説明

インクジェットプリンタの回復装置

【課題】チャージ容積を小さくして、インクの使い始めから使い終わりまでほぼ一定のパージ排出量とする。
【解決手段】印字ヘッド14と、この印字ヘッド14に供給するインクを収容したインクカートリッジ21とを備える。インクカートリッジ21と印字ヘッド14との間のインク通路22に、インクカートリッジ21から印字ヘッド14へのインクが流れる加圧部24が設けられている。加圧部24には、圧力付与用電磁開閉弁28が閉じられることでエアポンプ25によって供給される加圧エアがチャージタンク26に一旦蓄積され、前記開閉弁28が開放されることで、加圧エアによって加圧部24内のインクを加圧することにより印字ヘッド14のノズル内のインクに前記圧力を付与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットプリンタの回復装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば図7に示すように、多数のノズルを複数列配列した印字ヘッド101と、この印字ヘッド101に供給するインクを収容したインクカートリッジ102と、、加圧エアを送給するエアポンプ103と、このインクカートリッジ102とエアポンプ103との間のエア通路に設けられ加圧エアを一時的に保持するチャージタンク104に加えて、このチャージタンク104とインクカートリッジ102との間のエア通路に設けられる大気開放用開閉弁105と、インクカートリッジ102とチャージタンク104との間のエア通路に設けられる圧力付与用開閉弁106とを備え、インクカートリッジ102内のインクに、エアポンプ103で発生させた加圧エアを順次供給して正圧パージを行い、一定時間経過後大気開放するようにしたものが知られている。
【0003】
また、インクジェット記録装置において、キャリッジに印字ヘッド及びサブタンクユニットが設けられ、プリンタ側には、ヘッドに供給チューブを介して接続されたインクカートリッジ、このインクカートリッジに加圧エアを供給するエアポンプと、圧力レギュレータと、切換えバルブ等が設けられている。そして、サブタンクのインク残量が少なくなった場合、切換えバルブが切換えられてエアポンプとインクカートリッジのインク袋とが連通するため、エアポンプの加圧エアが圧力レギュレータと切換えバルブを介してインク袋に供給され、インク袋のインクを印字ヘッドやサブタンクに送給するようにしたものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、前述した図7に示すものや特許文献1に記載のものにおいては、リリーフ弁や圧力レギュレータを、加圧ポンプ(エアポンプ)とインクタンク(インクカートリッジ)の間に配置し、加圧ポンプ(エアポンプ)からインクタンク(インクカートリッジ)に供給される加圧エアのエア圧調整をリリーフ弁や圧力レギュレータで行うようにしてあるため、これら大型のリリーフ弁や圧力レギュレータを設置するスペースを必要とし、インクジェットプリンタが大型化するだけでなく、生産コストが高くなる。また、各インクカートリッジに供給可能な加圧エアの量は、インクカートリッジの前段(上流側)に配設された圧力レギュレータの容量に規定されるため、インクカートリッジ内のインク残量によっては、印字ヘッドの加わる加圧力が変化してしまうおそれがある。
【0005】
そこで、加圧エアのエア圧調整を簡単かつ低コストにて行えるように、各インクカートリッジのエア室にエアポンプからのエアを供給するエア供給管にオリフィスを設け、パージ処理に際して、オリフィスがエアポンプで発生した加圧エアを排気して圧力調整を行うようにしたものも知られている(例えば特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平10−138506号公報(段落0030〜0037および図3、図4)
【特許文献2】特開2004−58348号公報(段落0031〜0035および図6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、インクカートリッジ内のインクが消費されるに従い、インクカートリッジ内のエア量が増加するので、そのエア量の変化にかかわらず同じパージ性能を確保し、印字ヘッドに安定して圧力を作用させるためには、チャージタンク内にチャージするエア量をインク消費時のインクカートリッジに対応して変化させる必要がある。このような変化には、前述した特許文献2の技術では十分に対応することができない。
【0007】
そして、インクカートリッジが大容量である場合には、インクの消費開始から消費終了までの間にインクカートリッジ内のエア量が大きく変化するので、これに対応して、チャージタンクの容積を大きくする必要がある。また、エアを大量にチャージさせるためには、送給能力の高い大型のエアポンプが必要となり、プリンタが大型化するおそれがある。
【0008】
