説明

インフレータ

【課題】冷却及び濾過用のフィルタを廃止してインフレータの小型軽量化を可能にすると共に、作動時におけるガス噴出孔からのガスの噴出の迅速性を確保する。
【解決手段】燃焼室42で発生したガスは、冷却用の空間44に入り、アッパケース26(インフレータケース12)の底壁部26Dに当たってからガス流路48へ流れ、ガス噴出孔26Cから外部へ噴出する。このとき、高温のガスとインフレータケース12との間で行われる熱交換により、該ガスが冷却される。該ガスに含まれているミストは、冷却用の空間44及びガス流路48を通過する際の流動抵抗によって、アッパケース26(インフレータケース12)の底壁部26D等に付着し、効率的に除去される。ガスの発生による外筒部材18の内圧の上昇時には、変形抑制手段24により、該外筒部材18の他端18Bが外側へ変形することが抑制され、ガス流路48が狭まることが抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作動時にガスを発生させるインフレータに係り、特にディスクタイプのインフレータに関する。
【背景技術】
【0002】
一端がクロージャに固定された燃焼室の外周壁を構成するインナバッフル(外筒部材)と、その外周に設けられたアウタバッフルとの間に、環状の金属製冷却フィルタを配設したインフレータが開示されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】米国特許第7267365号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記した従来例のように、ガス発生剤を燃焼させてガスを発生させるタイプのインフレータの場合、該ガス発生剤が燃焼した際の燃焼残渣(以下、「ミスト」と称す。)を除去すると共に高温のガスを冷却するために、環状に巻かれた冷却及び濾過用のフィルタをアッパケースの内周部に配設していた。このフィルタにより、インフレータの大きさが径方向に大型化すると共にインフレータの重量が増加する。従って、インフレータの小型軽量化のためには、該フィルタを廃止することが望ましい。
【0004】
しかしながら、上記した従来例において、冷却及び濾過用のフィルタを廃止した場合、ガス発生剤への着火直後に燃焼室の内圧が急上昇した際に、インナバッフル(外筒部材)が外側へ変形し、燃焼室からアッパケースのガス噴出孔までの間のガス流路が狭まることが懸念され、何らかの対策が必要と考えられる。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮して、冷却及び濾過用のフィルタを廃止してインフレータの小型軽量化を可能にすると共に、作動時におけるガス噴出孔からのガスの噴出の迅速性を確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、有底円筒状のアッパケース、及び該アッパケースの端部の開口を閉塞する有底円筒状のロアケースから構成され、前記アッパケース側の周壁部に複数のガス噴出孔が形成されたインフレータケースと、前記インフレータケースの内部に配設され、伝火薬を収容しかつ保持する内筒部材と、該内筒部材の内部に配設され前記伝火薬に着火するための点火装置と、前記インフレータケースの内部において、一端が前記インフレータケースの軸方向の一方側に配置されて閉塞され、他端が前記インフレータケースの軸方向の他方側に配置され、前記伝火薬の燃焼が伝播することで燃焼しガスを発生させるガス発生剤を、前記内筒部材の周囲に収容しかつ保持する外筒部材と、前記外筒部材と前記内筒部材との間に設けられ、該外筒部材の前記一端側に位置し前記ガス発生剤が収容される燃焼室と、前記外筒部材の前記他端側に位置する冷却用の空間とを区画し、かつ前記燃焼室側から該冷却用の空間側への前記ガスの流れを許容する複数の連通孔が設けられた隔壁と、を有し、前記インフレータケースの内側でかつ前記外筒部材の外側に、前記外筒部材の前記他端側において前記冷却用の空間と連通すると共に、前記アッパケースの前記ガス噴出孔に連通するガス流路が形成され、前記燃焼室で発生したガスが、前記隔壁の前記連通孔を通って前記冷却用の空間に流入し、該冷却用の空間に面した前記インフレータケースの底壁部に直接当たってから、前記ガス流路に流入するようにすることで、該ガスの冷却及び濾過用のフィルタを使用しない構成とされ、更に、前記ガスの発生時における前記外筒部材内の圧力の上昇によって該外筒部材の前記他端が外側へ変形することを抑制する変形抑制手段を有している。
【0007】
請求項1に記載のインフレータでは、点火装置が作動して内筒部材内の伝火薬が着火され、該伝火薬の燃焼が外筒部材の燃焼室内に伝播すると、該燃焼室内に収容及び保持されているガス発生剤が燃焼し、高温高圧のガスが発生する。このガスは、隔壁に形成されている連通孔を通って冷却用の空間に入り、インフレータケースの底壁部に当たってからガス流路へ流れ、アッパケース側の周壁部に形成されているガス噴出孔から、インフレータの外部へ噴出する。このため、燃焼室で発生した高温のガスとインフレータケースとの間で行われる熱交換が促進され、ガスが効率的に冷却される。
