説明

インサート付きブロー成形スポイラーの製造方法及びインサート付きブロー成形スポイラー

【課題】取付ステイ部3にインサート5を結合したインサート付きブロー成形スポイラーにおいて、ブロー成形時に形成される吹き込み用の穴29やデートマーク31により、スポイラーの見栄えが損なわれないようにする。
【解決手段】底面に穴14が形成されたカップ状のインサート5を用い、パリソン内部に加圧気体を吹き込む際に、穴14を通して吹き込み針26を突出させパリソン内部まで貫通させ、吹き込み針26を通してパリソン内部に加圧気体を吹き込みブロー成形する。インサート5の底面7にデートマーク穴15を形成し、ブロー成形金型21にデートマーク形成用のインサート金型24を設置し、ブロー成形時にパリソンをデートマーク穴15から張り出させ、インサート金型24に接触させて表面にデートマークを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インサート付きブロー成形スポイラーの製造方法及びその製造方法により製造されたインサート付きブロー成形スポイラーに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、中空のスポイラー本体部(翼部)と車体への取付ステイ部(脚部)からなるスポイラーを製造するに際し、ブロー成形金型の内部に前記取付ステイ部を構成するインサートをセットし、型締めしてパリソンを挟み、ブロー成形によりパリソンを膨出させてスポイラー本体部を形成するとともに、前記インサートをパリソンと結合させるインサート付きブロー成形スポイラーの製造方法が記載されている。
ブロー成形において、パリソン内部に加圧気体を吹き込むには、例えば特許文献2に記載されたように、パリソンに吹き込み針を差し込み、その吹き込み針を通して加圧気体を吹き込んでいる。
【0003】
【特許文献1】実公平6−34222号公報
【特許文献2】特開2003−266528号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
パリソン側壁に吹き込み針を差し込むと、パリソンに形成された穴はブロー成形後の製品(ブロー成形体)にも残る。従って、スポイラーの場合、見栄えを損なわないように、例えばスポイラー本体部の裏面に相当する箇所に吹き込み針を差し込むようにしている。しかし、スポイラー本体部の裏面に形成された穴でも、スポイラーのデザインによっては外から見えて見栄えを損なう。
また、スポイラーの場合、トレーサビリティーのため、適当な箇所にブロー成形日等を刻印(デートマークという)することが求められる。このデートマークは、ブロー成形と同時にブロー成形体の表面に刻印されるものであるが、これも見栄えを損なわない箇所を選択する必要がある。
【0005】
さらに、特許文献1の例では、インサートはプラスチック製の箱状体(下端にボルトが一体固定されている)であり、ブロー成形時にパリソンは膨出し、蓋部の周縁部(張り出し部)を抱着して、インサートと結合する。もしインサートがパリソンと相溶性を有する熱可塑性樹脂であれば、膨出したパリソンは同時にインサートの蓋部上面に溶着し、ブロー成形体とインサートの結合がより強固となる。
しかし、インサートは全体としてスポイラー本体部と同程度に肉厚が大きく熱容量が大きいので、溶着の程度は十分ではない。特に蓋部の周縁部ではパリソンが該周縁部(張り出し部)の下に回り込んで薄肉化するため、溶着はより不確実となる。そのため、振動等によりブロー成形体とインサートの接合部が離れて隙間ができ、洗浄時等に溶剤がその隙間にしみ込み、両者のプラスチックにクラックが発生する虞も出てくる。
【0006】
本発明は、インサート付きブロー成形スポイラーに関する上記従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、ブロー成形時に形成される吹き込み用の穴やデートマークにより、スポイラーの見栄えが損なわれないようにすることを目的とする。
さらに、本発明は、ブロー成形体とインサートの溶着を特に接合部近傍においてより確実なものとすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るインサート付きブロー成形スポイラーの製造方法は、中空のスポイラー本体部と車体への取付ステイ部からなるスポイラーを製造するもので、ブロー成形金型の内部に前記取付ステイ部を構成するインサートをセットし、型締めしてパリソンを挟み、ブロー成形によりパリソンを膨出させてスポイラー本体部を形成するとともに、前記インサートをパリソンと結合させる。このとき具体的に次の方法を個別に又は組み合わせてとり得る。
