説明

エアレンズおよびエアレンズシステム

【課題】 撮影レンズのノーダルポイントがズーミングによって変化するズームレンズにエアレンズを組合わせると、ズーミング位置によってはその歪曲収差が大きくなり無視できない。
【解決手段】 アダプタ環42がカメラを収納した防水ケースの撮影用窓25を取り囲むように防水ケースのフロントケース22の円筒部22aに固定されている。そして、エアレンズを光軸O方向に移動させるためのカム溝42cがアダプタ環42に形成され、エアレンズ環34がエアレンズ側に設けられてアダプタ環42に相対回転可能な状態でねじ結合されている。エアレンズ環34のねじ穴34c1に螺合されたカムフォロア34dがアダプタ環のカム溝42cに係合されているため、エアレンズ環34を回転させれば、エアレンズ環とともにエアレンズが光軸O方向に移動される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中でカメラを使用可能とするため、カメラを収納する防水ケースに設けられるエアレンズおよびエアレンズシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、アウトドアスポーツの普及により、銀塩カメラ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ(報道用、映画用のものを含む)などを防水ケース(防水ハウジング、防水プロテクタ)に収納して、水中の生物などが撮影されている。
【0003】
防水ケースの内部にカメラを収納してなされる水中撮影では、空気の屈折率と水の屈折率との相違によって、撮影画像が望遠側にシフトする。そのため、光入射面をドーム形状(部分球形状)としてその内部に空気を封入したエアレンズ(空気レンズ)を撮影レンズの前面に配置し、空気の屈折率と水の屈折率との相違を利用して撮影画角を広角側に補正するワイドコンバージョンアダプタが、たとえば、実開平05−018173号公報などに開示されている。
【特許文献1】実開平05−018173号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図10(A)〜(C)は、200mmのズーミングにおける空気中での撮影、水中撮影、エアレンズシステムを装着した水中撮影におけるそれぞれの画像結果を示す。
図10(A)に示すように、撮影レンズを有したカメラのそのままの状態における空気中での撮影では歪曲収差などの収差は目立たない。また、空気中での撮影では歪曲収差が目立たないカメラも図10(B)に示すように水中撮影では空気中の撮影に比べ光学的に焦点距離の大きな方向に画像が結像(撮影)され、糸巻き型の歪曲収差も生じる。そこでこの焦点距離変化を抑えるためにエアレンズを撮影レンズに装着して水中で撮影すると、図10(C)に示すように焦点距離変化は抑えられるもののややたる型の歪曲収差が生じてしまう。
【0005】
ワイドコンバージョンアダプタにおいて使用されるエアレンズは、防水ケースに収納されたカメラの撮影レンズのノーダルポイント(光学的主点)を考慮して設計されたドーム形状(部分球形状)となっている。そのため、撮影レンズのノーダルポイントがズーミングによって変化するズームレンズにエアレンズを組み合わせると、ズーミング位置によっては図10(C)に示したように撮影レンズのノーダルポイントに対するエアレンズとの間隔が適正な値になっていないと、その歪曲収差が大きくなり無視できなくなる。
【0006】
しかしながら、従来においては、撮影レンズのノーダルポイントの変化による歪曲収差を適切に補正するエアレンズやエアレンズシステムが提案されていない。
【0007】
本発明は、撮影レンズのノーダルポイントの変化による歪曲収差を適切に補正可能なエアレンズおよびエアレンズシステムの提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の本発明によれば、水中でカメラを使用可能とするため、カメラを収納する防水ケースに設けられるエアレンズシステムにおいて、上記防水ケースの撮影用窓を取り囲むように取付けられ、上記エアレンズを光軸方向に移動させるためのカム溝を有するアダプタ環と、上記エアレンズ側に設けられ、上記アダプタ環に相対回転可能な状態で嵌合し、上記カム溝に係合するカムフォロアを有するエアレンズ環とを備えることを特徴としている。
請求項2記載の本発明によれば、水中でカメラを使用可能とするため、カメラを収納する防水ケースに設けられるエアレンズシステムにおいて、上記防水ケースの撮影用窓を取り囲むように取付けられ、上記エアレンズを光軸方向に移動させるためのカムフォロアを有するアダプタ環と、上記エアレンズ側に設けられ、上記アダプタ環に相対回転可能な状態で嵌合し、上記カムフォロと係合するカム溝を有するエアレンズ環とを備えることを特徴としている。
請求項3記載の本発明によれば、上記カム溝には、上記カムフォロアが所定の複数位置に係止されるように、上記カム溝の軸は該所定位置を除いた部分は上記カムフォロアの直径より小さいことを特徴としている。
請求項4記載の本発明によれば、上記アダプタ環とエアレンズ環とで表示手段を構成し、上記相対回転位置の状態を表示することを特徴としている。
【0009】
