説明

ウォッシャタンク

【課題】ウォッシャタンクの形状を複雑化したとしても、当該ウォッシャタンク内に貯留されるウォッシャ液の残量をレベルゲージにより正確に計測することができるウォッシャタンクの提供。
【解決手段】タンク本体21内に、ウォッシャ液注入管部22寄りでタンク本体21の上下方向に延びるよう案内壁部37を設け、当該案内壁部37により、ウォッシャ液注入管部22からタンク本体21内に差し込まれるレベルゲージの先端部をタンク本体21内のウォッシャポンプ固定部27側に向けて案内するようにした。案内壁部37によりレベルゲージの先端部を適正位置に配置でき、複雑な形状のウォッシャタンク20であっても、レベルゲージによりウォッシャ液の残量を正確に計測できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウォッシャ液を貯留するウォッシャタンクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車両にはウォッシャ装置が搭載されている。ウォッシャ装置はエンジンルーム内の所定箇所に設置され、ウォッシャ液を貯留するウォッシャタンクとモータを有するウォッシャポンプとを備えている。ウォッシャポンプは、車室内等に設けられるウォッシャスイッチを操作することにより駆動され、これにより、ウォッシャタンク内のウォッシャ液がウィンドシールドに向けて噴射されるようになっている。そして、ウィンドシールドに噴射されたウォッシャ液を、ワイパ装置を駆動して払拭することにより、ウィンドシールドを洗浄することができる。
【0003】
ウォッシャ装置を構成するウォッシャタンクには、ウォッシャタンク内のウォッシャ液の残量を確認するための長尺のレベルゲージが装着されるようになっている。そして、レベルゲージをウォッシャタンクから引き抜いて当該レベルゲージに付着したウォッシャ液を目視することにより、ウォッシャ液の残量を確認することができる。
【0004】
このようなレベルゲージを抜き差しするようにしたウォッシャタンクとしては、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。
【0005】
特許文献1に記載されたウォッシャタンクは、比較的単純な箱形状に形成され、ウォッシャタンクの上部には三次元的に屈曲されたインレットを備えている。そして、インレット内にレベルゲージを差し込むことにより、インレットの形状に沿ってレベルゲージが曲げられて、レベルゲージの先端部がウォッシャタンク内の略最下部の適正位置に配置されるようになっている。
【特許文献1】特開2004−074905号公報(図1,図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ウォッシャ装置が設置されるエンジンルーム内には、ウォッシャ装置に加え、ラジエータやバッテリ,ハーネス等の複数の部品が設置されている。そのため、ウォッシャ装置を形成するウォッシャタンクは、所定の容量を確保した上でエンジンルーム内の限られた設置スペースに設置できるようにすることが望ましい。すなわち、エンジンルーム内の複雑な設置スペースの形状に倣ってウォッシャタンクを形成することで、ウォッシャタンクの容量を確保しつつ複雑な設置スペースにウォッシャタンクを設置することが可能となる。
【0007】
この場合、例えば、ウォッシャタンクの内側または外側に向けて突出する複数の凹凸を形成したり、ウォッシャタンクの上下方向に対してインレットを所定角度傾斜させたりしてウォッシャタンクの形状を複雑化することで対応することができる。しかしながら、上述の特許文献1に記載されたウォッシャタンクを、単に、エンジンルーム内の複雑な設置スペースの形状に倣ってその形状を複雑化した場合には、ウォッシャタンクにレベルゲージを差し込んだ際に、レベルゲージの先端部がウォッシャタンク内の略最下部の適正位置に配置されない場合が起こり得る。例えば、レベルゲージの先端部が、その差し込み方向でかつウォッシャタンクの上部側に形成された凹部に引っ掛かってしまうようなことが起こり、この場合には、ウォッシャタンク内に貯留されるウォッシャ液の正確な残量の計測が不可能となる(例えば、図9中二点差線参照)。
