説明

インク組成物、インクセット、インクジェット記録方法及び記録物

【課題】画像保存性に優れたインク組成物を提供する。
【解決手段】少なくとも下記一般式(1)で表されるイエロー染料を含む色材と、デービス法により算出されたHLB値が5.4〜8.0であるグリコールエーテルと、溶媒とを含有するインク組成物。一般式(1):


(一般式(1)中、Rはそれぞれ独立に1価の基を表し、Rはそれぞれ独立に−OR又は−NHRを表し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は1価の基を表し、Xは2価の連結基を表し、nは0又は1であり、Arはそれぞれ独立に硫黄原子を含む2価のへテロ環基を表し、Arはそれぞれ独立にアルキル基、アリール基又は1価のトリアジン環基を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インク組成物、該インク組成物を含むインクセット、該インクセットを用いたインクジェット記録方法及び記録物に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット記録方法は、微細なノズルヘッドからインクの小滴を普通紙や光沢メディアなどの記録媒体に付与して画像を形成する記録方法であり、その低価格化、記録速度の向上により、急速に普及が進んでいる。また、インクジェット記録方法により得られる画像の高画質化が進んだことに加えて、デジタルカメラの急速な普及に伴い、銀塩写真に匹敵する画像の出力方法として広く一般的になっている。
【0003】
インクジェット記録方法の問題点としては、得られた記録物の画像堅牢性に劣ることが挙げられる。一般に、インクジェット記録方法で得られた記録物は銀塩写真と比較してその画像堅牢性が低い。具体的には、記録物が、水、光、湿度、熱又は空気中に存在する環境ガスなどに長時間さらされた際に、記録物上の色材が劣化し、画像の色調変化や褪色が発生しやすいといった問題がある。
カラー画像形成には、複数色のインク組成物を組み合わせたインクセットが用いられる。インクセットおいて、特定のインク組成物の耐光性や耐オゾン性などの画像堅牢性が、他のインク組成物よりも著しく低い場合、その特定のインク組成物によって形成された色が、他の色よりも早く褪色や変色してしまい、カラー画像全体の色調のバランスが悪くなる。従って、インクセットを構成する各インク組成物の画像堅牢性が優れているとともに、各インク組成物間の画像堅牢性の差が小さいことが好ましい。
インクジェット用インクとして広く用いられているイエロー、マゼンタ、及びシアンの各インクの中でも、特にイエローインクの画像の耐光性が他のインクの画像に比べて劣る傾向がある。
このような問題に対して、色調が良好で、光、湿熱、オゾン等のガスなど対する堅牢性の改善を目指した種々のイエローインクが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、多様な色材を用いたインクの中には、記録媒体上に印刷した際に、異なる色のインク組成物と記録媒体上で均一に混ざり合わない場合があり、その結果色ムラとなって美麗な印刷物が得られないことがあり、それぞれ単独では優秀な特性をもつ色材であっても、これらを組合せて利用できない場合がある。
記録媒体上に印刷した際に現れるこのような色ムラは、特にイエロー系色材を含むインク組成物とこれ以外の色材を含むインク組成物との混色により緑色系の印刷を行った場合において顕著に現れる場合が多い。
このような色ムラ改善を目的として、特許文献2や3には、特定のイエロー系染料とHLB値が特定の値であるグリコールエーテルと溶媒とを含むインク組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4402917号
【特許文献2】特開2007−302810号公報
【特許文献3】特開2010−077224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
インク中の溶媒が使用温湿度条件で揮発し易いインク(例えば、水を主たる溶媒として用いたインク等)の場合、印刷中及び印刷待機中に、インクジェットプリンタヘッドのノズルからインク中の溶媒が揮発してノズル近傍のインクの溶媒濃度が低くなり、インク粘度が上昇し、吐出インク滴の飛翔体積や飛翔方向にばらつきが生じたり、吐出したりしなくなるなどの吐出安定性に問題が生じることがある。この結果、記録媒体上のドット位置ずれやドット大きさの誤差、更にはドットの欠けを生じることもある。昨今の記録画像の高精細化が進む中、このインクの吐出安定性も高いレベルが求められるようになってきている。
本発明者らが検討した結果、上記特許文献1〜3に記載のインクの場合、インクの吐出安定性に更なる改善の余地があることが分かった。
【0007】
即ち、本発明の目的は、記録媒体上での他のインクセット組成物との混色が均一で色ムラを抑えられ、かつこの色ムラのない画像を長期間に渡って維持することができる画像保存性に優れたインク組成物を提供することである。更に、本発明の目的は、該インク組成物を含むインクセットと、該インクセットを用いたインクジェット記録方法、及びこの記録方法により得られる色ムラのない画像を長期間に渡って維持することのできる記録物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、記録媒体上での混色により発生する色ムラの有無について鋭意検討の結果、インク組成物に少なくとも特定構造のイエロー染料とHLB値が特定値範囲内にあるグリコールエーテルとを含有させることにより、記録媒体上に印刷してイエロー系以外の染料との混色を行った際に、色ムラのない均一な発色を呈し、美麗な印刷物を得ることができるようになることを見出した。
更に、該インク組成物を用いて記録された記録物は、特に耐光性、耐湿性等の耐候性にも優れることが分かった。
【0009】
即ち、本発明は以下の構成からなる。
[1]
少なくとも下記一般式(1)で表されるイエロー染料を含む色材と、
デービス法により算出されたHLB値が5.4〜8.0であるグリコールエーテルと、
溶媒とを含有するインク組成物。
一般式(1):
【化1】

(一般式(1)中、Rはそれぞれ独立に1価の基を表し、Rはそれぞれ独立に−OR又は−NHRを表し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は1価の基を表し、Xは2価の連結基を表し、nは0又は1であり、Arはそれぞれ独立に硫黄原子を含む2価のへテロ環基を表し、Arはそれぞれ独立にアルキル基、アリール基又は1価のトリアジン環基を表す。)
[2]
前記一般式(1)で表されるイエロー染料が、下記一般式(2)で表されるイエロー染料である、[1]に記載のインク組成物。
一般式(2):
【化2】

(一般式(2)中、R、R、X、n及びArは、一般式(1)におけるR、R、X、n及びArと同義である。)
[3]
前記グリコールエーテルが、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、及びエチレングリコールモノオクチルエーテルのうちの少なくとも1つである、[1]又は[2]に記載のインク組成物。
[4]
デービス法により算出された前記グリコールエーテルのHLB値が5.4〜6.9である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載のインク組成物。
[5]
前記グリコールエーテルが、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、及びエチレングリコールモノオクチルエーテルのうちの少なくとも1つである、[4]に記載のインク組成物。
[6]
前記グリコールエーテルの含有量が前記イエロー染料に対して4〜200質量%である、[1]〜[5]のいずれか1項に記載のインク組成物。
[7]
前記イエロー染料の含有量が、前記インク組成物の全量に対して3〜6質量%である、[1]〜[6]のいずれか1項に記載のインク組成物。
[8]
前記グリコールエーテルの含有量が前記インク組成物の全量に対して0.25〜6質量%である、[1]〜[7]のいずれか1項に記載のインク組成物。
[9]
色材として更に下記一般式(3)で表される化合物を含有する、[1]〜[8]のいずれか1項に記載のインク組成物。
一般式(3):
【化3】

