説明

インクジェットプリンタ及びインクジェットヘッドの充填液を置換する方法

【課題】インクジェットヘッドに充填された充填液をインクに置換した後に行われる初期パージにおけるインクの消費量を最小限に抑える。
【解決手段】 複数の色のインクを噴射するインクジェットプリンタであって、インク供給源と、複数のインクに対応する複数のノズル群が形成されたインクジェットヘッドと、パージ機構と、前記インクジェットヘッド及び前記パージ機構を制御するコントローラと、前記インクジェットプリンタの初回の使用前の状態において、前記インクジェットヘッドに充填された充填液とを備え、前記コントローラは、前記インクジェットプリンタの初回の使用前に、前記パージ機構及び前記インクジェットヘッドを制御して、初期パージ及び初期フラッシングを含む初期排出動作を実行させ、且つ、前記インクと置換インクとの間の色差に基づいて、前記初期排出動作においてインクジェットヘッドから排出される排出インクの量を調整するインクジェットプリンタが提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、初回の使用前の状態で、インクジェットヘッドにインクとは異なる充填液が充填されたインクジェットプリンタ、及び、インクジェットヘッド内の充填液をインクに置換する、インクジェットヘッドの充填液を置換する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のインクジェット記録装置においては、インクカートリッジが装着されたときに、ノズルから記録ヘッド内の保存液を排出するパージ(初期パージ)を行い、その後、ノズルからインクを噴射するフラッシング(初期フラッシング)を行っている。これにより、ノズル内に残った気泡などを完全に排出している。ここで、パージは、記録ヘッドのノズル面が吸引キャップに覆われた状態で、吸引キャップに接続された吸引ポンプを駆動することによって行われる。
【0003】
また、このインクジェット記録装置においては、工場からの出荷時に、記録ヘッド(インクジェットヘッド)内部に乾燥を防止するために保存液(充填液)が充填されている。言い換えると、初回の印字を行う前(初回使用前)には、印字に用いられるインクとは異なる充填液がインクジェットヘッドに充填されている。そのため、初回の使用時にインクカートリッジが装着されると、上述のパージにより、インクジェットヘッド内の保存液が排出されて、インクカートリッジから供給される4色のインクにそれぞれ置換される。そして、その後に行われるフラッシングにより、ノズル内に残った気泡などとともに、初期パージで排出し切れなかった保存液が排出される。
【0004】
また、記録ヘッド内に充填される充填液として、特許文献2には、記録用インクとは異なる液体を用いることが知られている。具体的には、記録用インクから固着しやすい成分及び水分比率を減らし、溶剤成分を増加させた液体である物流用インクを用いることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−78068号公報
【特許文献2】特開2002−283590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、印刷品質を確保するためには、初期フラッシングにおいて、初期パージにおいて排出し切れなかった物流インクを十分に排出して、インクが充填液と混ざるときに引き起こされるインクの色変化を十分に小さくする必要がある。その為、初期フラッシングでは過剰にインクを噴射させていた。その結果、初期フラッシングにおけるインクの消費量が多くなってしまうという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、インクジェットヘッド内の充填液をインクに置換した後に行われる初期フラッシングにおけるインクの消費量を極力抑えることが可能なインクジェットプリンタ、及び、インクジェットヘッドの充填液を置換する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明に係るインクジェットプリンタは、複数の色のインクを噴射するインクジェットプリンタであって、前記複数の色のインクを供給するインク供給源と、前記インク供給源に接続されており、複数のノズルが形成されたインクジェットヘッドであって、前記複数のノズルが、前記複数色のインクのうち互いに異なる色のインクをそれぞれ噴射する複数のノズル群を形成するインクジェットヘッドと、前記ノズルから前記インクジェットヘッド内の液体を排出させるパージ機構と、前記インクジェットヘッド及び前記パージ機構を制御するコントローラと、前記インクジェットプリンタの初回の使用前の状態において、前記インクジェットヘッドに充填された充填液であって、前記複数色のインクとは異なる液体であって、ある色の色材を含む充填液とを備え、前記コントローラは、前記インクジェットプリンタの初回の使用前に、前記パージ機構及び前記インクジェットヘッドを制御して、初期パージ及び初期フラッシングを含む初期排出動作を実行させ、且つ、前記インク供給源から前記インクジェットヘッドに供給される前記インクと、前記インクが前記インクジェットヘッド内に供給されることによって前記充填液の一部が置換された置換インクとの間の色差に基づいて、前記初期排出動作においてインクジェットヘッドから排出される排出インクの量を調整することを特徴とする。
