説明

ウイルス及び白血球選択除去材およびその使用

【課題】ウイルス含有血液よりウイルス及び白血球を同時に除去し、かつ血小板の高回収率を達成することができる選択除去材料、その使用及び装置を提供すること。
【解決手段】血液中のウイルス及び白血球を捕捉し血小板を通過させる表面を有する水不溶性の担体をウイルス含有血液と接触させることによって、血液からウイルスと白血球を同時に除去し、かつ血小板は高回収率で回収した。水不溶性の担体は、末端親水基を表面に有することが望ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液中のウイルス及び白血球を同時に選択的に除去する選択除去材、その使用、及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の血液処理システムは、血漿分離膜や遠心分離装置を用いて、血漿成分と血球成分とを分離した後、血漿成分を免疫吸着材や低密度リポ蛋白質吸着材等と直接接触させ、不要物質を吸着除去するシステムであった(例えば、特許文献1〜3)。これらのシステムでは、血漿成分から赤血球、白血球、血小板などの血球成分をまとめて分離するために、ウイルスなどの不要物質と白血球とを同時に除去することは困難であった。さらに、これらのシステムでは、荷電を有する材料を使用するため、血小板の活性化をきたし、不要物質や白血球を除去するのと同時に、血小板を高回収率で回収することはできない。
【0003】
また、特許文献4には、白血球除去材を用いて、免疫系疾患患者の血液中から白血球と免疫グロブリンなどの悪性物質を同時に除去し、血液を浄化する方法が記載されているが、白血球とウイルスを同時に除去することも、また同時に血小板を回収することも開示されていない。
【0004】
さらに、特許文献5には、ポリアミンと抗凝固剤とを表面に有する担体で血液を処理することによって、抗凝固剤なしに血液からウイルスなどの標的物質を除去する血液処理装置及び方法が開示されているが、表面に多量のアミンを有するため十分な血小板の回収は困難であり、かつ白血球除去も十分なものではなかった。
【0005】
さらにまた、ウイルス除去材料としては、特許文献6に、カチオン性化合物を表面に有する材料が開示されているが、この公報には血液からウイルスを除去することについては一切記載がない。また、特許文献7には、表面が弱酸性または弱塩基性を示す固体物質からなる、HIVおよび関連物質除去剤が開示されている。この除去材は、表面に−COOHや−SOH等を有し、表面のpHが2.5〜6.9または7.4〜10.5であることが特徴であり、表面に存在する−COOHや−SOH等が塩を形成している場合には、ウイルスを除去できないと記載されている。さらに、特許文献7に記載されている方法では、血液を除去材に接触させると血液のpHが変化してしまうため、成分蛋白質の変性等が生じ、血液にとって好ましい条件ではない。これらの技術に共通する問題として、除去材料と血液が接触した際の血液蛋白質の変性により、血液凝固の危険性を有することが挙げられる。
【特許文献1】特開昭61−113463号公報
【特許文献2】特公平5−50302号公報
【特許文献4】特公平5−50301号公報
【特許文献5】特開平11−267199号公報
【特許文献6】特開平3−123630号公報
【特許文献7】特開平2−36878号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、上記の従来技術の問題点を解決することにあり、特に、ウイルス含有血液よりウイルス及び白血球を同時に除去し、かつ血小板の高回収率を達成することができる選択除去材料、その使用、及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意研究した結果、血液中のウイルス及び白血球を除去する表面を有する水不溶性の担体をウイルス含有血液と接触させることによって、血液からウイルスと白血球を同時に除去し、かつ血小板は高回収率で回収することができることを見出し、本発明に至った。更に、本発明では接触後血液中の活性化補体C3a濃度が接触前血液濃度の5倍以上となる材料を用いた場合、白血球と共にウイルスが効率よく除去できることを見出し、本発明を成した。
【0008】
すなわち、本発明は、血液中のウイルス及び白血球を吸着または除去する表面を有する水不溶性の担体からなるウイルス及び白血球選択除去材と、ウイルス含有血液とを接触させる工程を含むことを特徴とする血液中からウイルス及び白血球を同時に選択的に除去する該選択除去材の使用に関する。
【0009】
また、本発明は、血液中のウイルス及び白血球を吸着または除去する表面を有する水不溶性の担体からなることを特徴とする、血液中からウイルスおよび白血球を選択的に同時に除去するための、血小板通過型のウイルス及び白血球選択除去材にも関する。
【0010】
さらに、本発明は、ウイルス及び白血球選択除去材が、血液の血液導入部および血液導出部を有する容器内に含まれており、さらにウイルスおよび白血球選択除去材の容器外への流出防止手段が備えられていることを特徴とするウイルスおよび白血球選択除去装置をも提供する。