(一般式(3)中、Rはそれぞれ独立に1価の基を表し、Aはそれぞれ独立にアリール基又はヘテロ環基を表す。)
[10]
前記一般式(3)で表される化合物の含有量が、前記インク組成物の総量に対して0.5〜3質量%である、[9]に記載のインク組成物。
[11]
更にノニオン系界面活性剤を含有する、[1]〜[10]のいずれか1項に記載のインク組成物。
[12]
前記ノニオン系界面活性剤がアセチレンジオール系界面活性剤である、[1]〜[11]のいずれか1項に記載のインク組成物。
[13]
インクジェット記録方法に用いるインクセットであって、少なくとも[1]〜[12]のいずれか1項に記載のインク組成物を含有するインクセット。
[14]
[1]〜[12]のいずれか1項に記載のインク組成物、又は[13]に記載のインクセットを用いる、インクジェット記録方法。
[15]
光沢度が30以上である記録媒体に記録することを特徴とする[14]に記載のインクジェット記録方法。
[16]
[14]又は[15]に記載のインクジェット記録方法によって記録されたことを特徴とする記録物。
【発明の効果】
【0010】
本発明のインク組成物、インクセット並びに本発明のインクジェット記録方法により記録媒体上に記録した場合、色ムラのない均一な発色を呈し、美麗で、かつ、耐光性、耐湿性等の耐候性に優れ、長期間に亘ってこの発色状態を維持することができる記録物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明を好ましい実施の形態を挙げて詳細に説明する。
本発明のインク組成物は、少なくとも一般式(1)で表されるイエロー染料を含む色材と、デービス法により算出されたHLB値が5.4〜8.0であるグリコールエーテルと、溶媒とを含有する。必要に応じて、保湿剤、界面活性剤、粘度調整剤、及びpH調整剤や、更にその他の添加剤を含有することができる。
一般式(1)で表されるイエロー染料とHLB値が特定範囲にあるグリコールエーテルとを併用することにより、イエロー系以外の色材からなるインク組成物とともに記録媒体に印刷したとき、色ムラのない均一な発色を得ることができる上に、吐出安定性が良好で、優れた耐光性及び耐湿性を有するインク組成物を提供することができる。
【0012】
以下に本発明のインク組成物について説明する。
(色材)
本発明のインク組成物は、下記一般式(1)で表されるイエロー染料を色材として含有する。
一般式(1):
【0013】
【化4】