【0009】
第8の発明に係るインクジェットヘッドの充填液を置換する方法は、充填液が充填されたインクジェットヘッドの充填液を複数の色のインクに置換する方法であって、前記複数の色のインクを供給するインク供給源に接続されており、複数のノズルが形成されたインクジェットヘッドであって、前記複数のノズルが、前記複数の色のインクのうち互いに異なる色のインクをそれぞれ噴射する複数のノズル群を備え、初回の使用前の状態で、前記複数色のインクとは異なる液体であってある色の色材を含む前記充填液が充填されたインクジェットヘッドから、前記充填液及び前記インクを含む排出インクを排出させることによって、前記インクジェットヘッド内の前記充填液を、前記インク供給源から供給される前記複数色のインクに置換する初期パージ工程と、前記初期パージ工程の後、前記複数種類のノズルから前記充填液及び前記複数色のインクを含む前記排出インクを排出する初期フラッシング工程とを備え、前記初期パージ工程及び初期フラッシング工程の少なくとも一方において、前記複数のノズル群から、それぞれ、前記インク供給源から前記インクジェットヘッド内に供給される前記インクと、前記インクが前記インクジェットヘッド内に供給されることによって前記充填液の一部が置換された置換インクとの間の色差に基づいて、インクジェットヘッドから排出される排出インクの量を調整することを特徴とする。
【0010】
これらの発明によると、初期フラッシング及び/又は初期パージにおいて、互いに異なる色のインクを噴射する複数種類のノズルから、それぞれ、インク供給源から供給されるインクと、充填液を置換した置換インクとの色差に応じた量のインクを噴射させることができるため、初期フラッシング及び/又は初期パージにおいてインクが過剰に噴射されてしまうことがなく、初期フラッシング及び/又は初期パージにおけるインクの消費量を抑えることができる。
【0011】
第2の発明に係るインクジェットプリンタは、前記第1の発明において、前記コントローラは、前記パージ機構を制御して、前記インクジェットヘッド内の前記充填液を排出させて、前記インクジェットヘッド内の充填液を、前記インク供給源から供給される前記インクに置換させる前記初期パージを行わせ、前記初期パージ後、前記インクジェットヘッドを制御して、前記色差に応じて、前記複数のノズルから排出させる排出インクの量を調整することを特徴とする。
【0012】
本発明によると、初期パージ後、インクジェットヘッドを制御して、色差に応じて、複数のノズルから排出させる排出インクの量を調整してインクを排出することができる。
【0013】
第3の発明に係るインクジェットプリンタは、前記第1の発明において、前記コントローラは、前記色差が小さいほど、前記初期フラッシングにおけるインクの噴射量が少なくなるように、前記インクジェットヘッドを制御することを特徴とする。
【0014】
本発明によると、上記色差が小さいほど、初期フラッシングにおけるインクの噴射量を少なくすることにより、初期フラッシングにおいてインクが過剰に噴射されてしまうことがなく、初期フラッシングにおけるインクの消費量を抑えることができる。
【0015】
第4の発明に係るインクジェットプリンタは、前記第3の発明において、前記複数の色のインクは、イエロー、マゼンタ、シアンのインクを含み、前記複数のノズルは、イエローのインクを噴射するイエローノズル、マゼンタのインクを噴射するマゼンタノズル、及び、シアンのインクを噴射するシアンノズルを含み、前記充填液は、イエローの色材のみを含んでおり、前記コントローラは、前記初期フラッシングにおいて、前記シアンノズルから噴射させるインクの噴射量を、前記イエローノズル、及び、前記マゼンタノズルから噴射させるインクの噴射量よりも少なくなるように、前記インクジェットヘッドを制御することを特徴とする。
【0016】
本発明によると、イエロー、マゼンタ及びシアンのインクを噴射するインクジェットヘッドにおいて、充填液をイエローの色材のみを含むものとすると、後述するように、上記色差は、シアンのインクにおいて最も小さくなる。したがって、初期フラッシングにおいて、シアンノズルからのインクの噴射量を、イエローノズル及びマゼンタノズルからのインクの噴射量よりも少なくすることにより、初期フラッシングにおいてインクが過剰に噴射されてしまうことがなく、初期フラッシングにおけるインクの消費量を抑えることができる。
【0017】
さらに、充填液をイエローの色材のみを含むものとした場合には、後述するように、初期パージ直後の状態で、いずれの色のインクの上記色差もそれほど大きくはならないので、初期フラッシングにおいていずれのノズルからもそれほど多くのインクを噴射させる必要がなく、初期フラッシングにおけるインクの消費量を低減することができる。
【0018】
第5の発明に係るインクジェットプリンタは、前記第2の発明において、前記複数の色のインクが、色材として顔料を含むブラックのインクと、色材として染料を含むカラーのインクとを含み、前記充填液の色材が、前記カラーインクと同じ染料であることを特徴とする。