【0008】
本発明の目的は、ウォッシャタンクの形状を複雑化したとしても、当該ウォッシャタンク内に貯留されるウォッシャ液の残量をレベルゲージにより正確に計測することができるウォッシャタンクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のウォッシャタンクは、ウォッシャ液を貯留するウォッシャタンクであって、中空状のタンク本体と、前記タンク本体の上部に設けられ、前記ウォッシャ液を前記タンク本体内に注入するためのウォッシャ液注入管部と、前記タンク本体の下部に設けられ、前記ウォッシャ液を外部に圧送するためのウォッシャポンプが固定されるウォッシャポンプ固定部と、前記タンク本体内の前記ウォッシャ液注入管部寄りで前記タンク本体の上下方向に延びるよう設けられ、前記ウォッシャ液注入管部から前記タンク本体内に差し込まれるレベルゲージの先端部を、前記タンク本体内の前記ウォッシャポンプ固定部側に向けて案内する案内壁部とを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明のウォッシャタンクは、前記ウォッシャ液注入管部と前記タンク本体との間に、前記案内壁部に向けて開口し、前記ウォッシャ液注入管部の開口面積よりも小さい開口面積の絞り部を設けることを特徴とする。
【0011】
本発明のウォッシャタンクは、前記絞り部と前記案内壁部との間に、前記レベルゲージを徐々に屈曲変形させる傾斜壁部を設けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明のウォッシャタンクによれば、タンク本体内に、ウォッシャ液注入管部寄りでタンク本体の上下方向に延びるよう案内壁部を設け、当該案内壁部により、ウォッシャ液注入管部からタンク本体内に差し込まれるレベルゲージの先端部をタンク本体内のウォッシャポンプ固定部側に向けて案内するようにしたので、ウォッシャタンクの形状を複雑化したとしても、案内壁部によりレベルゲージの先端部をタンク本体内の適正位置に配置することができる。したがって、ウォッシャタンク内に貯留されるウォッシャ液の残量を、レベルゲージにより正確に計測することができる。
【0013】
本発明のウォッシャタンクによれば、ウォッシャ液注入管部とタンク本体との間に、案内壁部に向けて開口し、ウォッシャ液注入管部の開口面積よりも小さい開口面積の絞り部を設けるので、レベルゲージの先端部の差し込み方向を、絞り部によって確実に案内壁部に向けることができる。したがって、レベルゲージの先端部をより確実にタンク本体内の適正位置に配置することができる。
【0014】
本発明のウォッシャタンクによれば、絞り部と案内壁部との間に、レベルゲージを徐々に屈曲変形させる傾斜壁部を設けるので、レベルゲージの急激な屈曲変形を抑えることができる。したがって、レベルゲージの差し込み抵抗の増加を抑制して、レベルゲージをタンク本体にスムーズに差し込むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0016】
図1は本発明に係るウォッシャタンクを備えたウォッシャ装置を説明する説明図を、図2はウォッシャタンクの表側を示す斜視図を、図3はウォッシャタンクの裏側を示す斜視図を、図4はウォッシャタンクを上方から見た平面図を、図5は図4のA−A線に沿う断面図を、図6は図4のB−B線に沿う部分断面図を、図7(a),(b)はレベルゲージの詳細構造を説明する説明図をそれぞれ表している。
【0017】
図1に示すように、ウォッシャ装置10は、プラスチック等の樹脂材料により形成され、内部にウォッシャ液Wを貯留するウォッシャタンク20を備えている。ウォッシャタンク20は、図1に示す上下左右の関係で自動車等の車両のエンジンルーム内(図示せず)に設置され、エンジンルーム内における設置箇所周辺の形状に倣って所定形状に形成されている。
【0018】
ウォッシャタンク20は、中空状のタンク本体21を備えている。タンク本体21の上部21aには、ウォッシャ液Wをタンク本体21内に注入するための中空状のウォッシャ液注入管部22が一体に設けられている。ウォッシャ液注入管部22の先端側(図中上側)には、車両に対して略垂直方向(図中上下方向)に延びる中空状のインレット23が接続されるようになっている。