(1)前記インサートとして底面に穴が形成されたカップ状のインサートを用い、その開口部を内側に向けて前記ブロー成形金型の内部にセットし、前記パリソン内部に加圧気体を吹き込む際に、前記インサートの穴を通して吹き込み針を突出させパリソン内部まで貫通させ、前記吹き込み針を通してパリソン内部に加圧気体を吹き込み、前記スポイラー本体部を形成するとともに、パリソンの一部を前記カップ状のインサートの内部に膨出させてその内面に溶着させる。
【0008】
(2)前記インサートとしてパリソンと相溶性のあるプラスチックからなるカップ状のインサートを用い、その開口側周縁部全周をくさび状に薄肉に形成し、前記周縁部にパリソンを回り込ませ前記周縁部全周においてパリソンと溶着させる。
(3)前記インサートは底面にデートマーク穴が形成され、前記ブロー成形金型はデートマーク形成部を有し、前記インサートを前記ブロー成形金型の内部にセットするとき前記デートマーク穴を前記デートマーク形成部に重ね、ブロー成形時にパリソンを前記デートマーク穴から張り出させ、前記デートマーク形成部に接触させて表面に立体のデートマークを形成する。
【0009】
前記方法により、中空のスポイラー本体部と車体への取付ステイ部からなり、取付ステイ部にはブロー成形とは別の工程で成形されたカップ状のインサートが配置され、前記インサートの底面が車体への取付面となり、ブロー成形により前記スポイラー本体部を構成するパリソンの一部が前記カップ状のインサートの内部に膨出してその内面に溶着したインサート付きブロー成形スポイラーが得られる。より具体的には、次の構成を個別に又は組み合わせてとり得る。なお、本発明において単にブロー成形体というときは、パリソンが固化したプラスチックを意味し、インサートを含まない。
(a)前記カップ状のインサートの底面に穴が形成されていて、ブロー成形体の前記穴を被う箇所に加圧気体の吹き込み針が貫通した穴が形成されている。
(b)前記カップ状のインサートの底面にデートマーク穴が形成されていて、ブロー成形体の前記デートマーク穴を被う箇所の表面に立体のデートマークが形成されている。
【0010】
なお、以上の説明は、中空のスポイラー本体部と車体への取付ステイ部からなるインサート付きブロー成形スポイラーに関して説明したが、本発明は一般的なインサート付きブロー成形体にも適用される。
この場合、本発明は、ブロー成形金型の内部にインサートをセットし、型締めしてパリソンを挟み、ブロー成形によりパリソンを膨出させるとともに前記インサートをパリソンと結合させるインサート付きブロー成形体の製造方法である。このとき具体的に次の方法を個別に又は組み合わせてとり得る。
(1)前記インサートが他部材への取付面を有し、その取付面に穴が形成され、前記パリソン内部に加圧気体を吹き込む際に、前記インサートの穴を通して吹き込み針を突出させパリソン内部まで貫通させ、前記吹き込み針を通してパリソン内部に加圧気体を吹き込む。
(2)前記インサートが前記パリソンと相溶性のあるプラスチックからなり、その周縁部全周をくさび状に薄肉に形成し、前記周縁部にパリソンを回り込ませ前記周縁部全周においてパリソンと溶着させる。
(3)前記インサートが他部材への取付面を有し、その取付面にデートマーク穴が形成され、前記ブロー成形金型はデートマーク形成部を有し、前記インサートを前記ブロー成形金型の内部にセットするとき前記デートマーク穴を前記デートマーク形成部に重ね、ブロー成形時にパリソンを前記デートマーク穴から張り出させ、前記デートマーク形成部に接触させて表面に立体のデートマークを形成する。
【0011】
前記方法により、中空のブロー成形体とインサートからなる次の構造のインサート付きブロー成形体が得られる。
(a)ブロー成形された中空のブロー成形体とインサートが結合されたブロー成形体において、前記インサートが取付面を有し、その取付面に穴が形成され、ブロー成形体の前記穴を被う箇所に加圧気体の吹き込み針が貫通した穴が形成されている。
