説明

インクジェット記録装置

【課題】吸引によりインクをインク吐出面上に十分に付着させた状態でキャップ部材を離間させ、その後、インク吐出面がインクで湿潤した状態でワイピングすることで固着したインクを除去することができるインクジェット記録装置の提供。
【解決手段】吸引によりインクをインク吐出面上に十分に付着させた状態でキャップ部材を離間させ、その後、インク吐出面がインクで湿潤した状態でワイピングする第1のクリーニングモードと、吸引したのち、キャップ部材を大気連通した状態でキャップ部材内の残留インク、すなわち、インク吐出面上に付着したインクを吸引した後、キャップ部材を離間させ、その後、ワイピングする第2のクリーニングモードを有するインクジェット記録装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクを吐出することにより記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紙や布などの記録媒体に画像を記録する装置として、インクジェット記録装置がある。インクジェット記録装置は、記録ヘッドのインク吐出口から記録媒体に向かってインクを吐出することにより、画像を記録するものである。このようなインクジェット記録装置においては、インク吐出口が詰まらないように所定のタイミングでクリーニング作業を行う必要があるため、インク吐出口の内部の気泡等を吸引するための吸引キャップや、記録ヘッドのインク吐出面(インク吐出口が設けられた面)に付着したインクを擦り取るためのワイピングブレード等が設けられている。
【0003】
また、通常、前記吸引は、特許文献1に開示されているように、吸引後に、キャップ内を大気を連通させた状態で吸引を継続(所謂、空吸引)するシーケンスがとられる。
【0004】
ところで、印字やフラッシングを行うと微小なインク滴が空気流によって舞ったり飛び散ったりしてインク吐出面上に付着する。また、クリーニング動作でのワイピング後にインク吐出面上に微小なインク滴が拭き残しとして付着する場合もある。このようにインク吐出面上に付着した微小なインク滴は乾燥して固着してしまう場合がある。特にインク吐出口付近のインクの固着は吐出時のインク滴の曲がりや不吐出を発生させる。
【0005】
また、インク中にラテックスの様な樹脂が含有されている場合、インク吐出面上に薄い被膜を形成して固着することがある。インク吐出口付近のインク滴(樹脂も含む)の固着により、インク吐出面の撥インク性を低下させワイピングしても残インクが多く発生する。この場合もインク吐出の曲がりや不吐出となる。ラテックスが積層してインク吐出口付近に固着してインクの吐出の曲がりや不吐出を発生させる場合もある。
【0006】
上記、インクの固着は、前述のような吸引やワイピングの通常のクリーニングを行っても除去できない。あるいは固着インクを積層させて状態を悪化させる場合もある。
【0007】
このような問題を解決するため、特許文献2には、フラッシング後に1回目はゆっくりワイプ(あるいはインク吐出口付近で途中停止)して増粘したインクを湿潤させ、2回目のワイプで増粘したインクを掻き取ることが提案されている。
【0008】
特許文献3には、樹脂が溶解したインクの膜化を防止するためにインク吐出面のインク接触角を60°以下にすることが提案されている。
【0009】
特許文献4には、キャッピングした状態で全吐出してヘッドを濡らしてワイプすることが提案されている。
【特許文献1】特公平3−61593号公報
【特許文献2】特開平5−293973号公報
【特許文献3】特開2004−167913号公報
【特許文献4】特開平6−115082号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前述のように特許文献2、特許文献4には、フラッシングによってインク吐出面上を湿潤させてワイプする方法が提案されている。しかしフラッシングによる湿潤ではインク量が十分でないため十分な効果が得られない。特に樹脂の薄い被膜によるインクの固着は十分に湿潤させる必要がある。
【0011】
また特許文献2の様に2回連続してワイプする場合には2度目が空ワイプになり、インク吐出面上が傷ついたり、逆に樹脂を薄く引き延ばしてしまうことがあった。
【0012】
前記特許文献3の様にインク吐出面を濡れやすくしてインクの膜化を防止するとワイピング性能そのものが低下してしまい、拭きのこしによる吐出曲りや不吐出が発生してしまう。
【0013】
本発明の目的は、上記問題点に鑑みてなされたもので、吸引によりインクをインク吐出面上に十分に付着させた状態でキャップ部材を離間させ、その後、インク吐出面がインクで湿潤した状態でワイピングすることで固着したインクを除去することができるインクジェット記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の目的は、以下のような構成により達成される。

記録媒体にインクを吐出するインク吐出口を有する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドのインク吐出口をキャッピングするキャップ部材と、
前記キャップ部材のキャップ内部と大気とを連通する連通口と、
前記連通口を開閉する弁と、
前記キャップ部材に連通してキャップ内部に吸引力を作用させる吸引手段と
前記記録ヘッドをワイピングするワイピング部材と、
前記記録ヘッドの第1のクリーニングモードとして、前記キャップ部材で前記記録ヘッドのインク吐出口をキャッピングして前記弁を閉じた状態で前記吸引手段を駆動することにより前記インク吐出口からインクの吸引を行わせる第1の動作と、前記吸引手段を停止させる第2の動作と、前記キャップ部材を前記記録ヘッドから離間させる第3の動作と、前記ワイピング部材により前記記録ヘッドをワイピングする第4の動作とを実行させ、
前記記録ヘッドの第2のクリーニングモードとして、前記キャップ部材で前記記録ヘッドのインク吐出口をキャッピングして前記弁を閉じた状態で前記吸引手段を駆動することにより前記インク吐出口からインクの吸引を行わせる第1の動作と、前記弁を開放した状態で前記吸引手段を駆動することにより前記キャップ部材内に残留するインクの吸引を行わせる第2の動作と、前記キャップ部材を前記記録ヘッドから離間させる第3の動作と、前記ワイピング部材により前記記録ヘッドをワイピングする第4の動作とを実行させる制御装置とを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。

前記第1のクリーニングモードの後に前記第2のクリーニングモードを実行してクリーニングを行うことを特徴とする1に記載のインクジェット記録装置。

前記第1のクリーニングモードを2回以上繰り返してクリーニングを行うことを特徴とする1または2に記載のインクジェット記録装置。

前記第1のクリーニングモードを定刻に行うことを特徴とする1乃至3の何れか1に記載のインクジェット記録装置。

前記第1のクリーニングモードを所定の時間間隔で行うことを特徴とする1乃至4の何れか1に記載のインクジェット記録装置。

前記第1のクリーニングモードを電源オン時に行うことを特徴とする1乃至5の何れか1に記載のインクジェット記録装置。

前記第1のクリーニングモードを電源オフ時に行うことを特徴とする1乃至6の何れか1に記載のインクジェット記録装置。

前記第1のクリーニングモードをユーザーの指示に基づいて行うことを特徴とする1乃至7の何れか1に記載のインクジェット記録装置。

