説明

インドール−3−硫黄誘導体

【課題】
本願発明は、呼吸器疾患を処置するための医薬化合物として有用な置換インドール類、それらを含む医薬組成物、およびそれらの製造方法を提供することが本発明の課題である。
【解決手段】
本発明は、呼吸器疾患処置用医薬化合物として有用な、以下の式(I)を有する置換インドール類を提供することにより上記課題を解決する。これら置換インドール類の製造方法およびこれらを含む医薬組成物も同様に提供する。


〔式中、R、R、Rおよびnは明細書に定義する通りである。〕

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼吸器疾患を処置するための医薬化合物として有用な置換インドール類、それらを含む医薬組成物、およびそれらの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
欧州特許出願第1170594号は、オーファン受容体CRTh2についてのリガンド、プロスタグランジンD2が介在する病状の処置に有用な化合物の同定方法を開示している。英国特許第1356834号は、抗炎症、鎮痛および解熱活性を有すると言われている一連の化合物を開示している。驚くべきことに、ある種のインドール酢酸は、CRTh2受容体において活性を呈することが見出され、その結果として喘息およびCOPDを含む様々な呼吸器疾患の処置に有用な可能性があると予測されている。
【発明の概要】
【0003】
従って、第一の局面において、本発明は、
式(I)
【化1】

(I)
[式中、
nは1または2を表し、
は、ハロゲン、CN、ニトロ、SO、OR、SR、SOR、SONR、CONR、NR、NRSO、NRCO、NRCOR、アリール、ヘテロアリール、C−Cアルケニル、C−CアルキニルまたはC−Cアルキルから独立して選択される1個またはそれ以上の置換基であって、後の方の5基は、所望によりハロゲン、ORおよびNR、NR、S(O)(式中、xは0、1または2である)から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよく、
は、水素、ハロゲン、CN、SOまたはCONR、CORまたはC−Cアルキルであって、後の方の基は、所望によりハロゲン原子、ORおよびNR、S(O)(式中、xは0、1または2である)から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよく、
は、アリールまたは5〜7員ヘテロアリール環であって、N、SおよびOから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含み、各々所望によりハロゲン、CN、ニトロ、SO、OH、OR、SR、SOR、SONR、CONR、NR、NRSO、NRCO、NRCOR、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルキルから独立して選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよく、後の方の3基は、所望によりハロゲン原子、ORおよびNR、S(O)(式中、xは0、1または2である)から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよいものとし、
は、アリール、ヘテロアリールまたはC−Cアルキルを表し、それらは全て所望により、ハロゲン原子、アリール、ヘテロアリール、OR10およびNR1112S(O)13(式中、x=0、1または2)、CONR1415、NR14COR15、SONR1415、NR14SO15、CN、ニトロから独立して選択される1個またはそれ以上の置換基により置換され得るものとし、
およびRは、独立して水素原子、C−Cアルキル基、アリールまたはヘテロアリールを表し、後の方の3基は、所望によりハロゲン原子、アリール、OR13およびNR1415、CONR1415、NR14COR15、SONR1415、NR14SO15、CN、ニトロから独立して選択される1個またはそれ以上の置換基により置換され得るものとし、
または
およびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、所望によりO、S(O)(式中、xは0、1または2である)、NR16から選択される1個またはそれ以上の原子等を含んでいてもよい3〜8員飽和複素環を形成し得、そして環それ自体所望によりC−Cアルキルにより置換されていてもよいものとし、
およびR13は、独立してC−Cアルキル基、アリールまたはヘテロアリール基を表し、それらは全て所望によりハロゲン原子により置換され得るものとし、
は、水素原子、C(O)R、C−Cアルキル(所望によりハロゲン原子、アリールまたはヘテロアリール基により置換されていてもよく、それらはまた両方とも所望により1個またはそれ以上のフッ素原子により置換され得る)、アリールまたはヘテロアリール基を表し、これらは所望により1個またはそれ以上のハロゲン原子により置換され得るものとし、
、R10、R11、R12、R14、R15は各々、独立して水素原子、C−Cアルキル、アリールまたはヘテロアリール基(それらは全て、所望により1個またはそれ以上のハロゲン原子により置換され得る)を表し、そして
16は、水素、C1−4アルキル、−C(O)C−Cアルキル、C(O)YC−Cアルキルであり、YはOまたはNRである]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩を提供する。
【0004】
本明細書の文脈において、特記しない場合、アルキルまたはアルケニル基または置換基におけるアルキルまたはアルケニル部分は、線状、分枝状または環状であり得る。
【0005】
アリールはフェニルおよびナフチルである。
【0006】
がヘテロアリールである場合、例としては、ピリジン、ピリミジン、チアゾール、オキサゾール、ピラゾール、イミダゾール、フラン、イソオキサゾール、ピロール、イソチアゾールおよびアズレンが挙げられる。
【0007】
がヘテロアリールであるとき、これは5〜7員芳香族環を含むかまたは6,6−または6,5−縮合二環式の環系であり得、各環は、N、SおよびOから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含み得る。例としては、ピリジン、ピリミジン、チアゾール、オキサゾール、ピラゾール、イミダゾール、フラン、イソオキサゾール、ピロール、イソチアゾールおよびアズレン、ナフチル、インデン、キノリン、イソキノリン、インドール、インドリジン、ベンゾ[b]フラン、ベンゾ[b]チオフェン、1H−インダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、プリン、4H−キノリジン、シノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、1,8−ナフチリジン、プテリジン、キノロンが挙げられる。
【0008】
およびRについて定義された複素環の環は飽和複素環を意味し、例としてはモルホリン、チオモルホリン、アゼチジン、イミダゾリジン、ピロリジン、ピペリジンおよびピペラジンが挙げられる。
【0009】
好ましくは、nは2である。
好ましくは、Rは、ハロゲン、ニトリル、C1−6アルキルまたはSO、NO、NRCOR、NRSO、アリール、NRである。さらに好ましくは、Rは、メチル、ニトリル、クロロ、SOME、SOEt、NO、NHCOR、NHSO、フェニル、NH(アルキル)である。
【0010】
基(複数も可)はインドール環におけるいずれかの適切な位置に存在し得、好ましくは、R基(複数も可)は5位および/または4位に位置する。好ましくは、水素以外の置換基Rの数は1または2である。
好ましくは、Rは、C1−6アルキル、さらに好ましくはメチルである。
【0011】
好ましくは、Rは、所望によりハロゲン、アルキル、アルコキシまたはニトリルにより置換されていてもよいフェニルである。さらに好ましくは、Rは、クロロ、メチル、エチル、シアノまたはメトキシである。
置換基は、R基のいずれかの適切な位置に存在し得る。
【0012】
好ましい本発明化合物には以下のものがある:
3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸;
5−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸;
6−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸;
7−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸;
5−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−4−シアノ−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸;
5−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−6−シアノ−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸;
3−[(4−クロロフェニル)スルフィニル]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸;
3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−4−(エチルスルホニル)−7−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸;
3−[(4−クロロフェニル)スルフィニル]−5−シアノ−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸;
3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−5−シアノ−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸;
5−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸、ナトリウム塩;
4−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸;
3−[(4−メトキシフェニル)スルホニル]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸;
3−[(3−メトキシフェニル)スルホニル]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸;
3−[(2−クロロフェニル)スルホニル]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸;
3−[(3−クロロフェニル)スルホニル]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸;
3−[(4−シアノフェニル)スルホニル]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸;
3−[(2−メチルフェニル)スルホニル]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸;
3−[(2−エチルフェニル)スルホニル]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸;
3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−4−ニトロ−1H−インドール−1−酢酸;
4−(アセチルアミノ)−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸;
3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−4−[(メチルスルホニル)アミノ]−1H−インドール−1−酢酸;
3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−4−(エチルアミノ)−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸;
3−[(2,6−ジクロロフェニル)スルホニル]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸;
3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−4−フェニル−1H−インドール−1−酢酸
3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−5−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸,
3−[(3−クロロフェニル)スルホニル]−5−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸,
5−フルオロ−2−メチル−3−[[4−(トリフルオロメチル)フェニル]スルホニル]−1H−インドール−1−酢酸
およびその医薬上許容される塩類。
【0013】
さらなる局面において、本発明は、式(IA):
【化2】

(IA)
[式中、
およびRは、独立して水素、ハロゲン、CN、アミノ、ニトロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、SO1−6アルキルまたはCONRであり、RおよびRは、独立して水素またはC1−6アルキルであり、Rはハロゲンにより置換されたフェニルである]
で示される化合物およびその医薬上許容される塩のサブクラスを提供する。
【0014】
化合物(IA)について好ましくは、Rは水素またはC1−6アルキルである。さらに好ましくは、Rはメチルである。R基は、インドール環におけるいずれかの適切な位置に存在し得、好ましくは、R基は5位にある。
【0015】
化合物(IA)について好ましくは、RはC1−6アルキル、さらに好ましくはメチルである。
化合物(IA)について好ましくは、Rはクロロにより置換されたフェニルである。
【0016】
好ましい化合物(IA)には、{3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−イル}酢酸およびその医薬上許容される塩類がある。
【0017】
さらなる局面において、本発明は、式(IB):
【化3】

