説明

ウェハ溶解プロセスを使用したMEMSデバイスに関する厚い活性化層

【課題】厚い活性化層を有する薄いMEMSデバイスをウエハ溶解プロセスを使用して製造するための方法を提供する。
【解決手段】P型不純物で第1のシリコンウェハの第2の表面を高濃度にドーピングする工程12、およびN型不純物で第2のシリコンウェハの第1の表面を高濃度にドーピングする工程14、次いで、ふたつの高濃度にドープされた表面をボンディングする工程16、第1のウェハの第1の側に対向する第1のウェハの第2の側を所望の厚さまで薄くする工程、第2の側をエッチング/パターニングする工程20、エッチングされた表面をP型不純物で高濃度にドーピングする工程22、第1のウェハの第2の側にカバーをボンディングする工程24、第2のウェハを薄くする工程からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
加速度計およびジャイロスコープのような微小電気機械システム(メムス、MEMS)デバイスは、多くの異なる方法で製造される。
【背景技術】
【0002】
ひとつの共通した方法は、そのプロセスの簡易さおよび完成度から、ウェハ溶解プロセスがある。しかしながら、ウェハ溶解プロセスによって要求されるより高濃度のドーピングを得るために、30マイクロメータ厚よりも薄く制限された、高濃度にドープされたエピタキシー層が、スターティング材料として用いられる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、ウェハボンディングおよびウェハ溶解プロセスを使用して薄くしてMEMS活性化層を製造するための方法と、それらの方法によって製造されたデバイスを提供する。
【0004】
本発明に関する方法のある実施形態は、P型不純物で第1のシリコンウェハの第1の表面を高濃度にドーピングすることと、N型不純物で第2のシリコンウェハの第1の表面を高濃度にドーピングすることを含む。次いで、高濃度にドープされた第1の表面を互いにボンディングし、第1のP型ウェハの第1の側に対向する第1のウェハの第1の側が、所望の厚さまで薄くされる。その厚さは、約30マイクロメータよりも厚くてよい。次いで、第2の側がパターニングされ、エッチングされ、該エッチングされた表面が、次いで、P型不純物で高濃度にドーピングされる。次いで、第1のP型ウェハの第2の側にカバーをボンディングし、第2のN型ウェハが薄くされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
図1は、本発明による方法10のある実施形態のフローチャートである。ブロック12では、拡散炉を使用して、第1のシリコンウェハの少なくとも1つの表面を、約5×1019cm-3よりも高いレベルまでp型不純物で高濃度にドーピングする。ブロック14では、拡散炉を使用して、第2のシリコンウェハの少なくとも1つの表面を、約5×1019cm-3よりも高いレベルまでn型不純物で高濃度にドーピングする。ブロック16では、第1のウェハの高濃度にドーピングされた表面を、シリコン溶融ボンディングを使用して第2のウェハの高濃度にドーピングされた表面にボンディングする。ブロック18では、p型ウェハを、ラッピングまたは化学的研磨を使用して、所望の厚さまで薄くする。ブロック20では、デバイスの意図された使用に応じて、種々のMEMSデバイス(図示せず)を形成するために、p型ウェハをパターニングし、深堀り反応性イオンエッチング(DRIE:Deep Reactive Ion Etching)を使用してエッチングする。ブロック22では、エッチングされた表面を、拡散炉を用いて、約5×1019cm-3よりも高いレベルまでp型不純物で高濃度にドーピングする。ブロック24では、パターニングされた表面を被覆および保護するように、p型ウェハにカバーをボンディングし、この場合、カバーは、パイレックス(登録商標)ガラスであり、カバーは陽極としてボンディングされる。最後に、ブロック26では、N型ウェハを薄くするのに、EDP(エチレンジアミン・ピロカテコール)を使用し、KOHエッチングもまた使用される。EDPエッチングからP型層を保護するために、ブロック26のステップの間、高濃度にドープされたP型層が保護される。
【0006】
