エアロゾル化可能な食料品の送達
エアロゾル化された食料品は、呼吸器官に容易に進入することなく口中に堆積するのに充分な寸法であり、かつ、空気中に浮遊することを可能とするのに充分小さな寸法であることが可能である。装置(110)はエアロゾル発生装置を組み込んでおり、食料品は、吸入または堆積および続く摂取に適切な物質における、食料品のエアロゾル化およびその送達を可能とすることができる。この食品送達装置(110)は、ヒトおよび動物の口に食品を送達する新規な手段となる。実際、本発明の装置(110)は、実質的に呼吸器官への進入または曝露なく主として口中に堆積するのに充分な寸法であり、かつ、空気中に浮遊することを可能とするのに充分小さな寸法である、エアロゾル化された食品粒子の発生、輸送、および配向を行うように設計されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル化された食料品と、その収容、エアロゾル化、および送達のうちの1つ以上のための装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、研究者らによって、エアロゾル粒子を用いて身体の様々な部分に物質を送達可能であることが示されている。一定の設計では、それらの粒子を薬剤送達に利用することが提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
口に入るのに充分に軽い粒子を吸入する場合、粒子が口の奥または肺に達して咳その他の有害な事象を引き起こすという危険に対処する必要がある。
したがって、空気による伝達の経路を介して口に物質を送達する手法は、概して(排他的ではなくとも)、管理された、呼吸以外によって行われる送達に焦点が置かれており、その気流の力および粒子の寸法は、粒子の軌跡が主に口腔内に限定されるようなものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明者らは、安静または努力呼吸(正常な吸入など)によって食品(その他様々な)粒子の口への送達を導くことのできる手法を開発した。この手法では、それらの粒子が気流によって喉の奥および肺に輸送されることは制限される。食品粒子の慣性および重力を制御することによって、また沈降力の向きを決定することによって、発明者らは、送達が喉の奥および肺に達しないように、口の表面に向けて集中させることができる。
【0005】
発明者らの手法には、2つの実用の側面が存在する:
1.粒子の寸法は発明者らの送達系にとって極めて重要である。すなわち、粒子は、安静呼吸中に空中に留まるのに充分なだけ小さく、かつ、喉および肺に堆積することを制限されつつ、主として口に堆積するのに充分なだけ大きい必要がある。
2.同時に、装置を通じてマウスピース外へのエアロゾル粒子の典型的な経路は、喉の奥から離れて変化する角度に向けられる。
【0006】
粒子の寸法を適切に決定するとともに空気の経路を装置に向けることによって、食品粒子は喉の奥やさらには呼吸器官の中ではなく、主として口中(舌、口蓋の上など)に導かれる。
【0007】
一態様では、この手法は、呼吸器官への進入が制限され主として口中に堆積するのに充分な寸法であり、かつ、空気中に浮遊することを可能とするのに充分小さな寸法である、エアロゾル化された食品粒子に関する。別の態様では、この手法は食料品を組み込んだ装置に関し、この装置は、食料品のエアロゾル化を可能とするエアロゾル発生装置と、吸入または堆積および続く摂取に適切な物により、エアロゾル化された食料品を送達する送達装置と、を備える。別の態様では、この手法は、エアロゾルによる食料品の送達用の機器または装置における気流配向要素に関する。それらの要素は、エアロゾルの雲を口へ送達する際、重力、慣性、その他のエアロゾルの雲に関係する力を制御することによって、口内表面へとエアロゾルを有意に逸らし、喉やさらには呼吸器官の中へと雲が進み続ける程度を減少させる。
【0008】
発明者らの装置は、ヒトおよび動物の口に食品を送達する新規な手段となる。実際、この装置は、実質的に呼吸器官への進入または曝露なく主として口中に堆積するのに充分な寸法であり、かつ、空気中に浮遊することを可能とするのに充分小さな寸法である、エアロゾル化された食品粒子を発生させるように設計されている。
【0009】
一部の実施形態では、発明者らの装置は、従来の機械的な送達手段(すなわち、器具の使用)および従来の機械的な食品消化手段(すなわち、噛んだり舐めたりすること)とは異なる方式により、吸入、身体運動、および/またはエアロゾルの運動、またはそれらの組み合わせによってヒトまたは動物の口に進入する、食品粒子のエアロゾル雲を発生させる。例えば、単純な吸入は、対象者の口を含む消化器官内に食品粒子が堆積することを可能とするように機能することができる。
【0010】
これに代えて、またはこれと組み合わせて、対象者は、単純な身体運動(対象者の口が食品粒子に暴露されるように歩くことまたは体を傾けることなど)によって、装置から放出された食品粒子に自身を物理的に曝露し、口中に食品を堆積させることができる。これに代えて、またはこれと組み合わせて、対象者は、単純なエアロゾル運動(対象者の口が食品粒子に暴露されるようにエアロゾルを運ぶ気流、または使用者がエアロゾルを運ぶ小容器など)によって、装置から放出された食品粒子に自身を物理的に曝露し、口中に食品を堆積させることができる。
【0011】
発明者らの装置は、一般に、食料品とエアロゾル発生装置とを含む。一部の実施形態では、装置は、食料品と、エアロゾル発生装置と、吸気路とを含む。一部の実施形態では、装置はマウスピースを含む。一部の実施形態では、装置は単にマウスピースからなる。装置は、マウスピースにおける吸入によって作動され、エアロゾル発生装置への食料品の曝露と、続く食料品のエアロゾル化とを生じてもよい。この吸入が、エアロゾル化された食料品を対象者の口に送達するようにさらに機能してもよい。
【0012】
一部の実施形態では、装置は、食料品と、エアロゾル発生装置と、力を発生させる装置(例えば、エアポンプ)とを含む。装置は、力を発生させる装置によって作動され、エアロゾル発生装置への食料品の暴露、続く食料品のエアロゾル化、およびエアロゾル発生装置からの放出を生じてもよい。
【0013】
一部の実施形態では、装置は、食料品と、エアロゾル発生装置(例えば、超音波源)とを含む。装置は、エアロゾル発生装置によって作動され、エアロゾル発生装置が食料品の霧化および/またはエアロゾル化を行い、装置から食料品を放出してもよい。
【0014】
一部の実施形態では、装置は送達装置を組み込んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1A】使用前の食品送達装置の一実施形態の概略図。
【図1B】使用中の食品送達装置の一実施形態の概略図。
【図2A】食品送達装置の斜視図。
【図2B】食品送達装置の斜視図。
【図2C】図2Aおよび2Bの食品送達装置の分解斜視図。
【図2D】図2Aおよび2Bの食品送達装置の切断斜視図。
【図2E】図2Aおよび2Bの食品送達装置の切断斜視図。
【図2F】図2Aおよび2Bの食品送達装置の断面図。
【図2G】図2Aおよび2Bの食品送達装置の一部の断面図。
【図3】特定の一実施形態の食品送達装置ならびにその使用および動作を示す図。
【図4】マウスピース112の代表的な一実施形態についての複数の見方を示す図。
【図5】エンドキャップ114の代表的な一実施形態についての複数の見方を示す図。
【図6】カプセル116の代表的な一実施形態についての複数の見方を示す図。
【図7A】使用前の食品送達装置の概略図。
【図7B】使用中の食品送達装置の概略図。
【図8】手動のエアロゾル発生装置を用いる乾燥ミント粒子のエアロゾル化および放出の写真の図。
【図9A】食品送達装置の斜視図。
【図9B】食品送達装置の平面図。
【図9C】食品送達装置の側面図。
【図9D】食品送達装置の底面図。
【図10A】エアロゾル発生装置の斜視図。
【図10B】エアロゾル発生装置の平面図。
【図10C】エアロゾル発生装置の側面図。
【図10D】エアロゾル発生装置の底面図。
【図11】異なる使用段階における食品送達装置の写真の図。
【図12A】食品送達装置の斜視図。
【図12B】食品送達装置の平面図。
【図12C】食品送達装置の正面図。
【図12D】食品送達装置の背面図。
【図12E】食品送達装置の左側面図。
【図12F】食品送達装置の右側面図。
【図12G】食品送達装置の底面図。
【図13】異なる使用段階における食品送達装置の写真の図。
【図14】使用時の食品送達装置の写真の図。
【図15】乾燥、粉砕、篩分したミント葉のHELOS−RODOS粒度分析のグラフ。
【図16】食品送達装置の写真の図。食品送達装置は、ハウジングと、ハウジングに形成されたマウスピースと、ブリッジ部を介してマウスピースに取付けられた気流配向要素と、空気通路および格子を有するカプセルと、空気通路を有し、カプセルおよびハウジングの両方と共に留めることの可能なキャップと、を備える。一部の実施形態では、格子(この図ではカプセルの一部)はエアロゾル発生装置として機能する。
【図17】食品送達装置の写真の図。食品送達装置は、ハウジングと、ハウジングに形成されたマウスピースと、ブリッジ部を介してマウスピースに取付けられた気流配向要素と、空気通路および格子を有するカプセルと、空気通路を有し、カプセルおよびハウジングの両方と共に留めることの可能なキャップと、を備える。一部の実施形態では、格子(この図ではカプセルの一部)はエアロゾル発生装置として機能する。
【図18】食品送達装置の特定の一実施形態の詳細を示す図。食品送達装置は、ハウジングと、ハウジングに形成されたマウスピースと、ブリッジ部を介してマウスピースに取付けられた気流配向要素と、空気通路および格子を有するカプセルと、空気通路を有し、カプセルおよびハウジングの両方と共に留めることの可能なキャップと、を備える。
【発明を実施するための形態】
【0016】
発明者らの手法は、少なくとも部分的には、新たな形態の食品や、そうした食品の送達のための方法および装置の実現に基づく。より詳細には、この送達技術および手法は、エアロゾル化された食料品と、そうした食料品を発生させて対象者に送達するように設計された食品送達方法および装置に関する。そうした装置は、エアロゾルによって食品物質を口へ送達することが可能である。ここで、エアロゾル雲は自然な吸気によって発生されて口へと送達される。装置のマウスピースは、空中を伝達される食品粒子が喉の奥から逸らされて呼吸系への侵入を制限されるように設計される。
【0017】
図1Aおよび1Bを参照すると、食品送達装置50はエアロゾル発生装置を備えており、吸入によって、食料品52のエアロゾル化と、それに続く、対象者の口へのエアロゾル化された食料品の送達とが生じる。食品送達装置50は、食料品52(例えば、粉末化された食品)を収容している隔室54を備える。隔室54は、吸気路56を有し、マウスピース58に接続されている。吸気路56、隔室54、およびマウスピース58によって、吸入によって発生した気流が食料品52をエアロゾル化し、エアロゾル化された食料品を隔室54からマウスピース58を通じて消費者の口へと運ぶような、空気の通路が可能となる。
【0018】
図2A〜2Fを参照すると、食品送達装置100は、マウスピース112と着脱可能なエンドキャップ114とを有するハウジング110を備える。食品送達装置100の寸法は、装置100を用いてエアロゾル化食料品の発生および送達を行う際、使用者が容易に装置を片手に保持することが可能であるように決定される。気流配向または偏向部材118は、ブリッジ120を有するマウスピース112の一端に配置されている。ブリッジ120は、マウスピース112の出口122の面から離間された場所に、気流配向部材118を配置する。エンドキャップ114は、マウスピース112において気流配向部材118に対向する端部に取付けられている。
【0019】
図2Dに見られるように、マウスピース112は、マウスピース112の入口124から出口122に延びる流体流通路を形成する。エンドキャップ114は、エンドキャップ114の1つの面からエンドキャップ114の対向面に延びる空気通路126を有する。エンドキャップ114がマウスピース112の入口端部でマウスピース112に取付けられているとき、マウスピース112およびエンドキャップ114はハウジング110を通る流路を一体となって形成する。したがって、使用者が自身の口にマウスピース112の出口122を置いて吸入を行うと、エンドキャップ114を通じてマウスピース112の入口124へ、またマウスピース112を通じてマウスピース112の出口122へと空気が流れる。気流配向部材118と接触することによって、空気は偏向し、マウスピース112の外に流れる。
【0020】
一部の実施形態では、気流配向要素は薄い板であり、この板は、マウスピースの軸にほぼ垂直であるとともにマウスピースにおける略気流方向に対向する平坦な表面を有する。幾つかの場合には、この板は1つ以上の「ブリッジ」を介してマウスピースに取り付けられており、この「ブリッジ」が、例えば、マウスピースの端部と同じかそれよりわずかに上または下のレベルに板を保持することで、空気およびエアロゾル化された食料品に板の周囲を通過させてもよい。様々な実施形態では、この板はマウスピースの開口部より小さな直径を有してもよく、マウスピースの開口部と等しい直径を有してもよく、マウスピースの開口部より大きな直径を有してもよい。これに加えて、この板は任意の所望の形状(例えば、楕円形または円形)であってよい。気流配向要素は口の面(例えば、口内の上下左右の面)にエアロゾルを再配向し、それによって、喉に向かって咳をする反射を誘発し得るエアロゾルの流れを制限する。むしろ、エアロゾル化された食料品は、呼吸器官の中へとより深く運ばれるのではなく、感知または認識されることの可能な舌または口の他の部分に堆積する。一部の実施形態では、気流配向要素は、異なる形状、寸法、および/または設計であるが、同様に、エアロゾル化された食料品を再配向し、咳をする反射を制限する、および/または味覚体験を強化するように機能する。様々な板の寸法および位置の試験では、それらの2つのパラメータが咳の可能性に対し影響を与え得ることが示されている。例えば、予備試験では、直径がマウスピースの外径にほぼ等しく、マウスピースに接近して配置された板は、エアロゾルの再配向および咳の制限について、直径がマウスピースの内径にほぼ等しく(したがって、より小さい)、マウスピースからより大きな距離に配置された(エアロゾルが通過する空間がより大きい)より、一般に有効であることが
分かった。
【0021】
この実施形態では、エンドキャップ114は弾性材料から形成される。エンドキャップ114の第1の端部128は、マウスピース112の対応する端部の内面とのスナップフィット(snap−fit)係合を提供するように寸法決定および構成された外面を有する。一部の実施形態では、マウスピース112にエンドキャップ114を取付けるために、スナップフィット係合に代えて、または加えて、他の形態の係合が用いられる。例えば、一部の実施形態では、エンドキャップ114およびマウスピース112はねじ山を有し、一体に螺合される。
【0022】
マウスピース112はエンドキャップ114と共に(すなわちハウジング)、例えば、粉末食料品(図示せず)を収容するカプセル116など、カプセル116を受け入れるように寸法の決定された内部キャビティを形成する。カプセル116は、カプセル116の内容物(例えば、粉末食料品)とマウスピースとの間を連通させるように構成される。この実施形態では、カプセル116は、開放端部130と、対向するエアロゾル発生端部132とを有する。カプセル116の開放端部130は、エンドキャップ114の第1の端部128内に嵌合し、エンドキャップ114の第1の端部128の内面とのスナップフィット係合を提供するように寸法決定および構成される。一部の実施形態では、カプセルはハウジングにスナップで留められてもよく、螺合されてもよい。一部の実施形態では、カプセルの開放端部は、例えば、スナップ留めまたは螺合によって、キャップによって覆われてよい(一定の実施形態では一定の回数だけ)。一部の実施形態では、カプセルの入口端部は、開放されているのではなく、空気流路を形成する。
【0023】
図2Fを参照すると、一部の実施形態では、カプセル116は、キャップ114の内側の全周状スナップ機構によってキャップ114に留められ、キャップ114は、断続的なスナップ機構によってマウスピース112に留められる。この装置は、したがって、通常、カプセル116からキャップ114を分離する方がマウスピース112からキャップ114および/またはカプセル116を分離するより困難であるように、設計されてよい。使用者は、キャップ114からカプセル116が偶然に分離される危険を最小限としつつ、次いで、マウスピース112から除去することによって、カプセル116および/またはキャップ114を容易に交換することが可能である。
【0024】
一部の実施形態は、装置を使用することおよび装置が機能することを容易とするスナップ機構を組み込むことによって、さらに強化されてよい。例えば、装置は、空気通路の開閉を可能とする上述のような機構の使用を容易にするためにスナップ機構を組み込むことができる。例えば、マウスピースおよびカプセルは、それらが1つ(以上)のスナップ機構時によって接続可能であり、カプセルおよびキャップが2つ(以上)のスナップ機構によって接続可能であるように、設計されることが可能である。例えば、マウスピースは比較的弱い1つのスナップインタフェースによってカプセルに接続されてよく、カプセルは比較的強い2つのスナップインタフェースによってキャップに接続されてよい。一部の実施形態では、これらのスナップ機構は、次のことが可能である。すなわち、(1)カプセル(より一般的には、食品を収容している装置の一端)をマウスピース(より一般的には、送達装置)に対し保持する(「スナップA」);(2)粉体の損失を最小化する最初の「閉」構成においてカプセルおよびキャップを保持(より一般的には、食品を収容している装置の部品を一体に保持)し(特に、輸送中、取扱中などに関連)、場合によっては、使用前に食料品を保護するために、保護された、気密またはほぼ気密な環境を提供するように機能する(「スナップB」);(3)使用者の介在の後、カプセルおよびキャップ(より一般的には、食品を収容している装置の部品)を再接続して、装置を通じて空気が流れることが可能であり、続く食料品のエアロゾル化を可能とする新たな「開」構成を維持する(「スナップC」)。
【0025】
これらのスナップの各々を作動させるのに必要な力は、装置の機能および使用の容易さにおいて一定の役割を担う。それらは次の使用を可能とするように構成されてよい。すなわち、(1)使用者がマウスピースにカプセル/キャップ部品を取付ける。スナップAが作動する。すると、カプセルがマウスピースおよびキャップ内に隠れる。(2)使用者は、ここで、キャップを引き下げて、スナップBを外す。強力なスナップAでは、カプセルはマウスピースに接続されたままであり、キャップはマウスピースから滑動によって除かれる。上述のように、このカプセルとキャップとの間の相対運動によって、空気路が開通される。(3)使用者は、スナップCが作動するまでキャップを引き戻し、空気路が開通したままとなるようにカプセルおよびキャップを適所に固定する。使用者は、ここで、吸入を行い、食料品をエアロゾル化させ、口へと送達させることが可能である。食料品が消費されると、このスナップ(C)は高強度であるので、カプセルをキャップから分離する危険を最小限とするのではなく、使用者はマウスピースからカプセル/キャップを引き抜き、新たなカプセル/キャップと交換することが可能である(このカプセルは、スナップAを介してマウスピースに接続されていると同時に、スナップCによってキャップに接続されている。スナップCはスナップAより強力であるように作成されるため、マウスピースおよびキャップを反対方向に引くように使用者の加える力によって、一般に、カプセルおよびキャップが1つのユニットとしてマウスピースから取り外され、したがって、スナップAが外れる)。一部の実施形態では、スナップCは、マウスピースが除去された後であっても、カプセルとキャップとを使用者が完全に分離する能力を最小化するという点で重要である。幾つかの場合には、使用者が自身の製品を追加しようとすることその他、食料品または食品収容隔室をいじるのを妨げることが所望される場合がある。
