説明

ウレタン発泡成形体およびその製造方法

【課題】 放熱性に優れたウレタン発泡成形体、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 ウレタン発泡成形体は、ポリウレタンフォームの樹脂骨格と、該樹脂骨格中に含有され、互いに連接して配向している磁性体粒子と、非磁性体からなり、少なくとも一部が該樹脂骨格の表面に露出している熱伝導性粒子と、を有する。また、ウレタン発泡成形体の製造方法を、発泡ウレタン樹脂原料と、オイルと、磁性体粒子と、熱伝導性粒子と、を含む原料を、発泡型のキャビティ内に注入する原料注型工程と、該キャビティ内の磁束密度が略均一になるように磁場をかけながら発泡成形する発泡成形工程と、を有するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放熱性に優れたウレタン発泡成形体、およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器には、CPU(Central Processing Unit)等の発熱を伴う電子部品が使用される。電子部品の発熱が大きくなると、誤作動や製品寿命の低下を招くおそれがある。そこで、電子部品の温度上昇を抑制するために、熱伝導率が大きい銅やアルミニウム製のヒートシンクが使用される。この際、電子部品とヒートシンクとの間には、電子部品において発生した熱をヒートシンクに効率良く伝達するために、熱伝達部材が介装される。よって、電子部品において発生した熱は、熱伝達部材を介して、ヒートシンクの放熱面から放出される。
【0003】
例えば、柔軟なウレタン発泡成形体を熱伝達部材として用いると、電子部品、ヒートシンク双方への密着性が高まると共に、電子部品に対する衝撃を低減することができる。しかし、ウレタン発泡成形体は、内部に多数のセル(気泡)を有する。このため、通常のウレタン発泡成形体の場合、熱伝導率が小さく、放熱性に乏しい。したがって、例えば特許文献3、4に開示されているように、放熱性を向上させたウレタン発泡成形体が、開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−80629号公報
【特許文献2】特開2000−101005号公報
【特許文献3】特開2009−51148号公報
【特許文献4】特開2009−178968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献3、4に開示されているように、ポリウレタンフォーム中に、磁性体粒子を互いに連接した状態で配向させると、磁性体粒子の配向方向に、熱の伝達経路が形成される。これにより、ウレタン発泡成形体の放熱性が向上する。よって、当該ウレタン発泡成形体を熱伝達部材として用いると、電子部品において発生した熱を、ヒートシンクに効率良く伝達することができる。一方、部材点数およびコストの削減、軽量化等の観点から、ヒートシンク等の複数の部材で行っている放熱対策を、一つの部材で実現できることが望ましい。しかしながら、従来のウレタン発泡成形体のみでは、充分な放熱効果が得られない。
【0006】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、放熱性に優れたウレタン発泡成形体、およびその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記課題を解決するため、本発明のウレタン発泡成形体は、ポリウレタンフォームの樹脂骨格と、該樹脂骨格中に含有され、互いに連接して配向している磁性体粒子と、非磁性体からなり、少なくとも一部が該樹脂骨格の表面に露出している熱伝導性粒子と、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明のウレタン発泡成形体は、磁性体粒子に加えて、磁性体粒子よりも熱伝導率が大きい熱伝導性粒子を有する。本発明のウレタン発泡成形体は、磁性体粒子および熱伝導性粒子の両方の作用により、高い放熱性を有する。すなわち、第一に、磁性体粒子は、互いに連接して配向している。これにより、磁性体粒子の配向方向に、熱の伝達経路が形成される。よって、本発明のウレタン発泡成形体の一端に加わった熱は、磁性体粒子を介して配向方向の他端に伝達され、他端から放出される。第二に、熱伝導性粒子のうち、少なくとも一部の粒子は、樹脂骨格の表面に露出している。これにより、磁性体粒子による熱伝達経路を伝達してきた熱が、熱伝導性粒子を介して樹脂骨格の表面まで到達して、放出される。
【0009】
ここで、熱伝導性粒子としては、樹脂骨格の表面に露出している粒子の他に、露出せず樹脂骨格の中に分散されている粒子があってもよい。また、露出の態様には、粒子全体が露出している態様、および粒子の一部のみが露出している態様の両方が含まれる。また、磁性体粒子は、ある規則性を持って所定の方向に配置されていればよい。例えば、ウレタン発泡成形体の一端と他端(一端に対して180°対向した端部でなくてもよい)との間に直線状に配置されていても、曲線状に配置されていてもよい。また、中心から外周に向かって放射状に配置されていてもよい。
