説明

イメージ処理方法及び装置

YUVデータのエンコーディングを迅速に行うことで、イメージのキャプチャー時遅延現状を最小化することができるイメージ処理方法及び装置を提供する。
本発明の実施形態に係るイメージシグナルプロセッサは、プレビューモードのための処理クロックレート又は出力クロックレートと、キャプチャーモードのための処理クロックレート又は出力クロックレートとを異なって適用し、キャプチャーモードの遂行時に、処理クロックレートが、出力クロックレート以上になるように制御できる。本発明により、イメージの処理時、遅延現状が減少できる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージ処理に関し、より詳細には、イメージ処理遅延を減少させるための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、小型及び薄型の撮像素子が、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)などの小型及び薄型の携帯用端末に搭載されることによって、携帯用端末が撮像装置としても機能することができ、これにより、遠隔地に音声情報だけでなく、画像情報も伝送できるようになった。撮像素子は、携帯電話機やPDAだけでなく、MP3プレーヤーなどの携帯用端末にも具備され、種々の装置において外部映像を電子的なデータとして保持できるように具現されている。
【0003】
このような撮像装置には、一般的にCCD(Charge Coupled Device)型イメージセンサーやCMOS(Complementary Metal-0xide Semiconductor)型イメージセンサーなどの固体撮像素子が使われている。
【0004】
図1は、一般的な撮像装置の構成を簡略に示した図であり、図2は、従来技術に係るエンコーディングされたデータの出力のための信号波形を示した図であり、図3は、一般的なJPEGエンコーディング過程を示した図である。
【0005】
図1に示されたように、外部映像を電気的なデータに変換して表示部150にディスプレイする撮像装置は、イメージセンサー110と、イメージシグナルプロセッサ(ISP:Image Signal Processor)120と、バックエンドチップ(Back-end chip)130と、ベースバンドチップ(Baseband Chip)140と、表示部150と、を含む。その他に、撮像装置は、変換された電気的なデータを格納するためのメモリ、アナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換機などを更に含むことができる。
【0006】
イメージセンサー110は、バイエルパターン(Bayer Pattern)を持つセンサーであり、単位ピクセル別にレンズを介して入力された光の量に相応する電気信号(raw data)を出力する。
【0007】
イメージシグナルプロセッサ120は、イメージセンサー110から入力された電気信号をYUV値に変換し、変換されたYUV値をバックエンドチップ130に出力する。YUV方式は、人間の眼が色相よりは明るさに敏感であるという事実に着目した方式であり、色を明るさ(Luminance)のY成分と色相(Chrominance)のU及びV成分とに分ける。Y成分は、誤差に敏感であるので、色相成分のUとVより多いビットをコーディングする。典型的なY:U:Vの割合は、4:2:2である。
【0008】
イメージシグナルプロセッサ120は、変換したYUV値をFIFOに順次格納させることによってバックエンドチップ130が該当情報を入力され得るようにする。
【0009】
バックエンドチップ130は、入力されたYUV値を予め指定されたエンコーディング方法によりJPEGやBMPに変換してメモリに格納したり、これをデコーディングして表示部150にディスプレイする。バックエンドチップ130は、イメージの拡大、縮小、ローテーションなどの機能も行うことができる。もちろん、図1に示されたように、ベースバンドチップ140が、バックエンドチップ130からデコーディングされたデータを入力され、表示部150にディスプレイすることができる。
【0010】
ベースバンドチップ140は、撮像装置の動作を全般的に制御する機能を行う。例えば、キー入力部(図示せず)を介して使用者から撮像命令が入力されると、ベースバンドチップ140は、バックエンドチップ130にイメージ生成命令を伝送することによって、バックエンドチップ130が入力された外部映像に相応するエンコーディングされたデータを生成するようにすることもできる。
【0011】
表示部150は、バックエンドチップ130又はベースバンドチップ140の制御により提供されたデコーディングされたデータをディスプレイする。
【0012】
メモリに積載されたデータが、復号化などの処理のために順次入力される過程の信号波形が図2に示されている。一般に、バックエンドチップ130は、YUV/バイエル(BAYER)フォーマットのデータを入力されるように具現されており、このようなデータを入力されるためのインターフェースとして、クロック信号(P_CLK)、垂直同期信号(V_sync)、有効データイネーブル信号(H_REF)、及びデータ(DATA)信号を用いている。
【0013】
図2に示されたように、従来のバックエンドチップ130は、一つのフレーム(例えば、k(自然数)番目に入力されたフレーム)に対するエンコーディング処理を行う途中で、後続するフレーム(例えば、k+1番目に入力されたフレーム)に対する垂直同期信号(V_sync2)及び/又はイメージデータを入力されるように構成されており、イメージデータのエンコーディング時に、誤りが発生する可能性が多いという問題点があった。
【0014】
すなわち、従来のバックエンドチップ130は、現在処理されているフレームに対するエンコーディング処理だけでなく、次のフレームに対するエンコーディング処理を共に行うことがあり、正確なデータエンコーディングが完了されないという問題点もあった。
【0015】
また、バックエンドチップ130のエンコーディング部が、エンコーディングされたデータをデコーディング部に伝達したり、メモリに格納する場合、新たな垂直同期信号(V_sync2)を受信した以後には、現在フレームに対して、エンコーディングされたデータが正常に入力されないという問題点もあった。
【0016】
また、図2に示されたように、従来のイメージシグナルプロセッサ120が、バックエンドチップ130でデータを格納する場合に利用可能なH_REF信号を交番的に出力する。しかし、これは、バックエンドチップ130のメモリの記録イネーブル(Write Enable)信号のスイッチングによる電力消耗の原因にもなり得る。
【0017】
図3には、バックエンドチップ130により行われる一般的なJPEGエンコーディング(encoding)過程が示されている。JPEGエンコーディング過程200は、当業者にとって自明な事項であるので、簡略に説明することにする。
【0018】
図3に示されたように、入力されたYUV値のイメージは、8x8ピクセル大きさのブロックに分けられ、各ブロックに対して、DCT(離散コサイン変換、Discrete Cosine Transform)を行う(210)。DCTは、イメージを空間画像でそれに相応する周波数形態に変換することによって、フーリエ変換(Fourier Transform)を行う一連の変換過程を意味する。
【0019】
次いで、量子化器(Quantizer)は、各ブロックのDCT係数を、視覚に及ぼす影響によって重み付けをして量子化する(220)。この重みのテーブルを量子化テーブルという。量子化テーブルの値は、DC近くでは小さい値を取り、高い周波数では、大きい値を取り、情報量の多いDC近くのデータを小さな損失で送り、高周波数では、高い圧縮率を誘導する。
【0020】
次いで、無損失コーダー(Lossless coder)であるエントロピーエンコーダ(entropy encoder)により最終圧縮されたデータが生成される(230)。量子化処理過程を経た係数は、0に表現される一連の連続から構成される。したがって、データをコードシンボルとして表す連続-区間(Run-length)エンコーディングを介して、データの大きさが縮小されることができる。また、ハフマン(Huffman)エンコーディングを介しても、データの大きさを減らすことができる。ハフマンアルゴリズムは、統計的により繰り返し頻繁に発生するコードシンボルに、より短いシンボルを割り当てる。連続-区間及びハフマンの2エントロピーエンコーディングは、いずれもデータの大きさを縮小させるエンコーディング過程であるが、データの損失は、発生しない。
【0021】
上述した過程を経てエンコーディングされたデータは、メモリに積載される。バックエンドチップ130は、メモリに積載されたデータを復号化して表示部150にディスプレイする等の処理を行う。
【0022】
従来のイメージシグナルプロセッサ120は、バックエンドチップ140のクロックレート(Clock rate)より低いクロックレートで動作されるように具現されている。
【0023】
一般的に、イメージセンサー110は、バイエルイメージ形態に電気信号を出力する。出力された電気信号は、イメージシグナルプロセッサ120で行われる予め指定された前処理(例えば、イメージ処理、インターポーレーション(interpolation)等)によりRGBデータ形態に変換され、これは、出力のためにYUVデータに変換される。結果的に、出力されるデータ量は、入力されたデータ量の約2倍となる。したがって、イメージシグナルプロセッサ120の出力段で使用されるクロックレートも、イメージシグナルプロセッサ120内部でイメージ処理のために使用されるクロックレートの約2倍となる。バックエンドチップ130で使用されるクロックレートも、イメージシグナルプロセッサ120内部でイメージ処理のために使用されるクロックレートの約2倍となるであろう。
【0024】
上述したように、イメージシグナルプロセッサ120の出力段で使用されるクロックレートが高いので、イメージの処理時に問題点が発生している。
【0025】
すなわち、最近の高画素化の傾向を考慮する場合、イメージ処理の速度が重要な要素と考えられる。従来のVGA又は1メガバイト程度のイメージ処理時に、使用者が自然なイメージとして認識するためには、20〜40MHz程度のクロック周波数で十分であった。しかし、3〜5メガバイト以上に発展している現在の状態で、秒当たり10〜20フレームを満たすためには、60〜80MHzでのイメージ処理が要求される。