【0014】
(一般式(1)中、Rはそれぞれ独立に1価の基を表し、Rはそれぞれ独立に−OR又は−NHRを表し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は1価の基を表し、Xは2価の連結基を表し、nは0又は1であり、Arはそれぞれ独立に硫黄原子を含む2価のへテロ環基を表し、Arはそれぞれ独立にアルキル基、アリール基又は1価のトリアジン環基を表す。)
【0015】
一般式(1)について説明する。
まず、置換基群Sを以下のように定義する。
【0016】
(置換基群S)
置換基群Sに含まれる置換基としては、置換可能な基であればよく、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基(塩でもよい)、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル若しくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基(塩でもよい)、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が挙げられる。
これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基群Sから選択される基を挙げることができる。更なる置換基を有する置換基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その具体例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
【0017】
置換基群Sの各基について更に詳しく説明する。
ハロゲン原子は、例えば塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
アルキル基は、置換若しくは無置換のアルキル基が含まれる。アルキル基としては、炭素原子数が1〜30の置換若しくは無置換のアルキル基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられるが、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、スルホ基(塩の形でもよい)及びカルボキシル基(塩の形でもよい)が好ましい。前記アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、ヒドロキシエチル、シアノエチル及び4−スルホブチルなどが挙げられる。
【0018】
シクロアルキル基は、置換若しくは無置換のシクロアルキル基が含まれる。シクロアルキル基としては、炭素数が5〜30の置換若しくは無置換のシクロアルキル基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記シクロアルキル基の例としては、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシルなどが挙げられる。
【0019】
アラルキル基は、置換若しくは無置換のアラルキル基が含まれる。アラルキル基としては、炭素数が7〜30の置換若しくは無置換のアラルキル基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アラルキルの例としては、ベンジル及び2−フェネチルを挙げられる。
アルケニル基は、直鎖、分岐、環状の置換若しくは無置換のアルケニル基が含まれる。アルケニル基としては、炭素数2〜30の置換若しくは無置換のアルケニル基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アルケニル基の例としては、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イルなどが挙げられる。
【0020】
アルキニル基は、置換若しくは無置換のアルキニル基が含まれる。アルキニル基としては、炭素数2〜30の置換若しくは無置換のアルキニル基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記アルキニル基の例としては、エチニル、プロパルギルなどが挙げられる。
アリール基は、置換若しくは無置換のアリール基が含まれる。アリール基としては、炭素数6〜30の置換若しくは無置換のアリール基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アリール基の例としては、フェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニルなどが挙げられる。
ヘテロ環基は、置換若しくは無置換のへテロ環基が含まれる。へテロ環基としては、5若しくは6員の、置換若しくは無置換の芳香族若しくは非芳香族のへテロ環化合物から1個の水素原子を取り除いた1価の基が好ましく、炭素数3〜30の5若しくは6員の芳香族へテロ環基がより好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記へテロ環基の例としては、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリルなどが挙げられる。
【0021】
アルコキシ基は、置換若しくは無置換のアルコキシ基が含まれる。アルコキシ基としては、炭素数が1〜30の置換若しくは無置換のアルコキシ基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−オクチルオキシ、メトキシエトキシ、ヒドロキシエトキシ及び3−カルボキシプロポキシなどが挙げられる。
【0022】
アリールオキシ基は、置換若しくは無置換のアリールオキシ基が含まれる。アリールオキシ基としては、炭素数6〜30の置換若しくは無置換のアリールオキシ基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アリールオキシ基の例としては、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシなどが挙げられる。
シリルオキシ基は、置換若しくは無置換のシリルオキシ基が含まれる。シリルオキシ基としては、炭素数3〜20の置換若しくは無置換のシリルオキシ基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記シリルオキシ基の例としては、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシなどが挙げられる。
ヘテロ環オキシ基は、置換若しくは無置換のへテロ環オキシ基が含まれる。へテロ環オキシ基としては、炭素数2〜30の置換若しくは無置換のヘテロ環オキシ基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記へテロ環オキシ基の例としては、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシなどが挙げられる。
【0023】
アシルオキシ基は、置換若しくは無置換のアシルオキシ基が含まれる。アルキルオキシ基としては、ホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルオキシ基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アシルオキシ基の例としては、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシなどが挙げられる。
カルバモイルオキシ基は、置換若しくは無置換のカルバモイルオキシ基が含まれる。カルバモイルオキシ基としては、炭素数1〜30の置換若しくは無置換のカルバモイルオキシ基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記カルバモイルオキシ基の例としては、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシなどが挙げられる。
【0024】
アルコキシカルボニルオキシ基は、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニルオキシ基が含まれる。アルコキシカルボニルオキシ基としては、炭素数2〜30の置換若しくは無置換のアルコキシカルボニルオキシ基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アルコキシカルボニルオキシ基の例としては、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシなどが挙げられる。
アリールオキシカルボニルオキシ基は、置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基が含まれる。アリールオキシカルボニルオキシ基としては、炭素数7〜30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アリールオキシカルボニルオキシ基の例としては、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−(n−ヘキサデシルオキシ)フェノキシカルボニルオキシなどが挙げられる。
【0025】
アミノ基は、置換若しくは無置換のアミノ基が含まれる。アミノ基としては、炭素数1〜30の置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換若しくは無置換のアニリノ基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アミノ基の例としては、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノなどが挙げられる。
アシルアミノ基は、置換若しくは無置換のアシルアミノ基が含まれる。アシルアミノ基としては、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルアミノ基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アシルアミノ基の例としては、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノなどが挙げられる。
アミノカルボニルアミノ基は、置換若しくは無置換のアミノカルボニルアミノ基が含まれる。アミノカルボニルアミノ基としては、炭素数1〜30の置換若しくは無置換のアミノカルボニルアミノ基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アミノカルボニルアミノ基の例としては、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノなどが挙げられる。
【0026】
アルコキシカルボニルアミノ基は、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニルアミノ基が含まれる。アルコキシカルボニルアミノ基としては、炭素数2〜30の置換若しくは無置換のアルコキシカルボニルアミノ基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アルコキシカルボニルアミノ基の例としては、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチルーメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。
アリールオキシカルボニルアミノ基は、置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基が含まれる。アリールオキシカルボニルアミノ基としては、炭素数7〜30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アリールオキシカルボニルアミノ基の例としては、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−(n−オクチルオキシ)フェノキシカルボニルアミノなどが挙げられる。
【0027】
スルファモイルアミノ基は、置換若しくは無置換のスルファモイルアミノ基が含まれる。スルファモイルアミノ基としては、炭素数0〜30の置換若しくは無置換のスルファモイルアミノ基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記スルファモイルアミノ基の例としては、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノなどが挙げられる。
アルキル又はアリールスルホニルアミノ基は、置換又は無置換の、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基が含まれる。アルキル又はアリールスルホニルアミノ基としては、炭素数1〜30の置換若しくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換若しくは無置換のアリールスルホニルアミノが好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アルキル又はアリールスルホニルアミノ基の例としては、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノなどが挙げられる。