また、請求項5記載の本発明によれば、水中でカメラを使用可能とするため、カメラを収納する防止ケースに設けられるエアレンズシステムにおいて、上記防水ケースの撮影用窓を取り囲むように取付けられ、上記エアレンズを取付けるためのめねじを有するアダプタ環と、上記アダプタ環のめねじに螺合するおねじと、上記エアレンズを光軸方向に移動させるためのカム溝とを有する環状のカム環と、上記エアレンズ側に設けられ、上記カム環に相対回転可能な状態で嵌合し、上記カム溝に係合するカムフォロアを有するエアレンズ環とを備えることを特徴としている。
請求項6記載の本発明によれば、水中でカメラを使用可能とするため、カメラを収納する防止ケースに設けられるエアレンズシステムにおいて、上記防水ケースの撮影用窓を取り囲むように取付けられ、上記エアレンズを取付けるためのめねじを有するアダプタ環と、上記アダプタ環のめねじに螺合するおねじと、上記エアレンズを光軸方向に移動させるためのカムフォロアとを有する環状のカム環と、上記エアレンズ側に設けられ、上記カム環に相対回転可能な状態で嵌合し、上記カムフォロアに係合するカム溝を有するエアレンズ環とを備えることを特徴としている。
【0010】
さらに、請求項7記載の本発明によれば、水中でカメラを使用可能とするため、カメラを収納する防水ケースに設けられるエアレンズにおいて、上記防水ケースの撮影用窓を取り囲むように取付けられ、上記エアレンズを光軸方向に移動させるためのカム溝を有するアダプタ環と、上記エアレンズ側に設けられ、上記アダプタ環に相対回転可能な状態で嵌合し、上記カム溝に係合するカムフォロアを有するエアレンズ環とを備えることを特徴としている。
請求項8記載の本発明によれば、水中でカメラを使用可能とするため、カメラを収納する防水ケースに設けられるエアレンズにおいて、上記防水ケースの撮影用窓を取り囲むように取付けられ、上記エアレンズを光軸方向に移動させるためのカムフォロアを有するアダプタ環と、上記エアレンズ側に設けられ、上記アダプタ環に相対回転可能な状態で嵌合し、上記カムフォロと係合するカム溝を有するエアレンズ環とを備えることを特徴としている。
【0011】
そして、請求項9記載の本発明によれば、水中でカメラを使用可能とするため、カメラを収納する防水ケースに設けられるエアレンズシステムにおいて、上記エアレンズを光軸方向に移動させるため、上記防水ケースの撮影用窓を取り囲むように上記エアレンズと防水ケースとに設けられたエアレンズ進退手段を備えることを特徴としている。
請求項10記載の本発明によれば、上記エアレンズ進退手段は、上記防水ケースの撮影用窓を取り囲むように取付けられ、上記エアレンズを光軸方向に移動させるためのカム溝を有するアダプタ環と、上記エアレンズ側に設けられ、上記アダプタ環に相対回転可能な状態で嵌合し、上記カム溝と係合するカムフォロアを有するエアレンズ環とを持つことを特徴としている。
請求項11記載の本発明によれば、上記エアレンズ進退手段は、上記防水ケースの撮影用窓を取り囲むように取付けられ、上記エアレンズを光軸方向に移動させるためのカムフォロアを有するアダプタ環と、上記エアレンズ側に設けられ、上記アダプタ環に相対回転可能な状態で嵌合し、上記カムフォロアと係合するカム溝を有するエアレンズ環とを持つことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の本発明では、エアレンズ環がアダプタ環に相対回転可能に嵌合され、エアレンズ環のカムフォロアがエアレンズを光軸方向に移動させるアダプタ環のカム溝に係合されているため、エアレンズ環を相対回転させれば、エアレンズは光軸方向に移動する。そのため、防水ケース内のカメラの撮影レンズに対するエアレンズの位置が望遠側または広角側に調整され、撮影レンズのノーダルポイントの変化に対応して歪曲収差を適切に補正できる。
請求項2記載の本発明では、エアレンズ環がアダプタ環に相対回転可能に嵌合され、アダプタ環のカムフォロアがエアレンズを光軸方向に移動させるエアレンズ環のカム溝に係合されているため、エアレンズ環を相対回転させれば、エアレンズは光軸方向に移動する。そのため、防水ケース内のカメラの撮影レンズに対するエアレンズの位置が望遠側または広角側に調整され、撮影レンズのノーダルポイントの変化に対応して歪曲収差を適切に補正できる。
請求項3記載の本発明では、カムフォロアの係止位置でクリック感があるため、係止位置へのエアレンズ環の回転が触覚的に認識できる。
請求項4記載の本発明では、表示手段によってエアレンズ環の回転の状態が視覚的に確認できる。
【0013】
請求項5記載の本発明では、アダプタ環、カム環がねじ結合され、エアレンズ環がカム環に相対回転可能に嵌合され、エアレンズ環のカムフォロアがエアレンズを光軸方向に移動させるカム環のカム溝に係合されているため、エアレンズ環を相対回転させれば、エアレンズは光軸方向に移動する。そのため、防水ケース内のカメラの撮影レンズに対するエアレンズの位置が望遠側または広角側に調整され、撮影レンズのノーダルポイントの変化に対応して歪曲収差を適切に補正できる。
請求項6記載の本発明では、アダプタ環、カム環がねじ結合され、エアレンズ環がカム環に相対回転可能に嵌合され、カム環のカムフォロアがエアレンズを光軸方向に移動させるエアレンズ環のカム溝に係合されているため、エアレンズ環を相対回転させれば、エアレンズは光軸方向に移動する。そのため、防水ケース内のカメラの撮影レンズに対するエアレンズの位置が望遠側または広角側に調整され、撮影レンズのノーダルポイントの変化に対応して歪曲収差を適切に補正できる。