【0026】
しかし、従来のイメージシグナルプロセッサ120及びバックエンドチップ130の連動構造を考慮する場合、イメージシグナルプロセッサ120のイメージ処理のためのクロックレートを増加させる場合、バックエンドチップ130のクロックレートもこれに伴い非常に高められるべきであるが、これは、技術的に具現できないという問題点を持っている。
【0027】
このように、従来のイメージシグナルプロセッサ120は、高画素イメージを低周波数クロックレートに処理するために、1シーンをキャプチャーするに際して、多くの時間を必要とし、瞬間的なシーンのキャプチャーでない、遅延時間を含んだシーンをキャプチャーするようになる。すなわち、イメージのキャプチャー時に発生した遅延(lagging)現状により、動く物体を撮影した場合、つぶれているイメージがキャプチャーされるという問題点がある。
【0028】
また、低周波数クロックレートにイメージ処理を行うために、一つのイメージに対するJPEGエンコーディングが完了する前に、後続するフレームのイメージデータが入力されることによって衝突が発生するという問題点もあった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
それで、上述した問題点を解決するための本発明の目的は、YUVデータのエンコーディングを迅速に行うことで、イメージのキャプチャー時に、遅延現状を最小化することができるイメージ処理方法及び装置を提供することにある。
【0030】
本発明の他の目的は、一つのフレームに対するエンコーディング処理時に、後続フレームに対するデータ入力を制限することによって、データ間の衝突を抑制できるイメージ処理方法及び装置を提供することにある。
【0031】
本発明の更に他の目的は、YUVデータのエンコーディング処理のためのクロックレートを、エンコーディングされたイメージデータの出力のためのクロックレート以上に維持することによって、データの伝送区間でより多くのデータを迅速に伝送できるようにするイメージ処理方法及び装置を提供することにある。
【0032】
本発明の更に他の目的は、有効データが、迅速にバックエンドチップに伝送されることによって、バックエンドチップが、エンコーディングされたデータを迅速にデコーディングできるイメージ処理方法及び装置を提供することにある。
【0033】
本発明の更に他の目的は、イメージシグナルプロセッサが、エンコーディングされたデータをバックエンドチップに提供するにあたり、一般的なインターフェース構造を用いることによって、ハードウェアの設計及び制御の側面で有利な効果を持つイメージ処理方法及び装置を提供することにある。
【0034】
本発明の更に他の目的は、受信段(例えば、バックエンドチップ、ベースバンドチップ)の処理効率の増進及び電力消耗を防止できるイメージ処理方法及び装置を提供することにある。
【0035】
本発明の更に他の目的は、イメージシグナルプロセッサが、入力されるフレームのエンコーディングの可否をエンコーディング速度によって決定でき、スムーズなエンコーディング動作を行えるイメージ処理方法及び装置を提供することにある。
【0036】
本発明の更に他の目的は、エンコーダによりエンコーディングされたデータを受信段に伝達するにあたり、最適の時点で垂直同期信号(V_sync)を出力できるようにするイメージ処理の遅延減少装置及び方法を提供することにある。
【0037】
本発明の更に他の目的は、受信段でエンコーディングされたデータを入力される場合、新たなフレームの入力を示す垂直同期信号の入力により、現在フレームに対して処理されたデータの入力が妨害を受けないイメージ処理の遅延減少装置及び方法を提供することにある。
【0038】
本発明の更に他の目的は、イメージを構成する有効なデータのみで構成されたエンコーディングされたデータが集合的にバックエンドチップに伝送されるようにして、バックエンドチップの処理効率及び処理速度を増進させることのできるイメージ処理の遅延減少装置及び方法を提供することにある。
【0039】
本発明の更に他の目的は、バックエンドチップでデータを格納する時に利用可能なH_REF信号を、ハイ(High)又はロー(Low)状態に一定に維持することによって、バックエンドチップのメモリの記録イネーブル信号のスイッチングによる電力消耗を防止できるイメージ処理の遅延減少装置及び方法を提供することにある。
【0040】
本発明の更に他の目的は、イメージを構成する有効なデータが出力されるデータ列の前段部に集中的に配置されるようにすることによって、バックエンドチップの処理効率及び処理速度を増進させることのできるイメージ処理の遅延減少装置及び方法を提供することにある。
【0041】
その他の本発明の目的は、以下に述べられる望ましい実施形態を通してより明確になることである。
【課題を解決するための手段】
【0042】
上述した目的を達成するために本発明の一側面によれば、イメージシグナルプロセッサ及び/又は前記イメージシグナルプロセッサを含む撮像装置が提供される。
【0043】
本発明の望ましい一実施形態によれば、イメージセンサー、イメージシグナルプロセッサ及び受信段を含む撮像装置において、外部映像に相応する電気信号(raw data)を生成して出力するイメージセンサーと;エンコーダを備え、前記電気信号に相応するYUVデータ又は前記エンコーダを用いて、エンコーディングされたデータを生成して前記受信段-ここで、前記受信段は、バックエンドチップ(Back-End Chip)、又は、ベースバンドチップ(Baseband Chip)である-に出力するイメージシグナルプロセッサと;を含む撮像装置が提供される。ここで、前記YUVデータを生成するための第1の処理クロックレートは、前記エンコーディングされたデータを生成するための第2の処理クロックレート未満であることができる。
【0044】
また、ここで前記第1の処理クロックレートは、前記YUVデータ及び前記エンコーディングされたデータを出力するための出力クロックレート以下であり、前記第2の処理クロックレートは、前記出力クロックレート以上であることができる。
【0045】
前記第1の処理クロックレートと前記第2の処理クロックレートとの比は、一つのフレームに相応する前記YUVデータの大きさと、エンコーディングされるデータの大きさとの比であることができる。前記大きさは、面積、横長さ、縦長さ、対角線長さのいずれかであることができる。
【0046】
前記イメージセンサーは、前記イメージシグナルプロセッサから、前記第1の処理クロックレート、あるいは、前記第2の処理クロックレートに相応して入力されたクロック信号に符合するように、前記電気信号を生成して出力することができる。
【0047】
前記第1の処理クロックレートは、プレビュー状態のクロックレートであり、前記第2の処理クロックレートは、前記受信段から入力されたキャプチャー命令に相応するフレームを処理するためのクロックレートであることができる。
【0048】
前記キャプチャー命令に相応するk(自然数)番目のフレームを処理する途中で、k+1番目のフレームの入力が開始されることを意味する垂直同期信号(V_sync)が、前記イメージセンサーから入力される場合、前記イメージシグナルプロセッサは、前記イメージセンサーにスキップ命令を伝送し、前記イメージセンサーは、前記k+1番目のフレームに相応する電気信号を出力しないことができる。
【0049】
前記キャプチャー命令に相応するk(自然数)番目のフレームを処理する途中で、k+1番目のフレームの入力が開始されることを意味する垂直同期信号(V_sync)が、前記イメージセンサーから入力される場合、前記イメージシグナルプロセッサは、前記イメージセンサーから入力される電気信号の処理をスキップ(skip)することができる。
【0050】
前記イメージシグナルプロセッサは、前記エンコーディングされたデータを前記受信段に伝送するために臨時に格納するバッファーメモリを含むことができる。ここで、前記バッファーメモリに格納されたエンコーディングされたデータの量が、予め指定された大きさ以上である場合、前記第2クロックレートを減少させることができる。
【0051】
前記キャプチャー命令に相応するk(自然数)番目のフレームを処理する途中で、k+1番目のフレームの入力が遅延入力されるように前記イメージセンサーに指示できる。
【0052】
本発明の望ましい一実施形態に係るイメージシグナルプロセッサは、処理クロックレートに相応するクロック信号を出力するクロック発生器と;キャプチャー命令が入力されると、前記クロック発生器が増加された処理クロックレートに相応するクロック信号を生成するように制御する制御ユニットと;前記クロック信号に応じて、イメージセンサーから入力される電気信号を用いてYUVデータを生成するサブISPと;前記クロック信号に応じて、前記YUVデータを用いてエンコーディングされたイメージデータを生成するエンコーディング部と;前記エンコーディングされたイメージデータを蓄積するメモリと;前記制御ユニットの制御により、前記蓄積されたエンコーディングされたイメージデータを、予め指定された時点ごとに受信段-ここで、前記受信段は、バックエンドチップ又はベースバンドチップである-に出力する出力部と;を含むことができる。
【0053】
前記イメージシグナルプロセッサは、前記メモリに蓄積されたエンコーディングされたイメージデータの量をモニターリングし、モニターリング情報を生成するバッファー管理部を更に含むことができる。ここで、前記制御ユニットは、前記モニターリング情報を用いて前記処理クロックレートを増減できる。
【0054】
前記キャプチャー命令が入力される前には、前記出力部は、前記サブISPにより出力される前記YUVデータを前記受信段に出力することができる。
【0055】
前記キャプチャー命令に相応するk(自然数)番目のフレームを処理する途中で、k+1番目のフレームの入力が開始されることを意味する垂直同期信号(V_sync)が、前記イメージセンサーから入力される場合、前記制御ユニットは、前記イメージセンサーにスキップ命令を伝送し、前記イメージセンサーは、前記k+1番目のフレームに相応する電気信号を出力しないことができる。
【0056】
前記キャプチャー命令に相応するk(自然数)番目のフレームを処理する途中で、k+1番目のフレームの入力が開始されることを意味する垂直同期信号(V_sync)が、前記イメージセンサーから入力される場合、前記制御ユニットは、前記サブISPにスキップ命令を伝送し、前記サブISPは、前記k+1番目のフレームに相応するYUVデータ生成をスキップできる。