【0008】
また、燃焼室で発生したガスに含まれているミストは、冷却用の空間及びガス流路を通過する際の流動抵抗によって、インフレータケースの底壁部や周壁部の内面等に付着するので、ガス噴出孔に至る前に効率的に除去される。これにより、従来のような冷却及び濾過用のフィルタを廃止して、インフレータの小型軽量化が可能となる。
【0009】
また、請求項1に記載のインフレータでは、変形抑制手段により、ガスの発生による外筒部材の内圧の上昇時に、該外筒部材の他端が外側へ変形することを抑制するので、ガス流路が狭まることを抑制することができる。このため、インフレータの作動時におけるガス噴出孔からのガスの噴出の迅速性を確保することができる。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載のインフレータにおいて、前記変形抑制手段は、前記外筒部材の前記他端と、前記インフレータケースの前記底壁部から前記周壁部へ連なる断面円弧形状の隅部とが、前記ガス流路を塞ぐことなく当接又は近接する構成である。
【0011】
請求項2に記載のインフレータでは、ガスの発生による外筒部材の内圧の上昇時に、該外筒部材の他端が、ガス流路を塞ぐことなく、インフレータの底壁部から周壁部へ連なる断面円弧形状の隅部と当接する。これにより、該他端が外側へ変形することが抑制される。このため、簡易な構成により、インフレータの作動時におけるガス噴出孔からのガスの噴出の迅速性を確保することができる。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1に記載のインフレータにおいて、前記変形抑制手段は、前記外筒部材の前記他端に設けられ該外筒部材の外側へ張り出す張出し部が、前記インフレータケースの前記底壁部から前記周壁部へ連なる隅部の内面に当接又は近接する構成である。
【0013】
請求項3に記載のインフレータでは、ガスの発生による外筒部材の内圧の上昇時に、該外筒部材の他端の張出し部が、アッパケースにおける底壁部から周壁部へ連なる断面円弧形状の隅部と当接することで、該他端が外側へ変形することが抑制される。このように、請求項3に記載のインフレータでは、外筒部材の他端に張出し部を設けることで、該他端の剛性を高めると共に、インフレータの作動時におけるガス噴出孔からのガスの噴出の迅速性を確保することができる。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1に記載のインフレータにおいて、前記変形抑制手段は、前記外筒部材における前記他端側の周壁部に設けられた補強部である。
【0015】
請求項4に記載のインフレータでは、変形抑制手段として、外筒部材における他端側の周壁部に補強部が設けられているので、ガスの発生による外筒部材の内圧の上昇時に、該外筒部材の他端が外側へ変形することが抑制される。このように、請求項4に記載のインフレータでは、外筒部材における他端側の周壁部に補強部を設けることで、作動時におけるガス噴出孔からのガスの噴出の迅速性を確保することができる。
【0016】
請求項5の発明は、請求項4に記載のインフレータにおいて、前記補強部は、前記周壁部を断面凹凸形状とすることで構成されている。
【0017】
請求項5に記載のインフレータでは、補強部が、外筒部材の周壁部を断面凹凸形状とすることで構成されているので、部品点数を増やすことなく、外筒部材の他端側の周壁部を補強して、該他端の剛性を向上させることができる。
【0018】
請求項6の発明は、請求項5に記載のインフレータにおいて、前記補強部の前記断面凹凸形状は、前記外筒部材における前記周壁部の内側のみに張り出している。
【0019】
請求項6に記載のインフレータでは、補強部の断面凹凸形状が、外筒部材における周壁部の内側のみに張り出しており、ガス流路側となる該周壁部の外側には張り出していないので、該ガス流路におけるガスの円滑な流れを確保しつつ、外筒部材における他端側の周壁部の剛性を向上させることができる。
【0020】
請求項7の発明は、請求項1に記載のインフレータにおいて、前記変形抑制手段は、前記外筒部材の前記他端に設けられ該外筒部材の外側へ張り出す張出し部が、前記インフレータケースにおける前記周壁部の内面に当接又は近接する構成である。
【0021】
請求項7に記載のインフレータでは、ガスの発生による外筒部材の内圧の上昇時に、該外筒部材の他端の張出し部が、インフレータケースにおける周壁部の内面に当接することで、該他端が外側へ変形することが抑制される。このように、請求項7に記載のインフレータでは、外筒部材の他端に張出し部を設けることで、該他端の剛性を高めると共に、インフレータの作動時におけるガス噴出孔からのガスの噴出の迅速性を確保することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明に係る請求項1に記載のインフレータによれば、冷却及び濾過用のフィルタを廃止してインフレータの小型軽量化を可能にすると共に、作動時におけるガス噴出孔からのガスの噴出の迅速性を確保することができる、という優れた効果が得られる。