【0010】
本発明のウレタン発泡成形体は、放熱性に優れる。したがって、本発明のウレタン発泡成形体によると、ヒートシンクを用いなくても、電子部品等の熱源において発生した熱を、充分に放熱することができる。このため、従来の構成と比較して、部品点数が少なくなり、コストを削減することができる。また、軽量化を図ることができる。また、本発明のウレタン発泡成形体においては、微細な熱伝導性粒子の少なくとも一部が、樹脂骨格の表面に露出した状態で分散している。したがって、例えば、放熱面に熱伝導率の大きな皮膜を形成した態様と比較して、ウレタン発泡成形体本来の柔軟性を阻害しにくい。このため、本発明のウレタン発泡成形体は、圧縮、引張等による変形が可能であり、組み付け性にも優れる。
【0011】
(2)本発明のウレタン発泡成形体の製造方法は、上記(1)の構成のウレタン発泡成形体の製造方法であって、発泡ウレタン樹脂原料と、オイルと、前記磁性体粒子と、前記熱伝導性粒子と、を含む原料を、発泡型のキャビティ内に注入する原料注型工程と、該キャビティ内の磁束密度が略均一になるように磁場をかけながら発泡成形する発泡成形工程と、を有することを特徴とする。
【0012】
本発明の製造方法においては、原料にオイルを含む。オイルは、発泡ウレタン樹脂原料との相溶性に乏しい。よって、オイルは、発泡ウレタン樹脂原料から分離しやすい。このため、発泡成形中に、オイルが樹脂骨格の表面にしみ出しやすい。一方、熱伝導性粒子も、発泡ウレタン樹脂原料との相溶性に乏しい。また、磁場の影響を受けにくい。よって、熱伝導性粒子は、発泡成形中に、オイルと共に樹脂骨格の表面に移動する。このように、本発明の製造方法によると、オイルのブリード性を利用して、熱伝導性粒子の少なくとも一部が樹脂骨格の表面に露出した上記本発明のウレタン発泡成形体を、容易に製造することができる。また、オイルの種類や配合量、添加する触媒等により、発泡、硬化反応の速度を変化させることができる。これにより、発泡ウレタン樹脂原料とオイルとの分離を促進させて、熱伝導性粒子の分散状態を調整することができる。
【0013】
また、発泡成形工程においては、キャビティ内の磁束密度が略均一な磁場中で発泡成形を行う。これにより、磁束密度の違いによる磁性体粒子の偏在を、抑制することができる。したがって、ウレタン発泡成形体の全体に亘り、均一に熱の伝達経路を形成しやすい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、放熱性に優れたウレタン発泡成形体、およびその簡便な製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第一実施形態のウレタン発泡成形体の斜視図である。
【図2】第二実施形態のウレタン発泡成形体の斜視図である。
【図3】実施例において、ウレタン発泡成形体の製造に使用した磁気誘導発泡成形装置の斜視図である。
【図4】同磁気誘導発泡成形装置の断面図である。
【図5】実施例1のウレタン発泡成形体の厚さ方向(磁場方向)断面のSEM写真である。
【図6】実施例2のウレタン発泡成形体の厚さ方向(磁場方向)断面のSEM写真である。
【図7】温度差測定用の実験装置の概略断面図である。
【図8】パラフィン系プロセスオイルの配合量と表面抵抗率との関係を示すグラフである。
【図9】パラフィン系プロセスオイルの配合量と温度差との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明のウレタン発泡成形体およびその製造方法の実施形態について説明する。なお、本発明のウレタン発泡成形体およびその製造方法は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
【0017】
<ウレタン発泡成形体>
本発明のウレタン発泡成形体は、ポリウレタンフォームの樹脂骨格と、磁性体粒子と、熱伝導性粒子と、を有する。ポリウレタンフォームは、ポリイソシアネート成分およびポリオール成分等を含む発泡ウレタン樹脂原料から製造される。発泡ウレタン樹脂原料の詳細は、後述する本発明のウレタン発泡成形体の製造方法において説明する。
【0018】
樹脂骨格により、セルが区画されている。樹脂骨格中には、互いに連接して配向している磁性体粒子が含有されている。磁性体粒子は、磁化特性に優れた粒子であることが望ましい。例えば、鉄、ニッケル、コバルト、ガドリニウム、ステンレス鋼、マグネタイト、マグヘマイト、マンガン亜鉛フェライト、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等の強磁性体、MnO、Cr、FeCl、MnAs等の反強磁性体、およびこれらを用いた合金類の粒子が好適である。なかでも、微細な粒子として入手しやすく、飽和磁化が高いという観点から、鉄、ニッケル、コバルト、およびこれらの鉄系合金(ステンレス鋼を含む)の粉末が好適である。
