説明

エアチェック装置及びエアチェックプログラム

【課題】番組の放送時間のうち、どの時間帯の放送データが存在するかをユーザが把握できるエアチェック装置を提供する。
【解決手段】
エアチェック装置は、放送局から放送される複数の番組の特定情報と番組の放送時間とを含む番組表をサーバから取得する。さらに、放送局から放送された複数の番組を含む放送データを受信し、受信された放送データを放送時間と対応付けて複数のMP3ファイルに分けてハードディスクに記憶する。ユーザ操作により所望の番組が指定されたとき、エアチェック装置80は、番組表データに基づいて、複数の放送ファイルの中から、対応する放送時間が指定番組の放送時間内に含まれる1又は複数の放送データ部分を抽出する。そして、指定された番組の放送時間と、抽出された放送データ部分に対応する放送時間帯(T2及びT4)とをグラフにしてディスプレイに表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアチェック装置及びエアチェックプログラムに関し、さらに詳しくは、放送局から放送された複数の番組の中から所望の番組を視聴できるエアチェック装置及びエアチェックプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
エアチェックは一般的に、ラジオやテレビで放送された番組や曲、映画等のコンテンツを記憶媒体に記録しておき、その記録したコンテンツを後で再生して楽しむもので、無料でコンテンツを取得できることから視聴者の間で広く利用されている。
【0003】
従来のエアチェックでは、番組の放送が開始される前に番組録音又は番組録画が予約されたり、番組の放送中にユーザ操作により録音や録画(以下、録音等という)が開始されたりする。この場合、ユーザは、録音等を希望する番組の放送時間帯を予め知っておく必要がある。番組の終了後に番組表を見て視聴したい番組を見つけても、その番組を視聴することはできない。
【0004】
そこで、本出願人は特開2007−59035号公報に開示されたエアチェックシステムを提案している。この文献に開示されたエアチェックシステム内のエアチェック装置は、放送局から放送された放送データを原則として全て受信して記録媒体に記憶する。そして、放送局から提供されるキューシートを取得する。キューシートには、放送された曲の放送時間に関する情報が記録されている。エアチェック装置は、キューシートを利用して、記憶媒体に記憶された放送データから所望の曲データを抽出して再生する。この文献に開示されたエアチェックシステムによれば、放送データを全て記録媒体に記録しているため、放送終了後であっても所望の曲を自由に聴くことができるとしている。
【0005】
ところで、何らかの原因で、エアチェック装置が放送データの全てを記録媒体に記録できておらず、所望の番組の放送データの一部が記録されていない場合がある。このような場合、所望の番組の放送データはデータの欠落部分を境に2つのファイルに分かれて記録されるが、このような場合であっても、所望の番組の放送データをスムーズに再生できる方が好ましい。
【0006】
さらに、所望の番組の放送データの一部が記録されていない場合、番組の放送時間のうち、どの時間帯の放送データが存在し、どの時間帯の放送データが存在しないかをユーザが把握できる方が好ましい。
【特許文献1】特開2007−59035号公報
【特許文献2】特開2008−67207号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、放送局から放送された複数の番組のうち、所望の番組の放送データを自動的に取得し、かつ、取得された所望の番組の放送データが部分的に欠落していてもスムーズに再生できるエアチェック装置を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、所望の番組の放送データが部分的に記録されていない場合、番組の放送時間のうち、どの時間帯の放送データが存在するかをユーザが把握できるエアチェック装置を提供することである。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0009】
本発明によるエアチェック装置は、サーバに接続可能である。エアチェック装置は、番組表取得手段と、受信手段と、記憶手段と、指定手段と、抽出手段と、再生手段とを備える。番組表取得手段は、放送局から放送される複数の番組の特定情報と番組の放送時間とを含む番組表データをサーバから取得する。受信手段は、放送局から放送された複数の番組を含む放送データを受信する。記憶手段は、受信された放送データを放送時間と対応付けて複数の放送ファイルに分けて記憶する。指定手段は、番組表データ内の複数の番組から所望の番組を指定する。抽出手段は、番組表データに基づいて、複数の放送ファイルの中から、放送時間が前記指定された番組の放送時間内に含まれる1又は複数の放送データ部分を抽出する。再生手段は、複数の放送データ部分が抽出されたとき、放送時間が早い順に放送データ部分を連続再生する。