前記インクは、インク中に樹脂が溶解または分散されたインクであることを特徴とする1乃至8の何れか1に記載のインクジェット記録装置。
10
前記樹脂の含有量に応じて前記第1のクリーニングモードの繰り返し回数を設定することを特徴とする9に記載のインクジェット記録装置。
11
前記樹脂の種類に応じて前記第1のクリーニングモードの繰り返し回数を設定することを特徴とする9または10に記載のインクジェット記録装置。
12
直前の第1のクリーニングモードの実行からの経過時間に応じて前記第1のクリーニングモードの繰り返し回数を設定することを特徴とする3乃至11の何れか1に記載のインクジェット記録装置。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、吸引によりインクをインク吐出面上に十分に付着させた状態でキャップ部材を離間させ、その後、インク吐出面がインクで湿潤した状態でワイピングする第1のクリーニングモードを有することでインク吐出面に固着したインクを除去することができる。さらに、吸引したのち、キャップ部材を大気連通した状態でキャップ部材内の残留インク、すなわち、インク吐出面上に付着したインクを吸引した後、キャップ部材を離間させ、その後、ワイピングする第2のクリーニングモードを有することで、第1のクリーニングモードを実施した後にインク吐出面にインクが残留してしまう場合があっても、この残留インクを第2のクリーニングモードにより除去できる。従って、インク吐出面に固着したインクやワイピング後の残インク等による吐出の曲りや不吐出を防止することができるインクジェット記録装置を提供することができる。
【0016】
これにより常に安定した高画質な画像を出力できる信頼性の高いインクジェット記録装置を実現可能とする。
【0017】
従来のクリーニング装置のシーケンスを変更するだけで実施することが可能で、新たな部品等の発生がないのでコストの上昇を抑止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に本発明に関する実施の形態の例を示すが、本発明の態様はこれらに限定されるものではない。
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0020】
図1に、本実施の形態におけるインクジェット記録装置の内部の概略構成図を示す。図2は本実施の形態におけるインクジェット記録装置の斜視図であり、図3はインクジェット記録装置に備わった記録ヘッド1、インク供給装置28及びクリーニング部5の側面図であり、図4はインクジェット記録装置に備わった制御装置2のブロック図である。なお、図3では、1色分についての記録ヘッド1、インク供給装置28及びクリーニング部5の側面図を示してあるが、これらの構成は、各色共通である。また、図2においては、吸引ポンプ16や廃インク容器17は省略してある。
【0021】
なお、以下の説明において、記録ヘッド1、インク供給装置28およびクリーニング部5の各構成要素は各色ごとに設けれれているが、その構成は、各色共通なので色を表す添え字のY、M、C,Kは省略し統括して説明する場合がある。
【0022】
<装置の機械的構成>
図1に示すように、インクジェット記録装置は、筐体10,給紙部19、搬送部20、記録ヘッド1を備えたヘッドユニット部100、キャリッジ18、排紙部21、クリーニング手段としてのクリーニング部5等を備えている。
【0023】
給紙部19は、インクジェット記録装置の内部下方に、複数の記録媒体7を積層して収容する給紙トレイ8が設けられている。この給紙トレイ8の一端部上側には、画像を記録しようとする記録媒体7を一枚ずつ給紙トレイ8から取出す取出装置22が設けられている。
【0024】
なお、記録媒体7としては、普通紙、再生紙、光沢紙等の各種紙、及び、各種布地、各種不織布、樹脂、金属、ガラス等の材質からなるカットシート状のものであってもよい。
【0025】
搬送部20は、給紙部19の上方に配設され記録媒体7を搬送する。この搬送部20には、搬送ベルト6と、張設ローラ23と、押圧ローラ24と、搬送ローラ25、搬送経路26とを備えている。取出装置22、搬送ローラ25、複数の張設ローラ23には駆動源となる副走査モータ31(図4参照)が接続されており、各々は、副走査モータ31により駆動される様に構成されている。
【0026】
搬送ベルト6は、記録媒体7を平面状に支持して水平方向に搬送する環状のベルトであり、複数の張設ローラ23により移動自在に張設されている。前述のように複数の張設ローラ23には駆動源となる副走査モータ31(図4参照)が接続されており、副走査モータ31が複数の張設ローラ23を軸心周りに回転駆動すると、複数の張設ローラ23に張設された搬送ベルト6および記録媒体7が副走査方向Aに沿って搬送されるようになっている。ここで、副走査方向Aは複数の張設ローラ23の軸心に直交する方向である。
【0027】
押圧ローラ24は、搬送ベルト6と記録媒体7とが接触を開始する位置に、記録媒体7を平面状に搬送させるために搬送ベルト6に押圧するローラとして回転自在に設けられている。
【0028】
搬送経路26は、給紙トレイ8から供給された記録媒体7を搬送ベルト6へ搬送させる経路である。搬送ローラ25は、この搬送経路26の所定位置に、副走査方向Aに記録媒体を搬送するための複数対のローラとして設けられている。
【0029】
搬送ベルト6の上方には、ガイド部材(図示せず)が配設されている。ガイド部材は、搬送ベルト6の上面に対して略平行に設けられ、更に副走査方向Aに直交するように設けられている。このガイド部材が延在している長手方向を主走査方向Bという。このガイド部材にはキャリッジ18が支持されている。キャリッジ18は、主走査モータ32(図4参照)によって駆動されることによって、ガイド部材によって案内された状態で主走査方向Bに沿って往復移動するようになっている。
【0030】
キャリッジ18には、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の各プロセスカラーのインクを吐出する4つの記録ヘッド1Y,1M,1C,1Kが交換可能に搭載され、主走査方向Bに沿って配列されている。
【0031】
記録ヘッド1Y,1M,1C,1Kの下面、つまりインク吐出面27には、複数のインク吐出口(図示せず)が設けられており、記録ヘッド1のインク吐出面27と搬送ベルト6の周面とが対向するように配置されている。
【0032】
各記録ヘッド1のインク吐出口からのインク滴の吐出によって画像が形成された記録媒体は、排紙部21へ順次排出される。
【0033】
排紙部21は、インクジェット記録装置の側部に設けられた排紙トレイ9を備え、画像が形成された記録媒体が順次排出される。
【0034】
記録ヘッド1のインク吐出面27は、本発明の効果をより高めるため、撥インク性(例えば水性インクに対しては撥水性)とすることが好ましい。撥インク性のものとするには、通常、インク吐出面を構成する例えばノズルプレート表面を撥インク加工する。
【0035】
ノズルプレート表面は、通常、例えば、ポリエステル、ポリアミド、等のプラスチック、ガラス、セラミック及び金属等のノズルプレート素材に撥インク性コーティングを施したもので、撥インク性の表面としたものが用いられる。
【0036】
