説明

インターホンシステム

【課題】宅内においても携帯通話端末を用いて来訪者への対応が迅速に行えるインターホンシステムを提供する。
【解決手段】インターホンシステムは、宅外に設置されたドアホン子器2と、ドアホン子器2との間で通話を行うインターホン親機1と、インターホン親機1と接続された転送装置3とを備える。転送装置3の制御部31は、携帯通話端末6が宅内・宅外の何れに存在するかを判定し、宅外に携帯通話端末6が存在すると判定した場合には、広域通信網WANを介して携帯通話端末6に呼出通知メッセージを送信し、宅内に携帯通話端末6が存在すると判定した場合には、無線LANにより携帯通話端末6に呼出通知メッセージを送信する。携帯通話端末6が受信した呼出通知メッセージに基づいて居住者が通話釦を操作すると、子器2と携帯通話端末6との間でインターホン通話を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターホンシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、玄関などの宅外に設置されるドアホン子器と、宅内に設置されるとともに、信号線を介してドアホン子器と接続されたインターホン親機とを備え、信号線を介して音声信号を授受することによりドアホン子器とインターホン親機との間で通話が可能なインターホンシステムが提供されている。また、ドアホン子器にカメラを設け、カメラで撮像した来訪者を含むドアホン子器の周囲の画像をインターホン親機で表示し、映像で来訪者の確認を行いながら通話を出来るようにしたインターホンシステムも種々提供されている。
【0003】
また、インターホン親機に携帯電話網への通信機能を設け、ドアホン子器からの呼び出しがあると、インターホン親機が携帯電話網を介して居住者の所有する携帯電話機と通信を行い、携帯電話機とドアホン子器との間で音声及び映像を授受することで、居住者が外出中であっても来訪者への対応が出来るようにしたインターホンシステムも考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−094728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した携帯電話網を介して外出中の居住者と通話が出来るようにしたインターホンシステムでは、来訪者がドアホン子器を操作して呼び出しを行った後、携帯電話網を介して居住者の所有する携帯電話機に対して携帯電話網を用いて発信する必要がある。
【0006】
この種のインターホンシステムでは、宅内に居住者が存在する場合であっても、同じ携帯電話機を用いてドアホン子器との間でインターホン通話を可能とすることで、利便性が高まるが、上述のように携帯電話網を用いた携帯電話機の呼出しには時間がかかるため、来訪者は留守であると判断して帰ってしまい、居住者が来訪者に対応できないという可能性があった。
【0007】
本発明は、上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、宅内に居住者が居る場合には、携帯電話網を介さずに携帯電話機とドアホン子器との間でインターホン通話を行うことで、居住者が確実に来訪者に対応できるインターホンシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1の発明では、宅外に設置されるドアホン子器と、宅内に設置され、音声信号を授受することにより前記ドアホン子器との間で通話可能なインターホン通話手段と、広域通信網を介して音声信号を含む通信信号の授受を行う第1通信手段、及び、広域通信網を介さない無線通信により音声信号を含む通信信号の授受を行う第2通信手段を具備する携帯通話端末と、前記ドアホン子器からの呼出操作に応じて、前記ドアホン子器と前記携帯通話端末との間で音声信号の授受によりインターホン通話を行わせる通話接続手段と、前記携帯通話端末が宅内、宅外の何れに存在するのかを判定する判定手段とを備え、前記通話接続手段は、前記判定手段による判定結果が宅内を示す場合には、前記短距離無線通信により前記ドアホン子器と前記携帯通話端末とを接続し、前記判定手段による判定結果が宅外を示す場合には、前記広域通信網を介して前記ドアホン子器と前記携帯通話端末とを接続することを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明では、請求項1記載の発明において、宅内に設置され、前記携帯通話端末と広域通信網とを接続する増設基地局を