【0028】
アルキルチオ基は、置換若しくは無置換のアルキルチオ基が含まれる。アルキルチオ基としては、炭素数1〜30の置換若しくは無置換のアルキルチオ基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アルキルチオ基の例としては、メチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオなどが挙げられる。
アリールチオ基は、置換若しくは無置換のアリールチオ基が含まれる。アリールチオ基としては、炭素数6〜30の置換若しくは無置換のアリールチオ基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アリールチオ基の例としては、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオなどが挙げられる。
ヘテロ環チオ基は、置換若しくは無置換のへテロ環チオ基が含まれる。へテロ環チオ基としては、炭素数2〜30の置換若しくは無置換のヘテロ環チオ基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記へテロ環チオ基の例としては、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオなどが挙げられる。
【0029】
スルファモイル基は、置換若しくは無置換のスルファモイル基が含まれる。スルファモイル基としては、炭素数0〜30の置換若しくは無置換のスルファモイル基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記スルファモイル基の例として、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル)などが挙げられる。
アルキル又はアリールスルフィニル基は、置換又は無置換の、アルキル又はアリールスルフィニル基が含まれる。アルキル又はアリールスルフィニル基としては、炭素数1〜30の置換若しくは無置換のアルキルスルフィニル基、炭素数6〜30の置換若しくは無置換のアリールスルフィニル基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アルキル又はアリールスルフィニル基の例としては、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニルなどが挙げられる。
アルキル又はアリールスルホニル基は、置換又は無置換の、アルキル又はアリールスルホニル基が含まれる。アルキル又はアリールスルホニル基としては、炭素数1〜30の置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、炭素数6〜30の置換若しくは無置換のアリールスルホニル基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アルキル又はアリールスルホニル基の例としては、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニルなどが挙げられる。
【0030】
アシル基は、置換若しくは無置換のアシル基が含まれる。アシル基としては、ホルミル基、炭素数2〜30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4〜30の置換若しくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アシル基の例としては、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−(n−オクチルオキシ)フェニルカルボニル、2―ピリジルカルボニル、2―フリルカルボニルなどが挙げられる。
【0031】
アリールオキシカルボニル基は、置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基が含まれる。アリールオキシカルボニル基としては、炭素数7〜30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アリールオキシカルボニル基の例としては、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−(t−ブチル)フェノキシカルボニルなどが挙げられる。
アルコキシカルボニル基は、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基が含まれる。アルコキシカルボニル基としては、炭素数2〜30の置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記アルコキシカルボニル基の例としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニルなどが挙げられる。
カルバモイル基は、置換若しくは無置換のカルバモイル基が含まれる。カルバモイル基としては、炭素数1〜30置換若しくは無置換のカルバモイル基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記カルバモイル基の例としては、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイルなどが挙げられる。
【0032】
ホスフィノ基は、置換若しくは無置換のホスフィノ基が含まれる。ホスフィノ基としては、炭素数2〜30の置換若しくは無置換のホスフィノ基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記ホスフィノ基の例としては、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノなどが挙げられる。
ホスフィニル基は、置換若しくは無置換のホスフィニル基が含まれる。R、R及びRが表す炭素数2〜30の置換若しくは無置換のホスフィニル基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記ホスフィニル基の例としては、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニルなどが挙げられる。
ホスフィニルオキシ基は、置換若しくは無置換のホスフィニルオキシ基が含まれる。ホスフィニルオキシ基としては、炭素数2〜30の置換若しくは無置換のホスフィニルオキシ基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記ホスフィニルオキシ基の例としては、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシなどが挙げられる。
ホスフィニルアミノ基は、置換若しくは無置換のホスフィニルアミノ基が含まれる。ホスフィニルアミノ基としては、炭素数2〜30の置換若しくは無置換のホスフィニルアミノ基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記ホスフィニルアミノ基の例として、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノなどが挙げられる。
シリル基は、置換若しくは無置換のシリル基が含まれる。シリル基としては、炭素数3〜30の置換若しくは無置換のシリル基が好ましい。置換基の例としては、置換基群Sの基が挙げられる。前記シリル基の例としては、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリルなどが挙げられる。
【0033】
一般式(1)について説明する。
一般式(1)において、Rで表される1価の基としては置換基Sの項で述べた基が挙げられる。Rは、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、又はシアノ基であることが好ましく、アルキル基がより好ましく、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、又はt−ブチルが更に好ましく、t−ブチルが特に好ましい。
は−NHRであることが好ましい。
及びRはそれぞれ独立に水素原子又は1価の基を表す。1価の基としては置換基Sの項で述べた基が挙げられる。水素原子、アルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
【0034】
一般式(1)において、Xは2価の連結基を表す。Xで表される2価の連結基としては、アルキレン基(例、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン)、アルケニレン基(例、エテニレン、プロぺニレン)、アルキニレン基(例、エチニレン、プロピニレン)、アリーレン基(例、フェニレン、ナフチレン)、2価のヘテロ環基(例、1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル基、ピリミジン−2,4−ジイル基、キノキサリン−2,3−ジイル基)、−O−、−CO−、−NR−(Rは水素原子、アルキル基又はアリール基)、−S−、−SO−、−SO−又はこれらの組み合わせが挙げられる。
アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、2価のヘテロ環基、又はRで表されるアルキル基若しくはアリール基は、置換基を有していてもよい。置換基の例としては、前述の置換基Sの項で述べた基が挙げられるが、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、アミノ基、スルホ基(塩の形でもよい)及びカルボキシル基(塩の形でもよい)が好ましい。
としては、好ましくは、炭素数10以下のアルキレン基、炭素数10以下のアルケニレン基、炭素数10以下のアルキニレン基、炭素数6以上10以下のアリーレン基、2価のヘテロ環基、−O−、−S−又はこれらの組み合わせである。
で表される2価の連結基の総炭素数は0〜50であることが好ましく、0〜30であることがより好ましく、0〜10であることが最も好ましい。
【0035】
は0又は1であり、1が好ましい。
【0036】
Arは硫黄原子を含む2価のヘテロ環基を表す。へテロ環としては、5員又は6員環のものが好ましく、それらは更に縮環していてもよい。また、芳香族ヘテロ環であっても非芳香族ヘテロ環であってもよい。具体的には、チオフェン、ベンゾチオフェン、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、ベンズイソオキサゾール、チアゾリンなどが挙げられる。
なかでも、芳香族ヘテロ環基が好ましく、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾールが好ましく、チアジアゾールが最も好ましい。
Arが表す2価のヘテロ環基は置換基を有していてもよく、置換基の例としては、置換基群Sの各基が挙げられる。
【0037】
Arはアルキル基、アリール基又は1価のトリアジン環基を表す。
Arが表すアルキル基及びアリール基は、置換基群Sのアルキル基及びアリール基と同義であり、好ましいものも同じである。
Arとしては、アリール基又は1価のトリアジン環基が好ましく、アリール基がより好ましく、フェニル基が更に好ましい。
Arが表すアルキル基、アリール基又は1価のトリアジン環基は、更に置換基を有していてもよく、置換基の例としては、前述の置換基群Sの各基が挙げられ、なかでもスルホ基又はカルボキシル基好ましい。
【0038】
一般式(1)において、複数のR、複数のR、複数のAr及び複数のArは、それぞれ、互いに同一でも異なっていてもよい。
【0039】
本発明の一般式(1)で表される化合物はイエロー染料として用いられる。このため、溶解性を上げる点から、R、R又はRとしてイオン性親水性基を有する、あるいはR、R、R、Ar又はArが有する置換基としてイオン性親水性基を有することが好ましい。
ここで、イオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基及び4級アンモニウム基等が含まれる。イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、及びスルホ基が好ましく、中でもカルボキシル基、スルホ基が好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基及びスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。対イオンの中でもアルカリ金属塩が好ましい。アルカリ金属塩の中でも、カリウムイオン、ナトリウムイオン、リチウムイオンが好ましく、ナトリウムイオン、カリウムイオンが最も好ましい。
一般式(I−1)においては、特にArがイオン性親水性基を有していることが好ましい。
【0040】
一般式(1)で表されるイエロー染料は、下記一般式(2)で表されるイエロー染料であることが好ましい。
一般式(2):
【0041】
【化5】

