説明

ウォッシュコート懸濁液を担体構造に適用するための方法

本発明は、ウォッシュコート懸濁液を担体構造に適用するための方法に関する。ウォッシュコート懸濁液から始まる大幅に均一な厚みを伴う被覆が担体構造に適用される方法を提供するために、プロセスガス40によって、担体構造が楕円形状又はトロイダル形状、好ましくはトロイダル形状に循環する担体構造の流動床を作製するように構成される装置10を使用して実施され、a)装置10を担体構造で満たすこと、及び、プロセスガス40によって担体構造流動床を作製すること、ここで、担体構造は、流動床内で楕円形状に又はトロイダル形状に、好ましくはトロイダル形状に循環し、b)ウォッシュコート懸濁液とともに流動床内で楕円形状又はトロイダル形状に循環する担体構造を噴霧することによって、担体構造をウォッシュコート懸濁液に含浸させること、c)ウォッシュコート懸濁液とともに噴霧される担体構造を乾燥すること、d)ウォッシュコート懸濁液の固体内容物に充填される担体構造を選択的にか焼すること、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウォッシュコート懸濁液を担体構造に適用するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シェル触媒及び、それらの製造のための方法は、従来技術において知られている。特定のシェル触媒は、例えば、粉末状担体酸化物及びシェルの形状における担体構造に対する触媒活性種を含有するウォッシュコート懸濁液をシェルの形状の担体構造に適用することによって製造される。担体構造のコア内に触媒活性種に充填される触媒よりも、より選択的な反応制御が多くの場合にシェル触媒で可能である。
【0003】
例えば、無水フタル酸(PA)は、現在、高い選択性において、シェル触媒によって主に製造される。PAを製造するために現在使用される大多数のシェル触媒は、中空円筒状として形成される非多孔性ステアタイト担体におけるV/TiOを含むシェルを伴うシェル触媒である。活性金属酸化物Vは、結晶質V粒子の構成においてのみ、これらのV/TiO系におそらく現れない。そのようなシェル触媒は、通常、被覆ドラム又は流動床ユニットにおいて、適切な懸濁液を使用する被覆によって製造される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上で指名された技術は、対応して製造されるシェル触媒の同質の層厚みについて、実際は、個々のシェル触媒の層厚みとシェル触媒のバッチのそれの両方の均一性について、それらの限界に達している。
【0005】
それ故、本発明の目的は、ウォッシュコート懸濁液から始まる大幅に均一な厚みを伴う被覆が担体構造に適用され得る方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、プロセスガスによって、担体構造が楕円形に、又はトロイダル形に、好ましくはトロイダル形に循環する担体構造の流動床を作製するように構成される装置を使用する方法によって達成され、前記方法は以下のステップを含む。
a)装置(10)を担体構造で満たすこと、及び、プロセスガス(40)によって担体構造流動床を製造すること、ここで、担体構造は、流動床内で楕円形状に又はトロイダル形状に、好ましくはトロイダル形状に循環する。
b)ウォッシュコート懸濁液とともに流動床内で楕円形状又はトロイダル形状に循環する担体構造を噴霧することによって、担体構造をウォッシュコート懸濁液に含浸させること。
c)ウォッシュコート懸濁液とともに噴霧される担体構造を乾燥すること。
d)ウォッシュコート懸濁液の固体内容物に充填される担体構造を選択的にか焼すること。
【0007】
驚くことに、本発明による方法によって、大幅に均一な層厚みを伴う担体構造が被覆され得るということが確立された。
【0008】
ウォッシュコート懸濁液は、従来技術において知られている。これらは、微粒子型における少なくとも1つの金属酸化物(例えばAl,TiO,ZrO等)である。異なる金属酸化物の混合物もまた使用され得る。金属酸化物は、通常、懸濁化剤、最も多くの場合、水内に分散され、そしてその後、担体に適用される。その適用は、ほとんどの場合、ディッピング又は噴霧方法によって生じる。加えて、さらに、バインダ、フィラ、スタビライザ、プロモータ等のような填料が懸濁液内に含まれ得る。ウォッシュコート懸濁液の適用中または適用後に、これは乾燥され、選択的にか焼される。被覆触媒のプロセス中の使用にしたがって、ウォッシュコートは、例えば、触媒活性物質で、又はさらに、例えば、以下のようなステップにおいて含浸(例えば、ディッピング、噴霧、含浸等)、通常は、さらに乾燥及び、選択的にか焼及び/又は還元ステップが次に起こり得る。
【0009】
本発明による方法において、担体構造が内部で楕円形状又はトロイダル形状に循環する流動床が作製される。その技術分野において、粒子が完全に自由に移動する状態(流動床)への層の粒子の遷移は、ルージングポイント(初期流動化ポイント)と呼ばれ、そして、対応する流動化速度は、ルージングヴェロシティと呼ばれる。本発明によれば、本発明の方法において、流動化速度は、ルージングヴェロシティの4倍までであり、好ましくはルージングヴェロシティの3倍までであり、より好ましくはルージングヴェロシティの2倍までであることが望まれる。
【0010】
本発明による方法のもう1つの実施形態によれば、流動化速度は、ルージングヴェロシティの常用対数の1.4倍までであり、好ましくは、ルージングヴェロシティの常用対数の1.3倍までであり、より好ましくは、ルージングヴェロシティの常用対数の1.2倍までであるということが与えられ得る。
