまたは非経口的に、例えば注射溶液の形態で実施してもよい。
【0065】
式Iで示される化合物、およびその薬学的に使用され得る酸付加塩は、錠剤、コート錠、糖剤、およびハードゼラチンカプセルの製造用の薬学的に不活性の無機または有機賦形剤と共に加工してもよい。例えば、錠剤、糖剤およびハードゼラチンカプセル用のそのような賦形剤として、ラクトース、コーンスターチまたはその誘導体、タルク、ステアリン酸またはその塩などを用いてもよい。ソフトゼラチンカプセル用の適切な賦形剤は、例えば、植物油、ワックス、脂肪、半固形ポリオールおよび液体ポリオールなどである。
【0066】
溶液およびシロップの製造用の適切な賦形剤は、例えば、水、ポリオール、サッカロース、転化糖、グルコースなどである。
【0067】
注射溶液用の適切な賦形剤は、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセロール、植物油などである。
【0068】
坐剤用の適切な賦形剤は、例えば、天然油、硬化油、ワックス、脂肪、半液体ポリオール、または液体ポリオールなどである。
【0069】
その上、該医薬製剤は、防腐剤、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色剤、香料、浸透圧を変動させる塩、緩衝剤、マスキング剤、または抗酸化剤を含んでいてもよい。それらは、更に別の治療上価値あるな物質を含んでいてもよい。
【0070】
投与量は、広い限界内で変動してもよいが、もちろん、各例で個々の要件に適合させ得る。一般に、経口投与の場合、一般式Iで示される化合物の日用量 約10〜1000mg/人が適切となるはずであるが、必要に応じて、上記の上限を超えていてもよい。
【0071】
以下の実施例は、本発明を例示しており、それを限定するものではない。温度は全て、℃で示す。
実施例A
以下の組成の錠剤を常法により製造する。
mg/錠剤
活性物質 5
乳糖 45
トウモロコシデンプン 15
微晶質セルロース 34
ステアリン酸マグネシウム 1
錠剤重量 100
【0072】
実施例B
以下の組成のカプセル剤を製造する。
mg/カプセル剤
活性物質 10
乳糖 155
トウモロコシデンプン 30
タルク 5
カプセル充填重量 200
【0073】
活性物質、乳糖およびトウモロコシデンプンを、最初にミキサーで、次に微粉砕機で混合する。混合物をミキサーに戻し、タルクを加え、十分に混合する。混合物を機械により硬質ゼラチンカプセルに充填する。
【0074】
実施例C
以下の組成の座剤を製造する。
mg/座剤
活性物質 15
座薬用錬剤 1285
総量 1300
【0075】
座剤用錬剤をガラスまたはスチール容器で溶解し、十分に混合し、45℃に冷却する。その後、微粉砕した活性物質を加え、それが完全に分散するまで撹拌する。混合物を適切な大きさの座剤成形型に注ぎ、放置して冷却し、次に座剤を成形型から取り外し、パラフィン紙または金属箔で個別に包む。
【0076】
以下の実施例を、本発明の例示のため提供する。これらを、本発明の範囲を制限するものと考えるべきではなく、本発明の代表例としてのみ考えるべきである。
【0077】
実施例1
3−クロロ−10−フルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
a) 3−クロロ−10−ヒドロキシメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
THF(400mL)中の3−クロロ−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン−10−カルボン酸エチル(EP519307)(10.0g、30.3mmol)の懸濁液に、水素化ホウ素リチウム(800mg、34.9mmol)を加え、反応混合物を7時間加熱還流した。周囲温度まで冷却した後、1N HCl水溶液を加えてpH=2に酸性化し、水(50mL)で希釈した。溶媒を蒸発し、残渣を濃NHOH水溶液(100mL)に取った。得られた固体を濾別し、水(3×10mL)で洗浄し、乾燥し(60℃,真空下)、標記化合物(4.01g、45.8%)を白色の固体として得た。MS:m/e=287.9(M)。
【0078】
b) 3−クロロ−10−フルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
ジクロロメタン(6mL)中の3−クロロ−10−ヒドロキシメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン(193mg、0.67mmol)の懸濁液に、ビス(2−メトキシエチル)アミノサルファートリフルオリド(0.08mL、0.74mmol)を−70℃で加えた。反応混合物を18時間撹拌し、周囲温度に温めた。ジクロロメタン(20mL)を加え、混合物をNaCO水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(SiO、酢酸エチル:ジクロロメタン:メタノール=75:20:5)により精製して、標記化合物(87mg、45%)を白色の固体として得た。MS:m/e=289.9(M)。
【0079】
実施例2
3−クロロ−10−ジフルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
a) 3−クロロ−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン−10−カルバルデヒド
ジクロロメタン(1.5L)中の3−クロロ−10−ヒドロキシメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン(15.0g、52.1mmol)の溶液に、酸化マンガン(IV)(188g、1.94mol)を加え、混合物を周囲温度で24時間撹拌した。それをジカライトで濾過し、ジクロロメタンで洗浄し、濃縮した。残渣をジクロロメタン(700mL)に40℃で溶解し、酢酸エチル(100mL)を加えた。生成物が結晶化し始めた。冷却した後、ジクロロメタンを蒸発し、固体を濾過した。真空下で乾燥して、標記化合物(11.8g、79.2%)を黄色の結晶質固体として得た。MS:m/e=286.1(M+H
【0080】
b) 3−クロロ−10−ジフルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
【0081】