【0014】
請求項7記載の本発明では、エアレンズ環がアダプタ環に相対回転可能に嵌合され、エアレンズ環のカムフォロアがエアレンズを光軸方向に移動させるアダプタ環のカム溝に係合されているため、エアレンズ環を相対回転させれば、エアレンズは光軸方向に移動する。そのため、防水ケース内のカメラの撮影レンズに対するエアレンズの位置が望遠側または広角側に調整され、撮影レンズのノーダルポイントの変化に対応して歪曲収差を適切に補正できる。
請求項8記載の本発明では、エアレンズ環がアダプタ環に相対回転可能に嵌合され、アダプタ環のカムフォロアがエアレンズを光軸方向に移動させるエアレンズ環のカム溝に係合されているため、エアレンズ環を相対回転させれば、エアレンズは光軸に沿って移動する。そのため、防水ケース内のカメラの撮影レンズに対するエアレンズの位置が望遠側または広角側に調整され、撮影レンズのノーダルポイントの変化に対応して歪曲収差を適切に補正できる。
【0015】
請求項9記載の本発明では、エアレンズ進退手段によってエアレンズが光軸方向に移動するため、防水ケース内のカメラの撮影レンズに対するエアレンズの位置が望遠側または広角側に調整され、撮影レンズのノーダルポイントの変化に対応して歪曲収差を適切に補正できる。
請求項10記載の本発明では、構成の簡単なエアレンズ進退手段が得られ、このエアレンズ進退手段によってアレンズを光軸方向に正確に移動できる。
請求項11記載の本発明では、構成の簡単なエアレンズ進退手段が得られ、このエアレンズ進退手段によってアレンズを光軸方向に正確に移動できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の一実施例では、アダプタ環がカメラを収納した防水ケースの撮影用窓を取り囲むように取付けられ、エアレンズを光軸方向に移動させるためのカム溝がアダプタ環に形成されている。そして、エアレンズ環がエアレンズ側に設けられてアダプタ環に相対回転可能な状態で嵌合しており、エアレンズ環に設けられたカムフォロアがアダプタ環のカム溝に係合されている。
【実施例1】
【0017】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例を詳細に説明する。図1は本発明の一実施例(実施例1)に係るエアレンズシステムの概略正面図、図2は図1の線A−Aに沿った横断面図をそれぞれ示す。
図1、図2に示すように、エアレンズシステム10は、防水ケース(防水ハウジング、防水プロテクタ)20と、エアレンズ(空気レンズ)30とを備えている。
【0018】
防水ケース20は、一対のケース(フロントケース、リアケース)22、23を有し、フロントケース22、リアケース23は、いずれも、ポリカーボネートなどの透明プラスチックから中空形状に成形されている。そして、一対のケース22、23は金属のピン20aでヒンジ止めされ、それらの対向する端面にオーリングなどの防水シール(図示しない)を介在させてバックル(図示しない)で液密に締結されている。
【0019】
一対のケース22、23の内部空間にはカメラ24が収納されており、フロントケース22はカメラの主要部を収納する本体(防水ケース本体)として、リアケース23はカメラの一部を収納するととともに本体の開口背面を閉じる防水カバーとしてそれぞれ機能している。
防水ケース20に収納されるカメラ24として、銀塩カメラ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ(報道用、映画用のものを含む)が例示できる。
【0020】
フロントケース22は、前方(被写体方向)に延びた円筒部22aを一体的に持ち、この円筒部の内部にカメラの撮影レンズ24aが配置されている。そして、円筒部22aの開口部は、たとえば透明のガラスからなる撮影用窓(フラットレンズ)25が防水シール26を介して嵌合されることによって密閉されている。撮影用窓25の外周面と円筒部22aの内周面との間に接着剤を介在させることにより、撮影用窓25は円筒部22aに固定されている。
なお、防水ケース20、カメラ24の構成そのものは、本発明の要部でないため、概略的に記載されている。
【0021】
図3はエアレンズ(空気レンズ)の分解斜視図を示す。図2に加えて図3に示すように、エアレンズ(空気レンズ)30は、たとえばアクリル樹脂などの透明な合成樹脂からなる凸面形状(ドーム形状)のドーム部材32と、中央に開口を有し、遮光性の合成樹脂からなる回転可能なエアレンズ環34と、防水シール36とを有している。エアレンズ環34の開口は防水シール34aを介して透明なガラスからなるフラットレンズ35で封止されている。キズ防止および湿気の侵入防止のために、ドーム部材32の表面にマルチコートなどのコーテイングを施すことが好ましい。
なお、実施例では、防水シール26、34aはいずれもオーリングとなっている。
【0022】