【0010】
本発明によるエアチェック装置は、放送データを放送時間と対応付けて複数の放送ファイルに分割して記憶する。そのため、1つの番組が2つの放送ファイルに分かれて記憶される場合が生じる。しかし、放送ファイルは放送時間と対応付けて記憶されているため、複数の放送ファイルの中から、対応する放送時間が指定された番組の放送時間内の複数の放送データ部分を抽出することができる。そのため、抽出された複数の放送部分データを放送時間の早い順に再生すれば、指定された番組の放送データをスムーズに再生できる。
【0011】
好ましくは、エアチェック装置はさらに、表示手段を備える。表示手段は、指定された番組の放送時間と、抽出された放送データ部分の放送時間とを表示する。
【0012】
この場合、エアチェック装置のユーザは、指定された番組の放送時間のうち、放送データが存在する時間帯と放送データが存在しない時間帯とを把握できる。
【0013】
好ましくは、表示手段は、指定された番組の放送時間と、抽出された放送データ部分に対応する放送時間とをグラフで表示する。
【0014】
この場合、ユーザは、指定された番組の放送時間と、放送データ部分の放送時間とを視覚的に理解できるため、指定された番組の放送時間のうち、放送データが存在する時間帯と放送データが存在しない時間帯とを一見して把握できる。
【0015】
本発明によるエアチェック装置はサーバに接続可能である。エアチェック装置は、番組表取得手段と、受信手段と、記憶手段と、指定手段と、抽出手段と、表示手段とを備える。番組表取得手段は、放送局から放送される複数の番組の特定情報と番組の放送時間とを含む番組表データをサーバから取得する。受信手段は、放送局から放送された複数の番組を含む放送データを受信する。記憶手段は、受信された放送データを放送時間と対応付けて複数の放送ファイルに分けて記憶する。指定手段は、番組表データ内の複数の番組から所望の番組を指定する。抽出手段は、番組表データに基づいて、複数の放送ファイルの中から、放送時間が指定された番組の放送時間内に含まれる1又は複数の放送データ部分を抽出する。表示手段は、指定された番組の放送時間と、抽出された放送データ部分の放送時間とを表示する。
【0016】
本発明によるエアチェック装置は、抽出手段により、対応する放送時間が、指定された番組の放送時間内の放送データ部分を抽出し、指定された番組の放送時間と、抽出された放送データ部分の放送時間とを表示する。そのため、番組の一部の放送データが欠落している場合、ユーザは、表示された放送時間を見れば、番組の放送時間のうち、どの時間帯の放送データが存在し、どの時間帯の放送データが存在しないのか把握できる。
【0017】
本発明によるエアチェックプログラムは、エアチェック装置に実装されたコンピュータに上述の手段を実現する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0019】
[全体構成]
図1を参照して、本発明の実施の形態によるエアチェックシステム10は、ラジオのFM(Frequency Modulation)放送から所望の番組を自動的に取得するためのものである。エアチェックシステムは、インターネット11に接続される番組表供給サーバ12と、インターネット11に接続されるパーソナルコンピュータ(PC)13と、PC13に接続されるFMチューナ14とを備える。インターネット11には、複数の放送局サーバ16も接続されている。番組表供給サーバ12は本サービスを提供する事業者等によって管理され、放送局サーバ16は主に音楽番組やトーク番組、ニュース番組等のラジオ番組を放送する放送局によって管理される。PC13及びFMチューナ14は視聴者であるユーザの所有物である。
【0020】
番組表供給サーバ12は、各放送局サーバ16から番組表データ(以下、単に番組表という)を取得し、各ユーザのPC13に提供する。番組表は、各放送局が放送する番組のスケジュールを含む。PC13は番組表供給サーバ12にアクセス可能なクライアントとして機能する。PC13及びFMチューナ14はエアチェック装置80を構成する。
【0021】
PC13は汎用のもので、図2に示すように、ハードウェア構成として、CPU(Central Processing Unit)131、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリ132、ハードディスクドライブ(HDD)133、ディスプレイ134、キーボードやマウスといった入力装置135などを備える。PC13には、後述するエアチェックプログラムがインストールされている。FMチューナ14は、各放送局からFM放送を受信し、受信した放送データをPC13に供給する。