ジクロロメタン(18mL)中の3−クロロ−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン−10−カルバルデヒド(600mg、2.10mmol)の懸濁液に、ビス(2−メトキシエチル)アミノサルファートリフルオリド(0.47mL、4.62mmol)をアルゴン下で−70℃にて加えた。反応混合物を18時間撹拌して、周囲温度に温めた。再び、ビス(2−メトキシエチル)−アミノサルファートリフルオリド(0.2mL)を加え、撹拌を40℃で更に18時間続けた。混合物を酢酸エチルで希釈し、NaCO水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(SiO、ヘプタン:酢酸エチル:ジクロロメタン=6:2:2)により精製して、標記化合物(403mg、62%)を白色の固体として得た。MS:m/e=308.2(M+H
【0082】
実施例3
3−フルオロ−10−フルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
a) 3−フルオロ−10−ヒドロキシメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
THF(300mL)中の3−フルオロ−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン−10−カルボン酸エチル(EP519307)(9.24g、29.5mmol)の懸濁液に、水素化ホウ素リチウム(811mg、35.4mmol)を加え、反応混合物を8時間加熱還流した。周囲温度まで冷却した後、1N HClを加えてこれをpH=2に酸性化した。溶媒を蒸発し、残渣を濃NHOH水溶液(100mL)に取った。得られた固体を濾別し、水(3×10mL)で洗浄し、乾燥して(60℃,真空下)、標記化合物(6.53g、83%)を白色の固体として得た。MS:m/e=272.2(M+H)。
【0083】
b) 3−フルオロ−10−フルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
実施例1bに記載したように、3−フルオロ−10−ヒドロキシメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン(522mg、1.93mmol)を、3−クロロ−10−ヒドロキシメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピンの代わりに、標記化合物(279mg、53%)に変換して、それを白色の固体として得た。MS:m/e=274.1(M+H)。
【0084】
実施例4
3−フルオロ−10−ジフルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
a) 3−フルオロ−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン−10−カルバルデヒド
ジクロロメタン(200mL)中の3−フルオロ−10−ヒドロキシメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン(6.00g、22.1mmol)の懸濁液に、重炭酸ナトリウム(5.58g、66.4mmol)およびデス−マーチンペルヨージナン(14.5g、33.2mmol)を0℃で加えた。この温度で35分間撹拌した後、これを周囲温度に温め、更に1.5時間撹拌した。ヘプタン(300mL)およびジクロロメタン(100mL)を加え、橙色の懸濁液を更に2時間撹拌した。ハイフロ(登録商標)を通して濾過した後、それをジクロロメタンで注意深く洗浄し、蒸発した。残渣をクロマトグラフィー(SiO、酢酸エチル:メタノール=19:1)により精製して、標記化合物(5.12g、86%)をオフホワイトの固体として得た。MS:m/e=270.3(M+H
【0085】
b) 3−フルオロ−10−ジフルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
ジクロロメタン(200mL)中の3−フルオロ−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン−10−カルバルデヒド(4.74g、17.6mmol)の懸濁液に、ビス(2−メトキシエチル)アミノサルファートリフルオリド(16.6mL、90.0mmol)をアルゴン下で周囲温度にて加えた。反応混合物を92時間撹拌した。再び、ビス(2−メトキシエチル)−アミノサルファートリフルオリド(3.8mL)を加え、撹拌を周囲温度で更に26時間続けた。混合物を酢酸エチルで希釈し、NaCO水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(SiO、ヘプタン:酢酸エチル=1:1)により精製して、標記化合物(1.48g、29%)を白色の固体として得た。MS:m/e=292.1(M+H)。
【0086】
実施例5
3−フルオロ−10−トリフルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
3−フルオロ−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン−10−カルボン酸(500mg、1.75mmol)およびジクロロメタン(35mL)の混合物に、フッ化水素(dest、1.0g)を−24℃で、続いて四フッ化硫黄(dest、1.0g)を−42℃で加えた。反応混合物を80℃まで3時間加熱した。得られた黄色の溶液を濃縮し、クロマトグラフィー(SiO、tert−ブチルメチルエーテル)により精製して、標記化合物(90mg、17%)を白色の固体として得た。MS:m/e=310.1(M+H)。
【0087】
実施例6
3−ブロモ−10−フルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
a) 4−ブロモ−2−シアノ−フェニル)−カルバミン酸エチルエステル
クロロギ酸エチル(141mL、1.48mol)中の2−ブロモ−5−クロロベンゾニトリル(58.5g、297mmol)の懸濁液を、5時間加熱還流した。過剰量のクロロギ酸エチル(99mL)を留去し、トルエン(96mL)を加えた。シクロヘキサン(228mL)をゆっくり加えて、結晶化を誘発した。得られた固体を濾過により回収し、シクロヘキサンですすいだ。真空下で乾燥して、標記化合物(54.3g、68%)を橙色の固体として得た。MS:m/e=267.1/269.2(M−H)。
【0088】
b) 9−ブロモ−6H−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]キナゾリン−5−オン
