説明

インサート挿入装置

【課題】金属のインサートを複数同時に加熱挿入冶具に送りこみセットし、加熱したインサートを熱可塑性プラスチックの成型品ケースに熱挿入することができるインサート挿入装置を提供する。
【解決手段】本発明のインサート挿入装置28−2は、インサートの仮置き手作業をいちどに複数個のインサートを供給できる自動化設備とし更に、挿入装置は、ビットを上向きとし、ビットの下部に熱源を設ける事により熱伝導率を改善し、安定したインサートの温度管理ができ、供給された複数のインサートを受け取り、そのままケースにいちどに挿入できる機構のものとしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属のインサートを複数個同時に加熱挿入治具に送り込みセットし、加熱したインサートを熱可塑性プラスチックの成型品ケースに同時に熱挿入する事が出来るインサート挿入装置(製造設備)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、テレビ、カメラなど多くの装置は、熱可塑性プラスチックのケースにより構成されている。装置は、一般に2つのケースの凹側を向かい合わせ、その凹部に装置として必要な部品を収納しその2つのケースをネジ固定する構造が多い。
その様なプラスチック成形品のケース間固定やケースに部品等を固定する手段としてネジによる固定は、一般的に行われている。
これらネジ固定は、片側のケースに雄ネジをねじ込む事が出来るインサートナットを埋め込み、それに固定する一方のケースには、雄ネジを通す穴を設け、この穴に雄ネジを通しインサートナットにねじ込み固定する構造となっている。
前記インサートナットは、プラスチックケースに成形時に成形金型にセットし樹脂を流し込むと同時にケースに固定する方法のインサート成形とケース成形後にインサートナットを取り付ける穴部に樹脂を熱等で溶かしながら押し込む固定方法の後挿入がある。
インサート成形は、成形金型にインサートナットをセットする必要があり、熱い金型に1つずつセットしなければならず、また不完全にセットすると金型に挟み込まれ型を破損することになり作業性が悪かった。
また、ケースは塗装などの2次加工がありこの工程での不良品は、前工程のインサートナットも含め全て捨てることになり、費用、時間的なロスなど大きな課題があった。
この為、これらのリスクを抑える方法として、2次加工後に良品のみにインサートナットを挿入できる後挿入方法が注目されている。
本発明は、この後挿入に関するものである。
インサートナットを加熱しその熱で樹脂を溶かしながら樹脂に押し込む装置をインサート挿入装置と呼び、そのインサートナットをインサートと言う(例えば特許文献1)。
インサートには、色々な形状があり、その代表的な形状を図17と図18に示す。
図17は、側面段無しタイプ(インサート32a)、図18は、側面段付タイプ(インサート32b)であるが、本インサート挿入装置28は、殆どのタイプのインサートに適用出来る為、インサート32a,bを総称して以後インサート32と呼ぶ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開平7−232257号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
従来タイプのインサート挿入装置でのケースへのインサートの後挿入(熱挿入)は、インサートを手作業で1個ずつネジボスの挿入穴の案内凹部に置き、加熱されたビットにより挿入する構造である。
この為、ケースのネジボス挿入穴を上向きとし、インサートの仮置状況や、挿入後の状況確認が行えるインサートをケース上方から挿入する構造が一般的である。
【0004】
従来タイプのインサート挿入装置には、ハンドプレス式とエアープレス式があり、ハンドプレス式では、可動軸の先端に、エアープレス式では、エアープレス軸の先端にインサートを加熱し押し込むビットを設けた構造である。
インサート挿入は、ハンドプレス式では、ハンドルを手動で回転させ、エアープレス式では、エアーシリンダーを駆動し、ビットを押し下げケースにインサートを挿入する方法である。
【0005】
ケースへのインサート挿入は、ケースのネジボスのインサート挿入穴の案内凹部に事前に手作業によりインサート32を仮置きし、ハンドプレス又は、エアーシリンダーによりビットを下げ、仮置されたインサートのネジ穴にビット先端部の突起を差し込み加熱しつつインサートを挿入する作業方法である。
挿入は、1度に数か所行うことが出来るが、インサートのネジボス部への供給は、手作業であり、作業工数が非常に増加し、またビットを加熱するヒータがビットの上部に有、熱伝導効率が落ち、更にインサートを加熱しつつ挿入する為、挿入速度、ビットの温度管理が難しくなり挿入不良が発生し易い構造となっていた。
更に、インサートに挿入の方向性がある場合は、確認や挿入間違いなど作業工数の更なる増加と不良率悪化などの大きな課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決する手段は、インサートの仮置き手作業を1度に複数個のインサートを供給できる自動化設備とし更に、挿入装置は、ビットを上向きとし、ビットの下部に熱源を設ける事により熱伝導率を改善し、安定したインサートの温度管理が出来き、供給された複数のインサートを受け取り、そのままケースに1度に挿入出来る機構の自動挿入装置とすることにより、作業工数の大幅な削減と挿入不良率の改善及びインサート方向間違いも解消できる。
【発明の効果】
【0007】
その為には、装置構造を2段構造とし、上段には、複数個のインサートを同時に送り出せるインサート送り機構とインサートを挿入するケースの挿入穴を下向きにセット出来、更にケースを上下移動出来るケース保持部を設け、下段には、前記インサート送り機構部とケース保持部間を行き来出来るビットを上向きにし、ビットの下部に熱源を設けたインサート受け部兼挿入治具部を設け、インサート送り機構より複数のインサートを受け取り、加熱しながら、ケース保持部の下部に移動し、その上に上部のケース保持部が下降し加熱されたインサートにケースの挿入穴部を押して1度に複数のインサートを挿入する自動化装置とすることにより、前記課題を解決する事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1−1】従来タイプのインサート挿入装置(ハンドプレス式)28−1aの概念図を示す。
【図1−2】従来タイプのインサート挿入装置(エアープレス式)28−1bの概念図を示す。
【図2−1】第1実施形態のインサート挿入装置28−2機構の概念図を示す。
【図2−2】インサート挿入装置28−2の機構と各部の駆動機構を示す。
【図3】ケース27セット前状態を示す。
【図4】ケース27セット状態を示す。
【図5】インサート送り機構部20のインサート32送り直前の位置状態を示す。
【図6】インサート送り機構30によりインサート32をインサート受け部24にセットした状態を示す。
【図7】インサート送り機構部20が初期の位置まで戻った状態を示す。
【図8】インサート受け部24がケース保持部23の下部へのスライド移動完了状態を示す。
【図9】ケース保持部23を下げインサート32を挿入した状態を示す。
【図10】ケース保持部23を上に逃がしケース27の固定を解除した状態を示す。
【図11】ケース保持部23よりケース27を取り外した状態を示す。
【図12】インサート32の加熱及び温度管理構造を示す。
【図13】インサート32を挿入するケース27実施例を示す。
【図14】別形状のインサート32を挿入するケース27の実施例を示す。
【図15】ケース保持部23外観図を示す。
【図16】ケース保持部23にケース27を実装した状態を示す。
【図17】側面段無しタイプのインサート32a形状例を示す。
【図18】側面段付タイプのインサート32b形状例を示す。
【図19】インサートマガジン21の構造を示す。
【図20】インサートマガジン21の組み込み完成方法。
【図21】インサート32aのインサートマガジン21構造を示す。
【図22】インサート32bのインサートマガジン21構造を示す。
【図23】インサートマガジン21のマガジンホルダー22への実装状態を示す。
【図24】インサート送り機構部20の構造を示す。
【図25】四隅勝手違いアームタイプ94の位置調整機構93の組み立て状態を示す。
【図26】中央アームタイプ95の位置調整機構93の組み立て状態を示す。
【図27】位置調整機構93及びインサート送り機構30の分解図を示す。
【図28】インサート送り機構30によるインサート32のロックと解除動作を示す。
【図29】インサート送り機構30とインサート受け部24との隙間設定方法を示す。
【図30】インサートガイド111底面209からインサート受け面134の第2設定寸法127の活用。
【図31】インサート送り機構30のインサート32−2送り出し待ち状態を示す。
【図32】インサート送り機構30を移動し隙間設定完了状態を示す。
【図33】インサート32−2をインサート受け部24に送り出し完了状態を示す。
【図34】次に送り出すインサート32−2をロックした状態を示す。
【図35】インサート送り機構部20上昇させ隙間を初期設定位置(待機状態)に戻した状態を示す。
【図36】インサートマガジン21の交換時のブッシュ32−1状態を示す。
【図37】インサート受け部24の外観を示す。
【図38】インサート受け部24をケース保持部23下部にスライド移動した状態を示す。
【図39】ケース保持部23のケース27をインサート受部24のインサート32に押しつけた状態を示す。
【図40】ケース27にインサート32を挿入し取り外す状態を示す。
【図41】インサート挿入位置合わせ治具154の実施例
【図42】ケース保持部24にインサート挿入位置合わせ治具154を実装した状態を示す。
【図43】位置合せ治具154によるケース保持部23とインサート受け部24の位置合わせ方法。
【図44】位置合治具154によるインサート送り機構部20とインサート受け部24間の位置合わせ方法。
【図45】インサート送り出し機構部20に位置合わせ治具154をセットした状態を示す。
【図46】インサート送り出し機構30への位置合わせピン155の組み込み状態を示す。
【図47】位置合わせピン155の位置合わせ穴161と円錐形のインサート受け突起36との位置合わせ方法を示す。
【図48】軸方向に方向性無しパレット180−1の外観形状。
【図49】軸方向に方向性無しパレット180−1による選別状態を示す。
【図50】軸方向に方向性無しパレット180−1断面から見た選別状態を示す。
【図51】方向不一致品の取り除き方法を示す。
【図52】串刺し溝182へのインサート32aの集め方を示す。
【図53】串刺し溝181部に設けたマガジン軸差し込み部193の関係を示す。
【図54】図19のインサートマガジン21への収納方法を示す。
【図55】図21のインサート32aのインサートマガジン21の完成状態を示す。
【図56】軸方向に方向性有パレット180−2の形状実施例
【図57】選別溝横断面に対する軸方向に方向性があるインサート32bの挿入例を示す。
【図58】選別溝長手方向断面に対する径方向のインサート32b挿入例を示す。
【図59】誤って入った部品の削除方法を示す。
【図60】抜き治部205の使用方法
【発明を実施するための形態】
従来タイプのインサート挿入装置詳細機構について
図1−1従来タイプのインサート挿入装置(ハンドプレス式)28−1aの概念図を示す。
インサート挿入装置28−1aの構造は、ハンドプレス式の可動軸2の先端にインサートを加熱し押し込むビット1を設けた構造である。
【0009】
ハンドプレス式の基本構造は、テーブル168上に支柱169を立て、その支柱169に上下移動可能なスライド部11を設け、そのスライド部11にラックとピニオンの関係により、ハンドル7を回転すると可動軸2が矢印12方向上下する駆動機構を収納した構造である。
戻しは、上部に飛び出した可動軸2部に圧縮コイルバネ5を設け、可動軸2を押し上げ戻す構造となっている。