この発明は、チャージ容積を小さくして、インクの使い始めから使い終わりまでほぼ一定のパージ排出量とすることができるインクジェットプリンタの回復装置を提供することを目的とする。また、この発明は、インクの残量に係わらず所望の加圧力でパージ処理ができるインクジェットプリンタの回復装置を提供するも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、多数のノズルを有する印字ヘッドと、この印字ヘッドに供給するインクを収容したインクカートリッジと、前記印字ヘッドのノズル内のインクに噴射方向の圧力を付与する正圧回復手段とを備えるインクジェットプリンタの回復装置において、前記正圧回復手段は、前記インクカートリッジと前記印字ヘッドとの間のインク通路に設けられ前記インクカートリッジから前記印字ヘッドへのインクが流れる加圧部と、この加圧部に加圧エアを供給するポンプ手段とを備え、前記ポンプ手段による加圧エアによって前記加圧部内のインクを加圧することにより前記印字ヘッドのノズル内のインクに前記圧力を付与する構成とされていることを特徴とする。ここで、加圧部は、加圧エアが加圧部内のインクを直接加圧する構成のものであってもよいし、後述する請求項3の発明のようにフィルムなどの中間材を介してインクを加圧する構成のものでもよい。
【0010】
このようにすれば、インクカートリッジと印字ヘッドとの間のインク通路に、前記インクカートリッジから前記印字ヘッドへのインクが流れる加圧部が設けられ、この加圧部にポンプ手段にて加圧エアを供給し、前記加圧部内のインクを加圧することにより前記印字ヘッドのノズル内のインクに前記圧力を付与するようにしているので、加圧部の容積を大きくする必要がなくなり、チャージ容積を小さくすることができる。よって、吐出回復性能の向上、インク消費量の低減、パージ時間の短縮が図れる。また、切替バルブなどの切り替え機構が不要となるので、省スペース化を図る上で有利である。
【0011】
それに加えて、従来のようにインクカートリッジを背面加圧するのではなく、インクカートリッジと印字ヘッドとの間のインク通路の加圧部を加圧するので、インクカートリッジのインク残量と関係なく、付与する圧力をほぼ一定にすることができ、インクカートリッジの使い始めから使い終わりまでほぼ一定のパージ排出量とすることが可能となる。特に加圧部の空気容積変化を小さくすることで、パージ排出量のばらつきを抑制する上でより一層有利となる。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1のインクジェットプリンタの回復装置において、前記正圧回復手段が、前記加圧部から前記インクカートリッジ側へのインクの流れを禁止する逆止弁を有することを特徴とする。
【0013】
このようにすれば、加圧部からインクカートリッジ側へのインクの流れが逆止弁によって禁止されるので、ポンプ手段による加圧エアによって前記加圧部内のインクを加圧する加圧力はインクジェットカートリッジ側に伝達されない。よって印字ヘッド側への圧力伝達効率が向上する。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1又は2のインクジェットプリンタの回復装置において、前記加圧部が、サブタンクの内部を、可撓性のフィルムによって、前記加圧エアが供給されるエア室と、前記インクカートリッジから前記印字ヘッドに流れるインクが通過するインク室とに区画して構成されていることを特徴とする。
【0015】
このようにすれば、加圧エアによってエア室に作用する加圧力が、フィルムの偏倚によってインク室のインクに伝達され、前記印字ヘッドのノズル内のインクに前記圧力が付与される。とくに、フィルムによって区画されてインク室とされているので、インクの漏れが防止される。
【0016】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかのインクジェットプリンタの回復装置において、前記印字ヘッドが印字動作の際に往復移動する構成とされ、その往復移動経路の一側に、ワイパー部材にてノズル面を払拭するワイパー手段と排出インクを収容するフラッシングタンクとが配置され、他側に、非印字時に前記印字ヘッドのノズル面を保存キャップにて覆う保存キャップ手段が配置されていることを特徴とする。
【0017】
このようにすれば、パージ時には、印字ヘッドの往復移動経路の一側で、正圧パージ動作及びワイピング動作、フラッシング動作が行われる。非印字時には、印字ヘッドの往復移動経路の他側で、印字ヘッドのノズル面が保存キャップにて覆われる。
【0018】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかのインクジェットプリンタの回復装置において、前記加圧部にはチャージタンクを通じて加圧エアを供給する構成とされ、前記正圧回復手段が、前記チャージタンクに対して設けられた大気開放用電磁開閉弁と、前記加圧部と前記チャージタンクとの間のエア通路に設けられた圧力付与用電磁開閉弁と、前記ポンプ手段、前記大気開放用電磁開閉弁および前記圧力付与用電磁開閉弁を制御する回復制御手段とを備え、前記回復制御手段は、正圧回復時に、前記ポンプ手段を一定時間駆動して前記チャージタンク内の圧力を高めた後、前記圧力付与用電磁開閉弁を開き前記加圧部内のインクを一定時間加圧することにより前記印字ヘッドのノズル内のインクに前記圧力を付与し、その一定時間経過後前記大気開放用電磁開閉弁を開き、前記チャージタンク内の加圧エアを開放する制御を行うことを特徴とする。