【0011】
本発明による方法の枠組みにおいて、懸濁液に噴霧される担体構造は、好ましくは、プロセスガスによって継続的に乾燥される。しかしながら、別の最終の乾燥ステップが、連続乾燥によって達成されるか焼の後に実施されるということまた与えられ得る。第1の場合に、例えば、乾燥速度及びそれ故、例えばシェルの厚みの均一性は、担体構造のプロセスガスの温度によって設定可能であり、第2の場合に、乾燥は、適した当業者に知られるどのような乾燥方法を使用することによっても実施され得る。
【0012】
本発明による方法を実施するための装置は、例えば、WO2006/027009A1、DE10248116B3、EP0370167A1、EP0436787B1、DE19904147A1、DE202005003791U1に記載され、その内容が参照を通じて本発明に組み入れられる。
【0013】
本発明による望ましいさらに適した流動床ユニットは、例えば、Glatt社(ビンツェン,ドイツ)、Aeromatic-Fielder AG社(ブーベンドルフ,スイス)、Fluid Air INC社(オーロラ,イリノイ,アメリカ)、Oystar Huttlin(uはウムラウト)社(ショプフハイム,ドイツ)、Umang Pharmatech社(マハーラーシュトラ州,インド)及びInnojet Technologies社(シュタイネン,ドイツ)によって販売されている。
【0014】
本発明による方法を実施するための特に望ましい流動床装置は、Innojet(登録商標)Ventilus又はInnojet(登録商標)AirCoater の名称の下でInnojet Technologies社によって販売されている。これらの装置は、その中心に噴霧ノズルが不動に固定して取り付けられる容器底部を伴う円筒状の容器を含む。底部は、上記のステップで互いに配置される環状板からなる。プロセスエアは、円周方向の流れ成分とともに、容器の壁部に向かって外方に、個々のプレートの間で容器内に水平方向で偏って流れる。担体構造が最初に容器の壁部に向かって外方に移送されるいわゆるエア流床ができる。担体構造を上方に偏向させる、垂直に方向付けられたプロセスエアの流れは、容器の壁部に沿って外側に案内される。頂部に到達したことで、担体構造は、底部の中心に向かって戻るおよそ接線経路上で移動し、それらはノズルの噴霧ミストを通過する。噴霧ミストを通過した後で、記述される移動プロセスが再び始まる。記述されるプロセスエアガイドは、担体構造の大幅に均質なトロイダル流動床状の循環移動の基礎を与える。
【0015】
対応する従来の流動床とは異なり、噴霧と流動床における担体構造の流動床状の楕円形状又はトーラス状の循環移動の組合せの効果は、個々の担体構造がおよそ同一の周波数で噴霧ノズルを通過するということである。加えて、循環プロセスはまた、個々の担体構造がそれらの独自の軸について回転し、担体構造が特に均一に被覆されることを推論するということがわかる。
【0016】
本発明による方法において、担体構造は、楕円形状に、又はトロイダル形状に、好ましくはトロイダル形状に、流動床内で循環する。構造が流動床内でどのように移動するかの発想を与えるために、「楕円形循環」の場合において、担体構造が、流動床内で、楕円経路上の垂直平面内で、長軸及び短軸の変化の大きさで、移動することが記述され得る。「トロイダル形循環」の場合において、担体構造は、流動床内で、楕円経路上の垂直平面内で、長軸及び短軸の変化の大きさで、かつ、円経路上の水平面内で、半径の変化の大きさで、移動する。概して、担体構造は、「楕円形循環」の場合に、楕円経路上の垂直面内で移動し、「トロイダル形循環」の場合に、トロイダル形状の経路で移動し、すなわち、担体構造は、垂直状に楕円の部分とともに、トーラス表面を螺旋状に覆う。
【0017】
本発明による方法の望ましい実施形態によれば、装置が、担体構造を受けるために、環状ギャップノズルが中央に配置される底部を伴うプロセスチャンバを含むということを提供される。
【0018】
プロセス工学に関して簡単で、それ故高価にならない方式において、担体構造が楕円形状に又はトロイダル形状に循環する担体構造流動床を作製するために、本発明による方法のさらに望ましい実施形態によれば、プロセスチャンバが、側壁部を含み、プロセスガスが、外方に放射状に並べられる水平移動成分でプロセスチャンバの底部を通じてプロセスチャンバ内に供給され、底部は、好ましくは、環状隙間がその間に構成され、一方が他方に重なりあって位置する環状ガイドプレートで構成されるということが与えられる。
【0019】
プロセスガスが、外方に放射状に並べられる水平移動成分とともにプロセスチャンバ内に供給されるという理由から、流動床内における担体構造の楕円形状の循環が引き起こされる。もし、構造が流動床内でトロイダル形状に循環する場合、担体構造はまた、構造を円形経路上に強制するさらなる円周方向移動成分に受けられなければならない。その構造は、例えば、担体構造を偏向させるために、適切に方向づけられたガイドレールを側壁部に取り付けることによって、この周方向移動成分を受け得る。本発明によるさらなる望ましい実施形態によれば、しかしながら、プロセスチャンバ内に供給されるプロセスガスが周方向の流れの成分を受けるということが与えられる。担体がトロイダル形状に循環する流動床の作製は、それによって、プロセスエンジニアリングに関して簡単な方式で保証される。
【0020】