【0057】
前記キャプチャー命令に相応するk(自然数)番目のフレームを処理する途中で、k+1番目のフレームの入力が遅延入力されるように前記イメージセンサーに指示できる。
【0058】
上述した目的を達成するために本発明の他の側面によれば、イメージ処理方法及び/又は当該方法を行うためのプログラムが記録された記録媒体が提供される。
【0059】
本発明の望ましい一実施形態によれば、イメージセンサー、イメージシグナルプロセッサ及び受信段を含む撮像装置の前記イメージシグナルプロセッサで行われるイメージ処理方法において、(a)第1の処理クロックレートに従って、前記イメージセンサーから入力される電気信号に相応するYUVデータを生成し、第1の出力クロックレートに従って、前記YUVデータを前記受信段-ここで、前記受信段は、バックエンドチップ又はベースバンドチップである-に出力する段階と;(b)前記受信段からキャプチャー命令を入力される段階と;(c)第2の処理クロックレートに従って、前記イメージセンサーから入力される電気信号に相応するエンコーディングされたデータを生成し、第2の出力クロックレートに従って、前記エンコーディングされたデータを前記受信段に出力する段階と;を含むイメージ処理方法が提供される。ここで、前記イメージシグナルプロセッサは、エンコーダを備え、前記第1の処理クロックレートは、前記第2の処理クロックレート以下であることができる。
【0060】
前記イメージセンサーは、前記イメージシグナルプロセッサから、前記第1の処理クロックレート、あるいは、前記第2の処理クロックレートに相応して入力されたクロック信号に符合するように、前記電気信号を生成して出力することができる。
【0061】
前記第1の処理クロックレートは、プレビュー状態のクロックレートであり、前記第2の処理クロックレートは、前記受信段から入力されたキャプチャー命令に相応するフレームを処理するためのクロックレートであることができる。
【0062】
前記段階(c)は、前記第2の処理クロックレートに従って、前記イメージセンサーから入力される電気信号に相応するエンコーディングされたデータを生成する段階と;前記エンコーディングされたデータをバッファーメモリに格納する段階と;予め指定された期間の間に、前記バッファーメモリに格納された前記エンコーディングされたデータを、予め指定された時点ごとに、前記第2の出力クロックレートに従って前記前記受信段に出力する段階と;を含むことができる。ここで、前記バッファーメモリに格納されたエンコーディングされたデータの量が、予め指定された大きさ以上である場合、前記第2クロックレートを減少させることができる。
【発明の効果】
【0063】
上述したように、本発明は、YUVデータのエンコーディングを迅速に行うことで、イメージのキャプチャー時に遅延現状を最小化することができるという効果がある。
【0064】
また、本発明は、一つのフレームに対するエンコーディング処理時に、後続フレームに対するデータ入力を制限することによって、データ間の衝突を抑制できるという効果もある。
【0065】
また、本発明は、YUVデータのエンコーディング処理のためのクロックレートを、エンコーディングされたイメージデータの出力のためのクロックレート以上に維持することによって、データの伝送区間でより多くのデータを迅速に伝送できるようにする効果もある。
【0066】
また、本発明は、有効データが迅速にバックエンドチップに伝送されることによって、バックエンドチップが、エンコーディングされたデータを迅速にデコーディングできるという効果もある。
【0067】
また、本発明は、イメージシグナルプロセッサが、エンコーディングされたデータをバックエンドチップに提供するにあたり、一般的なインターフェース構造を用いることによって、ハードウェアの設計及び制御の側面で有利な効果を持つ。
【0068】
また、本発明は、受信段(例えば、バックエンドチップ、ベースバンドチップ)の処理効率の増進及び電力消耗を防止できるという効果もある。
【0069】
また、本発明は、イメージシグナルプロセッサが、入力されるフレームのエンコーディングの可否をエンコーディング速度によって決定でき、スムーズなエンコーディング動作を行えるという効果もある。
【0070】
また、本発明は、エンコーダによりエンコーディングされたデータを受信段に伝達するにあたり、最適の時点で垂直同期信号(V_sync)を出力することができるようにする効果もある。
【0071】
また、本発明は、受信段でエンコーディングされたデータを入力される場合、新たなフレームの入力を示す垂直同期信号の入力により、現在フレームに対して処理されたデータの入力が妨害を受けないという効果もある。
【0072】
また、本発明は、イメージを構成する有効なデータのみで構成されたエンコーディングされたデータが集合的に受信段に伝送されるようにして、バックエンドチップの処理効率及び処理速度を増進させることができるという効果もある。
【0073】
また、本発明は、バックエンドチップでデータを格納する時に利用可能なH_REF信号を、ハイ又はロー状態に一定に維持することによって、バックエンドチップのメモリの記録イネーブル信号のスイッチングによる電力消耗を防止できるという効果もある。
【0074】
また、本発明は、イメージを構成する有効なデータが出力されるデータ列の前段部に集中的に配置されるようにすることによって、バックエンドチップの処理効率及び処理速度を増進させることができるという効果もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0075】
上述した目的、特徴及び長所は、添付の図面と関係する以下の詳細な説明を通してより明確になるであろう。まず、各図面の構成要素に参照番号を付加するにおいて、同じ構成要素に限っては、例え他の図面上に表示されても、できるだけ同じ番号を持つようにしていることに留意すべきである。以下、添付の図面を参照して、本発明に係る望ましい一実施形態を詳細に説明する。
【0076】
図4は、本発明の望ましい一実施形態に係る撮像装置の構成を簡略に示した図であり、図5は、本発明の望ましい一実施形態にイメージシグナルプロセッサの構成を詳細に示した図である。図4を参照するに、本発明に係る撮像装置は、イメージセンサー110と、イメージシグナルプロセッサ310と、バックエンドチップ130と、ベースバンドチップ140と、表示部150とを含む。
【0077】
イメージセンサー110は、外部の映像に相応する電気信号を生成して、イメージシグナルプロセッサ310に出力する。イメージセンサー110は、電気信号を生成して出力するに際して、クロック発生器440(図5参照)から入力されるクロック信号を用いることができる。イメージセンサー110が、外部映像に相応する電気信号を生成して出力する過程は、当業者にとって自明なので、説明を省略する。
【0078】
イメージシグナルプロセッサ310は、イメージセンサー110から入力された電気信号を、YUVデータ又はエンコーディングされたデータに変換してバックエンドチップ130に出力する。プレビュー(イメージデータの生成なしに、イメージセンサー110を介して入力されたデータを表示部150を介して表示する状態であって、使用者により撮影命令が入力される以前の状態)状態では、YUVデータが出力され、キャプチャー命令(すなわち、外部映像を撮像したイメージデータを生成するための命令)が入力された場合は、相応するフレームに対するJPEGエンコーディングされたデータが出力されるであろう。一般に、撮像装置は、キャプチャー命令が入力される以前及びキャプチャー命令に相応するイメージデータのエンコーディングが完了した後には、プレビュー状態に存在するであろう。
【0079】
イメージシグナルプロセッサ310は、サブISP320、エンコーディング部330、及びデータ出力部340などを含むことができる。この他にも、クロック発生器、センサー制御部などを更に含むことができる。サブISP320は、前処理部410、YUV出力部415などを含むことができる。エンコーディング部330は、JPEGエンコーダである場合を仮定して説明するが、他のフォーマットのデータ変換のためのエンコーダであってもよいことは自明である。データ出力部340は、バッファーメモリ430、バッファー管理部435などを含むことができる。
【0080】
イメージシグナルプロセッサ310の構成が詳細に示された図5を参照するに、イメージシグナルプロセッサ310は、前処理部410と、YUV出力部415と、出力制御部420と、JPEGエンコーダ425と、バッファーメモリ430と、バッファー管理部435と、クロック発生器440と、制御ユニット445と、センサー制御部450と、多重化器(MUX)455とを含むことができる。
【0081】
前処理部410は、イメージセンサー110から入力された電気信号を処理して、高解像度のYUVデータを出力する。前処理部410により、イメージの色相、明るさ等のような画質改善がなされることができる。前処理部410は、従来のイメージシグナルプロセッサ120と同一又は極めて類似する構成要素であることができる。
【0082】
YUV出力部415は、前処理部410から入力された高解像度のYUVデータを、予め設定された垂直ライン数及び水平画素数に符合する低解像度のYUVデータに変換して、出力制御部420に出力する。プレビューのための垂直ライン数及び水平画素数は、使用者により設定されたり、予め指定されることができる。
【0083】
また、YUV出力部415は、バックエンドチップ130からI2C又はSPIを介してキャプチャー命令を入力された制御ユニット445の制御により、高解像度のYUVデータをJPEGエンコーダ425に提供することができる。JPEGエンコーダ425は、YUV出力部415から入力された高解像度のYUVデータを用いて、JPEGエンコーディングされたデータを生成する。JPEGエンコーダ425によるキャプチャー命令に相応するフレーム(例えば、k番目のフレーム)のエンコーディング処理中に、イメージセンサー110から後続するフレーム(例えば、k+1番目のフレーム)のデータの入力が開始された場合、YUV出力部415は、制御ユニット445の制御により、後続するフレームに相応する高解像度のYUVデータをJPEGエンコーダ425に入力しなくてもよい。
【0084】