可動軸2は、駆動機構の下部にも飛び出しており、その軸の先端に設けた取り付け板170に熱が伝わり難い様に支柱171を 2本使い加熱部3が取り付けられている。
加熱部3には、ヒータ16−1と温度センサ14−1が組み込まれ、支柱169上部に設けられた制御部9により加熱部3の下面に設けた1本又は、複数のビット1の温度管理が出来る構造となっている。
テーブル168上には、インサート32を挿入するケース27がケース位置決め用ガイド部39により位置決めされ固定されている。
このケース27のネジボス78にインサート32を挿入する為に、ビット1の上下移動範囲を設定するための上げストッパー4と下げストッパー6があり、又その基本高さ調整の為の高さ調整機構部8が設けられている。
【0010】
図1−2従来タイプのインサート挿入装置(エアープレス式)28−1bの概念図を示す。
インサート挿入装置28−1bの構造は、エアープレス式であり、ハンドプレス式の様なハンドル7等は無くエアーシリンダー166により、上下駆動する構造である。
エアーシリンダー166は、スライド部167に固定され、上方に突き出したエアーシリンダー軸172には、下げストッパー176を設け、下側に突き出したエアーシリンダー軸172には、上げストッパー173を設け、ビット1の上下移動範囲を設定出来る構造となっている。
その他の構造は、ハンドプイレスと略同様な構造である。
【0011】
ケース27へのインサート32の挿入は、テーブル168上に設けた、ケース位置決め用ガイド部39によりケースの位置決めを行い、ケース27のネジボス78のインサート挿入穴19aの案内凹部174に事前に手作業によりインサート32を仮置175状態とし、ハンドプレス又はエアーシリンダーによりビット1を下げ、仮置175状態とされたインサート32のネジ穴にビット先端部の突起を差し込み加熱しつつインサート32を挿入する作業方法である。
挿入は、1度に数か所行うことが出来るが、インサート32のネジボス78部への供給は、手作業であり、作業工数が非常に増加し、またビット1を加熱するヒータ16−1がビット1の上部に有、熱伝導効率が落ち、更にインサート32を加熱しつつ挿入する為、挿入速度、ビット1の温度管理が難しくなり挿入不良が発生し易い構造となっていた。
更に、インサート32に挿入の方向性がある場合は、確認や挿入間違いなど作業工数の更なる増加と不良率悪化など大きな課題があった。
【0012】
よって、その課題を解決出来るインサート挿入装置28の構造概要について説明する。
図2−1第1実施形態のインサート挿入装置28−2の概念図を示す。
図2−2第1実施形態のインサート挿入装置28−2の機構と各部の駆動機構を示す。
本構造は、ケース27を保持するケース保持部23とそれを移動させるスライド機構部25aと、インサートマガジン21を搭載したインサート送り機構部20とそれを移動させるスライド機構部25bと、インサート送り機構30よりブインサート32を受け取り後加熱するインサート受け部24とそれを移動させるスライド機構部25c及びそれらを制御する制御部26により主に構成される。
【0013】
ケース保持部23とそれを移動させるスライド機構部25aには、上下駆動用のエアーシリンダー33−1と戻しアシスト用の圧縮バネ34を設け、インサート送り機構部20を移動させるスライド機構部25bには、降下駆動用のエアーシリンダー33−2と戻し用の引っ張りバネ44を設け、インサート受け部24とそれを移動させるスライド機構部25cには、左右駆動用のエアーシリンダー33−3が設けられている。
各エアーシリンダー33−1〜3部には、エアーパイプが接続され、圧搾空気で駆動される。
【0014】
各機構部の配置
本装置は、制御部26の上に機構部が2段構造となっており、上段にインサート32を挿入するケース27を保持するケース保持部23を設け、それに並ぶ状態にてケース27で必要とする1台分の数量のインサート32を送り出すインサートマガジン21を複数搭載したインサート送り機構部20を設けた構造としている。
下段には、前記ケース保持部23とインサート送り機構部20の両者の下部間を往復できるスライド機構部25cを設け、そのスライド部48には、ケース27で必要とする1台分の数量のインサート32を同時に受け取ることができるインサート受け部24を設ける構造としている。
制御部26は、上記機構部の動きを制御する部分であり、その上に基礎板46を置き、上段と下段の機構部を取り付けている。
【0015】
第1実施形態のインサート挿入装置28−2の構造詳細
上段のケース保持部23は、ケース27をケース位置決めガイド部39に沿ってケース27のインサート挿入穴19bを下向きにしてセット出来る構造であり、このケース27のインサート挿入穴19bを基準とし各部の位置合わせを行う。
ケース27は、ケース保持部23のケース位置決め用ガイド部39に沿って置くだけで、インサート32挿入前の降下移動時に自動的にケース27が固定出来るケース押さえ部43を有している。
本ケース保持部23は、基礎板46にケース保持部支柱41により固定されたケース保持部取り付け板47にスライド機構部25cを介してスライド可能に固定され、圧縮バネ34により押し上げられ、ケース保持部上げストッパー52に突き当たり保持されている。
ケース押さえ部43は、スライド機構部25cの軸部にスライド可能にガイドされ、ケース保持部取り付け板47に固定されているエアーシリンダー33−1の軸に固定され、エアーシリンダー33−1の駆動により、上下移動する。
【0016】
これによりインサート挿入時は、ケース押さえ部43が降下して、ケース27の上面を押しながら更に降下し、中段で待機しているインサート受け部24にセットされ加熱されたインサート32に、ケース27のインサート挿入穴19bを押しつけ挿入する。
挿入後は、エアーシリンダー33−1を戻し方向に作動させるとケース押さえ部43とケース保持部23の間にケース27を保持した状態で圧縮バネ34のバネ力で上昇しケース保持部上げストッパー52に突き当たり、ケース保持部23とケース27は取り残され、ケース押さえ部43のみ、エアーシリンダー33−1の駆動により、更に上昇することにより自動的にケース固定が解除されケース27は、手動により簡単に取り外しができる構造となっている。
エアーシリンダー33−1の駆動は、インサート挿入用エアーパイプ53によりエアーを引き込み行い、移動の限界位置は、ケース押さえ上ストッパー55 とケース押さえ下げストッパー56により行う構造である。
【0017】
ケース保持部23と並んで設けられたインサート送り機構部20には、インサートマガジン21を複数保持したマガジンホルダー22がインサート送り機構取り付け板29に取り付けられた支柱40により取り付けられている。
インサートマガジン21は、挿入方向に向きを揃えた複数のインサート32が収納されており、そのインサートマガジン21は、ケース27が必要とするインサート数に合わせ複数個インサート送り機構30にセットされている。
インサート送り機構30は、取り付け板49に水平方向の位置調整可能に取り付けられており、その取り付け板49は、インサート送り機構取り付け板29に固定されている。
更にインサート送り機構取り付け板29は、スライド機構部25bにより上下方向にスライド移動可能に基礎板46に固定されている。
インサート送り機構30は、インサート送り機構取り付け板29上に設けた取り付け板49に複数取り付けられそのインサートガイド穴97にマガジン21の下端軸部がインサート32と一緒に嵌めこまれている。
【0018】
インサート送り機構30は、インサートマガジン21からインサート32を1個ずつ送り出す機能を有しており、複数セットされたインサートマガジン21とインサート送り機構30の組み合わせ部より、同時に複数のインサート32を送り出すことが出来る。
このインサート送り機構30のインサート32の出口17は、ケース保持部23にセットされたケース27のインサート挿入穴19b位置と位置関係が合わされ固定されている。
インサート送り機構部20は、上下方向にスライド移動できるスライド機構25bを有しており、駆動は、降下用のエアーシリンダー33−2により行い、その動作限界は、インサート送り機構上げストッパー50インサート送り機構下げストッパー51によりインサート32の送り位置出し位置を制御する構造である。
インサート送り機構30は、エアーシリンダー113図28があり、インサートロック解除用エアーパイプ54が接続されており、インサート32の送り出し時のインサートロックを解除する機構を駆動している。
インサート32の送り出し時は、インサート送り機構部20が下降しインサート送り機構30を下げストッパー51によりインサート受け部24との適切な位置を確保する機能を有している。
インサート送り出し後は、上昇し、インサート送り機構上げストッパー50によりインサート受け部24のスライド動作を妨げない位置で待機している。
【0019】
下段には、インサート受け部24が設けられており、基礎板46に固定されたスライド機構部25aのスライド部48に固定されている。
インサート受け部24は、インサート送り機構30より送り出される複数のインサート32を受け取り保持する機能と複数のインサート32を加熱する機能を有し、その受け部のインサート受け突起36は、ケース27のインサート挿入穴19bの位置及びインサート送り機構30のインサート32の出口17の位置と位置合わせされている。
インサート32は、加熱する必要がある為、インサート受け突起36の下部にはヒータ16−2が設けられており、インサート32を置くだけで安定した加熱ができる構造となっている。
インサート受け部24は、ケース保持部23とインサート送り機構部20の下部を往復できるスライド機構部25aに搭載されており、インサート受け取り後、インサート32を加熱しながらケース保持部23の下部にスライド移動し、ケース27のインサート挿入穴19bに複数のインサート32を同時に挿入し、再びインサート送り機構部20の下部に戻り次に送り出されるインサート32を待ち受けの為、待機する構造となっている。
スライド機構部25aの駆動は、エアーシリンダー33−3で行うためにインサート受け部エアーパイプ57が引き込まれ、その位置制御は、インサート挿入位置ストッパー59とインサート受け取位置ストッパー60により行う構造である。
以上の工程を繰り返すことで効率的なインサート32の挿入作業を連続して行える機構となっている。
【0020】
インサート32の圧入工程詳細を図3〜11に示す
▲1▼図3はケース27セット前状態を示す。
ケース27を取り付けできる様に、ケース押さえ部43を上限まで上げ、ケース保持部23とのケース取り付け作業スペース62を空けている。
第1実施形態のインサート挿入装置28−2の挿入作業前準備としては、インサートマガジン21にインサート32を装填し、ケース(図2−1)の27が必要とするインサート32の数だけインサートマガジン21をインサート送り機構部20にセットする。また、インサート受け部24のインサート受け突起36の位置は、ケース27のケース挿入穴(図2−1)19b位置と、インサート送り機構部20のインサート送り機構30のインサート32の出口17位置に合わせされている。
【0021】
▲2▼図4はケース27セット状態を示す。
ケース27をケース保持部23のケース27の周囲4面がガイドされるケース位置決め用ガイド部39に合わせ決められた方向でケース27のボス先端のインサート挿入穴19bを下側に向けケース27をセットする。
ケース27の固定は、後工程でケース押さえ部43により自動的に固定される為、この工程では、ケースセット35の様に置くだけで良い。
【0022】
▲3▼図5はインサート送り機構部20のインサート32送り直前の位置状態を示す。(インサート送り機構30のロック板63のロック板底面131(図29)とインサート受け部24のインサート受け突起36のインサート受け面134(図29)間の間隔を、インサート1個分+α58にセットした状態。)
