説明

インク液面検知システム

【課題】光学検知部の配置位置の自由度を確保しつつ、インク収容室内のインクの液面位置を多段階で検知できるインク液面検知システムを提供すること。
【解決手段】インク収容室11内に配置された揺動部材90の被検知部91を第1の光学検知部330、及び、第1の光学検知部330の上方に配置された第2の光学検知部332によって検知する。揺動部材90の浮き部92は、浮き部92のうち揺動部材の揺動中心から最も遠い位置に位置する第1端92Aを有し、被検知部91は、被検知部91のうち揺動中心から最も遠い位置に位置する第2端91Aを有する。揺動中心と第1端92Aとの間の第1の距離L1は、揺動中心と第2端91Aとの間の第2の距離L2と異なる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インク収容室に収容されているインクの液面位置を段階的に検知できるインク液面検知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、インクジェットプリンタは記録ヘッドを有しており、記録ヘッドからインクが吐出されると、それに応じて、インクタンクから記録ヘッドにインクが供給される。インクタンクは、インクジェットプリンタに固定されている場合もあれば、インクジェットプリンタに取り外し可能に装着されるインクカートリッジである場合もある。インクタンク内のインクの量を検知し得るように構成された、インクジェットプリンタが知られている。
【0003】
そのようなインクジェットプリンタの一例が特許文献1に記載されている。インクジェットプリンタは、記録ヘッドと、記録ヘッドに連通するインクタンクとを備えている。フロートがインクタンク内に配置されており、インクタンク内の液面が上下移動するのに従い、フロートはインクタンク内で上下移動する。インクジェットプリンタは、インク残量検出手段を有しており、インク残量検出手段は、第1の発光素子と第1の受光素子との組と、第2の発光素子と第2の受光素子との組とを有している。第1の発光素子と第1の受光素子とは、インクタンクを挟んで水平方向に並んでいる。第2の発光素子と第2の受光素子とは、第1の発光素子と第1の受光素子との下方において、インクタンクを挟んで水平方向に並んでいる。第1の発光素子はサブタンク内に向かって光を発する。第1の発光素子とフロートが水平方向に並んでいるとき、第1の発光素子から発せられた光はフロートにより遮断され、第1の受光素子は光を受けない。第1の発光素子とフロートとが水平方向に並んでいないとき、第1の発光素子から発せられた光は遮断されず、第1の受光素子はインクタンクを通過した光を受ける。同様に、第2の発光素子とフロートが水平方向に並んでいるとき、第2の発光素子から発せられた光はフロートにより遮断され、第2の受光素子は光を受けない。第2の発光素子とフロートとが水平方向に並んでいないとき、第2の発光素子から発せられた光は遮断されず、第2の受光素子はインクタンクを通過した光を受ける。このインク残量検出手段により、インクタンク内のインクの液面位置を2段階で検知することができる。
【特許文献1】特開平8−132642号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構成を備えたインクジェットプリンタにおいては、第1の発光素子と第1の受光素子との組及び第2の発光素子と第2の受光素子の組の鉛直方向における配置位置は、インク残量検出手段にどの液面位置を検知させるかによって必然的に決まってしまう。すなわち、第1の発光素子と第1の受光素子との組と第2の発光素子と第2の受光素子の組との間の鉛直方向における距離は、インク残量検出手段に検知させる2つの液面位置の間の距離とおおよそ等しくなる。例えば、インク残量検出手段に比較的大きく離れた2つの液面位置を検知させる場合、2つの液面位置の間の距離に応じて、第1の発光素子と第1の受光素子との組と第2の発光素子と第2の受光素子の組との間の距離を大きくしなければならない。しかしながら、インクジェットプリンタの構造によっては、第1の発光素子と第1の受光素子との組と第2の発光素子と第2の受光素子の組とを大きく離して配置できるだけのスペースがないかもしれない。逆に、インク残量検出手段に、その間の距離が比較的小さい2つの液面位置を検知させる場合、2つの液面位置の間の距離に応じて、第1の発光素子と第1の受光素子との組と第2の発光素子と第2の受光素子の組との間の距離を小さくしなければならない。しかしながら、第1の発光素子と第1の受光素子との組及び第2の発光素子と第2の受光素子の組の構造によっては、第1の発光素子と第1の受光素子との組と第2の発光素子と第2の受光素子の組とを近接して配置できないかもしれない。このように、第1の発光素子と第1の受光素子との組及び第2の発光素子と第2の受光素子の組の鉛直方向における配置位置が、インク残量検出手段にどの液面を検知させるかによって必然的に決まってしまうので、インクジェットプリンタの設計の自由度が制約されてしまう。
【0005】
そこで本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、光学検知部の配置位置の自由度を確保しつつ、インク収容室内のインクの液面位置を多段階で検知できるインク液面検知システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、インク液面検知システムは、インク収容室と、インク収容室内に配置され、被検知部と、インク収容室に収容されるインクより比重が小さい浮き部とを有しており、インク収容室内に収容されたインクの液面の位置に応じてインク収容室内で揺動可能である揺動部材とを備えたインクカートリッジと、前記インクカートリッジが取り外し可能に装着される装着部と、前記装着部に装着されている前記インクカートリッジの前記揺動部材の前記被検知部の前記インク収容室に対する移動軌跡と交差する方向に光を発する第1の発光部と、その移動軌跡上における前記被検知部の位置に応じて予め決められた2つの状態をとり得る第1の受光部とを有し、前記装着部に配置された第1の光学検知部と、前記装着部に装着されている前記インクカートリッジの前記揺動部材の前記被検知部の前記インク収容室に対する移動軌跡と交差する方向に光を発する第2の発光部と、その移動軌跡上における前記被検知部の位置に応じて予め決められた2つの状態をとり得る第2の受光部とを有し、前記第1の光学検知部の上方に位置するように前記装着部に配置された第2の光学検知部とを備える。前記揺動部材は、前記インク収容室に対して、第1の平面内で揺動可能である。前記浮き部及び前記被検知部は、前記インクカートリッジが前記装着部に装着されたときに、前記第1の平面に垂直であって、前記揺動部材の揺動中心に交わり、且つ、重力方向に平行な第2の平面が、前記浮き部と前記被検知部との間に位置するように配置されている。前記浮き部は、前記浮き部のうち前記揺動中心から最も遠い位置に位置する第1端を有している。前記被検知部は、前記被検知部のうち前記揺動中心から最も遠い位置に位置する第2端を有している。前記揺動中心と前記第1端との間の第1の距離は、前記揺動中心と前記第2端との間の第2の距離と異なる。
【0007】
第1の距離と第2の距離とが異なるので、液面が移動するのに応じて揺動部材が移動したときに、浮き部の第1端の鉛直方向の移動距離と被検知部の第2端の鉛直方向の移動距離とが異なる。この結果、第1の光学検知部及び第2の光学検知部の鉛直方向における配置位置が、液面検知システムにどの液面位置を検知させるかに依存しない。例えば、液面検知システムに比較的大きく離れた2つの液面位置を検知させたいが、その液面位置間の距離に対応した距離だけ第1の光学検知部と第2の光学検知部とを鉛直方向に離して配置できない場合には、第1の距離を第2の距離より大きくすればよい。液面が2つの液面位置の間を移動したときの浮き部の第1端の鉛直方向の移動距離は、2つの液面位置間の距離におおよそ等しいが、第1の距離を第2の距離より大きくすれば、被検知部の第2端の鉛直方向の移動距離は、2つの液面位置間の距離より小さくなる。第1の光学検知部及び第2の光学検知部は被検知部を検知するので、第1の光学検知部と第2の光学検知部との鉛直方向の距離は、2つの液面位置間の距離よりより小さくてよいことになる。一方、本発明とは異なり、従来技術のように、第1の光学検知部及び第2の光学検知部が浮き部の端部を検知する場合には、第1の光学検知部と第2の光学検知部との鉛直方向の距離は、2つの液面位置間の距離とおおよそ等しくしないといけない。
【0008】
一方、液面検知システムに、その間の距離が比較的小さい2つの液面位置を検知させたいが、その液面位置間の距離に対応した距離だけ第1の光学検知部と第2の光学検知部とを鉛直方向に近づけて配置できない場合には、第1の距離を第2の距離より小さくすればよい。液面が2つの液面位置の間を移動したときの浮き部の第1端の鉛直方向の移動距離は、2つの液面位置間の距離におおよそ等しいが、第1の距離を第2の距離より小さくすれば、被検知部の第2端の鉛直方向の移動距離は、2つの液面位置間の距離より大きくなる。第1の光学検知部及び第2の光学検知部は被検知部を検知するので、第1の光学検知部と第2の光学検知部との鉛直方向の距離は、2つの液面位置間の距離より大きくてよいことになる。一方、本発明とは異なり、従来技術のように、第1の光学検知部及び第2の光学検知部が浮き部の端部を検知する場合には、第1の光学検知部と第2の光学検知部との鉛直方向の距離は、2つの液面位置間の距離とおおよそ等しくしないといけない。
【0009】
このように、光学検知部の配置位置の自由度を確保しつつ、インク収容室内のインクの液面位置を多段階で検知できる。
【0010】
受光部の予め決められた2つの状態とは、例えば、発光部から発せられた光を所定の強度以上で受けている状態と、発光部から発せられた光を所定の強度未満で受けている状態との2つの状態である。発光部から発せられた光を所定の強度未満で受けている状態は、発光部から発せられた光を全く受けていない状態、すなわち、受光部が受けている光の強度がゼロの状態をも含む。
【0011】
被検知部は、発光部から発せられた光を遮断するものであってもよいし、発光部から発せられた光の光路を変更するものであってもよい。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、前記第1の距離が前記第2の距離より大きい。
【0013】
この結果、第1の光学検知部と第2の光学検知部との鉛直方向の距離は、液面検知システムに検知させる液面間の距離より小さくなる。本インク液面検知システムは、液面検知システムに比較的大きく離れた2つの液面位置を検知させたいが、その液面位置間の距離に対応した距離だけ第1の光学検知部と第2の光学検知部とを鉛直方向に離して配置できない場合に有効である。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、前記第1の距離が前記第2の距離より小さい。
【0015】
この結果、第1の光学検知部と第2の光学検知部との鉛直方向の距離は、インク液面検知システムに検知させる液面の移動距離より大きくなる。本インク液面検知システムは、インク液面検知システムにその間の距離が比較的小さい2つの液面位置を検知させたいが、その液面位置間の距離に対応した距離だけ第1の光学検知部と第2の光学検知部とを鉛直方向に近づけて配置できない場合に有効である。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、前記装着部は、前記インクカートリッジが前記装着部に水平方向と平行な挿入方向に沿って挿入されることにより前記装着部に装着されるように構成されている。前記装着部は、第1の弁開放部材と第2の弁開放部材とを有している。前記第1の光学検知部、前記第2の光学検知部、第1の弁開放部材、及び、第2の弁開放部材は、前記装着部の前記挿入方向における端部において、重力方向に並んで配置されている。前記第1の弁開放部材は、前記第1の光学検知部及び前記第2の光学検知部の下方に位置している。前記第2の弁開放部材は、前記第1の光学検知部及び前記第2の光学検知部の上方に位置している。前記インクカートリッジは、前記装着部に装着されたときに前記装着部の前記端部に対向する壁と、その壁に配置された第1の弁機構と、その壁に配置された第2の弁機構とを有している。前記被検知部は、前記インクカートリッジの前記壁の近傍に位置している。前記第1の弁開放部材は、前記インクカートリッジが前記装着部に装着されたときに、前記第1の弁機構を介して前記インク収容室の内部から外部へインクが供給され得るように前記第1の弁機構を開放する。前記第2の弁開放部材は、前記インクカートリッジが前記装着部に装着されたときに、前記第2の弁機構を介して前記インク収容室の外部から内部へ大気が導入され得るように前記第2の弁機構を開放する。
【0017】
この結果、第1の光学検知部、第2の光学検知部、第1の弁開放部材、及び、第2の弁開放部材を互いに近接させて配置できる。よって、インク液面システムを小型化することができる。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、前記第1の発光部と前記第1の受光部とが水平方向に並んでいる。前記第2の発光部と前記第2の受光部とが水平方向に並んでいる。前記揺動部材は、前記インク収容室内に収容されているインクの液面の位置に応じて、前記インク収容室に対して、第1の姿勢と第2の姿勢との間、及び、第2の姿勢と第3の姿勢との間で移動可能である。前記インクカートリッジが前記装着部に装着されたときであって、前記揺動部材が前記第1の姿勢にあるときに、前記被検知部は、前記第1の発光部と前記1の受光部との間に形成されている第1の光軸に交わり、且つ、前記第2の発光部と前記2の受光部との間に形成されている第2の光軸に交わらない。前記インクカートリッジが前記装着部に装着されたときであって、前記揺動部材が前記第2の姿勢にあるときに、前記被検知部は、前記第1の光軸に交わり、且つ、前記第2の光軸に交わる。前記インクカートリッジが前記装着部に装着されたときであって、前記揺動部材が前記第3の姿勢にあるときに、前記被検知部は、前記第1の光軸に交わらず、且つ、前記第2の光軸に交わる。
【0019】
この結果、インク液面検知システムは、インクの液面位置を少なくとも3段階で検知できる。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、前記揺動部材は、前記インク収容室内に収容されているインクの液面の位置に応じて、前記インク収容室に対して、前記第3の姿勢と第4の姿勢との間との間で移動可能である。前記インクカートリッジが前記装着部に装着されたときであって、前記揺動部材が前記第4の姿勢にあるときに、前記被検知部は、前記第1の光軸に交わらず、且つ、前記第2の光軸に交わらない。
【0021】
この結果、インク液面検知システムは、インクの液面位置を少なくとも4段階で検知できる。
【0022】
請求項7に記載の発明によれば、前記インクカートリッジが前記装着部に装着されたときであって、前記揺動部材が前記第1の姿勢にあるときに、前記浮き部は、前記第1の光学検知部及び前記第2の光学検知部より高い位置に位置し、前記インクカートリッジが前記装着部に装着されたときであって、前記揺動部材が前記第3の姿勢にあるときに、前記浮き部は、前記第1の光学検知部及び前記第2の光学検知部より低い位置に位置する。
【0023】
この結果、第1の光学検知部及び第2の光学検知部の上方から下方、もしくは、第1の光学検知部及び第2の光学検知部の下方から上方に移動する大きな液面の変化を検知できる。
【0024】
請求項8に記載の発明によれば、前記インクカートリッジが前記装着部に装着されたときであって、前記揺動部材が前記第1の姿勢にあるときに、前記浮き部は、前記第1の光学検知部及び前記第2の光学検知部より高い位置に位置し、 前記インクカートリッジが前記装着部に装着されたときであって、前記揺動部材が前記第4の姿勢にあるときに、前記浮き部は、前記第1の光学検知部及び前記第2の光学検知部より低い位置に位置する。
【0025】
この結果、第1の光学検知部及び第2の光学検知部の上方から下方、もしくは、第1の光学検知部及び第2の光学検知部の下方から上方に移動する大きな液面の変化を検知できる。
【0026】
請求項9に記載の発明によれば、インク液面検知システムは、インク収容室と、インク収容室内に配置され、被検知部と、インク収容室に収容されるインクより比重が小さい浮き部とを有しており、インク収容室内に収容されたインクの液面の位置に応じてインク収容室内で揺動可能である揺動部材とを備えたインクタンクと、前記揺動部材の前記被検知部の前記インク収容室に対する移動軌跡と交差する方向に光を発する第1の発光部と、その移動軌跡上における前記被検知部の位置に応じて予め決められた2つの状態をとり得る第1の受光部とを有する第1の光学検知部と、前記揺動部材の前記被検知部の前記インク収容室に対する移動軌跡と交差する方向に光を発する第2の発光部と、その移動軌跡上における前記被検知部の位置に応じて予め決められた2つの状態をとり得る第2の受光部とを有し、前記第1の光学検知部の上方に位置する第2の光学検知部とを備える。前記揺動部材は、前記インク収容室に対して、第1の平面内で揺動可能である。前記浮き部及び前記被検知部は、前記第1の平面に垂直であって、前記揺動部材の揺動中心に交わり、且つ、重力方向に平行な第2の平面が、前記浮き部と前記被検知部との間に位置するように配置されている。前記浮き部は、前記浮き部のうち前記揺動中心から最も遠い位置に位置する第1端を有している。前記被検知部は、前記被検知部のうち前記揺動中心から最も遠い位置に位置する第2端を有している。前記揺動中心と前記第1端との第1の距離は、前記揺動中心と前記第2端との第2の距離と異なる。