出力制御部420は、制御ユニット445の制御により、バックエンドチップ130に低解像度のYUVデータ又はエンコーディングされたデータを出力するために、スイッチング動作を行う多重化器455を制御する。図5には、出力制御部420が、YUV出力部415と多重化器455との間の低解像度のYUVデータ伝送経路上に備えられているように示されたが、出力制御部420が、多重化器455の制御のためにのみ存在する場合、制御ユニット445と多重化器455との間の制御経路上に備えられてもよい。低解像度のYUVデータは、プレビューのためにバックエンドチップ130に提供されることができ、エンコーディングされたデータは、圧縮されたイメージデータの格納及び/又はデコーディングのために、バックエンドチップ130に提供されることができる。
【0085】
JPEGエンコーダ425は、YUV出力部415から入力された高解像度のYUVデータを用いて、JPEGエンコーディングされたデータを生成してバッファーメモリ430に格納する。JPEGエンコーディング過程は、先に詳細に説明したので、これについての説明は省略する。
【0086】
バッファーメモリ430は、例えば、環状メモリであってもよく、入力される順にJPEGエンコーディングされたデータが記録され、読み出された順に新たなデータがオーバーライトされることができる。もちろん、読み出されたデータは、削除されるように設定されてもよい。バッファーメモリ430内に記録されるJPEGエンコーディングされたデータは、有効データ(すなわち、実際的にイメージを構成するデータ)のみに制限されてもよい。JPEGエンコーダ425からJPEGエンコーディングされた出力されるデータが、有効データなのか無効データなのかの可否は、JPEGエンコーダ425、バッファー管理部435、及び制御ユニット445等の少なくともいずれかにより判断されることができる。バッファーメモリ430には、無効データが出力され、記録される地点で空欄に記録されるか、以後の有効データが連続に記録されるように設定されることができる。もし、無効データ地点が空欄に記録された場合、該当地点に対しては、パッディングデータ(padding data、水平画素数に形式的に符合するようにするための形式的なデータ)がバックエンドチップ130に出力されることができる。
【0087】
バッファー管理部435は、バッファーメモリ430に記録されたJPEGエンコーディングされたデータの量をモニターリングして、バッファーメモリの容量が全部使用されないように(すなわち、不足しないように)管理する。バッファー管理部435は、バッファーメモリ430に対してモニターリングした情報(以下、‘モニターリング情報'と称する)を制御ユニット445に提供する。また、バッファー管理部435は、バッファーメモリ430に記録されたデータが、予め指定された時点(例えば、図2において、H_REF信号がハイ状態に切り替えられる時点)ごとにバックエンドチップ130に出力されるようにする。他に、バッファー管理部435は、クロック信号(P_CLK)と、垂直同期信号(V_sync)と、有効データイネーブル信号(H_REF)とが、更にバックエンドチップ130に出力されるようにする。
【0088】
バッファー管理部435の機能を具体的に説明すると、以下の通りである。
【0089】
バッファー管理部435は、従来の出力波形と同じ形態の出力波形が生成され、バックエンドチップ130に出力されるようにする。また、クロックレートを減少させる場合、バッファーメモリ430がデータの出力のための緩衝作用をするように管理する。これは、本発明に係るイメージシグナルプロセッサ310において、エンコーディング処理のためのクロックレート(以下、‘処理クロックレート’と称する)が、JPEGエンコーディングされたデータの出力のためのクロックレート(以下、‘出力クロックレート’と称する)より高く設定されるので、JPEGエンコーディングされたデータの出力のためには、クロックレートを減少させる必要があるためである。また、クロックレートの減少により、従来の出力波形と同様に、JPEGエンコーディングされたデータの出力が可能になるので、従来のバックエンドチップ130であっても、本発明に係るイメージシグナルプロセッサ310と互換されることができる。
【0090】
また、バッファー管理部435は、バッファーメモリ430に格納され、多重化器455を介して出力されるJPEGエンコーディングされたデータの量を合計してファイルサイズなどをチェックし、該当情報を制御ユニット445に伝達することによって、クロックレートと連係して、安定したJPEGエンコーディングされたデータの量が出力され得るように、圧縮率を調整することができる。スケールファクターは、0〜255範囲内の任意の値に指定され、画質及び圧縮率を決定する変数である。スケールファクターが大きくと、圧縮率は良いが、画質が劣化し、スケールファクターが小さいと、画質は良いが、圧縮率が悪くなる。制御ユニット445は、バッファーメモリ430に格納されたJPEGエンコーディングされたデータの量に応じてスケールファクターを調節することによって、出力バッファーで損失なしにクロックレートを調節することができる。これは、エンコーディングされたデータの生成のための処理クロックレートが大き過ぎて、記録されたデータが読み出される前に新たなデータによりオーバーライトされるという問題点を解消できる。
【0091】
このために、制御ユニット445は、キャプチャー命令に相応するフレームを処理するにあたり、最大バッファーの利用量(すなわち、全体バッファー容量中、予め指定された格納限度基準)が全部使用されているか否かをチェックし、これにより、現在クロックレートを考慮した出力安定度をチェックする。次いで、バッファーメモリ430に格納されたデータの量が多き過ぎる場合は、スケールファクターを上げる。この場合、スケールファクターは、段階的に上げられるように設定することが望ましい。
【0092】
他の方法として、制御ユニット445は、一つのフレーム(すなわち、FFD8(start mark)〜FFD9(end mark))に対するJPEGエンコーディングされたデータのうち、有効データ(すなわち、実際的にイメージを構成するデータ)だけを計数してスケールファクターを調節することができる。JPEGエンコーダ425から出力されるデータが、有効データなのか無効データなのかの可否は、JPEGエンコーダ425、バッファー管理部435、又は、制御ユニット445等の少なくともいずれかにより認識されることができる。
【0093】
もう一つの方法として、前処理部410のフィルターが用いられることもでき、これは、細かい調整をする場合、ぼやけ(bluring)程度を制御しながらデータの量を制限する方法である。
【0094】
クロック発生器440は、制御ユニット445の制御により、任意のクロックレートに相応するクロック信号を生成して各構成要素に提供する。また、キャプチャー命令を入力された制御ユニット445の制御により、処理クロックレートに相応するクロック信号を生成して、相応する構成要素(例えば、前処理部410、YUV出力部415、JPEGエンコーダ425、バッファー管理部435等)に出力する。クロック発生器440により生成されたクロック信号は、イメージセンサー110にも入力され、イメージセンサー110とイメージシグナルプロセッサ310との間で連動するようにする。クロック発生器440は、出力クロックレートに相応するクロック信号を生成して、バックエンドチップ130に出力することもできる。
【0095】
クロック発生器440は、イメージシグナルプロセッサ310にキャプチャー命令が入力される前には、従来のように、出力クロックレートより少ない処理クロックレートを維持することができる。しかしながら、イメージシグナルプロセッサ310に、制御ユニット445の制御によりキャプチャー命令が入力された後には、処理クロックレート(以下、‘第2の処理クロックレート’と称する)が、プレビュー状態での処理クロックレート(以下、‘第1の処理クロックレート’と称する)以上(すなわち、第2の処理クロックレート>第1の処理クロックレート)になるようにする。この場合、第2の処理クロックレートが増加する限界(すなわち、上限値)は、予め設定することができる。また、増加された第2の処理クロックレートは、出力クロックレートより大きいか、小さいことができる。
【0096】
すなわち、キャプチャー命令が入力されると、イメージシグナルプロセッサ310の迅速な処理のために、第1の処理クロックレートが増加して、第2の処理クロックレートに更新される。この場合、第1の処理クロックレートと第2の処理クロックレートとの間の増加割合は、各処理クロックレートにより処理されるデータの量に応じて決定されることができる。一般に、プレビューモードでは、表示部150の大きさに符合したり、その以下の大きさでイメージ映像が表示されるが、キャプチャー命令に応じてエンコーディングされたイメージは、表示部150の大きさとは関係なく、予め指定された大きさで生成される。但し、エンコーディングされたイメージが表示部150にディスプレイされる場合は、表示部150の大きさ、あるいは、プレビューモードの表示の大きさによって表示されるだけである。したがって、第1の処理クロックレートと第2の処理クロックレートとの比は、プレビューモードのためのデータの大きさ(又は、プレビューイメージの大きさであって、例えば、320x240であってもよく、これは、広さ、横長さ、縦長さ、又は、対角線長さ等のいずれか)と、エンコーディングされるデータの大きさ(例えば、640x480であってもよく、これは、広さ、横長さ、縦長、又は、対角線長さ等のいずれか)との比と一致することができる。
【0097】
第2の処理クロックレートの上限値は、バッファーメモリ430に記録されるデータ量(すなわち、入力量)と、読み出されてバックエンドチップ130に伝達されるデータ量(すなわち、出力量)との差が、バッファーメモリ430の格納容量(又は、最大バッファーの利用量)以下(又は、未満)に維持され得る限界値であることができる。もちろん、第2の処理クロックレートが、上述した上限値以下に指定されても、入力量と出力量との差が、バッファーメモリ430の格納容量(又は、最大バッファーの利用量)以上になる場合は、バッファーメモリ430に記録されたデータとして未だ読み出されていないデータを保護するために、第2の処理クロックレートを減少させることができる。第2の処理クロックレートの増減は、バッファー管理部435により制御されるか、バッファー管理部435から提供されたモニターリング情報を用いて制御ユニット445により制御されることができる。
【0098】