【0019】
このようにすれば、切替バルブなどの切り替え機構を用いることなく、圧力付与用電磁開閉弁や圧力付与用電磁開閉弁を制御するだけで、正圧回復動作を行うことができる。
【0020】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれかのインクジェットプリンタの回復装置において、前記印字ヘッドおよび前記インクカートリッジがそれぞれ複数で、前記各印字ヘッドに対応して前記加圧部がそれぞれ設けられ、前記チャージタンクが、全ての前記加圧部に対して共通のタンクであることを特徴とする。
【0021】
このようにすれば、各印字ヘッドおよび前記インクカートリッジごとに加圧部を設け、各加圧部ごとに加圧して前記各印字ヘッドのノズル内のインクに圧力を付与するようにしているので、チャージタンクを共通のタンクとしてもタンク容積をあまり大きくする必要がない。
【0022】
請求項7の発明は、請求項6のインクジェットプリンタの回復装置において、前記各サブタンクが、前記各サブタンクが対応するインク通路の流路抵抗に応じて、タンク容積が設定されていることを特徴とする。
【0023】
このようにすれば、チャージタンクに対応するインク通路の流路抵抗に関係なく、いずれのチャージタンク内の圧力を高める場合も、ほぼ一定の時間で一定の圧力まで高めることが可能となる。
【0024】
請求項8の発明は、請求項5〜7のいずれかのインクジェットプリンタの回復装置において、前記回復制御手段は、前記正圧回復手段に連係され、印字不良の度合いに応じて、前記印字ヘッドのノズル内のインクに付与する圧力を変化させるものであることを特徴とする。
【0025】
このようにすれば、印字不良の度合いに応じて、最適な正圧回復を行うことができ、インクの無駄な消費を回避することができる。
【0026】
請求項9の発明は、請求項8のインクジェットプリンタの回復装置において、前記回復制御手段が、前記ポンプ手段から前記加圧部に送給する加圧エア量を変化させることにより加圧力を変化させるものであることを特徴とする。
【0027】
このようにすれば、加圧部に送給する加圧エア量を変化させることで、印字不良の度合いに応じて、最適な正圧回復を簡単にかつ容易に行うことができる。
【0028】
前記請求項1〜9の発明は、回復制御手段を例えばマイクロコンピュータとして内蔵するものであるが、請求項10〜12の発明のように、例えばパソコンなどを利用して外部回復制御手段として構成することも可能である。この場合、インクジェットプリンタ自体は回復制御手段を備えていないことになる。
【0029】
請求項10の発明は、請求項1〜4のいずれかのインクジェットプリンタの回復装置において、前記加圧部にはチャージタンクを通じて加圧エアを供給する構成とされ、前記正圧回復手段が、前記チャージタンクに対して設けられた大気開放用電磁開閉弁と、前記加圧部と前記チャージタンクとの間のエア通路に設けられた圧力付与用電磁開閉弁とを備え、前記ポンプ手段、前記大気開放用電磁開閉弁及び圧力付与用電磁開閉弁は、正圧回復時に、外部回復制御手段が、前記ポンプ手段を一定時間駆動して前記チャージタンク内の圧力を高めた後、前記圧力付与用電磁開閉弁を開き前記加圧部内のインクを一定時間加圧することにより前記印字ヘッドのノズル内のインクに前記圧力を付与し、その一定時間経過後前記大気開放用電磁開閉弁を開き、前記チャージタンク内の加圧エアを開放する制御を行う構成とされていることを特徴とする。ここで、請求項5の発明は、回復制御手段を例えばマイクロコンピュータとして内蔵するものであるが、請求項6の発明は、例えばパソコンなどを利用して外部回復制御手段として構成するものである。この場合、インクジェットプリンタ自体は回復制御手段を備えていないことになる。
【0030】
このようにすれば、請求項5の発明と同様に、切替バルブなどの切り替え機構を用いることなく、圧力付与用電磁開閉弁や圧力付与用電磁開閉弁を制御するだけで、正圧回復動作を行うことができる。
【0031】
請求項11の発明は、請求項10のインクジェットプリンタの回復装置において、前記外部回復制御手段は、前記正圧回復手段に連係され、印字不良の度合いに応じて、前記印字ヘッドのノズル内のインクに付与する圧力を変化させるものであることを特徴とする。
【0032】
このようにすれば、請求項8の発明と同様に、印字不良の度合いに応じて、最適な正圧回復を行うことができ、インクの無駄な消費を回避することができる。
【0033】
請求項12の発明は、請求項11のインクジェットプリンタの回復装置において、前記外部回復制御手段が、前記ポンプ手段から前記加圧部に送給する加圧エア量を変化させることにより加圧力を変化させるものであることを特徴とする。
【0034】