NMP(170mL)中の4−ブロモ−2−シアノ−フェニル)−カルバミン酸エチルエステル(40.4g、150mmol)の溶液に、ホルミルヒドラジン(10.0g、150mmol)を加えた。得られた混合物を穏やかな窒素スイープ下で160℃にて1.5時間撹拌した。それを100℃未満まで冷却し、水(340mL)をゆっくり加えた。得られたスラリーを25℃まで冷却し、15分間撹拌した。固体を濾過により回収し、水および2−プロパノールで洗浄した。真空下で乾燥して、標記化合物(32.4g、81%)を明黄色の固体として得た。MS:m/e=264.9/267.0(M+H)。
【0089】
c) 4−ブロモ−2−(2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−フェニルアミン
100℃で加熱したエチレングルコール(146mL)中の9−ブロモ−6H−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]キナゾリン−5−オン(32.0g、171mmol)の、よく撹拌したスラリーに、32%NaOH水溶液(22.4mL、241mmol)を加えた。スラリーを140℃で17.5時間加熱した。得られた溶液を27℃まで冷却し、生成物が結晶化し始めた。水(146mL)および1−オクタノール(1.73mL)を加え、氷酢酸(14mL)をゆっくり加えて、懸濁液のpHを6.5に調整した。得られたスラリーを30分間撹拌し、固体を濾過により回収し、水および2−プロパノールで洗浄した。真空下で乾燥して、標記化合物(25.2g、87%)を明黄色の固体として得た。MS:m/e=239.0/241.1(M+H)。
【0090】
d) 9−ブロモ−6H−1,3,3a,6−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−オン
ジオキサン(870mL)およびピリジン(10.0mL)中の4−ブロモ−2−(2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−フェニルアミン(25.0g、105mmol)の溶液を、12℃まで冷却した。ジエチルエーテル(34.7mL)中のクロロアセチルクロリド(9.56mL、121mmol)の溶液を、8分間かけて滴下した。混合物を10〜12℃で75分間撹拌し、2N NaOH水溶液(126mL、251mmol)で5分以内に処理した。混合物を周囲温度で17.5時間撹拌した。次にpHを約pH=9に下げ、それを3N HCl(6mL)でpH=8に調整した。蒸発した後、残渣を水(650mL)および酢酸エチル(22mL)中で、15℃で30分間撹拌した。結晶を濾別し、冷水で洗浄し、真空下で乾燥した。酢酸エチル(100mL)中でかき砕き、標記化合物(13.4g、46%)を明黄色の固体として得た。MS:m/e=279.0/281.0(M+H)。
【0091】
e) 3−ブロモ−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン−10−カルボン酸エチル
クロロホルム(270mL、Alox basicを通して濾過)中の9−ブロモ−6H−1,3,3a,6−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−オン(10.7g、38.5mmol)の懸濁液に、N,N−ジメチル−p−トルイジン(13.9mL、96.1mmol)およびオキシ塩化リン(5.28mL、57.7mmol)を加えた。混合物を還流温度で22時間撹拌し、次に30℃まで冷却し、NaHCO水溶液(10%、575mL)に注いだ。クロロホルム(50mL)で抽出した後、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。
【0092】
一方、カリウムtert−ブチラート(4.31g、38.5mmol)を、THF(115mL)中のイソシアノ酢酸エチル(4.42mL、38.5mmol)の溶液に−25〜−10℃で少量ずつ加えた。得られた懸濁液を−10℃で45分間撹拌し、次に−65℃まで冷却した。上記の溶液を10分以内に滴下し、混合物を周囲温度で16時間撹拌した。酢酸(1.6mL)を加え、15分間撹拌し、次に5%NaHCO水溶液(460mL)および酢酸エチル(96mL)に注いだ。得られた結晶を濾別し、酢酸エチル(25mL)、水(50mL)および酢酸エチル(25mL)で洗浄した。真空下で乾燥して、標記化合物(4.81g、33%)を明褐色の固体として得た。MS:m/e=373.7/375.7(M
【0093】
f) 3−ブロモ−10−ヒドロキシメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
実施例3aに記載したように、3−ブロモ−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン−10−カルボン酸エチル(1.03g、2.75mmol)を、3−フルオロ−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン−10−カルボン酸エチルの代わりに、標記化合物(652mg、71%)に変換して、それを白色の固体として得た。MS:m/e=332.1/334.1(M+H)。
【0094】
g) 3−ブロモ−10−フルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
実施例1bに記載したように、3−ブロモ−10−ヒドロキシメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン(623mg、1.88mmol)を、3−クロロ−10−ヒドロキシメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピンの代わりに、標記化合物(SiO、ヘプタン:酢酸エチル:ジクロロメタン=3:5:2、249mg、40%)に変換して、それを白色の固体として得た。MS:m/e=334.1/336.2(M+H)。
【0095】
実施例7
3−ブロモ−10−ジフルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
a) 3−ブロモ−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン−10−カルバルデヒド
実施例2aに記載したように、3−ブロモ−10−ヒドロキシメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン(600mg、1.81mmol)を、3−クロロ−10−ヒドロキシメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピンの代わりに、標記化合物(208mg、35%)に変換して、それを白色の固体として得た。MS:m/e=330.1/332.1(M+H)。