この他にも、クロック発生器440は、第2の処理クロックレートが、第1のクロックレートより相対的に増加した効果を持つようにするために、種々の方法を更に適用できる。例えば、クロック発生器440は、処理クロックレートが固定され、出力クロックレートが変更可能な場合は、出力クロックレートを相対的に減少させることもできる。但し、変更された出力クロックレートは、受信段において認識して相応するように動作できるべきである。上述したように、制御ユニット445又はバッファー管理部435の制御により、出力クロックレートは、従来に比べて減少してもよく、処理クロックレートが、従来に比べて増加してもよい。例えば、処理クロックレートが増加した場合、各構成要素は、エンコーディング処理をより迅速に行えることは、自明であり、出力クロックレートが減少した場合、各構成要素は、エンコーディング処理のための時間をより更に確保することができる。
【0099】
制御ユニット445は、プレビュー状態では、YUV出力部415から出力される低解像度のYUVデータが、多重化器455を介してバックエンドチップ130に出力されるように制御し、バックエンドチップ130からキャプチャー命令が入力されると、相応するフレームのエンコーディング処理時に、遅延現状が最小化できるように各構成要素を制御する。また、現在動作状態(例えば、プレビュー状態、又は、キャプチャー命令入力状態)による相応するデータが出力され得るように、多重化器455の経路設定のために、出力制御部420を制御する。また、キャプチャー命令に相応するフレーム(例えば、k番目のフレーム)のエンコーディング処理が、後続するフレーム(すなわち、k+1番目のフレーム)のデータの入力により妨害を受けないようにしたり、データの衝突を防止するために、センサー制御部450を通じてイメージセンサー110を制御することによって、後続するフレーム(この場合、k+1番目のフレームのみに制限できる)の電気信号の出力が抑制されるようにすることができる。もちろん、キャプチャー命令に相応するフレームのエンコーディング処理中に、イメージセンサー110から後続するフレームのデータの入力が開始された場合、制御ユニット445は、YUV出力部415が、後続するフレームに相応する高解像度のYUVデータをJPEGエンコーダ425に入力しないように制御することができる。また、イメージセンサー110と前処理部410との間にスイッチング手段が更に備えられた場合、制御ユニット445は、該当スイッチング手段を制御して、イメージセンサー110から出力される電気信号が前処理部410に入力されないように制御することができる。
【0100】
センサー制御部450は、制御ユニット445の制御によりイメージセンサー110の出力を制御できる。例えば、制御ユニットから、キャプチャー命令に相応するフレームのエンコーディング処理のために、後続するフレームのスキップ(skip)命令が入力された場合、センサー制御部450は、後続するフレームに相応するデータ(raw data)を出力しないように制御できる。もちろん、この他にも、種々の方法が適用可能であり、これらの各々については、以後、関連図面を参照して、詳細に説明することにする。
【0101】
多重化器455は、出力制御部420の制御によるスイッチング動作を行う。すなわち、出力制御部420から、プレビュー状態として低解像度 YUVデータの出力のための経路設定を要請されると、YUV出力部415から出力された低解像度のYUVデータが、バックエンドチップ130に出力されるように経路を設定する。又は、出力制御部420から、キャプチャー命令に相応するJPEGエンコーディングされたデータの出力のための経路設定を要請されると、バッファーメモリ430に格納されたJPEGエンコーディングされたデータが、バックエンドチップ130に出力されるように経路を設定する。
【0102】
以下、図5を参照して、本発明に係るイメージシグナルプロセッサ310の動作過程を説明するようにする。
【0103】
まず、プレビュー状態での動作過程を説明する。プレビュー状態において、イメージシグナルプロセッサ310及びイメージセンサー110の処理過程には、第1の処理クロックレートが用いられる。
【0104】
イメージセンサー110は、外部映像に相応する電気信号を生成して前処理部410に入力し、前処理部410は、予め指定された方法により電気信号を処理して、高解像度のYUVデータを生成して出力する。
【0105】
YUV出力部415は、高解像度のYUVデータを、予め設定された垂直ライン数及び水平画素数に符合する低解像度のYUVデータに変換して、出力制御部420に出力する。上述したように、出力制御部420が、多重化器455のスイッチング動作のみの制御のためのものである場合、出力制御部420は、制御ユニット445と多重化器455との間の制御経路上に備えられることもできる。
【0106】
また、YUV出力部415は、高解像度のYUVデータを、JPEGエンコーダ425に提供することもできる。これは、JPEGエンコーダ425が、高解像度のYUVデータを用いて、JPEGエンコーディングされたデータを生成するためのものではなく、単に、キャプチャー命令が入力された場合に出力されるべき圧縮されたイメージデータの量を予め認識するためのものである。JPEGエンコーダ425は、処理すべきイメージデータに対する垂直ライン数及び水平画素数を予め認知しているか、制御ユニット445から提供を受けることができる。
【0107】
出力制御部420は、YUV出力部415から入力された低解像度のYUVデータを、多重化器455を介してバックエンドチップ130に伝達する。キャプチャー命令が入力される場合が、一般的な状態ではないので、多重化器455が設定するデフォルト経路は、低解像度のYUVデータが出力されるための経路であることができる。キャプチャー命令の入力時に、出力制御部420の制御により、多重化器455は、JPEGエンコーディングされたデータが出力されるように経路変更を行うことができる。
【0108】
バックエンドチップ130は、イメージシグナルプロセッサ310から入力された低解像度のYUVデータを用いて、表示部150に相応するイメージを出力することによって、プレビュー動作が行われるようにする。
【0109】
低解像度のYUVデータを用いてプレビュー動作を行うに際して、イメージシグナルプロセッサ310とバックエンドチップ130との間に送受信されるデータの量が少ないので、クロックレートに影響を受けることなく、迅速にデータの伝達が可能であることは、自明である。したがって、プレビュー状態では、クロック発生器440の処理クロックレートは、従来と同様に適用されることができる。
【0110】
但し、プレビュー動作のスムーズな遂行のために、送受信されるデータの量をより減らす必要があれば、イメージセンサー110及び/又はYUV出力部415によるサブサンプリングが行われることもできる。
【0111】
しかしながら、上述したように、使用者により入力されたキャプチャー命令に応じて、外部映像に相応するJPEGエンコーディングされたデータをバックエンドチップ130に伝送する場合は、大きいイメージを早く送らなければならないために、遅延現状が発生できる。すなわち、プレビューのために出力するデータ(すなわち、低解像度のYUVデータ)の大きさに比べて、キャプチャー命令に応じてJPEGエンコーディングされるデータ(すなわち、高解像度のYUVデータ)の大きさが大きいためである。以下、本発明に係るイメージシグナルプロセッサが、遅延現状を減少させるための方法について説明する。
【0112】
撮像装置がプレビュー状態で動作する中で、使用者が任意の映像を撮影するためにシャッター(又は、撮影ボタン)を押圧すると、イメージシグナルプロセッサ310(又は、制御ユニット445)は、I2C又はSPIを介してバックエンドチップ130からキャプチャー命令を入力される。キャプチャー命令を入力された制御ユニット445は、クロック発生器440を制御して、第2の処理クロックレートが、第1の処理クロックレート以上(又は、超過)になるように制御する。この場合、第2の処理クロックレートは、出力クロックレート以上か未満であることができる。第2の処理クロックレートを、第1の処理クロックレートに比べて絶対的に又は相対的に増加させる方法は、先に述べた通りである。このように、増加された第2の処理クロックレートに相応するクロック信号が、イメージデータのエンコーディングのための各構成要素で利用されるか、減少された出力クロックレートが、JPEGエンコーディングされたデータの出力のために利用され得ることは自明である。
【0113】
この場合にも、イメージセンサー110は、外部映像に相応する電気信号を生成して前処理部410に入力し、前処理部410は、予め指定された方法により電気信号を処理して、高解像度のYUVデータを生成して出力する。この場合、イメージセンサー110は、クロック発生器440から入力された第2の処理クロックレート(又は、これによるクロック信号)に相応するように電気信号を出力し、前処理部は、第2の処理クロックレートに相応するように前処理を行うことができる。
【0114】
コーディング処理が、完了できたが、本発明によれば、JPEGエンコーディングされたデータ(又は、有効データ)が、前半部に集中的に配置され、垂直画素数の後半部には、パッディングデータだけが配置されることができるので、垂直画素数だけ全てのデータを読み出す必要がないためである。
【0115】
バッファー管理部435は、バッファーメモリ430をモニターリングし、モニターリング情報を制御ユニット445に伝送する。制御ユニット445は、バッファー管理部435から入力されたモニターリング情報を用いて、処理クロックレート(又は、出力クロックレート)が調節されるようにクロック発生器440を制御できる。例えば、制御ユニット445は、バッファーメモリ430に格納されるJPEGエンコーディングされたデータが、バッファーメモリ430の格納空間中、最大バッファーの利用量以下に維持されるように、処理クロックレート(又は、出力クロックレート)を制御できる。これは、バッファーメモリ430に記録されたJPEGエンコーディングされたデータがバックエンドチップ130に伝送される前に、新たなデータによりオーバーライトされたり、新たなデータの格納のために読み出されていないデータが削除されないように、処理クロックレート(又は、出力クロックレート)を制御することである。
【0116】