防水シール36は、エアレンズの光軸中心にリング状に形成されたゴム部材とされ、エアレンズの光軸Oに平行な外周部36aと、この外周部の一端面から斜めに光軸方向に所定寸法だけ飛び出した円錐形状の一部であるひれ状のリング部分36bと、外周部端面からひれ状のリング部分とは別に光軸方向に垂直に張出した第1の環状部分36c1と、外周部の他端面から第1の環状部分と平行に垂直に張り出した第2の環状部分36c2とを一体に備えて成形されている。従って、光軸Oを含む平面の断面で捉えれば、図2に示すように防水シール36はコの字状の断面とこれと一体のく字形状の断面とから図示される。
【0023】
エアレンズ環34はエアレンズの光軸Oを中心とした環状の平面部34bを有し、平面部の先端から光軸後方方向に段差を有して薄い外縁部34b’が半径方向外方に延びている。そして、この外縁部34b’が防水シール36の断面コの字状部分に嵌合されるとともに、防水シールの断面く字形状部分の開放部分でドーム部材32の外縁および端面を気密に保持することによってドーム部材32、エアレンズ環34の間に封止空間S1が形成され、この封止空間に空気が封じ込められている。
なお、エアレンズ30は水中で使用されるため、水温との差により封止空間S1の湿度によってレンズが曇る。これを避けるように、乾燥した窒素ガスをエアレンズ30の封止空間S1に封止するとよい。
【0024】
エアレンズ環の環状の平面部34bの内周縁からエアレンズの光軸Oの後方(防水ケース方向)に延びた筒部34cをエアレンズ環34はさらに有し、この筒部には4つのねじ穴34c1が円周方向に90°互いに離反して形成されている。また、筒部34cの外周面には嵌合外周面34c2が形成されている。
【0025】
エアレンズ30の前面(被写体に対向する面)にレンズフード38が装着されている。図3に示すように、エアレンズ前方方向(被写体方向)に延びたレンズフード38の筒部は、光軸Oと平行な方向に複数の切欠き38aを有する半径方向に弾性変形可能な割り形状とされ、両側を切欠きで挟まれた自由端の外周面に部分環状のフック38bが形成されている。そして、図2に示すように、レンズフード38の背面はバックカバー40で覆われている。
【0026】
バックカバー40はリング形状の部材からなり、エアレンズの光軸Oを中心に大きな開口40aを有し、この開口を囲むようにエアレンズの光軸に垂直でエアレンズの光軸を中心としたリング状の平面部40bをさらに有し、その外周縁から光軸前方(被写体方向)に筒部40cが延びている。そして、この筒部40cに矩形の係合穴40c’が形成されており、この係合穴にレンズフードのフック38bが係合されることによって、レンズフード38の背面がバックカバー40で覆われ、ドーム部材32、エアレンズ環34、防水シール36がレンズフード、バックカバー間に挟持される。
【0027】
レンズフードのフック38bはバックカバー40の係合穴40c’に弾性変形のもとで係止されているにすぎないため、被写体側に引けばレンズフード38はエアレンズ30から分離される。そのため、エアレンズ30から分離されたレンズフード38の紛失を防止するように、レンズフードの上面に係止片38cが設けられ、この係合片に紐の一端が係止されるとともに、紐の他端が防水ケースのフロントケース22に設けた係止片(図示しない)に係止されている。また、レンズフード38がエアレンズ30から分離されないとしても、エアレンズの紛失防止のための穴として係止片(係止穴)38cは機能する。
【0028】
図4は図2のB部の部分断面拡大図を示す。図2、図4に示すように、防水ケースのフロントケース22に設けられた撮影用窓(フラットレンズ)25を取り囲むようにアダプタ環42が設けられている。すなわち、フロントケースの円筒部22aの外周面にねじ(おねじ)22a1が形成され、このおねじとアダプタ環42のねじ(めねじ)42b1が螺合されて、防水ケースのフロントケース22とエアレンズ30との間にアダプタ環が配置されている。
【0029】
すなわち、アダプタ環42は環状部材とされ、その中央部で半径方向内方に光軸Oを中心としたリング状の平面部42dが延び、このリング状平面部42dを挟んでフロントケース側(防水ケース側)でアダプタ環42の内周面にめねじ42b1が、エアレンズ側でその内周面に嵌合内周面42b2がそれぞれ形成されている。そして、めねじ42b1はフロントケースのおねじ22a1に螺合され、嵌合内周面42b2はエアレンズ環の嵌合外周面34c2に嵌合されている。ここで、アダプタ環のめねじ42b1はフロントケースのおねじ22a1に接着剤を介在して螺合されるため、アダプタ環42はフロントケース22に固定される。エアレンズ環34、アダプタ環42の結合は、エアレンズ環の嵌合外周面34c2とアダプタ環の嵌合内周面42b2との嵌合であるため、固定のアダプタ環に対してエアレンズ環34は相対的に回転可能となる。
【0030】
図5はエアレンズ環の一部破断の斜視図およびアダプタ環の斜視図、図6はエアレンズシステムの概略側面図、図7(A)はアダプタ環の表示部の拡大図をそれぞれ示す。
図5〜図7(A)に示すように、円周方向に90°互いに離反した4つのカム溝42cが、エアレンズ環34を光軸O方向に移動させるようにアダプタ環42を貫通して形成されている。そして、エアレンズ環34がアダプタ環42に嵌合され、カムフォロアとして機能するカムピン34dがアダプタ環のカム溝42cを介してエアレンズ環のねじ穴34c1に螺合されている。たとえば、カムピン(カムフォロア)34dはねじ外径と同一径の頭部を持つすり割り付きの軸状のねじとされる。