【0011】
これらの除去材、その使用及び装置は、血液中にC型肝炎ウイルスが含まれるときに、特に有用である。血小板通過型のウイルス及び白血球選択除去材は、担体表面に末端親水基、あるいは末端親水基とポリエチレングリコール基、更に加えて末端疎水基を有することが最も好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、血液中に存在するウイルス及び白血球を選択的に吸着及び/又は除去することができるウイルス及び白血球除去材を提供することができる。また、上記除去材を充填してなる血液処理装置を用いることによって、血液、血漿、血清等の被処理液中のC型肝炎ウイルス及び白血球を選択的に除去し、血小板を高率に回収することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明において、ウイルスというとき、血液中のフリーのウイルスのみでなく、蛋白結合ウイルス、白血球内にある感染したウイルス等も含む。具体的に説明すると、本発明において除去される物質は、血液中のウイルス、蛋白結合ウイルス等であり、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、HIV等の何でも除去可能であるが、特にC型肝炎ウイルスが良く除去可能である。その理由は明確ではないが、ウイルスの表面特性とウイルスのサイズの両面より白血球と同様に効率よく除去できると推定される。C型肝炎ウイルスでは、血液中のC型肝炎ウイルス、イムノグロブリン等に吸着したC型肝炎ウイルス、血漿蛋白等に吸着したC型肝炎ウイルス、及びC型肝炎ウイルスにより活性化されたリンパ球、炎症部位に存在するマクロファージ、顆粒球等の白血球をあげることができる。中でも、インターフェロン等の薬剤と同時にウイルス除去を行う場合、事前に本発明にて除去されるのは、C型肝炎ウイルス、血漿蛋白等に吸着したC型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスに感染した白血球、C型肝炎ウイルスに感染したリンパ球、C型肝炎ウイルスにより活性化された自己反応性T細胞等をあげることができる。特に、白血球に関しては、C型肝炎ウイルスがリンパ球に感染していることより、リンパ球を除去することが有用である。
【0014】
また、本発明において、血液と言うときには、血漿、血清などの血液成分も含む。血液を処理するときは、血液の抗凝固目的で抗凝固剤を血液中に加えることができる。抗凝固剤を例示すると、抗凝固活性を有する化合物であれば、特に限定されないが、ヘパリン、フサン、FOY、アルガトロバン、クエン酸等が好適例として挙げられ、好ましくはヘパリン或いはフサンが良好に用いられる。
【0015】
本発明において、ウイルス及び白血球を除去するとは、それらを吸着及び/またはろ過によって血液から除去することをいい、除去のための、ウイルス及び白血球除去材と血液との接触の仕方は、静置法、振とう法、拡散による吸着法、ろ過法などのいずれでも良い。さらに、吸着及びろ過法では落差やポンプ等により血液を流す方法が有用に用いられる。
【0016】
本発明のウイルス及び白血球除去材は、驚くべきことに表面に少なくとも末端親水基を有することが好ましいことが分かった。ウイルス及び白血球除去材の担体表面の好ましい末端親水基は、荷電を有さない中性基の官能基が有用に用いられる。例示すると水酸基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシイソプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシイソブチル基等の水酸基含有アルキル基、メトキシジエチレングリコール、メトキシトリエチレングリコール基等のメトキシポリエチレングリコール基等が好ましく用いられる。中でも水酸基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシイソプロピル基、ヒドロキシイソブチル基が好ましく用いられる。また、血小板の通過性を向上する上で、好ましくは、メトキシジエチレングリコール、メトキシトリエチレングリコール基が挙げられる。ウイルス及び白血球の除去率と血小板の回収率との両方を向上させるため、水酸基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシイソプロピル基、ヒドロキシイソブチル基とメトキシジエチレングリコール、メトキシトリエチレングリコール基とを併用するのが、最も好ましい。
【0017】
本発明で末端とは、主鎖の末端或いは側鎖の末端である。末端基は主鎖に対し直接結合していても良いし、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合等を介して結合していても良い。後者の場合、これらの結合を含まない末端部をいう。
【0018】