(b)ブロー成形された中空のブロー成形体とインサートが結合されたブロー成形体において、前記インサートが取付面を有し、その取付面にデートマーク穴が形成され、ブロー成形体の前記デートマーク穴を被う箇所の表面に立体のデートマークが形成されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るインサート付きブロー成形スポイラーよれば、吹き込み針が貫通した穴やデートマークがブロー成形時に形成されても、トランクリッドに対する取付面に形成されるので、スポイラーの見栄えが損なわれない。また、インサートをパリソンと相溶性のあるプラスチックにより形成し、その開口側周縁部全周をくさび状に薄肉に形成し、かつ前記周縁部にパリソンを回り込ませることにより、前記周縁部全周においてブロー成形体とインサートの溶着がより確実なものとなり、ブロー成形体とインサートの結合をより強固にすることができるとともに、ブロー成形体とインサートの接合部に隙間ができ、そこから溶剤がしみ込むことも防止される。
さらに、本発明をスポイラー以外のものに適用した場合も、吹き込み針が貫通した穴やデートマークは、インサート付きブロー成形体を他部材に取り付けたとき該インサート付きブロー成形体の見栄えに影響しない。また、ブロー成形体とインサートの溶着がより確実なものとなり、ブロー成形体とインサートの結合をより強固にすることができる点でも、同様の作用を得ることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図1〜図4を参照して、本発明に係るインサート付きブロー成形スポイラーについて説明する。
図1に示すように、本発明に係るスポイラー1は、翼状の本体部2と、両端近傍の取付ステイ部3からなり、車体後部のトランクリッド4(図4参照)上にボルト・ナットにより固定される。
図3,4に示すように、取付ステイ部3には、予め別の工程で成形されたプラスチック製のカップ状のインサート5が配置され、本体部2を構成するブロー成形体10の一部が前記インサート5の内面に溶着している。インサート5のプラスチックは本体部2を構成する熱可塑性プラスチックと相溶性を有し、互いに溶着し得る。
【0014】
インサート5は、図2〜4に示すように、周壁6が開口部に近いほど外側に広がったカップ状をなし、底面7にはナット8、ボルト9及び位置決めピン11が固着され、さらに穴12〜15、及び穴16〜18が形成されている。穴12〜15の内周面には、それぞれ上方側が狭くなるようなテーパーが形成されている。穴16〜18の内周面には、それぞれ上方側が広くなるようなテーパーが形成されている。
また、インサート5の開口側周縁部には全周にわたり、図3,4に示すように、くさび状に先端に行くほど薄肉とされ、開口部内側に突出する突起部19が形成されている。
【0015】
ブロー成形にあたっては、型開きした一対のブロー成形金型21,22のうち一方のブロー成形金型21の内部にインサート5をその開口部を内側に向けてセットする(図3参照)。ブロー成形金型21のキャビティ面(内面)には、ボルト9の先端を収容する凹部23が形成され、ブロー成形体10の表面にデートマークを刻印するためのインサート金型24が設置され、さらに截頭円錐状の突出部25が形成されている。また、ブロー成形金型21には吹き込み針26が設置され、これが突出部25の中央部を通るように形成された穴内を進退可能とされている。
ブロー成形金型21の内部にインサート5をセットしたとき、インサート5の周壁6及び底面7は、基本的にブロー成形金型21の内周面に面接触するように構成され、ボルト9の先端が凹部23に位置し、穴(デートマーク穴)15がインサート金型24の位置に重なり、穴(吹き込み針穴)14の大径部が突出部25の位置に重なる。
【0016】
ブロー成形金型21の内部にインサート5をセットした後、型開きしたブロー成形金型21,22の間に図示しないパリソンを降下させる。このとき、吹き込み針26は前記穴内に後退している。続いて定法に従って前記パリソンの下端を閉じてパリソン内部を密封し、ブロー成形金型21,22を型締めして前記パリソンを挟み、インサート5の穴14を通して吹き込み針26を突出させパリソン内部まで貫通させ(図3参照)、続いて吹き込み針26を通してパリソン内部に加圧気体を吹き込み、ブロー成形を行う。なお、図3において、27はブロー成形金型21,22のパーティングラインである。
【0017】