【0019】
インレット23の先端側は、インレットキャップ(蓋部材)24によって閉塞されるようになっている。インレットキャップ24には、プラスチック等の樹脂材料により形成され、可撓性を有するレベルゲージ25の基端部が接続されており、レベルゲージ25の先端部は、インレット23およびウォッシャ液注入管部22を介してタンク本体21内に差し込まれるようになっている。
【0020】
タンク本体21の下部21bには、ウォッシャポンプ26が固定されるウォッシャポンプ固定部27が設けられている。ここで、ウォッシャタンク20は、タンク本体21,ウォッシャ液注入管部22およびウォッシャポンプ固定部27によって構成されている。
【0021】
ウォッシャポンプ固定部27に固定されるウォッシャポンプ26には、内部にウォッシャ液Wが流通するフロントチューブ26aの基端部と、リヤチューブ26bの基端部とが接続されている。
【0022】
フロントチューブ26aの先端部には、略Y字形状の分岐アダプタ28の基端部が接続されており、分岐アダプタ28の分岐された一対の先端部には、それぞれ一対のフロントウォッシャノズル29が接続されている。一方、リヤチューブ26bの先端部には、リヤウォッシャノズル30が接続されている。各フロントウォッシャノズル29は、車両のフロントウィンドシールドFWに向けられ、リヤウォッシャノズル30は、車両のリヤウィンドシールドRWに向けられている。
【0023】
ウォッシャポンプ26には、配線31を介して車室内のグローブボックス内等(図示せず)に設置されるコントローラ32が電気的に接続されており、また、コントローラ32には、操作スイッチ(ウォッシャスイッチ)33が電気的に接続されている。操作スイッチ33を操作することにより、コントローラ32からウォッシャポンプ26に駆動電流が供給され、これにより、ウォッシャポンプ26は正駆動(正回転)または逆駆動(逆回転)するようになっている。
【0024】
ウォッシャポンプ26を正駆動することにより、タンク本体21内のウォッシャ液Wがタンク本体21の外部のフロントチューブ26a内に圧送されて、ウォッシャ液Wが各フロントウォッシャノズル29を介してフロントウィンドシールドFWに噴射される。一方、ウォッシャポンプ26を逆駆動することにより、タンク本体21内のウォッシャ液Wがタンク本体21の外部のリヤチューブ26b内に圧送されて、ウォッシャ液Wがリヤウォッシャノズル30を介してリヤウィンドシールドRWに噴射される。
【0025】
タンク本体21内には、図5に示すように、ウォッシャポンプ固定部27側(図中下側)に設けられる主室34と、ウォッシャ液注入管部22側(図中上側)に設けられる副室35とが設けられており、主室34の容積は副室35の容積よりも大きく設定されている。
【0026】
主室34と副室35との間には、タンク本体21の上下方向に延びるよう各室34,35同士を連通する連通路36が設けられている。このように、タンク本体21は、連通路36を挟んで上下側に主室34および副室35が並列に設けられる二階建て構造を採用している。タンク本体21を二階建て構造に形成することにより、タンク本体21の外部における主室34と副室35との間には所定の空間R1が形成されている。そして、空間R1内には、車体への取り付けの際に必要な車体側の位置決め部材(図示せず)や、エンジンルーム内に設置されるハーネス等の部品(図示せず)を配置可能となっている。
【0027】
タンク本体21の内部には、図4に示すように、ウォッシャ液注入管部22寄りで、かつタンク本体21の上下方向に延びるよう案内壁部37が設けられている。案内壁部37は連通路36を形成しており、当該案内壁部37の横断面形状は略L字形状に形成されている(図中破線部分参照)。案内壁部37には、ウォッシャ液注入管部22を介してタンク本体21内に差し込まれるレベルゲージ25の先端部が摺接するようになっており、案内壁部37は、レベルゲージ25をタンク本体21内に差し込む際に、レベルゲージ25の先端部をタンク本体21内のウォッシャポンプ固定部27側に向けて案内し、下部21bに近接する構成となっている。