プロセスチャンバ内に供給されるプロセスガスを円周方向の流れ成分の支配下におくために、本発明によるプロセスの望ましい実施形態によれば、適切に成形され、かつ、方向付けられるプロセスガスガイド要素が、環状ガイドプレートの間に設けられるということが与えられる。これの代わりとして、又は、これに加えて、プロセスチャンバの底部からプロセスチャンバ内に、好ましくは、プロセスチャンバの側部の領域内で、斜め方向の上方に配列される移動成分とともに、追加のプロセスガスを供給することによって、プロセスチャンバ内に供給されるプロセスガスが、円周方向の流れ成分の支配下に置かれる。
【0021】
流動床内を循環する構造が、環状ギャップノズルに噴霧雲を噴霧させることによって、懸濁液とともに噴霧され、噴霧雲の対称性の平面が、装置底部の平面と平行に延び、又は噴霧雲が斜め方向の上方に方向付けられるということが与えられ得る。噴霧雲の360°の外周により、中心方向下方に移動する担体構造は、溶液とともに特に均一に噴霧され得る。環状ギャップノズル、すなわち、その口部は、好ましくは、流動床内に完全に埋め込まれる。トロイダル形状の流動床のプロセスエアは、好ましくは、斜め方向の上方に方向付けされる噴霧方向によって担持される。
【0022】
すでに上述のように、本発明による方法のさらなる望ましい実施形態によれば、環状ギャップノズルが、容器の底部における中心方向に配置され、環状ギャップノズルの口部は、流動床内に完全に埋め込まれる。それによって、噴霧雲の滴によって、それらがサポートに出会うまで覆われる距離は、相対的に短く、したがって、大きな均一な殻厚みの構成に対して作用し得るより大きな滴に融合する滴についての相対的に短い時間が残存する。
【0023】
本発明による方法のさらなる望ましい実施形態によれば、ガスサポートクッションが噴霧雲の下側で作製されるということが与えられ得る。底部のクッションは、底部を、噴霧される懸濁液を大幅に自由にし続け、それは、ほとんど全ての噴霧される懸濁液が、噴霧損失がほとんど生じないという結果を伴って、流動床内に導入されるということを意味する。
【0024】
本発明による方法のさらなる望ましい実施形態によれば、担体構造が、無孔(コンパクト)材料又は混和材、好ましくは、ステアタイト、クオーツ(SiO)、磁器、酸化マグネシウム、二酸化スズ、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ジルコニウム、又は、ケイ酸セリウム、又は上記の2以上の材料の混合物から構成されるということが与えられ得る。
【0025】
本発明による方法の枠組み内で、担体構造の循環中に、これらは、既に被覆されたウォッシュコートの摩耗の度合いの結果となり得る既に被覆された機械的な負荷応力の影響を受ける。特に、構造の摩耗を適度な限度内に維持するために、担体構造は、20N以上、好ましくは、30Nよりも以上、さらに好ましくは、40N以上、最も好ましくは、80N以上の硬度、より具体的には、20から150Nの硬度を有する。硬度は、8M錠剤硬度試験機(Dr Schleuniger Pharmatron AG)によって解明され、130℃で2時間の乾燥後に、99の構造についての平均を決定し、ここで、機器の設定は以下の通りである。
硬度 :N
成形体からの距離 :5.00mm
遅延時間 :0.80s
フィードタイプ :6D
速度 :0.60mm/s
【0026】
費用のために、エアは好ましくは、本発明による方法においてプロセスガスとして使用される。例えば、窒素、メタン、短鎖飽和炭化水素、希ガスの1つ、好ましくは、ヘリウム、ネオン、またはアルゴン、ハロゲン化炭化水素、またはその混合物といった不活性ガスがプロセスガスとして使用されるということも与えられ得る。
【0027】
本発明による方法のさらなる望ましい実施形態によれば、例えばヘリウム、アルゴン等のような高価なガスの上記の全ての場合において、プロセスガスは、クローズドループ内で装置内にリサイクルされ得る。
【0028】
本発明による方法のさらなる望ましい実施形態によれば、担体構造は、懸濁液の適用に先だって及び/又はその間に、例えば、加熱されたプロセスガスによって、加熱される。本発明による方法のさらなる望ましい実施形態によれば、プロセスガスは、好ましくは、40℃以上の温度、より好ましくは、60℃以上の温度、さらに好ましくは、70℃以上の温度、最も好ましくは、60から100℃の温度に加熱される。
【0029】
本発明による方法のさらなる望ましい実施形態によれば、早すぎる乾燥による噴霧雲の滴を防ぐために、装置に供給される前に、懸濁液の懸濁化剤とともに、好ましくは、(プロセス温度で)飽和蒸気圧の10から50%の範囲内で、プロセスガスが濃縮されるということが与えられ得る。
【0030】
本発明による方法のさらなる望ましい実施形態によれば、プロセスガスに加えられる懸濁化剤、及び、乾燥させている構造からの懸濁化剤はまた、適切な冷却凝集体、コンデンサ及びセパレータによってプロセスガスから分離され、ポンプによって、懸濁化剤濃縮機に戻される。
【0031】
担体構造は、球体、筒状、孔のあいた筒状、三葉状、四葉状、リング、ドーナツ、星、車輪、又は、よりひも状、好ましくは、リブ付きのよりひも状又は星形のよりひも状として構成されることが望ましい。
【0032】
さらに、ウォッシュコート懸濁液が、微粒子型におけるTiO、V、及びSbを含むことが望ましい。加えて、又はこれの代わりとして、例えば、SiO、Al、ZrO、ゼオライト、Cr、MoO、WO、Nb、Ta、Fe、のような金属酸化物もまた、懸濁液に含まれ得る。
【0033】
懸濁液は、リン酸化合物、例えば、セシウム化合物のようなアルカリ又はアルカリ土類化合物、及び、有機及び/又は無機結合剤をさらに含むことが望ましい。
【0034】
ウォッシュコート懸濁液は、担体構造としてのリング上に噴霧されることが望ましい。
【0035】
加えて、ウォッシュコート懸濁液は、モリブデン酸鉄を含むことが望ましい。