【0022】
[番組表供給サーバの構成]
図3を参照して、番組表供給サーバ12は、取得部20と、フォーマット変換部21と、ウェブサーバ23とを備える。取得部20は、各放送局サーバ16にアクセスし、そこにアップロードされている番組表24を取得する。
【0023】
各放送局から提供される番組表24には、その放送局で放送される予定の番組のスケジュールが記録される。具体的には、番組に関する情報である複数の番組情報PI[n](nは自然数)が放送予定順に記録される。番組情報PI[n]は、番組の放送時間と、番組名や出演者や番組の解説等の番組を特定するためのメタ情報とを含む。
【0024】
番組情報PI[n]はHTML(Hyper Text Markup Language)で記述されている。しかし、記述されている情報の種類、使用されているタグの種類、記述の順序など、そのフォーマットは放送局ごとに異なっている。フォーマット変換部21は、取得された番組表24のフォーマットを所定の共通フォーマットに変換する。フォーマット変換部21は、複数種類のフォーマットに対応して複数の変換フィルタ25を有する。各変換フィルタ25は、対応するフォーマットを共通フォーマットに変換する。
【0025】
これにより得られる番組表26は共通フォーマットを有する。具体的には図4に示すように、番組表26は、各放送局に付与されるステーションID(識別子)を記述したフィールド261と、当該放送局から放送される予定の番組に対応する複数のレコード262とを備える。
【0026】
各レコード262には、対応する番組の番組情報PI[n]が登録される。具体的には、番組の放送時間と、メタ情報とが記述される。本例では、放送時間として、番組の放送開始時刻begin[n]と、放送終了時刻end[n]が登録されている。図5に番組表26の一例を示す。
【0027】
再び図3を参照して、ウェブサーバ23には番組表データベース28が構築される。共通フォーマットに変換された番組表26は番組表データベース28に記憶される。ウェブサーバ23は、PC13からの要求に応じて番組表26を読み出してPC13に送信する。
【0028】
次に、図6を参照して番組表供給サーバ12の動作を説明する。
【0029】
取得部20は、各放送局サーバ16に番組表24を送信するよう要求する(S101)。各放送局サーバ16はこの要求を受け付け(S201)、番組表24を番組表供給サーバ12に送信する(S202)。取得部20は番組表24を受信し(S102)、フォーマット変換部21に供給する。フォーマット変換部21は、番組表24のフォーマットを共通フォーマットに変換し、図4及び5に示す番組表26を作成する(S103)。そして、作成された番組表26を番組表データベース28に保存する(S104)。番組表供給サーバは、上述の動作を所定期間ごと(たとえば1日ごと)に実施し、最新の番組表24を取得して番組表26を作成する。
【0030】
[エアチェック装置の構成]
図7にエアチェック装置の機能ブロック図を示す。図7を参照して、エアチェック装置80はPC13とFMチューナ14とを含む。FMチューナ14はFM放送を受信する。PC13は、FMチューナ14から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するADC(Analog to Digital Converter)31を備える。ADC31は、たとえばサウンドカードなどを指す。ただし、FMチューナ14がデジタル信号を出力可能なデジタルチューナである場合、PC13はADC31を備えていなくてもよい。PC13にはまた、汎用のMP3(MPEG Audio Layer-3)エンコーダ32、汎用のMP3プレーヤ17とともに、後に詳述するエアチェックプログラムがインストールされ、MP3データベース34、録音状況管理データベース35、インデックスデータベース36及び番組表データベース37が構築される。エアチェックプログラムは、インデックス生成モジュール38、ウェブインターフェース39、取得モジュール40及びウェブブラウザ33からなる。これらの詳細は以下の動作説明で明らかにする。
【0031】
次に、エアチェック装置80の動作を説明する。
【0032】
FMチューナ14及びPC13は常に動作している。したがって、FMチューナ14は常にFM放送を受信し、PC13は受信された放送データを全て記憶媒体(HDD133)に記録する。
【0033】