【0026】
多くの例では、装置全体の機能に影響を与えることなく、一部の実施形態の変形が設計されてよい。例えば、装置が円筒状であるという性質が、例えば、美観に影響を与えるために変更されてもよく、装置の全長についてもそうであってよい。これに代えて、または加えて、エアロゾル発生装置(例えば、格子など気流撹乱要素)が、円筒状マウスピースユニットに組み込まれてもよい。一部の実施形態では、エアロゾル発生装置は1より多くの部品を含んでよい。例えば、格子および/またはキャップにおける気流通路は、エアロゾル化を生じる乱流を発生させる際に個々の役割を担ってよく、または両方が必要であってもよい。一般に、格子、気流通路、寸法などについて、正しいエアロゾル化気流を生じるような複数の組み合わせが存在し得る。
【0027】
一部の実施形態では、装置の寸法は、適切な気流動力学を保持しつつ、標準的な医療用カプセルが直ちに隔室として用いられるように、または上述のカプセルおよび/またはキャップを一定の程度まで交換できるように、その他、粉体の充填、貯蔵、および放出の過程を単純化するように選択される。
【0028】
一部の実施形態では、カプセルおよび/またはキャップは凹型の内側空間を有し、カプセルおよびキャップのいずれかまたは両方に粉体が充填された後、2つのユニットは、ほぼ閉じた内部チャンバを形成するように、一体に留められまたは螺合される。このカプセル、または装置の別の部品は、さらにエアロゾル発生装置を含む。エアロゾル発生装置は、例えば、気流を撹乱させる「格子」であり、それを通じて空気および粉体を流すことによって使用者に送達するためのエアロゾルが得られる。このキャップおよび/またはカプセルは、例えば、包囲された隔室のそれぞれの端部に、吸入時に空気を流通させることの可能な空気通路を含む。この設計(例えば、空気通路の寸法または形状)は、粉体の損失を最小化しつつ、充分な気流を提供する。
【0029】
一部の実施形態では、キャップ114および/またはカプセル116は、粉体の損失を最小化するように設計されている。例えば、図1Eに示すように、底部まで直線的ではな
く、側面に対し角度を有しており、したがって、装置が直立しているときであっても、重力によって粉体が落下することを制限する。粉体がカプセル/キャップの内部に存在し、振動その他の運動が最小であるとき、粉体は通路の底面に蓄積する場合があるが、側面の通路を通じて落下することは最小化される。
【0030】
一部の実施形態では、気流と粉体の損失を最小化することとの間の平衡の必要は、空気通路の選択的な開閉を可能とする機構によって達成される。例えば、一部の実施形態では、カプセルおよびキャップ部品は一体に嵌合する場合であっても、次の2つの構成を可能とするように互いに対し滑動することが可能である。すなわち、閉構成においては、両者は接近して一体となり、カプセルの基部の要素はキャップの空気通路を塞いでいる。開構成においては、カプセルおよびキャップはわずかに分離しており、キャップの空気通路を通じて空気が流れることが可能である。
【0031】
一部の実施形態では、マウスピース、カプセル、および/またはキャップは、1回の使用(恐らくは、使い捨て)のために設計されているか、あるいは複数回の使用のために設計されている。例えば、一部の実施形態では、カプセルおよびキャップは使い捨てであってよく、随意では、様々な食品粉体と共に利用可能である一方、マウスピースは再使用可能であってよい。一定の実施形態では、予め充填された標準的な寸法のカプセル(例えば、ジェルカプセル(gel capsule)またはブリスターパック)を用いることが可能である。そうした実施形態では、より容易な充填、交換、洗浄、および廃棄が可能となる。加えて、そうした実施形態では、複数回投与カプセルの製造が可能となる。そのような予め充填されたカプセルは、使用前に、ハウジング内の設計要素(例えば、鋭端部、刃、装置の圧縮、または装置のねじ曲げ)によって、穿孔、破断、切断、または破壊可能である。食料品は、このために、例えばチャンバ中へ放出され、吸入または活性化中に発生した気流の影響を受け易くなる。別の例として、食料品は、元の容器内に依然として実質的に存在する場合であっても、もはや吸入および/または活性化中に発生した気流に連通しており、したがって、その影響を受け易くなる。活性化および使用の後、空になったカプセルを隔室から除去し、簡便に廃棄することが可能である。これに代えて、カプセルは複数回の使用のために設計されることが可能である。例えば、カプセルは再充填可能であってよい。
【0032】
一部の実施形態では、ハウジングは、2以上、例えば、3、4、5、6、7、8、9、または10個のカプセルを組み込むことによって、例えば、使用者が所望の通りに様々な風味を様々な量で混合して調和させることが可能となるように設計される。一部の実施形態では、ハウジングは、1度に1つが作動される複数のカプセルの組の充填を可能とすることによって、使い果したカプセルの除去および交換の頻度を減少させるように設計されることが可能である。
【0033】
一部の実施形態では、装置は、2以上、例えば、3、4、5、6、7、8、9、または10人の使用者による使用のために設計される。例えば、装置は、複数の使用者による同時の使用を可能とするために、気流配向要素を有するように各々設計された複数の分岐を有するように設計されることが可能である。
【0034】
一定の態様では、装置はハウジング、カプセル、およびキャップを備える。代替の態様では、装置はハウジングおよびキャップを備え、ハウジングおよびキャップの両方は、カプセル(例えば、使い捨てまたは再充填可能なカプセル)と共に使用するために設計される。他の態様では、装置は使い捨てまたは再充填可能なカプセルを含んでいる。他の態様では、装置はマウスピースを含んでおり、様々なエアロゾル化された食料品、エアロゾル化された食料品の源、および/またはエアロゾル化された食料品の容器と共に用いられる。
【0035】
なお、マウスピース、カプセル、キャップ、格子、マウスピース板などの機能(すなわち、食料品収容、エアロゾル発生、エアロゾル送達、気流(およびエアロゾル)配向など)は、一部の実施形態では、同じ全機能を維持しつつ、1つ以上の潜在的に異なる物理ユニットに関連付けられてよい。例えば、一部の実施形態では、1つの装置ユニットが全ての機能的な面を組み込んでよい。一部の実施形態では、マウスピースが、エアロゾル発生装置、エアロゾル送達装置、ならびに気流(およびエアロゾル)配向装置を収容し、食料品容器は分離されていてもよい。一部の実施形態では、上述のように、食料品はカプセルおよびキャップ内に収容され、エアロゾル発生装置はカプセルの一部であり、気流配向要素を有するマウスピースはカプセル/キャップから使用者にエアロゾルを送達するために用いられてよい。
【0036】
図3を参照すると、使用者は装置100の充填を行うことによって、食品送達装置100を動作させる(工程200)。装置100を使用者の口に持ってゆく(工程210)。マウスピース112を通じて吸入する(工程212)ことによって、空気通路を通じてキャップおよびカプセルへ空気を進入させる。この空気によって、カプセル116中に存在する食品粉体がエアロゾル発生装置(例えば、格子)を通じてエアロゾル化され、続いて、マウスピース112を介して使用者の口に進入する。
【0037】
図4は、マウスピース112の代表的な一実施形態についての複数の見方を示す図である。
図5は、エンドキャップ114の代表的な一実施形態についての複数の見方を示す図である。
【0038】
図6は、カプセル116の代表的な一実施形態についての複数の見方を示す図である。
上述の実施形態のうちの幾つかでは、エアロゾルは、特定の時点にて、または特定の活性化工程に対応する短い期間を通じて発生するか、使用者に依存した工程によって発生するか、またはその両方である。例えば、幾つかの場合には、エアロゾルの発生は、使用者による1つ以上の吸入操作に関連する。それらの実施形態の多くでは、食料品は固体状態であり、ほぼ乾燥した粉体であってもよい。しかしながら、発明者らの手法は、エアロゾルがより連続的な源および/または使用者の外の源(例えば、1つ以上の圧電超音波振動板、エアポンプ、または圧縮空気源)によって発生する、他の一連の実施形態にも関する。これらの源の一部は、ほぼ固体の食料品からエアロゾルを発生させるのに、より適切な場合があり、他の一部は、ほぼ液体の食料品からエアロゾルを発生させるのに、より適切な場合がある。
【0039】
一部の実施形態では、食料品は、ほぼ液体状態であり、食料品に連通した超音波源によるエアロゾル発生は、液体の霧化と、それに続くエアロゾル雲の形成を含む。例えば一部の実施形態では、圧電振動板が液体食料品内に配置され、この板の超音波震動によって液体の表面においてエアロゾルを発生させる。
【0040】
上述の実施形態の多くでは、エアロゾルは、ハウジング、マウスピース、カプセル、および/またはキャップ内に発生し、ハウジングおよび/またはマウスピースを介して使用者に直接的に送達される。ほぼ閉じ込められていないエアロゾル(例えば、超音波源などの外部源によって発生したエアロゾル雲などのエアロゾル雲)が用いられる実施形態では、対象者に有意な味覚を誘発するために非常に濃縮されたエアロゾルを発生させることが必要な場合がある。しかしながら、非常に濃縮されたエアロゾルは、粒子間の衝突率がより大きく、慣性衝突、拡散などにより、時間を通じて、エアロゾルが周囲の空気へ広がって、次第に希薄化する場合や、粒子が結び付く場合がある(例えば、液体のエアロゾルである場合)。追加の試験によって、味覚、美観、およびほぼ閉じ込められていないエアロ
ゾル化された食料品の消費に関する他の因子を均衡させる濃度範囲の決定が支援される場合がある。したがって、一部の実施形態では、エアロゾル雲は、ポットその他(透明、不透明、または半透明な)媒質または容器内に閉じ込められてよい。特定の一実施形態では、閉じた泡を用いてエアロゾルを閉じ込め、「浮遊する」エアロゾル(容器もしくは泡内を浮遊するか、または容器もしくは泡自体が浮遊する)の美観を保持するとともに、外気に開放された「摂食」または吸入を介するよりも高いエアロゾル濃度を維持し、口へのエアロゾルのより効率的な送達を可能とする。エアロゾルの泡または容器は、幾つかの場合、それ自体可食であってよい。幾つかの場合には、泡または容器は開放されており、エアロゾルへのアクセスを提供できる。
【0041】
外部源(例えば、超音波源)は、一部のそうした閉じ込める媒質または容器に配置され得る。外部環境から完全には閉じられてない媒質または容器(例えば、ポット)では、その媒質または容器の高さは、対流、拡散、慣性衝突、および他の力からの保護の必要性をエアロゾルへのアクセスの必要性(例えば、頂開放部を介して、小さな開口部を介して、一定の時に閉止可能な開口部を介して)と均衡させるように選択可能である。
【0042】
図7Aおよび7Bを参照すると、食品送達装置300は、食料品312を収容している容器310を含む。力発生器314(例えば、エアポンプまたは圧縮空気源)は、容器310に取付けられている。作動されると、力発生器は、エアロゾル化部品316を通じる通路によって、食料品312のエアロゾル化と、それに続く外的環境への食料品312の放出とを生じさせる。得られるエアロゾル雲318は、次いで、例えば、雲または対象者の移動によって、または吸入によって消費され得る。
【0043】
図8を参照すると、力発生器としてハンドポンプを備えるプロトタイプを構築した。このプロトタイプを用いて、手動のエアロゾル発生装置を用いる乾燥ミント粒子のエアロゾル化および放出を行った。
【0044】
図9A〜9Dを参照すると、食品送達装置350は容器352を備える。容器352は、安定に支持面(例えば、床または卓)上に容器を支持するように構成された基部354を有する。エアロゾル発生装置356は、容器352の内側キャビティ358に配置されている。エアロゾル発生装置356(図10A〜10Dに、より詳細に示す)は、煙霧発生器362を受け入れる頂開放部を有する透明なプラスチックケース360を備える。煙霧発生器は、例えば、超音波発生器または圧電発生器である。
【0045】
図11を参照すると、食料品は、食品送達装置350のエアロゾル発生装置356のケース360に配置可能である。発生器が作動されると、食料品はエアロゾル化され、幾つかの場合、エアロゾル発生装置356の場合、ケース360の頂開放部を通じて容器352の内側キャビティ358へと通過する。幾つかの場合、エアロゾル混合物は充分に密であり、エアロゾル混合物は、ほぼ容器352内に存在する。容器352は、支持面上に位置する基部354と共に食品送達装置350が配置されるとき、基部から垂直方向に離れた内部キャビティ358まで容器を通じて延びている、上側の開口部を有する。幾つかの場合、容器の上側開口部はカバーで閉まっている場合がある。
【0046】
食品送達装置は、他の外側形状を有するように形成されることも可能である。図12A〜12Gを参照すると、同様の食品送達装置400の十二面体形の容器410がエアロゾル発生装置412を受け入れている。図13を参照すると、使用時には、食品送達装置400は、開放面を真っ直ぐ上方へ配向させて配置可能である。図14を参照すると、使用時には、食品送達装置400は、開放面を支持面に対し一定の角度で上方へ配向させて配置可能である。
【0047】
送達機構を用いて、エアロゾルまたはエアロゾルの一部を使用者へ運ぶことが可能である。一部の実施形態では、送達機構は上述のようにマウスピースからなる。エアロゾルは送達装置から離れて発生してもよいので、送達装置は、上述のように吸入時に口内の表面にエアロゾルを配向させる気流配向要素を有するマウスピースからなってもよい。一部の実施形態では、例えば、エアロゾルを閉じ込める構造または装置と干渉せずにエアロゾルにアクセスすることをより容易にするために、送達装置がより長いことが便利である。一部の実施形態では、送達装置は長尺状のマウスピースである。一部の実施形態では、送達装置は、マウスピースの長さを延長するように本質的に機能する分離した装置(例えば、中空の円筒)に接続されたマウスピースである(幾つかの場合、この装置は、他の使用者と同じ延長装置を用いつつ、使用者がその人自身のマウスピースを用いることを可能とすることができる。これは、複数の長いマウスピースの製造(高価な場合がある)を必要とすることなく、複数の人々がエアロゾルを味わうための衛生的な手法であると考えることができる)。一部の実施形態では、送達装置は「食品ストロー」である。
【0048】
一部の実施形態では送達装置は直接的に用いられることが可能であるが、他の実施形態では、さらにエアロゾル雲のより小さな部分を閉じ込めるために、エアロゾル発生後(または発生中)かつ送達前に追加の中間工程を実行することが可能である。この構成によって、エアロゾル雲の濃縮された部分と送達装置との近接度が高まることが支援され、検出可能および/または評価可能な味を向上させる、場合によっては検出および/または評価が可能となる。これにより、消費前に個々の「部分」に雲を分離することによって、1回のエアロゾル発生装置の商用使用に関する衛生上の懸念(現実であれ錯覚であれ)に部分的に応じられる。
【0049】
例えば、エアロゾル発生装置の存在するポットまたは他の容器(例えば、液体食料品内の超音波装置)では、エアロゾル雲は、グラス、シャンパンフルート、スープレードルなど、より小さな容器へ収集可能であり、次いで、このより小さな容器と共に送達装置(例えば、マウスピース)を用いることが可能である。例えば、マウスピースはグラスその他の容器内に配置可能であり、吸入によって、このグラスまたは容器内の雲が使用者の口に送達される。マウスピースの気流配向要素は、口内表面に粒子を配向させ、粒子がさらに呼吸器官へと進み続ける程度を制限するのを支援する。
【0050】
分離した液体エアロゾル発生装置(例えば、圧電源および/または超音波源を用いる)の一定の実施形態では、通常、雲の範囲を充分に越えて到達する、相当数のより大きな液滴が存在する。したがって、雲から食料品を消費しようという試みによって、通常、消費者がそれらの液滴によって打たれるのを避けることを可能とする機構(例えば、それらの液滴を源の近傍においてブロックすることによって、雲から一定の距離に留まることによって、および/または、液滴に対する消費者の曝露を最小化する送達装置を用いることによって)の使用が促される。
【0051】
超音波源の上方において格子(ポアサイズが、問題を生じるより大きな液滴より小さく、かつ、雲の液滴より大きい)を使用する試みは、失敗であることが分かった。雲の液滴は、ポアを通じて適合させることが可能であったものの、全体として、容易に格子を越えて移動し大きく密な雲を発生させるのに充分な運動エネルギーを有していなかった。
【0052】
有効であり得る1つの解決手段は、より大きな液滴が外に突出するのを防止する一種のカバーを雲の上に備えることである。一部の実施形態では、このカバーの概念は、容器全体を通じて、使用の直前に除去されるより大きなカバーを配置することによって、実現可能である(例えば、図11を参照)。一部の実施形態では、容器の別の表面または側面は超音波源の位置の上方に幾らか延びることが可能であるので、一部の突出する液滴をブロックすることが可能である。一部の実施形態では、側面の開口部または空間を介して雲に
対するアクセスが可能である(例えば、図14を参照)。一部の実施形態では、超音波源は、容器の側面または装置全体の非開放部分に面するように一定の角度に配置可能であるので、開口部の外または開放側面の外にではなく、主として対応する対向する側面に液滴を突出させる(例えば、図13を参照)。
【0053】
これらの実施形態に対し、容器が様々な寸法および配向を有するシステム、および/または様々な寸法、形状、および配向を有するカバー(装置の残部に取付けまたは接続が行われても行われなくともよい)の存在するシステムを含む、多くの均等物が可能である。全体として、雲が容易に形成されることを可能とするように、源から一定の距離に配置され、より大きな液滴が突出することを防止する任意の形態の中実面の存在は、本明細書に記載の実施形態に対する変形であると考えられる。
【0054】
代替の一解決手段は、一定な距離における消費を可能とする送達装置の使用である。例えば、気流配向要素を有するマウスピースを用いることが可能である。一部の実施形態では、マウスピースは、より長い距離を通じた送達のために、長尺状とされ、「ストロー」として機能することが可能である。一部の実施形態では、長尺状のマウスピースは2つの部分、すなわち、マウスピースおよび延長部からなってよい。例えば、マウスピースは気流配向要素を有してもよく、一定の直径および長さの円筒を組み込んでもよい。この延長部は、例えば、マウスピースと接続(例えば、嵌合、スナップ、螺合など)してもよく、同様の直径を有してもよく、一定の長さであってもよい。この後者のシステムでは、マウスピースおよび延長部は独立に交換されてよい(例えば、各使用者は1つのマウスピースを有し、各々順番に、同じ延長部を用いてよい)。
【0055】
エアロゾル化の活性化および食料品の送達