【0023】
請求項2に記載のインフレータによれば、簡易な構成により、作動時におけるガス噴出孔からのガスの噴出の迅速性を確保することができる、という優れた効果が得られる。
【0024】
請求項3に記載のインフレータによれば、外筒部材の他端の剛性を高めると共に、作動時におけるガス噴出孔からのガスの噴出の迅速性を確保することができる、という優れた効果が得られる。
【0025】
請求項4に記載のインフレータによれば、外筒部材における他端側の周壁部に補強部を設けることで、作動時におけるガス噴出孔からのガスの噴出の迅速性を確保することができる、という優れた効果が得られる。
【0026】
請求項5に記載のインフレータによれば、部品点数を増やすことなく、外筒部材の他端側の周壁部を補強して、該他端の剛性を向上させることができる、という優れた効果が得られる。
【0027】
請求項6に記載のインフレータによれば、ガス流路におけるガスの円滑な流れを確保しつつ、外筒部材における他端側の周壁部の剛性を向上させることができる、という優れた効果が得られる。
【0028】
請求項7に記載のインフレータによれば、外筒部材の他端の剛性を高めると共に、作動時におけるガス噴出孔からのガスの噴出の迅速性を確保することができる、という優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1から図3は、第1実施形態に係り、図1は、インフレータを示す断面図である。
【図2】インフレータを示す分解斜視図である。
【図3】インフレータの内部構造を示す要部拡大断面図である。
【図4】図4及び図5は、第2実施形態に係り、図4はインフレータの内部構造を示す要部拡大断面図である。
【図5】外筒部材を示す斜視図である。
【図6】図6及び図7は、第3実施形態に係り、図6はインフレータの内部構造を示す要部拡大断面図である。
【図7】外筒部材を示す斜視図である。
【図8】図8から図11は、第4実施形態に係り、図8は、インフレータを示す断面図である。
【図9】インフレータの内部構造を示す要部拡大断面図である。
【図10】外筒部材の一例を示す要部斜視図である。
【図11】外筒部材の他の例を示す要部斜視図である。
【図12】第5実施形態に係るインフレータの内部構造を示す半断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0031】
[第1実施形態]
図1から図3において、本実施の形態に係るインフレータ10は、エアバッグ等(図示せず)に膨張用のガスを供給するためのガス発生源であり、インフレータケース12と、内筒部材14と、点火装置16と、外筒部材18と、隔壁22と、変形抑制手段24とを有している。
【0032】
インフレータケース12は、有底円筒状のアッパケース26、及び該アッパケース26の下端(端部)の開口26Aを閉塞する有底円筒状のロアケース28から構成され、アッパケース26側の周壁部26Bに複数のガス噴出孔26Cが形成されている。アッパケース26のガス噴出孔26Cは、防湿のため、内側から例えばアルミニウムテープで閉塞されている。
【0033】
アッパケース26及びロアケース28は、夫々金属製であり、例えば溶接により互いに固定されている。ロアケース28の周壁部28Bの外径は、アッパケース26の周壁部26Bの内径と同等とされており、ロアケース28の周壁部28Bの一部は、アッパケース26の周壁部26Bの内側に差し込まれ嵌合した状態となっている。これによって、ロアケース28における周壁部28Bの上端の位置に、段差32が形成されている。
【0034】
アッパケース26の下端には、周方向に沿って径方向外側に張り出したフランジ26Eが形成されている。フランジ26Eの例えば4箇所には、径方向外側に更に張り出した取付けフランジ26Fが形成されている。この取付けフランジ26Fには、インフレータ10を所定位置に取り付ける際にボルト等を通す貫通孔26Gが夫々形成されている。
【0035】
ロアケース28の中央部には、アッパケース26側に突出した筒状部分28Aが、例えば一体的に形成されている。この筒状部分28Aの例えば上端には、径方向内側に向いた内向きのフランジ28Cが形成されている。筒状部分28A及びフランジ28Cは、点火装置16の取付け部となっている。
【0036】
内筒部材14は、インフレータケース12の内部に配設され、伝火薬15を収容しかつ保持する有底円筒状の部材である。内筒部材14の周壁部14Bの内径は、ロアケース28の筒状部分28Aの外径よりもわずかに小さく設定されており、該内筒部材14は、筒状部分28Aに被せられる状態で圧入されている。内筒部材14の底壁部14Dは、アッパケース26の底壁部26Dに当接又は近接している。なお、ロアケース28に対する内筒部材14の固定方法は、筒状部分28Aに対する圧入に限られず、かしめ等によるものであってもよい。
【0037】