(IB)
[式中、
nは1または2を表し、
は、ハロゲン、CN、ニトロ、SO、OR、SR、SO、SONR、CONR、NR、NRSO、NRCO、C−Cアルケニル、C−CアルキニルまたはC−Cアルキルであって、後の方の3基は、所望によりハロゲン、−ORおよび−NR、S(O)(式中、xは0、1または2である)から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよく、
pは0〜4であり、
は、水素、ハロゲン、CN、SOまたはCONR、CORまたはC−Cアルキルであって、後の方の3基は、所望によりハロゲン原子、−ORおよび−NR、S(O)(式中、xは0、1または2である)から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよく、
は、所望によりハロゲンにより置換されていてもよいフェニルであり、
は、水素または所望により、ハロゲン原子、アリール、−OR10および−NR1112から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基により置換され得るC1−6アルキルであり、
およびRは、独立して水素原子、C−Cアルキル基、またはフェニル基を表し、後の方の2基は、所望によりハロゲン原子、アリール、−OR13および−NR1415、CONR1415、−NR14COR15、−SONR1415、NR14SO15から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基により置換され得るものとし、
または
およびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、所望によりO、S、NR16から選択される1個またはそれ以上の原子等を含んでいてもよい3〜8員飽和複素環を形成し得、そして環それ自体所望によりC−Cアルキル、ハロゲンにより置換されていてもよいものとし、
、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15は各々、独立して水素原子、C−Cアルキル、またはアリール基を表し、そして
16は、水素、C1−4アルキル、−COC−Cアルキル、COYC−Cアルキルであり、Y=OまたはNRである]
で示される化合物のさらなるサブクラスを提供する。
【0018】
化合物(IB)について好ましくは、Rは、ハロゲン、ニトリル、C1−6アルキルまたはSOである。さらに好ましくは、Rは、メチル、ニトリル、クロロ、SOMe、SOEtである。好ましくは、pは1または2である。
【0019】
基は、インドール環におけるいずれかの適切な位置に存在し得る。好ましくは、R基(複数も可)は、5位および/または4位にある。
【0020】
化合物(IB)について好ましくは、RはC1−6アルキル、さらに好ましくはメチルである。
【0021】
化合物(IB)について好ましくは、Rは、所望によりハロゲン、さらに好ましくはクロロにより置換されていてもよいフェニルである。
【0022】
好ましい化合物(IB)には以下のものがある:
{3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−イル}酢酸;
5−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸;
6−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸;
7−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸;
5−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−4−シアノ−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸;
5−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−6−シアノ−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸;
3−[(4−クロロフェニル)スルフィニル]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸;
3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−4−(エチルスルホニル)−7−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸;
3−[(4−クロロフェニル)スルフィニル]−5−シアノ−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸;
3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−5−シアノ−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸;
5−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸ナトリウム塩、
およびそれらの医薬上許容される塩類。
【0023】
さらなる局面において、本発明は、CRTh2の阻害が有益である疾患を処置するための医薬の製造における式(IC)の化合物またはその医薬上許容される塩の使用を提供する:
【化4】

(IC)
[式中、
nは1または2を表し、
は、ハロゲン、CN、ニトロ、SO、OR、SR、SOR、SONR、CONR、NR、NRSO、NRCO、NRCOR、アリール、ヘテロアリール、C−Cアルケニル、C−CアルキニルまたはC−Cアルキルから独立して選択される1個またはそれ以上の置換基であって、後の方の5基は、所望によりハロゲン、ORおよびNR、NR、S(O)(式中、xは0、1または2である)から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよく、
は、水素、ハロゲン、CN、SOまたはCONR、CORまたはC−Cアルキルであって、後の方の基は、所望によりハロゲン原子、ORおよびNR、S(O)(式中、xは0、1または2である)から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよく、
は、アリールまたは6,6−または6,5−縮合二環式芳香族環であって、各々N、SおよびOから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含み、各々所望によりハロゲン、CN、ニトロ、SO、OH、OR、SR、SOR、SONR、CONR、NR、NRSO、NRCO、NRCOR、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルキルから独立して選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよく、後の方の3基は、所望によりハロゲン原子、ORおよびNR、S(O)(式中、xは0、1または2である)から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよいものとし、
は、アリール、ヘテロアリールまたはC−Cアルキルを表し、それらは全て所望により、ハロゲン原子、アリール、ヘテロアリール、OR10およびNR1112S(O)13(式中、x=0、1または2)、CONR1415、NR14COR15、SONR1415、NR14SO15、CN、ニトロから独立して選択される1個またはそれ以上の置換基により置換され得るものとし、
およびRは、独立して水素原子、C−Cアルキル基、アリールまたはヘテロアリールを表し、後の方の3基は、所望によりハロゲン原子、アリール、OR13およびNR1415、CONR1415、NR14COR15、SONR1415、NR14SO15、CN、ニトロから独立して選択される1個またはそれ以上の置換基により置換され得るものとし、
または
およびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、所望によりO、S(O)(式中、xは0、1または2である)、NR16から選択される1個またはそれ以上の原子等を含んでいてもよい3〜8員飽和複素環を形成し得、そして環それ自体所望によりC−Cアルキルにより置換されていてもよいものとし、
およびR13は、独立してC−Cアルキル基、アリールまたはヘテロアリール基を表し、それらは全て所望によりハロゲン原子により置換され得るものとし、
は、水素原子、C(O)R、C−Cアルキル(所望によりハロゲン原子、アリールまたはヘテロアリール基により置換されていてもよく、それらはまた両方とも所望により1個またはそれ以上のフッ素原子により置換され得る)、アリールまたはヘテロアリール基を表し、これらは所望により1個またはそれ以上のハロゲン原子により置換され得るものとし、
、R10、R11、R12、R14、R15は各々、独立して水素原子、C−Cアルキル、アリールまたはヘテロアリール基(それらは全て、所望により1個またはそれ以上のハロゲン原子により置換され得る)を表し、そして
16は、水素、C1−4アルキル、−C(O)C−Cアルキル、C(O)YC−Cアルキルであり、YはOまたはNRである]。
【0024】
下記で使用されている、「式(I)の化合物」の語は、式(I)、(IA)、(IB)または(IC)で示される上記化合物を包含する。
【0025】
式(I)で示されるある種の化合物は、立体異性体形態で存在し得る。本発明は、式(I)で示される化合物の幾何および光学異性体およびラセミ体を含むそれらの混合物を全て包含するものと理解すべきである。互変異性体およびその混合物もまた、本発明の一局面を形成する。
【0026】
上記式(I)の化合物は、その医薬上許容される塩または溶媒和物、好ましくは塩基性付加塩、例えばナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、リチウム、マグネシウム、亜鉛、ベンザチン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、エチルジアミン、メグルミン、トロメタミンまたはプロカイン、または酸付加塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、燐酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、しゅう酸塩、メタンスルホン酸塩またはp−トルエンスルホン酸塩に変換され得る。好ましい塩類にはナトリウム塩が含まれる。
【0027】
当業者であれば、本発明方法において、出発試薬または中間体化合物におけるある種の官能基が、保護基により保護される必要があり得ることは容易に理解できるはずである。すなわち、式(I)の化合物の製造は、適切な段階で、1個またはそれ以上の保護基の除去を必然的に伴い得る。官能基の保護および脱保護は、‘Protective Groups in Organic Chemistry’, J. W. F. McOmie編、プレナム・プレス (1973)、および‘Protective Groups in Organic Synthesis’, 第3版、 T. W. Greene & P. G. M. Wuts, ワイリー-インターサイエンス (1999)に詳細に記載されている。
【0028】
式(I)の化合物は、
(a)式(II):
【化5】

(II)
[式中、R17は水素またはアルキルであり、R、RおよびRは式(I)の場合と同じ意味であるかまたはその保護誘導体である]
で示される化合物の酸化、または
(b)式(III)
【化6】

(III)
[式中、R、RおよびRは式(I)の場合と同じ意味であるかまたはその保護誘導体である]
で示される化合物と式(IV):
L−C(O)OR18 (IV)
[式中、R18はアルキル基であり、Lは塩基の存在下における脱離基である]
で示される化合物の反応、次いで所望により(a)または(b)の後いずれかの順で:
・エステル基R17またはR18を対応する酸に加水分解する
・保護基があれば除去する
・医薬上許容される塩を形成する
ことにより製造され得る。
【0029】
工程(a)について、適切な酸化剤には、MCPBA、Hまたはオキソンがある。R17がアルキルであるとき、エチル、メチルまたはtert−ブチル基が好ましい。R17が水素であるとき、式(I)の化合物は、所望により保護基を除去し、適切な塩を形成させることにより直接得られる。
【0030】
17がアルキルである場合、対応するエステルは加水分解され得る。エステル基R17の加水分解は、常用手順を用いて、例えば塩基、好ましくは水酸化ナトリウムまたはリチウム水溶液と攪拌するか、または酸、例えばTFAと攪拌することにより実施され得、所望により保護基を除去し、適切な塩を形成させてもよい。
【0031】
工程(b)について、反応は、塩基、例えば水素化ナトリウムなどを用いて適切な溶媒、例えばTHF中で実施され得る。適切な基R18には、C1−6アルキル基、例えばメチル、エチルまたはtert−ブチルがある。適切なLは、脱離基、例えばハロ、特にブロモである。好ましくは、式(IV)の化合物はブロモ酢酸エチルである。
【0032】
エステル基R18の加水分解は、R17について記載した常用手順を用いて実施され得る。
【0033】
式(III)の化合物は、工程(a)を用いて式(V):
【化7】