エアロゾル発生装置は、所望の特性(すなわち、粒子寸法、空中伝達時間/浮遊継続時間、放出用量など)のエアロゾルを生成可能な任意の装置である。エアロゾル発生装置に加えて、追加の気流制約装置、エアロゾルが収容されている密閉空間、吸入器における空気通路、マウスピース、気流配向要素その他、対象者の口へのエアロゾルの送達を可能とする、容易とする、または最適化する装置または構造など、送達装置が存在してもよい。例えば、図2A〜6にはカプセルおよびキャップを示すが、これは、多くの実施形態では、食料品容器として機能し、エアロゾル発生装置(主として格子からなる)を組み込んでいる。多くの実施形態では、カプセルおよびキャップは互いに接続され、また気流配向要素を有するマウスピースに接続され、マウスピースが送達装置として働く。
【0056】
重力および慣性力を制御することによって、一部の実施形態では、気流配向要素によって、エアロゾル雲がほぼ口内の表面まで送達されるが、さらに呼吸器官へと降りて行かないことが分かった。この技術の態様は、食品エアロゾルの数々の潜在的な用途に極めて関連している。実際、同じそうした送達装置によって、咳や、口を越えて呼吸器の表面と相互作用する可能性を最小化または除去しつつ、多数の様々な手法により発生される広範囲の食品エアロゾルを消費者に送達することが可能である。
【0057】
この技術に関連した装置または構造の設計では、咳込み、えづき、その他、エアロゾルに対して好ましくない反応を生じる傾向を減少させることを考慮したり、試みたりしてもよい。
【0058】
これらの装置および関連する装置(食品収容装置など)は、様々な異なる手法により具体化可能である。本明細書に記載の装置は例示を目的としている。
食料品のエアロゾル化と、それに続く得られたエアロゾル化食料品の送達とは、次に限定されないが、呼吸、装置の活性化、身体の移動、エアロゾルの移動、およびそれらの組み合わせからなる動作を含む、様々な手段によって生じてよい。例えば、そうした動作は
、次のうちの1つ以上を含んでよい。すなわち、
a)呼吸の動作(例えば、マウスピースでの吸入によって、エアロゾル発生装置への食料品の暴露と、エアロゾル化された食料品の口への送達とを生じる);
b)装置活性化の動作。次に限定されないが、少なくとも部分的には食料品をエアロゾル化することを支援するかその原因となる、超音波源の活性化、ポンプの作動、圧縮空気源の活性化、インペラの活性化、容器の穿孔、空気通路の開放を含む(このようにして形成されたエアロゾルは、ほぼ密閉された空間(例えば、スペーサ)に存在してもよく、ほぼ開放された空間に存在してもよい(例えば、空気中または密閉構造中の「雲」として));
c)エアロゾル「に対する」または「に向かった」呼吸の動作(エアロゾルは、例えば、スペーサ装置に収容されていても、雲として自由に浮遊していても、より大きな構造内に収容されていてもよい)。ストロー、マウスピースその他の装置の使用によって行われることで、ほぼ口中に食品を堆積させる;
d)歩行または体を傾けることなど、身体的な移動の動作(場合によっては、特定の手法で、口、舌、その他の身体部分を配置または位置させることと共に)。対象者の口をエアロゾル雲またはその一部に暴露することによって、ほぼ口中に食品を堆積させる;
e)エアロゾル移動の動作。例えば、気流、熱または気圧の勾配、慣性衝突、拡散、または重力によって引き起こされ、対象者の口をエアロゾル雲に暴露するようにエアロゾル雲またはその一部をある位置に持ってゆくことで、ほぼ口中に食品を堆積させる(エアロゾルの移動によって粒子濃度の稀釈と雲の拡散が生じる場合であっても);
f)装置活性化、装置使用、空間制約、気流閉じ込めなど、または、特定の構成、形状などにおける口、唇、舌、顎、頭、その他の身体部分の配置または位置決めの追加の動作、または適切に食料品をエアロゾル化すること、送達すること、および/または味わうことを支援する他の追加の動作(例えば、食品ストローの使用、収容チャンバの開閉、気流を逸らすように舌を持ち上げることなど)。そうした動作を用いて、咳込み、えづき、その他、食料品に対して好ましくない反応を生じる傾向を減少させることを支援することができる。
【0059】
本明細書においてなされる粉体、液体、エアロゾル、雲などに対する参照はすべて、粉体、液体、エアロゾル、雲などの全量の一部または部分に対する参照に等しい。
この装置自体が1回の使用(例えば、使い捨て)または多数回の使用のために設計されてもよく、例えば、用量カプセルが交換されるか、用量チャンバが再充填される。これに代えて、または加えて、装置の一部(例えば、マウスピース、食品収容装置、カプセル、および/またはキャップ)が使い捨てであってもよい。一部の実施形態では、装置は、食料品をエアロゾル化するための力発生機構(ポンプまたは圧縮空気源など)を組み込んでもよい。一部の実施形態では、装置は推進剤を組み込んでよい。
【0060】
一部の実施形態では、1つの短期間の工程(例えば、1つの吸入トリガ装置に対し1つの吸入)により、複数の別個の工程(例えば、1つの吸入トリガ装置上に対し複数の吸入)により、より長期間の連続的な工程(例えば、開放された外気においてエアロゾル雲を維持する)を通じて、食料品のエアロゾル化および/または送達を行うことが意図されているか否かに応じて、装置は、「1回作動」、「反復作動」、または「連続作動」のエアロゾル化および/または送達のために設計されてもよい。ここで「工程」とは、装置が食料品のエアロゾル化および/または送達を行う同時のおよび/または連続する処理の任意の組み合わせを指す。装置が一度に1人の対象者による使用を意図しているか複数の対象者による使用を意図しているかを含む多くの要因によって、特定の実施形態に対しこれらの一連の(存在する場合)工程のいずれが適切であるかの判定が支援される。
【0061】
また、この装置は、エアロゾルおよび/または用量に対する視覚効果、制御またはその両方を強化するために、スペーサ、照明、弁などの追加物を備えてもよい。これらの追加
物が、エアロゾルの吸入体験を強化してもよい。
【0062】
一部の実施形態では、装置全体の本体または装置の一部が、クッキー、クラッカー、チョコレート、または砂糖製品など、可食/摂取可能な物質から製造されてもよい。これによって、エアロゾル送達中または後に、装置を楽しむことが可能となるので、全体的な体験が強化される。
【0063】
一部の実施形態では、装置は、乾燥粉体吸入器(DPI)または計量式吸入器(MDI)など、吸入器または吸入の装置に類似していてもよい。すなわち、超音波源を保持し、超音波源によって発生したエアロゾル雲を幾らか閉じ込める「ポット」エアロゾルの放出および/または循環を行う「噴水(fountain)」、手持ち式のポンプ装置、圧縮空気装置、食品ストロー装置、多人数用の公共装置、卓上用装置、などである。プラスチック(例えば、ポリカルボナート(比較的頑丈である)、ポリプロピレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン、ポリエチレンなど)、様々な金属、ガラス、ボール紙、硬質紙など、様々な物質を用いて装置を形成することができる。
【0064】
一部の実施形態では、エアロゾル化された食料品は、呼吸器官への侵入が制限されるのに充分な寸法であり、かつ、空気中に浮遊することを可能とするのに充分小さな寸法である。一部の実施形態では、粒子寸法は予め霧化される、ほぼ固体の食料品(例えば、一定の実施形態のカプセル/キャップの内部に配置される食料品、またはエアポンプまたは圧縮空気源に関連して用いられる一定の乾燥食料品)の製造要件であってよい。一部の実施形態では、粒子寸法は、エアロゾル発生時にのみ霧化される(ほぼ液体の)食料品(例えば、エアロゾル雲を発生させるための超音波源に関連して用いられる食料品)のためのエアロゾル発生装置の要件であってもよい。
【0065】
一部の実施形態では、エアロゾル化された食料品の平均寸法は、少なくとも1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、70、75、80、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300、325、350、375、400、425、450、475、または500マイクロメートルである。一部の実施形態では、エアロゾル化された食料品の平均寸法は、500、450、400、350、325、300、275、250、245、240、235、230、225、220、215、210、205、200、195、190、185、180、175、150、140、130、120、110、100、90、80、70、60、50、40、30、20、または10マイクロメートル未満の寸法である。上述の量の中間の範囲(例えば、約50マイクロメートル〜約215マイクロメートル)も、本発明の一部であることが意図される。例えば、上述の値の組み合わせを上限および/または下限として用いる値の範囲も、含まれることが意図される。
【0066】
特に、排他的ではないが、摂取が吸入による一部の実施形態では、最小粒子寸法は、本手法の重要な特徴である。食品エアロゾル粒子は、ほぼ口へ送達され堆積される(例えば、重力または慣性衝突によって)が、さらに呼吸器官(例えば、気管または肺)へは容易に送達されず、ほぼ堆積されないように設計されている。そうした食品粒子は、したがって、肺への侵入に焦点を合わせる粒子より大きな寸法(すなわち、約10マイクロメートルより大きな寸法)を有するだろう。例えば、図5〜図17に(部分的または全体的に)示す装置など、呼吸で作動する吸入器様の装置で発生するエアロゾルは、エアロゾル粒子の寸法がより大きくなければ(また送達装置の気流配向要素がなければ)、相当容易に吸
入された空気に続いて肺に向かう。
【0067】
特に、排他的ではないが、摂取がエアロゾルの対象者の移動(例えば、エアロゾル雲による)による一部の実施形態では、最大粒子寸法は、本手法の重要な特徴である。実際、エアロゾル雲は、口への移動を発生させるように、少なくとも短時間は空気中に浮遊したままである必要がある。したがって、粒子は、空中から急速に落ちないように、それほど大きくない必要がある。これは、粒子を空気中に保持する力および/または機構に大きく依存する(例えば、慣性、拡散などの「自然」の力のみによって、または、インペラ、気流、対流などの追加の力によって)。したがって、一部の実施形態では、粒子は、通常の浮遊力および機構の下では、約500マイクロメートル未満である必要がある。例えば、液体食料品中の超音波源は、対流が最小限で、重力、拡散、慣性衝突、その他の力と平衡している限り、空気中に浮遊したまま留まる、停滞するエアロゾル雲を発生させることが可能である。
【0068】
装置および摂取方法の特定のパラメータは、エアロゾルの摂取が発生するとき、対象者が「吸入しているか」または「食べているか」を部分的には判定する。これは、一般に、(1)吸入された空気を介してエアロゾルが対象者の口および/または喉に入っているか否か(生理学的には、喉頭蓋が肺に向かう気管へ空気を配向しているとき)または別の方法(エアロゾルまたは対象者の移動など)によってエアロゾルが対象者の口に入っているか否か、および(2)エアロゾルは(最終的に)飲み込める食品の一種であると対象者が予想しているか否か(生理学的には、喉頭蓋が気管への通過を阻んでいるとき)に相当する。いずれの場合にも、食料品は、口に堆積した後、他の典型的な食料品のように最終的にはほぼ飲み込まれ消費されることが留意される。
【0069】
吸入によってエアロゾルが発生する装置(例えば、図5、6、および20に示す装置)の一部の実施形態では、適切な寸法の比較的乾燥した固体の食品粉体を食料品として用いることが可能である。予備試験では、エアロゾル化された食料品の摂取によって得られる味覚と咳をする反射の可能性とにおいて、使用した乾燥粉体の水溶性が一定の役割を担うことが示されている。より速やかな水溶性を有する傾向にある粒子の粉体(粉砕チョコレートバーまたは一定のチョコレートベースの粉体など)では、舌および口内の他の表面に粒子が接触すると、一般に好ましい反応が生じる。粉砕チョコレートバーの場合、例えば、この効果は、一部の場合には、人の口中で非常に速やかに溶けるチョコレートを感知する効果と同様である。それよりも水溶性が低い粒子(一定の粉砕ココアベース粉体製品など)では、より不快であると思われる傾向があり、口が乾燥する感覚や咳など、より好ましくない反応を誘発する可能性が高い。しかしながら、一部の例では、割合を変化させて両方の種類の粉体を組み合わせることで、興味深い複雑な風味が提供される。
【0070】
液体のエアロゾルが発生する一部の実施形態(図9A〜図14に示す装置など)では、エアロゾル発生装置およびエアロゾル送達装置は、有意な味覚を誘発するのに充分なエアロゾル量および/または濃度を有する必要性による制約を受ける。したがって、一部の実施形態では、エアロゾル雲の密度、および1回の吸入その他の1回の送達工程において消費されるエアロゾルの量は、味わう使用者の感度、食料品、および他の多くの条件に応じた、最低閾値より大きい必要がある。
【0071】
液体のエアロゾルが発生する(例えば、液体食料品中の超音波源を用いて)一部の実施形態では、源が有効にエアロゾルを発生させるには、液体に浮かぶ粒子(例えば、液体がコロイド性の場合)は、発生するエアロゾル粒子の寸法より一般に小さい必要がある。加えて、液体エアロゾルの一部の実施形態(例えば、液体食料品中の超音波源を用いる一部の実施形態)では、界面活性剤は所望の味覚を発生させるのに重要な役割を担うことはない(予備試験では、ワインの場合が該当する)。これは、エアロゾル化によって界面活性
剤が食料品の残る部分から分離して、液体における界面活性剤の割合がより大きくなり、したがって、雲における食料品の真の風味を歪める他の食品成分の割合がより大きくなる(例えば、ワインの場合、酸性物質がより多くなる)ためである。
【0072】
エアロゾル粉体を含む食料品
吸気時に肺へ進入する粒子はほとんどまたは全く存在しないように、エアロゾル化が可能であり(500マイクロメートルより充分に大きな粒子は外力に支持されない限り速やかに空中から落下する)、さらに充分に大きな粒子(ほぼ1、2、3、4、5、10、または20マイクロメートルより大きい)を有する食品形態を設計することによって、発明者らの技術では口への堆積および送達が行われる。理想的には、粒子は、例えば、約50%以上、約60%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上、約95%以上、約97%以上、または約99%以上の粒子が口中に堆積され、さらに呼吸器官へと達しないように、設計(寸法決定)される。粒子の設計では、咳込み、えづき、その他、エアロゾルに対して好ましくない反応を生じる傾向を減少させることを考慮してもよい。
【0073】
乾燥した粉体粒子は、数々の様々な方法を通じて形成可能である。最初に、食料品を脱水してもよい。これに代えて、または加えて、食品がより大きな展性を有するか、液体ベースの食品である場合、続く粉砕または切断を容易にするように、最初に食品を凍結させてもよい。食料品は、続いて、適切な寸法の食品粒子を形成するように粉砕される。食料品の粉砕は、乳鉢および乳棒の使用によって実行可能である。これに代えて、または加えて、食料品は、例えば、機械式または電気式のグラインダ、ナイフなどを用いて、切断されてもよい。得られた粉砕または切断された食品粒子は、続いて、適切な粒子寸法を得るように、篩を通じて(例えば、手作業で、電気式または機械式の篩振動機を用いて、エア選別機(air classification system)によって、スクリーニングシステムによって)選別されることが可能である。別の手法は、より大きな粒子を所定の寸法へと粉砕する粉砕機(powder mill)を用いることである。噴霧乾燥(水と乾燥させる物質との混合物を、ノズルを通じて高温のドラムへと押しやり、その物質に付着している水滴を即座に蒸発させる)を利用してもよい。これらの方法(他の方法に加え)によって、エアロゾル化が可能であるが、容易に口や喉を通過して呼吸器官まで進み続けないためには充分に大きな、特定の寸法の粒子を形成することが可能となる。
【0074】
これらの乾燥した粉体粒子は、チョコレート、コーヒー、またはトリュフなど単一の食品または成分からを形成されてもよく、1つの料理または食事を表す組み合わせなど、複数の食品または成分の組み合わせ(例えば、果物の取り合わせ、または肉とジャガイモ)から形成されてもよい。チョコレート、チョコレートバー、チョコレート粉末、ココア粉末、および他の形態、ならびにココア作物に由来する様々な食品を用いることもできる。加えて、一部の場合、他の味または感覚(例えば、天然または人工のチョコレート、ラズベリー、マンゴー、ミント、バニラ、シナモン、カラメル、および/またはコーヒーの風味)を生じさせるように、香辛料および他の(天然のまたは人工の)調味料を、単独で、またはそうした食品成分と組み合わせて用いることもできる。これに加えて、装置は、1回の用量の食料品を収容してもよく、複数回の用量/部分の食料品を収容しているかもしれない。加えて、それらは、例えば、溶解した固形物を抽出すること、または他の固体成分を用いることによって、ほぼ液体の製品から製造されてもよい。一部の実施形態では、正常な摂取と比べて少ない量の実際の食料品しか用いずとも、風味を体験することが可能である。加えて、様々な粉体を混合することによって、新たな風味を作成することが可能である。
【0075】
また、食品エアロゾルは、エアロゾル化されている(例えば、液体の食料品に連通した超音波源によって、またはスプレー缶(「エアゾール缶」)もしくは噴霧器における液体および気体に対するものと同様の「スプレー」機構によって)液体であってもよい。そう
した液体は、何らかの手法によって味を保持または強化し送達することの可能な食料品の濃縮物、添加物、抽出物、または他の形態であるように、またはそうした形態を含むように、様々な過程によって調製されてよい。
【0076】
また、液体のエアロゾルが、液体食料品の容器内に配置された振動圧電板など、超音波装置によって発生されてもよい。
使用される食料品および装置に応じて、食料品は、タブレットまたはピルの形態で、ブリスターパック中に、カプセル内に、簡単にはジャー状容器中の粉体として、および/または平皿、箱、コンテナ、魔法瓶、瓶などに、貯蔵および/または収容されてよい。
【0077】
一部の実施形態では、適切に設計され、適切に寸法決定された粒子を用いて、香りを送達することが可能であり、このことが本明細書に記載の実施形態に加えて(すなわち、エアロゾル化された食料品を美観の体験を強化するように送達することに加えて)、または独立に利用されてよい。
【0078】
なお、本明細書を通じて用いられる「食料品」、「エアロゾル」、「粒子」およびその他の類似の用語は、通常、食品に由来する小さな固体粒子を参照しているが、幾つかの場合には、それらの用語が本明細書に記載の他の食品由来製品を参照していることがある。
【0079】
エアロゾルの他の潜在的な特性
時間および/または空間を通じて変化し得る湿度その他の周囲の大気条件を用いて、時間または場所に依存したエアロゾルの変化、および/または対象者において開始する知覚の検出および伝達の変化を生じさせることが可能である。これらの条件によるトリガによって、粒子が、異なる味の、香りの、空気力学的な、化学的な、物理的な、幾何学的な、および/または他の特性を有してもよく、それによって、粒子の味、質感、色、寸法、エアロゾル化能、および/または他の態様が変化してもよい。
【0080】