本発明のウイルス及び白血球除去材の担体表面の好ましい末端疎水基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチニル基等の炭素数1以上30未満のアルキル基、フェニル基等の芳香環、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の脂肪族環等が挙げられる。血小板通過性の観点より好ましくは炭素数10以上30未満のアルキル基、メチル基、エチル基等のアルキル基、最も好ましくは炭素数10以上20未満のアルキル基、及びメチル基、エチル基が挙げられる。
【0019】
本発明のウイルス及び白血球の選択除去材において、親水基は、親水性蛋白吸着ウイルス及び白血球の吸着/除去に有効であり、また、血小板の回収能向上のためにも有効である。また、疎水基は、ウイルスや疎水性蛋白吸着ウイルスの吸着性向上のために有効であるが、本発明のウイルス及び白血球除去材で、ウイルス及び白血球を除去し、血小板の通過性を保持する上で、末端親水基と末端疎水基とのバランスをとることも重要である。過剰な疎水性は、血小板の回収に不利である。
【0020】
好ましい末端親水基の存在比率は2%以上100%未満である。末端親水基の存在比率が2%未満の場合は疎水性が高いため、白血球及びウイルスの吸着は可能であるが、血小板の通過率が極端に低下するため好ましくない。一方親水基の存在比率が100%の場合、ウイルスの吸着性が低下するため好ましくない。以上の観点より更に好ましい範囲は、3%以上90%未満、最も好ましくは5%以上80%未満である。
更に、末端疎水基の存在比率も重要であり、0.1%以上70%未満であるとき有用に用いられる。末端疎水基が70%以上の場合血小板の回収率が低下するため好ましくない。一方、0.1%未満の場合、疎水性が低いために、ウイルス吸着蛋白の吸着性が低下するので好ましくない。以上の観点より、より好ましくは、1%以上60%未満,最も好ましくは1%以上55%未満である。
【0021】
本発明において末端親水基及び末端疎水基の存在比率とは、ウイルス及び白血球除去材表面に存在する親水基及び疎水基の比率であり、担体と血液が接触できる表面部分での各官能基のモル比をいう。これら末端基の存在比率は、公知の固体核磁気共鳴スペクトル、赤外吸収スペクトル、XPMS、ESCA等により求めることができる。また、コーティングなどにより担体表面を修飾する場合、コートしているポリマーでの存在比率をモル比を用いて示すことも可能である。
【0022】
本発明における表面とはウイルスなどが接触できる表面をいい、ウイルスが接触できない材料内部は含まない。そして、本発明において、血液中のウイルスおよび白血球を捕捉し血小板を通過させる表面を有するとは、担体表面に末端親水基等を有していさえすればよく、末端親水基等をコーティングによって表面に付与する場合のみでなく、放射線グラフトあるいは共有結合などにより官能基を担体表面に導入する場合、あるいは担体材料自体がこれらの官能基を表面に有している場合等も含む。
【0023】
ウイルス及び白血球除去材は、末端親水基を有すればその他に、担体表面に末端陽性基を有していることも可能である。末端陽性基は、特に表面に陰性荷電を有するウイルスの吸着向上の面では有用に用いられる。末端陽性基を例示すると、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基等がポリマー主鎖あるいは側鎖の末端に結合して形成される3級アミノ基、複素環等の芳香環等が挙げられる。中でもジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等が有用に用いられる。末端が、1級あるいは2級のアミノ基である場合、イオン性が強く血小板回収率が低下するため好ましくない。末端陽性基の存在比率は、15%未満が好ましい。15%を超えると、過剰の陽性基のために、血小板回収率が低下するので好ましくない。好ましい存在比率は13%未満、最も好ましくは11%未満である。
【0024】
本発明のウイルス及び白血球選択除去材は、血液との接触前後で活性化補体C3aの濃度を5倍以上活性化する材料を用いると最も効率的に白血球とウイルスを同時に除去できることが分かった。ウイルスは活性化補体C3aとのコンプレックス形成等の影響を受けて吸着され易くなり、一方、過剰の活性化補体C3a濃度上昇によりウイルス濃度が相対的に低まることで吸着性が低下することが分かった。即ち、活性化補体C3aが接触前血液濃度の5倍未満の場合ウイルスと白血球の除去能が極端に低下するため好ましくない。一方、活性化補体C3aが接触前血液濃度の5倍以上であれば有効であるが、活性化補体C3aが接触前血液濃度の1000倍以上の場合、補体によりアナフィラキシ等の原因となり実用的ではない。更に500倍以上の濃度変化が起こると血液の成分変化が顕著であるため好ましくない。より好ましい血液との接触前後での活性化補体C3a濃度は7倍以上、最も好ましくは10倍以上である。
【0025】