備え、前記判定手段は、前記増設基地局と前記携帯通話端末との間における通信の可否に基づいて、前記携帯通話端末が宅内、宅外の何れに存在するのかを判定することを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明では、前記携帯通話端末は、自機の位置を測定するGPS機能を有し、前記判定手段は、前記携帯通話端末により測定された携帯通話端末の位置情報に基づいて、前記携帯通話端末が宅内、宅外の何れに存在するのかを判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、判定手段により携帯通話端末が宅内・宅外の何れに存在するかが判定され、宅内に存在する場合には、広域通信網を介さずに無線通信を用いてドアホン子器と携帯通話端末が直接信号を送受信するので、ドアホン子器と携帯通話端末との接続にかかる時間を短くすることができる。
【0012】
請求項2の発明によれば、宅内に設置された増設基地局を用いて携帯通話端末が宅内・宅外の何れに存在するかを判定することができる。
【0013】
請求項3の発明によれば、GPSを用いて携帯通話端末が宅内・宅外の何れに存在するかを判定しているので、判定の精度を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態にかかるインターホンシステムを示す概略ブロック図である。
【図2】同インターホンシステムにかかるインターホン親機を示す概略ブロック図である。
【図3】同インターホンシステムにかかるドアホン子器を示す概略ブロック図である。
【図4】同インターホンシステムにかかる転送装置を示す概略ブロック図である。
【図5】同インターホンシステムにかかる携帯通話端末に表示される画面を示す概略図である。
【図6】同インターホンシステムにおいて、携帯通話端末が宅外に存在する場合のドアホン子器からの呼出し処理の流れを示す概略シーケンス図である。
【図7】同インターホンシステムにおいて、携帯通話端末が宅内に存在する場合のドアホン子器からの呼出し処理の流れを示す概略シーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
本実施の形態にかかるインターホンシステムは、図1に示すとおり、玄関の近傍などに設置されたドアホン子器(以下、子器と略す。)2と、屋内に設置され子器2との間で通話を行うインターホン親機(以下、親機と略す。)1とを備える。また、本インターホンシステムは、後述するルータ4、イベント管理サーバ5、及び、広域通信網WANを介して、携帯通話端末6との間で音声信号及び映像信号の授受を行う転送装置3とを備え、子器2と携帯通話端末6との間での通話が可能である。
【0017】
広域通信網WANは、携帯通話端末6が無線通信により接続される基地局を含む移動体通信網と、移動体通信網との間で相互接続される公衆交換電話網並びに光回線網などの複数の通信網により構成され、インターネットに接続されている。
【0018】
ルータ4は、例えば、TCP/IPにより通信するネットワーク機器(転送装置3を含む)により構築されたLANを、公衆交換電話網及び光回線網を介してインターネットに接続するためのモデムである。本実施の形態においては、モデム4は常時光回線網を介してインターネットに接続されており、転送装置3とWANとの間の通信信号をNAT変換することで、転送装置3と、イベント管理サーバ5及び携帯通話端末6との間で通信を可能にしている。
【0019】
携帯通話端末6は、例えばW−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)方式の携帯電話機であり、スピーカ、マイク、液晶ディスプレイ、操作ボタンなどにより構成されている。また、携帯通話端末6は第1の無線通信部を備え、携帯電話事業者が提供する基地局との間で、無線による通信を行い、予め割り当てられた固有の電話番号に基づいて、他の携帯通話端末や家庭用電話機との間で通話する携帯電話機能を備える。また携帯通話端末6は、無線LANに関する規格(例えば、IEE 802.11諸規格)に準拠した無線通信を行う第2の無線通信部を備え、基地局及び広域通信網WANを介さずに無線通信を行う無線LAN機能を有する。また携帯通話端末6は、GPS(Global Positioning System)衛星からの衛星電波を受信するGPSアンテナを備え、自機の位置をCPUなどによって算出するGPS機能を有する。また携帯通話端末6は、定期的にGPS機能を用いて自機の位置を算出するとともにイベント管理サーバ5に送信し、イベント管理サーバ5が受信した位置をデータベースなどに記憶している。なお、携帯電話機能、無線LAN機能、及び、GPS機能については、従来周知の技術であるので詳細な説明を省略する。