インサート送り機構30のロック板63のロック板底面131(図29)とインサート受け部24のインサート受け突起36のインサート受け面134(図29)間の間隔をインサート1個分の高さ+αになる位置まで降下用のエアーシリンダー33−2を作動させることによりインサート送り機構部20を降下させる。
ロック板63のロック板底面131(図29)とインサート受け突起36のインサート受け面134(図29)間の間隔を、インサート1個分+α58にセットする理由は、次に送り出すインサート32をロック板63が確実にロック出来る位置関係とする為である。
図5の部分断面部は、エアーシリンダー33−2のシリンダー軸42が矢印15方向に下がり、引っ張りバネ44が伸ばされた駆動部の状態を示す。
【0023】
▲4▼図6はインサート送り機構30によりインサート32が送りだされインサート受け突起36にセットした状態を示す。
インサート送り機構30のロック板63をインサート送り機構30の中に設けたエアーシリンダー113(図28)により駆動し、インサートロックを解除するとインサート32は、自重で矢印18方向に、落下しインサート32のネジ穴がインサート受け突起36の円錐形のピンに嵌り保持される。
その後、ロック板63を駆動させたエアーシリンダー113(図28)のエアーを抜くと、ロック板は、内部に設けたロックバネ115(図28)により、次のインサート32をロックする。
【0024】
▲5▼図7はインサート送り機構部20が初期の位置まで戻った状態を示す。
インサート送り機構部20は、図6で落下させたインサート32の2段目のインサート32をロック板63でロック後、矢印66方向の初期の位置まで、引っ張りバネ44(図5)力により戻り待機する。
インサート受け部24のインサート受け突起36にセットされたインサート32は、インサート受け部24内に実装された、ヒータ16−2により直ちに加熱される。
加熱適正温度管理は、温度センサ14−2で行う。
【0025】
▲6▼図8はインサート受け部24がケース保持部23の下部へのスライド移動完了状態を示す。
インサート32を受け取ったインサート受け部24をスライド機構25aにより矢印65の方向にスライド移動させケース保持部23下部で停止させる。
インサート受け部24のスライド停止位置は、挿入位置のストッパー59により予め設定され、上部のケース保持部23のケース27のインサート挿入穴19b位置と一致する関係となっている。
【0026】
▲7▼図9はケース保持部23を下げインサート32を挿入した状態を示す。
ケース保持部23のケース押さえ部43は、エアーシリンダー33−1の軸79が伸びことにより矢印68方向に下がり、ケース保持部23との間でケース固定状態67の様に挟み込み、インサート受け部24のインサート32に押しつけ挿入する。
【0027】
▲8▼図10はケース保持部23を上に逃がしケース27の固定を解除した状態を示す。
インサート挿入後、ケース押さえ部43をエアーシリンダー33−1により矢印70方向に上げるとケース保持部23は、圧縮バネ34により上げストッパー52に突き当たるまでケース押さえ部43と一緒に移動し、その後更にケース押さえ部43は、エアーシリンダー33−1によりケース押さえ上ストッパー55に突き当たるまで矢印69方向に上がりケース27から離れケース27の固定が解除される。
【0028】
▲9▼図11はケース保持部23よりケース27を取り外した状態を示す。
ケース保持部23の上方からケース27を取り外した状態71の様に取り外す。
インサート受け部24をスライド機構25aにより矢印72方向にスライドしインサート送り機構部20下部に戻す。
インサート受け部24は、インサート受け取位置ストッパー60に突き当たり停止するがこの位置は、インサート送り機構部20のインサート送り機構30のインサート32の出口17と一致する関係となっている。
次ぎは、▲2▼の工程まで戻り繰り返し作業を行う。
【0029】
図12はインサート32の加熱及び温度管理構造を示す。
本インサータ28−2は、インサート32を加熱する為にインサート受け部24を加熱している。
よって、作業者の火傷等防止のため、カバー98で被っている。
インサート受け部24の加熱は、ヒータ16−2で行い、温度管理は、その近くに設けた温度センサ14−2で行っている。加熱部の下部には、熱が逃げない様に断熱材73を入れ、更にその下部は、支柱75で保持し空気層74を設け、熱が逃げにくい構造としている。
又、ヒータ16−2は、インサート受け突起36の下部のインサート受け部24内に設け、熱の上昇特性を生かし、インサート受け突起36に効率良く熱を伝える構造にしている。
【0030】
図13はインサート32を挿入するケース27の実施例を示す。
ケース27は、主に熱可塑性プラスチックの射出成型品であり、箱状のケース27の内側部にネジボス78等を設けそのネジボス78の先端部にインサート32を熱挿入する構造となっている。
その構造例を図13に示す。
一般にケース内には、電気部品等を収納する為や、物を入れるケース類であり、凹状となっている。
そのケース27の周囲をネジで固定する為にケース27内側付近にネジボス78部を設けそのネジボス78の先端部にインサート32を挿入するインサート挿入穴19−bを設け、その穴は、インサート32径より多少小径とし加熱したインサート32を、その熱で一部溶かしながら押し込む条件としている。
別の例(図示していない)では、穴の口元の1部をインサート32より多少大き目な穴とし、インサート32挿入の案内とし、奥の穴径をインサート32径より多少小径とする場合もある。
【0031】
図14は別形状のインサート32を挿入するケース27の実施例を示す。
携帯電話機等では、1部を曲線等でまとめたケース27も多いが、保持部の基本構造としては、図13と同様に4辺を支えるが、ケース27周囲のR部の一部をガイド板39により線接触により支え保持することもある。
【0032】
図15はケース保持部23外観図を示す。
ケース保持部23は、ケース27にインサート32を挿入する作業を繰り返す必要がある為、ケース27を簡単に着脱できる構造となっている。
前記ケース保持部23は、ケース保持板31上に保持板76を設けその上に前記ケース27外形で位置合わせが出来るケース位置決め用ガイド部39を4方向に設けた構造であり、多くのケース類に適用できる様に取り換え可能な2重構造で固定されている。
4方向のケース位置決め用ガイド部39は、ネジ38により固定でき、固定穴を長円穴117とすることで、矢印77方向に位置調整可能な構造である。
【0033】
図16はケース保持部23にケース27を実装した状態を示す。
ケース保持部23は、ケース27にインサート32を挿入する為に固定する保持機構であり、図16は、ケース保持部23の上方からケース位置決め用ガイド部39によりケース27をセットした状態である。
ケース27は、置くだけで位置が決まり、そのケース27の上方からケース押さえ部43(図2−2)を上下移動用のエアーシリンダー33−1(図2−2)で押さ付け、ケース27を完全に固定する構造である。
ケース27の向きは、インサート32を挿入するインサート挿入穴19bが下側に向く位置関係でセットする。
ケース保持板31と保持板76には、センター部に穴120を設け、矢印132方向より、ケース27のインサート挿入穴19bが見え、インサート32が挿入出来るスペースを確保している。
【0034】
本インサータ28−2で使用出来るインサート32は、色々な形状のものがあるがその代表的な側面段無しタイプと側面段付タイプの2種類について説明する。
図17は側面段無しタイプのインサート32a形状例を示す。
インサート32aの形状例は、径より部品長さが短いタイプの形状例(径>部品長さ)であるが、逆の関係(径<部品長さ)の形状のものもある。
挿入するインサート23aは、一般的には、ネジ固定用の雌ネジ81が設けてあり、中心に穴があいている。
周囲には、ローレット80が施してあり、インサート挿入により、インサート挿入穴19b部が溶け、ローレット80に食い込みインサート32aが抜けない様に保持できる構造となっている。
本インサート32aは、形状から挿入に対する方向性が無く、軸方向82の両面のどちら側からでも挿入出来る形状となっている。
【0035】
図18は側面段付タイプのインサート32b形状例を示す。
インサート23bは、中心部に雌ネジ81を設けたものが一般的であるが、特殊なものでは、穴のみでネジなしの軸形状のものなどがある。
又、側面には、インサート32bの抜け止めとしてケースの樹脂を軟化させ食いつかせる為のローレット80を設けているが溝84や径を変え段付83とし,更に抜け止め力を強化しているものなどがある。
本インサート32b形状は、径より部品長さが短いタイプの形状例(径>部品長さ)であり、更に軸方向82において、径が細く、段差の形状違いがあり、挿入は、挿入側133より行うタイプのインサート32bの実施例である。
径>部品長さについては、逆の関係(径<部品長さ)の形状のものもある。
【0036】
本インサータ28−2において、インサート32を挿入する為には、複数のインサートを同時にインサート受け部24に送り出す必要がある。
その為には、インサート32の方向を統一して、インサート送り機構部20に供給しなければならない。
従来技術では、パーツフィーダを使いインサート32を送り込む構造が考えられるが、既に上げた課題の様に部品詰まり等により、インサート挿入装置の作業が中断され、作業効率が著しく悪化する事が考えられる。
この課題を解決する方法として、次に上げるインサートマガジン21により、インサート32を的確に供給する事が出来る。
そのインサートマガジン21の構造について説明する。
図19はインサートマガジン21の構造を示す。
インサートマガジン21は、インサート32を通す軸部87と、片端に設けたインサートマガジン21を吊り下げる吊り下げ部85とインサート32が抜け落ちない為のストッパーであるチューブ86で構成されている。
吊り下げ部85は、軸にカシメ88により固定され、チューブ86は弾性体の軸部87の径より小さい穴を設け、取り外し可能に差し込まれている。(ここでは、インサート32は、記載していない)
【0037】
図20はインサートマガジン21のブッシュ32a組み込み方法。
インサート32aは、チューブ86側より矢印136−1方向に挿入され満杯状態で抜け止めの為、チューブ86を矢印136−2方向より圧入する構造としている。
インサート32aの挿入において、軸方向の形状は両側とも同じであり軸方向のみ揃えるパーツフィーダ(図示していない)を使い軸部87にインサートを差し込む。
【0038】
図21はインサート32aのインサートマガジン21の完成状態を示す。
インサートマガジン21の長さは、インサート32a収納数と装置サイズを考慮して決める。
余り長いと装置高さが大きくなり、またマガジンの取り扱いが難しくなるが、少ない短いとインサート32aの収納数が少なくなり頻繁にマガジン交換が必要となる為、作業効率を考慮して決める。
【0039】
図22はインサート32bのインサートマガジン21の構造を示す。
インサート32bの向きは、軸方で異なる為、挿入方向に合わせてマガジンに収納する必要がある。
インサータ28−2では、ケース27にインサート32bの径の細い側より挿入する為、マガジン軸の吊り下げ側にインサート32bの径の細い側を向けて収納しなければならない。
その収納状態を図22に示す。
マガジン軸の片側には、吊り下げ部85があり、軸部87には、インサート32bが通され複数収納されている。
軸部87の吊り下げ部85と逆端部には、軸部87の軸径より小さい内径の弾性体のチューブ86が差し込まれブッシュ32bが抜け落ちない構造となっている。
【0040】
インサートマガジン21の使用方法
インサートマガジン21は、非常にシンプルな構造であり、吊り下げ部85により、吊り下げ、抜け止めのチューブを抜き去ると、自然落下で全て抜けてしまうほどに供給性が優れている為、部品詰まりは、皆無な構造である。
また、インサート32の向きは、そのインサート32が必要とされる方向に事前にセットされており、方向違いも皆無に出来る。
よって、インサート送り機構部20が同時に複数個のインサート32を送り出す為には、前記インサートマガジン21を必要な数だけインサート送り機構30にセットすることで解決できる。