インク吐出面にインクが付着しないよう撥水性、撥インク性コーティングを施す方法については、例えば、特公昭52−24821号、特開昭56−2862号にはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂やシリコーン樹脂等インクをはじく特性を有する素材のコーティングが、特開昭57−72866号、同60−255441号等には撥インク膜としてテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)を使用することがそれぞれ記載されている。このFEPはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)と同等の低い表面エネルギー(撥インク性)を有しながら、加熱溶融時の粘度がPTFEと比較して低く、水分散液を塗布して加熱溶融によって均一膜を形成する場合にPTFEよりも低温で短時間に均一膜が得られ、成膜加工性に優れている。又、特開2001−71509号にはFEP水分散液とシリカゾル粒子分散液を混合塗布して乾燥及び300から400℃で焼成する方法が、又、特表平10−505870号等にもフッ素含有ポリシロキサン化合物を用いる方法等が記載されている。
【0037】
また、各記録ヘッド1の側部には、各色毎にインク供給装置28が接続されている。
【0038】
インク供給装置28は、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の各プロセスカラーのインクを貯留する4つのメインタンク3を備えている。メインタンク3は、交換可能となっている。
【0039】
メインタンク3には、インクをメインタンク3から中間タンク4に供給するインク供給管11が接続されている。
【0040】
インク供給管11には、供給弁29が設けられている。この供給弁29は、中間タンク4へのインク供給を制御するものである。
【0041】
中間タンク4には、中間タンク4の内部のインク量を検知する検知センサー30が設けられている。
【0042】
また、中間タンク4には、インクを中間タンク4から記録ヘッド1に供給するインク供給管11が接続されている。
【0043】
また、各記録ヘッド1の背圧は各中間タンク4で決定することが好ましい。メインタンク3より下方に、供給弁29を介して可撓性の袋、または大気連通弁を有する容器からなる中間タンク4を設ける。大気連通弁を開いて、供給弁29を閉じれば中間タンク4内のインクは大気圧となる。中間タンク4を記録ヘッド1より所定の高さだけ下方に置くことで、記録ヘッド1におけるインクは大気圧に対して所定の水頭値だけ負圧になり、安定な吐出が実現できる。中間タンク4に検知センサー30を設け、所定の量以下になったときに供給弁29を開いてメインタンク3から中間タンク4にインクを補充する。供給弁29を開いてから所定時間以上経過しても中間タンク4にインクが補充でされないときはメインタンク3が空であると検出できる。メインタンク3の位置で直接的に背圧を決定するのと比較して、インク残量の変動による背圧変動の影響がない、メインタンク3の空検知ができる、などのメリットがある。また、メインタンク3を交換する際には、中間タンク4に残っているインクで記録動作を中断することなく、メインタンク3の交換と記録動作を並行して行うことが出来る。
【0044】
記録ヘッド1と中間タンク4の間には、ダンパー12が設けられている。
【0045】
ダンパー12は、キャリッジ18の往復動作や記録ヘッド1の吐出動作による背圧の変動を抑制することにより、記録ヘッド1の吐出動作を安定化するものである。
【0046】
また、このインクジェット記録装置は、各記録ヘッド1の吐出不良を回復するためのクリーニング部5を有する。クリーニング部5は、記録ヘッド1及びキャリッジ18の下方であって搬送ベルト6の左方に配設されている。
【0047】
図2、図3に示すように、クリーニング部5は、ベース部材33と、各記録ヘッド1の下面(インク吐出面27)をワイピング(払拭)するワイピング部材である各色毎の4つのワーパーブレード14と、各記録ヘッド1のインク吐出口をキャッピングする各色毎の4つのキャップ部材13と、キャップ部材13の内部に吸引力を作用させる吸引手段である各色毎の4つの吸引ポンプ16と、キャップ部材13に形成されキャップ内部と大気とを連通する連通口48と、連通口48を開閉する弁である電磁弁15と、吸引ポンプ16によってキャップ部材13を通じて吸引ポンプ16により吸引されたインクを貯留する廃インクタンク17と、ベース部材33を昇降させるとともにベース部材33を前後方向に移動させる駆動装置34(図4参照)と、を備える。
【0048】
なお、キャップ部材13は、凹部を有し、該凹部を記録ヘッド1のインク吐出口を有するインク吐出面27に密着させてインク吐出口を覆うものである。該凹部とインク吐出面27とにより形成される空間が、本実施形態におけるキャップ(部材の)内部に相当する。
【0049】
ベース部材33は、駆動装置34によって図2中の前後方向つまり副走査方向Aに移動するようになっており、更に駆動装置34によって上下方向(図3中のX方向)に移動するようになっている。なお、ベース部材33が昇降する代わりに、キャリッジ18とともに記録ヘッド1が昇降可能に設けられていても良い。
【0050】
ベース部材33の上面後端部には、ワイピング部材であるシリコーンゴム等のエラストマー材料からなる4つのワーパーブレード14が立てた状態に設けられている。これらワーパーブレード14が各記録ヘッド1の間隔と同じ間隔で主走査方向Bに沿って配列され、ワーパーブレード14の設置数が記録ヘッド1の設置数と同数(本例では4)であり、記録ヘッド1とワーパーブレード14が1対1で対応している。
【0051】
ワイパーブレード14は、(親インク性(親水性)であっても、撥インク性(撥水性)であってもよいが、)例えば、各種のゴム等、弾性を有する材料から選ばれる。ウレタンゴム等の比較的親水性のブレードを用いる場合には、その親和性によりインクを引きつけこれを拭き取ることができる。しかしながら、その親水性により、クリーニングしたインク吐出面に再度インク滴を(インク吐出口から)引き出してしまうことがあり、ブレードは、どちらかというと、親インク性の弱い、撥インク性を有する材質で構成するのが好ましい。インク滴をインク吐出口から引き出すことがなく、又、ブレード自体の汚れも少なく好ましい。
【0052】
親インク性(親水性)のブレードの材料としては、ウレタンゴム、又、ブチルゴム等のブレード素材にシラン化合物をコーティングしたり、親水性のポリマー(例えばナイロン、ポリウレタン、ポリビニルアルコール等)をコーティングしたり、ゴム表面に予めプラズマ処理を行ったりする、所謂表面改質によって親水化したものが例としてあげられる。例えばインクに対する接触角として40度以下のものが選ばれる。
【0053】
撥インク性、撥水性の表面を有するブレード材料としては、シリコーンゴム、シリコーン樹脂、室温硬化型シリコーン樹脂、室温硬化型有機変性シリコーン樹脂等シリコーン系の材料によるものがあげられる。又、弾性を有するプラスチック基材表面を疎水性材料に、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等の撥水性高分子樹脂製或いはこれらの樹脂をコーティングした材料等があげられる。中ではシリコーン系材料が好ましい。インクに対する接触角で評価した場合、50度以上の材料が好ましい。シリコーンゴムとしては、例えば、入間川ゴム(株)IS−825 50HS等が入手できる。
【0054】