血液との接触前後で活性化補体C3aの濃度を5倍以上活性化する材料としては、前述の末端親水基を表面に5モル%以上有する材料が用いられる。末端親水基含有モノマーを例示すると、末端親水基モノマーとして、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシイソプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシイソブチルメタクリレート等のヒドロキシアルキルメタクリレート、メトキシジエチレングルコールメタクリレート、メトキシトリエチレングルコールメタクリレート、メトキシテトラエチレングルコールメタクリレート等のメトキシポリエチレングリコールメタクリレート等が挙げられる。
【0026】
活性化には、これらモノマーを2元あるいは3元で共重合したポリマーが有効に用いられる。例えば、2−ヒドロキシイソブチルメタアクリレート(以下HBMAと略す)、メトキシジエチレングリコールメタアクリレート(以下MDGと略す)及びメチルメタクリレート(以下MMAと略す)のランダム共重合体(共重合モル比、HBMA/MDG/MMA=5〜40:5〜30:40〜60)、2−ヒドロキシイソプロピルメタクリレート(以下HPMAと略す)、メトキシジエチレングリコールメタアクリレート及びメチルメタクリレートのランダム共重合体(共重合モル比HPMA/MDG/MMA=5〜40:5〜30:40〜70)、HPMAとジメチルアミノエチルメタクリレート(以下DMと略す)のランダム共重合体(共重合モル比 HPMA/DM=80〜93:3〜20)等挙げられる。特に、2−ヒドロキシイソブチルメタアクリレート(以下HBMAと略す)、メトキシジエチレングリコールメタアクリレート(以下MDGと略す)及びメチルメタクリレート(以下MMAと略す)のランダム共重合体(共重合モル比、HBMA/MDG/MMA=5〜40:5〜30:40〜60)が最も有用に用いられる。
【0027】
また、材質そのものが活性化補体C3aを接触前血液濃度の5倍以上に上昇させる場合も有効に用いられる。親水性基を表面に有する材料が用いられ、材料を例示すると、セルロース及び/またはその誘導体等の天然高分子、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリウレタン等の高分子材料が有用に用いられる。活性化の面より特に好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、エチレンビニルアルコール共重合体、セルロース等が挙げれ、最も好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルが有用に用いられる。
【0028】
本発明に用いるウイルス及び白血球選択除去材の担体として、粒状、ビーズ状、多孔質体、平膜、不織布、織布等が例示できる。中でもウイルスと同時に白血球を除去でき、高い表面積を有することが出来る点より多孔質体、不織布が好ましく用いられ、最も好ましくは不織布があげられる。
【0029】
また、担体の材質は、表面処理が可能なものであれば、特に限定されず、セルロース及び/またはその誘導体等の天然高分子、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル等の高分子材料を例示できる。
【0030】
これら不織布が表面修飾なしでウイルス及び白血球に対して親和性を有する場合は、そのまま用いることも可能である。また表面修飾なしでそれら機能を発揮できない場合は、機能発揮を目的としてコーティング等の表面改質をして用いることが好ましい。特に、標的物質及び白血球の吸着及び/または除去と血小板の回収性を向上させる目的で、表面にコーティング等の処理によって改質されているものが好ましく用いられる。
【0031】
担体が不織布の場合、フィラメントは、モノフィラメントでもマルチフィラメントでも構わないし、多孔質フィラメントでも異型フィラメントでも構わない。また不織布では、平均繊維直径が2.0μm以上50μm未満の不織布が好ましい。繊維径が大きくなると基材の表面積確保が困難となり、ウイルスの吸着面積が減少するばかりでなく、白血球の除去性能が低下するため好ましくない。一方、繊維径が小さくなると除去材の目詰まりが発生しやすく、かつ血小板の回収が困難になるため好ましくない。以上の観点より、更に好ましい平均繊維直径は2.0μm以上30μm未満、最も好ましくは、2.3μm以上20μm未満である。
【0032】
更に、不織布の場合、白血球の除去及び血小板の通過性を上げる上でその嵩密度が0.10g/cm3以上0.45g/cm3未満であることも重要である。嵩密度が0.10g/cm3未満の場合白血球の除去性能が低下するため好ましくない。一方嵩密度が0.45g/cm3以上の場合、極端に血小板の通過性が低下するため好ましくない。更に、上記の観点より好ましくは0.15g/cm3以上0.45g/cm3未満、最も好ましくは0.15g/cm3以上0.40g/cm3未満である。
【0033】