【0019】
磁性体粒子の粒子径が小さい程、発泡ウレタン樹脂原料と混合した時の分散性、磁場による配向性が向上する。加えて、発泡反応時における破泡作用が大きくなる。これにより、樹脂骨格が、磁場の方向に筋状に延びる構造になりやすい。この場合、磁性体粒子は、筋状に延びた樹脂骨格中に、互いに連接した状態で配置される。よって、樹脂骨格に沿って、熱がより伝達されやすくなる。例えば、磁性体粒子の粒子径を、100μm以下とすることが望ましい。なお、ここでは、磁性体粒子の最大長さを粒子径とする。
【0020】
磁性体粒子は、磁場により配向する粒子であればよい。よって、例えば、上記磁化特性に優れた粒子と、他の粒子と、を複合化させた複合粒子であってもよい。放熱性を向上させるという観点から、上記磁化特性に優れた粒子に、熱伝導率が比較的大きな粒子を複合化させるとよい。
【0021】
複合粒子は、湿式での静電吸着法や、乾式での粉砕混合法、攪拌造粒法、メカノケミカル法等により製造することができる。例えば、攪拌造粒法においては、所定の粒子、および粒子同士を接着するためのバインダーを含む原料を、高速攪拌して造粒する。攪拌造粒法によると、粒子同士を、バインダーによりソフトに接着させることができる。バインダーの種類は、粒子の種類、発泡成形への影響等を考慮して、適宜選択すればよい。複合粒子の製造時には、高速攪拌により摩擦熱が生じる。このため、バインダーとしては、揮発性の無いものが望ましい。また、環境面を考慮すると、水系のバインダーが好適である。水系のバインダーとしては、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
【0022】
磁性体粒子の含有量は、放熱性を向上させるという観点から、ウレタン発泡成形体の体積を100体積%とした場合の3体積%以上であることが望ましい。10体積%以上であるとより好適である。一方、発泡反応に対する影響やコスト等を考慮して、磁性体粒子の含有量は、30体積%以下であることが望ましい。20体積%以下であるとより好適である。
【0023】
熱伝導性粒子は、非磁性体であって、磁性体粒子よりも熱伝導率が大きい粒子であればよい。本明細書では、上記強磁性体および反強磁性体以外の、反磁性体および常磁性体を、非磁性体と称す。例えば、熱伝導性粒子の熱伝導率は、200W/m・K以上であることが望ましい。500W/m・K以上であるとより好適である。熱伝導性粒子としては、例えば、銅、アルミニウム、およびこれらを母材とする合金等が好適である。これらの一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
【0024】
熱伝導性粒子の形状は、特に限定されない。しかし、発泡反応時に樹脂骨格の表面に移動しやすいという観点から、熱伝導性粒子は、薄片状を呈していることが望ましい。また、熱伝導性粒子の大きさ(最大長さ)は、発泡反応に対する影響等を考慮して決定すればよい。例えば、最大長さが1mm以下のものを使用するとよい。
【0025】
熱伝導性粒子の含有量は、発泡反応に対する影響、放熱性の向上効果等を考慮して、決定すればよい。例えば、発泡反応に対する影響やコスト等を考慮すると、熱伝導性粒子の含有量を、ウレタン発泡成形体の体積を100体積%とした場合の10体積%以下とすることが望ましい。5体積%以下とするとより好適である。一方、放熱性の向上効果を得るためには、熱伝導性粒子の含有量を、1体積%以上とすることが望ましい。3体積%以上とするとより好適である。
【0026】
本発明のウレタン発泡成形体においては、熱伝導性粒子のうちの少なくとも一部の粒子が、樹脂骨格の表面に露出していればよい。すなわち、上述したように、熱伝導性粒子としては、樹脂骨格の表面に露出している粒子の他に、露出せず樹脂骨格の中に分散されている粒子があってもよい。また、熱伝導性粒子を、熱を外部に放出させるための放熱面の近傍に偏在させてもよい。この場合、放熱面近傍に偏在した熱伝導性粒子が、放熱フィンのような役割を果たす。つまり、放熱面において、樹脂骨格の表面まで到達させた熱を、効率良く放出することができる。
【0027】
本発明のウレタン発泡成形体の形状は、用途に応じて適宜決定すればよい。放熱面の表面積を大きくすると、ウレタン発泡成形体の放熱性がより向上する。このため、例えば、本発明のウレタン発泡成形体を、凹凸部を有するように構成することが望ましい。そして、当該凹凸部の表面が放熱面に含まれる態様が望ましい。図1に、本態様の第一実施形態のウレタン発泡成形体の斜視図を示す。図1に示すように、ウレタン発泡成形体5は、波形部50を有している。波形部50は、ウレタン発泡成形体5の上部に配置され、前後方向に連続する断面波形を呈している。波形部50の表面は、ウレタン発泡成形体5の放熱面である。波形部50は、本発明における凹凸部に含まれる。一方、ウレタン発泡成形体5の下方には、発熱部材9(図1中、一点鎖線で示す)が配置されている。下面51は、ウレタン発泡成形体5の受熱面である。
