説明

エアゾール容器の残留ガス排出構造

【課題】簡単な構成でエアゾール容器の残留ガスの全量排出作業を容易に行うことができ、更には、残留ガス排出状態からの復帰が可能なエアゾール容器の残留ガス排出構造を提供する。
【解決手段】残留ガス排出構造10は、エアゾール容器の上部に装着するカバー体20と、エアゾール容器のステムを押圧する噴射部50と、トリガー72を備えた操作部60と、カバー体後部32に対して着脱可能なロックピン40により構成される。カバー体の側面24,26の正面24A,26Aの下方にはスリット28,30が形成され、操作部60にはトリガー72を引いたときに前記スリット28,30と位置が一致する貫通孔78が形成されている。エアゾール容器の残留ガスを全て排出する際には、トリガー72を引いてスリット28,30及び貫通孔78の位置を合わせ、ロックピン40の軸部42をこれらに係合させてロックする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、噴射剤(ガス)によって目的成分を噴射させるエアゾール容器の残留ガス排出構造の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スプレー缶などのエアゾール製品は、気化した液化ガス又は圧縮ガス等の噴射剤とともに耐圧容器に封入した液状や微粉末の目的成分を、前記噴射剤の圧力で霧状や泡状などにして放出するものである。このようなエアゾール製品は、前記噴射剤として可燃性ガスを利用することが多いため、ガスが残ったままエアゾール製品を廃棄処理すると、容器が爆発するおそれがある。このため、目的成分を使い切った後には、廃棄前に容器内のガス抜きを行う。また、やむを得ず目的成分を使い切ることができない場合であっても、前記目的成分及び噴射剤を含む内容物全てを排出してから廃棄する必要がある。
【0003】
従来、エアゾール製品のガス抜き方法としては、容器に穴をあけるか,あるいは、押下部材(ボタンやレバーなど)を介してステムを押し続けて内部ガスを排出する方法がある。前記ステムを押し続ける技術としては、例えば、以下の特許文献1〜3に示す技術がある。前記特許文献1及び2には、エアゾール容器の蓋体を利用して内容物の排出を行う技術が開示されている。また、特許文献3には、ステムと嵌合する操作ボタンに設けた折り曲げ可能な脚部により、ガス抜きモード設定を行うことが開示されている。
【特許文献1】特開2001−158487公報
【特許文献2】特開2001−55284公報
【特許文献3】特開2006−27718公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、以上のような背景技術には次のような不都合がある。まず、以下の特許文献1及び2に記載の技術では、噴射ヘッド部やボタンの押圧状態を保つための蓋体を別体として用意する必要があるため、部品点数が増えて製造工程が複雑になるという不都合がある。特に、前記特許文献1では、噴射ヘッド部のノズルを取り外してステムを露出させ、その先端に蓋体内側の嵌合部を被せるといった位置合わせが必要なため、残留ガス排出作業が簡単であるとはいいがたい。また、前記特許文献3に記載の技術では、前記操作ボタンの折り曲げた脚部の先端を、カバー体の受部に当接させるため、残留ガス放出モードからの復帰が不可能であり、誤って残留ガス放出モードにしたときに元の状態に戻すことができないという不都合がある。
【0005】
本発明は、以上の点に着目したもので、その目的は、簡単な構成でエアゾール容器の残留ガスの全量排出作業を容易に行うことができ、更には、残留ガス排出状態からの容易な復帰が可能なエアゾール容器の残留ガス排出構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明のエアゾール容器の残留ガス排出構造は、エアゾール容器の上部に固定され、対向する一対の側面を有するカバー体,該カバー体の一対の側面間に配置されるとともに、前記カバー体の後部側との連結部を支点として揺動可能であって、前記エアゾール容器の内容物を噴射する噴射手段,前記カバー体及び噴射手段に取り付けられ、該噴射手段を押下するトリガーを有する操作手段,前記一対の側面の少なくともいずれか一方の正面側下方を、前記側面と略直交する方向に貫通するスリットないし開口部,前記操作手段の正面側に、前記一対の側面と略直交する方向に形成されるとともに、前記噴射手段が前記エアゾール容器内の残留ガスの排出位置にあるときに、前記スリットないし開口部と位置が一致する係合孔,前記カバー体に対して着脱可能であって、前記噴射手段が残留ガス排出位置にあるときに、前記スリットないし開口部と前記係合孔に挿通され、これらに係合するロック手段,を備えたことを特徴とする。