【0096】
b) 3−ブロモ−10−ジフルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
ジクロロメタン(5mL)中の3−ブロモ−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン−10−カルバルデヒド(165mg、0.50mmol)の懸濁液に、[ビス(2−メトキシエチル)アミノ]サルファートリフルオリド(0.41mL、2.20mmol)を周囲温度で加えた。混合物を21時間撹拌し、次に酢酸エチルと飽和NaCO水溶液に分離した。硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、続いてクロマトグラフィー(SiO、酢酸エチル:ジクロロメタン:メタノール=8:1:1)により精製して、標記化合物(99mg、56%)をオフホワイトの固体として得た。MS:m/e=351.7/353.6(M)。
【0097】
実施例8
3−シクロプロピル−10−フルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
THF(5mL)中の3−ブロモ−10−フルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン(180mg、0.54mmol)の懸濁液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(31mg、0.03mmol)およびシクロプロピル亜鉛クロリド(THF中0.38M、1.78mL、0.67mmol)をアルゴン雰囲気下で加えた。周囲温度で18時間撹拌した後、これに再びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(32mg、0.03mmol)およびシクロプロピル亜鉛クロリド(THF中0.38M、10mL、3.8mmol)を加え、混合物を更に28時間撹拌した。NHCl水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した後、合わせた有機層をNaCO水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(SiO、ヘプタン:酢酸エチル:ジクロロメタン=1:3:1)により精製して、標記化合物(64mg、40%)を明褐色の固体として得た。MS:m/e=296.4(M+H)。
【0098】
実施例9
3−シクロプロピル−10−ジフルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
実施例8に記載したように、3−ブロモ−10−ジフルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン(300mg、0.85mmol)を、3−ブロモ−10−フルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピンの代わりに、標記化合物(61mg、23%)に変換して、それを白色の固体として得た。MS:m/e=314.0(M+H)。
【0099】
実施例10
10−ジフルオロメチル−3−エチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
THF(4mL)中の3−ブロモ−10−ジフルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン(211mg、0.60mmol)の溶液に、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化パラジウム(II)(21mg、0.03mmol)およびジエチル亜鉛(ヘキサン中1.0M、2.40mL、2.40mmol)をアルゴン雰囲気下で加えた。得られた暗褐色の溶液を周囲温度で18時間撹拌した。NHCl水溶液(20mL)を加え、酢酸エチルで抽出した後、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(SiO、ヘプタン:酢酸エチル:ジクロロメタン:メタノール=75:15:10:0〜0:80:10:10)により精製して、標記化合物(107mg、59%)をオフホワイトの固体として得た。MS:m/e=302.2(M+H)。
【0100】
実施例11
3−ベンジル−10−ジフルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
THF(4mL)中の3−ブロモ−10−ジフルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン(211mg、0.60mmol)の溶液に、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化パラジウム(II)(21mg、0.03mmol)およびベンジル亜鉛ブロミド(THF中0.5M、4.80mL、2.40mmol)をアルゴン雰囲気下で加えた。得られた暗褐色の溶液を50℃で17時間撹拌した。NHCl水溶液(20mL)を加え、酢酸エチルで抽出した後、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(SiO、ヘプタン:酢酸エチル:ジクロロメタン:メタノール=75:15:10:0〜0:80:10:10)により精製して、標記化合物(179mg、82%)を明黄色の泡状物として得た。MS:m/e=364.3(M+H)。
【0101】
実施例12
10−ジフルオロメチル−3−エチニル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
a) 10−ジフルオロメチル−3−トリメチルシラニルエチニル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
THF(5mL)中の3−ブロモ−10−ジフルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン(352mg、1.00mmol)、トリメチルシリルアセチレン(221μL、1.55mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)−塩化パラジウム(II)(35mg、0.05mmol)、トリフェニルホスフィン(8mg、0.03mmol)およびトリエチルアミン(0.50mL、3.6mmol)の懸濁液を、周囲温度で15分間撹拌した。臭化銅(I)(1.4mg、0.01mmol)を加え、反応混合物をアルゴン雰囲気下で70℃にて17時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(20m)で希釈し、クエン酸水溶液(10%、40mL)で洗浄した。水相を酢酸エチル(40mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した。クロマトグラフィー(SiO、ヘプタン:酢酸エチル:ジクロロメタン:メタノール=75:15:10:0〜0:80:10:10)により精製して、標記化合物(344mg、93%)を明黄色の泡状物として得た。MS:m/e=370.1[M+H]