【0036】
さらに、ウォッシュコート懸濁液は、好ましくは、Cu、Mn又はFeにドープされる、Mo、V、及びW、又は、Mo、V及びNb、又は、Ta及び選択的にTe又はSbの混合酸化物を含むことが望ましい。
【0037】
本発明は、さらに、本発明による方法によって製造されるシェル触媒に関係し、金属酸化物材料を含むシェルが適用される担体構造としての成形体を含み、シェル触媒は、複数のシェル触媒のバッチの要素であり、シェル触媒バッチの殻厚みに対するシェル触媒のバッチの殻厚みの標準偏差の比は、20%以下、好ましくは、15%以下、好ましくは12%以下、そして、より好ましくは、10%以下、又は、3から18%、好ましくは、3から15%である。そのようなシェル触媒が、本発明による方法によって得られる。
【0038】
個々のシェル触媒の殻厚みは、好ましくは、シェル触媒を半分に切断し、そして、顕微鏡で、4ポイントで、90°の間隔で層厚みを決定することによって、平均値として決定される。
【0039】
標準偏差は、以下の式に従って決定される。



【0040】
そのようなシェル触媒のバッチが本発明による方法によって製造され得る。
【0041】
本発明はさらに、担体構造にウォッシュコート懸濁液を適用するために、又は本発明による方法を実施するために、プロセスガスによって、構造が楕円形状に又はトロイダル形状に、好ましくはトロイダル形状に循環する担体構造の流動床を作製するように構築される装置の使用に関する。
【0042】
本発明による使用の望ましい実施形態によれば、装置は、環状ギャップノズルが中心に配置される底部を伴うプロセスチャンバを含むということが与えられる。
【0043】
本発明による使用の望ましい実施形態によれば、プロセスチャンバは、側壁部及び底部を含み、底部は、プロセスガスが、外方に放射状に並べられる水平移動成分に供給され得る環状隙間が構成される、互いに重なって位置するいくつかの重なり合う環状ガイドプレートで構成されるということが与えられる。特に均一な方式で成形体が楕円形状に又はトロイダル形状に循環する流動床の構成は、それによって、製造物の品質における増加とともに、プロセス工学に関して単純な方式において可能になる。
【0044】
構造の噴霧を特に均一にすることを保証するために、さらなる実施形態によれば、ノズルの口部(底面に平行である水平鏡面)は、噴霧雲がそれに噴霧され得るように構成されるということが与えられる。
【0045】
本発明による使用のさらなる望ましい実施形態によれば、斜め方向の上方に方向づけられる噴霧雲、好ましくは、上方に方向付けられる噴霧雲が、ノズルで噴霧され、好ましくは、これはプロセスエアを担持する。
【0046】
噴霧雲の下側でサポートクッションを作製するために、サポートガスのための出口が環状ギャップノズルとその下に位置する底部との間に備えられることがさらに望ましい。底部エアクッションは、底面を噴霧された懸濁液で自由に維持する。
【0047】
本発明による使用のさらに望ましい実施形態によれば、装置内のサポートガスは、環状ギャップノズル自体及び/又はプロセスガスによって与えられる。これらの手段は、サポートガスが、様々な方法で製造されるということを可能にする。サポートガスの形成に寄与するために、噴霧ガスが噴出する、環状ギャップノズル自体に出口が備えられ得る。加えて、又は代わりに、底部を通じて流れるいくらかのプロセスガスは、噴霧雲の下側に向かって案内され、それによって、サポートガスの形成に寄与し得る。
【0048】
本発明のさらなる望ましい実施形態によれば、環状ギャップノズルは、円錐状又は双曲線状の頭部及び円錐状部分の面に沿って延びる口部を有する。それによって、垂直下方に移動する構造は、円錐から円錐の下側の端部内の円形噴霧隙間から噴霧される噴霧雲まで向けられる方式で均一に導かれる。
【0049】
その使用のさらなる望ましい実施形態によれば、口部とその下に位置する底部との間の領域において、好ましくは、サポートガスのための通路開口を有する錐台形状又は双曲線状の壁部が備えられる。この手段は、円錐での前述の調和的な偏向の移動(運動)が、円錐台にわたる継続によって維持され、この領域内で、サポートガスは、通路開口を通じて噴出し、噴霧雲の下側において対応する支持を与えるという利点を有する。
【0050】
本発明による使用のさらなる態様は、プロセスガスの通路のための環状隙間が、円錐台形状又は双曲線状の壁部の下側の間に形成される。この手段は、担体構造の底部のエアクッションへの転送が、特に良く制御され、ノズルのすぐ下の領域内で開始する対象とされる方式において実施され得るという利点を有する。
【0051】
望ましい高さで、流動床内に噴霧雲を導入できるようにするために、ノズルの口部の位置が高さ調整可能であることが望ましい。
【0052】
本発明によるさらなる態様によれば、通過するプロセスガスに周方向の流れ成分を課すガイド要素が、環状のガイドプレートの間に設けられる。
【0053】
以下の例は、本発明を例示する役割を果たす。
(比較例1)
無産フタル酸(PA)触媒
【0054】
いわゆる流動床コータ(Unilab(登録商標), Oystar Huttlin(ショプフハイム,ドイツ))内で、8重量%の活性化された量の内容物を伴い、7.5重量%の五酸化バナジウム、3.2重量%の三酸化アンチモン、0.40重量%のセシウム(セシウムとして計算される)、0.2重量%のリン(リンとして計算される)、二酸化チタンとなる残留物で構成される触媒を製造するために、2600gの8×6×5mmの寸法の中空筒状の形式のステアタイト体が、17.9gの五酸化バナジウム、7.6gの三酸化アンチモン、1.28gの硫酸セシウム、1.9gのリン酸二水素アンモニウム、26m/gのBET表面積を伴う364.4gの二酸化チタン、水及び酢酸/エチレンビニルの共重合体の50%の分散と1000gの水を含む130.5gの共重合体(EP65、Air Products)で被覆された。このために、懸濁液は、80℃で温度制御されたプロセスエアによって作製された流動床上に噴霧された。