カム溝42cの数は4つに限定されず、たとえば、2つまたは3つのカム溝を円周方向に等角度離反して設けてもよい。
【0031】
このように、カム溝42cがエアレンズ環34を光軸O方向に移動させるように形成され、このカム溝に、エアレンズ環のねじ穴34c1に螺合されたカムピン(カムフォロア)34dが係合されているため、(フロントケース22に固定された)アダプタ環42に対してエアレンズ環34は相対回転可能な状態で嵌合されることとなる。そのため、エアレンズ環34を回転させれば、カムピン34dがカム溝42c内を移動し、エアレンズ環はアダプタ環42に対して光軸O方向に移動する。
【0032】
ここで、カムピン34dが所定の複数位置で、たとえば3つの位置に係止されるように、3つの係止穴42c1〜42c3をカム溝42cに設けられるとともに、その係合穴以外の位置におけるカム溝42cの幅Lはカムピン34dの直径dよりも小さく形成されている。たとえば、傾斜したカム溝42cにおいて係止穴42c1をエアレンズ環寄りに、係止穴42c3を防水ケース寄りに、係止穴42c2を係止穴42c1、42c3の中間にそれぞれ位置させて、アダプタ環42の円周方向にそれぞれ等間隔離反して3つの係止穴42c1〜42c3は設けられる。また、カム溝42cに隣接してカム溝と平行に長穴42dがアダプタ環42に形成されている。
【0033】
長穴42dがカム溝42cに隣接して平行に形成されているため、カム溝と長穴との間の平行片42eは弾性変形可能な弾性片となる。そのため、カムピン34dは平行片(弾性片)42eを弾性変形させながらカム溝42c内を摩擦抵抗のもとで摺動する。そして、カムピン34dが係止穴42c1〜42c3に係止されると抵抗感がなくなってクリック感が得られるため、カムピン34dを係止孔に係止させながら回転するエアレンズ環34の動き(回転)が触覚的に認識できる。
【0034】
2つのフラットレンズ25、35の間の空間S2は長穴42dを介して外部に連通し、防水ケース20を水中で使用すればこの長穴を介して水が空間S2に流入するから、長穴は水路(水導入穴)を兼ねる。
【0035】
長穴42dは、係止穴42c1〜42c3以外の位置でカムピン34dがカム溝42c内を摩擦抵抗のもとで摺動する平行片42eをカム溝42cとの間に形成するものであれば足り、図示の形状に限定されない。図7(B)は平行片の変形例を示すエアレンズ環の破断拡大図を示す。図7(B)に示すように、たとえば、長穴をカム溝42cの左右に分断した長穴42d1、42d2とし、カム溝との間に2つの平行片42e1、42e2を設けた構成としてもよい。
【0036】
防水ケース20の内部にカメラ24を収納してなされる水中撮影では、空気の屈折率と水の屈折率との相違によって、撮影画像が望遠側にシフトする。しかし、光入射面をドーム形状としてその内部の空間S1に空気を封入したエアレンズ30を撮影レンズ24aの前面に配置し、エアレンズ、撮影レンズの間の空間S2に水を充満させているため、空気の屈折率と水の屈折率との相違を利用して撮影画角が広角側に補正される。
【0037】
撮影レンズ24aのノーダルポイントがズーミングによって変化すると、ズーミング位置によってはその歪曲収差が大きくなり、無視できなくなる。しかし、エアレンズ側に設けられたエアレンズ環34を防水ケース20に対して、詳細にはフロントケース22に固定されたアダプタ環42に対して回転させれば、エアレンズ環のカムピン(カムフォロア)34dはアダプタ環のカム溝42c内を摺動する。
【0038】
上記のように、ドーム部材32、エアレンズ環34、防水シール36をレンズフード38、バックカバー40間に挟持して、レンズフードの背後にバックカバーが取付けられている。そのため、エアレンズ環34を回転させれば、エアレンズ環が光軸O方向に移動するとともに、エアレンズ30も光軸方向に移動し、防水ケース内のカメラの撮影レンズ24aに対するエアレンズの位置が望遠側(T)から広角側(W)まで光軸O方向の位置が調整される。すなわち、撮影レンズ24aのノーダルポイントからエアレンズ30までの光軸O上の距離が手動で調整され、撮影レンズ24aのノーダルポイントの変化に対応して歪曲収差を適切に補正できる。
図10(D)は、実施例のエアレンズシステム10(エアレンズ30)を装着した200mmのズーミングにおける水中撮影での画像結果を示す。図10(D)に示すように、実施例のエアレンズシステム10(エアレンズ30)を使用すれば、空気中におけるとほぼ同様の歪曲収差がほとんどない撮影画像が水中撮影においても得られる。
【0039】
カム溝42cにカムピン(カムフォロア)34dを係合させれば、エアレンズ30を光軸O方向に移動させることができ、カム溝42c、カムピン(カムフォロア)34dを組み合わせてエアレンズ進退手段49が構成される。このエアレンズ進退手段49はカム溝42c、カムピン(カムフォロア)34dを組み合わせただけであるから、簡単な構成のものであり、エアレンズシステム10を大型化、複雑化しない。そして、構成が簡単であるものにも拘らず、エアレンズ進退手段49によってエアレンズ30を光軸O方向に正確に移動できる。
【0040】