不織布の場合、ウイルスの吸着、白血球の除去及び血小板の通過性を上げる上で、その比表面積が0.010m2/g以上4.0m2/g未満であることも重要である。比表面積が0.01m2/g未満の場合、ウイルス及び白血球除去性能が低下するため好ましくない。一方、比表面積が4.0m2/g以上の場合、極端に血小板の通過性が低下するため好ましくない。さらに、上記の観点より、好ましくは0.02m2/g以上3.0m2/g未満、最も好ましくは0.04m2/g以上2.5m2/g未満である。
【0034】
ウイルス及び白血球を除去し、血小板を高率で回収できる表面修飾化合物としては、少なくとも末端親水基を側鎖に有する高分子化合物、末端親水基及び末端疎水基を同時に側鎖に有する高分子化合物が挙げられる。
【0035】
これら高分子化合物を構成するモノマーについてそれぞれ例示すると、末端親水基モノマーとして、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシイソプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシイソブチルメタクリレート等のヒドロキシアルキルメタクリレート、メトキシジエチレングルコールメタクリレート、メトキシトリエチレングルコールメタクリレート、メトキシテトラエチレングルコールメタクリレート等のメトキシポリエチレングリコールメタクリレート等が挙げられる。
【0036】
末端疎水基モノマーとして、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート等のアルキルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート等の芳香族メタクリレート等が挙げられる。
【0037】
また、上記の重合性官能基はビニル、アクリレート等であっても有効に用いられる。本発明に用いる表面コート材は、親水基、疎水基の存在比率に合わせてモノマーを2元或いは3元共重合することで有効に得られる。
【0038】
これらモノマーを用いた共重合体で特に好ましい例を例示すると、メトキシジエチレングルコールメタクリレート、2−ヒドロキシイソブチルメタクリレート、及びメチルメタクリレートの共重合体等が挙げられる。末端陽性基を導入する場合、末端陽性基モノマーとして、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート等のジアルキルアミノアルキルメタクリレート等が挙げられる。
【0039】
これら例示の高分子化合物を直接或いは、基材表面にコーティング等して有効に用いられる。また、これらモノマーを直接用いる以外に、グリシジルメタクリレート等のモノマーを用いて重合或いは共重合後、適宜必要な末端基を導入しても有効に用いられる。
【0040】
水酸基、ポリエチレングリコール基、疎水基、中性基を担体表面に付与する方法としては、種々の公知の方法が適用可能である。ここで付与するとは、水や血液中に溶出しないように担体表面に存在させることであり、例えば、グラフト重合法、コーティング法、エポキシ基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、酸ハライド基、シアノジェンハライド基などの官能基を担体表面に導入した後、目的官能基を有する化合物と直接またはカップリング剤やスペーサーを介して結合する方法等が例示できる。
【0041】
本発明のウイルス及び白血球選択除去材は本発明の血液処理装置により好適に実施できる。本発明のウイルス及び白血球除去装置は、血液中よりウイルス、蛋白結合ウイルス、及び白血球を吸着及び/または除去を行なうための装置であり、ウイルス及び白血球選択除去材が血液の血液導入部および血液導出部を有する容器内に含まれており、そしてウイルスおよび白血球選択除去材の容器外への流出防止手段が備えられているウイルスおよび白血球選択除去装置である。
【0042】
除去材の容器外への流出を防止する手段としては、血液成分はすべて通過させるが除去材は通過させないいずれの手段も使用可能である。少なくとも容器の出口側に除去材の材料直径より細かい目のメッシュあるいはフィルター等を設けることで実施可能である。また、担体として不織布等の繊維を用いるときは、上記のようなメッシュを用いる以外に、不織布を、容器の上端あるいは下端に接着剤を用いて接着したり、容器間の隙間に挟み込む等の手段が可能である。特に円筒状のデプスフィルターの場合は、円筒の片側末端を閉塞させ、出口側末端をノズル等に接着することで実施できる。用いられる接着剤は、血液等の液体に接触しても膨潤等の影響で接着力が弱まらないものが好ましく、例えばウレタン、エポキシ系の接着剤が有用であるが、これに限定されるわけではない。
【0043】
本発明の装置は、血液の採血手段、抗凝固剤の混合手段、返血手段等とチューブで連通されて特に有用に用いられる。本発明の装置のハウジングは、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリメタクリル酸等の合成樹脂、ガラスあるいはステンレス等の金属からなるのが好ましい。