そうした条件によるトリガの目的は、一般に、対象者に、より興味深く、より動的な体験を生じることである。このトリガは、大気条件の閾値(例えば、50%を越える湿度)に達することに依存してもよく、または対象者に関連した閾値に依存してもよい。大気条件によって、エアロゾル粒子自体が変化してもよく、エアロゾル粒子が対象者の知覚機構に対し異なって相互作用するようにされてもよく、その両方であってもよい。例えば、低湿度の空気では、エアロゾルが1つの化学的/物理的な状態を有することによって、第1の味が与えられ、高湿度の空気では、エアロゾルが別の化学的/物理的な状態を有することによって、第2の味が与えられる。別の例として、エアロゾル化されたエアロゾルは、最初は味および/または香りを有しなくてもよく、一定の食料品を想起させる最初の味および/または香りを有してもよい(これは、例えば、口を通じたエアロゾルの摂取の前に、臭覚系を通じて対象者によって最初に検出されてもよい)。しかして、エアロゾルが口を通じて取り込まれた後、口の周囲環境によってエアロゾルの変化が生じ、味および/または香り、または別の食料品を想起させる新たな味および/または香りが与えられてよい。時間を通じて、しかしながら、依然として食料品が口中にあるときに、食料品は変化を続け、対象者に対し異なる知覚を誘発する。このような機構を用いて、前菜に、主菜、デザートが続くものなど、様々なコースの食事を連続的に食べるという印象を生じさせることが可能である。
【0081】
空中伝達時間/浮遊時間
特定の実施形態に応じて、食料品は様々な継続時間においてエアロゾル形態(空中にある)であることが可能である。例えば、吸入器式の装置の場合、食料品は、通常、吸入および摂取の生じる時間にのみ空中にあり、この時間は、例えば、約1/2秒以内、約1秒以内、約3秒以内、約5秒以内、約8秒以内、約10秒以内、約15秒以内、または場合
によってはそれより長い期間であってよい。これに代えて、エアロゾル雲を生成することによって食品送達装置が動作する場合、食料品は、例えば、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、もしくは60秒、または少なくとも約2、5、10、15、20、30、45、60、90、120、もしくは180分の間、空中に浮遊していてもよい。例えば、エアロゾル雲の機械的な撹拌(例えば、対流による)は、エアロゾル雲が浮遊している時間を増加するように機能することが可能である。
【0082】
用途
発明者らの装置は、食品がどのように体験されるかを変換して、食品の強化された美観の体験を可能とすることができる。例えば、この装置は、例えば、食品の雲で充填された空間、浸漬用チャンバ(immersive chamber)、および食品ストローに対象者を曝露することによって、対象者に食品を体験させることが可能である。実際、企業、レストラン、およびナイトクラブにおいて、そうした「食品体験」を提供することが可能である。
【0083】
一部の実施形態では、発明者らの技術は、別個の、手持ち式の、および/または携帯型のエアロゾル化された食品に対象者を曝露することによって、対象者に食品を体験させることが可能である。一部の実施形態では、発明者らの技術は、キャンディーを食べることまたはたばこを喫煙することと同様に、社会的なコンテキストによっても、および/または社会的なコンテキストに関連付けられてもよい。例えば、一部の実施形態は、ほぼ一日を通じて実行され、様々な時点で用いられてもよく、複数の使用者によって同時に用いられてもよい。
【0084】
様々な他の実施形態では、この技術は、例えば、1回用のエアロゾル発生装置が複数の送達装置に関連付けられている実施形態(気流配向要素を有する独立したマウスピース装置を各々用いる複数の対象者に対し呼吸動作によって送達される液体エアロゾル雲を閉じ込めているポット状の容器など)では、複数の対象者が食品エアロゾルを認識しているときに公共の体験を有することを可能とすることができる。
【0085】
加えて、この装置は、噛むことのできない対象者または食品の送達が簡単ではない対象者に栄養を与えるように機能することが可能である。例えば、食品送達装置は、噛むことや食品の摂取が簡単でない高齢者または幼い子供に有用な場合がある。加えて、特定の手法により(例えば、栄養管または静脈によって)食事を取らされることの必要な病状の人々にも、食品を体験し味わう一手法として、本発明の一定の実施形態が用いられてよい。
【0086】
また、この装置は、好ましい味でない場合のある治療薬の摂取を容易にするよう機能することも可能である。治療薬の送達(例えば、経口的な)と共に用いられる場合、この装置は、治療薬の風味を覆い隠す追加の風味を提供することが可能である。
【0087】
これに代えて、提案の食品送達装置は、体重管理または中毒緩和の用途に用いられてもよい。例えば、食品送達装置は、対象者に比較的小さいもしくは無視できる量の食料品または一定の不健康な物質もしくは習慣性の物質を消費させることが可能であり、この装置を介する食品粒子への曝露は、通常ではより大きな量の問題の食品または物質の消費に関連した感覚または満足感を提供することによって、より大きな量の物質を実際に消費することによる(否定的な可能性のある)結果なしで、空腹または習慣性の衝動を満たすことができる。実際、食品送達装置によって、食餌療法、体重管理、および健康な食事プログラム(例えば、甘い物、脂肪性食品、チョコレート、およびカフェインに対する渇望感を満たすことにより)や、中毒の治療(例えば、アルコール、喫煙、薬物に対する衝動を、ただし充分に小さな、ほとんど有害でない量で満たすことによる)の基盤を形成すること
ができる。
【0088】
加えて、食品送達装置は、例えば、特別な食事制限を受けている人々に関し、生活の質を改良するために用いることもできる。例えば、食品送達装置は、特定の製品を消費することが通常妨げられているアレルギー疾患(例えば、グルテン・アレルギー)または他の病状(例えば、乳糖不耐症)の人々に、通常ではより大きな量の問題の食品または物質の消費に関連した感覚または満足感を提供しつつ、アレルギーまたは身体的な反応を引き起こすことなく、比較的小さいまたは無視できる量のそれらの製品を消費させることができる。
【0089】
これに加えて、食品送達装置は、単純かつ効率的な手法により、数々の品物の味を試験するための手段として機能することが可能である。例えば、あるレストランの得意客は、選択を行う前に、メニューの様々な料理の味を試すことが可能である。これに加えて、料理人は、レシピの調理中または設計中に食品送達装置を用いて食品の組み合わせを試すことができる。同様に、この装置は、調理の教授の補助として、対象者に対する国際的な「お食事」の体験として、子どもに食品について教える一手法としてなど、機能することもできる。
【0090】
食品送達装置の他の有用な用途には、次に限定されないが、空腹の軽減(例えば、飢饉の緊急時)や動物の給餌が含まれる。
本発明の実施例
以下の実施例は本発明の例示となることが期待されるものであり、本発明の範囲を限定するものでは全くない。
【0091】
[実施例1]
1回作動の粉体吸入器からの食品エアロゾル化における理想的な粒子寸法の決定を支援するために、初期平均粒子寸法がほぼ140マイクロメートル以上であるミント粉末試料を使用した。乳鉢および乳棒を用いて、乾燥したミント粉体を粉砕した。平均粒子寸法は、〜11マイクロメートル程度まで減少した(HELOS−RODOS粒子寸法決定システムを用いて決定した)。異なる寸法の粒子を、異なる寸法の3つのカプセルに配置し、手持ち式の吸入器により試験した。
【0092】
結果
平均粒子寸法がほぼ140、111、72、40、18、および11マイクロメートルであるミント粒子の試料を用いて、試験を行った。カプセル(各々、約30〜120mgのミントを収容)をエアロゾル化器に配置し、穿孔して、空気中へ粒子を放出するように吸入器を作動させた。大部分の粒子は放出後5秒以内に落ちることが分かったが、その割合は試料の粒子寸法が減少するとともに減少した。平均粒子寸法がほぼ140、111、および72マイクロメートルの試験では比較的高く、平均粒子寸法がほぼ40、18、および11マイクロメートルの試験では比較的低かった。平均粒子寸法がほぼ18および11マイクロメートルの試験では、相当霧状な一様な雲柱が発生し、視覚的に識別される粒子はほとんどなかった。
【0093】
図15には、同じ試料からの4つの試行における密度分布および累積分布を示す。これらのデータでは、この特定の試料について、ほぼ87%の粒子が約10マイクロメートルより大きく、ほぼ79%の粒子が約20マイクロメートルより大きいことが示されている。これらの発見によって、脱水した食料品(ミント葉)から、通常、吸入時に口へと堆積する寸法(例えば、少なくとも18〜70マイクロメートルの間)のエアロゾル化された粒子を製造可能であることが示される。
【0094】
平均値がほぼこの範囲にある粒子の試料では、粒子のうち小さいまたは無視できる部分しか喉および肺に進入することがなく、粒子のうち相当な部分は、1回の吸入器作動の後、少なくとも5秒間は浮遊したままである。
【0095】
明らかに、少なくとも、より大きなエアロゾル化の力またはより連続的なエアロゾル化の力(連続的または断続的に動作するファンなど)を用いる限り、より大きな粒子寸法のエアロゾル化が可能である。
【0096】
[実施例2]
図16〜18に示すようなエアロゾル化された食品の送達装置は、エアロゾル化されたチョコレートを送達するように設計した。チョコレートを細かい粒子へ切断し、続いて寸法によって選別した。多くの容易に入手可能なチョコレートは、粉砕した場合、粒子に手を触れ過ぎない(そうすると、速やかに溶けて融合する)ように注意している限り、記載の送達装置においてエアロゾル化するのに充分に乾いたままであることが分かった。市販のチョコレートまたはココア粉末は、乾燥させておくことで、はるかに安定であることが可能となる(例えば、はるかに溶融しにくくなる)とともに、別のエアロゾルの味の体験を生じさせる際に有用な粉末となる。篩を用いると、特定の寸法範囲を選択することが可能であるので、(他の寸法範囲と同様)多数の粒子がほぼ125〜180マイクロメートルの範囲の直径を有する試料は、強い味およびエアロゾル化に適切であることが分かった。また、一定の粒子は、より深い呼吸器に達する前に空中から落ちる寸法(>10マイクロメートル)のものであっても、寸法が約100マイクロメートル以上に達するときであっても、咳をする反射を生じ得るが、これは、気流を配向するマウスピース要素によって顕著に減少されることも分かった(また、粒子の水溶性が咳をする反射を誘発する可能性において一定の役割を担う場合があることも分かった)。約180マイクロメートルより大きな粒子は、エアロゾル化することが次第に困難となり、単に小さな数片のチョコレートが舌の上に落ちたように味わわれ始める。
【0097】
充填手順を単純化するために、標準的なサイズ3(size 3)およびサイズ4(size 4)のカプセルが1回の吸入の「用量」に適切な量のチョコレート粉末を収容すると決定した。したがって、標準的な手動のカプセル充填機を用いて、送達装置の粉体隔室へ移送させるように、多数のそうした用量を調製することが可能である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル化された食料品と、その収容、エアロゾル化、および送達のうちの1つ以上のための装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、研究者らによって、エアロゾル粒子を用いて身体の様々な部分に物質を送達可能であることが示されている。一定の設計では、それらの粒子を薬剤送達に利用することが提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
口に入るのに充分に軽い粒子を吸入する場合、粒子が口の奥または肺に達して咳その他の有害な事象を引き起こすという危険に対処する必要がある。
したがって、空気による伝達の経路を介して口に物質を送達する手法は、概して(排他的ではなくとも)、管理された、呼吸以外によって行われる送達に焦点が置かれており、その気流の力および粒子の寸法は、粒子の軌跡が主に口腔内に限定されるようなものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明者らは、安静または努力呼吸(正常な吸入など)によって食品(その他様々な)粒子の口への送達を導くことのできる手法を開発した。この手法では、それらの粒子が気流によって喉の奥および肺に輸送されることは制限される。食品粒子の慣性および重力を制御することによって、また沈降力の向きを決定することによって、発明者らは、送達が喉の奥および肺に達しないように、口の表面に向けて集中させることができる。
【0005】
発明者らの手法には、2つの実用の側面が存在する:
1.粒子の寸法は発明者らの送達系にとって極めて重要である。すなわち、粒子は、安静呼吸中に空中に留まるのに充分なだけ小さく、かつ、喉および肺に堆積することを制限されつつ、主として口に堆積するのに充分なだけ大きい必要がある。
2.同時に、装置を通じてマウスピース外へのエアロゾル粒子の典型的な経路は、喉の奥から離れて変化する角度に向けられる。
【0006】
粒子の寸法を適切に決定するとともに空気の経路を装置に向けることによって、食品粒子は喉の奥やさらには呼吸器官の中ではなく、主として口中(舌、口蓋の上など)に導かれる。
【0007】
一態様では、この手法は、呼吸器官への進入が制限され主として口中に堆積するのに充分な寸法であり、かつ、空気中に浮遊することを可能とするのに充分小さな寸法である、エアロゾル化された食品粒子に関する。別の態様では、この手法は食料品を組み込んだ装置に関し、この装置は、食料品のエアロゾル化を可能とするエアロゾル発生装置と、吸入または堆積および続く摂取に適切な物により、エアロゾル化された食料品を送達する送達装置と、を備える。別の態様では、この手法は、エアロゾルによる食料品の送達用の機器または装置における気流配向要素に関する。それらの要素は、エアロゾルの雲を口へ送達する際、重力、慣性、その他のエアロゾルの雲に関係する力を制御することによって、口内表面へとエアロゾルを有意に逸らし、喉やさらには呼吸器官の中へと雲が進み続ける程度を減少させる。
【0008】
発明者らの装置は、ヒトおよび動物の口に食品を送達する新規な手段となる。実際、この装置は、実質的に呼吸器官への進入または曝露なく主として口中に堆積するのに充分な寸法であり、かつ、空気中に浮遊することを可能とするのに充分小さな寸法である、エアロゾル化された食品粒子を発生させるように設計されている。
【0009】
一部の実施形態では、発明者らの装置は、従来の機械的な送達手段(すなわち、器具の使用)および従来の機械的な食品消化手段(すなわち、噛んだり舐めたりすること)とは異なる方式により、吸入、身体運動、および/またはエアロゾルの運動、またはそれらの組み合わせによってヒトまたは動物の口に進入する、食品粒子のエアロゾル雲を発生させる。例えば、単純な吸入は、対象者の口を含む消化器官内に食品粒子が堆積することを可能とするように機能することができる。
【0010】
これに代えて、またはこれと組み合わせて、対象者は、単純な身体運動(対象者の口が食品粒子に暴露されるように歩くことまたは体を傾けることなど)によって、装置から放出された食品粒子に自身を物理的に曝露し、口中に食品を堆積させることができる。これに代えて、またはこれと組み合わせて、対象者は、単純なエアロゾル運動(対象者の口が食品粒子に暴露されるようにエアロゾルを運ぶ気流、または使用者がエアロゾルを運ぶ小容器など)によって、装置から放出された食品粒子に自身を物理的に曝露し、口中に食品を堆積させることができる。
【0011】
発明者らの装置は、一般に、食料品とエアロゾル発生装置とを含む。一部の実施形態では、装置は、食料品と、エアロゾル発生装置と、吸気路とを含む。一部の実施形態では、装置はマウスピースを含む。一部の実施形態では、装置は単にマウスピースからなる。装置は、マウスピースにおける吸入によって作動され、エアロゾル発生装置への食料品の曝露と、続く食料品のエアロゾル化とを生じてもよい。この吸入が、エアロゾル化された食料品を対象者の口に送達するようにさらに機能してもよい。
【0012】
一部の実施形態では、装置は、食料品と、エアロゾル発生装置と、力を発生させる装置(例えば、エアポンプ)とを含む。装置は、力を発生させる装置によって作動され、エアロゾル発生装置への食料品の暴露、続く食料品のエアロゾル化、およびエアロゾル発生装置からの放出を生じてもよい。
【0013】
一部の実施形態では、装置は、食料品と、エアロゾル発生装置(例えば、超音波源)とを含む。装置は、エアロゾル発生装置によって作動され、エアロゾル発生装置が食料品の霧化および/またはエアロゾル化を行い、装置から食料品を放出してもよい。
【0014】
一部の実施形態では、装置は送達装置を組み込んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1A】使用前の食品送達装置の一実施形態の概略図。
【図1B】使用中の食品送達装置の一実施形態の概略図。
【図2A】食品送達装置の斜視図。
【図2B】食品送達装置の斜視図。
【図2C】図2Aおよび2Bの食品送達装置の分解斜視図。
【図2D】図2Aおよび2Bの食品送達装置の切断斜視図。
【図2E】図2Aおよび2Bの食品送達装置の切断斜視図。
【図2F】図2Aおよび2Bの食品送達装置の断面図。
【図2G】図2Aおよび2Bの食品送達装置の一部の断面図。
【図3】特定の一実施形態の食品送達装置ならびにその使用および動作を示す図。
【図4】マウスピース112の代表的な一実施形態についての複数の見方を示す図。
【図5】エンドキャップ114の代表的な一実施形態についての複数の見方を示す図。
【図6】カプセル116の代表的な一実施形態についての複数の見方を示す図。
【図7A】使用前の食品送達装置の概略図。
【図7B】使用中の食品送達装置の概略図。
【図8】手動のエアロゾル発生装置を用いる乾燥ミント粒子のエアロゾル化および放出の写真の図。
【図9A】食品送達装置の斜視図。
【図9B】食品送達装置の平面図。
【図9C】食品送達装置の側面図。
【図9D】食品送達装置の底面図。
【図10A】エアロゾル発生装置の斜視図。
【図10B】エアロゾル発生装置の平面図。
【図10C】エアロゾル発生装置の側面図。
【図10D】エアロゾル発生装置の底面図。
【図11】異なる使用段階における食品送達装置の写真の図。
【図12A】食品送達装置の斜視図。
【図12B】食品送達装置の平面図。
【図12C】食品送達装置の正面図。
【図12D】食品送達装置の背面図。
【図12E】食品送達装置の左側面図。
【図12F】食品送達装置の右側面図。
【図12G】食品送達装置の底面図。
【図13】異なる使用段階における食品送達装置の写真の図。
【図14】使用時の食品送達装置の写真の図。
【図15】乾燥、粉砕、篩分したミント葉のHELOS−RODOS粒度分析のグラフ。
【図16】食品送達装置の写真の図。食品送達装置は、ハウジングと、ハウジングに形成されたマウスピースと、ブリッジ部を介してマウスピースに取付けられた気流配向要素と、空気通路および格子を有するカプセルと、空気通路を有し、カプセルおよびハウジングの両方と共に留めることの可能なキャップと、を備える。一部の実施形態では、格子(この図ではカプセルの一部)はエアロゾル発生装置として機能する。
【図17】食品送達装置の写真の図。食品送達装置は、ハウジングと、ハウジングに形成されたマウスピースと、ブリッジ部を介してマウスピースに取付けられた気流配向要素と、空気通路および格子を有するカプセルと、空気通路を有し、カプセルおよびハウジングの両方と共に留めることの可能なキャップと、を備える。一部の実施形態では、格子(この図ではカプセルの一部)はエアロゾル発生装置として機能する。
