説明

ウエザストリップ

【課題】トリム部内においてガス溜まりが発生してしまうことを防止でき、ひいては外観品質の低下をより確実に防止するウエザストリップを提供する。
【解決手段】ウエザストリップは、発泡ゴムからなるトリム部と、トリム部から突出形成された中空状のシール部と、複数の短冊状の骨片部31を有し、トリム部内に埋設されるインサート14とを備える。トリム部は、インサート14を覆うようにして押出成形された未加硫の発泡ゴムに対して加硫処理を施すことによって形成され、インサート14は各骨片部31同士を連結する複数のセンターボンド部32を有する。少なくとも骨片部31のうちセンターボンド部32に挟まれる部位と、センターボンド部32とから構成され、インサート14の長手方向に延びる部位の表面に粗面化加工が施され、粗面化加工を施された部位表面の最大高さ粗さRmが50μm以上500μm以下とされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両の開口周縁に用いられるウエザストリップに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車等の車両のドア開口周縁にはドアウエザストリップが設けられる。ドアウエザストリップは、ドア開口周縁のフランジに対し嵌め込まれる断面U字状のトリム部と、前記トリム部から突出する中空状のシール部とを備えている。また、前記トリム部は、ゴム材料によって構成されているとともに、当該トリム部には、前記フランジに対する保持力を高める等の観点から、金属製のインサートが埋設されている。当該インサートとしては、前記トリム部の長手方向と直交する方向に延びる複数の短冊状の骨片部と、各骨片部を連結するボンド部を有するものが知られている。また、フランジに対する取付の追従性を向上させるべく、各骨片部が分離して構成されたインサートも提案されている。
【0003】
前記トリム部は、前記インサートを覆うようにして押出成形された未加硫ゴム(トリム部中間体)を得た上で、当該トリム部中間体に加硫処理を施すことによって形成される。尚、各骨片部が分離して構成されたインサートであっても、押出成形時において各骨片部の埋設位置にずれが生じてしまうことを防止するために、押出成形時には、前記各骨片部同士は連結部によって連結されており、加硫処理の後に連結部の切断がなされるのが一般的である。
【0004】
近年、ドアウエザストリップに関する軽量化の要請が高まっており、前記トリム部を発泡ゴム(微発泡ゴムを含む)によって形成する技術が提案されている(例えば、特許文献1等参照)。ここで、前記発泡ゴムは、前記トリム部を構成する未加硫ゴムに対して発泡剤を含有させた上で、前記加硫処理により前記発泡剤を発泡させることによって形成される。
【特許文献1】特開2003−291744号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、加硫処理を施すことによってトリム部内においては発泡ガスが生じることとなるが、当該発泡ガスの一部がトリム部の表面から外部へと放出され得る。ここで、発泡ガスが前記インサートとの境界側へと放出されてしまうと、図8に示すように、前記インサート94及びトリム部95間に発泡ガスが溜まってしまい、インサート94とトリム部95との間にガス溜まり96が形成されてしまうおそれがある。その結果、トリム部95の表面が所々膨らんだ状態となってしまい、外観品質の低下を招いてしまうおそれがある。
【0006】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、トリム部内においてガス溜まりが発生してしまうことを防止でき、ひいては外観品質の低下をより確実に防止することができるウエザストリップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記目的を解決するのに適した各手段につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
【0008】
手段1.車両のドア開口周縁部のフランジに保持されるとともに、発泡ゴムからなる断面U字状のトリム部と、
前記トリム部から突出して設けられ、ドア閉時にドアの周縁に圧接される中空状のシール部と、
互いに略平行に配設された複数の短冊状の骨片部を有し、前記トリム部内に埋設されるインサートとを備え、
前記トリム部は、前記インサートを覆うようにして押出成形された未加硫の発泡ゴムに対して加硫処理を施すことによって形成されるとともに、
少なくとも前記加硫処理時において、前記インサートは前記各骨片部同士を連結する複数の連結部を有してなるウエザストリップであって、