実施例では、カム溝42cは直線状に形成され、カム溝に平行な長穴42d(42d1、42d2)も直線状に形成されている。しかし、カム溝42cは撮影レンズ24aのノーダルポイントの変化の形態に対応した形状に形成されるものであり、撮影レンズのノーダルポイントが直線状に変化せず、非直線状(たとえば、曲線状)に変化するものであれば、カム溝は対応した非直線状に形成される。この場合には、カム溝に平行な長穴42d(42d1、42d2)も非直線状に形成されるが、カムピン34dの摺動の際の摩擦やクリック感を与えればよいので直線状でも非直線状でもどちらでもよい。
【0041】
エアレンズ環34の相対回転位置の状態を示す表示手段50としての指標が、可動のエアレンズ環34、固定のアダプタ環42にそれぞれ設けられている。たとえば、図6に示すように、指標(表示手段)50はエアレンズ環34に設けられた基準の指標50aと、アダプタ環42に設けられた3つの指標50b1〜50b3とから形成される。ここで、アダプタ環側の指標50b1はエアレンズ環寄りの係止穴42c1と、指標50b2は中間の係止穴42c2と、指標50b3は防水ケース寄りの係止穴42c3とアダプタ環の円周方向でそれぞれ対応する位置に位置決めされる。そして、望遠側を表示する記号Tが指標50b1に、広角側を表示する記号Wが指標50b3に、標準位置を表示する記号Sが指標50b2にそれぞれ付されている。
【0042】
エアレンズ環の指標50aがアダプタ環42の指標S(50b2)に整列された位置が標準位置とされる。そして、エアレンズ環34をその標準位置から左右いずれかに回転させれば、指標50aが指標Sから指標T(50b1)側に、または指標W(50b3)側にずれる(移動する)。そのため、そのずれ(移動量)からアダプタ環42に対するエアレンズ環34の相対的な回転状態が表示され、望遠側、広角側のいずれにどの程度回転されて調整されたかが視覚的に確認できる。
【0043】
エアレンズ環の指標50aがアダプタ環42の指標S(50b2)に整列された標準位置では、カムピン34dが中間の係止穴42c2に係止されるため、標準位置が正確に設定される。そして、指標50aが指標T、Wに整列されれば、カムピン34dが係止穴42c1、42c3に係止されてクリック感が得られるため、指標50aと指標T、Wとの整列が触覚的に認識できる。
【実施例2】
【0044】
別実施例(実施例2)に係るエアレンズシステムを図8に示す。図8は上記実施例(実施例1)の図4に対応する。
実施例2ではアダプタ環、エアレンズ環の間にカム環が介在しており、実施例2はこの点で実施例1と相違し、他の構成は実施例1、2において共通している。実施例1の構成部材と同じ機能を有する実施例2の対応する構成部材には同じ参照番号を付してその説明を省略し、実施例1と異なる実施例2の構成を主として以下に説明する。
【0045】
実施例2では、アダプタ環142は、リング状の平面部42aを挟んでフロントケース側にめねじ42b1を、エアレンズ側にフィルタネジからなるめねじ142b2をそれぞれ有している。そして、アダプタ環、エアレンズ環の間に位置するカム環152はエアレンズ側にアダプタ環142と略同一径の大径筒部152aを、フロントケース側に小径筒部152bをそれぞれ持つ段付筒状に成形され、大径筒部に嵌合内周面42bが、小径筒部にフィルタネジからなるおねじ152b1がそれぞれ形成されている。このカム環152に、詳細にはその大径筒部152aに、係止穴42c1〜42c3付のカム溝42cが形成されている。また、長穴42dもカム環の大径筒部152aのエアレンズ環寄りに形成されており、この実施例では長穴が水路を兼ねないため、水路142d’がカム環の小径筒部152bに形成されている。
【0046】
アダプタ環142、カム環152はたとえば以下のようにして組み込まれる。まず、アダプタ環のめねじ42b1がフロントケースのおねじ22a1に接着剤を介在して螺合されることによって、アダプタ環142はフロントケース22に固定される。これに対して、カム環の嵌合内周面42b2がエアレンズ環の嵌合外周面34c2に嵌合されてカム環152はエアレンズ環に結合され、4つのカムピン(カムフォロア)34dがカム環のカム溝42cを介してエアレンズ環のねじ穴34c1にそれぞれ螺合される。
そして、カム環152、エアレンズ環34は、カム環のおねじ(フィルタネジ)152b1をアダプタ環のめねじ(フィルタネジ)142b2に螺合させてフロントケース22に取付けられる。
【0047】
このように、アダプタ環142、エアレンズ環34の間にカム溝付のカム環152を介在し、アダプタ環、カム環がフィルタネジ142b2、152b1によってねじ結合されている。そのため、エアレンズ環34はカム環152に対して相対的に回転でき、実施例2においても実施例1と同様に、エアレンズ30が光軸O方向に移動するため、撮影レンズ24aのノーダルポイントの変化に対応して歪曲収差を適切に補正できる。
さらに、実施例2では、アダプタ環142、カム環152がフィルタネジによるねじ結合で結合されているため、カムピン(カムフォロア)34dを取付けたままエアレンズ環34がカム環152とともにフロントケース22から着脱可能となり、防水ケース20へのエアレンズシステム10(エアレンズ30)の装着が容易に行なえる。
また、エアレンズシステム10(エアレンズ30)は防水ケース20から容易に取り外され、防水ケースから分離して保管、携帯できる。