【0027】
第1の距離と第2の距離とが異なるので、液面が移動するのに応じて揺動部材が移動したときに、浮き部の第1端の鉛直方向の移動距離と被検知部の第2端の鉛直方向の移動距離とが異なる。この結果、第1の光学検知部及び第2の光学検知部の鉛直方向における配置位置が、液面検知システムにどの液面位置を検知させるかに依存しない。例えば、液面検知システムに比較的大きく離れた2つの液面位置を検知させたいが、その液面位置間の距離に対応した距離だけ第1の光学検知部と第2の光学検知部とを鉛直方向に離して配置できない場合には、第1の距離を第2の距離より大きくすればよい。液面が2つの液面位置の間を移動したときの浮き部の第1端の鉛直方向の移動距離は、2つの液面位置間の距離におおよそ等しいが、第1の距離を第2の距離より大きくすれば、被検知部の第2端の鉛直方向の移動距離は、2つの液面位置間の距離より小さくなる。第1の光学検知部及び第2の光学検知部は被検知部を検知するので、第1の光学検知部と第2の光学検知部との鉛直方向の距離は、2つの液面位置間の距離よりより小さくてよいことになる。一方、本発明とは異なり、従来技術のように、第1の光学検知部及び第2の光学検知部が浮き部の端部を検知する場合には、第1の光学検知部と第2の光学検知部との鉛直方向の距離は、2つの液面位置間の距離とおおよそ等しくしないといけない。
【0028】
一方、液面検知システムに、その間の距離が比較的小さい2つの液面位置を検知させたいが、その液面位置間の距離に対応した距離だけ第1の光学検知部と第2の光学検知部とを鉛直方向に近づけて配置できない場合には、第1の距離を第2の距離より小さくすればよい。液面が2つの液面位置の間を移動したときの浮き部の第1端の鉛直方向の移動距離は、2つの液面位置間の距離におおよそ等しいが、第1の距離を第2の距離より小さくすれば、被検知部の第2端の鉛直方向の移動距離は、2つの液面位置間の距離より大きくなる。第1の光学検知部及び第2の光学検知部は被検知部を検知するので、第1の光学検知部と第2の光学検知部との鉛直方向の距離は、2つの液面位置間の距離より大きくてよいことになる。一方、本発明とは異なり、従来技術のように、第1の光学検知部及び第2の光学検知部が浮き部の端部を検知する場合には、第1の光学検知部と第2の光学検知部との鉛直方向の距離は、2つの液面位置間の距離とおおよそ等しくしないといけない。
【0029】
このように、光学検知部の配置位置の自由度を確保しつつ、インク収容室内のインクの液面位置を多段階で検知できる。
【0030】
請求項10に記載の発明によれば、前記第1の距離が前記第2の距離より大きい。
【0031】
この結果、第1の光学検知部と第2の光学検知部との鉛直方向の距離は、液面検知システムに検知させる液面間の距離より小さくなる。本インク液面検知システムは、液面検知システムに比較的大きく離れた2つの液面位置を検知させたいが、その液面位置間の距離に対応した距離だけ第1の光学検知部と第2の光学検知部とを鉛直方向に離して配置できない場合に有効である。
【0032】
請求項11に記載の発明によれば、前記第1の距離が前記第2の距離より小さい。
【0033】
この結果、第1の光学検知部と第2の光学検知部との鉛直方向の距離は、インク液面検知システムに検知させる液面の移動距離より大きくなる。本インク液面検知システムは、インク液面検知システムにその間の距離が比較的小さい2つの液面位置を検知させたいが、その液面位置間の距離に対応した距離だけ第1の光学検知部と第2の光学検知部とを鉛直方向に近づけて配置できない場合に有効である。
【0034】
請求項12に記載の発明によれば、前記第1の発光部と前記第1の受光部とが水平方向に並んでいる。前記第2の発光部と前記第2の受光部とが水平方向に並んでいる。前記揺動部材は、前記インク収容室内に収容されているインクの液面の位置に応じて、前記インク収容室に対して、第1の姿勢と第2の姿勢との間、及び、第2の姿勢と第3の姿勢との間で移動可能である。前記インクカートリッジが前記装着部に装着されたときであって、前記揺動部材が前記第1の姿勢にあるときに、前記被検知部は、前記第1の発光部と前記1の受光部との間に形成されている第1の光軸に交わり、且つ、前記第2の発光部と前記2の受光部との間に形成されている第2の光軸に交わらない。前記インクカートリッジが前記装着部に装着されたときであって、前記揺動部材が前記第2の姿勢にあるときに、前記被検知部は、前記第1の光軸に交わり、且つ、前記第2の光軸に交わる。前記インクカートリッジが前記装着部に装着されたときであって、前記揺動部材が前記第3の姿勢にあるときに、前記被検知部は、前記第1の光軸に交わらず、且つ、前記第2の光軸に交わる。
【0035】
この結果、インク液面検知システムは、インクの液面位置を少なくとも3段階で検知できる。
【0036】
請求項13に記載の発明によれば、前記揺動部材は、前記インク収容室内に収容されているインクの液面の位置に応じて、前記インク収容室に対して、前記第3の姿勢と第4の姿勢との間との間で移動可能である。前記インクカートリッジが前記装着部に装着されたときであって、前記揺動部材が前記第4の姿勢にあるときに、前記被検知部は、前記第1の光軸に交わらず、且つ、前記第2の光軸に交わらない。
【0037】
この結果、インク液面検知システムは、インクの液面位置を少なくとも4段階で検知できる。
【0038】
請求項14に記載の発明によれば、前記揺動部材が前記第1の姿勢にあるときに、前記浮き部は、前記第1の光学検知部及び前記第2の光学検知部より高い位置に位置し、前記揺動部材が前記第3の姿勢にあるときに、前記浮き部は、前記第1の光学検知部及び前記第2の光学検知部より低い位置に位置する。
【0039】
この結果、第1の光学検知部及び第2の光学検知部の上方から下方、もしくは、第1の光学検知部及び第2の光学検知部の下方から上方に移動する大きな液面の変化を検知できる。
【0040】
請求項15に記載の発明によれば、前記揺動部材が前記第1の姿勢にあるときに、前記浮き部は、前記第1の光学検知部及び前記第2の光学検知部より高い位置に位置し、前記揺動部材が前記第4の姿勢にあるときに、前記浮き部は、前記第1の光学検知部及び前記第2の光学検知部より低い位置に位置する。
【0041】
この結果、第1の光学検知部及び第2の光学検知部の上方から下方、もしくは、第1の光学検知部及び第2の光学検知部の下方から上方に移動する大きな液面の変化を検知できる。
【発明の効果】
【0042】
光学検知部の配置位置の自由度を確保しつつ、インク収容室内のインクの液面位置を多段階で検知できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、本発明をインクジェットプリンタ及びインクカートリッジからなるインク吐出システムに適用した実施形態を、図面を参照して説明する。
【0044】
[第1実施形態]
図1〜図27を参照して、本発明の第1実施形態であるインク吐出システムを説明する。
【0045】
<全体的構成>
図1は、本発明のインク液面検知システムの一例であるインク吐出システム1の全体的構成を示す概念図である。図1において、インク吐出システム1は、インクジェットプリンタ100と、本発明のインクタンク及びインクカートリッジの一例である少なくとも1つのインクカートリッジ10とを備える。インクジェットプリンタ100は、少なくとも1色のインク、例えば、ブラックインク、イエローインク、シアンインク、および、マゼンタインクの4色のインクを用いて、記録媒体、例えば、記録用紙に、画像を記録するように構成されている。インクジェットプリンタ100は、給紙装置110、搬送装置120、記録装置130を備えている。インクジェットプリンタ100は、また、第1のトレイ140と、第2のトレイ141とを備えている。搬送経路142が第1のトレイ140から第2のトレイ141に至るように形成されている。給紙装置110は、第1のトレイ140に収納されている複数の記録用紙を一枚ずつ搬送経路142に給紙するように構成されている。
【0046】
搬送装置120は、第1の搬送ローラー対121と第2の搬送ローラー対122とを有する。第1の搬送ローラー対121と第2の搬送ローラー対122とは搬送経路142に沿って配置されており、記録用紙が搬送される方向に関して、第1の搬送ローラー対121は記録装置130の上流側に配置されており、第2の搬送ローラー対122は記録装置130の下流側に配置されている。
【0047】
インクジェットプリンタ100は、プラテン145を備える。プラテン145は記録装置130の真下に配置されている。給紙装置110によって給紙された記録用紙は、第1の搬送ローラー対121によってプラテン145上に搬送される。記録装置130は、プラテン145上で搬送されている記録用紙に画像を記録する。プラテン145上を通過した記録用紙は、搬送経路142の最も下流に配置されている第2のトレイ141に収納されるように、第2の搬送ローラー対122により搬送される。
【0048】
記録装置130は、キャリッジ131と、キャリッジ131上に配置された記録ヘッド132とヘッド制御基板133とを有する。複数のノズル134が記録ヘッド132に形成されている。記録ヘッド132は少なくとも1つのサブタンク135、例えば、4つのサブタンク135を有する。キャリッジ131は図示しない複数のレールによって支持されており、図1の紙面に垂直な方向に、レール上を滑りながら往復運動するように構成されている。サブタンク135は、各々、ノズル134に供給されるインクを収容するように構成されている。例えば、各サブタンク135は互いに異なる色のインクを収容する。ヘッド制御基板133に信号が入力されると、ヘッド制御基板133は入力された信号に基づいて記録ヘッド132を制御し、ノズル134からインクを吐出させる。
【0049】
インクジェットプリンタ100は、インク供給装置30を備えている。インク供給装置30は、少なくとも一つの装着部300を有する。インクカートリッジ10が装着部300に取り外し可能に装着される。例えば、ブラックインク、イエローインク、シアンインク、および、マゼンタインクをそれぞれ収容する4つのインクカートリッジ10が、4つの装着部300にそれぞれ取り外し可能に装着される。インク供給装置30は、少なくとも1つの可撓性を有するチューブ350を有している。インク供給装置30は、例えば4つのチューブ350を有しており、チューブ350の一端は装着部300内に配置されているインク供給筒320に取り付けられており、チューブ350の他端はサブタンク135に設けられているチューブ継手に嵌めこまれて取り付けられている。インクカートリッジ10は、インク収容室11を有している。インクカートリッジ10が装着部300に装着されると、チューブ350を介してインク収容室11とサブタンク135とが連通する。記録ヘッド132からインクが吐出されると、それに応じて、インク収容室11からサブタンク135にインクが供給される。
【0050】
<インクカートリッジの構成>
図2(A)から図6を参照して、インクカートリッジ10の構成について説明する。
【0051】
図2(A)は、インクカートリッジ10の正面図であり、図2(B)は、インクカートリッジ10の側面図である。図2(A)及び図2(B)に示されているように、インクカートリッジ10は、幅方向12に幅を有し、奥行き方向13に奥行きを有し、高さ方向14に高さを有する、略直方体形状を有する。インクカートリッジ10の幅は、インクカートリッジ10の奥行き及び高さに比べて短い。
【0052】
インクカートリッジ10は、フレーム20と、一対の側壁21とを有する。フレーム20は、幅方向12に幅を有し、奥行き方向13に奥行きを有し、高さ方向14に高さを有する、略直方体形状を有する。フレーム20は、前壁22と、奥行き方向13において前壁22の反対側に位置する背壁23と、上壁24と、高さ方向14において上壁24の反対側に位置する下壁25とを有する。上壁24は、前壁22と背壁23とにつながっている。同様に、下壁25は、前壁22と背壁23とにつながっている。
【0053】
フレーム20は、透明もしくは半透明であり、光透過性を有している。例えば、可視光や赤外光がフレーム20を通過することができる。フレーム20は、例えば、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂材料により形成されている。
【0054】
一対の側壁21は、それぞれ、フレーム20の幅方向12の両端部に接続されている。例えば、一対の側壁21は、それぞれ、フレーム20の幅方向12の両端部に溶着されている、もしくは、接着剤により接着されている。
【0055】
図3は、一対の側壁21がフレーム20に接続されていない状態のフレーム20の側面図である。図3に示されているように、フレーム20の内部には、インク収容室11が形成されている。一対の側壁21がフレーム20の幅方向12の両端部に接続されることにより、フレーム20と一対の側壁21とにより、インク収容室11が画定される。
【0056】
図2(A)及び図2(B)に示されている一対の側壁21は、例えば、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂材料により形成されている。一対の側壁21がフレーム20の幅方向12の両端部に溶着される場合には、フレーム20の材質と一対の側壁21の材質とが同じであることが好ましい。一対の側壁21は、可撓性を有するフィルムであってもよい。すなわち、一対の側壁21は、力が一対の側壁21に加わった場合、一対の側壁21がインク収容室11に向かって撓む程度の厚みを有していてよい。例えば、一対の側壁21は、インク収容室11の内部が大気圧に対して減圧された場合、インク収容室11の内部の圧力とインク収容室11の外の大気圧との圧力差によって一対の側壁21がインク収容室11に向かって撓む程度の厚みを有していてよい。
【0057】
<弁機構の構成>
図4(A)は、図2(B)に示されているIVA−IVA線に従うインクカートリッジ10の断面図であり、図4(B)は、図2(A)に示されているIVB−IVB線に従うインクカートリッジ10の断面図である。図2(A)から図4(B)に示されているように、インクカートリッジ10は、フレーム20の前壁22に位置する、本発明の第1の弁機構の一例であるインク供給弁機構50と本発明の第2の弁機構の一例である大気導入弁機構60とを有する。インク供給弁機構50は、フレーム20の下壁25に近い位置に位置しており、大気導入弁機構60はフレーム20の上壁24に近い位置に位置している。
【0058】
図4(B)に示されているように、インク供給弁機構50は、円筒形状のインク供給室51と、樹脂製の弁体52と、ゴム製のシール部材53と、金属製のコイルスプリング54と、樹脂製のキャップ56とを有する。インク供給室51は、フレーム20の前壁22から奥行き方向13にインク収容室11から遠ざかるように延びており、インク供給室51は、第1端51Aと、奥行き方向13において第1端の反対側に位置する第2端51Bとを有する。第1端51Aは、第2端51Bよりもインク収容室11に近い。インク供給室51は、第1端51Aにおいて、インク収容室11と連通している。インク供給室51の第2端51Bはフレーム20の外に開口しており、インク供給室51の第2端51Bには、シール部材53が配置されている。シール部材53には、奥行き方向13にシール部材53を貫通する円筒形状の開口53Aが形成されている。キャップ56は、フレーム20に溶着されている。キャップ56には、奥行き方向13にキャップ56を貫通する略円錐形状の開口56Aが形成されている。シール部材53は、弾性変形した状態で、インク供給室51の第2端51Bを画定しているフレーム20の一部とキャップ56とに挟まれている。この結果、インク供給室51の第2端51Bを画定しているフレーム20の一部とシール部材53との間を介してのインク供給室51とインクカートリッジ10の外との間の連通が遮断されている。
【0059】
弁体52とコイルスプリング54とは、インク供給室51内に配置されている。突起57がインク供給室51の第1端51Aから第2端51Bに向かって延びている。突起57がコイルスプリング54の一端に挿入されることにより、コイルスプリング54が突起57に取り付けられている。弁体52は円筒形状の突起を有しており、弁体52の突起がコイルスプリング54の他端にに挿入されることにより、コイルスプリング54が弁体52に取り付けられている。コイルスプリング54は圧縮された状態にあり、弁体52をシール部材53に向かって押している。弁体52はシール部材53に接触しており、開口53Aの一端を覆っている。この結果、開口53Aを介しての、インク供給室51とインクカートリッジ10の外との間の連通が遮断されている。
【0060】