少なくとも前記骨片部のうち前記連結部に挟まれる部位と、前記連結部とによって構成され、前記インサートの長手方向に延びる部位の表面に粗面化加工を施し、当該粗面化加工を施された部位表面の最大高さ粗さを50μm以上500μm以下としたことを特徴とするウエザストリップ。
【0009】
尚、「最大高さ粗さ」とあるのは、JIS B0601に規定される最大高さRyを意味するものであり、所定の範囲内における帯状部の断面曲線の最大高さをいう。また、「所定の範囲」は、傷とみなされるような極端に高い山や深い谷などの存在しない部位から選択される。加えて、「粗面化加工」としては、ブラスト処理、エッチング処理、切削加工等を挙げることができる。
【0010】
上述したように、インサート及びトリム部間において発泡ガスが溜まってしまうおそれがあるが、本願発明者が鋭意検討した結果、特に、各骨片部を連結する連結部(例えば、ボンド部)と骨片部のうち各連結部に挟まれた部位とからなる長手方向に直線状に延びる部位(帯状部)において特にガス溜まりが発生しやすいことがわかった。これは、インサートの回りをトリム部を構成するゴムが取り囲むことで、インサートに対するトリム部の密着力がより強まるのであるが、前記帯状部は、長手方向において前記ゴムに取り囲まれていないため、前記密着力が比較的弱いものとなりやすく、ひいてはインサートとトリム部との間に隙間が生じやすいことに起因する。
【0011】
この点、上記手段1によれば、少なくともインサートの帯状部の表面に粗面化加工が施されており、当該粗面化加工を施された帯状部の表面の最大高さ粗さが、50μm以上500μm以下とされている。このため、帯状部の単位長さ当たりの表面積を増大させることができ、帯状部とトリム部との密着性の向上を図ることができる。従って、帯状部とトリム部との間に間隙が形成されにくくなるため、特に発泡ガスが侵入しやすい、帯状部及びトリム部間への発泡ガスの侵入をより確実に防止することができる。その結果、インサート及びトリム部間に発泡ガスが溜まってしまうことを効果的に防止でき、外観品質の低下をより確実に防止することができる。
【0012】
また、仮に帯状部とトリム部との間に少量の発泡ガスが侵入したとしても、インサートとトリム部との密着性が高く、さらに帯状部の表面に凹凸が形成されていることによって、侵入した少量の発泡ガスが移動して、一箇所に固まってしまう(ガス溜まりが形成されてしまう)ことを効果的に抑制できる。その結果、インサート及びトリム部間におけるガス溜まりの発生を一層確実に防止することができる。
【0013】
尚、粗面化加工を施した部位の最大高さ粗さが50μm未満である場合には、インサートとトリム部との密着性を十分に確保することができず、上述した作用効果が十分に奏されないおそれがある。一方で、粗面化加工を施した部位の最大高さ粗さが500μmを超える場合には、インサート表面の凹凸がトリム部の表面に顕出してしまい、外観品質が低下してしまう等のおそれがある。
【0014】
手段2.前記粗面化加工を、前記インサートの表面全域に施したことを特徴とする手段1に記載のウエザストリップ。
【0015】
上記手段2によれば、インサートの表面全域に粗面化加工が施されるため、インサートとトリム部との密着性を一層向上させることができる。その結果、ガス溜まりの発生を一層効果的に防止することができ、外観品質の低下を一層確実に防止することができる。
【0016】
手段3.前記粗面化加工を施された部位表面の最大高さ粗さを50μm以上400μm以下としたことを特徴とする手段1又は2に記載のウエザストリップ。
【0017】
上記手段3によれば、外観品質の低下等の発生を一層抑制しつつ、上記手段1等の作用効果が奏されることとなる。
【0018】
手段4.前記粗面化加工を施された部位表面の最大高さ粗さを50μm以上300μm以下としたことを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載のウエザストリップ。
【0019】
上記手段4によれば、外観品質の低下等の発生をより効果的に抑制しつつ、上記手段1等の作用効果が奏されることとなる。
【0020】
手段5.前記粗面化加工は、粗面化加工前の前記インサートの質量よりも粗面化加工後の前記インサートの質量が低減する手法でなされることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載のウエザストリップ。
【0021】
尚、「粗面化加工前の前記インサートの質量よりも粗面化加工後の前記インサートの質量が低減する手法」としては、例えば、エッチング処理や表面の切削加工等を挙げることができる。
【0022】