バッファーメモリ430に格納されたJPEGエンコーディングされたデータは、データの出力時点(例えば、図2において、H_REF信号がハイ状態に切り替えられる時点)からデータの出力区間の間に出力される。バッファーメモリ430には、JPEGエンコーダ425から出力されるデータのうち、有効データのみが記録されるようにすることができ、この場合、有効データのみが順次出力されたり、無効データが出力される区間でパッディングデータが出力されることができる。出力信号の波形は、バッファー管理部435、あるいは、制御ユニット445により、従来の出力波形と同じように生成されることができる。バッファーメモリ430に格納されたエンコーディングされたデータは、バッファー管理部435、あるいは、出力制御部420により読み出され、多重化器455に入力されることができる。
【0117】
多重化器455は、出力制御部420の制御によりJPEGエンコーディングされたデータが出力されるように経路が設定されているので、バッファーメモリ430から出力されるJPEGエンコーディングされたデータは、多重化器455を介してバックエンドチップ130に出力される。
【0118】
JPEGエンコーダ425が、キャプチャー命令に相応するフレームのエンコーディング処理を行う途中で、イメージセンサー110から新たなフレームに対する電気信号がイメージシグナルプロセッサ310に入力される場合、制御ユニット445は、YUV出力部415を制御して、相応する高解像度のYUVデータがJPEGエンコーダに入力されないようにしたり、前処理部410が相応する電気信号を入力されないようにすることができる。もちろん、イメージセンサー110と前処理部410との間にスイッチング手段が更に備えられた場合、制御ユニット445は、該当スイッチング手段を制御して、イメージセンサー110から出力される電気信号が前処理部410に入力されないようにすることができる。上述した方法により、後続するフレームに相応するデータの入力及び/又は処理が省略でき、結果として、図1bに示されたV_sync2をバックエンドチップ130に出力する必要がなく、スキップすることができる。この場合、V_sync2がバックエンドチップ130に出力されない場合、相応するデータもバックエンドチップ130に出力されないことは自明である。
【0119】
これまで、使用者により入力されたキャプチャー命令に相応するフレーム(例えば、k番目のフレーム)のデータをスムーズに処理するために、後続して入力されたフレーム(例えば、k+1番目のフレーム)の処理は、スキップする方法を中心として説明した。
【0120】
該当方法だけでなく、イメージシグナルプロセッサ310のデータエンコーディングを誤りなく行うことができ、また、イメージシグナルプロセッサ310と受信段(例えば、バックエンドチップ130、ベースバンドチップ140等)との間へのJPEGエンコーディングされたデータの送受信のための種々の方法を、関連図面を参照して詳細に説明することにする。
【0121】
図6は、本発明の望ましい一実施形態に係るイメージシグナルプロセッサ310でのエンコーディングされたデータの出力のための信号波形を例示した図である。図6は、バッファーメモリ430に記録されたデータが一定時間の遅延(delay)を持った後、順次出力される場合を示したものである。
【0122】
示された信号波形は、バッファー管理部435により生成されて出力されたり、制御ユニット445により生成されて出力されることができる。制御ユニット445により信号波形が生成されて出力される場合、バッファー管理部435は、予め指定された区間(例えば、H_REF(有効データイネーブル信号)信号がハイ状態に維持された区間)の間、バッファーメモリ430に記録されたJPEGエンコーディングされたデータ(又は、有効データ)を、受信段に出力されるようにする。H_REF信号は、受信段で記録イネーブル信号として認識され、相応するデータをメモリに記録し、このような方法により、受信段のメモリには、有効データのみが順次記録されることができる。図6には、無効データ又はパッディングデータが0x00の形態に示されたが、これは、特定のデータを指し示すのではない。
【0123】
バッファー管理部435、あるいは、制御ユニット445により受信段に出力されるクロック信号(P_CLK)は、クロック発生器440から生成した、あるいは、予め設定された出力クロックレートによるクロック信号であることができる。図6に示されたように、クロック信号は、有効データが出力される間のみ受信段に出力され、無効データ又はパッディングデータが出力されるべき区間では、受信段に出力されない(又は、ロー状態に維持)ことができる。もちろん、クロック信号は、出力され続けることもできる(以下の各図面でも同様)。示された垂直同期信号(V_sync)が後続して、新たなフレームに相応するデータが出力されることを意味すること自明である。
【0124】
V_sync1に相応するk番目のフレームのエンコーディング処理の途中、イメージセンサー110からk+1番目のフレームに相応するV_sync2が入力された場合、イメージシグナルプロセッサ310は、上述した方法により、スキップ命令をイメージセンサー110、あるいは、任意の構成要素に提供し、k+1番目のフレームに対する処理がスキップされるようにすることができる。この場合、V_sync2は、受信段に出力される必要がないので、図6に示されたように、V_sync2の出力は、スキップされる。V_sync信号の入力の可否は、V_sync信号のライジングエッジ、又は、フォーリングエッジを検出して認識できる。
【0125】
バッファー管理部435、あるいは、制御ユニット445は、バッファーメモリ430に格納されたデータのJPEGヘッダー及び/又はテール(Tail)とから、‘START MARKER’と‘STOP MARKER’とをキャプチャーして、JPEGエンコーディングの始まりと終わりを認識できる。
【0126】
したがって、イメージセンサー110から#1、#2、#3のフレームに相応する電気信号が順次入力されたとしても、イメージシグナルプロセッサ310が出力するエンコーディングされたデータは、#1、#3のフレームに対するデータのみに制限されることもできる。
【0127】
図7は、本発明の望ましい他の実施形態に係るイメージシグナルプロセッサ310でのエンコーディングされたデータの出力のための信号波形を例示した図面であり、図8は、本発明の望ましい他の実施形態に係るイメージシグナルプロセッサから伝送され、バックエンドチップのメモリに蓄積されたデータの格納形態を概念的に示した図であり、図9は、本発明の望ましい他の実施形態に係るイメージシグナルプロセッサ310でのエンコーディングされたデータの出力のための信号波形を例示した図である。
【0128】
図7から図9は、バッファーメモリ430に予め指定された大きさの有効データが、有効データが記録された時点ごとに、受信段に出力される場合を示したものである。
【0129】
示された信号波形は、バッファー管理部435により生成されて出力されたり、制御ユニット445により生成されて出力されることができる。制御ユニット445により信号波形が生成されて出力される場合、バッファー管理部435は、予め指定された区間(例えば、H_REF(有効データイネーブル信号)信号がハイ状態に維持された区間)の間、バッファーメモリ430に記録されたJPEGエンコーディングされたデータのうち、有効データを受信段に出力されるようにする。バッファーメモリ430には、有効データのみが記録されるように設定されることもできる。H_REF信号は、受信段で記録イネーブル信号として認識され、相応するデータをメモリに記録し、このような方法により、受信段のメモリには、有効データのみが順次記録されることができる(図8参照)。図7及び図9には、無効データ又はパッディングデータが0x00の形態に示されたが、これは、特定のデータを指し示すのではない。
【0130】
上述したように、本発明の望ましい他の実施形態によれば、JPEGエンコーディングされたデータのうち、無効データを除いて、有効データのみを抽出して、予め指定されたラインサイズ(図8のn、例えば、H_REF信号がハイ状態に維持される間に伝送するデータサイズ)だけバッファーメモリ430に蓄積する。したがって、予め指定されたコラムサイズ(図8のm、例えば、一つのフレームに対して、H_REF信号がハイ状態に切り替えられる総数量)だけ繰り返す前に、k番目のフレームに対するあらゆる有効データを受信段に伝送することもできる。この場合、受信段で予め指定されたラインサイズ×コラムサイズだけのJPEGエンコーディングされたデータ(及び/又はパッディングデータ)が、イメージシグナルプロセッサ310から未だ受信されていないと認識し、処理を行わなくてもよい。これを防止するために、バッファー管理部435、あるいは、制御ユニット445は、残りのコラム数(すなわち、予め指定されたコラム数-有効データから構成されたコラム数)だけ、パッディングデータをtf時間の間に出力する。バッファーメモリに蓄積された有効データを出力する各区間の時間は、予め指定されたサイズのデータを出力する時間であるので、全部一致する(すなわち、ta=tc=td=tf)。しかし、該当データを蓄積する時間(例えば、tb)は、各々一致しないこともあり得る。有効データが連続的に存在する場合、蓄積時間は、減少できる。但し、パッディングデータを出力する前の待ち時間(例えば、te)は、各々一致する。
【0131】
バッファー管理部435、あるいは、制御ユニット445により受信段に出力されるクロック信号(P_CLK)は、クロック発生器440で生成した、あるいは、予め設定された出力クロックレートによるクロック信号である。図7及び図9に示されたように、クロック信号は、有効データが出力される間(すなわち、H_REF信号がハイ状態に維持された区間)のみ受信段に出力され、無効データ又はパッディングデータが出力されるべき区間では、受信段に出力されない(又は、ロー状態に維持)ことができる。示された垂直同期信号(V_sync)が後続して、新たなフレームに相応するデータが出力されることを意味することは自明である。
【0132】