[式中、R、RおよびRは、式(I)の場合と同じ意味であるかまたはそれらの保護誘導体である]
の化合物と酸化剤の反応により製造され得、所望によりその後保護基があればそれらを除去してもよい。
【0034】
式(V)(ただし、R、RおよびRは、式(I)の場合と同じ意味であるかまたはそれらの保護誘導体である)の化合物は、式(VI)の化合物を式(VII)の化合物と反応させることにより製造され得る:
【化8】

(VI) (VII) (V)
[式中、R、RおよびRは、式(I)の場合と同じ意味であるかまたはそれらの保護誘導体である]。
好ましくは、この反応は、加熱しながら酢酸中で実施される。
【0035】
または、式(V)(ただし、R、RおよびRは、式(I)の場合と同じ意味であるかまたはそれらの保護誘導体である)の化合物は、式(VIII)の化合物を式(VII)の化合物と反応させることにより製造され得る:
【化9】

(VIII) (VII) (V)
【0036】
式(VI)、(VII)および(VIII)の化合物は、市販されているか、または当業界でよく知られている標準的化学作用を用いて製造され得る。この場合、R、RおよびRは、式(I)の場合と同じ意味であるかまたはそれらの保護誘導体である。好ましくは、この反応は、塩素化剤、例えばスルホニルクロリドまたは次亜塩素酸tert−ブチルの存在下、適切な溶媒例えばジクロロメタンまたはTHF中で実施される。
【0037】
別法として、式(I)の化合物は、式(IX)の化合物を式(X)の化合物と反応させることにより製造され得る。この場合、R、RおよびRは、式(I)の場合と同じ意味であるかまたはそれらの保護誘導体である。
【化10】

(IX) (X) (I)
【0038】
好ましくは、この反応は、ヨウ素の存在下、適切な溶媒、例えばエタノールまたはDMF中で実施される。
【0039】
式(IX)の化合物は、上記で概説した要領で式(XI)および(IV)の化合物の反応により製造され得る。
【化11】

(XI)
【0040】
式(X)および(XI)の化合物は、市販されているか、または当業界でよく知られている標準的化学作用を用いて製造され得る。この場合、R、RおよびRは、式(I)の場合と同じ意味であるかまたはそれらの保護誘導体である。
【0041】
式(II)の化合物(ただし、Rはアリールである)は、加熱しながら、スズキカップリング条件を用いて、好ましくは適切な有機溶媒、例えばトルエン中、触媒としてテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(O)を用いて、式(II)(ただし、Rはハロゲン、好ましくは臭素またはヨウ素である)の化合物から製造される。
【化12】

(II) (II)
=ハロゲン R=アリール
【0042】
式(II)(ただし、RはNRSOである)の化合物は、適切な塩基、好ましくは水酸化ナトリウムと反応させることにより式(XII)の化合物から製造される。
【化13】

(XII) (I)
【0043】
式(XII)の化合物は、式(XIII)の化合物から製造される
【化14】

(XIII) (XII)
【0044】
式(XIII)の化合物を、酸性条件下、適切な触媒、例えば白金および(活性)炭の存在下で水素化する。次いで、この反応の生成物を、有機溶媒、例えばアセトニトリル中、塩基、好ましくはトリエチルアミンの存在下でスルホニルクロリド化合物と反応させる。
【0045】
式(XIII)の化合物は、適切な酸化剤との反応により式(II)(ただし、RはNOである)の化合物から製造される(工程A)。
【0046】
式(I)(ただし、RはNRCORである)の化合物は、上記式(XII)の化合物について概説した通り、式(II)(ただし、Rはニトロである)の化合物の水素化により製造される。次いで、還元生成物を、塩基の存在下、アシルクロリド[ClC(O)R]で処理することにより、式(II)の化合物を得、それに続いてこれを加水分解および酸化することにより(工程aおよびb)、前記で概説した通り式(I)の化合物を得る。
【0047】
式(I)の化合物は、医薬として、特にCRTh2受容体活性のモジュレーターとしての活性を有し、PGDおよびその代謝物の過度または無秩序な生産により増悪または誘発されるヒトおよびヒト以外の動物における状態/病気の処置(治療または予防的)において使用され得る。上記状態/病気の例には以下のものがある:
【0048】
(1)(気道)閉塞性気道疾患、例えば喘息(例えば気管支、アレルギー性、内因性、外因性および塵埃喘息、特に慢性または難治性喘息(例、遅発型喘息および気道過敏症));慢性閉塞性肺疾患(COPD)(例えば不可逆性COPD);気管支炎(好酸性気管支炎を含む);急性、アレルギー性、萎縮性鼻炎または慢性鼻炎(例えば乾酪性鼻炎、肥厚性鼻炎、化膿性鼻炎、乾燥性鼻炎)、薬物性鼻炎、膜性鼻炎(クループ性、線維素性および偽膜性鼻炎を含む)、腺病性鼻炎、通年性アレルギー性鼻炎、季節性鼻炎(神経性鼻炎(枯草熱)および血管神経性鼻炎を含む);鼻ポリープ;サルコイドーシス;農夫肺および関連疾患;肺線維症;特発性間質性肺炎;嚢胞性線維症;鎮咳活性;炎症に伴うかまたは医原性の慢性的な咳の処置;
【0049】
(2)(骨および関節)リウマチ、感染性、自己免疫、血清反応陰性(arthrides)、脊椎関節症(例えば強直性脊椎炎、乾癬性関節炎およびライター病)、ベーチェット病、シェーグレン症候群および全身性硬化症を含む関節炎;
【0050】
(3)(皮膚および眼)乾癬、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、他の湿疹性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、扁平苔癬、天疱瘡、類天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、血管浮腫、血管炎、紅斑、皮膚好酸球増加症、慢性皮膚潰瘍、ブドウ膜炎、円形脱毛、角膜潰瘍および春季結膜炎;
【0051】
(4)(胃腸管)セリアック病、直腸炎、好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、クローン病、潰瘍性大腸炎、過敏性腸疾患;腸から遠位において影響を及ぼす食物関連アレルギー(例えば片頭痛、鼻炎および湿疹);
【0052】
(5)(中枢および末梢神経系)神経変性疾患および認知障害(例えばアルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症および他の運動ニューロン疾患、クロイツフェルト‐ヤコブ病および他のプリオン病、HIV脳症(エイズ痴呆複合症)、ハンティングトン病、前頭側頭型痴呆、レビー小体型痴呆および血管性痴呆)、多発性神経障害(例えばギラン‐バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発神経根神経障害、多巣性運動ニューロパシー)、神経叢病、CNS脱髄(例えば多発性硬化症、急性播種性/出血性脳脊髄炎、および亜急性硬化性汎脳炎)、神経筋疾患(例えば重症筋無力症およびランバート‐イートン症候群)、脊髄疾患(例えば熱帯性痙性不全対麻痺およびスティッフマン症候群)、新生物随伴症候群(例えば小脳変性および脳脊髄炎)、CNS損傷、片頭痛および卒中;
【0053】
(6)(他の組織および全身病)アテローム性動脈硬化症、後天性免疫不全症候群(エイズ)、エリテマトーデス、全身エリテマトーデス;橋本甲状腺炎、I型糖尿病、ネフローゼ症候群、好酸球性筋膜炎、高IgE症候群、らい腫型ハンセン病、特発性血小板減少性紫斑病;術後癒着、敗血症および心臓、脳、末梢肢における虚血性/再灌流損傷、肝炎(アルコール性、脂肪性肝炎および慢性ウイルス性)、糸球体腎炎、腎臓障害、慢性腎不全および他の臓器
【0054】
(7)(同種移植片拒絶)例えば腎臓、心臓、肝臓、肺、骨髄、皮膚および角膜の移植後の急性および慢性拒絶;および慢性移植片対宿主病;
(8)PGDまたはその代謝物のレベル上昇に伴う疾患。
【0055】
すなわち、本発明は、治療での使用のための前述した式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩または溶媒和物を提供する。
【0056】
好ましくは、本発明化合物は、ケモカイン受容体がCRTh2受容体サブファミリーに属する病気の処置に使用される。
【0057】
本発明化合物により処置され得る特定の状態は、喘息、鼻炎およびPGDまたはその代謝物のレベルが高い他の病気である。本発明化合物は喘息の処置に使用されるのが好ましい。
【0058】
さらなる局面において、本発明は、治療で使用される医薬の製造において前述されている、式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩または溶媒和物の使用を提供する。
【0059】
さらなる局面において、本発明は、喘息および鼻炎の処置に使用される薬剤(例えば吸入および経口ステロイド、吸入β2−受容体アゴニストおよび経口ロイコトリエン受容体アンタゴニスト)と組合わせた治療で使用される医薬の製造における前述されている、式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩または溶媒和物の使用を提供する。
【0060】
さらなる局面において、本発明は、CRTh2受容体活性の調節が有益であるヒトの病気または状態の処置を目的とする医薬の製造における前述されている、式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩または溶媒和物の使用を提供する。
【0061】
本明細書の文脈において、「治療」の語はまた、対抗する具体的な指示が無い場合「予防」をも包含する。「治療の」および「治療的に」の語はそれに応じて解釈されるべきである。
【0062】
さらに本発明は、PGD2またはプロスタノイドがその受容体(特にCRTh2受容体)に結合するその代謝物が介在する病気の処置方法であって、前述の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物またはプロドラッグの治療有効量を患者に投与することを含む方法を提供する。
【0063】
本発明はまた、病気に罹患しているかまたはその危険がある患者における炎症性疾患、特に乾癬の処置方法であって、前述の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物またはプロドラッグの治療有効量を患者に投与することを含む方法を提供する。
【0064】
上記治療用途について、投与用量は、勿論、使用される化合物、投与方法、所望の処置および示された疾患により異なる。
【0065】
式(I)の化合物およびその医薬上許容される塩および溶媒和物は、そのままでも使用され得るが、一般的には、式(I)化合物/塩/溶媒和物(有効成分)を医薬上許容されるアジュバント、希釈剤または担体と共に含む医薬組成物形態で投与される。投与方法によって、医薬組成物は、好ましくは0.05〜99%w(重量パーセント)、さらに好ましくは0.05〜80%w、さらに好ましくは0.10〜70%w、そしてさらに好ましくは0.10〜50%wの割合で有効成分を含み、この場合重量パーセントは全て組成物全体に基くものとする。
【0066】
本発明はまた、医薬上許容されるアジュバント、希釈剤または担体と共に、前述の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩または溶媒和物を含む医薬組成物を提供する。
【0067】
医薬組成物は、溶液、懸濁液、ヘプタフルオロアルカンエーロゾルおよび乾燥粉末処方物形態で局所的(例えば肺および/または気道または皮膚に対する)に、または全身的、例えば、錠剤、カプセル剤、シロップ、散剤または顆粒形態での経口投与により、または溶液または懸濁液形態での非経口投与により、または皮下投与により、または坐剤形態での直腸投与によりまたは経皮的に投与され得る。好ましくは、本発明化合物は経口投与される。
【0068】
以下、非限定的実施例により本発明について説明を行うが、ただし、特記しない場合
(i)実施例および方法の標題および副題化合物は、カナダ国アドバンスト・ケミカル・デベロップメント・インコーポレイテッドによるACD実験室/命名プログラム(バージョン6.0)を用いて命名された。
【0069】
(ii)特記しない場合、シンメトリー、NovaPakまたはEx−Terra逆相シリカカラムを用いて逆相分取HPLCを実施した。
【0070】
(iii)フラッシュカラムクロマトグラフィーは、順相シリカクロマトグラフィーをいう。
(iv)溶媒をMgSOまたはNaSOで乾燥した。
【0071】
(v)真空下での回転蒸発により蒸発を実施し、残留固体、例えば乾燥剤を濾過により除去後、後処理手順を実施した。
【0072】
(vi)特記しない場合、周囲温度、すなわち18〜25℃の範囲で不活性気体、例えばアルゴンまたは窒素雰囲気下において操作を実施した。
(vii)収率は実例として与えられているに過ぎず、必ずしも到達可能な最大値ではない。
【0073】
(viii)式(1)の最終生成物の構造は、核(一般的にプロトン)磁気共鳴(NMR)および質量分析技術により確認された。プロトン磁気共鳴化学シフト値はデルタ目盛で測定され、ピーク多重度は以下の要領で示される:s、一重;d、二重;t、三重;m、多重;br、幅広;q、四重;quin、五重。
【0074】
(ix)中間体は、全般的に完全には特性確認されておらず、純度は薄層クロマトグラフィー(TLC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、質量分析法(MS)、赤外(IR)またはNMR分析により評価された。
【0075】
(x)質量スペクトル(MS):これが与えられているとき、一般的に親質量を示すイオンのみ報告されているものとし、H NMRデータは、主たる診断的プロトンについてのデルタ値形態で挙げられており、内部標準物としてのテトラメチルシラン(TMS)に対して100万部当たりの部分数(ppm)で与えられている。
【0076】
(xi)以下の略語を使用する:
EtOAC 酢酸エチル
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
NMP N−メチルピロリジン
THF テトラヒドロフラン
RT 室温
TFA トリフルオロ酢酸
MCPBA メタ−クロロ過安息香酸
【実施例】
【0077】
実施例1
3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸
(a)3−[(4−クロロフェニル)チオ]−2,5−ジメチル−1H−インドール
アセトニトリル(100ml)中のメチルフェニルヒドラジン(7g)の溶液に、1−[(4−クロロフェニル)チオ]アセトン(8.84g)および水(10ml)を加えた。混合物を一晩室温で攪拌した。反応混合物を真空下で濃縮し、残さをジクロロメタンに溶かした。溶液を炭酸水素ナトリウム、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)し、真空下で濃縮した。残さを再結晶化(メタノール)することにより、副題化合物(6g)を得た。
MS:APCI+[M+H]288
【0078】
(b)3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2,5−ジメチル−1H−インドール
実施例1工程(a)の生成物(1.85g)を0℃のジクロロメタン(20ml)に溶かし、この溶液にMCPBA(2.85g)を加え、2時間攪拌した。次いで、反応混合物を炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、有機抽出物をMgSOで乾燥した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤として35%EtOAc/ヘキサン)により精製し、副題化合物(1.27g)を得た。
MS:ES+[M+H]320
【0079】
(c)3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸、エチルエステル
工程(b)の生成物(1.27g)を0℃のTHF(20ml)に溶かし、NaH(0.115g、油中60%分散液)を加え、30分間攪拌した。次いでブロモ酢酸エチル(0.66ml)を加え、室温で1時間攪拌した。エタノールを加えて反応をクエンチングし、溶媒を除去し、生成物を水で洗浄し、EtOAcで抽出した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤として30%EtOAc/ヘキサン)により精製し、副題化合物(0.716g)を得た。
MS:ES+[M+H]406
【0080】
(d)3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸
工程(c)の生成物をエタノール(10ml)に溶かし、10%NaOH(水溶液)(10ml)を加え、1時間攪拌した。次いで反応混合物をHCl(水溶液)で酸性化し、EtOAcで抽出した。NH吸着剤(2g)を用い、アセトニトリル、次いで10%酢酸/アセトニトリルで溶離する固相抽出により精製し、標記化合物(0.301g)を得た。
MS:ES−[M−H]376
【表1】