【0044】
以下に、本発明の実験例及び実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。実験例として、本発明で担体を表面修飾するために用いるポリマーの製造実験例を示す。
[実験例1]
【0045】
2−ヒドロキシイソブチルメタアクリレート(以下HBMAと略す)、メトキシジエチレングリコールメタアクリレート(以下MDGと略す)及びメチルメタクリレート(以下MMAと略す)のランダム共重合体を通常のラジカル開始剤を用いて合成した。重合条件としては、エタノール300mlに対し、MDGモノマー、HEMAモノマー及び、MMAモノマーを(モル比/MDG:HBMA:MMA=30:20:50)、開始剤としてアゾビスバレロニトリル(V−65)0.1g存在下、70℃で6時間重合を行った。得られた重合溶液は、水10L中に攪拌しながら滴下し、共重合体を析出させて水不溶分を回収した。得られた共重合体中の組成比は、モノマー仕込み比と同じであった。よって、この共重合体の末端親水基の存在比率は50%、末端疎水基の存在比率は50%になる。
[実験例2]
【0046】
実験例1と同様の操作により、2−ヒドロキシイソプロピルメタクリレート(HPMA)とジメチルアミノエチルメタクリレート(DM)の共重合体を作成した。共重合体のモル比HPMA:DMは、97:3であり、末端親水基の存在比率97%、末端陽性基の比率3%であった。
[実験例3]
【0047】
実験例1と同様の操作により、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)とジメチルアミノエチルメタクリレート(DM)、メチルメタクリレート(MMA)の共重合体を作成した。共重合体のモル比HEMA:MMA:DMは、62:30:8であり、存在比率は、末端親水基62%、末端疎水基30%、末端陽性基8%ということになる。
[実施例]
【0048】
以下にC型肝炎を対象とした血液処理システムの実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【実施例1】
【0049】
実験例1にて得られた共重合体1gを70%エタノール水溶液99gに溶解し、1%コーティング液を得た。平均繊維直径2.9μmのポリエチレンテレフタレート繊維よりなる不織布(目付90g/m2、厚み0.40mm、嵩密度0.24g/cm3、比表面積0.966m2/g)1gを1%コーティング液10mlに浸した後、25℃で12時間乾燥した。得られた不織布0.01gを短冊状に裁断し、バイアル中に採取し、C型肝炎ウイルスを含む患者血液1mLを加え、37℃で2時間振盪した。その後、処理後の血液100μLバイアルにサンプリングし、5000rpmで1分間遠心分離を行い、上清中のC型肝炎ウイルス量をHCVRNAとして測定した。C型肝炎ウイルス量の測定には、日本ロッシュ社製、アンプリコアーHCVモニターを用いた。また、処理後の血液を自動血球計算装置(シスメックス社製、SF−3000型)を用いて白血球数、血小板数を求めた。また、処理前後の活性化補体C3aの濃度をネフェロメトリー法により測定し、処理前値に対する処理後値の増加率を求めた。対照実験として、本発明の除去材を入れずに実施例1と同じ操作を行った。
【0050】
C型肝炎ウイルスの吸着率(%)、白血球除去率(%)、及び血小板回収率(%)は、以下の式により算出した。
ウイルス吸着率(%)= [(Vd−Vc)/Vd ]×100
Vc:対照実験血液中のウイルス濃度
Vd:吸着実験血液中のウイルス濃度
白血球除去率(%)= [ (Wd−Wc)/Wd ]×100
Wc:対照実験血液中の白血球濃度
Wd:吸着実験血液中の白血球濃度
血小板回収率(%)= Pd/Pc ×100
Pc:対照実験血液中の血小板濃度
Pd:吸着実験血液中の血小板濃度
結果を表1に示す。表1には、除去材を入れない対照実験例の結果も一緒に示した。対照実験例でも、白血球や血小板が容器に付着するなどにより若干の減少がみられる。
【実施例2】
【0051】
平均繊維直径2.5μmのポリプロピレン繊維よりなる不織布(目付60g/m、厚さ0.35mm、嵩密度0.12g/cm3、比表面積1.768m2/g)を用いた以外は実施例1とまったく同じ操作を行った。結果を表1に示す。
【0052】
[表1]
ウイルス吸着率 白血球除去率 血小板通過率 C3a濃度
実施例1 85% 80% 90% 11.6倍
実施例2 89% 82% 94% 18.5倍
対照実験例 0% 1% 98% 2.3倍
[比較例1]
【0053】
平均繊維直径2.9μmのポリエチレンテレフタレート繊維よりなる不織布(目付90g/m、厚み0.40mm)をそのまま用いた以外は実施例1と同じ操作を行った。結果を表2に示す。
[比較例2]
【0054】
平均繊維直径2.5μmのポリプロピレン繊維よりなる不織布(目付60g/m、厚さ0.35mm)をそのまま用いた以外は実施例1と同じ操作を行った。結果を表2に示す。