図1,図2に示されるように、内筒部材14のうち、ロアケース28の底壁部28D側の端部には、周壁部14Bよりも外径及び内径が大きい環状拡径部14Aが、例えば全周にわたって形成されている。この環状拡径部14Aにおける周方向の複数箇所には、例えば矩形状の切欠き部14Cが形成されている。この切欠き部14Cと、ロアケース28の底壁部28Dとにより、内筒部材14の内外に唯一連通する通気部34が形成されている。
【0038】
内筒部材14のうち、少なくともロアケース28の筒状部分28Aを囲む部位には、該内筒部材14の例えば軸方向に沿って延び周壁部14Bよりも外径及び内径が大きい溝状拡径部14Eが形成されている。この溝状拡径部14Eの下端は、環状拡径部14Aに連なっている。また溝状拡径部14Eは、内筒部材14における周方向の複数箇所に、環状拡径部14Aの切欠き部14Cを避けた角度位置に形成されている。これにより、内筒部材14内の伝火薬15の燃焼が、溝状拡径部14Eの内側に沿って、ロアケース28の底壁部28D側に位置する環状拡径部14Aへ伝播し、更に該環状拡径部14Aに沿って周方向に広がりつつ、通気部34を通じて外筒部材18内に伝播するようになっている。
【0039】
点火装置16は、内筒部材14の内部に配設され、伝火薬15に着火するための装置であって、例えば合成樹脂36を介して、ロアケース28の取付け部(筒状部分28A及びフランジ28C)に取り付けられている。点火装置16の端子16Aは、合成樹脂36を貫通して、ロアケース28の筒状部分28Aの内側に露出しており、該端子16Aに図示しないワイヤハーネスが接続されるようになっている。このワイヤハーネスは、図示しないECUに接続されており、所定の場合に点火装置16に対して点火電流が流されるようになっている。
【0040】
外筒部材18は、インフレータケース12の内部において、一端18Aがロアケース28の底壁部28D側(インフレータケース12の軸方向の一方側)に配置されて閉塞され、他端18Bがアッパケース26の底壁部26D側(インフレータケース12の軸方向の他方側)に配置されている。この外筒部材18は、伝火薬15の燃焼が伝播することで燃焼しガスを発生させるガス発生剤38を、内筒部材14の周囲の燃焼室42に収容しかつ保持している。
【0041】
外筒部材18は、ロアケース28における周壁部28Bの内側に嵌合している。外筒部材18の一端18Aは、内向きのフランジ状となっており、ロアケース28に対する嵌合状態において、ロアケース28の底壁部28Dに当接している。即ち、外筒部材18の一端18Aは、ロアケース28の底壁部28Dによって閉塞されている。
【0042】
外筒部材18の他端18Bは、アッパケース26の底壁部26Dに当接又は近接しており、該他端18Bの周方向の複数箇所に、例えば矩形状の切欠き部18Cが形成されている。より具体的には、図3に示されるように、外筒部材18の他端18Bは、アッパケース26の底壁部26Dから周壁部26Bへ連なる例えば断面円弧形状の隅部26Hの内面に当接又は近接している。具体的には、外筒部材18の他端18Bは、隅部26Hの上側の終端部、即ち該隅部26Hと底壁部26Dとの境界部に、当接又は近接している。本実施形態では、このような外筒部材18の他端18Bの配置が、変形抑制手段24を構成している。
【0043】
この変形抑制手段24により、ガスの発生時における外筒部材18内の圧力の上昇によって該他端18Bが外側へ変形することを抑制し、更に後述するガス流路48が塞がれることを抑制するようになっている。なお、外筒部材18の他端18Bは、ガス流路48が塞がれない構成であることを条件として、隅部26Hの中間部位等に当接又は近接する構成であってもよい。
【0044】
図1において、隔壁22は、外筒部材18と内筒部材14との間に、例えば圧入により設けられ、該外筒部材18の一端18A側に位置しガス発生剤38が収容される燃焼室42と、外筒部材18の他端18B側に位置する冷却用の空間44とを区画している。この隔壁22には、燃焼室42側から該冷却用の空間44側へのガスの流れを許容する複数の連通孔22Aが設けられている。
【0045】
隔壁22の内周縁には、内筒部材14の周壁部14Bの外面に嵌合する内側環状壁部22Dが形成されている。また隔壁22の外周縁には、外筒部材18の内面に嵌合する外側環状壁部22Eが形成されている。この外側環状壁部22Eの端部22Bには、外筒部材18の切欠き部18Cに対応する切欠き部22Cが形成されている。図3に示されるように、切欠き部18C,22Cは、周方向の角度位置及び大きさが同等となっており、該切欠き部18C,22Cと、アッパケース26の底壁部26Dとにより、外筒部材18の内外に連通する通気部46が形成されている。
【0046】
アッパケース26の周壁部26Bの内側で、かつ外筒部材18の外側には、該アッパケース26のガス噴出孔26Cに連通するガス流路48が形成されている。本実施形態では、ロアケース28のうちアッパケース26の周壁部26Bの内側に差し込まれた上端の位置に段差32が形成されている。従って、ガス流路48は、アッパケース26の周壁部26Bと、外筒部材18と、段差32との間に、環状に形成されている。更にガス流路48は、外筒部材18の他端18B側における例えば通気部46において、冷却用の空間44と連通している。