【0081】
実施例2
5−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸
a)5−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−1H−インドール
酢酸(30ml)中の(4−クロロフェニル)−ヒドラジン塩酸塩(2g)の懸濁液に、1−[(4−クロロフェニル)チオ]−アセトン(2.24g)、アセトニトリル(20ml)および水(10ml)を加えた。混合物を室温で一晩攪拌した。反応混合物を真空下で濃縮し、残さをEtOAcに懸濁し、炭酸水素ナトリウム溶液、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)し、真空下で濃縮した。残さを酢酸(20ml)に溶かし、一晩80℃に加熱した。反応混合物を水中に注ぎ、NaOHを用いて塩基性にし、有機物をEtOAc中へ抽出した。EtOAcをブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)し、真空下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤として20%EtOAc/ヘキサン)により精製し、副題化合物(2.2g)を得た。
【表2】

【0082】
b)5−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)チオ]−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸、メチルエステル
THF(5ml)中の工程(a)の生成物(0.2g)の溶液に、THF(0.65ml)中の1Mビス(トリメチルシリル)アミドナトリウム溶液を加えた。混合物を30分間攪拌した後、ブロモ酢酸、メチルエステル(62μl)を加え、反応物を室温で一晩攪拌した。さらなる0.3mlのTHF中1.0Mのビス(トリメチルシリル)アミドナトリウム溶液および30μlのブロモ酢酸メチルを混合物に加え、さらに3時間攪拌した。次いで、混合物をシリカに吸着させ、フラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤として14%EtOAc/ヘキサン)により精製し、副題化合物(0.21g)を得た。
【表3】

【0083】
c)5−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸、メチルエステル
ジクロロメタン(5ml)中の工程(b)の生成物(0.1g)の溶液にMCPBA(121mg)を加えた。混合物を室温で一晩攪拌した。反応物をジクロロメタン(10ml)で希釈し、炭酸水素ナトリウム溶液、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)し、真空下濃縮することにより、副題化合物(0.1g)を得た。それ以上精製および特性確認せずに工程(d)で使用した。
【0084】
d)5−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸
THF(5ml)中の工程(c)からの生成物(0.09g)の溶液に、NaOHの1.25M水溶液(0.25ml)を加えた。反応物を室温で一晩攪拌した。反応混合物を真空下で濃縮し、残さを水に溶解/懸濁した。希塩酸(水溶液)を用いてpHを2に調節し、沈澱した固体を濾過により分離し、40℃で真空下乾燥し、標記化合物を得た。
【表4】

【0085】
実施例3
6−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸
a)6−クロロ−3−[4−(クロロフェニル)チオ]−2−メチル−1H−インドール
(3−クロロフェニル)−ヒドラジン塩酸塩を用いる実施例2(a)項の方法により副題化合物を製造した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤として10%EtOAc/ヘキサン)を用いて生成物を精製した。
【表5】

【0086】
b)6−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)チオ]−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸、メチルエステル
(a)項からの生成物を用いて実施例2(b)項の方法により副題化合物を製造した。
【表6】

【0087】
c)6−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸、メチルエステル
(b)項からの生成物を用いて実施例2(c)項の方法により副題化合物を製造した。それ以上精製または特性確認せずに工程(d)で使用した。
【0088】
d)6−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸
(c)項からの生成物を用いて実施例2(d)項の方法により標記化合物を製造した。
【表7】

【0089】
実施例4
7−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸
a)7−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)チオ]−2−メチル−1H−インドール
(2−クロロフェニル)−ヒドラジン塩酸塩を用いる実施例2(a)項の方法により副題化合物を製造した。
【表8】

【0090】
b)7−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)チオ]−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸、メチルエステル
(a)工程からの生成物を用いて実施例2(b)項の方法により副題化合物を製造した。
【表9】