図2A乃至2Gは、図1で示した方法10の間に生成され、形成された種々の中間のステップおよび構造体を例示する。図2Aは、P型不純物で高濃度にドープされた領域29を備えた第1のシリコンウェハ(すなわちP型ウェハ)と、約5乃至10マイクロメータの深さまでN型不純物で高濃度にドープされた領域31を備えた第2のシリコンウェハ(すなわちN型ウェハ)とを示す。図2Bは、領域29、31を互いにボンディングさせた後のウェハ28,30を示す。図2Cは、約50乃至200マイクロメータの所望の厚さ、またはもし所望ならばより厚い厚さまでP型ウェハを薄くした後のウェハ28,30を示す。図2Dは、活性化層32を形成するために、DRIEでP型ウェハをエッチングし、パターニングした後のウェハ28,30を示す。すなわち、ウェハ28は、活性化層32を形成するようにエッチングされ、パターニングされる。図2Eは、活性化層32が、P型不純物で高濃度にドープされた後の活性化層32およびウェハ30を示す。図2Fは、活性化層32と、活性化層32にボンディングされたカバー34と、N型ウェハ30とを示す。最後に、図2Gは、N型ウェハ30を薄くした後の、カバー34および活性化層32を示す。
【0007】
図3は、本発明の別の実施形態の方法40のフローチャートである。ブロック42では、活性化層、酸化物層、およびハンドル層を含むシリコン−オン−絶縁物(SOI)が、DRIEを使用してエッチングされ、パターニングされる。ブロック44では、エッチングされた表面を、P型不純物で高濃度にドーピングする。ブロック46では、陽極になるように、活性化層にカバーをボンディングする。ブロック48では、ハンドル層を薄くするのにEDPを用い、別の実施形態では、シリコン化学エッチングを用いてもよく、KOHまたはTMAHもまた用いられうる。最後に、ブロック50では、酸化物層を除去する。
【0008】
図4A乃至4Eは、図3に示した方法の種々の中間ステップおよび構造体を図示する。図4Aは、活性化層54、酸化物層56、および、ハンドル層58を含むSOIウェハを示す。図4Bは、活性化層54をパターニングした後のウェハ52を示す。図4Cは、高濃度ドーピングをして、および、活性化層54にカバー60をボンディングした後のウェハ52を示す。図4Dは、ハンドル層58を薄くした後の、ウェハ52を示す。最後に、図4Eは、酸化物層56を除去した後のウェハ52を示す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の好ましい実施形態のフローチャートを示す。
【図2】図2A乃至2Gは、図1の方法の間に形成された種々の中間構造体の例示である。
【図3】本発明の別の実施形態のフローチャートを示す。
【図4】図4A乃至4Eは、図3の方法の間に形成された種々の中間構造体の例示である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のウェハの高濃度にドープされたP型表面を、第2のウェハの高濃度にドープされたN型表面にボンディングするステップ(16)と、
所望の厚さまで前記第1のウェハを薄くするステップ(18)と、
前記第1のウェハをパターニングするステップ(20)と、
前記パターニングされた第1のウェハをP型不純物で高濃度にドーピングするステップ(22)と、
前記第1のウェハにカバーをボンディングするステップ(24)と、
前記第2のウェハを薄くするステップ(26)と、
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1のウェハの表面をP型不純物で高濃度にドーピングするステップ(12)と、
前記第2のウェハの表面をN型不純物で高濃度にドーピングするステップ(14)と、
を更に有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
対向する第1および第2の側を備えた第1のウェハ(28)であって、前記第1の側がP型不純物で高濃度にドープされ、前記第2の側がパターニングされ、P型不純物で高濃度にドープされた、第1のウェハ(28)と、
第1の側を備えた第2のウェハ(30)であって、前記第2のウェハの第1の側が、N型不純物で高濃度にドープされ、前記第1のウェハの第1の側にボンディングされた、第2のウェハ(30)と、
を有することを特徴とするデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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