【0055】
50の中空筒状体が取り出され、半分に切断され、そして、層厚みは、4ポイント、90°間隔での顕微鏡の下で決定された。中空筒状体の層厚みは、4つの測定値の平均値に対応する。測定された全ての成形体の72%は、158μmの層厚みを有していた。
【0056】
(実施例1)
触媒は、Innojet(シュタイネン,ドイツ)からの名称Innojet(登録商標)AirCoaterの流動床コータで、ステアタイト体がトロイダル形状に循環した流動床が製造された点が異なるが、比較例1と同じように製造された。
【0057】
50の中空筒状体が取り出され、半分に切断され、そして、層厚みは、4ポイント、90°間隔での顕微鏡の下で決定された。中空筒状体の層厚みは、4つの測定値の平均値に対応する。測定された全ての成形体の90%は、130μmの層厚みを有していた。
【0058】
(比較例2)
ホルムアルデヒト(FA)触媒
いわゆる流動床コータ(Unilab(登録商標),Oystar Huttlin(ショプフハイム, ドイツ))内で、20重量%の活性化された量の内容物(成分a))、20重量%の有機結合剤の固体の内容物(成分b))、及び1重量%の無機溶着促進成分(成分c))を伴うホルムアルデヒト触媒を製造するために、5×5×2.5mmの寸法の中空筒状体の形式で、700gのステアタイト体(密度2.7g/cm)が、以下のように製造された懸濁液で被覆された。
【0059】
1100mlの脱塩水が、ガラス容器内に設けられた。184gの活性化された量のパウダ(Fe2(MO4)3とMoO3の混合物、(EP1674156A1の例1により製造された(モル比(Mo:Fe=2.5)))が撹拌とともに懸濁化される。より良い均一化のために、懸濁液は、3分間、Ultra-Turrax(登録商標)で、設定6で処理される。撹拌とともに、9.22gのZrOゾル(20%の固体内容物、Nyacolからの安定化アセテート、商標名NYACOL(登録商標)Zirconia(acetates))が加えられる。懸濁液のpHは、25%アンモニア溶液で、4に設定される。92gの無機結合剤(水及び酢酸/エチレンビニルの共重合体の50%の分散、Air ProductsからのEP65)が懸濁液に加えられ、懸濁液は、撹拌とともに1時間均質化された。
【0060】
被覆のために、懸濁液は、80℃で温度制御されるプロセスエアによって製造される流動床上に噴霧された。
【0061】
50の中空筒状が取り出され、半分に切断され、そして、層厚みは、90°間隔で4ポイントでの顕微鏡の下で決定された。中空筒状体の層厚みは、4つの測定値の平均値に対応する。測定された全ての成形体の74%は、300μmの層厚みを有していた。
【0062】
(実施例2)
触媒は、Innojet(シュタイネン,ドイツ)からの名称Innojet(登録商標)AirCoaterの流動床コータで、ステアタイト体がトロイダル形状に循環した流動床が作製された点が異なるが、比較例2と同じように製造された。
【0063】
50の中空筒状体が取り出され、半分に切断され、そして、層厚みは、4ポイント、90°間隔での顕微鏡の下で決定された。中空筒状体の層厚みは、4つの測定値の平均値に対応する。測定された全ての成形体の88%は、250μmの層厚みを有していた。
【0064】
(比較例3)
アクリル酸触媒
いわゆる流動床コータ(Unilab(登録商標),Oystar Huttlin(uはウムラウト)社(ショプフハイム, ドイツ)内で、20重量%の活性化された量の内容物(成分a))、20重量%の有機結合剤の固体の内容物(成分b))、及び1重量%の無機溶着促進成分(成分c))を伴う触媒を製造するために、5×5×2.5mmの寸法の中空筒状体の形式で、700gのステアタイト体(密度2.7g/cm)が、以下のように製造された懸濁液で被覆された。
【0065】
1100mlの脱塩水が、ガラス容器に設けられる。184gの活性化された量のパウダ(Cu/MoVWO)が撹拌とともに懸濁化される。より良い均一化のために、懸濁液は、3分間、Ultra-Turrax(登録商標)で、設定6で処理される。撹拌とともに、9.22gのZrOゾル(20%の固体内容物、Nyacolからの安定化アセテート、商標名NYACOL(登録商標)Zirconia(acetates))がそれに加えられる。懸濁液のpHは、25%アンモニア溶液で、4に設定される。92gの無機結合剤(水及び酢酸/エチレンビニルの共重合体の50%の分散、Air ProductsからのEP65)が懸濁液に加えられ、懸濁液は、撹拌とともに1時間均質化された。
【0066】
コーティングのために、懸濁液は、80℃で温度制御されるプロセスエアによって製造される流動床上に噴霧された。
【0067】
50の中空筒状体が取り出され、半分に切断され、そして、層厚みは、4ポイント、90°間隔での顕微鏡の下で決定された。中空筒状体の層厚みは、4つの測定値の平均値に対応する。測定された全ての成形体の72%は、2480μmの層厚みを有していた。
【0068】
(実施例3)
触媒は、Innojet社(シュタイネン,ドイツ)からの名称Innojet(登録商標)の流動床コータで、ステアタイト体がトロイダル形状に循環した流動床が製造された点が異なるが、比較例3と同じように製造された。
【0069】