【図18】食品送達装置の特定の一実施形態の詳細を示す図。食品送達装置は、ハウジングと、ハウジングに形成されたマウスピースと、ブリッジ部を介してマウスピースに取付けられた気流配向要素と、空気通路および格子を有するカプセルと、空気通路を有し、カプセルおよびハウジングの両方と共に留めることの可能なキャップと、を備える。
【発明を実施するための形態】
【0016】
発明者らの手法は、少なくとも部分的には、新たな形態の食品や、そうした食品の送達のための方法および装置の実現に基づく。より詳細には、この送達技術および手法は、エアロゾル化された食料品と、そうした食料品を発生させて対象者に送達するように設計された食品送達方法および装置に関する。そうした装置は、エアロゾルによって食品物質を口へ送達することが可能である。ここで、エアロゾル雲は自然な吸気によって発生されて口へと送達される。装置のマウスピースは、空中を伝達される食品粒子が喉の奥から逸らされて呼吸系への侵入を制限されるように設計される。
【0017】
図1Aおよび1Bを参照すると、食品送達装置50はエアロゾル発生装置を備えており、吸入によって、食料品52のエアロゾル化と、それに続く、対象者の口へのエアロゾル化された食料品の送達とが生じる。食品送達装置50は、食料品52(例えば、粉末化された食品)を収容している隔室54を備える。隔室54は、吸気路56を有し、マウスピース58に接続されている。吸気路56、隔室54、およびマウスピース58によって、吸入によって発生した気流が食料品52をエアロゾル化し、エアロゾル化された食料品を隔室54からマウスピース58を通じて消費者の口へと運ぶような、空気の通路が可能となる。
【0018】
図2A〜2Fを参照すると、食品送達装置100は、マウスピース112と着脱可能なエンドキャップ114とを有するハウジング110を備える。食品送達装置100の寸法は、装置100を用いてエアロゾル化食料品の発生および送達を行う際、使用者が容易に装置を片手に保持することが可能であるように決定される。気流配向または偏向部材118は、ブリッジ120を有するマウスピース112の一端に配置されている。ブリッジ120は、マウスピース112の出口122の面から離間された場所に、気流配向部材118を配置する。エンドキャップ114は、マウスピース112において気流配向部材118に対向する端部に取付けられている。
【0019】
図2Dに見られるように、マウスピース112は、マウスピース112の入口124から出口122に延びる流体流通路を形成する。エンドキャップ114は、エンドキャップ114の1つの面からエンドキャップ114の対向面に延びる空気通路126を有する。エンドキャップ114がマウスピース112の入口端部でマウスピース112に取付けられているとき、マウスピース112およびエンドキャップ114はハウジング110を通る流路を一体となって形成する。したがって、使用者が自身の口にマウスピース112の出口122を置いて吸入を行うと、エンドキャップ114を通じてマウスピース112の入口124へ、またマウスピース112を通じてマウスピース112の出口122へと空気が流れる。気流配向部材118と接触することによって、空気は偏向し、マウスピース112の外に流れる。
【0020】
一部の実施形態では、気流配向要素は薄い板であり、この板は、マウスピースの軸にほぼ垂直であるとともにマウスピースにおける略気流方向に対向する平坦な表面を有する。幾つかの場合には、この板は1つ以上の「ブリッジ」を介してマウスピースに取り付けられており、この「ブリッジ」が、例えば、マウスピースの端部と同じかそれよりわずかに上または下のレベルに板を保持することで、空気およびエアロゾル化された食料品に板の周囲を通過させてもよい。様々な実施形態では、この板はマウスピースの開口部より小さな直径を有してもよく、マウスピースの開口部と等しい直径を有してもよく、マウスピースの開口部より大きな直径を有してもよい。これに加えて、この板は任意の所望の形状(例えば、楕円形または円形)であってよい。気流配向要素は口の面(例えば、口内の上下左右の面)にエアロゾルを再配向し、それによって、喉に向かって咳をする反射を誘発し得るエアロゾルの流れを制限する。むしろ、エアロゾル化された食料品は、呼吸器官の中へとより深く運ばれるのではなく、感知または認識されることの可能な舌または口の他の部分に堆積する。一部の実施形態では、気流配向要素は、異なる形状、寸法、および/または設計であるが、同様に、エアロゾル化された食料品を再配向し、咳をする反射を制限する、および/または味覚体験を強化するように機能する。様々な板の寸法および位置の試験では、それらの2つのパラメータが咳の可能性に対し影響を与え得ることが示されている。例えば、予備試験では、直径がマウスピースの外径にほぼ等しく、マウスピースに接近して配置された板は、エアロゾルの再配向および咳の制限について、直径がマウスピースの内径にほぼ等しく(したがって、より小さい)、マウスピースからより大きな距離に配置された(エアロゾルが通過する空間がより大きい)より、一般に有効であることが
分かった。
【0021】
この実施形態では、エンドキャップ114は弾性材料から形成される。エンドキャップ114の第1の端部128は、マウスピース112の対応する端部の内面とのスナップフィット(snap−fit)係合を提供するように寸法決定および構成された外面を有する。一部の実施形態では、マウスピース112にエンドキャップ114を取付けるために、スナップフィット係合に代えて、または加えて、他の形態の係合が用いられる。例えば、一部の実施形態では、エンドキャップ114およびマウスピース112はねじ山を有し、一体に螺合される。
【0022】
マウスピース112はエンドキャップ114と共に(すなわちハウジング)、例えば、粉末食料品(図示せず)を収容するカプセル116など、カプセル116を受け入れるように寸法の決定された内部キャビティを形成する。カプセル116は、カプセル116の内容物(例えば、粉末食料品)とマウスピースとの間を連通させるように構成される。この実施形態では、カプセル116は、開放端部130と、対向するエアロゾル発生端部132とを有する。カプセル116の開放端部130は、エンドキャップ114の第1の端部128内に嵌合し、エンドキャップ114の第1の端部128の内面とのスナップフィット係合を提供するように寸法決定および構成される。一部の実施形態では、カプセルはハウジングにスナップで留められてもよく、螺合されてもよい。一部の実施形態では、カプセルの開放端部は、例えば、スナップ留めまたは螺合によって、キャップによって覆われてよい(一定の実施形態では一定の回数だけ)。一部の実施形態では、カプセルの入口端部は、開放されているのではなく、空気流路を形成する。
【0023】
図2Fを参照すると、一部の実施形態では、カプセル116は、キャップ114の内側の全周状スナップ機構によってキャップ114に留められ、キャップ114は、断続的なスナップ機構によってマウスピース112に留められる。この装置は、したがって、通常、カプセル116からキャップ114を分離する方がマウスピース112からキャップ114および/またはカプセル116を分離するより困難であるように、設計されてよい。使用者は、キャップ114からカプセル116が偶然に分離される危険を最小限としつつ、次いで、マウスピース112から除去することによって、カプセル116および/またはキャップ114を容易に交換することが可能である。
【0024】
一部の実施形態は、装置を使用することおよび装置が機能することを容易とするスナップ機構を組み込むことによって、さらに強化されてよい。例えば、装置は、空気通路の開閉を可能とする上述のような機構の使用を容易にするためにスナップ機構を組み込むことができる。例えば、マウスピースおよびカプセルは、それらが1つ(以上)のスナップ機構時によって接続可能であり、カプセルおよびキャップが2つ(以上)のスナップ機構によって接続可能であるように、設計されることが可能である。例えば、マウスピースは比較的弱い1つのスナップインタフェースによってカプセルに接続されてよく、カプセルは比較的強い2つのスナップインタフェースによってキャップに接続されてよい。一部の実施形態では、これらのスナップ機構は、次のことが可能である。すなわち、(1)カプセル(より一般的には、食品を収容している装置の一端)をマウスピース(より一般的には、送達装置)に対し保持する(「スナップA」);(2)粉体の損失を最小化する最初の「閉」構成においてカプセルおよびキャップを保持(より一般的には、食品を収容している装置の部品を一体に保持)し(特に、輸送中、取扱中などに関連)、場合によっては、使用前に食料品を保護するために、保護された、気密またはほぼ気密な環境を提供するように機能する(「スナップB」);(3)使用者の介在の後、カプセルおよびキャップ(より一般的には、食品を収容している装置の部品)を再接続して、装置を通じて空気が流れることが可能であり、続く食料品のエアロゾル化を可能とする新たな「開」構成を維持する(「スナップC」)。
【0025】
これらのスナップの各々を作動させるのに必要な力は、装置の機能および使用の容易さにおいて一定の役割を担う。それらは次の使用を可能とするように構成されてよい。すなわち、(1)使用者がマウスピースにカプセル/キャップ部品を取付ける。スナップAが作動する。すると、カプセルがマウスピースおよびキャップ内に隠れる。(2)使用者は、ここで、キャップを引き下げて、スナップBを外す。強力なスナップAでは、カプセルはマウスピースに接続されたままであり、キャップはマウスピースから滑動によって除かれる。上述のように、このカプセルとキャップとの間の相対運動によって、空気路が開通される。(3)使用者は、スナップCが作動するまでキャップを引き戻し、空気路が開通したままとなるようにカプセルおよびキャップを適所に固定する。使用者は、ここで、吸入を行い、食料品をエアロゾル化させ、口へと送達させることが可能である。食料品が消費されると、このスナップ(C)は高強度であるので、カプセルをキャップから分離する危険を最小限とするのではなく、使用者はマウスピースからカプセル/キャップを引き抜き、新たなカプセル/キャップと交換することが可能である(このカプセルは、スナップAを介してマウスピースに接続されていると同時に、スナップCによってキャップに接続されている。スナップCはスナップAより強力であるように作成されるため、マウスピースおよびキャップを反対方向に引くように使用者の加える力によって、一般に、カプセルおよびキャップが1つのユニットとしてマウスピースから取り外され、したがって、スナップAが外れる)。一部の実施形態では、スナップCは、マウスピースが除去された後であっても、カプセルとキャップとを使用者が完全に分離する能力を最小化するという点で重要である。幾つかの場合には、使用者が自身の製品を追加しようとすることその他、食料品または食品収容隔室をいじるのを妨げることが所望される場合がある。
【0026】
多くの例では、装置全体の機能に影響を与えることなく、一部の実施形態の変形が設計されてよい。例えば、装置が円筒状であるという性質が、例えば、美観に影響を与えるために変更されてもよく、装置の全長についてもそうであってよい。これに代えて、または加えて、エアロゾル発生装置(例えば、格子など気流撹乱要素)が、円筒状マウスピースユニットに組み込まれてもよい。一部の実施形態では、エアロゾル発生装置は1より多くの部品を含んでよい。例えば、格子および/またはキャップにおける気流通路は、エアロゾル化を生じる乱流を発生させる際に個々の役割を担ってよく、または両方が必要であってもよい。一般に、格子、気流通路、寸法などについて、正しいエアロゾル化気流を生じるような複数の組み合わせが存在し得る。
【0027】
一部の実施形態では、装置の寸法は、適切な気流動力学を保持しつつ、標準的な医療用カプセルが直ちに隔室として用いられるように、または上述のカプセルおよび/またはキャップを一定の程度まで交換できるように、その他、粉体の充填、貯蔵、および放出の過程を単純化するように選択される。
【0028】
一部の実施形態では、カプセルおよび/またはキャップは凹型の内側空間を有し、カプセルおよびキャップのいずれかまたは両方に粉体が充填された後、2つのユニットは、ほぼ閉じた内部チャンバを形成するように、一体に留められまたは螺合される。このカプセル、または装置の別の部品は、さらにエアロゾル発生装置を含む。エアロゾル発生装置は、例えば、気流を撹乱させる「格子」であり、それを通じて空気および粉体を流すことによって使用者に送達するためのエアロゾルが得られる。このキャップおよび/またはカプセルは、例えば、包囲された隔室のそれぞれの端部に、吸入時に空気を流通させることの可能な空気通路を含む。この設計(例えば、空気通路の寸法または形状)は、粉体の損失を最小化しつつ、充分な気流を提供する。
【0029】
一部の実施形態では、キャップ114および/またはカプセル116は、粉体の損失を最小化するように設計されている。例えば、図1Eに示すように、底部まで直線的ではな
く、側面に対し角度を有しており、したがって、装置が直立しているときであっても、重力によって粉体が落下することを制限する。粉体がカプセル/キャップの内部に存在し、振動その他の運動が最小であるとき、粉体は通路の底面に蓄積する場合があるが、側面の通路を通じて落下することは最小化される。
【0030】
一部の実施形態では、気流と粉体の損失を最小化することとの間の平衡の必要は、空気通路の選択的な開閉を可能とする機構によって達成される。例えば、一部の実施形態では、カプセルおよびキャップ部品は一体に嵌合する場合であっても、次の2つの構成を可能とするように互いに対し滑動することが可能である。すなわち、閉構成においては、両者は接近して一体となり、カプセルの基部の要素はキャップの空気通路を塞いでいる。開構成においては、カプセルおよびキャップはわずかに分離しており、キャップの空気通路を通じて空気が流れることが可能である。
【0031】
一部の実施形態では、マウスピース、カプセル、および/またはキャップは、1回の使用(恐らくは、使い捨て)のために設計されているか、あるいは複数回の使用のために設計されている。例えば、一部の実施形態では、カプセルおよびキャップは使い捨てであってよく、随意では、様々な食品粉体と共に利用可能である一方、マウスピースは再使用可能であってよい。一定の実施形態では、予め充填された標準的な寸法のカプセル(例えば、ジェルカプセル(gel capsule)またはブリスターパック)を用いることが可能である。そうした実施形態では、より容易な充填、交換、洗浄、および廃棄が可能となる。加えて、そうした実施形態では、複数回投与カプセルの製造が可能となる。そのような予め充填されたカプセルは、使用前に、ハウジング内の設計要素(例えば、鋭端部、刃、装置の圧縮、または装置のねじ曲げ)によって、穿孔、破断、切断、または破壊可能である。食料品は、このために、例えばチャンバ中へ放出され、吸入または活性化中に発生した気流の影響を受け易くなる。別の例として、食料品は、元の容器内に依然として実質的に存在する場合であっても、もはや吸入および/または活性化中に発生した気流に連通しており、したがって、その影響を受け易くなる。活性化および使用の後、空になったカプセルを隔室から除去し、簡便に廃棄することが可能である。これに代えて、カプセルは複数回の使用のために設計されることが可能である。例えば、カプセルは再充填可能であってよい。
【0032】
一部の実施形態では、ハウジングは、2以上、例えば、3、4、5、6、7、8、9、または10個のカプセルを組み込むことによって、例えば、使用者が所望の通りに様々な風味を様々な量で混合して調和させることが可能となるように設計される。一部の実施形態では、ハウジングは、1度に1つが作動される複数のカプセルの組の充填を可能とすることによって、使い果したカプセルの除去および交換の頻度を減少させるように設計されることが可能である。
【0033】
一部の実施形態では、装置は、2以上、例えば、3、4、5、6、7、8、9、または10人の使用者による使用のために設計される。例えば、装置は、複数の使用者による同時の使用を可能とするために、気流配向要素を有するように各々設計された複数の分岐を有するように設計されることが可能である。
【0034】
一定の態様では、装置はハウジング、カプセル、およびキャップを備える。代替の態様では、装置はハウジングおよびキャップを備え、ハウジングおよびキャップの両方は、カプセル(例えば、使い捨てまたは再充填可能なカプセル)と共に使用するために設計される。他の態様では、装置は使い捨てまたは再充填可能なカプセルを含んでいる。他の態様では、装置はマウスピースを含んでおり、様々なエアロゾル化された食料品、エアロゾル化された食料品の源、および/またはエアロゾル化された食料品の容器と共に用いられる。
【0035】
なお、マウスピース、カプセル、キャップ、格子、マウスピース板などの機能(すなわち、食料品収容、エアロゾル発生、エアロゾル送達、気流(およびエアロゾル)配向など)は、一部の実施形態では、同じ全機能を維持しつつ、1つ以上の潜在的に異なる物理ユニットに関連付けられてよい。例えば、一部の実施形態では、1つの装置ユニットが全ての機能的な面を組み込んでよい。一部の実施形態では、マウスピースが、エアロゾル発生装置、エアロゾル送達装置、ならびに気流(およびエアロゾル)配向装置を収容し、食料品容器は分離されていてもよい。一部の実施形態では、上述のように、食料品はカプセルおよびキャップ内に収容され、エアロゾル発生装置はカプセルの一部であり、気流配向要素を有するマウスピースはカプセル/キャップから使用者にエアロゾルを送達するために用いられてよい。
【0036】
図3を参照すると、使用者は装置100の充填を行うことによって、食品送達装置100を動作させる(工程200)。装置100を使用者の口に持ってゆく(工程210)。マウスピース112を通じて吸入する(工程212)ことによって、空気通路を通じてキャップおよびカプセルへ空気を進入させる。この空気によって、カプセル116中に存在する食品粉体がエアロゾル発生装置(例えば、格子)を通じてエアロゾル化され、続いて、マウスピース112を介して使用者の口に進入する。
【0037】
図4は、マウスピース112の代表的な一実施形態についての複数の見方を示す図である。
図5は、エンドキャップ114の代表的な一実施形態についての複数の見方を示す図である。
【0038】
図6は、カプセル116の代表的な一実施形態についての複数の見方を示す図である。
上述の実施形態のうちの幾つかでは、エアロゾルは、特定の時点にて、または特定の活性化工程に対応する短い期間を通じて発生するか、使用者に依存した工程によって発生するか、またはその両方である。例えば、幾つかの場合には、エアロゾルの発生は、使用者による1つ以上の吸入操作に関連する。それらの実施形態の多くでは、食料品は固体状態であり、ほぼ乾燥した粉体であってもよい。しかしながら、発明者らの手法は、エアロゾルがより連続的な源および/または使用者の外の源(例えば、1つ以上の圧電超音波振動板、エアポンプ、または圧縮空気源)によって発生する、他の一連の実施形態にも関する。これらの源の一部は、ほぼ固体の食料品からエアロゾルを発生させるのに、より適切な場合があり、他の一部は、ほぼ液体の食料品からエアロゾルを発生させるのに、より適切な場合がある。
【0039】
一部の実施形態では、食料品は、ほぼ液体状態であり、食料品に連通した超音波源によるエアロゾル発生は、液体の霧化と、それに続くエアロゾル雲の形成を含む。例えば一部の実施形態では、圧電振動板が液体食料品内に配置され、この板の超音波震動によって液体の表面においてエアロゾルを発生させる。
【0040】