【0007】
他の発明のエアゾール容器の残留ガス排出構造は、エアゾール容器の上部に固定され、対向する一対の側面を有するカバー体,該カバー体の一対の側面間に配置されるとともに、前記カバー体の後部側との連結部を支点として揺動可能であって、前記エアゾール容器の内容物を噴射する噴射手段,前記カバー体及び噴射手段に取り付けられ、該噴射手段を押下するトリガーを有する操作手段,前記カバー体に設けられた受部に着脱可能に保持される軸部と、前記エアゾール容器内の残留ガスの排出位置にある噴射手段の後部とカバー体の間に生じる隙間に挿嵌可能な挿嵌部とを有するロック手段,を備えたことを特徴とする。本発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、エアゾール容器のステムに接続する噴射手段と、該噴射手段を覆い前記容器の上部に固定されるカバー体と、前記噴射手段を押下するトリガーを有する操作手段とを備えたエアゾール容器において、(1)前記ロック手段の軸部を、前記操作手段の係合孔と、前記カバー体のスリットないし開口部に挿通して、これらに係合させる,あるいは、(2)前記噴射手段の後部とカバー体の間に生じる隙間にロック手段の挿嵌部を嵌めることより、前記噴射手段を残留ガス排出位置で固定することとした。このため、前記噴射手段の押圧状態を維持して、エアゾール容器内に残留する噴射剤(ガス)を全て排出することができる。また、ロック手段を外せば噴射手段の押圧状態が解除されるため、誤操作による残留ガス(ないし内容物)の全量排出を防止することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0010】
最初に、図1及び図2(A-1)〜(A-3)を参照しながら、本発明の実施例1を説明する。図1(A),(B),(D),(E)は本実施例の外観斜視図,図1(C)は本実施例を裏側から見た図である。図2(A-1)〜(A-3)は本実施例の作用を示す図である。これらの図に示すように、本実施例のエアゾール容器の残留ガス排出構造10は、エアゾール容器12のマウンティング・カップ14の縁部に装着するカバー体20と、該カバー体20の内側に配置され、前記マウンティング・カップ14から突出したステム16に接続される噴射部50と、該噴射部50を操作するための操作部60と、残留ガス排出状態を維持するためのロックピン40により構成されている。前記エアゾール容器12には、噴射する目的成分とそれらの噴射剤であるガスが充填されており、以下の説明ではこれら両方を含めて内容物としている。また、前記残留ガス排出状態は、動作的には、通常の内容物噴射状態と同じであるが、前記目的成分がエアゾール容器からほぼ排出された後の状態をいう。なお、本実施例は、図1(B)に示す軸部42と頭部44からなるロックピン40を用いた例であり、図1(B)に示す延長ノズル80又はロックピン90を用いた例については後述する。
【0011】
まず、前記カバー体20は、前記マウンティング・カップ14の縁部に装着する略リング状ないし筒状の基部22と、所定の間隔で配置された一対の側面24,26を備えている。前記一対の側面24,26の正面24A,26A側(噴口側)は開口しており、ここから後述する操作部60を差し込むことができる。また、前記側面24,26の下方には、前記正面24A,26Aから後部32へ向けて、略水平方向に所定の長さを有するスリット28,30が形成されている。該スリット28,30は、前記側面24,26を略直交する方向に貫通するとともに、前記ロックピン40の軸部42が挿通可能な寸法に設定されている。また、図1(C)に示すように、前記一対の側面24,26の内側には、前記後部32よりも若干手前の位置に、後述する操作部60の先端を差し込むための開口部34,36を備えた基部33が、略垂直方向に設けられている。該基部33の上端は、カバー体20の後部正面32Aと段差を生ずるように連続している。更に、前記カバー体20の後部32には、ロックピン40の軸部42を着脱可能に保持する受部38が略垂直方向に形成されている。
【0012】
