説明

エアバッグ装置用ガス発生器及びその製造方法

【課題】簡易な構造であり、且つ小型軽量化に寄与すると共に、優れたガス発生特性を得ることができるエアバッグ装置用ガス発生器を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明に係るエアバッグ装置用ガス発生器は、前記車両の衝撃によって作動するイニシエータ(点火器)と;前記イニシエータによって点火される発火剤と;前記発火剤によって着火、燃焼する円柱状のガス発生剤と;前記ガス発生剤を収容する燃焼室とを備える。そして、前記ガス発生剤の燃焼によって発生するガスによってエアバッグを膨張させる構造とする。また、前記燃焼室の周壁には、前記エアバッグの内部に連通する複数のガス排出孔を形成する。更に、前記エアバッグに充填されるべきガスの圧力特性が良好となるように、前記複数のガス排出孔の個数及び総面積を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されるエアバッグ装置、特に、エアバッグに対して膨張ガスを供給するガス発生器に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両には、衝突事故等が発生した際に乗員がハンドルや前面ガラス等の車両内部の硬い部分に激突して負傷又は死亡することを防ぐために、ガスによりバッグを急速に膨張させ、搭乗者の危険な箇所への衝突を防ぐエアバッグシステムが搭載されている。
【0003】
エアバッグシステムは、乗員の体格(例えば、座高の高さ等)や、その搭乗姿勢(例えば、ハンドルにしがみついた姿勢)等が異なる場合であっても、乗員を安全に拘束可能であることが望ましい。そこで、従来は、作動時初期の段階に於いて、乗員に対してできる限り衝撃を与えないで作動する様なエアバッグシステムの提案がなされている。
【0004】
特開平8−207696号公報においては、二段階でガスを発生させ、一段目で比較的ゆっくりエアバッグを膨張させる。そして、二段目で迅速なガス発生を行わせる。そこで、2種類のガス発生剤のカプセルを用いている。しかしながら、ガス発生器内の構造が複雑であり、容器の大きさが大きくなりコスト高の要因となるという欠点を有する。
【特許文献1】特開平8−207696号公報
【0005】
又、米国特許第4,998,751号や、米国特許第4,950,458号に於いても、ガス発生器の作動機能を規制するため二つの燃焼室を設けてガス発生剤を二段階に燃焼させることが提案されている。しかしながら、この場合にも構造が複雑であり、未だ充分なものとはいえない。
【特許文献2】米国特許第4,998,751号
【特許文献3】米国特許第4,950,458号
【0006】
更に、特開平11−334517号公報には、ガス発生剤が収容される空間に隙間を設けることにより、作動初期の段階におけるエアバッグの衝撃力を低減させる構造が開示されている。しかしながら、本来必要とされるガス量を得ることが困難となり、乗員拘束性能が低下する恐れがある。
【特許文献4】特開平11−334517号公報
【0007】
図1は、一般的なガス発生器の構造を示す概略断面図である。エアバッグ装置用ガス発生器10は、車両の衝撃によって作動するイニシエータ(点火器)14と;イニシエータ14によって点火される発火剤22と;発火剤22を収容する発火剤収容室16と;発火剤22によって着火、燃焼されるガス発生剤24と;ガス発生剤24を収容する燃焼室18とを備える。
【0008】
ガス発生器10は、ガス発生剤24の燃焼によって発生するガスによってエアバッグを膨張させる構造である。ガス発生器10は、また、上下2つのシェルからなるハウジング12を備えている。ハウジング12は、鋳造、鍛造、プレス加工等により成形可能である。ハウジング12の周壁部には、ガス排出孔28が周方向に複数配設されており、当該排出孔28から排出されるガスによってエアバッグ(図示せず)を膨張・展開させる構造となっている。
【0009】
上述した発火剤収容室16を形成するイグナイタカップ16aは、鋳造、鍛造若しくはプレス加工又は切削加工等の何れか、或いはそれらの組み合わせにより形成することができる。イグナイタカップ16aの中には、イニシエータ14が設けられると共に、発火剤22が収容される。イグナイタカップ16aの周壁には、燃焼室18内のガス発生剤24を燃焼させる元となる火炎の流路として貫通孔26が形成されている。
【0010】
ハウジング12内には、ガス発生剤24の着火・燃焼により発生するガスを浄化・冷却するクーラント・フィルタ20が設けられている。クーラント・フィルタ20は、ガス発生剤24を取り囲んで配設され、イグナイタカップ16aの周囲に環状の室、即ちガス発生剤燃焼室18を区画する。クーラント・フィルタ20は、例えばステンレス鋼製の金網を半径方向に重ね、半径方向および軸方向に圧縮して成形することができる。
【0011】
ところで、ガス発生剤24としては、基本的に円柱状又は中空円筒状のものが多く用いられている。円柱状のガス発生剤は、製造工程も簡易で且つ装填密度も高いことから、小型軽量且つ安価なガス発生器を得ることができる。しかし、そのガス発生速度は着火直後は著しく高く、その後、指数的に減少するため、加害性と拘束性は良好なものではなかった。
【0012】
加害性が低く拘束性能に優れた、いわゆるS字カーブ状のガス発生特性を得るには、通常、一定速度でガスが発生する円筒中空形状のガス発生剤が適している。「S字カーブ状のガス発生特性」とは、ガス発生の初期の段階で緩やかなカーブを描き、その後急速に立ち上がり、再び緩やかなカーブとなるような特性である。
【0013】
しかし、中空円筒形状のガス発生剤は、その形状的特徴により、円柱状のガス発生剤に比べて製造工程が複雑である。また、ガス発生剤の強度を得るためにはバインダーをガス発生器内に組み込む必要があった。さらに、中空円筒形状のガス発生剤は装填密度が低下するため、目的のガス発生材料を装填するためには円柱状のガス発生剤に比べて大きな容積を必要とする。その結果、ガス発生器が大きくなり小型軽量化が難しかった。以上のように、円柱状のガス発生剤と中空円筒状のガス発生剤とでは一長一短の特徴がある。