【0055】
[表2]
ウイルス吸着率 白血球除去 血小板通過率 C3a濃度
比較例1 58% 84% 21% 3.5倍
比較例2 63% 80% 18% 1.8倍
【実施例3】
【0056】
実施例1の除去材を直径6.8mmの円形に切断し、5枚をカラムにセットし、C型肝炎ウイルス吸着率、白血球除去率、血小板回収率の評価を行った。それぞれのカラムに抗凝固剤としてACD−Aを添加したヒト新鮮血液(ウイルス量:100000個/ml、白血球数:4,500〜8,400/μL、血小板数:150,000〜440,000/μL)(血液:ACD−A=8:1)1.5mLをシリンジポンプを用いて0.5mL/分の一定流速で室温にて流し、不織布通過前後の血液中のウイルス濃度、白血球濃度及び血小板の濃度を測定し、ウイルス吸着率、白血球除去率及び血小板回収率を実施例1と同様にして求めた。結果を表3に示す。
【実施例4】
【0057】
実施例2の除去材を用いた以外は実施例3と全く同様の操作を行った。結果を表3に示す。
【0058】
[表3]
ウイルス吸着率 白血球除去率 血小板通過率 C3a濃度
実施例3 91% 95% 70% 12.5倍
実施例4 94% 97% 75% 23.5倍
[比較例3]
【0059】
比較例1の材料を用いた以外は実施例3と全く同様の操作を行った。結果を表4に示す。
[比較例4]
【0060】
比較例2の材料を用いた以外は実施例3と全く同様の操作を行った。結果を表4に示す。
【0061】
[表4]
ウイルス吸着率 白血球除去率 血小板通過率 C3a濃度
比較例3 60% 98% 8% 4.8倍
比較例4 75% 97% 6% 2.3倍
【実施例5】
【0062】
実験例2で製造したポリマーをコーティングに用いた以外は、実施例1と同じ不織布を用いて同じ操作によって除去材を得て、実施例1と全く同じ操作で血液を処理してC型肝炎ウイルス吸着率、白血球除去率、血小板回収率を評価した。結果を表5に示す。
【実施例6】
【0063】
実験例3で製造したポリマーをコーティングに用いた以外は、実施例1と全く同じ不織布、操作によって除去材を得て、実施例1と全く同じ操作で血液を処理してC型肝炎ウイルス吸着率、白血球除去率、血小板回収率を評価した。結果を表5に示す。
【0064】
[表5]
ウイルス吸着率 白血球除去率 血小板通過率 C3a濃度
実施例5 79% 89% 87% 19.5倍
実施例6 91% 95% 86% 22.5倍
【実施例7】
【0065】
実施例1と同じ不織布を幅150mm、長さ300mmに切断し、直径3.4mmのポリエチレン製の円筒状メッシュの周囲に巻いた。次いで平均繊維直径12μmのポリエステル繊維からなる不織布(30g/m目付)を第1プレフィルターとし、幅150mmで巻いた。更に平均繊維直径33μmのポリエステル繊維からなる不織布(50g/m目付)を第2プレフィルターとし、幅150mmで巻いた。外側にポリエチレン製のメッシュを150mm巻いた。この円筒直径は39mmであった。この円筒の両端をウレタンで閉塞し,天井部と底部にそれぞれ血液の入口と出口を有する内径41mmの円筒状ポリカーボネート容器に、円筒の外周面が容器の血液入口に、内周面が血液の出口にそれぞれ通じるように納め、白血球除去装置を作成した。抗凝固剤としてヘパリンを添加した牛新鮮血液(白血球数:4,500〜6,400/μL、血小板数:150,000〜320,000/μL)(ヘパリン濃度:1000IU/L)2000mLにC型肝炎ウイルス含有血漿50mlを添加した後(ウイルス量:2500000個/l)、血液ポンプにて50mL/分の一定流速で室温にて流し、白血球を除去した。白血球除去装置通過2000ml処理前後の血液中のウイルス濃度、白血球濃度及び血小板の濃度を測定し、ウイルス吸着率、白血球除去率及び血小板回収率を実施例1と同様にして求めた。結果を表6に示す。
【0066】
[表6]
ウイルス吸着率 白血球除去率 血小板通過率
実施例7 69% 93% 62%


【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液中からウイルス及び白血球を同時に選択的に除去する装置を製造するためのウイルスおよび白血球選択除去材の使用であって、該ウイルスおよび白血球選択除去材は血液中のフリー及び/または蛋白結合ウイルス及び白血球を捕捉し、血小板を通過させる表面を有する水不溶性の担体からなることを特徴とするウイルスおよび白血球選択除去材の使用
【請求項2】
ウイルス及び白血球選択除去材とウイルス含有血液とを、吸着法及び/またはろ過法によって接触させる請求項1記載のウイルスおよび白血球選択除去材の使用
【請求項3】
ウイルス含有血液に抗凝固剤を混合する工程、該抗凝固剤と混合されたウイルス含有血液をウイルス及び白血球選択除去材に10ml/min以上100ml/min未満の流速で接触させる工程を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のウイルスおよび白血球選択除去材の使用