同様に、大気導入弁機構60は、円筒形状の大気導入室61と、樹脂製の弁体62と、ゴム製のシール部材63と、金属製のコイルスプリング64と、樹脂製のキャップ66とを有する。大気導入室61は、フレーム20の前壁22から奥行き方向13にインク収容室11から遠ざかるように延びており、大気導入室61は、第1端61Aと、奥行き方向13において第1端の反対側に位置する第2端61Bとを有する。第1端61Aは、第2端61Bよりもインク収容室11に近い。大気導入室61は、第1端61Aにおいて、インク収容室11と連通している。大気導入室61の第2端61Bはフレーム20の外に開口しており、インク供給室61の第2端61Bには、シール部材63が配置されている。シール部材63には、奥行き方向13にシール部材63を貫通する円筒形状の開口63Aが形成されている。キャップ66は、フレーム20に溶着されている。キャップ66には、奥行き方向13にキャップ66を貫通する略円錐形状の開口66Aが形成されている。シール部材63は、弾性変形した状態で、大気導入室61の第2端61Bを画定しているフレーム20の一部とキャップ66とに挟まれている。この結果、大気導入室61の第2端61Bを画定しているフレーム20の一部とシール部材63との間を介しての大気導入室61とインクカートリッジ10の外との間の連通が遮断されている。
【0061】
弁体62とコイルスプリング64とは、大気導入室61内に配置されている。突起67が大気導入室61の第1端61Aから第2端61Bに向かって延びている。突起67がコイルスプリング64の一端に挿入されることにより、コイルスプリング64が突起67に取り付けられている。弁体62は円筒形状の突起を有しており、弁体62の突起がコイルスプリング64の他端に挿入されることことにより、コイルスプリング64が弁体62に取り付けられている。コイルスプリング64は圧縮された状態にあり、弁体62をシール部材63に向かって押している。弁体62はシール部材63に接触しており、開口63Aの一端を覆っている。この結果、開口63Aを介しての、大気導入室61とインクカートリッジ10の外との間の連通が遮断されている。
【0062】
図2(A)から図4(B)に示されているように、フレーム20は、前壁22に凸部70を有する。凸部70は、前壁22から奥行き方向13に、背壁23から遠ざかる方向に延びている。凸部70は、略直方体形状を有しており、幅方向12における凸部70の幅は前壁22の幅より小さい。凸部70は、前壁71と、前壁71と前壁22とにつながっている一対の側壁72と、前壁71、前壁22、および、一対の側壁72につながっている上壁73と、高さ方向14において上壁73の反対側に位置し、前壁71、前壁22、および、一対の側壁72につながっている下壁74とを有する。図4(B)に示されているように、凸部70は、前壁71、一対の側壁72、上壁73、および、下壁74によって画定される内部空間75を有する。内部空間75は、インク収容室11の一部である。前述の通り、フレーム20は光透過性を有しているので、例えば、可視光や赤外光が凸部70を通過することができる。
【0063】
<揺動部材の構成>
図3から図4(B)に示されているように、インクカートリッジ10は、揺動部材90を有し、揺動部材90は、インク収容室11内に配置されている。図5(A)及び図5(B)は、それぞれ、揺動部材90がインクカートリッジ10から取り外された状態における、図4(A)及び4(B)に対応するインクカートリッジ10の断面図である。図3から図5(B)に示されているように、インクカートリッジ10は、フレーム20の下壁25から上壁24に向かって延びる一対の支持部材80を有する。一対の支持部材80と前壁22との距離は、一対の支持部材80と背壁23との距離よりも小さい。揺動部材90はインク収容室11内で一対の支持部材80に支持されている。
【0064】
図3から図5(B)に示されているように、一対の支持部材80は、幅方向12に並んでいる。各支持部材80は、土台81と、支持部82とを有する。土台81の下端は下壁25につながっており、土台81の上端は支持部82につながっている。支持部82は、側面視において、略C字形状を有している。支持部82は、奥行き方向13において、凸部70と並んでいる。
【0065】
揺動部材90は、黒顔料、例えば、カーボンブラックが添加された、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネイト、ポリオレフィン、アクリル樹脂等の樹脂材料により形成されている。揺動部材90にカーボンフラックが添加されているため、揺動部材90に光、例えば、可視光や赤外光、が照射された場合、揺動部材90は光を遮断する。すなわち、揺動部材90が光を吸収するので、光は揺動部材90を通過することができない。
【0066】
図6は、揺動部材90の斜視図である。図6に示されているように、揺動部材90は、略直方体形状の被検知部91と、略円筒形状の浮き部92と、略直方体形状の接続部93と、略円筒形状の軸94とを有している。接続部93の一端は被検知部91とつながっており、接続部93の他端は浮き部92とつながっている。軸94は、接続部93から幅方向12に延びている。軸94は、浮き部92よりも被検知部91の近くに位置している。
【0067】
図4(A)に示されているように、揺動部材90の接続部93は、幅方向12において、一対の支持部材80の間に位置している。軸94が接続部93から一対の支持部82の内部を通って幅方向12に延びている。軸94の径は、支持部82の内径より少し小さい。揺動部材90は、軸94の幅方向12に延びる中心軸を揺動中心として揺動可能に、一対の支持部82に支持されている。軸94は、軸94の幅方向12における両端に、円板形状の終端部94Aを有する。周端部94Aの径は、支持部82の外径とおおよそ等しい。揺動部材90は、インク収容室11に対して、奥行き方向13及び高さ方向14に平行な平面内で揺動可能である。例えば、浮き部92上のある点92Pは、図4(A)において、一点鎖線で示されている平面P1内で揺動可能である。
【0068】
浮き部92は、浮き部92の比重がインク収容室11に収容されるインクの比重より小さくなるように、内部に空洞を有している。浮き部92の体積は、被検知部91、接続部93、及び、軸94の体積の合計よりも大きい。また、浮き部92の質量は、被検知部91、接続部93、及び、軸94の質量の合計よりも大きい。よって、揺動部材90の動きは、浮き部92に加わる浮力と重力との関係から説明できる。インク収容室11内のインクの液面下に浮き部92が沈んでいるときは、浮き部92に加わる浮力が重力に勝るので、浮き部92は、インク収容室11に収容されたインクの液面に浮こうとする。よって、揺動部材90には、揺動部材90を図4(B)において反時計方向に移動させる力が加わる。一方、浮き部92の一部がインクの液面から露出すると、浮き部92に加わる浮力と重力とが等しくなる。インクの液面がさらに下降すると、浮き部92はインクの液面に従って下降する。浮き部92の下降に従い、揺動部材90は、図4(B)において時計方向に移動する。
【0069】
図4(B)に示されているように、被検知部91は、凸部70の内部空間75内に位置する。
【0070】
<インク供給装置及び装着部の構成>
図7から図9を参照して、4つの装着部300を有するインク供給装置30の構成について説明する。図中、水平面に平行な方向であって、互いに垂直な2つの方向をそれぞれ、X方向及びY方向とし、X方向及びY方向に垂直であって、重力方向に平行な方向をZ方向とする。
【0071】
図7は、インク供給装置30の正面図である。2つのインクカートリッジ10が2つの装着部300にそれぞれ装着されている。図8は、インク供給装置30の側面図である。図9は、図7に示されているIX−IX線に従う装着部300の断面図である。ただし、便宜上、第1の光学センサ330、第2の光学センサ332、及び、リミットスイッチ335は、その側面が示されている。また、光路330D及び光路332Dの位置も便宜上示されている。
【0072】
図7から図9に示されているように、各装着部300は略直方体形状を有する。各装着部300は、下壁301と、一対の側壁302と、上壁303と、背壁304とを有する。一対の側壁302は、下壁301のX方向の両端部からそれぞれZ方向に延びている。上壁303は、一対の側壁302の下壁301とは反対側の端部の間に架け渡されている。背壁304は、下壁301と、一対の側壁302と、上壁303とにつながっている。下壁301、一対の側壁302、及び、上壁303の、背壁304とは反対側の端部によって、開口305が画定されている。下壁301の背壁304とは反対側の端部の下面には、凹部301Aが形成されている。インクカートリッジ10は、開口305から背壁304に向かって、Y方向に平行な挿入方向に沿って、装着部300内に挿入されることにより、装着部300に取り外し可能に装着される。したがって、背壁304は、装着部300において、挿入方向の端部に位置する。
【0073】
円筒形状の軸306が一対の側壁302の一方から他方にかけてX方向に延びている。軸306は、Y方向において、上壁303と並んでいる。軸306は、上壁303の背壁304とは反対側の端部近傍に位置している。
【0074】
インク供給装置30は、さらに、4つの略直方体形状のドア310を有する。4つのドア310はそれぞれ4つの装着部300に対応して配置されている。ドア310の一端は2つの突起311を有する。各突起311には、突起311をX方向に貫通する開口が形成されている。軸306は、各突起311に形成されている開口を通って延びており、ドア310は軸306を中心として揺動可能なように、軸306に支持されている。ドア310の他端は、爪312を有する。ドア310が閉められると、すなわち、ドア310が装着部300に向かって移動して、爪312が凹部301Aに引っ掛かると、開口305がドア310によって覆われる。
【0075】
<弁開放部材の構成>
図7及び図9に示されているように、インク供給装置30は、4つの円筒形状のインク供給筒320を有する。なお、図7においては、4つのインク供給筒320のうち2つが示されており、図9においては、4つのインク供給筒320のうち1つが示されている。4つのインク供給筒320はそれぞれ4つの装着部300に対応して配置されている。インク供給筒320は、装着部300の背壁304に固定されており、背壁304から、開口305に向かって、突出している。インク供給筒320は、背壁304を貫通して、装着部300の外まで延びている。インク供給筒320は、装着部300の外において、チューブ350の内部に挿入されてチューブ350に取り付けられている。さらに、円形のクランプ(バンド)をチューブ350の外周に接触させ、そのクランプを締め付けることによって、チューブ350とインク供給筒320との取り付けを、より確実に行ってもよい。インク供給筒320は、本発明の第1の弁開放部材の一例である。
【0076】
図7及び図9に示されているように、インク供給装置30は、4つの円筒形状の大気導入筒325を有する。なお、図7においては、4つの大気導入筒325のうち2つが示されており、図9においては、4つの大気導入筒325のうち1つが示されている。4つのインク大気導入筒325はそれぞれ4つの装着部300に対応して配置されている。大気導入筒325は、装着部300の背壁304に固定されており、背壁304から、開口305に向かって、突出している。大気導入筒325は、背面壁304を貫通して、装着部300の外面に達している。大気導入筒325は、本発明の第2の弁開放部材の一例である。
【0077】
<光学検知部の構成>
図7及び図9に示されているように、インクジェットプリンタ100は、本発明の第1の光学検知部の一例である4つの第1の光学センサ330を備えている。なお、図7においては、4つの第1の光学センサ330のうち2つが、図9においては、4つの第1の光学センサ330のうち1つが示されている。4つの第1の光学センサ330はそれぞれ4つの装着部300に対応して配置されている。図10は、第1の光学センサ330の斜視図である。図10に示されているように、各第1の光学センサ330は略直方体形状の基部330Aと、略直方体形状の発光部330Bと、略直方体形状の受光部330Cとを有する。第1の光学センサ330は、装着部300の背壁304をY方向に貫通して形成されている開口内に配置されて、背壁304に固定されている。第1の光学センサ330は、インク供給筒320の上方に位置しており、また、大気導入筒325の下方に位置している。発光部330Bは、基部330AのX方向の一端から、装着部300の開口305に向かって延びている。また、受光部330Cは、基部330AのX方向の他端から、装着部300の開口305に向かって延びている。発光部330Bと受光部330CとはX方向に並んでいる。発光部330Bの受光部330Cと対向する面には長方形状のスリットが形成されている。発光部330Bは発光部330Bに形成されたスリットを介して、受光部330Cに向かって、光、例えば、可視光または赤外光を発する。受光部330Cの発光部330Bと対向する面には長方形状のスリット(不図示)が形成されている。受光部330Cは、受光部330Cに形成されたスリットを介して、発光部330Bから発せられた光を受光する。発光部330Bから受光部330Cの間に光路330Dが形成される。
【0078】
受光部330Cが、発光部330Bから発せられた光を所定の強度以上で受けているとき、受光部330Cは所定の値以上の電圧を出力する。受光部330Cが、発光330Bから発せられた光を所定の強度未満で受けているとき、受光部330Cは所定の値未満の電圧を出力する。受光部330Cが、発光部330Bから発せられた光を所定の強度未満で受けているときは、受光部330Cが、発光部330Bから発せられた光を全く受けていないとき、すなわち、受光部330Cが受けている光の強度がゼロのときも含む。また、受光部330Cが所定の値未満の電圧を出力するとは、受光部330Cが全く電圧を出力しない、すなわち、受光部330Cが出力する電圧値がグラウンドレベルのときも含む。このように、受光部330Cは予め決められた2つの状態をとる。後述するインクジェットプリンタ100の制御部400は、受光部330Cが所定の値以上の電圧を出力しているとき、受光部330CがON状態であると判断し、受光部330Cが所定の値未満の電圧を出力しているとき、受光部330CがOFF状態であると判断する。
【0079】
図7及び図9に示されているように、インクジェットプリンタ100は、本発明の第2の光学検知部の一例である4つの第2の光学センサ332を備えている。なお、図7においては、4つの第2の光学センサ332のうち2つが、図9においては、4つの第2の光学センサ332のうち1つが示されている。4つの第2の光学センサ332はそれぞれ4つの装着部300に対応して配置されている。第2の光学センサ332は、第1の光学センサ330と同じ構造を有している。したがって、図10は、第2の光学センサ332の斜視図であるとも言える。図10に示されているように、第2の光学センサ330は略直方体形状の基部332Aと、略直方体形状の発光部332Bと、略直方体形状の受光部332Cとを有する。第2の光学センサ332は、装着部300の背壁304をY方向に貫通して形成されている開口内に配置されて、背壁304に固定されている。第2の光学センサ332は、インク供給筒320の上方に位置しており、また、大気導入筒325の下方に位置している。第2の光学センサ332は、第1の光学センサ330の上方に位置している。発光部332Bは、基部332AのX方向の一端から、装着部300の開口305に向かって延びている。また、受光部332Cは、基部332AのX方向の他端から、装着部300の開口305に向かって延びている。発光部332Bと受光部332CとはX方向に並んでいる。発光部332Bは、第1の光学センサの発光部330BとZ方向に並んでおり、受光部332Cは、第1の光学センサの受光部330CとZ方向に並んでいる。発光部332Bの受光部332Cと対向する面には長方形状のスリットが形成されている。発光部332Bは発光部332Bに形成されたスリットを介して、受光部332Cに向かって、光、例えば、可視光または赤外光を発する。受光部332Cの発光部332Bと対向する面には長方形状のスリット(不図示)が形成されている。受光部332Cは、受光部332Cに形成されたスリットを介して、発光部332Bから発せられた光を受光する。発光部332Bから受光部332Cの間に光路332Dが形成される。発光部332Bが発する光の波長は、第1の光学センサ330の発光部330Bが発する光の波長と異なってよい。
【0080】
受光部332Cが、発光部332Bから発せられた光を所定の強度以上で受けているとき、受光部332Cは所定の値以上の電圧を出力する。受光部332Cが、発光332Bから発せられた光を所定の強度未満で受けているとき、受光部332Cは所定の値未満の電圧を出力する。受光部332Cが、発光部332Bから発せられた光を所定の強度未満で受けているときは、受光部332Cが、発光部332Bから発せられた光を全く受けていないとき、すなわち、受光部332Cが受けている光の強度がゼロのときも含む。また、受光部332Cが所定の値未満の電圧を出力するとは、受光部332Cが全く電圧を出力しない、すなわち、受光部332Cが出力する電圧値がグラウンドレベルのときも含む。このように、受光部332Cは予め決められた2つの状態をとる。後述するインクジェットプリンタ100の制御部400は、受光部332Cが所定の値以上の電圧を出力しているとき、受光部332CがON状態であると判断し、受光部332Cが所定の値未満の電圧を出力しているとき、受光部332CがOFF状態であると判断する。
【0081】