【0019】
充填液の色材がブラックインクの顔料を含む場合には、後述するように、充填液の色材がカラーインクと同じ染料である場合に比べて、インクの色間での上記色差のばらつきが大きくなるため、初期フラッシングを行っても、インクの色間での上記色差のばらつきが十分に解消されず、印刷品質に影響を及ぼしてしまう虞がある。
【0020】
しかしながら、本発明によると、充填液の色材がカラーインクと同じ染料であるため、後述するように、インクの色間での上記色差のばらつきが小さく、充填液が印刷品質に与える影響を小さくすることができる。
【0021】
第6の発明に係るインクジェットプリンタは、前記第1の発明において、前記複数の色のインクの全てに対して、前記色差が2よりも小さくなるように前記充填液が構成されていることを特徴とする。
【0022】
第7の発明に係るインクジェットプリンタは、前記第1の発明において、前記充填液は、前記複数の色のインクに対して共通であり、前記パージ機構は、複数の前記ノズル群を覆う吸引キャップと、前記吸引キャップを前記インクヘットヘッドに当接するように移動させる移動機構と、前記吸引キャップに連通した吸引ポンプとを備えることを特徴とする。
【0023】
第9の発明に係るインクジェットヘッドの充填液を置換する方法は、前記第8の発明において、前記初期フラッシング工程において、前記色差に基づいて、前記複数のノズルから排出される排出インクの量を調整することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、初期フラッシング及び/又は初期パージにおいて、互いに異なる色のインクを噴射する複数種類のノズルから、それぞれ、インク供給源から供給されるインクと、充填液を置換した置換インクとの色差に応じた量のインクを噴射させることができるため、初期フラッシング及び/又は初期パージにおいてインクが過剰に噴射されてしまうことがなく、初期フラッシング及び/又は初期パージにおけるインクの消費量を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態に係るプリンタの概略構成図である。
【図2】図1の制御装置の機能ブロック図である。
【図3】プリンタの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0027】
本実施の形態に係るプリンタ1は、インクジェットプリンタであって、図1に示すように、キャリッジ2、インクジェットヘッド3、サブタンク4、用紙搬送ローラ5、吸引キャップ6、切り替え装置7、吸引ポンプ8、廃液タンク9、フラッシングフォーム10などを備えている。また、プリンタ1の動作は、制御装置50によって制御されている。
【0028】
キャリッジ2は、走査方向(図1の左右方向)に延びた2本のガイドレール11に沿って、走査方向に往復移動する。インクジェットヘッド3は、キャリッジ2上に配置されており、インクジェットヘッド3の下面に形成された複数のノズル25からインクを噴射する。ここで、インクジェットヘッド3の下面には、走査方向に沿って4列のノズル列26が配置されている。各ノズル列26は走査方向と直交する紙送り方向(図1の上下方向)に並んだ複数のノズル25を含んでいる。そして、これら4つのノズル列26を構成する複数のノズル25からは、各ノズル列26ごとにそれぞれ異なる色のインクが吐出される。本実施形態では、図1の右側のノズル列26を構成するノズル25から順に、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインクがそれぞれ噴射される。なお、本実施の形態では、イエロー、マゼンタ及びシアンのインクを噴射するノズル25が、それぞれ、本発明に係るイエローノズル、マゼンタノズル、及びシアンノズルに相当する。
【0029】
また、インクジェットヘッド3から噴射される上記4色のインクのうち、ブラックのインクは色材として顔料を含むインク(顔料インク)であり、カラー(イエロー、シアン、マゼンタ)のインクは色材として染料を含むインク(染料インク)である。
【0030】
サブタンク4は、キャリッジ2上に配置されている。サブタンク4の内部は4つの小室に仕切られており、インクジェットヘッド3に上記4色のインクを供給する。また、サブタンク4は、4本のインクチューブ12を介して、プリンタ1に対して着脱可能な4つのインクカートリッジ13に接続されている。4つのインクカートリッジ13には図1の右側に配置されているものから順に、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインクが貯留されており、インクカートリッジ13に貯留されたインクは、インクチューブ12からサブタンク4に供給され、さらにサブタンク4からインクジェットヘッド3に供給される。用紙搬送ローラ5は、記録用紙Pを紙送り方向に搬送する。
【0031】
そして、プリンタ1においては、用紙搬送ローラ5によって紙送り方向に搬送される記録用紙Pに向かって、キャリッジ2とともに走査方向に往復移動するインクジェットヘッド3からインクが噴射される。このようにして、記録用紙Pに印刷が行われる。