【0042】
(一般式(2)中、R、R、X、n及びArは、一般式(1)におけるR、R、X、n及びArと同義である。)
【0043】
一般式(2)中、R、R、X、n及びArは、一般式(1)におけるR、R、X、n及びArと同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0044】
以下に、一般式(1)で表される色材の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるわけではない。具体例中、Etはエチルを、Phはフェニルを意味する。
【0045】
【化6】

【0046】
【化7】

【0047】
【化8】

【0048】
【化9】

【0049】
【化10】

【0050】
【化11】

【0051】
【化12】

【0052】
【化13】

【0053】
【化14】

【0054】
【化15】

【0055】
上記具体例の各化合物は特開2004−83903号公報及に記載の方法により合成できる。
一般式(1)で表される化合物は、色再現性の観点から、水溶液中で380〜490nmの最大吸収波長(λmax)を有することが好ましく、400〜480nmのλmaxを有することが更に好ましく、420〜460nmにλmaxを有することが特に好ましい。
【0056】
本発明のインク組成物における、前記一般式(1)で表されるイエロー染料の含有量は、インク組成物の全量に対し、3〜6質量%の範囲にあることが好ましい。3質量%以上とすることで良好な発色性(最高濃度)を得ることができ、6質量%以下とすることでインクセット等に使用したときのノズルの目詰まりを防止し、吐出安定性を向上させることができる。
【0057】
一般式(1)で表されるイエロー染料は、他の色の染料に比べて特に耐光性及び耐オゾン性に優れている。そのため、イエロー系以外に発色する染料を含むインク組成物と組合せたインクセットによって印刷された記録物では、経時的に一般式(1)で表されるイエロー染料を含むインク組成物に比べて、一般式(1)で表される染料以外の色に発色する染料を含むインク組成物の光やガスによる褪色が顕著になる場合があり、その場合、記録物の色調が経時的に印刷初期とは変化し、記録物のカラーバランスが崩れる場合がある。
このような弊害を防止するため、本発明のインク組成物には、一般式(1)で表されるイエロー染料に加えて、更に下記一般式(3)で表される化合物を添加することが好ましい。
一般式(3)で表される化合物を添加することによって、一般式(1)で表されるイエロー染料を含むインク組成物と、イエロー系以外の染料を含むインク組成物との耐光性及び耐オゾン性の度合いが平均化されるため、一般式(1)で表されるイエロー染料を含む本発明のインク組成物によって得られる記録物の経時的な色調の変化を抑制する上でより好ましい。
一般式(3):
【0058】
【化16】

【0059】
(一般式(3)中、Rはそれぞれ独立に1価の基を表し、Aはそれぞれ独立にアリール基又はヘテロ環基を表す。)
【0060】
一般式(3)において、Rが表す1価の基としては置換基群Sの項で述べた基が挙げられる。
Rとしては、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基であることが好ましく、アルキル基、アルキル基であることがより好ましく、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、又はt−ブチルが更に好ましい。
【0061】
Aはそれぞれ独立にアリール基又はヘテロ環基を表す。
Aが表すアリール基としては、炭素数6〜30の置換又は無置換のアリール基が好ましく、置換基を有するフェニル基又はナフチル基がより好ましく、置換基を有するナフチル基が更に好ましい。
Aが表すヘテロ環基は、5若しくは6員の、置換若しくは無置換の芳香族若しくは非芳香族のへテロ環化合物から1個の水素原子を取り除いた1価の基が好ましく、炭素数3〜30の5若しくは6員の芳香族へテロ環基がより好ましい。前記へテロ環基の例としては、含窒素5員ヘテロ環基としては、置換位置を限定しないで表すと、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環が挙げられる。6員含窒素ヘテロ環基としては、置換位置を限定しないで表すと、ピリジン環、ピラゾン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環が挙げられる。
置換基の例としては、前述の置換基群Sの項で述べた基が挙げられ、なかでも、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基及び4級アンモニウム基等のイオン性親水性基が好ましい。ここで。カルボキシル基、ホスホノ基及びスルホ基は塩の状態であってもよい。
Aはそれぞれ置換基を有するアリール基であることが好ましく、イオン性親水性基を有するアリール基であることがより好ましく、イオン性親水性基を有するナフチル基であることが更に好ましい。
【0062】
イエロー系染料以外の染料との耐光性及び耐オゾン性を調整する上で、本発明のインク組成物における一般式(3)で表される化合物の含有量は、インク組成物の総量に対して0.5〜3質量%の範囲とするのが好ましい。
【0063】
(グリコールエーテル)
本発明のインク組成物は、前記一般式(1)で表されるイエロー染料に加えてHLB値が5.4〜8.0であるグリコールエーテルを含有するする。
インク組成物中にHLB値が5.4〜8.0の範囲にあるグリコールエーテルを添加しておくことにより、本発明のインク組成物とは異なる色の色材を含むインク組成物とともに、記録媒体上に印刷して該記録媒体上で混色した時の色ムラを著しく低減させることができる。
【0064】
本発明で使用するグリコールエーテルとしては、全てのグリコールエーテルを使用し得るのではなく、HLB値が5.4〜8.0の範囲にあるグリコールエーテルを用いた時に限り、上記のような色ムラのない記録物が得られるインク組成物とすることができる。即ち、HLB値が5.4より小さいか、8.0よりも大きいグリコールエーテルを前記一般式(1)で表されるイエロー染料に添加しても色ムラの改善はみられない。グリコールエーテルのHLB値としては、5.4〜6.9であることが好ましい。
【0065】
なお、本発明において用いるグリコールエーテルのHLB値はデービスらが提唱した化合物の親水性を評価する値であり、例えば、J.T.Davies and E.K.Rideal,"Interface Phenomena" 2nd ed.Academic Press,New York 1963に定義されているデービス法により求められる数値で、下記式によって算出される値をいう。
【0066】
HLB値=7+Σ[1]+Σ[2]
但し、[1]は親水基の基数を表し、[2]は疎水基の基数を表す。下記の表1に、代表的な親水基、及び疎水基の基数を例示する。
【0067】
【表1】