<装着検知部の構成>
図7及び図9に示されているように、インクジェットプリンタ100は、インクカートリッジ10が装着部300に装着されていることを検知する4つのリミットスイッチ335を備えている。なお、図7においては、4つのリミットスイッチ335のうち2つが、図9においては、4つのリミットスイッチ335のうち1つが示されている。4つのリミットスイッチ335はそれぞれ4つの装着部300に対応して配置されている。リミットスイッチ335は、装着部300の背壁304をY方向に貫通して形成されている開口内に配置されて、背壁304に固定されている。リミットスイッチ335は、ケース335Aと、ケース335Aの内部からケース335Aの外へ延びており、ケース335Aに対して移動可能なアクチュエータ335Bとを有している。ケース335Aの内部において、不図示の可動接点がアクチュエータ335Bに固定されている。可動接点はアクチュエータ335Bとともに、ケース335Aに対して移動可能である。ケース335Aの内部には、ケース335Aに対して固定されている不図示の固定接点が配置されている。アクチュエータ335Bのケース335Aに対する位置により、可動接点は、固定接点と接触した状態および固定接点から離れた状態をとり得る。
【0082】
可動接点が固定接点に接触しているとき、リミットスイッチ335は、所定の値以上の電圧を出力する。可動接点が固定接点から離れているとき、リミットスイッチ335は、所定の値未満の電圧を出力する。リミットスイッチ335が所定の値未満の電圧を出力するとは、リミットスイッチ335が全く電圧を出力しない、すなわち、リミットスイッチ335が出力する電圧値がグラウンドレベルのときも含む。このように、リミットスイッチ335は予め決められた2つの状態をとる。後述するインクジェットプリンタ100の制御部400は、リミットスイッチ335が所定の値以上の電圧を出力しているとき、リミットスイッチ335がON状態であると判断し、リミットスイッチ335が所定の値未満の電圧を出力しているとき、リミットスイッチ335がOFF状態であると判断する。インクカートリッジ10が装着部300に装着されていないときは、リミットスイッチ335の可動接点は固定接点から離れており、リミットスイッチ335はOFF状態と判断される。
【0083】
インク供給筒320、大気導入筒325、第1の光学センサ330、第2の光学センサ332、及び、リミットスイッチ335は、Z方向に並んで配置されている。
【0084】
<装着部とインクカートリッジとの関係>
図11は、図9に示されている装着部300にインクカートリッジ10が装着された状態における、図7に示されているIX−IX線に従うインクカートリッジ10及び装着部300の断面図である。ただし、便宜上、第1の光学センサ330、第2の光学センサ332、及び、リミットスイッチ335は、その側面が示されている。図中、ドア310は閉められている。インクカートリッジ10が装着部300に装着されると、幅方向12がX方向に一致し、奥行き方向13がY方向に一致し、高さ方向14がZ方向に一致する。
【0085】
図11に示されているように、インクカートリッジ10が装着部300に装着され、ドア310が閉められると、浮き部92及び被検知部91は、平面P2が浮き部92と被検知部91との間に位置するように配置される。平面P2は、奥行き方向13及び高さ方向14に平行な平面に垂直であって、揺動部材90の揺動中心に交わり、且つ、Z方向に平行な平面である。奥行き方向13及び高さ方向14に平行な平面は、例えば、図4(A)に示されている平面P1である。
【0086】
図11に示されているように、インクカートリッジ10が装着部300に装着され、ドア310が閉められると、凸部70が第1の光学センサ330の発光部330Bと受光部330Cとの間に位置し、一対の側壁72の一方が発光部330Bに対向し、他方が受光部330Cに対向する。このとき、光路330Dが一対の側壁72と交わる。また、光路330Dは、揺動部材90の揺動に伴い被検知部91がインク収容室11及び第1の光学センサ330に対して移動するときの被検知部91の移動軌跡と交わる。光路330Dが被検知部91と交わるときは、被検知部91は、発光部330Bから発せられた光を遮断する。このとき、受光部330Cの状態はOFF状態と判断される。光路330Dが被検知部91と交わらないときは、発光部330Bから発せられた光は一対の側壁72を通過し、受光部330Cに到る。このとき、受光部330Cの状態はON状態と判断される。
【0087】
同様に、インクカートリッジ10が装着部300に装着され、ドア310が閉められると、凸部70が第2の光学センサ332の発光部332Bと受光部332Cとの間に位置し、一対の側壁72の一方が発光部332Bに対向し、他方が受光部332Cに対向する。このとき、光路332Dが一対の側壁72と交わる。また、光路332Dは、揺動部材90の揺動に伴い被検知部91がインク収容室11及び第2の光学センサ332に対して移動するときの被検知部91の移動軌跡と交わる。光路332Dが被検知部91と交わるときは、被検知部91は、発光部332Bから発せられた光を遮断する。このとき、受光部332Cの状態はOFF状態と判断される。光路332Dが被検知部91と交わらないときは、発光部332Bから発せられた光は一対の側壁72を通過し、受光部332Cに到る。このとき、受光部332Cの状態はON状態と判断される。
【0088】
図11に示されているように、インクカートリッジ10が装着部300に装着されると、凸部70の前壁71がリミットスイッチ335のアクチュエータ335Bに接触し、アクチュエータ335Bをケース335Aの中に押し込む。このとき、リミットスイッチ335の可動接点は固定接点と接触し、リミットスイッチ335はON状態と判断される。このように、リミットスイッチ335により、インクカートリッジ10が装着部300に装着されていることを検知できる。
【0089】
図11に示されているように、インクカートリッジ10が装着部300に装着されると、インク供給筒320がインク供給弁機構50を開放する。すなわち、インク供給筒320が、キャップ56の開口56A及びシール部材53の開口53Aを通って、コイルスプリング54が弁体52を押す力に抗して、弁体52をインク供給室51の第1端51Aに向かって押す。このとき、シール部材53は、インク供給筒320の外周に弾性変形しつつ接触する。弁体52は、インク供給室51の第1端51Aに向かって押されると、シール部材53から離れる。この結果、インク供給室51がインク供給筒320を介してチューブ350と連通する。よって、インク収容室11が、インク供給室51、インク供給筒320、及び、チューブ350を介して、サブタンク135と連通し、インク収容室11からサブタンク135へのインクの供給が可能となる。
【0090】
図11に示されているように、インクカートリッジ10が装着部300に装着されると、大気導入筒325が大気導入弁機構60を開放する。すなわち、大気導入筒325が、キャップ66の開口66A及びシール部材63の開口63Aを通って、コイルスプリング64が弁体62を押す力に抗して、弁体62を大気導入室61の第1端61Aに向かって押す。このとき、シール部材63は、大気導入筒325の外周に弾性変形しつつ接触する。弁体62は、大気導入室61の第1端61Aに向かって押されると、シール部材63から離れる。この結果、大気導入室61が大気導入筒325を介して装着部300の外の空間と連通する。よって、インク収容室11が、大気導入室61、及び、大気導入筒325を介して、装着部300の外の空間と連通し、装着部300の外の空間からインク収容室11に大気を導入することが可能となる。
【0091】
<電気的構成>
図12は、インクジェットプリンタ100の電気的構成の概略を示すブロック図である。図12に示されているように、インクジェットプリンタ100は、制御部400を有する。制御部400は、インクジェットプリンタ100の動作を制御し、また、各種の判断を行うように構成されている。制御部400は、中央処理装置(Central Processing Unit、略してCPU)402、リードオンリーメモリ(Read−Only Memory、略してROM)404、ランダムアクセスメモリ(Ramdom Access Memory、略してRAM)406、エレクトリカリーイレイザブルプログラマブルリードオンリーメモリ(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory、略してEEPROM)408、及び、アプリケーションスペスィフィックインテグレイティッドサーキット(Application Specific Integrated Circuit、略してASIC)410を主とするマイクロコンピュータとして構成されている。
【0092】
ROM404には、CPU402がインクジェットプリンタ100の各種動作を制御するためのプログラムや、後述する図17から図20のフローチャートに示されている処理を実行するプログラム等の各種判断を行うためのプログラムなどが格納されている。RAM406には、CPU402が上記プログラムを実行する際に各種データを一時的に記憶する記憶領域又は作業領域として使用される。EEPROM408には、インクジェットプリンタ100の電源をオフした後も保持すべき情報が格納される。
【0093】
ASIC410には、ヘッド制御基板133、第1の光学センサ330、第2の光学センサ332、リミットスイッチ335、及び、表示部340が電気的に接続されている。なお、図示されていないが、給紙装置110や搬送装置120を駆動させる駆動回路や、外部のパーソナルコンピュータとの間で信号を入出力するための入出力部や、ユーザーがインクジェットプリンタ100に対して印刷指示等を行うための指示入力部などもASIC410に電気的に接続されている。
【0094】
表示部340は、各種の情報をユーザーに対して表示するためのものであり、例えば、液晶ディスプレイ(Liguid Crystal Display略してLCD)によって構成されている。表示部340は、インクカートリッジ10に収容されているインク残量を表示する、残量表示部340A(図21(A)から図21(E)を参照のこと)を有している。
【0095】
制御部400は、外部のパーソナルコンピュータ(不図示)や指示入力部(不図示)から印刷指示を受けた場合、ヘッド制御基板133に信号を送る。ヘッド制御基板133は、制御部400から受けた信号に基づいて、記録ヘッド132からのインク吐出を制御するように構成されている。
【0096】
第1の光学センサ330の発光部330B及び第2の光学センサ332の発光部332Bは、制御部400から信号を受けると、光、例えば、可視光や赤外光を発するように構成されている。
【0097】
制御部400は、必要に応じて、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態、及び、第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がON状態かOFF状態かを判断するように構成されている。制御部400は、図17から図20のフローチャートに示されているように、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態、及び、第2の光学センサ332の受光部332Cの状態を所定の複数のステップに従って判断することにより、装着部300に装着されたインクカートリッジ10に収容されているインク残量を判断するように構成されている。また、制御部400は、その判断結果に基づき、表示部340の残量表示部340Aにインク残量を表示させる。
【0098】
<動作及び作用>
以上説明した構成からなる本実施形態の動作及び作用について、図面を参照して説明する。
【0099】
図11、及び、図13から図16を参照して、インク収容室11内のインクの液面の低下に伴う揺動部材90の動きについて説明する。
【0100】
新品のインクカートリッジ10は、揺動部材90がインク中に沈む程度の量のインクをインク収容室11内に有している。すなわち、インク収容室11内で、揺動部材90は、インクの液面下にある。図11に示されているように、インクカートリッジ10が装着部300に装着された状態において、浮き部92は、インク収容室11に収容されているインクの液面Lに近づこうとする。浮き部92がインクの液面Lに近づこうとすると、揺動部材90は、図11において、反時計方向に移動しようとする。しかしながら、被検知部91が下壁74に接触しているため、揺動部材90の移動が規制され、揺動部材90は、被検知部91が下壁74に接触した姿勢を保つ。このとき、浮き部92は、第1の光学センサ330、第2の光学センサ332、及び、支持部82より高い位置に位置する。また、被検知部91は第1の光学センサ330の光路330Dと交わっており、発光部330Bから光が発せられた場合、被検知部91はその光を遮断する。すなわち、発光部330Bから光が発せられた場合、受光部330CはOFF状態と判断される。一方、被検知部91は第2の光学センサ332の光路332Dと交わっておらず、発光部332Bから光が発せられた場合、その光は、凸部70の一対の側壁72を通って、受光部332Cに達する。すなわち、発光部332Bから光が発せられた場合、受光部332CはON状態と判断される。
【0101】
記録ヘッド132から記録用紙上にインクが吐出させると、それに伴い、インク収容室11からサブタンク135にインクが供給される。インク収容室11内のインクが消費されると、インク収容室11内のインクの液面Lが下降する。図13は、インク収容室11内のインクの液面Lが第1の液面位置にあるときの、図11と同様のインクカートリッジ10及び装着部300の断面図である。図14は、インク収容室11内のインクの液面Lが第2の液面位置にあるときの、図11と同様のインクカートリッジ10及び装着部300の断面図である。図15は、インク収容室11内のインクの液面Lが第3の液面位置にあるときの、図11と同様のインクカートリッジ10及び装着部300の断面図である。図16は、インク収容室11内のインクの液面Lが第4の液面位置にあるときの、図11と同様のインクカートリッジ10及び装着部300の断面図である。
【0102】
インク収容室11からサブタンク135にインクが供給されていき、インク収容室11内のインクの液面Lが第1の液面位置に達すると、図13に示されているように、揺動部材90の浮き部92の一部がインクの液面Lからインク収容室11内の空気中に露出し、浮き部92に加わる重力と浮力とが等しくなる。第1の液面位置は、第1の光学センサ330、第2の光学センサ332、及び、支持部82より高い。また、液面Lが第1の液面位置にあるとき、浮き部92は、第1の光学センサ330、第2の光学センサ332、及び、支持部82より高い位置に位置する。
【0103】
インク収容室11からサブタンク135にインクがさらに供給されていくと、揺動部材90は、インクの液面Lの低下に従って、図13において、時計方向に移動する。そして、図14に示されているように、インクの液面Lが第2の液面位置に達すると、被検知部91は、第1の光学センサ330の光路330Dと交わりつつ、第2の光学センサ332の光路332Dとも交わる姿勢となる。このとき、第1の光学センサ330の発光部330Bから光が発せられた場合、被検知部91はその光を遮断する。すなわち、発光部330Bから光が発せられた場合、受光部330CはOFF状態と判断される。また、第2の光学センサ332の発光部332Bから光が発せられた場合、被検知部91はその光を遮断する。すなわち、発光部332Bから光が発せられた場合、受光部332CはOFF状態と判断される。第2の液面位置は、第1の光学センサ330、第2の光学センサ332、及び、支持部82より高い。また、液面Lが第2の液面位置にあるとき、浮き部92は、第1の光学センサ330、第2の光学センサ332、及び、支持部82より高い位置に位置する。
【0104】
インク収容室11からサブタンク135にインクがさらに供給されていくと、揺動部材90は、インクの液面Lの低下に従って、図14において、時計方向に移動する。そして、図15に示されているように、インクの液面Lが第3の液面位置に達すると、被検知部91は、第1の光学センサ330の光路330Dと交わらなくなり、第2の光学センサ332の光路332Dと交わる姿勢となる。このとき、第1の光学センサ330の発光部330Bから光が発せられた場合、その光は、凸部70の一対の側壁72を通って、受光部330Cに達する。すなわち、発光部330Bから光が発せられた場合、受光部330CはON状態と判断される。一方、第2の光学センサ332の発光部332Bから光が発せられた場合、被検知部91はその光を遮断する。すなわち、発光部332Bから光が発せられた場合、受光部332CはOFF状態と判断される。第3の液面位置は、第1の光学センサ330、第2の光学センサ332、及び、支持部82と同じくらいの高さにある。また、液面Lが第3の液面位置にあるとき、浮き部92は、第1の光学センサ330、第2の光学センサ332、及び、支持部82と同じくらいの高さにある。
【0105】