【0091】
c)7−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸、メチルエステル
(b)項からの生成物を用いて実施例2(c)項の方法により副題化合物を製造した。それ以上精製または特性確認せずに工程(d)で使用した。
【0092】
d)7−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸
(c)項からの生成物を用いて実施例2(d)項の方法により標記化合物を製造した。
【表10】

【0093】
実施例5
5−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−4−シアノ−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸
a)3−[(4−クロロフェニル)チオ]−2,5−ジメチル−1H−インドール−4−カルボニトリル
−78℃の乾燥ジクロロメタン(150ml)中の1−[(4−クロロフェニル)チオ]−アセトン(6.14g)の攪拌溶液を、スルフリルクロリド(2.25ml)で処理した。30分後、乾燥ジクロロメタン(80ml)中のN,N,N',N'−テトラメチル−1,8−ナフタレンジアミン(6.01g)および5−アミノ−2−クロロベンゾニトリル(3.89g)の調製溶液を、30分間にわたって滴下した。混合物をさらに2時間攪拌した後、トリエチルアミン(4.26ml)を加え、反応物を室温に到達させた。反応混合物をジクロロメタン(200ml)で希釈し、水、1NのHClおよびブラインで洗浄した。有機相を乾燥(MgSO)し、真空下で蒸発させ、イソへキサンおよび酢酸エチル(1:1)で溶離するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより残さを精製することにより、副題化合物(1g)を得、位置異性体(600mg)を下記実施例6で使用した。
【表11】

【0094】
b)3−[(4−クロロフェニル)チオ]−4−シアノ−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸、メチルエステル
(a)項の生成物を用いて実施例1(c)項の方法により副題化合物を製造した。
【表12】

【0095】
c)5−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−4−シアノ−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸、メチルエステル
(b)項の生成物から実施例1(b)項の方法により副題化合物を製造した。
【0096】
d)5−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−4−シアノ−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸
(c)項の生成物を用いて実施例1(d)項の方法により標記化合物を製造した。
【表13】

【0097】
実施例6
5−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−6−シアノ−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸
a)5−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−1H−インドール−6−カルボニトリル
実施例5(a)項から得られた。
【表14】

【0098】
b)5−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−6−シアノ−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸
実施例2(d)項の方法により製造し、白色固体として標記化合物を得た。
【表15】

【0099】
実施例7
3−[(4−クロロフェニル)スルフィニル]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸
a)3−[(4−クロロフェニル)スルフィニル]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸、エチルエステル
MCPBA(1.07g)を、0℃のジクロロメタン(20ml)中の実施例1a)項(1.79g)の溶液に加えた。反応混合物を1時間攪拌した後、さらなるmCPBA(53mg)を加え、さらに30分間攪拌した。反応混合物を室温に到達させ、濾過後白色固体(0.68g)として副題化合物を得た。それ以上精製せずに次の工程で直接使用した。
【0100】
b)3−[(4−クロロフェニル)スルフィニル]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸
NaH(0.13g、鉱油中60%の分散液)を、0℃のTHF中の(a)項からの生成物(0.685g)に加えた。反応混合物を30分間攪拌し、次いでブロモ酢酸エチル(0.26ml)を加え、混合物を1時間攪拌した。エタノールを加え、次いで真空下で濃縮した。生成物をEtOAcで抽出し、乾燥(MgSO)し、真空下で濃縮することにより、白色固体(761mg)を得た。固体をエタノール(15ml)、NaOH(10%溶液、5ml)に溶かし、次いで溶液を一晩攪拌した。反応混合物を酸性化(希HCl)し、EtOACで抽出した。有機相を乾燥(MgSO)し、真空下で濃縮した。生成物を、MeCN、次いでMeCN中5%の酢酸で溶離し、アミン樹脂で精製することにより、標記化合物(60mg)を得た。
【表16】

4.43 (2H, s), 2.57 (3H, s) および 2.21 (3H, s)。
【0101】
実施例8
3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−4−(エチルスルホニル)−7−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸
a)3−[(4−クロロフェニル)チオ]−4−(エチルスルホニル)−7−メトキシ−2−メチル−1H−インドール
5−(エチルスルホニル)−2−メトキシベンゼンアミンから実施例5(a)項の方法により製造した。
【表17】

4.05 (3H, s), 3.46 (2H,q), 2.46 (3H, s) および 1.16 (3H, t)。
【0102】
b)3−[(4−クロロフェニル)チオ]−4−(エチルスルホニル)−7−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸、メチルエステル
工程(a)の生成物を用いて、実施例5(b)項の方法により製造した。
【表18】

3.98 (3H, s), 3.79 (3H, s), 3.48 (2H, q), 2.38 (3H,s) および 1.18 (3H, t)。
【0103】
c)3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−4−(エチルスルホニル)−7−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸、メチルエステル
工程(b)の生成物を用いて実施例5(c)項の方法により製造した。
MS:ES+[M+H]435
【0104】
d)3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−4−(エチルスルホニル)−7−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸
工程(c)の生成物を用いて実施例5(d)項の方法により製造した。
【表19】

3.95 (3H, s), 3.58 (2H, q), 2.66 (3H,s) および 1.23 (3H, t)。
【0105】
実施例9
3−[(4−クロロフェニル)スルフィニル]−5−シアノ−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸
a)3−[(4−クロロフェニル)チオ]−5−シアノ−2−メチル−1H−インドール
−70℃に冷却したジクロロメタン(150ml)中の4−アミノベンゾニトリル(5g)の攪拌溶液に、5分間にわたって次亜塩素酸t−ブチル(4.6g)を滴下した。反応物を10分間攪拌した後、1−[(4−クロロフェニル)チオ]−2−プロパノン(8.49g)をジクロロメタン(20ml)中の溶液として加えた。1時間後、トリエチルアミン(5.9ml)を加え、反応物を放置して室温に温めさせた。反応物をジクロロメタンで希釈し、HCl(水溶液)、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、真空下で濃縮することにより、褐色固体を得た。メタノールからの再結晶化により精製し、副題化合物(7.5g)を得た。
【表20】

【0106】
b)3−[(4−クロロフェニル)チオ]−5−シアノ−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸、エチルエステル
(a)項からの生成物およびブロモ酢酸エチルを用いて実施例5(b)項の方法により副題化合物を製造した。それ以上特性確認せずに生成物を(c)工程で使用した。
【0107】
c)3−[(4−クロロフェニル)スルフィニル]−5−シアノ−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸、メチルエステル
mCPBA(128mg)を、ジクロロメタン(10ml)中の(b)項の生成物(200mg)に加え、一晩攪拌した。溶液を(NaHCO)ブラインで洗浄し、次いで乾燥(MgSO)し、真空下で濃縮することにより、白色固体(170mg)として副題化合物を得た。
【0108】
d)3−[(4−クロロフェニル)スルフィニル]−5−シアノ−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸
工程(c)の生成物を用いて実施例5(d)項の方法により標記化合物を製造した。
【表21】

および2.63 (s, 3H).
【0109】
実施例10
3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−5−シアノ−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸
a)1H−インドール−1−酢酸、3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−5−シアノ−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸、メチルエステル
実施例9(b)項の生成物を用いて実施例5(c)項の方法により副題化合物を製造した。
【表22】

および1.18 (td, 3H).
【0110】
b)1H−インドール−1−酢酸、3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−5−シアノ−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸
工程(a)の生成物を用いて実施例5(d)項の方法により標記化合物を製造した。
【表23】

および2.67 (s, 3H).
【0111】
実施例11
5−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸ナトリウム
水酸化ナトリウム(1M、4.3ml)を、THF(60ml)中の実施例1(c)項の生成物(1.75g)の溶液に加えた。反応混合物を一晩攪拌し、次いで真空下で濃縮した。残さを水から再結晶化することにより、白色固体として標記化合物を得た。
【表24】

および2.4(s, 3H).
【0112】
実施例12
4−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸
【化15】

a)4−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)チオ]−2−メチル−1H−インドール
(3−クロロフェニル)−ヒドラジン塩酸塩を用いて実施例2(a)項の方法により副題化合物を製造した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤として10%EtOAc/へキサン)を用いて生成物を精製した。
【表25】

【0113】
b)4−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−1H−インドール
(a)項からの生成物を用いて実施例1(b)項の方法により副題化合物を製造した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤として33%EtOAc/へキサン)を用いて生成物を精製した。
【表26】

【0114】
c)4−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸、エチルエステル
(b)項からの生成物を用いて実施例1(c)項の方法により副題化合物を製造した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤として33%EtOAc/へキサン)を用いて生成物を精製した。
【表27】

【0115】
d)4−クロロ−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸
(c)項からの生成物を用いて実施例2(d)項の方法により標記化合物を製造した。逆相分取HPLC(溶離剤MeCN/NH(水溶液))を用いて生成物を精製した。
【表28】

【0116】
実施例13
3−[(4−メトキシフェニル)スルホニル]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸
【化16】

a)2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸
60%水素化ナトリウム/油(0.64g)を、DMF(15ml)中の2,5−ジメチル−1H−インドール(2.0g)の溶液に加えた。15分後、ブロモ酢酸エチル(2.7ml)を迅速に加え、反応物を20分間攪拌した。混合物を1%酢酸水溶液(100ml)によりクエンチングし、酢酸エチル(2×100ml)で抽出し、水(2×50ml)およびブライン(20ml)で洗浄した。抽出物を乾燥(MgSO)し、濾過し、真空下で蒸発させることにより、褐色固体を得た。固体をEtOH(20ml)に溶かし、水酸化ナトリウム水溶液(1M、10ml)を加えた。1時間後、溶液を塩酸水溶液(1M、〜10ml)によりpH6に調節し、次いで真空下で蒸発させた。残さをフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配ジクロロメタン中1〜10%のメタノール)により精製した。副題化合物を赤色/褐色固体(1.3g)として得た。
【表29】