【0047】
本実施形態に係るインフレータ10は、燃焼室42で発生したガスが、隔壁22の連通孔22Aを通って冷却用の空間44に流入し、該冷却用の空間44に面したアッパケース26の底壁部26Dに直接当たってから、通気部46を通じてガス流路48に流入するようにすることで、該ガスの冷却及び濾過用のフィルタ(図示せず)を使用しない構成とされている。
【0048】
なお、伝火薬15とガス発生剤38とは、必ずしも異なるものではなく、伝火薬15としてガス発生剤38を使用することも可能である。
【0049】
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図1において、本実施形態に係るインフレータ10では、ECUからの作動電流を受けた際に点火装置16が作動することで、内筒部材14内の伝火薬15が着火される。この伝火薬15の燃焼が、該内筒部材14におけるロアケース28の底壁部28D側の端部に設けられた通気部34を通じて、外筒部材18の燃焼室42内に伝播すると、該燃焼室42内に収容及び保持されているガス発生剤38が燃焼し、高温高圧のガスが発生する。
【0050】
このガスは、隔壁22に形成されている連通孔22Aを通って、冷却用の空間44に入り(矢印A方向)、アッパケース26の底壁部26Dに当たってから、通気部46を通じてガス流路48へ流れ(矢印B方向)、アッパケース26側の周壁部26Bに形成されているガス噴出孔26Cから、インフレータ10の外部へ噴出する(矢印C方向)。伝火薬15の燃焼をガス発生剤38に伝播させるための通気部34と、発生したガスを冷却用の空間44へ流すための連通孔22Aとが、インフレータケース12の軸方向において互いに反対側に位置しているので、ガス発生剤38を効率的に燃焼させることができる。
【0051】
従来のような冷却及び濾過用のフィルタを用いない構成であっても、上記のような経路でガスを流すことで、燃焼室42で発生した高温のガスとインフレータケース12との間で行われる熱交換を促進して、ガスを効率的に冷却することができる。特に本実施形態では、高温のガスが当たるアッパケース26側に取付けフランジ26Fが形成されているので、インフレータ10が取り付けられる所定の取付け位置に対して、インフレータケース12の熱が効率的に伝達される。これにより、ガス噴出孔26Cから噴出するガスの温度をより効率的に冷却することができる。
【0052】
このような経路でガスを流した場合、ガスの発生による外筒部材18の内圧の上昇時に、該外筒部材18のうち冷却用の空間44からガス流路48へのガスの通り道となる他端18Bに対して、径方向外側への強い圧力が作用する。しかしながら、本実施形態では、変形抑制手段24により、外筒部材18の他端18Bが外側へ倒れ込むように変形することを抑制することが可能である。
【0053】
具体的には、ガスの発生による外筒部材18の内圧の上昇時に、該外筒部材18の他端18Bが、アッパケース26の底壁部26Dから周壁部26Bへ連なる断面円弧形状の隅部26Hの内面に当接する。従って、外筒部材18の他端18Bが外側へ変形することに起因してガス流路48が狭まってしまうことは抑制される。このため、従来のような冷却及び濾過用のフィルタを用いない構成であっても、インフレータケース12内のガス流路48を適切に確保して、インフレータ10の作動時におけるガス噴出孔26Cからのガスの噴出の迅速性を確保することができる。
【0054】
また、燃焼室42で発生したガスに含まれているミスト(図示せず)は、冷却用の空間44及びガス流路48を通過する際の流動抵抗によって、アッパケース26の底壁部26Dや周壁部26Bの内面等に付着するので、ガス噴出孔26Cに至る前に効率的に除去される。これにより、従来のような冷却及び濾過用のフィルタを廃止して、インフレータ10の小型軽量化が可能となる。
【0055】
[第2実施形態]
図4及び図5において、本実施の形態に係るインフレータ20では、変形抑制手段24が、外筒部材18の他端18Bに設けられ該外筒部材18の外側へ張り出す張出し部18Fが、アッパケース26の隅部26Hの内面に当接又は近接する構成となっている。アッパケース26の隅部26Hは、底壁部26Dから周壁部26Bへ連なる、断面円弧形状の部位であるので、張出し部18Fの断面形状も、該隅部26Hの曲率に沿った断面円弧形状となっている。
【0056】
この張出し部18Fは、外筒部材18の他端18Bに延長部を設けておき、該延長部を折り曲げることで、外筒部材18に一体的に形成されている。また張出し部18Fは、各切欠き部18Cの間に位置する各他端18Bに夫々形成されている。
【0057】