【0041】
本インサート挿入装置28−2では、多数のインサート32を1度に送り込む装置であり、多数のインサートマガジン21をマガジンホルダー22に吊るす為、吊り下げ部85が軸87の片端に設けてある。
チューブ86は、弾性のあるゴム、プラスチック等のチューブを圧入することで搬送作業やインサータにセット時の抜けを防止でき、インサート送り機構30にセットする時にチューブ86を引き抜くだけで簡単に組み込み出来る。
マガジン構造とすることで、そのマガジン化作業が発生するが単純作業であり事前に準備ができる為、インサート挿入作業工程に直接影響するパーツフィーダのトラブルと比較すると本システムの方が格段に優れていると言える。
【0042】
図23はインサートマガジン21のマガジンホルダー22への実装状態を示す。
インサートマガジン21は、吊り下げ部85の溝をマガジンホルダー22のスリット90に矢印89方向に差し込むことで吊り下げることが出来る。
本インサータ28−2では複数個同時にインサート32を供給する必要がる為、複数のインサートマガジン21を吊るす必要がある。
その為、マガジンホルダー22は、インサート送り機構部20のインサート送り機構30への位置的な対応が可能となる複数の長いスリット90を有する構造としている。
【0043】
インサータ28−2へのインサートマガジン21の組み状態を図5に示す。
マガジンホルダー22は、図5に示す様に、インサート送り機構部20のインサート送り機構取り付け板29に支柱40を介して取り付け固定されており、その、マガジンホルダー22にインサートマガジン21が吊り下げられ、その先端がインサート送り機構30のインサートガイド穴97にインサート32を含め差し込まれている。
インサートマガジン21の組み
本マガジンは、インサート挿入状態でも曲げる事が出来る為、組み込みは、マガジンホルダー側からでもインサート送り機構30からでも行える為、作業性を考慮して選択して良い。
ここでは、マガジンを曲げることなく組み込む方法を説明する。
インサートマガジン21の組みは、インサート送り機構部20のインサート送り機構30に設けられたインサートガイド穴97に、インサートマガジン21に収納されているインサート32が抜け落ちない様に保持してから、インサートマガジン21の抜け止めチューブ86を引き抜き、その軸部87の先端を差し込み後、マガジンホルダー22のスリット90に吊り下げ部85を差し込む事により組み込みが完了する。
インサート32は、軸87をインサートガイド穴97に、差し込み後、その保持を解くと、自由落下によりインサートガイド穴97内に入る。
インサートマガジン21は、組み込み後、出来るだけ垂直となる様に、インサートガイド穴97に対して真上になるマガジンホルダー22のスリット90を選び差し込む。
マガジンホルダー22は、スリット長さ、スリット数などを、インサート送り機構30の位置に対応出来る様に配慮して設ける事によりインサートマガジン21が複数必要な場合も前記組み立て方法により組み込む事が可能な構造とすることができる。
よって、インサート挿入作業でのインサート32の供給は、インサートマガジン21のインサートが無くなった時点にてインサート32が収納されているインサートマガジン21と交換するだけで済み、事前にインサートマガジン21を準備する事により計画的な製造に対応できる構造となっている。
【0044】
図24はインサート送り機構部20の構造を示す。
インサート送り機構部20は、インサート送り機構取り付け板29上に、支柱45を介して、取り付けられた送り機構位置調整板96 と位置調整機構93のX方向スライド部99又は178に取り付けられたインサート送り出し機構30により構成され、更にそれらは、複数個構成出来る構造となっている。
多数個のインサート32をケース27のネジボス78位置に合わせ1度に送り出す機構部であり、インサートマガジン21の先端部を各インサート送り出し機構30のインサートガイド穴97にインサートマガジン21を1個ずつ差し込み、インサートマガジン21から連続的にインサート32が供給される構造である。
【0045】
本実施例の場合、インサート送り出し機構30は、ケース27の6個のインサート挿入穴19bへの対応であり、6台必要となる為、送り機構位置調整板96上に位置調整機構93を6セット設け、そのX方向スライド部99にインサート送り出し機構30を設けている。
インサート送り出し機構30のインサートガイド穴97のケース27への位置調整は、送り機構位置調整板96上に設けた位置調整機構93により行い、ケース27のインサート挿入穴19b位置に合わせ易い様に位置調整機構93は、X方向スライド部99と、Y方向スライド部100を変形させ四隅勝手違いアームタイプ94が4個とX方向スライド部176と、Y方向スライド部177による中央アームタイプ95が2個の合計6個の組み合わせにより構成されている。
インサート32を送り出す駆動機構としては、エアーシリンダー113を使い、インサート送り機構取り付け板29にメインエアーパイプ91を付設し、その取り付け板内部で分岐した分岐エアーパイプ92が6箇所のインサート送り機構30に設けたエアーシリンダー113部へ付設されている。
【0046】
図25は四隅勝手違いアームタイプ94の位置調整機構93の組み立て状態を示す。
インサート送り出し機構30の位置調整機構93は、送り機構位置調整板96とY方向スライド部100及びX方向スライド部99により構成されており、X方向スライド部99は、Y方向スライド部100に、Y方向スライド部100は、送り機構位置調整板96に位置調整後ネジ固定される。
四隅勝手違いアームタイプ94は、四隅部において、位置調整範囲が広く取れる様に長手方向の隅に対して、固定部を内側に設け、短手側は、勝手違いのクランク形状に曲げたX方向スライド部99を用いてのX方向スライドガイド109がインサート挿入穴19b位置設定外に出る様に配慮している。
Y方向スライド部100は、送り機構位置調整板96に設けたガイド溝102にY方向スライド部100の送り機構位置調整板96側に突き出して設けた長方形リブ103を嵌めこみグラつきを無くし、固定ネジ位置が内側に来る形状にて固定できる構造となっている。
X方向スライド部99は、Y方向スライド部100に設けたX方向スライドガイド109に嵌めこみ位置調整後長円穴108部でネジ固定する構造である。
インサート送り出し機構30は、X方向スライド部99に設けた2つの取り付け穴106により、位置調整が更に容易になる配慮がされている。
【0047】
図26は中央アームタイプ95の位置調整機構93の組み立て状態を示す。
構成及び構造は、四隅勝手違いアームタイプ94と同じであるが、Y方向スライド部177の固定部のネジ止め位置をX方向スライド部178の両サイドに設け、ネジ固定スペースを最小化することにより位置調整が効率良く行える様配慮されている。
X方向スライド部178は、直線形状でスペースの最小化し、インサート送り出し機構30は、2つの取り付け穴106により、位置調整が更に容易になる配慮がされている。
【0048】
図27は位置調整機構93及びインサート送り機構30の分解斜視図を示す。
インサート送り機構30は、位置調整がより広い範囲で容易に出来る様にX方向スライド部99の四隅勝手違いアームタイプ94に設けた2箇所のインサート送り機構30の取り付け穴106の1つにインサート送り機構30のインサートマガジンガイド穴97を有するインサートガイド111部を差し込み、側面より押しネジ105により取り付けられている。
中央アームタイプ95のインサート送り機構30の取り付けも同様である。
【0049】
インサート送り機構30は、インサート32を1個ずつ送り出す機能を有しおり、主に、インサートガイド111、インサートロック及び解除機構104、ロックバネ115、バネ力調整機構114、エアーシリンダー113、インサートロック解除用エアーパイプ54、及び、それらを収納するハウジング116により構成される。
【0050】
図28はインサート送り機構30によるインサート32のロックと解除動作を示す。
インサートガイド詳細図110は、インサートロック及び解除機構詳細図112のインサートガイド111部の拡大図であり、インサート32とインサートロック穴119の位置関係を示した図である。
インサートロック及び解除機構詳細図112は、中央のインサート送り機構30よりインサートロック及び解除機構104に関係する主要部品を結合し拡大して抜きだした図である。
【0051】
インサートロック及び解除機構詳細図112の中のインサートロック及び解除機構104は、インサートガイド111、ロック板63、ロックバネ115、バネ力調整機構114、回転軸121、エアーシリンダー113、インサートロック解除用エアーパイプ54等で主に構成されている。
インサートロック及び解除機構104は、インサートガイド111の中を通り送り出すインサート32を1次的にロックし、インサート32を送り出すタイミングに合わせてロックを解除し、インサート32を送り出し後、次のインサート32をロックして、次の送り出しのタイミングを待つ機能を有している。
【0052】
インサートガイド詳細図110は、インサートガイド111に設けたインサートロック穴119とインサート32の位置関係図であり、インサートガイド111のインサートガイド穴97内にインサートマガジン21の軸部87とインサート32を挿入した状態の図である。
インサートガイド111のインサートガイド穴97の下部にその穴に貫通する角穴のインサートロック穴119を設け、この穴よりロック板63を差し込み、インサートガイド穴97内を通過するインサート32を側面より押さえロックし、その押し力を解除して通過させる機能を得るための1段目インサート32−1と2段目インサート32−2の位置を示している。
その位置は、インサートガイド111のインサートロック穴119の開口部より、1段目インサート32−1が見えている状態であり、この位置でロック板63により押さえると1段目インサート32−1がロック出来る。
2段目インサート32−2は、1段目インサート32−1に乗っている状態であり、1段目インサート32−1がロック解除され自重により落下すると、2段目インサート32−2も同時に同じ位置まで移動する。
この状態でロック板63を作動させると2段目インサート32−2をロックすることが出来る関係位置にある。
【0053】
インサートロック及び解除機構詳細図112は、そのロック板63の作動方法を示す図である。
インサートガイド穴97を有するインサートガイド111は、ハウジング116に固定ネジ118で固定されており、それを分解した状態である。
インサート32をロックおよび解除する為には、インサートガイド111のインサートロック穴119にロック板63が嵌ることが出来る位置関係とその中を通過するインサート32をロック板63により押しつけたり離したりできる機構が必要である。
図の様に、ロック板63の略中間部に回転軸121を設け、ロック板63の片端にバネ力調整機構114を有するロックバネ115により適切なバネ力にて負勢し、また逆端部は、ロック板63に設けた長円穴207にエアーシリンダー113の軸が回転スライド可能に無負荷状態で固定している。
インサートガイド111のインサートロック穴119は、ロックバネ115と回転軸121の間に設け、ロック板63がインサートロック穴119に嵌めこめる位置関係としている。
【0054】
以上の構造とすることにより、ロックバネ115の負勢力でロック板63は、回転軸121を回転中心としてブッシュガイド111側(矢印124方向)にシーソー的動作により移動しインサートロック穴119に嵌まり込む事によりインサートガイド穴97内にあるインサート32はロックされる。
ロック解除は、無負荷状態で固定しているエアーシリンダー113にインサートロック解除用エアーパイプ54により圧搾空気を送り込み、ロックバネ115の負勢力より強い力を与えエアーシリンダー113の軸を伸びる方向(矢印122方向)に作動させ回転軸121を回転中心としてロック板63がインサートガイド穴内を通過するインサート32より離す方向(矢印123方向)にシーソー的動作により移動しインサート32のロックを解除する構造である。
