説明

エアコン隠蔽配管用のドレン配管取付具

【課題】室内機のドレン口から室外への排水口まで、1本の断熱ドレン配管を用い、天井に負荷を与えることなく、低コスト化を図り得る。
【解決手段】内側に断熱ドレン配管2を収納可能な大きさを有するドレン配管ホルダー1の長手方向全長に亘り、ドレン配管ホルダー1の内側にドレン配管が出入可能な開口を設け、この開口端縁から外側方に連続して張り出した下部カバー4、5と、下部カバー4、5の外側縁から略直角に立ち上がる側カバー6、7と、側カバー6、7の上端縁から略直角に内方に延設された上部カバー8、9とで内側にナット収納部を設け、ナット収納部には左右両側に張り出す取付版14、15を設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅用等のエアコン隠蔽配管用のドレン配管取付具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ハウジングユニット等に室内機を組み付ける場合、特に室内機を部屋の天井部分に組み込む場合、室内機のドレン口からの排水を室外に導くためのドレン配管は所定の勾配をつけて設置する必要がある。旧来の木造日本家屋では床面を根太や大引きで支持していたため床面下方に隙間を有し、この隙間を配管スペースとし硬質塩化ビニール管を勾配を有して配設していたが、現在の組立式住宅は梁に直接床板を取り付けているため配管スペースがなく、梁に欠き込みを形成し、この欠き込みは梁の強度保持の観点より最小のものであることを必要としていた。そして、ドレン配管が欠き込みを通過可能にするため、室内機のドレン口には可撓性及び弾力性を有する断熱ドレン配管を連通接続し、欠き込みを通らせて天井裏で勾配を有して配設された横引きの硬質塩化ビニール管に接続し、横引き部分が終わると硬質塩化ビニール管の下端開口に断熱ドレン配管を連通接続し、この断熱ドレン配管を階下へ内外壁面間を這わせて垂下していた。
しかしながら、上記従来のハウジングエアコンシステム用のドレン配管取り付け方法であると、天井裏の横引き部分に硬質塩化ビニール管を用い、この硬質塩化ビニール管の両端開口は、可撓性を有する断熱ドレン配管を連通接続している。つまり、室内機のドレン口から屋外への排水口に亘り断熱ドレン配管と硬質塩化ビニール管、及び縦手等の種々の部品を使用するので、コストがかかり、又、断熱ドレン配管と硬質塩化ビニール管との接続部に接着剤を用いて接続するため、接続部から水漏れをする事態が生じていた。
又、天井裏でドレン配管の撓みを防止するためのドレン配管取付具としては、定型性を有するダクトの両端を高さの異なるばね脚部材で支持するようにしたものが存在する。(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1のドレン配管取付具であると、天井に負荷がかかり好ましくない。
【特許文献1】特開平10−73276号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、室内機のドレン口から室外への排水口まで、同じ一本の断熱ドレン配管を用い、天井に負荷を与えることなく、低コスト化を図り得るエアコン隠蔽配管用のドレン配管取付具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために本願発明は天井裏部分に室内機用ドレン配管を所定の勾配を有して取り付けるためのエアコン隠蔽配管用のドレン配管取付具において、内側に断熱ドレン配管を収納可能な大きさを有するドレン配管ホルダーの長手方向全長に亘たり、このドレン配管ホルダーの内側にドレン配管が出入可能な開口を設け、該開口端縁から外側方に連続して張り出した下部カバーと、該下部カバーの外端縁から略直角に立ち上がる側カバーと、該側カバーの上端縁から略直角に内方に延設されボルト挿通孔が設けられた上部カバーとで、内側にナットを収納可能な空間部を設けてナット収納部となし、該ナット収納部の左右両側には外方に張り出す取付板を設け、この取付板には梁にドレン配管取付具を取り付けるための取付手段を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、可撓性を有する断熱ドレン配管を天井裏に於いて撓むことなく配設可能で、吊りバンドを用いてボルトとナットを用いて梁に吊り下げることや、ビスや釘を用いて壁に取り付けること等あらゆる取付方法に対応可能であるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例1】