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図4において、本実施形態に係るインフレータ20では、燃焼室42内でのガスの発生による外筒部材18の内圧の上昇時に、該外筒部材18の他端18Bの張出し部18Fが、アッパケース26における底壁部26Dから周壁部26Bへ連なる断面円弧形状の隅部26Hの内面に当接することで、該他端18Bが外側へ変形することが抑制される。張出し部18Fは、各切欠き部18Cの間に位置する各他端18Bに夫々形成されているので、該他端18Bが外側へ変形することを均等に抑制することができる。これにより、外筒部材18の他端18Bの剛性を高めると共に、インフレータ20の作動時におけるガス噴出孔26Cからのガスの噴出の迅速性を確保することができる。また複数のガス噴出孔26Cから均等にガスを噴出させることができる。
【0058】
他の部分については、第1実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
【0059】
[第3実施形態]
図6及び図7において、本実施の形態に係るインフレータ30では、変形抑制手段24として、第1実施形態に記載したようなアッパケース26の隅部26Hに対する外筒部材18の他端18Bの配置に加えて、外筒部材18における他端18B側の周壁部に設けられた補強部18Dを有している。
【0060】
この補強部18Dは、外筒部材18の周壁部を、断面凹凸形状とすることで構成され、単なる円筒面と比較して断面係数が大きくなっている。この断面凹凸形状は、例えばジグザク状であり、外筒部材18における周壁部の内側のみに張り出し、ガス流路48側となる該周壁部の外側には張り出していない。これにより、ガス流路48を狭めることなく、該ガス流路48におけるガスの円滑な流れを確保できるようになっている。
【0061】
補強部18Dがこのように張り出していることから、隔壁22は、該補強部18Dを避けて設けられている。具体的には、補強部18Dの上端(アッパケース26の底壁部26D側の端部)は、該隔壁22の取付け位置よりも下側(ロアケース28側)に位置している。本実施形態では、補強部18Dの上端が、隔壁22の取付け位置の下端に対応しており、外筒部材18と点火装置16との間に隔壁22を取り付ける際に、該隔壁22を位置決めできるようになっている。
【0062】
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図6において、本実施形態に係るインフレータ30では、変形抑制手段24として、外筒部材18における他端18B側の周壁部に、補強部18Dが設けられているので、ガスの発生による外筒部材18の内圧の上昇時に、該外筒部材18の他端18Bが外側へ変形することが抑制される。この補強部18Dは、外筒部材18の周壁部を断面凹凸形状とすることで構成されているので、部品点数を増やすことなく、外筒部材18の他端18B側の周壁部を補強して、該他端18Bの剛性を向上させることができる。
【0063】
また補強部18Dの断面凹凸形状は、外筒部材18における周壁部の内側のみに張り出しており、ガス流路48側となる該周壁部の外側には張り出していない。従って、ガス流路48におけるガスの円滑な流れを確保することができる。
【0064】
このように、本実施形態に係るインフレータ20では、外筒部材18における他端18B側の周壁部に補強部18Dを設けることで、作動時におけるガス噴出孔26Cからのガスの噴出の迅速性を確保することができる。
【0065】
なお本実施形態では、変形抑制手段24として、アッパケース26の隅部26Hに対する外筒部材18の他端18Bの配置と、外筒部材18の周壁部に設けられた補強部18Dとを挙げたが、これに限られず、例えば該補強部18Dのみにより変形抑制手段24を構成してもよい。また補強部18Dの形状は、ジクザグ状に限られず、外筒部材18の周方向や軸方向等に延びるビード状のものであってもよい。
【0066】
他の部分については、第1実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
【0067】
[第4実施形態]
図8,図9において、本実施の形態に係るインフレータ40では、変形抑制手段24は、外筒部材18の他端18Bに設けられ該外筒部材18の外側へ張り出す張出し部18Gが、アッパケース26における周壁部26Bの内面に当接又は近接する構成となっている。図10に示されるように、この張出し部18Gは、切欠き部18Cの周方向両側の縦縁部18Vから、外筒部材18の径方向外側に突出するように、夫々例えば折曲げ形成されている。即ち、1箇所の切欠き部18Cにつき、一対の張出し部18Gが外筒部材18の周方向に分離して形成されている。
【0068】
張出し部18Gの上端位置は、アッパケース26の隅部26Hと周壁部26Bとの境界部付近に位置している。これは、アッパケース26の隅部26Hを避けることで、該隅部26Hの断面形状に合わせた張出し部18Gの形状加工を不要として、コストの増加を抑制すると共に、外筒部材18の内圧の上昇時に、他端18Bに作用する圧力が、張出し部18Gからアッパケース26の周壁部26Bへ、効率的に分散するようにするためである。
【0069】