【0020】
子器2は、図3に示すように、子器2を統括的に制御する制御部21と、呼出釦を含む操作部22と、周波数多重化により音声信号及び映像信号が多重化された通信信号を親機1との間で授受する親機インタフェース(以下、親機IFと略す。)23とを備える。また子器2は、来訪者を含む子器2の周囲の映像をするカメラ25を備えており、カメラ25で撮像した映像は、映像処理部24によって映像信号に変換され、制御部21が親機IF23を介して親機1に送信する。また子器2は、マイク27及びスピーカ28を備え、制御部21が親機IF23を介して授受する音声信号に基づいて、通話処理部26がマイク27からの入力を音声信号に変換するとともに、音声信号を音声に変換してスピーカ28から出力させる。
【0021】
親機1は、図2に示すように、親機1全体を統括的に制御する制御部11と、スイッチなどからなる操作部12と、周波数多重化により音声信号及び映像信号が多重化された通信信号を子器2との間で授受する子器インタフェース(以下、子器IFと略す。)14を備える。また親機1は、液晶パネルからなる映像表示部15を備え、制御部11によって子器IF14を介して受信した映像信号を映像処理部16が復調し、映像表示部15に子器2のカメラ25で撮像された映像を静止画像もしくは動画として表示させる。また親機1は、マイク18及びスピーカ19を備え、制御部11が子器IF14を介して授受する音声信号に基づいて、通話処理部17がマイク18からの入力を音声信号に変換するとともに、音声信号を音声に変換してスピーカ19から出力させる。
【0022】
ここで親機1と子器2は、子器2の呼出釦(操作部12)が操作されると、親機1と子器2との間で音声信号及び映像信号の授受が行われ、それぞれが備えるマイク18、27及びスピーカ19、28を用いて、親機1と子器2との間で音声による通話を行うとともに、カメラ25で撮像された子器2の周囲の映像を親機1の映像表示部15に表示することができる。なお、親機1と子器2との間のインターホン通話機能の詳細な動作については、従来周知の技術であるので詳細な説明は省略する。
【0023】
また親機1は、信号線L2を介して転送装置3との間で種々の通信信号の送受信を行う通信部13を備え、子器2からの映像信号及び音声信号を転送装置3に送信するとともに、転送装置3からの音声信号及び映像信号を子器2に送信する。すなわち親機1は、子器2と転送装置3との間の通信を中継している。また親機1は、子器2の呼出釦が操作されると転送装置3に子器2からの呼出が発生した旨を伝える呼出信号を送信する。
【0024】
転送装置3は、図4に示すように、転送装置3全体を統括的に制御する制御部31と、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)などの不揮発性の半導体メモリからなるメモリ33とを備える。
【0025】
メモリ33には、子器2から受信した映像信号、携帯通話端末6を無線LAN機能により呼び出すためのアドレス情報(例えば、IPアドレスなど)、広域通信網WANを介して携帯通話端末6を呼び出すための電話番号、「ただいま呼び出し中です。」などの応答メッセージを示す音声信号、及び、携帯通話端末6が宅内・宅外のどちらに存在するのかを判定する為の判定基準となる自宅のエリア情報(例えば、緯度・経度・高さなど)が記憶されており、制御部31が必要に応じて読み書きを行う。
【0026】
また転送装置3は、例えばテンキーなどからなる操作部32と、液晶ディスプレイからなる表示部34とを備え、操作部32からの操作入力に応じて、制御部31が表示部34の表示内容を切り替えることで、種々の設定を可能にする設定手段を構成している。居住者は、子器2と携帯通話端末6との間でインターホン通話を行うために、これらの設定手段を操作して、携帯通話端末6のアドレス情報及び電話番号の設定や、子器2から出力する応答メッセージの内容を適宜必要に応じて設定する。
【0027】
また転送装置3は、親機1に信号線L2を介して接続され、親機1との間で通信信号の授受を行う通信部35を備え、上述のように親機1が通信信号の中継を行うことで、子器2との間で音声信号や映像信号の授受を行う。
【0028】