このブロー成形の際、パリソンは膨出してブロー成形金型21,22の内面に沿った形状に成形され、スポイラー本体部2を形成するとともに、インサート5の周縁部に形成された突起部19に当接しかつ突起部19とブロー成形金型金型21の間に回り込んで突起部19を内外から包み込み、さらにパリソンの一部はインサート5のカップ状内部に向けて膨出して、インサート5の周壁6及び底壁7の内面(ナット8及びボルト9を含む)に沿った形状に成形される。このとき穴12〜15の箇所では、パリソンは穴12〜15から張り出して、ブロー成形金型21及びインサート金型24の内面に沿った形状に成形され、かつ穴12〜15内においてテーパーに沿った形状に回り込む。
なお、パリソンがインサート5のカップ状内部に膨出するとき、穴16〜18からカップ状内部に残存していた空気が抜け、これによりパリソンはインサート5の周壁6及び底壁7の内面に沿った形状に密着成形される。穴16〜18は加圧空気により押し付けられたパリソンが漏出しない程度に小径に形成されている。
【0018】
このブロー成形において、パリソンの一部がインサート5の周壁6及び底壁7の内面のプラスチックの部分に溶着し、特にインサート5の突起部19は先端になるほど薄肉であり、かつ両側から溶融したパリソンに包み込まれるため、パリソンとインサート5は該インサート5の周縁部全周において確実に溶着し、インサート5とブロー成形体10の結合強度が向上するとともに、接合部28から溶剤等が内部にしみ込むことが防止される。また、パリソンは穴12〜15内に張り出して穴12〜15の周壁のテーパーに沿った形状に回り込み、この部分においてインサート5とブロー成形体10の結合強度が向上する。
なお、ブロー成形体10のうちスポイラー本体部2を構成する部分の外表面とインサート5の外表面は両者の接合部において滑らかにつながっている。
【0019】
穴14の箇所では、ブロー成形体10のうち穴14を内側から被う部分に吹き込み針26が貫通した穴29が形成され、穴15の箇所には、ブロー成形体10のうち穴15の内側から張り出した部分の表面に立体のデートマーク31(図3参照)が形成される。
製造されたスポイラー1を車体のトランクリッド4に設置する際は、図4に示すように、位置決めピン11をトランクリッド4に形成された位置決め穴に差し込んで位置決めした後、ナット8及びボルト9を利用してトランクリッドに締結する。このようにインサート5の底面がトランクリッド4の取付面となるので、吹き込み針26により形成された穴29やデートマーク31がスポイラーのデザインを損なうことがない。
なお、上記の例ではインサート5は取付ステイ3のほぼ全部を占める形態を有していたが、取付ステイ3の一部又は大部分を占めるような形態であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係るインサート付きブロー成形スポイラーの斜視図である。
【図2】インサートの平面図(開口部側からみた図)である。
【図3】図1のA−A断面図であり、トランクリッドに対する位置決め状態を示す(A−A切断線については図2参照)
【図4】図1のB−B断面図であり、ブロー成形時の状態を示す(B−B切断線については図2参照)
【符号の説明】
【0021】
1 インサート付きブロー成形スポイラー
2 スポイラー本体部
3 取付ステイ部
5 インサート
10 ブロー成形体(パリソンが固化したもの)
14 吹き込み針が通る穴
15 デートマーク穴
19 くさび状の突起部
21,22 ブロー成形金型
24 デートマーク形成用インサート金型
26 吹き込み針
29 吹き込み針が貫通して形成された穴
31 デートマーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空のスポイラー本体部と車体への取付ステイ部からなるスポイラーを製造するに際し、ブロー成形金型の内部に前記取付ステイ部を構成するインサートをセットし、型締めしてパリソンを挟み、ブロー成形によりパリソンを膨出させてスポイラー本体部を形成するとともに、前記インサートをパリソンと結合させるインサート付きブロー成形スポイラーの製造方法において、前記インサートとして底面に穴が形成されたカップ状のインサートを用い、その開口部を内側に向けて前記ブロー成形金型の内部にセットし、前記パリソン内部に加圧気体を吹き込む際に、前記インサートの穴を通して吹き込み針を突出させパリソン内部まで貫通させ、前記吹き込み針を通してパリソン内部に加圧気体を吹き込み、前記スポイラー本体部を形成するとともに、パリソンの一部を前記カップ状のインサートの内部に膨出させてその内面に溶着させることを特徴とするインサート付きブロー成形スポイラーの製造方法。