次に、噴射部50は、前記ステム16に装着するためのステム装着部52と、エアゾール容器12の内容物を外部に向けて噴射する噴口54を備えており、これらステム装着部52と噴口54を結ぶ内容物の通路55が略L字状に形成されている。前記噴口54は、前記カバー体20の正面24A,26Aから外部に突出している。また、噴射部50の後部56は、図2(A-1)〜(A-3)に示すように、板バネ部58を介して、前記カバー体20の基部22及び33に接続されている。このため、前記噴射部50は、前記板バネ部58の作用により、前記カバー体20との連結部分を支点として全体が上下に揺動可能となり、前記ステム装着部52を介してステム16を押圧し、図示しないバルブ機構を開弁して、エアゾール容器12の内容物を排出(噴射)することができる。なお、本実施例では、前記噴射部50とカバー体20は一体形成されている。
【0013】
次に、前記操作部60は、前記噴射部50の噴口54近傍を保持する保持部62と、一対のガード68,70と、指で操作するトリガー72により構成されている。前記保持部62の上端には、連結部66により連結されたストッパ片64が設けられている。該ストッパ片64は、前記カバー体20の一対の側面24,26の上端24B,26Bに係合可能な形状及び寸法に形成されている。そして、前記保持部62によって噴口54の近傍を保持した状態で、前記ストッパ片64を前記上端24B,26Bに係合させることにより、前記噴射部50を内容物の排出不能状態(初期状態)に保つことができる(図2(A-1)参照)。また、前記一対のガード68,70は、前記噴射部50のステム装着部52を挟むように配置されており、その正面側にはトリガー72が設けられ、他端側には、それぞれスリット74,76(スリット74は図示せず)と、爪68A,70Aが形成されている。更に、前記ガード68,70と前記トリガー72の境目近傍には、前記ガード68,70と略直交する方向に、断面略長穴状の貫通孔78が形成されている。該貫通孔78は、前記トリガー72を引いたときに、前記カバー体20のスリット28,30と一致するような位置に形成されるとともに、前記ロックピン40の軸部42が挿通可能な寸法に設定されている。
【0014】
以上のような構成の操作部60を装着する際は、まず、前記保持部62に噴射部50の噴口54を通すようにして、カバー体20の正面24A,26A側から差し込む。そして、前記爪68A,70Aを、前記カバー体20の基部33の開口部34,36に嵌めることにより、前記カバー体20及び噴射部50に装着し、前記トリガー72の操作によって噴射部50を押圧することができる。なお、噴射部50の揺動範囲の下限は、トリガー72の傾斜部73がカバー体基部22の縁部23に接触するまでであり、上限は、ガード68,70の上端が、カバー体側面24,26の内側に設けられた突起25,27に接触するまでである。本実施例を構成するカバー体20,ロックピン40,噴射部50,操作部60は、例えばプラスチックなどの公知の材料により形成されている。
【0015】
次に、本実施例の作用を説明する。エアゾール容器12の使用前(初期状態)は、図2(A-1)に示すように、操作部60のストッパ片64がカバー体20の一対の側面上端24B,26Bに係合しており、ステム装着部52がステム16を押圧しない状態に保たれている。エアゾール容器12の目的成分を噴射する際には、前記ストッパ片64を図2(A-1)に矢印F1で示す方向に折り曲げ、連結部66を折って該ストッパ片64を保持部62から切り離す。すると、図2(A-2)に示すように、ステム装着部52の先端がステム16に被るとともに、トリガー72を矢印F2方向に引いて噴射部50を押し下げることが可能となる。前記トリガー72を引くと、ステム装着部52がステム16を押し下げるため、目的成分が噴射剤により通路55を介して噴口54から外部に噴射される。
【0016】
上述した通常の使用により目的成分を使い切り、エアゾール容器12を廃棄する場合には、該エアゾール容器12内の残留ガス(噴射剤)を全て容器外に排出する必要がある。このときは、ロックピン40をカバー体後部32から取り外しておき、図1(D)及び図2(A-3)に示すようにトリガー72を引いて、操作部60の貫通孔78とカバー体20のスリット28,30の位置を合わせ、これらに矢印F3で示す方向にロックピン40の軸部42を差し込む。すると、該軸部42がスリット28,30及び貫通孔78に係合するため、図1(E)に示すように、噴射部50を残留ガス排出状態に保つ(ロックする)ことができる。そして、残留ガスを全て排出したら、エアゾール容器12を適切な方法で廃棄する。仮に、噴射剤のみならず、目的成分がエアゾール容器12に若干残っているような場合であっても、上述した操作により、目的成分及び残留ガスが全て排出される。なお、ピン40は、スリット28,30及び貫通孔78から取り外しできるため、間違って残留ガス排出状態にした場合であっても、容易にロックを解除することができる。また、目的成分が残っている状態で誤って残留ガス排出状態にした場合であっても、前記ピン40を取り外すことにより、図2(A-2)に示す通常の使用状態に復帰させることができる。