ベース部材33の上面には、キャップ部材13が設けられている。各キャップ部材13はそれぞれのワーパーブレード14の前方に配置されている。キャップ部材13の設置数も記録ヘッド1と同数であり、記録ヘッド1とキャップ部材13が1対1で対応している。
【0055】
吸引ポンプ16は4つのキャップ部材13の個々に対して配されるものである。ここでは1つのキャップ部材13に対応するものとして当該吸引ポンプ16について説明する。吸引ポンプ16はベース部材33よりも下方に配置され、吸引ポンプ16の下方には、廃棄用のインクを貯留する各色兼用の1つの廃インクタンク17が配置されている。ベース部材33と廃インクタンク17との間にはゴム製のチューブ35が配されている。チューブ35の一端部はベース部材33を介してキャップ部材13に連通しており、チューブ35の他端部は廃インクタンク17に連通している。チューブ35の中途部には、吸引ポンプ16が配置されている。吸引ポンプ16は、チューブ35内の空間を減圧状態とすることにより、チューブ35を介してキャップ部材13の内部に吸引圧が発生するようになっている。なお、本実施形態では、吸引ポンプ16としてチューブポンプを用いているが、
吸引ポンプは、ピストン型等の他の吸引ポンプを用いても良い。
【0056】
また、吸引手段を、吸引ポンプ16と、吸引ポンプ16とキャップ部材13の間に設けた連通弁とにより構成し、吸引ポンプ16を作動させた状態で、連通弁を閉じることにより吸引手段を停止させ、連通弁を開くことにより吸引手段を駆動してキャップ部材に吸引力を作用させるように構成しても良い。吸引の立ち上がり時間を短縮できる。
【0057】
キャップ部材13の下部には、キャップ部材13の内部を大気連通させるための連通口48と連通口48を開閉する電磁弁15が配されている。本実施形態では、より好ましい形態として、連通口48がキャップ部材13に形成されている例を示したが、これに限らず、連通口48を、記録ヘッド1に形成させても良い。
【0058】
なお、ここでは4つのキャップ部材13のうち1つのキャップ部材13に関する吸引ポンプ16及び電磁弁15のみの説明をおこなったが、このような吸引ポンプ16及び電磁弁15は4つのキャップ部材13の個々に対応するのであってキャップ部材13ごとにそれぞれ配されており、各キャップ部材13の内部においては、各色の吸引ポンプ16の作動態様に対応して吸引圧や各種吸引シーケンスを適宜各色ごとに変更することができるようになっている。
【0059】
<装置の電気的構成>
次に、図1のインクジェット記録装置の電気的構成を説明する。
【0060】
図4に示すように、インクジェット記録装置は、副走査モータ31、主走査モータ32、各記録ヘッド1、各吸引ポンプ16、各電磁弁15及び駆動装置34の制御を行う制御装置2を有する。
【0061】
制御装置2は、システムコントローラ36と、システムコントローラ36の作業領域を提供するメインメモリ37と、ホストコンピュータ38と画像データ等の送受を行うためにデータを一時的に格納する受信バッファメモリ39と、ホストコンピュータ38から
受信した画像データを一時的に格納するイメージバッファ40と、クロック信号により各種計時を行うタイマー群41と、主走査モータ32を駆動制御する主走査駆動ドライバ42と、副走査モータ31を駆動制御する副走査駆動ドライバ43と、吸引ポンプ16を駆動制御する吸引ポンプ駆動ドライバ44と、駆動装置34を駆動制御するベース部材駆動ドライバ45と、電磁弁15を駆動制御する弁駆動ドライバ46と、イメージバッファ40に格納された画像データに従って記録ヘッド1を駆動するヘッド駆動ドライバ47と、装置本体の電源スイッチ50、記録(プリント)開始を指令するためのプリントスイッチ51およびクリーニングの起動を指示するためのクリーニングスイッチ52等、操作者による指令入力を受容するスイッチ群49と、を備える。ユーザがクリーニングスイッチ52を押下した場合に、クリーニングスイッチ52から制御装置2にクリーニング開始信号が入力されるようになっている。電源スイッチ50は、主電源としての商用電源(不図示)に接続されており、スイッチがオンされると、記録装置に主電源が供給されるようになっている。スイッチがオフされると、記録装置への主電源の供給が停止されるようになっている。
【0062】
また、本実施形態のインクジェット記録装置は、通常の主電源の他、副電源としての電池電源(不図示)を備え、インクジェット記録装置内の各部に電力を供給している。電池電源は、主電源の電源スイッチ50がオフの時に、インクジェット記録装置の各部、特に、制御装置2、タイマー群41に対して、主電源41に代わって電力を供給するように構成され、これにより、主電源オフ期間においても、オフ期間のタイマー計時や、主電源オフ時の記録ヘッド1のクリーニングが行えるようになっている。副電源としては、コンセントが接続されているときに充電可能な充電式のバックアップ用電源等を使用することもできる。
【0063】
制御装置2は、メインメモリ37を作業領域としてシステムコントローラ36で演算処理を行うことにより、各ドライバ42〜47を通じて主走査モータ32、副走査モータ31、駆動装置34,吸引ポンプ16、電磁弁15、記録ヘッド1を制御するようになっている。また、制御装置2は、タイマー群41により各種計時を行うようになっている。
【0064】
タイマーは、リセットするタイプでも良いし、その時の時刻等を記憶しておいて、その時刻からの経過時間を差分により求めて出力するようなタイプでも良い。インクジェット記録装置内で制御用に日時等を管理しているタイマーがある場合などには、その日時管理用のタイマーの表示時刻から演算により経過時間を求めることにより、後者のタイプのタイマーの代用とすることもできる。
【0065】
また、クリーニングスイッチ52は、ユーザーが、状況に応じて、後述する第1のクリーニングモードと第2のクリーニングモードのうち何れかまたは複数、複数の場合はその順番を選択し、さらに各々の繰り返し回数を選択して制御装置2に指示可能に構成されている。
【0066】
<装置の動作・作用>
次に、インクジェット記録装置の動作・作用について説明する。
【0067】
以下、記録ヘッド1の制御を例にして色を表す添え字であるY,M,C,Kを省略して統括して説明する。なお、当該記録ヘッド1について説明した動作例は、4色の記録ヘッド1Y,1M,1C,1Kに対しても適用されるものとし、実際にカラー画像を記録する場合には各記録ヘッド1Y,1M,1C,1Kの制御が同時進行で行われるようになっている。
〔1.画像記録動作〕
制御装置2がホストコンピュータ38から画像データを受信し、プリントスイッチ51から画像記録開始信号を受信すると、制御装置2が副走査モータ31、主走査モータ32、記録ヘッド1等に制御信号を出力し、各構成の動作を下記のように制御する。すなわち、制御装置2が副走査モータ31の作動と停止を繰り返すことで、取出装置22、搬送ローラ25,搬送ベルト6が所定量の回転とその停止とを繰り返し、記録媒体7が搬送方向Aに沿って間欠的に移動される。
【0068】
この状態において記録媒体7の移動が記録ヘッド1に対向した位置で一時的に停止したとき、制御装置2が主走査モータ32を作動させると、キャリッジ18が記録媒体7の直上で各記録ヘッド1を主走査方向Bに沿って図2中左方から右方へ(又は右方から左方へ)と移動する。そしてキャリッジ18の移動中に、制御装置2が画像データに従って各記録ヘッド1に適宜吐出動作を行わせると、各記録ヘッド1のインク吐出面27のインク吐出口から記録媒体7の記録面に向かってインクが微細な液滴として吐出される。