このようにすれば、請求項9の発明と同様に、加圧部に送給する加圧エア量を変化させることで、印字不良の度合いに応じて、最適な正圧回復を簡単にかつ容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0035】
以上のように、この発明は、インクカートリッジと印字ヘッドとの間のインク通路に、前記インクカートリッジから前記印字ヘッドへのインクが流れる加圧部を設け、この加圧部にポンプ手段にて加圧エアを供給し、前記加圧部内のインクを加圧することにより前記印字ヘッドのノズル内のインクに前記圧力を付与するようにしているので、チャージ容積を小さくでき、切替バルブなどの切り替え機構が不要となり、省スペース化を図る上で有利となる。しかも、インクカートリッジを背面加圧するのではないので、インクカートリッジの使い始めから使い終わりまでほぼ一定のパージ排出量とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明の実施の形態を図面に沿って説明する。
【0037】
図1は本発明に係るインクジェットプリンタの回復装置の概略構成図である。
【0038】
図1に示すように、インクジェットプリンタ5は、多数のノズルを有する印字ヘッド14と、この印字ヘッド14に供給するインクを収容したインクカートリッジ21と、前記印字ヘッド14のノズル内のインクに噴射方向の圧力を付与する正圧回復手段23とを備える。この正圧回復手段23は、インクカートリッジ21と印字ヘッド14との間のインク通路22に設けられる加圧部24を備え、インクはこの加圧部24を通って、インクカートリッジ21から印字ヘッド14へ流れる。正圧回復手段23は、加圧部24に加えて、加圧部24に加圧エアを送給するためのポンプ手段としてのエアポンプ(例えばチューブポンプ)25、エアポンプ25から送給された加圧エアを一時的に保持するチャージタンク26、チャージタンク26内の加圧エアを加圧部24に供給するための圧力付与用電磁開閉弁28、チャージタンク26内の残留している加圧エアを大気に開放するための大気開放用電磁開閉弁32を備えている。そしてエアポンプ25と加圧部24との間のエア通路には、上流側からチャージタンク26及び圧力付与用電磁開閉弁28が設けられている。また、チャージタンク26と圧力付与用電磁開閉弁28との間のエア通路には、大気開放用電磁開閉弁32を有するエア通路33が接続されている。また、インクカートリッジ21と加圧部24との間に逆止弁29が設けられ、この逆止弁29により加圧部24からインクカートリッジ21へのインクの流れは禁止される。これにより正圧パージ時に、印字ヘッド側への圧力伝達効率を向上させることができる。
【0039】
この正圧回復手段23は、正圧パージ時に、圧力付与用電磁開閉弁28を閉じることによって供給される加圧エアをチャージタンク26に一旦蓄積し、圧力付与用電磁開閉弁28を開放することで、加圧エアによって加圧部24内のインクを加圧し、それにより印字ヘッド14のノズル内のインクに前記圧力を付与する構成とされている。また、正圧回復手段23は、パージ終了後は、大気開放用電磁開閉弁32を開放し、チャージタンク26をエア通路33を通じて大気開放する。
【0040】
よって、加圧部24(サブタンク)内のインク容積は常に一定に維持することができ、加圧部24での空気量の変化も小さくなるので、常に安定して圧力を印字ヘッド14のノズル内のインクに付与することができる。
【0041】
加圧部24の容積は小型化が可能であるので、それに応じてチャージタンク26のタンク容積の小型化、エアポンプ25の小型化が図れる。
【0042】
また、インクカートリッジ21を背面加圧するのではないので、インクカートリッジについての設計の自由度を高めることができる。これによりインクカートリッジの大容量化に対する制限がなくなる。
なお、前記両電磁開閉弁28,32は手動式開閉弁としてもよい。
【0043】
続いて、このようなインクジェットプリンタを、プリンタ機能、コピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能を備えた多機能装置(MFC)1に適用した実施の気板について説明する。
【0044】
図2は本発明に係るインクジェットプリンタが用いられる多機能装置(MFC)の斜視図、図3は同インクジェットプリンタの概略構成図である。
【0045】
図2及び図3に示すように、多機能装置(MFC)1は、本体ケース2を備え、その本体ケース2の後端側に給紙装置3が設けられている。その本体ケース2の内部は、組み込まれた機能別に大まかに上下に二分されている。本体ケース2の上側には、コピー機能とファクシミリ機能のための原稿読取り装置4が設けられている。本体ケースの下側、つまり原稿読取り装置4の下側全体にプリンタ機能を実現するためのインクジェットプリンタ5’が設けられ、その前側には記録されて排紙されてくる用紙P等の被記録媒体を受けるための排紙用トレイ6が設けられている。
【0046】
原稿読取り装置4は、具体的に図示していないが、後端部において水平軸により上下揺動可能に設けられ、カバー体4aを上側に開放すると、原稿を載置する載置用ガラス板が露出し、そのガラス板の下側に原稿読取り用のイメージスキャナ装置が設けられる構成とされている。