ブッシュロック及び解除機構詳細図112の実線のロック板63の位置では、ブッシュ32をロックし、想像線のロック板63は、インサート32を解除した状態を示している。
【0055】
ハウジング116には、各前記部品が組み込み出来、ロック板63やロックバネ115、エアーシリンダー113の伸縮が可能なスペースを有し、ネジによるバネ力調整機構114を取り付けるネジ穴が設けられている。
【0056】
図28で説明したインサート送り機構30単独では、ロックしたインサート32−1を解除すると、その上に積み重なっているインサート32−2以降のインサート32が連続して落下してしまいインサート32を、1個ずつ送り出すことができない。
よって、インサート32を1個ずつ送り出す為には、インサート32−1を1つ受けとり保持し、その上に積み重なり保持された次のインサート32−2をインサート送り機構30がロックした後に初期に受け取ったインサート32−1を次の工程に移動させる機構部(後で詳細に示すインサート受け部24)が必要となる。
【0057】
インサート送り機構30より送り出されたインサート32は、インサート送り機構部20の下側にて、待機しているインサート受け部24により受け取り保持する構造となっている。
そのインサート受け部24部とインサート送り機構30の関係について説明する。
図29はインサート送り機構30とインサート受け部24との隙間設定方法を示す。
本設定は、インサート送り機構30より送りだされる最初のインサート23−1を受取り、続けて送り出される次のインサート32−2をロック板63により安定的に押さえロックする為のインサート送り機構30とインサート受け部24との隙間の設定である。
インサート32は、インサートマガジン21により、積み重ねられて収納され、それが、インサート送り機構30のインサートガイド穴97に入り、インサートロック及び解除機構104部を経て連続的に送り出される。
インサート32は、積み重なって送り出される為、インサート受け部24のインサート受け面134からロック板63のロック板低面131までの隙間寸法がインサート32を1個分の高さ寸法+次のインサート高さ寸法間であれば、ロック板63は、インサート32のロックを解除し、最初のインサート32−1が落下によりロック板63前を通過し、下で待ち受けるインサート受け部24で受け取り後、積み重なって落下する次のインサート32−2が必ずロック板前に来る関係となり、インサート32を順番に1個ずつロックし、1個ずつ送り出すことが出来る。
【0058】
図29は、インサート受け面134からロック板63のロック板低面131までの隙間をインサート32にの1個分の高さ寸法とした場合であり、この時ロック板低面131は、インサート32−1の上面と0の位置でロックされている。
しかし、インサート32の寸法公差や、本装置の設定公差等のズレがある為、次のインサート32−2の高さ寸法内に余裕を持って入っている状態で、可能な限り早めにインサート32をロックする必要がある。
【0059】
図29には、インサート送り機構30のインサートガイド111とその内部挿入されたインサート32とロック板63と、ロックバネ115、その下側にインサート受け部24が記載されている。
インサートガイド111のインサートガイド穴97には、インサートマガジン21が差し込まれ、内部にあるインサート32の最初に送り出される最初のインサート32−1と次のインサート32−2がある。
本図は、ロック板の低面131とインサート受け面134間の隙間をインサート1個分の高さスペース125分空けてある図である。
次のインサート32−2は、最初のインサート32−1の上に積み重ねられており、そのインサート32の底面と向き合ってロック板63の底面が同じ高さとなっている。
この状態でロック板63を矢印208−1方向にロックバネ115のバネ力で押すと次のインサート32−2の下限でロックすることが出来るが、関連部分のズレがある場合は、最初のインサート32−1もロックしてしまう可能性がある。
【0060】
図30はインサートガイド111底面209からインサート受け面134の第2設定寸法127の活用。
この為、各部の公差によるズレを考慮し、ロック板の底面131とブインサート受け面134間の隙間設定は、インサート1個分の高さスペース125+α128の第1設定寸法126とし、ロック板63を矢印208−2の方向に押すと、次のインサート32−2は、ロック板の底面131がインサート32−2の底面より+α128分インサート32−2側に入り込む状態となり、上下のインサート32−1及び32−3に関係することなく確実に次のインサート32−2をロック出来る位置関係となる。
よって、インサート挿入装置28−2は、インサート32の1個分の高さ+α128(+αは、関係する寸法のズレを考慮して設定するがここでは、インサート高さの1/4程度とする)の第1設定寸法126を設定する必要がある。
実際の装置では、ロック板の底面131の位置がインサート送り機構30の内部となる為、治具肉厚寸法129を考慮したインサートガイド111底面209からインサート受け面134の第2設定寸法127により設定しても良い。これらは、装置構造でも異なるため、この限りではない。
【0061】
インサート送り機構部20とインサート受け部24の位置関係と、送り出されるインサート32のロック及び解除状態をインサート送り出し工程に沿って説明する。
【0062】
図31はブッシュ送り機構30のブッシュ32−2送り出し待ち状態(待機状態)を示す。
図31は、図30の設定状態から矢印208−4方向にインサート送り機構30を移動させ、送り出したインサート32−1を矢印方向に取り除き2個目のインサート32−2がロック板63にて矢印208−3の方向に押され、ロックされた状態である。
インサートガイド111底面209からインサート受け面134との逃がし位置130は、インサート受け部24にインサート32−1を保持した状態でスライド移動しケース27にインサート32−1の挿入を完了し戻ってくる為に支障のない間隔に設定する。
【0063】
図32はインサート送り機構30を移動し隙間設定完了状態を示す。
インサート受け部24のインサート受け面134にインサート32−2を送り出す為に、インサート32−2をロック板63により矢印208−6の方向に押している状態のまま、インサート送り出し機構30を図30にて設定した第2設定寸法127の位置まで矢印208−7の方向に移動させた状態である。
【0064】
図33はインサート32−2をインサート受け部24に送り出した完了状態を示す。
ロック板63をインサート32−2より矢印208−8方向に離し、ロックを解除すると、インサート32−2は、矢印208−9の方向に自重で落下しインサート受け部24のインサート受け面134で受け取った状態である。
次のインサート32−3は、インサート32−2上に乗った状態で降下し、ロック板63のロック可能範囲に入る。
【0065】
図34は次に送り出すインサート32−3をロックした状態を示す。
既に送り出されたインサート32−2がインサート受け面134にある状態でロック板63をロックバネにより矢印208−10の方向に押し次のインサート32−3をロックする。
【0066】
図35はインサート送り機構部20を設定位置(待機状態)に戻した状態を示す。
インサート送り機構部20を矢印208−11の方向に上昇させ、インサートガイド111底面209とインサート受け面134の隙間を、インサート挿入の為のスライド移動に支障が無い間隔130に戻す。
上昇移動が終了すると、インサート受け部24は、インサート32−1を搭載した状態でインサート32−2を加熱しながらケース保持部23下部まで矢印208−12方向にスライド移動し、ケース27にインサート32−2を挿入する。
挿入完了後、インサート受け部24は、スライド移動によりインサート送り機構部20下部に戻り、次のインサート32−3を待ち受ける。
以上でインサート送り出しから挿入までのインサート送り機構部20とインサート受け部24の1サイクルの動作が完了する。
【0067】
図36はインサートマガジン21の交換時のブッシュ32状態を示す。
インサートマガジン21の交換は、インサート送り機構30の状況を確認する必要がある為、逃がし位置130の状態で行う。
インサートマガジン21を交換する場合は、インサートガイド穴97にインサートが無い状態で行い、その状態では、ロック板63は、矢印208−5方向に押されインサートロック穴119のロック板移動限界135まで入り込んでいる。
その為、交換したインサートマガジン21より供給されたインサート32−1は、ロック板63に乗り上げた状態で保持される。
【0068】
次の動作は、図32のインサート送り機構30を移動し隙間設定完了状態を示す。の状態からスタートし、図33はインサート32−2をインサート受け部24に送り出した完了状態を示す。に続き、次のインサート32−2は、+α128入った通常のロック板63の位置にてロックされる。
これ以後の工程は、まったく同じ工程によりインサートの送り出しが継続される。
【0069】
図37はインサート受け部24の外観を示す。
インサート受け部24は、インサート受け突起36によりインサート32を受け取り保持し、更に加熱する機能とインサート受け突起36の位置調整ができる機能を有している。
インサート受け突起36部の取り付け構造と、その位置調整機構について説明する。
インサート受け突起36は、X方向スライド部139にネジ込まれ固定されており、X方向スライド部139のガイド溝は、Y方向スライド部140に設けたガイドリブを兼ねるX方向調整ネジ部138にスライド可能に嵌り、Y方向スライド部140のガイドリブは、Y方向調整ネジ部137部に設けたガイド溝142にスライド可能に嵌り、各々がケース27の複数のネジボス78の位置に合わせ位置調整後ネジ固定される。
ここでは6箇所にインサート受け突起36を配置している。
【0070】
インサート挿入装置28−2は、インサート32を加熱し、その熱によりケース27のネジボス78を軟化させ低負荷で押し込む挿入装置であり、その為、インサート加熱機能をこのインサート受け部24に設けている。
インサート32を加熱するためには、インサート受け突起36まで効率よく熱を伝える必要がある。
この為、熱の上昇性を生かし、インサート受け突起36を取り付けているX方向スライド部139とY方向スライド部140が乗っている最も大きなブロックのインサート加熱部147にヒータ16−2を内蔵し上方に熱を伝える構造としている。
下側には、熱を伝える必要が無い為、インサート加熱部147の下側に断熱材73を入れ更に、支柱75で浮かせ空気層153を造り熱のロスを防ぐ様配慮されている。
温度管理は、インサート加熱部147に設けた温度センサ14−2により管理している。
本インサート受け部24は、ケース27下部に移動させインサート32を挿入する為、インサート32を加熱しながらスライド移動する機構を設けている。
その送り機構は、エアーシリンダー33−3によるスライド機構部25aであり、2本のレール144にスライダー141を介したスライド部48にアダプター145を介してインサート受部24を取り付けている。
エアーシリンダー33−3は、レール144間に設け、エアーシリンダー33−3の両端からエアーを送り込みブッシュ送り機構部20下部からケース保持部23下部間を往復可能に制御出来る構造としている。
【0071】
インサート32挿入方法
インサート32挿入は、インサート送り機構部20より送り出されたインサート32をインサート受け部24のインサート受け突起36により、受け取り、更に加熱しつつ、インサート送り機構部20下部からケース保持部23下部にスライド移動し、ケース保持部23のケース27のインサート挿入穴19b部をインサート受け部24のインサート32に押しつけることによりインサート32が挿入される。
【0072】
図38はインサート受け部24をケース保持部23下部にスライド移動した状態を示す。