【0048】
実施例2の変形例を図9に示す。この変形例ではカム溝はエアレンズ環に形成されており、この点でのみ図8に示す実施例2と相違している。この変形例では、実施例2のカム環はなくその代わりに連結環152’が配置されている。連結環152’は、大径部とそれより径の小さい小径部とを繋げた段付筒形状とされ、大径部の外周面には上記と同様のカムピン34dが上記と同様の位置に螺着され、小径部の外周面にはフィルタネジとしてのおねじ152b1が設けられている。
すなわち、図9に示すように、上記と同様のカム溝がエアレンズ環34’の筒部34c’に形成されている。また、上記と同様のカムピン(カムフォロア)34d’はエアレンズ環のカム溝を介して延びて、半径方向内方に位置する連結環152’のねじ穴34c1’に螺着されている。なお、この変形例では、長穴42d’はエアレンズ環34’に形成される。
そして、フィルタネジ(めねじ)142b2がアダプタ環142に、フィルタネジ(おめじ)152b1が連結環152’にそれぞれ形成されて、アダプタ環、カム環がフィルタネジによるねじ結合のもとで着脱自在に構成されている。
【0049】
カム溝42c1’をエアレンズ環34’に設けたこの変形例においても、カムピン(カムフォロア)34dを取付けたまま、エアレンズ環が連結環152'とともにフロントケース22から着脱でき、防水ケース20へのエアレンズシステム10(エアレンズ30)の装着が容易に行なえる。
【0050】
なお、エアレンズ環の相対回転を表示する表示手段50は、実施例2においては、基準の指標50aはエアレンズ環34に、T、S、Wの付された指標50b1〜50b3はカム環152にそれぞれ設けられる。そして、実施例2の変形例では、基準の指標50aはエアレンズ環34’に、T、S、Wの付された指標50b1〜50b3はアダプタ環142にそれぞれ設けられる。
【0051】
上記実施例は、この発明を説明するためのものであり、この発明を何等限定するものでなく、この発明の技術範囲内で上記以外の変形、改造等の施されたものも全てこの発明に包含されることはいうまでもない。
たとえば、実施例1では、表示手段50である基準の指標50aをエアレンズ環34に、T、S、Wの付された指標50b1〜50b3をアダプタ環42にそれぞれ設けている。しかし、これとは逆に、指標50aをアダプタ環42に、T、S、Wの付された指標50b1〜50b3をエアレンズ環34にそれぞれ設けてもよい。
もちろん、実施例2およびその変形例においても、同様であり、図8の実施例2においては、基準の指標50aをカム環152に、指標50b1〜50b3をエアレンズ環34に、図9の変形例では、基準の指標50aをはアダプタ環142に、指標50b1〜50b3をエアレンズ環34’にそれぞれ設けてもよい。
【0052】
上記のように、本発明では、エアレンズ環をアダプタ環に対して相対的に回転可能としたため、エアレンズが撮影レンズに対して光軸方向に移動され、撮影レンズのノーダルポイントの変化による歪曲収差を手動で容易に補正できる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、撮影レンズのノーダルポイントがズーミングによって変化するカメラを防水ケースに収納して使用するエアレンズシステムおよびエアレンズに広範囲に応用できる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施例に係るエアレンズシステムの概略正面図を示す。
【図2】図1の線A−Aに沿った横断面図を示す。
【図3】図3はエアレンズ(空気レンズ)の分解斜視図を示す。
【図4】図2のB部の部分断面拡大図を示す。
【図5】エアレンズ環の一部破断の斜視図およびアダプタ環の斜視図を示す。
【図6】エアレンズシステムの概略側面図を示す。
【図7】(A)はエアレンズ環の表示部の拡大図を示し、(B)はエアレンズ環の変形例を示す。
【図8】本発明の別実施例(実施例2)に係るエアレンズシステムを示す。
【図9】実施例2の変形例を示す。
【図10】(A)〜(C)は、従来における200mmのズーミングにおける空気中での撮影、水中撮影、エアレンズシステムを装着した水中撮影におけるそれぞれの画像結果を示す。(D)は本発明に係るエアレンズシステム(エアレンズ)を使用した水中撮影での画像結果を示す。
【符号の説明】
【0055】
10 エアレンズシステム
20 防水ケース
22 フロントケース
22a 円筒部
22a1 おねじ
23 リアケース
24 カメラ
24a 撮影レンズ
25 撮影用窓
30 エアレンズ(空気レンズ)
32 ドーム部材
34(34’)エアレンズ環
34c1 ねじ穴
34c2 嵌合外周面
34d カムピン(カムフォロア)
38 レンズフード
40 バックカバー
42 アダプタ環
42b1 めねじ
42b2 嵌合内周面
42c(42c’) カム溝
42c1〜42c3 係止穴
42d(42d1、42d2;42d’) 長穴
49 エアレンズ進退手段
50 表示手段
50a エアレンズ環側の指標
50b1〜50b3 アダプタ環側の指標
142 アダプタ環
142b2 フィルターネジ(めねじ)
152 カム環
152’ 連結環