【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上記のような状況に鑑みて成されたものであり、円柱状のガス発生剤と中空円筒状のガス発生剤との両方の長所を生かしたエアバッグ装置用ガス発生器を提供することを目的とする。即ち、簡易な構造であり、且つ小型軽量化に寄与すると共に、優れたガス発生特性を得ることができるエアバッグ装置用ガス発生器を提供することを目的とする。
【0015】
本発明の他の目的は、簡易な構造であり、且つ小型軽量化に寄与すると共に、優れたガス発生特性を得ることができるエアバッグ装置用ガス発生器の制御方法を提供することにある。

【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の第1の態様に係るエアバッグ装置用ガス発生器は、前記車両の衝撃によって作動するイニシエータ(点火器)と;前記イニシエータによって点火される発火剤と;前記発火剤によって着火、燃焼する円柱状のガス発生剤と;前記ガス発生剤を収容する燃焼室とを備える。そして、前記ガス発生剤の燃焼によって発生するガスによってエアバッグを膨張させる構造とする。また、前記燃焼室の周壁には、前記エアバッグの内部に連通する複数のガス排出孔を形成する。更に、前記エアバッグに充填されるべきガスの圧力特性が良好となるように、前記複数のガス排出孔の個数及び総面積を設定する。
【0017】
本発明の第2の態様は、上述したエアバッグ装置用ガス発生器の製造方法に関し、前記燃焼室の最大圧力の発生時期を遅延させることによって、前記エアバッグに充填されるべきガスの圧力特性が良好となるように、前記複数のガス排出孔の個数及び総面積を設定することを特徴とする。

【発明の効果】
【0018】
以上のような構成の本発明によれば、円柱状のガス発生剤と中空円筒状のガス発生剤との両方の長所を生かしたエアバッグ装置用ガス発生器を得ることができる。即ち、簡易な構造であり、且つ小型軽量化に寄与すると共に、優れたガス発生特性を得ることが可能となる。