【0017】
このように、実施例1によれば、次のような効果がある。
(1)噴射部50に取り付けた操作部60の貫通孔78と、カバー体20のスリット28,30を、前記噴射部50を残留ガス排出状態にしたときに位置が合うように形成し、これらにロックピン40の軸部42を挿通して係合させることとした。このため、トリガー72の復帰を阻止して残留ガス排出状態を維持し、残留ガスの排出作業を簡単に行うことができる。
(2)前記ロックピン40を使用しない限り噴射部50をロックできないため、誤操作がおきにくい。
(3)前記ロックピン40が、スリット28,30及び貫通孔78から取り外し可能なため、誤ってロックピン40を挿した場合であっても、ロック状態からの容易な復帰が可能である。
【0018】
次に、図1(B)及び図2(B)を参照して、本実施例の変形例を説明する。本変形例は、図1(B)に示す延長ノズル80を前記ロックピン40の代わりに使用する例である。前記延長ノズル80は、前記噴射部50の噴口54に着脱可能に接続される小口径の筒状体であって、通常、エアゾール容器12の付属品としてセットにされていることが多い。このような延長ノズル80をロック部材として用い、噴射部50を残留ガス排出状態にしたときに、図2(B)に示すように、スリット28,30及び貫通孔78に通して係合させることとにより、上述した実施例1と同様の効果を得ることができる。また、本変形例によれば、延長ノズル80を用いることにより、部品の有効活用が可能となる。
【実施例2】
【0019】
次に、図1(B),図2(C-1)及び(C-2)を参照しながら、本発明の実施例2を説明する。なお、上述した実施例1と同一ないし対応する構成要素には、同一の符号を用いることとする。本実施例は、ロックピンの他の形態を示すものであって、前記カバー体20のスリット28及び30と、前記操作部60の貫通孔78が設けられていないほかは、カバー体20,噴射部50,操作部60の構成は前記実施例1と基本的に同様である。本実施例のロックピン90は、前記カバー体20の受部38に保持可能な軸部92と、前記カバー体20の後部正面32Aに係合可能な溝96を備えた頭部94により形成されている。該ロックピン90は、エアゾール容器12の通常使用時には、図2(C-1)に示すように、カバー体20の後部32に保持されている。そして、本実施例により噴射部50をロックする場合は、前記ロックピン90をカバー体後部32から取り外し、図2(C-2)に示すように、残留ガス排出状態において、噴射部50の後部56とカバー体20の後部正面32Aの間に生じる隙間98に、前記ロックピン90の頭部94を挿嵌してロックする。この場合も、前記頭部94を隙間98から外すことによりロック状態の解除が可能になるため、前記実施例1と同様の効果が得られる。
【0020】
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることができる。例えば、以下のものも含まれる。
(1)前記実施例で示した形状,寸法,デザインは一例であり、必要に応じて適宜変更してよい。材料についても同様に、必要に応じて適宜変更可能である。
(2)前記実施例1で示したスリット28,30は一例であり、ロックピン40又は延長ノズル80と係合可能であれば、正面側に開口していない貫通孔のようなものであってもよい。
(3)前記実施例1では、ロックピン40又は延長ノズル80を、スリット28及び30と貫通孔78の全てに貫通させることとしたが、貫通孔78の途中まで挿通するようにしてもよい。また、例えば、スリット28,30のいずれか一方のみを設け、操作部60には側面24,26と略直交する方向に貫通しない係合孔を設け、前記いずれか一方のスリットと前記係合孔にピンを挿通するようにするなど、カバー体20と操作部60を、ロックピン40や延長ノズル80との係合によりロック可能であれば、必要に応じて適宜設計変更してよい。
(4)前記実施例1で示したストッパ片64による初期状態の維持も一例であり、公知の各種の初期状態維持機構を適用してよい。