また転送装置3は、ルータ4を介して広域通信網WANに接続するルータインタフェース36を備え、広域通信網WANに接続されたイベント管理サーバ5との間で通信を行う。転送装置3の制御部31は、親機1から呼出信号が入力されると、イベント管理サーバ5にアクセスして、イベント管理サーバ5が保持する携帯通話端末6の位置情報を受信する。そして、制御部31は、メモリ33に格納された自宅のエリア情報と、イベント管理サーバ5から受信した携帯通話端末6の位置情報に基づいて、携帯通話端末6が宅内・宅外の何れに存在するかを判定する。なお、イベント管理サーバ5から携帯通話端末6の位置情報が正常に取得できない場合には、予め設定された所定の動作(例えば、宅外に存在すると判定)を行う。
【0029】
また転送装置3は、親機1から呼出信号が入力され、携帯通話端末6が宅外に存在すると判定した場合には、呼出通知メッセージと携帯通話端末6の識別番号を含む呼出要求信号をイベント管理サーバ5に送信する。
【0030】
ここで、呼出通知メッセージには、例えばHTMLメールなどが用いられ、携帯通話端末6の液晶ディスプレイには、図1に示すような通知画面7が表示される。通知画面7には、制御部31が子器2から受信した映像信号に基づいて生成した静止画像71、呼出操作が行われた子器を識別するための文字情報72、携帯通話端末6から転送装置3に通話開始メッセージを送信するための操作ボタンに対応した通話釦73、通話を終了するための操作ボタンに対応した終了釦74、及び、押操作を行うことで転送装置3を介して子器2からカメラ25で撮像された単一の画像又は連続する複数の画像を取得するための操作ボタンに対応した画像取得用釦75、76が表示される。ここで、居住者が携帯通話端末6に表示された画像(静止画像71)に基づいて、通話釦73に対応する操作ボタンを操作すると、携帯通話端末6は通話開始メッセージをイベント管理サーバ5に送信し、イベント管理サーバ5は受信した通話開始メッセージを転送装置3に送信する。
【0031】
また、イベント管理サーバ5は、転送装置3から受信した呼出要求信号に含まれる識別番号に基づいて携帯通話端末6に接続し、転送装置3からの呼出通知メッセージを携帯通話端末6に送信する。また携帯通話端末6に送信した呼出通知メッセージに応じて、居住者が通話釦73に対応する操作ボタンを操作すると、イベント管理サーバ5は、携帯通話端末6から送信される通話開始メッセージを転送装置3に送信する。
【0032】
また転送装置3は、携帯通話端末6の無線LAN機能を用いて無線による通信を行う無線通信部37を備えており、親機1からの呼出信号が入力され、制御部31により携帯通話端末6が宅内に存在すると判定された場合には、無線通信部37から無線LANを介して携帯通話端末6に呼出通知メッセージを送信させる。呼出通知メッセージを受信した携帯通話端末6は、イベント管理サーバ5から呼出通知メッセージを受信した場合と同様に、通知画面7を液晶ディスプレイ表示し、居住者が通話釦73に対応する操作ボタンを操作することで、無線LAN機能を用いて、通話開始メッセージを転送装置3に送信する。すなわち、宅内に携帯通話端末6が存在すると判定された場合には、転送装置3と携帯通話端末6は、イベント管理サーバ5及び広域通信網WANを介さずに各メッセージを直接送受信でき、広域通信網WANを介さずに通信が行われるので、居住者は来訪者の呼出に対して短時間で応答することができる。
【0033】
また転送装置3は、携帯通話端末6により呼出釦が押され、無線LANもしくは広域通信網WANを介して通話開始メッセージを受信すると、メモリ33に記憶された応答メッセージを示す音声信号を子器2に送信するとともに、携帯通話端末6との間で音声による通話を行うため携帯通話端末6との接続を開始する。ここで、携帯通話端末6との接続には、携帯電話事業者などにより提供されているVoIP(Voice over Internet Protocol)サービスを用いて接続を行うことも可能であり、また、公衆交換通話網に携帯通話端末6の電話番号による発信を行うようにしてもよい。いずれの場合であっても、転送装置3が子器2と携帯通話端末6との間で音声信号の授受を行うことで、子器2と携帯通話端末6との間において、音声によるインターホン通話が可能である。なお、VoIPなどの通話技術については、従来周知の技術であるので詳細な説明は省略する。
【0034】
ここで、来訪者により子器2の呼出釦が操作された場合の動作について説明を行う。まず、居住者が携帯通話端末を帯同して外出した際の動作について、図6に示すシーケンス図を用いて説明を行う。なお、転送装置3には、予め居住者によって携帯通話端末6の電話番号及びアドレス情報及が設定されている。