図8を参照して、PC13内のMP3エンコーダ32は常に動作しており、FMチューナ14から出力され、A/D変換されたデジタル放送データをMP3データにエンコードする(S401)。これと並行してウェブインターフェース39も動作し、MP3エンコーダ32で得られたMP3データを所定時間(本例では6時間)ごとに1つのMP3ファイル42としてMP3データベース34に保存(録音)する(S402)。つまり、受信された放送データを所定時間(6時間)ごとにMP3ファイルに分けて保存する。
【0034】
ウェブインターフェース39はまた、図9に示す録音状況管理テーブル43を生成し(S411)、録音状況管理データベース35に保存する(S412)。図9を参照して、録音状況管理テーブル43は、ステーションIDを記述したフィールド431と、複数のMP3ファイル42に対応する複数のレコード432とを有する。各レコード432には、対応するMP3ファイル42の録音開始時刻、録音終了時刻及びファイル名が記述されている。図10に録音状況管理テーブル43の一例を示す。
【0035】
MP3ファイル42のファイル名は、ステーションID及び録音開始時刻を組み合わせ、たとえば「OOSAKA_20050522180000.MP3」(MP3はMP3ファイル42を示す拡張子)と設定される。録音開始時刻はMP3ファイル(放送データ)の放送開始時刻に相当し、録音終了時刻は、MP3ファイルの放送終了時刻に相当する。要するに、録音時刻は放送時刻に一致する。
【0036】
FM放送は原則として毎日24時間録音されるが、停電したり、ユーザがPC13の電源を落とす場合等もあるので、必ずしも全ての放送データがMP3ファイル42として保存されるとは限らない。たとえば、図10において斜線以外の部分は録音されていない。
【0037】
一方、インデックス生成モジュール38は、MP3データベース34からMP3ファイル42を読み込み、MP3ファイル42に基づいてインデックスファイル44を生成し(S421)、インデックスデータベース36に保存する(S422)。要するに、インデックス生成モジュール38は、MP3ファイルごとにインデックスファイル44を生成する。
【0038】
具体的には図11に示すように、インデックス生成モジュール38はMP3ファイル42を所定時間ごとに複数のセクション45に分割する。本例では、6時間分のMP3ファイル42が1秒ごとに分割されるので、21600個(=6時間×60分×60秒)のセクション45が得られる。そして、インデックス生成モジュール38は各セクション45の開始アドレスを順にインデックスファイル44に書き込む。
【0039】
図12にインデックスファイル44の一例を示す。インデックスファイル44はステーションIDを記述したフィールド441と、複数のセクション45に対応する複数のレコード442とを有する。各レコード442には、対応するセクション45の開始アドレスが記述される。本例では、MP3ファイル42の先頭アドレスからのオフセット(相対アドレス)が開始アドレスとして書き込まれる。なお、図12にはMP3ファイル42の先頭からの経過時間(秒数)が示されているが、この表記はあってもよいが、実際にはなくてもよい。各オフセット(レコード442)の経過時間は、そのオフセットよりも前にあるオフセットの数から算出可能だからである。
【0040】
インデックスファイル44のファイル名も、対応するMP3ファイル42と同じステーションID及び録音開始時刻を組み合わせ、たとえば「OOSAKA_20050522180000.IDX」(IDXはインデックスファイル44を示す拡張子)と設定される。
【0041】
[放送データ特定処理、再生処理及び表示処理]
次に、PC13の放送データ特定処理について説明する。エアチェック装置80は、原則として、放送局から放送される全番組を録音する。そして、ユーザが番組表から選択した番組の放送データをMP3ファイル42から抽出し、再生する。しかし、上述のとおり、停電や、ユーザがPC13の電源を落とす等により、必ずしも全ての放送データが録音されておらず、番組の一部の放送データが録音されていない場合もある。
【0042】
番組の一部の放送データが録音されていない場合、その番組は複数のMP3ファイルに分かれて録音される。図13に示した例では、番組P10の放送時間帯が時刻t10〜t11(つまり、放送開始時刻がt10であり、放送終了時刻がt11)であって、なんらかの原因で、時刻t12〜t13の放送データが録音されていない。この場合、番組P10の放送データのうち、時刻t10〜時刻t12までの放送データはMP3ファイルF10に含まれ、時刻t13〜時刻t11までの放送データはMP3ファイルF10と異なる他のMP3ファイルF11に含まれる。つまり、番組P10の放送データは2つのMP3ファイルF10及びF11にまたがっている。
【0043】