【0068】
本発明で使用する前記のHLB値が5.4〜8.0であるグリコールエーテルとしては、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、及びエチレングリコールモノオクチルエーテル等が好ましい。
更に、これらのグリコールエーテル類の中でも、顕著に色ムラを解消し得る点において、前記のHLB値が5.4〜6.9であるプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、及びエチレングリコールモノオクチルエーテルがより好ましい。
【0069】
本発明のインク組成物における前記グリコールエーテルの含有量は、インク組成物の色ムラの低減効果、及び保存安定性、吐出安定性、材料攻撃性等の信頼性の点でインク組成物の全量に対し0.25〜6質量%の範囲とするのが好ましい。また、前記グリコールエーテルの含有量はインク組成物中の前記イエロー染料に対して4〜200質量%(インク組成物中の前記グリコールエーテルと前記イエロー染料との含有比が4:100〜200:100)とするのが好ましい。
【0070】
(溶媒)
本発明のインク組成物は、溶媒として、水又は水とグリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等の水溶性有機溶剤の混合液を使用することが好ましい。水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等を用いることができる。また、長期保存の観点から、紫外線照射や過酸化水素添加などの各種化学滅菌処理を施した水が好ましい。
【0071】
(その他の添加成分)
本発明のインク組成物は、更に蒸気圧が純水よりも小さい水溶性有機溶剤及びマルチトール、ソルビトール、グルコノラクトン、マルトース等の糖類から選ばれる少なくとも1種の保湿剤を含むことができる。
保湿剤を含むことにより、インクジェット記録方式において、水分の蒸発を抑制してインクを保湿することができる。また、水溶性有機溶剤であれば、吐出安定性を向上させたり、インク特性を変化させることなく粘度を容易に変更させたりすることができる。
【0072】
保湿剤は、インク組成物全量に対して好ましくは5〜50質量%、より好ましくは、5〜30質量%、更に好ましくは、5〜20質量%の範囲で添加される。5質量%以上であれば、保湿性が得られ、また、50質量%以下であれば、インクジェット記録に用いられる粘度に調整しやすい。
【0073】
また、本発明のインク組成物には、溶剤として含窒素系有機溶剤を含んでなることが好ましい。含窒素系有機溶剤としては、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ε−カプロラクタム等が挙げられ、中でも、2−ピロリドンが好適に用いられる。それらは、単独又は2種以上併用して用いることもできる。
その含有量は、インク組成物全量に対して0.5〜10質量%が好ましく、更に好ましくは、1〜5質量%である。その含有量を、0.5質量%以上とすることで、添加することによる各成分の溶解性向上を図ることができ、10質量%以下とすることで、インク組成物が接する各種部材との耐材料性を悪化させることがない。
【0074】
本発明のインク組成物には、インクの速やかな定着(浸透性)を得ると同時に、1ドットの真円度を保つのに効果的な添加剤として、ノニオン系界面活性剤を含むことが好ましい。
ノニオン系界面活性剤としては、アセチレンジオール系界面活性剤を用いるのが好ましく、具体的には、サーフィノール465、サーフィノール104(以上、エアプロダクツ社製、商品名)、オルフィンSTG、オルフィンE1010、オルフィンPD002W(以上、日信化学工業(株)製、商品名)等が挙げられる。
インク組成物中にこれらのアセチレンジオール系界面活性剤を添加することによって十分な浸透性を得ることができ、加えてその添加量や界面活性剤の種類によってカラー印刷を行った場合の隣り合うカラーインクとの境界のブリードを減少させることができ、より鮮明な画像を得ることができる。
アセチレンジオール系界面活性剤の添加量はインク組成物全量に対して好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.2〜1質量%である。添加量を0.1質量%以上とすることで、十分な浸透性を得ることができ、また、5質量%以下とすることで、画像のにじみの発生を防止し易い。
【0075】
更に、本発明のインク組成物には、必要に応じて、pH調整剤、ヒドロトロピー剤、アルギン酸ナトリウム等の水溶性ポリマー、水溶性樹脂、フッ素系界面活性剤、防腐剤、防黴剤、防錆剤等が添加されてもよい。
防腐剤又は防黴剤の例としては、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン(AVECIA製 プロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL−2、プロキセルTN)等が挙げられる。
【0076】
pH調整剤、溶解助剤、又は酸化防止剤の例としては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノールアミン、モルホリン等のアミン類及びそれらの変性物、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどの金属水酸化物、水酸化アンモニウム、四級アンモニウム水酸化物(テトラメチルアンモニウム等)等のアンモニウム塩、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウムなどの炭酸塩類その他燐酸塩類など、あるいはN−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドンなどのピロリドン類、アロハネート、メチルアロハネート等のアロハネート類、ビウレット、ジメチルビウレット、テトラメチルビウレットなどのビウレット類など、L−アスコルビン酸及びその塩類を挙げることができる。
【0077】
前記のイエロー染料やグリコールエーテルを安定して溶解させるためには、インク組成物のpH(20℃)は8.0以上であることが好ましい。また、インク組成物が接する各種部材との耐材料性を考慮すると、インク組成物のpHは10.5以下であることが好ましく、これらの点をよりよく両立させるためには、インク組成物のpHを8.5〜10.0に調整することがより好ましい。
【0078】
本発明のインク組成物においては、前記した任意成分は、単独又は各群内及び各群間において複数種選択して混合して用いることができる。
【0079】
また、本発明のインク組成物においては、インク組成物の全ての成分の量は、インク組成物の粘度が20℃で10mPa・s未満であるように選択されるのが好ましい。
また、本発明のインク組成物は、その表面張力が好ましくは20℃で45mN/m以下、更に好ましくは、25〜45mN/mの範囲である。
【0080】
(インク組成物の調製)
本発明のインク組成物の調製方法は、インク構成主成分として、色材である前記一般式(1)で表されるイエロー染料、及びHLB値が5.4〜8.0であるグリコールエーテルを用いる以外は従来のインク組成物と同様にして調製することができる。
例えば、各成分原料を溶媒中で十分混合溶解し、孔径0.8μm程度のメンブランフィルターで加圧濾過したのち、真空ポンプを用いて脱気処理して調製することができる。
【0081】
次に、本発明のインクセット、インクジェット記録方法及び記録物について説明する。
(インクセット)
本発明のインクセットは、色材である一般式(1)で表されるイエロー染料、及びHLB値が5.4〜8.0の範囲内にあるグリコールエーテルを含む前記の本発明のインク組成物(イエローインク組成物)を含む。イエローインク組成物以外に、インクセットには、マゼンタインク組成物と、シアンインク組成物、更に必要に応じてこれにブラックインク組成物を加えたインク組成物を1組とすることができる。
本発明のインクセットは、複数のインクカートリッジにそれぞれのインク組成物を装填して用いることができる。本発明のインクセットは一般の筆記具用、記録計、ペンプロッター等の用途にも使用できることは言うまでもない。
なお、上記態様のインクセットにおいて、シアンインク組成物として色濃度の異なる少なくとも二種のシアンインク組成物、すなわち、少なくとも濃シアンインク組成物及び淡シアンインク組成物の二種を備えたインクセットであってもよい。
【0082】
本発明におけるインクセットに用いることのできる色材、又は前記染料と併用できる色材としては、各々任意のものを使用することができる。そのような染料の例としては今までに述べてきた染料及び、以下を挙げることができる。
イエロー染料としては、例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、開鎖型活性メチレン化合物類を有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料;例えばカップリング成分として開鎖型活性メチレン化合物類を有するアゾメチン染料;例えばベンジリデン染料やモノメチンオキソノール染料等のようなメチン染料;例えばナフトキノン染料、アントラキノン染料等のようなキノン系染料などがあり、これ以外の染料種としてはキノフタロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料等を挙げることができる。これらの染料は、クロモフォアの一部が解離して初めてイエローを呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、更にはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
【0083】
マゼンタ染料としては、例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料;例えばカップリング成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類を有するアゾメチン染料;例えばアリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料、オキソノール染料のようなメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料、例えばナフトキノン、アントラキノン、アントラピリドンなどのようなキノン系染料、例えばジオキサジン染料等のような縮合多環系色素等を挙げることができる。これらの染料は、クロモフォアの一部が解離して初めてマゼンタを呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、更にはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
【0084】
シアン染料としては、例えばインドアニリン染料、インドフェノール染料のようなアゾメチン染料;シアニン染料、オキソノール染料、メロシアニン染料のようなポリメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料;フタロシアニン染料;アントラキノン染料;例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料、インジゴ・チオインジゴ染料を挙げることができる。これらの染料は、クロモフォアの一部が解離して初めてシアンを呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、更にはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
【0085】
また、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料等の水溶性染料を併用することもできる。なかでも好ましいものとしては、
C.I. ダイレクトレッド1、2、4、9、11、23、26、31、37、39、62、63、72、75、76、79、80、81、83、84、87、89、92、95、111、173、184、207、211、212、214、218、21、223、224、225、226、227、232、233、240、241、242、243、247、254、C.I. ダイレクトバイオレット7、9、47、48、51、66、90、93、94、95、98、100、101
C.I. ダイレクトイエロー4、8、9、11、12、27、28、29、33、35、39、41、44、50、53、58、59、68、86、87、93、95、96、98、100、106、108、109、110、120、130、132、142、144、157、161、163
C.I. ダイレクトブルー1、10、15、22、25、55、67、68、71、76、77、78、80、84、86、87、90、98、106、108、109、151、156、158、159、160、168、189、192、193、194、199、200、201、202、203、207、211、213、214、218、225、229、236、237、244、248、249、251、252、264、270、280、288、289、290、291
C.I. ダイレクトブラック9、17、19、22、32、51、56、62、69、77、80、91、94、97、108、112、113、114、117、118、121、122、125、132、146、154、166、168、173、199