【0032】
吸引キャップ6は、キャリッジ2が図1の右方にほぼ最大限移動した状態で、インクジェットヘッド3と対向するように配置されている。吸引キャップ6は、ブラックのインクを噴射する、図1の最も右側のノズル列26を構成するノズル25と対向するキャップ部6aと、カラーのインクを噴射する、図1の左側3列のノズル列を構成するノズル25と対向するキャップ部6bとを備えている。また、吸引キャップ6は、昇降機構31(図2参照)によって昇降可能である。インクジェットヘッド3と吸引キャップ6とが対向した状態で、吸引キャップ6を上昇させると、最も右側のノズル列26を構成する、ブラックのインクを噴射するノズル25がキャップ部6aに覆われる。それと同時に、左側3列のノズル列26を構成する、カラーのインクを噴射するノズル25がキャップ部6bに覆われる。
【0033】
また、2つのキャップ部6a、6bは、それぞれ、チューブ14a、14bを介して、切り替え装置7に接続されている。また、切り替え装置7はチューブ15を介して吸引ポンプ8に接続されている。そして、切り替え装置7は、吸引ポンプ8を、チューブ14a、14bのうちのいずれかと選択的に接続する。吸引ポンプ8は、例えばチューブポンプであってもよい。吸引ポンプ8は、切り替え装置7と反対側において、チューブ16を介して廃液タンク9に接続されている。
【0034】
そして、プリンタ1においては、上述したように、吸引キャップ6がノズル25を覆った状態で、吸引ポンプ8を駆動して、ノズル25からインクジェットヘッド3内の異物などをインクとともに排出させる、いわゆる吸引パージを行うことができる。なお、このとき、切り替え装置7により、吸引ポンプ8とキャップ部6aとが接続されていた場合には、インクジェットヘッド3からブラックのインクが排出される。また、吸引ポンプ8とキャップ部6bとが接続されていた場合には、インクジェットヘッド3からカラーのインクが排出される。
【0035】
フラッシングフォーム10は、スポンジなどインクを吸収可能な材料により構成され、キャリッジ2が図1の左方に最大限移動した状態で、インクジェットヘッド3と対向するように配置されている。
【0036】
そして、プリンタ1においては、上述したようにキャリッジ2が、インクジェットヘッド3がフラッシングフォーム10と対向する位置まで移動した状態で、ノズル25からインクが噴射される。これにより、いわゆるフラッシングを行うことができ、インクジェットヘッド3内の異物を排出させることができる。
【0037】
次に、プリンタ1の動作を制御する制御装置50について説明する。制御装置50は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを含み、これらが協働して、図2に示すように印刷制御部51、パージ制御部52、フラッシング制御部53などとして動作する。
【0038】
印刷制御部51は、プリンタ1において印刷を行う際の、キャリッジ2、インクジェットヘッド3、用紙搬送ローラ5などの制御を行う。パージ制御部52は、上述の吸引パージを行う際の、キャリッジ2、昇降機構31、吸引ポンプ8などの制御を行う。フラッシング制御部53は、上述のフラッシングを行う際の、キャリッジ2、インクジェットヘッド3などの制御を行う。
【0039】
ここで、プリンタ1の出荷時には(つまり、初回の印字前の状態では)、インクジェットヘッド3及びインクチューブ12に、インクとは異なる充填液が充填されている。この充填液は、上記3色のカラーのインクのいずれかと同じ染料の色材を含む液体である。ただし、充填液の色材の濃度は、インクの色材の濃度に比べて少ないので、充填液の色はインクの色に比べて薄い。例えば、インクに対する色材の濃度が0.2%程度であるのに対して、充填液に対する色材の濃度が0.02%程度である。
【0040】
なお、充填液は無色透明な液体ではなく、色材を含む液体である。このように、充填液が色材を含んでいるので、例えば、プリンタ1の製造時におけるノズル検査に用いることができる。つまり、インクジェットヘッド3から記録用紙Pなどに色材を含む充填液を噴射させ、充填液が着弾した記録用紙Pを検査することにより、ノズル25が正常であるかを検査することができる。ここで、プリンタ1の製造時に、インクジェットヘッド3に通常のインクを充填して、上述したようなノズル25の検査を行うことも考えられる。しかしながら、通常のインクを用いてノズル検査を行った場合と比較して、ノズル25の検査の後、インクジェットヘッド3内のインクを充填液に置換する工程が不要となるので、プリンタ1の製造工程が簡略化される。
【0041】
そして、このように出荷時にインクジェットヘッド3などにインク以外の充填液が充填されている場合には、プリンタ1の初回の使用の前に、インクジェットヘッド3やインクチューブ12に充填された充填液を、インクカートリッジ13から供給されるインクに置換する必要がある。ここで、「初回の使用」とは、ユーザーがプリンタ1を用いて始めて印字を行うときを表し、印字は、充填液ではなく、通常のインクを用いて行われる。以下、充填液をインクに置換する手順について、図3のフローチャートを用いて説明する。なお、本実施形態においては、図3に示されるフローは、プリンタ1に電源が投入されたときに開始される。