インク収容室11からサブタンク135にインクがさらに供給されていくと、揺動部材90は、インクの液面Lの低下に従って、図15において、時計方向に移動する。そして、図16に示されているように、インクの液面Lが第4の液面位置に達すると、被検知部91は、第1の光学センサ330の光路330Dとも第2の光学センサ332の光路332Dとも交わらない姿勢となる。このとき、第1の光学センサ330の発光部330Bから光が発せられた場合、その光は、凸部70の一対の側壁72を通って、受光部330Cに達する。すなわち、発光部330Bから光が発せられた場合、受光部330CはON状態と判断される。また、第2の光学センサ332の発光部332Bから光が発せられた場合、その光は、凸部70の一対の側壁72を通って、受光部332Cに達する。すなわち、発光部332Bから光が発せられた場合、受光部332CはON状態と判断される。第4の液面位置は、第1の光学センサ330、第2の光学センサ332、及び、支持部82より低い。また、液面Lが第4の液面位置にあるとき、浮き部92は、第1の光学センサ330、第2の光学センサ332、及び、支持部82より低い位置に位置する。
【0106】
図17から図20は、制御部400によって行われるインクカートリッジ10のインク収容室11内のインク残量を判断する処理のステップを示すフローチャートである。制御部400は、リミットスイッチ335の状態を監視し、リミットスイッチ335の状態がOFF状態からON状態になったときに、図17から図20の判断処理を開始する。すなわち、図17から図20の判断処理は、装着部300にインクカートリッジ10が装着されたことが検知されたときに、開始される。図21(A)から図21(E)は、表示部340の残量表示部340Aを示す図である。
【0107】
以下、判断処理における各ステップをSと略す。判断処理が開始されると、制御部400は、S1において、第1の光学センサ330の発光部330B及び第2の光学センサ332の発光部332Bを発光させ、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がON状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がON状態であるかを判断する。
【0108】
制御部400は、S1において、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がON状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がON状態、という条件を満たさないと判断した場合には、S2において、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がOFF状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がON状態であるかを判断する。
【0109】
受光部330Cの状態がOFF状態且つ受光部332Cの状態がON状態であることは、インク収容室11内の液面Lの位置が第2の液面位置より高いことを意味する。したがって、制御部400は、S2において、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がOFF状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がON状態である判断した場合、S3において、インク収容室内11内のインク残量が、液面Lの位置が第2の液面位置より高くなるだけの量であると判断し、その旨、表示部340の残量表示部340Aに表示させる。具体的には、残量表示部340Aは、図21(A)に示されているように、インク残量を表示する。その後、制御部400は、第1の光学センサ330の発光部330B及び第2の光学センサ332の発光部332Bの発光を停止させる。
【0110】
その後、制御部400は、S4において、第1の光学センサ330の発光部330B及び第2の光学センサ332の発光部332Bを発光させ、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がOFF状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がON状態であるかを判断する。制御部400は、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がOFF状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がON状態であると判断した場合、S4を定期的に繰り返す。
【0111】
制御部400は、S4において、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がOFF状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がON状態、という条件を満たさないと判断した場合、S5において、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がOFF状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がOFF状態であるかを判断する。
【0112】
受光部330Cの状態がOFF状態且つ受光部332Cの状態がOFF状態であることは、インク収容室11内の液面Lの位置が第2の液面位置に達したことを意味する。したがって、制御部400は、S5において、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がOFF状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がOFF状態である判断した場合、S6において、インク収容室内11内のインク残量が、液面Lの位置が第2の液面位置となる量であると判断し、その旨、表示部340の残量表示部340Aに表示させる。具体的には、残量表示部340Aは、図21(B)に示されているように、インク残量を表示する。その後、制御部400は、第1の光学センサ330の発光部330B及び第2の光学センサ332の発光部332Bの発光を停止させる。
【0113】
その後、制御部400は、S7において、第1の光学センサ330の発光部330B及び第2の光学センサ332の発光部332Bを発光させ、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がOFF状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がOFF状態であるかを判断する。制御部400は、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がOFF状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がOFF状態であると判断した場合、S7を定期的に繰り返す。
【0114】
制御部400は、S7において、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がOFF状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がOFF状態、という条件を満たさないと判断した場合、S8において、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がON状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がOFF状態であるかを判断する。
【0115】
受光部330Cの状態がON状態且つ受光部332Cの状態がOFF状態であることは、インク収容室11内の液面Lの位置が第3の液面位置に達したことを意味する。したがって、制御部400は、S8において、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がON状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がOFF状態である判断した場合、S9において、インク収容室内11内のインク残量が、液面Lの位置が第3の液面位置となる量であると判断し、その旨、表示部340の残量表示部340Aに表示させる。具体的には、残量表示部340Aは、図21(C)に示されているように、インク残量を表示する。その後、制御部400は、第1の光学センサ330の発光部330B及び第2の光学センサ332の発光部332Bの発光を停止させる。
【0116】
その後、制御部400は、S10において、第1の光学センサ330の発光部330B及び第2の光学センサ332の発光部332Bを発光させ、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がON状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がOFF状態であるかを判断する。制御部400は、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がON状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がOFF状態であると判断した場合、S10を定期的に繰り返す。
【0117】
制御部400が、S10において、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がON状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がOFF状態、という条件を満たさないと判断した場合、それは、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がON状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がON状態であることを意味する。そして受光部330Cの状態がON状態且つ受光部332Cの状態がON状態であることは、インク収容室11内の液面Lの位置が第4の液面位置に達したことを意味する。したがって、制御部400は、S10において、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がON状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がOFF状態、という条件を満たさないと判断した場合、S11において、インク収容室内11内のインク残量が、液面Lの位置が第4の液面位置となる量であると判断し、その旨、表示部340の残量表示部340Aに表示させる。具体的には、残量表示部340Aは、図21(D)に示されているように、インク残量を表示する。制御部400は、さらに、表示部340に所定のメッセージを表示させ、ユーザーにインクカートリッジ10内のインク残量が少ないことを通知する。その後、制御部400は、第1の光学センサ330の発光部330B及び第2の光学センサ332の発光部332Bの発光を停止させる。
【0118】
その後、制御部400は、S12において、記録ヘッド132がインクを吐出した回数を数え始める。そして、S13において、記録ヘッド132がインクを吐出した回数が所定の回数を上回ったか判断する。制御部400は、記録ヘッド132がインクを吐出した回数が所定の回数を上回っていないと判断した場合、S13を定期的に繰り返す。
【0119】
制御部400は、S13において、記録ヘッド132がインクを吐出した回数が所定の回数を上回ったと判断した場合、S14において、インク収容室11が空になった旨、表示部340の残量表示部340Aに表示させる。具体的には、残量表示部340Aは、図21(E)に示されているように、インク残量を表示する。また、制御部400は、例えば、表示部340に所定のメッセージを表示させ、ユーザーにインクカートリッジ10を新しいものに交換するよう促し、図17から図20のフローチャートに示されている判断処理を終了する。
【0120】
制御部400が、S1において、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がON状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がON状態であると判断した場合は、装着部300に装着されたインクカートリッジ10のインク収容室11内の液面Lの位置が第4の液面位置以下であることを意味する。その場合、インク収容室11が空であることも考えられる。したがって、制御部400は、S1において、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がON状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がON状態であると判断した場合は、S15において、インク収容室11が空である旨、表示部340の残量表示部340Aに表示させる。具体的には、残量表示部340Aは、図21(E)に示されているように、インク残量を表示する。また、制御部400は、例えば、表示部340に所定のメッセージを表示させ、ユーザーにインクカートリッジ10を新しいものに交換するよう促し、図17から図20のフローチャートに示されている判断処理を終了する。
【0121】
制御部400は、S2において、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がOFF状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がON状態、という条件を満たさないと判断した場合、S5に進む。
【0122】
制御部400は、S5において、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がOFF状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がOFF状態、という条件を満たさないと判断した場合、S16において、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がON状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がOFF状態であるか判断する。制御部400は、S16において、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がON状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がOFF状態であると判断した場合、S9に進む。制御部400は、S16において、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がON状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がOFF状態、という条件を満たさないと判断した場合、S11に進む。
【0123】
制御部400は、S8において、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がON状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がOFF状態、という条件を満たさないと判断した場合、S11に進む。
【0124】
制御部400は、図17から図20のフローチャートに示す判断処理の間、常に発光部330B及び発光部332Bを発光させていてもよいし、受光部330C及び受光部332Cの状態を判断するときだけ、発光部330B及び発光部332Bを発光させてもよい。
【0125】
このように、本発明のインク液面検知システムの一例であるインク吐出システム1は、インク収容室11内のインクの液面を多段階で検知し、それに基づいて、残量表示部340Aにインク残量を表示する。
【0126】
本実施形態においては、例えば、4つのインクカートリッジ10がそれぞれ4つの装着部300に装着される。図17から図20のフローチャートに示す判断処理は、各インクカートリッジ10毎に行われる。
【0127】
図22は、図13及び図16から、それぞれ、揺動部材90と液面Lを抜き出して重ね合わせた図である。なお、図22において、便宜上、ハッチングは省略されている。また、図16から抜き出した揺動部材90は点線で表されている。
【0128】
図22に示されているように、浮き部92は、浮き部92のうち揺動中心から最も遠い位置に位置する第1端92Aを有し、被検知部91は、被検知部91のうち揺動中心から最も遠い位置に位置する第2端91Aを有する。揺動中心と第1端92Aとの間の第1の距離L1は、揺動中心と第2端91Aとの間の第2の距離L2より大きい。したがって、液面Lが第1の液面位置から第4の液面位置に移動したときの、鉛直方向における、第1端92Aの移動距離D2と第2端91Aの移動距離D3とを比較すると、第1端92Aの移動距離D2は、第1の液面位置と第4の液面位置との間の距離D1とおおよそ等しいのに対し、第2端91Aの移動距離D3は、第1の液面位置と第4の液面位置との間の距離D1よりも小さい。したがって、インク吐出システム1に、第1の液面位置と第4の液面位置とを検知させる場合であっても、鉛直方向において、液面位置間の距離よりも近接して第1の光学センサ330及び第2の光学センサ332を配置できる。本実施形態のように、鉛直方向において、第1の光学センサ330及び第2の光学センサ332が、インク供給筒320と大気導入筒325との間の狭い空間に配置されなければならない場合、鉛直方向において、第1の光学センサ330及び第2の光学センサ332を近接して配置できることは、有利である。