【0028】
発熱部材9において発生した熱は、下面51からウレタン発泡成形体5に伝達される。ウレタン発泡成形体5においては、磁性体粒子が、上下方向に互いに連接して配向している。よって、下面51から伝達された熱は、磁性体粒子を介して上方に伝達される。また、ウレタン発泡成形体5の樹脂骨格の表面には、熱伝導性粒子が露出している。よって、磁性体粒子により伝達された熱は、熱伝導性粒子を介して樹脂骨格の表面に到達しやすい。このようにして、下面51から伝達された熱は、磁性体粒子および熱伝導性粒子を介して、ウレタン発泡成形体5の上部、すなわち波形部50の表面から放出される。
【0029】
本実施形態では、ウレタン発泡成形体5の上部に波形部50が配置されている。このため、放熱面が平坦な場合と比較して、放熱面の表面積が大きい。したがって、本実施形態によると、放熱性がより向上する。
【0030】
図2に、本態様の第二実施形態のウレタン発泡成形体の斜視図を示す。図2中、図1と対応する部位については同じ符号で示す。図2に示すように、ウレタン発泡成形体5は、凹凸部52を有している。凹凸部52は、ウレタン発泡成形体5の上部に配置されている。凹凸部52は、平面部520と、円錐形状の多数の突起521と、を有している。凹凸部52の表面は、ウレタン発泡成形体5の放熱面である。また、ウレタン発泡成形体5の下方には、上記第一実施形態と同様に、発熱部材9が配置されている。
【0031】
発熱部材9において発生した熱は、下面51からウレタン発泡成形体5に伝達される。ウレタン発泡成形体5においては、磁性体粒子が、上下方向に互いに連接して配向している。よって、下面51から伝達された熱は、磁性体粒子を介して上方に伝達される。また、熱伝導性粒子は、凹凸部52の近傍、すなわちウレタン発泡成形体5の上部に偏在している。そして、ウレタン発泡成形体5の樹脂骨格の表面に、露出している。よって、磁性体粒子により伝達された熱は、熱伝導性粒子を介して、凹凸部52近傍の樹脂骨格の表面に到達しやすい。このようにして、下面51から伝達された熱は、磁性体粒子および熱伝導性粒子を介して、凹凸部52の表面から放出される。
【0032】
本実施形態では、ウレタン発泡成形体5の上部に凹凸部52が配置されている。このため、放熱面が平坦な場合と比較して、放熱面の表面積が大きい。また、熱伝導性粒子が、凹凸部52の近傍に偏在している。したがって、本実施形態によると、放熱性がより向上する。
【0033】
以上、二つの実施形態を示したが、凹凸部の態様は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、第一実施形態において、曲線状の波形を断面矩形状の波形に変更してもよい。また、第二実施形態において、突起の形状を柱状、板状等に変更してもよい。
【0034】
<ウレタン発泡成形体の製造方法>
本発明のウレタン発泡成形体の製造方法は、原料注型工程と発泡成形工程とを有する。以下、各工程について説明する。
【0035】
(1)原料注型工程
本工程は、発泡ウレタン樹脂原料と、オイルと、磁性体粒子と、熱伝導性粒子と、を含む原料を、発泡型のキャビティ内に注入する工程である。
【0036】
発泡ウレタン樹脂原料は、ポリオール、ポリイソシアネート等の既に公知の原料から調製すればよい。ポリオールとしては、多価ヒドロキシ化合物、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリマーポリオール類、ポリエーテルポリアミン類、ポリエステルポリアミン類、アルキレンポリオール類、ウレア分散ポリオール類、メラミン変性ポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、アクリルポリオール類、ポリブタジエンポリオール類、フェノール変性ポリオール類等の中から適宜選択すればよい。また、ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、およびこれらの誘導体(例えばポリオール類との反応により得られるプレポリマー類、変成ポリイソシアネート類等)等の中から適宜選択すればよい。
【0037】
発泡ウレタン樹脂原料には、さらに、触媒、発泡剤、整泡剤、可塑剤、架橋剤、難燃剤、帯電防止剤、減粘剤、安定剤、充填剤、着色剤等を適宜配合してもよい。例えば、触媒としては、テトラエチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ジメチルエタノールアミン等のアミン系触媒や、ラウリン酸錫、オクタン酸錫等の有機金属系触媒が挙げられる。また、発泡剤としては水が好適である。水以外には、塩化メチレン、フロン類、COガス等が挙げられる。また、整泡剤としてはシリコーン系整泡剤が、架橋剤としてはトリエタノールアミン、ジエタノールアミン等が好適である。