なお、張出し部18Gの構成は、図10に示されるような切欠き部18Cの縦縁部18Vに設けられるものに限られず、図11に示されるように、更に切欠き部18Cの横縁部18Hに設けてもよい。図11に示される例では、張出し部18Gは、1箇所の切欠き部18Cにつき、両側の縦縁部18Vから横縁部18Hにかけて、夫々L字形に一対形成されている。これにより、外筒部材18における変形抑制手段24の剛性を更に向上可能となっている。なお、各切欠き部18Cにおいて、一対の張出し部18Gは、外筒部材18の周方向に分離しており、該外筒部材18の通気部46とガス流路48とが連通するようになっている。
【0070】
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図9において、本実施形態に係るインフレータ40では、外筒部材18の他端18Bに形成した張出し部18G(変形抑制手段24)により、該他端18Bの剛性を高められており、ガスの発生による外筒部材18の内圧の上昇時に、該張出し部18Gが、アッパケース26における周壁部26Bの内面に当接することで、該他端18Bが外側へ変形することが抑制される。
【0071】
図10,図11に示されるように、張出し部18Gは、1箇所の切欠き部18Cにつき一対形成されているが、該一対の張出し部18Gは外筒部材18の周方向に互いに分離しているので、該外筒部材18の通気部46とガス流路48とは連通している。従って、インフレータ40の作動時におけるガス噴出孔26Cからのガスの噴出の迅速性を確保することができる。
【0072】
他の部分については、第1実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
【0073】
[第5実施形態]
図12において、本実施の形態に係るインフレータ50では、燃焼室42がアッパケース26の底壁部26D側に配置される一方、冷却用の空間44がロアケース28の底壁部28D側に配置されている。これに伴い、冷却用の空間44からガス流路48へ通ずる通気部46や、該冷却用の空間44と燃焼室42とを区画する隔壁22が、ロアケース28の底壁部28D側に配置されている。
【0074】
アッパケース26の下端には、周方向に沿って径方向外側に張り出したフランジ26Eが形成されている。アッパケース26とロアケース28とは、フランジ26E,28Eにおいて、例えば溶接により接合されている。インフレータ50を所定の取付け位置に取り付けるための取付けフランジ28Fは、ロアケース28側に設けられている。
【0075】
アッパケース26及びロアケース28における周壁部26B,28Bの内径は、夫々同等となっており、外筒部材18の外径は、該周壁部26B,28Bの内径よりも小さく設定されている。これにより、ガス流路48は、ロアケース28の周壁部28Bと外筒部材18との間から、アッパケース26の周壁部26Bと外筒部材18との間まで通じ、該周壁部26Bのガス噴出孔26Cに連通している。
【0076】
また本実施形態に係るインフレータ50は、変形抑制手段24として、外筒部材18の他端18Bが、ロアケース28の例えば断面円弧形状の隅部28Hの下側の終端部、即ち該隅部28Hと底壁部28Dとの境界部に、当接又は近接する構成を有している。従って、外筒部材18の他端18Bの位置での外径は、ロアケース28の底壁部28Dの最外部の直径に対応している。
【0077】
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図12において、本実施形態に係るインフレータ50では、ECUからの作動電流を受けた際に点火装置16が作動することで、内筒部材14内の伝火薬15が着火される。この伝火薬15の燃焼が、該内筒部材14におけるアッパケース26の底壁部26D側に設けられた通気部34を通じて、外筒部材18の燃焼室42内に伝播すると、該燃焼室42内に収容及び保持されているガス発生剤38が燃焼し、高温高圧のガスが発生する。
【0078】
このガスは、隔壁22に形成されている連通孔22Aを通って、冷却用の空間44に入り(矢印A方向)、ロアケース28の底壁部28Dに当たってから、通気部46を通じてガス流路48へ流れ(矢印B方向)、アッパケース26側の周壁部26Bに形成されているガス噴出孔26Cから、インフレータ10の外部へ噴出する(矢印C方向)。伝火薬15の燃焼をガス発生剤38に伝播させるための通気部34と、発生したガスを冷却用の空間44へ流すための連通孔22Aとが、インフレータケース12の軸方向において互いに反対側に位置しているので、ガス発生剤38を効率的に燃焼させることができる。
【0079】
従来のような冷却及び濾過用のフィルタを用いない構成であっても、上記のような経路でガスを流すことで、燃焼室42で発生した高温のガスとインフレータケース12との間で行われる熱交換を促進して、ガスを効率的に冷却することができる。特に本実施形態では、高温のガスが当たるロアケース28側に取付けフランジ28Fが形成されているので、インフレータ50が取り付けられる所定の取付け位置に対して、インフレータケース12の熱が効率的に伝達される。これにより、ガス噴出孔26Cから噴出するガスの温度をより効率的に冷却することができる。
【0080】