【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、一般的なエアバッグ装置用ガス発生器の構造を示す概略断面図である。
【図2】図2は、本発明の実施例に係るエアバッグ装置用ガス発生器の構造を示す概略断面図である。
【図3】図3は、本発明の実施例に係るエアバッグ装置用ガス発生器の特性を示すグラフである。
【図4】図4は、比較例と本発明の実施例に係るエアバッグ装置用ガス発生器の構成条件を示す表である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図2は、本発明の実施例に係るエアバッグ装置用ガス発生器の構造を示す概略断面図である。本実施例に係るエアバッグ装置用ガス発生器110は、車両の衝撃によって作動するイニシエータ(点火器)14と;イニシエータ14によって点火される発火剤122と;発火剤122を収容する発火剤収容室16と;発火剤122によって着火、燃焼される円柱状(円盤状を含む)のガス発生剤124と;ガス発生剤124を収容する燃焼室18とを備える。
【0021】
本実施例に係るガス発生器110は、ガス発生剤124の燃焼によって発生するガスによってエアバッグを膨張させる構造である。本実施例の特徴は、発火剤収容室16内に発火剤122が充填されない空間を形成することである。好ましくは、発火剤122は発火剤収容室16内の容積に対しておよそ30%〜50%充填し、残りは空間とする。
【0022】
ガス発生器110は、また、上下2つのシェルからなるハウジング12を備えている。ハウジング12は、鋳造、鍛造、プレス加工等により成形可能である。ハウジング12の周壁部には、例えば直径約2〜3mm程度(2.88mm、2.44mm等)のガス排出孔128が周方向に複数配設(例えば、等間隔に6−9個)されており、当該排出孔128から排出されるガスによってエアバッグ(図示せず)を膨張・展開させる構造となっている。
【0023】
上述した発火剤収容室16を形成するイグナイタカップ16aは、鋳造、鍛造若しくはプレス加工又は切削加工等の何れか、或いはそれらの組み合わせにより形成することができる。イグナイタカップ16aの底部には、イニシエータ14が設けられ、当該イグナイタカップ16aの内部には発火剤122が収容される。イグナイタカップ16aの周壁には、燃焼室18内のガス発生剤124を燃焼させる元となる火炎の流路として貫通孔26が形成されている。
【0024】
ハウジング12内には、ガス発生剤124の着火・燃焼により発生するガスを浄化・冷却するクーラント・フィルタ20が設けられている。クーラント・フィルタ20は、ガス発生剤124を取り囲んで配設され、イグナイタカップ16aの周囲に環状の室、即ちガス発生剤燃焼室18を区画する。クーラント・フィルタ20は、例えばステンレス鋼製の金網を半径方向に重ね、半径方向および軸方向に圧縮して成形することができる。
【0025】
図3は、実施例に係るエアバッグ装置用ガス発生器110の特性を示すグラフである。図4は、比較例と本発明の実施例に係るエアバッグ装置用ガス発生器の構成条件を示す表である。
【0026】
図3において、横軸が時間、左縦軸がタンク内圧力、右縦軸がハウジング12内部の圧力を示す。ここで、タンクとは、インフレータ(110)の点火試験をする際に用いられる60リットルの金属性密閉容器であり、エアバッグ内部の圧力と等価と考えられる。PSIは、圧力を「ポンド/平方インチ」で表すものであり、1psi=6.895kPaである。
【0027】
図3の左側のカーブは、ハウジング12内部の圧力の時間変化を示す。右側のカーブは、タンク内の圧力の時間変化を示す。
実施例1(実線):排出孔の個数=7個、総面積=32.8mm
実施例2(大きな破線):排出孔の個数=8個、総面積=37.4mm
比較例1(細かな破線):排出孔の個数=9個、総面積=42.1mm
比較例2(一点鎖線):排出孔の個数=10個、総面積=46.8mm
【0028】
なお、使用されたペレット(ガス発生剤)の厚みは1.6mm、直径6mmであり、充填量は35g(1モル分)である。また、各排出孔は直径2.44mmの円形とする。ガス発生剤の燃焼速度vは、指数関数によって、以下の式で表される。
v=r×A×P
:ガス発生剤の線燃焼速度
A:ガス発生剤の表面積
P:圧力
n:圧力指数
【0029】
図3から理解できるように、ガス排出孔が小さい(面積が小さい)ほど、ハウジング内の最大燃焼圧力の発生タイミングが遅れる。ただし、ガス排出孔の総面積を小さくし過ぎると、ハウジング内部の圧力が上がりすぎて、ハウジングが壊れる恐れがある。そこで、ハウジング内のガス圧力が4500psi以下になるようにする。後述するが、点火系の薬量(着火剤122の装填量)を減らし、ハウジング内の圧力を下げることもできる。
【0030】
図3の右側のカーブに示すように、タンク圧力の上昇初期(12msec程度まで)では、実施例1,2の方が比較例1,2のラインよりも下に位置するが、その後、逆転して実施例1,2の方がタンク圧力が大きくなる。すなわち、実施例1,2によれば、理想的な「S字」特性に近づいていることが分かる。図3に示す何れの場合も、最大タンク圧力は同じ程度であり、ガス発生量は同じであるため、実施例1,2によれば、エアバッグがゆっくり展開し始め、その後、急速に展開が完了することになる。
【0031】
図4は、比較例と本発明の実施例に係るエアバッグ装置用ガス発生器の構成条件を示す表である。ここでは、ハウジングの安全性を考慮しながらガス排出孔の個数(面積)等を調整している。先にも説明したが、ガス排出孔面積の決定に際しては、ハウジング内のガス圧力が4500psi以下になることを前提とする。図4のデータにおいて、ペレット(ガス発生剤)の厚さは、1.8mm(板厚割合=1.1)と1.7mm(板厚割合=1)を使用し、直径は共に6mmとした。
【0032】
図4から解るように、本実施例のように、同じガス発生剤の量でも、点火系(イグナイタとイニシエータ)の薬量を減らすことで、ハウジングの最大圧力を下げながら、つまりハウジングの安全率を上げながら、ハウジング内部のピーク圧力を遅くすることができる。点火系の薬量が減ると、ハウジング内の圧力も下がるため、出口面積(ガス排出孔の面積)が大きい状態のままであると、ハウジング内の圧力が十分に上昇せず、ガス排出に時間が掛かってしまう。そこで、ガス排出孔の面積を小さくし、ハウジング内圧力を少し上げることで排出速度を上げて、所定時間で排出させるようにすることができる。
【0033】
以上説明したように、本発明においては、例えば、ガス排出孔(128)の数を9個〜6個とすることが好ましい。9個より大きいとハウジング内のガス燃焼圧力のピークが早すぎてしまう。6個より少ないと、逆にハウジング内でガス燃焼圧力のピークが上がりすぎてしまう。
【0034】
また、ガス排出孔の大きさの均一性、孔の形状、配置等のパラメータを調節することによって、種々のガス排出パターンを作り出すことも可能となる。
【0035】
上述したように、本発明によれば、エアバッグに供給される膨張ガスの圧力特性がS字曲線を描くため、エアバッグ展開初期の段階での加害性を低減できるとともに、拘束力の低下を抑制することが可能となる。また、中空円筒状のガス発生剤を使用した場合に比べ、製造工程が簡素であり、ガス発生剤の強度を得るためにバインダーをガス発生器内に組み込む必要もない。さらに、目的のガス量を発生するためのガス発生剤の容積拡大を伴わず、ガス発生器の小型軽量化に寄与する。
【0036】
以上本発明の実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的思想を逸脱しない範囲で種々の設計変更等が可能である。