【0042】
図3に示すように、プリンタ1に電源が投入されると、まず、初回の使用であるか否かが判断され(ステップ101、以下、単にS101などとする)、2回目以降の使用である場合には(S101:NO)、以下に説明する初期パージや初期フラッシングを行わず、そのまま印刷を行うための通常動作へ移行する。なお、通常動作における制御については従来と同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0043】
初回の使用である場合には(S101:YES)、パージ制御部52がキャリッジ2、吸引ポンプ8、昇降装置31等を制御して、吸引パージ(初期パージ)を実行する。これにより、ノズル25からインクジェットヘッド3及びインクチューブ12内の充填液を排出させる(S102)。インクジェットヘッド3及びインクチューブ12から充填液が排出されると、その分、インクカートリッジ13からインクジェットヘッド3及びインクチューブ12にインクが流れ込み、これにより、インクジェットヘッド3及びインクチューブ12内の充填液がインクに置換される。
【0044】
続いて、フラッシング制御部53がインクジェットヘッド3、キャリッジ2などを制御して、フラッシング(初期フラッシング)を実行する。これにより、ノズル25からインクを噴射する(S103)。そして、初期フラッシングが完了した後に、通常動作に移行する。なお、上述の初期パージと初期フラッシングとをあわせて、初期排出動作と呼ぶ。
【0045】
ここで、本実施の形態では、上記初期パージによってインクジェットヘッド3内に充填されていた充填液をインクカートリッジ13から供給されたインクに置換している。しかしながら、初期パージが完了した直後の状態においては、インクジェットヘッド3内に、初期パージでは排出しきれなかった充填液が残留している。そのため、この状態では、充填液がインクに混ざり、インクの色がインクカートリッジ13から供給されるインクの色とは異なっている。このとき、インクカートリッジ13から供給されるインク(以下、供給インクとする)と、充填液を置換したインク(以下、置換インクとする)との間に色差が大きいと、印刷品質に影響を与えてしまう虞がある。
【0046】
そこで、本実施の形態では、初期パージの後、初期フラッシングにより、残留した充填液をインクとともにノズル25から排出させている。そして、これにより、上記供給インクと置換インクとの色差が小さくなり、十分な印刷品質が確保される。
【0047】
ここで、供給インクと置換インクとの間の色差は、供給インクの色及び/又は置換インクの色によって異なる。ここで、初期フラッシングにおいて全てのノズル25から一律に同じ量のインクを噴射させる場合を考える。この場合には、十分な印刷品質を確保するために、上記置換インクに対する色差が最も大きくなる供給インクを噴射するノズル25から噴射させるのと同じ量のインクを全てのノズル25から噴射させる必要がある。そのため、他の色の供給インクを噴射するノズル25から過剰なインクを噴射させることとなってしまう。そして、その結果、初期フラッシングにおけるインクの消費量が多くなってしまう。
【0048】
そこで、本実施の形態では、初期フラッシングにおいて、置換インクに対する色差が小さい色の供給インクを噴射するノズル25は、置換インクに対する色差が大きい色の供給インクを噴射する別のノズル25に比べて、噴射させるインクの量を少なくする(上記色差に応じて初期フラッシングにおけるインクの噴射量を変える)。具体的には、初期フラッシングは、各ノズル25からインクを複数回にわたって噴射させることによって行われる。ここで、上記置換インクに対する色差が小さい供給インクを噴射するノズル25ほど、初期フラッシングにおけるインクの噴射回数を少なくしてもよい。あるいは、置換インクに対する色差が小さい色の供給インクを噴射するノズル25は、置換インクに対する色差が大きい色の供給インクを噴射する別のノズル25に比べて、初期フラッシングにおける、1回のインクの噴射により噴射されるインクの体積を小さくしてもよい。あるいは、置換インクに対する色差が小さい供給インクを噴射するノズル25ほど初期フラッシングにおける、1回のインクの噴射により噴射されるインクの体積を小さくしてもよい。そして、これにより、初期フラッシングにおいてノズル25から過剰にインクが噴射されることがなくなり、初期フラッシングにおけるインクの消費量を極力抑えることができる。
【0049】
次に、本発明の実施例について説明する。本実施例では、色差に関する指標として、CIE(国際照明委員会)が推奨するL*a*b*表色系を用いる。パラメータL*は明度を示しており、パラメータa*は値が大きいほど赤、値が小さいほど緑を示し、パラメータb*は値が大きいほど黄色、値が小さいほど青いことを示す。表1は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の供給インク及び置換インクの色の、L*a*b*表色系におけるパラメータL*、a*、b*と、各色の供給インクと置換インクとの色差ΔEとを示している。
【0050】
【表1】

【0051】