152b1 フィルターネジ(おねじ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中でカメラを使用可能とするため、カメラを収納する防水ケースに設けられるエアレンズシステムにおいて、
上記防水ケースの撮影用窓を取り囲むように取付けられ、上記エアレンズを光軸方向に移動させるためのカム溝を有するアダプタ環と、
上記エアレンズ側に設けられ、上記アダプタ環に相対回転可能な状態で嵌合し、上記カム溝に係合するカムフォロアを有するエアレンズ環と、
を備えることを特徴としたエアレンズシステム。
【請求項2】
水中でカメラを使用可能とするため、カメラを収納する防水ケースに設けられるエアレンズシステムにおいて、
上記防水ケースの撮影用窓を取り囲むように取付けられ、上記エアレンズを光軸方向に移動させるためのカムフォロアを有するアダプタ環と、
上記エアレンズ側に設けられ、上記アダプタ環に相対回転可能な状態で嵌合し、上記カムフォロと係合するカム溝を有するエアレンズ環と、
を備えることを特徴としたエアレンズシステム。
【請求項3】
上記カム溝には、上記カムフォロアが所定の複数位置で係止されるように、上記カム溝の軸は該所定位置を除いた部分は上記カムフォロアの直径より小さいことを特徴とする請求項1または2記載のエアレンズシステム。
【請求項4】
上記アダプタ環とエアレンズ環とで表示手段を構成し、上記相対回転位置の状態を表示することを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のエアレンズシステム。
【請求項5】
水中でカメラを使用可能とするため、カメラを収納する防止ケースに設けられるエアレンズシステムにおいて、
上記防水ケースの撮影用窓を取り囲むように取付けられ、上記エアレンズを取付けるためのめねじを有するアダプタ環と、
上記アダプタ環のめねじに螺合するおねじと、上記エアレンズを光軸方向に移動させるためのカム溝とを有する環状のカム環と、
上記エアレンズ側に設けられ、上記カム環に相対回転可能な状態で嵌合し、上記カム溝に係合するカムフォロアを有するエアレンズ環と、
を備えることを特徴としたエアレンズシステム。
【請求項6】
水中でカメラを使用可能とするため、カメラを収納する防止ケースに設けられるエアレンズシステムにおいて、
上記防水ケースの撮影用窓を取り囲むように取付けられ、上記エアレンズを取付けるためのめねじを有するアダプタ環と、
上記アダプタ環のめねじに螺合するおねじと、上記エアレンズを光軸方向に移動させるためのカムフォロアとを有する環状のカム環と、
上記エアレンズ側に設けられ、上記カム環に相対回転可能な状態で嵌合し、上記カムフォロアに係合するカム溝を有するエアレンズ環と、
を備えることを特徴としたエアレンズシステム。
【請求項7】
水中でカメラを使用可能とするため、カメラを収納する防水ケースに設けられるエアレンズにおいて、
上記防水ケースの撮影用窓を取り囲むように取付けられ、上記エアレンズを光軸方向に移動させるためのカム溝を有するアダプタ環と、
上記エアレンズ側に設けられ、上記アダプタ環に相対回転可能な状態で嵌合し、上記カム溝に係合するカムフォロアを有するエアレンズ環と、
を備えることを特徴としたエアレンズ。
【請求項8】
水中でカメラを使用可能とするため、カメラを収納する防水ケースに設けられるエアレンズにおいて、
上記防水ケースの撮影用窓を取り囲むように取付けられ、上記エアレンズを光軸方向に移動させるためのカムフォロアを有するアダプタ環と、
上記エアレンズ側に設けられ、上記アダプタ環に相対回転可能な状態で嵌合し、上記カムフォロと係合するカム溝を有するエアレンズ環と、
を備えることを特徴としたエアレンズ。
【請求項9】
水中でカメラを使用可能とするため、カメラを収納する防水ケースに設けられるエアレンズシステムにおいて、
上記エアレンズを光軸方向に移動させるため、上記防水ケースの撮影用窓を取り囲むように上記エアレンズと防水ケースとに設けられたエアレンズ進退手段を備えることを特徴とするエアレンズシステム。
【請求項10】
上記エアレンズ進退手段は、
上記防水ケースの撮影用窓を取り囲むように取付けられ、上記エアレンズを光軸方向に移動させるためのカム溝を有するアダプタ環と、
上記エアレンズ側に設けられ、上記アダプタ環に相対回転可能な状態で嵌合し、上記カム溝と係合するカムフォロアを有するエアレンズ環と、
を持つことを特徴とする請求項9記載のエアレンズシステム。
【請求項11】
上記エアレンズ進退手段は、
上記防水ケースの撮影用窓を取り囲むように取付けられ、上記エアレンズを光軸方向に移動させるためのカムフォロアを有するアダプタ環と、
上記エアレンズ側に設けられ、上記アダプタ環に相対回転可能な状態で嵌合し、上記カムフォロアと係合するカム溝を有するエアレンズ環と、
を持つことを特徴とする請求項9記載のエアレンズシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−151165(P2009−151165A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−330039(P2007−330039)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【出願人】(507331542)亞洲光學製品有限公司 (2)
【Fターム(参考)】