【符号の説明】
【0037】
10 エアバッグ装置用ガス発生器
12 ハウジング
14 点火器(イニシエータ)
16 発火剤収容室
18 ガス発生剤燃焼室
20 クーラント・フィルタ
22 発火剤
110 エアバッグ用ガス発生器
124 ガス発生剤
128 ガス排出孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されるエアバッグ装置用のガス発生器において、
前記車両の衝撃によって作動するイニシエータ(点火器)と;
前記イニシエータによって点火される発火剤と;
前記発火剤によって着火、燃焼する円柱状のガス発生剤と;
前記ガス発生剤を収容する燃焼室とを備え、
前記ガス発生剤の燃焼によって発生するガスによってエアバッグを膨張させる構造であり、
前記燃焼室の周壁には、前記エアバッグの内部に連通する複数のガス排出孔が形成され、
前記エアバッグに充填されるべきガスの圧力特性が良好となるように、前記複数のガス排出孔の個数及び総面積を設定したこと特徴とするエアバッグ装置用ガス発生器。
【請求項2】
前記ガス排出孔の総面積を25mm以上、43mm以下としたことを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置用ガス発生器。
【請求項3】
前記ガス排出孔は、6個以上9個以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のエアバッグ装置用ガス発生器。
【請求項4】
前記ガス排出孔の面積及び前記発火剤の装填量は、前記燃焼室内の圧力が4500psi以下となるように設定されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のエアバッグ装置用ガス発生器。
【請求項5】
請求項1に記載のエアバッグ装置用ガス発生器の製造方法において、
前記燃焼室の最大圧力の発生時期を遅延させることによって、前記エアバッグに充填されるべきガスの圧力特性が良好となるように、前記複数のガス排出孔の個数及び総面積を設定することを特徴とするエアバッグ装置用ガス発生器の製造方法。
【請求項6】
前記ガス排出孔の総面積を25mm以上、43mm以下としたことを特徴とする請求項5に記載のエアバッグ装置用ガス発生器の製造方法。
【請求項7】
前記ガス排出孔は、6個以上9個以下であることを特徴とする請求項5又は6に記載のエアバッグ装置用ガス発生器の製造方法。
【請求項8】
前記ガス排出孔の面積及び前記発火剤の装填量は、前記燃焼室内の圧力が4500psi以下となるように設定されることを特徴とする請求項5乃至7の何れか一項に記載のエアバッグ装置用ガス発生器の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−5998(P2011−5998A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−152638(P2009−152638)
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【出願人】(506212710)株式会社オートリブニチユ (6)
【Fターム(参考)】