V_sync1に相応するk番目のフレームのエンコーディング処理の途中、イメージセンサー110からk+1番目のフレームに相応するV_sync2が入力された場合、イメージシグナルプロセッサ310は、上述した方法により、スキップ命令をイメージセンサー110、あるいは、任意の構成要素に提供し、k+1番目のフレームに対する処理がスキップされるようにすることができる。この場合、V_sync2は、受信段に出力される必要がないので、図9に示されたように、V_sync2の出力は、スキップされる。バッファー管理部435、あるいは、制御ユニット445は、バッファーメモリ430に格納されたデータのJPEGヘッダー及び/又はテールとから、‘START MARKER’と‘STOP MARKER’とをキャプチャーして、JPEGエンコーディングの始まりと終わりを認識できる。したがって、イメージセンサー110から#1、#2、#3のフレームに相応する電気信号が順次入力されたとしても、イメージシグナルプロセッサ310が出力するエンコーディングされたデータは、#1、#3のフレームに対するデータのみに制限されることもできる。
【0133】
図10及び図11は、本発明の望ましい更に他の実施形態に係るイメージシグナルプロセッサ310でのエンコーディングされたデータの出力のための信号波形を例示した図である。
【0134】
図10及び図11に示された信号波形は、一つのフレームに対するあらゆるJPEGエンコーディングされたデータが出力される間に、H_REF信号をハイ状態に維持している。H_REF信号がハイ状態に維持される間、有効データ及びパッディングデータ(又は、無効データ)が受信段に連続的に出力される。
【0135】
これは、受信段で記録イネーブル信号として認識されるH_REF信号が交番することにより、受信段で無駄な電力消耗が発生できるためである。
【0136】
このような場合にも、先に述べた通り、現在処理されるk番目のフレームの処理中に入力されたk+1番目のフレームに対するV_sync2は、スキップでき、V_sync2によるデータの入力及び処理がスキップできることは自明である。
【0137】
図12は、本発明の望ましい更に他の実施形態に係るイメージシグナルプロセッサ310でのエンコーディングされたデータの出力のための信号波形を例示した図であり、図13は、本発明の望ましい更に他の実施形態に係るイメージシグナルプロセッサから伝送され、バックエンドチップのメモリに蓄積されたデータの格納形態を概念的に示した図であり、図14は、本発明の望ましい更に他の実施形態に係るイメージシグナルプロセッサ310でのエンコーディングされたデータの出力のための信号波形を例示した図である。
【0138】
先に述べた図7から図9と比較すると、図12から図14は、バッファーメモリ430に予め指定された期間の間に記録されたデータが、予め指定された時点ごとに出力される場合を示したものである。すなわち、バッファーメモリ430にデータを蓄積する時間及び蓄積されたデータを出力する時間は、予め指定される。もし、予め指定された時間の間にバッファーメモリ430に記録されたデータが、予め指定されたサイズに符合しない場合、残りの不足した分は、パッディングデータに付加して受信段に伝送する場合である。
【0139】
この場合、受信段のメモリには、図8と同じ形態にデータが記録され、受信段は、メモリに記録されたデータの処理時に、nxmサイズのあらゆるデータを読み出すことなく、前半部に集中的に配置された有効データのみを読み出して処理することで、迅速な処理が可能となる。
【0140】
このような場合にも、先に述べた通り、現在処理されるk番目のフレームの処理中に入力されたk+1番目のフレームに対するV_sync2は、スキップでき、V_sync2によるデータの入力及び処理がスキップできることは自明である。
【0141】
図15及び図16は、本発明の望ましい更に他の実施形態に係るイメージシグナルプロセッサ310の各構成要素で処理されたデータの出力のための信号波形を例示した図である。
【0142】
図15及び図16に示されたように、各構成要素から入力するV_sync信号は、最小限の遅延(又は、遅延なく)で後続する構成要素に入力される。これに比べて、先行する構成要素から入力されたデータは、バッファーリング及び処理などの過程で一定の遅延(例えば、d1、d2、d3、d4等)が発生する。
【0143】
したがって、イメージシグナルプロセッサ310において、多重化器455を介して先行する構成要素からV_syncが入力された時点で、受信段にV_syncを出力すると、受信段は、V_syncを入力された後から最小限d1+d2+d3+d4の時間が経過して初めて、JPEGエンコーディングされたデータを入力され始める。これは、受信段の処理効率を減少させることができる。
【0144】
したがって、本発明の望ましい他の実施形態は、JPEGエンコーダがエンコーディングするデータをバッファーリングするための遅延時間であるd4の時間範囲中の任意の時点(例えば、JPEGエンコーダ425がエンコーディングを開始するために、1〜8ラインのうち任意のラインをバッファーリングした時点)から、V_syncを受信段に出力するようにして、受信段の待ち時間を最小化することができる。
【0145】
図17及び図18は、本発明の望ましい更に他の実施形態に係るイメージシグナルプロセッサ310の各構成要素で処理されたデータの出力のための信号波形を例示した図である。
【0146】
図17に示されたように、イメージシグナルプロセッサ310が、プレビュー状態(例えば、k-1番目のフレームが入力される状態)でキャプチャー命令を入力されると、イメージセンサー110にV_sync_extend命令を入力する。V_sync_extend命令は、センサー制御部450を介して入力されることができる。V_sync_extend命令は、キャプチャー命令に相応するフレームであるk番目のフレームの処理途中、あるいは、処理直前に伝送されることができる。
【0147】
V_sync_extend命令を入力されたイメージセンサー110は、k+1番目のフレームに対するV_syncをイメージシグナルプロセッサ310に入力するにおいて、イメージシグナルプロセッサ310が、k番目のフレームを全部処理する時間的余裕を持って、イメージシグナルプロセッサ310に入力されるようにする。
【0148】
V_sync信号の入力が、ライジングエッジにより検出されると仮定すると、図18に示されたように、k+1番目のフレームに対するV_syncは、k番目のフレームに対する‘STOP MARKER’が出力された時点と同一であるか、その以後に出力されるように設定されることができる。
【0149】
上述したように、本発明に係るイメージシグナルプロセッサ310は、上述した種々の方法を通じてk番目のフレームを処理する間に、k+1番目のフレームに対するV_sync信号により正常なデータ処理が妨げられるという問題点を解決できる。
【0150】
従来のバックエンドチップ130は、YUV/BAYERフォーマットのデータを入力されるように具現されており、このようなデータを入力されるためのインターフェースとして、P_CLK、V_sync、H_REF、DATA信号を用いていた。
【0151】
これを考慮して、本発明のイメージシグナルプロセッサ310は、従来と同様のインターフェースを用いるように具現される。
【0152】
したがって、本発明は、バックエンドチップ130が、従来のバックエンドチップの設計方法により具現された場合にも互換(port matching)できることは自明である。
【0153】
これまで、イメージシグナルプロセッサ310が、JPEGエンコーディング方式を用いる場合のみを中心として説明したが、BMPエンコーディング方式、MPEG(MPEG1/2/4、MPEG-4AVC)エンコーディング方式、TVアウト方式などのように、他のエンコーディング方式を支援する場合にも、同様のデータ伝送方式を利用できることは自明である。
【0154】
図面と発明の詳細な説明は、単に本発明の例示的なものであり、これは、単に本発明を説明するための目的で使用されたものであって、意味限定や特許請求範囲上に記載された本発明の範囲を制限するために使用されたものではない。したがって、本技術分野の通常の知識を有する者ならば、これらから種々の変形及び均等な他の実施形態が可能であることを理解するはずである。よって、本発明の真の技術的保護範囲は、本願の特許請求範囲上の技術的思想により定められるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0155】
【図1】一般的な撮像装置の構成を簡略に示した図である。
【図2】従来技術に係るエンコーディングされたデータの出力のための信号波形を示した図である。
【図3】一般的なJPEGエンコーディング過程を示した図である。
【図4】本発明の望ましい一実施形態に係る撮像装置の構成を簡略に示した図である。
【図5】本発明の望ましい一実施形態にイメージシグナルプロセッサの構成を詳細に示した図である。
【図6】本発明の望ましい一実施形態に係るイメージシグナルプロセッサでのエンコーディングされたデータの出力のための信号波形を例示した図である。
【図7】本発明の望ましい他の実施形態に係るイメージシグナルプロセッサでのエンコーディングされたデータの出力のための信号波形を例示した図である。
【図8】本発明の望ましい他の実施形態に係るイメージシグナルプロセッサから伝送され、バックエンドチップのメモリに蓄積されたデータの格納形態を概念的に示した図である。
【図9】本発明の望ましい他の実施形態に係るイメージシグナルプロセッサでのエンコーディングされたデータの出力のための信号波形を例示した図である。
【図10】本発明の望ましい更に他の実施形態に係るイメージシグナルプロセッサでのエンコーディングされたデータの出力のための信号波形を例示した図である。
【図11】本発明の望ましい更に他の実施形態に係るイメージシグナルプロセッサでのエンコーディングされたデータの出力のための信号波形を例示した図である。
【図12】本発明の望ましい更に他の実施形態に係るイメージシグナルプロセッサでのエンコーディングされたデータの出力のための信号波形を例示した図である。
【図13】本発明の望ましい更に他の実施形態に係るイメージシグナルプロセッサから伝送され、バックエンドチップのメモリに蓄積されたデータの格納形態を概念的に示した図である。
【図14】本発明の望ましい更に他の実施形態に係るイメージシグナルプロセッサでのエンコーディングされたデータの出力のための信号波形を例示した図である。
【図15】本発明の望ましい更に他の実施形態に係るイメージシグナルプロセッサの各構成要素で処理されたデータの出力のための信号波形を例示した図である。
【図16】本発明の望ましい更に他の実施形態に係るイメージシグナルプロセッサの各構成要素で処理されたデータの出力のための信号波形を例示した図である。