上記手段5によれば、粗面化加工を施すことによってインサートの軽量化を図ることができる。その結果、トリム部が発泡ゴムによって形成されていることも相俟って、ウエザストリップのより一層の軽量化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、一実施形態について図面を参照して説明する。図1に示すように、車両としての自動車1の側方にはドア2が開閉可能に設けられ、ドア2に対応するボディ側のドア開口3周縁にはウエザストリップ4が装着されている。本実施形態のウエザストリップ4は、主として押出成形法によって成形され、全体としてほぼ環状をなす。
【0024】
図2に示すように、ウエザストリップ4はトリム部5及びシール部6を備えている。トリム部5は、車内側側壁部11、車外側側壁部12、及び、両側壁部11,12を連結する側壁連結部13を備えており、全体として断面U字状をなす。また、トリム部5は、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合)微発泡ゴム(本発明の「発泡ゴム」に相当する)によって構成されており、その内部には金属製のインサート14が埋設されている。
【0025】
車外側側壁部12の内面(車内側面)にはトリム部5の内側(車内側)に向かって延びる複数の保持リップ部15が一体形成され、車内側側壁部11の内面(車外側面)にはトリム部5の内側(車外側)に向かって延びる保持リップ部16が一体形成されている。また、前記側壁連結部13には、図示しないガーニッシュ等の内装品の端部を覆うカバーリップ18が車内側へと延出形成されている。
【0026】
さらに、ドア開口3周縁には、前記ボディのインナパネル21及びアウタパネル22が接合されることでフランジ23が形成されており、このフランジ23にトリム部5が嵌め込まれることにより、ウエザストリップ4がドア開口3周縁に保持される。より詳しくは、前記保持リップ部15,16によりフランジ部23を挟み込むことで、ウエザストリップ4がドア開口3周縁に保持されている。
【0027】
一方、シール部6は、車外側側壁部12の車外側から突出して設けられ、主としてEPDM発泡ゴムによって中空状に形成されている。そして、ドア2の閉時には、シール部6がドア2の周縁に圧接されることで、ドア2と自動車1のボディとの間がシールされる。
【0028】
尚、本実施形態においては、トリム部5及びシール部6の双方が発泡されたEPDMゴムによって構成されているが、トリム部5を構成する材料は微発泡材料であり、シール部6を構成する材料よりも発泡の程度が低いものである。すなわち、トリム部5を構成する材料は、シール部6を構成する材料よりも密度が大きく、ひいては十分な剛性を有している。このため、前記保持リップ部15,16は十分な剛性を有しており、前記フランジ部23に対してウエザストリップ4を安定した状態で組み付けることができるようになっている。
【0029】
加えて、図3に示すように、前記インサート14は、複数の骨片部31と、前記各骨片部31をそれぞれ連結するセンターボンド部32(連結部に相当する)とを備えている。また、各骨片部31は、それぞれ略平行に配設されており、前記車内側側壁部11に対応する車内側側壁対応部41と、前記車外側側壁部12に対応する車外側側壁対応部42と、前記側壁連結部13に対応する側壁連結部対応部43とから構成され、断面略U字状をなしている。
【0030】
さらに、本実施形態においては、前記インサート14には、粗面化加工が施されており、インサート14の表面には複数の凹凸部分(図中、散点模様を付した部位)が形成されている。また、当該インサート14の表面については、その最大高さ粗さが50μm以上500μm以下とされている。尚、「最大高さ粗さ」とは、JIS B0601に規定される最大高さRyを意味するものであり、図4に示すように、所定の範囲内におけるインサート14の断面曲線の最大高さRmをいう。ここで、「所定の範囲」は、傷とみなされるような極端に高い山や深い谷などの存在しない部位から選択される。
【0031】
次いで、上述したウエザストリップ4の製造方法について説明する。まず、曲げ加工前で、かつ、表面平滑状に形成されたインサート中間体(図示せず)に対してグリッドブラスト等のブラスト処理を施すことによって、インサート中間体の表面に粗面化加工を施し、インサート中間体の表面全域に凹凸を形成する。次いで、押出成形機(図示せず)に対して、前記インサート中間体とともに、所定量の発泡剤が含有されてなるEPDM未加硫ゴム(EPDM未加硫微発泡ゴム)及び、前記所定量よりも比較的多い発泡剤が含有されてなるEPDM未加硫ゴム(EPDM未加硫発泡ゴム)を連続的に供給する。これにより、前記インサート中間体がEPDM未加硫微発泡ゴムによって被覆されるとともに、中空状のEPDM未加硫発泡ゴムが前記EPDM未加硫微発泡ゴムの外表面に対して接合されてなる中間体(図示せず)が、前記押出成形機のダイスから押出成形される。尚、インサート中間体の周囲を覆うEPDM未加硫微発泡ゴムが、前記トリム部5を構成し、中空状のEPDM未加硫発泡ゴムが、前記シール部6を構成することとなる。