本実施の形態によるエアチェック装置80は、この例のように同じ番組の放送データが複数のファイルに分かれている場合であっても、番組の放送データを全て抽出し(放送データ特定処理)、抽出された放送データを放送時間(録音時間)の早い順に連続再生する(再生処理)。そのため、分かれている放送データごとにユーザが再生指示を操作する必要はない。さらに、エアチェック装置80は、番組の放送時間のうち、どの時間帯の放送データが存在し、どの時間帯の放送データが存在しないかを視覚的に表示し(表示処理)、ユーザが一見して把握できるようにする。以下、これらのエアチェック装置80の動作(放送データ特定処理、再生処理及び表示処理)について説明する。
【0044】
[放送データ特定処理]
図14を参照して、PC13内の取得モジュール40は、番組表供給サーバ12から各放送局の番組表26を取得し、番組表データベース37に格納する(S500)。PC13内のウェブブラウザ33は、ディスプレイ134に取得された番組表26を表示する。たとえば、番組表26内の各番組情報PI[n]内のメタ情報から、番組名を読み出し、放送時間とともにディスプレイ134に表示する。ウェブブラウザ33は、表示された番組表26内の複数の番組の中から、ユーザが所望する番組の指定を受け付ける(S501)。ユーザは、マウス等の入力装置135により、表示された番組表26の中から所望の番組名を指定する。このとき、ウェブブラウザ33は、選択された番組名を含む番組情報PI[n]及び番組表26内のステーションIDに基づいて、指定された番組(以下、指定番組という)を特定し(S501でYES)、指定番組の放送データを読み出すようウェブインターフェース39に対してクエリを発行する。
【0045】
ウェブインターフェース39は、クエリを受け取り、番組表データベース37に格納された番組表26の中から、指定番組の番組情報PI[n]と、番組情報PI[n]を含む番組表26のステーションIDとを読み出す(S502)。続いて、ウェブインターフェース39は、録音状況管理データベース35を参照して、ステップS502で読み出されたステーションIDと同じステーションIDを持つ録音状況管理テーブル43を読み出す(S503)。
【0046】
ウェブインターフェース39は、読み出された録音状況管理テーブル43に記録された複数のMP3ファイルの中から、指定番組の放送データを特定する(S504〜S510)。初めに、ウェブインターフェース39は、カウンタi=1とし(S504)、読み出された録音状況管理テーブル43の第i番目=第1番目(先頭)に記録されたMP3ファイル(以下、F[i]=F1とする)の録音時間(録音開始時刻〜録音終了時刻)を読み出す(S505)。図10の例では、ウェブインターフェース39は、録音状況管理テーブル43の先頭に記録されたファイル名「OOSAKA_20050521000000」のMP3ファイルの録音時間(録音開始時刻〜録音終了時刻)を読み出す。そして、読み出された録音時間が指定番組の番組情報PI[n]内の放送時間と重複するか否かを判断する(S506)。重複していない場合(S506でNO)、MP3ファイルF1には指定番組の放送データが含まれていないため、カウンタiをインクリメントしてi=2とし(S509)、ステップS505に戻る。
【0047】
一方、MP3ファイルF1の録音時間が指定番組の放送時間と重複している場合(S506でYES)、MP3ファイルF1内の放送データのうち、指定番組の放送時間内に含まれる放送時間を持つ放送データ部分を特定する(S507)。具体的には、ウェブインターフェース39は、MP3ファイルF1に対応するインデックスファイル44を読み出す。本例では、対応するインデックスファイル44をファイル名で特定する。上述のとおり、MP3ファイル42のファイル名と、対応するインデックスファイル44のファイル名とは、拡張子を除いて同じとしているためである。ウェブインターフェース39は、MP3ファイルF1の録音開始時刻とインデックスファイル44のオフセットとにより、指定番組の放送時間内の放送データ部分を特定する。そして、ウェブインターフェース39は、特定された放送データ部分に関する情報(以下放送データ特定情報という)を図15に示すプレイリストに登録する(S508)。図15を参照して、プレイリストに登録される放送データ特定情報は、特定された放送データ部分を含むMP3ファイルのファイル名と、特定された放送データの開始オフセット及び終了オフセットとを含む。プレイリストはメモリ132に格納される。
【0048】
ウェブインターフェース39は、録音状況管理テーブル43に記録された複数のMP3ファイルに対して、ステップS505〜509の動作を順次実施する。そして、MP3ファイルFiの録音開始時刻が、指定番組の放送時間の放送終了時刻よりも遅い時刻となったとき(S510でYES)、放送データ特定処理を終了する。