【0028】
ウォッシャ液注入管部22は、図2〜図4に示すように、タンク本体21の上下方向に対して所定の傾斜角度を持って設けられており、ウォッシャ液注入管部22内の開口面積は、その先端側から基端側に至る略全域においてS1に設定されている。ウォッシャ液注入管部22とタンク本体21との間には、ウォッシャ液注入管部22の開口面積S1よりも小さい開口面積S2(S2<S1)に設定された絞り部38が設けられている(図中網掛部参照)。
【0029】
ここで、タンク本体21の外部におけるウォッシャ液注入管部22の先端側と主室34との間には所定の空間R2が形成されている。そして、空間R2内には、空間R1と同様にエンジンルーム内に設置されるハーネス等の部品を配置可能となっている。
【0030】
絞り部38と案内壁部37との間には、図6に示すように、案内壁部37に対して絞り部38側に所定角度傾斜した傾斜壁部39が設けられており、この傾斜壁部39は案内壁部37の一部(図中上側)を構成している。絞り部38は傾斜壁部39に向けて開口しており、これにより、ウォッシャ液注入管部22を介して絞り部38を通過したレベルゲージ25の先端部が、最初に傾斜壁部39に接触するようになっている。
【0031】
傾斜壁部39は、案内壁部37に対するレベルゲージ25の先端部の接触角度を緩やかにする役割を果たしており、レベルゲージ25を徐々に屈曲変形させて、レベルゲージ25の先端部をタンク本体21内のウォッシャポンプ固定部27側(図中下側)に向けるようになっている。
【0032】
図7に示すように、レベルゲージ25は、長尺の薄板状に形成されており、図中二点鎖線に示すように板厚方向に容易に撓むように形成されている。レベルゲージ25の先端側(図中右側)には、タンク本体21内のウォッシャ液Wの残量を示す目盛り25aが設けられており、目盛り25aは、複数の凹凸または複数の穴によって構成されている。これにより、目盛り25aにはウォッシャ液Wが付着し易くなり、目盛り25aに付着したウォッシャ液Wを目視することで、ウォッシャ液Wの残量を計測することができる。なお、ウォッシャ液Wの残量が一目で判るように、目盛り25aには、「1/2」や「1/4」等の文字(具体的な残量表示)が併記されている。
【0033】
レベルゲージ25の基端側(図中左側)は、レベルゲージ25の長手方向中央部分よりも薄肉に形成され、板厚方向により撓み易く形成されている。レベルゲージ25の基端部は、インレットキャップ24の略中心部分に一体に設けられた円柱固定部24aに回動自在に取り付けられている。これにより、図1に示すように、レベルゲージ25はその基端側で円柱固定部24aに対して略直角に屈曲することができ、レベルゲージ25をインレット23に差し込みつつ、インレットキャップ24によりインレット23を閉塞できるようになっている。
【0034】
レベルゲージ25の先端側には、レベルゲージ25の短手方向寸法(幅寸法)よりも、若干大きい直径寸法に設定された十字円盤部25bが一体に設けられている。十字円盤部25bは、一対の円盤片25cを互いに十字形状に組み合わせることにより形成され、十字円盤部25bの外郭形状は略球状となっている。これにより、レベルゲージ25の先端部は、ウォッシャ液注入管部22やタンク本体21の内部形状に沿って移動し易くなっている。
【0035】
次に、以上のように構成したウォッシャタンク20へのレベルゲージ25の差し込み作業時の動作について、図面を用いて詳細に説明する。
【0036】
図8はレベルゲージの先端部の移動の様子を説明する図4のB−B線に沿う断面図を、図9はレベルゲージの差し込み完了時の様子を説明する図5に対応する断面図をそれぞれ表している。
【0037】
まず、図7に示す状態から図1に示す状態となるように、インレットキャップ24に対してレベルゲージ25を略直角に屈曲させる。次いで、レベルゲージ25の先端部(十字円盤部25b)をインレット23に差し込む。インレット23への差し込み作業を継続して行うことにより、レベルゲージ25の十字円盤部25bが図中(1)に示すようにウォッシャ液注入管部22に到達する。