【0038】
オイルは、発泡ウレタン樹脂原料と分離しやすく、発泡反応に影響を与えにくいという観点から、発泡ウレタン樹脂原料との相溶性に乏しいものが望ましい。相溶性の良否は、例えば、SP値(溶解度パラメータ)を指標とすることができる。すなわち、互いのSP値が離れている程、両者の相溶性は低い。一般に、ウレタンゴムのSP値は、10程度である。よって、SP値が7〜9.5のオイルを用いることが望ましい。このようなオイルとしては、鉱物油のパラフィン系オイル、ナフテン系オイルが挙げられる。なかでも、パラフィン系オイルは、SP値が7〜8.5であり、ブリードしやすいため好適である。
【0039】
オイルは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。オイルの配合量は、ポリオール成分の100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下であることが望ましい。1質量部未満の場合には、熱伝導性粒子を樹脂骨格の表面に露出させる効果を充分に得られない。一方、10質部を超えると、発泡、硬化反応への影響が大きくなり、成形性が悪化するおそれがある。
【0040】
磁性体粒子および熱伝導性粒子の種類等については、上記本発明のウレタン発泡成形体の説明において述べた通りである。よって、ここでは説明を省略する。発泡型のキャビティへ注入される原料の状態は、特に限定されない。すなわち、例えば、発泡ウレタン樹脂原料、オイル、磁性体粒子、および熱伝導性粒子を、予め混合して原料を調製しておき、当該原料をキャビティに注入してもよい。この場合、磁性体粒子および熱伝導性粒子の分散性を向上させるため、予め、発泡ウレタン樹脂原料とオイルとを混合したものに、磁性体粒子および熱伝導性粒子を添加して、原料を調製するとよい。また、発泡ウレタン樹脂原料と磁性体粒子とを混合した第一原料と、オイルに熱伝導性粒子を分散させた第二原料と、を混合せず別々にキャビティ内に注入してもよい。このようにして注入された原料を発泡成形させると、ウレタン発泡成形体中に、熱伝導性粒子を容易に偏在させることができる。
【0041】
(2)発泡成形工程
本工程は、先の原料注型工程にて発泡型のキャビティ内に注入された原料を、キャビティ内の磁束密度が略均一になるように磁場をかけながら発泡成形する工程である。
【0042】
磁場は、磁性体粒子を配向させる方向に形成すればよい。例えば、磁性体粒子を直線状に配向させる場合、発泡型のキャビティ内の磁力線が、キャビティの一端から他端に向かって略平行になるよう形成することが望ましい。また、磁場を構成する磁力線は閉ループを形成していることが望ましい。こうすることで、磁力線の漏洩が抑制され、キャビティ内に安定した磁場を形成することができる。
【0043】
本工程において、磁場は、キャビティ内の磁束密度が略均一になるように形成される。例えば、キャビティ内の磁束密度の差は、±10%以内であるとよい。±5%以内、さらには±3%以内であるとより好適である。キャビティ内に一様な磁場を形成することで、磁性体粒子の偏在を抑制することができ、所望の配向状態を得ることができる。また、発泡成形は、200mT以上の磁束密度で行うとよい。こうすることで、原料中の磁性体粒子が、配向しやすくなる。
【0044】
磁場は、発泡ウレタン樹脂原料の粘度が比較的低い間にかけられることが望ましい。発泡ウレタン樹脂原料が増粘し、発泡成形がある程度終了した時に磁場をかけると、磁性体粒子が配向しにくくなる。なお、発泡成形を行う時間のすべてにおいて磁場をかける必要はない。本工程にて発泡成形が終了した後、脱型して、本発明のウレタン発泡成形体を得る。
【実施例】
【0045】
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0046】
<磁性体粒子の製造>
ステンレス鋼粉末と黒鉛粉末とを複合化して、磁性体粒子を製造した。まず、ステンレス鋼粉末(SUS430、球状、平均粒子径10μm)と、黒鉛粉末(薄片状、平均粒子径130μm、熱伝導率250W/m・K)と、バインダーとしてのヒドロキシプロピルメチルセルロースと、を高速攪拌型混合造粒機((株)奈良機械製作所製「NMG−10L」)の容器内へ投入して、約3分間混合した。黒鉛粉末とステンレス鋼粉末との配合割合は、質量比で1:1.75とした。また、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの配合割合は、黒鉛粉末およびステンレス鋼粉末の合計質量を100質量%とした場合の、2質量%とした。次に、水を添加して、さらに20分間混合した。得られた粉末を乾燥して、黒鉛粒子の表面に、ステンレス鋼粒子が付着した複合粒子(磁性体粒子)を得た。