インサート受け部24のインサート受け突起36にインサート32を保持し加熱されながら矢印146の方向にスライドし、ケース保持部23下部に移動する。
【0073】
図39はケース保持部23のケース27をインサート受部24のインサート32に押しつけた状態を示す。
ケース保持部23のケース27を押さえパッド149で固定し、インサート受け部24のインサート受け突起36にセットしたインサート32にケース27のネジボス78を矢印150の方向に押しつけ、インサート32がインサート挿入穴19b内に押し込まれた状態である。
【0074】
図40はケース27にインサート32を挿入しケース27を取り外す状態を示す。
図10のエアーシリンダー33−1により、ケース押さえ部43に設けた押さえパッド149を上方に移動させるとケース保持部23も、その軸部に設けた(図10)圧縮バネ34が働きケース保持部上げストッパー52までケース保持23の逃がし方向153の方向に上昇し、更にケース押さえ部43もケース押さえ上ストッパー55が、図2−2のケース保持部取り付け板47に突き当たるまで上昇する。
その結果、ケース27を押さえ込んでいた押さえパッド149がケース27より離れ、インサート32を挿入済みのケース27をケース取り出し方向151の方向に取り出すことが出来る。
ケース保持部23が上昇し、インサート受け部24の上部にスペースが出来るとインサート受け部24は、矢印152の方向にスライド可能となる。
インサート受け部24からは、既にインサート32は無くなり、次のインサート32を受け取る為に、インサート送り機構部20の下部までスライド機構部25aにより戻る。
【0075】
インサート32挿入の為の関連箇所の位置合せ
ケース27に複数のインサート32を同時に挿入する為に、ケース保持部23とインサート受け部24間、及びインサート受け部24とインサート送り機構部20間の位置合わせが必要であり、専用の治具を造ることによりにより簡単に位置合わせを行う事が出来る。
本インサート挿入装置28−2の目的は、1度に送り出された複数のインサート32をケース27の複数のネジボス78に1度に挿入することである。
よって、ケース保持部23に保持したケース27の複数のネジボス78の位置を基準にケース保持部23とインサート受け部24間、インサート受け部24とインサート32を送り出すインサート送り機構部20間の位置を合わせる必要がある。
具体的な合わせ部は、ケース保持部23では、ケース保持部23に保持されたケース27ネジボス78のインサート挿入穴19bの中心、インサート受け部24では、インサート受け突起36の中心、インサート送り機構部20では、インサート送り機構30のインサートガイド穴97の中心である。
【0076】
図41は位置合せ治具154実施例
本位置合わせは、ケース保持部23の下部においてインサート受け部24と位置合わせし、更にインサート送り機構部20の下部において、既にケース保持部23位置合わせ済みのインサート受け部24をスライド移動させそのインサート受け部24との位置合わせとなる。
よって位置合わせ治具は、ケース保持部23とインサート送り機構部20に取り付けが出来、下部にて両者共通のインサート受け部24との位置合わせが出来る構造とする必要である。
図41は、ケース27及び位置合せ治具154の外観を示す。
一般にインサート挿入時のケース保持部23へのケースセットは外観面156の一部をガイドし保持する事が多いが、内面側をガイドする場合も有り、この限りではない。
ここでは、外観を基準としてセットする構造により説明する。
位置合治具154は、板状部材157の外観形状を、ケース27ガイド面の寸法に合わせた外形とし、更にケース27のネジボス78のインサート挿入穴19bと同じ位置に位置合わせピン155を設けている。
位置合わせピン155は、複数のインサート挿入部の位置合わせであり、1か所ずつ調整確認が必要なため前記板状部材157に穴を空け、矢印158方向に抜き差し可能に差し込まれている。
【0077】
図42はケース保持部23にインサート挿入位置合わせ治具154を実装した状態を示す。
位置合わせ治具154は、ケース27の外観面156の寸法を合わせているため、ケース保持部23のケース位置決め用ガイド部39の案内により取り付けることにより、ケース27のネジボス78のインサート挿入穴19bと位置合わせ治具154の位置合わせピン155の位置を一致させることが出来る。
位置合わせピン155は、実際のケースのボス長さより長くしているが、位置合わせするインサート受け突起36との隙間により長さを変えても良い。
位置合わせピン155の先端には、円径の位置合わせ穴161を設けてあり、インサート受け部24との位置合わせに使用する。
【0078】
図43は位置合せ治具154によるケース保持部23とインサート受け部24の位置合わせ方法。
位置合治具154による位置合わせ箇所は、2箇所であり下記に示す。
▲1▼ケース保持部23にセットしたケース27のネジボス78のインサート挿入穴19b位置とインサート受け部24のインサート受け突起36間の位置合わせ。
▲2▼インサート送り機構部20のインサート送り機構30のインサートガイド穴97とインサート受け部24のインサート受け突起36間の位置合わせ。
位置合わせ合わせは、インサート受け部24をケース保持部23の下部にスライド移動させ位置合わせを行う。
その状態を図43に示す。
【0079】
ケース保持部23とインサート受け部24の位置合わせ方法は、ケース保持部23に取り付けた位置合わせ治具154から伸びている位置合わせピン155の位置合わせ穴161にインサート受け部24のX方向スライド部139と、Y方向スライド部140によりスライド調整し、インサート受け突起36を差し込む事により位置合わせが行える。
インサート受け突起36は、先端が円錐形となっており、その先端を位置合わせピン155の位置合わせ穴161に差し込むと円錐形突起の傾斜面に案内され、インサート受け突起36が位置合わせ穴161の中心に案内される。
X方向スライド部139と、Y方向スライド部140のスライド移動による位置合わせ時は、図37のY方向調整ネジ部137とX方向調整ネジ部138を緩め、位置合わせ後は、固定して調整が完了する。
【0080】
図44は位置合治具154によるインサート送り機構部20とインサート受け部24間の位置合わせ方法。
図44は、図43にてインサート受け部24の位置調整後、位置合わせ治具154をケース保持部23より外し、矢印160の方向より、インサート送り機構部20のインサート送り機構30のインサートガイド穴97の全個所に位置合わせ治具154の位置合わせピン155を差し込み、その下部にスライド移動させたケース保持部と位置合わせ済みのインサート受け部24のインサート受け突起36に位置合わせピン155の位置合わせ穴161(図42)を嵌めこんだ状態である。
この状態になれば、インサート送り機構部20とインサート受け部24の位置合わせが完了したことになる。
【0081】
しかし、インサート送り出し機構部20部の位置合わせ治具154は、フリーな状態にて為組み込まれている為、インサート受け部24に合わせる為には、調整が必要となる。
その調整を含め説明する。
図45はインサート送り出し機構部20に位置合わせ治具154をセットした状態を示す。
位置合治具154は、四隅勝手違いアームタイプ94と中央アームタイプ95上に板状部材157部を乗せた状態にて、位置合わせピン155がインサート送り機構30に差し込まれている。
【0082】
図46はインサート送り出し機構30への位置合わせピン155の組み込み状態を示す。
インサート送り出し機構30のインサートガイド穴97に位置合わせピン155を差し込ませた状態である。
インサート送り機構部20の位置調整機構93のX方向の固定ネジ162、Y方向固定ネジ163を緩めるとX方向スライド部178とY方向スライド部177がフリーとなり、X方向スライド部178に設けたインサート送り出し機構30のインサートガイド穴97に位置合わせピン155を調整しつつ差し込む事が出来る。
【0083】
インサート送り出し機構30は、常にロックバネ115のバネ力によりインサート32を保持する状態であるため、ロック板63がインサートガイド111のインサートロック穴119に嵌った状態となり、位置合わせピン155の差し込みが出来ない為、エアーシリンダー113を矢印122の方向に作動させインサート32のロックを解除した状態で行う。
図46におけるインサート送り出し機構30への組み込みは、ケース27のインサート挿入穴19bとの位置合わせは完了しているが、位置合わせ治具154が、フリーな状態にて為組み込まれている為、下部のインサート受け部24とは、ねじれ状態のズレが生じている。
この為、インサート送り出し機構30に位置合わせ治具154を組み込んだ状態で全個所を下部のインサート受け部24のインサート受け突起36に合わせ込む様に調整すると、図44の状態となり、位置調整機構93のX方向の固定ネジ162、Y方向固定ネジ163の締め付けを行うと調整が完了する。
【0084】
図47は位置合わせピン155の位置合わせ穴161と円錐形のインサート受け突起36との位置合わせ方法を示す。
図47は、インサート送り出し機構30のインサートガイド穴97に位置合わせピン155を通し、その先端に設けた位置合わせ穴161にインサート受け突起36を嵌めこんだ状態である。
位置合わせピン155先端には、位置合わせ穴161があり、円錐形状のインサート受け突起36に位置合わせピン155を突き合わせる矢印210方向に押し込むとインサート保持突起36が円錐形であり、その傾斜面により自動的に位置合わせピン155がインサート保持突起36センターに案内されることにより位置合わせが行える。
【0085】
パレットタイプパーツフィーダ構造
これまで、インサートマガジン21にインサート32を収納する方法として、入り口が広く、出口は、インサート32の1個分の幅であり、ランダムな向きのインサート32がその螺旋上の滑り台の振動により下方に送られその途中のガイド部により向きを修正され、時には、方向違い品を振り落とし選別され、正しい方向にむけられ送り出される電動式のパーツフィーダを使ってインサートマガジン21の軸部87にインサート32を落とし込み収納していた。
しかし、電動式のパーツフィーダは、非常にシビアな機構であり、送りだされるインサート32が時々詰まり、作業性が悪化する事も多く、軸方向に方向性があるインサート32bでは、時々逆に入ることもあり、収納後全てのマガジンの収納状態検査も必要であった。
又、電動式のパーツフィーダは、コストが高く、イニシャルコストもアップし、作業性、及びコスト面において、多くの課題があった。
【0086】
インサートマガジン21は、図19の様にインサート32を通す軸部87と、片端に設けたインサートマガジン21を吊り下げる吊り下げ部85とインサート32が抜け落ちない為のストッパーであるチューブ86で構成されている。
吊り下げ部85は、軸にカシメ88により固定され、チューブ86は弾性体の軸部87の径より小さい穴を設け、取り外し可能に差し込まれている。(ここでは、インサート32は、記載していない)
よって、1方向しか入らない特殊なパレットを使い、1列に並べられたインサート32のネジ穴にインサートマガジン21の軸部87を串刺し的に差し込む事により、インサートマガジン21に方向間違いが無くインサート32を収納できる。
この方法により、方向違いが無く、検査も不要となり作業性が改善でき、更に、パレットはコストが安く設備投資を削減できる。
【0087】
図48は軸方向に方向性無しパレット180−1の外観を示す。
軸方向に方向性無しパレット180−1は、選別溝181と串刺し溝182から構成されており、パレットに選別機能を持たせたものである。
本選別溝181は、部品の径と長さの違いに着目し設定されており、部品の短い方の寸法で溝幅を決めている。
よって、選別溝181には、部品の長さ方向が入り、径方向が、入らない構造となっている。
また、串刺し溝182は、図21のインサート32aのインサートマガジン21を完成する為の構造である。
【0088】
図49は軸方向に方向性無しパレット180−1による選別状態を示す。