【0049】
なお、上述のフローを実行することにより、ステップS508で放送データ特定情報をプレイリストに登録するとき、録音時間(つまり、放送データ部分の放送時間に対応)が早い順に、プレイリストに登録される。放送データ特定処理が完了したときのプレイリストの一例を図16に示す。ファイル名からわかるように、プレイリストには、放送データの録音時間が早い順に放送データ特定情報が登録されている。
【0050】
[再生処理]
放送データ特定処理を完了した後、エアチェック装置80は再生処理を実行する。このとき、エアチェック装置80は、プレイリストに登録された放送データ特定情報により特定される放送データ部分を抽出し、再生する。このとき、プレイリスト内の放送データ特定情報で特定される放送データ部分を放送時間の早い順に連続再生する。
【0051】
図17を参照して、ウェブインターフェース39はまず、プレイリストに登録された放送データ特定情報に基づいて放送データ部分を抽出する(S601及びS602)。具体的には、カウントk=1とし(S601)、プレイリストの第k番目=第1番目(先頭)に記録された放送データ特定情報により特定される放送データ部分を抽出する(S602)。図16の例では、ファイル名「OOSAKA_20050521000000」のMP3ファイルの開始オフセットから終了オフセットに相当する放送データ部分を抽出する。そして、抽出された放送データ部分をウェブブラウザ33に渡す。ウェブブラウザ33はMP3プレーヤを起動し、ウェブインターフェース39から受け取った放送データ部分の再生を開始する(S603)。再生が完了したとき(S604でYES)、ウェブブラウザ33は、次の放送データ部分を渡すようウェブインターフェース39に対してクエリを発行する。クエリを受け取ったウェブインターフェース39は、カウンタkをインクリメントしてk=2とし(S605)、プレイリスト内に第k番目=第2番目の放送データ特定情報が登録されているか否かを判断する(S606)。放送データ特定情報が登録されているとき(S606でYES)、登録されている放送データ特定情報により特定される放送データ部分を抽出し(S602)、ウェブブラウザ33に渡す。要するに、ウェブインターフェース39は、プレイリストに複数の放送データ特定情報が登録されている場合、録音時間(放送時間)の早い放送データ順に順次抽出してウェブブラウザ33に渡す。これにより、指定番組の放送データが複数のファイルにまたがっていても、連続して再生することができる。ステップS606での判断の結果、第k番目に記録された情報がないとき(S606でNO)、プレイリストに記録された放送データを全て再生したため、再生処理を終了する。なお、プレイリストに登録された放送データ特定情報が1つである場合、つまり、指定番組に対応する放送データが1つのMP3ファイルに含まれている場合、ウェブブラウザ33は、1つの放送データのみを再生する。
【0052】
[表示処理]
エアチェック装置80はさらに、指定番組中の放送時間のうち、どの時間帯の放送データが存在し、どの時間帯の放送データが存在しないかを、一見してユーザが把握できるように、指定番組の放送時間と、特定された放送データ部分の放送時間とをグラフ等によりディスプレイ134に表示する。
【0053】
図18を参照して、ウェブインターフェース39は、プレイリストを読み出し(S701)、放送データ特定情報により特定される各放送データ部分の放送時間を特定する(S701〜S705)。ウェブインターフェース39は、カウンタj=1とし(S702)、プレイリストの第j番目=第1番目(先頭)に記録された放送データ特定情報内のMP3ファイルのファイル名に基づいて、そのMP3ファイルの録音開始時刻を特定する(S703)。図15では、ファイル名の下6桁の数値「000000」から、録音開始時刻を0時00分00秒と特定する。次に、特定された録音開始時刻と、開始オフセット及び終了オフセットとに基づいて、放送データ特定情報により特定される放送データの放送時間を特定する。具体的には、放送データ部分の開始時刻及び終了時刻を特定する。特定された開始時刻及び終了時刻は、メモリ132に格納される。格納後、カウンタjをインクリメントしてj=2とし(S704)、プレイリストの第2番目に記録された放送データ特定情報に基づいて、放送データ部分の放送時間(開始時刻及び終了時刻)を特定する。ウェブインターフェース39は、プレイリストに記録された全ての放送データ特定情報に対して、ステップS703の処理を実行する(S705)。全ての放送データ特定情報に対してステップS703の処理を実行した後(S705でNO)、ウェブインターフェース39は、メモリ132に格納した各放送データの放送時間(開始時刻及び終了時刻)に基づいて、グラフ画像を作成する(S706)。