【0102】
b) 10−ジフルオロメチル−3−エチニル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
THF(2.5mL)およびMeOH(0.25mL)の混合物中の10−ジフルオロメチル−3−トリメチルシラニルエチニル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d]−[1,4]ベンゾジアゼピン(259mg、0.70mmol)の溶液に、フッ化テトラブチルアンモニウム三水和物(232mg、0.74mmol)をアルゴン雰囲気下で−70℃にて加えた。この温度で30分間撹拌した後、ドライアイス浴を氷浴に取り替え、反応混合物を0℃で1時間撹拌した。それを酢酸エチル(10mL)で希釈し、NaCO水溶液で洗浄し、酢酸エチル(10mL)で抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥し、クロマトグラフィー(SiO、ヘプタン:酢酸エチル:ジクロロメタン:メタノール=75:15:10:0〜0:80:10:10)により精製して、標記化合物(201mg、97%)を白色の固体として得た。MS:m/e=298.2[M+H]
【0103】
実施例13
3−シアノ−10−ジフルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
DMF(4mL)中の3−ブロモ−10−ジフルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン(211mg、0.60mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(21mg、0.02mmol)およびシアン化亜鉛(70mg、0.60mmol)の混合物を、アルゴン雰囲気下で、還流温度にて42時間撹拌した。更に、テトラキス(トリフェニル−ホスフィン)パラジウム(0)(21mg、0.02mmol)およびシアン化亜鉛(70mg、0.60mmol)を加え、撹拌を還流温度で更に24時間続けた。反応混合物を、HCl水溶液(1N、5.0mL)および酢酸エチル(30mL)中の塩化鉄(III)(973mg、6.0mmol)の溶液に0℃で注いだ。この温度で1時間撹拌した後、混合物をNaCO水溶液(2N)で塩基性化し、ハイフロ(登録商標)を通して濾過し、酢酸エチルで洗浄した。水層を酢酸エチルで抽出した後、合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(SiO、ヘプタン:酢酸エチル:ジクロロメタン:メタノール=75:15:10:0〜0:80:10:10)により精製して、標記化合物(74mg、42%)を白色の固体として得た。MS:m/e=299.2(M+H)。
【0104】
実施例14
10−(1,1−ジフルオロ−エチル)−3−フルオロ−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
a) 1−[3−フルオロ−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン−10−イル]−エタノン
THF(100mL)中の10−シアノ−3−フルオロ−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン(2.07g、7.78mmol)の溶液に、メチルマグネシウムブロミド(EtO中3N、39.0mL、13.0mmol)を周囲温度で5分かけて加えた。得られた明澄な褐色の溶液を、更に2時間撹拌した。混合物をHCl水溶液(1N、200mL)に注意深く注ぎ、酢酸エチル(3×200mL)で抽出した。合わせた有機層を水(250mL)およびブライン(250mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(SiO、ヘプタン:酢酸エチル:メタノール=20:80:0〜0:90:10)により精製して、標記化合物(303mg、14%)を白色の固体として得た。MS:m/e=282.4(M−H)。
【0105】
b) 10−(1,1−ジフルオロ−エチル)−3−フルオロ−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
1−[3−フルオロ−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン−10−イル]−エタノン(100mg、0.35mmol)およびビス(2−メトキシエチル)アミノサルファートリフルオリド(THF中50%、1.56mL、3.53mmol)の混合物を、密閉したプラスチック管中で、アルゴン雰囲気下で60℃にて3日間撹拌した。混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、NaCO水溶液(飽和)で洗浄した。酢酸エチル(20mL)で抽出し、続いて硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(SiO、ヘプタン:酢酸エチル:ジクロロメタン=60:20:20〜30:50:20:)により精製して、標記化合物(24mg、22%)を明褐色の固体として得た。MS:m/e=306.2(M+H)。
【0106】
実施例15
10−(1,1−ジフルオロ−プロピル)−3−フルオロ−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
a) 3−フルオロ−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン−10−カルボン酸メトキシ−メチル−アミド