【0035】
来訪者が子器2の操作釦を操作すると(ステップS1)、親機1から呼出音を鳴動させるとともに、子器2からの呼出は親機1を介して呼出信号が転送装置3に送信される(ステップS2)。転送装置3は、イベント管理サーバ5に接続して、携帯通話端末6の位置情報を取得し、最新の位置情報とメモリ33に予め設定されたエリア情報とに基づいて、携帯通話端末6が宅内・宅外のどちらに存在するのかを判定する(ステップS3)。ここで、携帯通話端末6は宅外に存在するので、転送装置3はイベント管理サーバ5に呼出通知メッセージ及び携帯通話端末6の電話番号を含む呼出要求信号を送信する(ステップS4)。
【0036】
このとき、子器2は、一定の周期でカメラ25を用いて来訪者を服務周囲の画像を撮像し、撮像した画像を転送装置3に継続的に送信している(ステップS5)。この撮像画像の送信は、呼出が終了するまでの間継続して行われ、転送装置3のメモリ33に順次格納される。これにより、転送装置3は、必要に応じてカメラ25で撮像された最新の画像を取得することができる。
【0037】
イベント管理サーバ5は、イベント管理サーバ5に接続されたデータベース装置から、受信した呼出要求信号に含まれる携帯通話端末6の電話番号に対応する接続情報を取得し(ステップS6)、携帯通話端末6に接続して呼出通知メッセージを送信する(ステップS8)。またイベント管理サーバ26は、転送装置3に子器2で撮像された画像の要求を行い(ステップS7)、取得した画像をイベント管理サーバ5のメモリ(図示せず)に記憶する(ステップS9)。
【0038】
次に携帯通話端末6は、取得した呼出通知メッセージに基づいて、イベント管理サーバ5に撮像画像の要求を行い(ステップS10)、イベント管理サーバ5が、この要求に基づいて撮像画像を携帯通話端末6に送信する(ステップS11)。携帯通話端末6は、受信した撮像画像を液晶ディスプレイに表示するとともに、呼出音をスピーカから出力する(ステップS12)。
【0039】
ここで、居住者が携帯通話端末6からの呼出音に気付き、画像を見て対応するか否かを判断した後、液晶ディスプレイに表示された通話釦に対応する操作入力を行うと(ステップS13)、携帯通話端末6は、通話開始メッセージをイベント管理サーバ5に送信する(ステップS14)。転送装置3は、イベント管理サーバ5を介して、この通話開始メッセージを受信すると(ステップS15)、メモリ33に記憶された応答メッセージを読み込んで子器2に音声信号として送信する(ステップS16)。その後、子器2は、転送装置3からの音声信号に応じて、「ただいま呼び出し中です。」などの音声をスピーカ28から出力し、来訪者に居住者が応答する意思がある旨を通知する(ステップS17)。
【0040】
次に転送装置3は、通話開始メッセージに応じて、携帯通話端末6に接続要求を送信し、携帯通話端末6との間で音声による通話を行うため接続を開始する(ステップS18)。転送装置3と携帯通話端末6との間の接続には、上述のように公衆交換通話網やVoIPサービスを介して接続が行われ、携帯通話端末6が接続要求に応じて応答操作を行うことで、転送装置3と携帯通話端末6との間の接続が行われる(ステップS19)。これにより、転送装置3が子器2及び携帯通話端末6との間で音声信号の授受を行い、子器2と携帯通話端末6との間で音声による通話が開始される(ステップS20)。
【0041】
次に、居住者が携帯通話端末6とともに宅内に居る場合の動作について、図7を用いて説明を行う。
【0042】
来訪者が子器2の操作釦を操作すると(ステップS21)、居住者が外出中である場合と同様に、親機1から呼出音が鳴動し、親機1を介して呼出信号を受信した転送装置3は、携帯通話端末6が宅内・宅外のどちらに存在するのかを判定する(ステップS22、S23)。ここで、携帯通話端末6は宅内に存在するので、転送装置3はメモリ33に格納された携帯通話端末6のアドレス情報に基づいて、携帯通話端末6の無線LAN機能を用いて接続を行い、呼出通知メッセージを携帯通話端末6に送信する(ステップS24)。
【0043】
このとき、子器2は、居住者が外出中である場合と同様に一定の周期でドアホン子器2の周囲の画像を撮像して転送装置3に送信し、転送装置3のメモリ33に順次格納される(ステップS25)。
【0044】