(5)本発明のエアゾール容器12で噴射する目的成分としては、例えば、化粧液,洗剤,塗料,消臭剤,芳香剤,医薬品,殺虫剤などが挙げられるが、これも一例であり、本発明は公知の各種の目的成分を充填したエアゾール容器全般に適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明によれば、エアゾール容器のステムに接続する噴射手段と、該噴射手段を覆い前記容器の上部に固定されるカバー体と、前記噴射手段を操作する操作手段を備えたエアゾール容器において、(1)前記ロック手段の軸部を、前記操作手段の係合孔と前記カバー体のスリットないし開口部に挿通して、これらに係合させる,あるいは、(2)前記噴射手段の後部とカバー体の間に生じる隙間にロック手段の挿嵌部を嵌めることより、前記噴射手段を残留ガスの排出位置で固定することとした。このため、エアゾール容器内に残留する噴射剤(ガス)を全量排出するための残留ガス排出構造として適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施例1及び2のエアゾール容器の残留ガス排出構造を示す図である。
【図2】本発明の作用を示す図であり、(A-1)〜(A-3)は実施例1,(B)は実施例1の変形例,(C-1)及び(C-2)は実施例2を示す図である。
【符号の説明】
【0023】
10:残留ガス排出構造
12:エアゾール容器
14:マウンティング・カップ
16:ステム
20:カバー体
22:基部
23:縁部
24,26:側面
24A,26A:正面
24B,26B:上端
25,27:突起
28,30:スリット
32:後部
32A:後部正面
33:基部
34,36:開口部
38:受部
40:ロックピン
42:軸部
44:頭部
50:噴射部
52:ステム装着部
54:噴口
55:通路
56:後部
58:板バネ部
60:操作部
62:保持部
64:ストッパ片
66:連結部
68,70:ガード
68A,70A:爪
72:トリガー
73:傾斜部
74,76:スリット
78:貫通孔
80:延長ノズル
90:ロックピン
92:軸部
94:頭部
96:溝
98:隙間


【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアゾール容器の上部に固定され、対向する一対の側面を有するカバー体,
該カバー体の一対の側面間に配置されるとともに、前記カバー体の後部側との連結部を支点として揺動可能であって、前記エアゾール容器の内容物を噴射する噴射手段,
前記カバー体及び噴射手段に取り付けられ、該噴射手段を押下するトリガーを有する操作手段,
前記一対の側面の少なくともいずれか一方の正面側下方を、前記側面と略直交する方向に貫通するスリットないし開口部,
前記操作手段の正面側に、前記一対の側面と略直交する方向に形成されるとともに、前記噴射手段が前記エアゾール容器内の残留ガスの排出位置にあるときに、前記スリットないし開口部と位置が一致する係合孔,
前記カバー体に対して着脱可能であって、前記噴射手段が残留ガス排出位置にあるときに、前記スリットないし開口部と前記係合孔に挿通され、これらに係合するロック手段,
を備えたことを特徴とするエアゾール容器の残留ガス排出構造。
【請求項2】
前記ロック手段が、前記噴射手段の噴口に着脱可能に連結される延長用ノズルであることを特徴とする請求項1記載のエアゾール容器の残留ガス排出構造。
【請求項3】
エアゾール容器の上部に固定され、対向する一対の側面を有するカバー体,
該カバー体の一対の側面間に配置されるとともに、前記カバー体の後部側との連結部を支点として揺動可能であって、前記エアゾール容器の内容物を噴射する噴射手段,
前記カバー体及び噴射手段に取り付けられ、該噴射手段を押下するトリガーを有する操作手段,
前記カバー体に設けられた受部に着脱可能に保持される軸部と、前記エアゾール容器内の残留ガスの排出位置にある噴射手段の後部とカバー体の間に生じる隙間に挿嵌可能な挿嵌部とを有するロック手段,
を備えたことを特徴とするエアゾール容器の残留ガス排出構造。
【請求項4】
前記操作手段に、
前記カバー体の一対の側面の上端縁に係合して、前記内容物を排出できない状態に前記噴射手段を固定するストッパ,
を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエアゾール容器の残留ガス排出構造。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−331786(P2007−331786A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−164756(P2006−164756)
【出願日】平成18年6月14日(2006.6.14)
【出願人】(599033977)日本プリシジョン・バルブ株式会社 (4)
【Fターム(参考)】