上述の実施形態の多くでは、エアロゾルは、ハウジング、マウスピース、カプセル、および/またはキャップ内に発生し、ハウジングおよび/またはマウスピースを介して使用者に直接的に送達される。ほぼ閉じ込められていないエアロゾル(例えば、超音波源などの外部源によって発生したエアロゾル雲などのエアロゾル雲)が用いられる実施形態では、対象者に有意な味覚を誘発するために非常に濃縮されたエアロゾルを発生させることが必要な場合がある。しかしながら、非常に濃縮されたエアロゾルは、粒子間の衝突率がより大きく、慣性衝突、拡散などにより、時間を通じて、エアロゾルが周囲の空気へ広がって、次第に希薄化する場合や、粒子が結び付く場合がある(例えば、液体のエアロゾルである場合)。追加の試験によって、味覚、美観、およびほぼ閉じ込められていないエアロ
ゾル化された食料品の消費に関する他の因子を均衡させる濃度範囲の決定が支援される場合がある。したがって、一部の実施形態では、エアロゾル雲は、ポットその他(透明、不透明、または半透明な)媒質または容器内に閉じ込められてよい。特定の一実施形態では、閉じた泡を用いてエアロゾルを閉じ込め、「浮遊する」エアロゾル(容器もしくは泡内を浮遊するか、または容器もしくは泡自体が浮遊する)の美観を保持するとともに、外気に開放された「摂食」または吸入を介するよりも高いエアロゾル濃度を維持し、口へのエアロゾルのより効率的な送達を可能とする。エアロゾルの泡または容器は、幾つかの場合、それ自体可食であってよい。幾つかの場合には、泡または容器は開放されており、エアロゾルへのアクセスを提供できる。
【0041】
外部源(例えば、超音波源)は、一部のそうした閉じ込める媒質または容器に配置され得る。外部環境から完全には閉じられてない媒質または容器(例えば、ポット)では、その媒質または容器の高さは、対流、拡散、慣性衝突、および他の力からの保護の必要性をエアロゾルへのアクセスの必要性(例えば、頂開放部を介して、小さな開口部を介して、一定の時に閉止可能な開口部を介して)と均衡させるように選択可能である。
【0042】
図7Aおよび7Bを参照すると、食品送達装置300は、食料品312を収容している容器310を含む。力発生器314(例えば、エアポンプまたは圧縮空気源)は、容器310に取付けられている。作動されると、力発生器は、エアロゾル化部品316を通じる通路によって、食料品312のエアロゾル化と、それに続く外的環境への食料品312の放出とを生じさせる。得られるエアロゾル雲318は、次いで、例えば、雲または対象者の移動によって、または吸入によって消費され得る。
【0043】
図8を参照すると、力発生器としてハンドポンプを備えるプロトタイプを構築した。このプロトタイプを用いて、手動のエアロゾル発生装置を用いる乾燥ミント粒子のエアロゾル化および放出を行った。
【0044】
図9A〜9Dを参照すると、食品送達装置350は容器352を備える。容器352は、安定に支持面(例えば、床または卓)上に容器を支持するように構成された基部354を有する。エアロゾル発生装置356は、容器352の内側キャビティ358に配置されている。エアロゾル発生装置356(図10A〜10Dに、より詳細に示す)は、煙霧発生器362を受け入れる頂開放部を有する透明なプラスチックケース360を備える。煙霧発生器は、例えば、超音波発生器または圧電発生器である。
【0045】
図11を参照すると、食料品は、食品送達装置350のエアロゾル発生装置356のケース360に配置可能である。発生器が作動されると、食料品はエアロゾル化され、幾つかの場合、エアロゾル発生装置356の場合、ケース360の頂開放部を通じて容器352の内側キャビティ358へと通過する。幾つかの場合、エアロゾル混合物は充分に密であり、エアロゾル混合物は、ほぼ容器352内に存在する。容器352は、支持面上に位置する基部354と共に食品送達装置350が配置されるとき、基部から垂直方向に離れた内部キャビティ358まで容器を通じて延びている、上側の開口部を有する。幾つかの場合、容器の上側開口部はカバーで閉まっている場合がある。
【0046】
食品送達装置は、他の外側形状を有するように形成されることも可能である。図12A〜12Gを参照すると、同様の食品送達装置400の十二面体形の容器410がエアロゾル発生装置412を受け入れている。図13を参照すると、使用時には、食品送達装置400は、開放面を真っ直ぐ上方へ配向させて配置可能である。図14を参照すると、使用時には、食品送達装置400は、開放面を支持面に対し一定の角度で上方へ配向させて配置可能である。
【0047】
送達機構を用いて、エアロゾルまたはエアロゾルの一部を使用者へ運ぶことが可能である。一部の実施形態では、送達機構は上述のようにマウスピースからなる。エアロゾルは送達装置から離れて発生してもよいので、送達装置は、上述のように吸入時に口内の表面にエアロゾルを配向させる気流配向要素を有するマウスピースからなってもよい。一部の実施形態では、例えば、エアロゾルを閉じ込める構造または装置と干渉せずにエアロゾルにアクセスすることをより容易にするために、送達装置がより長いことが便利である。一部の実施形態では、送達装置は長尺状のマウスピースである。一部の実施形態では、送達装置は、マウスピースの長さを延長するように本質的に機能する分離した装置(例えば、中空の円筒)に接続されたマウスピースである(幾つかの場合、この装置は、他の使用者と同じ延長装置を用いつつ、使用者がその人自身のマウスピースを用いることを可能とすることができる。これは、複数の長いマウスピースの製造(高価な場合がある)を必要とすることなく、複数の人々がエアロゾルを味わうための衛生的な手法であると考えることができる)。一部の実施形態では、送達装置は「食品ストロー」である。
【0048】
一部の実施形態では送達装置は直接的に用いられることが可能であるが、他の実施形態では、さらにエアロゾル雲のより小さな部分を閉じ込めるために、エアロゾル発生後(または発生中)かつ送達前に追加の中間工程を実行することが可能である。この構成によって、エアロゾル雲の濃縮された部分と送達装置との近接度が高まることが支援され、検出可能および/または評価可能な味を向上させる、場合によっては検出および/または評価が可能となる。これにより、消費前に個々の「部分」に雲を分離することによって、1回のエアロゾル発生装置の商用使用に関する衛生上の懸念(現実であれ錯覚であれ)に部分的に応じられる。
【0049】
例えば、エアロゾル発生装置の存在するポットまたは他の容器(例えば、液体食料品内の超音波装置)では、エアロゾル雲は、グラス、シャンパンフルート、スープレードルなど、より小さな容器へ収集可能であり、次いで、このより小さな容器と共に送達装置(例えば、マウスピース)を用いることが可能である。例えば、マウスピースはグラスその他の容器内に配置可能であり、吸入によって、このグラスまたは容器内の雲が使用者の口に送達される。マウスピースの気流配向要素は、口内表面に粒子を配向させ、粒子がさらに呼吸器官へと進み続ける程度を制限するのを支援する。
【0050】
分離した液体エアロゾル発生装置(例えば、圧電源および/または超音波源を用いる)の一定の実施形態では、通常、雲の範囲を充分に越えて到達する、相当数のより大きな液滴が存在する。したがって、雲から食料品を消費しようという試みによって、通常、消費者がそれらの液滴によって打たれるのを避けることを可能とする機構(例えば、それらの液滴を源の近傍においてブロックすることによって、雲から一定の距離に留まることによって、および/または、液滴に対する消費者の曝露を最小化する送達装置を用いることによって)の使用が促される。
【0051】
超音波源の上方において格子(ポアサイズが、問題を生じるより大きな液滴より小さく、かつ、雲の液滴より大きい)を使用する試みは、失敗であることが分かった。雲の液滴は、ポアを通じて適合させることが可能であったものの、全体として、容易に格子を越えて移動し大きく密な雲を発生させるのに充分な運動エネルギーを有していなかった。
【0052】
有効であり得る1つの解決手段は、より大きな液滴が外に突出するのを防止する一種のカバーを雲の上に備えることである。一部の実施形態では、このカバーの概念は、容器全体を通じて、使用の直前に除去されるより大きなカバーを配置することによって、実現可能である(例えば、図11を参照)。一部の実施形態では、容器の別の表面または側面は超音波源の位置の上方に幾らか延びることが可能であるので、一部の突出する液滴をブロックすることが可能である。一部の実施形態では、側面の開口部または空間を介して雲に
対するアクセスが可能である(例えば、図14を参照)。一部の実施形態では、超音波源は、容器の側面または装置全体の非開放部分に面するように一定の角度に配置可能であるので、開口部の外または開放側面の外にではなく、主として対応する対向する側面に液滴を突出させる(例えば、図13を参照)。
【0053】
これらの実施形態に対し、容器が様々な寸法および配向を有するシステム、および/または様々な寸法、形状、および配向を有するカバー(装置の残部に取付けまたは接続が行われても行われなくともよい)の存在するシステムを含む、多くの均等物が可能である。全体として、雲が容易に形成されることを可能とするように、源から一定の距離に配置され、より大きな液滴が突出することを防止する任意の形態の中実面の存在は、本明細書に記載の実施形態に対する変形であると考えられる。
【0054】
代替の一解決手段は、一定な距離における消費を可能とする送達装置の使用である。例えば、気流配向要素を有するマウスピースを用いることが可能である。一部の実施形態では、マウスピースは、より長い距離を通じた送達のために、長尺状とされ、「ストロー」として機能することが可能である。一部の実施形態では、長尺状のマウスピースは2つの部分、すなわち、マウスピースおよび延長部からなってよい。例えば、マウスピースは気流配向要素を有してもよく、一定の直径および長さの円筒を組み込んでもよい。この延長部は、例えば、マウスピースと接続(例えば、嵌合、スナップ、螺合など)してもよく、同様の直径を有してもよく、一定の長さであってもよい。この後者のシステムでは、マウスピースおよび延長部は独立に交換されてよい(例えば、各使用者は1つのマウスピースを有し、各々順番に、同じ延長部を用いてよい)。
【0055】
エアロゾル化の活性化および食料品の送達
エアロゾル発生装置は、所望の特性(すなわち、粒子寸法、空中伝達時間/浮遊継続時間、放出用量など)のエアロゾルを生成可能な任意の装置である。エアロゾル発生装置に加えて、追加の気流制約装置、エアロゾルが収容されている密閉空間、吸入器における空気通路、マウスピース、気流配向要素その他、対象者の口へのエアロゾルの送達を可能とする、容易とする、または最適化する装置または構造など、送達装置が存在してもよい。例えば、図2A〜6にはカプセルおよびキャップを示すが、これは、多くの実施形態では、食料品容器として機能し、エアロゾル発生装置(主として格子からなる)を組み込んでいる。多くの実施形態では、カプセルおよびキャップは互いに接続され、また気流配向要素を有するマウスピースに接続され、マウスピースが送達装置として働く。
【0056】
重力および慣性力を制御することによって、一部の実施形態では、気流配向要素によって、エアロゾル雲がほぼ口内の表面まで送達されるが、さらに呼吸器官へと降りて行かないことが分かった。この技術の態様は、食品エアロゾルの数々の潜在的な用途に極めて関連している。実際、同じそうした送達装置によって、咳や、口を越えて呼吸器の表面と相互作用する可能性を最小化または除去しつつ、多数の様々な手法により発生される広範囲の食品エアロゾルを消費者に送達することが可能である。
【0057】
この技術に関連した装置または構造の設計では、咳込み、えづき、その他、エアロゾルに対して好ましくない反応を生じる傾向を減少させることを考慮したり、試みたりしてもよい。
【0058】
これらの装置および関連する装置(食品収容装置など)は、様々な異なる手法により具体化可能である。本明細書に記載の装置は例示を目的としている。
食料品のエアロゾル化と、それに続く得られたエアロゾル化食料品の送達とは、次に限定されないが、呼吸、装置の活性化、身体の移動、エアロゾルの移動、およびそれらの組み合わせからなる動作を含む、様々な手段によって生じてよい。例えば、そうした動作は
、次のうちの1つ以上を含んでよい。すなわち、
a)呼吸の動作(例えば、マウスピースでの吸入によって、エアロゾル発生装置への食料品の暴露と、エアロゾル化された食料品の口への送達とを生じる);
b)装置活性化の動作。次に限定されないが、少なくとも部分的には食料品をエアロゾル化することを支援するかその原因となる、超音波源の活性化、ポンプの作動、圧縮空気源の活性化、インペラの活性化、容器の穿孔、空気通路の開放を含む(このようにして形成されたエアロゾルは、ほぼ密閉された空間(例えば、スペーサ)に存在してもよく、ほぼ開放された空間に存在してもよい(例えば、空気中または密閉構造中の「雲」として));
c)エアロゾル「に対する」または「に向かった」呼吸の動作(エアロゾルは、例えば、スペーサ装置に収容されていても、雲として自由に浮遊していても、より大きな構造内に収容されていてもよい)。ストロー、マウスピースその他の装置の使用によって行われることで、ほぼ口中に食品を堆積させる;
d)歩行または体を傾けることなど、身体的な移動の動作(場合によっては、特定の手法で、口、舌、その他の身体部分を配置または位置させることと共に)。対象者の口をエアロゾル雲またはその一部に暴露することによって、ほぼ口中に食品を堆積させる;
e)エアロゾル移動の動作。例えば、気流、熱または気圧の勾配、慣性衝突、拡散、または重力によって引き起こされ、対象者の口をエアロゾル雲に暴露するようにエアロゾル雲またはその一部をある位置に持ってゆくことで、ほぼ口中に食品を堆積させる(エアロゾルの移動によって粒子濃度の稀釈と雲の拡散が生じる場合であっても);
f)装置活性化、装置使用、空間制約、気流閉じ込めなど、または、特定の構成、形状などにおける口、唇、舌、顎、頭、その他の身体部分の配置または位置決めの追加の動作、または適切に食料品をエアロゾル化すること、送達すること、および/または味わうことを支援する他の追加の動作(例えば、食品ストローの使用、収容チャンバの開閉、気流を逸らすように舌を持ち上げることなど)。そうした動作を用いて、咳込み、えづき、その他、食料品に対して好ましくない反応を生じる傾向を減少させることを支援することができる。
【0059】
本明細書においてなされる粉体、液体、エアロゾル、雲などに対する参照はすべて、粉体、液体、エアロゾル、雲などの全量の一部または部分に対する参照に等しい。
この装置自体が1回の使用(例えば、使い捨て)または多数回の使用のために設計されてもよく、例えば、用量カプセルが交換されるか、用量チャンバが再充填される。これに代えて、または加えて、装置の一部(例えば、マウスピース、食品収容装置、カプセル、および/またはキャップ)が使い捨てであってもよい。一部の実施形態では、装置は、食料品をエアロゾル化するための力発生機構(ポンプまたは圧縮空気源など)を組み込んでもよい。一部の実施形態では、装置は推進剤を組み込んでよい。
【0060】
一部の実施形態では、1つの短期間の工程(例えば、1つの吸入トリガ装置に対し1つの吸入)により、複数の別個の工程(例えば、1つの吸入トリガ装置上に対し複数の吸入)により、より長期間の連続的な工程(例えば、開放された外気においてエアロゾル雲を維持する)を通じて、食料品のエアロゾル化および/または送達を行うことが意図されているか否かに応じて、装置は、「1回作動」、「反復作動」、または「連続作動」のエアロゾル化および/または送達のために設計されてもよい。ここで「工程」とは、装置が食料品のエアロゾル化および/または送達を行う同時のおよび/または連続する処理の任意の組み合わせを指す。装置が一度に1人の対象者による使用を意図しているか複数の対象者による使用を意図しているかを含む多くの要因によって、特定の実施形態に対しこれらの一連の(存在する場合)工程のいずれが適切であるかの判定が支援される。
【0061】
また、この装置は、エアロゾルおよび/または用量に対する視覚効果、制御またはその両方を強化するために、スペーサ、照明、弁などの追加物を備えてもよい。これらの追加
物が、エアロゾルの吸入体験を強化してもよい。
【0062】
一部の実施形態では、装置全体の本体または装置の一部が、クッキー、クラッカー、チョコレート、または砂糖製品など、可食/摂取可能な物質から製造されてもよい。これによって、エアロゾル送達中または後に、装置を楽しむことが可能となるので、全体的な体験が強化される。
【0063】
一部の実施形態では、装置は、乾燥粉体吸入器(DPI)または計量式吸入器(MDI)など、吸入器または吸入の装置に類似していてもよい。すなわち、超音波源を保持し、超音波源によって発生したエアロゾル雲を幾らか閉じ込める「ポット」エアロゾルの放出および/または循環を行う「噴水(fountain)」、手持ち式のポンプ装置、圧縮空気装置、食品ストロー装置、多人数用の公共装置、卓上用装置、などである。プラスチック(例えば、ポリカルボナート(比較的頑丈である)、ポリプロピレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン、ポリエチレンなど)、様々な金属、ガラス、ボール紙、硬質紙など、様々な物質を用いて装置を形成することができる。
【0064】
一部の実施形態では、エアロゾル化された食料品は、呼吸器官への侵入が制限されるのに充分な寸法であり、かつ、空気中に浮遊することを可能とするのに充分小さな寸法である。一部の実施形態では、粒子寸法は予め霧化される、ほぼ固体の食料品(例えば、一定の実施形態のカプセル/キャップの内部に配置される食料品、またはエアポンプまたは圧縮空気源に関連して用いられる一定の乾燥食料品)の製造要件であってよい。一部の実施形態では、粒子寸法は、エアロゾル発生時にのみ霧化される(ほぼ液体の)食料品(例えば、エアロゾル雲を発生させるための超音波源に関連して用いられる食料品)のためのエアロゾル発生装置の要件であってもよい。
【0065】
一部の実施形態では、エアロゾル化された食料品の平均寸法は、少なくとも1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、70、75、80、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300、325、350、375、400、425、450、475、または500マイクロメートルである。一部の実施形態では、エアロゾル化された食料品の平均寸法は、500、450、400、350、325、300、275、250、245、240、235、230、225、220、215、210、205、200、195、190、185、180、175、150、140、130、120、110、100、90、80、70、60、50、40、30、20、または10マイクロメートル未満の寸法である。上述の量の中間の範囲(例えば、約50マイクロメートル〜約215マイクロメートル)も、本発明の一部であることが意図される。例えば、上述の値の組み合わせを上限および/または下限として用いる値の範囲も、含まれることが意図される。
【0066】
特に、排他的ではないが、摂取が吸入による一部の実施形態では、最小粒子寸法は、本手法の重要な特徴である。食品エアロゾル粒子は、ほぼ口へ送達され堆積される(例えば、重力または慣性衝突によって)が、さらに呼吸器官(例えば、気管または肺)へは容易に送達されず、ほぼ堆積されないように設計されている。そうした食品粒子は、したがって、肺への侵入に焦点を合わせる粒子より大きな寸法(すなわち、約10マイクロメートルより大きな寸法)を有するだろう。例えば、図5〜図17に(部分的または全体的に)示す装置など、呼吸で作動する吸入器様の装置で発生するエアロゾルは、エアロゾル粒子の寸法がより大きくなければ(また送達装置の気流配向要素がなければ)、相当容易に吸
入された空気に続いて肺に向かう。