【0047】
<ウレタン発泡成形体の製造>
[実施例]
まず、ポリオール成分のポリエーテルポリオール(住化バイエルウレタン(株)製「S−0248」、平均分子量6000、官能基数3、OH価28mgKOH/g)100質量部に、架橋剤のジエチレングリコール(三菱化学(株)製)2質量部、発泡剤の水2質量部、テトラエチレンジアミン系触媒(花王(株)製「カオーライザー(登録商標)No.31」)1.5質量部、およびシリコーン系整泡剤(東レ・ダウコーニング(株)製「SZ−1333」)0.5質量部を混合して、ポリオール原料を調製した。また、ポリイソシアネートとして、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)(BASFINOACポリウレタン(株)製「NE−7500」)を準備した。
【0048】
次に、ポリオール原料に、可塑剤(シェルジャパン(株)製「DL−911」)20質量部、パラフィン系プロセスオイル(出光興産(株)製「ダイアナ(登録商標)プロセスオイルPW−32」)の所定量、およびMDI15質量部を混合して、パラフィン系プロセスオイルの配合量が異なる二種類の液体原料を調製した。液体原料の調製は、約40℃下で行った。なお、可塑剤、パラフィン系プロセスオイル、MDIの各配合量は、ポリオール成分(POL)100質量部に対する質量部である。
【0049】
続いて、調製した液体原料に、製造した磁性体粒子、および熱伝導性粒子としての銅粉(福田金属箔粉鉱業(株)製「MS−800」、薄片状、平均粒子径45μm、熱伝導率約400W/m・K)を添加して、約40℃下で攪拌、混合した。磁性体粒子の添加量については、得られるウレタン発泡成形体の体積を100体積%とした場合の19体積%となるように、調整した。また、銅粉の含有量については、同ウレタン発泡成形体の体積を100体積%とした場合の1体積%、あるいは3体積%となるように、調整した。
【0050】
このようにして得られた原料を、アルミニウム製の発泡型(後述する図3、図4参照。キャビティは縦130mm×横130mm×厚さ5mmの直方体。)に注入し、発泡型を密閉した。そして、発泡型を磁気誘導発泡成形装置に設置して、発泡成形を行った。図3に、磁気誘導発泡成形装置の斜視図を示す。図4に、同装置の断面図を示す。図4においては、説明の便宜上、ヨーク部および芯部のハッチングを省略して示す。図3、図4に示すように、磁気誘導発泡成形装置1は、架台2と、電磁石部3と、発泡型4と、を備えている。
【0051】
電磁石部3は、架台2の上面に載置されている。電磁石部3と架台2とは、各々にブラケット21をねじ止めすることにより、固定されている。電磁石部3は、ヨーク部30U、30Dと、コイル部31L、31Rと、ポールピース32U、32Dと、を備えている。
【0052】
ヨーク部30Uは、鉄製であり、平板状を呈している。ヨーク部30Dも同様に、鉄製であり、平板状を呈している。ヨーク部30U、30Dは、上下方向に対向して配置されている。
【0053】
コイル部31Lは、ヨーク部30U、30Dの間に介装されている。コイル部31Lは、発泡型4の左側に配置されている。コイル部31Lは、上下方向に二つ重ねて配置されている。コイル部31Lは、各々、芯部310Lと導線311Lとを備えている。芯部310Lは、鉄製であって、上下方向に延びる柱状を呈している。導線311Lは、芯部310Lの外周面に巻装されている。導線311Lは、電源(図略)に接続されている。
【0054】
コイル部31Rは、ヨーク部30U、30Dの間に介装されている。コイル部31Rは、発泡型4の右側に配置されている。コイル部31Rは、上下方向に二つ重ねて配置されている。コイル部31Rは、各々、コイル部31Lと同様の構成を備えている。すなわち、コイル部31Rは、芯部310Rと導線311Rとを備えている。導線311Rは、芯部310Rの外周面に巻装されている。導線311Rは、電源(図略)に接続されている。
【0055】
ポールピース32Uは、鉄製であり、平板状を呈している。ポールピース32Uは、ヨーク部30Uの下面中央に配置されている。ポールピース32Uは、ヨーク部30Uと発泡型4との間に介装されている。ポールピース32Dは、鉄製であり、平板状を呈している。ポールピース32Dは、ヨーク部30Dの上面中央に配置されている。ポールピース32Dは、ヨーク部30Dと発泡型4との間に介装されている。
【0056】
発泡型4は、コイル部31Lとコイル部31Rとの間に、配置されている。発泡型4は、上型40Uと下型40Dとを備えている。上型40Uは、角柱状を呈している。上型40Uの下面には、凹部が形成されている。同様に、下型40Dは、角柱状を呈している。下型40Dの上面には、凹部が形成されている。上型40Uと下型40Dとは、互いの凹部の開口同士が向き合うように配置されている。上型40Uと下型40Dとの間には、上記凹部同士が合体することにより、直方体状のキャビティ41が区画されている。キャビティ41には、上述したように、原料が充填されている。