THF(200mL)およびDMF(40mL)の混合物中の3−フルオロ−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン−10−カルボン酸(20.74g、72.7mmol)、N,O−ジメチルヒドロキシアミン塩酸塩(11.35g、116.3mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(16.72g、87.24mmol)、N−メチルモルホリン(12.78mL、116.3mmol)およびN,N−ジメチルアミノピリジン(300mg、3.23mmol)の混合物を、周囲温度で18時間撹拌した。ジクロロメタンを留去し、氷冷水(200mL)を加えた。得られた懸濁液を15分間撹拌し、濾過し、水(100mL)で洗浄した。乾燥して、標記化合物(11.46g、48%)を白色の固体として得た。MS:m/e=329.1(M+H)。
【0107】
b) 1−[3−フルオロ−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン−10−イル]−プロパン−1−オン
THF(20mL)中の3−フルオロ−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン−10−カルボン酸メトキシ−メチル−アミド(500mg、1.52mmol)の溶液に、エチルマグネシウムブロミド(THF中3M、1.52mL、4.57mmol)を−70℃で加えた。ドライアイス浴を取り外し、反応混合物を2時間撹拌した。−70℃まで冷却した後、更にエチルマグネシウムブロミド(THF中3M、1.52mL、4.57mmol)を加え、混合物を周囲温度で更に2時間撹拌した。混合物を0℃まで冷却し、HCl水溶液(1N、10mL)を滴下した。それを酢酸エチル(20mL)およびNaCO水溶液(飽和)で希釈した。水層を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層をNaCO水溶液(飽和)で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥し、残渣をクロマトグラフィー(SiO、ヘプタン:酢酸エチル:ジクロロメタン=60:20:20〜30:50:20)により精製して、標記化合物(200mg、44%)を白色の固体として得た。MS:m/e=298.2(M+H)。
【0108】
c) 10−(1,1−ジフルオロ−プロピル)−3−フルオロ−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
1−[3−フルオロ−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン−10−イル]−プロパン−1−オン(158mg、0.53mmol)、ビス(2−メトキシエチル)アミノサルファートリフルオリド(490μL、2.66mmol)およびエタノール(10μL、0.16mmol)の混合物を、密閉したプラスチック管中で、アルゴン雰囲気下で90℃にて2日間撹拌した。反応混合物を氷/水に注ぎ、酢酸エチル(20mL)で抽出した。有機層をNaCO水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。残渣をクロマトグラフィー(SiO、ヘプタン:酢酸エチル:ジクロロメタン=60:20:20〜30:50:20:)により精製して、標記化合物(41mg、24%)をオフホワイトの固体として得た。MS:m/e=320.0(M+H)。
【0109】
実施例16
10−ジフルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
メタノール(10mL)中の3−ブロモ−10−ジフルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン(247mg、0.70mmol)の溶液に、パラジウム/活性炭(10%、74mg、0.07mmol)をアルゴン雰囲気下で加えた。次に混合物を水素雰囲気下で、周囲温度にて17時間撹拌し、その後ハイフロ(登録商標)を通して濾過し、メタノールで洗浄した。残渣をクロマトグラフィー(SiO、ヘプタン:酢酸エチル:ジクロロメタン:メタノール=75:15:10:0〜0:80:10:10)により精製して、標記化合物(122mg、64%)を白色の固体として得た。MS:m/e=274.2(M+H)。
【0110】
実施例17
3−モルホリン−4−イル−10−ジフルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
DMSO(2mL)中の3−フルオロ−10−ジフルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン(200mg、0.69mmol)およびモルホリン(0.30mL、0.3.43mmol)の混合物を、密閉した反応管中で130℃にて18時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、炭酸ナトリウム水溶液(飽和)で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(SiO、ヘプタン:酢酸エチル:ジクロロメタン:メタノール=60:20:20:0〜20:50:20:10)により精製して、標記化合物(138mg、56%)を白色の固体として得た。MS:m/e=359.2(M+H)。
【0111】
実施例18
3−ブロモ−10−(1−フルオロ−プロピル)−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
a) 3−ブロモ−10−(1−ヒドロキシ−プロピル)−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
THF(25mL)中の3−ブロモ−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン−10−カルバルデヒド(500mg、1.51mmol)の懸濁液に、エチルマグネシウムブロミド溶液(THF中3M、3.03mL、9.09mmol)を−70℃で加えた。1時間後、この温度で塩化アンモニウム水溶液(飽和、18mL)を加え、混合物を周囲温度まで温めた。ジクロロメタンおよび炭酸ナトリウム水溶液を加え、抽出し(ジクロロメタン)、合わせた有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。残渣をクロマトグラフィー(SiO、ヘプタン:酢酸エチル:メタノール=80:19:01〜0:90:10)により精製して、標記化合物(413mg、76%)を白色の固体として得た。MS:m/e=360.0/362.0(M+H)。
【0112】
b) 3−ブロモ−10−(1−フルオロ−プロピル)−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