50の中空筒状体が取り出され、半分に切断され、そして、層厚みは、4ポイント、90°間隔での顕微鏡の下で決定された。中空筒状の層厚みは、4つの測定値の平均値に対応する。測定された全ての成形体の92%は、1680μmの層厚みを有していた。
【0070】
本発明による方法の実施のための好ましい装置の以下の記述、及び、担体構造としての触媒担体成形体の運動経路の以下の記述は、図面による本発明についての説明に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1A】本発明による方法を実施するための好ましい装置の縦断面図。
【図1B】図1Aにおいて1Bで囲まれた領域の拡大図。
【図2A】好ましい装置の断面斜視図であって、楕円形状に循環している触媒担体形成体の2つの運動経路が概略的に表されている。
【図2B】図2Aによる好ましい装置及び運動経路の平面図。
【図3A】好ましい装置の断面斜視図であって、トロイダル状に循環している触媒担体形成体の運動経路が概略的に表されている。
【図3B】図3Aによる好ましい装置及び運動経路の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0072】
本発明による方法を実施するための装置10が図1Aに示されている。
【0073】
装置10は、プロセスチャンバ15を取り囲むように直立した筒状の側壁18を備える容器20を備える。
【0074】
プロセスチャンバ15は、下方にブローイングチャンバ30が存在する底部16を備える。
【0075】
底部16は、ガイドプレートとして、全7枚の環状プレートが重ね合わされて構成される。最も外側の環状プレート25が最も下の環状プレートとなり、その上に他の6枚の内側の環状プレートが、それぞれが部分的に重なり合うように載置される方法で、7枚の環状プレートは、配置される。
【0076】
便宜上、全7枚の環状プレートのいくつかのみには、参照番号が付されている(例えば、2つの重なり合う環状プレート26及び27)。この重なり合い及び隙間によって、2つの環状プレート間毎に環状の隙間28が形成され、プロセスガスとして窒素/水素混合物40が水平に調整された運動成分を伴ってその隙間(底部16)を通過する。
【0077】
環状ギャップノズル50は、最上層に位置する内側の環状プレートの中央の開口部に下から差し込まれている。環状ギャップノズル50は、全3つの開口ギャップ52,53,54から構成される開口部55を備える。全3つの開口ギャップ52,53,54は、底部16に対して略平行に(つまり、水平に)噴霧するために調整され、360°の角度を網羅している。代わりに、噴霧ノズルは、噴霧円錐が斜め方向の上方に延びるような方式で構成され得る。噴霧エアは、上側のギャップ52と下側のギャップ54とによって押し出され、噴霧される懸濁液は、中央のギャップ53を通して押し出される。
【0078】
環状ギャップノズル50は、下方へ向かって延び、対応する導管と、それ自体が知られ、それ故図面に表示されていない供給ラインとを含む棒状体56を備える。環状ギャップノズル50は、ノズルの詰まりを回避するために、例えば、いわゆる回転する環状のギャップ(溶液が吹き出される導管の壁が互いに関連して回転するもの)から形成され、360°の周方向の角度にわたるギャップ53から均一に噴霧することが可能である。
【0079】
環状ギャップノズル50は、開口ギャップの上方に円錐状頭部57を備える。
【0080】
開口ギャップ54より下の領域には、多数の開口59を備える円錐台状壁部58がある。特に、図1Bに示すように、円錐台状壁部58の下側には、プロセスエア40がサポートガスとして通過する隙間60(円錐台状壁部58の下側と、その下に部分的に重なるように重ね合わされている環状プレート29との間)が形成されるような方法で、最も内側の環状プレート29が配置されている。
【0081】
外側リング25は、壁部18から離れた位置にあり、その結果、参照番号61が付された矢印の向きで、プロセスエア40が主として垂直成分を伴ってプロセスチャンバ15に入り、これにより、隙間28を通ってプロセスチャンバ15に入るプロセスエア40の急激に上向きに調整された運動成分を生じさせる。
【0082】
図1Aの右側半分は、進入後に、どのような関係が装置10内で構成するかを示す。
【0083】
噴霧雲70(水平な鏡面が底部面に対して平行する)は、開口ギャップ53から現れる。円錐台状壁部58の開口59を通過する担体エア(例えば、プロセスエア40)は、噴霧雲70の下側に支持ガス流72を形成する。プロセスエア40を上向きに偏向させる壁部18に向かう放射状の流れ(参照番号74が付された矢印で表される)は、多数の隙間28を通過するプロセスエア40によって形成される。形成体は、壁部18の領域で、偏向されたプロセスエア40によって上方へ導かれる。互いに分離した状態で処理されるプロセスエア40及び触媒担体形成体(プロセスエア40は、排出口を通って排出される)は、形成体が矢印75で示されるように放射状に内側へ運動する間、重力に起因して、環状ギャップノズル50の円錐状頭部57へ向かって、垂直に下方へ運動する。下方に移動する形成体は、そこで偏向され、噴霧雲70の上側へ運ばれ、噴霧された媒体と共にそこで処理される。そして、噴霧された形成体は、再び壁部18に移動し、プロセス中に互いに離れる(噴霧雲70を残した後、環状開口ギャップ53では、形成体に対して非常に大きいスペースが利用できる)。噴霧雲70の領域では、処理される形成体が噴霧された懸濁液に接触し、壁部18に向かう運動の向きに動かされ、互いに離れて残存し、加熱されたプロセスエア40及び乾燥手段によって、とても均一且つ調和的に処理(例えば乾燥)される。
【0084】