【0069】
以後、制御装置2が、インクジェット記録装置の各部材に上述の動作を繰り返しおこなわせ、搬送ベルト6上を通過した記録媒体7の記録面の画像記録領域に順次画像を記録させる。
【0070】
また、画像記録動作が所定時間以上行われない場合には、電磁弁15を閉じた状態のキャップ部材13によって記録ヘッド1のインク吐出面27を封止して密閉状態に保持するようにする。すなわちこの状態においては、キャップ部材13によって記録ヘッド1のインク吐出面27が封止されて、密閉状態に保持される。
【0071】
さらに、キャップ部材13が記録ヘッド1に密着していない画像記録動作等の状態で一定時間経過した場合や、画像記録終了時には、キャリッジ18を画像記録部からクリーニング部に戻して、記録ヘッド1をキャップ部材13に臨ませ、記録ヘッド1の全てのインク吐出口から微量のインクを吐出する。すなわち、いわゆるフラッシングを行う。
【0072】
ここで、インクジェット記録装置は、上記の画像記録動作の他に、記録ヘッド1の吐出不良を回復させる、あるいは、防止するクリーニングを行う。なお、吐出不良とは、インク滴の不吐出(記録ヘッド1がインク吐出動作を行ったにもかかわらず、インク吐出口からインクが吐出されないことを意味する。)や吐出したインク滴の着弾曲がり等をさす。
【0073】
続いて、記録ヘッド1のクリーニング時におけるインクジェット記録装置の動作、いわゆるクリーニングシーケンスについて、図5、図6を参照しながら説明する。
【0074】
本実施形態においては、図5に示す第1のクリーニングモードを基本として、その繰り返し回数を変更可能に構成し、第1のクリーニングモードを1回または複数回実施した後、図6に示す第2のクリーニングモードを行う。
【0075】
図5に示す第1のクリーニングモードと図6に示す第2のクリーニングモードを基本として、これらのうち何れかまたは複数、複数の場合はその順番を変更し、さらに各々の繰り返し回数を変更した複数種類のクリーニングモードを備えるようにしても良い。
【0076】
なお、このクリーニングモードは、記録ヘッド1のインク吐出口に吐出不良が生じたとき、あるいは定刻(定期的)に行われるものである。また、図5、図6においては、左右方向に延在する各線は時間軸であり、図の左側から右側に向かって時間の経過を示している。また、図5、図6においては、インク供給装置28は記録ヘッド1に対し継続してインクを供給しているものとする。
〔2.クリーニング動作〕
インクジェット記録装置1の電源スイッチ50のオン時、電源スイッチ50のオフ時、ユーザーによるクリーニングスイッチ52の押下時(例えば、ユーザーが記録画像の不具合を発見したときなど)、ホストコンピュータ38から制御装置2に画像データが入力された時、ユーザーによるプリントスイッチ51の押下時、画像記録の終了時、タイマー群41により所定時間を計時する毎等など、制御装置2が記録ヘッド1の第1のクリーニングモードを実行する。
【0077】
クリーニングを所定の時間間隔で行う場合について説明する。
【0078】
記録ヘッド1を放置して乾燥し固着し過ぎても、インク吐出面から取り除くことが次第に難しくなる。
【0079】
そこで、使用するインクの除去に最も効果的な放置時間(乾燥時間)をあらかじめ実験的に求めておき、直前のクリーニングが行われてから前記の乾燥時間経過するまでをタイマー群41で計測し、クリーニングを行う事によってクリーニング効果をさらに高めることが可能である。このように、クリーニングを乾燥時間に応じた所定の時間間隔で行うことが好ましい。定常的にクリーニングを行うことで過度の乾燥による強固なインク固着を事前に防止することができる。
【0080】
クリーニング動作は以下のようになる。
<第1のクリーニングモード>
制御装置2が主走査モータ32を作動させると、キャリッジ18がベース部材33の上まで移動し、記録ヘッド1がそれぞれのキャップ部材13の上に位置する。次に、制御装置2が駆動装置34を作動させると、ベース部材33が上昇し、キャップ部材13が記録ヘッド1の下面(インク吐出面27)にそれぞれ密着する。
【0081】
キャップ部材13がインク吐出面27にそれぞれ密着してキャッピングした後に制御装置2が電磁弁15を閉じた密閉状態で吸引ポンプ16を駆動(作動)させると、キャップ部材13の内部が減圧状態となり、記録ヘッド1の各吐出口からインクが吸引される。
【0082】
すなわち、記録ヘッド1のインク吐出面27とキャップ部材13との間の空気が吸引ポンプ16によって吸引される結果、記録ヘッド1のインク吐出口からインクが吸引され、廃インクタンク17に排出される。これにより、キャップ部材13の内部がインクで満たされ、記録ヘッド1のインク吐出面27上にインクが十分に付着した状態になる。
【0083】
この状態で所定時間T1経過した後に、制御装置2が吸引ポンプ16を停止させる。この状態で所定時間T2だけ待機した後(この間にキャップ内の圧力は徐々に大気圧に復帰ていく)、制御装置2が電磁弁15を開放させると、キャップ部材13の内部が大気と連通し、キャップ部材13の内部の圧力が大気圧になるので、電磁弁15の開放とほぼ同時にキャップ部材13を離間させる。
【0084】
ここで、吸引ポンプ16の停止直後に連通弁48を開放するようにしてもよいが(この場合は、T2がほぼ0になる)、本実施形態のように、T2を所定時間設けることが、好ましい。キャップ部材13を離間させた際に、インク吐出面27により多くのインクを残すことができ、ワイピング性を向上させることができる。T1,T2は任意に設定されるが、待機時間(T1+T2)は、固着したインクが膨潤する時間以上とすることが好ましい。インクが膨潤することによりその後のワイピング性(インク除去能力)が向上する。
【0085】
また、電磁弁15の開放は必ずしも必要ではなく、電磁弁15を閉じた状態で吸引の開始からキャップ部材の離脱までを行うようにしても良い。この場合、吸引ポンプ16を停止したのち、キャップ部材の内部が大気圧に復帰するまでの時間だけ待機させ、その後、吸引キャップを離間させればよい。
【0086】
制御装置2が駆動装置55を作動させると、ベース部材33が下降して元の高さに戻る。これにより、キャップ部材13と記録ヘッド1とが離間する。この状態において、記録ヘッド1のインク吐出面27は、インクで湿潤している。次にベース部材33が後ろから前に向けて(図3のY方向)移動する。この時、ワーパーブレード14の上部がそれぞれの記録ヘッド1のインク吐出面27を摺擦しながら移動し、インク吐出面27に付着していたインクが除去される。
【0087】
なお、T1、T2の各時間は、タイマー群41の各タイマにより計時される。
【0088】
また、公知の吐出検知手段を設けて、記録ヘッド1の全てのインク吐出口から正常にインクが吐出されるかどうかを検知することが好ましい、例えば、記録ヘッド1の全てのインク吐出口からから記録媒体7に向かってインクを吐出し、インク吐出口の吐出不良の有無を検出することにより行えばよい。なお、吐出不良の有無を検出する方法としては、記録媒体7の表面におけるインク着弾状況を調べる方法などがある。
【0089】
検知結果により、1つの吐出口でも吐出不良がある場合は、再度クリーニングを行うことが好ましい。
【0090】
以上、例えば、特公平3−61593に開示された従来技術のように、吸引後に、記録ヘッド1がキャップ部材13によりキャッピングされた状態で、電磁弁15を開放させて吸引を継続する(所謂、空吸引)と、キャップ部材13の内部のインクを廃インクタンク17に排出することになり、記録ヘッド1のインク吐出面27がインクで湿潤していない状態で、ワイピングが行われることになり、インク吐出面27に固着したインクを取り除くことができなくなる。