【0038】
ウォッシャ液注入管部22に到達した十字円盤部25bは、その後、図中(2)に示すようにウォッシャ液注入管部22の内側形状に沿って移動、つまりウォッシャ液注入管部22の内周壁を摺接する。このとき、ウォッシャ液注入管部22の傾斜角度が水平方向に対して徐々に緩くなるため、レベルゲージ25は、その屈曲角度がきつくなるよう屈曲変形(弾性変形)される。
【0039】
十字円盤部25bは、ウォッシャ液注入管部22内における移動後に絞り部38に到達する。その後、さらに十字円盤部25bが移動して絞り部38を通過し、これにより十字円盤部25bの進行方向、つまりレベルゲージ25の差し込み方向が傾斜壁部39に向けられて、十字円盤部25bは図中(3)に示すように傾斜壁部39に接触する。
【0040】
十字円盤部25bが傾斜壁部39に接触すると、レベルゲージ25が徐々に屈曲変形されて、十字円盤部25bは図中下方側、つまりタンク本体21のウォッシャポンプ固定部27側に形成される主室34に向けられる。このとき、レベルゲージ25は、傾斜壁部39により徐々に屈曲変形されるため、レベルゲージ25の差し込み抵抗が増加するのを抑制することができる。
【0041】
レベルゲージ25の差し込み作業をさらに継続することにより、十字円盤部25bは傾斜壁部39上から案内壁部37上に移動する。すると、十字円盤部25bは、案内壁部37の略L字形状の角部に沿って安定した状態(ふらつかない状態)で、図中(4)に示すように移動していく。その後、インレットキャップ24をインレット23に装着してインレット23を閉塞することにより、十字円盤部25b、つまりレベルゲージ25の先端部は図中(5)に示すタンク本体21内の略最下部の適正位置(主室34内)に配置される。
【0042】
このように、図8および図9に示すようにウォッシャ液Wの残量が少ない場合においても、図9中二点差線に示すように、レベルゲージ25の先端部(十字円盤部25b)が副室35に引っ掛かるようなことが無く、ウォッシャタンク20内(主室34内)に貯留されるウォッシャ液Wの正確な残量を計測することができる。なお、図9中二点差線に示す状態は、案内壁部37を設けない場合のレベルゲージ25の差し込み状態を示している。
【0043】
以上詳述したように、本実施の形態に係るウォッシャタンク20によれば、タンク本体21内に、ウォッシャ液注入管部22寄りでタンク本体21の上下方向に延びるよう案内壁部37を設け、当該案内壁部37により、ウォッシャ液注入管部22からタンク本体21内に差し込まれるレベルゲージ25の先端部をタンク本体21内のウォッシャポンプ固定部27側に向けて案内するようにしたので、ウォッシャタンク20の形状を複雑化したとしても、案内壁部37によりレベルゲージ25の先端部をタンク本体21内の適正位置に配置することができる。したがって、ウォッシャタンク20内に貯留されるウォッシャ液Wの残量を、レベルゲージ25により正確に計測することができる。
【0044】
また、本実施の形態に係るウォッシャタンク20によれば、ウォッシャ液注入管部22とタンク本体21との間に、案内壁部37に向けて開口し、ウォッシャ液注入管部22の開口面積S1よりも小さい開口面積S2の絞り部38を設けたので、レベルゲージ25の先端部の差し込み方向を、絞り部38によって確実に案内壁部37に向けることができる。したがって、レベルゲージ25の先端部をより確実にタンク本体21内の適正位置に配置することができる。
【0045】
さらに、本実施の形態に係るウォッシャタンク20によれば、絞り部38と案内壁部37との間に、レベルゲージ25を徐々に屈曲変形させる傾斜壁部39を設けたので、レベルゲージ25の急激な屈曲変形を抑えることができる。したがって、レベルゲージ25の差し込み抵抗の増加を抑制して、レベルゲージ25をタンク本体21にスムーズに差し込むことができる。
【0046】
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記実施の形態においては、ウォッシャ液注入管部22とタンク本体21との間に絞り部38を設けたものを示したが、本発明はこれに限らず、ウォッシャ液注入管部22の基端側の開口方向によっては絞り部38を省略することもできる。つまり、ウォッシャ液注入管部22の案内壁部37に対する傾斜角度が緩やかである場合等においては、絞り部38を省略することができる。