【0129】
図23は、図13及び図15から、それぞれ、揺動部材90と液面Lを抜き出して重ね合わせた図である。なお、図23において、便宜上、ハッチングは省略されている。また、図15から抜き出した揺動部材90は点線で表されている。
【0130】
揺動中心と第1端92Aとの間の第1の距離L1は、揺動中心と第2端91Aとの間の第2の距離L2より大きい。したがって、図23に示されているように、液面Lが第1の液面位置から第3の液面位置に移動したときの、鉛直方向における、第1端92Aの移動距離D5と第2端91Aの移動距離D6とを比較すると、第1端92Aの移動距離D5は、第1の液面位置と第3の液面位置との間の距離D4とおおよそ等しいのに対し、第2端91Aの移動距離D6は、第1の液面位置と第3の液面位置との間の距離D4よりも小さい。したがって、インク吐出システム1に、第1の液面位置と第3の液面位置とを検知させる場合であっても、鉛直方向において、液面位置間の距離よりも近接して第1の光学センサ330及び第2の光学センサ332を配置できる。本実施形態のように、鉛直方向において、第1の光学センサ330及び第2の光学センサ332が、インク供給筒320と大気導入筒325との間の狭い空間に配置されなければならない場合、鉛直方向において、第1の光学センサ330及び第2の光学センサ332を近接して配置できることは、有利である。
【0131】
図24は、図13及び図14から、それぞれ、揺動部材90と液面Lを抜き出して重ね合わせた図である。なお、図24において、便宜上、ハッチングは省略されている。また、図14から抜き出した揺動部材90は点線で表されている。
【0132】
揺動中心と第1端92Aとの間の第1の距離L1は、揺動中心と第2端91Aとの間の第2の距離L2より大きい。したがって、図24に示されているように、液面Lが第1の液面位置から第2の液面位置に移動したときの、鉛直方向における、第1端92Aの移動距離D8と第2端91Aの移動距離D9とを比較すると、第1端92Aの移動距離D8は、第1の液面位置と第2の液面位置との間の距離D7とおおよそ等しいのに対し、第2端91Aの移動距離D9は、第1の液面位置と第2の液面位置との間の距離D7よりも小さい。したがって、インク吐出システム1に、第1の液面位置と第2の液面位置とを検知させる場合であっても、鉛直方向において、液面位置間の距離よりも近接して第1の光学センサ330及び第2の光学センサ332を配置できる。本実施形態のように、鉛直方向において、第1の光学センサ330及び第2の光学センサ332が、インク供給筒320と大気導入筒325との間の狭い空間に配置されなければならない場合、鉛直方向において、第1の光学センサ330及び第2の光学センサ332を近接して配置できることは、有利である。
【0133】
図25は、図14及び図16から、それぞれ、揺動部材90と液面Lを抜き出して重ね合わせた図である。なお、図25において、便宜上、ハッチングは省略されている。また、図16から抜き出した揺動部材90は点線で表されている。
【0134】
揺動中心と第1端92Aとの間の第1の距離L1は、揺動中心と第2端91Aとの間の第2の距離L2より大きい。したがって、図25に示されているように、液面Lが第2の液面位置から第4の液面位置に移動したときの、鉛直方向における、第1端92Aの移動距離D11と第2端91Aの移動距離D12とを比較すると、第1端92Aの移動距離D11は、第2の液面位置と第4の液面位置との間の距離D10とおおよそ等しいのに対し、第2端91Aの移動距離D12は、第2の液面位置と第4の液面位置との間の距離D10よりも小さい。したがって、インク吐出システム1に、第2の液面位置と第4の液面位置とを検知させる場合であっても、鉛直方向において、液面位置間の距離よりも近接して第1の光学センサ330及び第2の光学センサ332を配置できる。本実施形態のように、鉛直方向において、第1の光学センサ330及び第2の光学センサ332が、インク供給筒320と大気導入筒325との間の狭い空間に配置されなければならない場合、鉛直方向において、第1の光学センサ330及び第2の光学センサ332を近接して配置できることは、有利である。
【0135】
図26は、図14及び図15から、それぞれ、揺動部材90と液面Lを抜き出して重ね合わせた図である。なお、図26において、便宜上、ハッチングは省略されている。また、図15から抜き出した揺動部材90は点線で表されている。
【0136】
揺動中心と第1端92Aとの間の第1の距離L1は、揺動中心と第2端91Aとの間の第2の距離L2より大きい。したがって、図26に示されているように、液面Lが第2の液面位置から第3の液面位置に移動したときの、鉛直方向における、第1端92Aの移動距離D14と第2端91Aの移動距離D15とを比較すると、第1端92Aの移動距離D14は、第2の液面位置と第3の液面位置との間の距離D13とおおよそ等しいのに対し、第2端91Aの移動距離D15は、第2の液面位置と第3の液面位置との間の距離D13よりも小さい。したがって、インク吐出システム1に、第2の液面位置と第3の液面位置とを検知させる場合であっても、鉛直方向において、液面位置間の距離よりも近接して第1の光学センサ330及び第2の光学センサ332を配置できる。本実施形態のように、鉛直方向において、第1の光学センサ330及び第2の光学センサ332が、インク供給筒320と大気導入筒325との間の狭い空間に配置されなければならない場合、鉛直方向において、第1の光学センサ330及び第2の光学センサ332を近接して配置できることは、有利である。
【0137】
図27は、図15及び図16から、それぞれ、揺動部材90と液面Lを抜き出して重ね合わせた図である。なお、図27において、便宜上、ハッチングは省略されている。また、図16から抜き出した揺動部材90は点線で表されている。
【0138】
揺動中心と第1端92Aとの間の第1の距離L1は、揺動中心と第2端91Aとの間の第2の距離L2より大きい。したがって、図27に示されているように、液面Lが第3の液面位置から第4の液面位置に移動したときの、鉛直方向における、第1端92Aの移動距離D17と第2端91Aの移動距離D18とを比較すると、第1端92Aの移動距離D17は、第3の液面位置と第4の液面位置との間の距離D16とおおよそ等しいのに対し、第2端91Aの移動距離D18は、第3の液面位置と第4の液面位置との間の距離D16よりも小さい。したがって、インク吐出システム1に、第3の液面位置と第4の液面位置とを検知させる場合であっても、鉛直方向において、液面位置間の距離よりも近接して第1の光学センサ330及び第2の光学センサ332を配置できる。本実施形態のように、鉛直方向において、第1の光学センサ330及び第2の光学センサ332が、インク供給筒320と大気導入筒325との間の狭い空間に配置されなければならない場合、鉛直方向において、第1の光学センサ330及び第2の光学センサ332を近接して配置できることは、有利である。
【0139】
本実施形態においては、浮き部92は内部に空洞を有していたが、揺動部材90が、インク収容室11に収容されるインクの比重より小さい材質で形成されている場合には、浮き部92は内部に空洞を有していなくてもよい。
【0140】
本実施形態においては、被検知部91は、発光部330B及び発光部332Bから発せられた光を遮断するものであったが、発光部330B及び発光部332Bから発せられた光の光路を変更するものであってもよい。例えば、遮光部にアルミ箔が蒸着されており、遮光部は発光部から発せられた光を反射するものであってよい。
【0141】
本実施形態においては、受光部330C及び受光部332Cは、それぞれ、発光部330B及び発光部332Bから発せられた光が、被検知部91によって遮光されないときに、光を受けるものであった。しかしながら、遮光部が発光部からから発せられた光を反射するものである場合、受光部は、発光部から発せられた光が、遮光部によって反射されたときに、その反射された光を受けるものであってもよい。
【0142】
[第2実施形態]
図28から図38を参照して、本発明の第2実施形態であるインク吐出システム1を説明する。第2実施形態は、インクカートリッジ10及び装着部300の構成部品の形状及び配置が第1実施形態と異なるのみであるので、第1実施形態と同じ符号を付して説明する。第1実施形態と同じ部分については、説明を省略する。第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0143】
図28は、第2実施形態の装着部300に第2実施形態のインクカートリッジ10が装着された状態における、図11と同様のインクカートリッジ10及び装着部300の断面図である。
【0144】
本実施形態のインクカートリッジ10の凸部70は、その高さ方向14の長さが第1実施形態の凸部70の高さ方向14の長さに比べて短い。また、本実施形態の第1の光学センサ330、第2の光学センサ332、及び、リミットスイッチ335は、凸部70の高さ方向14の長さに対応するように、第1実施形態の第1の光学センサ330、第2の光学センサ332、及び、リミットスイッチ335に比べて互いに近接して配置されている。
【0145】
第1実施形態の揺動部材90の軸94は、浮き部92よりも被検知部91の近くに位置していたが、本実施形態の揺動部材90の軸94は、被検知部91よりも浮き部92の近くに位置している。
【0146】
第1実施形態においては、一対の支持部材80と前壁22との距離は、一対の支持部材80と背壁23との距離よりも小さかったが、本実施形態においては、一対の支持部材80と前壁22との距離は、一対の支持部材80と背壁23との距離よりも大きい。インクカートリッジ10が装着部300に装着されたとき、本実施形態の支持部82は、凸部70の下方に位置する。
【0147】
図28から図31を参照して、インク収容室11内のインクの液面の低下に伴う揺動部材90の動きについて説明する。
【0148】
本実施形態のインカートリッジ10のインク収容室11に収容されているインクの初期容量は、第1実施形態のそれに比べて、少ない。このような小容量のインクカートリッジ10は、インクジェットプリンタ100を使う頻度が少ないユーザーが使用するのに適しているかもしれない。インク収容室11が大気導入弁機構60を介して大気と連通している状態で、インクカートリッジ10が装着部300内で長期間放置されると、インク収容室11内のインクの成分が酸化したり、蒸発したりするなどして、インクが劣化してしまう。インクジェットプリンタ100を使う頻度が少ないユーザーが大容量のインクカートリッジ10を使用すると、インク収容室11が大気導入弁機構60を介して大気と連通している状態で、インクカートリッジ10が装着部300内で放置される時間が長くなってしまう。したがって、インクジェットプリンタ100を使う頻度が少ないユーザーは、小容量のインクカートリッジ10を使用して、必要な時に必要な分のインクを使い切ったほうが良いかもしれない。
【0149】
インクカートリッジ10が装着部300に装着された状態において、インク収容室11に収容されているインクの液面Lは、図28に示されている液面位置に位置する。図28に示されているように、浮き部92は、インクの液面下にあるが、被検知部91は、インクの液面Lよりも上方に位置している。浮き部92は、インク収容室11に収容されているインクの液面Lに近づこうとする。浮き部92がインクの液面Lに近づこうとすると、揺動部材90は、図28において、反時計方向に移動しようとする。しかしながら、被検知部91が下壁74に接触しているため、揺動部材90の移動が規制され、揺動部材90は、被検知部91が下壁74に接触した姿勢を保つ。このとき、浮き部92は、第1の光学センサ330及び第2の光学センサ332より低い位置に位置する。また、被検知部91は第1の光学センサ330の光路330Dと交わっており、発光部330Bから光が発せられた場合、被検知部91はその光を遮断する。すなわち、発光部330Bから光が発せられた場合、受光部330CはOFF状態と判断される。一方、被検知部91は第2の光学センサ332の光路332Dと交わっておらず、発光部332Bから光が発せられた場合、その光は、凸部70の一対の側壁72を通って、受光部332Cに達する。すなわち、発光部332Bから光が発せられた場合、受光部332CはON状態と判断される。
【0150】
記録ヘッド132から記録用紙上にインクが吐出させると、それに伴い、インク収容室11からサブタンク135にインクが供給される。インク収容室11内のインクが消費されると、インク収容室11内のインクの液面Lが下降する。図29は、インク収容室11内のインクの液面Lが第5の液面位置にあるときの、図28と同様のインクカートリッジ10及び装着部300の断面図である。図30は、インク収容室11内のインクの液面Lが第6の液面位置にあるときの、図28と同様のインクカートリッジ10及び装着部300の断面図である。図31は、インク収容室11内のインクの液面Lが第7の液面位置にあるときの、図28と同様のインクカートリッジ10及び装着部300の断面図である。
【0151】
インク収容室11からサブタンク135にインクが供給されていき、インク収容室11内のインクの液面Lが第5の液面位置に達すると、図29に示されているように、揺動部材90の浮き部92の一部がインクの液面Lからインク収容室11内の空気中に露出し、浮き部92に加わる重力と浮力とが等しくなる。第5の液面位置は、第1の光学センサ330、及び、第2の光学センサ332より低い。また、液面Lが第5の液面位置にあるとき、浮き部92は、第1の光学センサ330、及び、第2の光学センサ332より低い位置に位置する。
【0152】
インク収容室11からサブタンク135にインクがさらに供給されていくと、揺動部材90は、インクの液面Lの低下に従って、図29において、時計方向に移動する。そして、図30に示されているように、インクの液面Lが第6の液面位置に達すると、被検知部91は、第1の光学センサ330の光路330Dと交わりつつ、第2の光学センサ332の光路332Dとも交わる姿勢となる。このとき、第1の光学センサ330の発光部330Bから光が発せられた場合、被検知部91はその光を遮断する。すなわち、発光部330Bから光が発せられた場合、受光部330CはOFF状態と判断される。また、第2の光学センサ332の発光部332Bから光が発せられた場合、被検知部91はその光を遮断する。すなわち、発光部332Bから光が発せられた場合、受光部332CはOFF状態と判断される。第6の液面位置は、第1の光学センサ330、及び、第2の光学センサ332より低い。また、液面Lが第6の液面位置にあるとき、浮き部92は、第1の光学センサ330、及び、第2の光学センサ332より低い位置に位置する。
【0153】
インク収容室11からサブタンク135にインクがさらに供給されていくと、揺動部材90は、インクの液面Lの低下に従って、図30において、時計方向に移動する。そして、図31に示されているように、インクの液面Lが第7の液面位置に達すると、被検知部91は、第1の光学センサ330の光路330Dと交わらなくなり、第2の光学センサ332の光路332Dと交わる姿勢となる。このとき、第1の光学センサ330の発光部330Bから光が発せられた場合、その光は、凸部70の一対の側壁72を通って、受光部330Cに達する。すなわち、発光部330Bから光が発せられた場合、受光部330CはON状態と判断される。一方、第2の光学センサ332の発光部332Bから光が発せられた場合、被検知部91はその光を遮断する。すなわち、発光部332Bから光が発せられた場合、受光部332CはOFF状態と判断される。第7の液面位置は、第1の光学センサ330、及び、第2の光学センサ332より低い。また、液面Lが第7の液面位置にあるとき、浮き部92は、第1の光学センサ330、及び、第2の光学センサ332より低い位置に位置する。
【0154】
図32から図34は、本実施形態の制御部400によって行われるインクカートリッジ10のインク収容室11内のインク残量を判断する処理のステップを示すフローチャートである。制御部400は、リミットスイッチ335の状態を監視し、リミットスイッチ335の状態がOFF状態からON状態になったときに、図32から図34の判断処理を開始する。すなわち、図32から図34の判断処理は、装着部300にインクカートリッジ10が装着されたことが検知されたときに、開始される。図35(A)から図35(D)は、本実施形態の表示部340の残量表示部340Aを示す図である。
【0155】
判断処理が開始されると、制御部400は、S21において、第1の光学センサ330の発光部330B及び第2の光学センサ332の発光部332Bを発光させ、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がON状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がOFF状態であるかを判断する。
【0156】