【請求項4】
除去される白血球が少なくともリンパ球を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
除去される白血球が少なくとも自己反応性T細胞を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のウイルスおよび白血球選択除去材の使用
【請求項6】
ウイルス及び白血球選択除去材が表面に少なくとも水酸基及び/またはポリエチレングルコール基を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のウイルスおよび白血球選択除去材の使用
【請求項7】
前記ウイルス及び白血球選択除去材が、接触前後で血液中の活性化補体C3aの濃度を5倍以上に活性化する能力を有する請求項1〜6のいずれかに記載のウイルスおよび白血球選択除去材の使用
【請求項8】
前記水不溶性の担体が繊維状であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のウイルスおよび白血球選択除去材の使用
【請求項9】
前記白血球除去担体が不織布であることを特徴とする請求項8記載のウイルスおよび白血球選択除去材の使用
【請求項10】
ウイルスがC型肝炎ウイルスである請求項1〜9のいずれかに記載のウイルスおよび白血球選択除去材の使用
【請求項11】
血液中のフリー及び/または蛋白結合ウイルス及び白血球を捕捉し血小板を通過させる表面を有する水不溶性の担体からなることを特徴とする、血液中からウイルスおよび白血球を選択的に同時に除去するための血小板過型のウイルス及び白血球選択除去材。
【請求項12】
担体が、末端親水基を少なくとも表面に有することを特徴とする請求項11記載の血小板過型のウイルス及び白血球選択除去材。
【請求項13】
末端親水基が水酸基及び/またはポリエチレングリコール基であることを特徴とする請求項12記載の血小板過型のウイルス及び白血球選択除去材。
【請求項14】
担体が、末端疎水基を少なくとも表面に有することを特徴とする請求項12または13記載の血小板過型のウイルス及び白血球選択除去材。
【請求項15】
末端疎水基がアルキル基であることを特徴とする請求項14記載の血小板通過型のウイルス及び白血球選択除去材。
【請求項16】
担体表面における末端親水基の存在比率が2%以上100%未満でありかつ末端疎水基の存在比率が0.1%以上70%未満であることを特徴とする請求項13または14記載の血小板通過型のウイルス及び白血球選択除去材。
【請求項17】
担体表面における末端親水基がメトキシジエチレングリコール基5%以上30%未満、2−ヒドロキシイソブチル基5%以上40%未満でありかつ末端疎水基がメチル基40%以上60%未満であることを特徴とする請求項16記載の血小板通過型のウイルス及び白血球選択除去材。
【請求項18】
血液接触後の活性化補体C3aの濃度が血液接触前の5倍以上であることを特徴とする請求項11〜17のいずれかに記載の血小板通過型のウイルス及び白血球選択除去材。
【請求項19】
担体が不織布であることを特徴とする請求項11〜18のいずれかに記載の血小板通過型のウイルス及び白血球選択除去材。
【請求項20】
担体が平均繊維直径2.0μm以上50.0μm未満の不織布であることを特徴とする請求項19に記載の血小板通過型のウイルス及び白血球選択除去材。
【請求項21】
不織布の嵩密度が0.10g/cm3以上0.45g/cm3未満であることを特徴とする請求項19または20記載の血小板通過型のウイルス及び白血球選択除去材。
【請求項22】
不織布の比表面積が0.01m2/g以上4.0m2/g未満であることを特徴とする請求項19〜21のいずれかに記載の血小板通過型のウイルス及び白血球選択除去材。
【請求項23】
ウイルスがC型肝炎ウイルスである請求項11〜22のいずれかに記載の血小板通過型のウイルス及び白血球選択除去材。
【請求項24】
請求項11〜23のいずれかに記載のウイルス及び白血球選択除去材が、血液導入部および血液導出部を有する容器内に含まれており、さらにウイルスおよび白血球選択除去材の容器外への流出防止手段が備えられていることを特徴とするウイルスおよび白血球選択除去装置。
【請求項25】
ウイルスがC型肝炎ウイルスである請求項24記載のウイルスおよび白血球選択除去装置。

【公開番号】特開2009−18177(P2009−18177A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−212496(P2008−212496)
【出願日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【分割の表示】特願2002−301672(P2002−301672)の分割
【原出願日】平成14年10月16日(2002.10.16)
【出願人】(000116806)旭化成クラレメディカル株式会社 (133)
【Fターム(参考)】