【0047】
インクジェットプリンタ5’は、本体ケース2内に2本のガイド軸11,12が平行に設けられ、これらのガイド軸11,12には、キャリッジとして機能するヘッドホルダ13が移動可能に取り付けられている。このヘッドホルダ13には、多数のノズルを有し記録用紙Aにインクを吐出して記録を行う印字ヘッド14が下向きに搭載されている。ヘッドホルダ13(印字ヘッド14)は、モータ15により回転する無端ベルト16に取り付けられており、モータ15の駆動により、印字動作の際に、ガイド軸11,12に沿って往復移動する。
【0048】
その往復移動経路の一側に、ワイパー部材にてノズル面を払拭するワイパー手段17とパージ処理やフラッシング処理により排出されたインクを収容するフラッシングタンク18とが配置され、他側に、非印字時に印字ヘッド14のノズル面を保存キャップにて覆う保存キャップ手段19が配置されている。
【0049】
また、インクジェットプリンタ5’の手前中央位置には、フルカラー記録のために、印字ヘッド14に供給するマゼンタインクが収容されたインクカートリッジ21Mと、シアンインクが収容されたインクカートリッジ21Cと、ブラックインクが収容されたインクカートリッジ21Bと、イエローインクが収容されたインクカートリッジ21Yとを備えている。これらのインクカートリッジ21M,21C,21B,21Yは、原稿読取り装置4全体を上方に回転して本体ケース2内を開放することで、外部に露出するので、必要に応じて交換できる構成とされている。
【0050】
各インクカートリッジ21M,21C,21B,21Yは、それぞれ可撓性インクチューブであるインク通路22M,22C,22B,22Yを通じてヘッドホルダ13のチューブジョイント13Aに接続され、各インクが印字ヘッド14に供給される構成とされている。また、これらインクカートリッジ21M,21C,21B,21Yに対しては、印字ヘッド14のノズル内のインクに噴射方向の圧力を付与する正圧回復手段23’が接続されている。
【0051】
正圧回復手段23’は、上述の正圧回復手段23と類似している。この正圧回復手段23’は、インクカートリッジ21M,21C,21B,21Yと印字ヘッド14(チューブジョイント13A)との間のインク通路22M,22C,22B,22Yに設けられ加圧部24M,24C,24B,24Yと、この加圧部24M,24C,24B,24Yに加圧エアを供給するエアポンプ25(ポンプ手段)とを備える。これらの加圧部24M,24C,24B,24Yは、インクが流れるインク流路の一部を構成し、インクカートリッジ21M,21C,21B,21Yから印字ヘッド14へのインクが流れる。そして、エアポンプ25からの加圧エアによって、加圧部24M,24C,24B,24Y内のインクを加圧するとともに印字ヘッド14のノズル内のインクに前記圧力を付与する構成とされている。ここでは、加圧エアを保持する1つのチャージタンク26が、各加圧部24M,24C,24B,24Yに共通に配設されている。
【0052】
各加圧部24M,24C,24B,24Yは、加圧エアとインクとが共存するサブタンクをそれぞれ有している。各サブタンク内は、エア室とインク室とに区画された構成とされている。例えば加圧部24Mは、図4に示すように、サブタンク24Maの内部が、インクが漏れないように、可撓性のフィルム24Mbによって、加圧エアが供給されるエア室24Mcと、インクカートリッジ21Mから印字ヘッド14に流れるインクが通過するインク室24Mdとに区画されている。サブタンク24Maは、エア室24Mcの一部となる第1のタンク部材24Maa内に、インクの流路を有する第2のタンク部材24Mabが嵌め込まれてなり、第2のタンク部材24Mabにフィルム24Mbの周縁部が水密状に接着されている。両タンク部材24Maa、24Mabが嵌合してエア室24Mcが形成され、このときフィルム24Mbは、エア室24Mcの壁面を構成している。第1のタンク部材24Maaには、エア通路27Mが接続されるポートP11が設けられて加圧エアが供給可能となっている。一方、第2のタンク部材24Mabには、インク通路22Mが接続される2つのポートP12,P13が設けられてインクを印字ヘッド14側に供給可能となっている。このように、サブタンク24Ma内では、加圧エアとインクがフィルム24Mbを介して共存する。なお、各加圧部24M,24C,24B,24Yは、エア室がインク室に対して重力方向下側となるように設置され、少なくともインク室にインクがあれば、フィルム24Mbは下に凸の状態になっている。
【0053】