【請求項2】
前記カップ状のインサートが前記パリソンと相溶性のあるプラスチックからなり、その開口側周縁部全周をくさび状に薄肉に形成し、前記周縁部にパリソンを回り込ませ前記周縁部全周においてパリソンと溶着させることを特徴とする請求項1に記載されたインサート付きブロー成形スポイラーの製造方法。
【請求項3】
前記インサートは底面にデートマーク穴が形成され、前記ブロー成形金型はデートマーク形成部を有し、前記インサートを前記ブロー成形金型の内部にセットするとき前記デートマーク穴を前記デートマーク形成部に重ね、ブロー成形時にパリソンを前記デートマーク穴から張り出させ、前記デートマーク形成部に接触させて表面に立体のデートマークを形成することを特徴とする請求項1又は2に記載されたインサート付きブロー成形スポイラーの製造方法。
【請求項4】
ブロー成形された中空のスポイラー本体部と車体への取付ステイ部からなるスポイラーにおいて、前記取付ステイ部にはブロー成形とは別の工程で成形されたカップ状のインサートが配置され、前記インサートの底面が車体への取付面となり、ブロー成形により前記スポイラー本体部を構成するパリソンの一部が前記カップ状のインサートの内部に膨出してその内面に溶着しており、前記カップ状のインサートの底面に穴が形成されていて、ブロー成形体の前記穴を被う箇所に加圧気体の吹き込み針が貫通した穴が形成されていることを特徴とするインサート付きブロー成形スポイラー。
【請求項5】
前記カップ状のインサートの底面にデートマーク穴が形成されていて、ブロー成形体の前記穴を被う箇所の表面に立体のデートマークが形成されていることを特徴とする請求項4に記載されたインサート付きブロー成形スポイラー。
【請求項6】
ブロー成形金型の内部にインサートをセットし、型締めしてパリソンを挟み、ブロー成形によりパリソンを膨出させるとともに前記インサートをパリソンと結合させるインサート付きブロー成形体の製造方法において、前記インサートは他部材への取付面を有し、その取付面に穴が形成され、前記パリソン内部に加圧気体を吹き込む際に、前記インサートの穴を通して吹き込み針を突出させパリソン内部まで貫通させ、前記吹き込み針を通してパリソン内部に加圧気体を吹き込むことを特徴とするインサート付きブロー成形体の製造方法。
【請求項7】
前記インサートが前記パリソンと相溶性のあるプラスチックからなり、その周縁部全周をくさび状に薄肉に形成し、前記周縁部にパリソンを回り込ませ前記周縁部全周においてパリソンと溶着させることを特徴とする請求項6に記載されたインサート付きブロー成形体の製造方法。
【請求項8】
前記インサートの前記取付面にデートマーク穴が形成され、前記ブロー成形金型はデートマーク形成部を有し、前記インサートを前記ブロー成形金型の内部にセットするとき前記デートマーク穴を前記デートマーク形成部に重ね、ブロー成形時にパリソンを前記デートマーク穴から張り出させ、前記デートマーク形成部に接触させて表面に立体のデートマークを形成することを特徴とする請求項6又は7に記載されたインサート付きブロー成形体の製造方法。
【請求項9】
ブロー成形された中空のブロー成形体とインサートが結合されたインサート付きブロー成形体において、前記インサートは他部材への取付面を有しその取付面に穴が形成され、ブロー成形体の前記穴を被う箇所に加圧気体の吹き込み針が貫通した穴が形成されていることを特徴とするインサート付きブロー成形体。
【請求項10】
前記インサートの前記取付面にデートマーク穴が形成されていて、ブロー成形体の前記デートマーク穴を被う箇所の表面に立体のデートマークが形成されていることを特徴とする請求項9に記載されたインサート付きブロー成形体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−213227(P2008−213227A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−51747(P2007−51747)
【出願日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【出願人】(390040958)みのる化成株式会社 (36)
【Fターム(参考)】