【0032】
さらに、押出成形された前記中間体が、図示しない高周波加硫槽(UHF)に案内され、一次加硫が施され、その後、図示しない熱風加硫層(HAV)に案内され、二次加硫が施される。これにより、加硫が促進させられるとともに、材料中の前記発泡剤の発泡が起こることとなり、EPDM微発泡ゴムよりなるトリム部5及びEPDM発泡ゴムからなるシール部6等を有するウエザストリップ中間体(図示せず)が得られる。最後に、前記トリム部5(インサート中間体)に対して略U字状とする曲げ加工を施すことによって、前記ウエザストリップ4が得られる。
【0033】
以上詳述したように、本実施形態によれば、インサート14表面に粗面化加工が施されており、当該粗面化加工を施されたインサート14の表面の最大高さ粗さRmが、50μm以上500μm以下とされている。このため、インサート14の単位長さ当たりの表面積を増大させることができ、インサート14とトリム部5との密着性の向上を図ることができる。これにより、インサート14とトリム部5との間に間隙が形成されにくくなり、インサート14及びトリム部5間への発泡ガスの侵入をより確実に防止することができる。その結果、インサート14及びトリム部5間に発泡ガスが溜まってしまうことを効果的に防止でき、外観品質の低下をより確実に防止することができる。
【0034】
また、仮にインサート14とトリム部5との間に少量の発泡ガスが侵入したとしても、インサート14とトリム部5との密着性が高く、さらにインサート14の表面に凹凸が形成されていることによって、侵入した少量の発泡ガスが移動して、一箇所に固まってしまう(ガス溜まりが形成されてしまう)ことを効果的に抑制できる。その結果、インサート14及びトリム部5間におけるガス溜まりの発生を一層確実に防止することができる。
【0035】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0036】
(a)上記実施形態では、インサート14の表面全域に対して粗面化加工が施されているが、図5に示すように、少なくとも骨片部51のうちセンターボンド部52に挟まれる部位と、前記センターボンド部52とによって構成され、インサート54の長手方向に沿って延びる部位(帯状部53)の表面に対して粗面化加工が施されていればよい(尚、同図におけるインサート54は、曲げ加工前の状態を示している)。すなわち、帯状部53に粗面化加工を施すことで、特に発泡ガスが侵入しやすい、帯状部53及びトリム部5間への発泡ガスの侵入をより確実に防止することができ、トリム部5内におけるガス溜まりの形成をより確実に防止することができる。
【0037】
(b)上記実施形態によれば、インサート14表面を粗面化するための手法としてブラスト処理を例示しているが、インサート14表面を粗面化するための手法はブラスト処理に限定されるものではない。従って、インサート14表面を粗面化するための手法としては、例えば、外周面に凹凸が設けられた一対のロール間にインサート中間体を通過させることで、その表面に凹凸を形成する手法であってもよいし、インサート中間体の表面に切削加工を施したり、エッチング処理を施したりする手法であってもよい。尚、表面に切削加工を施したり、エッチング処理を施したりすることで粗面化加工を施した場合、得られたインサート14の質量は、粗面化加工前のインサート中間体の質量と比較して小さなものとなる。従って、インサート14の軽量化を図ることができ、ひいてはウエザストリップ4自体の軽量化を図ることができる。
【0038】
(c)上記実施形態では、複数の骨片部31と、各骨片部31を連結するセンターボンド部32を備えた、いわゆるセンターボンドタイプのインサート14に対して本発明の技術思想が適用されているが、他のタイプのインサートに対して、本発明の技術思想を適用することとしてもよい。従って、図6に示すように、複数の骨片部61と、各骨片部61の両端側部分を連結するサイドボンド部62,63(連結部に相当する)とを備えてなる、いわゆるサイドボンドタイプのインサート64において本発明の技術思想を適用することとしてもよい(同図では、曲げ加工前の状態を示しており、散点模様を付した部位に粗面化加工が施されている)。
【0039】