触媒担体形成体を楕円形状で循環させる2つの可能な運動経路は、参照番号210及び220の曲線によって、図2Aに示される。楕円形状の運動経路210は、理想的な楕円形状の経路と比較した大小の軸のサイズで、比較的大きい変化を示す。一方、楕円形状の運動経路220は、大小の軸のサイズで、比較的小さい変化を示し、図2Bで見られるように、円周(水平な)の運動成分なしで理想的な楕円形状の経路に近く描かれる。
【0085】
トロイダル形状に循環している触媒担体形成体の可能な運動経路は、参照番号310の曲線によって、図3Aに示される。トロイダル形状に動く運動経路310は、ほほ均一な円環面からの表面の切断面、楕円形状の縦断面、及び、環状の水平断面を描く。図3Bは、平面視における運動経路310を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウォッシュコート懸濁液を担体構造に適用するための方法であって、プロセスガス(40)によって、担体構造が楕円形状又はトロイダル形状、好ましくはトロイダル形状に循環する担体構造の流動床を作製するように構成される装置を使用して実施され、
a)装置(10)を担体構造で満たすこと、及び、プロセスガス(40)によって担体構造流動床を作製すること、ここで、担体構造は、流動床内で楕円形状に又はトロイダル形状に、好ましくはトロイダル形状に循環し、
b)ウォッシュコート懸濁液とともに流動床内で楕円形状又はトロイダル形状に循環する担体構造を噴霧することによって、担体構造をウォッシュコート懸濁液に含浸させること、
c)ウォッシュコート懸濁液とともに噴霧される担体構造を乾燥すること、
d)ウォッシュコート懸濁液の固体内容物に充填される担体構造を選択的にか焼すること、
を含む方法。
【請求項2】
装置(10)は、環状ギャップノズル(50)が中心に配置される底部(16)を伴うプロセスチャンバ(15)を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
プロセスチャンバ(15)は、側壁部(18)をさらに含み、プロセスチャンバ(15)は、外方に放射状に並べられる水平移動成分とともに、プロセスチャンバ(15)の底部を通じてプロセスチャンバ(15)内に供給され、底部は、担体構造流動床を作製するために、環状隙間(28)が間に形成される、1つが他の1つに重なって位置するいくつかの重なり合う環状ガイドプレートで好ましくは構成されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
プロセスチャンバ(15)内に供給されるプロセスガス(40)が周方向の流れ成分を受けることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
プロセスチャンバ(15)内に供給されるプロセスガス(40)が、環状ガイドプレート(25,26,27,29)の間に設けられるガイド要素によって、周方向の流れ成分を受けることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
プロセスチャンバ(15)の底部からプロセスチャンバ(15)内に、好ましくは、プロセスチャンバ(15)の側壁部(18)の領域内で、斜め方向の上方に並べられる移動成分とともに、追加のプロセスガス(61)を供給することによって、プロセスチャンバ(15)に供給されるプロセスガス(40)が周方向の流れの成分を受けることを特徴とする請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
環状ギャップノズル(50)が底面(16)に対して平行となる噴霧雲(70)を霧化することを特徴とする請求項2から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
環状ギャップノズル(50)の口部(55)が流動床内に組み入れられることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ガスサポートクッション(72)が噴霧雲(70)の下側に作製されることを特徴とする請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
無孔材料又は混合材料から、好ましくは、ステアタイト、クオーツ(SiO2)、磁器、マグネシウム酸化物、二酸化スズ、炭化ケイ素、ルチルクオーツ、アルミナ(Al23)、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ジルコニウムから、又は、ケイ酸セリウムから、又は上記の材料の2以上の混合物から担体構造が形成されることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
担体構造は、20N以上、好ましくは、30N以上、さらに好ましくは、40N以上、最も好ましくは、80N以上の硬度を有することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
プロセスガス(40)は、空気、酸素、窒素、及び希ガス、好ましくはヘリウム及びアルゴンからなる群から選択されることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
プロセスガス(40)は、好ましくは40℃以上の温度、より好ましくは、60℃以上の温度、さらに好ましくは70℃以上の温度、及び、最も好ましくは、60から100℃の温度に加熱されることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