【0006】
図1は本発明エアコン隠蔽配管用のドレン配管取付具の斜視図、図2は本実施例のエアコン隠蔽配管用のドレン配管取付具の上部カバーを閉じた状態を示す側面図、図3は使用状態を示す説明図である。これらの図において、ドレン配管ホルダー1はポリプロピレン等の合成樹脂製で、内側にドレン配管2を収納可能な大きさの一方向に著しく長く両端方を開放した円筒形に形成されている。ドレン配管ホルダー1には、ドレン配管2を出入可能な開口3を長手方向に沿って全長に亘たり設けている。開口3の開口端縁から両外側方に連続して張り出した下部カバー4、5の端縁から略90度の角度を有して立ち上がる側カバー6、7を連続して設け、側カバー6、7の上端縁から側カバー6、7に対して90度の角度を有して内方に上部カバー8、9を連続して設けている。側カバー6、7はナット10の高さよりも高さ方向長さが長く形成されている。上部カバー8、9は、側カバー6、7の上端縁を折り線として内方に折ると互いに重なり合うように形成されており、上部カバー8にはナット10と螺着されるボルト11を挿通する軸方向に長いボルト挿通孔12がドレン配管ホルダー1の軸方向に沿って所定間隔を有して穿設されている。上部カバー9には、上部カバー9の端縁に開口する平視T型のボルト出入溝13が、上部カバー8、9を重ね合わせた場合に一致する位置に穿設されている。取付板14、15は上部カバー8、9を上下に重ね合わせ開口3を閉じた場合に、上部カバー8、9の高さと同一位置に位置するように側カバー6、7の上部に於いて側方に張り出し、長さ方向に沿って締結具挿通孔16が穿設されている。
【0007】
次に使用方法について図3を参照にして説明する。上階の内外壁面から降下したドレン配管2を床下でドレン配管ホルダー1に収納して上部カバー8、9を重合し、取付板14、15を梁等の横架材に当接し締結具17を締結具挿通孔16を貫通させて締着する。
又、図4及び図5に示すように、上階から降りてきたドレン配管2をドレン配管ホルダー1に収納し、ナット10、18及びボルト11で重合された上部カバー8、9を締結し、梁21に取り付けられた羽子板22にボルト11を取り付けてドレン配管2を天井裏に配設するものである。また、図5中の右側に配設されているエアコン隠蔽配管用ドレン配管取付具23に示すように、梁21に締結具17を取り付ける。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】エアコン隠蔽配管用のドレン配管取付具の斜視図である。(実施例1)
【図2】エアコン隠蔽配管用のドレン配管取付具の上部カバーを閉じた状態を示す側面図である。(実施例1)
【図3】使用状態を示す説明図である。(実施例1)
【図4】使用状態を示す説明図である。(実施例1)
【図5】使用状態を示す説明図である。(実施例1)
【符号の説明】
【0009】
1 ドレン配管ホルダー
2 ドレン配管
3 開口
4、5 下部カバー
6、7 側カバー
8、9 上部カバー
10、18 ナット
11 ボルト
14、15 取付板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井裏部分に室内機用ドレン配管を所望の勾配を有して取り付けるためのエアコン隠蔽配管用のドレン配管取付具において、
内側に断熱ドレン配管を収納可能な大きさを有するドレン配管ホルダーの長手方向全長に亘たり、このドレン配管ホルダーの内側にドレン配管が出入可能な開口を設け、該開口端縁から外側方に連続して張り出した下部カバーと、該下部カバーの外側縁から略直角に立ち上がる側カバーと、該側カバーの上端縁から略直角に内方に延設されボルト挿通孔が設けられた上部カバーとで、内側にナットを収納可能な空間部を設けてナット収納部となし、該ナット収納部の左右両側には外方に張り出す取付板を設け、この取付板には梁にドレン配管取付具を取り付けるための取付手段を設けたことを特徴とするエアコン隠蔽配管用のドレン配管取付具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−225269(P2007−225269A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−84153(P2006−84153)
【出願日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(506082836)有限会社上宏空調 (4)
【Fターム(参考)】