【0091】
本実施形態では、吸引によりインクをインク吐出面上に十分に付着させた状態で空吸引を行わずにキャップ部材を離間させ、その後、インク吐出面がインクで湿潤した状態でワイピングする第1のクリーニングモードを有することでインク吐出面に固着したインクを除去することができる。
【0092】
なお、この第1のクリーニングモードにおいては、その繰り返し回数を変更できるように構成されており、2回以上の繰り返してクリーニングを行うことが可能である。
【0093】
第1のクリーニングモードを2回以上繰り返して行うことでインク吐出面に固着したインクの除去能力を向上させることができる。すなわち、繰り返し回数が多いほど固着したインクの除去能力を向上させることができる。
【0094】
また、本実施形態においては、第1のクリーニングモードを1回又は複数回実行した後に後述する第2のクリーニングモードを実行してクリーニングを行うように構成されており、第1のクリーニングモードを1回又は複数回実施した後にインク吐出面にインクが残留してしまう場合があっても、この残留インクを第2のクリーニングモードにより除去できる。従って、ワイピング後の残インク等による吐出の曲りや不吐出を防止することができ、好ましい態様である。
<第2のクリーニングモード>
制御装置2が駆動装置34を作動させると、ベース部材33が上昇し、キャップ部材13が記録ヘッド1の下面(インク吐出面27)にそれぞれ密着する。
【0095】
キャップ部材13がインク吐出面27にそれぞれ密着してキャッピングした後に制御装置2が電磁弁15を閉じた密閉状態で吸引ポンプ16を駆動(作動)させると、キャップ部材13の内部が減圧状態となり、記録ヘッド1の各吐出口からインクが吸引される。
【0096】
すなわち、記録ヘッド1のインク吐出面27とキャップ部材13との間の空気が吸引ポンプ16によって吸引される結果、記録ヘッド1のインク吐出口からインクが吸引され、廃インクタンク17に排出される。これにより、キャップ部材13の内部がインクで満たされ、記録ヘッド1のインク吐出面27上にインクが十分に付着した状態になる。
【0097】
この状態で所定時間T3経過した後に、制御装置2が吸引ポンプ16を停止させる。この状態で所定時間T4だけ待機した後(この間にキャップ内の圧力は徐々に大気圧に復帰ていく)、制御装置2が電磁弁15を開放させて、キャップ部材13の内部が大気と連通した状態で、吸引ポンプ16を駆動することによりキャップ部材13内に残留するインクの吸引を行わせる(所謂、空吸引)。この状態で所定時間T5経過した後に、吸引ポンプ16を停止させた後、キャップ部材13を離間させる。
【0098】
ここで、T4時間に相当するキャップ内圧復帰工程は必ずしも必要ではなく、吸引ポンプ16を連続駆動した状態で、吸引(T3)と空吸引(T5)を連続的に行うようにしても良い。また、キャップ部材13の離間前に吸引ポンプ16を停止させずに、吸引ポンプ16を駆動したままの状態で、キャップ部材13を離間させるようにしても良い。
【0099】
制御装置2が駆動装置55を作動させると、ベース部材33が下降して元の高さに戻る。これにより、キャップ部材13と記録ヘッド1とが離間する。次にベース部材33が後ろから前に向けて(図3のY方向)移動する。この時、ワーパーブレード14の上部がそれぞれの記録ヘッド1のインク吐出面27を摺擦しながら移動し、インク吐出面27に付着していたインクが除去される。
【0100】
なお、T3、T4、T5の各時間は、タイマー群41の各タイマにより計時される。
【0101】
また、公知の吐出検知手段を設けて、記録ヘッド1の全てのインク吐出口から正常にインクが吐出されるかどうかを検知することが好ましい、例えば、記録ヘッド1の全てのインク吐出口からから記録媒体7に向かってインクを吐出し、インク吐出口の吐出不良の有無を検出することにより行えばよい。なお、吐出不良の有無を検出する方法としては、記録媒体7の表面におけるインク着弾状況を調べる方法などがある。
【0102】
検知結果により、1つの吐出口でも吐出不良がある場合は、再度クリーニングを行うことが好ましい。
【0103】
以上、本実施形態では、吸引したのち、キャップ部材を大気連通した状態でキャップ部材内の残留インク、すなわち、インク吐出面上に付着したインクを吸引した後、キャップ部材を離間させ、その後、ワイピングする第2のクリーニングモードを有することで、第1のクリーニングモードを実施した後にインク吐出面にインクが残留してしまう場合があっても、この残留インクを第2のクリーニングモードにより除去できる。従って、ワイピング後の残インク等による吐出の曲りや不吐出を防止することができる。
【0104】
以上、本実施形態では、第2のクリーニングモードを第1のクリーニングモードの後に行う付加的なクリーニングとして用いているが、インク吐出面上に付着したインクが固着するまでに至っていないと想定される状態でクリーニングを実施する際は、この第2のクリーニングモード単独でクリーニングするようにしてもよい。
<クリーニングモードおよび繰り返し回数の設定>
次に、本実施形態におけるクリーニングモードおよび繰り返し回数の設定方法について詳細に説明する。
【0105】
前述の如く、インク吐出面27上に残ったインク滴等の異物がインク吐出面27上に付着したまま放置された場合、インクの水分等の蒸発成分が蒸発することによってインク自身が増粘するとともに、固着させてしまい、放置後にワイピングしても容易には除去できなくなる。また、インクの成分として樹脂が溶解または分散された状態で含まれている場合、前記蒸発成分が蒸発することにより、樹脂の被膜が形成されて強固に固着してしまう。
【0106】
本実施形態においては、記録ヘッド1のインク吐出面27にインクを付着させて放置した場合に前記第1のクリーニングモードの繰り返し回数を適切に設定することで固着したインク(樹脂を含む場合もある)を除去することが可能となる。
【0107】
すなわち、第1のクリーニングモードを1回又は複数回実行した後に第2のクリーニングモードを実行してクリーニングを行うように構成されている。
【0108】
また、固着の程度は、インク中の蒸発成分の蒸発のしやすさ、すなわち、放置される環境(温湿度)やインク中の蒸発成分の量などに依存する。また、インク中に樹脂を含有している場合固着しやすい。また、放置時間の経過と共に蒸発成分が蒸発していくので、放置時間が長くなるにつれてより強固に固着していく。すなわち、用いるインクの種類、環境条件、放置時間において、固着インクを取り除くのに適した第1のクリーニングモードの繰り返し回数が存在する。
【0109】
そこで、本実施形態のインクジェット記録装置においては、使用するインクの除去に適した第1のクリーニングモードの繰り返し回数をあらかじめ実験的に求めておき、放置時間や放置の環境条件に応じて第1のクリーニングモードの繰り返し回数を変更することで乾燥により固着したインクを確実に除去できる。
【0110】
具体的には、放置時間が長いほど、または、環境湿度(絶対湿度を指す)が小さいほど、または、環境温度が高いほど強固に固着しやすい。従って、例えば、相対的に放置時間が長い場合に、あるいは、相対的に環境温度が高い場合、あるいは、環境湿度が低い場合に第1のクリーニングモードの繰り返し回数を多く設定すればよい。
【0111】