制御部400は、S21において、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がON状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がOFF状態、という条件を満たさないと判断した場合には、S22において、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がOFF状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がON状態であるかを判断する。
【0157】
受光部330Cの状態がOFF状態且つ受光部332Cの状態がON状態であることは、インク収容室11内の液面Lの位置が第6の液面位置より高いことを意味する。したがって、制御部400は、S22において、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がOFF状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がON状態である判断した場合、S23において、インク収容室内11内のインク残量が、液面Lの位置が第6の液面位置より高くなるだけの量であると判断し、その旨、表示部340の残量表示部340Aに表示させる。具体的には、残量表示部340Aは、図35(A)に示されているように、インク残量を表示する。その後、制御部400は、第1の光学センサ330の発光部330B及び第2の光学センサ332の発光部332Bの発光を停止させる。
【0158】
その後、制御部400は、S24において、第1の光学センサ330の発光部330B及び第2の光学センサ332の発光部332Bを発光させ、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がOFF状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がON状態であるかを判断する。制御部400は、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がOFF状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がON状態であると判断した場合、S24を定期的に繰り返す。
【0159】
制御部400は、S24において、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がOFF状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がON状態、という条件を満たさないと判断した場合、S25において、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がOFF状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がOFF状態であるかを判断する。
【0160】
受光部330Cの状態がOFF状態且つ受光部332Cの状態がOFF状態であることは、インク収容室11内の液面Lの位置が第6の液面位置に達したことを意味する。したがって、制御部400は、S25において、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がOFF状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がOFF状態である判断した場合、S26において、インク収容室内11内のインク残量が、液面Lの位置が第6の液面位置となる量であると判断し、その旨、表示部340の残量表示部340Aに表示させる。具体的には、残量表示部340Aは、図35(B)に示されているように、インク残量を表示する。その後、制御部400は、第1の光学センサ330の発光部330B及び第2の光学センサ332の発光部332Bの発光を停止させる。
【0161】
その後、制御部400は、S27において、第1の光学センサ330の発光部330B及び第2の光学センサ332の発光部332Bを発光させ、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がOFF状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がOFF状態であるかを判断する。制御部400は、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がOFF状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がOFF状態であると判断した場合、S27を定期的に繰り返す。
【0162】
制御部400が、S27において、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がOFF状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がOFF状態、という条件を満たさないと判断した場合、それは、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がON状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がOFF状態であることを意味する。そして受光部330Cの状態がON状態且つ受光部332Cの状態がOFF状態であることは、インク収容室11内の液面Lの位置が第7の液面位置に達したことを意味する。したがって、制御部400は、S27において、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がOFF状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がOFF状態、という条件を満たさないと判断した場合、S28において、インク収容室内11内のインク残量が、液面Lの位置が第7の液面位置となる量であると判断し、その旨、表示部340の残量表示部340Aに表示させる。具体的には、残量表示部340Aは、図35(C)に示されているように、インク残量を表示する。制御部400は、さらに、表示部340に所定のメッセージを表示させ、ユーザーにインクカートリッジ10内のインク残量が少ないことを通知する。その後、制御部400は、第1の光学センサ330の発光部330B及び第2の光学センサ332の発光部332Bの発光を停止させる。
【0163】
その後、制御部400は、S29において、記録ヘッド132がインクを吐出した回数を数え始める。そして、S30において、記録ヘッド132がインクを吐出した回数が所定の回数を上回ったか判断する。制御部400は、記録ヘッド132がインクを吐出した回数が所定の回数を上回っていないと判断した場合、S30を定期的に繰り返す。
【0164】
制御部400は、S30において、記録ヘッド132がインクを吐出した回数が所定の回数を上回ったと判断した場合、S31において、インク収容室11が空になった旨、表示部340の残量表示部340Aに表示させる。具体的には、残量表示部340Aは、図35(D)に示されているように、インク残量を表示する。また、制御部400は、例えば、表示部340に所定のメッセージを表示させ、ユーザーにインクカートリッジ10を新しいものに交換するよう促し、図32から図34のフローチャートに示されている判断処理を終了する。
【0165】
制御部400が、S21において、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がON状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がOFF状態であると判断した場合は、装着部300に装着されたインクカートリッジ10のインク収容室11内の液面Lの位置が第7の液面位置以下であることを意味する。その場合、インク収容室11が空であることも考えられる。したがって、制御部400は、S21において、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がON状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がOFF状態であると判断した場合は、S32において、インク収容室11が空である旨、表示部340の残量表示部340Aに表示させる。具体的には、残量表示部340Aは、図35(D)に示されているように、インク残量を表示する。また、制御部400は、例えば、表示部340に所定のメッセージを表示させ、ユーザーにインクカートリッジ10を新しいものに交換するよう促し、図32から図34のフローチャートに示されている判断処理を終了する。
【0166】
制御部400は、S22において、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がOFF状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がON状態、という条件を満たさないと判断した場合、S25に進む。
【0167】
制御部400は、S25において、第1の光学センサ330の受光部330Cの状態がOFF状態且つ第2の光学センサ332の受光部332Cの状態がOFF状態、という条件を満たさないと判断した場合、S28に進む。
【0168】
図36は、図29及び図31から、それぞれ、揺動部材90と液面Lを抜き出して重ね合わせた図である。なお、図36において、便宜上、ハッチングは省略されている。また、図31から抜き出した揺動部材90は点線で表されている。
【0169】
図36に示されているように、揺動中心と第1端92Aとの間の第1の距離L1は、揺動中心と第2端91Aとの間の第2の距離L2より小さい。したがって、液面Lが第5の液面位置から第7の液面位置に移動したときの、鉛直方向における、第1端92Aの移動距離D20と第2端91Aの移動距離D21とを比較すると、第1端92Aの移動距離D20は、第5の液面位置と第7の液面位置との間の距離D19とおおよそ等しいのに対し、第2端91Aの移動距離D21は、第5の液面位置と第7の液面位置との間の距離D19よりも大きい。したがって、インク吐出システム1に、第5の液面位置と第7の液面位置とを検知させる場合であっても、鉛直方向において、第1の光学センサ330及び第2の光学センサ332を液面位置間の距離よりも離して配置できる。本実施形態のように、インク収容室11に収容されているインクの初期容量が小さく、インク液面の移動距離が小さい場合、鉛直方向において、第1の光学センサ330及び第2の光学センサ332を液面の移動距離よりも離して配置できることは、有利である。
【0170】
図37は、図29及び図30から、それぞれ、揺動部材90と液面Lを抜き出して重ね合わせた図である。なお、図37において、便宜上、ハッチングは省略されている。また、図30から抜き出した揺動部材90は点線で表されている。
【0171】
揺動中心と第1端92Aとの間の第1の距離L1は、揺動中心と第2端91Aとの間の第2の距離L2より小さい。したがって、図37に示されているように、液面Lが第5の液面位置から第6の液面位置に移動したときの、鉛直方向における、第1端92Aの移動距離D23と第2端91Aの移動距離D24とを比較すると、第1端92Aの移動距離D23は、第5の液面位置と第6の液面位置との間の距離D22とおおよそ等しいのに対し、第2端91Aの移動距離D24は、第5の液面位置と第6の液面位置との間の距離D22よりも大きい。したがって、インク吐出システム1に、第5の液面位置と第6の液面位置とを検知させる場合であっても、鉛直方向において、第1の光学センサ330及び第2の光学センサ332を液面位置間の距離よりも離して配置できる。本実施形態のように、インク収容室11に収容されているインクの初期容量が小さく、インク液面の移動距離が小さい場合、鉛直方向において、第1の光学センサ330及び第2の光学センサ332を液面の移動距離よりも離して配置できることは、有利である。
【0172】
図38は、図30及び図31から、それぞれ、揺動部材90と液面Lを抜き出して重ね合わせた図である。なお、図38において、便宜上、ハッチングは省略されている。また、図31から抜き出した揺動部材90は点線で表されている。
【0173】
揺動中心と第1端92Aとの間の第1の距離L1は、揺動中心と第2端91Aとの間の第2の距離L2より小さい。したがって、図38に示されているように、液面Lが第6の液面位置から第7の液面位置に移動したときの、鉛直方向における、第1端92Aの移動距離D26と第2端91Aの移動距離D27とを比較すると、第1端92Aの移動距離D26は、第6の液面位置と第7の液面位置との間の距離D25とおおよそ等しいのに対し、第2端91Aの移動距離D27は、第6の液面位置と第7の液面位置との間の距離D25よりも大きい。したがって、インク吐出システム1に、第6の液面位置と第7の液面位置とを検知させる場合であっても、鉛直方向において、第1の光学センサ330及び第2の光学センサ332を液面位置間の距離よりも離して配置できる。本実施形態のように、インク収容室11に収容されているインクの初期容量が小さく、インク液面の移動距離が小さい場合、鉛直方向において、第1の光学センサ330及び第2の光学センサ332を液面の移動距離よりも離して配置できることは、有利である。
【0174】
変形例として、例えば、インクカートリッジ10が、幅方向12の寸法及び奥行き方向13の寸法が、高さ方向14の寸法に比べて長い、扁平なインク収容室11を有している場合、インク液面の移動距離が小さい。そのような場合も、鉛直方向において、第1の光学センサ330及び第2の光学センサ332を液面の移動距離よりも離して配置できることは、有利である。
【0175】
[第3実施形態]
図39から図41を参照して、本発明の第3実施形態であるインク吐出システム1を説明する。第3実施形態は、インクカートリッジ10及び装着部300の構成部品の形状及び配置が第1実施形態と異なるのみであるので、第1実施形態と同じ符号を付して説明する。第1実施形態と同じ部分については、説明を省略する。第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0176】
図39は、第3実施形態の装着部300に第3実施形態のインクカートリッジ10が装着された状態における、図11と同様のインクカートリッジ10及び装着部300の断面図である。インク収容室内のインクの液面Lは第8の液面位置にある。図40は、インク収容室内のインクの液面Lが第9の液面位置にあるときの、図39と同様のインクカートリッジ10及び装着部300の断面図である。図41は、インク収容室内のインクの液面Lが第10の液面位置にあるときの、図39と同様のインクカートリッジ10及び装着部300の断面図である。
【0177】
インクの液面Lが第8の液面位置より高いときは、被検知部91は下壁74に接触しており、また、第1の光学センサ330の光路330Dと交わっており、第2の光学センサ332の光路332Dと交わっていない。また、浮き部92は、第1の光学センサ330、第2の光学センサ332、及び、支持部82より高い位置に位置する。
【0178】
インク収容室11からサブタンク135にインクが供給されていき、インク収容室11内のインクの液面Lが第8の液面位置に達すると、図39に示されているように、浮き部92の一部がインクの液面Lからインク収容室11内の空気中に露出し、浮き部92に加わる重力と浮力とが等しくなる。第8の液面位置は、第1の光学センサ330、第2の光学センサ332、及び、支持部82より高い。また、液面Lが第8の液面位置にあるとき、浮き部92は、第1の光学センサ330、第2の光学センサ332、及び、支持部82より高い位置に位置する。
【0179】
インク収容室11からサブタンク135にインクがさらに供給されていくと、揺動部材90は、インクの液面Lの低下に従って、図39において、時計方向に移動する。そして、図40に示されているように、インクの液面Lが第9の液面位置に達すると、被検知部91は、第1の光学センサ330の光路330Dと交わりつつ、第2の光学センサ332の光路332Dとも交わる姿勢となる。第9の液面位置は、第1の光学センサ330、第2の光学センサ332、及び、支持部82と同じくらいの高さにある。また、液面Lが第9の液面位置にあるとき、浮き部92は、第1の光学センサ330、第2の光学センサ332、及び、支持部82と同じくらいの高さにある。
【0180】
インク収容室11からサブタンク135にインクがさらに供給されていくと、揺動部材90は、インクの液面Lの低下に従って、図40において、時計方向に移動する。そして、図41に示されているように、インクの液面Lが第10の液面位置に達すると、被検知部91は、第1の光学センサ330の光路330Dと交わらなくなり、第2の光学センサ332の光路332Dと交わる姿勢となる。第10の液面位置は、第1の光学センサ330、第2の光学センサ332、及び、支持部82より低い。また、液面Lが第10の液面位置にあるとき、浮き部92は、第1の光学センサ330、第2の光学センサ332、及び、支持部82より低い位置に位置する。
【0181】
第3実施形態の制御部400によって行われるインクカートリッジ10のインク収容室11内のインク残量を判断する処理のステップを示すフローチャートは、第2実施形態の制御部400によって行われるインクカートリッジ10のインク収容室11内のインク残量を判断する処理のステップを示すフローチャートと同じである。