軸方向に方向性無しパレット180−1でインサート32aをすくい上げ振動を与えると溝に適合した向きのインサート32aが溝に入り、方向違いの向きの溝に適合しないインサート32aは、入らない状態となる。
溝に入ったインサート183と溝に入らないインサート184を図に示している。
【0089】
図50は軸方向に方向性無しパレット180−1断面から見た選別状態を示す。
選別用の溝に入ったインサート183は、選別溝底面185に乗っており、方向違いで溝に入らないインサート184は、選別溝のリブ186に乗り上げている。
【0090】
図51は方向不一致品の取り除き方法を示す。
軸方向に方向性無しパレット180−1を水平状態188より矢印189の方向に傾けると方向違いで選別溝に入らないインサート184は、矢印187の方向に転がり落ちるため選別溝181に入っているインサート32aのみ残す事が出来る。
【0091】
図52は串刺し溝182へのインサート32aの集め方を示す。
図52は、選別溝181方向断面であり、軸方向に方向性無しパレット180−1を傾けると、選別溝181に入っているインサート32aが矢印190の方向に転がり串刺し溝182に落とし込む事が出来る。
選別溝181に複数インサート32aが入っている場合は、その数の回数傾け作業を行い串刺し溝182に落とし込む。
【0092】
図53は串刺し溝182に設けたマガジン軸差し込み部193の関係を示す。
軸方向に方向性無しパレット180−1の選別溝181方向の片側に選別溝181より深い串刺し溝182部を設けている。
串刺し溝182は、軸方向に方向性無しパレット180−1の全ての選別溝181に設け、その全ての溝のリブ面には、その串刺し溝182に落ち込むインサート32aの穴を中心とした前記穴より多少大きな長円形状の切り欠き設けている。
その為、長円形状の切り欠き部は、軸方向に方向性無しパレット180−1筺体の側面から筺体を通り抜ける事が出来るU字形状のマガジン軸差し込み部193が形成される。
軸方向に方向性無しパレット180−1筺体を矢印190の方向に傾ける事により、溝に入ったインサート183は、192の矢印方向に回転し、串刺し溝182に転がり込む。
【0093】
図54、図19のインサートマガジン21への収納方法を示す。
図54は串刺し溝182に入ったインサート32aの穴にインサートマガジン21の軸部87を差し込んだ状態である。
パレット側面に設けたマガジン軸差し込み部193より串刺し溝182に転がり込んだインサート32aの穴にマガジンの軸部87を串刺し状に矢印196方向に差し込むことで1度に多数のインサート32aをインサートマガジン21の軸部87に収納する事が出来る。
本作業を繰り返す事により、効率よくインサートマガジン21の軸部87をインサート32aにより満杯にする事が出来る。
図54には、串刺しする部品194と、次に落とし込み串刺しする部品195が示されている。
【0094】
図55、図21のインサート32aのインサートマガジン21の完成状態を示す。
図54は串刺しの作業により満杯になったインサートマガジン21の軸部87の先端にインサート32aの抜け防止の弾性材のチューブ86を差し込みインサートマガジン21が完成する。
【0095】
図56は軸方向に方向性有パレット180−2の形状実施例
軸方向に方向性有パレット180−2は、インサート32b形状用の実施例である。
軸方向に方向性があるインサート32bの形状例として、図18の側面段付タイプのインサート32b形状がある。
インサート32bは、1部の径が異なり段付の形状で中心穴の軸方向に対して方向性があるタイプのネジインサート形状であり挿入方向が決まっているものに対する軸方向に方向性有パレット180−2について説明する。
インサート32は、1部の径が異なり段付の形状で中心穴の軸方向に対して方向性があるタイプであれば詳細形状は何でも良く、限定するものではない。
【0096】
本パレット180−2は、インサート32b形状が径より部品長さが短いタイプ(径>部品長さ)用の実施例である。
本パレット180−2は、部品の径と長さの違いで選別する構造であるが外周が段付で挿入方向が決まっている部品等に適用できる機能を有している。
本パレット180−2は、選別溝で選別するが、選別溝181内に段差を設けた段付選別溝197形状を有している。
選別溝181幅は、部品の長さは、入るが径方向は、入らない溝幅としているが、これだけでは、軸方向の向きは、両方向入ってしまい選別出来ない。
この為、段付選別溝197の様に軸径の差分の段を選別溝内に設けることにより部品の飛び出し量が異なることから選別する方法である。
【0097】
図57は選別溝横断面に対する軸方向に方向性があるインサート32bの挿入例を示す。
軸方向に方向性有パレット180−2により、インサート32bをすくい上げ、振動を加えた後の選別溝181の横断面から見た軸方向に方向性があるインサート32bの挿入例である。
正しい挿入方向199のインサート32bは、段付選別溝197に嵌り込んでいるが誤った挿入方向200のインサート32bは、溝の段上203に乗っており飛び出し量小198と飛び出し量大201の差の様にリブ上からの飛び出し量が異なっている。
正しい挿入方向199のインサート32bは、選別リブからの飛び出し量が小さく、誤った挿入方向200のインサート32bは、選別リブからの飛び出し量が大きい。
軸の方向違い202のインサート32bは、軸方向に方向性無しパレット180−1と同様に軸方向に方向性有パレット180−2を傾ける事により転がり落とし選別できる。
【0098】
図58は選別溝長手方向断面に対する径方向のインサート32挿入例を示す。
図58は、選別溝長手方向断面にから見た径方向のインサート32b状態であり、正しい挿入方向199のインサート32bは、選別リブからのネジ穴の飛び出しが無く、誤った挿入方向200のインサート32bは、選別リブ上面よりネジ穴飛び出す204状態となる。
【0099】
図59は誤って入った部品の削除方法を示す。
図58の様に誤った挿入方向200のブッシュ32bは、選別リブ上面よりネジ穴飛び出す204状態となる為、この、飛び出したネジ穴に抜き治具205の爪を引っ掛け抜き出す方法で選別する構造である。
本図は、カギ状の爪がある単品の抜き治具205をブッシュ32bのネジ穴に引っ掛けた状態を示している。
【0100】
図60は抜き治具205の使用方法
図60は、抜き治具205の爪を誤って入ったブッシュ32bのネジ穴に引っ掛け抜く状態を斜視図に表している。
正しい挿入方向199に入っている部品は、ネジ穴がリブにより隠れている206の状態であり引っ掛ける事が出来ない。
又、誤った挿入方向200に入った部品は、ネジ穴がリブ上面に飛び出す204の状態であり、抜き治具205の爪を引っ掛け、矢印211の方向に抜き取ることが出来る。
誤った挿入方向200のインサート32bの取り除き方法は、他にも色々な方法がある為、前記抜き治具205は、一実施例である。
別の実施例;エアー吸着ノズルを持ちて、ノズルとインサートとの距離により吸着力に差が出る効果を利用して、ノズルの先端部に適切な距離を保つ突起を設け、その突起によりパレットの選別溝部のリブ上を滑らせることにより、インサートの前記飛び出し量の違いにより、飛び出し量の多いインサート32bのみ吸い出す方法もある。
本軸方向に方向性有パレット180−2は、目的の方向にインサート32bを向けさせ、正しくないものをインサートの飛び出し量違いにより明確にすることで、その削除を容易にする機能を有している。
又、インサート32bのインサートマガジン21完成方法は、軸方向に方向性無しパレット180−1の作業とまったく同様に行う事が出来る。
【符号の説明】
【0101】
1 ビット
2 可動軸
3 加熱部
4 上げストッパー
5 圧縮コイルバネ
6 下げストッパー
7 ハンドル
8 高さ調整機構
9 制御部
10 AC電源
11 スライド部
12 矢印
13−1,2 エアーパイプ
14−1,2 温度センサ
15 矢印
16−1,2 ヒータ
17 出口
18 矢印
19a、b インサート挿入穴
20 インサート送り機構部
21 インサートマガジン
22 マガジンホルダー
23 ケース保持部
24 インサート受け部
25a,b,c スライド機構部
26 制御部
27 ケース
28 インサート挿入装置
28−1a インサート挿入装置(ハンドプレス式)
28−1b インサート挿入装置(エアープレス式)
28−2 第1実施形態のインサート挿入装置
29 インサート送り機構取り付け板
30 インサート送り機構
31 ケース保持板
32 インサート
32a 側面段無しタイプインサート
32b 側面段付タイプインサート
32b−1,2,3,4、 1段目から4段目のインサート
33−1,2,3 エアーシリンダー
34 圧縮バネ
35 ケースセット
36 インサート受け突起
38 ネジ
39 ケース位置決め用ガイド部
40 支柱
41 ケース保持部支柱
42 シリンダー軸
43 ケース押さえ部
44 引っ張りバネ
45 支柱
46 基礎板
47 ケース保持部取り付け板
48 スライド部
49 取り付け板
50 インサート送り機構部上げストッパー
51 インサート送り機構部下げ側ストッパー
52 ケース保持部上げストッパー
53 インサート挿入用エアーパイプ
54 インサートロック解除用エアーパイプ
55 ケース押さえ上ストッパー
56 ケース押さえ下げストッパー
57 インサート受け部エアーパイプ
58 インサート1個分+α
59 インサート挿入位置ストッパー
60 インサート受け取位置ストッパー
61 インサート送り機構エアーパイプ
62 ケース取り付け作業スペース
63 ロック板
65 矢印
66 矢印
67 ケース固定状態
68 矢印
69 矢印
70 矢印
71 取り外した状態
72 矢印
73 断熱材
74 空気層
75 支柱
76 保持板
77 矢印
78 ネジボス
79 軸
80 ローレット
81 雌ネジ
82 軸方向
83 段付
84 溝
85 吊り下げ部
86 チューブ
87 軸部
88 カシメ
89 矢印
90 スリット
91 メインエアーパイプ
92 分岐エアーパイプ
93 位置調整機構
94 四隅勝手違いアームタイプ
95 中央アームタイプ
96 送り機構位置調整板
97 インサートガイド穴
98 カバー
99 X方向スライド部
100 Y方向スライド部
101 固定用雌ネジ
102 ガイド溝
103 長方形リブ
104 インサートロック及び解除機構
105 押しネジ
106 取り付け穴
107 長円穴
108 長円穴
109 X方向スライドガイド
110 インサートガイド詳細図
111 インサートガイド
112 インサートロック及び解除機構詳細図
113 エアーシリンダー
114 バネ力調整機構
115 ロックバネ
116 ハウジング
117 長円穴
118 固定ネジ
119 インサートロック穴
120 穴
121 回転軸
122 矢印
123 矢印
124 矢印
125 インサート1個分の高さスペース
126 第1設定寸法
127 第2設定寸法
128 +α
129 治具肉厚寸法
130 逃がし位置
131 ロック板底面
132 矢印
133 挿入側
134 インサート受け面
135 ロック板移動限界
136−1,2 矢印
137 Y方向調整ネジ部
138 X方向調整ネジ部
139 X方向スライド部
140 Y方向スライド部
141 スライダー
142 ガイド溝
143 固定ネジ
144 レール
145 アダプター
146 矢印
147 インサート加熱部
148 エアーシリンダー結合部
149 押さえパッド
150 移動方向
151 ケース取り出し方向
152 矢印
153 逃がし方向
154 位置合治具
155 位置合わせピン
156 外観面
157 板状部材
158 矢印
159 摘まみ部
160 矢印
161 位置合わせ穴
162 X方向固定ネジ
163 Y方向固定ネジ
164 下げストッパー
165 ビット降下スイッチ
166 エアーシリンダー
167 スライド部
168 テーブル
169 支柱
170 取り付け板
171 支柱
172 エアーシリンダー軸