加えて、図7に示すように、押出成形時においては、連結部72,73によって各骨片部71が連結される一方で、加硫処理後に、前記連結部72,73を切断し、骨片部71同士を切り離す、いわゆる分離タイプのインサート74において本発明の技術思想を適用することとしてもよい(同図では、曲げ加工前であって、連結部72,73が切断される前の状態を示しており、散点模様を付した部位に粗面化加工が施されている)。尚、このような分離タイプのインサート74においては、金属板に対して長手方向と直交する向きに沿った複数のスリットを設けた上で、帯状部(骨片部71のうち連結部72,73に挟まれる部位と連結部72,73とで構成される部位)に当たる部位に対して圧延加工を施すことによって形成することができる。そこで、圧延加工を施すための一対のローラの外周面に対して凹凸を設けることによって、圧延加工と同時に粗面化加工を施すこととしてもよい。この場合には、粗面化加工の工程を別途設ける必要がなくなり、生産効率の向上を図ることができる。
【0040】
(d)上記実施形態では、インサート14の表面の最大高さ粗さRmが50μm以上500μm以下とされているが、インサート14表面の凹凸がトリム部5の表面に顕出してしまうことを防止すべく、最大高さ粗さRmの上限値をより小さなものとすることが好ましい。従って、最大高さ粗さRmを50μm以上400μm以下とすることが好ましく、最大高さ粗さRmを50μm以上300μm以下とすることがより好ましい。
【0041】
(e)上記実施形態では、(サイドフロント)ドア2に対応するボディ側のドア開口3周縁に設けられるウエザストリップ4について具体化しているが、リヤドア、バックドア、ラッゲージドア(トランクリッド)、ルーフドア(スライディングルーフパネル)等の他のドア開口周縁に設けられるウエザストリップについて適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】自動車を示す斜視図である。
【図2】ウエザストリップを示す断面図である。
【図3】インサート等の構成を示す一部破断斜視図である。
【図4】最大高さ粗さを説明するための図3のJ−J線断面図である。
【図5】別の実施形態において、インサートに粗面化加工を施す部位を説明するための拡大平面図である。
【図6】別の実施形態におけるインサートの構成を示すための部分拡大平面図である。
【図7】別の実施形態におけるインサートの構成を示すための部分拡大平面図である。
【図8】従来技術における問題点を説明するための部分拡大断面図である。
【符号の説明】
【0043】
1…車両としての自動車、2…ドア、3…ドア開口、4…ウエザストリップ、5…トリム部、6…シール部、14,54,64,74…インサート、23…フランジ、31,51,61,71…骨片部、32…連結部としてのセンターボンド部、33…帯状部、62,63…連結部としてのサイドボンド部、72,73…連結部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のドア開口周縁部のフランジに保持されるとともに、発泡ゴムからなる断面U字状のトリム部と、
前記トリム部から突出して設けられ、ドア閉時にドアの周縁に圧接される中空状のシール部と、
互いに略平行に配設された複数の短冊状の骨片部を有し、前記トリム部内に埋設されるインサートとを備え、
前記トリム部は、前記インサートを覆うようにして押出成形された未加硫の発泡ゴムに対して加硫処理を施すことによって形成されるとともに、
少なくとも前記加硫処理時において、前記インサートは前記各骨片部同士を連結する複数の連結部を有してなるウエザストリップであって、
少なくとも前記骨片部のうち前記連結部に挟まれる部位と、前記連結部とによって構成され、前記インサートの長手方向に延びる部位の表面に粗面化加工を施し、当該粗面化加工を施された部位表面の最大高さ粗さを50μm以上500μm以下としたことを特徴とするウエザストリップ。
【請求項2】
前記粗面化加工を、前記インサートの表面全域に施したことを特徴とする請求項1に記載のウエザストリップ。
【請求項3】
前記粗面化加工を施された部位表面の最大高さ粗さを50μm以上400μm以下としたことを特徴とする請求項1又は2に記載のウエザストリップ。
【請求項4】
前記粗面化加工を施された部位表面の最大高さ粗さを50μm以上300μm以下としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のウエザストリップ。
【請求項5】
前記粗面化加工は、粗面化加工前の前記インサートの質量よりも粗面化加工後の前記インサートの質量が低減する手法でなされることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のウエザストリップ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−76522(P2010−76522A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−245082(P2008−245082)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】