【0067】
特に、排他的ではないが、摂取がエアロゾルの対象者の移動(例えば、エアロゾル雲による)による一部の実施形態では、最大粒子寸法は、本手法の重要な特徴である。実際、エアロゾル雲は、口への移動を発生させるように、少なくとも短時間は空気中に浮遊したままである必要がある。したがって、粒子は、空中から急速に落ちないように、それほど大きくない必要がある。これは、粒子を空気中に保持する力および/または機構に大きく依存する(例えば、慣性、拡散などの「自然」の力のみによって、または、インペラ、気流、対流などの追加の力によって)。したがって、一部の実施形態では、粒子は、通常の浮遊力および機構の下では、約500マイクロメートル未満である必要がある。例えば、液体食料品中の超音波源は、対流が最小限で、重力、拡散、慣性衝突、その他の力と平衡している限り、空気中に浮遊したまま留まる、停滞するエアロゾル雲を発生させることが可能である。
【0068】
装置および摂取方法の特定のパラメータは、エアロゾルの摂取が発生するとき、対象者が「吸入しているか」または「食べているか」を部分的には判定する。これは、一般に、(1)吸入された空気を介してエアロゾルが対象者の口および/または喉に入っているか否か(生理学的には、喉頭蓋が肺に向かう気管へ空気を配向しているとき)または別の方法(エアロゾルまたは対象者の移動など)によってエアロゾルが対象者の口に入っているか否か、および(2)エアロゾルは(最終的に)飲み込める食品の一種であると対象者が予想しているか否か(生理学的には、喉頭蓋が気管への通過を阻んでいるとき)に相当する。いずれの場合にも、食料品は、口に堆積した後、他の典型的な食料品のように最終的にはほぼ飲み込まれ消費されることが留意される。
【0069】
吸入によってエアロゾルが発生する装置(例えば、図5、6、および20に示す装置)の一部の実施形態では、適切な寸法の比較的乾燥した固体の食品粉体を食料品として用いることが可能である。予備試験では、エアロゾル化された食料品の摂取によって得られる味覚と咳をする反射の可能性とにおいて、使用した乾燥粉体の水溶性が一定の役割を担うことが示されている。より速やかな水溶性を有する傾向にある粒子の粉体(粉砕チョコレートバーまたは一定のチョコレートベースの粉体など)では、舌および口内の他の表面に粒子が接触すると、一般に好ましい反応が生じる。粉砕チョコレートバーの場合、例えば、この効果は、一部の場合には、人の口中で非常に速やかに溶けるチョコレートを感知する効果と同様である。それよりも水溶性が低い粒子(一定の粉砕ココアベース粉体製品など)では、より不快であると思われる傾向があり、口が乾燥する感覚や咳など、より好ましくない反応を誘発する可能性が高い。しかしながら、一部の例では、割合を変化させて両方の種類の粉体を組み合わせることで、興味深い複雑な風味が提供される。
【0070】
液体のエアロゾルが発生する一部の実施形態(図9A〜図14に示す装置など)では、エアロゾル発生装置およびエアロゾル送達装置は、有意な味覚を誘発するのに充分なエアロゾル量および/または濃度を有する必要性による制約を受ける。したがって、一部の実施形態では、エアロゾル雲の密度、および1回の吸入その他の1回の送達工程において消費されるエアロゾルの量は、味わう使用者の感度、食料品、および他の多くの条件に応じた、最低閾値より大きい必要がある。
【0071】
液体のエアロゾルが発生する(例えば、液体食料品中の超音波源を用いて)一部の実施形態では、源が有効にエアロゾルを発生させるには、液体に浮かぶ粒子(例えば、液体がコロイド性の場合)は、発生するエアロゾル粒子の寸法より一般に小さい必要がある。加えて、液体エアロゾルの一部の実施形態(例えば、液体食料品中の超音波源を用いる一部の実施形態)では、界面活性剤は所望の味覚を発生させるのに重要な役割を担うことはない(予備試験では、ワインの場合が該当する)。これは、エアロゾル化によって界面活性
剤が食料品の残る部分から分離して、液体における界面活性剤の割合がより大きくなり、したがって、雲における食料品の真の風味を歪める他の食品成分の割合がより大きくなる(例えば、ワインの場合、酸性物質がより多くなる)ためである。
【0072】
エアロゾル粉体を含む食料品
吸気時に肺へ進入する粒子はほとんどまたは全く存在しないように、エアロゾル化が可能であり(500マイクロメートルより充分に大きな粒子は外力に支持されない限り速やかに空中から落下する)、さらに充分に大きな粒子(ほぼ1、2、3、4、5、10、または20マイクロメートルより大きい)を有する食品形態を設計することによって、発明者らの技術では口への堆積および送達が行われる。理想的には、粒子は、例えば、約50%以上、約60%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上、約95%以上、約97%以上、または約99%以上の粒子が口中に堆積され、さらに呼吸器官へと達しないように、設計(寸法決定)される。粒子の設計では、咳込み、えづき、その他、エアロゾルに対して好ましくない反応を生じる傾向を減少させることを考慮してもよい。
【0073】
乾燥した粉体粒子は、数々の様々な方法を通じて形成可能である。最初に、食料品を脱水してもよい。これに代えて、または加えて、食品がより大きな展性を有するか、液体ベースの食品である場合、続く粉砕または切断を容易にするように、最初に食品を凍結させてもよい。食料品は、続いて、適切な寸法の食品粒子を形成するように粉砕される。食料品の粉砕は、乳鉢および乳棒の使用によって実行可能である。これに代えて、または加えて、食料品は、例えば、機械式または電気式のグラインダ、ナイフなどを用いて、切断されてもよい。得られた粉砕または切断された食品粒子は、続いて、適切な粒子寸法を得るように、篩を通じて(例えば、手作業で、電気式または機械式の篩振動機を用いて、エア選別機(air classification system)によって、スクリーニングシステムによって)選別されることが可能である。別の手法は、より大きな粒子を所定の寸法へと粉砕する粉砕機(powder mill)を用いることである。噴霧乾燥(水と乾燥させる物質との混合物を、ノズルを通じて高温のドラムへと押しやり、その物質に付着している水滴を即座に蒸発させる)を利用してもよい。これらの方法(他の方法に加え)によって、エアロゾル化が可能であるが、容易に口や喉を通過して呼吸器官まで進み続けないためには充分に大きな、特定の寸法の粒子を形成することが可能となる。
【0074】
これらの乾燥した粉体粒子は、チョコレート、コーヒー、またはトリュフなど単一の食品または成分からを形成されてもよく、1つの料理または食事を表す組み合わせなど、複数の食品または成分の組み合わせ(例えば、果物の取り合わせ、または肉とジャガイモ)から形成されてもよい。チョコレート、チョコレートバー、チョコレート粉末、ココア粉末、および他の形態、ならびにココア作物に由来する様々な食品を用いることもできる。加えて、一部の場合、他の味または感覚(例えば、天然または人工のチョコレート、ラズベリー、マンゴー、ミント、バニラ、シナモン、カラメル、および/またはコーヒーの風味)を生じさせるように、香辛料および他の(天然のまたは人工の)調味料を、単独で、またはそうした食品成分と組み合わせて用いることもできる。これに加えて、装置は、1回の用量の食料品を収容してもよく、複数回の用量/部分の食料品を収容しているかもしれない。加えて、それらは、例えば、溶解した固形物を抽出すること、または他の固体成分を用いることによって、ほぼ液体の製品から製造されてもよい。一部の実施形態では、正常な摂取と比べて少ない量の実際の食料品しか用いずとも、風味を体験することが可能である。加えて、様々な粉体を混合することによって、新たな風味を作成することが可能である。
【0075】
また、食品エアロゾルは、エアロゾル化されている(例えば、液体の食料品に連通した超音波源によって、またはスプレー缶(「エアゾール缶」)もしくは噴霧器における液体および気体に対するものと同様の「スプレー」機構によって)液体であってもよい。そう
した液体は、何らかの手法によって味を保持または強化し送達することの可能な食料品の濃縮物、添加物、抽出物、または他の形態であるように、またはそうした形態を含むように、様々な過程によって調製されてよい。
【0076】
また、液体のエアロゾルが、液体食料品の容器内に配置された振動圧電板など、超音波装置によって発生されてもよい。
使用される食料品および装置に応じて、食料品は、タブレットまたはピルの形態で、ブリスターパック中に、カプセル内に、簡単にはジャー状容器中の粉体として、および/または平皿、箱、コンテナ、魔法瓶、瓶などに、貯蔵および/または収容されてよい。
【0077】
一部の実施形態では、適切に設計され、適切に寸法決定された粒子を用いて、香りを送達することが可能であり、このことが本明細書に記載の実施形態に加えて(すなわち、エアロゾル化された食料品を美観の体験を強化するように送達することに加えて)、または独立に利用されてよい。
【0078】
なお、本明細書を通じて用いられる「食料品」、「エアロゾル」、「粒子」およびその他の類似の用語は、通常、食品に由来する小さな固体粒子を参照しているが、幾つかの場合には、それらの用語が本明細書に記載の他の食品由来製品を参照していることがある。
【0079】
エアロゾルの他の潜在的な特性
時間および/または空間を通じて変化し得る湿度その他の周囲の大気条件を用いて、時間または場所に依存したエアロゾルの変化、および/または対象者において開始する知覚の検出および伝達の変化を生じさせることが可能である。これらの条件によるトリガによって、粒子が、異なる味の、香りの、空気力学的な、化学的な、物理的な、幾何学的な、および/または他の特性を有してもよく、それによって、粒子の味、質感、色、寸法、エアロゾル化能、および/または他の態様が変化してもよい。
【0080】
そうした条件によるトリガの目的は、一般に、対象者に、より興味深く、より動的な体験を生じることである。このトリガは、大気条件の閾値(例えば、50%を越える湿度)に達することに依存してもよく、または対象者に関連した閾値に依存してもよい。大気条件によって、エアロゾル粒子自体が変化してもよく、エアロゾル粒子が対象者の知覚機構に対し異なって相互作用するようにされてもよく、その両方であってもよい。例えば、低湿度の空気では、エアロゾルが1つの化学的/物理的な状態を有することによって、第1の味が与えられ、高湿度の空気では、エアロゾルが別の化学的/物理的な状態を有することによって、第2の味が与えられる。別の例として、エアロゾル化されたエアロゾルは、最初は味および/または香りを有しなくてもよく、一定の食料品を想起させる最初の味および/または香りを有してもよい(これは、例えば、口を通じたエアロゾルの摂取の前に、臭覚系を通じて対象者によって最初に検出されてもよい)。しかして、エアロゾルが口を通じて取り込まれた後、口の周囲環境によってエアロゾルの変化が生じ、味および/または香り、または別の食料品を想起させる新たな味および/または香りが与えられてよい。時間を通じて、しかしながら、依然として食料品が口中にあるときに、食料品は変化を続け、対象者に対し異なる知覚を誘発する。このような機構を用いて、前菜に、主菜、デザートが続くものなど、様々なコースの食事を連続的に食べるという印象を生じさせることが可能である。
【0081】
空中伝達時間/浮遊時間
特定の実施形態に応じて、食料品は様々な継続時間においてエアロゾル形態(空中にある)であることが可能である。例えば、吸入器式の装置の場合、食料品は、通常、吸入および摂取の生じる時間にのみ空中にあり、この時間は、例えば、約1/2秒以内、約1秒以内、約3秒以内、約5秒以内、約8秒以内、約10秒以内、約15秒以内、または場合
によってはそれより長い期間であってよい。これに代えて、エアロゾル雲を生成することによって食品送達装置が動作する場合、食料品は、例えば、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、もしくは60秒、または少なくとも約2、5、10、15、20、30、45、60、90、120、もしくは180分の間、空中に浮遊していてもよい。例えば、エアロゾル雲の機械的な撹拌(例えば、対流による)は、エアロゾル雲が浮遊している時間を増加するように機能することが可能である。
【0082】
用途
発明者らの装置は、食品がどのように体験されるかを変換して、食品の強化された美観の体験を可能とすることができる。例えば、この装置は、例えば、食品の雲で充填された空間、浸漬用チャンバ(immersive chamber)、および食品ストローに対象者を曝露することによって、対象者に食品を体験させることが可能である。実際、企業、レストラン、およびナイトクラブにおいて、そうした「食品体験」を提供することが可能である。
【0083】
一部の実施形態では、発明者らの技術は、別個の、手持ち式の、および/または携帯型のエアロゾル化された食品に対象者を曝露することによって、対象者に食品を体験させることが可能である。一部の実施形態では、発明者らの技術は、キャンディーを食べることまたはたばこを喫煙することと同様に、社会的なコンテキストによっても、および/または社会的なコンテキストに関連付けられてもよい。例えば、一部の実施形態は、ほぼ一日を通じて実行され、様々な時点で用いられてもよく、複数の使用者によって同時に用いられてもよい。
【0084】
様々な他の実施形態では、この技術は、例えば、1回用のエアロゾル発生装置が複数の送達装置に関連付けられている実施形態(気流配向要素を有する独立したマウスピース装置を各々用いる複数の対象者に対し呼吸動作によって送達される液体エアロゾル雲を閉じ込めているポット状の容器など)では、複数の対象者が食品エアロゾルを認識しているときに公共の体験を有することを可能とすることができる。
【0085】
加えて、この装置は、噛むことのできない対象者または食品の送達が簡単ではない対象者に栄養を与えるように機能することが可能である。例えば、食品送達装置は、噛むことや食品の摂取が簡単でない高齢者または幼い子供に有用な場合がある。加えて、特定の手法により(例えば、栄養管または静脈によって)食事を取らされることの必要な病状の人々にも、食品を体験し味わう一手法として、本発明の一定の実施形態が用いられてよい。
【0086】
また、この装置は、好ましい味でない場合のある治療薬の摂取を容易にするよう機能することも可能である。治療薬の送達(例えば、経口的な)と共に用いられる場合、この装置は、治療薬の風味を覆い隠す追加の風味を提供することが可能である。
【0087】
これに代えて、提案の食品送達装置は、体重管理または中毒緩和の用途に用いられてもよい。例えば、食品送達装置は、対象者に比較的小さいもしくは無視できる量の食料品または一定の不健康な物質もしくは習慣性の物質を消費させることが可能であり、この装置を介する食品粒子への曝露は、通常ではより大きな量の問題の食品または物質の消費に関連した感覚または満足感を提供することによって、より大きな量の物質を実際に消費することによる(否定的な可能性のある)結果なしで、空腹または習慣性の衝動を満たすことができる。実際、食品送達装置によって、食餌療法、体重管理、および健康な食事プログラム(例えば、甘い物、脂肪性食品、チョコレート、およびカフェインに対する渇望感を満たすことにより)や、中毒の治療(例えば、アルコール、喫煙、薬物に対する衝動を、ただし充分に小さな、ほとんど有害でない量で満たすことによる)の基盤を形成すること
ができる。
【0088】
加えて、食品送達装置は、例えば、特別な食事制限を受けている人々に関し、生活の質を改良するために用いることもできる。例えば、食品送達装置は、特定の製品を消費することが通常妨げられているアレルギー疾患(例えば、グルテン・アレルギー)または他の病状(例えば、乳糖不耐症)の人々に、通常ではより大きな量の問題の食品または物質の消費に関連した感覚または満足感を提供しつつ、アレルギーまたは身体的な反応を引き起こすことなく、比較的小さいまたは無視できる量のそれらの製品を消費させることができる。
【0089】
これに加えて、食品送達装置は、単純かつ効率的な手法により、数々の品物の味を試験するための手段として機能することが可能である。例えば、あるレストランの得意客は、選択を行う前に、メニューの様々な料理の味を試すことが可能である。これに加えて、料理人は、レシピの調理中または設計中に食品送達装置を用いて食品の組み合わせを試すことができる。同様に、この装置は、調理の教授の補助として、対象者に対する国際的な「お食事」の体験として、子どもに食品について教える一手法としてなど、機能することもできる。
【0090】
食品送達装置の他の有用な用途には、次に限定されないが、空腹の軽減(例えば、飢饉の緊急時)や動物の給餌が含まれる。
本発明の実施例
以下の実施例は本発明の例示となることが期待されるものであり、本発明の範囲を限定するものでは全くない。
【0091】
[実施例1]
1回作動の粉体吸入器からの食品エアロゾル化における理想的な粒子寸法の決定を支援するために、初期平均粒子寸法がほぼ140マイクロメートル以上であるミント粉末試料を使用した。乳鉢および乳棒を用いて、乾燥したミント粉体を粉砕した。平均粒子寸法は、〜11マイクロメートル程度まで減少した(HELOS−RODOS粒子寸法決定システムを用いて決定した)。異なる寸法の粒子を、異なる寸法の3つのカプセルに配置し、手持ち式の吸入器により試験した。
【0092】
結果
平均粒子寸法がほぼ140、111、72、40、18、および11マイクロメートルであるミント粒子の試料を用いて、試験を行った。カプセル(各々、約30〜120mgのミントを収容)をエアロゾル化器に配置し、穿孔して、空気中へ粒子を放出するように吸入器を作動させた。大部分の粒子は放出後5秒以内に落ちることが分かったが、その割合は試料の粒子寸法が減少するとともに減少した。平均粒子寸法がほぼ140、111、および72マイクロメートルの試験では比較的高く、平均粒子寸法がほぼ40、18、および11マイクロメートルの試験では比較的低かった。平均粒子寸法がほぼ18および11マイクロメートルの試験では、相当霧状な一様な雲柱が発生し、視覚的に識別される粒子はほとんどなかった。
【0093】
図15には、同じ試料からの4つの試行における密度分布および累積分布を示す。これらのデータでは、この特定の試料について、ほぼ87%の粒子が約10マイクロメートルより大きく、ほぼ79%の粒子が約20マイクロメートルより大きいことが示されている。これらの発見によって、脱水した食料品(ミント葉)から、通常、吸入時に口へと堆積する寸法(例えば、少なくとも18〜70マイクロメートルの間)のエアロゾル化された粒子を製造可能であることが示される。
【0094】
平均値がほぼこの範囲にある粒子の試料では、粒子のうち小さいまたは無視できる部分しか喉および肺に進入することがなく、粒子のうち相当な部分は、1回の吸入器作動の後、少なくとも5秒間は浮遊したままである。
【0095】
明らかに、少なくとも、より大きなエアロゾル化の力またはより連続的なエアロゾル化の力(連続的または断続的に動作するファンなど)を用いる限り、より大きな粒子寸法のエアロゾル化が可能である。
【0096】
[実施例2]