C.I. アシッドレッド1、8、35、42、52、57、62、80、81、82、87、94、111、114、115、118、119、127、128、131、143、144、151、152、154、158、186、245、249、254、257、261、263、266、289、299、301、305、336、337、361、396、397
C.I. アシッドバイオレット5、34、43、47、48、90、103、126
C.I. アシッドイエロー17、19、23、25、39、40、42、44、49、50、61、64、76、79、110、127、135、143、151、159、169、174、190、195、196、197、199、218、219、222、227、C.I. アシッドブルー9、25、40、41、62、72、76、78、80、82、87、92、106、112、113、120、127:1、129、138、143、175、181、185、205、207、220、221、230、232、247、249、258、260、264、271、277、278、279、280、288、290、326
C.I. アシッドブラック7、24、29、48、52:1、172
C.I. リアクティブレッド3、6、13、17、19、21、22、23、24、29、35、37、40、41、43、45、49、55、63、106、107、112、113、114、126、127、128、129、130、131、137、160、161、174、180
C.I. リアクティブバイオレット1、3、4、5、6、7、8、9、16、17、22、23、24、26、27、33、34
C.I. リアクティブイエロー2、3、13、14、15、17、18、23、24、25、26、27、29、35、37、41、42
C.I. リアクティブブルー2、3、5、7、8、10、13、14、15、17、18、19、21、25、26、27、28、29、38、82、89、158、182、190、203、216、220、244
C.I. リアクティブブラック4、5、8、14、21、23、26、31、32、34
C.I. ベーシックレッド12、13、14、15、18、22、23、24、25、27、29、35、36、38、39、45、46
C.I. ベーシックバイオレット1、2、3、7、10、15、16、20、21、25、27、28、35、37、39、40、48
C.I. ベーシックイエロー1、2、4、11、13、14、15、19、21、23、24、25、28、29、32、36、39、40
C.I. ベーシックブルー1、3、5、7、9、22、26、41、45、46、47、54、57、60、62、65、66、69、71
C.I. ベーシックブラック8、
等が挙げられる。
【0086】
上記式で表される染料以外に、下記各公報に記載の染料も好ましく用いることができる。特開平10−130557号、特開平9−255906号、特開平6−234944号、特開平7−97541号、EP 982371号、WO 00/43450、WO 00/43451、WO 00/43452、WO 00/43453、WO 03/106572、WO 03/104332、特開2003−238862号、特開2004−83609号、特開2002−302619号、特開2002−327131号、特開2002−265809号、WO 01/48090、WO 04/087815、WO 02/90441、WO 03/027185、WO 04/085541、特開2003−321627号、特開2002−332418号、特開2002−332419号、WO 02/059215、WO 02/059216、WO 04/087814、WO 04/046252、WO 04/046265、米国特許第6652637号、WO 03/106572、WO 03/104332、WO 00/58407、特許第3558213号、特許第3558212号、特許第3558211号、特開2004−285351号、WO 04/078860、特開2004−323605号、WO 04/104108。
【0087】
更に、本発明は、顔料を染料と共に併用することもできる。
本発明に用いることのできる顔料としては、市販のものの他、各種文献に記載されている公知のものが利用できる。文献に関してはカラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists編)、「改訂新版顔料便覧」日本顔料技術協会編(1989年刊)、「最新顔料応用技術」CMC出版(1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版(1984年刊)、W. Herbst, K. Hunger共著によるIndustrial Organic Pigments (VCH Verlagsgesellschaft、1993年刊)等がある。具体的には、有機顔料ではアゾ顔料(アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料)、多環式顔料(フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、インジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料等)、染付けレーキ顔料(酸性又は塩基性染料のレーキ顔料)、アジン顔料等があり、無機顔料では、黄色顔料のC.I.Pigment Yellow 34, 37, 42, 53など、赤系顔料のC.I.Pigment Red 101, 108など、青系顔料のC.I.Pigment Blue 27, 29,17:1など、ブラック系顔料のC.I.Pigment Black 7,マグネタイトなど、白系顔料のC.I.Pigment White 4,6,18,21などを挙げることができる。
【0088】
画像形成用に好ましい色調を持つ顔料としては、青ないしシアン顔料ではフタロシアニン顔料、アントラキノン系のインダントロン顔料(たとえばC.I.Pigment Blue 60など)、染め付けレーキ顔料系のトリアリールカルボニウム顔料が好ましく、特にフタロシアニン顔料(好ましい例としては、C.I.Pigment Blue 15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:6などの銅フタロシアニン、モノクロロないし低塩素化銅フタロシアニン、アルニウムフタロシアニンでは欧州特許860475号に記載の顔料、C.I.Pigment Blue 16である無金属フタロシアニン、中心金属がZn、Ni、Tiであるフタロシアニンなど、中でも好ましいものはC.I.Pigment Blue 15:3、同15:4、アルミニウムフタロシアニン)が最も好ましい。
【0089】
赤ないし紫色の顔料では、アゾ顔料(好ましい例としては、C.I.Pigment Red 3、同5、同11、同22、同38、同48:1、同48:2、同48:3、同48:4、同49:1、同52:1、同53:1、同57:1、同63:2、同144、同146、同184)など、中でも好ましいものはC.I.Pigment Red 57:1、同146、同184)、キナクリドン系顔料(好ましい例としてはC.I.Pigment Red 122、同192、同202、同207、同209、C.I.Pigment Violet 19、同42、なかでも好ましいものはC.I.Pigment Red 122)、染め付けレーキ顔料系のトリアリールカルボニウム顔料(好ましい例としてはキサンテン系のC.I.Pigment Red 81:1、C.I.Pigment Violet 1、同2、同3、同27、同39)、ジオキサジン系顔料(例えばC.I.Pigment Violet 23、同37)、ジケトピロロピロール系顔料(例えばC.I.Pigment Red 254)、ペリレン顔料(例えばC.I.Pigment Violet 29)、アントラキノン系顔料(例えばC.I.Pigment Violet 5:1、同31、同33)、チオインジゴ系(例えばC.I.Pigment Red 38、同88)が好ましく用いられる。
【0090】
黄色顔料としては、アゾ顔料(好ましい例としてはモノアゾ顔料系のC.I.Pigment Yellow 1, 3, 74, 98、ジスアゾ顔料系のC.I.Pigment Yellow 12, 13, 14, 16, 17, 83、総合アゾ系のC.I.Pigment Yellow 93, 94, 95, 128, 155、ベンズイミダゾロン系のC.I.Pigment Yellow 120, 151, 154, 156, 180など、なかでも好ましいものはベンジジン系化合物を原料に使用しなもの)、イソインドリン・イソインドリノン系顔料(好ましい例としてはC.I.Pigment Yellow 109, 110, 137, 139など)、キノフタロン顔料(好ましい例としてはC.I.Pigment Yellow 138など)、フラパントロン顔料(例えばC.I.Pigment Yellow 24など)が好ましく用いられる。
【0091】
ブラック顔料としては、無機顔料(好ましくは例としてはカーボンブラック、マグネタイト)やアニリンブラックを好ましいものとして挙げることができる。
この他、オレンジ顔料(C.I.Pigment Orange 13, 16など)や緑顔料(C.I.Pigment Green 7など)を使用してもよい。
【0092】
本発明に使用できる顔料は、上述の裸の顔料であってもよいし、表面処理を施された顔料でもよい。表面処理の方法には、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤やエポキシ化合物、ポリイソシアネート、ジアゾニウム塩から生じるラジカルなど)を顔料表面に結合させる方法などが考えられ、次の文献や特許に記載されている。
(1)金属石鹸の性質と応用(幸書房)
(2)印刷インキ印刷(CMC出版 1984)
(3)最新顔料応用技術(CMC出版 1986)
(4)米国特許5,554,739号、同5,571,311号
(5)特開平9−151342号、同10−140065号、同10−292143号、同11−166145号
特に、上記(4)の米国特許に記載されたジアゾニウム塩をカーボンブラックに作用させて調製された自己分散性顔料や、上記(5)の日本特許に記載された方法で調製されたカプセル化顔料は、インク組成物中に余分な分散剤を使用することなく分散安定性が得られるため特に有効である。
【0093】
本発明においては、顔料は更に分散剤を用いて分散されていてもよい。分散剤は、用いる顔料に合わせて公知の種々のもの、例えば界面活性剤型の低分子分散剤や高分子型分散剤を用いることができる。分散剤の例としては特開平3−69949号、欧州特許549486号等に記載のものを挙げることができる。また、分散剤を使用する際に分散剤の顔料への吸着を促進するためにシナジストと呼ばれる顔料誘導体を添加してもよい。
本発明に使用できる顔料の粒径は、分散後で0.01〜10μmの範囲であることが好ましく、0.05〜1μmであることが更に好ましい。
顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造時に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、縦型あるいは横型のアジテーターミル、アトライター、コロイドミル、ボールミル、3本ロールミル、パールミル、スーパーミル、インペラー、デスパーサー、KDミル、ダイナトロン、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986)に記載がある。
【0094】
本発明に用いられる水溶性染料としては特開2002−371214号公報に記載のマゼンタ染料、特開2002−309118号公報に記載のフタロシアニン染料、特開2003−12952号及び同2003−12956号公報中の水溶性フタロシアニン染料等に記載の染料を用いることも好ましい。
【0095】
(インクジェット記録方法)
本発明のインクジェット記録方法は、前記の本発明のインク組成物を含むインクセットの各インク組成物をインクジェットプリンタの各専用カートリッジに充填し、それぞれのノズルヘッドの微細孔(ノズル)から液滴として吐出させ、該液滴を記録媒体に付着させて印刷、記録を行うものである。
【0096】
インクジェット記録方式としては、従来公知の方式はいずれも使用でき、特に圧電素子の振動を利用して液滴を吐出させる方法(電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方法)や熱エネルギーを利用する方法においては優れた画像記録を行うことが可能である。
【0097】
かかるインクジェット記録方法により、本発明のインクセットから紙などの記録媒体上に各色のインク組成物からなる液滴を吐出させて文字や画像を形成させることによって本発明の記録物を得ることができる。本発明のインクセットにより記録物を得る場合、記録媒体として写真用紙クリスピア〈高光沢〉等の光沢層を有し、光沢度が30以上であるインクジェット記録用紙を用いた場合、特に色ムラの改善効果が顕著である。
【実施例】
【0098】
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例中に記述した材料、組成、及び製造方法に何等限定されるものではない。
【0099】
[実施例1〜28及び比較例1〜8]
色材として、下記の表2〜4に示すイエロー染料(染料A〜E)を含む各インク組成物構成原料を同表中に示す各配合割合(質量部)で混合して溶解させ、孔径1μmのメンブランフィルターにて加圧濾過して、それぞれ実施例1〜28及び比較例1〜8のインク組成物を調製した。なお、本実施例及び比較例において用いた染料A〜Eの構造を下記に示す。
【0100】
【化17】