また燃焼室42内でのガスの発生による外筒部材18の内圧の上昇時には、外筒部材18の他端18Bが、ロアケース28の底壁部28Dから周壁部28Bへ連なる断面円弧形状の隅部28Hの内面に当接する。従って、外筒部材18の他端18Bが外側へ変形することに起因してガス流路48が狭まってしまうことは抑制される。このため、簡易な構成により、インフレータ50の作動時におけるガス噴出孔26Cからのガスの噴出の迅速性を確保することができる。
【0081】
他の部分については、第1実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
【0082】
なお、各実施形態において、アッパケース26の隅部26Hやロアケース28の隅部28Hが、夫々断面円弧形状であるものとしたが、隅部26H,28Hの形状はこれに限られるものではなく、断面面取り状(隅切り状)の直線形状や、直線形状と円弧形状の組合せ等であってもよい。
【符号の説明】
【0083】
10 インフレータ
12 インフレータケース
14 内筒部材
15 伝火薬
16 点火装置
18 外筒部材
18B 他端
18D 補強部
20 インフレータ
22 隔壁
22A 連通孔
24 変形抑制手段
26 アッパケース
26A 開口
26B 周壁部
26C ガス噴出孔
26D 底壁部
26H 隅部
28 ロアケース
28B 周壁部
28D 底壁部
28H 隅部
30 インフレータ
38 ガス発生剤
40 インフレータ
42 燃焼室
44 冷却用の空間
48 ガス流路
50 インフレータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底円筒状のアッパケース、及び該アッパケースの端部の開口を閉塞する有底円筒状のロアケースから構成され、前記アッパケース側の周壁部に複数のガス噴出孔が形成されたインフレータケースと、
前記インフレータケースの内部に配設され、伝火薬を収容しかつ保持する内筒部材と、
該内筒部材の内部に配設され前記伝火薬に着火するための点火装置と、
前記インフレータケースの内部において、一端が前記インフレータケースの軸方向の一方側に配置されて閉塞され、他端が前記インフレータケースの軸方向の他方側に配置され、前記伝火薬の燃焼が伝播することで燃焼しガスを発生させるガス発生剤を、前記内筒部材の周囲に収容しかつ保持する外筒部材と、
前記外筒部材と前記内筒部材との間に設けられ、該外筒部材の前記一端側に位置し前記ガス発生剤が収容される燃焼室と、前記外筒部材の前記他端側に位置する冷却用の空間とを区画し、かつ前記燃焼室側から該冷却用の空間側への前記ガスの流れを許容する複数の連通孔が設けられた隔壁と、を有し、
前記インフレータケースの内側でかつ前記外筒部材の外側に、前記外筒部材の前記他端側において前記冷却用の空間と連通すると共に、前記アッパケースの前記ガス噴出孔に連通するガス流路が形成され、
前記燃焼室で発生したガスが、前記隔壁の前記連通孔を通って前記冷却用の空間に流入し、該冷却用の空間に面した前記インフレータケースの底壁部に直接当たってから、前記ガス流路に流入するようにすることで、該ガスの冷却及び濾過用のフィルタを使用しない構成とされ、
更に、前記ガスの発生時における前記外筒部材内の圧力の上昇によって該外筒部材の前記他端が外側へ変形することを抑制する変形抑制手段を有するインフレータ。
【請求項2】
前記変形抑制手段は、前記外筒部材の前記他端と、前記インフレータケースの前記底壁部から前記周壁部へ連なる断面円弧形状の隅部とが、前記ガス流路を塞ぐことなく当接又は近接する構成である請求項1に記載のインフレータ。
【請求項3】
前記変形抑制手段は、前記外筒部材の前記他端に設けられ該外筒部材の外側へ張り出す張出し部が、前記インフレータケースの前記底壁部から前記周壁部へ連なる隅部の内面に当接又は近接する構成である請求項1に記載のインフレータ。
【請求項4】
前記変形抑制手段は、前記外筒部材における前記他端側の周壁部に設けられた補強部である請求項1に記載のインフレータ。
【請求項5】
前記補強部は、前記周壁部を断面凹凸形状とすることで構成されている請求項4に記載のインフレータ。
【請求項6】
前記補強部の前記断面凹凸形状は、前記外筒部材における前記周壁部の内側のみに張り出している請求項5に記載のインフレータ。
【請求項7】
前記変形抑制手段は、前記外筒部材の前記他端に設けられ該外筒部材の外側へ張り出す張出し部が、前記インフレータケースにおける前記周壁部の内面に当接又は近接する構成である請求項1に記載のインフレータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−61960(P2012−61960A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−207942(P2010−207942)
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【出願人】(000002901)株式会社ダイセル (1,236)
【Fターム(参考)】