図16〜18に示すようなエアロゾル化された食品の送達装置は、エアロゾル化されたチョコレートを送達するように設計した。チョコレートを細かい粒子へ切断し、続いて寸法によって選別した。多くの容易に入手可能なチョコレートは、粉砕した場合、粒子に手を触れ過ぎない(そうすると、速やかに溶けて融合する)ように注意している限り、記載の送達装置においてエアロゾル化するのに充分に乾いたままであることが分かった。市販のチョコレートまたはココア粉末は、乾燥させておくことで、はるかに安定であることが可能となる(例えば、はるかに溶融しにくくなる)とともに、別のエアロゾルの味の体験を生じさせる際に有用な粉末となる。篩を用いると、特定の寸法範囲を選択することが可能であるので、(他の寸法範囲と同様)多数の粒子がほぼ125〜180マイクロメートルの範囲の直径を有する試料は、強い味およびエアロゾル化に適切であることが分かった。また、一定の粒子は、より深い呼吸器に達する前に空中から落ちる寸法(>10マイクロメートル)のものであっても、寸法が約100マイクロメートル以上に達するときであっても、咳をする反射を生じ得るが、これは、気流を配向するマウスピース要素によって顕著に減少されることも分かった(また、粒子の水溶性が咳をする反射を誘発する可能性において一定の役割を担う場合があることも分かった)。約180マイクロメートルより大きな粒子は、エアロゾル化することが次第に困難となり、単に小さな数片のチョコレートが舌の上に落ちたように味わわれ始める。
【0097】
充填手順を単純化するために、標準的なサイズ3(size 3)およびサイズ4(size 4)のカプセルが1回の吸入の「用量」に適切な量のチョコレート粉末を収容すると決定した。したがって、標準的な手動のカプセル充填機を用いて、送達装置の粉体隔室へ移送させるように、多数のそうした用量を調製することが可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品送達装置であって、
エアロゾル化された食料品を放出するためのエアロゾル送達装置を備え、
エアロゾル送達装置は、
入口から出口までの間に延びている流体流通路を形成するマウスピースと、
マウスピースの出口の面から離間されており、マウスピースの出口の軸に沿ったエアロゾル化された食料品の流れに対向するように配置された偏向部材と、を備える、食品送達装置。
【請求項2】
エアロゾル化可能な食料品を収容している貯蔵部をさらに備える、請求項1に記載の食品送達装置。
【請求項3】
貯蔵部は交換可能に構成されている、請求項2に記載の食品送達装置。
【請求項4】
貯蔵部はマウスピースと一体である、請求項2に記載の食品送達装置。
【請求項5】
エアロゾル送達装置は、マウスピースに取付けられたエンドキャップを備え、エンドキャップは、エンドキャップを通じて延びている1つ以上の吸気路を形成する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の食品送達装置。
【請求項6】
エンドキャップおよびマウスピースは共に、食料品を収容しているカプセルを受け入れるように寸法の決定された内部キャビティを形成している、請求項5に記載の食品送達装置。
【請求項7】
食料品を収容している交換可能なカプセルをさらに備える、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の食品送達装置。
【請求項8】
カプセルはエアロゾル発生装置を含む、請求項7に記載の食品送達装置。
【請求項9】
エアロゾル発生装置は格子を含む、請求項8に記載の食品送達装置。
【請求項10】
カプセルは、カプセルから食料品が流出することを制限する封止部を含む、請求項7乃至9のいずれか一項に記載の食品送達装置。
【請求項11】
封止部は除去可能または破壊型の封止部である、請求項10に記載の食品送達装置。
【請求項12】
食料品は液体を含む、請求項7乃至11のいずれか一項に記載の食品送達装置。
【請求項13】
食料品は乾燥した粉体を含む、請求項7乃至11のいずれか一項に記載の食品送達装置。
【請求項14】
食料品は対照をなす反応性を示す2つ以上の異なる食品を含む、請求項7乃至13のいずれか一項に記載の食品送達装置。
【請求項15】
エアロゾル送達装置、エアロゾル発生装置、および貯蔵部のうちの1つ以上は、可食部分を含む、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の食品送達装置。
【請求項16】
活性化装置をさらに備える、請求項1乃至15のいずれか一項に記載の食品送達装置。
【請求項17】
活性化装置は超音波装置または圧電装置を含む、請求項16に記載の食品送達装置。
【請求項18】
活性化装置はポンプを含む、請求項16に記載の食品送達装置。
【請求項19】
活性化装置は活性化当たり約5ミリグラム〜100ミリグラムの用量を放出するように構成されている、請求項16乃至18のいずれか一項に記載の食品送達装置。
【請求項20】
活性化装置は活性化当たり30ミリグラム以上の用量を放出するように構成されている、請求項19に記載の食品送達装置。
【請求項21】
活性化装置は活性化当たり50ミリグラム以上の用量を放出するように構成されている、請求項19に記載の食品送達装置。
【請求項22】
エアロゾル発生装置をさらに備える、請求項1乃至21のいずれか一項に記載の食品送達装置。
【請求項23】
エアロゾル発生装置は超音波装置または圧電装置を含む、請求項22に記載の食品送達装置。
【請求項24】
エアロゾル発生装置はポンプを含む、請求項22に記載の食品送達装置。
【請求項25】
手持ち式である請求項1乃至24のいずれか一項に記載の食品送達装置。
【請求項26】
卓上型または自立型のユニットである、請求項1乃至24のいずれか一項に記載の食品送達装置。
【請求項27】
食品送達装置であって、
食料品を貯蔵部の外へ輸送するように気流の通路に配置された食料品を収容している貯蔵部と、
空気および粉体の流れがエアロゾルを形成するように流れる、気流撹乱要素と、を備える食品送達装置。
【請求項28】
気流撹乱要素は格子を含む、請求項27に記載の食品送達装置。
【請求項29】
貯蔵部は、貯蔵部から食料品が流出することを制限する封止部を含む、請求項27または28に記載の食品送達装置。
【請求項30】
封止部は除去可能または破壊型の封止部である、請求項29に記載の食品送達装置。
【請求項31】
食品送達装置であって、
エアロゾル化された食料品を、出口を通じて放出するためのエアロゾル発生および/または送達装置と、
エアロゾル発生および/または送達装置に取付けられており、エアロゾル発生装置の出口に水力学的に接続された内部キャビティを形成する容器と、を備える食品送達装置。
【請求項32】
エアロゾル化可能な食料品を収容している貯蔵部をさらに備える、請求項31に記載の食品送達装置。
【請求項33】
貯蔵部は交換可能に構成されている、請求項32に記載の食品送達装置。
【請求項34】
活性化装置をさらに備える、請求項31乃至33のいずれか一項に記載の食品送達装置。
【請求項35】
活性化装置は超音波装置または圧電装置を含む、請求項34に記載の食品送達装置。
【請求項36】
活性化装置はポンプを含む、請求項34に記載の食品送達装置。
【請求項37】
エアロゾル発生装置をさらに備える、請求項31乃至36のいずれか一項に記載の食品送達装置。
【請求項38】
エアロゾル発生装置は超音波装置または圧電装置を含む、請求項37に記載の食品送達装置。
【請求項39】
エアロゾル発生装置はポンプを含む、請求項37に記載の食品送達装置。
【請求項40】
支持面上に容器を安定に支持するように構成されている基部を含む卓上型または自立型のユニットである、請求項31乃至39のいずれか一項に記載の食品送達装置。
【請求項41】
容器は、容器を通じて内部キャビティへ延びている開口部を形成し、開口部は、支持面上に位置する基部と共に食品送達装置が配置されるとき、基部から垂直方向に離れている、請求項40に記載の食品送達装置。
【請求項42】
粒子寸法の中央値が約1マイクロメートル〜500マイクロメートルであり、ヒトの口内の通常条件の下で速やかに溶ける粒子を含む、食料品。
【請求項43】
粒子は乾燥した粉体を含む、請求項42に記載の食料品。
【請求項44】
2種類以上の食品を含む、請求項42または43に記載の食料品。
【請求項45】
粒子は、湿度および他の大気条件における変化に対し、粒子自体の物理的または化学的な状態を変化させるように反応する、請求項42乃至44のいずれか一項に記載の食料品。
【請求項46】
対照をなす反応性を示す2つ以上の異なる食品を含む、請求項42乃至45のいずれか一項に記載の食料品。
【請求項47】
粒子は粉砕された乾燥食料品を含む、請求項42乃至46のいずれか一項に記載の食料品。
【請求項48】
粒子は液化された噴霧状の乾燥食料品を含む、請求項42乃至46のいずれか一項に記載の食料品。
【請求項49】
粒子の空気動力学的質量中央値、幾何学的寸法、またはその両方は5マイクロメートル以上である、請求項42乃至48のいずれか一項に記載の食料品。
【請求項50】
粒子の空気動力学的質量中央値、幾何学的寸法、またはその両方は10マイクロメートル以上である、請求項42乃至48のいずれか一項に記載の食料品。
【請求項51】
粒子の空気動力学的質量中央値、幾何学的寸法、またはその両方は40マイクロメートル以上である、請求項42乃至48のいずれか一項に記載の食料品。
【請求項52】
粒子の空気動力学的質量中央値、幾何学的寸法、またはその両方は100マイクロメートル以上である、請求項42乃至48のいずれか一項に記載の食料品。
【請求項53】
粒子の空気動力学的質量中央値、幾何学的寸法、またはその両方は140マイクロメートル以上である、請求項42乃至48のいずれか一項に記載の食料品。
【請求項54】
粒子の空気動力学的質量中央値、幾何学的寸法、またはその両方は180マイクロメートル以上である、請求項42乃至48のいずれか一項に記載の食料品。
【請求項55】
粒子の空気動力学的質量中央値、幾何学的寸法、またはその両方は250マイクロメートル未満である、請求項42乃至48のいずれか一項に記載の食料品。
【請求項1】
食品送達装置であって、
エアロゾル化された食料品を放出するためのエアロゾル送達装置を備え、
エアロゾル送達装置は、
入口から出口までの間に延びている流体流通路を形成するマウスピースと、
マウスピースの出口の面から離間されており、マウスピースの出口の軸に沿ったエアロゾル化された食料品の流れに対向するように配置された偏向部材と、を備える、食品送達装置。
【請求項2】
エアロゾル化可能な食料品を収容している貯蔵部をさらに備える、請求項1に記載の食品送達装置。
【請求項3】
貯蔵部は交換可能に構成されている、請求項2に記載の食品送達装置。
【請求項4】
貯蔵部はマウスピースと一体である、請求項2に記載の食品送達装置。
【請求項5】
エアロゾル送達装置は、マウスピースに取付けられたエンドキャップを備え、エンドキャップは、エンドキャップを通じて延びている1つ以上の吸気路を形成する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の食品送達装置。
【請求項6】
エンドキャップおよびマウスピースは共に、食料品を収容しているカプセルを受け入れるように寸法の決定された内部キャビティを形成している、請求項5に記載の食品送達装置。
【請求項7】
食料品を収容している交換可能なカプセルをさらに備える、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の食品送達装置。
【請求項8】
カプセルはエアロゾル発生装置を含む、請求項7に記載の食品送達装置。
【請求項9】
エアロゾル発生装置は格子を含む、請求項8に記載の食品送達装置。
【請求項10】
カプセルは、カプセルから食料品が流出することを制限する封止部を含む、請求項7乃至9のいずれか一項に記載の食品送達装置。
【請求項11】
封止部は除去可能または破壊型の封止部である、請求項10に記載の食品送達装置。
【請求項12】
食料品は液体を含む、請求項7乃至11のいずれか一項に記載の食品送達装置。
【請求項13】
食料品は乾燥した粉体を含む、請求項7乃至11のいずれか一項に記載の食品送達装置。
【請求項14】
食料品は対照をなす反応性を示す2つ以上の異なる食品を含む、請求項7乃至13のいずれか一項に記載の食品送達装置。
【請求項15】
エアロゾル送達装置、エアロゾル発生装置、および貯蔵部のうちの1つ以上は、可食部分を含む、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の食品送達装置。
【請求項16】
活性化装置をさらに備える、請求項1乃至15のいずれか一項に記載の食品送達装置。
【請求項17】
活性化装置は超音波装置または圧電装置を含む、請求項16に記載の食品送達装置。
【請求項18】
活性化装置はポンプを含む、請求項16に記載の食品送達装置。
【請求項19】
活性化装置は活性化当たり約5ミリグラム〜100ミリグラムの用量を放出するように構成されている、請求項16乃至18のいずれか一項に記載の食品送達装置。
【請求項20】
活性化装置は活性化当たり30ミリグラム以上の用量を放出するように構成されている、請求項19に記載の食品送達装置。
【請求項21】
活性化装置は活性化当たり50ミリグラム以上の用量を放出するように構成されている、請求項19に記載の食品送達装置。
【請求項22】
エアロゾル発生装置をさらに備える、請求項1乃至21のいずれか一項に記載の食品送達装置。
【請求項23】
エアロゾル発生装置は超音波装置または圧電装置を含む、請求項22に記載の食品送達装置。
【請求項24】
エアロゾル発生装置はポンプを含む、請求項22に記載の食品送達装置。
【請求項25】
手持ち式である請求項1乃至24のいずれか一項に記載の食品送達装置。
【請求項26】
卓上型または自立型のユニットである、請求項1乃至24のいずれか一項に記載の食品送達装置。
【請求項27】
食品送達装置であって、
食料品を貯蔵部の外へ輸送するように気流の通路に配置された食料品を収容している貯蔵部と、
空気および粉体の流れがエアロゾルを形成するように流れる、気流撹乱要素と、を備える食品送達装置。
【請求項28】
気流撹乱要素は格子を含む、請求項27に記載の食品送達装置。
【請求項29】
貯蔵部は、貯蔵部から食料品が流出することを制限する封止部を含む、請求項27または28に記載の食品送達装置。
【請求項30】
封止部は除去可能または破壊型の封止部である、請求項29に記載の食品送達装置。
【請求項31】
食品送達装置であって、
エアロゾル化された食料品を、出口を通じて放出するためのエアロゾル発生および/または送達装置と、
エアロゾル発生および/または送達装置に取付けられており、エアロゾル発生装置の出口に水力学的に接続された内部キャビティを形成する容器と、を備える食品送達装置。
【請求項32】
エアロゾル化可能な食料品を収容している貯蔵部をさらに備える、請求項31に記載の食品送達装置。
【請求項33】
貯蔵部は交換可能に構成されている、請求項32に記載の食品送達装置。
【請求項34】
活性化装置をさらに備える、請求項31乃至33のいずれか一項に記載の食品送達装置。
【請求項35】
活性化装置は超音波装置または圧電装置を含む、請求項34に記載の食品送達装置。
【請求項36】
活性化装置はポンプを含む、請求項34に記載の食品送達装置。
【請求項37】
エアロゾル発生装置をさらに備える、請求項31乃至36のいずれか一項に記載の食品送達装置。
【請求項38】
エアロゾル発生装置は超音波装置または圧電装置を含む、請求項37に記載の食品送達装置。
【請求項39】
エアロゾル発生装置はポンプを含む、請求項37に記載の食品送達装置。
【請求項40】
支持面上に容器を安定に支持するように構成されている基部を含む卓上型または自立型のユニットである、請求項31乃至39のいずれか一項に記載の食品送達装置。
【請求項41】
容器は、容器を通じて内部キャビティへ延びている開口部を形成し、開口部は、支持面上に位置する基部と共に食品送達装置が配置されるとき、基部から垂直方向に離れている、請求項40に記載の食品送達装置。
【請求項42】
粒子寸法の中央値が約1マイクロメートル〜500マイクロメートルであり、ヒトの口内の通常条件の下で速やかに溶ける粒子を含む、食料品。
【請求項43】
粒子は乾燥した粉体を含む、請求項42に記載の食料品。
【請求項44】
2種類以上の食品を含む、請求項42または43に記載の食料品。
【請求項45】
粒子は、湿度および他の大気条件における変化に対し、粒子自体の物理的または化学的な状態を変化させるように反応する、請求項42乃至44のいずれか一項に記載の食料品。
【請求項46】
対照をなす反応性を示す2つ以上の異なる食品を含む、請求項42乃至45のいずれか一項に記載の食料品。
【請求項47】
粒子は粉砕された乾燥食料品を含む、請求項42乃至46のいずれか一項に記載の食料品。
【請求項48】
粒子は液化された噴霧状の乾燥食料品を含む、請求項42乃至46のいずれか一項に記載の食料品。
【請求項49】
粒子の空気動力学的質量中央値、幾何学的寸法、またはその両方は5マイクロメートル以上である、請求項42乃至48のいずれか一項に記載の食料品。
【請求項50】
粒子の空気動力学的質量中央値、幾何学的寸法、またはその両方は10マイクロメートル以上である、請求項42乃至48のいずれか一項に記載の食料品。
【請求項51】
粒子の空気動力学的質量中央値、幾何学的寸法、またはその両方は40マイクロメートル以上である、請求項42乃至48のいずれか一項に記載の食料品。
【請求項52】
粒子の空気動力学的質量中央値、幾何学的寸法、またはその両方は100マイクロメートル以上である、請求項42乃至48のいずれか一項に記載の食料品。
【請求項53】
粒子の空気動力学的質量中央値、幾何学的寸法、またはその両方は140マイクロメートル以上である、請求項42乃至48のいずれか一項に記載の食料品。
【請求項54】
粒子の空気動力学的質量中央値、幾何学的寸法、またはその両方は180マイクロメートル以上である、請求項42乃至48のいずれか一項に記載の食料品。
【請求項55】
粒子の空気動力学的質量中央値、幾何学的寸法、またはその両方は250マイクロメートル未満である、請求項42乃至48のいずれか一項に記載の食料品。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図2G】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【図12E】
【図12F】
【図12G】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図2G】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【図12E】
【図12F】
【図12G】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公表番号】特表2011−505972(P2011−505972A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538005(P2010−538005)
【出願日】平成20年10月8日(2008.10.8)
【国際出願番号】PCT/US2008/079214
【国際公開番号】WO2009/079078
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(509100818)ル ラボグループ ソシエテ パール アクシオン サンプリフィエ (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月8日(2008.10.8)
【国際出願番号】PCT/US2008/079214
【国際公開番号】WO2009/079078
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(509100818)ル ラボグループ ソシエテ パール アクシオン サンプリフィエ (3)
【Fターム(参考)】
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