図19に作成されたグラフ画像の一例を示す。本例では、グラフ画像として、プログレスバー800を採用している。具体的には、プログレスバー800の長さ方向を時間軸とし、同じ時間軸上に指定番組の放送時間(番組尺)と、放送データが存在する時間帯と、放送データが存在しない時間帯とを図示している。プログレスバー800の長さLは、指定番組の放送時間(本例では10時30分〜12時00分)分の長さを示す。そして、プログレスバー800内のうち、ステップS703で特定された各放送データ部分の放送時間の部分(T2及びT4)を特定し、T2及びT4以外の時間帯(T1及びT3)の部分と視覚的に区別可能な画像とする。本例では、プログレスバー800のうち、放送データが存在する時間帯T2及びT4を所定の色で描画し、放送データが存在しない時間帯T1及びT3をt2及びT4と異なる色で描画している。なお、本例以外の方法で、放送データが存在する時間帯T2及びT4が分かるようにグラフ画像を作成してもよい。たとえば、図20に示すように、同じ時間軸を用いて、指定番組の放送時間を示すバー900と、特定された放送データ部分の放送時間を示すバー901及び902とがディスプレイ134に表示されるように、画像データを作成してもよい。また、図21に示すように、指定番組の放送時間と、特定された放送データ部分の放送時間とを文字画像データとして表示するようデータを作成してもよい。以降の説明では、PC13が図19に示す画像データを作成した仮定する。
【0054】
ウェブインターフェース39は、作成されたプログレスバー800の画像データをウェブブラウザ33に渡す。ウェブブラウザ33は画像データを受け取り、ディスプレイ134にグラフ表示する。つまり、図19に示すプログレスバー800を表示する(S707)。ウェブブラウザ33は、プログレスバー800をディスプレイ134に表示しながら、放送データを再生するとき、図22に示すように、放送データの再生位置を示すポインタ950をプログレスバー800上に表示する。これにより、ユーザが指定番組の放送時間全体のうち、どの時間帯の放送データが存在し、どの時間帯の放送データが存在しないかを視覚的に一目で確認できる。
【0055】
上述の説明では、プログレスバー画像800を用いて、指定番組のうち放送データが存在する時間帯を放送データが存在しない時間帯と区別して視覚的に表示したが、図19〜図22以外の他のグラフ画像を用いて視覚的に表示してもよい。
【0056】
上述の実施の形態では、番組表26の放送時間に放送開始時刻と放送終了時刻とを含めたが、放送時間として放送開始時刻のみが含まれていてもよい。この場合、番組P[n]の放送時間は、番組P[n]の放送開始時刻から、番組P[n+1]の放送開始時刻までとする。
【0057】
上述の実施の形態では、エアチェック装置80は、番組表供給サーバ12から番組表を取得したが、放送局サーバ16から番組表を直接取得してもよい。
【0058】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施の形態によるエアチェックシステムの全体構成図である。
【図2】図1に示したパーソナルコンピュータのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示した番組表供給サーバの機能ブロック図である。
【図4】図3に示した番組表供給サーバで作成される番組表のデータ構造を示す図である。
【図5】図4に示した番組表の一例を示す図である。
【図6】図3に示した番組表供給サーバの動作を示すフロー図である。
【図7】図1に示したエアチェック装置80の機能ブロック図である。
【図8】図7に示したエアチェック装置の動作を示すフロー図である。
【図9】図8に示した動作で作成される録音状況管理テーブルのデータ構造を示す図である。
【図10】図9に示した録音状況管理テーブルの一例を示す図である。
【図11】図8に示した動作により、MP3ファイルを複数のセクションに分割する処理を説明するための図である。
【図12】図8に示した動作により作成されるインデックスファイルのデータ構造の一例を示す図である。
【図13】図7に示したエアチェック装置で録音される放送データの録音状況について説明するための図である。
【図14】図7に示したエアチェック装置の放送データ特定処理の詳細を示すフロー図である。
【図15】図14に示した動作により作成されるプレイリストの一例を示す図である。
【図16】図15と異なる他のプレイリストの一例を示す図である。
【図17】図7に示したエアチェック装置の再生処理の詳細を示すフロー図である。
【図18】図7に示したエアチェック装置の表示処理の詳細を示すフロー図である。
【図19】図18に示した動作により作成される画像データの一例を示す図である。