エアポンプ25からの加圧エアは、各加圧部24M,24C,24B,24Yへの送給に先立って、共通のチャージタンク26に一時的に蓄えられる。チャージタンク26と各加圧部24M,24C,24B,24Yとの間のエア通路27M,27C,27B,27Yには、正圧パージ時に開放される圧力付与用電磁開閉弁28M,28C,28B,28Yが設けられている。この開放により、加圧エアが各加圧部27M,27C,27B,27Yに送給されることになる。このとき、エア室とインク室とを隔てるフィルム24Mbは、上に凸状に変形しインク室内のインクを印字ヘッド側に押し出すことになる。なお、エア通路27M,27C,27B,27Yは、チャージタンク26の下流側に接続するエア通路27からそれぞれ分岐しており、さらにエア通路27には、大気開放用電磁開閉弁32を途中に設けたエア通路33が接続されている。一方、インク通路22M,22C,22B,22Yのうち、各加圧部24M,24C,24B,24Yとインクカートリッジ21M,21C,21B,21Yとの間の部分の流路には、加圧部24M,24C,24B,24Yからインクカートリッジ21M,21C,21B,21Y側へのインクの流れを禁止する逆止弁29M,29C,29B,29Yが設けられている。
【0054】
そして、エアポンプ25、大気開放用電磁開閉弁32及び圧力付与用電磁開閉弁28M,28C,28B,28Yを制御するために、例えばマイクロコンピュータからなる回復制御手段31を備える。この回復制御手段31によって、正圧回復時に、エアポンプ25を回転してチャージタンク26及びエア通路の圧力を高める。この実施の形態では、予め設定された圧力に到達するまでエアポンプ25が駆動される。その後、一定時間、単数あるいは複数の圧力付与用電磁開閉弁28M,28C,28B,28Yを開いたままの状態を維持することにより、それに対応する色の印字ヘッド14のノズル内のインクに前記圧力を付与する。この場合、チャージタンク26からの加圧エアの送給量は、パージ対象に係わる加圧部のエア室及びこれに至る通路の構造に依存する。そのため、インクカートリッジ21M,21C,21B,21Y内の残っているインクの残量に関係なく、付与される圧力は常に設定した圧力となる。
【0055】
前記一定時間の経過後、大気開放用電磁開閉弁32を開き、チャージタンク26内の加圧エアを開放する制御を行う。なお、このパージ処理が、選択された色のインクに係わるノズルに対して行われたものであれば、正圧パージ処理に続くフラッシング処理時に、全ての圧力付与用電磁開閉弁28M,28C,28B,28Yが開放状態とされる。
【0056】
これにより、チャージタンク26内の圧力を所定の圧力まで高め、その後一定時間チャージタンク26からの前記加圧エアによって印字ヘッド14のノズル内のインクに前記圧力を付与する正圧パージが実行される。
【0057】
続いて、回復制御手段31による制御の一例について、図5に沿って説明する。
【0058】
例えば印字の終了により、パージ実行指令がプログラムに基づいて入力されると、ヘッドホルダ13が、それに搭載される印字ヘッド14をフラッシングタンク18に対向するパージポジションに移動させる(ステップS1)。それから、圧力付与用電磁開閉弁28M,28C,28B,28Y及び大気開放用電磁開閉弁32が、現在開放されている場合には閉じられ、現在閉じられている場合にはその状態が維持される(ステップS2)。その状態で、エアポンプ25が駆動され(ステップS3)、加圧エアがチャージタンク26に送給される。
【0059】
この加圧エアの送給によりチャージタンク26内の圧力が徐々に上昇し、所定の圧力に到達すると(ステップS4)、エアポンプ25が停止される(ステップS5)。ポンプ停止後、圧力付与用電磁開閉弁28M,28C,28B,28Yが開放される(ステップS6)。これにより、加圧部24M,24C,24B,24Yに圧力が付与され、インクカートリッジ21M,21C,21B,21Yのインクが背面加圧され、この加圧によりフラッシングタンク18に対しインクを吐出する正圧パージが実行される。このとき、正圧パージの対象が、特定の色インクのノズルであれば、このノズルに対応した圧力付与用電磁開閉弁のみが開放され、全ての色インクのノズルが対象であれば、全ての圧力付与用電磁開閉弁28M,28C,28B,28Yが開放されることになる。
【0060】
一定時間T sec 経過後(ステップS7)、大気開放用電磁開閉弁32が開放され(ステップS8)、ワイパー手段17のワイパー部材が上昇し(ステップS9)、印字ヘッド14の移動でワイピング動作が行われる(ステップS10)。ここで、「一定時間T secの経過後」に代えて、「エアポンプの25の回転数が一定数回転後」とすることも可能である。なお、正圧パージの対象が、特定の色インクのノズルであった場合には、残りの圧力付与用電磁開閉弁は閉じたままである。しかし、このワイピング動作中に、チャージタンク26内の圧力は大気圧に戻っている。
【0061】
ワイピング動作終了後、正圧パージの対象が、特定の色インクのノズルであった場合には、この段階で残りの圧力付与用電磁開閉弁が開放され、全ての色インクのノズルが対象であった場合には、そのまま次のステップに進むことになる。さらに再び印字ヘッド14はパージポジションに移動して、インクの混色を防ぐためのフラッシングが実施され(ステップS11)、それから、印字ヘッド14が保存キャップ手段19に対向する待機ポジションに印字ヘッド14が移動し(ステップS12)、保存キャップ手段19の保存キャップにてキャッピングし(ステップS13)、終了する。