【0182】
上記各実施形態において、インタンクの例として、インクジェットプリンタ100から取り外し可能に構成されたインクカートリッジ10について説明したが、インクタンクはインクジェットプリンタ100に固定されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0183】
【図1】第1実施形態のインク吐出システム1の全体的構成を示す概念図である。
【図2】インクカートリッジ10の正面図及び側面図であり、図2(A)は、インクカートリッジ10の正面図であり、図2(B)は、インクカートリッジ10の側面図である。
【図3】一対の側壁21がフレーム20に接続されていない状態のフレーム20の側面図である。
【図4】インクカートリッジ10の断面図であり、図4(A)は、図2(B)に示されているIVA−IVA線に従うインクカートリッジ10の断面図であり、図4(B)は、図2(A)に示されているIVB−IVB線に従うインクカートリッジ10の断面図である。
【図5】インクカートリッジ10の断面図であり、図5(A)は、揺動部材90がインクカートリッジ10から取り外された状態における、図4(A)に対応するインクカートリッジ10の断面図である。図5(B)は、揺動部材90がインクカートリッジ10から取り外された状態における、4(B)に対応するインクカートリッジ10の断面図である。
【図6】揺動部材90の斜視図である。
【図7】インク供給装置30の正面図である。
【図8】インク供給装置30の側面図である。
【図9】図7に示されているIX−IX線に従う装着部300の断面図である。
【図10】第1の光学センサ330及び第2の光学センサ332の斜視図である。
【図11】図9に示されている装着部300にインクカートリッジ10が装着された状態における、図7に示されているIX−IX線に従うインクカートリッジ10及び装着部300の断面図である。
【図12】インクジェットプリンタ100の電気的構成の概略を示すブロック図である。
【図13】インク収容室11内のインクの液面Lが第1の液面位置にあるときの、図11と同様のインクカートリッジ10及び装着部300の断面図である。
【図14】インク収容室11内のインクの液面Lが第2の液面位置にあるときの、図11と同様のインクカートリッジ10及び装着部300の断面図である。
【図15】インク収容室11内のインクの液面Lが第3の液面位置にあるときの、図11と同様のインクカートリッジ10及び装着部300の断面図である。
【図16】インク収容室11内のインクの液面Lが第4の液面位置にあるときの、図11と同様のインクカートリッジ10及び装着部300の断面図である。
【図17】制御部400によって行われるインクカートリッジ10のインク収容室11内のインク残量を判断する処理のステップを示すフローチャートである。
【図18】制御部400によって行われるインクカートリッジ10のインク収容室11内のインク残量を判断する処理のステップを示すフローチャートである。
【図19】制御部400によって行われるインクカートリッジ10のインク収容室11内のインク残量を判断する処理のステップを示すフローチャートである。
【図20】制御部400によって行われるインクカートリッジ10のインク収容室11内のインク残量を判断する処理のステップを示すフローチャートである。
【図21】表示部340の残量表示部340Aを示す図である。
【図22】図13及び図16から、それぞれ、揺動部材90と液面Lを抜き出して重ね合わせた図である。
【図23】図13及び図15から、それぞれ、揺動部材90と液面Lを抜き出して重ね合わせた図である。
【図24】図13及び図14から、それぞれ、揺動部材90と液面Lを抜き出して重ね合わせた図である。
【図25】図14及び図16から、それぞれ、揺動部材90と液面Lを抜き出して重ね合わせた図である。
【図26】図14及び図15から、それぞれ、揺動部材90と液面Lを抜き出して重ね合わせた図である。
【図27】図15及び図16から、それぞれ、揺動部材90と液面Lを抜き出して重ね合わせた図である。
【図28】第2実施形態の装着部300に第2実施形態のインクカートリッジ10が装着された状態における、図11と同様のインクカートリッジ10及び装着部300の断面図である。
【図29】インク収容室11内のインクの液面Lが第5の液面位置にあるときの、図28と同様のインクカートリッジ10及び装着部300の断面図である。
【図30】インク収容室11内のインクの液面Lが第6の液面位置にあるときの、図28と同様のインクカートリッジ10及び装着部300の断面図である。
【図31】インク収容室11内のインクの液面Lが第7の液面位置にあるときの、図28と同様のインクカートリッジ10及び装着部300の断面図である。
【図32】第2実施形態の制御部400によって行われるインクカートリッジ10のインク収容室11内のインク残量を判断する処理のステップを示すフローチャートである。
【図33】第2実施形態の制御部400によって行われるインクカートリッジ10のインク収容室11内のインク残量を判断する処理のステップを示すフローチャートである。
【図34】第2実施形態の制御部400によって行われるインクカートリッジ10のインク収容室11内のインク残量を判断する処理のステップを示すフローチャートである。
【図35】第2実施形態の表示部340の残量表示部340Aを示す図である。
【図36】図29及び図31から、それぞれ、揺動部材90と液面Lを抜き出して重ね合わせた図である。
【図37】図29及び図30から、それぞれ、揺動部材90と液面Lを抜き出して重ね合わせた図である。
【図38】図30及び図31から、それぞれ、揺動部材90と液面Lを抜き出して重ね合わせた図である。
【図39】第3実施形態の装着部300に第3実施形態のインクカートリッジ10が装着された状態における、図11と同様のインクカートリッジ10及び装着部300の断面図である。インク収容室内のインクの液面Lは第8の液面位置にある。
【図40】インク収容室内のインクの液面Lが第9の液面位置にあるときの、図39と同様のインクカートリッジ10及び装着部300の断面図である。
【図41】インク収容室内のインクの液面Lが第10の液面位置にあるときの、図39と同様のインクカートリッジ10及び装着部300の断面図である。
【符号の説明】
【0184】
1・・・インク吐出システム、10・・・インクカートリッジ、90・・・揺動部材、91・・・被検知部、92・・・浮き部、100・・・インクジェットプリンタ、300・・・装着部、330・・・第1の光学センサ、332・・・第2の光学センサ、335・・・リミットスイッチ、400・・・制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インク収容室と、インク収容室内に配置され、被検知部と、インク収容室に収容されるインクより比重が小さい浮き部とを有しており、インク収容室内に収容されたインクの液面の位置に応じてインク収容室内で揺動可能である揺動部材とを備えたインクカートリッジと、
前記インクカートリッジが取り外し可能に装着される装着部と、
前記装着部に装着されている前記インクカートリッジの前記揺動部材の前記被検知部の前記インク収容室に対する移動軌跡と交差する方向に光を発する第1の発光部と、その移動軌跡上における前記被検知部の位置に応じて予め決められた2つの状態をとり得る第1の受光部とを有し、前記装着部に配置された第1の光学検知部と、
前記装着部に装着されている前記インクカートリッジの前記揺動部材の前記被検知部の前記インク収容室に対する移動軌跡と交差する方向に光を発する第2の発光部と、その移動軌跡上における前記被検知部の位置に応じて予め決められた2つの状態をとり得る第2の受光部とを有し、前記第1の光学検知部の上方に位置するように前記装着部に配置された第2の光学検知部と、
を備えており、
前記揺動部材は、前記インク収容室に対して、第1の平面内で揺動可能であり、
前記浮き部及び前記被検知部は、前記インクカートリッジが前記装着部に装着されたときに、前記第1の平面に垂直であって、前記揺動部材の揺動中心に交わり、且つ、重力方向に平行な第2の平面が、前記浮き部と前記被検知部との間に位置するように配置されており、
前記浮き部は、前記浮き部のうち前記揺動中心から最も遠い位置に位置する第1端を有し、
前記被検知部は、前記被検知部のうち前記揺動中心から最も遠い位置に位置する第2端を有し、
前記揺動中心と前記第1端との間の第1の距離は、前記揺動中心と前記第2端との間の第2の距離と異なることを特徴とするインク液面検知システム。
【請求項2】
前記第1の距離が前記第2の距離より大きいことを特徴とする請求項1に記載のインク液面検知システム。
【請求項3】
前記第1の距離が前記第2の距離より小さいことを特徴とする請求項1に記載のインク液面検知システム。
【請求項4】
前記装着部は、前記インクカートリッジが前記装着部に水平方向と平行な挿入方向に沿って挿入されることにより前記装着部に装着されるように構成されており、
前記装着部は、第1の弁開放部材と第2の弁開放部材とを有しており、
前記第1の光学検知部、前記第2の光学検知部、第1の弁開放部材、及び、第2の弁開放部材は、前記装着部の前記挿入方向における端部において、重力方向に並んで配置されており、
前記第1の弁開放部材は、前記第1の光学検知部及び前記第2の光学検知部の下方に位置しており、
前記第2の弁開放部材は、前記第1の光学検知部及び前記第2の光学検知部の上方に位置しており、
前記インクカートリッジは、前記装着部に装着されたときに前記装着部の前記端部に対向する壁と、その壁に配置された第1の弁機構と、その壁に配置された第2の弁機構とを有しており、
前記被検知部は、前記インクカートリッジの前記壁の近傍に位置しており、
前記第1の弁開放部材は、前記インクカートリッジが前記装着部に装着されたときに、前記第1の弁機構を介して前記インク収容室の内部から外部へインクが供給され得るように前記第1の弁機構を開放し、
前記第2の弁開放部材は、前記インクカートリッジが前記装着部に装着されたときに、前記第2の弁機構を介して前記インク収容室の外部から内部へ大気が導入され得るように前記第2の弁機構を開放することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のインク液面検知システム。
【請求項5】
前記第1の発光部と前記第1の受光部とが水平方向に並んでおり、
前記第2の発光部と前記第2の受光部とが水平方向に並んでおり、
前記揺動部材は、前記インク収容室内に収容されているインクの液面の位置に応じて、前記インク収容室に対して、第1の姿勢と第2の姿勢との間、及び、第2の姿勢と第3の姿勢との間で移動可能であり、
前記インクカートリッジが前記装着部に装着されたときであって、前記揺動部材が前記第1の姿勢にあるときに、前記被検知部は、前記第1の発光部と前記1の受光部との間に形成されている第1の光軸に交わり、且つ、前記第2の発光部と前記2の受光部との間に形成されている第2の光軸に交わらず、
前記インクカートリッジが前記装着部に装着されたときであって、前記揺動部材が前記第2の姿勢にあるときに、前記被検知部は、前記第1の光軸に交わり、且つ、前記第2の光軸に交わり、
前記インクカートリッジが前記装着部に装着されたときであって、前記揺動部材が前記第3の姿勢にあるときに、前記被検知部は、前記第1の光軸に交わらず、且つ、前記第2の光軸に交わることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のインク液面検知システム。
【請求項6】
前記揺動部材は、前記インク収容室内に収容されているインクの液面の位置に応じて、前記インク収容室に対して、前記第3の姿勢と第4の姿勢との間との間で移動可能であり、
前記インクカートリッジが前記装着部に装着されたときであって、前記揺動部材が前記第4の姿勢にあるときに、前記被検知部は、前記第1の光軸に交わらず、且つ、前記第2の光軸に交わらないことを特徴とする請求項5に記載のインク液面検知システム。
【請求項7】
前記インクカートリッジが前記装着部に装着されたときであって、前記揺動部材が前記第1の姿勢にあるときに、前記浮き部は、前記第1の光学検知部及び前記第2の光学検知部より高い位置に位置し、
前記インクカートリッジが前記装着部に装着されたときであって、前記揺動部材が前記第3の姿勢にあるときに、前記浮き部は、前記第1の光学検知部及び前記第2の光学検知部より低い位置に位置することを特徴とする請求項5に記載のインク液面検知システム。
【請求項8】
前記インクカートリッジが前記装着部に装着されたときであって、前記揺動部材が前記第1の姿勢にあるときに、前記浮き部は、前記第1の光学検知部及び前記第2の光学検知部より高い位置に位置し、
前記インクカートリッジが前記装着部に装着されたときであって、前記揺動部材が前記第4の姿勢にあるときに、前記浮き部は、前記第1の光学検知部及び前記第2の光学検知部より低い位置に位置することを特徴とする請求項6に記載のインク液面検知システム。
【請求項9】
インク収容室と、インク収容室内に配置され、被検知部と、インク収容室に収容されるインクより比重が小さい浮き部とを有しており、インク収容室内に収容されたインクの液面の位置に応じてインク収容室内で揺動可能である揺動部材とを備えたインクタンクと、
前記揺動部材の前記被検知部の前記インク収容室に対する移動軌跡と交差する方向に光を発する第1の発光部と、その移動軌跡上における前記被検知部の位置に応じて予め決められた2つの状態をとり得る第1の受光部とを有する第1の光学検知部と、
前記揺動部材の前記被検知部の前記インク収容室に対する移動軌跡と交差する方向に光を発する第2の発光部と、その移動軌跡上における前記被検知部の位置に応じて予め決められた2つの状態をとり得る第2の受光部とを有し、前記第1の光学検知部の上方に位置する第2の光学検知部と、
を備えており、
前記揺動部材は、前記インク収容室に対して、第1の平面内で揺動可能であり、
前記浮き部及び前記被検知部は、前記第1の平面に垂直であって、前記揺動部材の揺動中心に交わり、且つ、重力方向に平行な第2の平面が、前記浮き部と前記被検知部との間に位置するように配置されており、
前記浮き部は、前記浮き部のうち前記揺動中心から最も遠い位置に位置する第1端を有し、
前記被検知部は、前記被検知部のうち前記揺動中心から最も遠い位置に位置する第2端を有し、
前記揺動中心と前記第1端との第1の距離は、前記揺動中心と前記第2端との第2の距離と異なることを特徴とするインク液面検知システム。
【請求項10】
前記第1の距離が前記第2の距離より大きいことを特徴とする請求項9に記載のインク液面検知システム。
【請求項11】
前記第1の距離が前記第2の距離より小さいことを特徴とする請求項9に記載のインク液面検知システム。
【請求項12】
前記第1の発光部と前記第1の受光部とが水平方向に並んでおり、
前記第2の発光部と前記第2の受光部とが水平方向に並んでおり、
前記揺動部材は、前記インク収容室内に収容されているインクの液面の位置に応じて、前記インク収容室に対して、第1の姿勢と第2の姿勢との間、及び、第2の姿勢と第3の姿勢との間で移動可能であり、
前記揺動部材が前記第1の姿勢にあるときに、前記被検知部は、前記第1の発光部と前記1の受光部との間に形成されている第1の光軸に交わり、且つ、前記第2の発光部と前記2の受光部との間に形成されている第2の光軸に交わらず、
前記揺動部材が前記第2の姿勢にあるときに、前記被検知部は、前記第1の光軸に交わり、且つ、前記第2の光軸に交わり、
前記揺動部材が前記第3の姿勢にあるときに、前記被検知部は、前記第1の光軸に交わらず、且つ、前記第2の光軸に交わることを特徴とする請求項9から11のいずれかに記載のインク液面検知システム。
【請求項13】
前記揺動部材は、前記インク収容室内に収容されているインクの液面の位置に応じて、前記インク収容室に対して、前記第3の姿勢と第4の姿勢との間との間で移動可能であり、
前記揺動部材が前記第4の姿勢にあるときに、前記被検知部は、前記第1の光軸に交わらず、且つ、前記第2の光軸に交わらないことを特徴とする請求項12に記載のインク液面検知システム。
【請求項14】
前記揺動部材が前記第1の姿勢にあるときに、前記浮き部は、前記第1の光学検知部及び前記第2の光学検知部より高い位置に位置し、
前記揺動部材が前記第3の姿勢にあるときに、前記浮き部は、前記第1の光学検知部及び前記第2の光学検知部より低い位置に位置することを特徴とする請求項12に記載のインク液面検知システム。
【請求項15】
前記揺動部材が前記第1の姿勢にあるときに、前記浮き部は、前記第1の光学検知部及び前記第2の光学検知部より高い位置に位置し、
前記揺動部材が前記第4の姿勢にあるときに、前記浮き部は、前記第1の光学検知部及び前記第2の光学検知部より低い位置に位置することを特徴とする請求項13に記載のインク液面検知システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【公開番号】特開2010−89336(P2010−89336A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−260439(P2008−260439)
【出願日】平成20年10月7日(2008.10.7)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】