ここで、表1のパラメータL*、a*、b*は、インクジェットヘッド3から、ある白色の記録用紙Pに噴射させたインクの色を分析することによって得たものである。なお、表1では、「充填液」の欄が「−」となっているものが、供給インクの色を示すものとなっている。また、色差ΔEは、以下のように定義される。ここで、L*,a*、b*はそれぞれ、充填液のL*,a*,b*を表している。
【数1】

【0052】
また、本実施例では、充填液として、(a)マゼンタの色材を含む充填液、(b)イエローの色材を含む充填液、及び、(c)ブラックとイエローの色材を含む充填液を用いており、表1では「充填液」の欄が「M」、「Y」及び「Bk+Y」となっているものが、それぞれ、上記(a)、(b)及び(c)の充填液を用いた場合を示している。なお、各充填液における色材の濃度は0.4%となっている。
【0053】
表1の結果からわかるように、マゼンタの色材を含む充填液、及び、イエローの色材を含む充填液を用いた場合には、供給インクと置換インクとの色差ΔEは、供給インクの色がシアンである場合に最も小さく、以下、マゼンタ、イエローの順に小さくなっている。また、ブラックとイエローの色材を含む充填液を用いた場合には、供給インクと置換インクとの色差ΔEは、供給インクの色がイエローである場合に最も小さく、以下、マゼンタ、シアンの順に小さくなっている。
【0054】
そして、本実施の形態では、表1に示すような色差ΔEの値が制御装置50のRAMなどに記憶されており、初期フラッシングにおいて、記憶された色差ΔEを参照して、置換インクに対する色差ΔEが小さい色の供給インクを噴射するノズル25からほど、インクの噴射量を少なくする。
【0055】
ここで、例えば、イエローの色材を含む充填液を用いた場合には、色差ΔEは、色材の色に最も近いイエローのインクにおいて最も小さくなるようにも思われる。しかしながら、表1の結果では、色差ΔEは、供給インクの色がシアンである場合に最も小さくなっており、供給インクの色がイエローである場合に、色差ΔEが最も大きくなっている。
【0056】
そこで、検討すると、一般に、イエロー、シアン、マゼンタの供給インクに、これらのうちいずれかの色の色材を含む充填液が混ざった場合には、混ざった後のインク(置換インク)の色が混ざる前のよりも暗い色となることが知られている(減法混色)。したがって、混ざる前の色が明るい色であるほど、充填液と混ざることによる色の変化は大きなものとなる。
【0057】
以上のことから、イエローの色材を含む充填液を用いた場合の色差ΔEは、供給インクの色が最も暗い色であるシアンである場合に最も小さくなり、逆に、供給インクの色が最も明るい色であるイエローである場合に最も大きくなっているものと思われる。なお、充填液がマゼンタあるいはシアンの色材を含むものである場合にも同様のことがいえる。
【0058】
さらに、上述したように、色材を含む充填液と混ざることによる色の変化は、供給インクの色がイエローである場合において最も大きくなる。そのため、充填液と混ざることによる上記3色の供給インクの色の変化を小さくするという観点からは、イエローインクに最も近いイエローの色材を含む充填液を用いることが好ましい。
【0059】
さらに、印刷品質への影響を十分に小さくするためには、色差ΔEが例えば2よりも小さいことが好ましいが、イエローの色材を含む充填液を用いた場合には、表1の結果からわかるように、初期パージが完了した時点で、いずれの色におけるΔEも、2より小さくなっている。したがって、初期フラッシングにおいて、いずれの色のインクを噴射するノズル25からもそれほど多くのインクを噴射する必要がなく、初期フラッシングにおけるインクの消費量を低減することができる。そして、この結果からも、イエローの色材を含む充填液を用いることが好ましいことがわかる。
【0060】
なお、表1では供給インクがカラーインク(イエロー、シアン、マゼンタ)である場合について、各色の供給インクのパラメータL*、a*、b*及び色差ΔEについてのみ示している。供給インクがブラックインクである場合においては、色材を含む充填液と混ざることによる色変化が、カラーインクに比べれば僅かなものであり、置換インクに対するブラックの供給インクの色差ΔEが、置換インクに対するカラーの供給インクの色差ΔEに比べて十分に小さなものとなっている。したがって、初期フラッシングにおいて、ブラックインクを噴射するノズル25からは、カラーインクを吐出するノズル25のうち、インクの噴射量の最も少ないノズル25よりもさらに少ない量のインクを噴射させる。
【0061】
また、ブラックとイエローの色材を含む充填液を用いた場合には、イエローの色材を含む充填液を用いた場合と比較すればわかるように、マゼンタ及びシアンのインクにおけるΔEが特に大きくなっている。言い換えると、供給インクの色の違いによるΔEのばらつきが大きくなっている。そして、このような場合には、初期フラッシングにおいて、マゼンタ及びシアンのインクを噴射するノズル25からある程度多くのインクを噴射したとしても、供給インクと置換インクとの色差ΔEはそれほど小さくなりにくく、供給インクの色の違いによるΔEのばらつきは大きいままとなってしまうため、印刷品質に与える影響が大きくなる。
【0062】