【0101】
【化18】

【0102】
【表2】

【0103】
【表3】

【0104】
【表4】

【0105】
表2〜4記載の各グリコールエーテルの略称はそれぞれ下記の通りである。
BFG:プロピレングリコールモノブチルエーテル
BFDG:ジプロピレングリコールモノブチルエーテル
BFTG:トリプロピレングリコールモノブチルエーテル
HeG:エチレングリコールモノヘキシルエーテル
HeDG:ジエチレングリコールモノヘキシルエーテルール
EHeG:エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル
OcG:エチレングリコールモノオクチルエーテル
PFG:プロピレングリコールモノプロピルエーテル
PFDG:ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル
PFTG:トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル
iBG:エチレングリコールモノイソブチルエーテル
MFG:プロピレングリコールモノメチルエーテル
MFDG:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
MG:エチレングリコールモノメチルエーテル
MDG:ジエチレングリコールモノメチルエーテル
MTG:トリエチレングリコールモノメチルエーテル
iBDG:ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル
DoG:エチレングリコールモノドデシルエーテル
【0106】
<色ムラの評価>
インクジェットプリンタPM−A700(セイコーエプソン株式会社製)を用いて、このプリンタのイエロー専用カートリッジ(イエロー室)に実施例1〜28、及び比較例1〜8の各インク組成物をそれぞれ充填するとともに、シアン専用カートリッジ(シアン室)にはシアン系インク組成物を充填して、インクジェット専用記録媒体(写真用紙クリスピア<高光沢>(セイコーエプソン株式会社製、光沢度30以上))上に両インク組成物を使用して表現する緑色をベタ印刷して、両インク組成物の前記記録媒体上での混色による色ムラの程度を評価した。
【0107】
色ムラの評価は、各ベタ印刷面を目視観察し、印刷面に色ムラが全く認められなかったイエローインク組成物を評価5(良好)、色ムラが著しく認められたイエローインク組成物を評価1(不良)として、色ムラの程度を「5(良好)>4>3>2>1(不良)」の5段階に分類した(すなわち、評価5が色ムラに関して最も優れ、次に評価4が優れる)。
なお、色ムラの評価において用いたシアン系インク組成物として、下記の表5に示す組成のものを用いた。
【0108】
【表5】

【0109】
【化19】

【0110】
<吐出安定性の評価>
インクの吐出安定性に関しては、以下の方法により行った。
イエロー専用カートリッジのみを上記プリンタにセットし、A4 20枚にベタ画像をインクジェット専用記録媒体(写真用紙クリスピア<高光沢>(セイコーエプソン株式会社製))印刷した。画像印刷後、ノズルチェックパターン(「M」の形)を印字させ、Mのチェックパターンを観察して、下記の基準で評価を行った。
A:すべてのノズルで不吐出なし
B:不吐出ノズル5個未満
C:不吐出ノズル5個以上
D:不吐出がひどく、ほとんど印字できない
【0111】
実施例1〜28及び比較例1〜8の各インク組成物に関する色ムラ及び吐出安定性の評価結果を下記の表6に示す。
【0112】
【表6】

【0113】
表6の結果から分かるように、前記一般式(1)で表されるイエロー染料と、HLB値が5.4〜8.0の範囲にあるグリコールエーテルとを含むインク組成物(実施例1〜28のインク組成物)は、HLB値が5.4より小さいか、8.0よりも大きいグリコールエーテルを添加してなるインク組成物(比較例1〜7のインク組成物)や一般式(1)で表されるイエロー染料を含まないインク組成物(比較例8のインク組成物)に比べて記録物の色ムラがほとんど認められないか、色ムラが減少する。更に、インクの吐出安定性に優れる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも下記一般式(1)で表されるイエロー染料を含む色材と、
デービス法により算出されたHLB値が5.4〜8.0であるグリコールエーテルと、
溶媒とを含有するインク組成物。
一般式(1):
【化1】

(一般式(1)中、Rはそれぞれ独立に1価の基を表し、Rはそれぞれ独立に−OR又は−NHRを表し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は1価の基を表し、Xは2価の連結基を表し、nは0又は1であり、Arはそれぞれ独立に硫黄原子を含む2価のへテロ環基を表し、Arはそれぞれ独立にアルキル基、アリール基又は1価のトリアジン環基を表す。)
【請求項2】
前記一般式(1)で表されるイエロー染料が、下記一般式(2)で表されるイエロー染料である、請求項1に記載のインク組成物。
一般式(2):
【化2】

(一般式(2)中、R、R、X、n及びArは、一般式(1)におけるR、R、X、n及びArと同義である。)
【請求項3】
前記グリコールエーテルが、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、及びエチレングリコールモノオクチルエーテルのうちの少なくとも1つである、請求項1又は2に記載のインク組成物。
【請求項4】
デービス法により算出された前記グリコールエーテルのHLB値が5.4〜6.9である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインク組成物。
【請求項5】
前記グリコールエーテルが、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、及びエチレングリコールモノオクチルエーテルのうちの少なくとも1つである、請求項4に記載のインク組成物。
【請求項6】
前記グリコールエーテルの含有量が前記イエロー染料に対して4〜200質量%である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインク組成物。
【請求項7】
前記イエロー染料の含有量が、前記インク組成物の全量に対して3〜6質量%である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のインク組成物。
【請求項8】
前記グリコールエーテルの含有量が前記インク組成物の全量に対して0.25〜6質量%である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のインク組成物。
【請求項9】
色材として更に下記一般式(3)で表される化合物を含有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載のインク組成物。
一般式(3):
【化3】

(一般式(3)中、Rはそれぞれ独立に1価の基を表し、Aはそれぞれ独立にアリール基又はヘテロ環基を表す。)
【請求項10】
前記一般式(3)で表される化合物の含有量が、前記インク組成物の総量に対して0.5〜3質量%である、請求項9に記載のインク組成物。
【請求項11】
更にノニオン系界面活性剤を含有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載のインク組成物。
【請求項12】
前記ノニオン系界面活性剤がアセチレンジオール系界面活性剤である、請求項1〜11のいずれか1項に記載のインク組成物。
【請求項13】
インクジェット記録方法に用いるインクセットであって、少なくとも請求項1〜12のいずれか1項に記載のインク組成物を含有するインクセット。
【請求項14】
請求項1〜12のいずれか1項に記載のインク組成物、又は請求項13に記載のインクセットを用いる、インクジェット記録方法。
【請求項15】
光沢度が30以上である記録媒体に記録することを特徴とする請求項14に記載のインクジェット記録方法。
【請求項16】
請求項14又は15に記載のインクジェット記録方法によって記録されたことを特徴とする記録物。

【公開番号】特開2012−67231(P2012−67231A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−214568(P2010−214568)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】