【0047】
また、上記実施の形態においては、絞り部38と案内壁部37との間に、傾斜壁部39を設けたものを示したが、本発明はこれに限らず、より柔軟性に富む樹脂材料により形成されたレベルゲージを用いることにより、傾斜壁部39を省略することもできる。つまり、柔らかいレベルゲージを採用することで、レベルゲージを傾斜壁部39により強制的に屈曲させる必要が無くなり、案内壁部37のみで充分に屈曲変形させることが可能となる。
【0048】
さらに、上記実施の形態においては、ウォッシャタンク20を、自動車等の車両に搭載されるウォッシャ装置10の構成部品として説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、航空機や鉄道車両,建設機械等に搭載されるウォッシャ装置の構成部品としても用いることがきる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係るウォッシャタンクを備えたウォッシャ装置を説明する説明図である。
【図2】ウォッシャタンクの表側を示す斜視図である。
【図3】ウォッシャタンクの裏側を示す斜視図である。
【図4】ウォッシャタンクを上方から見た平面図である。
【図5】図4のA−A線に沿う断面図である。
【図6】図4のB−B線に沿う部分断面図である。
【図7】(a),(b)はレベルゲージの詳細構造を説明する説明図である。
【図8】レベルゲージの先端部の移動の様子を説明する図4のB−B線に沿う断面図である。
【図9】レベルゲージの差し込み完了時の様子を説明する図5に対応する断面図である。
【符号の説明】
【0050】
10 ウォッシャ装置
20 ウォッシャタンク
21 タンク本体
21a 上部
21b 下部
22 ウォッシャ液注入管部
23 インレット
24 インレットキャップ
24a 円柱固定部
25 レベルゲージ
25a 目盛り
25b 十字円盤部(先端部)
25c 円盤片
26 ウォッシャポンプ
26a フロントチューブ
26b リヤチューブ
27 ウォッシャポンプ固定部
28 分岐アダプタ
29 フロントウォッシャノズル
30 リヤウォッシャノズル
31 配線
32 コントローラ
33 操作スイッチ
34 主室
35 副室
36 連通路
37 案内壁部
38 絞り部
39 傾斜壁部
FW フロントウィンドシールド
RW リヤウィンドシールド
W ウォッシャ液
R1,R2 空間
S1,S2 開口面積

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウォッシャ液を貯留するウォッシャタンクであって、
中空状のタンク本体と、
前記タンク本体の上部に設けられ、前記ウォッシャ液を前記タンク本体内に注入するためのウォッシャ液注入管部と、
前記タンク本体の下部に設けられ、前記ウォッシャ液を外部に圧送するためのウォッシャポンプが固定されるウォッシャポンプ固定部と、
前記タンク本体内の前記ウォッシャ液注入管部寄りで前記タンク本体の上下方向に延びるよう設けられ、前記ウォッシャ液注入管部から前記タンク本体内に差し込まれるレベルゲージの先端部を、前記タンク本体内の前記ウォッシャポンプ固定部側に向けて案内する案内壁部とを備えることを特徴とするウォッシャタンク。
【請求項2】
請求項1記載のウォッシャタンクにおいて、前記ウォッシャ液注入管部と前記タンク本体との間に、前記案内壁部に向けて開口し、前記ウォッシャ液注入管部の開口面積よりも小さい開口面積の絞り部を設けることを特徴とするウォッシャタンク。
【請求項3】
請求項2記載のウォッシャタンクにおいて、前記絞り部と前記案内壁部との間に、前記レベルゲージを徐々に屈曲変形させる傾斜壁部を設けることを特徴とするウォッシャタンク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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