したがって、充填液に含まれる色材は、ブラックのインクの色材である顔料よりも、カラーのインクの色材である染料であることが好ましい。
【0063】
次に、本実施の形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。ただし、本実施の形態と同様の構成を有するものについては、適宜その説明を省略する。
【0064】
上述の実施の形態では、インクジェットヘッド3がブラックのインクとカラーのインクとを噴射可能なものであったが、インクジェットヘッド3は、カラーインクのみを噴射可能なものであってもよい。
【0065】
上述の実施の形態では、充填液の色材が、カラーの供給インクの1つに含まれる色材(染料)と同一の色材であったが、本教示はこれには限られない。充填液の色材は、ブラックの供給インクの色材である顔料であってもよい。さらには、充填液の色材は、カラーインクの色材である染料やブラックインクの色材である顔料以外の色材であってもよい。例えば、供給インクとして用いられているシアン、マゼンタ、イエローの各カラーインクに含まれる色材と異なる色の色材を充填液の色材として用いてもよい。また、上述の実施形態では、1種類の充填液をすべての供給インクに対して共通に用いていたが、本教示はこれには限られない。例えば、供給インクの色に対応して、それぞれ異なる色材を含んだ複数の充填液を用いてもよい。なお、その場合には、吸引キャップ6の内部が各色に対応するノズル列ごとに区分けされるなどして、各色毎に吸引パージが行えることが好ましい。
【0066】
また、上述の実施の形態では、初期フラッシングにおいて、置換インクに対する色差が小さい色の供給インクを噴射するノズル25ほど、インクの噴射量を少なくしていた。しかしながら、本教示はこれには限られない。例えば、初期フラッシングにおいて、上記色差ΔEがある閾値以下となる色の供給インクのノズル25からの噴射量を一定量とするとともに、上記色差ΔEがある閾値を超える色の供給インクのノズル25からの噴射量を、色差ΔEが閾値以下の場合よりも少ない一定量にするなどしてもよい。さらには、供給インクと置換インクとの色差に応じて、初期フラッシングにおける各色のインクを噴射するノズル25からのインクの噴射量を変えてもよい。
【0067】
上述の実施形態では、供給インクと置換インクとの間の色差の大きさに基づいて、初期フラッシングにおけるインクの噴射量を調整していたが、本教示はこれには限られない。例えば、初期フラッシングに加えて、あるいは、初期フラッシングに代えて、初期パージにおけるインクの排出量を、供給インクと置換インクとの間の色差の大きさに基づいて調整してもよい。前述のように、初期パージを実行することにより、インクジェットヘッド3及びインクチューブ12内の充填液の一部が供給インクに置換されて、置換インクとなる。例えば、供給インクと置換インクとの間の色差が大きい場合には、色差が小さい場合と比べて初期パージにおけるインクの排出量を多くしてもよい。この場合には、初期パージ終了時における置換インクと供給インクとの間の色差を小さくすることができるとともに、供給インクの色の違いによる色差のばらつきを抑えることができる。これにより、充填液が印刷品質に与える影響を小さくすることができる。
【0068】
また、上述の実施の形態では、初期パージにおいて、吸引ポンプ8を用いて、ノズル25からインクジェットヘッド3内のインクを吸引する吸引パージによりインクジェットヘッド3内のインクを排出していた。しかしながら、インクジェットヘッド3内のインクにサブタンク4側から圧力を付与する、いわゆる押しパージによって、ノズル25からインクジェットヘッド3内のインクを排出させてもよい。
【0069】
また、以上では、キャリッジとともに走査方向に移動しつつインクを噴射するいわゆるシリアル式のインクジェットヘッドを備えたプリンタに本発明を適用した例について説明したが、これには限られず、例えば、プリンタに固定されているとともに記録用紙Pの幅方向の全長にわたって延びた、いわゆるラインヘッドを備えたプリンタに本発明を適用することも可能である。
【符号の説明】
【0070】
1 プリンタ
3 インクジェットヘッド
6 吸引キャップ
8 吸引ポンプ
13 インクカートリッジ
25 ノズル
50 制御装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の色のインクを噴射するインクジェットプリンタであって、
前記複数の色のインクを供給するインク供給源と、
前記インク供給源に接続されており、複数のノズルが形成されたインクジェットヘッドであって、前記複数のノズルが、前記複数色のインクのうち互いに異なる色のインクをそれぞれ噴射する複数のノズル群を形成するインクジェットヘッドと、
前記ノズルから前記インクジェットヘッド内の液体を排出させるパージ機構と、
前記インクジェットヘッド及び前記パージ機構を制御するコントローラと、
前記インクジェットプリンタの初回の使用前の状態において、前記インクジェットヘッドに充填された充填液であって、前記複数色のインクとは異なる液体であって、ある色の色材を含む充填液とを備え、