【0117】
b)3−[(4−メトキシフェニル)チオ]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸、アンモニウム塩
ヨウ素(0.51g)を、DMF(5ml)中の4−メトキシベンゼンチオール(0.25g)および実施例13工程a)からの生成物(0.2g)の溶液に加えた。1時間後、溶液を逆相HPLCにより精製した。溶媒を真空下で蒸発させ、油状残さをエーテルで処理することにより、固体を得た。濾過し、乾燥することにより、白色固体(0.27g)として標記化合物を得た。
【表30】

【0118】
c)3−[(4−メトキシフェニル)スルホニル]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸
3−クロロベンゼンカルボペルオキソ酸(0.44g)を、アセトニトリル(4ml)中の実施例13工程ii)からの生成物(0.2g)の溶液に加えた。反応物を1時間攪拌し、1Mのチオ硫酸ナトリウム水溶液(2ml)を加え、さらに15分間攪拌した。混合物を濾過し、逆相HPLCにより精製し、真空下で蒸発させることにより、白色固体(98mg)として標記化合物を得た。
MS: APCI- [M-H] 372
【表31】

【0119】
実施例14
3−[(3−メトキシフェニル)スルホニル]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸
【化17】

a)3−[(3−メトキシフェニル)チオ]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸
ヨウ素(0.51g)を、DMF(5ml)中の3−メトキシベンゼンチオール(0.25g)および実施例13工程i)からの生成物(0.2g)の溶液に加えた。1時間後、溶液を逆相HPLCにより精製した。溶媒を真空下で蒸発させ、油状残さをエーテルで処理することにより、固体を得た。濾過し、乾燥することにより、白色固体(0.22g)として標記化合物を得た。
【表32】

【0120】
b)3−[(3−メトキシフェニル)スルホニル]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸
3−クロロベンゼンカルボペルオキソ酸(0.4g)を、アセトニトリル(4ml)中の実施例14工程i)からの生成物(0.18g)の溶液に加えた。反応物を1時間攪拌し、1Mのチオ硫酸ナトリウム水溶液(2ml)を加え、さらに15分間攪拌した。混合物を濾過し、逆相HPLCにより精製し、真空下で蒸発させることにより、白色固体(70mg)として標記化合物を得た。
【表33】

【0121】
実施例15
3−[(2−クロロフェニル)スルホニル]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸
【化18】

a)3−[(2−クロロフェニル)チオ]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸、ナトリウム塩
ヨウ素(0.22g)を、EtOH(5ml)中の2−クロロベンゼンチオール(0.13g)および実施例13工程a)からの生成物(0.15g)の溶液に加えた。1時間後、溶液を逆相HPLCにより精製した。溶媒を真空下で蒸発させることにより、無色油状物として生成物を得た。次いで、油状物を、水酸化ナトリウム水溶液(1M、0.52ml)で処理したMeOH(10ml)に溶かし、真空下で蒸発させることにより、白色固体(0.13g)としてナトリウム塩を得た。
【表34】

【0122】
b)3−[(2−クロロフェニル)スルホニル]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸
3−クロロベンゼンカルボペルオキソ酸(0.14g)を、アセトニトリル(2ml)および水(0.5ml)中の実施例13工程a)からの生成物(0.07g)の溶液に加えた。反応物を1時間攪拌し、1Mのチオ硫酸ナトリウム水溶液(2ml)を加え、さらに15分間攪拌した。混合物を濾過し、逆相HPLCにより精製し、真空下で蒸発させることにより、白色固体(11mg)として標記化合物を得た。
【表35】

【0123】
実施例16
3−[(3−クロロフェニル)スルホニル]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸
【化19】

a)3−[(3−クロロフェニル)チオ]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸、ナトリウム塩
ヨウ素(0.29g)を、EtOH(5ml)中の3−クロロベンゼンチオール(0.175g)および実施例13工程a)からの生成物(0.2g)の溶液に加えた。1時間後、溶液を逆相HPLCにより精製した。溶媒を真空下で蒸発させることにより、無色油状物として生成物を得た。次いで、油状物を、水酸化ナトリウム水溶液(1M、0.52ml)で処理したMeOH(10ml)に溶かし、真空下で蒸発させることにより、白色固体(0.19g)としてナトリウム塩を得た。
【表36】

【0124】
b)3−[(3−クロロフェニル)スルホニル]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸
3−クロロベンゼンカルボペルオキソ酸(0.32g)を、アセトニトリル(4ml)および水(1ml)中の実施例16工程a)からの生成物(0.16g)の溶液に加えた。反応物を1時間攪拌し、1Mのチオ硫酸ナトリウム水溶液(2ml)を加え、さらに15分間攪拌した。混合物を濾過し、逆相HPLCにより精製し、真空下で蒸発させることにより、白色固体(65mg)として標記化合物を得た。
【表37】

【0125】
実施例17
3−[(4−シアノフェニル)スルホニル]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸
【化20】

a)3−[(4−シアノフェニル)チオ]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸、アンモニウム塩
ヨウ素(0.51g)を、DMF(5ml)中の4−シアノベンゼンチオール(0.27g)および実施例13工程a)からの生成物(0.2g)の溶液に加えた。1時間後、溶液を逆相HPLCにより精製した。溶媒を真空下で蒸発させ、油状残さを、エーテルで処理して固体を得た。濾過し、乾燥することにより、白色固体(0.25g)として標記化合物を得た。
【表38】

【0126】
b)3−[(4−シアノフェニル)スルホニル]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸
3−クロロベンゼンカルボペルオキソ酸(0.44g)を、アセトニトリル(4ml)中の実施例137工程a)からの生成物(0.21g)の溶液に加えた。反応物を1時間攪拌し、1Mのチオ硫酸ナトリウム水溶液(2ml)を加え、さらに15分間攪拌した。混合物を濾過し、逆相HPLCにより精製し、真空下で蒸発させることにより、白色固体(58mg)として標記化合物を得た。
【表39】

【0127】
実施例18
3−[(2−メチルフェニル)スルホニル]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸
【化21】

a)3−[(2−メチルフェニル)チオ]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸、アンモニウム塩
ヨウ素(0.29g)を、DMF(5ml)中の2−メチルベンゼンチオール(0.16g)および実施例13工程a)からの生成物(0.2g)の溶液に加えた。1時間後、溶液を逆相HPLCにより精製した。溶媒を真空下で蒸発させ、油状残さを、エーテルで処理して固体を得た。濾過し、乾燥することにより、白色固体(0.19g)として標記化合物を得た。
【表40】

【0128】
b)3−[(2−メチルフェニル)スルホニル]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸
3−クロロベンゼンカルボペルオキソ酸(0.32g)を、アセトニトリル(4ml)中の実施例18工程a)からの生成物(0.14g)の溶液に加えた。反応物を1時間攪拌し、1Mのチオ硫酸ナトリウム水溶液(2ml)を加え、さらに15分間攪拌した。混合物を濾過し、逆相HPLCにより精製し、真空下で蒸発させることにより、白色固体(65mg)として標記化合物を得た。
【表41】

【0129】
実施例19
3−[(2−エチルフェニル)スルホニル]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸
【化22】

a)3−[(2−エチルフェニル)チオ]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸、アンモニウム塩
ヨウ素(0.44g)を、DMF(5ml)中の2−エチルベンゼンチオール(0.32g)および実施例13工程a)からの生成物(0.2g)の溶液に加えた。1時間後、溶液を逆相HPLCにより精製した。溶媒を真空下で蒸発させ、油状残さを、エーテルで処理して固体を得た。濾過し、乾燥することにより、白色固体(0.18g)として標記化合物を得た。
【表42】

【0130】
b)3−[(2−エチルフェニル)スルホニル]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸
3−クロロベンゼンカルボペルオキソ酸(0.32g)を、アセトニトリル(4ml)中の実施例19工程a)からの生成物(0.14g)の溶液に加えた。反応物を1時間攪拌し、1Mのチオ硫酸ナトリウム水溶液(2ml)を加え、さらに15分間攪拌した。混合物を濾過し、逆相HPLCにより精製し、真空下で蒸発させることにより、白色固体(45mg)として標記化合物を得た。
【表43】

【0131】
実施例20
3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−4−ニトロ−1H−インドール−1−酢酸
【化23】

a)3−[(4−クロロフェニル)チオ]−2−メチル−4−ニトロ−1H−インドール
−78℃に冷却したTHF(700ml)中の3−ニトロアニリン(8g)の攪拌溶液に、5分間にわたって次亜塩素酸t−ブチル(6.3g)を滴下した。反応物を20分間かけて−65℃に温めた後、1−[(4−クロロフェニル)チオ]−2−プロパノン(11.6g)を、テトラヒドロフラン(20ml)中の溶液として加えた。2時間後、トリエチルアミン(8.1ml)を加え、反応物を室温に温めた。2MのHCl(水溶液)を反応混合物に加えた後、真空下で濃縮した。残さをメタノール中でスラリー化し、沈澱した固体を濾過により分離して、副題化合物(5.8g)を得た。
【表44】