プロセスガス(40)は、ウォッシュコート懸濁液の懸濁化剤とともに、好ましくは飽和蒸気圧の10から50%の範囲で、プロセスチャンバ(15)に供給される前に濃縮されることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
担体構造は、球、筒状、孔のあいた筒状、三葉状、四葉状、リング、ドーナツ、星、車輪、又はよりひも状、好ましくは、リブ付きのよりひも状、又は星形のよりひも状に構成されることを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
ウォッシュコート懸濁液は、微粒子型で、TiO、V、及びSbを含むことを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
懸濁液は、リン酸化合物、アルカリ及び/又はアルカリ土類化合物、及び、有機及び/又は無機結合剤をさらに含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
ウォッシュコート懸濁液は、担体構造としてのリング上に噴霧されることを特徴とする請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
ウォッシュコート懸濁液は、モリブデン酸鉄を含むことを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
ウォッシュコート懸濁液は、、好ましくは、Cu、Mn、Feでドープされる、Mo、V及びW、又はMo、V及びNb、又はTe又はSbが選択できるのと同様に、Taの混合酸化物を含む請求項1から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
金属酸化物材料を含むシェルが適用される形成体を含み、シェル触媒が、複数のシェル触媒のバッチの要素であり、シェル触媒のバッチの殻厚みに平均値に対するシェル触媒のバッチの殻厚みの標準偏差の比が20%以下、好ましくは15%以下、好ましくは12%以下、及び、より好ましくは、10%以下、又は、3から18%、好ましくは3から15%であることを特徴とする請求項1から20のいずれか1項に記載の方法で製造されるシェル触媒。
【請求項22】
担体構造にウォッシュコート懸濁液を適用するため、又は、請求項1から20のいずれか1項に記載の方法を実施するために、プロセスガス(40)によって、担体構造が楕円形状又はトロイダル形状、好ましくはトロイダル形状に循環する担体構造の流動床を作製するために構成される装置(10)の使用。
【請求項23】
装置(10)は、環状ギャップノズル(50)が中心に配置される底部(16)を伴うプロセスチャンバ(15)を含むことを特徴とする請求項22に記載の使用。
【請求項24】
プロセスチャンバ(15)は、側壁部(18)をさらに含み、プロセスガス(40)が外方に放射状に配列される水平移動成分ともに供給され得る環状隙間(28)が間に構成される、1つが他の1つに重なるいくつかの重なり合う環状ガイドプレート(25,26,27,29)で底部(16)が構築されることを特徴とする請求項23に記載の使用。
【請求項25】
環状ギャップノズル(50)の口部(55)が、ノズル(50)とともに、底面に対して平行となる噴霧雲(70)が噴霧され得るように構成されることを特徴とする請求項23又は24に記載の使用。
【請求項26】
噴霧雲(70)の下側にサポートクッションを製造するために、サポートガスのための出口(59)が、環状ギャップノズル(50)の口部(55)及びその下に位置する底部(16)との間に備えられることを特徴とする請求項25に記載の使用。
【請求項27】
サポートガスは、環状ギャップノズル(50)自体によって及び/又はプロセスガス(40)によって与えられ得る請求項26に記載の使用。
【請求項28】
環状ギャップノズル(50)は、円錐状の頭部(57)を有し、口部(55)は、円錐部の円周方向の線に沿って延びることを特徴とする請求項23から27のいずれか1項に記載の使用。
【請求項29】
ノズル(50)の口部(55)とその下に位置する底部(16)との間の領域に配置される、好ましくは、サポートガスのための通路開口(59)を有する円錐台状又は双曲線状の壁部(58)があることを特徴とする請求項23から28のいずれか1項に記載の使用。
【請求項30】
プロセスガス(40)の通路のための環状隙間(60)が、円錐台状の又は双曲線状の壁部(58)の下側とその下に位置する底部(16)との間に形成されることを特徴とする請求項29に記載の使用。
【請求項31】
ノズル(50)の口部(55)の位置が高さ調整可能であることを特徴とする請求項23から30のいずれか1項に記載の使用。
【請求項32】
通過するプロセスガスに周方向の流れ成分を課すガイド要素が、環状ガイドプレート(25,26,27,29)の間に配置されることを特徴とする請求項24から31のいずれか1項に記載の使用。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【公表番号】特表2010−527781(P2010−527781A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−509752(P2010−509752)
【出願日】平成20年6月2日(2008.6.2)
【国際出願番号】PCT/EP2008/004398
【国際公開番号】WO2008/145405
【国際公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(508131358)ズード−ケミー アーゲー (30)
【Fターム(参考)】