前記コントローラは、前記インクジェットプリンタの初回の使用前に、前記パージ機構及び前記インクジェットヘッドを制御して、初期パージ及び初期フラッシングを含む初期排出動作を実行させ、且つ、
前記インク供給源から前記インクジェットヘッドに供給される前記インクと、前記インクが前記インクジェットヘッド内に供給されることによって前記充填液の一部が置換された置換インクとの間の色差に基づいて、前記初期排出動作においてインクジェットヘッドから排出される排出インクの量を調整することを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項2】
前記コントローラは、前記パージ機構を制御して、前記インクジェットヘッド内の前記充填液を排出させて、前記インクジェットヘッド内の充填液を、前記インク供給源から供給される前記インクに置換させる前記初期パージを行わせ、前記初期パージ後、前記インクジェットヘッドを制御して、前記色差に応じて、前記複数のノズルから排出させる排出インクの量を調整して前記初期フラッシングを行わせることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項3】
前記コントローラは、
前記色差が小さいほど、前記初期フラッシングにおけるインクの噴射量が少なくなるように、前記インクジェットヘッドを制御することを特徴とする請求項2に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項4】
前記複数の色のインクは、イエロー、マゼンタ、シアンのインクを含み、
前記複数のノズルは、イエローのインクを噴射するイエローノズル、マゼンタのインクを噴射するマゼンタノズル、及び、シアンのインクを噴射するシアンノズルを含み、
前記充填液は、イエローの色材のみを含んでおり、
前記コントローラは、前記初期フラッシングにおいて、前記シアンノズルから噴射させるインクの噴射量を、前記イエローノズル、及び、前記マゼンタノズルから噴射させるインクの噴射量よりも少なくなるように、前記インクジェットヘッドを制御することを特徴とする請求項3に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項5】
前記複数の色のインクが、色材として顔料を含むブラックのインクと、色材として染料を含むカラーのインクとを含み、
前記充填液の色材が、前記カラーインクと同じ染料であることを特徴とする請求項2に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項6】
前記複数の色のインクの全てに対して、前記色差が2よりも小さくなるように前記充填液が構成されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項7】
前記充填液は、前記複数の色のインクに対して共通であり、
前記パージ機構は、複数の前記ノズル群を覆う吸引キャップと、前記吸引キャップを前記インクヘットヘッドに当接するように移動させる移動機構と、前記吸引キャップに連通した吸引ポンプとを備えることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項8】
充填液が充填されたインクジェットヘッドの充填液を複数の色のインクに置換する方法であって、
前記複数の色のインクを供給するインク供給源に接続されており、複数のノズルが形成されたインクジェットヘッドであって、前記複数のノズルが、前記複数の色のインクのうち互いに異なる色のインクをそれぞれ噴射する複数のノズル群を備え、初回の使用前の状態で、前記複数色のインクとは異なる液体であってある色の色材を含む前記充填液が充填されたインクジェットヘッドから、前記充填液及び前記インクを含む排出インクを排出させることによって、前記インクジェットヘッド内の前記充填液を、前記インク供給源から供給される前記複数色のインクに置換する初期パージ工程と、
前記初期パージ工程の後、前記複数種類のノズルから前記充填液及び前記複数色のインクを含む前記排出インクを排出する初期フラッシング工程とを備え、
前記初期パージ工程及び初期フラッシング工程の少なくとも一方において、前記複数のノズル群から、それぞれ、前記インク供給源から前記インクジェットヘッド内に供給される前記インクと、前記インクが前記インクジェットヘッド内に供給されることによって前記充填液の一部が置換された置換インクとの間の色差に基づいて、インクジェットヘッドから排出される排出インクの量を調整することを特徴とするインクジェットヘッドの充填液を置換する方法。
【請求項9】
前記初期フラッシング工程において、前記色差に基づいて、前記複数のノズルから排出される排出インクの量を調整することを特徴とする請求項8に記載のインクジェットヘッドの充填液を置換する方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−91500(P2012−91500A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208786(P2011−208786)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】