例えば、温度検知センサや湿度検知センサをインクジェット記録装置内(例えば記録ヘッド1の近傍)に設置し、記録ヘッド1付近の温度や湿度を所定期間毎又は常に検知するようにして、また、検知した温度や湿度は、制御装置2に情報として送信されるようにすればよい。放置時間は、タイマー群41により計時する。前述のように、記録装置に用いるインクについて予め実験により、インクの種類毎に、環境温度、湿度、放置時間などと最適な第1のクリーニングモードの繰り返し回数の関係を求めておき。このデータをテーブル化して、メインメモリ37に記憶させておけばよい。すなわち、固着パラメータ(インクの種類、環境温度、湿度、放置時間等)から前記最適な第1のクリーニングモードの繰り返し回数を換算するための換算テーブルを記憶する記憶手段(例えばメインメモリ37)を備え、前記制御装置2は、前記換算テーブルを参照して前記最適な第1のクリーニングモードの繰り返し回数を求めることが好ましい。制御装置2は、この最適な繰り返し回数に基づいて各部を制御して、第1のクリーニングモードを行わせ、その後に第2のクリーニングモードを実行させるように制御すればよい。
【0112】
このような構成によれば、換算テーブルを記憶しておくことにより、それを参照して最適な第1のクリーニングモードの繰り返し回数を容易に求めることができ、例えば、異なる特性のインクを使用したい場合にも、同一の構成で、換算テーブルの値を書き換えるだけで対応できる。さらに、複数種類のインクを用いて記録する場合なども、そのインクの種類毎に換算テーブルを記憶しておくことで対応できるので、適用範囲が広い。
【0113】
例えば、インク中に樹脂が溶解または分散されたインクである場合に、インクの固着しやすさは、樹脂の膜化から考えると、例えば、樹脂の含有量が多いほど、樹脂のガラス転移温度が低いほど前記樹脂の膜化による固着が発生しやすい。従って、インク中の前記樹脂の含有量に応じて前記第1のクリーニングモードの繰り返し回数を設定することが好ましい
前記樹脂の含有量が多いほど前記第1のクリーニングモードの繰り返し回数を多く設定すればよい。前記樹脂の種類に応じて第1のクリーニングモードの繰り返し回数を設定することが好ましい。例えば、前記樹脂のガラス転移温度が低いほど、第1のクリーニングモードの繰り返し回数を多く設定するればよい。
【0114】
また、換算テーブルは、各固着パラメータに対して1つ以上の閾値を定め、閾値をもとにを第1のクリーニングモードの繰り返し回数を複数段階に変更するようなテーブルにすればよい。
【0115】
また、放置時間としては、画像記録やフラッシングのためのインク滴の吐出をおこなってからの経過時間や直前の第1のクリーニングモードからの経過時間等を用いればよい。直前の第1のクリーニングモードからの経過時間とは、前回の第1のクリーニングモードから今回のクリーニングまでの経過時間を意味する。
【0116】
例えば、電源スイッチ50のオフ時に第1のクリーニングモードを実行し、この時点から電源スイッチ50がオンされるまでの経過時間をタイマーで計時し、この経過時間に応じて、電源スイッチ50がオン時に実行するクリーニングにおける第1のクリーニングモードの繰り返し回数を変更する。したがって、電源スイッチ50のオン後の画像記録の再開においては、装置の休止時間に応じて最適のクリーニングが行われることにより画像記録の信頼性を確保させることができる。
【0117】
また、以上の説明においては、使用するインクの除去に適した第1のクリーニングモードの繰り返し回数をあらかじめ実験的に求めておき、放置時間や放置の環境条件に応じて第1のクリーニングモードの繰り返し回数を変更することで乾燥により固着したインクを確実に除去する本実施形態について説明した。
【0118】
ここで、第1のクリーニングモードの繰り返し回数については、インクジェット記録装置で想定される最も固着しやすい放置条件(放置時間や放置の環境条件)に合わせて、第1のクリーニングモードの繰り返し回数を設定してもよい。この場合、放置時間を予め定めておき(例えば1晩)、この放置時間を超えて放置された場合には、該第1のクリーニングモードの繰り返し回数でクリーニング動作を実施させればよい。
【0119】
<インク>
次に、本実施形態のインクジェット記録装置において用いるインクについて説明する。
【0120】
インクは、インク中に樹脂が溶解または分散されたインクであることが好ましい。
【0121】
例えば、水溶性染料を用いた水性インクに対して、エマルジョン、ラテックス等の樹脂微粒子をインクに含有すると印字後の画像の保存性が格段に向上する。本発明を適用することでインク吐出面上に樹脂の薄膜が生じて固着することを防止あるいは除去することが可能となり、印字後の画像保存性の向上が可能となる。
【0122】
本実施形態において、インク中に分散する樹脂は、媒質中、例えば、水中に分散状態にある樹脂粒子を指し、ラテックスとも呼ばれている。
【0123】
上記樹脂微粒子は、各種樹脂の水分散体の形態で用いることができる。具体的には、アクリル系、スチレン−アクリル系、アクリロニトリル−アクリル系、酢酸ビニル系、酢酸ビニル−アクリル系、酢酸ビニル−塩化ビニル系、ポリウレタン系、シリコン−アクリル系、アクリルシリコン系、ポリエステル系、エポキシ系の各樹脂を挙げることができる。
【0124】
通常これらの樹脂微粒子は、乳化重合法によって得られる。そこで用いられる界面活性剤、重合開始剤等については、常法で用いられるものを用いれば良い。非着色樹脂微粒子の合成法に関しては、米国特許第2,852,368号、同2,853,457号、同3,411,911号、同3,411,912号、同4,197,127号、ベルギー特許第688,882号、同691,360号、同712,823号、特公昭45−5331号、特開昭60−18540号、同51−130217号、同58−137831号、同55−50240号等に詳しく記載されている。
【0125】
本実施形態に係るインクにおいて、樹脂粒子の平均粒径は10nm以上、300nm以下であり、10nm以上、100nm以下であることがより好ましい。樹脂粒子の平均粒径が300nmを越えると、画像の光沢感の劣化が起こり、10nm未満であると耐水性、耐擦過性が不十分となる。樹脂粒子の平均粒子径は、光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法を用いた市販の粒径測定機器、例えば、ゼータサイザー1000(マルバーン社製)等を用いて、簡便に求めることができる。
【0126】
樹脂粒子のインク中での含有量としては、0.2〜10質量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜5質量%である。
【0127】
本実施形態において、樹脂を含有した染料系の水系インクを用いるが、顔料タイプのインクを用いても構わない。特に顔料インクの場合、溶剤や水分が蒸発すると、顔料は基本的に溶媒に不溶で再溶解しないため、又、硬い塊として固着し吐出不良となりやすいため、短時間で効率よくインク吐出面のクリーニングを行う事のできる本発明に係わるインクジェット記録装置は顔料インクを用いた場合に特に有効である。
【0128】
本実施形態において、水系インクとは、例えば、インク総質量あたり10質量%以上の水を含有する水系インクジェットインクである。
【0129】