【0057】
導線311Lに接続された電源および導線311Rに接続された電源を、共にオンにすると、コイル部31Lの芯部310Lの上端がN極に、下端がS極に磁化される。このため、芯部310Lに、下方から上方に向かって磁力線L(図4に点線で示す)が発生する。同様に、コイル部31Rの芯部310Rの上端がN極に、下端がS極に磁化される。このため、芯部310Rに、下方から上方に向かって磁力線Lが発生する。
【0058】
コイル部31Lの芯部310L上端から放射された磁力線Lは、ヨーク部30U、ポールピース32Uを通って、発泡型4のキャビティ41内に流入する。その後、ポールピース32D、ヨーク部30Dを通って、芯部310L下端に流入する。同様に、コイル部31Rの芯部310R上端から放射された磁力線Lは、ヨーク部30U、ポールピース32Uを通って、発泡型4のキャビティ41内に流入する。その後、ポールピース32D、ヨーク部30Dを通って、芯部310R下端に流入する。このように、磁力線Lは閉ループを構成するため、磁力線Lの漏洩は抑制される。また、発泡型4のキャビティ41内には、上方から下方に向かって略平行な磁力線Lにより一様な磁場が形成される。具体的には、キャビティ41内の磁束密度は、約250mTであった。また、キャビティ41内における磁束密度の差は、±3%以内であった。
【0059】
発泡成形は、最初の約2分間は磁場をかけながら行い、続く約10分間は磁場をかけないで行った。発泡成形が終了した後、脱型して、ウレタン発泡成形体を得た。得られたウレタン発泡成形体を、実施例1〜4のウレタン発泡成形体とした。
【0060】
[比較例1]
パラフィン系プロセスオイル、および銅粉(熱伝導性粒子)を配合しない点以外は、上記実施例と同様にして、ウレタン発泡成形体を製造した。得られたウレタン発泡成形体を、比較例1のウレタン発泡成形体とした。
【0061】
[比較例2、3]
銅粉(熱伝導性粒子)を配合しない点以外は、上記実施例と同様にして、ウレタン発泡成形体を製造した。得られたウレタン発泡成形体を、比較例2、3のウレタン発泡成形体とした。
【0062】
[比較例4、5]
パラフィン系プロセスオイルを配合しない点以外は、上記実施例と同様にして、ウレタン発泡成形体を製造した。得られたウレタン発泡成形体を、比較例4、5のウレタン発泡成形体とした。
【0063】
<ウレタン発泡成形体のSEM観察>
製造した実施例1、2のウレタン発泡成形体の断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察した。図5は、実施例1のウレタン発泡成形体の厚さ方向(磁場方向)断面のSEM写真である。図6は、実施例2のウレタン発泡成形体の厚さ方向(磁場方向)断面のSEM写真である。各々のSEM写真において、銅粉は白く写っている。図5、図6に示すように、実施例1、2のウレタン発泡成形体において、セルを区画する樹脂骨格の表面に、銅粉が露出していることが確認できた。
【0064】
<放熱性評価>
実施例および比較例の各ウレタン発泡成形体について、放熱性を評価した。以下に、実験方法および実験結果を示す。
【0065】
[実験方法]
(1)表面抵抗率の測定
各々のウレタン発泡成形体の表面抵抗率を、JIS K6271(2008)に準じて測定した。
【0066】
(2)温度差の測定
図7に、温度差測定用の実験装置の概略断面図を示す。図7に示すように、実験装置6は、試料60と加熱板61とを備えている。試料60は、縦130mm、横130mm、厚さ5mmの矩形板状を呈している。試料60は、実施例または比較例のウレタン発泡成形体である。加熱板61は、試料60と略同じ大きさの矩形板状を呈している。試料60は、加熱板61の上面に積層されている。加熱板61は、ヒーター(図略)により加熱されている。加熱板61の上面温度T1は、約60℃に保持されている。試料60の上面温度を測定し、略一定になった後の温度を、試料60の上面温度T2として採用した。そして、温度差ΔTとして、加熱板61の上面温度T1と、試料60の上面温度T2と、の差を算出した(ΔT=T1−T2)。
【0067】
[実験結果]
表面抵抗率および温度差の測定結果を、各ウレタン発泡成形体における銅粉等の含有量と共に、表1に示す。また、図8に、パラフィン系プロセスオイルの配合量と表面抵抗率との関係を示す。同様に、図9に、パラフィン系プロセスオイルの配合量と温度差との関係を示す。
【表1】

【0068】