【0062】
前記実施の形態は、次のように変更することも可能である。
【0063】
(i)前記実施の形態では、すべてのインクカートリッジ21M,21C,21B,21Yに対し単一のチャージタンク26を設ける構成としているが、チャージタンクが複数個で、インクカートリッジ21M,21C,21B,21Y毎に1つずつ設ける構成とすることも可能である。この場合は、インクカートリッジ21M,21C,21B,21Yは4つのであるので、各タンクのタンク容積は、単一のチャージタンク26のタンク容積の1/4程度とされる。これにより、エア通路27の引き回しを簡略化し、さらに省スペース化に寄与する。また、部品点数の点でも有利となる。
【0064】
(ii)前記実施の形態では、回復制御手段は、前記印字ヘッドのノズル内のインクに付与する圧力(いわゆるチャージ圧力)が一定となるように構成しているが、そのほか、回復制御手段は、印字不良の度合いに応じて、前記正圧回復手段を制御して、例えば図6に示すように、圧力付与用電磁開閉弁の開放してからT sec経過するまでの領域Aにおいて重度の印字不良の場合の方が軽度の印字不良の場合よりも、前記印字ヘッドのノズル内のインクに付与する圧力(いわゆるチャージ圧力)が高くなるように変化させるものとしてもよい。印字不良が発生して回復動作を行う際に、チャージさせる圧力がある一定値しかない場合には、印字不良の度合(軽度、重度)に関係なく、印字ヘッドに作用する圧力が一定になるため、無駄にインクを消費するおそれがあるからである。
【0065】
ここで、印字不良の重度・軽度の判別は、使用者がマニュアルスイッチにて、印字結果から重度・軽度を判別して信号入力するようにしてもよいし、記録済みの記録用紙をCCDカメラなどの撮像手段にて撮影して、画像処理により周知の手法を用いて重度・軽度を判別して信号入力するようにしてもよい。
【0066】
この場合、前記回復制御手段は、前記チャージタンクに溜める加圧エア量を変化させたり、エア通路の長さを切り替えて変更したりすることにより前記圧力の大きさを変化させることができる。
【0067】
(iii)前記各チャージタンクは、前記各チャージタンクが対応するエア通路の流路抵抗に応じて、タンク容積が設定されている構成とすることも可能である。つまり、エア通路の流路抵抗が大きいチャージタンクはタンク容積を小さくしてエア圧の上昇を早くする一方、流路抵抗が小さいチャージタンクはタンク容積を大きくしてエア圧の上昇が遅くなるようにし、すべて色についてのチャージタンクにおいてほぼ同時に設定圧となるようにすることも可能である。
【0068】
(iv)前記実施の形態では、全ての色インクのノズルが対象であれば、全ての圧力付与用電磁開閉弁が開放されるようにしているが、圧力付与用電磁開閉弁31M,31C,31B,31Yを1つずつ開放していき、各色インクのノズルごとに正圧パージを順次行うことにより、全ての色インクのノズルについて正圧パージを実行することも可能である。
【0069】
(v)前記実施の形態は、多機能装置(MFC)のインクジェットプリンタに適用したものであるが、通常のインクジェットプリンタにも適用することができ、その場合には、パソコンが外部回復制御手段を備えることになる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明に係るインクジェットプリンタの回復装置の概略構成図である。
【図2】本発明に係るインクジェットプリンタが用いられる多機能装置(MFC)の斜視図である。
【図3】同インクジェットプリンタの概略構成図である。
【図4】圧力部の詳細図である。
【図5】制御の一例を示すフローチャート図である。
【図6】経過時間と圧力の変化との関係を示す図である。
【図7】従来例についての図2と同様の図である。
【符号の説明】
【0071】
1 多機能装置(MFC)
5,5’ インクジェットプリンタ
14 印字ヘッド
21,21M,21C,21B,21Y インクカートリッジ
23、23’ 正圧回復手段
24,24M,24C,24B,24Y 加圧部
26 チャージタンク
28,28M,28C,28B,28Y 圧力付与用電磁開閉弁
29,29M,29C,29B,29Y 逆止弁
32 大気開放用電磁開閉弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数のノズルを有する印字ヘッドと、この印字ヘッドに供給するインクを収容したインクカートリッジと、前記印字ヘッドのノズル内のインクに噴射方向の圧力を付与する正圧回復手段とを備えるインクジェットプリンタの回復装置において、
前記正圧回復手段は、前記インクカートリッジと前記印字ヘッドとの間のインク通路に設けられ前記インクカートリッジから前記印字ヘッドへのインクが流れる加圧部と、この加圧部に加圧エアを供給するポンプ手段とを備え、
前記ポンプ手段による加圧エアによって前記加圧部内のインクを加圧することにより前記印字ヘッドのノズル内のインクに前記圧力を付与する構成とされていることを特徴とするインクジェットプリンタの回復装置。