【0132】
b)3−[(4−クロロフェニル)チオ]−2−メチル−4−ニトロ−1H−インドール−酢酸、エチルエステル
THF(100ml)中の水素化ナトリウム、鉱油中60%の分散液(0.85g)の攪拌懸濁液に、THF(50ml)中の溶液として(a)項からの生成物(5.6g)を加えた。室温で30分間攪拌した後、ブロモ酢酸エチル(2.3ml)を10分間にわたって滴下した。2時間後、反応物を真空下で濃縮し、残さを酢酸エチルに溶かし、水、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)し、真空下で濃縮した。沸騰エタノールから再結晶化後、副題化合物(5g)を得た。
【表45】

【0133】
c)3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−4−ニトロ−1H−インドール−酢酸、エチルエステル
ジクロロメタン(10ml)中の(b)項からの生成物(0.2g)の溶液に、MCPBA(0.245g)を加えた。一晩攪拌した後、さらに20mlのジクロロメタンを反応物に加えた後、混合物を炭酸水素ナトリウム溶液、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)し、真空下で濃縮した。残さをそれ以上特性確認せずに工程(d)で使用した。
【0134】
d)3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−4−ニトロ−1H−インドール−1−酢酸
(c)項からの生成物を用いて実施例2(d)項の方法により標記化合物を製造した。逆相分取HPLC(溶離剤MeCN/NH(水溶液))を用いて生成物を精製した。
【表46】

【0135】
実施例21
4−(アセチルアミノ)−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸
【化24】

a)4−アミノ−3−[(4−クロロフェニル)チオ]−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸、エチルエステル
エタノール(170ml)中の実施例20(b)項からの生成物(2.25g)の懸濁液を、Hの2バール圧力下、5%Pt/C(0.5g)の存在下で攪拌した。一晩攪拌後、触媒を濾過により除去し、濾液を真空下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤として14%EtOAc/ヘキサン)により精製し、副題化合物(1.4g)を得た。
【表47】

【0136】
また、3−[(4−クロロフェニル)チオ]−4−(エチルアミノ)−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸、エチルエステルを反応からの副産物(0.33g)として単離した。
【表48】

【0137】
b)4−(アセチルアミノ)−3−[(4−クロロフェニル)チオ]−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸、エチルエステル
ジクロロメタン(10ml)中の(a)項からの生成物(0.5g)の溶液に、トリエチルアミン(0.18ml)およびアセチルクロリド(0.1ml)を加え、反応物を室温で30分間攪拌した。次いで、混合物をシリカゲルに吸着させ、フラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤として33%EtOAc/ヘキサン)により精製して、副題化合物(0.52g)を得た。
【表49】

【0138】
c)4−(アセチルアミノ)−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸、エチルエステル
(b)項からの生成物を用いて実施例20(c)項の方法により副題化合物を製造した。それ以上特性確認せずに(d)項で使用した。
【0139】
d)4−(アセチルアミノ)−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸
(c)項からの生成物を用いて実施例2(d)項の方法により標記化合物を製造した。逆相分取HPLC(溶離剤MeCN/NH(水溶液))を用いて生成物を精製した。
【表50】

【0140】
実施例22
3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−4−[(メチルスルホニル)アミノ]−1H−インドール−1−酢酸
【化25】

a)4−アミノ−3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸、エチルエステル
氷酢酸(50ml)中の実施例20(c)項からの生成物(1g)の懸濁液を、24時間Hの3バール圧力下、5%Pt/C(0.5g)の存在下で攪拌した。触媒を濾過により除去し、濾液を真空下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤として20%EtOAc/ヘキサン)により精製し、副題化合物(0.45g)を得た。
【表51】

【0141】
3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−4−(エチルアミノ)−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸、エチルエステルを、反応からの副産物として単離した。
【表52】

【0142】
b)3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−4−[(メチルスルホニル)アミノ]−1H−インドール−1−酢酸、エチルエステル
アセトニトリル(10ml)中の(a)項からの生成物(0.2g)の溶液に、トリエチルアミン(72μl)およびメタンスルホニルクロリド(41μl)を加え、反応物を一晩還流温度に加熱した。次いで、混合物をシリカゲルに吸着させ、フラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤として33%EtOAc/ヘキサン)により精製して、副題化合物(0.18g)を得た。
【表53】

【0143】
c)3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−4−[(メチルスルホニル)アミノ]−1H−インドール−1−酢酸
(b)項の生成物を用いて実施例2(d)項の方法により標記化合物を製造した。生成物を沸騰水性エタノールから再結晶化させた。
【表54】

MS: APCI- [M-H] 455
m.p. 分解>237℃
【0144】
実施例23
3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−4−(エチルアミノ)−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸
【化26】

a)3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−4−(エチルアミノ)−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸
実施例22(a)項からの副産物を用いて実施例2(d)項の方法により標記化合物を製造した。生成物を、逆相分取HPLCを用いて精製した。
【表55】

【0145】
実施例24
3−[(2,6−ジクロロフェニル)スルホニル]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸
【化27】

a)3−[(2,6−ジクロロフェニル)チオ]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸
ヨウ素(0.51g)を、DMF(5ml)中の2,6−ジクロロベンゼンチオール(0.36g)および実施例13工程a)からの生成物(0.2g)の溶液に加えた。1時間後、溶液を逆相HPLCにより精製した。溶媒を真空下で蒸発させ、油状残さを、エーテルで処理して固体を得た。濾過し、乾燥することにより、白色固体(0.22g)として標記化合物を得た。
【表56】

【0146】
b)3−[(2,6−ジクロロフェニル)スルホニル]−2,5−ジメチル−1H−インドール−1−酢酸
3−クロロベンゼンカルボペルオキソ酸(0.34g)を、アセトニトリル(5ml)および水(0.5ml)中の実施例24工程a)からの生成物(0.18g)の溶液に加えた。反応物を1時間攪拌し、1Mのチオ硫酸ナトリウム水溶液(2ml)を加え、さらに15分間攪拌した。混合物を濾過し、逆相HPLCにより精製し、真空下で蒸発させることにより、白色固体(40mg)として標記化合物を得た。
【表57】

【0147】
実施例25
3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−4−フェニル−1H−インドール−1−酢酸
【化28】

a)4−ブロモ−3−[(4−クロロフェニル)チオ]−2−メチル−1H−インドール
(3−ブロモフェニル)−ヒドラジン塩酸塩を用いて実施例2(a)項の方法により副題化合物を製造した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤として10%EtOAc/ヘキサン)を用いて生成物を精製した。
【表58】

【0148】
b)4−ブロモ−3−[(4−クロロフェニル)チオ]−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸、1,1−ジメチルエチルエステル
(a)項の生成物およびブロモ酢酸t−ブチルを用いて実施例20(a)項の方法により副題化合物を製造した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤として10%EtOAc/ヘキサン)を用いて生成物を精製した。
【表59】

【0149】
c)3−[(4−クロロフェニル)チオ]−2−メチル−4−フェニル−1H−インドール−1−酢酸、1,1−ジメチルエチルエステル
エタノール(0.8ml)およびトルエン(3ml)中の(b)項の生成物(0.5g)の溶液に、2Mの炭酸ナトリウム水溶液(1.4ml)、フェニルボロン酸(0.131g)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(O)(1.2g)を加えた。反応物を2時間還流温度に加熱し、冷却し、真空下で濃縮した。残さをフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、副題化合物(0.4g)を得た。
【表60】

【0150】
d)3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−4−フェニル−1H−インドール−1−酢酸、1,1−ジメチルエチルエステル
(c)項からの生成物を用いて実施例20(c)項の方法により副題化合物を製造した。生成物をそれ以上特性確認せずに(e)工程で使用した。
【0151】
e)3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2−メチル−4−フェニル−1H−インドール−1−酢酸
反応混合物を20分間還流温度に加熱することを加えて実施例2(d)項の方法により標記化合物を製造した。逆相分取HPLC(溶離剤MeCN/NH(水溶液))を用いて生成物を精製した。
【表61】

【0152】
実施例26
3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−5−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸、アンモニウム塩
【化29】

a)5−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸メチルエステル
アセトン240ml中の5−フルオロ−2−メチルインドール(2.4g)、炭酸セシウム(16.6g)およびブロモ酢酸メチル(5.4ml)の混合物を、攪拌し、還流下16時間加熱した。溶媒を除去し、水および酢酸エチルを加え、有機相を分離した。水相を酢酸エチルで再抽出し、有機溶液を合わせて乾燥し、濃縮乾固した。ジクロロメタン:酢酸エチルを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、固体として副題化合物(2.9g)を得た。
MS:APCI+[M+H]222
【0153】
b)5−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸
工程a)からの生成物をTHF(30ml)に溶かし、HO(10ml)中のLiOH.H2O(0.91g)の溶液を加えた。24時間後、溶媒を除去し、10%HCl水溶液および酢酸エチルを加え、有機相を分離した。水相を酢酸エチルで再抽出し、有機溶液を合わせてブラインで洗浄し、乾燥し、油状物に濃縮した。ジクロロメタン:酢酸エチルを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、黄色粉末として副題化合物(1.2g)を得た。
MS:APCI+[M−H]206
【0154】
c)3−[(4−クロロフェニル)チオ]−5−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸
ヨウ素(0.98g)を、NMP(5ml)中の4−クロロベンゼンチオール(0.55g)および工程b)からの生成物(0.4g)の溶液に加えた。溶液を24時間攪拌し、粗生成物を逆相クロマトグラフィーにより精製して、固体(0.29g)として副題化合物を得た。
【表62】