【図20】図19と異なる他の画像データの一例を示す図である。
【図21】図19及び図20と異なる他の画像データの一例を示す図である。
【図22】図19〜図21と異なる他の画像データの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0060】
00 時
10 エアチェックシステム
12 番組表供給サーバ
13 パーソナルコンピュータ
14 チューナ
16 放送局サーバ
24,26 番組表
33 ウェブブラウザ
39 ウェブインターフェース
42 MP3ファイル
43 録音状況管理テーブル
44 インデックスファイル
80 エアチェック装置
134 ディスプレイ
800 プログレスバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバに接続可能なエアチェック装置であって、
放送局から放送される複数の番組の特定情報と前記番組の放送時間とを含む番組表データを前記サーバから取得する番組表取得手段と、
前記放送局から放送された複数の番組を含む放送データを受信する受信手段と、
前記受信された放送データを放送時間と対応付けて複数の放送ファイルに分けて記憶する記憶手段と、
前記番組表データ内の複数の番組から所望の番組を指定する指定手段と、
前記番組表データに基づいて、前記複数の放送ファイルの中から、放送時間が前記指定された番組の放送時間内に含まれる1又は複数の放送データ部分を抽出する抽出手段と、
複数の放送データ部分が抽出されたとき、放送時間が早い順に前記放送データ部分を連続再生する再生手段とを備えることを特徴とするエアチェック装置。
【請求項2】
請求項1に記載のエアチェック装置であってさらに、
前記指定された番組の放送時間と、前記抽出された放送データ部分の放送時間とを表示する表示手段を備えることを特徴とするエアチェック装置。
【請求項3】
請求項2に記載のエアチェック装置であって、
前記表示手段は、前記指定された番組の放送時間と、前記抽出された放送データ部分の放送時間とをグラフで表示することを特徴とするエアチェック装置。
【請求項4】
サーバに接続可能なエアチェック装置であって、
放送局から放送される複数の番組の特定情報と前記番組の放送時間とを含む番組表データを前記サーバから取得する番組表取得手段と、
前記放送局から放送された複数の番組を含む放送データを受信する受信手段と、
前記受信された放送データを放送時間と対応付けて複数の放送ファイルに分けて記憶する記憶手段と、
前記番組表データ内の複数の番組から所望の番組を指定する指定手段と、
前記番組表データに基づいて、前記複数の放送ファイルの中から、放送時間が前記指定された番組の放送時間内に含まれる1又は複数の放送データ部分を抽出する抽出手段と、
前記指定された番組の放送時間と、前記抽出された放送データ部分の放送時間とを表示する表示手段を備えることを特徴とするエアチェック装置。
【請求項5】
サーバに接続可能なエアチェック装置に実装されたコンピュータに、
放送局から放送される複数の番組の特定情報と前記番組の放送時間とを含む番組表データを前記サーバから取得するステップと、
前記放送局から放送された複数の番組を含む放送データを受信するステップと、
前記受信された放送データを放送時間と対応付けて複数の放送ファイルに分けて記憶するステップと、
前記番組表データ内の複数の番組から所望の番組を指定するステップと、
前記番組表データに基づいて、前記複数の放送ファイルの中から、放送時間が前記指定された番組の放送時間内に含まれる1又は複数の放送データ部分を抽出するステップと、
複数の放送データ部分が抽出されたとき、放送時間が早い順に前記放送データ部分を連続再生するステップとを実行させることを特徴とするエアチェックプログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のエアチェックプログラムであってさらに、
前記指定された番組の放送時間と、前記抽出された放送データ部分の放送時間とをディスプレイに表示するステップを前記コンピュータに実行させることを特徴とするエアチェックプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2010−16579(P2010−16579A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−174125(P2008−174125)
【出願日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(000000273)オンキヨー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】