ジクロロメタン(7mL)中の3−ブロモ−10−(1−ヒドロキシ−プロピル)−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン(260mg、0.72mmol)の溶液に、ビス(2−メトキシエチル)アミノサルファートリフルオリド(110μL、1.08mmol)を−70℃で加えた。得られた混合物を19時間撹拌し、周囲温度に温めた。ジクロロメタン(20mL)を加えた後、それを炭酸ナトリウム水溶液(飽和)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。残渣をクロマトグラフィー(SiO、ヘプタン:酢酸エチル:ジクロロメタン=70:20:10〜00:90:10)により精製して、標記化合物(60mg、23%)をオフホワイトの固体として得た。MS:m/e=362.0/364.0(M+H)。
【0113】
実施例19
3−ブロモ−10−(1,1−ジフルオロ−プロピル)−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
a) 3−ブロモ−10−(2−エチル−[1,3]ジチアン−2−イル)−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
ジオキサン(7.5mL)中の1−[3−ブロモ−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン−10−イル]−プロパン−1−オン(410mg、1.14mmol)の懸濁液に、1,2−エタンジチオール(578μL、6.87mmol)および三フッ化ホウ素酢酸錯体(636μL、4.58mmol)を加えた。得られた溶液をアルゴン雰囲気下で60℃にて4日間撹拌し、次に周囲温度まで冷却し、炭酸水素ナトリウム水溶液(飽和、30mL)でクエンチした。周囲温度で30分間撹拌した後、混合物を酢酸エチルで抽出した。炭酸水素ナトリウム水溶液(飽和)、水酸化ナトリウム水溶液(15%)およびブラインで洗浄し、続いて硫酸ナトリウムで乾燥した。残渣をクロマトグラフィー(SiO、ヘプタン:酢酸エチル:ジクロロメタン:メタノール=75:15:10:0〜0:70:10:20)により精製して、標記化合物(364mg、73%)を白色の固体として得た。MS:m/e=434.0/436.0(M+H)。
【0114】
b) 3−ブロモ−10−(1,1−ジフルオロ−プロピル)−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
ジクロロメタン(6.6mL)中のN−ヨードスクシンイミド(678mg、3.01mmol)の懸濁液に、HF−ピリジン(390μL、1.66mmol)を−30℃で加えた。次にジクロロメタン(1.7mL)中の3−ブロモ−10−(2−エチル−[1,3]ジチアン−2−イル)−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン(327mg、0.75mmol)の溶液を、−30℃で滴下した。得られた暗赤色の混合物を−30℃で更に15分間撹拌し、次に氷冷炭酸水素ナトリウム水溶液(飽和、50mL)に注意深く注ぎ、5分間撹拌した。混合物をジクロロメタンで抽出した。有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液(飽和)およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。残渣をクロマトグラフィー(SiO、ヘプタン:酢酸エチル:ジクロロメタン:メタノール=75:15:10:0〜0:70:10:20)により精製して、標記化合物(231mg、81%)を白色の固体として得た。MS:m/e=380.0/382.0(M+H)。
【0115】
実施例20
3−クロロ−10−フルオロメチル−6−メチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
THF(mL)中の3−クロロ−6−メチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン−10−カルボン酸エチル(300mg、0.87mmol)の混合物に、水素化ホウ素リチウム(23mg、1.05mmol)を周囲温度で加えた。得られた懸濁液を還流温度で5時間撹拌した。反応混合物を周囲温度まで冷却した後、塩化アンモニウム水溶液(飽和、5mL)を注意深く加え、得られた混合物をこの温度で18時間撹拌した。有機溶媒を留去し、得られた懸濁液を濾過し、水で洗浄した。残渣をジクロロメタン(8mL)に溶解し、ビス(2−メトキシエチル)アミノサルファートリフルオリド(161μL、0.87mmol)を加え、反応混合物を周囲温度で18時間撹拌した。それをジクロロメタン(20mL)で希釈し、炭酸ナトリウム水溶液(飽和)で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥し、残渣をクロマトグラフィー(SiO、ヘプタン:酢酸エチル:ジクロロメタン:メタノール=40:40:20:0〜0:75:20:5)により精製して、標記化合物(67mg、28%)を白色の固体として得た。MS:m/e=304.1(M+H)。
【0116】
実施例21
3−クロロ−6−(3,4−ジメトキシフェニル)−10−フルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
実施例20に記載のように、3−クロロ−6−(3,4−ジメトキシフェニル)−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン−10−カルボン酸エチル(300mg、0.64mmol)を、3−クロロ−6−メチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン−10−カルボン酸エチルの代わりに、標記化合物(112mg、41%)に変換して、それを白色の固体として得た。MS:m/e=425.9(M+H)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I:
【化1】


(式中、
は、水素、ハロゲン、低級アルキル、低級アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ベンジル、シアノ、低級アルコキシ、OCF、−NHR、−NHC(O)Rまたは−NHSORであり;
は、ハロゲンにより置換された低級アルキルであり;
は、水素、メチルまたはアリールであり;
Rは、低級アルキル、シクロアルキルまたはアリールである)
で示される置換されたイミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン誘導体およびその薬学的に許容され得る酸付加塩。