【請求項2】
前記正圧回復手段は、前記加圧部から前記インクカートリッジ側へのインクの流れを禁止する逆止弁を有することを特徴とする請求項1記載のインクジェットプリンタの回復装置。
【請求項3】
前記加圧部は、サブタンクの内部を、可撓性のフィルムによって、前記加圧エアが供給されるエア室と、前記インクカートリッジから前記印字ヘッドに流れるインクが通過するインク室とに区画して構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェットプリンタの回復装置。
【請求項4】
前記印字ヘッドは印字動作の際に往復移動する構成とされ、その往復移動経路の一側に、ワイパー部材にてノズル面を払拭するワイパー手段と排出インクを収容するフラッシングタンクとが配置され、他側に、非印字時に前記印字ヘッドのノズル面を保存キャップにて覆う保存キャップ手段が配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェットプリンタの回復装置。
【請求項5】
前記加圧部にはチャージタンクを通じて加圧エアを供給する構成とされ、
前記正圧回復手段は、前記チャージタンクに対して設けられた大気開放用電磁開閉弁と、前記加圧部と前記チャージタンクとの間のエア通路に設けられた圧力付与用電磁開閉弁と、前記ポンプ手段、前記大気開放用電磁開閉弁および前記圧力付与用電磁開閉弁を制御する回復制御手段とを備え、
前記回復制御手段は、正圧回復時に、前記ポンプ手段を一定時間駆動して前記チャージタンク内の圧力を高めた後、前記圧力付与用電磁開閉弁を開き前記加圧部内のインクを一定時間加圧することにより前記印字ヘッドのノズル内のインクに前記圧力を付与し、その一定時間経過後前記大気開放用電磁開閉弁を開き、前記チャージタンク内の加圧エアを開放する制御を行うことを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のインクジェットプリンタの回復装置。
【請求項6】
前記印字ヘッドおよび前記インクカートリッジはそれぞれ複数で、前記各印字ヘッドに対応して前記加圧部がそれぞれ設けられ、
前記チャージタンクは、全ての前記加圧部に対して共通のタンクであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェットプリンタの回復装置。
【請求項7】
前記各サブタンクは、前記各サブタンクが対応するインク通路の流路抵抗に応じて、タンク容積が設定されていることを特徴とする請求項6記載のインクジェットプリンタの回復装置。
【請求項8】
前記回復制御手段は、前記正圧回復手段に連係され、印字不良の度合いに応じて、前記印字ヘッドのノズル内のインクに付与する圧力を変化させるものであることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載のインクジェットプリンタの回復装置。
【請求項9】
前記回復制御手段は、前記ポンプ手段から前記加圧部に送給する加圧エア量を変化させることにより前記圧力を変化させるものであることを特徴とする請求項8記載のインクジェットプリンタの回復装置。
【請求項10】
前記加圧部にはチャージタンクを通じて加圧エアを供給する構成とされ、
前記正圧回復手段は、前記チャージタンクに対して設けられた大気開放用電磁開閉弁と、前記加圧部と前記チャージタンクとの間のエア通路に設けられた圧力付与用電磁開閉弁とを備え、
前記ポンプ手段、前記大気開放用電磁開閉弁及び圧力付与用電磁開閉弁は、正圧回復時に、外部回復制御手段が、前記ポンプ手段を一定時間駆動して前記チャージタンク内の圧力を高めた後、前記圧力付与用電磁開閉弁を開き前記加圧部内のインクを一定時間加圧することにより前記印字ヘッドのノズル内のインクに前記圧力を付与し、その一定時間経過後前記大気開放用電磁開閉弁を開き、前記チャージタンク内の加圧エアを開放する制御を行う構成とされていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェットプリンタの回復装置。
【請求項11】
前記外部回復制御手段は、前記正圧回復手段に連係され、印字不良の度合いに応じて、前記印字ヘッドのノズル内のインクに付与する圧力を変化させるものであることを特徴とする請求項10記載のインクジェットプリンタの回復装置。
【請求項12】
前記外部回復制御手段は、前記ポンプ手段から前記加圧部に送給する加圧エア量を変化させることにより前記圧力を変化させるものであることを特徴とする請求項11記載のインクジェットプリンタの回復装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−152725(P2007−152725A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−350720(P2005−350720)
【出願日】平成17年12月5日(2005.12.5)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】