【0155】
d)3−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−5−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸、アンモニウム塩
3−クロロベンゼンカルボペルオキソ酸(0.4g)を、アセトニトリル(4ml)中の工程c)からの生成物(0.19g)の溶液に加えた。反応物を3時間攪拌し、1Mのチオ硫酸ナトリウム水溶液(5ml)を加え、さらに15分間攪拌し、10%HCl水溶液および酢酸エチルを加え、有機相を分離した。水相を酢酸エチルで再抽出し、有機溶液を合わせてブラインで洗浄し、乾燥し、固体に濃縮し、逆相クロマトグラフィーで精製することにより、固体(0.12g)として標記化合物を得た。
【表63】

【0156】
実施例27
3−[(3−クロロフェニル)スルホニル]−5−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸、アンモニウム塩
【化30】

a)3−[(3−クロロフェニル)チオ]−5−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸
実施例26工程b)の生成物(0.55g)、ヨウ素(0.98g)および3−クロロベンゼンチオールを用いて実施例26工程c)の方法で製造することにより、固体として副題化合物を得た(0.25g)。
【表64】

【0157】
b)3−[(3−クロロフェニル)スルホニル]−5−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−1−酢酸、アンモニウム塩
実施例27工程a)の生成物(0.15g)および3−クロロベンゼンカルボペルオキソ酸(0.32g)を用いて実施例26工程d)の方法で製造することにより、固体として標記化合物を得た(0.09g)。
【表65】

【0158】
実施例28
5−フルオロ−2−メチル−3−[[4−(トリフルオロメチル)フェニル]スルホニル]−1H−インドール−1−酢酸、アンモニウム塩
【化31】

a)5−フルオロ−2−メチル−3−[[4−(トリフルオロメチル)フェニル]チオ]−1H−インドール−1−酢酸
実施例26工程b)の生成物(0.55g)、ヨウ素(0.98g)および4−トリフルオロメチルベンゼンチオール(0.67g)を用いて実施例26工程c)の方法で製造することにより、固体として副題化合物を得た(0.25g)。
【表66】

【0159】
b)5−フルオロ−2−メチル−3−[[4−(トリフルオロメチル)フェニル]スルホニル]−1H−インドール−1−酢酸、アンモニウム塩
実施例28工程a)の生成物(0.17g)および3−クロロベンゼンカルボペルオキソ酸(0.33g)を用いて実施例26工程d)の方法で製造することにより、固体として標記化合物を得た(0.11g)。
MS: APCI [M-H]- 414
【表67】

【0160】
薬理学的データ
リガンド結合検定法
H]PGDは、パーキン・エルマー・ライフ・サイエンシーズから購入され、比活性は100〜210Ci/mmolであった。他の化学物質は全て分析等級に属していた。
【0161】
rhCRTh2/Gα16を発現するHEK細胞を、常用手順により10%胎児ウシ血清(ハイクローン)、1mg/mlのジェネティシン、2mMのL−グルタミンおよび1%非必須アミノ酸を含むDMEMで維持した。膜の調製については、接着トランスフェクションHEK細胞を2層組織培養工場(フィッシャー、カタログ番号TKT−170−070E)で密集成長させた。培養の最後の18時間、500mMの酪酸ナトリウムを加えることにより、最大レベルの受容体発現を誘導した。接着細胞をリン酸緩衝食塩水(PBS、一細胞工場当たり50ml)で1回洗浄し、一細胞工場につき50mlの氷冷膜ホモジナイゼーション緩衝液[20mMのHEPES(pH7.4)、0.1mMのジチオトレイトール、1mMのEDTA、0.1mMのフェニルメチルスルホニルフルオリドおよび100μg/mlのバシトラシン]を加えることにより脱離させた。細胞を、4℃で10分間、220×gでの遠心分離により沈澱させ、もとの体積の半分の新鮮な膜ホモジナイゼーション緩衝液に再懸濁し、常に氷中に管を保ちながら2×20秒バーストの間ポリトロンホモジナイザーを用いて破壊した。未破壊細胞を4℃で10分間、220×gでの遠心分離により除去し、膜画分を、4℃で30分間、90000×gでの遠心分離により沈澱させた。最終ペレットを、使用した一細胞工場につき4mlの膜ホモジナイゼーション緩衝液に再懸濁し、タンパク質含有量を測定した。膜を適切なアリコートで、−80℃で貯蔵した。
【0162】
コーニングの底が透明の白色96ウェルNBSプレート(フィッシャー)において全検定法を実施した。検定前、CRTh2を含むHEK細胞膜を、SPA PVT WGAビーズ(アマシャム)へコーティングした。コーティングについては、一晩一定して攪拌しながら、4℃でビーズ1mg当たり典型的には25μgの膜タンパク質で、膜をビーズとインキュベーションした。(最適コーティング濃度を膜の各バッチについて測定した)。ビーズを遠心分離(800×g、4℃で7分間)により沈澱させ、検定緩衝液(5mMの塩化マグネシウムを含む50mMのHEPES pH7.4)で1回洗浄し、最後に10mg/mlのビーズ濃度で検定緩衝液に再懸濁した。
【0163】
各検定は、検定緩衝液中に20μlの6.25nM[H]PGD、20μlの膜飽和SPAビーズの両方および10μlの化合物溶液または13,14−ジヒドロ−15−ケトプロスタグランジンD(DK−PGD、非特異的結合の測定用、カイマン・ケミカル・カンパニー)を含んでいた。化合物およびDK−PGDを、DMSOに溶かし、同溶媒中で100×必要最終濃度に希釈した。検定緩衝液を加えることにより、10%DMSOの最終濃度とし(化合物は、この時点で10×必要最終濃度である)、これを検定プレートに加えられる溶液とした。検定プレートを室温で2時間インキュベーションし、ワラック・マイクロベータ液体シンチレーション計数管で計数した(1ウェルにつき1分)。
【0164】
式(I)の化合物は、10μM未満のIC50値を有する。具体的には、実施例2は、pIC50=8.1を有し、実施例6はpIC50=7を有し、実施例7はpIC50=6.6を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(II):
【化1】

(II)
[式中、
は、ハロゲン、CN、ニトロ、SO、OR、SR、SOR、SONR、CONR、NR、NRSO、NRCO、NRCOR、アリール、ヘテロアリール、C−Cアルケニル、C−CアルキニルまたはC−Cアルキルから独立して選択される1個またはそれ以上の置換基であって、後の方の5基は、所望によりハロゲン、ORおよびNR、NR、S(O)(式中、xは0、1または2である)から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよいか;またはその保護された誘導体であり、
は、水素、ハロゲン、CN、SOまたはCONR、CORまたはC−Cアルキルであって、後の方の基は、所望によりハロゲン原子、ORおよびNR、S(O)(式中、xは0、1または2である)から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよいか;またはその保護された誘導体であり、
は、アリールまたは5〜7員ヘテロアリール環であって、N、SおよびOから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含み、各々所望によりハロゲン、CN、ニトロ、SO、OH、OR、SR、SOR、SONR、CONR、NR、NRSO、NRCO、NRCOR、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルキルから独立して選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよく、後の方の3基は、所望によりハロゲン原子、ORおよびNR、S(O)(式中、xは0、1または2である)から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよいか;またはその保護された誘導体であり、
は、アリール、ヘテロアリールまたはC−Cアルキルを表し、それらは全て所望により、ハロゲン原子、アリール、ヘテロアリール、OR10およびNR1112S(O)13(式中、x=0、1または2)、CONR1415、NR14COR15、SONR1415、NR14SO15、CN、ニトロから独立して選択される1個またはそれ以上の置換基により置換され得るものとし、
およびRは、独立して水素原子、C−Cアルキル基、アリールまたはヘテロアリールを表し、後の方の3基は、所望によりハロゲン原子、アリール、OR13およびNR1415、CONR1415、NR14COR15、SONR1415、NR14SO15、CN、ニトロから独立して選択される1個またはそれ以上の置換基により置換され得るものとし、
または
およびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、所望によりO、S(O)(式中、xは0、1または2である)、NR16から選択される1個またはそれ以上の原子等を含んでいてもよい3〜8員飽和複素環を形成し得、そして環それ自体所望によりC−Cアルキルにより置換されていてもよいものとし、
およびR13は、独立してC−Cアルキル基、アリールまたはヘテロアリール基を表し、それらは全て所望によりハロゲン原子により置換され得るものとし、
は、水素原子、C(O)R、C−Cアルキル(所望によりハロゲン原子、アリールまたはヘテロアリール基により置換されていてもよく、それらはまた両方とも所望により1個またはそれ以上のフッ素原子により置換され得る)、アリールまたはヘテロアリール基を表し、これらは所望により1個またはそれ以上のハロゲン原子により置換され得るものとし、
、R10、R11、R12、R14、R15は各々、独立して水素原子、C−Cアルキル、アリールまたはヘテロアリール基(それらは全て、所望により1個またはそれ以上のハロゲン原子により置換され得る)を表し、
16は、水素、C1−4アルキル、−C(O)C−Cアルキル、C(O)YC−Cアルキルであり、YはOまたはNRであり、そして
17は水素またはアルキルである。]
で示される化合物。

【公開番号】特開2011−116770(P2011−116770A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−43693(P2011−43693)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【分割の表示】特願2004−521364(P2004−521364)の分割
【原出願日】平成15年7月15日(2003.7.15)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】