173 上げストッパー
174 案内凹部
175 仮置
176 下げストッパー
177 Y方向スライド部
178 X方向スライド部
180 パレットタイプパーツフィーダ
180−1 軸方向に方向性無しパレット
180−2 軸方向に方向性有パレット
181 選別溝
182 串刺し溝
183 溝に入ったインサート
184 溝に入らないインサート
185 選別溝底面
186 選別溝のリブ
187 矢印
188 水平状態
189 矢印
190 矢印
191 矢印
192 矢印
193 マガジン軸差し込み部
194 串刺しする部品
195 次に落とし込み串刺しする部品
196 矢印
197 段付選別溝
198 飛び出し量小
199 正しい挿入方向
200 誤った挿入方向
201 飛び出し量大
202 軸方向の違い
203 溝の段上
204 ネジ穴がリブ上面より飛び出す
205 抜き治具
206 ネジ穴が隠れている
207 長円穴
208−1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12 矢印
209 インサートガイド111底面
210 矢印
211 矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース保持部に交換可能に保持されているプラスチックケースを交換する作業のみにより、上下方向にスライド移動可能なケース保持部とインサート送り機構の下部に設け、両者間をスライド移動可能なインサート受け部を有し、エアーシリンダー及びバネ機構による各部スライド駆動部と各部機能が連携し、ケース交換とスタート指示以後のケースのロック、インサートの受取、加熱、挿入及びケースのロック解除の工程を自動的に行いインサートの挿入ができるインサート挿入装置及びインサート付きケースの製造方法。
【請求項2】
プラスチックに金属インサートを熱挿入により埋め込むインサート挿入装置において、インサートが挿入されるプラスチックケースの挿入穴を下向きにセット可能であり、更に上下方向にスライド移動できるケース保持部と並んでインサートを収納したマガジンを有し、上下方向にスライド移動可能なインサート送り機構を設け、前記ケース保持部とインサート送り機構の両者の下側に前記両者間を行き来できるレール部を設け、前記インサート送り機構から送り出されたインサートを受け取り後、瞬時に加熱することができるヒータを有したインサート受け部が前記レール上にスライド可能に取り付けられており、前記送り機構の下部でインサートを受け取り後、前記ケース保持部のプラスチックケース下部に移動し、前記ケース保持部を下方向にスライドさせ、インサート受け部の加熱されたインサートにプラスチックケースの挿入穴を押しつけインサートの熱によりケースの挿入穴を軟化させながら挿入する構造の請求項1のインサート挿入装置及びインサート付きケースの製造方法。
【請求項3】
インサート送り機構より1個又は複数個のインサートを同時に送り出し、その機構の下部にて待ち受けるインサート受け部が、そのインサートを同時に受け取り、加熱しつつレール上をケース保持部下部までスライド移動後、ケース保持部を降下させ加熱されたインサートにプラスチックケースを押しつけることにより、同時に複数個のインサートを挿入できる請求項1〜2のインサート挿入装置及びインサート付きケースの製造方法。
【請求項4】
1個又は複数個のインサートを収納したマガジンを1個又は複数個が交換可能にセット出来、更にケースに挿入するインサート数に合わせ1個又は複数個のインサートを同時に送り出すことのできるインサート送り機構であり、送り出すインサートのロック及び解除を行う機構と、その機構部の位置をインサート受け部に合わせる事が出来るX,Y位置調整機構部を備えたインサート送り機構部を有する請求項1〜3のインサート挿入装置及びインサート付きケースの製造方法。
【請求項5】
1個又は、複数のインサート送り機構より1個又は、複数個同時に送り出されるインサートを同時に受け取れる複数のインサート受け突起を有し、そのインサート受け突起の位置をケースのインサート挿入穴位置及びインサート送り機構の位置に合わせる事が出来るX,Y位置調整機構部を備えたインサート受け部を有する請求項1〜4のインサート挿入装置及びインサート付きケースの製造方法。
【請求項6】
片端にフックを有する軸のフックとは逆の端部を、インサートに設けられた穴に通し、その軸部に適量の複数のインサートを通し後、インサートの抜け止めとして、その軸先端に軸径より小さい穴径の弾性材チューブを差し込みマガジン化し、そのマガジンのフック部をインサート送り機構の取り付け板に固定され上方に高く突き出した支柱の先端に設けたマガジンホルダーに吊るし、その片端の抜け止チューブを外しインサート送り機構のインサートガイド穴に差し込みインサートを供給することを特徴とする請求項1〜5のインサート挿入装置及びインサート付きケースの製造方法。
【請求項7】
インサートが自由落下により通過出来る筒状のインサートガイド内にインサートが連続的に送り込まれ、積み重ねられた最下部のインサートの下面とインサート側面にロック板の端面を押しあて保持するロック板の下面位置を同一とし、その位置とインサートを受け取り保持するインサート受け突起の付け根面間の寸法をインサート全長+α(α:インサート全長以下の寸法)とすることにより、最下位のインサートのロックを解除しインサートの自重により落下させ、前記インサート受け突起の付け根面により保持後、最下位のインサートと同時に落下移動し積み重ねられた2個目のインサートの下面よりα分、2個目のインサート側をロック板で保持出来る寸法とする事により、+αの余裕を持って、必ず2個目のインサート側面がロック出来る事により繰り返しインサートの送り出しが可能となるインサート送り機構部を有する請求項1〜6のインサート挿入装置及びインサート付きケースの製造方法。
【請求項8】
インサート送り機構のハウジング部に設けた回転軸によりシーソー動作するロック板を設け、そのシーソーの片端をバネにより押し、他端を、エアーシリンダーにより押し戻すことが出来るシーソー機構であり、そのシーソーするロック板のバネ押し側端面の逆側端面側のバネ押し位置と回転軸の間にハウジングにネジ固定されたインサートが落下移動可能な筒状のインサートガイドを設け、そのインサートガイドの側面部にバネ押しされたロック板端面が当たる位置にロック板が入り込む事が出来るスリット穴を設け、そのスリット穴は、インサートが通過する穴径より深くロック板が入る深さとし、バネ圧で押し込まれるロック板によりインサートガイド穴内を落下移動するインサート側面に押し付けインサートをロック出来る構造であり、このロックを解除する為に、回転軸を中心にシーソーするロック板のバネ押し部の逆側に設けたエアーシリンダーにより逆端に加わるバネ力を押し返し、インサートの側面を押さえていたロック板を離しインサートのロックを解除するインサートのロック及びロック解除機構を設けたインサート送り機構有する請求項1〜7のインサート挿入装置及びインサート付きケースの製造方法。
【請求項9】
スライドレール上に設けたスライド部に支柱を建て、その上に断熱材の板を取り付けることにより断熱の為の空間を設けて、その断熱板上に熱伝導の良いヒータが取り付けられた金属ブロックを設け、その上面にY方向のスライド用溝を1本又は、複数本設け、その溝に嵌め合いスライド移動可能な熱伝導の良い金属部材のブロックを1個又は複数個設け、そのブロックには、X方向の突起状のスライド用リブを設け、そのリブに嵌め合いX方向にスライド移動可能な熱伝導の良い金属部材のブロックに熱伝導の良い金属のインサート受け突起を設け、各ブロック間は、複数の位置設定用の雌ネジと固定するブロックに設けた長円穴または、切り欠き部にネジを差し込み位置調整後ネジ固定する構造とし、下部熱源による熱の上昇特性を生かした熱伝導構造とすることにより、インサート受け突起部の温度を安定に保ち、更にインサート受け部の位置調整が容易にできる事を特徴とするインサート受け部を有する請求項1〜8のインサート挿入装置及びインサート付きケースの製造方法。
【請求項10】
インサート挿入用のケースの保持部関係寸法と同じ関係寸法の板状部材にインサート挿入用のケースのインサート挿入穴位置と同じ位置に位置合わせピンを差し込む穴をあけ、その穴に位置合わせピンを差し込み、その先端部に円形穴を設けた位置合わせ治具を、インサート挿入用のケース保持部に取り付け、その下部にスライド移動しインサート受け部の位置調整機構をフリーにしたインサート受け突起の円錐部を、位置合わせピン先端の円形穴に差し込む事により位置合わせピン先端の円形穴の中心まで円錐部傾斜面が案内されることによりインサート受け部の位置合わせができ、更にインサート送り機構部の位置調整機構をフリー状態とし、そのインサートガイド穴に前記ケース保持部に取り付けた位置合わせ治具を取り外し、インサート送り機構部の上部より、位置合わせピンを差し込み後、ケース保持部の下部にて調整済みのインサート受け部をスライド移動し、そのインサート受け突起の円錐部に位置合わせピンの円形穴を差し込み確認することにより、ケース保持部に取り付けたケースのインサート挿入穴位置とインサート受け部間及びインサート送り機構部とインサート受け部間の位置調整及び位置確認ができることを特徴とする請求項1〜9のインサート挿入装置及びインサート付きケースの製造方法。
【請求項11】
ランダムに交じり合ったインサート外径よりインサートの厚さ寸法が小さく、その外径の中心に穴があるインサートを同一方向に向け選別し、長い軸を有するマガジンの軸を1度に多数個前記インサート穴に通しマガジン化するパレット式選別兼挿入治具であって、厚板の表面にインサートの厚さ方向のみが嵌る関係寸法の溝を複数本設けたパレット形状であり、その複数本の溝は、インサートが溝の底面まで嵌る溝であり、インサートを軸に串刺しする為、その全溝の片側には、インサートが1個だけ入る更に深い凹部を設け、そこに落ち込んだインサート内径穴の中心位置に合わせ溝部仕切のリブ面に対して直角方向に全溝のリブ面を貫通する円弧状の切り欠き部を設けたパレットによりランダムな向きの複数のインサートをすくい上げ振動を加えることでインサートを溝に落とし込み、入らなかったインサートは、パレットを長溝方向に傾け、インサートの円柱形状を利用しパレット外に転がり落とすことにより溝に入った同じ向きのインサートだけを選別でき、更に、その散らばって溝に入っているインサートを串刺しする為に、パレットを深溝側に傾けることによりインサートは、浅溝内を回転又はスライド移動し深溝に入り込み、その深溝に入ったインサートは、内径穴が1列に並び、インサート内径より細いマガジン軸をパレット外壁の切り欠き部をガイドとしてインサート穴に差し込むことにより一度に複数のインサートを串刺し状に軸に通す事ができ、この串刺しされたインサートを軸と一緒にパレット面に対して直角方向に抜き上げると串刺しされたインサートが取り出せ、また残ったインサートは、再度パレットを傾け凹部に入れることにより連続的に串刺しがする作業を行うことにより、長い軸を有するマガジン軸部にインサートを収納することが出来る事を特徴とする請求項1〜10のインサート挿入装置及びインサート付きケースの製造方法。
【請求項12】
インサート外径よりインサートの厚さ寸法が小さく、更にインサート外周の片端に径違いの段差がある軸方向に方向性があるインサートが嵌る溝底面段付の溝を複数本有するパレット式のパーツフィーダであって、溝の深さを、インサートの軸方向が正しければ溝の底面まで入り、インサートの穴が溝リブ上面より内側にあり、また、インサートの軸方向が正しくない場合は、溝の段上にインサートが乗り、リブ上面よりインサートの穴が飛び出す様に、穴の有無による違い、又は、インサートの飛び出し量の違いを明確にすることにより選別しマガジンに収納出来ることを特徴とする請求項1〜10のインサート挿入装置及びインサート付きケースの製造方法。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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