表1に示すように、実施例のウレタン発泡成形体においては、銅粉を含まない比較例1〜3のウレタン発泡成形体と比較して、表面抵抗率が小さくなった。また、銅粉の含有量が同じ実施例1、2と比較例4、実施例3、4と比較例5、を比較すると、パラフィン系プロセスオイルを含む実施例のウレタン発泡成形体の方が、表面抵抗率が小さくなった。実施例のウレタン発泡成形体は、銅粉を含む。そして、銅粉の少なくとも一部は、樹脂骨格の表面に露出している。このため、ウレタン発泡成形体(試料)の上面近傍にある銅粉により、導電性が向上したと考えられる。また、図8に示すように、実施例のウレタン発泡成形体においては、パラフィン系プロセスオイルの配合量の増加に伴い、表面抵抗率が低下した。これにより、オイルの配合量が多い程、銅粉(熱伝導性粒子)を樹脂骨格の表面に露出させる効果が大きいことがわかる。
【0069】
また、表1に示すように、実施例のウレタン発泡成形体においては、比較例のウレタン発泡成形体と比較して、温度差が小さくなった。温度差が小さい程、つまり、試料60の上面温度T2が高いほど、試料60中を熱が移動して、試料60の上面から放出されているといえる(前出図7参照)。したがって、実施例のウレタン発泡成形体は、放熱性に優れることがわかる。また、図9に示すように、実施例のウレタン発泡成形体においては、パラフィン系プロセスオイルの配合量の増加に伴い、温度差が小さくなった。すなわち、オイルの配合量が多い程、銅粉(熱伝導性粒子)を樹脂骨格の表面に露出させる効果が大きい。したがって、銅粉の含有量が多く、かつオイルの配合量が多い程、放熱性が向上した。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明のウレタン発泡成形体は、電子機器、自動車、建築等の幅広い分野において用いることができる。具体的には、パソコン等の電子機器に用いられる放熱部材、OA(Office Automation)機器や家電製品のモーター用吸音材、エンジンの騒音を低減するために車両のエンジンルームに配置されるエンジンカバーやサイドカバー、家屋の内外壁用吸音材等に好適である。
【符号の説明】
【0071】
1:磁気誘導発泡成形装置
2:架台 21:ブラケット
3:電磁石部 30D、30U:ヨーク部 31L、31R:コイル部
32D、32U:ポールピース 310L、310R:芯部 311L、311R:導線
4:発泡型 40D:下型 40U:上型 41:キャビティ
5:ウレタン発泡成形体 50:波形部(凹凸部) 51:下面 52:凹凸部
520:平面部 521:突起
6:実験装置 60:試料 61:加熱板
9:発熱部材
L:磁力線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリウレタンフォームの樹脂骨格と、
該樹脂骨格中に含有され、互いに連接して配向している磁性体粒子と、
非磁性体からなり、少なくとも一部が該樹脂骨格の表面に露出している熱伝導性粒子と、を有することを特徴とするウレタン発泡成形体。
【請求項2】
前記熱伝導性粒子は、放熱面の近傍に偏在している請求項1に記載のウレタン発泡成形体。
【請求項3】
前記熱伝導性粒子は、銅、アルミニウム、およびこれらを母材とする合金から選ばれる一種以上からなる請求項1または請求項2に記載のウレタン発泡成形体。
【請求項4】
前記熱伝導性粒子は、薄片状を呈している請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のウレタン発泡成形体。
【請求項5】
凹凸部を有し、放熱面は該凹凸部の表面を含む請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のウレタン発泡成形体。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のウレタン発泡成形体の製造方法であって、
発泡ウレタン樹脂原料と、オイルと、前記磁性体粒子と、前記熱伝導性粒子と、を含む原料を、発泡型のキャビティ内に注入する原料注型工程と、
該キャビティ内の磁束密度が略均一になるように磁場をかけながら発泡成形する発泡成形工程と、
を有することを特徴とするウレタン発泡成形体の製造方法。
【請求項7】
前記原料注型工程において、前記発泡ウレタン樹脂原料と前記磁性体粒子とを混合した第一原料と、前記オイルに前記熱伝導性粒子を分散させた第二原料と、を混合せず別々に前記キャビティ内に注入する請求項6に記載のウレタン発泡成形体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−153079(P2012−153079A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−15943(P2011−15943)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(000219602)東海ゴム工業株式会社 (1,983)
【Fターム(参考)】