本実施形態では、着色剤として顔料インクを用いることが、前記のようにクリーニングにおいて染料インクよりも大きな問題を引き起こすことからみて特に好ましい。又、得られる画像記録の保存性の観点からも好ましい。顔料インクで用いる顔料としては、不溶性顔料、レーキ顔料等の有機顔料およびカーボンブラック等を好ましく用いることができる。
【0130】
これらの顔料には、必要に応じて顔料分散剤としての樹脂を含有することが好ましい。具体的には、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体から選ばれた2種以上の単量体からなるブロック共重合体、ランダム共重合体およびこれらの塩からなるポリマー分散剤が好ましく、これらのなかでも、3,000以上の分子量を有する、スチレン、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル等から選ばれるブロック共重合体、ランダム共重合体が好ましい。これらの例としては、スチレン−アクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(分子量10,000、酸価160)があり、又アクリル−スチレン系樹脂であるジョンクリル61(ジョンソン社製)等は入手できる。
【0131】
樹脂粒子のインク中での含有量としては、0.2〜10質量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜5質量%である。
【0132】
ポリマー分散剤を用いたものは、顔料粒子周りに電気二重層が強固に形成され、分散安定性を向上させることができる。本発明を適用することでインク吐出面上に樹脂の薄膜が生て固着することを防止あるいは除去することが可能となり、分散性の向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】インクジェット記録装置の内部の概略構成を示す模式図である。
【図2】インクジェット記録装置の概略構成を示す斜視図である。
【図3】インクジェット記録装置の記録ヘッド、インク供給装置及びクリーニング部を示す模式図である。
【図4】インクジェット記録装置の制御装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【図5】インクジェット記録装置における記録ヘッドの第1のクリーニングモードののシーケンス動作を示すタイムチャートである。
【図6】インクジェット記録装置における記録ヘッドの第2のクリーニングモードののシーケンス動作を示すタイムチャートである
【符号の説明】
【0134】
1、1Y,1M,1C,1K 記録ヘッド
2 制御装置
3、3Y,3M,3C,3K メインタンク
4、4Y,4M,4C,4K 中間タンク
5 クリーニング部
6 搬送ベルト
7 記録媒体
8 給紙トレイ
9 排紙トレイ
10 筐体
11、11Y,11M、11C、11K インク供給管
12、12Y,12M、12C、12K ダンパー
13、13Y,13M,13C,13K キャップ部材
14、14Y,14M,14C,14K ワイパーブレード
15、15Y,15M,15C,15K 電磁弁
16、16Y,16M,16C,16K 吸引ポンプ
17 廃インクタンク
18 キャリッジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体にインクを吐出するインク吐出口を有する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドのインク吐出口をキャッピングするキャップ部材と、
前記キャップ部材のキャップ内部と大気とを連通する連通口と、
前記連通口を開閉する弁と、
前記キャップ部材に連通してキャップ内部に吸引力を作用させる吸引手段と
前記記録ヘッドをワイピングするワイピング部材と、
前記記録ヘッドの第1のクリーニングモードとして、前記キャップ部材で前記記録ヘッドのインク吐出口をキャッピングして前記弁を閉じた状態で前記吸引手段を駆動することにより前記インク吐出口からインクの吸引を行わせる第1の動作と、前記吸引手段を停止させる第2の動作と、前記キャップ部材を前記記録ヘッドから離間させる第3の動作と、前記ワイピング部材により前記記録ヘッドをワイピングする第4の動作とを実行させ、
前記記録ヘッドの第2のクリーニングモードとして、前記キャップ部材で前記記録ヘッドのインク吐出口をキャッピングして前記弁を閉じた状態で前記吸引手段を駆動することにより前記インク吐出口からインクの吸引を行わせる第1の動作と、前記弁を開放した状態で前記吸引手段を駆動することにより前記キャップ部材内に残留するインクの吸引を行わせる第2の動作と、前記キャップ部材を前記記録ヘッドから離間させる第3の動作と、前記ワイピング部材により前記記録ヘッドをワイピングする第4の動作とを実行させる制御装置とを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項2】
前記第1のクリーニングモードの後に前記第2のクリーニングモードを実行してクリーニングを行うことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項3】
前記第1のクリーニングモードを2回以上繰り返してクリーニングを行うことを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
【請求項4】
前記第1のクリーニングモードを定刻に行うことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項5】
前記第1のクリーニングモードを所定の時間間隔で行うことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項6】
前記第1のクリーニングモードを電源オン時に行うことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項7】
前記第1のクリーニングモードを電源オフ時に行うことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項8】
前記第1のクリーニングモードをユーザーの指示に基づいて行うことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項9】
前記インクは、インク中に樹脂が溶解または分散されたインクであることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項10】
前記樹脂の含有量に応じて前記第1のクリーニングモードの繰り返し回数を設定することを特徴とする請求項9に記載のインクジェット記録装置。
【請求項11】
前記樹脂の種類に応じて前記第1のクリーニングモードの繰り返し回数を設定することを特徴とする請求項9または10に記載のインクジェット記録装置。
【請求項12】
直前の第1のクリーニングモードの実行からの経過時間に応じて前記第1のクリーニングモードの繰り返し回数を設定することを特徴とする請求項3乃至11の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−118482(P2007−118482A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−315967(P2005−315967)
【出願日】平成17年10月31日(2005.10.31)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】