次に携帯通話端末6は、取得した呼出通知メッセージに基づいて、転送装置3に対して撮像画像の要求を行う(ステップS26)。転送装置3は、この要求に基づいてメモリ33に格納された撮像画像を携帯通話端末6に送信し(ステップS27)、携帯通話端末6は、受信した撮像画像を液晶ディスプレイに表示するとともに呼出音をスピーカから出力する(ステップS28)。
【0045】
ここで、居住者が携帯通話端末6からの呼出音に気付き、液晶ディスプレイに表示された通話釦に対応する操作入力を行うと(ステップS29)、携帯通話端末6は、通話開始メッセージを転送装置3に無線LAN機能により送信する(ステップS30)。転送装置3は、受信した通話開始メッセージに応じて、子器2と携帯通話端末6との間で例えばVoIP技術を用いて音声信号の授受を開始し、子器2と携帯通話端末6との間で音声による通話を行うことができる(ステップS31)。
【0046】
このようにして、居住者が宅内・宅外の何れに居る場合であっても、子器2と携帯通話端末6との間で音声によるインターホン通話を行うことができる。また、転送装置3が携帯通話端末6と子器2を接続している間は、子器2から音声による応答メッセージが出力されるので、接続中に来訪者が帰ってしまうのを防止でき、来訪者への対応を確実にすることができる。
【0047】
また、携帯通話端末6が宅内に存在する場合には、広域通信回線網WANを経由せずに携帯通話端末6に来客を通知して音声による通話を開始することが出来るので、来訪者が呼出操作を行ってから通話を開始するまでの時間を短くすることができる。
【0048】
なお、広域通信網WANを構成する移動体通信網と携帯通話端末6とを接続するための増設基地局を宅内に配置し、転送装置3が、親機1から呼出信号が入力に応じて、増設基地局が携帯通話端末6と接続可能であるかを問い合わせ、増設基地局と携帯通話端末6とが接続可能であれば、宅内に携帯通話端末6が存在すると判定して、無線LANにより携帯通話端末6との間で通信を行うようにしてもよい。この場合には、携帯通話端末6のGPS機能は必要としない。
【0049】
また、転送装置3の諸機能の一部若しくは全部をインターホン親機1で実現するようにしてもよく、インターホン親機1と転送装置3とを単一の機器で構成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 インターホン親機(インターホン通話手段)
2 ドアホン子器
3 転送装置(通話接続手段)
4 ルータ
5 イベント管理サーバ
6 携帯通話端末
WAN 広域通信網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
宅外に設置されるドアホン子器と、
宅内に設置され、音声信号を授受することにより前記ドアホン子器との間で通話可能なインターホン通話手段と、
広域通信網を介して音声信号を含む通信信号の授受を行う第1通信手段、及び、広域通信網を介さない無線通信により音声信号を含む通信信号の授受を行う第2通信手段を具備する携帯通話端末と、
前記ドアホン子器からの呼出操作に応じて、前記ドアホン子器と前記携帯通話端末との間で音声信号の授受によりインターホン通話を行わせる通話接続手段と、
前記携帯通話端末が宅内、宅外の何れに存在するのかを判定する判定手段とを備え、
前記通話接続手段は、
前記判定手段による判定結果が宅内を示す場合には、前記短距離無線通信により前記ドアホン子器と前記携帯通話端末とを接続し、
前記判定手段による判定結果が宅外を示す場合には、前記広域通信網を介して前記ドアホン子器と前記携帯通話端末とを接続することを特徴とするインターホンシステム。
【請求項2】
宅内に設置され、前記携帯通話端末と広域通信網とを接続する増設基地局を備え、
前記判定手段は、前記増設基地局と前記携帯通話端末との間における通信の可否に基づいて、前記携帯通話端末が宅内、宅外の何れに存在するのかを判定することを特徴とする請求項1記載のインターホンシステム。
【請求項3】
前記携帯通話端末は、自機の位置を測定するGPS機能を有し、
前記判定手段は、前記携帯通話端末により測定された携帯通話端末の位置情報に基づいて、前記携帯通話端末が宅内、宅外の何れに存在するのかを判定することを特徴とする請求項1記載のインターホンシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−135219(P2011−135219A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−291320(P2009−291320)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】