【請求項2】
一般式I−A:
【化2】


(式中、
は、水素、ハロゲン、低級アルキル、低級アルキニル、シクロアルキル、ベンジル、シアノ、低級アルコキシ、OCF、−NHR、−NHC(O)Rまたは−NHSORであり;
は、ハロゲンにより置換された低級アルキルであり;
Rは、低級アルキル、シクロアルキルまたはアリールである)
で示される置換されたイミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン誘導体およびその薬学的に許容され得る酸付加塩。
【請求項3】
が、CHFである、請求項1記載の式Iで示される化合物。
【請求項4】
化合物が、
3−クロロ−10−フルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン、
3−フルオロ−10−フルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン、
3−ブロモ−10−フルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン、
3−シクロプロピル−10−フルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピンまたは
3−クロロ−10−フルオロメチル−6−メチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
である、請求項3記載の式Iで示される化合物。
【請求項5】
が、CHFである、請求項1記載の式Iで示される化合物。
【請求項6】
化合物が、
3−クロロ−10−ジフルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン、
3−フルオロ−10−ジフルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン、
3−ブロモ−10−ジフルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン、
3−シクロプロピル−10−ジフルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン、
10−ジフルオロメチル−3−エチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン、
3−ベンジル−10−ジフルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン、
10−ジフルオロメチル−3−エチニル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン、
3−シアノ−10−ジフルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピンまたは
10−ジフルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
である、請求項5記載の式Iで示される化合物。
【請求項7】
が、CFである、請求項1記載の式Iで示される化合物。
【請求項8】
化合物が、3−フルオロ−10−トリフルオロメチル−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピンである、請求項7記載の式Iで示される化合物。
【請求項9】
が、CFCHまたはCFCHCHである、請求項1記載の式Iで示される化合物。
【請求項10】
化合物が、
10−(1,1−ジフルオロエチル)−3−フルオロ−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピンまたは
10−(1,1−ジフルオロプロピル)−3−フルオロ−9H−イミダゾ[1,5−a][1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ベンゾジアゼピン
である、請求項9記載の式Iで示される化合物。
【請求項11】
a)式III:
【化3】


で示される化合物を、適切なハロゲン転移試薬(halogen-transfer-reagent)、例えば、[ビス(2−メトキシエチル)アミノ]サルファートリフルオリドと反応させて、式I:
【化4】


(式中、Rは、ハロゲンにより置換された低級アルキルである)で示される化合物にして、
所望なら、式Iで示される化合物を、薬学的に許容され得る塩に変換するか、または
b)式IV:
【化5】


で示される化合物を、適切なハロゲン転移試薬、例えば[ビス(2−メトキシエチル)アミノ]サルファートリフルオリドと反応させて、式I:
【化6】


で示される化合物にして、
所望なら、式Iで示される化合物を、薬学的に許容され得る塩に変換するか、または
c)式V:
【化7】


で示される化合物を、ハロゲン化水素の存在下で、四フッ化硫黄と反応させて、式I:
【化8】


で示される化合物にして、
所望なら、式Iで示される化合物を、薬学的に許容され得る塩に変換することを含む、請求項1記載の式Iで示される化合物の製造方法。
【請求項12】
請求項11記載の方法または同等な方法により製造される、請求項1記載の式Iで示される化合物。
【請求項13】
請求項1記載の式Iで示される化合物1種以上、および薬学的に許容され得る賦形剤を含む医薬。
【請求項14】
認知増強剤、(または)認知障害、精神分裂病、不安もしくはアルツハイマー病から選択されるGABA A α5サブユニットに関連する疾患の処置のための、請求項13記載の医薬。
【請求項15】
アルツハイマー病の処置のための、請求項14記載の医薬。
【請求項16】
認知増強剤、(または)認知障害、精神分裂病、不安もしくはアルツハイマー病の処置用の医薬を製造するための、請求項1記載の式Iで示される化合物の使用。
【請求項17】
アルツハイマー病の処置用の医薬を製造するための、請求項1記載の式Iで示される化合物の使用。
【請求項18】
本明細書の先に記載の発明。

【公表番号】特表2008−517011(P2008−517011A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−537162(P2007−537162)
【出願日】平成17年10月11日(2005.10.11)
【国際出願番号】PCT/EP2005/010908
【国際公開番号】WO2006/045430
【国際公開日】平成18年5月4日(2006.5.4)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】