【図17】本発明の望ましい更に他の実施形態に係るイメージシグナルプロセッサの各構成要素で処理されたデータの出力のための信号波形を例示した図である。
【図18】本発明の望ましい更に他の実施形態に係るイメージシグナルプロセッサの各構成要素で処理されたデータの出力のための信号波形を例示した図である。
【符号の説明】
【0156】
110 イメージセンサー
120 イメージシグナルプロセッサ
130 バックエンドチップ
140 ベースバンドチップ
150 表示部
220 量子化器
230 エントロピーエンコーダ
310 クロック発生器
320 サブISP
330 エンコーディング部
340 データ出力部
410 前処理部
415 YUV出力部
420 出力制御部
425 JPEGエンコーダ
430 バッファーメモリ
435 バッファー管理部
450 センサー制御部
445 制御ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージセンサー、イメージシグナルプロセッサ及び受信段を含む撮像装置において、
外部映像に相応する電気信号を生成して出力するイメージセンサーと;
エンコーダを備え、前記電気信号に相応するYUVデータ又は前記エンコーダを用いて、エンコーディングされたデータを生成して前記受信段に出力するイメージシグナルプロセッサと;を含み、
前記エンコーディングされたデータを生成するための第2の処理クロックレートは、前記YUVデータを生成するための第1の処理クロックレートを超過することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記第1の処理クロックレートは、前記YUVデータ及び前記エンコーディングされたデータを出力するための出力クロックレート以下であり、前記第2の処理クロックレートは、前記出力クロックレート以上であることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記第1の処理クロックレートと前記第2の処理クロックレートとの比は、一つのフレームに相応する前記YUVデータの大きさと、エンコーディングされるべきデータの大きさとの比であることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記大きさは、面積、横長さ、縦長さ、対角線長さのいずれかであることを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記イメージセンサーは、前記イメージシグナルプロセッサから、前記第1の処理クロックレート、あるいは、前記第2の処理クロックレートに相応して入力されたクロック信号に符合するように、前記電気信号を生成して出力することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記第1の処理クロックレートは、プレビュー状態のクロックレートであり、前記第2の処理クロックレートは、前記受信段から入力されたキャプチャー命令に相応するフレームを処理するためのクロックレートであることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記キャプチャー命令に相応するk(自然数)番目のフレームを処理する途中で、k+1番目のフレームの入力が開始されることを意味する垂直同期信号(V_sync)が、前記イメージセンサーから入力される場合、前記イメージシグナルプロセッサは、前記イメージセンサーにスキップ命令を伝送し、前記イメージセンサーは、前記k+1番目のフレームに相応する電気信号を出力しないことを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記キャプチャー命令に相応するk(自然数)番目のフレームを処理する途中で、k+1番目のフレームの入力が開始されることを意味する垂直同期信号(V_sync)が、前記イメージセンサーから入力される場合、前記イメージシグナルプロセッサは、前記イメージセンサーから入力される電気信号の処理をスキップすることを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記イメージシグナルプロセッサは、前記エンコーディングされたデータを前記受信段に伝送するために臨時に格納するバッファーメモリを含み、
前記バッファーメモリに格納されたエンコーディングされたデータの量が、予め指定された大きさ以上である場合、前記第2の処理クロックレートを減少させることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記キャプチャー命令に相応するk(自然数)番目のフレームを処理する途中で、k+1番目のフレームの入力が遅延入力されるように前記イメージセンサーに指示することを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【請求項11】
イメージシグナルプロセッサにおいて、
処理クロックレートに相応するクロック信号を出力するクロック発生器と;
キャプチャー命令が入力されると、前記クロック発生器が増加された処理クロックレートに相応するクロック信号を出力するように制御する制御ユニットと;
前記クロック信号に応じて、イメージセンサーから入力される電気信号を用いてYUVデータを生成するサブISPと;
前記クロック信号に応じて、前記YUVデータを用いてエンコーディングされたイメージデータを生成するエンコーディング部と;
前記エンコーディングされたイメージデータを蓄積するメモリと;
前記制御ユニットの制御により、前記蓄積されたエンコーディングされたイメージデータを、予め指定された時点ごとに受信段に出力する出力部と;を含むイメージシグナルプロセッサ。
【請求項12】
前記メモリに蓄積されたエンコーディングされたイメージデータの量をモニターリングし、モニターリング情報を生成するバッファー管理部を更に含み、
前記制御ユニットは、前記モニターリング情報を用いて、前記処理クロックレートを増減することを特徴とする請求項11に記載のイメージシグナルプロセッサ。
【請求項13】
前記キャプチャー命令が入力される前には、前記出力部は、前記サブISPにより出力される前記YUVデータを前記受信段に出力することを特徴とする請求項11に記載のイメージシグナルプロセッサ。
【請求項14】
前記キャプチャー命令に相応するk(自然数)番目のフレームを処理する途中で、k+1番目のフレームの入力が開始されることを意味する垂直同期信号(V_sync)が、前記イメージセンサーから入力される場合、前記制御ユニットは、前記イメージセンサーにスキップ命令を伝送し、前記イメージセンサーは、前記k+1番目のフレームに相応する電気信号を出力しないことを特徴とする請求項11に記載のイメージシグナルプロセッサ。
【請求項15】
前記キャプチャー命令に相応するk(自然数)番目のフレームを処理する途中で、k+1番目のフレームの入力が開始されることを意味する垂直同期信号(V_sync)が、前記イメージセンサーから入力される場合、前記制御ユニットは、前記サブISPにスキップ命令を伝送し、前記サブISPは、前記k+1番目のフレームに相応するYUVデータ生成をスキップすることを特徴とする請求項11に記載のイメージシグナルプロセッサ。
【請求項16】
前記キャプチャー命令に相応するk(自然数)番目のフレームを処理する途中で、k+1番目のフレームの入力が遅延入力されるように前記イメージセンサーに指示することを特徴とする請求項11に記載のイメージシグナルプロセッサ。
【請求項17】
イメージセンサー、イメージシグナルプロセッサ及び受信段を含む撮像装置の前記イメージシグナルプロセッサで行われるイメージ処理方法において、
(a)第1の処理クロックレートに従って、前記イメージセンサーから入力される電気信号に相応するYUVデータを生成し、第1の出力クロックレートに従って、前記YUVデータを前記受信段に出力する段階と;
(b)前記受信段からキャプチャー命令を入力される段階と;
(c)前記第1の処理クロックレートを超過する第2の処理クロックレートに従って、前記イメージセンサーから入力される電気信号に相応するエンコーディングされたデータを生成し、第2の出力クロックレートに従って、前記エンコーディングされたデータを前記受信段に出力する段階と;を含み、
前記イメージシグナルプロセッサは、エンコーダを備えることを特徴とするイメージ処理方法。
【請求項18】
前記イメージセンサーは、前記イメージシグナルプロセッサから、前記第1の処理クロックレート、あるいは、前記第2の処理クロックレートに相応して入力されたクロック信号に符合するように、前記電気信号を生成して出力することを特徴とする請求項17に記載のイメージ処理方法。
【請求項19】
前記第1の処理クロックレートは、プレビュー状態のクロックレートであり、前記第2の処理クロックレートは、前記受信段から入力されたキャプチャー命令に相応するフレームを処理するためのクロックレートであることを特徴とする請求項17に記載のイメージ処理方法。
【請求項20】
前記段階(c)は、
前記第2の処理クロックレートに従って、前記イメージセンサーから入力される電気信号に相応するエンコーディングされたデータを生成する段階と;
前記エンコーディングされたデータをバッファーメモリに格納する段階と;
予め指定された条件に符合する期間の間に、前記バッファーメモリに格納された前記エンコーディングされたデータを、予め指定された時点ごとに、前記第2の出力クロックレートに従って前記前記受信段に出力する段階と;を含み、
前記バッファーメモリに格納されたエンコーディングされたデータの量が、予め指定された大きさ以上である場合、前記第2クロックレートを減少させることを特徴とする請求項17に記載のイメージ処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2009−515459(P2009−515459A)
【公表日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−539906(P2008−539906)
【出願日】平成18年5月29日(2006.5.29)
【国際出願番号】PCT/KR2006/002055
【国際公開番号】WO2007/055450
【国際公開日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(508135518)エムテクビジョン カンパニー リミテッド (9)
【Fターム(参考)】